当館外来研究員がスベヨコエビ科の4新種を発表しました
ヨコエビ類は主に海域に生息する種数の多い小型甲殻類ですが、それでもなお、まだ知られていない種がたくさんいます。
ヨコエビ類の一グループのスベヨコエビ科は、扇形で左右に平たい体を持つカラフルな色彩のヨコエビで、写真派ダイバーに人気のあるグループですが、世界ではまだ16種・1亜種しか認識されていません。大きさは3~7mmで、主に岩礁のコケムシ類の体表に生息しそれらを食べているようです。
当館の有山啓之外来研究員は、日本各地から採集されたスベヨコエビ科5種を調べ、うち4種を新種とする論文を発表しました。
今回の論文で扱われた種はルリホシスベヨコエビ(伊豆大島産、新属新種)、シラホシスベヨコエビ(相模湾産、新属新種)、シロガオスベヨコエビ(伊豆半島産、新種)、チゴケスベヨコエビ(島根県産、新種)とムカシスベヨコエビ(相模湾産、メス初記録)です。
ルリホシスベヨコエビ(撮影:星野 修氏) チゴケスベヨコエビ(撮影:有山啓之)
論文は11月12日にニュージーランドの学術誌Zootaxa(オンライン版)で公表されました。
論文著者:有山啓之 (ARIYAMA Hiroyuki)
論文タイトル:Five species of the family Odiidae (Crustacea: Amphipoda) collected from Japan, with descriptions of a new genus and four new species.
掲載誌:Zootaxa, 2021, Volume 5067, No. 4, 485–516.
https://doi.org/10.11646/zootaxa.5067.4.2