日記風覚え書き

2009年1月2月、3月

(2005年1-3月4-6月7-9月10-12月、2006年1-3月4-6月7-9月10-12月
 2007年1-3月4-6月7-9月10-12月、2008年1-3月4-6月7-9月10-12月


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2009年3月31日 営業再開のお知らせ

お客様各位

客室改装のため長らく営業を休止させていただいていた一鵯館ですが、この度、改装工事が無事完了し、営業再開の運びとなりました。これからも今まで以上にご贔屓頂けますよう、従業員一同お待ち申し上げております。
なお、併設予定の自然史図書館は、一部什器の手配が遅れている関係で、1ヶ月程度開館が遅れる予定でございます。再オープン記念の特別展示「卵から出てきたミニチュアな動物たち」展も、同様に遅れる事になってしまいました。関係のみなさまには大変ご迷惑をおかけしますが、ご了承くださいますようお願い申し上げます。

管理人

<一鵯館(通称:メゾン一鵯)>
JR天王寺駅、地下鉄天王寺駅、近鉄阿部野橋駅、いずれも南へ約4000m。
洋室スイート1室、ベットなし、トイレ・風呂あり、駐車場なし、食事なし(自炊可)、インターネットなし、テレビなし、冷暖房完備。
宿泊料 応相談(物納あり)。宿泊に際して面接あり(面接の結果、宿泊をお断りする場合がありますので、ご了承ください)。
禁煙(タバコの持込も認めません)。飲酒可(ただし夜遅くあまり騒がないこと)。


2009年3月29日 近所の公園での鳥の繁殖状況

コブハクチョウが巣をつくりはじめてどうなることかと思った近所の公園の池。コブハクチョウの巣は、あえなく水没してしまったらしい。本来浮き巣をつくる鳥ではないし、あの体重。水没するのも無理はないと思う。というわけで、浮き巣を目指している限り、コブハクチョウが繁殖する可能性は少ない感じ。陸上に巣をつくりはじめたら、注意するとしよう。

で、今度は、アオサギの営巣の話題が飛び込んできた。昨日の植物の観察会で見つかったのだという。鳥の観察会では気付かなかったのに怪しからん話である。最初は話だけだったので、後で見に行こうと思っていたら、別の人が写真を持ってきてくれた。確かにアオサギが巣をつくっているらしい。こちらは、このまま無事に繁殖に成功して欲しいとちょっと思う。
思うけど、アオサギがそれなりに繁殖するようになれば、カワウが繁殖を始めるのも時間の問題かもしれない。今でもカワウがけっこう目立ってるのに…。管理者にはアオサギが繁殖しても、たいして問題ないから暖かく見守ろうと言ったけど、カワウが繁殖を始めて樹が枯れ出したら追い出されるんじゃないかとも思う。
カワウ問題が身近に来るんだろうか?

なぜか、卒論生と一緒にカラスの繁殖もながめることになった今日この頃。もう一つ気になるのは、カラスの繁殖。いまの季節ならハシボソガラス。営巣中の巣が2つあるのは知ってるけど、もし他にもあるのを知ってたら、ぜひお知らせを。
というか、その卒論生は大阪市内全域のカラスの巣をできるだけたくさん見つけたいらしい。もし大阪市内で営巣中のカラスの巣を見つけたら、観察日と観察内容(巣材を運んでいたとか、巣の上に座っていたとか、ヒナが乗っていたとか)、及び詳しい場所をお知らせ下さい。後から現地確認に行くと思うので、場所は確認に行って見つけられるくらい詳しく、目印や樹種など付きでお願いします。


2009年3月28日 ウォーキングの練習

アライグマってどんな風に4本の脚を動かして歩いてるんだっけ? 足跡についての子ども向けワークショップで、突然歩く真似をすることになった。必要は発明の母。初めて、アライグマの歩き方を考えた。考えたけど、よくわからなかった。足跡図鑑みたいなのには、歩いた跡と走った跡、二通りの足跡の付き方が載っていたけど、それだけでは脚の動かし方は解らなかったりする。
走った跡は、ウサギが走ったのと同じような跡で、両の前足と両の後ろ足がそれぞれ並んで付いている。後ろ足が前で、前足が後。4つの跡がセットになってる。どうも後ろ足が前足を追い抜くらしい。この跡の付け方は一通りしかなさそう。真似をするのは難しいが、理屈はわかる。後ろ足の幅を、前足と同じくらいにするのは、けっこう大変。
解らないのは歩いている時の足跡の付き方。右前足の左に左後足、左前足の右に右後足が、というように並んでセットで交互に同じ間隔でついていく。前足の跡を後ろ足が踏むタイプではないらしい。この跡をつけるには二通りの歩き方ができるような気がする。

パターン1:右前足と右後足を同時に前に出し、次に左前足と左後足を同時に出す。これが普通だし、こうなんだろうと思いつつ、もう一つ思いついてしまった。
パターン2:右後足を前に出して、左前足の右へつける。右前足を前に出す。やや遅れて左後足を前に出す。左前足を前に出す。右後足、右前足、左後足、左前足。ポイントは、後ろ足が前足を追い越す瞬間があること。これはないだろうと思ったのだが、たまたま見かけた歩いているアライグマの画像が、後足が前足を追い越している瞬間だった。

というわけで、しばらく悩んでいたのだが、気になって仕方がないので、動画サイトで歩いているアライグマを見てみた。正解は、パターン1の方であった。ただし、前足と後ろ足では、後ろ足の方が動き出しが早め。そして、早歩きならはっきりパターン1だが、遅くなるにしたがってパターン2的になってくる。というか、後ろ足と前足の動き出すタイミングのズレが大きくなる感じ。
ついでにシカの歩き方も見てみた。後ろ足が前足を追い越さないパターン2。後ろ足に蹴られそうになって前足が動き出す。それを左右交互に繰り返す感じ。後足はほぼ前足の跡の上に跡を残す。

哺乳類の足跡は何度も見たことがあるけど、なぜか歩き方まで考えた事はなかった。子ども向けのワークショップはたいへんためになる。またいつか足跡をテーマにしたワークショップをしてみたいなと思った。その時は、足跡の形よりは、足跡の付き方から動物の動きを考える方を中心にしてみたら面白いかもしれない。


2009年3月27日 シカが列車にはねられる話

とある就活星人から聞いた話なので、事実かどうかは知らない。でも、印象的だったので記録しておく。
某鉄道会社では、シカに頭を痛めているらしい。シカが列車に衝突するのだという。列車の方の被害もバカにならない気がするが、シカの方は死んでしまう。そのシカを、線路からどけて、安全確認して再出発。30分程度はダイヤが乱れるんだとか。そして驚くなかれ、こうしたシカの事故は年間1000件以上起きているんだとか。シカだけでなくカモシカやクマまでも衝突死してるという。てっきり、JR北海道の話かと思ったら、そうではなかった。
死んだシカは、業者に引き取ってもらって、埋められているのだという。ホネホネ団的には、まずもったいないと思ってしまった。年間1000頭も標本にする余裕はないけど、埋めずにせめて食べて供養すればいいのに…、とか。

イスラエル空軍は、渡り鳥が戦闘機に衝突する事故が繰り返され、死人まで出たのを契機に、鳥の渡りの研究に多額の金を投入するようになった、と聞く。その鉄道会社も、シカの個体群生態学の研究に金を投入して、シカの事故を根本的に減らすのに貢献すればいいのにと思った。
あるいは、シカ問題を、とりあえずシカの列車事故を減らす研究をする団体(会社?)を立ち上げて、研究費を取りに行くとか?


2009年3月25日 エサマーク法によるタヌキの個体数推定

餌場を作って、マークを仕込んだエサを食べさせる。でもって、ため糞場で糞を観察して、どのマークが出てくるかを確認。あれやこれやで、タヌキの行動圏や個体数が推定できるという。そんな方法があるとは知らなかった。中型哺乳類で推奨されているようだが、鳥でもできたりしないかな?
参照したのは、1977年の日本生態学会誌。哺乳類で知られる南のK大学の面々が並んでいる。ファーストオーサーのIさんって、文化庁→コウノトリ→兵庫な人だと思っていたが、もともとはタヌキ屋さんだったとは知らなかった。

論文を斜め読みしただけなのに、大胆にまとめると。
Step1:給餌場所で、餌の塊(たとえば魚肉ソーセージ一切れ)ごとに、別の数字を付けたマーカーを複数混ぜておく。ここでポイントは、同じマーカーを付けた餌を複数個体が分け合う事がないようにすること。マーカーのユニットを小さく多数にしておくこと。
Step2:給餌を受けた個体の糞をすべて見つける。というのを一定期間続ける。でもって、その糞の位置と糞に含まれていたマーカーを確認する。

でもって、見つけた糞に含まれているマーカーから、同じ数字がでてきた糞は同じ個体の糞と推定できる。そこから
A:1個体の行動圏が推定できる。
B:1個体が1日にする糞の量を推定できる。
さらに、Bと、そのエリアで1日に新たに増加する糞の量から、そのエリアの個体数が推定できる。

糞で個体識別してしまうのがポイントの一つかと。Step1で一つの餌を複数個体が分け合うことがあっても、別個体が同じマークの組合せにならない限り、ある程度推定できるかもしれない。
もう一つのポイントは、エリア内の糞をすべて見つけること。それができなくっても、行動圏の推定はある程度できる。でも個体数推定は厳しい。

タヌキはため糞場があるから、糞をすべて見つけるのは可能っぽい。でも、鳥で同じ事をするのは難しいかも。


2009年3月24日 ネコのホネ

小学生がホネを持ってきたのは、先月のこと。近くの公園で拾ったという。未熟なもので、見ただけでは分からない。なんか中型哺乳類の腰椎。ここらで拾ったのなら、可能性があるのはネコかタヌキ…。そこまでで満足してくれるかと思いきや、ちゃんと調べて欲しいらしい。じゃあ標本と比べるからちょっと待ってて欲しいと言うと、待てないらしい。じゃあ調べて結果を掲示板に書いておくとしよう。
とまあ約束したのだが。そのホネを毎日見つつも、他の仕事かまけて放っておいてしまっていた。

彼らも忘れてなかったらしい。しびれを切らしたらしく、今日ホネの正体を聞きにきてくれた。まだ調べてませんでした。すみませんすみません。
今日は待っててくれたので、標本を持ってきて、目の前で比べてみせた。明らかにネコのホネだった。調べればすぐにわかるのに後回しにしてたのがが丸わかり。すみませんすみません。謝ったら、色々忙しいやろからしゃーない。と理解のある言葉をいただいた。改めて反省。

その後は、この公園にはタヌキがおるねんでという話で盛り上がった。見てみたいらしい。タヌキは基本夜行性。小学生が夜にウロウロするわけにもいかないし、見るのは難しい。親と一緒に夜、ランニングをしたらいいかもしれないのだが…。


2009年3月23日 シカの足の臭い

とある企画で、スタンプみたいに足跡をつけることになった。せっかくなので、実物を。というわけで、シカの足が4本用意された。兵庫県の某所で、子分が確保してきたのである。そこは、駆除されたシカの死体がたくさんある場所なんだそうな。いずれは処分されてしまう足である。有効利用してかまわないだろう。
が、その実物のシカの足を見た人の意見は真っ二つに分かれた。

多数派の反応は、この辺りではごく普通な感じ。実物のシカの足使うのか〜。ええやん〜。意外と匂いもないね〜。犬の匂いが大好きな某氏は、いい匂い〜。
少数派の反応は、ウゲゲッ、本物使うのー。ちょっと引くー。臭いがきついー。

世間一般では、この多数派と少数派が入れ替わる可能性がある。かも。というわけで、とりあえず、匂いの元になりそうな、肉や骨を出来るだけ除去し、洗剤で洗った後に、リンスしてみた。
風呂に入れられた直後のイヌかネコみたいな匂いになった。ちょっと好きな匂いかも〜。と思ってたら、少数派が、まだ臭う。
そんなんじゃ、ペットは飼えないぞ! ましてやシカの皮は剥けないぞ! と偉そうに言いつつ、よく考えると、シカなどの有蹄類の臭いは苦手で、皮むきも苦手であった。まあ仕方がないか。


2009年3月22日 島根県の水生ガムシ科

この3日間、N湖友の会昆虫Gなる怪しげな団体が合宿をしていた。3日連続の会合を合宿と呼んでいるのかと思いきや(Nホネホネ団の場合はそう)、本当に近所のユースホステルに泊まっているらしい。怪しげな者達が集まって、大量に黒光りする丸い虫を並べているなとは思っていた。
最終日の今日、誰もいない隙をついて、密かに合宿場に潜入してみた。そして、発見したのが件の論文。知る人ぞ知る島根のHさんの論文の校正原稿が置かれていた。それを確保(ちょうど通りがかったHさんにもらった)してきたので、ここに報告しておく。

島根のHさんといえば、知る人ぞ知るプロジェクトY甲虫班の影の仕掛け人である。思えばあのフンドシ洗いブームもHさんに端を発している。おかげでヒメドロトンネルなる妙な展示までできる始末。今回のプロジェクトYでも、ヒラタドロムシを採ってくるようにと指令が出ているのも、影でHさんが糸を引いているに違いない。そして、今度はガムシである(その前にゲンゴロウもあった気もするが、これはブレイクしなかったような…)。おそらく、次はガムシブームが来るに違いない。流行の先取りに余念のない私は、ブームに先んじてガムシの勉強をしておこうと考えたのである。

日本には水生ガムシが60種以上生息しているらしい。なにより水生ガムシという言い方に驚いた。ハバビロガムシ亜科の多くは水生ではなく、陸生なんだそうな。その上、それは糞虫なんだそうな。どうりでガムシの集まりに、糞虫屋が混じっているわけである。
で、島根県には、21種のガムシが確認されている。この論文には、島根県未確認の6〜7種を加えた30種程度の検索表が付いている。さらに成虫の画像も揃っている。その上、この校正原稿にはなぜか印刷される予定にはない識別点の書き込みまである。島根県のガムシを調べるなら必携の論文といっていいだろう。でもって、島根県で確認されている21種については、生息状況の記述と標本採集地点の記載がある。これさえ読めば、だいたいどんな環境に生息していて、多いのか少ないのかもよくわかる。ただ、これが大阪府周辺でどこまで通用するのかは気になるところではある。
というわけで、今シーズンの流行はガムシとみた。さっそく次からガムシ類の採集に精を出そうと思う。田んぼでも河川でもいるし、20数種というその種数はけっこうお手頃感がある。それでいてゲンゴロウ類に比べれば、その分布や生態はまだまだ謎がいっぱいだという。ヒメドロムシに続く第2のブレイクの予感が…。

属までだが、幼虫の検索表と画像も付いている。それは、今までプラナリアやヒラタドロムシを求めてひっくり返した石の裏や、フンドシ洗いの時によく見かける虫だった。そうか、あれはガムシ類の幼虫であったか〜。そして卵嚢の画像。石の裏で時々見かけるけど、正体不明のままにしていた物体であった。というわけで、ガムシは意外と馴染みの虫であった。さらに馴染みになってみよう。


2009年3月21日 大阪のイシガメは減っているのか? アライグマの影響はあるのか?

こんなシンポジウムの案内が流れていた。
「県内でのアライグマの分布拡大と在来淡水性カメ類の深刻な捕食被害」
千葉県の話。話題提供は4つ。そのタイトルも拾っておこう。

1)事例紹介:「千葉県での哺乳類が原因とみられる淡水ガメ大量死の発見」
2)「特定外来生物アライグマ 千葉県での分布拡大の現状と対策」
3)「房総丘陵の小河川上流域で確認されたニホンイシガメの深刻な被害」
4)「千葉県におけるカメ類捕食被害の発生規模〜広域パターンからの報告〜」

内容はわからないが、アライグマが増えていて、淡水ガメの捕食跡がたくさん見つかって、ニホンイシガメがアライグマに大量に喰われていることが明らかになってきた。ってところだろうか。

千葉県でいつ頃からアライグマが増えているのかよくわからないが、少なくとも5年程度前からは大阪府でも全域にアライグマが生息している。年間数百頭が駆除されているのに減る気配はなく、生息密度もけっこう高そう。いまのところ、山手でカメの捕食跡を大量に見つけたことはないが、大阪府でも油断はできない。山手を歩く時は注意しておく必要があるだろう。
ただ、一つ気になるのは、大阪府のアライグマってイシガメのいる環境にもいるけど、生息の中心はむしろもっと市外地より。千葉県のアライグマと生息環境が少しずれていたりはしないんだろうか?


