(2005年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、2006年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、
2007年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、2008年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、
2009年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、2010年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月)
岸和田で有名だが、泉州ではどこもかしこも走り回るらしい。自分には関係のないものと思ってた。が、意外と関係があった。困るわぁ。観察会とぶつかってしまった。
JR熊取の駅前で、だんじり祭りあるらしいことはわかった。でも、どこかが通行止めになるとか、バスが動かなくなるとかのアナウンスはとくにない。地元のTさんが祭りがあるからウニャウニャと言ってるけど、さりげなく聞き流して、観察会の下見にゴー。
ため池をめぐり歩く。途中の集落ごとに、だんじりがあるらしい。祭りの飾り付けがしてある。でも、8月の平日の真っ昼間から若い者が練習したりタムロってる岸和田のような盛り上がりはない。でも、祭りはあるらしい。だんじりは走るらしい。とある場所で、祭りの日程が張り出されてあった。観察会の当日の午後が盛り上がる時らしい! そこで、改めて地元のTさんがウニャウニャ。とにかく行きはいいけど、帰りのバスがどうなるのかわからない。
一通りため池をめぐって、帰りに都合の良いバス停に。観察会当日はバスは動かないと書いてあるではないか…。近くに別のバス路線があると、地元のTさんが言う。でも、そっちの路線が当日動いている保証はない…。不安な面持ちで帰ってきた。
もしバスが全然動いてないなら、場所変えて、改めて下見?
とりあえず帰ってきてバス会社に電話。動きますよー。明るい返事。駅前にバスが入れない時間帯は、駅から少し離れた場所にとまるだけらしい。よかった。
というわけで、だんじり祭りを尻目に、ため池をめぐる。そういえば、途中のルートが問題ないかは確認してない。大丈夫かなぁ。だんじり好きは、歩いて駅まで帰れば、祭りを満喫できるかもしれない。
大阪府立大学の池が、オオアカウキクサに覆われていて、とても綺麗。
かつては、けっこうヨシがいっぱいで、水面がかなり隠されていた。ヨシにはゴイサギがけっこう隠れていて、バンもいっぱいいた。ヨシに隠れるのが好きなコガモも多かった。のだけど、整備されてビオトーフになったそうな。ヨシはすっかり減って、バンやゴイサギもすっかり減った。水面がいっぱい見える。オオフサモは根絶されて、代わりに水面はオオアカウキクサに覆われている。緑から赤のグラデーションがきれい。
この池を見るたびに、オオアカウキクサが赤いか緑かって何で決まるんだろうと思う。岸近く、陰になっているような場所は緑な気がする。池の中央はけっこう赤い気がする。日光が当たらない方が赤くなりそうな気もするのに、少し不思議。赤い色素の方が、日光が多い条件下での光合成能力が高いの?
ってゆうか、赤いのと緑のとで、光合成に使ってる色素が違う。んだよね? やっぱり。
化石の展示についての話し合いに紛れ込んだ。さっぱりわからん。分かったのは、タカツキガメは両生類じゃないぞ。ってくらい。暇なので、展示のタイトルを考えてた。
暗くなったら起きてきて、上流に向かう。でも、しばらく行くと、なんやら段があってそれ以上進めない。どうしようかな。流れて来るものを食べてる間に、明るくなってきたので、またねぐらに戻る。
この間の夜なんか、なんかわからんけど大勢に懐中電灯とかで照らされてビックリした。
そういえば、この前、けっこう雨が降った時、お隣さんが流されて行ったな。一度流されると、あまり帰って来ないな。
その頃、流されたオオサンショウウオくん。
雨が降ってきたなぁ、とぼんやりしてたら、流されちゃった。なんか見たことない場所に来てしまったなぁ。家に帰らなくっちゃ。とりあえず上流に向かって歩こう。
うーん。何日も歩いてるのに、ぜんぜん着かないなぁ。ここどこかなぁ。あっ、オオサンショウウオがいる! すみません。ここどこですか? ここは、猪名川町じゃよ。箕面にはどう行ったらいいですか〜。箕面はずーっと下って、脇道を上っていったとこじゃよ。え〜!
とまあ、そんな具合で、オオサンショウウオは淀川水系に拡がってるんじゃなかろうかと。猪名川の源流にいたオオサンショウウオも、箕面ゆかりの子かもしれない。この調子なら、京都盆地に行くのとか、天ヶ瀬ダムの下にたまるのとかもいそう。
以前、一度企画したけど、雨で流れた。それから随分経ったけど、今朝、ついにナイトハイクを実施。10年越し位の企画かも。
あまり色々は見られなかったけど、事故なく終わってよかった。
大勢を連れて夜の山を歩く。昼間以上に心配がいっぱい。完徹で疲れた、というだけでなく緊張してたんだろう。帰ってきて爆睡してしまった。
見慣れた山でも夜は別世界。非日常感満載で、意味なく楽しい。またやりたいな。今回は、初めてということもあって、安全優先でコースを選んだ。ちょっと物足りなかったかもしれない。ちょっと様子が分かったので、また機会があればやってみたい。一度、早朝の鳥のコーラスを聞くプランをやってみたいな。
ナガスクジラがぶら下がっているのを見ていたら、花壇の方からスズメが4羽ほど飛んできた。ナガスケの頭にとまって、穴の中に入ったり出たり。どうやら住人たちらしい。こんな季節に何をしてるのかよくわからない。チュンチュンチュンチュン。けっこう盛り上がっている。
と思ったら、2羽がつかみあったまま落ちてきた。地面に落ちても取っ組み合いをしている。互いに足でつかんで、くちばしでくわえて。やがて片方が優勢になった。一方的に足で押さえて、かみついている。そのまま動かない。動かない。動かない。なんだろうと、人がのぞきに近づいてきたら、パッと離れて、飛んでいった。
押さえ込まれていた方が先に飛んで、その後を押さえていた方が追いかけていく感じ。少し遅れて、ナガスケにとまっていた他のスズメもついて飛んでいった。
アパートの部屋の争奪戦を見たのだろうか? いい穴を巡って、雄同志が取っ組み合いをして、それを雌たちは高見の見物ってことだろうか?
何より、今頃なぜ巣場所をめぐる争い? 秋の繁殖があるのか。ねぐらに使う巣穴でもめているのか。はたまた来春の繁殖場所をめぐる争いが早くも始まっているのか。
スズメは身近な鳥だけど、わからないことだらけ。じっくり観察を続けたら面白そう。
とある団体の過去10年の収支計算書を見せてもらった。一貫して順調に会費収入が減ってるのに驚いた。あくまでも会費収入ベースなので、会員が何人減っているのかはわからないが、毎年安定して約3%ずつ減ってる感じ。たかが3%でも侮れない。10年続けば、25%以上減った計算になる。
この分野が衰退しているとは思えない。ネットを見れば愛好者はたくさんいる。身の回りを見れば、むしろ興味を持っている人は増えてるんじゃないかと思う。熱心な子どもも少なくない。なのに、安定して減少してるってことは、求心力の低下ってことだろう。
求心力のあった頃と比べて、活動内容が低下してるとは思えない。むしろ活発化しているといってもいいくらい。若い人を取り込んだり、子どもを取り込もうとする取り組みもある。なのに求心力は順調に低下。この団体に頼らなくても、この分野はある意味で成り立つようになってきたということだろう。これはある意味、今までの活動が実を結んだと言ってもいいくらいだが、あるい現在の展開についていけてないというか。いずれにせよ言い換えれば、この団体は役割を終えつつあるのかもしれない。
団体が目的を達成して役割を終えたのなら、あえて存続を目指さなくてもいいような気もする。会員が多ければいいというわけではないので、少なくなっていく会員を相手に今まで通りの活動を続けていけばいいだけの気もする。そしてゆっくりと退場。
それがイヤなら、新たなミッションを打ち出すしかなさそう。そして、そのミッションに同意する会員を募っていくと。なんとなくの趣味の団体から、保全活動主体の団体にするとか。ネットでは入手できない情報・専門性を持った、よりマニアックな活動を展開するとか。
でも、減少しつつある会員は、全体的に高齢化傾向にある。改革路線は無理っぽい。とすると、徐々に衰退するだけなんだろうか…。
遠くから双眼鏡で鳥を見ても、分かることは限られる。手にしてじっくり見ると、双眼鏡では見えなかったものが見える。
ただ目の前に鳥がいても、あるいは死体があっても、意外と何も気づかない。なにか作業でもしてる方がいろいろ気付く気がする。でも、皮を剥くのと、皮を洗うのとでは、見えるものが違うな〜、と今日思った。
昨日今日とサル達と戯れた。サルはいいもん持ってるなぁ。なぜ我々は無くしてしまったんだろう。
タヌキがないと思ってたら、意外と埋もれてた。
明日と明後日はサル祭り。ここ数年間、長らく封印されていたサルたちがようやく日の目を見て、踊りまくる。サル祭りに参加できるのは大人だけ。子どもには見せられない大人の祭りなのだ。なんかワクワクする。
そして今日は、そのサル祭りの前夜祭。前夜祭といえば、火をおこしてその周りで踊るようなイメージがあるが、サル祭りの前夜祭はその真逆。白い部屋で、黙々とサルを発掘する。あるいは雪かきをする。まだまだ暑い毎日。雪かきは涼しそうと思うかも知れないが、さにあらず。死にそうに寒い。明日はサル祭りが待っていると思わなければ、とてもやってられないほどの、極寒の中の作業となる。
実をいうと、今日がサル祭りの前夜祭だとうっかり忘れていた。で、素足にぞうりで来てしまった。しかし、前夜祭は待ってくれない。最初はそのまま前夜祭に参加していたのだが、足指がなくなってしまいそうになったので、足にタオルを巻いて、作業を続ける。やがてタオルが凍り始める。凍ったタオルが床に引っ付く。それでは動けなくなるので、スコップでタオルの氷をたたき割る。作業すること約2時間。ようやく前夜祭は終了した。
というわけで、明日からサル祭り。8頭のサルと、8人ほどのサルが踊るんじゃないかな。
理想の湿地のキャッチコピーみたいだな。近所の公園が、そんな理想的な場所とは、今日まで知らなかった。
電灯を消した真っ暗な展示室(と言っても非常灯はついてるけど)を、懐中電灯を手にみんなで回る。明るい昼間と同じ展示。なのに、けっこう熱心に展示を見てる人がいる。懐中電灯の明かりで、解説まで読んでたり。
前から不思議に思っていたけど、今日なんとなく分かった気がする。
昼間の明るい展示室では、イヤでも色んな物が目に入る。見たいと思わなくても、展示が目に入る。視覚情報は過多で、視覚情報に対して受け身。展示以外に気が取られる。
真っ暗な中では、自分で照らしたものしか見えない。視覚情報が少なく、視覚情報に対して能動的。だもんで、自分で選んだ展示を、いつもより真面目に読んでみる。って事ではないかと。
展示手法として、わざと真っ暗にして、自分で照らして見てもらうというのは、有りかもしれない。
照明を自分でコントロールするのも楽しいし。
体内時計による概年リズムがあって、それが日長(あるいはその変化?)で補正されて、渡りの衝動として現れる。ってのが、渡りのタイミングの至近要因の一般的な説明らしい。
渡りのタイミングはおおよそ遺伝的に決まっていて、さらにそれは少なくとも至近的には温度条件の影響を受けているわけではないというのは面白い。
実際のところ、鳥の暮らしを考えると、温度条件こそが最適な渡りのタイミングを決定している場面は少なくない。寒いと昆虫がいない→食べ物がない!とか。
適応的な進化の結果として、鳥は最適な(でないにしてもそれに近い)渡りのタイミングを身に付けていると仮定しよう。北半球の高緯度地域で繁殖する鳥は、低緯度で繁殖する鳥に比べて、繁殖地への到着は遅めでないといけないし(なかなか暖かくならない→昆虫の発生が遅め)、繁殖地からの渡去は早くないといけない(早く寒くなる)。とも考えよう。
とすると鳥が繁殖する緯度によって、体内時計&日長にコントロールされる渡りのタイミングは、遺伝的に違っている事になる。同じ種であっても、広い緯度に渡って分布している場合は、遺伝的に違ってないと困るはず。そして、これは異なる緯度への分布の拡大を抑制する(少なくともスピードを遅らせる)一つの要因にすらなるかもしれない。
などと考えてたけど、たとえば冬に南に渡らなくなった北海道のヒヨドリやキジバト。やつらは遺伝的に変化してしまったと考えるべきなんだろうか? もっと簡単に、渡りのタイミングを変更できるってことはないのかな?
