画像:年表、デボン紀、石炭紀、ペルム紀

シダ植物の大森林

石炭紀はデボン紀に多様化した植物が繁栄した時代であり、赤道地域の沼地はシダ植物とシダ種子類が繁茂した地球最初の森ができました。樹木のように大きくなるシダ植物であるリンボクやカラミテス(トクサ類)が繁り、やや乾燥したところにはフウインボク(リンボク類)、メドゥロサ(シダ種子類)、プサロニウス(リュウビンタイ類)が分布し、林床にはトクサ類やシダ類が繁茂していました。古生代の後半である石炭紀とペルム紀はシダ植物とシダ種子類の時代ということができます。これらの大森林は石炭となって地層に残されています。

石炭紀には昆虫が動物としては最も早く空中へ進出しました。その頃の昆虫のひとつが、メガネウラオオトンボです。現在見られるトンボ類に近い原トンボ類(古生代末で絶滅)に属し、ハネを広げると70cmを超える巨大なものもいたようです。まだ脊椎動物が空中に進出していない時代に、わがもの顔で古生代の森を滑空していたことでしょう。

植物化石

  • 画像:リンボク(シダ植物)の幹
    リンボク(シダ植物)の幹
    ウロコ模様は葉の落ちた痕.石炭紀.アメリカ.幅60cm.
  • 画像:レピドストロブス(リンボクの胞子囊穂)
    レピドストロブス(リンボクの胞子囊穂)
    このような胞子嚢穂がリンボクの枝にぶら下がっていた.石炭紀.イギリス.長さ8cm.
  • 画像:フウインボクの幹(シダ植物)
    フウインボクの幹(シダ植物)
    封印のような形をした葉痕がある.石炭紀.アメリカ.長さ27cm.
  • 画像:リンボクの枝
    リンボクの枝
    太い幹に比べると葉の痕は小さい.石炭紀.ドイツ.長さ29cm.
  • 画像:葉を付けるリンボクの小枝
    葉を付けるリンボクの小枝
    葉は細い.石炭紀.ドイツ.長さ6cm.
  • 画像:スティグマリア(リンボクの担根体)
    スティグマリア(リンボクの担根体)
    担根体とは幹を支えていた部分で,根ではない.孔から根が出ていた.石炭紀.アメリカ.長さ160cm.
  • 画像:カラミテス(シダ植物)の幹
    カラミテス(シダ植物)の幹
    ツクシの祖先にあたるが,現在のトクサ類より幹の直径が太い.石炭紀.アメリカ.直径10.5cm.
  • 画像:アンニュラリア
    アンニュラリア
    節に輪生状に葉がつく.この枝がカラミテスの節についていた.石炭紀.スペイン.
  • 画像:カラミテスの胞子囊穂
    カラミテスの胞子囊穂
    軸の周りに胞子葉がついている.石炭紀.アメリカ.長さ11 .5cm.
  • 画像:ネウロプテリス(シダ種子類, 裸子植物)
    ネウロプテリス(シダ種子類, 裸子植物)
    見かけはシダ植物の葉であるが,シダ種子類の生殖器官と共産することから,シダ種子類の葉と考えられている.
  • 画像:シダ種子類の種子
    シダ種子類の種子
    このような種子がシダ植物に似た葉についていた.石炭紀.ドイツ.長さ5cm.
  • 画像:コルダイテス(葉の一部)
    コルダイテス(葉の一部)
    葉の幅は広いが裸子植物である.石炭紀.ドイツ.長さ32cm.
  • 画像:アルカエオプテリス(シダ植物)
    アルカエオプテリス(シダ植物)
    デボン紀.アメリカ.長さ28cm.
  • 画像:カリキシロン(アルカエオプテリスの材)
    カリキシロン(アルカエオプテリスの材)
    木部が発達しており,裸子植物の材に似るが,胞子で繁殖するのでシダ植物である.デボン紀.アメリカ.長さ22cm.
  • 画像:ペコプテリス(シダ植物)
    ペコプテリス(シダ植物)
    櫛状の葉をもち,シダ植物と考えられるが,胞子囊が付いていないため類縁がわからない.石炭紀.スペイン.幅47cm.
  • 画像:レバキア(裸子植物)
    レバキア(裸子植物)
    中生代に繁栄した針葉樹類の祖先.ペルム紀.ドイツ.幅37cm.
  • 画像:プサロニウス(シダ植物)
    プサロニウス(シダ植物)
    中央にU字型の維管束が集まった部分があり,それを取り巻くように細い不定根が多数分布し,幹を補強していた.ペルム紀.ブラジル.直径15cm.
  • 画像:グロッソプテリス(裸子植物)
    グロッソプテリス(裸子植物)
    このようにグロッソプテリスの葉だけが産出することから,グロッソプテリスばかりの林をつくっていたと考えられる.ペルム紀.オーストラリア.ブロックの幅41cm.
  • 画像:グロッソプテリス
    グロッソプテリス
    網目状の葉脈をもつ.ペルム紀.オーストラリア.長さ16cm.

昆虫化石

  • 画像:メガネウラオオトンボ(前翅の一部)
    メガネウラオオトンボ(前翅の一部)
    最大で開張70 cm もあった.トンボとは形態的に異なり,原トンボ類に属する. 石炭紀.フランス.98mm(産出部位の長さ).
  • 画像:ゴキブリの一種
    ゴキブリの一種
    古生代の地層からはゴキブリが多くみつかる.当時はたいへん栄えていたようだ.石炭紀.フランス.24mm(翅端まで37mm).
  • 画像:原直翅類の一種
    原直翅類の一種
    カワゲラ類や直翅類の祖先と考えられている.石炭紀.フランス.53mm(翅端まで110mm) .
  • 画像:原直翅類の一種
    原直翅類の一種
    石炭紀.フランス.44mm(翅を除く).

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