(2005年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、2006年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、
2007年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、2008年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、
2009年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、2010年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月)
大阪ミュージアム構想というのが、とある場所で練られているらしい。で、この夏に関連イベントがいくつか組まれていて、その一つにこんなのがあるらしい。
「犬鳴山納涼カーニバル (金魚の放流)
夏でも涼しげな犬鳴山渓谷において、1万匹の金魚を放流します。放流時間は午前10時、正午、午後2時の3回に分けて放流します。すくい網等は各自でご用意下さい。」
これはホームページからの抜粋だが、メルマガにはこんなフレーズも踊っているという。
『犬鳴渓谷で金魚1万匹放流、犬鳴納涼カーニバル!生物多様性を皆で考えよう』
ツイッターにつぶやかれていた内容。これを受けて、またいろんなつぶやきが流れている。批難と皮肉に満ちたいろいろなつぶやきを読むのが楽しい。
つまりは、渓流を利用した金魚すくい企画と理解したらいいのだろうか。ただよくわからないのは、”生物多様性を皆で考えよう”のフレーズ。メルマガだけに載ってるフレーズのようなので、メルマガ作者の筆がすべっただけかもしれない。でも、そうではないのかもしれない。
思うにこれは壮大な野外実験なのではないだろうか?
樫井川の源流部に金魚1万匹を放したら、どの位の勢いで、金魚が樫井川に拡散するのかを明らかにし、さらに河川生態系への影響を評価する。おそらく、放流後には専門家による綿密なモニタリングが準備されているに違いない。野外でやたらと目立つ金魚を使う意味も、モニタリングのしやすさが考慮されているのだろう。
あるいは、これは壮大な社会実験なのではないだろうか?
”すくい網等は各自でご用意下さい”とあることからも、放した金魚は捕獲される事になってるらしい。捕まえる気でいても、すべてを捕まえるのがいかに困難かを、市民のみなさんに身をもって体験していただく。意義深い体験であるのは間違いないだろう。もちろんすべて駆除できるまで、みんなで頑張るはずである。
えっ、放流後のモニタリングも、完全な駆除も予定されてない?
ああ、そうか。これは外来生物によって、在来生態系が破壊されていく様を、体験しようと言う企画なんだ。これからずっと樫井川に金魚を見ては、外来生物問題に思いをはせるとか。
いやいや、もしかしたらこれはアンチテーゼな企画で。河川に、どこで採ったかわからんようなコイやメダカやホタルを放すよりも、明らかに外来とわかる金魚を放す方がよほど害はないよ。少なくとも対策しやすいよ。という事をアピールしてるんだ。
とまあ、皮肉をたくさん書いてみたくなる。とにかく、いろんな事を考えさせてくれる企画である。その意味で、国際生物多様性年にふさわしい。というわけで、ぜひ金魚の放流と生物多様性との関係を考えてみよう。不明な点があれば、主催者に問いあわせてみるのもいいだろう。
まだやってたんかい! と言われそうだが、やってたんだな。それも今日でおしまい。最後の追い込みだった6月は洒落にならない位、あちこちに行った。
昨日で、今シーズンのカエルの観察会が一段落した。2月末のヤマアカガエルの観察会に始まって。3月と4月のヒキガエルの観察会。5月のシュレーゲルアオガエルなどの観察会。6月にはモリアオガエルメインで3回も。なんと7回もカエルの観察会をした。毎回メインに据えたのはちゃんと見られたし(6月の3回はカジカガエルも狙ったけど、内2回は川が増水していて声すら聞こえなかった…、というのは除く)、だいたい観察会的にはうまくいったんじゃ?
もう一つ言えば、2月の観察会と、他のグループからの頼まれた観察会を除けば、いずれも大入り満員。広報仕方にもよるけど、定員の2〜3倍は当たり前ってくらい申込みがある。2月が少なかったのは、寒い季節はカエル気分じゃないから? とにかく、カエルの人気は高い。
というわけで、来年も今年並みは無理でも、少しはカエルの観察会しようかな。と思っている今日この頃。普通に、田んぼでトノサマガエルを探すのをメインにしたのをしてみたい気がする。あとは、夜、声を聞く会。これは声の修行をしないと、ちょっと自信がない種がじゃっかん。そしてオタマジャクシの観察会! これはものすごく修行をしないと、かなり怪しい…。
いつかは、南の島にカエル合宿とか?
今日、千葉県の漁港で拾ったというウミネコを4羽見せて頂いた。いずれも痩せて死んでるが、死因は同じではないかも。少なくとも1羽は、翼に怪我をしていて飛べなさそう。そして、1羽の口元には釣り針とテグスが絡んでいた。
食堂への経路は確保されているので、採食はできたのだろう。でも、下の根元には長い間、テグスが巻き付いていたらしい。グルグル巻きで取るのが大変なだけでなく、テグスの周囲の肉が盛り上がって、テグスを埋めている。どれだけ長い間、テグスを巻き付けていたらこうなるんだろう? さぞかし口の中が気持ち悪かったろうなと思う。
先日、公園でハトを捕まえては、足にからんだテグスをはずしているおじさんがいるという話を聞いた。その時はいい人だとは思ったけど、同時に変わった人と思った。今日は、その人がとてもいい人に思える。
IFDは、Ideal Free Distributionの略。ざくっと言えば、動物が生息場所の質についての完全な情報を持っていて(Ideal)、自由に生息場所を選んだ(Free)結果、できあがるだろうという分布のこと(あってるかな? そう間違ってはないはず)。もちろん実際の動物はIdealでもFreeでもないのだけど、まずはそこから考えてみようというモデル。あり得ないけど、分布を考えるスタートとしては便利。で、色々と妄想してしまった。
一昨日と今日。猪名川町と能勢町のモリアオガエルの卵塊を探し回った。お隣同士の猪名川町と能勢町だけれど、モリアオガエルの生息状況は違うように思った。で、猪名川町の方がモリアオガエルの密度は高いんじゃないかと思った。なんで思ったのかな〜、と今日歩きながら考えた。結果、モリアオガエルのあくまでも分布調査をしただけなんだけど、いくつか前提を置けば、相対的な密度(つまり他所と比べて多いか少ないか)が、評価できるんじゃないかと思った。
今日は、カエルの観察会だった。たくさんの種類を確認するぞ! と思ったのに、5種しか確認できず。増水気味だったせいか、カジカガエルすら出ず…。とても欲求不満のたまる観察会になってしまった。
そんな中、モリアオガエルの卵塊だけはたくさん観察できた。ぜんぶで4ヶ所。遠目でしか見られないところもあったけど。1ヶ所では、卵塊のすぐ上にの枝にヤマカガシがとぐろを巻いていて、面白かった。1ヶ所では、手の届くところに卵塊があったので、ツンツンと触ることができた。まだ表面が柔らかく、今朝産んだのかなぁって感じで面白かった。でも、一番面白かったのは、流水の上に産まれていた卵塊。
同じ場所ようなに昨年もあった気がする。合計6つの卵塊が、じゃんじゃか水が流れている。けっこうな斜面の太めの水路上に産まれている。孵ったオタマジャクシは、確実に流される。下の川に流されて、たぶんその下の芥川にまで到達して、もしかしたら淀川から、大阪湾まで? 海まで行かなくても山林から住宅地に出てしまったら、カエルになっても生きていけないはず。絶対確実な無効分散。
こんな場所に卵塊を産んでる雌は、毎年同じ個体なんじゃないのかなぁ? 同じ個体が6個も卵塊産んだのかな? それともそんなお馬鹿な雌が複数いるのかなぁ? と、雌だけの責任にはできない。泡巣ができてるってことは、協力した雄がいるはず。そろいもそろって困ったもんだ。
昔、おかんが言っていた。
ええかぁ。能勢にはなぁ。タマカイエビがいっぱいおるんやでぇ。あっちにもこっちにも普通におるねん。
純真な少年はそれを信じていた。今日までは…。
昨日は大路次川沿い、今日は山辺川沿い。能勢町をけっこう歩き回った。主なターゲットは、カエルであり、ツバメなのだが、密かにカイエビも探していた。もちろんタマカイエビ狙い。
タマカイエビといえば、B博物館のドクターGに直接、採ってくるようにと言う指令を賜ったターゲット。タマカイエビの分布を明らかにしたら、ドクターGの覚えが目出度くなって、いろいろと有り難いこともあるかと…。
そんな邪心はともかく。狙いはタマカイエビなのである。
主に川沿いを歩いているので、川沿いの田んぼばかり見ていたのは否めない。すべての田んぼをくまなく探したわけでもない。でも、おかんの言うとおり、あちこちに普通にいるなら、ちょちょいのちょい、っと見付かるはずではないか! しかし、結局、タマカイエビは見付からず。
カイエビかなぁ、トゲカイエビかなぁ、というのを2ヶ所で。ヒメカイエビの一種ですか? というのを1ヶ所で採集したのみ。
おかんの莫迦ぁ!
というのはさておき、何が悪かったのだろう。季節はあってると思う。帰ってきて調べてみると、まさにおかんがタマカイエビを見つけた3ヶ所の内、2ヶ所のすぐ近くで探している。
まさかとは思うが、探し方に問題がある???
昨日、りょーへーくんが、言っていた。大阪湾初記録の北方系のFが、淡路島で見つかったらしい。たぶん自然分布。今までいかに調べられていなかったかという事がわかる。
来年からは、大阪湾がテーマなので、みんなでFの調査をしようかとの事。調査は面白そうやけど、Fを捕まえるのは…。この調査はパスか?
FはフナムシのF。淡路島で見つかったのは、キタフナムシ。北海道にいるフナムシは、全部キタフナムシらしい。
北海道にはフナムシはいないと思ってた。少なくとも、昔、知床にはいなかった。北海道のキタフナムシの分布は局所的? それとも低密度?
キタフナムシは、フナムシよりずんぐり。触角の数珠玉のような膨らみが16個程度と、フナムシ(20個以上)より少ないらしい。捕まえな分からんやん!
まあ結局のところ、次のどちらかだと思う。
・飛んでるコシアカツバメを探す。見つけたら、その周辺を探す。
・巣を架けそうな建造物や橋をチェックする。
今日は川西市の丘の上(山の上?)の新興住宅地をウロウロして、コシアカツバメの巣を探した。暑かった。なかなか見付からなかった。
ここ数年愛用しているカエルちゃんの傘のホネが、一昨日折れてしまった。機会を見て修繕に出そうと思うが、それまでは使用禁止。
今日も雨の中、お出かけだったので、朝コンビニで傘を買った。昼間お出かけ。夜も梅田にお出かけ。帰りの電車で気付いた。傘を梅田に忘れてきた。今朝買ったばかりなのに…。
考えてみれば、おかしな話である。カエルの傘は何年も忘れた事がないのに、ビニール傘は買ったその日に忘れてくる。なにか理由があるに違いない。
まず考えられるのは愛の差。カエルの傘はお気に入り。付け加えると値段もビニール傘の約7倍。愛なのかお金なのかは知らないが、その差が潜在意識への働きかけの違いになっている可能性は否定できない。
が、ここでは傘の意志が働いている可能性を指摘しておきたい。思い起こせば、数年前まではビニール傘ばかり愛用していた。でも買っても買っても、どこかに行ってしまう。やがて傘は天下の回り物と考えるようになった。
しかし、カエルの傘を買って、事情が変わった。カエルちゃんはとこにも行かない。どうやら天下を回るのは、安いビニール傘限定らしい。
おそらくビニール傘には天下を回りたいという意志があるに違いない。そして我々の潜在意識を操作して、置き忘れさせるのである。そう、ちょうど寄生虫が寄主の行動を操作するように。恐るべしビニール傘。
近頃、いい巣場所はないなぁ、とお困りではありませんか? そんなみなさんに、朗報です。今日は橋の下の巣場所をご紹介したいと思います。
橋の下って、巣場所かける場所あるんですか?
いいですかぁ。橋は、鉄骨、コンクリート、近頃はあまりみかけなくなったけど木などいろんな素材で造られます。また橋の構造もさまざまなのですが、今日お勧めするのはコンクリート製の橋です。
コンクリートといえば巣場所に最適ですね。
そうなんです。もちろん橋の底が真っ平らでは、巣をつけるばしょに困りますが、多くのコンクリート製の橋には、多かれ少なかれ巣を架けてくれといわんばかりの構造が用意されてあるんです。
そうだったんですね。
橋の下の巣場所には大きな利点が二つあることをご存じですか?
えっ、なんですか? それは?
まず人の目に触れにくい。という点です。団地の階段の最上階の天井に巣を造って、人に巣を壊されたことはありませんか?
ありますあります。
コシアカツバメの巣は、中のヒナの様子があまり見えません。それなのに、下には糞が落ちる。ええい、たたき落としてしまえ! とよく落とされるんです。
ツバメの巣はもう少し可愛がられていますものねぇ。
しかし、橋の下なら問題なし。人の目に触れにくいだけでなく、糞が落ちても川の中。誰も気にしません。
さらにもう一ついいことがあります。
えっ、まだあるんですか?
せっかく造った巣をスズメに乗っ取られたことはありませんか?
