皮むき日記
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鳥や哺乳類の死体は、皮を剥いたり、肉を取り除いたり洗ったりして標本にします。面倒な作業ですが、その中でいろんな発見があるのも事実。どんな作業をしたかを記録すると同時に、その際の小さな発見を書いてみることにしました。
(注)ここで行っている皮剥きなどの標本作成は、調査研究目的(及び普及教育目的)で、大阪市立自然史博物館の業務の一環として行っています。またその対象は、この目的で殺したものではなく、事故で死んだ個体や、動物園などで死んだ個体を用いています。動物虐待ではないかとの指摘があったので、念のため。
●2026年2月7日 キジバト、チョウゲンボウ
なにわホネホネ団の鳥の日。今年度の鳥剥き16日目の35種37羽目(内、動物園物はなし)。
・キジバト(OMNH A10663:2025年1月、埼玉県寄居町産)
オスの成鳥。1月はさすがに繁殖モードではないらしく、精巣は小さい。
・チョウゲンボウ(OMNH A10667:2256年4月、大阪市平野区産)
とても綺麗なオス。ほぼ同サイズのとなりのハイタカと比べると、脚が短い。脚の付け根の位置が普通(ハイタカはすごい上に付け根がある)。蝋膜はインコっぽい、鼻孔の穴の真ん中に柱。ハイタカはヒゲがあるけど、チョウゲンボウはない。ハイタカは小顔だけど、チョウゲンボウは割と普通。ハイタカは鷹斑模様だけど、チョウゲンボウは鷹斑の真ん中が膨らみ気味。チョウゲンボウの羽根は、羽軸沿いに斑があることが多い。
●2026年1月24日 オナガ、シロハラ、ミソサザイ
なにわホネホネ団の鳥の日。今年度の鳥剥き15日目の33種35羽目(内、動物園物はなし)。
・オナガ(OMNH A10657:2025年8月、埼玉県春日部市産)
頭霜降りで、あちこち幼羽だらけのオス幼鳥。初めて剥くのでテンション高め。外側ほど短くなる尾羽をたたんだところが格好いい。中央尾羽はR4くらいに短い。尾羽を広げると、扇形で真ん中が凹んでるに違いない。初列風切の根元に下からだけ見える白斑がある。皮や筋が硬め。
・シロハラ(OMNH A10652:2015年11月、大阪府千早赤阪村産)
オナガと同じサイズ感だけど、皮の厚さも肉の硬さも全然違う。
・ミソサザイ(OMNH A10654:2016年4-8月、大阪府千早赤阪村産)
脚や翼や頭はひからび、傷んでもいる。きれいな皮剥きは最初から諦めて、開き前提で剥き始める。が、最初から羽根が抜ける。それでもなんとか胴体取り出し。尻尾と左半身が痛んでて、右側から剥く感じ。頭は濡らしながらなら剥けた。が、舌はとれず。脳はすでに干からびて空洞だった。仮剥製っぽいものはできた。
●2026年1月12日 ミヤマガラス、コジュケイ
今日もはくぶつかんたんけん隊で鳥の皮剥き。今年度の鳥剥き14日目の30種32羽目(内、動物園物はなし)。
・ミヤマガラス(OMNH A8740:2020年12月、佐賀県佐賀市産)
研究した後の死体を引き取ったものなので、内臓がすべて抜かれている。そして腹がすでに切り開かれている。やむなくその開口部から剥いていく。いつもと手順が違うので剥きにくい
ダウンの色は、ハシボソガラスほどではないけど、白っぽい。口の中はまあまあ黒い。1本だけ鼻羽が残ってる。額の羽毛は逆立つようになってて面白い。剥いてみると、背面全体が青の構造色で、とても綺麗な鳥。ハジラミ付き
。
・コジュケイ(OMNH A10640:2025年5月、大阪府千早赤阪村産)
オス。精巣が大きいので成鳥かと思ったけど、SOがはっきりA。季節から言えば成鳥だと思うけど、そういうことあるのかなぁ。
●2026年1月11日 チュウサギ、アカショウビン
はくぶつかんたんけん隊で鳥の皮剥き。今年度の鳥剥き13日目の29種30羽目(内、動物園物はなし)。
・チュウサギ(OMNH A8947:2024年12月、兵庫県尼崎市産)
胸から腹の皮が無く、胸肉が一部食われている。たぶん猛禽が狩った獲物を横取りしてきたんだろう。それ以外は状態がいい。のだけど、右脚と首の付け根にもキズ。状態がいいのか悪いのか。まっ白なのに一部血で汚れてる。洗っても落ちないだろうなぁ。
・アカショウビン(OMNH A10639:2025年8月、滋賀県高島市産)
メスの幼鳥。残念ながら尾羽も上下尾筒もない。鞘羽根が多いせいか、羽根がやたら抜ける。小さいくせに皮は丈夫で、肉も堅い。そして肩が背中寄り。ってことで、最初で手間取る。おかげで開口部が拡がった。残念。