日記風覚え書き

2012年7月8月、9月

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●2012年9月29日 大阪の哺乳類の現状

大阪府のレッドリストの改訂作業を進めてる。哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類に関わってる。今日は哺乳類について相談。というか個体数レベルと、その増減について意見をすり合わせて、暫定的に希少性判定してみた。
コウモリ類の多くや、スナメリは、他の詳しい方の意見をもらうって事で評価保留。カワネズミ、ジネズミ、ヤマコウモリは、情報不足。
なんてのを除くと、個体数の減少が著しい種として、ハタネズミ、キツネ、ニホンイタチ、ムササビの名前が多く上がった。生息環境の傾向からカヤネズミの減少も指摘された。まだまだ個体数は多いけど、アブラコウモリの減少も議論された。
日頃見てる部分の違うメンバーだったが、どの種が心配かの意見は割と似ていた。面白いね。


●2012年9月28日 親孝行

ちょっと気が向いて、今日は少し親孝行してみた。究極の親不孝を避けただけかもしれないが。とにかく数年ぶりの親孝行。こんな形でなかったら良かったのだが。嘘も方便。


●2012年9月27日 秋の渡りのヒタキ豊作・・・なんで?

9月になって渡りのヒタキ類がやってきた。この秋は豊作。地元の公園を一回りしたら、キビタキ、オオルリ、コサメビタキ、エゾビタキとりまぜて、いっぱい見つかる。あっちにもこっちにもいる。とくにキビタキが多い。キビタキばっかりでも、なぜか楽しい。
思い起こせば昨年は、さっぱりヒタキ類は少なかったと記憶している。年による多い少ないは、なにで決まってるんだろう? 繁殖成績がよかったのか、夏の生存率が高かったのか、渡りのルートによるのか、中継地で休憩しまくってるからか。

キビタキだけ多いのならともかく、コサメビタキやエゾビタキも多い。同じヒタキ類と言っても、種類が違えば繁殖地も違う。必然的に渡りのルートにも違いがあるだろうに、どうしてリンクするんだろう? リンクできるんだろう?
そういえば、8月の終わりに行った和歌山では、ムシクイ類が豊作だった。あっちにもこっちにもムシクイ類がいた。センダイムシクイが中心だが、エゾムシクイもたくさんいたように思う。ヒタキ類とムシクイ類までリンクしてる〜。

この秋は、平地にヤマガラがたくさん降りてきてる。これは一年おきによく起きる現象。なんとなく偶数年度に起きる。偶数年度は樹木の実りがあまりよくない年。何らかの因果関係があるのかな? ドングリが少ないと降りてくるとか。
この秋から冬は、ヒヨドリが多く、ツグミやシロハラも多い予定。これはかなり自信を持って、液果の豊凶と関係があると考えている。不作の年は関西に多くやってくる。

ヒヨドリやツグミ類、ヤマガラは、繁殖地は違っていても果実の豊凶を通じて、似たパターンになってるんじゃないかと思ってる。果実の豊凶はきっとけっこう広い範囲でおおむねリンクしてるんだろう。
ヒタキ類とムシクイ類の秋の渡りの多少がリンクするなら、こうした感じの広域に渡るなにか共通要因が欲しい気がする。でも思いつかない…。複数種の繁殖成績がリンクするなら、食物条件とか気候条件が広い範囲でリンクしてるのかな?


●2012年9月26日 近畿で普通種、大阪で希少種

大阪府のレッドリストの改訂作業が、そろそろ本格化しはじめた。今日は鳥類分科会の最初の会合。希少性判定の方針を決めた。
基本的には『近畿地区 鳥類レッドデータブック』の方法を踏襲することになった。で、希少性を判定する種を選んだのだが、近畿全体には生息・渡来するけど、大阪には生息・渡来しない鳥を抜いていく。最初はそれで済むと思ったのだが、よーく考えると、近畿地方ではたくさんいて希少性判定の対象からはずれていた種でも、大阪では希少種かもしれない種がある。けっこうある。めっちゃ増えた。

たとえば、サギ類。アマサギ、ダイサギ、ゴイサギ、コサギ。近畿全体ではいーっぱいいるけど、大阪ではけっこう少ない。アマサギなんか確実に希少種に入ってくる。
トビ。他の府県の人は嗤うかも知れないけど、大阪では少ない。
ケリとかヒバリ、タヒバリも一応検討がいるんじゃなかろうか?
コシアカツバメは減ってるし、イワツバメは少ないなぁ。
カシラダカやオオジュリンも、最近の大阪では少なめ。

希少性判定をするから、全部が希少種にランクインするわけではないが、近畿で普通種、大阪で希少種はけっこうありそうな気配。

ちなみに減ってる減ってると話題になっていても、カイツブリ、ツバメ、スズメはさすがに希少性の必要はなかろういうことになった。減ったのは確からしいが、減ってもまだまだ多いという判断。でも、10年後にまた改訂するときはどうなるか分からないかも。


●2012年9月25日 労せずしてライフリスト増加

また改訂された日本鳥類目録の話。何度見ても楽しい。そして頭が痛い。で、今日は、ライフリストについて。

メボソムシクイが、メボソムシクイ、オオムシクイ、コムシクイに分かれた。今まで”コメボソ”とか言われていたジジロムシクイは、目出度くメボソムシクイとは別種のオオムシクイに昇格。というわけで、ライフリストが1種増えたわけ。ただ、初めて見た日を記録するという習慣があるのだけど、いったいいつにしたらいいのやら。別種だと認識してから、きちんと同定できる状態で見た時を、ライフリストに加える日とするなら、来年の5月かなぁ。なんせ鳴いてくれないと自身がない…。

セグロカモメは一体何種に分かれるのか〜? というのも、ライフリストを考える上では焦点の一つだったが、セグロカモメからキアシセグロカモメとニシセグロカモメが分かれただけ。いわゆるホイグリンは、ニシセグロカモメに入ってるのかな? タイミルは? どっちみち、カウントの時に分けてる時間的余裕もスキルもないので、ぜんぶ今まで通り”セグロカモメ”と呼ぶことにしよう(実際、今日の大和川の調査でも、脚の黄色いらしきのがいたが、もちろんセグロカモメと呼んだ)。ただ、ライフリスト的には増やしたいような…。これまたちゃんと認識できたと確信した段階ってゆうか、どれがどれに入ったか納得できたら、増やそう。

実はハクセキレイも、ホオジロハクセキレイと別種扱いになって、労せずして1種増える!と思ったのだけど、分かれなかったなぁ。でも、10年後には分かれるかも!
というわけで、分類学においてスプリッター全盛の今は、ライフリストを増やすチャンス! 新目録は、バードウォッチャーからはやんやの歓声で迎えられていることだろう(分類順や学名にこだわる人を除いて)。
ただ、目録編集にたずさわる者よ覚えておくがいい。もし時代が変わって、今まで別種にしていたのを、同じ種にまとめたら、ライフリストを後生大事にしているバードウォッチャーから総スカンを喰うのだ! もちろん、おいらも文句を言う。ライフリスト減るもん。


●2012年9月24日 食における相同と相似

先日、納豆おかきを食べた。旨かった。筒状のおかきの中に納豆が入ってる。その材料を考えるに、米と醤油と納豆。これは納豆ご飯と同じではないか! それなら旨いのも当然。
一見、形態は違っていても、素材が同じ。これを相同と呼ぼう。素材が同じなら、味も想像出来ようと言うもの。当然、さらに何を付け加えたらいいかも想像出来る。納豆おかきには、辛子とか。

一方、ウドンと蕎麦は似たような仕上がりになるが、麺の原材料は、小麦粉と蕎麦粉。このような関係は相似と呼べるだろう。調理法が似てるところから、似たようなヴァリエーション展開をしがちだが、素材は違うので、片方に適用出来るからといって、他方に当てはまるとは限らないのである。にしん蕎麦はあっても、にしんウドンはないのである。そもそもにしん蕎麦自体、一体どこが旨いのか分からない。魚を載せるなら載せるで、もっと蕎麦に合うものがあるんじゃないのか?

てなことは、さておき。相同と相似のどちらを重視するかは、しばしば対立する。
相同重視派は、素材を重視するあまり調理法を軽視しがち。どんな調理をしていても、食べてしまえばみな同じとまで言い放つ向きもある。
相似重視派は、調理法を重視さ、素材を軽視しがち。素材が少々違っていても、調理法でカバー出来ると考える。

このような深刻な対立の中で、一言私見を述べて、この論考を終えたい。
旨ければ何でもいいじゃないか。


●2012年9月23日 利きハチミツ大会

利き酒はいざ知らず、利き茶よりは確実に難しい。ハチミツは基本的に、どれもこれもとーっても甘いのである。甘くて美味しい。そんなこたぁ、先刻承知しているのである。
じゃあどこに違いを見いだすか。とりあえず味は置いといて、色合い、色の濃さ、不純物の有無、粘性をチェックしよう。これが一番頼りになる。

というわけで、利きハチミツ。最初に16種のハチミツの試食タイム。ここで味と特徴を覚える。で、あとからブラインドで渡された5種のハチミツを当てるという趣向。とにかく気づいた特徴をメモしながら味見していく。

・ヤマザクラ:色は少し濃いめ。白いツブツブが混じってる。花っぽい味がする。美味しい〜。
・カキ:色は少し濃いめ? ツブなし。干し柿か黒蜜かって感じの味。ちょっと苦手な味。
・ミカン:色は少し濃いめ? ツブなし。少し花っぽい味がする。まあまあ美味しい。
・トチノキ:色は薄め。ツブなし。カキより少しくどい味。
・ボダイジュ:とても濃い茶色。薬っぽい味。不味い。色で絶対分かる!
・クロガネモチ:色は薄め。やや薬っぽい味。不味い。

・アベリア:少し茶色っぽい。とてもさらさらしてる。ハチミツというより、みたらし団子のタレみたいな味。美味しい。
・タイム:色は普通。タイムの香りにタイムの味。
・ラベンダー:少し濃い黄色。クサギみたいな味。後味にほんのりラベンダーの香り。

・ハギ:少し赤味がかった色合い。さらさらしてる。味に何の特徴もない。
・フジ:色は普通。少し薬っぽい味がする。少しフジの香り?
・ニセアカシア:色はとても薄い。ややさらさら。味に何の特徴もない。
・シロツメクサ:白く濁っている。ドロドロ。キャラメル味。

・クリ:色は普通。少しツブツブ混じり。ドロドロ。ハミガキみたいな味。
・ユーカリ:茶色く濁る。ドロドロ。強くないけどユーカリ風味はあるようで、薬っぽい味。
・タンポポ:普通に黄色。キクの花の香りがある。

とまあ、メモしておけば、利きハチミツは大丈夫。かと思ったが、ぜんぜんダメだった。濁ったりドロドロしてたりするのは、暖めると濁りがとれてサラサラになるらしい。で、暖めてから問題に出された〜。ずるい!