ありますあります。お隣も、先日乗っ取られたばかりです。
人に負けず劣らず、スズメは困った相手です。が、スズメのヒナはまだ飛べない内に、巣から飛び出します。下に川が流れていると、ヒナは死んでしまうのです。だから、橋の下、とくに水面の上の巣はスズメに乗っ取られません。
なーるほど。じゃあ、橋の下の巣は、人の邪魔も受けず、スズメにも乗っ取られないというわけですね。
そうなんです。その上、カラスの目にもとまりにくく、極めて繁殖成績が高いのが特徴です。
そうだったんですね。さあ、みなさんも是非、橋の下を巣場所に選びましょう。
ただ、心配なことが一つ。今まで大阪ではほとんど繁殖していなかったイワツバメが急増中です。イワツバメは、大阪では橋の下ばかりで繁殖しています。このままでは、いい橋はすべてイワツバメに使われてしまうかもしれません。
コシアカツバメのみなさん、お早めに〜。
相談ではないけど、話を聞く機会があり、近所の公園で何ができるかなぁと考えたので、書いておこう。
まず条件設定。
夏休みなどを除くと、週1日、夕方の活動。たいした機材はない。人手もない(なんせ弱小)。昆虫は難しい、それより小さい生物や植物には興味がなさそう。というわけで、哺乳類か鳥類が対象かと。
<哺乳類編>
イタチ:いっぱいいる。が、姿を確認するのは巣穴でも見つけないと難しい。捕獲は無理。糞分析は敷居が高いかなぁ。
アブラコウモリ:まだまだいっぱいいる。巣穴が見付かれば、出入りの観察は可能。だが、活動時間が日暮れ時と合うかどうか…。それに一度はしたいオールナイト調査。
タヌキ:いるにはいるけど、夕方には閉まってしまうエリアにいる。これまた夜行性なのもネック。糞分析はやっぱり敷居が高い?
ネコ:いっぱいいる。見やすい。模様で個体識別も可能。というわけで、ネコがいいんじゃ? まずは写真でも撮りまくって個体識別用のカードを作成。あとはいつどこにいるかという断片的情報を積み重ねてみよう。
<鳥類編>
ツバメ:近所の繁殖地図作りでいいんじゃなかろうか? 巣を継続観察(週1回でいいっしょ)。
カラス:これまた巣探しして観察したらいいでしょ。ツバメと並んで巣を見つけやすい鳥だし。
スズメ:公園の角っこを中心に集団ねぐらができる。これで何かできないかなぁ。どっちから何羽集まってくるかを数えて、その季節変化を追いかけるとか。数えるのが難しければ、どの木を使ってるかだけでもいいかも。けっこう使う木が変わる気がする(集まる個体数に連れて、あるいは落葉につれて)。
鳥はいろいろいるから、いろいろとテーマ設定すればいくらでも何かできそう。でも、なんとなくバードウォッチングしてるだけじゃあねぇ。
この一週間は毎日お外に出ていた。
土曜日、金剛山。サークルの鳥の観察会。軟弱にもロープウェイで上がった。その後を考えるとそれでよかった。
日曜日、島本町。カエルの観察会。その後、枚方市に移動して軽く調査。ここまでは楽やった。
月曜日、ため池巡り。自転車でいつもより多めに回った。7時間半かかった。
その後の4日は、カエルとツバメの分布調査。山際をひたすら歩く。
火曜日、枚方市から交野市。10時間歩いた。
水曜日、大東市から四條畷市。7時間半歩いた。
木曜日、島本町から高槻市。8時間半歩いた。
金曜日、茨木市から箕面市。8時間半歩いた。
4日で34時間半歩いたことになる。平均時速3kmで歩いていたなら、100kmなんやけど、無理かな? 万歩計が欲しかった〜。
三川合流より下流の淀川及びその支流の流域で、水関連の生き物観察に行くならどこ? と尋ねられたような、尋ねられてないような。すでにリストはできているようだが、勝手に考えてみた。
【淀川本流】三川合流、鵜殿、樟葉、庭窪、城北、柴島、西中島〜十三、海老江、矢倉
前の3つは河川敷って感じ。ヨシ原あり、砂礫地あり、河畔林あり。次の2つはわんど。後ろの4つは干潟。どれもはずせない。
【大阪市内】淀川以外はないな〜。
【北河内・中河内】恩智川治水緑地、深北緑地、室池、尊延寺・穂谷
前の2つは、かつての低湿地の面影を残している場所。室池は大阪府では数少ない湿原がある(ことになっている)。最後は、北河内に残された最後の棚田(といっても過言ではない)。
【三島】やまぶき渓谷、川久保渓谷、摂津峡、竜仙峡、出灰〜中畑、田能〜二料、泉原
前の3つは、淀川水系で数少ない渓流。次の2つも渓流要素もありーの、田んぼ要素もあり。次の二つは山手の田んぼの生き物を楽しめる。
【豊能】箕面渓谷、初谷、高山、牧〜寺田、余野川(吉田橋〜猪名川合流)、森上〜長谷、宿野、倉垣〜野間
最初2つは渓谷。次の2つは棚田。その次は河川中流部の環境が楽しめる。最後の3つは山間部の田んぼ・河川周辺の生き物。
【猪名川沿い】源流部、民田、藻川
最初の2つは田んぼ周辺の生き物。最後は汽水域の環境。猪名川沿いは上流部やその支流に面白い場所が多いのだが、バラバラとしてて選びにくく、公共交通機関で行くのが難しい場所が多い。
31ヶ所はちょっと多いなぁ。と思いつつ、安威川どうかな?と思ってみたり。
今日は、10時間歩いた。カブトエビとかカエルとか採ってる間は歩いてないので、もう少し少ないけど。とにかくたくさん歩いた。山際沿いに枚方市と交野市を縦断した(一応寝屋川市の山際も制覇!)。ついでに色々やってるけど、メインの目的はコシアカツバメの繁殖地探し。一日歩いて結局見付からず。
この10年ちょっとの間に、大阪府内のコシアカツバメの繁殖地は劇的に変化してるんじゃないかと思い出した。大阪府南部はさほど変化していない気もするが、大阪府北部では変化が顕著。端的に言えばコシアカツバメが減っている。個体数や繁殖地が減ってるとまでは断言できないが、コシアカツバメの繁殖が見付かるエリアが狭くなっている。
千里丘陵、北河内、高槻市の山際からコシアカツバメの繁殖地が、次々と撤退している様子。2年前に調べた時もそう思ったので、今回再確認の意味を込めて探しているのだが、やはり見付からない。北摂でも山間部に行けば、さほど珍しくない。あっちにもこっちにも巣があって、一々記録するのが面倒な場所すらある。なのに、なぜ?
ざくっと言えば、丘陵部から撤退して、コシアカツバメは山手に引っ込んでしまったように見える。丘陵地の環境がなにか悪くなったのか? あるいは山手の環境がよくなったとか、収容力が増したとか?
明日は、大東市と四條畷市を攻める。たぶん見付からない。このエリアは、10数年前の時点でもなかったんだけど…。
今日は一日なっちゃんと一緒にいた気がする。一日側にいたというか、話をずっと聞かされていたというか、頻繁に腹をつままれていたと言うか。けっこう付き合いは長い気がするけど、なっちゃんの行動は興味深い。なにか独特の世界から来たような。というわけで、垣間見たなっちゃんの世界の一端を紹介しておこう。
まず、一日デジカメを手に画像を撮っている。生き物の観察会に来てるのだから生き物を撮ればいいようなものだが、生き物だけでなく人間をよく撮っている。受付をしているお兄さん、説明してるお兄さん、ぼんやり歩いているお兄さん。そんなにお兄さんの画像をため込んで何をするつもりなのかさっぱりわからない。
なっちゃんは、自分の行動のログとしても画像を活用しているらしく。乗降した駅の画像は欠かさない。通りすぎた神社もすかさず撮ってる。そしてあちこちで見つけた妙な物も撮りまくる。それはトマソンのコレクション。本人はトマソンって知らなそうだけど、立派な路上観察者。
昼間のフィールドで撮りまくった画像を、帰りの電車の中で見せてくれる。ある意味楽しいし、一日をもう一度反芻できるので役にも立つんだけど。撮影枚数が多いので、時間がかかる…。
画像の紹介が終わったら、今日見た生き物の復習に入るらしい。図鑑に載ってる観察した種のところに、観察した日と場所を書き込む。観察会で名前を教えてもらった種は、教えてもらった種を思い出して書き込んでいる。が、教えてもらえなかった種は、自分で適当に選んでいるらしい。隣で見ていると、おいおいほんまにそれか? というのを選んでいることもある。いいのかそれで?
さらに、ノートを見せてくれるのだが、一つのテーマについて調べた内容を、1ページに細かく図入りで解説してある。テーマは多岐にわたっていて、解説の内容より、どういうプロセスでそのテーマが選ばれたのかが気になる。
ここまで見てくると、生き物好きの子どもらしい感じ。自分でも心当たりがけっこうある。このままでは、将来もてないオタクになるんじゃないかと思いきや、そうでもなさそう。
今日の観察会には、女子高生4人組が来ていたのだが、普通に話しかけて、自分の世界を展開して、笑いをとっていた。人見知りも、物怖じもせず、弁が立つ。合コンで強そう。ナンパもできそう。もちろん面接強そう。
難点があるとしたら、しゃべるのに忙しくて、ひとの話を聴いてないこと。それはさっき説明した!って展開が多い。しゃべってばかりで、話を聞いてくれない、と言われて、将来ふられるんじゃないかと危惧される。
なっちゃんの世界は面白い。子どもはみんな一人一人こんな世界を持ってるに違いない。生物多様性を尊ぶのとほとんど同じ見地から、そんな世界がずっと健在であって欲しいなと思う。でも、カラスを見るたびに、カァカァ言わなくてもいいよ。
久しぶりに金剛山に行った。軟弱なので、ロープウェイで登って、山頂部をウロチョロして降りてきただけ。前回行ったのがいつだったか忘れたのだが、その時にはいなかったソウシチョウがあちこちで鳴いていて、けっこうショックだった。
原稿を書かなくては。締め切りは5月20日。5月末には書こうと思っていたのに、それからそろそろ5日。編集サイドからの原稿の取り立ても厳しくなってきた。編集長にはできるだけ会わないようにしているのだが、なかなか逃げ切れるもんでもない。一昨日は編集長に呼び出されて、いったいいつになったら書き上がるんや!と問いつめられ、思わず金曜日中には完成します。と答えてしまった。それって今日やん! というわけで、原稿書き中。でも、飽きたのでこんな文章を書いていたりする。
という、情けない奴が、近頃周辺にゴロゴロいる。みんなで分担して原稿を書いているのだが、ほとんど誰も書き上がっていないらしい。なかには一部すらも提出していない輩すらいる。
こうした自体はある種、年中行事ですらあり、それぞれの個人が原稿の取り立てに対抗する技を編み出している。その一端を紹介しよう(ちなみに対体操競技と同じで、技には編み出した人の名前が付いているのだが、ここでは一部伏せることにしよう)。
K-bata:とりあえず原稿を提出する。それでいて中身は完成していない。完成していなくても、指定の場所にファイルを入れておくのである。これだけで編集サイドからの取り立て圧力は弱まる。いやむしろちゃんと原稿を提出したと威張ることすら可能。ただし、ファイルの中身を確認されるまで時間が稼げるだけ。その前に、密かにファイルを入れ替えるのである。姑息な…。
S-yk:とりあえず原稿を提出する。それでいて中身は完成していない。だが、Kワバタと違うのは、最終的な分量がわかるように、とりあえず駄文でいいから羅列して行を埋めておく。中身をチェックされるまでは、編集サイドからの圧力は弱まる。編集サイド的には、分量がわかればそれなりに編集できる。この分量通りに仕上げろよ!と言われるだけで済むかもしれない。やっぱり姑息だぁ。
S-g:なにも提出しない。問いただされたら、別にいいじゃん。まだまだ間に合うジャン。とでも言って居直る。一番格好いいかもしれない。でも、編集サイドからいうと面倒な相手かも。少なくとも姑息ではない。
S-gからK-bata、S-ykと順に技を繰り出すこともできる。これをウルトラCと呼ぶことにしよう。
なんてことを書いてる暇があったら原稿書かなくっちゃ。
他人の失敗は蜜の味。じゃなかった。ひとの振り見て、我が振り直せ。よそさまの失敗を分析することは、自分が同じ失敗をしないようにするのに役立つはず。というわけで、他人の失敗に気付いたら、それを分析してみようと思い立った。最初は、とある雑誌。
『野鳥』誌は、日本野鳥の会の会誌。かつては月刊誌だったが、いまは年に10回発行の疑似月刊誌になってると思う。思う、とあいまいなのは、別に毎月届くのを楽しみにはしていないから。
昨日の夜、日本野鳥の会会員ばかりが出席している会議に出席した。その場でとある一人が、今月号の『野鳥』誌にはひどい間違いがある!と話題にしたのだが、誰も話題についていけなかった。そこで明らかになったのは、『野鳥』誌の間違いというよりも、誰も届いた『野鳥』誌をろくに読んでいないこと。実際、ほとんど開いてさえいないらしい。
かくいう私も、封筒から出して、パラパラと前の方の写真を見て、それでおしまい。だって、面白そうな記事が、なーんにも載ってないんだもん。そしてそれは、少なくともその会議に出ている全員の意見でもあった(少なくとも意思表明した人は、みんな同じ反応)。
日本野鳥の会って、支部は観察会など会員向けのサービスを活発に展開していた。が、本部の会員向けサービスって、実質的に会誌のみ。なのに誰も会誌を読んでいない。とても不思議な構造。ちらほら聞こえてきた声では、惰性で本部にも入っているとか…。支部に入ってるから、一応本部にも入ってるとかいった感じのようだった。
自分を思い返せば、20年くらい前までは『野鳥』誌を真面目に読んでた。当時は、数少ない鳥の情報源だったから。いまやネットに鳥の情報があふれている。そんな中での雑誌作りは大変だろう。
でも、コアなバードウォッチャーが『野鳥』誌から離れた理由は、ネットで情報が手に入るからではないと思う。単に読みたくなる記事がなくなったから。ある時点から『野鳥』誌は、ビギナーを強く意識するようになった。会員数が増えてビギナーの割合が高くなったからかもしれない。紙面作りの面で言えば、その時に昔からのバードウォッチャーは切り捨てられた、といっても過言ではない。読みたい記事がどんどん減って、やがてなくなった。
『野鳥』誌が届いても開かなくなった。たまに面白い記事が載っていても、もう気付かないだろう。
ビギナーからベテランまで満足させる紙面作りは大変だろう。でも、ページが足りないならともかく、50ページ近くもあるなら、両にらみの紙面作りはできそうに思う。というわけで、『野鳥』誌の失敗は、読者層をきちんと意識して、多様な読者層に対応できる紙面作りをしなかったことにあると思う。
で、その最大の原因は、クオリティコントロールの担当者がいないことにあるんじゃないかと。昨日聞いたけど、編集を担当してる人はいても、編集長はいないとのこと。ほんとかな?