2009年3月20日 ヒキガエル探し

今日は、おかかえ運転手を引き連れて、ヒキガエル探しに走り回った。というのは少しだけウソで、引き連れてではなく、連れていってもらった。車は便利である。連れていってもらって助かった。おかげで公共交通手段+徒歩では、3日はかかる行程が一日でクリアされた(運転手さんありがとう〜)。
なぜかヒキガエルの産卵場所を見に行く観察会をすることになったのだが、行き先が決まらない。そもそもヒキガエルはまだ初心者で、観察会しやすい場所を知らない。昨日も某所へ探しに行ったのだが、見つかるのはヤマアカガエルばかりで(それはそれで嬉しいのだが)、ヒキガエルは見つからず。困っていたのである。

今日は、とりあえず過去3年ほどの間に、ヒキガエルの産卵したことがわかっている4ヶ所を確認に行った(すべて虫屋のTさんに教えてもらった場所。Tさんありがとう〜)。今年も産卵しているなら、その中から観察会の場所を選ぶ。同時にヒキガエルがどんな感じの場所で産卵するのかのイメージを身に付けるのも大きな目的。
生物を探す時は、このサーチイメージを適切に構築できるかが大きなポイント。まあ、生物の生息環境を研究する上では、あらかじめあまりにサーチイメージができあがっていても困る場合はあるんじゃないかとは思うけど。

4ヶ所回って、3ヶ所でヒキガエルの卵塊を確認。過去に確認されてる(内1ヶ所は今年確認されてる)とはいえ、優秀である。
いずれも棚田の一番奥のため池の縁の浅い場所。やや深くても水草なんかが生えていたらいいらしい。周囲は山林に囲まれているか、少なくとも山林に極めて近かった。その他、うまく表現はできないけど、ある種のサーチイメージはできたと思う。
というわけで、今度は地図をながめてそれっぽい場所を4ヶ所ほど調べてみた。ぜーんぜん見つからず。まだ何か気付いていない重要な要素があるのかもしれない。あるいは、同じ環境がそろっていてもヒキガエルがいない場所もあるのかもしれない。
ヒキガエル探しのついでにアカガエルにも注意していたが、アカガエルが産卵場所に選びそうな場所がたくさんあるのに、まったく確認できなかった。これだけ見つからない以上、このエリアにアカガエルは生息していないと考えた方がよさそうに思える。

ヒキガエルを探す途中、2ヶ所でカスミサンショウウオを見つけた。カスミサンショウウオの産卵場所のイメージも少しできてきた気がする。今年は、もう少しヒキガエルとカスミサンショウウオの産卵場所のサーチイメージを確立する予定。そして、来年はきちんとした分布図を作るべく動き回ろうと思う。
できれば一度、ガマ合戦を見たいけど、それも来年のこころだ。

【おまけ】
ちなみにプラナリアというか、ナミウズムシがどんな場所に多いかもわかってきたと思う。アカガエルやカスミサンショウウオが産卵しそうな場所に沈んでる落ち葉の裏。ごく普通に見つかる。川で探すより簡単。ただし冬だけかもしれない。


2009年3月19日 ご長寿ジャム +狩待峠

最近、新しいヨーグルトの食べ方を身に付けた。ジャムを混ぜて食べるのである。と、知人に自慢したら、普通やんと冷たくあしらわれた。世間一般に普通かどうかは知らないけど、個人的には初めての試みなので、もっと評価されてもいいと思うのだが、なんだか悔しかった。

ジャムというのは、時々ではあるが、入手することがある。たいていはもらい物であるが、何の気の迷いか自分で作ってしまうこともある。そして、冷蔵庫にたまっていくジャム。
バタートーストにぬって食べるのは好きなのだが、自宅でバタートーストを食べない。紅茶に入れる習慣もない。パディントンじゃあるまいし、ジャムだけを一瓶なめる事もない(ちなみにマーマレードはそもそも嫌い)。というわけで、いつまでも冷蔵庫に居座るジャム達。食べ物を捨てるわけにはいかない。ましてやせっかくもらったのに。けっこう困りものであった。
それを見事に解決したのが、ヨーグルトに混ぜて食べるという新境地である。引越を機に冷蔵庫を掃除して、いかにたくさんのジャムが居座っているかに気付き、なんとか解決せんと、ヨーグルトを思いついた。もっと評価されてもいいのに。

この3週間ほどの間に、ラズベリージャム、ブルーベリージャム、プルーンジャムと次々と片付けた。そしてたどりついた1瓶のジャム「Blackberry Jam 2001年7月28日」と手書きの文字。どうやらブラックベリーというもののジャムらしい。よくわからないのは、その後の日付。一緒に書かれているので、恐らくジャムについての何かを表しているのだろう。まさかジャムを作ろうと一念発起した日でもないだろうから、ジャムを作った日と考えるのが普通かと。作ってから7年8ヶ月弱かぁ。
とりあえず開けてみることにした。うーん…。開かない。よく見るとフタがへっこんでいる。内圧が低いらしい。というわけで、まずフタをこじて、空気を入れて。ポン。開いた。
匂ってみる。問題なさそう。なめてみる。問題なさそう。ヨーグルトに混ぜて食べてみる。甘さ控えめでうまい。難を言うなら、タネが多いな〜。

ここまでが昨日の夜。今日、とくに腹をこわすでもなく、吐くでもなく、問題なし。ちゃんと滅菌して、空気を抜いて、密封しておけば、8年近くは保つものらしい。ジャムは、立派な保存食であることが立証されたと思う。缶詰より優秀かもしれない。
せっかくならちょうど10年目の日に食べればよかったな〜。と少し後悔した。というわけで、もし自家製ジャムをくれる人がいたら、ぜひ瓶に製造日を書いておくように。今度は10年間寝かせてみよう。

【今日の峠】
●狩待峠(大阪府茨木市清阪・京都府亀岡市東別院町)
 茨木市北部から北の亀岡市に抜ける峠。東にある清阪峠の方が、メジャーなのかもしれない。清阪から北山自然歩道を歩いて、長谷の側に抜けた。棚田沿いに登りつめると、池があってスイレン系が生えている。ヒツジグサだろうか? と思いながら通り過ぎたところが狩待峠だった。茨木市側も車でいけるのだが、亀岡市側からはさらに立派な車道が通っている。そして、地古い地図には載っていない新興住宅地が広がっていた。棚田の上は新興住宅地から、とちょっと興ざめ。その上、犬がワンワンとうるさい。眺めもよくない。棚田はおもしろかったのにな。


2009年3月18日 コブハクチョウは、雄同士で営巣するのか?

地元の池に、コブハクチョウが2羽放されたのは、昨年の3月のこと。ある日、池の鳥を見に行くと、コブハクチョウが泳いでいて愕然としたものだった。
国内に野生個体が飛来したことがあるとされているので、特定外来生物には指定されていないが、そうでなければコブハクチョウは特定外来生物に入れられておかしくない種。そもそも国内に飛来した野生個体って、1933年11月の八丈島の一例だけ。それだけで、特定外来生物から外すことになるなんて、馬鹿げているとかねがね思ってたりする。

さて、ここんところ忙しくて、件の池をさっぱり見ていなかったのだが、今日重大な情報を入手した。そのコブハクチョウが巣をつくっているという。画像を見せてもらうと、枯れたハスの間に確かに巣らしきものができている。こういう浮き巣みたいなのをつくるとは知らなかった。
などと感心している場合ではない。放された2羽は羽根を切って飛べなくされているが、無事にヒナが育ってしまうと、そやつらは飛べてしまう。特定外来生物に指定されてもおかしくない生物が、野外で増殖するのをみすみす見逃すわけにはいかない。
が、関係者に聞くところによると、そもそも繁殖して増えることがないようにと、放したのはオスが2羽のはずなのだという。オス2羽でも巣づくりをするんだろうか? それともオス2羽という判定が間違っていたのか? 今はまだ巣をつくって、時々巣に乗っているだけらしい。この後どうなるのか注目である。

もし産卵が確認されたら、性別判定が間違っていたことになる。早々に対策を打つ必要があるだろう。卵を回収して、2羽の内、片方は捕まえて動物園に差し戻しだろうか。餌付いているので、捕獲自体は簡単だろうとは思うが、暴れたら大変そう。
もしオス同士だというのが本当だったら、もちろん産卵はしないし問題もない。この場合は、その後どういう展開になるのか、純粋に興味がある。また、鳥の巣コレクターのKさんは、コブハクチョウの巣は持っていたかなぁ。なければ、なんとか入手したいなと思う。

とりあえず、様子見の段階。その間に、コブハクチョウの生態を少し勉強しておかなくっちゃ。


2009年3月17日 ホネホネ関連本一覧 要補足

あちこちでお願いしまくっているので、ここでもお願いを。
夏にホネの展示をするのだけれど、そこでホネホネ関連本を一同に並べる予定。というわけで、リストを作り始めている。ざっと作ってみたのが以下の一覧。もし抜けているのがあったら教えて欲しい(もし、じゃなくって絶対に抜けまくっている)。

基本方針としては、
・ホネの形態学的・標本作成関連の本を中心にリストアップ。ただしあまりに医学的な本は除く。
・化石は除く、遺跡は含める。
・基本的に日本の本だが、圧倒的にオススメなら海外の本もアリ。
・できれば現在も入手可能な本を選ぶが、絶版でもオススメなら含める。
・市場に流通していなくても、博物館の展示解説書の類は含める。
 →以下のリストではこれがまだ弱い。

というわけでリスト。薄く分類してある。
<西澤真樹子>
『獣の標本作成ガイド 解剖編』西澤真樹子著、なにわホネホネ団
『小さな骨の動物園』建築・都市ワークショップ+石黒知子編・大西成明写真、INAX出版
『ホネホネたんけんたい』西沢真樹子監修・解説・大西成明写真・松田素子文、アリス館

<盛口満>
『フライドチキンの恐竜学』盛口満著、ソフトバンククリエイティブ
『ゲッチョセンセのおもしろ博物学 虫と骨編』盛口満著、ボーダーインク
『骨の学校3』盛口満著、木魂社
『骨の学校2』盛口満著、木魂社
『骨の学校』盛口満・安田守著、木魂社
『僕らが死体を拾うわけ』盛口満著、どうぶつ社

<遠藤秀紀>
『遺体科学の挑戦』遠藤秀紀著、東京大学出版会
『人体失敗の進化史』遠藤秀紀著、光文社新書
『解剖男』遠藤秀紀著、講談社現代新書
『パンダの死体はよみがえる』遠藤秀紀著、ちくま新書
『哺乳類の進化』遠藤秀紀著、東京大学出版会

<養老孟司>
『解剖学教室へようこそ』養老孟司著、ちくま文庫
『形を読む』養老孟司著、培風館

<神谷敏郎>
『骨の動物誌』神谷敏郎著、東京大学出版会
『骨と骨組みのはなし』神谷敏郎著、岩波ジュニア新書

<その他の絵本・写真集>
『ホネ事典』スティーブ・パーカー著、あすなろ書房
『骨ははたらきもの』八杉貞雄文・矢崎芳則絵、岩波書店
『骨から見る生物の進化』ジャン=バティスト・ド・パナフィユー著・パトリック・グリ写真、河出書房新社
『BONES 動物の骨格と機能美』沢英治写真・東野晃典文、早川書房

<その他のその他>
『骨単』原島広至著、エヌ・ティー・エス
『鳥の骨探』原島広至著、エヌ・ティー・エス →2009年発売予定
『動物考古学』松井章著、京都大学学術出版会
『チキンの骨で恐竜を作ってみよう』クリス・マクゴーワン著、青土社
『骨と関節の不思議』今井望著、東海大学出版会
『標本学』松浦啓一編著、東海大学出版会
『標本の作り方』大阪市立自然史博物館編著、東海大学出版会
『標本は語る』大場秀章著、東京大学出版会
『貝塚の獣骨の知識』金子浩昌著、東京美術
『鎌倉の馬の骨』芝田英行著、どうぶつ社
『死物学の観察ノート』川口敏著、PHP研究所
『骨格標本作製法』八谷昇・大泰司紀之著、北海道大学図書刊行会
『日本産哺乳類頭骨図説(増補版)』阿部永著、北海道大学図書刊行会
『日本動物解剖図説』広島大学生物学会編、森北出版

<博物館関連本>
豊橋市自然史博物館第22回特別企画展『ホネホネ大行進 ー骨学のススメー』解説書、豊橋市自然史博物館


2009年3月16日 イタチ皮職人 仕事の次の日

仕事の次の日は、お休みである。一日イタチの皮とたわむれると、腕や指先をかなり酷使するらしい。朝起きたら、指先に力が入らない。腕や手首が少し凝ってる感じ。とても手先の作業はできない。ってゆうか、キーボードもあまり打ちたくない感じ。
プロ野球の投手を思い出してもらったらいいだろう。一度登板したら、数日間はお休みなのである。きっと彼らも、指先に力が入らなく、腕や手首が筋肉痛とかになっているのだろう。プロ同士だから分かり合えるんだなぁ。

そんなわけで、今日からしばらくは職人仕事から離れることになった。今週は、原稿書きの一週間。書くべき原稿がたまっているので、遠出を諦めて、原稿執筆に明け暮れるのである(たぶん)。原稿執筆に飽きたら調査に行こう。などと思っていたら、調査ばかりに行ってしまいそうな。
作家のようにホテルとかに缶詰してもらって、他に何も出来なくしてもらったらいいかも。今度は、作家の気持ちがよくわかるなぁ。


2009年3月15日 イタチ皮職人の一日 その3

皮むき、皮の脂肪・肉除去と続いて、いよいよ今日のイタチ皮職人の仕事は、仕上げの工程。皮なめしである。
今日もイタチ皮職人の一日は、午前10時に始まる。のだが、実は今日の作業は、昨日の夕方に始まっている。昨日の午後4時頃に、長らくなめし液に浸けてあったイタチ皮を冷蔵室から取り出してきて、水洗い。そして、新聞紙の上に裏返して広げた。そして今朝、約15時間経って、皮が頃合いに乾いている。15時間の即乾コースなので裏返して干したけど、あまり早く乾くと困る時は毛の側を上にして干しておく。タヌキなど大きめの皮の場合は、乾燥にもう少し時間がかかる。この頃合いの見極めが職人技なのである。とはいえ、乾き過ぎた場合は、再び水に浸けたり、湿らせた布を当てたりして、なんとかするのだが。
あとは一日皮とたわむれるだけ。その数58枚。一口にイタチ皮といっても、一枚一枚大きさも状態も全然違う。個性豊かなイタチ皮たちを次々と処理していく。

今日は、職人見習いが7人もいたので、分担して皮なめしの作業を進めた。人手が多いと処理が進む。皮なめしは、作業自体のうまい下手もあるけど、とにかくたくさん手をかければそれだけ柔らかくなるので、人手が多い方が好都合。ただ、見習いは皮に付いているフダの重要性を充分理解していない者もいて、知らずにフダを落としてもリアクションが薄い。見張ってないと困ったことになりそうなので、今後注意が必要である。
イタチの皮は小さいので、持ち歩きながら、なめしの作業ができる。机に座って黙々と作業をするのは淋しいので、他の作業をしている職人やその見習い達の様子を見に行く。いろんなところでイタチの皮を手にした者が三々五々集まって、話をしていたりする。まるで、編み物をしているおばちゃんの井戸端会議のようであるとは、団長の言葉。

結局、丸一日かかって、58枚を一通りなめすことが出来た。首から頭がまだ充分処理できなかった皮もあるが、まあ後はなんとかなりそうな段階になった。手はとてもイタチ臭くなった。少々洗っても落ちないのだが、カメの水槽管理の作業をしたら、臭いが取れた。イタチ臭さ<カメ臭さというわけである。


2009年3月14日 大阪のカモ

大阪のカモは47575羽である。

信じたかな? 信じてもいいけど、信じすぎてはいけない。これは、とある調査の結果の数字。当然ながら、どのような調査なのかが大切。そういう調査をしてこういう数字なんだな、と理解しよう。
で、どんな調査かと言えば、毎年1月に日本全国で一斉に行われているカモ類のカウント調査。日本野鳥の会の各支部が実施してるんだと思う。大阪府の場合、日本野鳥の会大阪支部が大阪府からの委託調査として実施しているらしい。件の調査結果は、大阪府から調査参加者に送られてくる。
この調査は、大阪府では1970年から毎年行われている。すでに39年分のデータが蓄積しているわけ。大阪府の他の鳥類どころか、他の生物群で同様の長期データはないので、とても貴重さデータといっていいだろう。ただ調査結果を見る時は色々と注意が必要。

・調査は1月半ばの1週間ほどに実施されていることになっているが、実際にはその期間外の数字も含まれていて、どれがそうかはわからない。まあ、1月中には調査されているはずなので、そんなに目くじらを立てなくてもいいと思うけど。
・調査地点数や調査地が、調査年ごとに違っている。たとえば、データを見ると、大阪府のカモ類は年々増えているように思えるのだが、実際には調査地点が増えていたりするのである。総数ではなく、調査地ごとの細かいデータを検討する必要がある。
・河口や海岸のカモ類の個体数は、風向きなどの影響を受けるのか、調査日によって増減が著しい。しかし、淀川や神崎川河口にカモ類が多く、大阪府のカモ類総数の大きな割合を占める。河口部に多い種(ホシハジロやスズガモなど)の個体数を含めて調査結果を検討する時は、この点に注意が必要。

といった注意事項を頭にとめて、2009年1月の調査結果を見てみると、
・調査地:425ヶ所(淀川と大和川はそれぞれ8区間にわけられている)
・調査員:のべ573名(実際には一人でけっこう多くの地点を受け持つので、調査員の人数自体はそんなに多くはない)
・記録されたカモの総数:19種、47,575羽
・記録された個体数の多かったカモ類ベスト5:ホシハジロ(16,892羽)、ヒドリガモ(9,022羽)、スズガモ(4,801羽)、キンクロハジロ(4,308羽)、ハシビロガモ(2,688羽)→ここまでで全体の79.3%、この後に続くマガモとコガモも2600羽以上。
・記録されたカモ類の多かった調査地ベスト5:淀川全域(10,297羽)、神崎川全域(7,244羽)、大阪市北港全域(6,054羽)、平林貯木場(2,606羽)、大和川全域(1,948羽)→ここまでで全体の59.2%、1000羽を超えるのはここまで。

淀川全域といってもカモ類が多いのは河口部、神崎川に至っては圧倒的多数は河口にいる。そしてそこに多いのはホシハジロとスズガモ。てなことを考えると、この調査結果は日による違いがけっこうありそうに思える。そして、淀川河口と神崎川河口をカモ類は行ったり来たりするのも気になるところ。だけど面白い事に、2008年1月の調査結果は47,312羽と同じような数字。不思議だ。
そして、当然ながらカモ類がいるすべての地点を調査しきれているわけではない。大きな河川や平野部のため池はけっこう調査できているが、小さい河川や山間部の小さい池は調査されていない場所が多い。そういう場所に多い種を中心に、個体数は過小評価されているとみる必要がある。

何年前からだっただろうか。カモ類と一緒にカワウの個体数も数えることになっている。今回のカワウの合計数は、3,881羽。カワウの場合は、調査時間帯など色々気になる要素があるが、仮にも大阪府全域の数字は現在これだけ。思ったより少ないな、と個人的には思ったのだが、どうだろうか?


