<論文発表>マツボックリ化石にミキマツ(Pinus mikii)と命名 -名前が無くなった化石に新たな名前を与える-
このたび当館学芸員・塚腰 実(地史研究室)と金沢大学が共同で日本産のマツの球果(マツボックリ)化石を研究し、種類を再検討した論文が、Public Library of Science社より刊行されているオープンアクセスの科学雑誌である「PLOS ONE(プロス ワン)」に掲載されました(2015年12月16日公開)。
論文タイトルは 『Taxonomic revision of Pinus fujiii (Yasui) Miki (Pinaceae) and its implications for the phytogeography of the Section Trifoliae in East Asia. T.Yamada, M.Yamada, M.Tsukagoshi』 で、日本語訳 は『Pinus fujiiiの分類学的な改訂とミツバマツ節の東アジアにおける植物地理学的関係。山田敏弘・山田茉莉子・塚腰 実』となっており、下記ホームページで閲覧できます。
http://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0143512
今回の研究の結果、オオミツバマツ(三葉松の化石種)の学名が変更されることになりました。その変更の過程で、よく見つかる化石であるにもかかわらず名前を失ったものが発生し、その化石に対し、新たな名前として「ミキマツ」と命名しました。
このように生物の学名は、命名規約によって決められ、学名の変更や、すでに知られている標本に新たな学名が付けられることがあります。このような標本を基にした分類の研究により、生物の多様性や進化が明らかになります。
研究の詳しい内容については、プレスリリースをご覧ください。
この研究には当館所蔵の三木茂コレクションの植物化石を用いました。論文の発表を記念して下記の日程にて標本の展示を行います。
○期間:平成28年3月1日(火)~6月19日(日)
○場所:大阪市立自然史博物館本館 第2展示室「地球と生命の歴史」
○料金:常設展入館料(大人 300円、高大生 200円)
中学生以下、障がい者手帳などをお持ちの方、市内在住の65歳以上の方は無料。(要証明)
※平成28年2月1日(月)より2月29日(月)まで本館改修工事のため臨時休館しています。