ちなみに、野鳥の会本部の会費の多くは、『野鳥』誌の発行に使われるらしい。なのに、あまり読まれていない…。
あくまでもとてもコアな昔からのバードウォッチャーがどうやら『野鳥』誌を読んでない。というだけなので、もしかしたら大部分の会員は楽しみに読んでるのかもしれない。が、もし大部分の人が読んでないんなら、経営的には『野鳥』誌の発行をやめたらいいんじゃないかと思ったりもする。会員数は、さらに減るかもしれない。でも、現在の減少ペースに少し上乗せするだけなんじゃ? でもって、経営的にはとても楽になるはず。発行をやめなくっても、もっと安いつくりにシフトするのは検討すべきだろう。
いずれにせよ、会員が何を求めているかを把握して、それにどう対応していくかを、根本的に考えて行かなくっちゃ。ほら、他山の石っぽい!
今日は堺にマッコちゃんに会いに行ってきた。結局、10時間も遊んでしまった。骨身にしみるほど遊んだので、マッコちゃんについて色々分かったことがある。多くの人には常識かも知れないが、今度遊ぶ時のためにメモしておこう。
マッコちゃんって、上の歯がないのね。と思ったら、歯茎に埋まってる。下の歯は、左右で数が違う! 左が20本で、右が22本。と思ったら、左右それぞれ前と後ろに歯茎に埋もれてる歯が1本ずつ。
マッコちゃんの鼻も変わってる。
伊勢湾に面した浜に漂着していたというカワウとハシボソミズナギドリの死体をいただいた。浜辺に確保しておいて、今朝回収して持ってきてくださった。すばらしい。
あいにく時間が経っているのが多く、はっきりいって全部腐ってる。ハシボソガラスは皮が剥けそうなのを2羽ばかり仮剥製にした。というか、剥きたいといった酔狂ななにわホネホネ団の方にお願いした。残りは、骨格標本に。カワウは全部ミイラに近い状態。これは全部骨格標本に。
とりあえず計測。と思って出してみると、浜辺にあっただけあって、死体にくる虫だけでなく海浜甲虫もけっこう混じっている。海浜で拾われているので、甲虫はすべて海浜甲虫と言っていいはず。とりあえず、みんなで手当たり次第、甲虫は採集した。シデムシ、カツオブシムシ、エンマムシに混じって、けっこうハネカクシが採れた。ちょっと満足。
それから、引っ張り出して計測。数が多いので大変。大量に採れてしまったバンディングのような状態。体重測るのはナンセンス。残念ながら性別もわからない。というわけで、ホネになっては測れない部位ばかり4ヶ所ほど計測した。というか、計測できるのは計測した。最長の風切がなかったり、頭がすでにホネになっていたり、嘴のカバーがなくなっていたり。欠損値も多数。まあ、それは仕方がないとしよう。
計測したのは、カワウ14羽、ハシボソミズナギドリ40羽。数ヶ月後には、大量のホネが完成してる予定。
たくさんの死体に来るハエや甲虫がついてきたので、とりあえずホネ化作業は三重県の虫君たちにお願いすることにした。それで埒が開かなければ、水に浸けて腐らせよう。
一つだけ気になるのは、付いてきた虫君たちは三重県のみなさんで、大阪市的には人為的に持ち込まれた外来生物ってこと。逃げ出したとしても、海浜でないと暮らせない虫君たちはおのずと死に絶えるだろう。でも、そうじゃないのは、明日のマッコウクジラでさらに一層繁栄するのかもしれない。
それはまずいので、すでに一部逃げてしまったものは仕方がないとして、ホネ化に協力いただいた後は、ホネと一緒に水に浸かって死んで頂くしかない。気の毒な気もするが…。
あくまでも暫定版。より完成度を高めて、少ない努力で効果的にササゴイの繁殖地を見つけられるようになりたい。そしたら、ササゴイの繁殖地の位置の変遷を追える。
◆STEP 1 繁殖期にササゴイの成鳥を見つける
大阪では5〜7月を繁殖期と考えていいだろう。一昨年と昨年の経験からすると、ササゴイは(少なくとも繁殖期は)ほぼ100%川沿いで見付かる。ため池にはほとんどいない。例外は久米田池のような大きな池か、河川に隣接したため池。
◆STEP 2 ササゴイが飛んでいく方向を見極める
繁殖地に戻る時は、まっすぐに戻っていくと考えて良いだろう。おおよそ
飛んでいく方向に繁殖地があるはず。ただし、採食場所を変えるための川沿いの移動との区別をすること。理想的には堤防を越えて飛んでいくところを確認したい。
◆STEP 3 ササゴイが飛んでいった方向でササゴイの繁殖地を探す
ササゴイの繁殖地と採食地の距離は、大和川沿いの出現状況から判断するなら、通常2km以内、遠くても3km程度。というわけで、ササゴイが飛んでいった方向に、最大3kmまでの距離でササゴイの繁殖地を探せばいいだろう。ただし、方向はしばしば見誤りやすいので、飛んでいった方向を中心に20度ずつ程度の誤差を見込んでおいた方がいいだろう。
近年の大阪府におけるササゴイの繁殖地の大部分は、公園か社寺なので、該当エリア内の公園と社寺はしらみつぶしに調査。その他、孤立林、屋敷林、街路樹にも注意が必要になる。
※注1:ササゴイは見つけたが、ササゴイが飛んでいった方向が確認できなかった場合(ササゴイおったで〜、と誰かに教えてもらったとか)は、ササゴイ確認地点を中心に、半径3kmの円内をしらみつぶしに調査するも可。ただし、ものすごく元気が必要。
※注2:ササゴイの造巣から巣立ちまでは、2ヶ月弱かかる。6月に入るとヒナが孵り、親鳥の出入りが増え、巣の下の糞によって巣の確認も容易になる。ぎゃくに7月に入ると、ヒナが巣立ち始める。小規模のコロニーでは、繁殖が終わってしまうケースもある。さらに繁殖に関わりのないササゴイの動きも増えてくる。したがって、調査は6月がベストシーズンである。
※注3:巣だけを見ても、ササゴイの巣なのか、キジバトの巣なのかわからない。繁殖地の確認には、ササゴイの成鳥もしくはヒナ、卵の確認が必要。
※注4:ササゴイの繁殖地を見つけても、うかつに公表しないこと。人が殺到すると、せっかく見つけた繁殖地を放棄する可能性も高くなる。
ササゴイってサギは、木の上にカラスかキジバトかって巣をつくって繁殖してくれる。集団になって繁殖してくれる。それだけなら、他のサギ類とよく似てるんだけど、あまり他のサギと混合コロニーをつくらない。そして、規模の小さいコロニーをつくることが多い。アオサギみたいにヒナが大きな声を出さない。というわけで、繁殖地を見つけるのが難しい。
昨年と一昨年、淀川水系の河川沿いやため池を歩き回った。けっこうあちこちでササゴイを観察した。ササゴイを観察した場所の周辺を探し回ることでコロニーが見付かるんじゃないかと思った。コロニーから採食地までの距離の最大値がわかれば、探す範囲を絞り込める。
ってことで、今日は、ここ3年ほどの間にササゴイを確認した位置を地図上にプロットして、既知の繁殖地の位置と照らし合わせてみた。
ここ3年ほどの間(今年は今日まで)の繁殖期(とりあえず5〜7月)に淀川水系でササゴイを確認記録は28例しか見あたらなかった。プロットは簡単。既知の繁殖地は2ヶ所だけ。さらにプロットは簡単。
大和川河口ではササゴイがよく観察され、その繁殖地もわかっている。その位置関係からすると、ササゴイはコロニーから、普通は2km以内で採食している様子がうかがえ、最大でも3kmは超えていなかった。とすると、最大でも観察地点から、最大でも半径3kmの円の中を調べればササゴイのコロニーが見付かるはず!
その他のササゴイの観察地点からすると、既知の繁殖地以外に少なくとも4ヶ所、もしかしたらさらに8ヶ所もの繁殖地があるんじゃないかという事になる。
あとは半径3kmの円の中の社寺と公園の木をチェックしてまわるのに、どの位の労力がかかるかがわかればいいのだけれど。場所によるよな〜。なぜかササゴイが確認された安威川上流部なんて、どうやって探し回ったらいいかわからんし…。
今日は、ホネ仲間が集まる呑み会があった。なぜかそれに参加して教えてもらった。どうやら来年、第2回ホネホネサミットがあるらしい。まあ確かに予算は確保されているのだけど、何かをすることにはなっているんだけど、ホネホネサミットだったとは…。
というわけで、たぶん、おそらく、来年。というか、来年度中にはホネホネサミットがあるみたいな感じになってきた。団長が言うんだからそうなんだろう。
えー、もうあちこちで宣伝してるよー。
と団長が言ってる。
来年ホネホネサミットがあるから参加しなよー。
今日も団長が言っていた。
京大の某研究室が出展することは、今日の呑み会で決まったような気がする。じゃあ、出展目指してホネの標本作らなきゃ、と言ってた人もいた。
というわけで、来年とは限らないけど、来年度、第2回ホネホネサミットがあるらしい。外堀はすでに埋まった感じ。暑くも寒くもない季節に、化石の特別展にぶつけるのがいいかもしれんね。
大阪市内では、いまがハシブトガラスの巣立ち時期。あちこちの巣にヒナがいて、ここ数日で次々と巣立っている。ハシボソガラスはすべてとっくに巣立っているので、いま巣にヒナがいたり、巣立ち直後っぽいヒナがいたら、ハシブトガラスに間違いない!とまで断言できるか知らないけど、ほぼ間違いなさそう。けっこう自力で飛び回れる巣立ちビナ(というかすでに幼鳥だろうか)は、ハシブトガラスなのに妙に濁った声で鳴いている。
ヒナのいる巣や、巣立ちビナをかかえるハシブトガラスの親鳥は、テンションが高い。大阪のカラスはおとなしく、少なくともマイフィールドのハシブトガラスは人を襲うことはないのだけれど、ヒナに人が近づくと威嚇とはいかないまでも、かなり警戒している。というわけで、それを頼りに巣やヒナを探すことができる。
今どきのカエルにはテーマ性が必要らしい。たとえば、こんな感じ。
★渓流に生きるカエル:カジカガエル
★冬に水のある田んぼを!:ヤマアカガエル、ニホンアカガエル
★冬に水のある…、池でもいいよ:ニホンヒキガエル
いい感じ。
★絶滅寸前!:ダルマガエル
★平野部では絶滅、丘陵でも激減:トノサマガエル
ここまでは割と簡単。
★泡泡の卵塊が大人気:モリアオガエル、シュレーゲルアオガエル
モリアオガエルについては、
☆珍しげだから勝手に持ち込むな!:モリアオガエル
☆北摂の山手では普通種だよ:モリアオガエル
なんてのも思いついたけど、いまいち?
残りはアマガエル、タゴガエル、ヌマガエル、ツチガエル、ウシガエル。全種網羅しなくっていいらしいんだけど。
★平野部に生き残った御三家:アマガエル、ヌマガエル、ウシガエル
ってのは、わざわざいらんか?
淀川水系の生き物や環境についての原稿を書かないといけないのだけど、書けない。今月中で間に合うよな〜、という油断がその原因の大部分を占める。で、何か原稿書き以外の仕事はないかなぁ、と思ってる今日この頃。机の周りがどんどん片付く。
淀川水系の外来生物について原稿を書くから、担当分野について外来生物をリストアップせよとの指令が下ってる。これ幸いと、そっちを先に手を付ける。担当分野と言えば、両生類、爬虫類、鳥類、哺乳類。
簡単、簡単。それでいて、それなりに原稿書きを回避できる〜。
淀川水系に生息する外来生物といえば、
・両生類:ウシガエル、チュウゴクオオサンショウオ?
・爬虫類:アカミミガメ、カミツキガメ?、ワニガメ?、フロリダアカハラガメとかとかのペット由来のカメ?