問題に出されたハチミツは、ハギ、タンポポ、クリ、ボダイジュ、シロツメクサだった。ボダイジュで色ですぐに分かった。シロツメクサはしばらく放っておくと、再びうっすら白濁した〜。と2つはすぐに分かったのだが。
ハギは赤味を見落とした。タンポポは、キクの香りを確認し損ねた。クリは全然分からんかった〜。答えを見ながら区別するのと、ブラインドで区別するのは全然違う。

でも、密かに色んなハチミツを買って、密かに訓練を積もうと思う。まずは、一番美味しかったサクラでも買ってこよっと。


●2012年9月22日 ヤマガラがいっぱい

この秋は、各地でヤマガラが平地に出てるらしい。先の週末、東京で過ごしたのだが、そこの鳥屋さんが盛んに、今年はヤマガラいる!と行っていた。泊まっていたホテルの近くの公園にもヤマガラがいて、こんなもんかと思っていたけど、とても珍しいことだったらしい。通常は山手線の内側にはヤマガラがいないもんらしい。
関西でも平地のヤマガラ情報はある。というか、とりたてて珍しい事ではない。毎年とは言わないけれど、非繁殖期にはヤマガラが平地の公園にもやってくる。我が公園にも来てる。なぜか2年に1度はやってくる。基本は偶数年度(昨年は変わっていて奇数年度なのに来ていたが)。というわけで、今年ヤマガラが来るのは予定通りなのだけど、いつになく数が多い。いつもはせいぜい3羽程度なのだが、どうも今年は10羽ほどいるらしい。
今日、鳥の観察会をしてると5羽ほどの群れに遭遇して、みんなでゆっくり観察できた。地面に降りて、セコイヤのタネを拾っては、枝まで運んでつつき割ってるのをゆっくり観察できた。ヤマガラの行動は見ていて飽きない。考えてみれば、ヤマガラという鳥は、足で食べ物を押さえて処理できる。押さえた堅いタネを嘴でたたき割れる。すぐに食べないタネを貯食する。特異な行動パターンを多く持っている。見所満載の鳥である。これから、観察会で見つけたら、毎回じっくり行動観察するとしよう。

偶数年度に平地によく降りてくるのは、山の実りと関係あるかなぁ、と思ってる。相関関係は明らか、まあだから因果関係があるとは限らないのだけれど。ただ、降りてくる個体数の多少はなんなんだろう。簡単に考えれば、その年の繁殖成功度の違いなんだろうか。というわけで、今年はヤマガラがたくさん子どもを育てたけど、秋の実り(とくにドングリとか)が悪いんじゃないかなぁと思っている。繰り返しになるけど、立証された訳ではない。


●2012年9月21日 昔の人は偉かった

カワラヒワ、ホオジロ、ヒバリなどなど、留鳥はしばしば秋に繁殖行動をする。さえずったり、追いかけ合ったり、つがい形成したり、巣をつくったり。イソヒヨドリが秋に囀りまくって、追いかけ合いまくってるのを見るにつけ。こうした秋の繁殖行動が気になって仕方がない。スズメはけっこう秋に巣をつくり、巣場所にやってくるというのを聞くにつけ、繁殖ってもんがいつ始まるのが気になるところ。
で、文献を探してみたけど、あんまりそんなんを調べてる人がいない。ただ、京都のカワラヒワは秋につがい形成をするという話は有名。それを探していたら、お目当てのものが見つかった。論文ではなかった。載っていたのは、アニマ1981年10月号。特集タイトルはずばり「秋、鳥に何が起きているか」。知りたいことそのまんま。カワラヒワ、ホオジロ、エナガの大先生方が、まさに秋の繁殖行動について語っている。昔の人は、自分のテーマの鳥を何でも調べてるなぁ。論文にせずに、普及誌に書いたまんまというのは如何なものかとも思うが(自分のことは棚に上げつつ)。

とにかく30年前の研究者の、鳥の秋の繁殖行動に関する見解は拝聴に値する。今では考えられないほど、一つの種を一年中観察しまくった上での意見だし。いくつか抜き書きしておこう。テーマは、秋こそが始まりの季節。

◆中村浩志「10日間の不思議なできごろ カワラヒワのつがい形成のしくみ」
・繁殖を終えた成鳥および巣立ち後の若鳥は、徐々に繁殖地を去り、8,9月の2ヶ月は、繁殖地にカワラヒワは全くいなくなる。(中略)ヨシ原と造成地が共に隣接した地域には、周辺の繁殖地から数百から1500を超える個体が集まり大群ができる。集まった個体は、夏の間、ヨシ原をねぐらあるいは日中の休息場とし、(中略)きわめて狭い範囲で生活している。捕獲して調べてみると、この移動がみられる時期は、換羽がおこなわれている時期とまさに一致している。(中略)換羽がほぼ終わる10月中旬には、いっせいに繁殖地に戻りはじめる。(中略)11月10日までにはほとんどの個体がつがいとなっているのである。冬期、営巣地への出現を一時下火となり、新たになわばりを確立する個体はいない。(中略)秋につがいになった個体は秋から翌年の春先にかけ営巣地に分散し
・カワラヒワにとって、秋は一年の始まりであった

◆山岸哲「春のための、秋のさえずり」
・ヒバリやホオジロが秋にさえずったり、セグロセキレイの声が秋の一時期に妙に艶っぽくなることに気づいておられる人が多いにちがいない。鳥が秋にもさえずることは、(中略)ギルバート・ホワイトが(中略)手紙の中で、すでに書いている。その後の鳥の生活史に関するいくつかの有名なモノグラフを通覧すると、そのほとんどで、著者たちは自分たちが暑かった鳥が秋にもさえずることに気づいている。たとえばナイス女史の北米のウタスズメ、ハインド氏のシジュウカラ、ラック氏のヨーロッパコマドリ等しかりである。
・秋にソングエリアを形成することが翌繁殖期にその極近くへなわばりを形成するのにいかに重要なことであるのかを示していよう。いいかえれば、秋にさえずらなければ、翌春になわばりは得られないのである。
・独身雄が新しいつがい相手を得るのは、この年生まれの雌若鳥が幼鳥羽から換羽を終了して成鳥羽になる秋なのである。

◆中村登流「鳥たちの一年は秋に始まる」川那部浩哉との対談
・秋にはヘンなことがあるんです。(中略)秋から冬にかけてあたたかい時があるでしょ。そうしますと、営巣活動が始まるんですよ。
・その巣をつくる行動は、ほとんどに春の巣づくりとそっくりなんです。(中略)ところが、巣の土台がだんだんできていくうりに、あるときそこへパッと雪がつもってしまう。すると、巣づくりはそこでチョン。


●2012年9月20日 淡路島の生シラス丼の歴史

今日、淡路島に行った。秋のシラス漁で盛り上がっていた。岩屋港の沖合にはたくさんの漁船が出ていて、次々と港に出入りしている。港は、シラスの水揚げでいつになく活気がある。少なくとも夏の間は開店休業だったのに〜。鳥の方も活気がある。といってもまだユリカモメはいないし、ウミネコはシラスに興味がないらしく、盛り上がってるのはアオサギとトビ。
仮屋漁港でも、生穂漁港でも、釜口漁港すら活気がある。津名より北のシラス漁が活発な港はいずれも活気がある。人の動きがあるし、アオサギとトビがいっぱい。生穂漁港にあんなに人がいるのは初めて見た(イカナゴ漁は朝方しかしないので、イカナゴシーズンに生穂漁港にたどりついても、すでに活気のある時間帯は終わってるのである)。佐野漁港は、滅多に開いていない作業場が開いていて、シラスを茹でては、屋外に広げて干していた。
シラス漁の季節は生シラス丼の季節。岩屋をはじめあちこちに「淡路島の生シラス」というポスターが貼ってある。31店舗が参加してブランド化を目指してる様子。これは食べなくては!

というわけで、遅い昼食に生シラス丼を食べたのだが。そこで、重大事実を入手した。しゃべりのオバチャンが、ポロポロと「淡路島の生シラス」の真実を漏らすのである。
シラスは春と秋の2回の漁期があるねん。夏の間はすぐに傷むからお休み。でも、生シラス丼なんて、去年初めて食べたわぁ〜。それまでは、あんなんが生で食べられるって知らんかった〜。せっかく教えてもうたから、これからはこれで行くねん〜。
淡路島の生シラス丼の歴史は、どうも、まだ2年そこそこらしい。どうりで、ユズポンをかけすぎて、妙に酸っぱいのが出てくるわけだ…。
思えば、淡路島に通い始めて、ちょうど2年。2年前の秋は、「生シラス丼」って確かにほとんど見かけなかった。というか、岩屋の道の駅あわじと、高速道路のサービスエリアでだけ見た気がする。ということは、あれが先駆けで、その段階では淡路島の多くの料理屋には、生シラス丼は存在しなかったってことか…。

生シラス丼でこれなら、生イカナゴ丼は? もしかしたら昨年の春に食べたのが、淡路島初の試作品だったりして。
件のオバチャン曰く。イカナゴはひと月しか捕れへんし、捕ってる間にもドンドン大きなるねん。大きいイカナゴのっけたんは気持ち悪いやろ〜。
気持ち悪いっていうより、苦いよね。来年3月にはできるだけ早い時期に行って、小さいイカナゴの、生イカナゴ丼を食べるとしよう。


●2012年9月18日 ◆鳥が増えた理由、減った理由

生き物は増えたり減ったりする。本当に増えたのか、減ってるのか。どのくらい増えたのか、減ったのか。分布が広がったのか、狭くなったのか。保全を考える上では、基本的な情報だけど、それをきちんと把握するのはとても難しい。でも、さらに難しいのは、増えたり減ったり、広がったりしてる、原因を明らかにすること。
この週末は、日本鳥学会大会に行って、いろんな鳥の研究の発表を見た。中には、増えたり減ったり、広がったりの原因を探ると銘打ってる発表もあった。でも、いずれも引っかかる部分が少なくない。

たとえば、イソヒヨドリが内陸に分布を拡げた話の発表。なんとイソヒヨドリブームが来たのか、2つも発表があった。東の発表は、最近の繁殖記録のある場所を示しただけ。。西の発表は、もう少し突っ込んでいて、イソヒヨドリが内陸でどのような環境を選んでいるかを示していた。いずれも、どうしてイソヒヨドリが内陸に分布を拡大したかについて、はっきりした結論も仮説もなかったように思う。でも、この方向で何か結論を出せるのかが気になる。
たとえば、西の研究は、ある市域の中で、イソヒヨドリがどんな環境を利用しているかを示したもの。今ある場所での環境利用パターンが分かったとして、それがどうして個体群の増減や分布の変化につながるという議論につなげる気なんだろう?
実際、生息可能な環境があるからと言って、イソヒヨドリが生息しているとは限らないのに。さらにその調査地ではそんな環境を利用してるか知らんけど、他の場所ではもっと違った環境でも暮らしてるのに。ある場所で、今そういった環境を利用しているからと言って、環境条件が変わったら変わるかも知れないのに。
といったことを考えるに、分布拡大の原因を知りたい時、調べるべき事は他にあるように思う。ざくっと言えば、
★元の生息地・生息環境からのシフトのきっかけ・原因。
★新しい生息地を見つけるプロセスの解明。
★生息に必要不可欠な環境要素の抽出。
そのためには、一つの場所ではなく、多くの場所での環境利用を明らかにする必要が最低限必要。可能なら、どんな環境要素が失われた時に生息しなくなるかの検討もしたい。

たとえば、スズメが減った原因の分析。これは関連発表が3つほどあったかと。でも、一番気になったのは、スズメの営巣環境を示した研究。ある集落で、ちょっと前からの住宅地(20-40年ほど前に造られたんだっけ)と、新興住宅地(10年以内くらい)を調べて、昔からの住宅地にはスズメが営巣してるけど、新興住宅地にはさっぱりスズメがいないことを示した。この研究は大胆で、新しい住宅の構造がスズメの営巣に向いていない、それがスズメの減少に関係がある。と言わんばかり。
この研究では、2ヶ所で調べて同じ傾向があるとしてる。1ヶ所しか調べてないよりは随分まし。でも、その2ヶ所が日本全体を代表できる場所なのか?という疑問はさておいても、突っ込み所が多いと思う。一番の問題は、現在利用していない環境だからと言って(あまり好きな環境ではないのかもしれないけど)、使えない環境とは限らないということ。また、この研究の場合、比較的新しく出来た環境を利用していないという結果。単にそこを利用できるということを発見していないだけかもしれない。現在利用する習慣がないからといって、今後も使えない・使わないとは限らない。
といったことを考えるに、個体群減少の原因を知りたい時、調べるべき事は他にあるように思う。ざくっと言えば、
★生息に必要不可欠な環境要素の抽出。
そのためには、除去実験的に、どんな環境要素が失われた時に生息しなくなるかの検討をしなくてはならない。現在利用している環境は、あくまでも参考にしかならない。