2009年3月13日 西表鳥類調査隊隊員募集

すでに募集したような気がしてたけど、募集してなかったらしいので、新規募集を。

西表鳥類調査隊は、西表島をはじめとする八重山諸島ひいては琉球列島、南西諸島、要は南の島の鳥類を調査する秘密組織である。鳥類の調査といってもいろいろあるが、調査テーマは鳥類の形態と食性にほぼ限られるのが特徴である。もう一つのそして最大の特徴は、西表島をはじめとする八重山諸島ひいては…(以下、省略)、には行かないこと。行かずして、調査を行うという斬新な調査プロジェクトを繰りひろげるのが、西表鳥類調査隊なのである。
別名は、キンバト皮むき隊。これからわかるように、主な調査対象種はキンバトである。そして、調査手法は皮むきなのである。作業内容を端的に言えば、キンバトを中心とする西表島産の鳥類の死体の皮むきをして、基本仮剥製を作成する。同時にそのう内容物を採取するのである。

入隊希望者には、厳しい入隊試験が課される。某ホネホネ団でも入団試験にタヌキの皮むきをさせるというが、まあこれは覚悟を見極めるだけ。少々下手っぴぃでも、タヌキ1匹の皮を剥ききればよほどの事がないかぎり合格できる。が、西表鳥類調査隊の入隊試験は、そんな甘っちょろいものではない。ハト類(通常はキジバトかアオバト)1羽の仮剥製を作ってもらう。試験管であるところの隊長が満足する出来でハトの仮剥製ができれば合格となる。羽根が抜けすぎてはダメ、汚しまくってもダメ、怪我をしていたら上手にフォロー、そのう内容物の採取を忘れずに。とまあけっこう細かい。
そもそも、相応の鳥の仮剥製作成の経験がなければ、入隊試験は認められない。現時点で受験者は1名。合否判定は微妙で、一応見習い隊員として採用されることになった。改めて追試が課されることであろう。とまあ、かなり高飛車な団体というか、隊長は偉そうなのである。

西表鳥類調査隊の活動は、2009年9月に開始の予定。それまでに随時入隊試験を実施予定(活動を始めてからの入隊でもいいけど)。西表島の鳥を触りたい若人よ、来たれ西表鳥類調査隊へ!
調査が一段落したら、一度、現地にも調査対象収集に行ってみたいものである。といっても、当面の活動には困らないだけの材料はため込んでいるのだけど…。さっさと処理しなくては。


2009年3月12日 萩書房2

京都に行くついでがあった。時間に余裕があった。気が向いた。と言うわけで、昔の馴染みの古本屋に行ってみた。
昔は自転車で行ってたので、電車やバスでの行き方が今ひとつわからない。なんとなく降りて、ここかなと思った通りを歩く。なんとなく覚えがある通りのイメージ通りの場所に、ちゃんとあった。
昔のままのドアを入ると、昔のままの店内が広がっていた。京都は古本屋が多いけど、中でもここはSFや幻想文学系が充実。古いSFの文庫本がけっこう入るので気に入っていて、週に一度は来て絶版SFを探したものだった。
十数年ぶりの店内だけど、同じような場所にやはり古いSF文庫本が並んでいて、ちょっと嬉しい。奥のレジ横に積み上げられた未整理の本が入った箱が狙い目。チェックするとやはりよさげなSFが。これも変わってないらしい。
残念ながら欲しいSFは見つからなかったけれど、短い時間だったけれど、楽しかった。
後でアマゾンで見てみると、探しているSFはネットでなら簡単に手に入るのが判明。でもなんか味気がないな〜。


2009年3月10日 田辺大根

大根があるというので見に行った。いくらでも持って帰ってといわれたので、4本ももらってしまった。田辺大根という由緒正しい品種で、自家栽培したらしい。
大根とはいうものの、いわゆるダイコンの部分は10cm程度しかなくって、太さもせいぜい2.5cm。雑煮用に売ってる大根みたいな感じ。その代わり、葉っぱは元気に付いている。どうもその場で聞いたところでは、葉っぱ部分を主として食すればよいらしい。

大根の収穫時に、ネコの死体を見つけたという。もうホネになっていたとか。で、それを埋めてきてしまったらしい。けしからん! 持って帰ってこい! と偉そうに怒るのはやめて、団長に言いつけてやることにした。団長からきつくお小言をいってもらおう。
ちなみにネコの死体は、そんなにいらないけど。ホネになってるのならもらうことにしている。ネコの死体を集め始めるときりがないからだし、ネコであってもホネはそれなりに活用できるからでもある。

しかし、田辺大根って、葉っぱを利用する大根だったとは知らなかった。それなら、田辺大根と名付けずに、田辺菜と呼びそうなものだが…。もう少し、土壌の厚い場所で栽培したら、話は違ったんだろうけど。

【追記】
田辺大根を美味しくいただいたので、記録しておく。
・塩水でさっと茹でて、削り節と黒ごまを振って、ごま油と醤油をかけた。うまかった。
・はらわたをとった鰯、刻んだ土生姜と一緒に、酒と醤油でたいた。うまかった。
・豚肉の細切れ、茄子、舞茸と一緒に炒めて、塩と胡椒と酒と醤油で味つけ。うまかった。
・ぬかみそに漬けた。まだ漬けたまま。でも、うまいに違いない。
田辺大根はうまい。葉っぱだけでいいから、また欲しい。


2009年3月9日 万歩計

昨日、万歩計を入手した。朝、家を出る前に、ずぼんに付けてみる。夜、仕事から帰る時点で、3150歩。ほとんど歩いていない気がする。今日は、家から職場に出て、あとはデスクワーク中心だったからだろう。
明日は、自転車でフィールドへ。自転車はどのようにカウントされるのだろうか? 震動次第? ともかく新たなおもちゃが手に入ったので、ちょっと楽しみ。
ただ、この万歩計はあまり高級品ではないらしく、数字が5桁までしかない。10万歩を超えたらどうなるんだろう? 自動車の走行計と一緒で一周して1から? 一日に20km近く歩く時には、注意しておく必要があるだろう。

【追記】
3月10日、自転車でため池を走り回った。万歩計の数字はさっぱり増えない。見ていると、自転車をこぐ動作はほとんどカウントされないらしい。万歩計はサイクリングには対応していないらしい。


2009年3月8日 ツミとカラスとオナガの関係

改めてまとめて話を聞くことができた。前から面白い研究だなとは思っていたけど、まとめて聞くと一層おもしろい。こんなに面白いことが市外地の鳥で起きているとは。関西にオナガがおらず、ツミも市外地に進出していないのが残念。


2009年3月7日 謎の郵便物を開けて仲間入り

とある外郭団体から大きな段ボールが送られてきた。自分宛の郵便物らしいのだが、心当たりがない。とりあえず受け取って、放っておいた。心当たりがないので迂闊に開けるのもためらわれる。間違いかもしれんし。箱には、アニマルシリーズ「にわとり」と書いてある。どうも怪しい雰囲気がただよう。他にも箱に書いてある文字からすると、あれなんだろうか? しかし心当たりはないし。たまたまアニマルシリーズ「にわとり」のでっかい箱が空いてたから使っただけかもしれん。いずれにせよ心当たりがない。
で、今日、その箱がついてに開けられた。悪い予想は当たっていた。本当にアニマルシリーズ「にわとり」だった。どうも団長が捨てるなら欲しいと言って送ってもらったらしい。団長宛に送るならともかく、どうして自分宛なんだろうか? まさか使えってことか? たしかに知り合いにこういうのを愛用してる輩はけっこういる。機会があれば使おうと待ちかまえている輩もいる。しかし、自分はそんな輩の仲間ではないはず。いやかぶり物だけならともかく…。
しかし、箱を開けた勢いで、なんとなく着てしまった。着ぐるみデビューである。もう元の真っ当な人間には戻れないかもしれない。せめて、オークションの進行とかをやらされないように注意しなくては。

などと思いつつ、着ぐるみを着たら、だれかに見せたくなるのが人情。着ぐるみ姿のまま、階段をおりて、ショップの方へ。カウンターに座っている当番なので、ちょうどいいというか…。お客さんからは奇異の目で見られるが、顔が見えていないのでけっこう平気。ただ、知り合いにはすぐに正体がばれる。なぜかはよくわからない。


2009年3月6日 雨の工事の日

休みの日なので出掛けるつもりが、朝からの雨で断念。思わず昼間で寝てしまう。が、工事の音で寝付けない。二度寝がしにくい。どうやらお隣さんの工事の音らしい。工事は3日に始まったらしく、3日の夜にのぞいてみると、ユニットバスも台所も湯沸かし器もはずされていた。4日の夜には、壁紙もはがされていた。5日の夜には畳があげられていたが、はずしたユニットバスや湯沸かし器は転がったままだった。で、今朝、ガガガガガガと大きな音が断続的にずっとしている。まだ何か壊しているような音だが、もう壊すものはないと思うのだけど。

というわけで、かつての我が家はもはや見る影もない。引越の時に掃除機をかけまくったのに、埃だらけになっている…。
昼過ぎにようやく出掛ける。外に出ても工事の音は聞こえている。隣の我が家だけでなく、近隣一帯に響き渡っているらしい。けっこう迷惑かも。菓子折とかもってご近所に挨拶??


2009年3月5日 野良犬の減少と入手難になったイヌのホネ

昔は、野良犬がたくさんいた。たぶん交通事故で死ぬ野良犬も多かっただろうから、簡単に野良犬の死体が入手できたのかもしれない。いまや、野良犬はとても減ってしまい、交通事故にあったイヌの死体を拾ったことも、もらったこともない。そもそも一度もイヌの皮を剥いたことがない。
一方、野良犬が減ったせいもあるのか、市街地は野良猫の天下。地元の公園には控えめに言っても数十頭の野良猫が暮らしていて、定期的に餌を与えている人も何人もいる。おかげで野良猫は丸々と太っていて、どんどん繁殖もしている。そのせいか、近所だけでも交通事故死したネコの死体を拾う機会は多い。もうネコの死体はいらないと言ってるくらい。
野良犬が減って喜んでいるのは、ネコ以上に、市街地で暮らすタヌキではないか。などと、O市立大学の教授大先生と昨日話をしたところ。もしかしたらイタチも喜んでいるかも。

今日、保健所の方が来られた。混入物を調べるサンプル作りを進めているらしく、市街地周辺にいる哺乳類の毛が欲しいとのこと。聞けば各種10本程度で充分なんだそうで、二つ返事で了解した。産地や年代や保存状態などはどんなのがいいのかなと、とりあえず話を聞いてみたが、何でもいいとのこと。ホルマリン固定したり、なめしの工程を経たら、表面の構造に影響ないんだろうか、と少し疑問に思うが、まあ何でもいいと言われた方が楽なので、それを鵜呑みにする。なめしたタヌキの皮、なめし液に浸かっているチョウセンイタチの皮、ホルマリン固定の後アルコールで保存されているドブネズミ、クマネズミ、ハツカネズミから毛を提供した。
お返しになんか出来ることがあれば言ってください、と言われたので、お願いを言ってみた。動物の死体があれば欲しい。保健所なら死体を処分する機会があるはず。と言うと、カミツキガメはいるかと尋ねられる。その市はカミツキガメが見つかっても決して公表せずに処分していたはずなのだが(市民がパニックになるのを防いでいるらしい)、記録も残らないので困りもんだと思っていた。もらえるとは有り難い。あと、哺乳類の死体もあれば。というと、駆除したアライグマは? と尋ねられる。アライグマやネコは腐るほど入手できるのでもういらない。タヌキやイタチは欲しい。あと、イヌがあれば欲しいと言ってみた。イヌなら提供可能らしい。保健所だから当然かもしれないが、今でも殺処分されるイヌがいるということなんだろう。可哀想だが、せめて死体が有効利用された方がいいのだと考えよう。
イヌは品種のヴァリエーションが大きくて、品種によってホネもかなり変わってる。いろんな犬種のホネをそろえてみたいとかねがね思っていた。かといって可愛がっているペットが死んだのを、欲しがるわけにもいかない。保健所で殺処分になったイヌの死体はどうなってるんだろう、できればもらえないものだろうかと思っていたところだった。期待して待つとしよう。

それにしても、飼育されてるイヌはむしろ多くなっている気がするのに、野良犬が少なくなったのは何故だろう。室内犬が増えたから? それとも小型犬は野良になって暮らしていけないから? 山や河川敷でいまも見かける野犬は、いまも相変わらず日本犬風の雑種っぽい。野良犬になれる犬種というのは、在来犬種に限られるんだろうか?


2009年3月4日 春の兆し?

自転車でため池をめぐった。いろいろと春の兆しに出会ったような気もするが…。

ヒバリが囀っていた。でも、ヒバリって秋とか冬でも囀ったりするからな〜。
池の上をツバメが飛んでいた。でも、越冬ツバメもさほど珍しくないからな〜。
アオサギが営巣していた。でも、アオサギってまだ寒い2月頃から繁殖するもんだし。
カイツブリが営巣していた。でも、カイツブリにいたっては秋でも冬でも営巣することがあるから。

とまあ、一見春の兆し風でも、必ずしも春とは限らないことも多い。が、

ケリがけたたましく鳴きながら、喧嘩をしていた。
ハシビロガモの多くが2羽でクルクル回っていた。

前者は、繁殖のためのなわばりを持ち始めたってことだろう。後者は、つがいが形成されたってことだと思う。これならどうだ?


2009年3月3日 サクラの花を食べる鳥

Urban Birdsの最新号が届いた。関東を中心に市街地周辺の鳥についての調査研究をおこなう都市鳥研究会の会誌である。見た目はどうってことのない会誌なのだが、興味のある記事が多いので、けっこうお気に入り。
今回の号には、1984年から2008年の東京銀座のツバメの繁殖記録のまとめとか、横浜でのドバトの分布を1976年と2008年を比較したのとか、けっこう力の入った原稿が掲載されている。が、なぜか一番気になったのは、わずか2ページの「サクラの花を採食するシジュウカラ」という話題。へえ、スズメだけではなく、シジュウカラもサクラの花を食べて落とすんだ。と思った。ふと見ると、引用文献に同様の論文が載っていたので、こちらもチェックしてみた。こっちの方がしっかりしている。

今村知子・井田俊明(1987)サクラの花を採食する鳥類.応用鳥学集報7:61-64.

1984年から1987年の東京での観察記録が報告されている。この頃から、スズメによるサクラの花の採食はたくさん見られていたらしい。またヒヨドリはもちろん、ワカケホンセイインコ、シジュウカラ、ドバトによるサクラの花の採食が報告されている。シジュウカラによるサクラの花の採食って、知らなかったけど、20年も前からあったのか。
今年の大阪のソメイヨシノの開花は3月25日だっけ? サクラの花に注目していれば、大阪でもシジュウカラその他によるサクラの花の採食が見られるかもしれない。ドバトが食べるならキジバトも食べそうだし。シジュウカラが食べるならヤマガラも食べるかも。


2009年3月2日 繁殖干渉の世界

昨日は、とある団体の総会があって、関連した講演会を聞く機会があった。おもしろかった。その時に思ったことをメモしておこう。

でもまあ、詳しくは明日にでも。


2009年3月1日 一鵯館 一時休館のお知らせ

ご利用のみなさま

本年2月1日の開業以来、長らくのご愛顧を賜りました一鵯館ですが、この度、客室改装のため本日3月1日をもちまして一時休館させていただくこととなりました。ご贔屓のみなさまにはご不自由をおかけしますが、何とぞご了解くださいますようお願いします。

改装後の一鵯館は、今までの伝統を継承しつつも、今まで以上にお客様サービスの向上及び地球に優しい営業に努める所存であります。まず、地球温暖化に鑑み冷蔵庫・テレビ・洗濯機など無駄な電気器具は設置いたしません。しかし、大阪市内での生活に欠かせない冷暖房は完備いたします。また、自然史図書室を併設し、蔵書数百冊を自由に閲覧いただけるようにする予定です。また、再オープン記念に管理人自慢の海洋堂動物フィギュア展も企画いたしております。
再開の後も、一鵯館に今まで以上のご愛顧を賜りますよう、よろしくお願いします。

なお、改装後は、客室と管理人室が入れ替わりますので、くれぐれも間違って管理人室で寝泊まりしないよう、ご注意ください。
管理人


2009年2月28日 初めてのお買い物

昼食を買いにスーパーに行った。レジが空いてると思って並ぶと、前に小さな女の子が並んでいた。幼稚園くらいか? 一人で買い物らしい。知らない人と話すのは苦手なんだろうか。レジの人とほぼ身振りでコミュニケーションを図っている。

一人でお買い物? お金あるの?
うなずく。で、メンバーズカードを差し出す。
メンバーズカードをレジに通してから、商品もレジを通す。買っていたのは、冷凍食品となんか箱に入った食べ物の二つ。値段わかるのかな?と思ったら、
お金を差し出す。だいたいいくらかかるかは想定されていたらしい。
商品をレジ袋に入れて、お金を受け取り精算。まず商品を渡そうとすると、
持ってきていたエコバッグを差し出す。
あれはエコバッグだったのか。で、レジ袋から取り出して、エコバッグに入れようとすると、なんやら拒否反応。
冷凍食品を勝手にビニール袋に入れたのがいけなかったらしい。
ビニール袋から取り出して、エコバッグに入れ直して渡す。で、お金を渡そうとすると、
財布の口を開けて差し出す。
レジの人はなぜか、お金とレシートをわざわざビニール袋に入れて財布の中に。

丁寧なつもりかもしれんけど、エコバッグ持ってきてる相手に無駄なビニール袋を付けるのはどうかしている。そういえば、その子に拒否られたレジ袋とビニール袋はレジ脇のゴミ箱に捨てていた。これもその子の気持ちを汲んでいないと思う。そもそも、レジ袋を断った時に用意したレジ袋を捨てる輩は嫌いである(断った意味がないやないか!)。

結局、その子のお買い物に10分くらいかかったのではないかと思う。急いでなかったので面白かった。
遠くから、その子によく似た女の人が、隠れてこちらをうかがっていた。お母さんであろう。時間がかかるので、少し近づいて来ているようす。買い物が済んだ女の子は突然元気になって、お母さんに気付かず明後日の方向に走っていった。無事にお母さんに会えたんだろうか?


2009年2月27日 気に入る本と気に入らない本

マンガやSFはおいといて、自然史関連本についての自分の評価を少し考えてみた。
ノウハウ物はあまり評価は高くない。単なる蘊蓄物の評価も低い。他の本で調べて書いてるような本は論外。というわけで、どうやらオリジナリティ重視らしい。
タイトルから予想されたのとかけ離れていても評価が低い。タイトルで問題や疑問を提示している場合は、それに答えているかは重視される。
著者の考えを提示している本は評価される傾向があるが、というより著者の考え・アイデアがない本は評価されない。が、根拠が充分示されていなければ逆効果になるかもしれない。ただ根拠薄くても、ものすごーく面白いアイデアならば、評価される。あるいは新鮮な視点や世界を見せてくれるものも評価される。
あとは、文章の読みやすさ、図表のわかりやすさ。

本なので、根拠の薄い自説を主張するのは認めるけど、加減は難しい(あまり推論に推論を重ねたもの、突飛すぎるものの評価は低くなる)。本なので、リーダビリティはそれなりに重視される。とはいえ、評価の方針は、論文の評価とほとんど同じような気がする。
そして、この評価軸は、基本的にSF作品を評価するときも同じなんだな。

といったことを、自分が原稿を書いている本に当てはめてみると…。本にダメ出しをするのは簡単だけど、書くのは難しい。


2009年2月26日 本棚効果

マンガを買ってしまった。どうも昨年の8月以来、約半年ぶりらしい。本屋にはよく行くし、本を買うのも好きだけど、近頃あまりマンガを買ってなかった。一度遠ざかると、今度読んでみようと思っていた作品名も怪しくなり、なんとなく昔から惰性で買っている作品以外は買わなくなっていたように思う。が、なぜか突然マンガ熱復活のきざし。理由は本棚。
本棚を購入して持って帰ってきて、その勢いで組み立てて、その勢いを維持したまま本を並べてしまった。せっかく本を並べるのだから、なにかしら分類したくなる。出版されるのを一通り買っているSFは、なんせ量が多いので、読了or未読/版型/出版社/国内作家or海外作家程度の分類しかできなかった。が、マンガはそれなりに厳選して購入しているので、大まかな内容/作者名/作品名でソートして、作品はもちろん1巻から順に並べた。久しぶりにながめる作品もあって、ページをめくりたくなるところだが、そこはグッとがまん。とりあえず一通り並べた。すると、抜けている巻があったり、途中で購入がストップしている作品があったり。そして何より久しぶりに思い出すお気に入り作家。
で、書店では思わずマンガ売り場に足が向き、マンガを手に取ることに。抜けている巻を買ったり、お気に入り作家の最新作を買ったり、ついでに話題作も買ってしまった。
マンガがハイペースで増え出すと、本棚がすぐにいっぱいになりそうで恐い。そして書かないといけない原稿が目白押しのこの3ヶ月。逃避行動をしてる場合ではないのだけど、マンガは逃避行動にうってつけ。ギャラリーフェイクを全巻読んだりしそう…。


2009年2月25日 標本である動物の死体を宅配で送っていいのか?