・鳥類:コブハクチョウ?、アイガモ?、ドバト?、ベニスズメ?、ハッカチョウ?
・哺乳類:ヌートリア、アライグマ?、ハクビシン?、タイワンリス?、ノネコ?
意外と難しい。
・水に関わりのない外来生物は、いるのかな。水との関わりって、例えばアライグマはありかなしか?
・単発の観察例でもありなのか。それとも繁殖するなど定着が確認されてるの限定? 例えばカミツキガメはありかなしか?
この二つが大きなポイントかと。アライグマは水生生物の捕食者としても注目する必要があるように思うから入れておきたい。
チュウゴクオオサンショウウオとかカミツキガメは、影響が大きい気がするから入れておきたい。
でも、ペット由来のカメを全部リストアップしてたらキリがない。そもそもリストがない。
かつて淀川の河川敷には、ベニスズメが繁殖し、コウカンチョウやらなんやら色んなペット由来の外来の鳥が観察された。今でもハッカチョウは淀川の橋梁で繁殖してる。こんなのは入れたくないなぁ。でも、アイガモは入れておきたい気がする。
定着している水との関わりの深いのはリストアップ。定着が確認されていなくても、定着したら在来生態系に大きな影響がありそうなのはリストアップ。こんな基準でどうかな?
今日の午後は、ふじつぼ漬けになりたい人たちの集いのある日。あまりに恐ろしげな集いなので、参加はためらったのだが、その前に陣取って半日ふじつぼ漬けな人々を観察した。
堺にマッコウクジラのストランディング。今まで大阪湾でのマッコウクジラの記録と言えば、化石記録があるだけのはず。紀伊水道辺りではマッコウクジラの記録もあったはずだけど、大阪湾には入ってきてくれなかった。そして、他の地域も含めて、ホネは持っていない。これは欲しい〜。
堺でクジラが見付かったと聞いた時には、まだ生きているのか死んでいるのかもわからなかった。死んでたら誰かからホネいるかと連絡が来るだろうと思っていた。ニタリクジラとかなら欲しいけど、大阪湾のミンククジラならすでにあるし。と顧問の意欲は低めだったと言っても過言ではない。
が、マッコウクジラとわかってとたんに盛り上がる。顧問が率先して、問い合わせ。運ぶ段取りを付け始めた。刃物を研いでおかな〜。
萌蔵も盛り上がる。ちょうど明日はフジツボの講演会。マッコウクジラならフジツボ付いてるなぁ。明日の午前中にフジツボだけでも採集してきて、今朝採ってきたクジラのフジツボです! フジツボマニアに献上すれば、さぞかし盛り上がるだろうとか。
胃内容物を調べて、馬鹿でっかいカラストンビが出てきたらどうしよう〜。とか。
そうだ、急いで東京に行ってる団長を呼び戻さなくては! とか。
結局、土日は役所は動かないこと。すでにクジラは腐っていること。たぶん埋立地に陸揚げして埋めるので、その前に解体してホネ取りができそうなこと。などが判明。
とりあえず、つばつけて。来週早々に解体に行こうということになった。
大阪湾のクジラのストランディングは、だいたい今頃。4〜6月。春から暑くなって来る直前に多いような気がする。ナガスケも、その後のミンクたちも、そして今回のマッコも。小さい方のミンクはどうだったっけ?
ヘソのゴマって、服の繊維と皮膚の垢でできてる。って聞いたことがあるが本当だろうか? だとしたら、我が自転車のサドルにもゴマがある。こちらは、ズボンの繊維と、サドルの表面が剥げ取れたものからできている。
一昨日、良い天気だった。むしろ暑いくらいの一日。一日中自転車に乗っていた。帰ってきてみると、サドル全体に一面、黒いものがこびりついている。サドルの垢みたいな感じだが、たぶんジーパン由来のもの。気温が上がるとサドルの表面がベタベタして、そこにジーパンがこすりつけられて、繊維がサドル表面にこびりつく。サドルのベタベタの一部は、逆にジーパンに付くので、自転車から降りるとジーパンのお尻もベタベタしている。
そして、昨日と今日。小雨交じりで湿度が高い。両日とも3〜4時間自転車を乗り回した。高い湿度でサドルの垢は柔らかくなり、そこにジーパンをこすりつけることで、サドル表面の垢がこすり取られて、サドルのゴマが完成。
ゴマが生産されると同時に、ジーパンの垢も供給される。見事な需要と供給のバランスのもとに、着々とサドルの垢が生産され続ける。
涼しい季節には、サドル表面がベタベタしないので、ゴマは生産されない。ゴマを見ると夏だなぁといった感じ。
これって、どの自転車でも起きてるのかな?と思って、他の自転車のサドルを見るのだけど、他のサドルにはゴマがない。どうしてないんだろう? サドルを変えてもやっぱりゴマが生産されたので、サドルの新旧は関係ない。ジーパンの問題? 乗り方が悪いの? まさか、お尻からベタベタ物質が分泌されてたり?
日曜日、観察会でザリガニをすくった。とっても小さいのを2匹。もちろんアメリカザリガニ。観察会では、なにげにザリガニとだけ言って、ちゃんとアメリカザリガニとは言わなかった。茶色いのはニホンザリガニと思っている人がいたかもしれないのに〜。と帰ってきてから少し反省した。
一緒にスジエビも採ったのだが、帰ってきたらスジエビは死んでいて、ザリガニくんは元気だった。小さい入れ物に入れられているのになぁ。で、一昨日、昨日とそのザリガニくんのことをすっかり忘れていた。昨日の夜、思い出して見てみたら、やっぱり元気だった。スジエビと比べるとこの耐久性の高さはどうだろう。
酸素不足に強いのか、狭い空間に強いのか、水の汚れに強いのか。なるほど日本各地のいろんな環境で増えるのも無理はない。比べるとスジエビが意外といろんな場所で普通に見られるのが不思議なくらい。
とにかくこれは飼いやすい。ぶくぶくなしで、小さい入れ物で充分飼えるんじゃなかろうか。と思いつつ、今日70mlのマヨネーズ便に入れてみた。本当はホルマリン漬けの標本にしようかと入れてみたのだけど、水を1cmほど入れてみた。ちょこちょこ動いていて、見ているとちょっと可愛い。試しに金魚の餌をあげてみた。すぐに食べる。一番前のはさみの脚ではなく、その後ろの小さい脚で餌を口に運んでいる。可愛い。しばらくこのまま、餌をあげて様子を見てみよう。
念のため一応、もう一度確認してみた。アメリカザリガニって特定外来生物に指定されていないのね。なんでかな?
入水と言っても、自殺とは関係ない。文字通り、水に入ること。水の中の生き物を採る時、陸からでは限界がある。という訳で、通は水の中に足を踏み入れる。プロは意外と軟弱で、長靴だの胴長だのを履くらしい。しかし、通はそんなものには頼らない。水をあるがまま受け入れるのである。採るものと採られるものが、同じ水を共有してこそ、真の採る採られるの関係が生まれるのである。ちなみに冬は寒いので、真の関係は目指さない事にしている。
という訳で、今日水に入って水草や淡水貝を採集した。涼しくて気持ちよかった。暑い日でも足が涼しいと耐えやすい。
入水に一つ問題があるとしたら、靴が濡れること。帰ったらすぐに乾かさないと臭くなるので、気をつけよう。さらに生乾きの臭い靴を履いてるんじゃないかという、あらぬ疑いをかけられることもある。気をつけよう。
コシアカツバメの巣を見つけるのは簡単。どんな感じの場所を探せばいいのか知れば、次から次ぎへと見つかる。
能勢電の日生中央駅の周辺には、いーっぱいある。でも、まだ繁殖が確認出来ないでいる。そもそも飛んでいるコシアカツバメもあまり見かけない。どんな道具があろうとも、一々中を確認なんてやってられない。アクセスが難しい場所を選んで営巣しているようなところもあるし。繁殖分布図をつくるうえでは面倒な鳥だ。
巣はあるのに繁殖が確認できない理由として、思いつくのは、
・古巣が長く残っているだけで、現在は使われていない。可能性としてはこれが一番高いかもしれない。だれか巣の耐久性を調べてないものか。
・これからやってきて営巣する。5月も半ばになれば営巣してて当たり前と思うが、一方で繁殖期の長い鳥。遅れに遅れて繁殖地にやってくるのんびり屋さんがいないとも限らない?
・すでに抱卵期に入っている。抱卵期は巣への出入りが極端に少なくなるので、出入りの確認は難しい。必然的に周辺を飛んでるコシアカツバメも見かけにくく、繁殖確認は困難に。
こんなところか。育雛器になればもう少し巣の出入りも見つけやすくなるはず。それを待つのがいいのだけれど、できれば5月中に繁殖分布図をつくりたい事情があったりなかったり。
今日はカエルの観察会だった。カエルは人気。申し込みはなし。きっと参加者多いんだろうな。と思ったらやっぱり多かった。約80人、その内約30人が小学生。用意した資料が足りずにコンビニで、慌ててコピーした。
カエル観察会の講師役なら、カエルを捕まえて見せて、解説。なんて仕事もあるのだけど、主な仕事は別にある。
まず、とにかく全員無事に連れ帰るのが最優先課題。先頭としては、勝手に先に行く奴を止めて、歩道を歩かせる。車が来たら注意する。
それと並ぶお仕事が会話。なぜか子ども相手が多い。常にしゃべっている子ども達と、1日話をしていた気がする。子どもとの会話っていうか、子どもの話を聞いているのは嫌いじゃないので苦ではない。ただちょっとした問題があることに気付いた。
観察会では以前から知ってる子も、今日初めて会った子も、いっぱいしゃべってくれる。でも中には、あまり話をしてくれない子もいる。無理に話はしないけど、きっかけがあれば、話しかけるようにしている。つまり知らない子どもにも話しかける、という日常では有り得ないモードに入ってる。
そんな観察会からの帰りの電車。隣に子どもが二人座って話をしてる。観察会参加者ではない全然知らない子ども。が、ふと油断してると、会話に入って行きそうになった。危ない危ない。怪しいお兄さんなってしまう。みんな気をつけよう。
今日、Laitが情報センター仮説に大胆な可能性を指摘していた。それが照明されたら面白いな〜。ということで、将来だれかが証明したら、最初に指摘したのはLaitだってことを忘れないように、ここに記録しておこう。
まあ、端的に言えば、情報センターで受け渡される情報は、採食場所についての情報だけでなく、営巣場所について、あるいはコロニーについての情報である可能性もあるだろうということ。
通常の情報センター仮説ってのは、集団ねぐらやコロニーにおいて、
1:直前にたくさん食物を確保した個体を見分け、
2:次の機会にその個体に付いていく。
というプロセスを通じて、良好な採食場所についての情報が個体間で共有される現象。
同じプロセスが良好な巣場所についての情報においても成り立つかもしれない、と考える。つまり、集団ねぐらやコロニーにおいて、
1:直前にたくさんヒナを育て上げた個体を見分け、
2:次の機会にその個体に付いていく。
というプロセスを通じて、良好な採食場所についての情報が個体間で共有されないかと。
巣場所がピンポイントの1ヶ所であれば、その巣場所の取り合いという結果が待ってるような気もするが、コロニーの良し悪しについての情報が、集団ねぐらで共有されるのであればあり得るかもしれない。コロニーで繁殖し、集団ねぐらで寝るような鳥。たとえばツバメ類やサギ類、カワウなど?
問題は、
・繁殖成功度の高い個体をどうやって見分けるか
・見分けられる場面は繁殖が終わってからであるなら、その情報を翌繁殖期まで持ち越せるかどうか
といったところだろうか。
それ以前に、どうやって実証するねん!という突っ込みの方がシビアかと思うが…。
松原市から堺市北東部のため池を、自転車でめぐった。38ヶ所。住宅地の間に農耕地が点在し、ため池も点在って感じのエリア。海からの距離は似たようなものか。
4ヶ所にコアジサシがいた。1ヶ所は降りていた。ここは繁殖してるかも。あとは数羽が飛びまわっているだけ。コアジサシ遭遇率10.5%。この数字は何を示してるんだろう? 4月18日にも同じ38ヶ所のため池をめぐった。この時はコアジサシはいなかった。コアジサシ遭遇率0%。この違いは…、まあコアジサシが渡来したってことで。
コサギは4ヶ所にいた。コサギ遭遇率10.5%。アオサギは7ヶ所にいた。アオサギ遭遇率18.4%。ダイサギは3ヶ所、7.9%。ついでにカワウは7ヶ所、18.4%。アオサギとカワウは多めで、コサギは少なめ。ダイサギは増えたような気がするけど、こんなもんか。
個体数を数えるのは敷居が高い。いるかいないかだけなら、けっこう多くのバードウォッチャーが記録に残したりする。個体数を無視した何ヶ所にいたかといったデータで色々語ってみたらいいんだと思う。
昔のデータとの比較、地域間の比較。してみたら面白いことは色々ありそうではあるかも。
田んぼの周りの草地を歩いていると、足下からネコくらいの大きさの何かが飛び出した。地面を走って行く後ろ姿を見ると、キジのメスだった。
なんやあれ? と思って下を見ると、右足のすぐ横に巣があった。卵が10個入っていた。危うく踏むとこだった。が、考えてみればメスが逃げなければ、メスを踏んでいたわけで。メスがもっと早くに逃げていたら、もっと早く巣に気付いていたし。卵を踏む恐れはなかったかもしれない。
それにしても、ほとんど踏まれるまで逃げなかったメスには感心した。でも、よほど慌ててたのだろう。卵が2個、巣の外に蹴り出されていた。卵を巣に戻して、記念写真を撮って、早々に退散した。メスはちゃんと巣に戻ったかな?
