<プレスリリース>2025年万博会場・夢洲において 大阪府で「絶滅」とされた水草「カワツルモ」を再発見
このたび、当館の学芸員が中心となって実施した夢洲の植物調査において、大阪府レッドデータリストで「絶滅」と判定されたカワツルモが再発見されました。この研究成果は水草研究会の会誌「水草研究会誌(Bulletin of Water Plant Society, Japan)」111号に掲載予定です。
<発表のポイント>
■カワツルモは海岸沿いの汽水域に生育する水生植物で、大阪府下では1996年以降は全く記録がなく、生育環境も皆無と考えられたことから、「大阪府から絶滅」したとされていました。
■ところが、当館の学芸員が中心となって実施した夢洲の植物調査において、万博会場予定地の南東端の水域で再発見されました。水草類は水鳥とともに移動することが知られており、カワツルモもこのようにして他の生育地から移動してきたと考えられます。近畿地方まで広く見てもカワツルモの現存する生育地は極めて少なく、今回確認された生育地は非常に貴重です。
■しかし、カワツルモが確認された場所は今後、残土置き場等として利用されるため、まもなく埋め立てられる予定になっています。
■夢洲は、大阪府のレッドデータリスト2014において、生物多様性ホットスポットとして取り上げられており、大阪市生物多様性戦略の中でも、夢洲を重要な自然環境として取り上げています。カワツルモの生育地やその周辺のヨシ原も含めた保全が望まれます。
また、大阪市立自然史博物館では今回夢洲で発見されたカワツルモの標本や生育環境について展示します。
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