当館の林学芸員が国際誌に論文を発表しました 「植物食恐竜ステゴサウルスに感染症 -骨の内部組織から骨髄炎の痕跡を発見-」
このたび、大阪市立自然史博物館 林 昭次学芸員を中心とした日本、南アフリカ、アメリカの研究チームによる『恐竜の感染症の痕跡』に関する研究論文が、アメリカの Wiley-Blackwell社より刊行されている学術雑誌 Lethaiaにおいて平成26年8月1日(米国東部時間)に出版されました。
論文タイトルは 『Non-traumatic bone infection in stegosaurs from Como Bluff, Wyoming』 で、日本語訳 は『ステゴサウルスにおける非外傷性の骨感染症』となっております。
下記ホームページで論文の概要と電子版の記事を閲覧することができます。 (http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/let.12086/abstract)
*電子版記事の本文は有料です。記事の要旨は無料で閲覧できます。
本研究では、世界で初めて、恐竜の多発的な感染症の痕跡、およびステゴサウルスで初めて、骨の表面に現れない骨内部への感染症を発見しました。論文は、従来の恐竜の病理学や生態を新たにする画期的なものです。
この研究に用いた標本を、8月26日(火)から9月28日(日)まで、自然史博物館の本館・第2展示室 ステゴサウルの全身骨格の前で展示します。
研究の詳しい内容については、プレスリリースをご覧ください。
感染症に侵されたステゴサウルスの大腿(だいたい)骨(A)と骨組織(B)
A:大腿骨。赤点線で示したところを切断して、切片を作成した。
B:大腿骨の骨を薄くスライスした切片
矢印で示されている部分が感染症の痕跡。