今日は、東京から来た3人組と2時間近くにわたって、市民参加型の分布調査をどうやって進めていくかについて、意見交換した。
多くの市民のみなさんの多くは、自分が参加した調査が、あるいは自分が提供した情報が、何かの役に立っていると納得するかどうかが重要な気がする。自らのスキル・経験値が高まるという満足感と同時に、誰かの役に立ったという満足感。ボランティア活動における標準的なインセンティブではないかと思う。
ちなみに役立った感は、調査結果が論文・報告書にまとまってもいいし。展示やホームページという形で公表されてもいいし。分布図できた〜、と見せるだけでもいいし。場合によっては、ありがと〜!と言うだけでもいいかもしれない。
それに引き替え相手がしにくいのは、研究者系の人種。すでにそれなりの知識を持っている人たち。調査に参加しても経験値が高まるわけでもないし、この忙しいのになんで手伝ったらなアカンねん!くらいの反応をしそう。こういう人種には、別種のインセンティブが必要。
多くの場合、こういう人種にとって不足しているのは、時間と人手と研究費。労働力を確保用も含めてお金を提供するのがわかりやすい。でも、お金も人手もない中で、こうした人種を動かすにはどうしたらいいんだろう? 東京3人組と一緒に頭をひねってしまった。たぶん大学にいる研究者と、博物館関連施設にいる学芸員などでは、少し勝手が違いそう。
自然史系の博物館では、地域の自然の情報を蓄積するのは仕事の一部ではある。だから、生き物の分布情報自体は、多かれ少なかれ蓄積している場合が多い。ただそれを整理して入力して提出、と調査に協力するのは面倒。
時間もない。というだけ。何か少し動機付けさえすれば、情報提供くらいしてくれるかも。業績になるとか、ちょっと何かを助成してくれるとか、活動に協力してくれるとか。
自然史系の博物館では、市民向けの活動を展開するのもよくある話。人手がないだけでなく、アイデアや専門性の不足で充分な展開ができていない場合もありそう。そういうケースならば、研修資料、行事の資料、イベント展開ノウハウをパッケージ的に提供すれば、丸ごと受け入れて調査という名のイベントに参加する場合もあるかも。
っていうか、結局のところ、ネットを見渡せば、いろんな人が自分のブログに、生物の分布情報をたくさんアップしている。同定間違いや位置情報の不足などいろんな問題はあるけど、とりあえずネットからこうした分布情報を拾ってくるシステムを構築したらどうなん?
と、最後に言ってみた。作るだろうか? ヌートリアの分布図なら、充分ネットを徘徊すれば作れそうな気がする。
大阪湾岸の鳥の調査計画の主軸部分がかたまった。
基本的には、大きめの河口(ただし大阪市内は淀川・神崎川と大和川だけ)とその近くの漁港をピックアップして、毎月水鳥をカウント。9月に入ってから今日までに4日かかって、最初の一通りの調査を終えた。
大阪府:河口11ヶ所。2ヶ所を除いて小さいなりにも干潟が出る。そしてその河口にある漁港。おまけで貝掛海岸。
兵庫県(淡路島以外):河口7ヶ所。これまた2ヶ所を除いて干潟が出る。おまけで須磨海岸。
兵庫県(淡路島):河口7ヶ所と漁港4ヶ所。干潟が少し出る所もある。おまけで成ヶ島。
ちょっと調査地点を欲張りすぎたかもしれないけど、無理そうならおいおい減らすとしよう。
ちなみに河口とは、大和川より南に関しては、南海電車より海より。兵庫県に関しては阪神電車もしくはJRより海より。である。なんとなく阪神間の人間にはわかるはず。
で、問題はこれ以外に何を調査するか。
・友ヶ島:友ヶ島も調査しなくっちゃ! できれば毎月行ってみたいな〜。
・埋立地:河口と並んで、埋立地も大阪湾岸では重要な鳥の生息地。ただ、立ち入りには許可とかが必要で、ちょっと手配が面倒〜。
・大阪湾岸全部:ぐるっと一周を網羅的に調査する機会も何度か作りたいな〜。
・海上:やっぱり海上の鳥の分布を知りたいな〜。ただ、昔は大阪湾内を通るいろんな商業航路があったのだけど、いまはほとんどなくなってしまった。あっても夜だったり。どうしたもんだろう。
というわけで、とりあえず友ヶ島に一度行ってみよっと。あと、昼間大阪湾を横切る航路を探そう。
【追記】
友ヶ島に毎月一度通ってみようと思ったら、2010年11月から2011年2月まで、船が運休とのこと。来年3月から調査するかなぁ〜。
昼間大阪湾を横切るフェリーって、関空と神戸港の間くらいしかないみたいな…。一度乗ってみることにしよう。面白いなら、一日に何往復もして調査してみるとか?
夜の山というと、なんか怖いものがいそうな感じ。怖そう〜。と思うかもしれないけど、山奥であるほど別に怖くない。でも、都市近郊の夜の山はちょっと怖そう。なんとなれば人がいるから。夜の山で一番怖いのは人。箕面の山に行くのも実は少しためらった。怖い人がいるかも…。と脅かされたから。
集合場所に向かう電車の中で、持ってきた本を読んでいた。なにを考えたのか、ホラーだった。怖い人が出てくる〜。
深夜の箕面駅に集合。とりあえず滝道沿いに歩く。あんまりというがまったく人に出会わない。でも、街灯やトイレ、自動販売機でとっても明るい。明るい所に人がいないのはかえって怖い。一人なら歩くのためらったかも。
しばらく行くと向こうから人の声。え〜。と思ってたら、男一人と女二人が歩いてきた。すれ違った。怖くはなかった。
大滝の下に到着。ここにはイノシシがよく出没するという情報があったのだが、見あたらない。と思ってたら、自転車に乗った中高生くらいの6人組。夜中にこんな所をウロウロしてるなんて怪しい〜。怖い〜。とある場所に集まって、騒ぎ始めた。この6人組の騒ぐ声は、ドライブウェイからもよく聞こえた。
ドライブウェイに上がる。土曜の午後11時頃にはたくさんいた走り屋があまりいない。大日駐車場にも車は1台あるだけ。さすがに平日の深夜にはあまりいないらしい。
才が原林道。ぜーんぜんだーれもいない。
午前5時頃。滝道に戻ってきた。まだ辺りは真っ暗。でも、滝道には散歩する人が多数。平日の昼間よりも人が多いかも。その時間ですでに大滝方面から戻ってくる人すらいる。すれ違うたびに、大きな声で、おはよう! というおじさん。我々におはようの仲間入り。徹夜で歩いてきた身としては、どっちかと言えば、おやすみなさい、と挨拶したい。
今日は自転車でため池めぐり。松原市をふらふらと走ってたら、田んぼがある。松原市にはまだそれなりに田んぼがあるので、別に珍しくない。稲刈りをした後だけど、水をためてある。その中に、小さなツブツブ。スクミリンゴガイの小さいのらしい。今年孵ったやつだろう。松原市は、以前からスクミリンゴガイが多いから、これまた珍しくない。でも、そこにシギが2羽いた。これは珍しい〜。
道沿いの田んぼの、手前にいるので、とても近い。2m位まで近寄れる。あまりに近くにいるから、大きさの感覚がずれる。でも、オバシギらしい。どうやら小さいスクミリンゴガイを食べている。オバシギって、こんな淡水に入るシギだっけ?
干潟がどんどんなくなる昨今。埋立地の水たまりも、近頃は減少傾向。おかげでシギ・チドリ類も減ってるように思う。でも、淡水の浅い水たまりは探せばそれなりにあるだろう。こうした環境を使えるなら、渡りの中継地ももっと稼げるはず。
考えたら渡りの中継地である日本では、干潟や磯で見かけるのが普通のシギ・チドリ類の多くも、繁殖地では淡水の湿地にいるのが多いはず。もっと水のたまった田んぼや河川を使えばいいのに。
箕面ドライブウェイには走り屋がいっぱいいるだろうとは思ってた。日曜の真っ昼間にすらいるんだから。土曜の夜は、さぞかしいっぱいいるだろうと予想できる。昨日の深夜、箕面ドライブウェイに行く機会があった。本当にたくさんいた。同時に走り回っている車は、5台程度なんだろうか。でも、高山からの道が合流する辺りと、大日駐車場にいっぱいたむろしていた。とくに大日駐車場は、昼間よりもにぎやかじゃないかというくらいにぎやか。
夜の箕面ドライブウェイで目立つのは、走り屋の他にももう一つ。大型ほ乳類。
道端に大きなイノシシがいた。乳房が張っている。近くに子どももいるんじゃなかろうか。道路脇にいるのに光を当てても全然平気。悠然と道を渡り、反対の林に消えていった。
さらに進むと、道端にシカが2頭。これまた人や車には全然平気。
夜になれば、車ががんがん走るのは、暮らしているイノシシやシカにとっては、いまさら珍しい光景でもないんだろう。でも、車の危険性に気付いているのとは無関係。悠然と道を渡ったイノシシは、一つ間違えば車にはねられていたに違いない。
イノシシやシカに衝突したら、車の側もただでは済みそうにない。車の修理代ですめばいいけど、下手したら大事故なんでは?
