大阪市自然史博物館を含めた国際研究チームが論文を発表「日本にいた絶滅哺乳類 ヤベオオツノジカの成長は速かった ‐骨化石の内部組織研究が明らかにした絶滅哺乳類の多様な成長様式‐」

 このたび、当館学芸員・林 昭次(地史研究室)を含めた国際研究チームによる『哺乳類化石の骨内部組織』に関する研究論文が、生物学分野の国際学術雑誌「Peer J」において平成27年10月22日(米国東部時間)に出版されました。
 論文タイトルは 『Mammalian bone palaeohistology: a survey and new data with emphasis on island forms』 で、日本語訳 は『哺乳類の化石骨組織学:概説および島嶼産哺乳類における新知見』となっております。
下記ホームページで論文の概要と電子版の記事を無料で閲覧することができます。
https://peerj.com/articles/1358/(英語サイト)
 論文は、日本を代表する絶滅哺乳類ヤベオオツノジカなど、世界中の様々な哺乳類化石における骨組織を調べ、その生態と進化を明らかにした研究です。
研究の詳しい内容については、プレスリリースをご覧ください。

研究で使用した大阪市立自然史博物館所蔵のヤベオオツノジカの骨の標本を展示します。
標本を切断し骨組織を調べたことが、絶滅哺乳類の生態や進化に関する新たな発見につながりました。

○期間:平成27年11月21日(土)~平成28年1月31日(日)
○場所:大阪市立自然史博物館 本館1階・ナウマンホール
○料金:常設展入館料(大人 300円、高大生 200円)
    中学生以下、障がい者手帳などをお持ちの方、市内在住の65歳以上の方は無料。(要証明)

yabeotunojika_1.jpg
ヤベオオツノジカの骨内部に見られる成長停止線
(A:大腿骨[太ももの骨]の断面, B:骨の内部組織 Aの赤枠部分を拡大した写真 矢印で示された部分に成長停止線が見える)