生息に必要な資源(生息環境、食物、etc)が失われたら、生息できなくなる。それはそれでいいだろう。でも、生息に必要不可欠な資源はどれか。言い換えれば代替できないのはどの要素か。個体群の増減のいずれにも、その検討が重要。分布拡大の話には、新しい生息地の発見までのプロセスの評価が、さらに必要。
でも、総じて言えば、生物の生息地の保全の話はあふれかえっているのに、それを語る根っこの理論がまだまだ不備なんじゃないかなぁ。どんな手順で何を評価したら、保全につながるデータになるのか。1ヶ所で、いま利用してる資源を調べただけでは、明らかに不充分。環境なり食物の利用スペクトラムを明らかにする方法論、対象生物の環境利用能力の可塑性あるいは環境変化への対応能力の評価の仕方。狩猟や漁業などの捕獲圧に対するリアクションについての理論は、生態学(とくに個体群生態学)の長い歴史の中でとても研究されてきたと思う。けど、環境が失われる、あるいは環境改変へのリアクションについての理論は、いまひとつな気がする。
とまあ、思ったのが、今回の鳥学会大会に出た成果。


●2012年9月17日 都市鳥研究の東西ギャップ

東京で開催された日本鳥学会大会に3日ほど参加した。これだけ交通網も通信インフラも整った日本だが、はっきりした地域間の情報ギャップがあることに気付いた。なぜか都市鳥研究に顕著。と思うのは、都市の鳥の動向には以前から関心があって、大阪の状況をそれなりに知ってるからか。

イソヒヨドリが内陸に進出する発表。東京辺りの発表+全国の状況という構成。HPでアンケートし、身近なMLで情報募集したらしい。集まった情報は大部分東日本からのもの。それで日本全体を語ろうとするから、関西人としては違和感満載。
ムクドリの集団ねぐらの話。日本全体の状況を知るため、全国の役所にアンケートを依頼したらしい。でも集まった情報は、関東中心。集団ねぐらはあるはずなのに関西の情報が集まってない。こちらは、情報のアンバランスに気付いてる様子。関西ではよく知られた集団ねぐらすら上がってきてない。

イソヒヨドリの場合は、鳥屋の間の問題。ムクドリは役所の対応。でも、いずれも東京からの問い合わせに関西が冷たかったんじゃないかと思わなくもない。
東京ではこうです。地方はどうですか? てな東京中心主義的な問いかけをしたりしたのかな?

とにかく、なぜか西日本の状況は、驚くほど関東に伝わってない。


●2012年9月16日 鳥の並べ方

生き物を、生き物の名前を並べる時、その筋の人は分類順という順番で並べる。順番を知ってないと、どこに何が並んでるか分からない、という意味では不便なんだけど。一度順番を覚えると、似たのが近所に並んでいて、いい感じなのである。
でも分類ってのは、研究者によって考え方が違うし、研究が進めば、あるいは流行によっても変わる。みんなが好き勝手な分類順を採用してたらややこしい。という訳で、権威筋が決めた順番に従うのが常道。権威筋は、第一人者の書いた図鑑の事もあるし、学会が決めてる事もある。
日本の鳥の場合は、日本鳥学会が『日本鳥類目録』というのを代々出版してるので、これに従うことになってる。
この9月、『日本鳥類目録改定第7版』が出版された。日本各地の鳥関係者が、色んな意味でギャーってな声を上げている。

分類順はある程度身に付いてないと不便な並べ方。だからある程度の鳥屋は、その順番をだいたい覚えてる。せっかく覚えたんだから、あまり変わって欲しくない。図鑑など鳥を並べる出版物を出してたら、一層変わって欲しくない。
そんな声があったからか、検討が面倒だったからか。改定第6版では、配列も分類もほとんど変わらなかった。ところが今回の改定第7版では、数十年ぶりの大幅な変更があった。分類順は一から覚え直しだぁ。

たとえば大阪辺りでバードウォッチングした時の、主なグループの新しい並べ順は、
キジ、カモ、カイツブリ、ハト、ミズナギドリ、ウ、サギ、クイナ、カッコウ、ヨタカ、アマツバメ、チドリ、シギ、カモメ、ミサゴ、タカ、フクロウ、カワセミ、キツツキ、ハヤブサ
サンショウクイ、カササギヒタキ、モズ、カラス、キクイタダキ、シジュウカラ、ヒバリ、ツバメ、ヒヨドリ、ウグイス、エナガ、ムシクイ、メジロ、ヨシキリ、セッカ、レンジャク、ゴジュウカラ、ミソサザイ、ムクドリ、カワガラス、ヒタキ(ツグミ、ヒタキ)、スズメ、セキレイ、アトリ、ホオジロ。
覚えにくい…。


●2012年9月15日 カワウと漁協のおじいちゃん

鳥学会大会の自由集会。ポスター見てて遅くなって、お目当てのに出遅れて席がなかった。仕方がないから、と行った先もいっぱいで、なんとなくカワウの自由集会に紛れ込んだ。とてもよかった。


●2012年9月14日 東京で時間つぶし

用事は午後1時から。でも東京に朝の5時半に着いてしまった。7時間以上ヒマ。大阪に戻ってまた来れるくらいヒマ。


●2012年9月13日 初めての徳島-東京航路

紀伊水道を南下して、潮岬から鳥羽の方へ。紀伊半島をグルッと回ってくれる。紀伊半島をなわばりにしてるなら、これは乗らねばなりません〜。


●2012年9月12日 学芸員になるのに必要な資質

学芸員として立派にやっていく資質ではなく、学芸員として採用されるための資質の話。
我が身を振り返るに、まず第一は運の強さ。これは譲れない。そもそも就職適齢期に、適当な分野の募集がないとどうにもならない。その時に強力なライバルがいないのも運の内。でも、運以外にも少しは何かあるような気がする。

例えば相手の傾向を下調べしておく周到さはあってもいい。ちょっと知ってるだけで全然違うこともある。準備力とでも呼んでおこう。
学習能力はとっても大事。この場合の学習能力は暗記力ではなく、経験した事を次につなげる力。一度経験した事を、なにかの形で自分の糧にしてる人とそうでない人の差は大きいと思う。経験値がいくら高くても、身に付かないと生かせない。
筆記試験があるなら、日本語の読解力は想像以上に明暗を分ける。問題をちゃんと理解せずに適切に答えられる訳がない。
あとは文章と言語の両方でのコミュニケーション能力。これは最後の分かれ目。

他には想像力ってのがあると思うけど、ここでは割愛。もちろん専門性の高さは重要だけど、当たり前すぎるので、これまた割愛。
こうして見ると当たり前な事ばかりで、つまらない。


●2012年9月11日 ホネホネ団の系統推定

端的に言えば、盛口満と日浦勇が出会って生まれたんだと思う。二人に面識はなさそうやけど。逆に二人が直接出会っても生まれなかった。とも思う。
やたらと多くの人を巻き込む奴がいて。好き勝手に活動するのを許容して、むしろ育てようとする場にやってきて。ホネというキーワードで結びついた感じ。


●2012年9月10日 大阪湾のシギチ 春と秋

春はチュウシャク。秋はソリハシ。春と秋で、大阪湾岸に渡りの途中立ち寄るシギチドリ類は、ずいぶん違う。

春には、大阪湾のあちこちでキアシシギとチュウシャクシギが見られる。けっこう多い。メダイチドリ、トウネン、ハマシギなんてのもかなり普通。でも、ソリハシシギやオバシギはあんまり見かけない気がする。
秋にもキアシシギやトウネンは見かけるが、春よりも数は少なめなような気がする。チュウシャクシギやハマシギにはあまり出会わない。メダイチドリも少ないような。でも、ソリハシシギはけっこう多い。オバシギもあちこちに出る。
春と秋で渡りのルートが違うって事だろう。けど、それだけなのかな?

南港野鳥園のような”特殊な”場所では、大阪湾の他の小さな河口干潟なんかにはさっぱり出ないシギチドリ類が出現している。正直、大阪湾の大部分の場所は、シギチドリ類的には、あまり良い環境ではない。そういった意味では、春と秋で環境選択性が違えば、大阪湾の大部分で見かけるシギチは、春と秋で変わってもおかしくない。
春と秋では、潮の引き方も全然違う。春は、大潮でなくても毎日のようにそこそこ昼間に潮がよく引く。一方、秋は、大潮周辺でなければほんまに潮は引いてない。昼間の引きが悪い日が多い。そういった意味では、春と秋で環境選択性が同じでも、春と秋で出現する場所が変わってもおかしくない。
ほんとのところがどうなのかは、個々のシギチが出現した環境を細かく解析する必要がありそう。


●2012年9月9日 かぶりもの

実物大のキリンの頭をかぶってみた。おてなの頭でも充分入る。ただ目から外は見えない。目がとても横に付いてる人は知らないが。口の中から、向こうの方に外がある。とても視野が狭いかぶりもの。移動する時は気を付けよう。
実物大のシマウマの頭もかぶってみた。こっちは大人にはかなり小さい。切れ目を大きめにとれば、かぶれるが、ライダーマンみたいになる。ちょっと格好悪いかも。キリンに比べると視野は少し広め。片目からなら見えなくもない。
今度はトラをかぶってみたい。ライダーマンみたいになっても、タイガーマスクと主張出来る。ライオンなら、ライオン丸になれるなぁ。カワウソならカワウソくん?


●2012年9月8日 サギの首の謎

今日は湖西の湖岸や田んぼを歩いた。白いサギ4種を堪能。とくにアマサギは多かった。100羽からのアマサギは降りていたら多いなぁだけで終わるけど、一斉に飛び立つととっても綺麗。なかなかいいものを見た気がする。滋賀県でこそ、白いサギの100羽以上の群れはさほど珍しくないかもしれないけど、大阪府でこんなんはもう見られない。コロニーや集団ねぐら以外では。
と、楽しく見ていた中で、出てきた疑問。どうしてサギは首を曲げて飛ぶのか? 難しい。

同じように首が長い鳥でも、ツル類やコウノトリ類は首を伸ばして飛ぶ。シギ類もハクチョウ類も伸ばして飛ぶ。ウ類もフラミンゴ類も伸ばして飛ぶ。飛ぶ時の重心の位置だとか、バランス調整で曲げるのなら、他の首の長い鳥でも曲げて飛んでもよさそう。サギ類の頭や首がずばぬけて重いのなら、少しはサギ類だけ特別でもいいけれど。むしろサギ類よりツル類やコウノトリ類の方が頭は重いのとちゃうかなぁ。と言うわけでバランス仮説は旗色が悪い。
ただ、サギ類以外で首を曲げて飛ぶと言えば、ペリカン類があるような気がする。ペリカンは頭が重いから首を曲げてると言われると納得するなぁ。そういえばハシビロコウなんてのは頭がめっちゃ重そうやけど、首を曲げて飛ぶのかなぁ?