とある質問を受けて調べ始めたのだが、よーく質問のメールを見ると、質問の焦点が違っていた。せっかく調べたのに…。というわけで、調べたことをここに記録しておく。きちんと調べ尽くしたわけではない。というか、法律が色々あってよくわからん。もし勘違いがあったり、こんな法律で規制されてるよ!というのがあればお知らせいただきたい。

質問されたと思ったのは、「宅配便で動物の死体を送ることは、法律で規制されているのかいないのか」(ほんとの質問は違ったんだけど)。で、調べた結果は以下のような感じ。返事口調になっている。ですます調は、である調に変えておく。

宅配に関連しては、貨物利用運送事業法や貨物自動車運送事業法など、さまざまな法律が関わっている。そのすべてを網羅して熟知しているわけではないのだが、いずれにせよ上記の二つの法律によると、宅配業者は利用運送約款を定め、国土交通大臣の認可を受けなければならないことになっている。したがって、各業者の利用約款を確認すれば、問題の有無はわかるはず。

◆クロネコヤマトの宅配便利用約款「第六条 当社は、次の各号の一に該当する場合には、運送の引受けを拒絶することがあります。」の中に、「生きた動物(魚類を含む)」と「遺体、遺骨」とある。
◆日通の宅配便利用約款「第七条 当社は、次の各号に揚げる荷物は引き受けません」の中に、これまた「生きた動物(魚類を含む)」と「遺体、遺骨」とある。

国土交通大臣が標準運送約款を定めているらしく、基本的に利用約款は各社似たようなものとなっている。こうした規定に準じる形で、動物の死体の引き受けは拒否されることがあるのだと思う。ただし業者によっては、引き受けてくれる時もあったりする。

宅配とは少し違うが、郵便法「第十二条 (郵便禁制品)  次に掲げる物は、これを郵便物として差し出すことができない。」の第三項に「生きた病原体及び生きた病原体を含有し、又は生きた病原体が付着していると認められる物(官公署、細菌検査所、医師又は獣医師が差し出すものを除く。)」とある。これを真面目にとれば、少なくとも郵便で死体は発送できないように思う。

いずれにせよ、動物の死体の運搬自体を禁止する法律はない(ような)のだが、かなり微妙ではある。一方で食品の中には明らかに”動物の死体”であるものが少なくなく、動物の死体全部を運ばないという判断はあり得ない。その中で、現場でどのように判断されるかがポイントになるのだろう。今までの経験からすると、「死体」は運んでもらえないことが多いが、「標本」はたいてい運んでもらえる。


2009年2月24日 テレビも冷蔵庫も油物もない生活

引越プロセスが進行中。というかほぼ終わった。大物は運び終わった。大量にため込んでいるTシャツと本も運び終わった。
ケーブルテレビは、抜いて運んだらそのまま映った。固定電話も抜いて運んでみたけど、かけられなかった。当たり前か。NTTに連絡しなくてはいけない。ちょっと面倒。

本は、ようやく昨日、本棚を購入して本棚に並べた。本は本棚に並んでいる方がいいな、と思った。何があるかわかりやすいし。しかし、すでに文庫本は2列に並んでいる(でないと入らない)。一部、平積み組も出てしまった。もう少し本棚を買う必要がありそう。
ちなみに、もし遊びに来る人がいたら、抜いた本は必ず、もとの場所に返すこと。微妙に分類してあるのである。さらに未読本と読了本が区別されていたり、読了本も感想未記録の本が区別されていたりする。ぜったいに混ぜないように。

で、荷物はあらかた運んだのだが、まだ寝食は昔のままの部屋。物が少なくって、広くなった部屋は意外と快適。
冷蔵庫を運んだので(隣の部屋だけど、物の出し入れが面倒)、冷蔵庫のない生活。腐りにくい物ばかり食べている。さらにガスレンジを掃除したので(もとはグレーであることが判明した!)、これを汚したくない。というわけで、揚げ物・炒め物・焼き物は禁止。煮物ばかり食べている。
思わぬ耐乏生活。このちょっとした非日常感はけっこう楽しいかもしれない。しかし、テレビが行ってしまったので、けっこう寂しい。仕方がないので、本を読んだり原稿を書いたり。仕事ははかどるかもしれない。だといいけど…。

【2月26日の追記】
懸案であった牛乳瓶と紙袋の整理も完了。自分が牛乳瓶コレクターであったとは知らなかった。洗濯も終わった。部屋に残っているのは、布団と電気とガスレンジ、あとは食事に必要な食器程度。喰って寝るだけなら、こんだけで足りるようである。いかに無駄な物をたくさん持っていることか。荷物は少ない方だと思っていたが、持っている電化製品が少ないだけであった。


2009年2月22日 なぜ子どもはドングリを拾うのか、なぜフグは膨れるのか

ぜんぜん関係ない疑問だぁ。そして片方の疑問に答えはない。
今日は、大阪府南部の某施設の鳥の観察会に参加した。すでに年中行事。昨年は雨が降って寒かったけど、今日は少なくとも観察会の間は雨が降らずよかった。そのせいか、参加者も多かった気がする。とくに小さい子どもが多かった。

午前は、林や農耕地周辺の鳥の観察。未就学の子どもはさほど鳥に興味がなく、せっせとドングリを拾っていた。すぐ横に似たような石が落ちていても拾わない。他にも拾ってもよさそうな物は色々落ちていると思うのに、拾っているのはドングリばかり。それも一人ではなく、何人も。中には一人くらい、熱心に石を拾う子がいてもよさそうなのに、なぜドングリばかり拾う?

午後は河口から河川の鳥の観察。ここのサギはクサフグを食べる。なぜ食べても大丈夫なのかはわからない。でも、毎年、サギがクサフグを食べているのを見る気がする。今日もダイサギがちょうどクサフグを捕まえたところ。呑み込むのかなと思って見ていたら、苦労している。クサフグが膨らんで抵抗しているらしい。抵抗は効果的で、なかなか呑み込めない。苦労しまくった末、ギャラリーの視線が気になったのか、クサフグをくわえたまま飛んでいってしまった。あのクサフグは呑み込めたんだろうか? とにかく、クサフグが膨れるという行動には、高い生存価があることが明らかになった。


2009年2月21日 コショウノキと動物の食性データベース

獣医の卵が集まり、みんなでタヌキを剥いている。メスさばきはうまいらしいのだが、やたらと時間がかかっている。初めてだからと、いろんな物をながめながら処理をしているかららしい。胃を見れば、胃内容物を確認って感じらしい。
タヌキの胃の中から種子が出てきたといって呼ばれた。植物担当ではないのだが、ヒヨドリなんかの食性調査の一環で、糞から出てくる植物種子の同定経験があるから、少しは種子がわかる。とまあ、少し偉そうな感じで行ったのだが、見たことのない種子だった。全然形無しである。きっと遠く離れた地方のタヌキの胃内容物だろうと思ったら、奈良市のタヌキだった。悔しい。
あまりに悔しいので、分厚い種子図鑑を引っ張り出してきて、調べ始めた。全体に球状の白い種子で、鋭く尖った角がある。角から反対側にかけて一直線に筋が走っている。ブドウ科の種子を思わせる雰囲気。でも、ブドウ科にそれっぽい種はない。仕方がないから、端から図鑑を見ていく。やがて、よく似た種子が見つかる。アオガンピ。南の島の植物らしい。それに色が黒っぽくて少し違う。形は似てるんだけどな〜。で、ページをめくると、さらに似てる種子があった。コショウノキ。でも、そんなん生えてるかな?
というわけで、植物担当のSさんに尋ねに行く。一目で同定してくれるとは期待していないが、万が一もある。それに、奈良にコショウノキが植わっていたりするかは知ってるだろう。案の定、同定はできず、でもコショウノキは植わっていてもいいし、確かに似てる!というお墨付きをもらった。コショウノキはとても辛いらしい。噛んでみて、と頼んでも噛んでくれない。代わりにさく葉標本を確認してくれた。コショウノキに間違いないとのこと。ちょっと自分を誉めたくなった。

さて、コショウノキの種子からは妙な臭いがしていた。腐り気味のタヌキの胃から出てきたので腐ったタヌキの臭いかもと思っていたのだが、これがコショウノキの臭いらしい。さく葉標本でも植物体全体から同じ臭いがしていたという。
すこしガス臭い感じで、同時によーく嗅ぐとちょっと酸っぱいような感じもする。けっしていい匂いではない。一種独特の臭い。あまり美味しそうな臭いではないが、香辛料っぽいと言えなくもない。誰か噛んでみないかな?

わざわざさく葉標本を確認に行ってくれた。Sさんを記念して、動物の食性データベースを構築することにした。
哺乳類、鳥類を中心に、標本を作る時に確認できた胃内容物・そのう内容物、野外での採食行動の観察、見つけた糞に入っていた物などなど。いろんな形で得られる動物の食性を、一つのデータベースにまとめておこうというもの。斬新かどうかは知らないけれど、せっかく調べた胃内容物についての情報を有効活用するのには役立つだろう。
確実な情報であれば、他の人の観察・採集記録も盛り込んでいこうと思う。日常的に見かけるすべてを記録していたらキリがないので、観察情報は面白いのに限っていこう。というわけで、もし面白い情報があれば、ぜひお知らせを。


2009年2月20日 本をもらった Panduan Lapangan Pencincinan Burung di Sumatera

JICA関連で、インドネシアから来た客人の研修のお手伝いをした。で、鳥担当の方がお土産にもってきてくれた。嬉しいけど、インドネシア語なので読めない。読めるのは学名だけ。でもまあ、画像を眺めるだけでも楽しい。
インドネシアの鳥類標識調査の本らしい。捕獲した鳥を手に持った画像と、なんやら説明が付いている。バンダー用の図鑑のようなものなのだろうか? でも、鳥類標識調査とは何か、的なページもある。鳥類標識調査の普及書なんだろうか?
とにかく画像が楽しい。というか画像しか楽しめない。キンバト、アカショウビン、コルリ、マミジロ、コサメビタキ、ムギマキ、キセキレイ、チゴモズ。日本との共通種もちらほら。キセキレイが共通するとはちょっと意外。その他は、けっこう色とりどりの南の鳥がいっぱい。とても楽しい。繰り返しになるが、学名しか読めず、画像しか楽しめないが…。


2009年2月18日 アカガエルとプラナリアとウキゴケ

昨日は、能勢町東部を歩き回った。最初は川沿いの鳥の調査だったのだが、その終了後、リスを探そうと山に登った辺りからケチがついた。突然の大雪が降ったり止んだり。地面は真っ白になり、エビフライが見つかるはずもなく。その上、例によって、地形図の点線道が消えていて、雪の中で遭難しそうになった。あまりに疲れて、帰ってきたら爆睡。
と、散々だった気もするのだが、面白い収穫もあった。

2月も半ばになると、アカガエルの産卵シーズン。Tさんからはさっそくアカガエルの卵塊の報告。というわけで、川沿いを歩きつつも、水がたまっていそうな山際の田んぼのチェックもしてみた。とある山際の田んぼ、山側の水路に妙な植物が生えているというか水にいーっぱい浮いている。見たことがあるような気もするがなにかわからない。水草ハンターとしては、無視はできない。と、ひとつまみ採集してきた。
その田んぼのさらに上の方に登ってみた。予定通り、放棄田があって、水がたまっている。残念ながらアカガエルの卵塊はなし。ここ数年、この季節にはアカガエルの卵塊を探しているが、いまだに豊能町と能勢町でアカガエルの卵塊を見つけていない。それっぽい場所はあるのに、不思議である。
アカガエルの卵塊はないけど、水は湧いてきている様子。三面張りの溝にも水がじゃんじゃん流れている。そういえば、ミヤマウズムシは湧水にいるんだっけ。というわけで、溝の中の石の下を見てみる。と、大きなプラナリアが4匹もいた。湧水にはプラナリア。夏は涼しく、冬は暖かいのがいいのかもしれない。頭をよーく見たけど、ナミウズムシのようである。でも、こんな感じで探せば、新たなミヤマウズムシやさらに珍しいプラナリアを見つけられるような気がした。

昨日、採ってきた植物を、水草屋に見せた。あらかじめ『日本水草図鑑』で予習したのだが、種名はわからなかった。が、さすがは水草屋。これはコケであると宣言したと思ったら、コケの図鑑を開いて見せてくれた。ウキゴケというものらしい。環境省のレッドリストでは、イチョウウキゴケと並んで準絶滅危惧(以前は絶滅危惧I類だったらしいが…)。この生息状況も調べねばなるまい。
というわけで、アカガエルの卵塊探しのついでに、プラナリアとウキゴケも探すことになった。


2009年2月16日 鳥のTシャツコレクション

あいかわらずの引越作業。衣料品関連をおおむね運び終え、タンスも運んだ。スーツなんかをぶら下げる四角いのが残ってるけど、残る大物は、冷蔵庫と水屋とテレビ、そして大量の本。
この機会に鳥のTシャツコレクションの実態把握をしようと思っている。そもそも鳥のTシャツをコレクションする気はなかったのだが、鳥担当なので、鳥のTシャツが目に付けば買っていたら、溜まってしまったという感じ。決してコレクターではない。
で、とりあえずすべて運んで床に積み上げてみた。まだ運んだだけで、枚数も数えていないが、思っていたよりもたくさんある気がする。そして、笑えることに買ったまま着たことのないのもたくさん出てきた。ほんとに鳥のTシャツコレクターだったのかもしれない。
今夜から、枚数を数えなら、分類順に整理したいと思っているのだが、どのくらいかかるんだろう? そして、大量に確保したはずの衣装箱は足りるんだろうか?
今日、引越のタイムリミットが大家さんから宣告された。残るはちょうど2週間。間に合うのか?

【追記その1】
Tシャツの整理を進めているところ。なんと一度も来たことのない鳥のTシャツが34枚も出てきた。博物館オリジナルのTシャツも30枚、その内、11枚は鳥偏Tシャツであった。まだTシャツの山の1/3以下しか整理していないのに…。全部で200枚程度ありそうな予感。

【追記その2】
ついに鳥Tシャツコレクションの全貌が判明した。手持ちの鳥Tシャツは、266枚であった。ということが判明するまでにえらく時間がかかったので、当初予想よりも多いのか少ないのかよくわからなくなった。あと100枚あれば、一年間洗濯しなくても、Tシャツの替えはあるってことになるな。


2009年2月15日 タイムカプセル

引っ越しプロセス進行中。この部屋に引っ越して十数年、引っ越して以来、開けたことのない箱を開けるのは、十数年前の自分と出会うような感じ。昔の自分は阿呆やないかと思う。
引っ越してきた時のままのダンボール箱からは妙な物がいろいろ出てくる。空き箱が大量に入っていたり、木の実や貝殻など拾った物がいろいろ出てきたり。レジ袋に紙袋、空き箱と、引っ越して来てからもいらん物を大量に貯め込んでいるところを見ると、あまり進歩がないようでもある。
存在を完全に忘れていた物も多い。ザックがいくつも出てきたり、毛布が2枚、草鞋、スプーンセット、座椅子。

結局のところ、部屋の中の多くを占めているのは、本と服(大部分はTシャツ)といらん物(空き箱、レジ袋、紙袋etc.)らしい。


2009年2月14日 カマキリの卵嚢を食べる鳥

今日、ヤマガラがカマキリの卵嚢(オオカマキリの?)を食べるシーンを撮した写真をもらった。そういえば、Iさんがそんなことを調べてなかったっけ?
確認されたのは、堺市のTさん。2009年2月7日に堺ふれあいの森で、撮影したという。ヤマガラが、カマキリの卵嚢に片足を乗せている。卵嚢には囓り採ったらしい跡が付いている。このヤマガラが開けた穴と見て間違いないだろう。
写真コンテストに応募したら入賞するんじゃなかろうか? 会報の表紙も飾って欲しい画像ではあるが、残念な事に、横位置なのである。残念。


2009年2月13日 ◆外来種か移入種か

とあるメーリングリストに書いたので、要約して、ここにもメモっておこう。O氏が、「移入」という言葉は生態学では、ある地域に自力で出入りする場合使う。だから「移入種」ではなく「外来種」になったんだ。と発言したのに答えて曰く、

生態学でいうところの「移入」「移出」には、自力であるかどうかは関係な
いはず。あるシステム(環境、生息場所、個体群、群集、生態系でもなんで
も)に外部から入れば、「移入」。人的関与があってもなくても関係ないはず。せっかくなので、『生物学辞典』から引用すると、

「移入(immigration):ある生息場所またはある個体群に注目するとき、そこに個体が外部から入ってくること」

ほら人的関与は関係ない。
一方、「外来」という言葉もまた、人的関与はあってもなくても関係ない。というだけなら、「移入種」でも「外来種」でもどっちでもいいことになる。まあ生態学の研究者同士が話をするなら、定義さえ決めておけばどっちでもいいんだろうと思う。

が、いわゆる外来種問題は、広く色んな人に知ってもらう必要がある。そうした意味では、普及という面から言葉を考える必要があるはず。多くの人は語の専門家が定めた定義を一々確認するのではなく、その語が持っている一般的な意味合いに引っ張られる。だから一般的な意味合いで誤解されない語を選ぶ必要があるはず。
いわゆる外来種問題として問題になるのは、ある地域に新たな種がやってくる事ではなく、そのプロセスに人が関与すること。これに異論のある人は、まずいないはず(異論のある人いるのかなぁ、でもだとしたら、それはまるで別の問題)。だとしたら、

「外来種」という語は、外部からやってきた種をすべて指しているように受け取れる。
「移入種」という語なら、人の関与という意味合いが多少なりとも含まれている。生態学者が学問の世界で何を言おうと、「移入」という語の一般的意味には人の関与という要素が含まれていることの方が多い。ちょっと古い版の『広辞苑』を引用すると、

いにゅう【移入】
1:移し入れること
2:人の集団または生物群が一つの棲息地に移動してくること
3:一国内で或る地域へ他の地域から貨物を入れること

だれがどこで「外来種」という語に決めたかは知らないけれど、「移入種」という語の方が誤解が少なく、同時に必要な一般的ニュアンスを含んでおり、明らかにベター。

一つ付け加えるなら、生態学の用語を変更するのは簡単だけど(学会で決めればよろしい、教科書も書き換えればよろしい)、一般的な語感を変更するのは困難。だとしたら、immigrationの訳を、移入から別のに変えた方がいいんじゃないかな?