考えてみると、ここ数年、大阪府周辺の山ではシカもイノシシも増えまくっている様子。当然山道に出てくる機会も増えているはず。
走り屋もそれには気付いているはずだと思うけど、気付いてなければ忠告を。10年前と比べて、走り屋のリスクは大幅に上がってる。突然目の前にシカやイノシシが出現しても避けられるだけのテクニックを磨くか、シカやイノシシに衝突しても屁でもないという頑丈な車を調達することをお薦めする。
9月といっても暑い日が続く。まだ夏といっていいだろう。そんな夏の大阪湾岸の水鳥を見て歩いてる。
あんまり盛り上がるようなのはいない。キアシシギやイソシギなどのシギチドリ類が少々。カモ類が少し。ユリカモメや他のサギ類もいるけど、圧倒的多数はウミネコ、アオサギ、カワウ。この3種だけで、95%以上。
アオサギやカワウは、この20年ほどの間に、阪神間で大幅に個体数が増加した。繁殖地も増えた。この2種がたくさんいるのは、何も不思議ではない。まあ、サギ類の中で何故アオサギばかりが海で目立つのかというのは、一つ気になる点ではあるけど。
ウミネコがたくさんいる理由はさっぱりわからない。なんとなれば、大阪湾にウミネコの繁殖地はない。昔からない、いまだにない。播磨灘にも知る限りウミネコの繁殖地はない。紀伊水道の南の方にようやく繁殖地。まさかそんなに遠くで繁殖してるウミネコが出張してきてるわけでもないだろう。というわけで、大阪湾にいるウミネコは繁殖に参加していないことになる。若い個体もいるけど、成鳥に見える個体も少なくない。なぜ繁殖しないんだろう? 繁殖できなくても、せめて繁殖地にいかないのは何故?
大阪湾のウミネコは、冬よりもむしろ夏に多いように思う。少なくとも湾奥部ではそう。大阪湾全体でのウミネコ個体数の季節変化がどうなっているかは、来年の今頃明らかになってるだろう。
ウミネコの非繁殖個体については、以前から気になっていた。でも、今日むしろ気になったのは、非繁殖個体が繁殖期も越冬域に残るのだとしたら、どうして夏の大阪湾にはセグロカモメやカモメやオオセグロカモメが残ってないのだろう? ユリカモメは少し残ってるようだけど…。
残された家族はいろいろと迷惑だったりするらしい。昨年は、けっこう名の通った大阪の鳥屋が二人、相次いで亡くなられた。で、今日、その後の話を聞く機会があった。
一人は大量の本を残されたらしい。その整理に処分に、遺族や関係者はたいへんらしい。もう一年も経ってるのにまだ大変なんだとか。
で、もう一人は、本はそこそこなんだけど、その他に大量に残した物があるらしい。鳥の剥製と死体。剥製作りが趣味という方だった。膨大なコレクションの全てを、生前に某博物館に処分した。でも、それから死ぬまでにまだ剥製を作り続けたらしい。剥製を作るには道具や材料がいる。中でも重要な材料は、鳥の死体。いろんなツテを頼って、たくさんの死体を集めておられるとは聞いていた。ご自宅にある冷凍庫にいっぱい詰まってるのも見せて頂いたことがある。が、今日聞いた話はそんなもんではなかった。すごいわ。幸いその死体は、生前から懇意にしていた某剥製屋が引き取ってくれたとのこと。剥製屋としては、材料が手には入って有り難い話なんだろうなと思う。で、最後まで困ってるのは剥製なんだそうな。涼しくなったら見せてもらいに行こう。
お二人とも本人は鳥大好きだったが、ご家族は鳥にまったく興味がないらしい。むしろ奥さんは、鳥を止めて欲しかった様子。鳥好きでもない家族に、大量の鳥関連グッズが残される構図。
大量に物をため込む輩は、自分も含めて身の回りにたくさんいる。そんな御仁は、死ぬ前にその処分先の手配くらいはしておいた方がよさそう。でないと家族が迷惑するらしい。他人事ではないな〜、と思った。
具合の悪いドバトがいるというので、引き取った。普通は死体は引き取っても、生きたのは引き取らない。でも、ご近所のよしみで断りにくかった。というのが実情。もう一つ理由があるとしたら、可哀想だけど、すぐに死ぬに違いないと思ったからでもある。
届けられたドバトは、意識はあって、立っているのだが、なぜか頭を曲げて下を向いたまま。放してみると、下を向いたまま歩く。頭を上げられないらしい。時々、頭が痙攣してる。油断してたら、飛び立ったので驚いた。でも真上に上がって、天井にぶつかっただけ。普通なら窓を目指すのに。
たぶん何かに頭から衝突して、脳を損傷したんだと思う。医者に見せても出来ることはなさそう。時間が解決するか、様子を見るしかない。
ドバトを受け取ったのが、先週の木曜日。箱に入れて、暗くして様子を見ることにした。
金曜日、てっきり死んでると思ったら、生きていた。でも頭は下げたまま。
土曜日は見なかった。日曜日、まだ生きてる。それどころか、驚いたことに頭が持ち上がってきてる。ただ頭は傾いて、痙攣してる。
月曜日、頭を普通に上げている! まだ痙攣はしてるけど、どんどん復活してる。
そして今日。箱の中でパタパタ暴れてる。まだ少し様子は変だけど、かなり元気。
もしかしたら、まだ早いかもしれないけど、暴れる元気があれば放すのが基本方針。死んで帰ってくるかもしれないけど、放すことにした。
いつも、地上でドバトがたまってる場所に持っていって、地面に置いた。すぐに嬉々として群れに加わった。すぐに馴染んだ様子。夜、みんなと一緒にねぐらに向かえるか少し疑問もあるが、そのままにしてきた。
あのまま元気に暮らしますように。それにしても、ドバトの回復力には驚いた。
でっかいマムシをもらった。凍ってる。それも、かっこいい格好。寄贈者は、凍結乾燥標本を希望。せっかくかっこいい格好で凍ってるから、このままいけるはず!って感じらしい。でも、冷たく却下してしまい、液浸標本にした。
液浸標本なら、あとから色々と研究に使える。胃内容物を調べることもできる。皮など外見は残して、ホネを取り出して調べることもできる。それなりに曲げることも伸ばすこともできるので、測定にも便利。
それに引き替え、凍結乾燥標本にしてしまうと、もう中身を調べるのは難しい。パサパサで曲がらない。メリットがあるとしたら、ホルマリン固定しないから、DNAが使えるということくらいか。
そういえば、昔、某大学にいた鳥の大先生が、鳥の標本も剥製は面倒なので、全部丸ごと凍結乾燥標本にしたらええねん。という発言をしていたのを思い出した。
皮を剥いて、中身と皮を保存しておけば、両方いろいろ使える。でも、凍結乾燥標本では、中身がもう使えない。何より、性別の確認ができないじゃないか! と思った。
その大先生が、標本を使うと言えば、嘴の形とDNAくらいだったっけ。それなら、凍結乾燥標本で充分かもしれないな。
今日は1日、鳥を捕っていた。
最終の電車に乗って、日が変わった頃に最寄駅へ到着。駅で約2時間仮眠。迎えの車に乗って、バンディングをしている網場に到着。作業は明るくなってからなので、再び1時間半仮眠。
午前5時半。最初の見回り。朝方は鳥がよく捕れるので、30分に一回の見回り。昼前頃から鳥があまり捕れなくなるので、見回りは1時間に1回に。鳥がほんとに捕れないと、1時間程度の仮眠をはさむのだけど、今回は毎回少しは捕れるので、ほとんど寝る暇がない。
それでも、見回りと見回りの間にけっこう時間ができる。その間は、お菓子を食べたり、本を読んだり、鳥について話をしたり、ハンモックに揺られてみたり。なんとも優雅。でも、暑いので日陰にいるのがマスト。時間と共に日陰が移動するので、それに合わせて作業のための机や椅子も移動という作業がはさまる。
暗くなると、夜の鳥狙いに変更。今日の狙いはヨタカ。暗くなるとできることが少なくなる。ヨタカが飛ぶのをながめたり、空をながめたり。星座、人工衛星、流れ星。空を見てるとけっこう時間が経つのを忘れる。まあ、ふと気付くと寝てしまっていて、みんな見回りに行った後、といったこともなくはない。
できるだけ最後まで粘って、最終の連絡の列車に乗って帰ってきた。帰ってきたら日が変わる頃合い。ほぼちょうど24時間のバンディングの一日だった。
今年はGに悩まされたけど、この1週間ほどの様子からすると、どうやらG退治に成功したらしい。
GはゴキブリのG。
今日は博物館実習生という方々が5人も手下についた。なんとなく、博物館に興味はあるけど、博物館でどんな事が行われているかあまりわかっていない人たち(若干1名、よく博物館に遊びに来る奴が混じっていて、何しに来てるん?とみんなに言われていたようだが)。おおむねみなさんやる気はあるんだけど、中には微妙な人がいることも。やる気があっても、仕事をどう進めたらいいか、さっぱりわかっていない人たち。
こんなに一から十まで教えないと、うまく働けない手下も珍しい。何か説明し忘れると、すかさずそこをついたミスをしてみせてくれる。それでいて、真面目に教え込んでも一日だけのつきあい。
正直に言うと、何をしてもらえばいいのか、悩むんだな。というわけで、単純作業をしてもらうことにする。多少の失敗は許せるという仕事が中心。絶対ミスってもらっては困るポイントは必ずチェック。というわけで、例えば、
標本ラベルを取り付けてもらう(ラベルがはずれないか必ず確認)
標本を入れる箱を組み立ててもらう(これはミスっても許す!)
収蔵庫で防虫剤の補充(これは任せても大丈夫)
標本の登録作業(側について見張るor出来たのをチェックすかさずダメ出し)
とまあ、お互い慣れない作業で大変。でもその一方で、日頃ため込んでいる標本の整理作業が、一気に進むのも事実。なんやかんや言って、一度に人手がかけられるのは有り難い。
というわけで、実習生のみなさまお疲れさま。おかげで、長らく気になっていた標本整理作業が進みました〜。
この8月は、記録がある中で今までで一番暑かったそうな。大阪府は日本全体でも有数の灼熱地帯。そしてここは、ヒートアイランド真っ只中の大阪市内。
あえて自慢しよう。クーラーなしでこの8月を乗り切ったと。昼間の職場などにはもちろんクーラーがあるが、我が家にはクーラーがない。クーラーなしで、灼熱の大阪の熱帯夜を乗り切ったのは間違いない。
なんてエコなんだろう。みんながクーラーを使わなければ、きっとCO2削減効果も満点。いかにしてクーラーなしで熱帯夜を乗り切るかを、広く伝えねば!