サギ類と同じコウノトリ目のコウノトリ類が伸ばして飛ぶのは、要注目。首を曲げて飛ぶのが、コウノトリ目のサギ類と、ペリカン目のペリカン類だけなら、系統で決まってるわけではないような。系統仮説旗色悪し。
と思っていたのだけど、近頃この辺りの分類はけっこう変わりつつある。コウノトリ類以外のコウノトリ目(もちろんサギ類を含む)がそろってペリカン目に引越という話もある。となると、けっこう系統仮説もありかしら? とりあえず、コウノトリ目とペリカン目のいろんなグループが、首を曲げて飛ぶかどうかをちゃんと確認してみなくっちゃ。と思いつつ、まだできてなかったり。


●2012年9月7日 レッドリスト改訂

レッドリストの改訂について、みんなで色々と意見を出し合った。国レベルではなく、もっと狭い地域での話。レッドリスト作りはけっこう奥が深い。とりあえず、改訂前のやり方とか、よそさんのやり方をあげつらって、どうするかを考える。
レッドリストは色んな人の意見を交えて作成するせいか、意見交換がうまくいかないからか、不思議な処理をされている部分がそこかしこに見られる。レッドリスト作成は、ある基準に従って、粛々と選べばよさそうなものなのに、あっちやこっちに配慮するあまり、不思議な判断をしてる部分もある。(最後にはどこかの段階で政治的判断もいるかもしれないけど、とりあえず最初は)そういう余計な部分はそぎ落として、シンプルに作っていこうということになったと思う。
議論のポイントをいくつか記録しておこう。

・要注目はとりあえずなくそう
 要注目ってのは、けっこう色んな要素の集合体。準絶滅危惧とか一番下の絶滅危惧ランクではないけど、情報不足でもないし、でも気になる。実際の中身には、分布の端っこだとか、模式産地やとか、特産種だとか、良好な自然の指標になるとか、雑多なものがまぜこぜ。ユーザーサイドからの意見がでたのだけど、要注目でもなんでもレッドリストに載れば、アセスメント調査では全部対象。どこにでもいる種であっても要注目種であれば全部調査させられるらしい。なんて無駄な。そんないらん手間かけるくらいなら、本当に絶滅を危惧される種の調査精度を上げて欲しい。
 と言うわけで、要注目種はなくそう。絶滅を危惧するんなら絶滅危惧ランクに入れればよろしい。生息状況が分からず心配なら情報不足に入れればよろしい。そうでないなら絶滅の心配をしなくていいのだから、少なくともレッドリストに入れなくてOK。もし、どうしても気になるのが出てきたら、その時、改めて相談することに。

・海の生き物をどこまで扱うか
 淡水魚と汽水の魚は扱うけど、海産魚は扱わない。海岸生物は扱うが、潮下帯のベントスは扱わない。海草であるアマモは扱う。陸に上がってくるからアカウミガメは扱う。スナメリはどうしよう? まあ扱おうかねぇ。

・ホットスポットを選ぼう
 今回は、地質のレッドリストを選ぶ。実質的に地域を選ぶ事に。というわけで、地域を選ぶホットスポットと横並び。で、希少種の生息地を選ぶホットスポットを選ぼう。生物種だけでなく地域を選ぶ。希少種はいなくても、当たり前の生物がちゃんと暮らしている環境としてのホットスポットはあり得る。まあ、でも基本はお隣のH県の基準をベースに考えていこう。とりあえず、各分類群から上がった候補地を参考に選考。

・絶滅の判断基準
 充分な調査が行われていたら、昨年になくなったという場合でも絶滅。でも、たいていの生物は充分には調査されていないから、50年以上情報がない場合を絶滅と判断。ちなみに野生ではいなくなったけど、飼育下で系統が維持されているイタセンパラは、野生絶滅というカテゴリーかと。

・政治的配慮
 たとえば漁獲対象種の場合、レッドリストに載ったら困るんじゃないの? てな話もあるけど、そういった配慮で公表を控えたりしているものもあるらしいけど。そうした配慮は別の場所に譲ることにして、とりあえずは政治的配慮は抜きに、生物種の個体数レベルと増減で選んでいこう。


●2012年9月6日 ハダッチのいた夏

8月初めに行った友の会の下北半島合宿。ようやくその時の記念写真を参加者に送る手配をした。ほぼひと月遅れ。すみません。
改めて、8月の下北半島の写真を見て、涼しかった、そして楽しかった青森県を思い出す。大阪はまだ暑い。写真を見てもう一つ思い出すのはハダッチのこと。

ハダッチをご存じだろうか? 下北半島にいる妖怪みたいなもんだと思う。妖怪といっても特に悪さはしない。座敷童的なもんだと思ってもらえればいいだろう。
ハダッチは一見すると、格好いいお兄さんに似てる。ただ、顔が葉っぱみたいで緑色。そしてメガネをかけてる。これは不完全体らしく、完全体になると、葉っぱの蓑みたいなのを来ていて、葉っぱの帽子をかぶっていて、角みたいなのも付いてたっけ。
ハダッチはいつの間にか観察会に混じっている。観察会が好きなんだろうな。そしてなぜか子どもに人気。

ハダッチ自身は、自分自身を人間と思っている節がある。ハダッチからすると、なぜかみんなこっちを向いて、とてもにこやか。そしてみんなしてカメラを取り出して撮影を始める。みんなが楽しそうなので、ハダッチも楽しくなってしまう。だから観察会を見たら付いて行くんだろうな。
もしかしたら、みんなにくっついて、下北半島から大阪までやって来てしまったかもしれない。もしハダッチに出会ったら、優しくしてあげてね。


●2012年9月5日 電車1時間半待ち

JR阪和線はすぐ止まるねぇ。阪和線で通勤してる奴に、他人ごととして、よく言っていたが、まさか自分が巻き込まれるとは思わなかった。結局、動かない電車で待つ羽目に。

南海本線で南から帰る。時間的にはともかく、値段的には羽衣でJRに乗り換える方が安い。時間があるので、というわけで、羽衣で降りた。とくにアナウンスはない。JR東羽衣駅の改札を抜ける。とくになんの表示もない。ホームで電車を待ち、電車に載って鳳駅へ。そこでようやく知らされる。
「熊取駅近くの信号に不具合があって、JR阪和線は前線ストップしています。再開の目処はたっていません。南海での代替輸送を行っています。東羽衣行きに乗って、南海本線をご利用ください。JRの切符で南海電車に乗れます。」
いま南海羽衣駅からわざわざ乗り換えて来たんじゃ! なんで乗り換える前にアナウンスせんのじゃ! せめて東羽衣駅でアナウンスしやがれ! だいたい信号の不具合が見つかったんは30分ほど前やないか! と、心の中で思い、戻るのはなんか不満なので、やってきて動かなくなった快速電車の中に座って、運行再開を待つことに。ゆうても信号の不具合くらいすぐ治るやろ。
電車の中で、本を読んで30分ほど。アナウンスがあった。
「信号の故障を治す者が、現地に到着しました。復旧の目処はまだ立っていません。」
なんで到着に1時間もかかるんじゃ! と、また心の中で思う。そしてまた30分経過。
「あと30分ほどで運転再開の見込みです。」
そして30分。運転再開。

結局、電車の中で1時間半。文庫本がほとんど1冊読めた。ありがたいことやね。


●2012年9月4日 体調管理

昨日は何にもせず、一日家でゴロゴロしてた。目が覚めて何か食べながらテレビ見て、いつの間にかまた寝て、起きて…。以下、繰り返し。一昨日の夜から寝てるので、かなりの時間寝たと思う。調査にも、職場にも、行事にも行かず、一日中ゴロゴロしたのは、たぶん約4ヶ月ぶり。
おかげで今朝の体調は最悪。目が痛い、頭が痛い、腹は気持ち悪い、胸やけがする、熱っぽい気がする。でも、今日は仕事なので定時に出勤。仕事をこなしていたら夕方には復活した。
家にいると体調は悪化。炎天下に毎日野外調査に出掛けていたら絶好調ってどういう事だろう? とにかく、入院して数日寝てないといけなくなったりしたら、すぐに死んでしまいそう。入院とかする羽目にならないよう気をつけよう。


●2012年9月2日 2012年8月のまとめ 行事に追われて原稿書けず

今日で8月も終わり。世の中には8月は61日まであるべきだとか、40日まで続くといった主張もあるようだが、8月はきちんと33日で終わってもらっていいと思う。忙しい8月がようやく終わり、一段落。まあ8月末締め切りの原稿が書けてないけど。

8月の前半はかなりの部分行事で明け暮れた。最初の1週は友の会の下北合宿。帰ってきたと思ったら、行事3連発、休憩はさんで2連発。後半はルーティンをこなし、ついでに夕方からツバメの集団ねぐらを見に出かける。Nature Studyの編集してなんとか終了。

というわけで、ため池、大和川、大阪湾のルーティンの調査はこなした。毎年、大阪府を中心にツバメの集団ねぐらを自分の目で見に行ってるのだけど、今年は7月を入れても平城宮跡、淀川鵜殿、赤阪下池、寺池、久米田池の5ヶ所しか確認にいけず。いくつかはタイミング遅めだった。
標本作成は、ほとんど出来ず。8月締切の原稿は33日になってもできず。長年の懸案の本の編集・執筆にはまだ手が着いていない…。その本の編集大ボスが幸いにも留守の間にやって来て、著者の代わりに編集担当者さんが怒られたらしい。すみませんすみません。


●2012年9月1日 友の会会員増加策

今日は友の会の運営を話し合う会議があった。事務局担当なので、その準備に忙しい。
友の会事務局担当的に一番気になるのは、会員数の伸び悩み。この5年で順調に減ってる。で、さらに前からの会員数の変化をグラフ化してみた。
ザクッと言えば、1990年前後に急増して、以降も増加を続け、2000年前後にピーク。その後5年ほどは増減を繰り返し、今の順調な減少に転じる感じ。
おかしな話で、友の会活動自体は、この5年10年でむしろ活発化してる。面白い行事も増えた。行事参加者も増えた。会員の満足度はむしろ上がっていそうなのに…。
インターネットの発達で、入会しなくても得られる情報が増えた。参加できるイベントも増えた。そうした外部要因も大きそう。でも、そんな事は言ってられないので、会員を増やす算段をした。
基本的には、とても面白い事をしてる集団。会員になるメリットも充分あると思う。でも、それを伝え切れてない気がする。まあ、さらに魅力を高める方策も考えておきたい。

今日、決めたこと。
一つ、毎年11月にあるフェスティバルで、会員獲得努力をするぞ! いつもシュロバッタの作り方を教えてくれる謎の団体状態なので…。うちはシュロバッタ友の会と違うゾ〜。
一つ、友の会入会案内パンフレットを改訂して、もっと友の会の楽しさを打ち出す。表紙は、観察会などで楽しそうにしてる子ども写真なんかで。中には、友の会会員限定行事を軸に、さまざまな行事をイラストと画像で分かりやすく紹介するぞー。
一つ、で、そのパンフレットを持ち歩いて機会あるごとに配るぞ〜。


●2012年8月30日 郷に入っては郷に従ってみたり

今日は、とある埋立地の調査。そのために、とある博物館の観察会に紛れ込んだ。不思議な観察会だった。

まあ、駅に降りた時から不思議な感じだった。というか、だんじり駅を降り立ったら、だんじり市はすでにだんじり一色だったってだけだけど。駅前にはなにやら立ってる。だんじりが走り回る道沿いには、赤と白のシマシマが目立つ。ここにはぶつけるな!というサインか。そして、博物館の横手にはなんやら出店の準備が。博物館の周りもだんじり一色で、出店まで出るのかな?
だいたい、この道をだんじりが駆け抜けるの? と思うくらい狭い道をだんじりは通るらしいのだが。今日は、その道にバスがでーんと停まってる。せまい道なのに、もともと交通量は多い。だんじり市のみなさんは、狭い道でも強気で運転。バスの周りをフラフラしている人たちが、何度も轢かれそうになってる。大丈夫か?これ?と思うのだけど、なぜか大丈夫。だんじり市のみなさんは、だんじりに鍛えられてるから、狭い道を高速で駆け抜けるものとの付き合いが上手なんだろうと納得。

