常設展の一部をリニューアルします

 大阪市立自然史博物館では、平成28年3月1日(火)から本館・常設展の一部をリニューアルします。
 今回の展示内容のリニューアルは、市民の皆さまに自然に関する知識をさらに深めていただく目的で、第1展示室に「外来生物の影響」のコーナーを新しく設置するとともに、第3展示室の「植物も動く‐種子散布」と「花と動物」のコーナーの展示も新たな標本や写真パネルを追加します。

●第1展示室  外来生物の影響
人間活動によって本来の生息場所から他の地域へ運ばれ、定着した生き物を外来生物といいます。新たに見つかる外来生物は年々増加しています。外来生物は在来の生態系を脅かすだけでなく、農業や漁業などにも影響を及ぼします。今回新設するこのコーナーでは、大阪近郊で見られる外来生物とそれらがもたらす問題について、実物標本と写真でわかりやすく紹介します。
第1展示室_ヌートリア.JPG
このコーナーで展示するヌートリアのはく製標本。ヌートリアは南米原産の半水生大型齧歯類。西日本の陸水域に侵入・定着し、分布域が広がっており、特定外来生物に指定されている。大阪府では農作物に被害が出ているほか、淀川では在来の淡水二枚貝を食べており、生態系への影響も大きい。

●第3展示室  植物も動く‐種子散布
芽生えた場所から動けない植物にとって、移動できる唯一の機会といえるのが、種子がばらまかれる時期です。種子が動くときには、風・水・動物など様々なものを利用しますが、利用するものに応じて種子や果実は様々な形をしています。このコーナーでは、これらの植物の「工夫」を標本で紹介します。
第3展示室_海流散布タネ.JPG
ヤシ科、ヒルガオ科、アオイ科、サガリバナ科など様々なグループの種子が海流に乗って長い距離を旅します。これらのタネには水に浮きやすいように中に空間があったり、果実がコルク質になっていたりして、水に浮きやすい構造になっています。

●第3展示室  花と動物
昆虫や鳥といった動物が蜜や花粉を求めて花を訪れることによって、花から花へ花粉は運ばれます。花の形や色、匂いは、花粉の運び手を呼び寄せるための重要な信号となります。さまざまな花はどんな動物をパートナーとしているのか、実物標本と写真でわかりやすく紹介します。
第3展示室_トラマルハナバチパネル.jpg
エゾママコナを訪れたトラマルハナバチ。マルハナバチの仲間は口が長く、蜜が花の奥の方にある植物と強く結びついています。(パネル展示)

※また、第2展示室の解説パネルについても、近年の研究結果を反映させ、一部新たな情報に更新します。