270万年前に出現したクロマツ~日本列島に生育するクロマツの起源と歴史を解明~(当館の塚腰主任学芸員が行った共同研究)

 クロマツは日本の海岸に多く見られる植物ですが、その起源はよくわかっていませんでした。
このたび、大阪市立自然史博物館 塚腰主任学芸員(地史研究室)と金沢大学によるマツの化石の共同研究により、クロマツの祖先であるフジイマツが約1700万年前頃にユーラシア大陸から日本へ移入し、クロマツは270万年前に起源したことが明らかになりました。
 この研究では、大阪市立自然史博物館が所蔵している三木茂コレクションの化石も調査しました。この研究で調べた、三木茂コレクションのクロマツの球果の化石、クロマツの祖先種と考えられるフジイマツの球果化石を、1月25日(土)〜5月25日(日)に大阪市立自然史博物館本館1階ナウマンホールで展示します。
また、この論文が掲載されたJournal of Plant Researchの表紙になった、オオミツバマツ(三木茂コレクション)の球果化石も展示します。
研究の詳細はプレスリリースをご覧ください。
プレスリリース
※球果:マツの雌花が成長したもので、一般にはマツボックリと呼ばれる部分です。
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フジイマツの球果化石:約1000万年前、岐阜県多治見市産。
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クロマツの球果化石:約290〜170万年前、島根県江津市産。
スケールバーは1cm。