バスをかりだした観察会は、さぞかし参加費がお高いだろうとドキドキして、おいくらでしょうか? と遠回しに尋ねたら、50円と言われた。保険代だけらしい。なんやらかんやらで、タダで運転手付きのバスを調達してるらしい。それどころか、タオル、下敷き、ボールペンが入ったお土産までくれる。これまた、金持ち団体からタダで提供してもらってるらしい。
バスに乗り込んで、観察会参加者は、埋立地へ出発。着いてみると、参加者は20人弱くらいだろうか。スタッフは15人程度はいそう。近くの他の博物館のスタッフとか、近所の生き物専門家さんとか、ふだんの埋立地の調査の面々がそろってる。さらにだんじり市のスタッフも安全確保や潜水担当で来ているようす。スタッフ手厚い〜。
で、なんとなく現地に到着。小声のお兄さんが軽く注意事項をしゃべったら、あとはほぼ自由時間。みんな好きに生き物を採集してる。鳥を見たい参加者は2人だけ。隣の人間国宝さんから、2人を連れていくようにと指令を受ける。で、その2人を引き連れて、鳥を探してウロウロ。鳥はあんまりいないんですよ〜、と言い訳。
集合時間になると、みんなゾロゾロ帰ってくる。参加者は自由に生き物採集。生き物スタッフも自由に生き物採集。最後に少しだけ採った生き物を見せたりしてたけど、現地での解説とかはほぼなし。安全確認スタッフさん達だけは、ここから先は行ったらダメよポイントに立って仕事をしていたけど、他のスタッフは観察会ではないいつもの調査と同じだなぁ。
で、バスに乗って、博物館に戻る。戻った後、1時間の昼休みをとってから、博物館で採集物の名前調べがあるらしい。ここで、ようやく観察会らしくなるに違いない。まあ、ここで失礼したので、その後のことは知らない。

やたら説明したがる観察会を見慣れてるので、自由放任なのは新鮮。まあ、こちらでも中高生向けの観察会はこんなんだなぁ、と思って帰ってきた。カラーが違ってて面白かった。


●2012年8月29日 死んだ目の魚が並ぶ水族館

来年は大阪湾の特別展。ここ数年の経験では、セミ、鳥の巣、キノコ、ホネ、化石、ハチなど、何が展示してあるか分かりやすい特別展はそれなりに来場者に来てもらってる。が、大和川、淀川など何が見られるか分かりにくい特別展は苦戦してる。
もちろん魅力ある展示を作るのが一番。だけど、いくらいい展示を作っても、見てもらえないと意味がない。何を売りにして、どんなタイトルを付けるかが重要。

大阪湾の特別展なら、水族館イメージを利用したら良さそうに思う。水族館と聞けば何が見られるかイメージしやすい。そして水族館は人気がある。
魚担当は、大阪湾で記録のある全ての魚を展示すると言った。それは面白いけど、所詮アルコール漬けの魚。生きて泳ぐ魚には勝てない。そのままでは水族館に勝る売りにはならない。それなら水族館に行くし。
水族館イメージを出しつつ、水族館にはない博物館の売りは何だろう?

担当絡みでは、マッコウクジラ、ミンククジラ、スナメリ、ハセイルカといったクジラ類のホネは並べられる。アカウミガメ、オサガメなどウミガメ類のこれまたホネも出せる。ホネは博物館ならでは。
鳥の剥製も並べたいな。仮剥製ではなく、借りてでも本剥製を。これも博物館っぽいかな?
これを水族館イメージにつなげたら、ホネホネ水族館〜。

【追記】
とりあえず仮タイトル
「大阪湾水族館 カイ・カニ・サカナからウミガメ・クジラ・漁師さんまで」


●2012年8月28日 いまどきの小学1年生

近頃、ちょっとファンな小学1年生がいる。こっちが1年生のファンって意味。子どもは見てて面白いもんやけど、面白い上に、あなどれない。すごいなぁ、と思う1年生。

Mくんは、研究者タイプ。キノコを調べて、その特徴をノートに書き出す。書き出してる内容は小学1年生っぽいけど、やたら漢字が多く、言い回しも研究者風。最後は新種であろう、で終わったけど。さらに数学的能力が高いっていうか、九九も知らないはずなのに割り算ができるらしい。お父さんに言わせると、電卓が好きらしく頻繁にいじってるから、覚えてるんじゃないかとのこと。つまり、九九のように基本的な割り算を覚えてる? さらに素数という概念を知っていて、頭の中で計算して順に素数を見つけていってくれる。「13の次の素数は?」「15は、3で割り切れる。17は、1と17でしか割り切れない。17!」てな調子。時間はかかるが、理屈は正しい。さらに平方根も答えが整数なら分かるらしい。四角に並べられる数がうにゃうにゃと説明してくれる。なんとなく正しい考え方をしてる。ちなみに漢字はたいてい読める様子。「熱水鉱床」が読めてたから。

Tくんは、芸術家タイプ。芸術家な感じの帽子がトレードマーク、な気がする。話し方がしっかりしてるし、知識も豊富。生き物の名前をいっぱい知ってる。でも、印象的なのは、座る場所を決める時、指で四角を作って、風景を切り取ってみながら、”いい場所”を選んでくれた。風景を切り取るって、画家か写真家のよう〜。そういう事をする事があるってことすら、大学に入るまで知らんかったし‥。さらに文章が達者。言い回しもしっかりしてるし、漢字も多い。そして原稿が雑誌の1ページぴったり。

小学1年生といって侮れない。二人ともある意味1年生離れしてるけど、天才とかいうよりも、そういう方向に興味が向いていて、親がその興味を伸ばしてるって感じがする。きっと誰でもみんないっぱい才能を持っていて、伸ばしてもらうのを待ってるんじゃないかなぁ。うまく伸ばす事ができれば、日本の未来はとっても楽しそう。


●2012年8月27日 台湾からの客人

先週の土曜に来るかと思いきや、客人は今日やってきた。展示室と研究室をみたいのかと思ったら、すでに展示は昨日見てきたらしい。え〜、じゃあ今日は何するの? 収蔵庫とかのバックヤードが見たいんだとか。そして、それ以上に色々博物館の裏事情の質問をしたかったらしい。収蔵庫に連れていっても、それを見ながらいろんな質問が繰り出される。標本や収蔵庫自体を熱心に見るというより、熱心に質問してた。
大学に所属してると聞いたのだけど、大学博物館の運営に関わってるのかな?


●2012年8月26日 標本同定会の楽しみ方

標本同定会なので、もちろん標本を持ってきて名前をしらべてもらうのが本筋。そこは押さえておいて欲しいけど、別の楽しみ方、利用法もあるなと思った。

朝からずーっとコケの先生を占領して、大量のコケ標本を調べてもらってる中学生。自分でも調べさせてもらってる。コケ識別講座状態。人気薄の分野だと、先生を占領するのはいい手かも。他にも海藻とか、水生昆虫とかは、占領にお薦め。
植物標本をたくさん持ってきた人の周りには、たくさんの植物担当の講師先生が集まって、あーだこーだと意見交換しながら、同定作業を進めている。その中では、近頃この外来種が増えてるとか、その識別点はどーだとか、色んな話題がある。その端で、その話を聞いてるだけでも面白い。
なんか分からん魚の歯を持ち込まれて悩んでる魚担当。これかなぁ、あれかなぁ、と言ってるのを見ながら、勝手に携帯で画像検索したりして、自分で勝手に調べてみる。

とまあそんな具合。とりあえず入場券代わりに何か少し標本を持って、ぜひ標本同定会へ。入ってしまえば、こっちのもの。あちこちの部屋で展開されてる、同定作業をながめ、会話に耳を傾けてみよう。講師の手が空いていそうなら、ちょっと質問してもいいだろう。そうすれば、一日楽しめる。来年は、ぜひ楽しい標本同定会へ〜。


●2012年8月25日 ムシクイ祭り

今日はムシクイのビッグウェーブに遭遇した。こんなにたくさんのセンダイムシクイに出会ったのは、初めて。ついでにエゾムシクイにもたくさん出会った。センダイムシクイは綺麗。エゾムシクイは可愛い。

ここ数年のこの季節恒例の標識調査の網場見学に行った。他人の標識調査を邪魔しに行くという企画。鳥をながめてぼんやりするつもりで行ったのだが、思いのほか忙しい。
朝一番は、ヨタカが採れず見れず、ちょっと寂しかった。が、午前6時頃から小鳥が動き出す。網に次々とムシクイ類がかかる。網からはずせる人が他にあまりいなかったので、網はずしを手伝う。行きに一通り回収したのに、帰りにはもう網にかかっている。長時間網にかかったままにすると、鳥にあまりよくない。30分に一度の回収でもちょっと間に合わないかも。というわけで、網場の主には標識・計測に専念してもらい、網からはずすのを分担することにした。少なくとも15分に1回は回収。行って帰るたびに10羽弱かかってる。このペースで9時近くまで。小さい鳥の扱いは苦手なんやけど、おかげでけっこう上達した気がする。
網場での回収の合間に、周囲を見渡していると、網にかかる以上に大量のムシクイ類が、周辺をウロウロしている。あっちを見てもこっちを見てもムシクイ類。ほとんどがセンダイムシクイ。これだけいれば、イイジマムシクイも混じってるんとちゃうかなぁ?と思って、頑張って見るのだけど、見つからない。まだ少し早いんだろうか?

今日一日でセンダイムシクイの経験値が大幅にアップした。今までに見たすべてのセンダイムシクイよりも多くのセンダイムシクイを見た気がする。たくさん見ると色々気づくこともある。下尾筒の黄色が強く、全体に黄色味の強いセンダイムシクイと、黄色味があまり強くないセンダイムシクイがいる。なんの違いだろう。90%以上が幼鳥なので、年齢の違いではなさそう。


●2012年8月24日 友だちの作り方

カウンターに座る当番なので、出掛けずに座ってコンピュータとにらめっこ。原稿書きなんだけど、なかなか乗らない。前では小学生が3人ウロウロしてる。ふと見ると、2人が床にしゃがんでいる。なにしてんねん? 声を掛けかけて気付く。もう1人から隠れてるんや。ゴメンごめん。これがキッカケ。
しばらくしたら、3人揃ってカウンターにやってきた。なぜか飼ってるカブトムシとかクワガタムシの話を始める。コンピュータの画面もにらみつつ、けっこういい加減に相づちを打つ。でも、時々気になることを言うので、問い返してみたり。なんか恐竜のクイズのついてる本を持ってきて問題を出してくる。これまた画面を見ながら、適当に答える。その内、昼飯時になって帰って行った。あー静かになった。
これが一昨日のこと。友だち作りは簡単。これでどうやら我々は友だちになったらしい。

今日もカウンターに座ったら、同じ3人組にすぐに見つかった。挨拶もそこそこに、3人がしゃべり出す。それぞれが違う話をしだす。さすがにコンピュータ画面をにらみながらでは対応できない。3人に順に答える。答えるとまた新しい話が始まる。またクイズを初めてみたり。ケンカしてみたり。にぎやか。
午前中2時間ほど、ずーっと話してたかと思ったら、今日もまた昼飯時になったら帰って行った。

ちなみにどうしてお友達になってくれたかは、ふとした会話の中で判明した。
とある図鑑にうちの博物館のマチカネワニの画像が出てる!と見せに来てくれた。この図鑑を作ってる大学の先生は知り合いや。と言ったら、大学の先生に知り合いがいるということは、大学を出てるな! ってことは、ただのおもろいオッチャンと違うんや!
誰がオッチャンじゃ! という点はさておき、話しておもろい相手やったらしい。なんかおもろい対応をしたかは、記憶にない。そしてお兄さんだから。


●2012年8月23日 健康診断前夜

近頃は健康診断の前の日に晩飯を食べてもいいらしい。飲酒はあかんけど。起床後は絶食と書いてある。さすがに朝食はあかんのか。だが、そんなものには騙されないぞ! という訳で、今夜は晩飯抜き。腹減ったなぁ。
ちなみに、知り合いの中には、健康診断前1週間は、酒抜いて運動する奴もいる。一方で前夜も含めて、酒呑む奴も。一つでも星を減らして、呼び出しを避けようと思うか。今さら多少星が増えても誤差の範囲か、の違いかと。
まだ諦めるのは早いので、星を一つでも減らすぞー! とプチ絶食。でもトマトジュースくらい飲んでもいいかな?


