地質時代は、地層から産出する化石の種類によって区分されています。最も大きな区分は、岩石も含めて地質学的な証拠がない「冥王代」、肉眼的な大きさの化石がほとんど産出しない「隠生代(始生代・原生代)」、化石の証拠が豊富な「顕生累代」という区分です。
これは150年以上前に決められた区分ですが、現在でも大きな意味を持つ時代区分となっています。その顕生代の最初が古生代です。古生代は5億4千万年前にはじまり、2億5千万年前までの約3億年間続きました。
古生代初期の生物界を特徴づけるのは、体制の大型化、カンブリア紀爆発とも表現される急激な多様性の増加、それに伴う生活様式・生息場所の多様化、そして固い殻を持った動物の出現です。多様性が増加したことによって食性も多様化して、生物種同士に食う・食われるという関係が始まり、食う側の武装化と食われる側の防御目的などが固い殻を持つ動物の出現を引き起こしたと考えられています。
カンブリア紀は三葉虫が、オルドビス紀以降は腕足類、ウミユリ、床板サンゴ類などが繁栄しました。シルル紀・デボン紀以降は頭足類や魚類が栄えるようになります。
地球全体の大陸と海の分布を見ると、古生代の最初は超大陸ゴンドワナが存在していました。その後、分裂を開始していくつかの大陸が分かれ、再び古生代の末に集合して合体し、超大陸パンゲアができあがったと考えられています。気候は、初期は温暖でしたが、オルドビス紀の終わりからシルル紀にかけてと、石炭紀からペルム紀にかけての2回、氷河が発達する寒冷な時期があったと考えられています。