9/9(火)~10/13(月祝) ミニ展示「東アジアのカラスアゲハの仲間」を開催します

 大阪市立自然史博物館では、令和7年9月9日(火)から10月13日(月・祝)まで、ミニ展示「東アジアのカラスアゲハの仲間」を開催します。

 日本にも生息するカラスアゲハは、大型で緑色に輝く美しい蝶として知られます。このカラスアゲハの仲間は東アジアに広く分布し、地域ごとに様々な種が知られます。これらの蝶の英名はピーコック・スワローテイル(Peacock swallowtail)で、訳すと“クジャクアゲハ”になり、輝く緑色の翅に環状の斑紋は鳥のクジャクのようです。地域によっては希少種とされています。地理的変異も多様ですが、近年遺伝子解析が進み分類体系が整理され、日本産種も学名に変更がありました。
 この展示では、東アジアのカラスアゲハの仲間を紹介します。非常に希少で世界的に保護されているルソンカラスアゲハやミンドロカラスアゲハ、お互いに斑紋は異なるのに遺伝的な差異が全くないシナカラスアゲハとミヤマカラスアゲハ、アッサムの奥地に生息し記録がとても少ないオナシカラスアゲハなど、ユニークで貴重な標本を展示します。東アジアのピーコック・スワローテイルをぜひご覧ください。

■開催概要
名  称:ミニ展示「東アジアのカラスアゲハの仲間」
会  期:令和7年9月9日(火)~10月13日(月・祝)
開館時間:午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)
休 館 日:月曜日(ただし9月15日・22日、10月13日は開館)、9月16日(火)
場  所:大阪市立自然史博物館 本館1階 ナウマンホール
観 覧 料:常設展入館料(大人300円、高大生200円)
     ※中学生以下、障がい者手帳など持参者(介護者1名を含む)、大阪市内在住の65歳以上の方は無料(要証明)。30人以上の団体割引あり。

■今回展示する種

・ヤエヤマカラスアゲハ:クジャクアゲハの八重山亜種だったが、種に昇格し八重山の固有種になった。


・クジャクアゲハ:台湾から中国大陸に広く分布し、青い斑紋に地理的変異がある。(写真2)


・オオクジャクアゲハ:中国大陸の山地に広く分布。(写真3)

・カラスアゲハ:日本やその周辺に分布し、伊豆諸島やトカラ列島から亜種が知られる。
・オキナワカラスアゲハ:奄美群島と沖縄諸島に分布。
・コウトウルリオビアゲハ:クジャクアゲハの台湾蘭嶼亜種で、前翅に緑の帯をもつ。
・タイワンカラスアゲハ:台湾や中国大陸に分布し、尾状突起に地理的変異がある。
・オナシカラスアゲハ:アッサムに分布し、尾状突起がなく胴体が黄色。
・ルソンカラスアゲハ:ルソン島の固有種。
・ミンドロカラスアゲハ:ミンドロ島の固有種。
・ミヤマカラスアゲハ:日本や中国大陸に分布し、やや北方系の種。
・シナカラスアゲハ:中国南西部に分布。
・ホッポアゲハ:台湾固有の小型種。
・タカネクジャクアゲハ:中国大陸の標高の高い山地に分布。