●2012年8月22日 ジュースとアイスとフルーツ

今日は暑い中、昼間は自転車でため池巡り。夕方はツバメのねぐらをながめにお出掛け。麦茶3本、緑茶1本、コーヒー牛乳1本、ジュース1本飲んだ。アイスは3本食べた。あとはパン少々。これにフルーツを付けたら、夏の定番メニューだ〜。
この夏は、猛暑に突入した7月中は、自転車で走り回る調査に明け暮れ。8月に入ったら、すぐに北の国で合宿。帰ってきたら、1週間に行事が5回の行事ウィーク。とまあ、こなす事が多く、でも倒れる訳には行かず、かなり気を張ってた。
が、それも一段落。ホネホネ活動日も終わり、気が抜け気味。とたんに、遅れてやってきた夏バテモード。夏バテは食事から。という事で毎年恒例の夏バテ食になりつつある。まあ、この食事を続けていても体力的には問題ないし、夏は乗り切れる。ただ明後日に健康診断があるのが少し気がかり。


●2012年8月19日 イタチは、トロピカルフルーツ肉食系

後ろで、イタチの皮むきをしている人たち。突然イタチ臭が強くなる。破ったな! ごめん〜。というやりとりの後、徐々にあちこちから、臭い〜! という叫び声。イタチの皮むきで臭腺を破った時のよくある光景。おのずと、その臭いについての考察が始まる。
個人的には、偶蹄類や奇蹄類の草食系の臭いは苦手、霊長類も苦手だけど、イタチの臭いはそんなに苦手ではない。すぐに馴れるというか。一方で、団長はこの臭いが大嫌いらしい。イタチだけに肉食系の臭いは苦手なんだ〜。というたわいのな話をしている中、香料を開発している先生から、思わぬ指摘。このイタチ臭は、トロピカルフルーツ系の臭いである。
とたんに周囲からブーイングと反論。マンゴーもパパイヤもこんな臭いと違う! いや同じ系統の臭いが入ってる! まあ、考えてみるとドリアンの臭いは、確かにこんな臭い。イタチ臭はトロピカルであったか。思わず納得してしまった。


●2012年8月18日 代替輸送ゲーム

要はスタートポイントからゴールまで、公共交通機関を使って移動するだけの簡単なゲームです。誰より早くゴールした人の勝利となります。ただし、大雨や落雷、人身事故などによって、各交通機関はしばしば運転見合わせになります。人身事故の発生は予測困難ですが、各路線・各地点の発生確率は公表されています。注意報や警報の発令、レーダーキャストによって大雨や雷のエリアはかなり正確に把握できます。さらに、正確だけど発信が遅い当局発表と、発信は早いがデマが混じることもあるツイッター。正確な情報を集め、正しく判断するのが勝利への道です。それでは健闘を祈ります。

今日は、午後からゲームに参加した。貝塚スタートで、長居がゴール。
まずは南海本線でスタート。地下鉄御堂筋線が止まってるという情報を、堺市駅を超えた辺りでTwitterから入手。難波に向かうのを止めて、新今宮で下車してJRに乗り換える事に。が、新今宮で降りると、南海高野線とJR環状線が止まっている事を知らされる。一方、地下鉄御堂筋線は運転再開とか。もう一度、南海本線で難波に向かう事に。しかし、南海本線も間引き運行してるらしく、なかなか電車が来ない。さらに御堂筋線は動いてるけど、長居駅には止まらないという噂が流れてる。難波から地下鉄で天王寺に出て、JR阪和線も動いてなければ、近鉄南大阪線を利用するか? と思ったら、ちゃんと地下鉄御堂筋線で長居まで到達できた。
思いのほか時間がかかった…。


●2012年8月17日 ホネホネワークショップ40分コース

肉食獣と草食獣の頭骨の比較。四肢の関節をはめて動かす。背骨を並べる。これを40分に盛り込むのは、かなり無理がある。イントロ5分、頭骨10分、関節10分、背骨並べ15分。慌ただしい。ゆったり進めるときは、説明しながら色々蘊蓄を盛り込むのだけど、ほぼ蘊蓄は抜きで、時計を気にしながら説明する。ホネをさわるのも、時間を見て打ち切る。慌ただしい。でも、参加者はそれなりに満足した様子。
頭骨10分は、シカとアライグマの頭骨を見せながら解説するのが中心。参加者には話を聞きながら、いろんな角度から目の位置を眺めたり、顎関節をはめたり、下顎をパカパカしたり、歯の形をよくみてもらったり。時間があれば、シカの歯の摩耗の具合なんかを比べると面白いのだけど、なかなか難しい。アライグマの歯が割れてるのは、乳歯でいいのかなぁ?
関節10分は、もっぱら関節をはめて遊んでもらう。股の球関節と、肘関節がお薦め。パカっとはまるし。ついでに肩関節と膝関節も。肩と股の自由度が高く、肘と膝が一方向にしか曲がらない事を分かってもらえればOK。
で、背骨並べ15分。頸椎、胸椎、腰椎を並べてもらう。まずは完成品を見ながら、3つに分けてみよう!と言うのだけど、話を聞かずに勝手に並べ始める人多数。まあいいけどね。すごーく熱心にパズルに取り組む人がいれば、あんまり楽しくなさそうな人もいる。腰椎はパカッとはまるから割と楽しそう。胸椎は難儀してる。頸椎はけっこう簡単なんだけど、思いのほか苦戦するらしい。できれば紐を通して出来上がり。目的がはっきり分かりやすいから、割と楽しむ人が多いみたい。
時間があれば肋骨並べもしたいのだけれど、時間切れで、簡単にまとめをして終了。骨を触るのは初めての人が多いようで、これだけでもそれなりに得る物がある様子。40分程度でむしろよかったのかもしれない。


●2012年8月16日 雑用処理

5月後半から7月は調査シーズン。ルーティン以外に繁殖期の調査が加わる。さらに観察会シーズンでもある。という訳で、フィールドにでている事が多い。夜に処理しようとするが、どうしてもデスクワークは溜まっていく。机の周り、リアルメールボックス、電子メール。緊急ではないけど、処理すべきものが溜まっていく。
8月はそれを処理する季節。上旬は北の国に旅立っていたので、帰ってきてからが処理シーズン。と思ったら、行事3連発からの行事ウィークに突入。いったい何時になったら処理する時間ができるねん!
と思ったけど、行事があっても、フィールドに出さえしなければ処理は進む。

ここ数日で、リアルメールボックスはほぼ片付いた。溜まっていた未処理の電子メールも処理した。行事・会合・委員会などもだいたい手配した。今年度に実施した行事の報告も完了。北の国に行ってた後始末もあと少し。
次は雑誌を編集して、軽い原稿を書いて、査読も頑張るぞー! と進むといよいよ外堀が埋まってしまう。いよいよ本を書かなくっちゃ…。
巨大トドが1匹いたら、小さいトドは全滅させられるという話。


●2012年8月15日 ホネの貸出キット御披露目

昨年度完成してたと噂のホネの貸出キットが、ついにそのベールを脱いだ。
なんと貸出キットには2種類あった! 一つは頭骨セット。草食獣と肉食獣の比較という趣向。入ってるのはシカとアライグマ。アライグマは雑食やん、といった野暮な突っ込みはやめておこう。とりあえずは目の位置、顎の動かし方、歯の観察がオススメ。マニアは、鼻の中のホネや、耳の穴の耳小骨を見てもいいだろう。頭骨を構成してる個々のホネの名前や、穴の意味を考え出すと時間がかかるので止めとこう。
もう一つのキットはアライグマの全身骨格。手足の先、尾椎、胸骨、舌骨など細かい骨はケースに入ってる。しかし他の骨は袋に入っていて、直接さわれる。どうやら背骨や肋骨を並べてみろ、という挑戦らしい。難点は並べたのが正解か、確認の術がないこと。もう一つは、肩、肘、股、膝の関節を自分でホネをグリグリして確認してみろ。という事らしい。こっちは比較的簡単。でも、寛骨の向きは油断してると間違えそう。

という訳で、ホネの貸出キットは、面白いがなかなか手強い。遊び方のレクチャーか解説書が要りそう。


●2012年8月14日 伊勢湾スナメリ観察会企画案

先日、伊勢湾でたくさんのスナメリを観察できたのに味を占めて、スナメリ観察会を企画したくなった。はやりのいい方ならイルカウォッチングである。ついにイルカウォッチングに進出かぁ〜。
しかし、いくらたくさんスナメリが見られるからと言って、仙台から名古屋までフェリーに乗るのはちょっと馬鹿げている。船中泊を入れて1泊2日の度になるし、1日目にはほとんど見る物がないのである。ゆっくり船旅を楽しんで下さい。といういい方もできるが、その船旅には、安い期間に一番安いので乗っても7000円かかる。まあ早めにネット予約すれば半額。素泊まり3500円なら安い気もするけど、仙台まで行くのが洒落にならない。
で、伊勢湾内を行き来する適当な船がないか探してみた。

伊勢湾の湾口辺りの島をウロウロする船はけっこうあるし、鳥羽と伊良湖岬を結ぶ航路もある。でも、スナメリがたくさん出たのは、セントレア周辺より奥。もう少し伊勢湾の中を通る航路はないものか。
伊勢湾の中と言えば、名古屋港内の埠頭同士をつなぐ航路や、名古屋港の中を動く遊覧船がある。でも、スナメリがいたのは名古屋港のすぐ外まで。名古屋港の中を動かれても。

で、見つけた有力な航路は、三重県方面とセントレアを行き来する津エアポートライン。かつては、四日市、津、松阪からの3航路があったようだが、今は四日市からの航路はなくなったらしい。津−セントレアを45分、松阪−セントレアを75分を結ぶ高速艇。運賃は津航路が2400円、松阪航路が2700円。スナメリがたくさん見られるなら、ありな値段かと。
ただ問題は、高速艇なこと。仮にスナメリに出会っても、一瞬で過ぎていってしまいそう〜。さらに高速艇は背が低いので、水面が見える範囲が狭い。これでうまくスナメリが見られるんだろうか?

で、さらに探して見つけたのは、仙台−名古屋航路を運航している太平洋フェリーの伊勢湾ランチバイキングクルーズ。3時間かけて、伊勢湾の奥のフェリーターミナルから、セントレア周辺までをグルッと一周してくれる。使う船は、仙台−名古屋航路を運航しているのと同じ大型フェリー。ランチバイキングはどうでもいいけど、航路はまさにスナメリ観察会のためにあるようなもの。これだ!
ただ問題は、大人一人6700円と、3時間にしてはかなりお高いこと。ランチバイキングいらんし、風呂にも入らんから、乗船料だけで3000円とかにならんかなぁ。あと、250名集まらないと運航しないとかいてある。本当に運航されてるのか? さらに大きな問題は、月に1〜3回程度、土日にしか運航されていないこと。9〜10月の運航日を見るに、すべて予定が詰まってる…。

悩んでいても仕方がない。とりあえず一度、津エアポートライン(津航路で行って、松阪航路で帰ってみよう)と、伊勢湾ランチバイキングクルーズを試してみよう(いつか予定が空いてる日に運航してたら)。この二つをスナメリウォッチング目的で乗ったことがある人がいたら、ぜひその様子をお知らせを〜。


●2012年8月13日 液果の果肉ついての仮説3つ

とくにオリジナルではなく、すでに色んな人が色んな形で言ってる気がするけど、とりあえず思ったことを3つ並べてみよう。
ちなみに果肉でなくても、堅いタネの周りにジューシーな部分があれば液果とする。そして、液果は被食散布されるはずというのが前提。

仮説その1:熟した果肉は、少なくとも果実食者には有毒ではない。仮に有毒としても、微毒。
そもそも種子散布者への報酬であるはずの果肉が有毒では話にならないでしょう。壊されては困るタネは有毒でもいいし、むしろ有毒の方がよかったりするし、実際しばしば有毒らしい。
ここで問題になるのは、特定の種群にのみ毒性のある物質を果肉に蓄積する可能性があるかどうか。種子散布の共生系は広い対象同士のものであるのが普通。有力な種子散布者である果実食鳥とサルをはじめ、特定種群を散布者から除外する理由が見当たらない。なんてことから考えると、少なくとも例えばサルである人にとって、とても有毒な果肉はあまりなさそう。シュウサンとか入ってて、痛いのはあるけど。

仮説2:大きな果実は甘く、小さな果実はあまり甘くなく、小さな果実はむしろ苦い事が多い。
毒性と、苦味はあくまでも、独立した性質とみなそう。大きな果実は一部をかじられる可能性が高くて、果肉の味がかなり重要。一方、小さな果実は、丸呑みされる事が多いので、果肉の味はさほど問題にならない。問題にならないなら、わざわざコストをかけて、糖分を蓄積しないだろう。問題にならないなら、苦い事もあるだろう。という発想。
鳥は丸呑み傾向が強いので、鳥散布の果実は苦い事が多いとすべきかもしれないが…。鳥散布果実の中でも、苦い果実と甘い果実がある。それをある程度説明できないかな?

