テーマ展示「岸川椿蔵書」を開催します

 2020年にコロナ禍により公開を中止した「岸川椿蔵書」の一部を特別展「植物 地球を支える仲間たち」に合わせ大阪市立自然史博物館本館ナウマンホール・2階イベントスペース内にて展示いたします。
 故・岸川慎一郎氏(1930-2020)は東大阪市で開業医を営む傍ら、椿を専門に園芸種の維持と収集、文献による和洋の古典品種の探求に情熱を捧げてこられました。昭和42年頃から半世紀を超えた収集活動は一時は600品種を超えるほどだったそうです。これらの品種は現在、都市緑化植物園(服部緑地)などに寄贈されております。
 「岸川椿蔵書」は、植物学、園芸学そして本草学上の貴重文献を含む、古典椿研究において大変重要なコレクションです。このコレクションは、岸川氏による古典椿品種の研究、そして多くの貴重本復刻の原典に当たり、2014年に当館に寄贈され、2018年の伝統園芸研究会などの機会に展示してきました。2020国際ツバキ会議五島大会のポストコングレスツアーに合わせ、展示を予定していましたが、コロナ禍により叶わず、今回特別展「植物〜地球を支える仲間たち」に合わせ、再び展示します。
■開催概要
○会  期:令和4年3月12日(土)〜4月3日(日)
○開館時間:午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)
○休 館 日:月曜日(ただし、3月21日、28日は開館)、3月22日(火)
○場  所:大阪市立自然史博物館 本館2階 イベントスペース
○観 覧 料:常設展入館料(大人300円、高大生200円)
※中学生以下、障がい者手帳など持参者(介護者1名を含む)、大阪市内在住の65歳以上の方は無料(要証明)。30人以上の団体割引あり。
※特別展 「植物」 のチケットで本館常設展(当日限り)も合わせて観覧いただけます。
■展示内容
①岸川椿蔵書の紹介
 コレクションの全体像と特徴を紹介します。
②17〜18世紀の日本の椿園芸
 水野忠暁『草木錦葉集』、岡部頼母(ともも)『百種椿之記』、『小色紙椿絵』、『椿花譜・絵巻』、『椿花貼合屏風』など岸川椿蔵書の重要資料、名品を展示します。
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③ヨーロッパに紹介された日本のツバキ・サザンカ
 18世紀、ヨーロッパ人は世界をめぐり、植物学者は次々に学名を付けて記載していきました。ついには、鎖国下の日本にも訪れたのです。エンゲルベルト・ケンペルが『廻国奇観』に記載したツバキCamellia japonica L.、 カール・ペーテル・ツュンベリーが『日本植物誌』に記載したサザンカCamellia sasanqua Thunb.を貴重な原典で展示します。
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④欧州のツバキ園芸とボタニカル アート
 ヨーロッパに導入されたツバキはエキゾチックな南国の植物として、もてはやされ、様々な新品種が次々と生み出され、園芸界には華麗なボタニカルアートにより紹介されます。古典園芸書と、アンブローズ・ベルシャフトの作品やサミュエル・カーティスのモノグラフ、『カーティス・ボタニカル・マガジン』の図譜などで紹介します。
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