2009年2月12日 シミの食性

我が家ではセイヨウシミを飼っている。というよりは同居している。主に畳の間で暮らしているらしい。とくに餌をあげていないのだが、どうやって生きているのだろう? と思っていたら、紙を食べる生物らしい。そういえば、我が家には本という名の紙がたくさんある。年々増えている。これだけ食べ物がいっぱいあれば、シミの楽園と言ってもいいだろう。
などと呑気に構えてはいられない。長年本を平積みに積み上げてきたが、いつでも心のどこかに本がシミに食べられていないかと少し心配だった。今回驚愕の事実が明らかになったので、報告しておこう。

引越のプロセスは順調に進行しており、引っ越し先の改修は完了し、いよいよ実際に荷物を動かす目処がたったところ。本の移動に関しては、本棚の購入という最大の難関が待ちかまえているのだが、とりあえず移動の下準備を進めている。長年平積みされた本のほこりを払っているのである。本は平積みにしてはいけないとつくづく思った。表紙にほこりがたまるのみならず、表紙と裏表紙の内側にまでほこりがたまっている。ペーパーバックは妙に曲がっているし、ちょっと悲しい。
で、積まれた本を上から掃除していると、下の方の本には案の定シミの食痕とおぼしき跡が見つかった。面白いことに、本屋で付けてくれる紙製のカバーは食べているのだが、本の表紙自体はぜんぜん食べていなかった。もちろん中のページも食べていない。帯も基本的に食べていないのだが、岩波文庫の帯は食べていた。アメリカ製のペーパーバックは、表紙も中のページも食べられていた。不思議の国のアリスの本が…。
思うに、日本のたいていの本に使われている紙には何かの薬品が入っているんじゃなかろうか? あるいは漂白された紙は食べないとか。食べているのは、茶色い安っぽい紙が中心のようであった。あれだけ、本の山があっても、シミにとっての食物資源になるのは極めて限られているらしい。「地球はどうして緑なのか」という生態学の有名な問いかけに通じるな〜。


2009年2月11日 寄贈者ランキング

ある種の報告書のために、2007年度に標本を寄贈してくださった方の一覧が作成された。ながめていると同じ名前が何度も出てくる。だから、ランキングを作ってみた。
もちろん当然のことだが、ランキング上位だから偉いとか、ランキング下位のみなさんへの感謝が薄いとか、そんなことはない。でも、データがあると並べてみたくなるのである。

もろに個人情報なので名前は公表できない。だから、仮名を付けた。でも、わかる人にはわかるかもしれない。わかっても内緒にしておくように。
基本的に、2007年4月から2008年3月までに受け入れた哺乳類か鳥類の死体の寄贈者のランキングである。死体をもらっても受入作業をおこたって冷凍したままのがあったら、発掘された時に受け入れたと見なされる。死体を受け取ったから受け入れたとは限らないのである。だから、わしは2007年度にあんなにたくさん死体を送ったのに、ランキングされてないやないか!という苦情は受け付けない。それは冷凍されたまま、まだ眠っているのである。
寄贈してもらった死体の点数でのランキングである。寄贈者が複数いる場合は、それぞれの寄贈者に、点数を寄贈者数で割った点数を与えた。あくまでも個人のランキングなので、機関からの寄贈分は省いた。それでは、トップ5の発表。

第1位:団長(18.25点)
第2位:奈良のフーカさん(17.5点)
第3位:堺の獣医さん(17点)
第4位:葛城のフキさん(9.5点)
第5位:虫屋なのに鳥や哺乳類がわかるTさん(9点)

4位まではなにわホネホネ団の中心メンバーに占められている。そのほとんどが哺乳類の死体。なにわホネホネ団ができて以来、哺乳類の標本が増えたような気がしていたが、メンバーががんばって拾ってくるから増えているようである。
ランクインされた方も、されていない方も、寄贈していただきありがとうございます。今後も死体が落ちていたら、ぜひよろしくお願いします。とくに今は大阪府下の哺乳類の死体を大募集中! モグラとかネズミの死体も、見逃さないように。


2009年2月10日 草刈りおじさんと

今日は、めずらしく河川の河口部の調査。めずらしく阪神電車に乗って、尼崎駅で下車。駅では、日雇いの人達なんだろうか? 雑多な感じの人達が集まっていて、偉そうな感じの人に順にタクシーに詰め込まれていた。
こちとらは埋立地の工場で働くみなさんと一緒に、バスに乗って埋立地の方へ。尼崎市バスに乗ったのは初めて。そんなんあったんや。前乗り後降りで、乗る時に200円払う。伊丹市営バスみたい。

大阪湾岸の河川河口部は、たいてい工場に囲まれている。ときには川岸まで工場敷地になっていて、河口部をのぞくのに苦労することもある(らしい)。山間部の調査ばかりしていて、河口初心者としては、果たして無事に河口にたどりつけるか、ちょっとドキドキしていた。
が、行ってみればあっけなく。川沿いにちゃんと道があるし、高水敷も歩ける。みんな散歩してる。でもってけっこう草が生えている。カヤネズミが巣をつくるのにピッタリな草なのだが、影も形もなし。ここまでカヤネズミがやってくるのは無理なのだろう。で、そんな草をちょうど刈り取る作業の真っ最中。
なぜか作業の手を止めて、おじさんが近づいてくる。何か怒られるのか?と少しドキドキしたが、

鳥を見にきたん?
はいそうです。
ちょっと見て欲しいものがあるんやけど。

なんのことかわからんが、素直に付いていく。途中、イソヒヨドリが飛んだ。

あれ、カワガラス?
いえ、イソヒヨドリです。
ふーん。

これを見せたかったのか? 用事は終わったのか? と思っていたら、なんやら入れ物がでてきた。

草刈りしてたらカニがいっぱい出てきたから、捕まえてん。
アカテガニみたいですね。
作業が終わったら、逃がしたろと思てんねん。
カニにも興味があるので少しもらってもいいですか?
ええけど、大切にしたってや。

というやりとりのもと、アカテガニをGET。尼崎市産のアカテガニの標本は貴重に違いない。持ち帰ってきて、萌蔵に種類を確認。やはりアカテガニで正解らしい。死んだら、ホルマリンに浸けて標本にして、大切にしよう。
で、一つよくわからないんやけど、おじさんはどうしてカニを見せてくれたんだろう? 淀川水系のカニの標本を集めてると見破られたのか?


2009年2月9日 河川敷での鳥の食事風景

大路次川という川沿いを歩いた。2月に入って川沿いを歩いていて思うのだが、普段は川とあまり関係なく暮らしていると覚しき鳥が、この季節はけっこう河川敷にやってきて食事をしている風景にでくわす。

そもそも川沿いの林縁や草地にはジョウビタキが多いのだが、いまは特にたくさん見かける。それも川道内にいる。岸際や中州の石の上にちょこんとオレンジ色の鳥がとまっている。見るたびにカワセミだ!と思って双眼鏡をのぞくと、ジョウビタキ。メスよりオスの方が、よく河川敷に出ている様子で、いっそうカワセミと間違いやすい。
で、そのジョウビタキ君は、カワセミには真似のできない軽やかな動きを見せる。真のヒタキ類がやってみせるフライキャッチのような感じ。フワフワと飛んでは、クルッと回ってもとの岩に戻ってくる。時には、フワフワフワフワと川面を行ったり来たり。どうも水面上を小さい虫が飛んでいるようで、それを採っているらしい。カゲロウ類ではなく、双翅類なのだろうか。キセキレイがよく川面を飛んでる虫を熱心に狙っているが、ジョウビタキも同じようなことをするとは知らなかった。すぐ近くでキセキレイも同じようなことをしていたりして、これまたややこしい。

低水敷の枯れたヨシの中には、アオジやホオジロなんかがよくいるのだが、けっこうメジロやエナガ、シジュウカラも混群でやってきている。エナガだとそうでもないのだが、メジロやシジュウカラはパチパチと盛んに大きな音を立てている。枯れたヨシの中の虫を食べているらしい。
こうした枯れヨシの中の虫を食べる鳥といえば、オオジュリンやツリスガラの姿が思い浮かぶが、大阪でこうした種は淀川などの大きなヨシ原にしかいない。山間部の小さな川のヨシは、カラ類(メジロを含む)が採食する場所になっているらしい。
でも、エナガはあの小さなくちばしで、ちゃんとヨシの中の虫を捕まえてるのかな?


2009年2月8日 宿帳?

大学時代お世話になったSさんの家は、2DKに夫婦+息子(当時はまだ小さい子ども)とすでに人口密度が高いくせに、いろんな客人がやってきて、泊まっていったりするので、より一層人口密度が高くなるという不思議な家だった。調査に連れていってもらう前の日などに、しばしば泊めてもらって、飯までごちそうになっていた。貧乏学生にとって、宿はともかく、飯代がうくのが嬉しかった。
このSさんの家には、宿帳(別の呼び方だったか?)があって、宿泊の有無にかかわらず、来客は最低でも名前を書かされる事になっていた。鳥関連のいろんな人がやってきているので、宿帳を見返すだけでも、けっこう楽しめた。

2月2日に別宅ができたのだが、それからわずか1週間の間に、5日に2人、7日に4人と来客というか宿泊客がやってきた。本当に簡易宿泊施設と化していく可能性がある。記録好きとしては、せっかくなので宿帳でも用意して来客を記録しておこうかなと思い始めた。
なぜか大家さん公認で、荷物を運び込んでいる子分達にも宿帳を書かせるのか、宿帳を書くのは宿泊客だけなのか、それとも休憩利用者(あるいはパーティ参加者?)も書かせるのか。いくつかの点を早急に検討しなくてはならない。将来宿泊料金を設定する際にも、このデータが役立つことだろう。

明日、壁紙の張り替えなど、内装の改修工事があり、それが完了したら、本格的に引越作業がスタートする。目指せ、2月中の引越完了。


2009年2月7日 茨木市のミヤマウズムシの記録

大阪の哺乳類の生息情報が載ってそうな文献は一通りあたったつもりだった。が、とても古い文献をいくつか見逃していたらしい。そして、まさにとても古い時代の情報が足りない。というわけで、追加の文献渉猟。

箕面生物研究会という団体の、『箕面の生物』という文献を書庫で見つけた。生物というからには、哺乳類も載ってるに違いない。と思って順にながめていく、あいにくとびとびにしか所蔵されていないが、けっこう面白い。
植物、昆虫などに混じって、キノコ、コケ、クモ、プランクトンまで出てきて、多様性が高い。クモの項の執筆者には八木沼大先生の名前が出てたりする。両生類は、1960年代にはダルマガエルが普通な感じに書かれているのが、1970年代後半にはダルマガエルがまるで出てこなかったりしていて、時代の変化も感じさせてくれる。

で、1963年の第7号に、「茨木市北部の動物」(川本健三1963)という報告が載っている。『箕面の生物』なのに茨木市〜。などと思いながらながめる。基本的に両生爬虫類が好きらしく、シロマダラ、タカチホヘビ、モリアオガエル、サンショウウオ類の記録が並ぶ。ブチサンショウウオが記録されているけど、同定は確かなのだろうか? などと思っていたら、魚や蝶が出てきて、最後に<プラナリア>という項があった。
この文字に反応してしまう自分が少し悲しいのだが、わずか3行の報告の中に驚愕の事実が書かれていた。引用しよう、

「ナミウズムシとミヤマウズムシの2種がいる。ナミウズムシは各地の渓流にいるが、ミヤマウズムシは前種よりも狭適温性で、※1と※2とで発見されただけである。」(もしかしたらミヤマウズムシは超希少種かもしれないので、保護のため産地名は伏せ字にしておく。わざわざミヤマウズムシを採集に行く奴は、大阪に4人くらいしかいないとは思うけど…)

大阪でプラナリアの分布調査と言えば、ナミウズムシとアメリカナミウズムシand/orアメリカツノウズムシの分布境界を探すというテーマしかないと言っていい状態だった。山手の上流部に行っても、どうせいるのはナミウズムシ。と、テンションは下がり気味。しかしである。もし山手に超希少なミヤマウズムシがいるかもしれないとなると、話は違う。とたんに山手でPを探す意欲が湧いてくる。
幸いなことにミヤマウズムシはナミウズムシと外見で区別できそうとのこと(図鑑を見ると、なんか頭の形がアメリカツノウズムシに似ているような…)。盛り上がるな〜。とりあえず、45年前にミヤマウズムシがいたという場所に行ってみなければ!

『箕面の生物』の欠号は、近いうちに、Mさんが持ってきてくれることになっている。その中にまたプラナリアの報告があるかも。期待しよう。

【追記】
2月14日、Pが興奮して帰ってきた。文献に記載された場所に行ってみて、本当にミヤマウズムシを採集してきたらしい。近年の大阪での記録はないはずなので、45年振りの再発見と言っていいのではないかと思う。生き残っていたとは、同定が正しかったとは、ちょっと驚き。そして最大の驚きは、Pが見事に現地に到達できたこと。まともに電車も乗れないくせに。


2009年2月6日 引越プロセススタート

Fさん家から、いらなくなった物をもらってきた。とはいえ、子分達がもらってきたので、何をもらったのかよくわからない。あとは、壁紙を張り替えて、本棚を入れたら、引越が本格的にスタート。
意外と今月中に完了するかも。なんせ引越大好きな者達が、周囲にたくさんいるようなので。

夜は、積ん読状態の本達の整理をした。ほこりを払っただけとも言う。


2009年2月5日 右回りと左回り

今日は、本の発送作業というのをした。国内外含めて1200件以上に対して、11のアイテムを20パターンの組合せで送るという訳の分からない作業。12人が入れ替わり作業したのだが、ほとんど一日中かかった。
最初の作業は、封筒への宛名貼りと、送付パターンにしたがって送付物のセットを必要部数作成すること。11のアイテムを並べて、指定された組合せで取って歩く。グルグルグルグル何周も同じ場所を回ることになる。出だしは好調だったが、手元を見ながらグルグル歩いていると、目が回り出し、やがて気持ちが悪くなってきた。酔ったみたい。船酔いするし、近頃車酔いも復活してきたし、酔いやすくなってるのかもしれない。同じ向きにずっと回るのがいけないのであろうと、途中で逆向きに回ることになった。すると、確かに気持ち悪さがなくなってきた。そのままグルグル回り続けても、気持ち悪くならない。不思議だ。
最初は右回りをしていて気持ち悪くなった。左回りに変えたら、気持ち悪くならない。で、もう一度、右回りに戻ってみた。やはり気持ち悪くなる。どうやら、右回りは気持ち悪くなって、左回りはならないらしい。面白いことに一緒にグルグル回っていた多数派も同じ傾向が見られた。同じ傾向が見られなかったのは、どっち周りでも酔わないという強者(あるいは繊細さに欠ける奴)だけであって、左周りで酔う者はいなかった。

この現象について、人間は左側に心臓があるからである、という意味不明の説明がなされたりしていた。意味がわからん。だから、トラック競技は左回りなんや! という意見があれば、競馬は左回りも右回りもあるぞ、という反論も。
ともかく、充分な再現実験とサンプル数から、この謎の現象の存在は明らかだと思う。その原因については、今後の研究を待ちたい。ってゆうか、すでに良く知られた現象?


2009年2月4日 本をもらった ニホンリスを知ってますか?

リス・ムササビネットワークというグループがある。哺乳類に関わらざるを得ない関係上、情報収集の一環として、会員になっている。年末に久しぶりに会費を振り込んだのだが、気前よく0を一つ多く付けてしまい、今後10年は確実に会員で有り続けることになった。
そこから、『ニホンリスを知ってますか?』という冊子が送られてきた。会員になっていてよかった〜。24ページの小冊子だが、写真とイラストを多用してて、なかなかの力作。見開きで一つのテーマが展開される。テーマは、

・日本にすむリスの仲間
・ニホンリスの体
・森の食べ物
・ニホンリスの巣
・森とともに生きる
・木の上の子育て
・ニホンリスのすむ森
・ニホンリスのすめない森
・ニホンリスをおびやかす外来種
・ニホンリスをさがしに行こう

食性、繁殖生態、貯食、生息環境、他種との関係などなど、ニホンリスに関わるいろいろなテーマがコンパクトにまとまっていて、なかなか便利そう。リスの観察会の資料にはぴったり。もう1ヶ月早ければ早速使ったのに…。

どうやら非売品らしい。が、ミュージアムショップで扱いたいな〜。


2009年2月3日 芥川のプラナリア

昨日と今日で河口から源流部まで芥川を究めた。鳥の調査なのだが、もっぱらプラナリアを採って歩いた感じ。芥川のプラナリアの分布はかなり明らかになってきた気がする。
上流部にナミウズムシ、淀川との合流部にアメリカナミウズムシとアメリカツノウズムシが分布している。まあ、そんなことは随分前からわかっていた。問題は、両者の分布境界がどの辺りにあるか。

今回の調査の結果が、ナミウズムシとアメリカナミウズムシが共存している場所が見つかった。場所は芥川橋と門前橋の間。芥川の中でもすでにけっこう下流域で、山から出てけっこう流れた後の地点。周囲は、すでに市街地化が進んでいる。ただ、川際は、けっこう農耕地が残っていたりもしている。
こんなところにナミウズムシがいるのはちょっと意外ではある。が、ヒラタドロムシもいるし、ヒメドロムシも採集できた。そこそこの水質は保たれているようである。
というわけで、この共存域がどの程度拡がっているのかが、今後の探索テーマになるかと思う。


2009年2月2日 お風呂を借りる

諸般の事情で引っ越すことになったのだが、荷物運びに先行して、お風呂だけ引っ越した。そもそも風呂が水漏れするからの引越なわけで、いつまでも水の漏れる風呂を使わずに、新居の風呂を使えってわけ。昨日の夜、鍵をもらって、今朝から風呂は新居を使うことになった。
着替えとタオルとシャンプーを持って(石けんは忘れた)、隣のお風呂へ。なんか銭湯にいく気分。部屋の電気は持ち去られているので、夜は風呂に入れない。もともと朝風呂派なのでかまわないのだが、それに立派な理由ができた感じ。
新しいお風呂は、十数年使い続けている我が家の風呂と違って、とっても綺麗。ビジネスホテルのようである。綺麗だけど落ち着かない。うちの汚い風呂がいいな〜。

引越はここに来て、ややこしい展開になってきた。引っ越すのではなく、別宅を持つ案が浮上してきている。二つめの部屋は格安でかまわないのだとか。たしかにその方が、住所変更をしなくてすんで有り難いのだが。ゆっくり引越できて有り難いのだが。たくさんの居候を抱えることになりそうで、ちょっと不安。大家さんは、妙な奴がたくさん出入りしてもかまわないとは言ってくれている。どうしようか?