仮説3:大きな甘い果実の場合、タネ周辺が一番甘い。
でないと、果肉食べて、タネを呑んでくれない事態が頻繁する。
甘くて大きな果実と言えば、我々が食べる果物が大概そう。果物には、タネ周辺(中心部)が甘いのと、皮近くが甘いのに分かれる。前者にはカキ、スイカ、メロン、キーウィ、リンゴなどなど該当するのが多い(イチゴは外にタネがあって、その周辺が甘い)。後者はモモ、スモモ。後者は仮説3的には都合が悪い。きっと原種は小さくて丸呑みされてたんだろう。きっとそうだ。


●2012年8月12日 曇男vs雨女 雨中のツバメのねぐら観察

夏の夕方はツバメのねぐらの観察会。でも夏の夕方は、雨がよく降る頃でもある。曇りで耐えるか、雨が降るか。観察会担当者としては、ツバメがちゃんと集まってくれるかと同じくらい気になるところ。そこで役立つのが曇り男の能力。しかしそれを邪魔する雨女。昨日、奈良市某所では、曇り男と雨女の熾烈な戦いが、密かに繰り広げられていた。

昼頃から、雨女の影響で、京阪神は雨模様。観察会を行う奈良市はかろうじて雨をまぬがれていたが、北の京都府、奈良市の東、奈良盆地の南の方は、かなりの雨が降っていた。
曇男が集合場所に到着する時、雨女も現場に駆けつけてきた。曇っていた空から一時雨が降り出すも、集合時間には小康状態。南から雨がどんどん近づいていたが、曇男の力でなんとか雨は振っていなかった。この時の雨域の分布は、観察場所である平城京跡だけは振っていないものの、その北も東も南も雨が降っていて、雨女の力を見せつけていた。曇男は、かろうじて観察場所だけ死守しているという風情。
なんとか雨は振らず、観察会開始。説明で時間をつなぎながら、ツバメが集まってくるのを待つ。いつもならツバメがちゃんと集まってくれることを願うだけだが、今日は雨が降る前に集まって乱舞してくれるのを願う感じ。待っている間に、東の山で雷が鳴り出し、どんどん辺りは風雲急を告げる感じになってくる。ツバメよ早く集まってくれ〜。
その声が届いたのか、単に曇ってて暗いからなのか、いつもよりも早めにツバメが集まってくる。みるみる増えて、2万羽は超えただろうか。どんどんツバメがヨシに泊まり始めた頃に、とうとう雨が降り出した。傘を開く参加者。雨が強くなってきて観察しにくくなり、またツバメの乱舞のピークは過ぎたので、その場で一旦解散。満足した人には帰ってもらい、まだ見ていたい人だけが残った。飛んでるツバメが5000羽程度に減ってきた頃、近くで雷。開けた場所なのでこれは危険。慌てて残っていた人も帰路についた。
駅まで帰る中でも雨脚はどんどん強まり、駅に着いた時には足元はビチャビチャ。雨女恐るべし。しかし、観察会はかろうじて満足行く形で終えられたので、曇男もなんとか面目を保ったかと。
来年は雨女を連れて行かない方がいいかなぁ?


●2012年8月10日 スイカの楽しい食べ方

今日は高校生のお兄さんに新しいスイカの食べ方を見せて頂いた。とても盛り上がって楽しいので、紹介しておこう。
まず丸ごとのスイカを買ってくる。その中央部を厚さ2cmほどで輪切り。輪っかの中心から食べ進める。やがて頭に載せたらシャンプーハットにぴったりサイズ。さらに食べると、頭を通る穴ができ、首輪にでくるようになる。ここまでは、準備段階。これからが本番。
首に通したスイカリングを少しもちあげ、口の周りで回しながらシャクシャク食べる。試してみたが、首の周りがベタベタになるのが難点。
食べ終わったらネックレスにして、お持ち帰り。みんなの人気者になれること間違いなし。かなり変な人だけど。


●2012年8月9日 伊勢湾スナメリクルーズ

前日の午後に仙台を出たフェリーは、午前8時過ぎに伊勢湾の入口にさしかかる。この後、伊勢湾の東よりを縦断する事になる。
以前、この時間、この航路でスナメリを見たので、スナメリ期待で、ずっと海面に白っぽい姿を探す。さっぱり見つからない。が、セントレアにさしかかった辺りから様子が変わる。

船内にセントレア沖を通過する旨のアナウンス。セントレアは右舷側だが、光線の加減もあって、スナメリ探しは左舷側。
セントレア沖を半ば通過した辺りで、最初のスナメリ集団に遭遇。船から30-50mに白っぽい姿。間近に巨大な船が通過するので何れも潜ってゆっくりと逃げていくところ。8頭確認。みんな2頭ずつで動いてる。中には、水面を逃げながら、プシュップシュッと可愛い潮吹きをしてる個体も。
それから約20分後(十数km北)、セントレアを通過して、水が汚くなった辺りで、2つめの集団に遭遇。10頭確認。30-50mからやはり逃げていく。イルカっぽく、波間を出たり入ったり。特徴的な丸い波紋。やはり基本は2頭単位で行動。大学生の団体の一人がイルカ!と叫んで、仲間を呼びに行くが、すでに群れは見えなくなっていた。もうスナメリは出ないよ残念だったねぇ。と、意地悪く考えていたが、こっちが間違っていた。
名古屋港内に入る直前になって、相次いで2つの集団が出現。10頭ほどと、7頭を確認。いずれも80-100mと遠め、波間を出たり入ったり。大学生集団は大盛り上がり。

さすがに名古屋港内にはスナメリはいなかった。が、港のすぐ外にまで見られるとは驚いた。合計35頭。近くでゆっくり見られる個体もあり、かなり満足できるイルカウォッチングだった。
コンスタントにこのレベルで見られるなら、商業的に成立するんじゃないかなぁ。もっと小さな船なら、逃げずに浮かんでるのを間近に見れそう。


●2012年8月8日 なにもいない海

昨日は八戸から苫小牧までフェリーに乗った。青森県沖の海上は鳥がいっぱい。忙しくも楽しい。それに引き換え、北海道沖、というか苫小牧沖は寂しい海。それでも鳥がいない訳ではなく、イルカの群れがでたりして楽しかった。
苫小牧から名古屋へのフェリーは夜に出発。楽しい青森県沖を夜に通過してしまい、夜が明けたら岩手県沖も南の方。それでも、けっこう鳥がいる。
が、宮城県沖に入ると、鳥が少なくなり、やがてウミネコくらいしか飛ばなくなる。福島県沖にいたっては、海上にほぼなにもいない。そして日没間際、茨城県沖に入ると、とたんにオオミズナギドリがたくさん飛び出す。
今日は一日中海を見ていたが、鳥を見たのは早朝と日没間際だけだったことになる。

県によって傾向がはっきりしてるのは、驚くほど。オオミズナギドリの飛び方で茨城県沖に入ったのが分かるくらい。どうしてこんなパターンが生まれるんだろう。
繁殖期の魚喰いの分布は、その日の魚の分布とコロニーの分布で決まりそう。コロニーの分布は、中長期の魚の分布で決まりそう。とりあえず宮城県南部から福島県沖って漁場としてどうなの?

ちなみに携帯の電波は、苫小牧沖、青森県沖、岩手県沖、福島県沖で入って。宮城県沖と茨城県沖で入りにくい。これは湾になってて、船と陸の距離が開くと入りにくいって事みたい。


●2012年8月7日 八戸−苫小牧航路

八戸港と苫小牧港を結ぶ航路があるのは知ってたけど、乗るついでがなかった。わざわざ乗る必要も感じてなかった。自分の不明を恥じなくてはならない。今度はこの航路に乗るためにやってこよう。

八戸から大阪に帰る。折角なので、八戸−苫小牧航路に乗ってみた。多くの人は一泊稼げる夜行の便に乗ってるらしい。が、こちとら海鳥を見たいので、わざわざ昼間の便に乗った。大正解。オオミズナギドリを中心に、ミズナギドリ類多分3種、アホウドリ類2種、アカエリヒレアシシギ、ウミスズメ類多分2種。のみならず、たくさんのトウゾクカモメ類に出会えた。少なくともトウゾクカモメとクロトウゾクカモメはいた。どうもクロトウゾクカモメが中心っぽい。イルカも2回出現。
鳥が多いのは、下北半島の東側。他の航路では、この部分はしばしば夜に通過してしまうので、この航路の意義は大きい。

ただこの航路のフェリーには、レストランはなく、売店もしょぼい。自販機があるだけ。食料は自分で持ち込む事をお勧めする。


●2012年8月6日 大間の息子の観光案内

友の会合宿オプションの最後は、マグロの町。
大間で暮らす方に案内していただく。大間での説明だけかと思ったら、大間に向かうバスの中から観光案内。案内人は前の車に乗ってるのだけど、電話をかけてきて、案内をしようとする。電話で聞いたのを、バス内で繰り返すのは面倒なので、携帯電話をマイクに付けてみる。聞こえる聞こえる。なんか地元の人のレポートをラジオで流す、某公共放送のラジオ番組のよう。妙に面白い。
なんやかんやで、大間到着。大間の息子に連れられた一団は、あちこちから声をかけられる。大間の息子は、みんなに可愛がられている。「うちの息子がお世話になっています」確かにお世話してるかも? とにかく地元で可愛がられていてなにより。

大間の息子さんのフィールドである弁天島の話を聞いているとみるみる時間がなくなる。慌てて、土産物を買ったり、マグロを食べたりに散っていく。息子さん推薦のお店で、マグロの頭を焼いていたので食べてみる。焼きたてのマグロうまい〜。160kgクラスのマグロで、昨日だかに上がったらしい。これまた息子さん推薦の店に行ってみると、息子さんが店の人と挨拶している。息子さんが、親友の兄貴ですとか、師匠ですとか紹介してくれると、タコの足を1本プレゼントというシステム。
土産物屋さんの中につくられた、本州最北端のツバメの巣を見たりしている内にあっという間に大間滞在は終了。
息子さんと手を振って分かれる。息子さんには、現在彼女がいないようだが、あの調子なら大間のどこかの娘さんを紹介してもらえるに違いない。そして、大間に住み着いて、本当の息子になる日も近い?