クーラーなし、扇風機なしでは、さすがに持たない。熱中症にもなりかねない。ほかに必要なのは、換気扇とシャワーと水。
とにかく窓は全開。服は最小限。風通しがいい家ならいいけど、出なけりゃ換気扇も全開。で、扇風機も最大出力。
家に帰ったら最初にする事は、室内の温まった空気を追い出すこと。最初は扇風機を上向きに。とりあえず、水のシャワー。出来るだけ濡れた状態で扇風機の前に。部屋の中に塗れタオルなどをぶら下げて、扇風機をあてる。ベランダには打ち水。とにかく風と気化熱を最大限利用。
あとは、暑くて死にそうになったら、死ぬ前に水浴びて、扇風機の前に。を繰り返す。なんとか夜を乗り切ったら明け方には寝られる。
では、健闘を祈る。一つ気になっているのは、これってクーラー使うより電気量使ってないのかなぁ?
今日、とある会議で教えてもらったのでメモメモ。
企業のCSRでは、目に見える結果が出る活動が好まれる。木を植えるのは大好き。目に見える木が生えるから、後から成果が見えるから。ゴミ拾いも割と好き。集まったゴミという成果が目に見えるから。まあ、綺麗になった河川や海岸も目に見える。でも、自然観察会的なのはダメ。成果が目に見えないから。さらに言えば、成果は人の成長となって現れるはずだが、人の成長は目に見えにくい上に、必ず達成されるとは限らないから。
つまり、明らかに目に見える結果が、短期間で得られるものがよいのだな。見えないものは、ないのだよ。長期的視野もないのだな。
企業の悪口を言ってるみたいだけど、これって、近頃の教育にも当てはまりそう。研究者の置かれている立場にも当てはまりそう。すぐに見えないものは、ないとしか評価されない状況は驚くほど多い。
もちろん、そんな企業ばっかりではないことは付け加えておこう。もっと意識の高いCSR担当者、企業人もたくさんいるはず。残念ながら、まだ多数派ではないらしいけど…。
というわけで、現時点で企業のCSRと付き合うなら、短期間で目に見えるものがえられる提案をするのがベター。長期的視野をもって本質的な問題に取り組む姿勢をいきなり獲得してもらうのは無理なので、気長に付き合いながら、少しずついい方向に向かってもらうしかないって感じ。
らしい。あくまでも全部伝聞。
昨冬は、鳥のサークルで大阪のホオジロ類の分布調査をした。面白かった。繁殖期の分布調査もいいけど、越冬期もいいなぁ。
そう言えば、大阪府の鳥類目録作りに巻き込まれていたっけ。越冬鳥の分布も調べなくっちゃ。
越冬期の分布を調べたい鳥と言えば何かなぁ?
普通の分布調査ではないけど、もう一つやりたい調査を思い付いた。
ミヤマガラスの採食範囲の調査。大阪府では、枚方市の山田池公園だけをねぐらにしてる。これが昼間どこにいるかを探す。
みんなで手分けして、山田池公園から半径10kmくらいの田んぼをウロウロ。見つけたら、継続観察して山田池公園方向に飛んでいくかを確認。
同時に何人もが散らばって調査するので、相互に連絡を取り合いたいところ。Twitter使えないかな? 調査参加者に事前にTwitterに登録して、携帯で使えるようにしておいてもらい。ハッシュタグ決めるかリスト作って、その場でやり取り。参加できる人少ないか?
見つけにくい。この1ヶ月ほど探しているけど見付からない。机の上も、コンピュータの周りも、探したけれど見付からない。まだまだ探そうにも、あとはどこを探したらいいんだか。というわけで、そろそろ踊ろうかなって感じ。
半年ほど前に、淀川で拾ったという鳥の羽根を預かった。名前を調べてくれと言う。水辺で拾った羽根を調べるのは面倒。カモの羽根とか、標本と見比べたら分かるんだけど、一々比べないといけない(ちゃんと覚えてないのが悪いと言えば悪いけど)。時間がかかる。というわけで、後回し。ただ、中にタカ類っぽい羽根が混じっていて、これなら比較的簡単にわかるかも、と思った。
タカの羽根だけ出して、調べなくっちゃと思ったまま、忙しさにかまけて数ヶ月。そろそろ調べようと思ったら、羽根が見あたらない! でも、また忙しくなって数ヶ月。調べなくっちゃ! と、その前に羽根を見つけなくっちゃ! ということで、羽根を探し始めた。
当初はコンピュータのキーボード周りにあったのは確か。コンピュータの周りを徹底的に探した。コンピュータの周りは片付いたが、羽根は見付からず。そういえば、コンピュータを引越させた時、羽根を机の方に引越させたかも。というわけで、机の上を探しまくったけど、机の上が片付いただけ。
羽根を調べようとして、図鑑にはさんだ? 未整理の羽根の中に入れた? まさか他の標本と一緒に? いろんな可能性を考えたけど、見付からない。論理的に思いつく場所はすべて探した気がする。羽根を捨ててることはないと思うけど、どこかに紛れたらしい。となると、見つけるのは至難の業。
探すのを止めた時、見付かる事は、よくある話?
9月から、3年近くかけて、大阪湾をテーマに調査することになる。で、どんな鳥の調査をするかをそろそろ考え始めなくては。というわけで、一発目は序である。この後、破があるに違いない。
2000年度の冬に鳥のサークルで、大阪湾岸のカモメ類の分布調査をした。データをながめると、大阪府46ヶ所、兵庫県44ヶ所を調査している。すごいな〜。主に狙ったのは、河口と港。淡路島は車で海岸沿いを走りながら、これはという場所で、カモメを数えたっけ。
今回はこういった単発調査ではなく、月1回程度のカウントを繰り返して、季節変化や年次変化をとらえたいと思う。調査地点は少なくなっても仕方がない。その代わり、少なくとも1度は同規模の分布調査をしてみよう。
で、問題は定点観測地点として何ヶ所を選定するか。
2000年度の調査で100羽以上のカモメ類を記録した場所。
大阪府:安治川河口+大阪港、大和川河口、高石漁港+浜寺水路、大津川河口、岸和田貯木場、岸和田漁港、佐野川河口+佐野漁港、泉州港、樫井川河口+岡田港、男里川河口、西鳥取漁港、深日港、落合川河口+谷川港
兵庫県(淡路島以外):武庫川河口、鳴尾川河口+浜甲子園、夙川河口+御前ノ浜、兵庫運河、塩屋川河口、福田川河口+垂水港、明石川河口
兵庫県(淡路島):岩屋港、仮屋港、生穂漁港、塩田漁港、新川口、今川口
大阪府13ヶ所、兵庫県7+6ヶ所。淡路島以外で20ヶ所決めて、淡路島は車で月に1回流して数えるかなぁ。
結論から言えば、とにかくキノコにこだわりまくれ。これに尽きるかと。
まず第一に、店で出てくる料理にはすべてキノコが使われていて当然。飲み物にもこだわったらいいだろう。キノコ入りのカクテルとか、キノコジュースとか?
壁紙、食器、小物にいたるまで、キノコにこだわるのも、ほぼマスト。キノコのポスターや絵、キノコの絵本や図鑑もそろえておいて欲しい。マスターがキノコの着ぐるみを着ていてもOK。料理からどんどん離れていくけど、そうとう方向を間違っていても、こだわり抜いていればそれはプラス評価。少なくともキノコマニアはくり返し来てくれるだろう。意味の分からないこだわりが口コミでマスコミで広まれば、マニアでなくても来てくれるに違いない。
もちろん、まっとうにはキノコ料理の味にもこだわって欲しい。でも、美味しい事は、必ずしもマストではないだろう。最低限、市場に出回っているキノコは一通り食べさせてもらおう。それでこそのキノコ料理店。可能なら市場に出回ってない、野採りのキノコも食べさせたいところ。何月には何やら茸が食べられる。となれば、それを食べるために来る輩もいるはず。滅多に手に入らない、なんたら茸が今日は運良く手に入りましてね〜。とかいう経験でもしたら、絶対にまた来る。
食べてまずかっても、それはそれ。話のネタになればOK。あとは、マスターのキノコ話というおまけがあれば、リピーターは増えること受け合い。なんとか菌類談話会の定例会があってもいいね。
もちろんキノコ料理屋の話は、あくまでも例え話。差別化ってそんなもんかと。大企業に太刀打ちできない零細企業は差別化しなくっちゃ。
今日は、外食が多かったのでいろいろ思った。どこでも食べられるような物を出す店になんか、再び行ったりするもんか。
松原市のとある池。記憶が確かなら、一昨年の今頃はオニバスがけっこうあるものの、池の大半はホテイアオイに埋め尽くされていた。紫の花が綺麗だった。記憶が確かなら、昨年はオニバスとホテイアオイがほぼ半々だったはず。で、今年。ホテイアオイは端っこにわずかにあるだけで、池の大半はオニバスに埋め尽くされている。
先週の金曜日は、ニワトリの手羽先を買ってきて、ホネ標本作りの実習をした。パーツが少ないから簡単! 昨日は、ニワトリの頭を買ってきて、ホネ標本作りの実習をした。みなさんけっこう手間取っていた。失敗もしまくり。意外と難しいらしい。来年はどうしようかと、悩み中。
昨年は、手羽先とカエルの全身骨格を作った。
手羽先は簡単だった。カエルの全身骨格は、カエルの死体を1匹渡されるとは思ってない人もいたようだが、まあ全員なんとかそれらしくはなった。今年カエルを使わなかったのは、カエルの冷凍ストックがなくなったから。昨年はオオヒキガエルにウシガエルと特定外来生物がいっぱいあったのだが…。
手羽先はとてもよい材料。その上、高校の教科書でも取り上げられていたりもする。となると、こちらも取り上げ甲斐があるってもの。手羽先だけという手もあるけど、もう一つ何かあるといいなぁ。
というわけで、カエルとニワトリ頭以外の候補を考えてみよう。うーん。マウスかな? 昨年、某大学でマウスとラットはしてもらった。けっこう手間取っていたけど、なんとか出来ていた。大きなラットの方がやりやすいかと思ったけど、意外にもマウスの方が速かった。マウスやってみる? でも、ニワトリ頭よりさらに難易度上がってない?
京都市の市街地にあるツバメの集団ねぐらを見に行った。ツバメの電線ねぐらを見るのは、随分前に広島県廿日市市に行った時以来。街路樹ねぐらを見るのは、数年前に兵庫県の阪急駅前のを見た以来。面白かった。ツバメって何を考えてるんだろ、と思った。
ツバメが集まって寝てるのは、京都の市街地のとある駅前の交差点周辺。イチョウの木4本と、その間の電線。
木にとまりに来てるツバメの様子を見てると、カワウと似ていて面白い。飛んできて、ある枝にとまる。その枝が気に入らなかったら、スズメやムクドリなら、枝沿いに歩いて移動しそうなもの。ても、カワウやツバメは枝づたいの移動ができない。足が短いというのが大きいだろう。かといって、近距離を飛んで移るのもできない。小回りのききそうなツバメも短距離を飛ぶのは苦手そう。というわけで、場所を変える時は、一度飛び立ってからグルーっと回って、別の場所にとまる。その様子はカワウそっくり。というわけで、ツバメは木の中の方にはとまらない(とまれない)様子。数えやすくてグー。
さらに言えば、電線にとまってるツバメも、木にとまっているツバメも、その多くは街灯の光が当たって、腹が白く見えている。街灯が明るいからと言うのもあるけど、むしろ明るい場所を好んでいるからではないかと思う。電線の一番高い段ではなく、下の方の段にばかりとまっているのも、光が当たってるからではないかと思う。かといって、こっちの方が明るいけどな、と思う電線にはとまってなかったりする。
近頃は、夜中に動いているカラスも多い。街灯の当たってる明るい場所で遊んでいたりする。明るい場所にとまってるのって、危険ではないのかな? それともカラスに早く気付いて逃げるのにいいのかな?
