7月7日より第36回特別展「世界一のセミ展」を開催します。
大阪市立自然史博物館 第36回特別展「世界一のセミ展」の開催について
—世界一でっかい・ちっちゃい・やかましい?…セミ大集合—
大阪市立自然史博物館では、平成19年7月7日(土)から9月2日(日)まで、長居公園内の「花と緑と自然の情報センター」 2階ネイチャーホールにおいて、特別展「世界一のセミ展」を開催します。世界一大きいセミ、小さいセミ、長生きのセミ、定刻に鳴くセミ、やかましい大阪のクマゼミなど世界各地の珍しいセミの標本約200種1,500点を展示、併せて謎が解明されてきた様々な生態や温暖化・都市化との関わりなどを紹介します。
セミは大きな音で鳴くことから、私たちに最も身近な昆虫のひとつで、短歌・俳句にもしばしば詠まれるなど、夏の風物詩となっています。大阪では昔に比べ、「クマゼミが増えた」と誰もが感じており、温暖化・都市化などの環境変化に伴ったものではないかと考えられています。また、セミ類は幼虫期間が非常に長いことが知られていますが、土の中でどのように過ごし、どのようなサイクルで成虫が発生しているのかなど、これまで未知のままでした。
当館では博物館友の会などによる市民参加型の調査や大阪市立大学研究グループとの共同研究を通し、このような身近な謎の解明に積極的に取り組んできました。本特別展では、そのような調査・研究の結果について、標本、模型、ジオラマなども交え、楽しくかつ詳しく紹介します。 一方、当館では野外調査や海外博物館との標本交換などにより、標本・映像・音声資料を精力的に収集してきました。国内外のセミ、とりわけ大型で美しい模様のある種類、変わった鳴き声の種類などについても、詳しく紹介します。
これまで国内外において、セミにテーマを絞った展覧会で、これほど大規模なものはなかったと思います。タイトルのみならず、内容的にも、展示室の賑やかさでも、「世界一」のセミ展となると期待しています。
今回の特別展では、世界的なセミの研究者である林正美・埼玉大学教授らを招き、記念講演会を開催するほか、セミをテーマとしたオープンセミナーや野外での自然観察会など盛りだくさんの関連行事を併催いたします。 さらに、夏休み中の子どもたちがセミと親しみ、自然についての関心を深めていただく一助となるよう、会期中の土・日・祝日には、会場内の特設コーナーにおいてワークショップを開催します。詳しくはプレスリリース(PDF 472KB)をご覧下さい。
トップ写真の説明:
上 クマゼミ(日本):全長*約7センチメートル。大阪市内で最もよく見られるセミ。大きさの比較として。
中 ウラブナナゼミ(オーストラリア):世界最小サイズのセミのひとつで、全長*1.3 センチメートルのハエ
のようなセミ。オーストラリア東部の低木林にすむ。
下 テイオウゼミ(マレーシア):世界最大のセミで大きなものでは全長*が12 センチを超える。夜行性で、
ウシガエルのような単調な音を熱帯雨林に広く響かせて鳴く。
写真 オーストラリアムカシゼミ(オーストラリア)
ムカシゼミ科は発音器官を備えていないなど、他のセミ類より原始的な特徴を多く持っている。毛に覆われた風貌は原始のセミの姿を彷彿とさせる。
*全長=頭の先から翅(はね)の先までの長さを指す
プレスリリース(PDF 472KB)