地球の歴史の中では、スノーボールアースの時代をのぞいても、少なくとも3回の大変寒い時期が知られており、氷河時代と呼ばれています。古生代オルドビス紀からシルル紀、古生代石炭紀からペルム紀、そして現在を含む新生代後半です。
中新世前期後半から中期始めの暖かい時期(2000万年から1500万年前)を最後に、小さな寒暖を繰り返しながら、地球はしだいに寒くなりました。寒冷化は次の鮮新世に入っても続き、鮮新世と第四紀更新世の境界(約260万年前)ころからは、一段と気温が低下し、寒暖の差が大きくなりました。そして120万年前ころからは、寒暖の振幅がさらに大きくなり現在に至っています。氷河時代の中でも、この特に寒い時期を氷期、その間の暖かい時期を間氷期と言います。そして第四紀を別名「大氷河時代」とよぶことがあります。
氷河のもとは、降り積もった雪であり、さらにその源は海水です。氷期には大陸に氷河が広がって、海水の量が減り、世界中の海面が低くなります。逆に間氷期には氷河が溶けて海水の量が増え、海面が高くなります。このような現象を氷河性海水準変動と呼んでおり、上に述べたように、120万年前からは特に寒暖の差が大きくなったため、海水準変動の幅も大きかったと考えられます。
氷河性海水準変動は日本列島の環境に大きな影響を与えました。氷期に海面が大きく下がると、北海道・本州・四国・九州の間はもちろんのこと、日本列島と大陸の間にある海峡も干上がって陸続きになり、自力では海を越えられない陸棲動物が大陸から日本へやってきました。新しい種類の動物たちがやってくるのと入れ替わるように、第三紀から日本に住みついていた動物の一部は日本列島から消えてゆきました。