日本野鳥の会の研究誌Strix。2008年3月の発行をもって一度休刊していたが、今年度(つまり2011年3月発行?)から復活するとのお知らせが来た。これは目出度い。
アマチュアが鳥の調査をして、日本語でまとめて発表しようとすると、意外と載せる雑誌がない。日本鳥学会の和文誌や山階鳥類研究所の雑誌は、アマチュアにはなかなか敷居が高い。BINOSというアマチュアベースの鳥の雑誌もあるが、これは神奈川県限定。全国誌がない。
関西なら、関西自然保護機構会誌とか、大阪市立自然史博物館友の会会報Nature Studyとかもあるだろう。でも、知名度や載せられる分量が微妙。そんな中でアマチュアが鳥の論文を発表できるStrixはとても貴重な存在だった。
それが休刊になった時には、日本各地で涙にくれる人が続出した。に違いない。たぶん。少なくとも心の中で涙を流したであろうことは想像に難くない。
どうして、Strixの復刊を知ったかというと、お手紙が来たのである。抜粋して紹介しておこう。
「Strix査読者の皆さま
(前略)Strixは一昨年、いったん休刊となりましたが、これまで長く続いてきた野鳥の会の学術研究誌として、復刊を望む声が大きく、今年度から復刊の運びとなりました。
(中略)査読のお願いが行きましたら、どうかこれまで通り、こころよくお引き受け下さいますよう、お願い致します。
ひとつお願いですが、Strixの査読は、rejectするためのものではありません。(中略)どうか、コメントは(中略)やさしい言葉遣いでお願いします。(以下略)」
要約すると、Strix再開するから査読をお願いね。その際、rejectせずに掲載する方向でやさしくコメントしてね。ということらしい。安易にrejectせずに、なんとか掲載できるようコメントしよう、ってのは同意するけど。けっこう大変なこともありそう。
と他人事のように思ってたら、いつの間にかStrix査読者に加えて頂けてるらしい。Strix再開を望む声を上げた一人なので、査読は断りにくい。が、つまり仕事が増えるって事かぁ。と思わなくもない。
マンション最上階の我が家には、例年基本ゴキブリはいない。夜、開けっ放しの窓から飛び込んで来る事はあるけど、数日以内に撃退に成功する。
が、今年は様子が違う。梅雨時から、小さいゴキブリが出現。さては卵嚢が孵化したか。毎日のように殺すのだが、いなくならず少しずつ成長してる様子。
しばらくすると、また小さいのがたくさん現れだし、二つのコホートを毎日少しずつ退治してる感じ。
不思議なことに、飛ぶような成虫は一度も現れない。
出現場所は、圧倒的にユニットバスと、台所のシンク。水が好きなのかと思ってたけど、完全に乾燥してても、いてる。ユニットバスはむしろ乾燥してる時に見かける。
最近思うのだけど、ゴキブリは我が家で発生してるんじゃなくって、下水管を通じてやってきてるんじゃないだろうか? それなら成虫を見ないのに、新たなコホートが出現する事も説明できる。
そして、昨年から我が家の排水口には、トラップ、というのかな、金属の釣り鐘みたいなアレがない。排水口が直接下水管につながってるだけって構造に変わってる。
出掛けるとき、寝るとき、排水口をふさぐことにした。めっきりゴキブリを見なくなった。排水口をふさぐのを止めて、再びゴキブリが増えたら、仮説の証明は完璧。でも、証明は止めとこう。
一年以上先のことだけど、いやむしろ先の事だけに、忘れないように記録しておかなくっちゃ。
とある施設のこの夏の光熱費の数字を見せてもらった。昨年比で2倍以上かかってる。洒落にならん。
他人の家庭のことに口をはさむなんて、あんた何様。ってなもんではある。もちろん通常ならそんなことはしないのだが、この家庭はとても心配というか、どうなるか楽しみ。じゃなくって憂うべき事態が確実に待っている。で、それをみんなで楽しみに待とう。じゃなく、憂うべき事態に備えようというわけ。
予備知識として重要なのは、動物好きの家族だということ。すでに鳥だの、爬虫類だの、虫だの。いっぱい飼ってるらしい。ここまでなら、この業界界隈では比較的よくある家庭かもしれない。
もう一つ特徴的なのは、どうも飼育が上手らしいということ。飼育動物がなかなか死なない。のみならず、繁殖にも成功してしまうらしい。それだけ聞けば、良いことに聞こえるけどね。
件の家族と、近頃、一緒にフィールドに出掛ける機会が多い。たとえば多くの知り合いの虫屋は、標本採集を行うが、この家族は標本のためではなく、飼育のために採集したがる。
この10日ほどの間に、知る限りキアゲハ幼虫、カブトムシ、カマキリ、クモ、カニなどが新たに家族に加わっている。ここで注目すべきなのは、カブトムシとカマキリである。
カブトムシは以前から飼っていて、昨年繁殖に成功したせいで、すでに10匹以上のカブトムシを飼育しているという。なのに、カブトムシを見つけたら、連れ帰っていた。とはいえ、カブトムシ狙いでウロウロしているわけではないので、野外でカブトムシを採集する機会は少なめ。家庭でのカブトムシの増殖速度は、ほぼ繁殖成功度に左右されるだろう。
カマキリは、今まで一緒に出掛けて、4匹見つけて、4匹とも持ち帰っている。繁殖させたいとまで口走っている。カマキリなんて普通なものは、野外に出かけるたびに数匹捕まえられる。秋なんてカマキリ採集のシーズンと言ってもいいじゃないか。年内は、野外に出掛けるたびに、カマキリが増えて行くに違いない。そしてそれが繁殖に成功した場合、来年には…。
数年後を語るまでもない。来年の今頃、その家庭は、カブトムシの飼育ケースに埋め尽くされ、家の壁の隅々にまでカマキリが引っ付いている。共食いさせないために、カマキリ用の餌の確保に家族は追われ、カブトムシの餌代で家計は逼迫。かくして、昆虫家族は、一家離散という運命が待っているに違いない。
というわけで、みなさん楽しみに待ちましょう。じゃないや、憂うべき事態に備えましょう。ってなにすればいいんだ? カマキリ見せないとか?
注:ここに書いたことはフィクションです。実在の家庭とはいっさい関係がありません。ものすごく心当たりのある家族があっても、いっさい関係がありません。間違いなく関係はないのです。インスピレーションを得ただけ。
今日は、4羽の鳥の羽根を洗った。というより乾かした。鳥の羽根の洗濯は、洗い自体よりも乾かし方がポイント。あなたもすぐに出来るように、羽根の洗い方を指南しよう。今日を入れて、5羽しかやったことないのに、偉そうに。
ツバメの集団ねぐらの観察会に行った。子どもが色々質問してくる。なかなかうまく答えられない。
どうしてヨシ原に集まるの?
どうしてかな。実際、電線や街路樹のねぐらもあるんだし。どうしてヨシ原にこだわるんだろ?
どうしてグルグル飛び回るの?
確かに、朝の飛び立ちの時は、飛び回らないっていうしね。
どうして、低く飛んだり、高く飛んだりするの?
うーん。
もっと簡単な質問はないのかな?
今日は、キノコ好きの中学生さんとお話しする機会があった。キノコ好きなのは知っていた。キノコの標本を見たいとか、キノコの観察会をして欲しいとか。散々キノコのリクエストをするんだから。野外でキノコに出会ったら、もちろん喜ぶのだが、その後が面白い。採集するんだな。採集はするんだけど、キノコを採集するのは可哀想なのでと言って、菌糸を採集。家に持ち帰って、庭に植えるらしい。聞けば、その後キノコが生えることはなく、とても残念に思ってるらしい。
今日、キノコの専門家に会わせて見ると、いろいろと熱心に質問していた。単なるキノコ好きの変わった奴、と思っていたけど、本当にキノコが好きなんだな、と納得。庭にキノコを生やしたければ、古くなったシイタケ栽培のホダ木でももらってきて、庭に置いておけば? とキノコの専門家に言われて、納得していた。実践するのかもしれない。
その後、キノコの標本の作り方について、いまキノコの専門家から教わった事を熱く語ってくれた。ほんとにキノコ好きなんだねぇ。
思えば、大学生の頃、ここまでは行かないが、そこそこキノコ好きだった。近所の公園でキノコを採っては、キノコのS先生(キノコとモグラの話ばがりするあの方)のとこに持っていったりしていた。S先生は分類屋ではなく、むしろ生態屋。キノコの種類はあまり分からない。それでも頑張って調べてくれて、たいていわからないという結論になっていた。
その時、キノコの種名がばんばんわかっていたら、今でももう少しキノコをしていたのかもしれない。キノコの名前ってたいていわかんないんだぁ。と思った。そして、標本にして保存するのも面倒。というか、普通に作れる標本はとても残念なもの。以降、食べる以外にはあまりキノコに興味を持たなくなった気がする。
キノコ好きの中学生さんは、毒キノコが好きらしい。一度ベニテングタケを食べてみたいと言っていた。まさか毒キノコの試食が趣味なんじゃないだろうな? とちょっと心配になった。
南の島で一週間。種子島で3泊、屋久島で3泊して帰ってきた。楽しかった。また行きたい。すぐ行きたい。マンゴーとパッションフルーツを食べたい。
というのは、さておき。ロケットの種子島。屋久杉な上に、世界自然遺産の屋久島。こと、ロケット打ち上げを除いたら屋久島の圧勝。というのが、世間一般のイメージだが、そうとは限ら無いんじゃないか。という事で、あえて種子島を持ち上げてみよう。
屋久島と言えば西部林道。知り合いに屋久島を話題にするのが、けっこういる。サル屋のみならず、鳥屋からも屋久島の話を聞かされる。そこでよく出てくるのが西部林道。という訳で、かなり気になる西部林道に初めて行った。
ヤクシカはひょこひょこ出てくるし、ヤクザルは見られるしで面白かった。
ヤクシカは屋久島の各地の林道で見れたが、ヤクザルはここでしか見られなかった。そもそもサルが木の上で採食してるのを見たのは初めて。
最初は、声しか聞こえなかった。周辺にけっこう散らばっているらしい。時おりあっちからホエという声が聞こえる。するとあっちでも、こっちでも、ホエッ、ホエッという声。
いったいどこにおんねん! と思ったら、目の前の木に乗っていた。ウラジロガシの葉っぱを食べてる。目の前にいる人間はまるで無視。さすがは屋久島のサル。ときおり、ホエッと鳴く以外は熱心に食べるだけ。やがて枝づたいに、バリバリノキに移動。今度は花芽を食べてるらしい。やがて少しずつ道から離れていった。
今日、種子島3日目にして、ようやくシマメジロとタネヤマガラを見た。ちょっと嬉しい。
昨日から種子島。昨日は夕方着いて、西之浦市の市街地周辺をウロウロしただけだった。が、今日は中種子町の長ーい砂浜をウロウロした。事実上のビーチコーミング対決。
ヤシの実を見つけ、ウミガメの腹甲を拾った時は、勝ったと思ったが、敵どもは手強かった。
ってか。まずヤシの実はいくらでも落ちているので、ポイントにならない〜。
今日は、自転車で大和川沿いを走り、水鳥のカウントをした。とにかく暑かった。この暑いのにランニングしている人がいて、ほぼ全員上半身裸だった。全員おじさんだった。
これだけ暑いと、ずっと外にいる鳥も暑いに違いない。ダイサギ、コサギ、ウミネコはいいけれど、アオサギはちょっと暑そう。カワウは熱射病で死なないのが不思議なくらい。今日は日向ぼっこせずに、水に潜っていたらいいのに。多数派は石の上に立っていた。何を考えているのやら。
世の中には、夏は黒っぽくなって、冬に白くなる鳥やら哺乳類がいるようだが、明らかに間違ってる。というか、これは確実に寒い場所での発想。大阪に暮らしていて、そんな事をしたらアホと言われるに違いない(大阪にはほとんど雪は積もらないので、冬に白くなる理由がそもそもないけど…)。
それに引き替え、人間様は万物の霊長と威張ってるだけあって、夏に白く、冬に黒く、衣替えをする。この衣替えは生後12〜18年経った個体の集団で顕著だけど、雄個体を中心に生後22〜60年経った個体の間でも認められる。暑さに対する見事な適応と言えるだろう。
そこで、見直すべきなのが、クロサギ。クロサギには黒いのと白いのがいる。本州辺りで見かけるクロサギは黒いのばかり。でも、沖縄の方に行けば白いクロサギをよく見かけるようになる。ざくっと言えば、北に行けば黒く、南に行けば白いのである。もっと詳しく日本周辺でのクロサギの白黒を調べた方がいたけど、あの論文はどこだっけ? というのはさておき。
地球温暖化が本当かどうかは知らないけれど、日本の夏が、30年前より暑くなってるのは明らか。昔はこんなに猛暑日なんてなかった(猛暑日という言葉すらなかった)。以前より暑くなっているので、夏に黒い事のデメリットは増えているに違いない。
というわけで、大胆予測をしよう。30年前より、日本周辺の白いクロサギの分布は北に拡がっている! 誰か調べないかな?