キジのオスは、間近までジッとしていて、急に飛び立つので心臓に悪い。キジのメスは、少なくとも抱卵中は、飛ばずに走って逃げていった。キジ類は擬傷をすることがあると聞くけど、飛ばずに逃げていったのは本人的には、自分を追わせようとする擬傷的行動だったんだろうか? それにしては走るのが速すぎて、目で追うくらいしかできなかったが…。
川西市の大路次川近くを歩いていたら、イソヒヨドリの巣立ちビナが落ちていた。この鳥のヒナも落ちてるものらしい。
ヒナは1羽だけ。せっせとエサを運んでいるのは、メス。翼がやたらと青かったのでオス若?と思ったが、メスでもこんなものらしい。
内陸での繁殖が普通になってきたイソヒヨドリだが、巣立ちビナを見たのは初めて。ちょっと面白かったので、記録しておく。
住宅地の間を抜けていたら、マンションの駐車場から、妙な声がした。シーシーシーシーって感じ。何の鳥の声かわからず。と、思ったら虫をくわえたイソヒヨドリのメスが目に入った。こちらもなにかブツブツ言ってる。クックックッって感じ。で、そのまま謎の声の元に。イソヒヨドリの巣立ちビナであったか〜。
餌をあげたかと思ったら、すぐにメスは飛んでいって、またすぐ虫をくわえて帰ってくる。ものすごいハイペースで餌をあげている。餌を運んでくる時は、必ずクックックッと言ってる。巣立ちビナは、メスに気付くと大声で鳴き出す感じ。とても脳天気。なぜか餌をねだりながら、こっちに近づいてくる。こっちに気付いているようなのだが、気にならないらしい。メスは嫌がって、餌運びを中断。少し向こうに飛んでいってしまう。で、ヒッヒッヒッとジョウビタキのような声を出す。合間にクックックッと入れるのもジョウビタキ風。
ずっと周囲に注意していたのだが、この巣立ちビナを世話していたのはメス1羽だけらしい。オスは別の巣立ちビナを連れて、別の場所にいるんだろうか? たしかイソヒヨドリはクラッチを分けて世話したと思うんだけど…。
鳥の一生を二つにわけるとしたら、巣内にいるときと、巣外に出た後に分けるのが正しいと思う。巣内にいる鳥は事実上、植物や固着性の動物と変わらない。以降の生活が高い移動力をベースにしているのと、ものすごく対照的。まったく別の生き物みたい。
考えてみれば、植物は種子の時はそれなりの移動性を持つのに、その後固着生活に移行する。潮間帯にいる多くの固着性の動物は、プランクトン幼生を過ごした後、固着生活に入る。最初に移動性がなく、移動性を獲得してから成熟する鳥とは逆。
移動性がない生活は、捕食者が来ても逃げられない。どこで定住生活を送るかがとても重要。植物やプランクトン幼生の後に固着生活に入る動物は、定住場所を(ある意味)自分で選ぶ。鳥の場合は、親が選ぶ。親がどこを選ぶかがとても重要。
で、鳥の親は巣内で動けない間、たいてい世話をしてくれる。巣内の卵やヒナを世話している間。短い間とはいえ、親鳥も固着生活的な生活になることがある。サイチョウのメスなんか完全に固着生活〜。
この話にとくにオチはない。横軸に生物のライフタイム、縦軸に生物が単位時間に移動する距離をプロットしたら面白いな〜。と思っただけ。
巣には少なくともヒナが2羽いた。昼飯を食べて、昼休みを少し延長して待っていたら、親鳥がやってきた。親鳥が去ったら、ヒナが登場。少し風切羽が伸びかけてはいるが、まだまだ真っ白といっていい可愛いヒナの姿が見られた。とまあ、巣では呑気な風景が展開されていたが、その周辺はおかしな具合だった。
ハヤブサの巣がある岩棚から、少し左に視線を転じると、フリークライミングのために整備された壁がある。今日は、なにかの大会が行われているらしく、ずっと音楽がかかり、盛んに放送が入っている。中級の部だかに出場する選手のみなさんは、どこやらに集まらないといけないらしい。
その壁の下には、フリークライミング大会に出場する選手や運営関係の人たちがウロウロ。その横には、ズラーッと立派な望遠レンズを付けた三脚付きのカメラが約30台並ぶ。素人目にはフリークライミング大会の撮影をしているかのようであるが、よく見るとカメラが向いているのは少し右手。そう、ハヤブサの巣を狙っているカメラの団体である。親鳥が巣から飛び立つ時や、ヒナが2羽そろって登場してくれた時には、ものすごいシャッター音が聞こえてくる。ハヤブサはスターだ。
で、その後ろで我々と同じように、ハヤブサがやってくるのを待っているバードウォッチャー。さらには休憩所やトイレに用があるハイカー達。
周囲はものすごーく、山の中とは思えないほど、異様なまでににぎやかなのに、呑気に繁殖してるハヤブサくん。その図太さに関心させられる。この環境で育ったヒナも、図太さ、あるいは人間に対する無関心さを引き継ぐんだろう。というわけで、ハヤブサの未来はけっこう明るいかもと思った。
屋上庭園は有料だが、そのすぐ下までは無料で行ける。一つ二つ下の階でも眺めは本質的に変わらない。たった500円とはいえ、けちるならあえて屋上庭園のその上まで登る必要はないだろう。でもまあ、てっぺんから見てみたい気もする。
河口を見れば、はるかに矢倉緑地。少し手前左には、海老江干潟も見える。JR神戸線と新十三大橋の間の左岸側には、新しげな水制が3本ほど。新たなわんどを造成ってことだろう。目の前には十三大橋。チョウゲンボウを見に来ているカメラマンは見あたらなかった。その少し右手には、十三から西中島にかけての干潟。その向こうには柴島の実験干潟。右手遠方には、毛馬の水門周辺や淀川大堰、城北わんどの端っこも見えてるような。
というわけで、淀川の干潟は全て見えている。少なくとも視野に入っている。ここから高倍率の望遠鏡でながめれば、海老江干潟、十三から西中島の干潟、柴島の干潟のすべてにいるシギチが数えられるはず。
チョウゲンボウの行動圏もすべてまるっとお見通し。カワウやカモメ類とかの日周行動も丸見え。
ここに座って、望遠鏡をのぞくだけで、一日がかりで歩き回る範囲が一目で調査できる! なんてことを夢想したけど、無理なんだろうな…。この距離からシギチが識別できるかっていう問題もあるし。
能勢町の山の中、池のほとりで休んでいたら、首に何かがとまった。捕まえてみると、ミミズクだった。まだハネが生えそろっていないので、子どもなんだろう。手の上であっち向いたり、こっち向いたり。とても可愛い。
飛んでいかないかと、突いてみるが、逃げようとしない。やっぱりあっち向いたり、こっち向いたり。放っておくと、また手から首の方に上がってくる。とても可愛い。
やがて、ピョンと地面に降りたので、そのままにしてきた。なんていう種類だったのかなぁ。
昨日のこと。もちろん実話。ただ、わかる人にはわかるが、わからない人には、面白い光景が浮かんでいるに違いない。まあ、どっちにしろ可愛いのは同じ。
高槻の京大農場の田んぼにケリの親子がいた。1日にもいた。今日もいた。少し大きくなったかなぁ。まだフワフワしていて可愛い。でも1週間くらい前ならもっと可愛かったかも。
まだ飛べないヒナを抱えて、親鳥のテンションは高い。近くを飛んでるハシボソガラスを追いかけた。と思ったら、田んぼに降りてるムクドリを追い散らす。ムクドリがヒナに何をするねん、と思うけど、カラス以上に徹底的に追い回している感じ。見かけか声がカラスに似てるから、八つ当たり気味とか?
ヒナは2羽いるのだけど、親鳥は片方の傍にいる。可愛がってるヒナとそうでもないヒナがいるんだろうか? それとももう1羽は相方が担当なのに、相方がさぼっているのだろうか? ヒナが2羽なら親鳥2羽で分担できるが、3羽になっててんでバラバラに動かれたら大変そう。親鳥のテンションはさらに高くなるに違いない。
セグロセキレイも巣立ちヒナを連れていた。両親とも近くにいるようなのだが、ヒナを連れて世話してるのは片方だけ(うっかり雌雄を確認するのを忘れた)。ヒナも2羽いて、片方は親鳥の後をついて回って、盛んに餌をねだっている。親鳥もせっせと給餌している。しかし、もう1羽のヒナは、なんとなく親鳥の後をついて行っているが、餌はねだらず、自分でせっせと何かをつついて食べている様子。なんと自立心の高い子だろう。
自立心の高いヒナと、いつまでも親に餌をねだるヒナ。将来、どっちのヒナが生き延びて、子をたくさん残すのか気になるところ。
バードフェスティバルと言えば、関東方面では毎年開かれているが、関西では未だかつて2007年に1度開かれただけ。で、それが3年振りに帰ってくるのである! 題して大阪バードフェスティバル2010。数えてみると今日が200日前なので、前宣伝を書いてみた。
が、まだぜんぜん動き出していない。早急に出展者募集を始める予定。関係のみなさま、今回も/今回はよろしくお願いします。
ちなみにバードフェスティバルなので、なにかしら鳥に関連した出展団体を募集するが、鳥に特化している必要はない。広く自然と関わる活動をしている中で、鳥にも関わっていれば充分。同じく大阪で行われている大阪自然史フェスティバルで、お題を鳥にしたと思ってもらえればイメージはわくかと。
ただ、今年は国際生物多様性年だかで、10月には名古屋でCOP10の集まりもあるとか。なにかしら生物多様性もお題に盛り込めとのお達しが方々からある。副題に、「鳥から見た生物多様性」とでもしたらいいのかぁ…。
はっきり言えば、質問の大部分には答えられない。生き物の種名を尋ねてくれるような場合は、たいてい答えがあるし、多くの場合、答えられる。が、しかし、何故といった質問の多くには答えられない。回答者の力量に問題がある場合もあるだろうけど、そもそもその質問には答えようがありません。というのも多い。
今日は一日ホネホネ作業。手は忙しいが口と頭は暇。というわけで、暇に任せていろんな質問が飛び交う。質問のネタは処理している対象についてが多い。今日はもっぱら鳥の皮を剥きながらのやりとり。もちろんたいてい答えられない。覚えている範囲で記録しておくと、
・多くの鳥のメスはどうして左側の生殖器だけを発達させるの?
どうしてだろうね。鳥の胴体は箱なので、スペースに余裕がないのかもしれない。なんてことを考えたが、両方の卵巣を発達させてるハイタカに何か支障があるとも思えない。
・タカの目の上のひさしみたいなホネは何のため?
目をぱっちり開くためとか…。
・ウの頭の後ろのホネは何のため?
口を大きく開くため? だとしたら系統の近い口の大きなペリカンにもあってもよさそう〜。
・アカハラとマミチャジナイをバラバラの羽根で見分けられる?
うーん、おいらには無理。でも、アカハラの尾羽はマミチャジナイの尾羽よりは、少し細長い?
・バンの肉が水っぽいのはなんで?
なんでって言われても…。
・ヒヨドリの頭にはどうして寝癖があるの?
…。
今日は、子ども達と一緒に川原を歩いた気がする。以前も書いた気がするが、川原は食材がいっぱい。セイヨウカラシナの黄色い花を食べ、スカンポを食べて見せた。すると、子ども達は盛り上がり、色んな物を持ってきて味見させようとする。
シロツメクサを持ってきた。植物の先生に尋ねてみると、食べられるかどうか知らないという冷たい答え。というわけで、食べられません。と断る。が、しばらくしてまた渡されるので、噛んでみた。別に苦くも辛くもない。食べようと思えば食べられそう。
なんかわからん物を持ってきた。未熟なイチゴの果実的な形。子ども達もイチゴイチゴと言うので、囓ってみた。めっちゃ辛い。あとに残る辛さ。なんやこれは〜! 正体を見極めようと、何を持ってきたと尋ねるがよくわからない。ヤナギだというのだが、ちょっと形が違うんでは?
