博物館からのメッセージ
現在世界中の国で新型コロナウィルスによる感染症(COVID-19)が拡大していて、感染拡大を防止する目的で自然史博物館では2月29日(土)から休館しています。また大阪府をはじめ全国7都府県に「緊急事態宣言」が発令されことにより、少なくとも5月6日までは休館が継続することになります。
3月1日から開催予定であった特別展「知るからはじめる外来生物」はオープンの準備が整ったところで休館となってしまい、楽しみにされていたみなさまには申し訳なく思いますし、何より担当した学芸員たちは再開館の日を待っています。
また植物園案内などの野外観察会、こどもワークショップや講演会などの屋内行事についてもこの間中止・延期とさせていただきました。新型コロナウィルスの感染予防には「三つの密」を避けることが重要とされています。野外観察会の場合は密室空間ではなくて開放された屋外で実施するのだから、大丈夫なんじゃないかと思われるかもしれません。しかし当館の観察会は、学芸員のまわりに大勢の参加者が集まって解説に聞き入り、参加者同士で教え合ったりと、ワイワイガヤガヤと進めているために、残る二つの密(密集場所、密接場面)を避ける工夫ができないと判断しました。
観察会など博物館行事でも、展示の見学でも、私たちは楽しい思い出を持って帰って欲しいと考えています。もし博物館の見学で、あるいは行事に参加して新型コロナウィルスに感染してしまったら、イヤな思い出を持ち帰ることになります。そのようなことは避けるために、苦渋の決断とご理解ください。
しかし、何もしなければ博物館の火が消えてしまいかねません。これは世界中の博物館関係者の共通の思いです。自然史博物館ではホームページに「おうちミュージアム」という特集ページを開設して、お家で楽しんでいただける自然史博物館のコンテンツを集めています。館内で公開しているビデオ映像や、学芸員による展示解説などに加えて、これも臨時休館の影響で中止となったテーマ展示「岸川椿蔵書」のギャラリートークも公開しています。
特別展「知るからはじめる外来生物」に関しては、Twitter上でハッシュタグ「#外来生物展」として情報を発信しています。これで情報収集しておけば、再開館して特別展を見た時、より深く理解できることでしょう。
その他、北海道立北海道博物館や、大阪市立科学館の取り組みも紹介しています。ぜひ訪れて楽しんでください。
そして状況が改善された日に、博物館で、野外でみなさんと再会できる日が早く来ることを願っています。博物館の再開館を楽しみにお待ちいただいているみなさまも感染予防に努め、今しばらくは不要不急の外出を控えましょう。
最後に、今回の新型コロナウィルス感染症で不幸にして亡くなられた方々に哀悼の意を表するとともに、現在闘病中の方々は一日も早く快復されるよう願っています。
大阪市立自然史博物館 館長:川端清司