特別展「自然史のイラストレーション ~描いて伝える・描いて楽しむ~」<主な展示・関連行事のご紹介>
大阪市立自然史博物館では、令和6年2月23日(金・祝)から5月26日(日)まで、特別展「自然史のイラストレーション ~描いて伝える・描いて楽しむ~」を開催します。
本展では、古い文献、論文や図鑑、普及のための資料など、様々な媒体に描かれたイラストレーションを通して、描かれたものの魅力と描いて伝えることの楽しさを紹介します。ペリーの航海記に描かれた日本の生き物の図、化石で新種記載された松ぼっくりの原画、潮の満ち引きに関する絵本の原画、大阪市立自然史博物館友の会会員の詳細な観察スケッチなど、時代やジャンルも幅広いイラストレーションを展示し、誰もが写真を気軽に撮れる今の時代にこそ、絵や図の面白さを考えてみたいと思います。
東京大学総合研究博物館が所蔵する自然史に関する図の展示が決定しましたのでご紹介します。また、講演会やワークショップなどの関連行事をご案内します。
東京大学総合研究博物館が所蔵する自然史に関する図を展示します!
牧野日本植物図鑑の分担作画もした山田壽雄氏の植物図、子ども向けの図鑑や教科書の生き物をたくさん描いた天木茂晴氏の挿絵、中島睦子氏のラン科植物図譜の原図を展示します。これらは本展の第二部「記載と図鑑」の中で紹介し、図鑑に掲載される図を描く過程や生き物の生き様を伝える図の魅力についてお伝えします。
【山田壽雄氏の植物図】 山田壽雄氏は、明治の終わりから昭和初期に活躍した植物画家で、牧野富太郎氏から指導を受けながら多くの図を描きました。山田氏の植物図は『牧野日本植物図鑑』や『図説 普通植物検索表』など、牧野氏による著名な図鑑にも利用されています。2017年に東京大学総合研究博物館のバックヤードで発見された山田壽雄氏の植物図は、牧野氏と同行して植物を入手したことや、牧野氏から植物をもらったことについてのメモが残っているものもあり、牧野氏との関係が伺える資料です。
山田壽雄の植物図(東京大学総合研究博物館所蔵、同館写真提供)
【天木茂晴氏の挿絵】 天木茂晴氏は、昭和の時代に活躍した画家です。天木氏は、主に子供向けの図鑑や絵本、教科書、参考書などの理科教育に関わる書籍に、植物や鳥の挿絵をたくさん描きました。日本画から博物画へ転向した天木氏は、理科教育の基本である観察を意識しながら、精緻な絵だけでなく、植物の成長や生き物の生き様がわかる絵を描きました。一目で生き物の生活がわかる絵を展示して、伝える挿絵の魅力をご紹介します。合わせて、天木氏の植物のスケッチも展示し、挿絵を描いた背景にも迫ります。
天木茂晴の挿絵:秋の草はら(上)と冬の草はら(下)(東京大学総合研究博物館所蔵、同館写真提供)
天木茂晴の挿絵:早春の野辺の植物(東京大学総合研究博物館所蔵、同館写真提供)
天木茂晴の挿絵:水草(東京大学総合研究博物館所蔵、同館写真提供)
天木茂晴の挿絵:植物の細密画(東京大学総合研究博物館所蔵、同館写真提供)
【中島睦子氏のラン科植物図譜】 中島睦子氏はオランダで植物図の描き方を学び、特にラン科の植物図をたくさん描いています。中島氏が著した『日本ラン科植物図譜』は、83属259種が収録され、日本のラン科植物の全体像がわかる図譜です。ラン科植物を理解する上で重要な花の解剖図がものすごく充実しています。中島氏のラン科植物図譜の原画と下書きを展示し、精緻な植物図が描かれる過程を紹介します。
中島睦子のシランの図譜(東京大学総合研究博物館所蔵、同館写真提供)
関連行事等の情報はプレスリリースをご覧ください。
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