画像:年表、三畳紀〜白亜紀

中生代の生き物(恐竜・鳥・植物・昆虫)

中生代は、2億5千万年前から6550万年前まで続いた時代で、三畳紀、ジュラ紀、白亜紀に分けられています。この時代は、陸上では三畳紀の中ごろに恐竜が出現して、ジュラ紀から白亜紀にかけて大繁栄したことから、恐竜の時代ともよばれます。また、恐竜以外にも、翼竜、魚竜そして首長竜など多様な大型爬虫類が栄えたので、爬虫類の時代とよばれることもあります。私たちの祖先となる哺乳類も恐竜と同じころに現れましたが、中生代の間は小型の目立たない生き物でした。そしてジュラ紀には肉食恐竜のなかまから鳥類が進化しました。

植物のなかまでは多様な裸子植物が出現しました。ペルム紀後期から白亜紀前期は裸子植物の時代で、中でもキカデオイデア類が栄えました。被子植物も白亜紀の初めには出現し、白亜紀後期に爆発的に多様化しました。

この時代は気候がとても温暖で、南北両極地方にも氷床(氷河)が無い無凍結の時代が続きました。特に恐竜が大繁栄した白亜紀の前半は、地球全体の平均気温が現在よりも10℃から14℃も高かったと推定されています。

大陸と海洋の分布では、古生代の終わりに成立した超大陸パンゲアがジュラ紀になると分裂を初めて、南アメリカとアフリカ、北アメリカとヨーロッパの間に大西洋ができはじめました。その一方で北半球には小さな大陸プレートが集合してきて、白亜紀の中頃の約1億年前にはアジア大陸が成立しました。当時の日本列島はまだ島にはなっておらず、アジア大陸の東の端に位置していました。トバリュウ(鳥羽竜)やタンバリュウ(丹波竜)などは、東アジアの端に暮らしていた恐竜といえます。

恐竜化石

  • 画像:トバリュウ(ティタノサウリア類)
    トバリュウ(ティタノサウリア類)
    右上腕骨の前面.白亜紀前期.三重県鳥羽市.全長115cm.三重県立博物館所蔵・写真提供.
  • 画像:トバリュウ(ティタノサウリア類)
    トバリュウ(ティタノサウリア類)
    右大腿骨の後面.白亜紀前期.三重県鳥羽市.全長128cm.三重県立博物館所蔵・写真提供.
  • 画像:獣脚類の歯
    獣脚類の歯
    獣脚類の歯化石 全体像.カルノサウルス類に近いと考えられている.白亜紀前期.和歌山県湯浅町.長さ3.5cm.和歌山県立自然博物館所蔵・写真提供.
  • 画像:獣脚類の歯
    獣脚類の歯
    左の写真の頂部の拡大.和歌山県立自然博物館所蔵・写真提供.
  • 画像:タンバリュウ(ティタノサウルス形類)
    タンバリュウ(ティタノサウルス形類)
    タンバリュウの尾椎.白亜紀前期.兵庫県丹波市.高さ38cm.兵庫県立人と自然の博物館所蔵.

鳥化石

  • 画像:始祖鳥
    始祖鳥
    これまでに見つかっている中では最も古い鳥の祖先.体の骨には恐竜に似た所が多く残っている.ジュラ紀後期.ドイツ.高さ45cm.
  • 画像:孔子鳥
    孔子鳥
    くちばしには歯がない.白亜紀前期.中国・遼寧省.高さ32cm.
  • 画像:孔子鳥
    孔子鳥
    翼に爪がついていること,尾椎が退化していることがわかる.白亜紀前期.中国・遼寧省.高さ25cm.

植物化石

  • 画像:ギンゴイテス(裸子植物)
    ギンゴイテス(裸子植物)
    切れ込みが深い.三畳紀.山口県美祢市.岩石の高さ26cm.
  • 画像:キカデオイデア(裸子植物)
    キカデオイデア(裸子植物)
    菱形の痕は葉の付いていた痕.幹の周りに生殖器官をつくる枝があった.ジュラ紀.アルゼンチン.幅20cm.
  • 画像:ザミテス
    ザミテス
    キカデオイデア類の葉.ジュラ紀.フランス.長さ17cm.
  • 画像:アロウカリア(球果)
    アロウカリア(球果)
    凝灰岩に含まれ,鉱化化石になっている.ジュラ紀.アルゼンチン.長さ6.5cm.
  • 画像:アロウカリア(裸子植物)の材
    アロウカリア(裸子植物)の材
    直径1.1m,重さ970kgもある.アメリカのアリゾナ州にはこのような珪化木がゴロゴロした,「石になった森」がある.三畳紀.アメリカ.直径1.1m.神奈川県立生命の星・地球博物館所蔵.
  • 画像:ポドザミテスの一種
    ポドザミテスの一種
    ソテツの仲間ではなく,球果類と考えられている.ジュラ紀.中国.長さ10.5cm.
  • 画像:サピンドプシス(被子植物)
    サピンドプシス(被子植物)
    プラタナスに似た果実がいっしょに見つかっている.白亜紀後期.レバノン.長さ14cm.
  • 画像:ヴィブルニフィルム(被子植物)
    ヴィブルニフィルム(被子植物)
    葉の形や葉脈が現生のスイカヅラ科ガマズミ属に類似している.白亜紀.中国.幅4.3cm.
  • 画像:被子植物の葉化石(所属不明)
    被子植物の葉化石(所属不明)
    白亜紀に被子植物は大発展したが,現在の植物とは類縁が不明な植物が多い.白亜紀後期.兵庫県洲本市.長さ15.5cm.
  • 画像:被子植物の生殖器官の化石(所属不明)
    被子植物の生殖器官の化石(所属不明)
    白亜紀後期.レバノン.高さ1.8cm.

昆虫化石

  • 画像:同翅類の一種
    同翅類の一種
    ジュラ紀.中国・遼寧省.12mm.
  • 画像:カワゲラの一種
    カワゲラの一種
    ジュラ紀.中国・遼寧省.29mm.
  • 画像:ハサミムシの一種
    ハサミムシの一種
    ジュラ紀.中国・遼寧省.19mm.
  • 画像:ラクダムシの一種
    ラクダムシの一種
    ジュラ紀.中国・遼寧省.10mm.
  • 画像:クレスモダ
    クレスモダ
    巨大なアメンボ類と考えられた時代があるが,現在ではバッタの一種とされている.ジュラ紀.ドイツ.67mm(脚は含まない).
  • 画像:ムカシトンボの一種
    ムカシトンボの一種
    中生代にはムカシトンボが世界に広くいた.現在,日本とヒマラヤだけに残存している.ジュラ紀.ドイツ.77mm.
  • 画像:ムカシヤンマの一種
    ムカシヤンマの一種
    日本,アメリカ,チリ,オーストラリアなどに現存するムカシヤンマ類も生きた化石である.ジュラ紀.ドイツ.開張100mm.
  • 画像:マツモムシの一種
    マツモムシの一種
    このころからすでに,水面を逆さに向いて泳いでいたようだ.白亜紀.ブラジル.16mm.
  • 画像:ゴキブリの一種
    ゴキブリの一種
    この産地の昆虫化石は保存状態がよい.スリッパで叩いたばかりのようだ.脚先がぴくぴく動いている感じさえする.白亜紀.ブラジル.23mm.
  • 画像:トンボの一種
    トンボの一種
    恐竜たちに狙われていたトンボもいたことだろう.白亜紀.ブラジル.35mm.

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