淀川水系で怪魚「レッドコロソマ」を捕獲 大阪市立自然史博物館で展示中 #外来生物展

 2020年8月1日の夕刻、八幡市の木津川(淀川水系)で、大型の外来魚であるコロソマ類の一種「レッドコロソマ」(Piaractus brachypomus)が1個体、釣獲されました。コロソマ類は、これまで琵琶湖や新潟県などで採集された記録がありますが、淀川水系で見つかったのは初めてです。コロソマ類は、ピラニアなどと同じカラシン目セルラサルムス科に属する大型淡水魚で、最大1メートル近くに達します。原産は南米のアマゾン川流域ですが、観賞魚としてペットショップなどで販売されていることがあります。肉食性のイメージの強いピラニアとは異なり、コロソマ類は、貝類や昆虫、落ち葉などを食べる雑食性です。
 今回釣獲されたのは、全長45㎝ほどの個体です。熱帯域に生息する魚であるため野外で冬を越した個体であるとは考えにくく、また頭部の前方に傷があり、尾びれもすり切れていたことから、飼育されていた個体が比較的最近、放流されたものと思われます。
 
 釣獲したのは、八幡市にお住いの大阪市立自然史博物館の友の会会員の方で、ザリガニを餌にして釣り上げたとのことでした。硬い物を噛み砕く強い歯を持っているため、テグスで釣り上げようと試みた際は何度も切られ、ワイヤーにしてようやく釣り上げることができたとのことでした。長年同じ場所で釣りをされてきて初めて見た異様な魚に驚き、すぐに大阪市立自然史博物館の魚類担当である松井彰子学芸員に連絡し、博物館に引き渡すことになりました。
 釣獲された個体は、8月2日に大阪市立自然史博物館が引き取りました。現在開催中の特別展「知るからはじめる外来生物」の会場にて、生きた状態で展示されています。元気な状態であれば、特別展の会期中(~2020年8月30日)、展示する予定です。

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淀川水系で捕獲されたレッドコロソマ(2020年8月1日、八幡市木津川で釣獲)。

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