2009年2月1日 奇跡のウチワゴケ

今日は、コケの先生に引き連れられて、コケの観察会。一日かけて1kmほど歩いて戻っただけ。コケの観察会は運動にはならない。でも、新しい世界が開けて、かなり楽しい。

我々のコケの先生は、コケを見つけてもなかなか名前を教えてくれない。仕方がないので、我々生徒で暫定的な名前を付ける。名前を付けて、区別をして、新たに名前をつける対象を探す。まさコケの分類学事始めのような次第でなかなか楽しい。
幸い手元にコケの図鑑があったので、適当に似たようなコケの名前を拝借したり。リボンゴケ、ハイゴケ、クサリゴケ、などなど。見た目で適当に名付けたり。フワフワ、縮れたの、ちょっと違うフワフワ、朔が尖ったの、などなど。

とある岩の上にとても特徴的なコケが生えていた。丸くって、蕗の葉っぱを小さくしたような。さっそく名前を考える。ウチワゴケでどうだろう? 満場一致でウチワゴケが採用された。先生も薄笑いを浮かべながら、うなずいていた(と思う)。
手元にあったコケの図鑑は、とてもすぐれもので、地衣類やシダ植物も微妙に掲載されている。同級生のNくんが、なにげなく図鑑をめくっていて、驚きの声を上げる。なんとシダ植物の一種に、ウチワゴケと称するものが載っていたのである。すでに名前をパクられていたのか〜。と思いきや、そのウチワゴケの写真は、いまウチワゴケと名付けたコケの写真とうり二つであった。つまりシダの一種で、本当にウチワゴケという名前だったのね。
自分の感性は、日本人一般と基盤を同じくするんだな、ということを悟った瞬間であった。嬉しいような、悔しいような。

ともかく、いまだに蘚類と苔類の区別すらつかないが。腹葉が裏にあるのか表にあるのかもわからないが。緑色の岩や木を見つけたら近寄ってながめ、一面にコケが生えてるのを見つけたら、わー、と行ってあまり踏まないように近づくようになってしまった。
ただ、種名がもう少し簡単にわかると、もっと楽しいのだが…。


2009年1月31日 足跡スタンプ

動物の足跡テーマのワークショップを企画中。足跡はへっこんでいなくちゃ。平面へのハンコではなく、立体の足型であろう。そういえば、と鹿の足先が転がっているのを思い出したので、持ち出してみた。気持ち悪がられるかと思いきや、けっこう好評。イノシシもなかったっけ? タヌキはなかったっけ? タヌキの足先のミイラは臭いかなぁ?


2009年1月30日 大阪府の未定着外来哺乳類情報募集

鳥でも哺乳類でももちろんその他の動物でも、逃げ出したペットや放された動物が、野外で一時的に観察されるのと、それが野外に定着するのとの間には大きな違いがある。野外に定着したと判断する大きなポイントは、野外で繁殖したかどうかだろう(室内で勝手に繁殖したのでもいいけど)。
現在把握している限り大阪府内に定着した外来哺乳類としては、アライグマ、ハクビシン、チョウセンイタチ、ノイヌ、ノネコ、タイワンリス、ヌートリア、家ネズミ類があげられる。なぜか食肉類と齧歯類ばかり。そして、大昔に定着したのと、ごく最近定着したのに分けられる。最近組は、アライグマ、ハクビシン、タイワンリス、ヌートリアの4種。
こうした大阪府に定着した外来哺乳類については、それなりに情報がある(ノイヌやノネコについての情報はあまり残されてないけど…)。しかし、定着が確認されていない外来哺乳類についての情報はあまり残されていない。たぶん逃げ出したペットみたいなのの情報を一々残しても、という気がどこかにあるんだろう。が、逃げ出したペットの情報をこまめに残していかないと、新たに定着する外来哺乳類について、とくに定着初期の情報が残らない事になる。
というわけで、定着は未確認ながら大阪府内で確認された外来哺乳類の情報を探して回っている。もし見たことがあれば、見た人を知っていたら、情報が載っている文献に心当たりがあれば、ぜひお知らせ願いたい。大阪府内の情報はもちろん大歓迎だが、大阪府以外の関西の情報も歓迎する。

で、気になっている種をあげておく。
◆ハリネズミ:静岡県などでは野生化している。関西でも奈良県で記録があるらしいのだが、詳細がわからない…。
◆タイワンザル・カニクイザル・リスザル:和歌山県でのタイワンザルの野生化はよく知られている。が、奈良県でもこの3種のサルの野外での記録があるらしい。詳細がわからない…。
◆フェレット:枚方市、寝屋川市、大阪狭山市での情報を聞いたことがある。他にももっと情報があるはず。逃げ出したばかりの個体の情報でもいいので、大募集中。次に大阪府に定着しそうな種の一つだと思う。
◆シマリス:関西では鈴鹿山系に定着しているらしい。大阪でも和泉葛城山で記録があり、すでに野生化の恐れすらある。都市公園でもどこの情報でもいいので、野外で見かけたら、ぜひお知らせを。
◆キタリス:これを野外で識別するのは難しいか…。大阪では和泉市での記録がある。
◆タイリクモモンガ:大阪府内での記録は知らない。兵庫県の仁川で観察例があるらしいのだが、詳細がわからない…。
◆カイウサギ:都市公園や河川敷、山(箕面市、富田林市)で記録がある。大和川や石川で見たという話も聞いているのだが、うかつな事に詳細を記録し損ねた。なんか情報があればぜひ提供を。

その他、手元には大阪府内でのシマスカンク、プレーリードッグ、ゴールデンハムスター、クスクスの記録がある。もっと変なのを見かけた人もいるかも。ぜひお知らせを。


2009年1月29日 アヒルの卵

アヒルの卵は、綺麗な色をしている。英語では、duck's greenという色があるんだそうな。どっちかと言えば、緑がかった薄い青だと思うのだが。
アヒルの卵は、大きい。一番大きなニワトリの卵より少し大きいくらい。
アヒルの卵は、けっこう美味しい。昨日始めて生で食べてみた。

アイガモ農法をしている知り合いの知り合いから、育ったアイガモをいただいた。だいたい頂くのは秋。クリスマスに食べよう! と思うのだが、毎回殺すのがしのびなくなって、そのまま飼うことになる。今も、雌雄1つがいが生き残っている。
アイガモのメスは、時々思い出したように卵を産み始める。ぜんぜん生まない期間が続いたかと思うと、突然毎日生む期間がやってくる。マイブームが周期的に訪れるんだろうか? あるいは死を予感して、子孫を残そうとがんばりはじめる? でも、生んだタマゴをきちんど抱いたことはなく、卵が孵ったこともない。
先日、産卵モードに突入したことが確認された。飼育小屋のあちこちから10個ほどの卵が回収される。回収した卵は、洗ってボールに入れて。さてどうしようと3日ほど、放置。このままではせっかくの卵が無駄になると思い、食べることにした。

以前は、必ず火を入れていた。ゆで卵やスクランブルエッグなどなど。でも、昨日は、ちょうど釜揚げうどんがあった。これは生卵で試さなくては。というわけで、恐る恐る生卵をうどんの上に乗せて食べてみた。とってもうまい。ちょっと白身が多い気はするけど、黄身の味は濃厚。思わず二つ食べてしまった。それから一日。とくに腹痛などもなし。卵が傷んでるということもなかった模様。
で、微妙に卵を食べるマイブームが到来。とりあえず今日は、残ったアヒルの卵をゆで卵にして食べることにした。一度、卵掛けご飯もしてみようと思う。


2009年1月28日 植物のタネの形態の進化

今日は、果実食鳥の糞分析の実習。採集してきた樹木果実からタネを取り出して比較標本に。拾ってきた鳥のフンを洗って、中からタネを取りだして、比較標本を使って同定。という感じ。
毎年のようにやっているのだが、毎年ドキドキである。知らない種子が出るんじゃないかと思うと気が気ではない。植物は専門ではなく、地元の公園の樹木のタネならほぼわかるのだが、山手の妙な果実になるとわからないのもある。毎年いくつか困るのが出てくる。その多くは図鑑などと首っ引きでなんとか時間内に判明するのだが、今日は2種類同定できなかった…。見たことあるんだけどな〜。

で、その実習の終わりの質疑応答では、例によって色んな質問がでる。ちょっと面白いなと思ったのは、被食散布を行う植物のタネの形態はどのような要因で決まるのかという質問。質問者は正確には少し違ったことを尋ねていたが、本質的には同じこと。系統の影響を強く受けているのは確かだが、その他の要因、なんらかの選択圧を受けているんだろうか? タネの色が少し変わっても、形が少し変わっても、適応価が変わるとも思えないのだが。大きさや形は、鳥などの消化管内を移動するときに何か影響はありそうだが…。


2009年1月27日 初めての携帯電話

諸般の事情で、というより引越にともなって、あるいは別宅を持つにあたって、携帯電話を導入することにした。とうとう携帯デビューである。

とりあえず、ドキドキしながらショップに入る。並んである携帯電話を見比べてみる。さっぱりわからない。せめて価格だけでも確認しようと思ったのだが、色んな事が書いてあったりなかったりで、それすらわからない。仕方がないので、店員さんの説明を聞くことにする。
やはりさっぱりわからない。設定が複雑過ぎて一度聞いたくらいでは理解できない(なんせ初めての携帯電話なので、基本的な知識もない)。その上、不合理に思える料金割引制度がある。

・メールやウェブ閲覧ができるパッケージを付けた方が、5000円ほど電話機の値段が安くなる。
・電話機の価格は、分割にしても合計金額が変わらない。
・シンプルサポートというのより、フルサポートというのの方が安い(ただし2年以上使い続けるのが前提、やめる時には解除料が必要)。

ここまでは、競合他社に客を取られないように囲い込む作戦と見れなくもない。いろんなサービスを付けさせた方が、結局もうかるという読みもあるだろう。しかし、

・基本使用料は、フルサポートの方が高い。

客を囲い込みたいのなら、フルサポートの基本料金を下げるべきでは? ほかにも疑問点はいっぱい。

・機種によって、シンプルサポートとフルサポートの本体価格の差はぜんぜん違うのに、フルサポートの解除料が同じ。
・どうせみんな「誰でも割」にするだろうに、そうじゃない選択肢も提示される。そもそも「誰でも割」ではなく、基本料金半額サービスと言え!
・一括払いで0円など異常に安い電話機があるのだが、なぜか分割払いの設定もある。

とまあ、そんなわけで電話機本体0円を選んだ。頼んでないのに、メールとウェブ閲覧が着いてきた。基本使用料が安い方がいいので、シンプルサポート。

店員の方には、どの設定にするか以前に、料金設定についての疑問点をぶつけて、その理屈を根掘り葉掘り尋ねてしまった。こんな客は少ないのかもしれない。結局、30分説明してもらって、決断。10分ほどで設定された携帯電話を受け取った。支払ったのは、充電器の代金だけ。店頭ではお金のやりとりも最小限らしい。
手続きの中で、いろんなものに署名させられたのが印象的。ちゃんと手続きをふんで、説明もしたということを確認しておかないと、後からのクレームがたくさんやってくるってことだろう。
そもそも、料金設定がややこしすぎ。客も店員も大変なだけ。おいらが電話会社の偉いさんであれば、こんな料金設定のプランを提案してきた奴がいたら、アホかと言って追い返すけどな〜。携帯ショップの店員にはなりたくないと思った。


2009年1月26日 ◆展示における説明不足の意義

先日、あちこちの博物館(学)関係者に向かって、新しくつくった展示を説明する機会があった。最初に野郎二人がグダグダと説明した後、現地で展示のコンセプトや手法を説明する。こちらもグダグダであった。その後、教育スタッフのSさんから、子どもにとっての新展示の意味について、報告というか問題提起があった。
Sさんは優秀だというのは知っていた。エデュケーターも編集者も事務員も高いレベルでこなせる。が、アナリストとしてもこれほど優秀とは知らなかった。ユーザー層の概説から始めて、限られた子どもや家族連れの反応をもとに、展示がどのように受け取られていて、どのような可能性があって、今後どのように改善の余地があるかを、無理のないストーリーでわかりやすく、きちんとした視点を入れて説明してくれた。いろんな意味で、目からウロコが4〜5枚落ちた感じ。展示論として、何か論文を書いてもらって、きちんと記録しておいた方がいいんじゃないだろうか。発表の中で突っ込みどころがあるとしたら、サンプルサイズが少ないというだけ。
おかげで、その後の意味不明感の強い質疑応答も、Sさんの話に乗っかって答えればいいだけとなり、楽であった。

主として子どもをターゲットとしたハンズオンやゲーム性の強い展示部分と、大人向けとしか思えないグラフィックによる解説とのギャップの存在が、質疑の中で何度も指摘された。
それに対して、Sさんが提示した解決は2パターンあったように思う。一つはギャップを埋める方向、もう一つはギャップ自体に意味を見いだす方向。

ギャップを埋めるには、
・子ども向けのやさしい解説パネルの追加
・子ども向けのワークシートの作成
・主として大人向けに展示解説書の作成
の3つが提案されていた。子ども向けというのは、結果的には大人向けのやさしい解説につながる。大人向けの展示解説書は、家族連れにとっては親が子どもに語るネタを提供するといった位置付け。展示解説って、親が展示について子どもに向かって語る小道具と考えることができるとは気付かなかった。

ゲームなどと解説グラフィックとの間にギャップがあるだけでなく、そもそもゲームや人形劇やその他のハンズオン自体も必ずしも説明が行き届いているわけでない。それでも少なくともゲームなれしている近頃の子どもは、適当にゲームをさわっている中で、そのゲームの特性を理解して、それなりに操作できるようになっているようである。そこでは、ゲームが何を目指しているかを多少なりとも自分なりに考えているはず。そのプロセスの中にこそ、教育的な意味があるのではないだろうか?という問題提起もなされた。
ゲームなどが説明不足なのは、実はそんな大層な目的があったからではない。単に説明しまくってもどうせ真面目に見ないだろうし。今どきの子どもならそれなりに操作の仕方はわかるようになるだろうし。何よりすべてが説明されたゲームでは一度遊んだら終わるが、わけのわからないゲームならくり返し訪れてくれて、リピーターになってくれるかも。といった事を考えたからに過ぎない。説明不足だからこそ、子どもはゲームを通じて、自分で何かを考え、見つけるという考え方は気付かなかった。怪我の功名とでもいおうか。
説明不足に意義を与えるこの手法は、さらに広く展示の手法として展開できるように思う。アートな展示ではむしろ普通かもしれないが、科学的な展示でこの手法を展開している例は少なそう。ようは、単に説明不足にすると同時に、意味を探したり考えたりする気になるような魅力を同時に持たせるってことだろうか。そもそも自然自体にはそんな魅力がたくさんある。ただ複雑過ぎてなんらかの視点を提案してもらわないとなかなか考えはじめるのも難しいが。実物の標本を並べて、あとは一工夫すれば、そんな展示は簡単にできそうな気もする。
自分で見つけたり、考えたりした結果は身に付きやすそう。逆に一から十まで説明されても楽しくないし、すぐに忘れる。効果的な説明不足をどこに仕掛けるか。あるいは探索したり考えたりするきっかけとなるゲーム性をいかに設定するか。展示について、いろいろ考えさせてもらった。


2009年1月25日 写真コンテスト

とある写真コンテストに出品した。これで、3回目。1回目は、手に持った鳥の画像を出した。すると、手に持ってる画像なんでダメと評価されなかった。そんなレギュレーションは明示されてなかったのに狡いと思った。1回目で評価されていたのは動物の生態を撮した画像であった。そこで2回目は、ヤモリとクモ、バンとカメといったコラボな画像を出した。箸にも棒にもかからなかった。扱いにくい審査員である。で、3回目は審査員をひっかけることにした。

ある日、窓ガラスに衝突したらしいウグイスが連れてこられた。脳震盪を起こしているらしく飛べないのだが、すでに意識はあって、少ししたら復活しそうだった。裏に今時分に咲くサクラの木があるので、そのウグイスをサクラの枝にとめて、サクラにウグイスという画像をとった。復活はしてきたけど、まだ飛べない。好きな枝にとめて、ものすごく近くから撮影できる。まだ元気なく目を閉じることが多いのだが、ようやく元気そうな様子が捕れた。ついでに指にもとめて撮影した。あとどんな構図で撮影しようかな、と思ったら飛んでいった。ま、元気になって何より。ウグイスはそのまま飛んでいったのだから、この画像は放鳥後の画像である。だから決してつかまえた画像ではないのである。そして、こちらには3回目の出品作品ができた。

結果的には、3回目の出品作品は選考外となってしまった。2008年中に撮影した画像が対象だったのに、1月に入ってから撮影したかららしい。むしろそれでよかったかもしれない。
審査に立ち会ったSさん(彼は事情を知っていたのだが、私が口止めしてあった)によると、審査員の先生は、とても感心してくださったらしい。ものすごく接近して撮影したのはわかるからね。でも、復活しかけのウグイスとは見破れなかったらしい。サクラの花と一緒の構図もほめてくださったらしい。だってその枝を選んだんだもん。へへへへ。おいらの勝ちである。なんか妙に嬉しい〜。
でもって、審査員のIさん、すみません…。