またわからんもんを持ってきた。今度は苦い〜。ペッペッ。
明らかにキンポウゲ科の草を持ってきた。これはやばいやろ。と断る。
妙なもんは食べ慣れてるし、ほんまに有毒なのは、少しはわかる。他に人には、あるいは自分では試してみないように。
コシアカツバメの巣の入口の伸びたのがなくなったの。あるいはツバメの巣の両サイドが上に伸びて、天井にひっついたの。それがイワツバメの巣。たまに入口が横に広く開いていて、おいおいそれはツバメの巣やろ、と思うのもあるけど形の変異はせいぜいそれくらい。と思っていた。今日までは。
今日は、高槻市のイワツバメのコロニーを見に行った。数年前に見たきりなので、今も健在か少し心配だったが、ちゃんとおおぜいのイワツバメが出入りしていた。コロニーの規模は数年前からあまり変わらない感じ。
で、そこに妙な巣があったのである。というか、最初は巣だと思わなかった。
多くのイワツバメの巣は、高架の下側、天井の端っこに付けられている。ふんふん。予定通り。見えない場所もあるけど、ざっと約40個。しばらく見ている間にも4巣で出入りしている。ちゃんと繁殖してるなぁ。下にフンが山盛りにたまっている場所もあり、何年もにわたってヒナが育っているようである。
しばらくして、下に山盛りになったフンに、少し違う物が混じっているような。フンと言うより、巣と同じく泥のツブツブでできあがっているみたい。上に付いていた巣が落ちたのかな? などと思っていたのだが、しばらくして、その巣にイワツバメが出入りしてびっくり。あれは落ちた巣ではなく、あの場所につくられた巣らしい。よく考えれば、上に付けた巣がおちて上手にあそこに引っかかる方がビックリではある。
その気になってみると、下にくっついている巣は、けっこうある。壊れたの3つ、完成体3つ、つくりかけ3つ。つくりかけの巣は、台の上につくられたツバメの巣のような状態。イワツバメがその上にとまっていて、とても観察しやすい。
というわけで、この奇妙なイワツバメの巣。仮に縦型と呼ぼう。というのも、普通の天井に付いている巣を入口を上に90度回転させたような形をしているのである。つくっていくプロセスもちょうど90度回転しているみたい。下から上につくっていって、最後に上に口が残る。イワツバメ的には同じようにつくり進めていって、最後にアレッ?天井がないぞ?って終わり方をしているような気がする。
こんな縦型のイワツバメの巣って、他所でもあるんだろうか? もしかして高槻市オリジナル? オリジナルなら報告した方がいいかなぁ。写真撮っておけばよかった。
かつて大阪近辺ではコサギの方が多かったと思う。でも、今はダイサギの方が多いと思う。そうは思わないかな? もちろん局所的にはコサギが多い場所もあるだろう。ここは、大阪府全体といった広い視野で考えよう。
昨年、みんなで大阪のサギ類のコロニー調査をしたのだけど、ダイサギの繁殖地は、約10年前の3ヶ所に対して、7ヶ所と増加。でも、それ以上にダイサギは増えているんじゃないかと気になっている。
今日は、亀岡市と茨木市の境辺りを歩き回ったのだが、見かけた白いサギはたいていダイサギだった。コサギの姿は少なく圧倒的にダイサギ。それも、嘴の真っ黒な繁殖モードなダイサギが多い。ダイサギの繁殖地が少なかった頃は、繁殖期であっても見かけるダイサギの多くは嘴が黄色かったり、先が黒くても根元は黄色かったりして、真っ黒な嘴のダイサギはほとんど見なかった。
先日歩いた能勢町でも、コサギよりもダイサギをよく見た。嘴は黒かった。少なくとも山間部ではダイサギが増えてると思う。そして嘴が黒いってことは、近くで繁殖してるんじゃなかろうか? 山間部のダイサギの繁殖地はぜんぜん確認されていないが…。
アオサギのように、1〜数巣だけのダイサギの繁殖地が点在してるんじゃないかと、ちょっと妄想しているのだけど、どうなんだろう?
近頃は、アメンボすくいにはまっている。
大阪にはアメンボがけっこう何種もいるらしい。平野部にこそザ・アメンボ程度しかいないが、山手に行くとけっこういろんな種類が採れる。採れると言ってもたいてい見分けられないので、採ってきて虫屋に渡すと名前を調べて、分布図を作ってくれるという段取り。
アメンボは、捕虫網ではなく、水網ですくえるので、虫屋でなくても採りやすい。多くのアメンボは飛べるという噂なのだが、なぜか飛ばずに跳ぶのにこだわる。水網ですくうと、網の中で跳んでいる。それを手で押さえればOK。いまだに飛んでいったことがない。
山手であっても、流水にはシマアメンボていどしかいないが、止水にはけっこう色んな種類がいるらしい。ただシマアメンボ以外は種名どころか、同種かどうかもよくわからない〜。そんな中で明らかにわかるのがオオアメンボ。とにかく大きい。アメンボすくいをするなら、これを狙うべしと言った感じ。しかし、オオアメンボは水面の沖合に浮かんでいることが多く、すくうのがなかなか難しい。オオアメンボがすぐそこにいるのにすくえずに涙を呑むことも多い。
先日もとある池にオオアメンボが浮いていた。岸際の小さい種類不明なのを採ってから、オオアメンボをながめる。水網が届く範囲がわかっているかのように、ちょっとだけ届かない所にいる。時々岸近くに来るのだが、接近すると逃げていってしまう。かといって待ち伏せても近づいてきてくれない。悔しい〜。
が、今日は様子が少し違っていた。例によって沖合にオオアメンボが浮いている。でも、なんとか水網が届きそうな気配。なんとなれば、けっこう狭い湿地な上に、岸の形が入り組んでいて、うまくすればオオアメンボの近くまでいけそうなのである。今日は負けない。
というわけで、しばらくオオアメンボの動向に注目していた。オオアメンボは時々岸近くにやってきて、どうも他のアメンボを襲っているような気がする。岸際のアメンボをすくっていると、多くのアメンボ君達は沖合に逃げていく、それをオオアメンボは待ちかまえているようでもある。岸際で水網を振り回しているお馬鹿な奴の存在は、オオアメンボを利しているだけのようである。
見ていると、時々他のアメンボを追いかけてか、岸近くにやってくる。岸際の草に隠れていると、オオアメンボがうかうかと近づいてきて。採った〜! 初めてではないと思うけど、随分久しぶり。嬉しい。
喜んで容器に入れようとして愕然とする。フィルムケースに入らない。いや、入らないこともないが、脚を上手に曲げないと入らない。脚が折れないか心配。
大阪ではニュウナイスズメはけっこう珍しい鳥。毎年確実に越冬する場所は? と問われてもあまり思いつかない。かつて千早赤阪村でニュウナイスズメがたくさん見られると聞いたことがあるのだが、今でも見られるのだろうか? ここ数年けっこう冬に千早赤阪村をウロウロしているけど、出会った記憶がない…。
ところが、奈良盆地ではニュウナイスズメはあまり珍しくない。というか、かなり普通に越冬している。というわけで、大阪人は冬に奈良公園に行って、ニュウナイスズメを見て喜んだりするのである。それはちょうど関西人が東京に行ってオナガを見て喜ぶようなものである。
昔々初めてニュウナイスズメを見たのは、京都府亀岡市でだった。亀岡ではニュウナイスズメは珍しくないねんで。と、その時の観察会のリーダーが説明してくれた。その後、冬の亀岡に行く機会はあまりなく、亀岡盆地にも奈良盆地なみにニュウナイスズメがいるかどうかは知らずにいた。
昨日、大路次川の源流部にでかけた。大阪府能勢町を縦断している大路次川は、源流が京都府亀岡市で、河口部が兵庫県川西市と3府県をまたがる大胆な川なのである。
で、府境を超えて、亀岡市に入ったとたん、電線に小鳥の群れが。なんか胸騒ぎを覚えて双眼鏡で確認してみた。50羽ほどのニュウナイスズメの群れであった。さすがは亀岡市!
この日は、大路次川の源流部をきわめてから、再び大路次川沿いを下り能勢町をほぼ縦断した。が、大阪府側では一切ニュウナイスズメに出会わず。
さすがはニュウナイスズメ! 亀岡盆地でなくても、亀岡市にはいるらしい。同じ水系なのに亀岡市にはいて、能勢町にはいない。ニュウナイスズメにとって、大阪の何が気に入らんのか気になるところ。
鳥の調査に出掛けた。鳥の調査と言っても、貝やらカニやらエビやらアメンボやらゴミムシやら水草やら、いろいろ採集する。むしろ鳥はそっちのけで採集してるかもしれない。ついでにカエルも調査するので、カエルやオタマジャクシも採集するかもしれない。ってことで、採集物を入れる物を持っていくのだが、予定しているのは大抵小物。フィルムケース、小さい容器、小さい袋。そんなんしか持っていないことが多い。そんなときに限って大物に出会う。
バスを降りてさっそうと歩き出して早々。遠目にもやばいと気付く。何か中型哺乳類らしきものが落ちている。はっきり言ってタヌキが落ちてる。朝一番に拾ったら、一日運ばないといけない。先に確認したように大物を入れる容器も袋もない。と悩むが、先日車の中をダニだらけにしてシカの死体を運んで頂いた事もあったりする手前、ここでスルーはあり得ない。というわけで、ザックの中身の多くを手提げ袋に移して、タヌキを入れる。一応ビニール袋に入れたが、全身は入らない。仕方がないので、事実上ザックの中に直接タヌキ状態。
今日は天気がよかった。けっこう暖かい。ってゆうか歩いていると暑い。上着を脱いだ。脱いだ上着は行き先がないので、タヌキと一緒にザックに入れる。いろいろ思うところはあるが、まあいいか。仕方ないし。
川沿いを土手を歩いていると、何か細長い物が落ちている。はっきり言ってヘビ。だから何度も書いたように、大物を採る予定はない。入れ物無いな〜、と思いながら接近。シマヘビならスルーだなぁ、と思いながら近づいていっても逃げない。またいでも逃げない。胴体を見ると明らかにシマヘビではない。じゃあ、採集かなぁ。でも、アオダイショウでもなさそう。ヤマカガシかなぁ。と思いつつ。頭の方をのぞきこむ。ジムグリだった。頭をのぞきこんでも逃げない。
飲みかけのお茶を飲み干して、ペットボトルに入れることにする。ペットボトルの用意をしてからおもむろに頭を押さえる。そこでようやく動き出した。天気がいいので日向ぼっこに出てきたが、気温はさほど高くないので、あまり動けないのだろうか。
とりあえず、ペットボトルに頭を入れる。10cmくらいまでなら、頭を引っ込めて出てくるが、それ以上入れると後ずさりはできないらしい。自分でどんどん入っていった。蛇足ではあるが、自分で戻せるところまでをヘビの首と定義できるんじゃないかと思った。
ちょっと窮屈だが、とにかくペットボトルに入れて一件落着。
帰り道、少し寒くなってきた。ザックから上着を取り出す。ダニが付いてるんじゃないか? とりあえず、チェックしてみると、ダニ1匹歩いている。着る前にチェックしてよかった〜。さらに徹底的にチェックするが、もう付いていない様子。見逃しててもまあいいや! と寒いので上着を着てみた。
帰ってきて気付いた範囲では、ダニにはやられていない。タヌキはザックごと冷凍室に放り込んだ。ダニがいるかもと思うだけで、体が痒い気がする。上着も早めに洗濯しよう。
淀川河口に行った。ここまでが淀川、ここから先の目の前に広がっているのは海。で、こっち側に回ると神崎川。単に管理上の区分けだけど、なんとなく感慨深い。
というわけで、神崎川河口の少し海に入ったところ。埋立地の海岸をそれっぽく見せるために、大きな岩がゴロゴロと配置されている。ってか、テトラポットの代わりだろう。その上に何か乗っている。鳥の死体らしい。カモの仲間っぽい。岩をぴょんぴょんとたどっていけば濡れずに到達できる。何のカモの死体だろう? これはぜひ回収しなくては!
