画像:年表、カンブリア紀〜ペルム紀

海の生物の繁栄

地質時代は、地層から産出する化石の種類によって区分されています。最も大きな区分は、岩石も含めて地質学的な証拠がない「冥王代」、肉眼的な大きさの化石がほとんど産出しない「隠生代(始生代・原生代)」、化石の証拠が豊富な「顕生累代」という区分です。

これは150年以上前に決められた区分ですが、現在でも大きな意味を持つ時代区分となっています。その顕生代の最初が古生代です。古生代は5億4千万年前にはじまり、2億5千万年前までの約3億年間続きました。

古生代初期の生物界を特徴づけるのは、体制の大型化、カンブリア紀爆発とも表現される急激な多様性の増加、それに伴う生活様式・生息場所の多様化、そして固い殻を持った動物の出現です。多様性が増加したことによって食性も多様化して、生物種同士に食う・食われるという関係が始まり、食う側の武装化と食われる側の防御目的などが固い殻を持つ動物の出現を引き起こしたと考えられています。

カンブリア紀は三葉虫が、オルドビス紀以降は腕足類、ウミユリ、床板サンゴ類などが繁栄しました。シルル紀・デボン紀以降は頭足類や魚類が栄えるようになります。

地球全体の大陸と海の分布を見ると、古生代の最初は超大陸ゴンドワナが存在していました。その後、分裂を開始していくつかの大陸が分かれ、再び古生代の末に集合して合体し、超大陸パンゲアができあがったと考えられています。気候は、初期は温暖でしたが、オルドビス紀の終わりからシルル紀にかけてと、石炭紀からペルム紀にかけての2回、氷河が発達する寒冷な時期があったと考えられています。

  • 画像:マーレラ
    マーレラ
    バージェス動物群を代表する節足動物のなかま.体の軟組織まで保存されていることがある.カンブリア紀.カナダ.母岩の幅5cm.
  • 画像:ツーゾイア
    ツーゾイア
    バージェス動物群に含まれる節足動物のなかま.詳しい分類はなぞのままである.カンブリア紀.カナダ.母岩の幅11cm.
  • 画像:エルドニア
    エルドニア
    中国雲南省の澄江(チェンジャン)からは,バージェスより少し古い時代の動物化石が見つかる.エルドニアはクラゲのなかま.カンブリア紀.中国.母岩の幅10cm.
  • 画像:海綿の一種
    海綿の一種
    海綿の骨針と考えられる化石は先カンブリア時代の末期からも見つかっている.カンブリア紀.アメリカ.母岩の幅23cm.
  • 画像:ゴギア
    ゴギア
    ウミユリのなかま.カンブリア紀.アメリカ.写真の幅13cm.
  • 画像:筆石
    筆石
    フィログラプテス.オルドビス紀になると筆石のなかまが大繁栄する.オルドビス紀.ノルウェー.母岩の幅10cm.
  • 画像:エルラシア(三葉虫)
    エルラシア(三葉虫)
    カンブリア紀は三葉虫が大繁栄した.カンブリア紀.アメリカ.長さ4cm.
  • 画像:アサフィスカス(三葉虫)
    アサフィスカス(三葉虫)
    カンブリア紀.アメリカ.長さ3cm.
  • 画像:リツイテス,オルトセラス,エンドセラス,ヒオリテス
    リツイテス,オルトセラス,エンドセラス,ヒオリテス
    オルトセラスなど頭足類はオルドビス紀から急速に多様性が増した.オルドビス紀.スウェーデン.母岩の幅30cm.
  • 画像:ウミサソリ
    ウミサソリ
    シルル紀では最大の節足動物で1m を超える大きさの化石も見つかっている.シルル紀.アメリカ.母岩の幅14cm.
  • 画像:スキフォクリニテス(ウミユリ)
    スキフォクリニテス(ウミユリ)
    シルル紀.モロッコ.母岩の幅35cm.
  • 画像:デボン紀の三葉虫
    デボン紀の三葉虫
    三葉虫はシルル紀以降は種が少なくなったが,モロッコからは多様な種が見つかっている.デボン紀.モロッコ.母岩の幅34cm.
  • 画像:アサファス
    アサファス
    飛び出した眼は,体を海底の泥にかくして,潜望鏡のような役目をしていただろう.オルドビス紀.ロシア.長さ7cm.
  • 画像:ファコプス
    ファコプス
    デボン紀の大型の三葉虫.複眼の目のようすがよくわかる.デボン紀.モロッコ.長さ13.5cm.
  • 画像:プシコピゲ
    プシコピゲ
    デボン紀.モロッコ.長さ12cm.
  • 画像:ディクラヌルス
    ディクラヌルス
    デボン紀.モロッコ.長さ7cm.
  • 画像:シュードプラニスクテルム
    シュードプラニスクテルム
    デボン紀.モロッコ.長さ4cm.
  • 画像:コムラ
    コムラ
    体の表面には,各節ごとに鋭いトゲがある.デボン紀.モロッコ.長さ8.5cm.
  • 画像:ウミユリ(キアソクリニテスなど)
    ウミユリ(キアソクリニテスなど)
    10種以上のウミユリが見られる.ウミユリは古生代後半に繁栄した.石炭紀.アメリカ.母岩の幅70cm.
  • 画像:リノプテラスピス
    リノプテラスピス
    初期の魚類で,翼甲類のなかま.3体が集合していて, 右側が体の前方で,甲状の側面に翼状の突起があり,後方はウロコで覆われている.デボン紀.ドイツ.長さ45cm.
  • 画像:ボスリオレピス
    ボスリオレピス
    板皮類のなかまで,顎に骨を持つ最初の脊椎動物.残っているのは頭から胴の前半分と胸びれで, 胴の後ろ半分はない. 背中側にある眼の位置がわかる.デボン紀.カナダ.長さ24cm.
  • 画像:スカウメナキア
    スカウメナキア
    肺魚のなかま.頭のななめ上にボスリオレピスの化石もついている. デボン紀.カナダ.長さ51cm.

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