鳥の調査をしてみようって、勉強会。4月に続いて2回目の勉強会が昨日あった。だいたい初回は参加者が多いのだけど、初回でいじめるせいか、2回目以降は人数が減る。2回目以降は、初回に発表した調査計画に基づいて、実際にデータを採ってきて、それを軽く発表してもらって、またいじめるという企画。人数が減るのも無理はない。でも、今回は8人も生き残ったので驚いた。なかなか面白いデータもあった。この企画は、参加者が勉強するだけでなく、偉そうにしてる側も色々な事に気づけるのがいいところ。
他人のアイデアやデータを勝手に公表するわけにはいかないけれど、刺激を受けて思ったことを記録しておこう。
・鳥が林を選ぶ時、林の構造で選ぶと考えるのが普通だと思うけど、樹種で選んでるって事はあるのかな? ってか、どの程度あるのかな?
・たとえば、大阪各地の1990年代と2000年代(とくに後半)の山でのセンサス結果を比較したら、ソウシチョウとキビタキが増えたという結果がでるはず。そういえば、大阪の各地の山のセンサスを1990年代にしてなかったっけ? もう一度してみようかな。
・繁殖期のムクドリの成鳥だけの群れって、非繁殖個体からできてるの?
・カラ類が混群に加わる割合って、たぶん季節変化するよね。環境でも変化するのかな?
来週の8月4日の夕方から11日の夜まで、約1週間不在にする。種子島に4日、屋久島に3日の南の島ツアー。昨年末からここの予定は空けて、これに備えてきた。楽しみ。
だが、近づいてくると、違う感情が芽生えてくる。行くの止めようかなぁ。というのも、仕事が山のようにたまっている中で、1週間の抜けは仕事に大きく影響する。行かずに仕事をこなせば、どれだけその後が楽になるか。いやいやいやいや。そんなことを言っていてはどこにも行けない。今まで何度、それで断念した事があるだろう。断念してもたいして仕事は進まない。とはいえ…。
長期不在が近づいてくるともう一つ憂鬱になるのは、不在になる前に処理しておかないといけない仕事の多さ。なんか次から次へとあって、本当に行けるのか不安になる。
出発1週間前の昨日、出発前にこなす仕事のチェックリストを作成した。仕事は、25個。昨日と今日で、8個減らした。でも1個追加があった。残り18個。リミットまでに終わるんだろうか?
そもそも行く準備はいったいいつ出来るんだろう? やっぱり長期不在に出掛けるのは面倒。行くのを止めたら楽…?
【追記】
8月2日夜。明後日の今頃には種子島に向かう(というか宮崎に向かう)船の中。のはずではあるが、残る仕事は10個。今晩、少し減らして、明日が山場。果たして種子島に行けるのか?
先日、イシガメを探しに行った。飼育して生きたまま展示したいのである。
能勢町、豊中市、大阪市。近い過去にけっこう記録のある場所を巡ったのだが、見つけられなかった。見つけたら、何が何でも採ろうと意気込んでいたのに、影も形もなかった。見付かるのはアカミミガメばかり、ではないけれど、クサガメどまり。能勢町でアカミミガメばかり見つけた時には、世も末かと思った。
で、今日。リベンジ。だが、敷居が上がっていた。大きなイシガメを貸して頂いたので、とりあえず展示はできてる。だから、小さなイシガメなら欲しい。大きなイシガメすら見つけられなかったのに、都合良く小さなイシガメがみつかるとは思えない。ほぼ諦め状態。
とある場所、飼育して展示する用のサワガニを調達中。水際の石をひっくり返して探していた。でっかいゴミが落ちていたので、勢いでひっくり返したカメがいる。イシガメだった。ちょうど手頃なサイズ。みごとにミッション完了。
というわけで、狙ったターゲットを見事に確保する秘訣を伝授しよう。諦めるのである。それこそが、ターゲットを捕まえるコツ。どこかでイケズな神様が見ていて、見付かるかどうかをコントロールしているのである。そして、諦めたら登場させる。
探すのを止めた時、見付かることは、よくある話で。
とまあ、そんなわけで、イケズな神様の裏をかくのがコツ。諦めつつ、探すのは実は止めない。
ちなみに今日はこの後、ヤマアカガエルを探しに行ったのだが、これまた諦めたとたんに見つけることができた。あまり期待せずに見に行ったアメリカザリガニのポイントには、ザリガニがうようよ。経験的には、この作戦は鳥を見に行く時にも有効。ぜひお試しあれ。
大阪市内の水田、住宅地に囲まれ孤立した小さな水田にでもヌマガエルが生息している事がある。狭い田んぼだけで、それなりに世代を繰り返す事ができるらしい。
田んぼだけで、水辺の生物が暮らしていくには、水のない時期をどう乗り切るかが重要。ヌマガエルはどうしてるのだろう?
昨日は夕方、巨椋干拓地をうろうろ。しばらく田んぼの水は落とされていたらしく、田んぼはひび割れている。そこにちょうど水を入れているところ。スクミリンゴガイは、さっそく活動を開始している。一方、たくさんいるはずのヌマガエルはあまり姿が見えない。あちこちでピョンピョンしているのは、今年カエルになったばかりの小さいのばかり。大人のヌマガエルは?
単に大人のヌマガエルを見逃しただけかもしれないけど。ヌマガエルは夏の水のない時期、土の中で夏眠してるんじゃないかと、妄想してしまった。
夏休みと言えば、自由研究。自然史分野の研究を目指す人も多い。で、今日は、そんな人たちを応援する企画。
すでにデータがある人、データの目処がある人は、まとめ方の相談。テーマが決まっているけど、という人は、アプローチの仕方についての相談。テーマがぼんやりしてる人の場合は、一緒にどんなテーマにするか悩む。
こっちが答えをすべて提示してしまうと、自由な研究にならない。という訳で、ヒントは出せても、答えは出せない。
相談者は悩んでいるだろうけど、こっちも悩みは多い。
2代目のプロジェクトYが、今日をもって終了。2007年4月に始まって、足かけ4年のプロジェクトが終わったわけで、感慨深いものがある。が、その前には初代プロジェクトYというのもあって、これまた2004年から2006年まで、足かけ3年やった。合わせると、足かけ7年もプロジェクトYをしていたことになる。一層感慨深い。
で、一段落したと思ったら、次のプロジェクトはなんや? という話がさっそく持ち上がっている。市民参加の調査プロジェクト(プロジェクトYとは、ザクっと言えば市民参加の生物の分布調査のプロジェクトなのである!)は、今後も続けていこうということになっているので、当然の話題展開ではある。が、じゃあ次はというと、何をしよう? 腹案はあったのだが、どんでん返しがあって、完全な白紙に戻った今日この頃。そろそろ次を考えなくてはならない。
ちなみに大阪湾をテーマにしたプチプロジェクトが、来年度から始まる予定。これは、2011年から2013年まで。プチと付いてる理由は、広く市民参加という要素が薄めになるから。
というわけで、同時進行で、スタンダードスケールの調査プロジェクトを、別途考える事になる。
候補はいくつかあるんだけど、帯に短かったり、襷に長かったりする。
・プロジェクトI:Iは和泉のI。プロジェクトYでは、大和川水系と淀川水系を調べてきた。次に泉州を調べたら、大阪府全域がカバーされる。ただ、調査エリアがちょっと狭い。そして、奈良盆地をカバーしてる大和川水系、固有種が豊富な淀川水系と違って、話題が少ない、流域の人口も少ない。インパクトに欠けるというか、ちょっとマニアックかも。
・プロジェクトP:Pは決してプラナリアではなく、ため池(pond)のP。テーマ的には面白い。いつかはやりたい(少なくとも展示はしたい)。ただ、ここ数年続けてきたプロジェクトYとのかぶりが多すぎ。また同じメンバーががんばることにもなる。
・プロジェクト???:アルファベットは思いつかないけど、社寺林プロジェクトの案もある。水物を続けてきたので、水から離れるのはいいかも。ただ、だれがメインで頑張るかに若干の問題が…。
・プロジェクトC:Cかなぁ? とにかく都市の自然。都市の自然については積み重ねがある。何より身近で、とっつきがいい。多くの人が参加しやすいテーマ設定も簡単。悪くない。いつかはやりたいプロジェクトではある。というか、大都市大阪にいる以上、数年ごとに繰り返してもいいテーマ。
その他、言うだけならタダ。
・プロジェクト瀬戸内海
・プロジェクト紀伊半島
は、いつかはやりたいという夢のようなプロジェクト。どうやって全域を調べるんだ! という意見があるし、市民参加ってどうやって? というプロジェクト。
どれがいいと思う? あるいはもっといいのある?