望遠鏡を置いて、柵を乗り越えて、数歩進んだところで驚いた。死体が生き返ったのだ。死体は岩の上で、生きた鳥にメタモルフォーゼした。スズガモのメスだった。片方の翼を垂らしている。標本は無理でも、捕まえて治療してやりたいところだが、とても許してくれそうにない。まあ捕まえても断翼して放すか一生飼い殺ししかしようがなさそうなので、あえて保護する必要もなさそうではある。
生き返ったスズガモは、水面に降りて泳いで逃げていった。こっちを睨んでいる(気がする)。良い天気なので、岩の上で気持ちよく死んでいたのに〜。と言ってるような気がする。
スズガモの標本を手に入れ損なったのは少し残念。それはともかく。飛べなくても、脚が大丈夫なら潜れるだろうし、採食は可能だろう。捕食者相手にも潜って逃げれるだろう。というわけで、なんとか生きていけるんじゃないかと思う。
今度、矢倉緑地に行ったら、スズ子によろしく。
飛行場は鳥の生息地としてしばしば好適らしい。とくに近頃の海上の埋立地の飛行場には、海鳥を中心に、裸地や草地が好きな鳥が集まってくれる。今からの季節には、コアジサシがやってきて、滑走路周辺で繁殖してみたりする。で、バードストライク。
コアジサシ程度の小さい鳥が、1羽飛行機に衝突しても。ジェットエンジンに吸い込まれても、バラバラになって死ぬだけ。コアジサシは可哀想だが、大事故にはつながらない(エンジンにどの程度ダメージがあるかは必ずしもはっきりしていないようだが…)。しかしコアジサシの集団が一度にバードストライクを起こしたら。もちろんさらに可哀想な上に、事故の可能性も否定できない。
飛行機の立場としても、鳥の立場としても、なんとかバードストライクを避けたいのは同じ。ここで、バードストライクを避けるために、空港の鳥を駆除するとなると、鳥の味方のみなさんに敵対するわけ。が、相手が環境相のレッドリストに載っているコアジサシだと、そう簡単に駆除もできない。コアジサシを殺さずにバードストライクを減らしたい。ここで、飛行機側の立場と鳥の立場の人たちは協調する可能性が開ける。
ということが日本各地の空港で起きているらしい。鳥屋から言えば、せっかくのコアジサシの繁殖地も空港内に維持しつつ、バードストライクをなくせたらベストだなぁ。けど難しそう〜。
巣を落としたらアカンのやと思う。
マイフィールドでは、今年も20個近い巣でカラスが営巣中。それを見て回っている。カラスの巣の存在を知らない人も真下をウロウロ。観察会の時なんかは、巣の下を数十人で囲んで、真下で大声で説明する。でも、カラスはほとんど無反応。下を気にして巣の中でもぞもぞ動いたり、時にはびっくりして巣から飛び出したりすることはあるが、人間を攻撃するどころか、威嚇や警戒することもない感じ。
かねがね、攻撃的な東京のカラスに比べて、大阪のカラスは気が弱いなぁ、とちょっと馬鹿にしていたが、そうじゃないんだと気付いた。大阪のカラスは、ある意味、人間を信頼しているのである。多くの大阪カラスは、人間が繁殖の邪魔になる敵であるとは見なしていない。だからこそ威嚇も攻撃もしてこないんだろうと思う。いわば大阪カラスは人間を信頼していると言ってもいいだろう。
東京では、市街地のカラスの巣はかなりの割合で撤去されてしまうらしい。ここで東京カラスに起きたことを、カラスの気持ちを考慮しながら考えてみよう。最初は、人間を特に敵視していない東京カラスがいたとする。でも、
<カラス>人間に無警戒 → 巣を撤去される → <カラス>人間を警戒・敵視 → 巣に近寄る人間を攻撃 → その認識を広めるマスコミ → <人間>カラスは危険との認識が浸透 → カラスの巣があったら撤去せよとの声が増える → さらに徹底的にカラスの巣を撤去 → カラスの攻撃性が高まる → (このくり返しと拡大)
東京は、こういった悪循環に陥っているのだと思う。元凶は、カラスの行動・生態を普及しもせず、まるでカラスがすべて危険であるかのように喧伝するマスコミではないかと思う。
この悪循環を断ち切るには、巣を撤去する以外の方法で、繁殖するカラスとの共存をはかるしかない。人間がカラスの信頼を失った東京では難しそう。でも、大阪をはじめ関西圏ではまだまだ大丈夫。カラスが人間を敵だと思わなければ、カラスはそうそう人を襲わない。カラスが盛んに警戒・威嚇しているにも関わらず、不用意に巣やヒナに近づかなければ、カラスは人を襲わない。
東京のマスコミに踊らされずに、きちんとカラスとの関係を維持して欲しいと思う。とくに関西のマスコミが、しっかりしてくれることを期待しよう。東京で起きていることを、普遍的であるかのように伝えないで欲しいところ。
とまあ、カラスと人の良好な関係の話について書いてみたけど、これって人間関係や民族間の紛争にも当てはまりそうな気がする。ほら奥が深い話っぽい。
今日は猪名川を源流部の杉生から、中流部にかかるイメージの多田まで歩いた。主としてカワガラスの分布調査の一環。カワガラスは確認できず。上流部にはいてもいいと思うんだけど…。
ちなみに猪名川の上流部を歩くのは2回目。1回目と違って、だいたいどこに何があるかわかっているので歩きやすい。左岸を歩くか右岸を歩くかという選択もスムーズ。ちょっと寄り道して貝探しなどをする余裕まで出てきた。
が、わかる人にはわかるだろう。杉生から多田まで歩いても、猪名川町を制した事にならない。南は押さえているけど、北の端っこが抜けている。なぜかと言えば、バスが意地悪だからである。
貧乏な上にエコな私めは、電車とバス(時として自転車も)を利用して調査に行って、あとはひたすら歩くことにしている。今日は、午前9時前から午後5時過ぎまで、8時間以上歩いてようやく調査完了。一日で猪名川町を歩いて縦断するには、朝早めから一日がかりなのである。なのになのに、朝の路線バスは杉生止まりで、さらに北まで行ってくれない! 平日は…。土日・祝日に行けばいいんだけど…。
というわけで、今日はほぼ猪名川町縦断であった。それは猪名川上流部をほぼ制覇ということでもある。ここでもまた猪名川の本当の源流は欠けている…。
新しい草履を買った。まあそれだけなんだけど。
昨年の4月25日、うわさのクロックスではなく、そのバッタ物を購入した。意外と履きやすい。が、約4ヶ月後、裏に穴が開いた。さすがは安物買い。土踏まずのつま先側、裏の中央部に10円玉くらいの穴。多くの人に買い換えを勧められながらもがんばって履き続けてきた。穴はやがて直径5cm位に成長。しかし足の裏の皮もだんだん適応し、歩き方も上達してきたと思う。約8ヶ月に及ぶ穴あきクロックスもどき生活を振り返ってみよう。
とにかく地面の形状と温度が気になる。大嫌いな道は、砂利道。これはとにかく痛い。意外と大丈夫なのは林床。折れた枝とかが足の裏に刺さりそうだが、意外となんともない。山に履いていくのはどうかと思うが、都市公園の林内ならぜんぜん平気。
意外とイヤなのが夏場のアスファルト。とにかく暑い。そして道を歩くとき必ず避けるのはマンホール。真夏のマンホールは火傷する。厳寒期のマンホールは足の裏が張り付きそう。あとは、道に落ちているイヌの糞や、人が吐いた痰とかは、絶対に避けたい。
というわけで、基本、下を向いて歩くことになる。まあ、最初の内は、だんだん半ば裸足で歩いているのを忘れて、普通に歩き出すのだが。そんなに問題は起きない。
ものすごく嫌いなのは公衆トイレ。床が汚いことが多い。しかし、こちらも用事があるわけで、しかたがないので、裸足ではない靴の縁や後ろだけを使って妙な歩き方でトイレに入って用を足す。ものすごくトイレを我慢している人に見えるかもしれない。
夏の地面は熱く、クーラーの効いた室内に入ると床が冷たくて、気持ちいい。冬も寒い外から帰ってくると、室内の床が暖かかったりする。地面の凹凸や温度を常に感じている感じは、けっこう楽しい。
穴の開いた靴で生活するということは、道を歩くという普段意識しない行為を意識的にすることにつながる。地面の状態は気になるし、何か落ちていないかも気になる。日常生活に刺激を。おそらく痴呆防止に役立つと思う。
さらに言えば、家に帰って最初にするべきことは、足の裏を洗うこと。必然的に足の裏は今まで以上に清潔に保たれる。水虫防止に役立つ。
そして、靴下を履くと、靴下が破れるので、裸足で生活するようになる。洗濯物が減って、洗濯代が節約できてエコ!
とまあ、良いことづくめ。お試しあれ。ただ、足の裏、怪我しても当局は一切関知しないので、念のため。
藻川に行った。あんまり観察するものはなかったが、食べ物はいっぱいあった。野菜高騰の昨今、河川敷で食材を確保したら、お財布に優しいと思う。
まずは河川敷を一面に黄色くしているセイヨウカラシナ。生でも食えるので、けっこう現場で食べた。開いた花がおすすめ。辛すぎずほんのり甘味がある。
水辺には、クレソン。これはよく洗ってから食べたい。スカンポは生もいいけど、炊いたら酸っぱくなくなってうまいよね。カラスノエンドウ、ノビル、セリなどなど。食べ物がいっぱい。
鍋持っていって、河原で茹でて、醤油でもかけて、おひたしにして食べる企画はどうかなぁ? 天ぷらは油の処理とか面倒だけど、おひたしなら気軽。
今頃の季節にとくにとく見る光景だと思う。カラスがアオサギを追い回している。タカ類やフクロウ類を追い回すのはなんとなく納得できるが、どうしてアオサギを追い回さないといけないのか? それに年中必ず追い回しているわけでもないように思う。さらにサギ類の中では、アオサギが突出して追い回されているように思う。どうして? アオサギの何がカラスのかんに障るの?
今日、いろんな人から意見をもらった。けっこう色んな考え方があるもんだと思ったので、記録しておこう。
とりあえず、カラスとアオサギに競合する資源があるんじゃないかと思った。食性はあまり重なっているとは思えない。が、高い木の上という点で、巣場所はよく似てる。巣もよく似てる。巣場所または古巣、巣材をめぐる競争なのかな、と思っていた。気になるのはそういった巣場所・古巣・巣材が不足しているようには思えないこと。
Laitが、アオサギがカラスのヒナを食べる可能性があるからではないかという指摘をした。競争関係ばかり考えていたので、捕食−被食関係がありうるとは意外であった。確かにあり得るかもしれない。
単にかんに障るのではという意見もあった。もちろんその可能性も…。
仲の良さなんて、しょせん観察している他人(この場合は人間側)の主観に過ぎない。と割り切って考えてみよう。
きっかけは、カラスの巣づくりを見たから、雌雄がともに巣材を運んできていた。時として2羽でなかよく一緒に木の枝をくわえて巣場所にやってくる。夫婦仲良いことで。キジバトも夫婦仲はいいと思うのだけど、メスは巣をつくる場所にデンと座ってるだけで、オスが一人でせっせと巣材を運んでくる。どっちのつがいの方が仲がいいんだろう?
どちらも雌雄ともに巣づくりに参加しているのだけれど、夫婦が一緒に活動しているカラスの方が仲がよさそうに見える。キジバトはオスばかりが頑張っている感が強い。
抱卵に入ると、カラスはメスが一人で頑張るのに対して、キジバトはきちんと昼と夜を分担している。ただ、カラスの場合はしばしばメスが巣を離れて、つがいで一緒に採食していたりする。一方、キジバトは抱卵中は、つがいはそれぞれが単独で動く。
端から見ていると、きちんと役割分担しているキジバトよりも、役割分担はメスに負担が多いカラスの方が一緒に動いているのを見かけることが多い。ドライに役割分担しているハトの夫婦に対して、役割分担はともかく一緒に動くことが多いカラスの夫婦。カラスの夫婦の方が仲が良さそうに見えるのが面白い。
もちろん人間がたくさん食べているわけだけど、ここでは人間はおいておこう。人間以外の食物連鎖的には、魚の捕食者は誰だろう? ややこしそうなので、海は抜こう。河川やため池といった陸水の魚の捕食者って?
いまでこそ魚食性の外来魚が幅をきかせているけど、そんなのが増えたのは地史的にはごく最近のこと。それ以前となると? とりあえずは鳥が有力な捕食者っぽい。でも大阪に、魚食性の鳥が魚の捕食者としてどれほど機能してるのかなぁ? と、ふと思ったので書いておこう。
てなことを思ったのは、淀川の河川沿いの鳥の調査の結果を整理しながら。カワウやサギ類はそこそこいるけど、河川にいる有力な魚食者はそれくらい。魚食性のカモ類はあまりいないし、河川にはカイツブリ類もあまりいない。カモメ類もあまり河川に入り込んでいない。今でこそカワウは増えたけど、以前はそれほどでもなかった。
じゃあがんばってたのはサギ類だけ? それも中下流域限定に近い。河川上流部の魚には捕食者がいないんじゃなかろうか?
大学でカラスを研究しているM先生とお話しする機会があった。大阪でカラスを研究してるとてもレアな方。大阪市内の公園のカラスに詳しい。これから生駒方面や泉南方面にも出掛けていき、さらには東京にまで進出の予定があるという。東京カラスと大阪カラスの性格の違いを定量的に示してくれると嬉しい。
ちなみに東京にカラスの巣を見に行くなら、5月前半がいいのだそう。5月も後半に入ると一斉に巣落としが始まるんだそうな。東京のカラスは気の毒だなぁ。東京のカラスと人との関係は悪循環に陥ってるんだと思う。大阪ではカラスと人の平和な関係を維持していきたいもの。
さて、大阪のカラス先生からいくつか気になる情報を頂いてので、記録しておく。
・昨年使われた巣を再利用するカラスはけっこういる。
・昨年あった巣の多くが2月までになくなっている。人が落としたとは思えない。自然に落ちたとも思えないし…。
・今シーズンは、昨シーズンよりも現時点で、同じ公園でもカラスの巣が少なめ。
全部同意! 長居公園での傾向は、大阪市内の他の公園の傾向と一致しているらしい。
ちゃんと文献を当たればわかる事なんだけど、あえてうろ覚えの記憶で書く。私の記憶が確かなら、カモ類の中には、越冬地でつがいを形成する種、渡りの途中につがい形成する種、繁殖地に到着してからつがいになる種、とまあ色々な種がいたはず。
大阪ではそろそろカモは渡りを始めているようす。越冬地でつがい形成する
種の場合、この時期、つがい単位で動いていることだろう。今日はため池のカモ類を色々と見たが、つがいになってるかどうかを気にしてみた。
ハシビロガモはおおむねつがいになってる気がする。ヒドリガモもけっこうつがい単位で動いている。それに対してキンクロハジロは、あまりつがい単位になってるようには見えない。キンクロハジロは越冬地でつがい形成しないんだろうか? 一方で、つがいっぽいキンクロハジロがいないわけでもないんだけど…。
もし越冬地でしかつがいが形成されないなら、繁殖したいけど、つがいになれていない個体は、グズグズと越冬地に残るはず。今も大阪にいるキンクロハジロは、つがいになれない、もてない君たちなのか?