2009年1月24日 お引っ越し

妙な経過をたどって、突如引っ越すことになった。

昨日、アパートの大家さんから職場に電話があった。その時、調査に出ていて、帰ってきたところで、話を聞くことができた。なんでも下の階の方の風呂場に水漏れがあって、どうもその水は我が家から来ているらしいとのこと。といっても、今すぐ帰ってどうこうではなく、明日の朝、点検に行ってもいいかという電話であった。
で、今朝、大家さんが水道修理のおじさんと一緒にやってきた。と書くと、なんでもない事のようではあるが、それまでにはすごい努力が隠されている。昨日の夜、帰ってからまず風呂掃除、台所の片付け、ちらばっている洗濯物を洗濯物入れにたたき込んで、掃除機をかけて。とまあ、真夜中に大掃除。
ともかく、密かな大掃除の末に、いざ風呂場の修理。と思ったら、おじさんはチラッと見ただけで、ダメだこりゃ、と言った。ユニットバスを丸ごと取り替える事になるらしい。そうか〜、しばらく銭湯通いか〜。と思ったら、さにあらず。人が住んでる状態でできる工事ではないらしい。
そして、すでに相談済みらしい大家さんから提案が、タイミングの良いことに隣がもうすぐ引っ越すという状況説明が。つまり空いた隣に引っ越せとのこと。同じ提案は、件のお隣さんが入居する前にもあった。長年住み続けている我が家はそろそろ改修のタイミングなのだそうな。

前回は、引越が面倒というだけの理由で断ったが、今回は断り切れない。面倒だが引越である。幸いなことに、少なくとも2月中、もしかしたら3月一杯は、両方の部屋を占拠していいらしい。一時的に部屋が倍増するといっていいだろう。2ヶ月ほどかけてボチボチ引越を進めなくてはならない。面倒。
この話を、某知人にしたら、引越マニアの奴は大乗り気。勝手に引越プランを考えているらしい。何をする気なのかちょっと不安ではあるが、人手があるのは嬉しい。
仕方がないので、前向きに。本棚を買って、うずたかく積まれている本を、本棚に収容しようかと思う。本を本棚に並べるのは楽しいに違いない。でも、電話とか、クーラーとか、ケーブルテレビとか、その他届け出とか、引越の手配はいろいろ面倒そう。


2009年1月23日 ダイエットの成果

この日曜日の夜あたりから病が悪化。それ以来、食欲がない。驚くほど物を食べていない。体重が面白いように下がった。ダイエットって簡単だなぁ。と思うと同時に、これって医者が一番否定するタイプのダイエットだなぁ。ともかく、ちょっと自分の体重について報告してみたくなった。どのようなダイエットでどの程度の効果があったか。テレビの通販番組を見るようなつもりで読んでいただきたい。

そもそも大学時代は、54kgしか体重がなかった。それが、就職して半年でふと気付くと59kgになっていた。食生活上の大きな変化は、朝食を食べるようになったこと。そうか朝食を食べるから体重が増えるんだ、というわけで朝食を食べない生活に戻った。すると、それ以上の体重増加がなくなった。が、しかし、ここ数年毎年1kg程度ずつ体重が増加してきていた。以前なら調査で歩きまくっているシーズンには体重が落ちたものだが、ここ数年はあまり減らなくなったし…。が、みなさん、食事を摂りさえしなければ体重は簡単に落ちるのである。
残念ながら、ダイエット開始時(1月19日)の体重データは残っていない。直近のデータから並べてみよう。

1月14日:63.2kg
1月20日:61.6kg(ダイエット2日目夜)
1月21日:60.8kg(ダイエット3日目夜)
1月22日:60.6kg(ダイエット4日目夜)

ダイエット開始時の体重は14日とあまり変わっていないとすると、3日目までは1日当たり800g減少していることになる。残念ながらダイエット効果は、4日目で落ちるようで、5日目の今日の夜の結果やいかに? と楽しみにしていたのだが、なぜか今日はたくさんの給餌を受けたので、もう成果は期待できないかもしれない。ちょっと残念。

さて、で肝心のどのようなダイエットをしたかだが、固形物はほとんど食べていないのだが絶食ではない。あえて言えばジュース・果物ダイエットなのである。ここ数日の飲食物(ただし水と氷は除く、茶の量は評価していない)を列挙しておこう。

1月19日:300円の月見うどん(1杯)、スウィーティ(1/2個)、お茶
1月20日:飲むヨーグルト(1パック)、林檎ジュース(2杯)、お茶
1月21日:イチゴ(とちおとめ2個、さがほのか2個)、すごいダイズ(1パック)、飲むヨーグルト(1パック)、ミックスジュース(2杯)
1月22日:サクランボ(1個)、ミカン(2袋)、レモン(1枚)、飲むヨーグルト(1パック)、トマトジュース(1杯)、ミカンジュース(1杯)
1月23日:茄子とトマトのカレーライス(1/2袋)、キクイモ・蕪の茎・ワカメ入りラーメン(小さいお椀に1杯)、バナナ(1/2本)、ブンタン(1/3個)、すごいダイズ(1パック)、野菜ジュース(小さいペットボトル)、ミルクティー(1杯)、茶

ほらこの程度なら食べても充分ダイエット効果がある。というべきか。ともかく食欲がわかないおかげで、体重は夢の50kgにあとわずか。相変わらず食欲はないし、もう少し続けようかと思うのだが、今度の日曜日には新年会がある…。どうしよう?


2009年1月22日 長居植物園の野鳥たち

1月20〜25日という短い日程だけど、隣の建物で野鳥の写真展が開かれている。まったく関わってはないのだけれど、植物園でよく会うカメラマンの方に、展示するので見に来るように言われたので見に行ってみた。

展示されてるのは、約60点の写真で、53種の鳥が並んでいる。ぜんぶ長居植物園で撮影したものですか? と思わず会場にいる方に尋ねたくらい色んな種が並んでいる。なかなか珍しい種も、ばっちり綺麗な写真にされている。もちろん大半はこちとらも確認したことのある種だけれど、完全に見逃している種もいくつかあるので悔しい。とくに悔しいのはミゾゴイ。渡りの時期に長居植物園に時々出現するらしいのだが、一度もお目にかかっていない。それどころか未だに見たことのない鳥の一つ。他にもヨシゴイやアリスイの写真もあった。

会場には関係者とおぼしき人達が、パイプ椅子を並べて占拠しているので、少し入りにくい。が、勝手に入っていいらしい。
入口のテーブルには、プリントした写真がたくさん並んでいる。これは無料でお持ち帰りできるらしい。綺麗な鳥の写真が欲しければ、今週末までがチャンス。


2009年1月21日 果実がなくなる

マイフィールドの植物園で、この15年来、果実がなくなるタイミングを記録している。で、今日、なくなった模様。
といっても、観察対象にしている樹種の95%以上がなくなったらなくなったことにしているから、ゼロになったわけではない。観察対象外のシュロやハマヒサカキなんかは残ってるし、観察対象でも5%未満なら残っている。というか、最後の一つまで食べつくされることは少なく、小さい果実や目立たない場所の果実、青いままの果実なんかが数個はしばらく残っている事が多い。
果実がなくなるのは、鳥が食べたから、あるいは落としたから。犯人はヒヨドリを主犯に、共同正犯でムクドリ、ツグミとシロハラが共犯。事件によっては、キジバトやハシブトガラスも主犯格に名を連ねる。

おおむねわがフィールドでは、クロガネモチ、トウネズミモチ、センダンの果実がなくなれば終了となる。果実の残りわずかとなった段階では、果実が残るセンダンに、ムクドリとヒヨドリのたくさん群がるのでけっこうインパクトがある。その他、観察対象外だが、エンジュにもここ数日、たくさんのヒヨドリがむらがっている。
樹上の果実がなくなってきたのは、果実食の鳥たちの共通認識らしく。センダンの木の下では、食べこぼしたセンダンの果実を食べるシロハラやヒヨドリの姿を目にするようになった。一緒にウロウロしてるドバトもセンダンの果実を食べているのだろうか? ヒヨドリが群がるエンジュの下にもドバトの群れがいた。これはヒヨドリの糞や吐き戻しの中のエンジュの種子を食べているようす。
樹上に果実がなくなると、どんどん地上で見かける鳥が増えてくる。芝生にヒヨドリが数羽降りてると思ったら、草の葉っぱを食べていた。もはやセンダンやエンジュの残り少ない果実を食べるよりは、草の葉っぱを食べはじめたらしい。冬野菜を栽培しているみなさま、そろそろお宅の畑にヒヨドリがおじゃまする予定。ネットを用意しておいた方がいいかも。


2009年1月20日 シードシャワー

正確にはどういう意味かは知らない。林床にシードトラップをかけまくっている植物研究者が、あちこちのトラップに入る樹木の種子を総体としてシードシャワーと呼んでる。鳥が呑み込んであちこちに運んで、糞としてタネの雨を降らせるってイメージだろう。特定の場所にかたまってではなく、広く散らばって落ちるというイメージも入っていそう。

今日は、樹木果実と鳥類の関係を解説した後、植物園を歩き回った。下を見て、落ちているタネを見て回ったに近い。果実を付けている樹の下のみならず、あちこちにタネが落ちている。さすがはシードシャワー。
昨年末の鳥類標識調査の時に、2羽のヒヨドリから相次いでわからないタネが出てきた。長年調べているこの場所で、今さら知らないタネが出るとは、と驚いた。で、今日のこと。とある植物園の端っこで、この果実はなに? と見慣れない果実を見せられる。匂いを嗅いでみると、なんやら嗅ぎおぼえがあるような。でも、タネに見覚えはない。というか、まさに年末にわからなかったタネ。がぜん果実の正体を知りたくなって、拾った場所に連れて行ってもらう。オリーブのタネであった。木が生えてるのは知ってたけど、結実していたとは…。
アキニレにカワラヒワが十数羽とまって、実を食べていた。カワラヒワはアキニレのタネの真ん中部分だけ食べて、あとは下に捨てるので、ヒラヒラと食べ終わったタネが落ちてくるのだよ。といいながら近づいてみると、まさにタネがヒラヒラ。十数羽がかなりのペースで食事中。下は小雪が舞っているような状態で、頭にタネが乗っていく。ちょっと不思議で楽しい光景だった。これこそシードシャワー。


2009年1月19日 寝正月

今日は何もする気が起こらず、一日寝ていた。寝正月である。だから何も書くことがない。何も書けない。やる気はまだ戻らない。
寝ているとすごく咳が出た。今月に入って、地下鉄などに乗ると、ものすごく息苦しくなるようになった。その延長線のようである。なんだろう? 某知人のNさんは医者マニアで、ちょっと体に異常があるとすぐに医者に行き、聞いたことのない病名をもらってくる。風邪でいいように思うのだが。というわけで、風邪なんだと思う。


2009年1月18日 4周年+3日

この日記めいたものを書き始めて、今日でちょうど丸4年と3日になる。昨年もそうだけど、書き始めた日を忘れて、肝心の記念日には違うことを書くようになってしまった。結婚記念日を忘れてしまうようになった夫婦のような。倦怠期ってことですか? まあとにかく、5年目突入を記念しておこう。

で、恒例のこの1年365日の中で何日書いたか(実際には、何日書いてないか)を数えてみよう。324日書いていた。ちなみに一年目が325日、二年目が344日、三年目が331日書いていた。安定してるな〜。

これだけ書いてると、くり返し同じ事を書いてないかと少し気になる。気にはなるけど、読み返して見つけるとショックなので、読み返さないようにしています。しょせん、この小さな脳が思いつくことしか書けないわけで、何年も似たような事を繰り返しているわけで、同じ事をくり返し思いつかない方がおかしい。きっと同じ事を何度も何度も書いてるんだろうな〜。4年というスパンでみれば、しつこい酔っぱらいとあまり変わらないのかもしれない。まあ、同じ事でも少しずつ変わってる場所もあるに違いない。もし同じような内容を見つけたら、微妙な違いに進歩を探してみよう。


2009年1月17日 カモは内股歩き

動物の足跡をテーマにした子ども向けワークショップの企画を相談している会議の端っこに座っていた。観察会の後、会議4連発の最後なので、眠い。

動物の足跡でなにかワークショップを企画しようという班。展示と絡めるなら恐竜とナウマン象と、あとは現生の大阪にいる哺乳類。ということで、哺乳類の足跡をいろんな本で見てみる。
哺乳類だけでは、物足りない気がしたので、鳥の足跡の図鑑を持ってきてみた。哺乳類に比べると鳥の足跡は盛り上がりに欠ける気がする。ヴァリエーションが少ないし、見分ける時も指が拡がっている角度とか細かい。一連の足跡の並びを示した図を見てる方が楽しい。セキレイは一直線に歩いてる感じ。それに比べるとカモは内股で、えっちらおっちら歩いてる感じ。カモの足跡を人間の足の大きさに拡大して、同じような跡が付くように歩くと楽しいかも。カモの大きな足型の靴を用意するとさらに盛り上がりそう。お尻を振って、えっちらおっちら内股で歩く。足が大きくなると、歩幅も比例して大きくなると想定していいのかどうかが、少しわからない。

他には尻尾がつくカメの足跡が面白いね。てな話をしたのだが、あとで指摘された。ヌートリアも尻尾の跡がつくっけ。


2009年1月16日 バランスを大切に

島嶼での種数、個体群サイズ、財政、体重などなど。インプットとアウトプットのバランスの中で成り立っているものは多い。財政などは、インプットがふくらんで貯蓄しまくるのが目標みたいなところがあるが、一定範囲内に値を維持する必要がある場合の方が多い。で、ちょっと増えたり減ったりしたら、調整が必要になる。自然界ではなぜか自然にその調整ができていることが多く。どうして調整できてるんだろう? というのが生態学の大きなテーマである。体重の場合は、増えすぎて如何に減らす方向に調整するかが近頃の大きなテーマであり、大きな産業にもなっている。
収入が多すぎるなら、いかに収入を減らすか、あるいは支出を増やすかを考えることになる。支出が多すぎるなら、支出を減らすか、収入を増やすか。収入を一朝一夕に増やすのは難しいので、まずは支出を減らそうかと考える。

で、なにが言いたいかと言えば、これ以上支出を増やすのは時間的に難しいので、収入を減らそうと思う。一般的には、増加減少のいずれにしても急激な変化は、ひずみを生みやすい気がする。問題はバランスなのだから、ほんの少し収入を減らすだけでも、一定期間維持できれば効果はあるはず。そして効果がでれば戻せばいいだけのはず。
というわけで、紅茶やコーヒーを飲む時の砂糖とミルクの量を少し減らそう。寝る前や夜起きた時にジュースや牛乳を飲むのをやめて、お茶を飲むことにしよう。これで効果でるんじゃなかろうか?

一方、これ以上支出を減らすのは難しい場合もある。ただでさえ賃金は安いのに、いくら魅力的な仕事を提供しても、これ以上安くては優秀な人材が集まらない。そして優秀な人材こそが我々の宝なのである。人材あってこそ収入増につながる展開も期待できる。
こちらは、収入を少しでもいいから増やす努力をしようと思う。個人や企業からの寄付を集める仕組み作りかなぁ。


2009年1月15日 面接三昧

面接をした。今日もまた受ける側ではなく、面接官の役。一人15〜30分。一日に8人と面接するとさすがに疲れる。で、感想を。
以前も書いた気がするけど、面接を受けて好印象をもってもらうのに必要なのは、コミュニケーションと想像力。明るく会話がはずんだらそれだけで、なかば成功と言っていいだろう。大阪人なら笑いをとれ! もちろん募集されてる職種に対するスキルや経験値は問われる。しかし、それだけを問題にするならわざわざ面接することもなく、書類選考で充分。面接で、問われているのはコミュニケーション能力なのだ。緊張するなとはいわんから、とにかくしゃべれ。
あと、どういうタイプが求められているか考えてから来るように。子ども向けのスタッフを募集してるなら、子どもの相手がきちんとできるかを問題するに決まってる。いままで子どもの相手をしたことがあれば、なんでもいいから自分からしゃべれ。多少なりとも客商売なんだから、今までの接客業の経験をしゃべれ。

とまあ、ここまでは、前回も書いたようなこと。一々こっちから聞き出さないとしゃべらないようでは、採用されないね。それはさておき、今回新たに発見した面接で勝つための秘訣を二つ。
履歴書など持参するように言われている以外に、自分の経験値やスキルをアピールする資料を用意するのはグー。ワークショップのお姉さんなら絵を描いたりデザインするスキルはあるにこしたことがない。自分が書いた絵や、作ったチラシを見せてみたり。子どもと一緒に作った物の写真を用意したり。そうした準備してるってだけでアピールになるし、話が弾むネタになる。ただし、募集している職種に関係のない資料を持ってきて、仮にそのネタで話が弾んでも、プラス効果はないので注意が必要。
最後になにか言っておきたい事とか、アピールしたいことはありますか? てなふうに尋ねられたら、何が言うべし。言わないより言った方が、どちらかと言えば好印象。ただ、あまりにずれた質問をしたら逆効果。よく考えてから実行に移そう。

今回の一連の面接では、経験値の高く、スキルも高い優秀な人が多かった。嬉しいのだが、全員採用するのは難しい。まったく箸にも棒にもかからない応募者ばかりよりもいいのは当たり前だが、どうするかとても悩ましい。お金と仕事がたくさんあれば、全員採用するのだが…。


2009年1月14日 池の管理者を知った

毎月、大阪市、松原市、美原町、堺市辺りのため池を自転車でまわって、水鳥の数を数えている。もう10年以上続けている。今日も自転車で松原市方面のため池めぐり。とても寒かった。自転車をこいでいると体はむしろ熱いのだが、ぞうりで出掛けてしまい足先が凍傷になるかと思った。
で、とある田んぼの間を走っていると、止めてあった軽トラがクラクションを鳴らした。どうしたのかな?と止まってみると中から見知った顔が出てきた。以前同じ職場で働いていたNさん。この辺りに田畑を持っているとは聞いていたが、この田んぼがそれだったとは知らなかった。で、しばらく四方山話。なんせ、5年以上会ってなかった。
で、Nさんが、10年以上調査していたため池のいくつかの管理者であることが判明。昨年秋に、こっそりとホテイアオイの花を採集しまくったF池も、ゴルフの打ちっ放しがあるO池も管理しているらしい。F池のホテイアオイは繁茂しすぎていて管理者としても困っているらしい。じゃあ、見つかったら怒られるかも、と少しドキドキしながらホテイアオイを採集しなくてよかったのか…。むしろNさんに断っておけば、むしろ便宜を図ってくれたかも知れない。
世間は狭いという話。


2009年1月13日 大阪の小型哺乳類

一昨年から大阪の哺乳類の本を作るべく右往左往。調査と分布図作成と原稿書き。中大型はなんとか形になりそうだけど、小型がやっかい。せっぱ詰まってきて、ここにきて動きの悪い奴は無視して、動きのいい人達に振ることにした。コウモリのうち洞窟性のはUさんに押しつけた。反応がよすぎて、発注したこちらがついていっていない。アブラコウモリとヤマコウモリはこちらでなんとかしなくては。ネズミはN団長とMさんに押しつけて、自分では得意のカヤネズミだけを担当することに。モグラはやっかい。とりあえずTさんが大阪のミズラモグラを見つけてきたので、そのままTさんに。残りはどうしよう? モグラ得意な人って身近にいないな…。


2009年1月12日 恒例の見せ物の日

昨日と今日は毎年恒例、ある部屋に押し込められて見せ物になる日。檻の中のトラの気持ちがよくわかる。客がやってきては、好きなことを言って帰って行く。
ここ数年は午後だけ見せ物になっていればよかったのだが、今年は二日続けて午前と午後の2回興行。どうも興行の名前を変えてみたのがよかったらしい。各興行では、3つの子どもツアーが回ってくるのだが、1つのツアーが2回にわかれてのぞきに来るので、合計6回。さらに今回は大人ツアーも1〜2回まわってくる。これが4クールあるわけ。子どもツアーだけでも24回ということになる。檻の中のトラと違って、作業を見せたり説明したりするので、けっこう大変。同じ事を繰り返していると飽きてくるので、最低限の説明事項以外は、流れに任せて好きなことをして、好きなことをしゃべった。だいたい客のリアクションに合わせるので、客層によって妙に盛り上がったり、なぜか淡々と一通り話して終わったり。

今回用意した出し物は、初日午前がフクロウ、午後がキジ。今日の午前がツミ、午後がアオサギ。インパクトのある出し物なので、よくも悪くも客のリアクションがあるのは、例年通り。
たくさんの子どもと話をするのは楽しいのだが、疲れる。大人ツアーでは、とくに説明を求められなかったのが、せめてもの救い。今年は、2月興行も組まれているのだけど、何回しゃべることになるんだろう?


