気候が寒冷化した鮮新世〜更新世には、それまで日本列島にいた多くの種類の生物が絶滅し、あらたな種類の生物が現れました。それは、現在の日本列島の生物相につながっています。
近畿地方には鮮新世から更新世の地層である古琵琶湖層群と大阪層群が分布しています。古琵琶湖層群は約400万年前〜50万年前の地層で、伊賀盆地から近江盆地の丘陵地域に分布している湖沼や河川でたまった地層です。大阪層群は約350万年前〜30万年前の地層で、大阪周辺、京都盆地、奈良盆地の丘陵地帯に分布している、主に河川にたまった地層です。120万年以降は、気候の寒冷な時期と温暖な時期が繰り返し、温暖な時期には海面が上昇したために、海(内湾)にたまった地層が繰り返し挟まるようになりました。
大阪層群、古琵琶湖層群の地層からは、植物化石、淡水棲の貝化石、コイの仲間の「のど」にある歯(咽頭歯)が多く見つかっています。また、これらの地層では、新第三紀中新世から引き続き存在した植物が消滅していく様子が陸生動物よりくわしく調べられています。鮮新世の終わりに、イチョウ、ヌマミズキ、アブラスギ、セコイアなどの新第三紀には普通にあった植物が消滅し、160万年前にはミツガシワ、ヒメバラモミなどの寒冷な気候を示す種類が出現しています。