斜面崩壊後の草原植生の変遷についての論文を出版

当館の横川学芸員も含む研究グループは、熊本県阿蘇地域の半自然草原において、異なる時期に崩壊した斜面の植生を比較しました。その結果、斜面崩壊後も自然に植生が回復する場合があること、様々な年代の斜面崩壊地があることで、調査地において様々な植物が生育できる可能性があることを示しました。豪雨災害等で斜面崩壊が起こった場合には、種子の播種による緑化が行われることがありますが、自然の植生回復の力を利用しながら生物多様性に配慮した復旧を考える基礎データになる研究です。
本研究成果は、2018年11月30日に日本緑化工学会の和文誌「日本緑化工学会誌」に掲載され、2019年5月14日にオンラインでPDFが公開されました。
掲載論文:
著者:増井太樹, 横川昌史*, 高橋佳孝, 津田 智(*は当館学芸員)
論文タイトル:熊本県阿蘇地域における斜面崩壊後4年目および26年目の半自然草原植生
誌名:日本緑化工学会誌(2018年11月30日出版)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsrt/44/2/44_352/_article/-char/ja
https://doi.org/10.7211/jjsrt.44.352