2009年1月11日 ジオン来襲

昨日のこと。お客さんが来た。ジオンという人が来た、と連絡が入る。韓国の方なのだが、その名前を耳にすればなるほど、たしかにそう聞こえる。思わず、あのテーマソングを口ずさみながら、廊下を歩いていた。

ジオンさん(仮名?)は、韓国南部の遺跡から出てくる甲冑を研究されている。その甲冑に鳥の羽根がついていて、その鳥の種類を調べたいとのことで相談に来られた。鳥の羽根というからフワフワのが付いていたのかと思いきや、さびた鉄の中に鳥の羽根らしき模様があったり、羽軸の断面みたいなのが埋もれているだけ。色どころか、羽毛全体の形もわからない。羽枝の微細構造から少なくともグループくらいは同定できるはずだが、それすら読み取れるかあやしい。これは難しい。そもそも羽枝の微細構造で鳥を同定する研究って海外ではあるけど、日本であったっけ?
なければ、自分でサンプルとの比較をしてもらうしかない。とりあえず、サンプルをお持ちでなかったタカ類(トビ)とフクロウ類(フクロウ)の羽根を提供した。

もし日本で、羽根の微細構造で鳥を同定する研究をしている方に心当たりがあれば、ぜひお知らせを。哺乳類の毛なら、表面のキューティクルと断面構造でだいたい同定できるようになってるんだけどな〜。鳥の研究者で、羽根1枚で種を同定するのにあまり研究者のニーズが高そうでないので、そんなことやってる人はいないかな〜。
ともかく逆襲のシャア(というかこの場合はセーラさんであるが)がある可能性があるので、できる範囲で探索しておかなくては。


2009年1月10日 シメとエノキの果実に入る虫との関係

新たな種間相互作用を見つけたと思う。

エノキの果実ってここら辺では、8月頃に熟してくる。熟したら、ヒヨドリなど果実食の鳥に食べてもらって、糞からタネを出してもらって、種子散布。というのが、エノキの算段だろう。が、なかなか世の中はうまく行かない。エノキの果実はあまりヒヨドリたちに人気がないのだ。で、10月頃になるとムクノキの果実が熟し始める。こちらは人気が高く、エノキの果実は放ったらかしで、ヒヨドリたちはムクノキの方に行ってしまう。可哀想なエノキさん。
さらに可哀想なことに、エノキの果実にはなんやら虫が入るらしい。入ると、果実は干からびてしまう。するともはやヒヨドリたちはまーったく相手にしてくれなくなり、干からび果実は葉が落ちてもさびしく枝先に残ることになる。ちなみに干からびの原因は虫だろうと思っているのは、干からびた果実にはなんやら虫の脱出孔風の穴が開いているから。虫を確認しているわけではないので、もしかしたら菌類とかの仕業かもしれない。
この干からび果実は、けっして少数派ではなく、大部分のエノキで見られるし、果実の大部分が干からびていることも少なくない。エノキの種子散布の成功率ってものすごーく低いんじゃないかと思うくらい。

今日まではそこまでで話は終わっていたのだけれど、今日、新発見をした。この冬はシメが多い。で、そのシメが数羽、とある樹でうろちょろしている。シメとは思えないくらい軽やかに枝を行ったり来たり。で、軽くホバリングして何かに飛びついて食べている。よーく見てみると、干からびたエノキを果実を食べていた。
エノキの干からび果実はこんなところで役立っていたのである。とはいえ、エノキさん的には、シメに食べられても種子散布は期待できないわけで、踏んだり蹴ったりは変わらず。ただ、エノキの果実に虫が入ることで、エノキ果実が食べられず、ほどよく堅い状態で冬まで残り、シメの食料となると推察できる。
ほら、こんなところに今まで気付かなかった種間相互作用が。あえて名付ければ偏利共生かなぁ。


2009年1月9日 南の国で哺乳類調査

ちょっと寝坊したので、生まれて初めてあの鉄人28号のような列車に乗った。車両一つに出入口も一つというエコなデザインのおかげで、それすらあやうく乗り遅れそうになった。駅前で、弁当を買って、いざ南の国の自然史研究のメッカに直行。
現地では、どうやら一番偉い方がガイド役を引き受けてくださったらしい。声が一番大きいのが、一番偉い証拠であるのに違いない。恐れ多い事に、一日ガイドくださったのみならず、お土産まで頂いた。現地名産のカメと微小な魚である。

さて、到着した時に話を戻そう。到着してみると、すでにめぼしい哺乳類が一目で見渡せるように準備がされていた。ここまで見つけ出すのは、なかなか大変だったに違いない。感謝感激である。さっそく片っ端から調べていく。さらに次々と新たな哺乳類が見つかる。お目当てのヤマコウモリもスナメリにも無事に遭遇できた。ただ残念なことにヤマコウモリの生息状況は充分には確認できなかった。そのためには中島メモというアイテムが必要なのだが、現在は失われてしまったらしい。
昼食をはさんで午後からは、厚い堆積物の中に埋もれた哺乳類の発掘を行った。サカタザメやたくさんの鳥に混じって、イタチ、モグラ、ネズミなどが発掘される。この年末年始に多くの発掘作業をこなしてきているのだが、この作業はどこでも同じように進行することが確認できた。堆積物の形成プロセスもよく似ているように思う。

そして調査は終わった。調査成果のファイルは、現地でも役立ててもらうべく、コピーを残すことにした。お土産と調査成果を持ち、美しい思い出を胸に、1月末の再会を誓って別れたのであった。
さらに南の国も調査する必要があるかなぁ?


2009年1月7日 果実のなくなり具合の実況

年開けて最初の果実のチェックを行った。ほぼ予定通りの進行状況。

クスノキはほぼなくなった。ほぼという言い訳が入るのは、青い果実とか、黒くても隠れた果実とかは少々残っているから。
エンジュは、すでにほぼ食べつくされた個体が多く、1個体だけまだたくさん残している樹がある。が、これも現在ヒヨドリが群がっているところ。
センダンは個体による違いが大きい。毎年早くに食べつくされる個体はすでに食べつくされた。他のセンダンは、現在ムクドリとヒヨドリが群がっているところ。よく見るとツグミやシロハラも混じっている。
トウネズミモチは、かなりの部分を喰われているが、まだ下の方にはけっこう果実が残る。
クロガネモチは、年末に比べると果実数が半減。だがまだまだ赤い果実が目に付く。

あと1週間ほどですべてなくなる予定。とはいえ、これは大阪市南部の大きな都市公園での話。周辺の街路樹や庭先、小さな公園の果実はまだまだ残っている。だいたい、大きな公園から果実はなくなっていってる気がする。
果実がなくなれば、地上の草の葉っぱや、樹上の花や花芽などを中心に食べるようになる。この冬は、パンジーや菜の花にネットをかけておいた方がいいと思う。


2009年1月6日 イタチ皮職人の一日

午前10時から、イタチ皮職人の一日は始まる。といっても、最初はいろんな準備に手間を取られるので、結局、皮を処理できるのは1時間程度。すぐに昼食になってしまう。
午後の最初も調査の打合せなどに忙しく、仕事にかかれるのは午後2時頃から。しかし、ここからがイタチ皮職人の本領発揮。トイレ以外の休憩はなく、一気に午後9時までイタチの皮処理が続く。

手順はこんな感じ。
1:すでに皮を剥いて、冷凍してあった皮を取り出してきて、お湯にさっと浸けて解凍。
2:サヌカイトの石器を使って、皮の裏についた肉と脂肪をこそげ落とす。
3:さらに解剖バサミで、周縁部や頭部に残った肉や脂肪を取り除く。
4:さっと水洗いして、なめし液の中へ。
この工程に約15分かかる。一日8時間で32体を処理できればいいのだが、なんやかんやで結局24体程度しか処理できない。

なめし液に数日浸けたあとは、なめし作業に入るのだが、そこは別の職人の仕事。イタチの死体の皮を剥くのも別の職人の仕事。そんな我々はイタチ皮職人の中でも、肉脂取りさんと呼ばれるのである。
今月はたくさん仕事が入っていて、あと50枚ほど処理する予定。1枚処理する手間賃が500円なら、月200枚ほど仕事があればなんとか喰ってけるかなぁ。これだと月8日ほどしか働いてないけど…。


2009年1月5日 ヨウシュヤマゴボウの毒と種子散布

北川大先生の論文を見せていただいた。人体実験という項がある論文を初めて見た。その論文は、

北川尚史(2003)ヨウシュヤマゴボウの果実の毒性と種子散布.奈良植物研究(26):1-6.

まずは、動物にヨウシュヤマゴボウの果実を与えてみる。奈良公園でシカにやってみるが食べない。一方で、我が家の庭ではキジバト、ヒヨドリ、ジョウビタキがヨウシュヤマゴボウの果実を食べるのを確認した。鳥類には無毒で、哺乳類には有毒なのかもしれない。実験してみよう! というわけで、自分で食べたらしい。
まずは噛まずに果肉を舌でつぶして食べてみる。10粒食べてなんともない。翌日20粒食べたがなんともない。続いて、30個、50個と食べたけど、なんともなし。種子を噛みつぶさない限り、人体に影響ないらしい。
次に、種子を噛み砕いて食べてみる。まず10個食べてみる。種子を噛むと猛烈に嫌な味がするらしい。食べた後、数時間、胸がむかむかして気持ち悪かったが、嘔吐はしなかったという。生体実験を完遂するためには嘔吐や下痢が起こるまで食べなくてはと思って、さらに20個食べようとしたが、口に入れて種子を噛みつぶすと気持ち悪くなって、どうしても呑み込めなかったという。

アメリカでは、ヨウシュヤマゴボウをジュースにして(もちろん種子を砕いたのだろう)飲んで死んだ例があるらしい。そんなにまずいものを、よく死ぬまで飲めたもんだと思う。結局、毒性分はもっぱら種子の中にあって、果肉を食べる限りは大丈夫だろうという結論。
実はこの結論を信じて、ヨウシュヤマゴボウの果肉を食べてみた。妙な味がしてうまくはないけど、ほんのり甘い。まあ喰えなくはない。が、種子を噛みつぶす勇気はなかった。北川大先生が異様に丈夫な可能性もあるので、我々一般人は真似しない方がいいだろう。

さて、考察では、ドクウツギも同じく種子のみが有毒で、果肉を食べるだけなら無毒ではないかと指摘している。果肉まで有毒だと誰も散布してくれないし、動物散布用の果肉も果実の色も不要である。ドクウツギって変な植物と思っていたが、それなら納得がいく。そういえばイチイも種子は毒らしいし。
なっとく行かないのは、キジバトによるヨウシュヤマゴボウの果実の採食が観察されていること。キジバトはヨウシュヤマゴボウの種子をすり潰してしまうはず。もしかしたら鳥には比較的無害な毒だという可能性もあるかも。まずはヨウシュヤマゴボウをどの程度キジバトが食べているかを確認する必要があるだろう。


2009年1月4日 今年の反省

昨年を見返すと、年の初めに一年を予言していた。予言ははずれてもいいから、反省しなくてもよいなどと書いてあった。反省がなくては人間成長しない。それではいけないので、今年はあらかじめ反省しておくことにした。

とにかく、この一年は、哺乳類に苦労したと思う。まずは、季節をおって順に振り返っておこう。

●1〜3月
とにかく2月までは、大阪の哺乳類の本に追いまくられた。原稿を書かない奴の代わりに原稿を書き、分布図の完成度を高めるために大阪の各地に哺乳類を探しに。さらに他人に原稿押しつけたり。でも結局2月中には入稿できず、あとはご存じの通り。あー大変だった。
で、平行して、1〜2月は淀川水系の河川の冬鳥調査。こちらは12月中や正月休みにがんばったので、比較的スムーズに調査事態は完了。が、データの整理が…。
さらに夏のホネ展に向けての準備が本格化。展示解説の目次案、展示構成案、ホネホネサミットの企画案を作成して内容を固めて、展示解説はさっそく執筆開始。執筆者が哺乳類本と重なるのが難点であった。さらに、展示用のホネの標本作成を業者に発注。招待講演会の手配。そしてポスターデザインの手配。あー忙しい。
ついでに、カスミサンショウウオとアカガエル類、ヒキガエルの冬に産卵する両生類の産卵場所調査を少々。

●4〜6月
7月頭に始まるホネ展の準備に専念。できればよかったんだけどそうも行かず。解説書は4月末に入稿のつもりが、やはりずれ込んだし(イラストがなかなか上がらない〜)。アート系への広報などに力を入れたもので…。展示自体はわりとスムーズに完成。まあ並べるだけに近いから。
で、やはり平行して、大阪府下のサギ類・カワウのコロニー調査と、淀川水系のため池で繁殖する鳥の調査。まあ、淀川水系(大阪府内のみ)にため池は少ないので(大和川水系や泉南に比べて)、なんとかクリア。クリアできなかったのは7月に。
さらに、モリアオガエル、カジカガエル、ヒダサンショウウオの分布調査もがんばった。

●7〜9月
7月になんとかホネ展オープン。オープンした後も、イベント盛りだくさんなので忙しい忙しい。さらに7月中は、コロニーやため池、両生類の調査の続き。さらに昨年し終わらなかったカメ調査を少々。
8月はホネホネサミットですべてが終わった感じ。それでも強引に青森へ行ったり。プロジェクトYの調査データの整理にヒーヒー言ったり。
9月。とにかく頭は、ホネ展の撤収に大わらわ。それが終わって一段落。完全に遊びモードで徳島へ。

●10〜12月
11月までは、フェスティバルの準備が中心。なんとかフェスティバルが終わってからは、気分的に一段落。

その他年間を通じて、大阪の北の方の某施設の運営にさりげなく関わったり。例によって年中行事をしていたり。ルーティンの調査や雑用をこなしたり。忙しい一年であった。

で、反省だけど。一応予定したイベント・出版はクリアしたし、大きな反省はないんだけど。全体に予定が遅れ気味だったのが反省といえば反省。クリアしてイベント・出版の中身がよかったかどうかは、よくわからず。
そして毎年ながらの反省は、仕事を詰め込み過ぎということと、処理できていないデータをまたため込んでしまったということ。とりあえず、今年で哺乳類は卒業した。ため込んだデータも吐き出した。これでよしってことで。

来年はいよいよ淀川の特別展。淀川水系の調査もいよいよ大詰め。あー、できてない調査、整理できてないデータがたくさん〜。


2009年1月1日 一年の計

元旦はその年一年を何かしら示すに違いない。というわけで、今日どんなことがあったか振り返っておこう。

朝、いきなり寝坊した。一年の最初にしたことが寝坊とは…。無意識にはその前に、目覚ましを止めていたらしい。今日は朝から調査に出掛ける予定。時間制限があるので、朝のシャワーは諦めて、大急ぎで出発。30分遅れで調査開始。
調査は川沿いに上流に向かって歩いて、主に水鳥を数えていく。ついでにホオジロ類(+ベニマシコ)を記録したり、哺乳類のフィールドサインを探したり、プラナリアを採ったりする予定。予定ではあったが、予定通りにはいかなかった。鳥の調査はとても順調。山間部に入ってからは、カワガラスを確認し、アオシギもゆっくり見れた。ホオジロ類はホオジロとアオジしか見つけられず、でもベニマシコは各所で確認。哺乳類は狙っていた休耕田と棚田で、一通り確認。でも問題はプラナリア。5ヶ所で探して、全滅。捕れたのはヒラタドロムシとヒルばかり。冬こそがプラナリアの採集の季節というのはウソなんじゃなかろうか? 手が死ぬほど冷たかった。

他に特筆すべきことといえば、ナンパされた。車が止まって、乗ってかない〜、と言われる。ね、ナンパ。山奥の車道をとぼとぼ歩いているのが可哀想だっただけかもしれない。この調査をしていてナンパされたのは、3回目。
街中を歩き始めた時は曇り空。山間部に入ると、少ししぐれてきた。河川源流部に近づくと、小雨がみぞれに変わる。調査が終わった頃には雪になっていた。さいしょは小雪程度だったのが、だんだん本降りに。帰りのバス停に着いたことには、ドカ雪が降っていた。あいにくバスが来るのは30分後。寒いので、雪のかからない場所にしゃがみこんで、雪が降っているのを見ていた。今年の初雪。ちょっと嬉しいけど、ものすごく寒い。前の道を車が行き交う。道ばたでしゃがんでいるので、こっちを見ている人も多い。いまナンパしてほしいんだけど。

というわけで、この一年は良いこともあるけど、なかなか思い通りには進まずといったところか。あるいは想定外に寒い一年とか。そういえば、今日は一日誰とも話をしなかった。そんな一年かも。


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