実は一番深刻な問題は、誰が中心をはるかという点にあるのだけれど。
2日続けて、気付けば午前様で日記が書けなかった。でもそのおかげもあって、無事に今年前半の最大の山場を乗り切ったらしい。で、一段落。一段落ではあるけど、解放感はあまりない。なんとなれば、その後にたくさんの山が控えているから。
今年後半の最大の山は、11月に控えている。それに向けて、すでに少し登り始めているが、そろそろ真面目に取り組まなければならない。またもや心配事がたくさん。
さらに、数年間寝かせてある山が二つほど。これまた今年中に決着をはからなければならない。今日さっそく、独立した二つの方角から、プレッシャーがかかってきた。彼らは決して呼吸を合わせているわけではないと思うが、呼吸は見事に合っている。一つの山をクリアしたことに気付かれてしまっているのだろう。
というわけで、一つの山場を越えても、解放感はない。むしろ、一つの山に挑戦している間は、後回しにしてきた他の山が姿を現してくる。逆説的だが、むしろ山場を越える前の方が、一つの事だけ考えていればよくって、気は楽だったのである。今年中に三つの山を無事に越えられるかなぁ。
とりあえず一つの山を越えたら、しばらくは解放感にひたって、そのまま南の島に行きたかったなぁ〜。
そういえば、昨年も同じ頃にカエル採集指令が出た。ヤマアカガエル、ツチガエル、モリアオガエルを一日で採ってこいという無理難題であった。でも、その指令を見事にクリアして、俄然評価が上がった(はず)。
今年も採集指令が出た。アカミミガメ、イシガメ、イモリを採ってこい。ついでにアメリカザリガニとスクミリンゴガイも採ってこい。というもの。前の3者は、生品展示用。1匹ずつ採ってくればいいらしい。後の二つは、餌用と生品展示用を兼ねているので、たくさん採ってこいとのこと。
ちなみにアカミミガメとスクミリンゴガイは、近くでも採れるので。というより近くで採った方が楽。というわけで、当面のターゲットは、イシガメとイモリ。そして大量のアメリカザリガニ。この3つを一度に採れる場所は、あるような気もするけど、効率は悪そう。順番に確実な場所で狙おう。
というわけで、このために作成したかのような、分布図をながめながら作戦を練っているところ。結果がどうなるか乞うご期待。
なんだかんだで、昨年はけっこう早くから展示物が並んでいた。夏もそうだし、秋もそう。こんなに直前まで何にも並んでないのは久しぶり。
今年は、4月頃からフィールドをがんがん歩いていて。4月というのに真夏のように黒いと言われたもんじゃ。5月も出歩きまくり。6月なんて、30日中21日もフィールドに出ていた。あいつはいったい何しとんじゃ〜、と密かに言われていたもんじゃ。おかげで真っ黒、黒すけ状態。とまあ、太陽とはすっかり友達。だったはずなのじゃ。ほんの半月ほど前までは。
今日は、自転車でため池めぐり。いつもは2日に分ける行程を、無理矢理1日で回った。炎天下の街中を7時間自転車で走り回っていたことになる。暑かったけど、太陽は友達。自転車なので風も感じるし、走り回っている間は、暑さもほどほどと思っていた。
が、帰ってきて、しばらく経って様子は一変。顔、首、腕が真っ赤になってきた。みんなに何したん?と訊ねられる始末。最初は赤くなってるわ!と思っただけなのに、だんだん暑くなってきた。最初はクーラーが切れたからかと思ったけど、そうではないらしい。赤くなったところが熱を持ってきて、やたら暑いんだ。熱くて暑くて仕事にならないので、仕事を早めに断念。この忙しいのに〜。
というわけで、今日一日で、思いっきり日焼けしたらしい。というかほとんど軽い火傷状態。意味がわからない。4〜6月の日焼けはどこに行ったんだ? というか、どうやら半月もデスクワークをしてると、それまでの日焼けはキャンセルされてしまうらしい。せっかく焼けたんなら、一夏持てばいいのに〜。
間違っても日サロに行くのはやめよう。2週間も持たないのでは、お金がもったいない。
どうして家の近所で見ないんだろう?
ご近所で飼われていたスナメリが死んだらしい。可愛かったのに。生きてる間に見れなかった。で、死体をもらわないの? という声が聞こえてくるような来ないような。
私の記憶が確かなら、あそこは出来れば自分のところで標本にしようと思って、とりあえず保存するはず。まあ、予算がなくって、あるいは冷凍スペースに余裕がなければ、もらい手を求めるかもしれないが。で、それなりに交流はあるので、引き取り可能ならお声がかかるんじゃないかなぁ。と思っている今日この頃。
とはいっても、聞くところによると、淡路島の某所で死んだコアラは、焼却処分されちゃったらしい。もったいない! 常に死んだらくださいね。と言って歩くべきなのかもしれない。
でも、生きたのを可愛がってるところに、死んだらくださいね、ってのはちょっと言いにくくもある。ムッとされそう…。
来週にせまった夏の一大イベントの準備で忙しい今日この頃。なのに、気分はその後に行く予定の種子島、そして寄り道しての屋久島。島ハンターとしては、初めての島に二つも行けるのが嬉しい。
で、種子島や屋久島の事を考えると楽しいので、仕事が手に付かなくなる。それはまずいので、避けようとしてるのだけど。種子島が屋久島が向こうからやってくる。というより一緒に行く奴らが種子島や屋久島の話をしに来る〜。
学校が休みになったり。とかそういう事ではなく、野生生物にどんな影響があるのかなということ。とりあえず鳥について考えてみよう。
ここ数日、職場の建物の上にいるハシブトガラスの親子は、今日もやっぱり建物の上にいたようす。少なくとも小降りの時はいた。土砂降りの時はどうしていたのだろう? さすがにあれに濡れたら、元気ではいられそうにない。でも、クスノキの葉陰に入っても、濡れまくるのは変わりなさそうやけど…。
もう随分昔になるが、8月の夜半に台風まがいの熱帯性低気圧が通過して、大風と大雨があった翌朝。大量のスズメが死んでいた。昨晩も、風はともかく、何度も土砂降りがあった。スズメの集団ねぐらでは、巣立ちビナが大量死したりしてないんだろうか? 少なくとも普段の木の枝では、濡れまくるのは確実。土砂降りな日は、集団ねぐらに行かずに、個々に人工物で寝てる可能性はないんだろうか?
テレビを見ていると、京都の鴨川がかなり増水していて、高水敷きが水浸しになりそうだった。茶色い水ががんがん流れていた。
カルガモは、河川で繁殖することが多く、ヒナ連れで川をウロウロしてる。あの激流に巻き込まれたら、ヒナは間違いなく流される。海にたどりついたカルガモ親子はどのくらいいるんだろう?
鳥の研究者って雨が降ったらお休みが基本。台風や豪雨の時に調査するなんて思いもしない。けど、こういう極端な気象が個体群にどんな影響を与えるかは、もっと調べてもいい気がするな。まあ、そもそも鳥の個体群動態調べる人はほとんどいないけど…。
建物の上から、カァ〜、とかなり抜けたカラスの声。ハシブトガラスの巣立ちビナらしい。抜けた感じが可愛い。
大阪では、6月半ばにはたいていのハシブトガラスのヒナは巣立っている。巣立って1ヶ月から経つのにまだ親に甘えてるらしい。そして巣のあるなわばり周辺にいるようでもある。
一月ほど早く繁殖を終えたハシボソガラスは、親鳥ごともう見かけない。というか、ヒナが巣立ったら割とすぐにどこかに行ってしまうような…。
来年は、営巣が終わった後のカラスの家族をもう少し真面目に観察してみよう。
十数年、鳥の皮を剥いて仮剥製なんぞを作っているが、鳥の皮を洗ったことはなかった。そもそも最初の頃は、鳥の皮を洗えるとは知らなかった。洗えると知ってからも、具体的な洗い方を知らなかった。推測はできたのだけど、失敗したらイヤだなぁ、と試さなかったのである。が、昨年、ドイツの剥製師さんが洗ってるのを見た。というか、乾かし方を見た。なーんだ。そんなやり方で良いのか。と思ったけど、ちょっと面倒な気がしたので、洗わなかった。団長が、洗って見せてくれた。なるほどなるほど。と思い、今度洗ってみよう。と思ってからまた時間が経った。で、今日、初めて洗ってみた。簡単だった…。
というわけで、今日覚えた手順を記しておこう。
まず水洗い。汚れがひどい場合や脂ギトギトの場合は、中性洗剤を使って洗う。必要なら浸け置き洗い。押し洗い。汚れのひどい部位には、洗剤を直接付けて、柔らかい歯ブラシでこする。でもまあ、洗う前にできるだけ、肉や脂肪は除去しておくこと。洗剤で洗った後は、水でよくすすいで、洗剤を流しておく。
それから、絞らずに握ったり。タオルに挟んで押したりして、よく水を切る。あとはドライヤーで風を当てて乾かす。温風よりは冷風がよさそう。脂がこびりついていると羽根が乾かないのでやり直し。
結局のところ、髪の毛のお手入れと一緒。洗剤で洗う代わりに、有機溶剤でドライクリーニングもありかと。充分脂肪分を除去してさえいれば、風を当てればフワフワに乾く。時間はかかるが作業は簡単。
というわけで、自分の髪の毛をドライヤーで乾かしたこともないのに、鳥の羽根をせっせと乾かした。フラミンゴ1羽おおむね乾かすのに1時間ちょっとって感じかと。
今日、日本では数少ない鳥の分類屋さんのK大先生のお話を聞いた。関西のみなさんは、どうしてコゲラの亜種について調べないのかな? と厳しいお言葉。関西にいるのなら、コゲラを調べたまえ。とのお言葉頂いた。
日本鳥類目録改訂第6版(2000年)によると、
・コゲラ(Dendrocopos kizuki seebohmi)の本州での分布:滋賀、福井、京都以東
・シコクコゲラ(D. k. shikokuensis)の本州での分布:本州西部(三重、奈良、兵庫、鳥取)
大阪はどっちや!
あと、オオアカゲラ、キジ、ヤマドリの亜種も検討したまえ。次々と研究課題をいただく。忙しいなぁ。K先生もいまは京都におられるんだけど…。
同様にオオアカゲラは、
・オオアカゲラ(D. leucotos stejnegeri)の本州での分布:本州北・中部(青森、山形、栃木、群馬、千葉、神奈川、新潟、石川、山梨、長野)
・ナミエオオアカゲラ(D. l. namiyei)の本州での分布:本州中・南西部(静岡、京都、奈良、和歌山)
大阪はナミエオオアカゲラ?