とまあ、こんな具合に、夢想は広がる。冬から春にかけてのカモ類のカウントは、つがいになってる個体とそうでない個体を分けて、その割合の季節変化を追いかけたら面白そう。
植物屋さんの間では当たり前で、一定の結論が出てたりするんだろうけど、鳥屋は今年初めて気づいて気になったんで、ここに書いておこう。
アンズの樹は枝先から花が咲いていっていた。枝先は咲いて根元がつぼみ。遠目に見るととても綺麗だった。
サクラも同じように枝先から花が咲いていくんだろうと思ったのだが、品種によって違うらしい。ソメイヨシノは枝先から花が咲いていくようす。でも公園に植えられている色んなサクラを見ていくと、枝の根元から咲いていく品種もあった。たとえばサトザクラとか。
品種間ですら違うとは、かなり融通の効く形質らしい。それとも飼育品種だから変異が生じただけなのか。
そもそも枝先と根元、どっちから咲くかで何か違いがあるんだろうか?
別に理由がなくてもいいのだが、あってもいいかなと。
とりあえず琵琶湖・淀川水系と言えば、固有種が多い。ってことになっている。でもそれは主に魚と貝の話。鳥類はもちろん両生類・爬虫類に固有種はいない。で、いま考えたいのは、鳥類・両生類・爬虫類のこと。
たとえば大和川水系ではなく、淀川水系の鳥類・両生類・爬虫類を調べる理由がなんかあればいいなと思ったりする。大和川水系の次だから、淀川水系を調べてみました。でもいいけど、一番お馬鹿なタイプのイントロだなぁ。
一つ思うのは、淀川本流とその支流の対比。琵琶湖淀川水系固有種も淀川本流にはいるけど、支流にはほとんど入っていない。つながっている割には、上流に向かっての分布拡大は少ないらしい。だからこそ固有種に分化したのかもしれないが…。
鳥の調査をしてみよう、ってのりの実習をした。それぞれが、この4から7月にできそうな鳥の調査の研究計画を発表する。おいらは、淀川水系のカワガラスの分布を調査してます。という安易な発表。にもかかわらず、他人の発表には厳しい突っ込み。とまあ感じの悪い人だった。
とにかく、いろんな人の研究計画を聞くのは、突っ込むのは、自分自身への刺激にもなり、楽しかった。他の人のアイデアを勝手に紹介するわけにはいかないけど、自分がした突っ込みは紹介してもいいだろう。
・ハッカチョウって、非繁殖期には繁殖地周辺で見なくなると思う。どのタイミングでいなくなって、どのタイミングで戻ってくるんだろう? そもそも繁殖のフェノロジーは?
・カラ類を形成するそれぞれの種って、一年間を通じてみると、どの季節に混群参加が多くなって、どの季節は単独群、つがい、家族群になるんだろう? 関西での研究例はあまり思いつかない。
・照葉樹林と二次林で、繁殖する鳥や通過鳥の種数・密度に違いがあるのかな?
・サギ類の採食成功率を比べるなら、ぜひ釣り人の隣に立っているアオサギとか、動物園のアシカの池で待っているゴイサギやアオサギを比較対象に入れて欲しい。釣り人にエサをもらっている場合、釣る能力×気前よさが、アオサギのエネルギー獲得スピードを大きく左右しそう。アオサギがそれを見分けているかも知りたい。
・デイゴにおいて、種類あるいは季節によって、花にやってくる鳥の種類、頻度、訪花スピードなどに違いがあるかが知りたい。で、デイゴの結実率への影響も。大阪では結実しない?
・ハクセキレイとセグロセキレイの広域での分布の季節変化を、地図で示したものを見てみたい。繁殖期と非繁殖期ではなく、毎月といったレベルでの分布の季節変化がいいな。
というわけで、リクエストを受けたみなさま、結果を期待しています〜。
毎年1月に日本野鳥の会大阪支部が中心になって、大阪の河川、海岸、ため池のカモ類の一斉カウントがある。これに参加すると結果を送ってきてくれるんだな。先月送られてきていたのを、今日発見した…。
もう41年目になるんだねぇ。421ヶ所も調査してるんだねぇ。大阪府は真面目で、かなり網羅的に調査している。少なくともカモ類がたくさんいる場所はだいたい調査してる。というわけで、その結果は割と大阪府に生息するカモ類個体数の実数に近いだろう。たぶん。
じゃあ、大阪には何羽のカモ類がいるんだろう? 答えは43431羽。多いのか少ないのかよくわからんが…。さらに言えば当然ながらこの数字は正確なものではない。数え間違いはあるし、数えていない場所もある。海のカモは日によって大阪側にいたり兵庫県側にいたりもする。そもそもある日に一斉に数えたわけではなく、一定の幅のある期間内の調査結果なので、それに伴う誤差もある。
というわけで、むしろ何羽いるかというより、どんなカモが多いかという議論の方が意味があるかもしれない。ざくっと言えば、ホシハジロ16500羽、ヒドリガモ8800羽、キンクロハジロ4100羽。これが御三家。この後にコガモ、ハシビロガモ、マガモ、スズガモ、カルガモ、オナガガモと続く。1000羽越えはここまで。
たぶん主に池にいるカモはけっこう押さえられている。海にいるカモは日による変化が激しそうだけど、それなりに多い地点は調査されている。気になるのは河川にいるカモ。大きなところは調査されているのだが、平野部の中下流域に偏る。そういえばため池も丘陵から平野の池に偏り、山間部の小さい池は調査されていない。
というわけで、カルガモやコガモは過小評価かも。さらに言えば、オシドリはぜんぜん落ちているかも。てなケチを思いついた。
新年度に入って、なんやかんやあわただしい気がする。で、忘れそうなので、この半年ほどの間に話さないといけない講演、書かないといけない原稿を確認しておこう。
<講演>
・4月には、淀川水系のカメとカエルと水鳥の話をしないといけない。さすがに分布図見せるだけではダメだろうな〜。かといって分布図もまだできてないな〜。完全新ネタなので準備が大変。
・5月に梅田の近くで、大阪市内の鳥について話をすることになってしまった。繁殖してる鳥について話をしよっと。いまマイブームのカラスの話もしよう。
・6月、例年講演を頼まれるんだけど、今年はどうだったっけ? とりあえず手帳には書いてないな〜。あったとしても持ちネタなので準備はいらない。
<原稿>
・とにかく5月中に(といいつつ、実は6月中に)淀川水系の両生爬虫類、鳥類、哺乳類についての原稿を書かないといけない。テキストは5月前半に仕上げれそうだが、問題は分布図。というか分布図のための調査とその整理。分布図は6月末に差し替えってことになりそう。
・大阪の哺乳類の本の原稿。早く書かなくっちゃ早く書かなくっちゃ。とにかく書かなくっちゃ。
・鳥の巣図鑑の原稿。これは新たに書くと言うより、編集作業。これまたお待たせしてるので、早く進めなくっちゃ早く進めなくっちゃ。
うーん。とりあえずマストはこんだけだけかぁ。意外と少ないような気もしてきた。
11月には、バードフェスティバルを開催。その主担当なので、夏以降はそれで忙しくなりそう。夏までに決着付けたい…。ちなみにバードフェスティバルは5月には出展者募集を始めたいので、そろそろこれも動かなくっちゃ。やっぱり忙しいか…。
昨年からカラス好きになった。カラス好きというよりカラスの巣好きかもしれない。カラスを見てるというよりカラスの巣を探して見ている。今年もカラスの繁殖期に突入。とっくに突入していて、今年もまた出遅れた感があるが、とにかく4月に入ったので、カラスの巣を見るのを再開することにした。まずは、昨年みていた巣のチェック。チェックしてみて驚いた。大部分の巣がなくなっている。どうしてだろう?
昨年見つけた43個のカラスの内、残っていたのは14個。生残率は約33%。2/3はなくなった勘定になる。雑なキジバトの巣でも生残率はもっと高い。とくに常緑樹に作られた巣はそうそう自然に落ちるとは思えない。ってことを考えると、誰かが落としたと考えた方がいいんじゃないかと思う。
一番落としそうなのはもちろん人間。が、知る限りマイフィールドの公園では、カラスの巣を積極的に落としてはいない。苦情も被害もないし、高所作業にはコストもかかる。用もないのにわざわざ巣落としをするとは思えない。さらに言えば、人間がカラスの巣を落とすのは繁殖中だろう。が、昨年の繁殖中は、ずっと観察していたのである。巣は落とされてなかった。偶然枝を払うついでに落とされた巣もあるだろうが、圧倒的多数の巣を落としたのは、人間じゃないんじゃないかと思う。
となると犯人として思いつくのは一つ。カラスがカラスの巣を落としてるんじゃないかということ。巣を落とすのではないけれど、古巣の巣材を抜いて再利用する様子はしばしば観察している。巣材を抜いていけば、やがて巣は落ちるんじゃないだろうか? 前の巣がなくなって、近くに新しい巣ができている場所もけっこうある。
昨年度は、繁殖期が終わると巣の観察も停止した。そして繁殖期が始まってしばらくした4月に入って、ようやく観察再開。1〜2月から観察を再開したら、カラスが犯人説は検証できるように思う。今年度がんばってみよう。
今日は急きょ設定されたなにわホネホネ団の活動日。なぜか鳥の皮むき希望者が多く。とりあえず見本を見せて、あとは放っておいた。こちらは、他に発表会があるし、鳥の標本作りには皮むき以外にも受入、登録、ラベル作りなどなど仕事があるのだ。遅れて来た遠来の客は、タヌキの皮むきをすることになった。千葉県から送られてきたもの。
千葉県のタヌキかぁ。大阪なので大阪府を中心に、関西圏の死体が集まることが多い。が、どこの死体でも喜んで受け入れているので、けっこう遠方から死体が届くことも多い。なぜか山口県のタヌキはけっこうもらってるし、この前は福島県からも送って下さった。といっても、タヌキの標本を持ってない都道府県も多いだろうな。
そうだ。47都道府県全部のタヌキを集めるぞ!
おおっ! 周囲のホネホネ団員からも賛同の声が。いいね〜、と盛り上がる。が、しかし、その夢は一瞬でもろくも崩れ去った。
沖縄にはタヌキがいない…。
そ、そんな…。なんとかならないのか? と言っても仕方がないので、46都道府県のタヌキを集めるぞ、という目標に変更。この目標、なんとなく響きがよい。網羅して集めるってところが、コレクター心をくすぐる。ちょっと努力すれば達成できそうな感じもよい。
とりあえず、手元にいくつの都道府県のタヌキがあるか調べてみよう。できれば壊れていない頭骨がそろうといいなぁ。都道府県が網羅されたら、次は島嶼をせめるか?
カッコウの托卵の話を聞いた。この話を聞く度にいつも思うので、前にも同じ事を書いたかもしれない。でも、今日もやっぱり思ったので、書いておこうと思う。
日曜日の発表会に向けて、分布図作りに明け暮れている(少しオーバー)。3月中にカヤネズミ、アカガエル2種はほぼ完成。ヒキガエルとカワガラスは調査が進行中だけど、現時点での分布図は完成。長らくデータをため込んでいたヌートリアの分布図が先ほど完成。いまから、アオガエル類と小型サンショウウオに取りかかる。
再来週の週末にも発表会があるので、カメ類とカワガラス以外の鳥類はそちらのお楽しみってことでどうだろう?? 単に間に合わないだけだけど…。
とくに意識はしていないのだけど、どうもすぐに子どもと仲良くなれるらしい。なんとなく道を歩いていたら、ゾロゾロと子どもが付いてくるという達人レベル(笛吹レベル?)には達していないが。観察会をしたら、終わる頃には周囲に大人はいなくて、子どもだらけになってたりする。
今日も小学生多数とそのお母さんという団体(合計約30人)を連れて、公園の鳥を観察した。約1時間半のプログラム。子どもは全員初対面。が、途中から近くにいるのは子どもだらけで、それぞれが入れ替わり立ち替わり話をしていて(同時に複数!)、少し離れた場所にお母さん方がいて。お母さん方に鳥の説明をするには声を張り上げなければならないという不思議な光景が出現した。
子どもと仲良くなろうとしてもなれない人もいるだろう。そんな方のために、秘訣をいくつか披露しておこう。といっても、なぜこんな展開になるのか正直よくわからないのだけど、とりあえず、思いついた要素をあげておこう。
・子どもの話を聞く。それなりに相づちを打ちつつ、時として面白いor斬新な返しをする。
たぶん、両親も学校の先生もそんなに子どもの話を聞いてくれないのだろう。聞いた上で、返しまでしてくれる大人は希少価値が高いに違いない。
・おじさんとか、おっちゃんと呼ばれたら、お兄さんと呼べ。と答える。
本心で答えているのだが、なぜかこのやり取りに、子どもはものすごく喜んでくれる。今日のみんなは素直に、お兄さんと言い直してくれていて、後ろでお母さんが笑っていた…。
・上から目線ではなく、同格な相手と話をするように話をする。
自分が偉そうに話をされるとイヤなので、他の人にも、子どもにも、偉そうには話をしないでおこうという主旨。子どもには新鮮なのかもしれない。ちなみに、明らか目上の相手にも同格な相手として話をする傾向がある。これは社会人としていかがなものかは知らないけど、まあいいか。
・知ってることは答える。知らないことは知らないという。
別に子ども相手に限らない。知ったかは格好悪いので、できるだけ避けようって話。なんでも知ってる振りをせずに、知らないと答える大人は子どもにとっては新鮮?
というわけで、まとめると、子どもがもっている大人の概念からはずれている対応をするのに、見た目は明らかに大人。その上、観察会では先生面すらしている。というギャップがいいんじゃないかと思う。一度お試しあれ。
えっ、見た目や行動が子どもっぽいから、仲間扱いされてるだけではないかって? 確かにごっついヒゲ面のおじさんには無理かもしれない。