私たちが住む地球が誕生したのは、約46億年前と考えられています。誕生してから40億年前までを冥王代、引き続く40億年前から25億年前までを始生代、25億年前から5億4千万年前までを原生代とよんでいます。冥王代から原生代までのおよそ40億年間はまとめて先カンブリア時代とよばれています。

冥王代は文字どおり地質学的証拠のない暗黒の時代ですが、カナダ北西部・北東部やグリーンランド、オーストラリア北西部に分布する始生代初期の岩石から、地球の初期状態が推定されるようになりました。地球最古の岩石はカナダ北東部ケベック州の42億8千万年前のもので、海洋地殻をつくっていた岩石だと考えられます。また、カナダ北西部のアカスタ片麻岩は40億年前の大陸地殻をつくっていた花こう岩です。これらのことから42億年前には地球上に海が存在していたとことが推定されています。

25億年前頃から、酸化鉄からなる縞状鉄鉱床と、シアノバクテリアによって作られたストロマトライトが発達するようになりました。これは生物の営みによって海洋・大気中の酸素濃度が上昇したことを示しています。この間に生命が誕生するという地球史上の大事件が起こったのですが、「いつ、どこで、どのようにして?」ということについてはまだ決着がついていません。およそ38億年前に、現在の海嶺付近にある熱水湧出口のような環境で初期生命が誕生したのではないかという考えが有力になっています。

19億年前になると真核生物が現れますが、多細胞生物が現れるのは先カンブリア時代の終わり約8億年前と考えられています。