キジは、
・トウカイキジ(Phasianus colchicus tohkaidi)の分布:本州中部(茨城、栃木、群馬、富山、長野以南)
・シマキジ(P. c. tanensis)の分布:伊豆諸島、三浦半島、紀伊半島…
大阪は??
ヤマドリ
・ウスアカヤマドリ(Syrmaticus soemmerringii subrufus)の分布:本州(北緯35度10分以南の太平洋側、千葉、静岡、三重、和歌山、山口)
・シコクヤマドリ(S. s. intermedius)の分布:本州西南部(兵庫県南部、鳥取、島根南部、岡山、広島、山口東部)
だから大阪は…。
そうそうフクロウも面白そう。
・モミヤマフクロウ(Strix uralensis momiyamae)の分布:本州北・中部(山形、千葉北部、新潟西部、富山、福井、長野、静岡、愛知、京都、鳥取)
・キュウシュウフクロウ(S. u. fuscescens)の本州での分布:本州中・南西部(千葉南部、静岡東南部、三重、奈良、和歌山、広島南部)
どうして大阪は必ず無視されるの?
きっと共同調査。データもらえそうなので、まとめ方を考えておこう。そもそもどんな場所のデータが欲しいか考えておこう。
そもそものきっかけは、マイフィールドの大阪市内の都市公園にはトカゲもカナヘビもいない!大阪市内の都市公園にはいないに違いない!と豪語したら、反論が大量にきたこと。あちこちの大阪市内の公園にトカゲやカナヘビがいるらしい。というかマイフィールドにもいるらしい…。でも、どこにでもいるわけでもないらしい。どんな公園にいてどんな公園にはいないのか。調べた例は知らない。移動力の低そうな、こんな小動物が大阪市内にけっこう生き残っているだけでも不思議。その分布を調べたら面白そう。
というわけで、とりあえずやみくもに出来るだけ多くの公園でトカゲやカナヘビがいるかいないかを調べたらいいのかなぁ。いるのはわかるけど、いないの判断基準はどうしようかなぁ。鳥の調査なら緑地面積との関係を考えるんやけど、トカゲやカナヘビの生息に関係があるのは、どんな要因だろう? もう少しよーく考えてから調査した方がいいかも。
スニーカーを買った。今まで履いてたスニーカーは穴が開いてしまったから。安物のスニーカーを買ったら、ソールがはがれて靴がドンドン分解するような形で使えなくなるけど、さすがはA社のブランド物は違う。底がすり減って穴が開くまで履けた。穴が開いた場所は、土踏まずのすぐ前よりの中央部。クロックスモドキと同じ場所。これは持ち主の歩き方の特性を示しているんだろう。あと、かかとの外側もかなりすり減っている。
かつては、1000円弱の安スニーカーを買って、短期間で履きつぶしていたものだ。が、それでは資源がもったいないし、経済的にももったいない。という指摘を受けて、ちょっと高いスニーカーを買うことにした。なるほどブランドは伊達ではないらしい。明らかに長持ちする。1000円のスニーカーがほんの2〜3ヶ月で壊れるのに、ブランド物は値段は3〜4倍くらいするものの、一年以上保つので、経済的にもお得。
というわけで、今回は前回の上を行く超高級品(自分的に)を買った。人生でこんなに高いスニーカーを買ったのは間違いなく初めて。おいらも金持ちになったもんだ(その分、長持ちしろよ!)。と思ったのだが、知り合いの中学生がその2倍の靴を買ってもらったと聞いて、少しショック。しょせんたいした金持ちではなかった。2倍する靴の寿命は、2倍あるんだろうか?
カジカガエルの写真を撮らないといけなくなった。そんなの簡単。と、軽い気持ちで、芥川に向かった。現実は甘くなかった。
摂津峡ならカジカガエルは腐るほどいるわ。と思って摂津峡に向かった。たしかにカジカガエルはいる。でも、昼間なので時々しか鳴いてくれない。それでもいるのは間違いない。どうせ水辺の石の上に乗ってるんだろう。と思って、石の上を双眼鏡でチェックするもいない。おかしいなぁ。河原に座ってカジカガエルが鳴くのを待つ。鳴いた! と声のする辺りの石をチェックしてもカジカガエルは見あたらない。おかしいなぁ。いままさに目の前で鳴いてるのに、1mほどしか離れてないのにカジカガエルの姿がない。えーい。と目の前の石を動かしたら、カジカガエルが飛び出して、どこかに行ってしまった…。しまったぁ。どうも、石の下で鳴いてるらしい。カジカガエルってそんな場所で鳴くんだっけ?
ちょっと場所を変えて見た。またカジカガエルの声。双眼鏡で見てみると、いた! ちゃんと岩の上に乗ってる。これなら撮影できる〜。とりあえず遠方から撮って、近づきながら撮って、最後は接写状態。やった〜。
と、思ったらあちでもこっちでも鳴きだした。見回すと、あっちやこっちの岩の上で鳴いてる。なんじゃこれ。ここやったら簡単に見付かるやん。
考えてみると、最初のカジカガエルが隠れて鳴いていた場所は、流れが穏やか。川の流れの中に岩はなく、岸寄りに石が散々している感じ。カジカガエルが見える場所で鳴いていた場所は、川の流れが速く(人間も流されそうになった)、川の流れの中に大きな岩がゴロゴロしてる。
流れの強さか? 岩の大きさ・分布か? どちらかは知らないけど、環境によってカジカガエルは鳴く場所を変えるらしい。環境で決まることを証明するために、移植実験をしたいなぁ、と思ったけど時間がなかったので断念。
昨日で、ここ数年かかりきりだった分布調査が一段落した。分布調査なので、その成果は分布図。分布図を13枚作った。1枚に複数種盛り込んだりするので、結局、哺乳類2種、鳥類約10種、は虫類(というかカメ)4種、両生類8種。もっと作れるけど、とりあえずはこんだけ。
2007年からあしかけ4年間の調査の結果。がんばったつもりでも、いざ分布図を作成しようとすると、情報が足りない…。もう少しがんばればもっと充実した分布図になったのに。今からでも調査に行けば情報を追加できるのに。といろいろ思うことはあるけど、キリがないのでとりあえずこれでお仕舞いにしよう。
月末までにもう少し追加するかもしれないけど。両生類2枚、鳥類3枚位は追加したいかなぁ。
というか、分布図作って満足せずに、むしろきちんと報告にまとめろよ、と自分に言っておこう。
今日は、一日かかって淀川水系(三川合流より下流とその支流、猪名川水系を含む)のカメの分布図を作っていた。時間かかった〜。時間はかかったけど、やっぱり情報が足りないので、完璧とはいかない。でもまあ、何かしら傾向は見えた気がする。
だれでも知ってることではあるが、大阪の河川やため池で圧倒的に目にするカメはアカミミガメ。平野から丘陵部での占有率は圧倒的。とはいえ、分布だけで言えば、クサガメの分布もさほどアカミミガメとは変わらない。というかほとんど一緒。生息密度で圧倒的に負けているだけ。
イシガメは、予想通りというべきか、山間部に強い。山間部だけならイシガメが優先すると言って良い場所は少なくないのかもしれない。生息密度は高くないけど。で、面白いことにイシガメは、けっこうアカミミガメが優先する市街地の河川やため池でも記録される。これが本当に野生の個体なのか、ペット由来の個体なのかは気になるところ。
スッポンは、平野部のカメ。それも河川でよく記録されている。場所による有無がはっきりしている。というか、明らかに目立って多いのが、千里川。ほかでは狙ってスッポンを見るのは難しそう。千里川はイシガメの観察例も多い。
ってゆうか、そもそも千里川はアカミミガメも含めてカメの生息密度が高い。どうしてなんだろう? だれかせっせと放してる人がいるとか?
この5〜6月、淀川水系(三川合流より下流とその支流)のコシアカツバメとイワツバメの分布調査をした。ほんの数年前にも調査されているのだが、数年単位での変化を押さえたいというのもあって、この忙しい2ヶ月に集中して調査した。前の調査で確認された場所はほぼすべてチェックした。
ほんの数年しか経っていないのに、イワツバメの躍進がめざましい。
大阪のイワツバメって、1980年代後半に初めて枚方市で見付かって、その後、高槻市と河内長野市に分布拡大。というより分布が飛び火。でも、枚方市はいなくなって。しばらく高槻市と河内長野市のツートップでがんばってきたのだけれど。ここにきて、高槻市で山手にどんどん進出しているだけでなく、枚方市で再燃。豊能町と能勢町を開拓。とまあ拡がりだけなら、大阪府北部をかなりカバーし始めた。
一方、コシアカツバメは衰退傾向が止まらない。北摂では、丘陵部での繁殖がほぼ見られなくなり、山間部に分布前線は後退したまま。そして北河内ので繁殖がほぼ消滅。
といっても、猪名川町や能勢町はいまでもコシアカツバメ天国。コシアカツバメが営巣してそうな建物には高い確率で実際に営巣している。
イワツバメが能勢町に進出していると言っても、所詮営巣しているのは河川の橋の下だけ。ただ、能勢町の橋の下からはコシアカツバメが撤退しつつあるようす。必ずしもイワツバメのせいではないとは思うが、イワツバメは、明らかにコシアカツバメが撤退した後に進出している。なんとなれば、壊れたコシアカツバメの巣の側に・中にイワツバメが営巣してたりするのだ。
なぜイワツバメは躍進しているのか? なぜコシアカツバメは衰退しているのか? 能勢町での橋の下からのコシアカツバメの撤退は、能勢町全体でのコシアカツバメの衰退につながるのか? 10年後を刮目して待て!
すでにこの2週間ほどの間に、2本も文章を書いたテーマなのだけど。また書いてみようかと思った。分布図って楽しいな。とくにヌートリアのように、侵入して、年々分布が拡大する様子をだいたい押さえている場合は。
諸君もよく知っているように、ヌートリアは最初淀川本流に侵入し。神崎川や大川に拡がり。やがて芥川などの支流にも広がった。さらに大阪平野に広く拡がり、猪名川を遡り能勢町や豊能町でも見られるようになった。
という話は、今回は抜きにしてっと。今日は、完成した分布図を見てみよう。何が言いたいかというと。
淀川本流から色んな支流にヌートリアは進出したわけだが。芥川や安威川では、その分布は下流部にとどまったままで、山間部には進出していない。ところがである。猪名川では、どんどんどんどん遡り、能勢町や豊能町にも広く分布するようになった。その分布図を曇のない目で見てみよう。
ねー。わかるでしょ? そう、系統樹みたいなの。
淀川河口が共通祖先。いくつかの支流という名の系統に分かれるも、多くの系統ではさほど繁栄せず、猪名川という系統でのみ爆発的な放散が生じた。猪名川は明らかに成功した系統だねぇ。って話。
少なくともある条件下では、分布の拡大は、系統進化と同じ味方ができるのかもしれない。だとしたら同じ分析が可能かも。などという妄想を思いつかせる分布図なわけ。