●2012年8月5日 下北合宿最終日

午前は目の覚めるような地層が連なる稲崎海岸へ。と思ったが、ガスってて全体が見えず、インパクトいまいち。海岸を半ば歩いてから、ガスが晴れてきたけど、インパクトは取り戻せず。
延々と続く浜があると、とりあえず歩いていきたくなるのが人情。どんどん、浜を歩き始める。なんとなく、貝殻なんかを拾いながら。地層の解説を聞きたい一団は、ピンクのおじさんに付いていくのだが、説明ポイントがけっこう先。結局、大部分の人が先を争うように浜を歩いてく。
なかなか動かないのは、打ち上がったアマモをひっくり返してる甲虫屋。崖下の海浜植物を見ている植物屋。退屈してもう弁当を喰ってる海鳥屋。
ビーチコーミングの成果は、色んな貝殻、カニの甲羅、マボヤ、アメフラシ、鳥の羽根など。ハシボソミズナギドリ、ウミウ、ウミネコの死体やミイラも拾われた。でかいとう尺骨も拾われたが、同定できず。

午後からは恐山へ。菩提寺に入るか入らないかは自由。としたのは、1/4位は入らないかなと思ったから。が、入らないのは虫屋一人だけ。当初は入るは無かったのだが、二人で残されるか、みんなと一緒に行くか。究極の選択を迫られ、みんなと入ることにした。一人残された虫屋は寂しそうだった。虫屋はもっと虫屋仲間を育てなくちゃ。
菩提寺に入った面々の大部分は、これまたピンクの地学屋さんの解説を聞いた後、温泉にも入ったらしい。
一方、鳥グループは、カルデラ湖に浮かぶ水鳥観察。遠くてよく見えないので、浜沿いを歩いて近付く。主に高温石英からなる浜の砂は、白くてとても綺麗。酸性が強い湖には生き物の姿は少なく、透明度が高い。白い砂、綺麗な水。南国の浜辺のよう。ただ、固定は所々黄色くて、妙に綺麗。なぜか浅瀬をヤゴが泳ぎ、岸辺の石には大量のヤゴの脱皮殻。
結局、浮いていた鳥は、カンムリカイツブリの成鳥と大きなヒナ。


●2012年8月4日 合宿中日

合宿は今日がメイン。朝は田んぼ。昼は尻屋崎。午後はコウホネの湿地。
共通してるのは、ずっと霧雨ってこと。天気予報を何度見ても雨とは言ってないこと。どうも雨ではなく、我々は雲の中にいるらしい。尻屋崎はさらに風があって、8月だというのに寒い。寒くて天気が悪いので、観察条件は悪いが、下北の自然はあなどれない。

朝の田んぼは、かなり除草剤を使ってるらしく、水田雑草も水生昆虫もダメ。でも水路には二枚貝が3種、トゲウオもいっぱい。やっぱり楽しい。鳥はあんまりいないけど、関西人の集団は、ホオアカがさえずってるのが見れると嬉しい。

尻屋崎では、海鳥の専門家さんが、ケイマフリを見せてくれるというので付いていく。まずはオオセグロカモメのヒナを見ながら、お弁当。パタパタ飛ぶ練習をするヒナは可愛い。
さあケイマフリを見に行くぞ。というので付いていくと、歩く歩く。メッチャ遠いやん。で、着いたのが弁天島を一望できる場所。ガスってて、あまり見えない…。専門家さんが、頑張ってケイマフリを探すが見つからないらしい。残念。期待した面々が諦めかけた時、ケイマフリ!は、やっぱり見当たらないが、シノリガモを発見。関西人はシノリガモで嬉しい。さらに、陸に上がりかけてるシノリガモを狙って、ハヤブサがアタック。慌てて海に戻るシノリガモ。さらにハヤブサがアタック。今度は潜ってかわす。それを10回近く繰り返して、ハヤブサは疲れたらしい。シノリガモの近くの岩で休憩。面白かった。
それから灯台へ。寒いけど先端は極めておかないと。でもウミネコくらいしかおらんなぁ。と思ってたら、海鳥の専門家さんが叫ぶ。トウゾクカモメ類!見ても判らん。クロかシロハラと主張。専門家の言うことは難しい。

午後は、コウホネとヒルムシロの池へ。ここはほんまに鳥がおらん。
クモ屋さんから水網を奪って、すくってみる。ここでもトゲウオがすくえる。エビもすくえる。見たことのないエビ。モノアラガイが採れた。でかい〜。
という訳で、下北は楽しい。


●2012年8月3日 下北合宿初日

八戸に集合して、まずは仏沼。次に老部川河口。そして、むつ市大畑町の宿舎へ。
と、書くと簡単だけど、行うは難し。トイレ休憩を含めて5回、出発時間に50人からの人間をかり集めて、人数確認して出発。何度も集合時間を言っても、全然聞いてない人がいる。普通の参加者は、だいたい問題ないのだけど、スタッフ崩れの参加者がたちが悪い。
それでいて、盛り込みすぎのスケジュールは、時間がとてもタイト。スケジュール通りに動かすだけで、いっぱいいっぱい。観察を楽しむような余裕はない。
スケジュールを妨げる奴は敵、という勢い。おかんのようなテンション。まあ明日のスケジュールは、緩いので、もう少し穏やかに進められるかも。

そんなテンションで行った仏沼。ちょっと遅いかと思ったオオセッカとコジュリンは、たくさん囀っていた。オオセッカは5月とさほど変わらないくらい囀ってる。繁殖期が長いらしい。チュウヒもずっと飛んでいたし。楽しめた。担当でなければ、もっと楽しかったろう。
老部川河口には、延々と続く砂丘と砂浜がある。で、浜には色々落ちてる。みんなして、ビーチコーミング。ウバガイなどの貝殻、ハスノハカシパン、ウミネコの尾羽なんかを拾いまくる。オオミズナギドリ1体、フルマカモメ3体、ウミネコ1体と鳥の死体も盛りだくさん。白くて三角のフジツボがけっこう落ちてる。とても綺麗。北方系のフジツボらしい。こんなに目立つのが岩に付いてるのかなぁ。担当でなければ、もっと楽しめたろう。


●2012年8月2日 飛行機に乗ったら

もちろん外を眺める。ほぼずっと眺めてる。晴れてたら、リアル日本地図。佐渡島って、地図と同じ形や!と喜ぶ。
曇ってても眺めてる。雲の中を横切る時はラピュタの気分。雲の上に出たら、雲海を眺める。歩けそう。この上を歩き回ってる生物いたら面白いな。あまりに熱心に雲海を見てると、面白いですか?とCAさんに尋ねられたり。

今日は、関西空港から函館空港に飛んだ。座席は、機体の左側の一番前。神戸の街並みは見えるが、大阪市内や淀川は見えにくい。東岸から琵琶湖が見渡せて、遠くに若狭湾まで見えて楽しい。冠島まで見えてるみたい。立山には雪渓が残っていて、富山平野も一望。でもそこから海上に出てちょっと不満。右側の席だったら…。でも、やがて佐渡ヶ島が見えてきて感激。地図と同じ形。そして、津軽半島が見える。陸奥湾を縦断してるみたい。ということは、右側にこれからいく下北半島があるはず。見たい〜。でも満席で見に行きにくい。見たいなぁと、右側の席を見ると、誰も窓の外を見ていない…
。なんと言うことだ! なぜか腹が立つ。
五稜郭が見えた!と思ってる内に、高度がどんどん下がって、函館空港到着。楽しかった。


●2012年7月31日 2012年7月のまとめ コンプリート!

ため池、大和川、大阪湾のルーティンの調査はこなした。そして何より7月は、5月から取り組んだツバメの調査が二つ大団円を迎えた。一つは関西の駅のツバメの巣調査。まさかあんなに盛り上がり、まさか関西の全駅を制覇するとは思わなかった。もう一つは、大阪市24区のツバメの巣探し。1区を1日かけて自転車で走り回り(平野区だけ2日かかった)、とにかくツバメの巣を探しまくる。7月31日すべりこみで全区の調査完了。おかげで日焼けで真っ黒、おかげで猛暑日に一日14時間自転車で走り回っていても倒れない体力がついた。
ツバメ調査2つがやたら大物で、すっかり影が薄かったが。大阪鳥類研究グループで5ねんごとに実施している大阪市内の公園で繁殖する鳥の調査。これも7月中に余裕をもって(というのもノルマを残していたのは私だけだから…)、完了した。

とまあ6月に続き7月も調査にかまけていて、鳥の皮むきをする余裕がなくなった。ホネホネ団活動日に、エミュー1羽を剥いただけ。8月はもう一度盛り返したいと思う。
そして、大阪府の哺乳類の本の原稿はまったく進まなかった。が、最終締め切りだけは設定されてしまった。そのせいでという訳でもないけど、大きな方針と、タイトル案を考えた。来月頑張る。後半に頑張る。


●2012年7月30日 平野区の道は一日にして回れずじや

大阪市全区を自転車で走り回ってみよう。シリーズ最後は真打ち登場。平野区はやはり手強かった。14時間かかって、約80%回ったけど、時間切れ。
昼間がもっと長ければ出来たのに、こんなに早く日没が来るんじゃ、一日じゃ無理!っと、これは逆ギレ。
広さだけならもっと広い区は他にもあるけど、他はみんな河川敷や埋め立て地、広い緑地と、実質、ツバメの巣を探さなくていい場所で水増しされてる。それに対して、平野区は正味の15平方kmちょっと。1平方kmに1じかんちょっとかかるのが標準ペースなので、14時間では無理なのは分かってた。分かってたけど、ちょっと悔しい。


●2012年7月29日 ハヤブサ夕方ツバメを襲う

淀川鵜殿のツバメのねぐらを見に行った。
まだあまりツバメが集まっていない早い時間帯から、ハヤブサ登場。遠い鉄塔にとまった。もしや、ねぐらに集まるツバメを襲いに? と思ったら案の定、ツバメを襲いだした、らしい…。らしい、ってのは、最初のうち、ツバメを襲うどころか、捕ったツバメを運ぶのも確認出来ず。なんか持って鉄塔に戻ったぞ、なんか食べてるみたいやぞ、という程度だったから。
結局、襲うシーンは見れなかったが、捕りたてのツバメをつかんで、飛んでいくのは確認できた。


●2012年7月28日 住之江区探検報告

昨日書き忘れたから、今日書くぞ。と思ったけど、時間がないから、また今度。

猛暑日に自転車で13時間。ほぼ休憩なしで住之江区を走り回った。それでも倒れない自分を誉めてあげたいような。それでも赤くもならないくらい日焼けした自分を、鏡で見てびっくりするような。赤くならなくても、帰ってきてから数時間は、体がほてったまま。軽い熱射病には違いないなぁ。
ということで、残る探検は平野区のみ。真打ちを最後に迎えることになる。とりあえず、猛暑日に13時間走り回れるという実績でもって、真打ちに立ち向かうぞ!


●2012年7月26日 ハチの数を数える

ハチの特別展の準備は予想外に順調。プレビュー前日の午後9時頃にはあらかた完成していた。まあ、主担当は夜遅くまで、なにかしらしていたようだが、サポート組は早々に解散。
で、プレビューに向けて、標本点数を数えることになった。数を数えるといえば、野鳥の会会員。と、指名される。いまだに言うかなと思うけど、まあこの野鳥の会会員は日頃からよくカウンターで鳥の数を数えている。動きまわる鳥を数えるのに比べたら、ジッとしてるハチの標本点数なんて、お茶の子さいさい。と思ったけど、甘かった。

1時間以上かかってようやく数え終わった。ハチ展の標本点数は、
・昆虫標本:14,210点
・ハチの巣:1,206点
何度も指をつりそうになった。これを毎日やっていたら、さぞかし指が鍛えられるだろう。そして気づいた事がある。近頃は、ユリカモメもめっきり減ったが、めっちゃユリカモメが多かった時でも、せいぜい5000羽程度しか数えたことはなかった。つまり、こんなにたくさんカチャカチャしたのはたぶん初めて。

常設展の標本点数って、1万から2万点って言ってなかったっけ? だとしたら、今度の特別展には、常設展に匹敵するだけの標本が並んでる事になる。
あんなにたくさんのハチ標本をみたのも、あんなにたくさんのハチの巣を見たのも初めて。同じ種類のハチをそんなに並べなくってもとも思うが、とにかく色んなハチが並んでるのは間違いない。そんなにアシナガバチの巣を大量に集めなくってもと思うが、順々に大きくなるように並べてあるのは面白い。

気に入った展示は、
・ハキリバチが葉を切り取った後の、葉っぱの押し葉標本。とてもアートで面白い。
・マイマイツツハナバチの巣。カタツムリの殻の中に部屋を作っていくのだけど、断面はまるでアンモナイト。
・世界最大級のハチ。クモバチの一種らしいけど、翅を広げると10cm近い。
・セイボウコレクション。小さいけど、とても綺麗。ピンで刺さずに、不思議な止め方をしてる標本があったりする。

午後11時30分。主担当さんも帰るらしく、展示室の電気が消えた。あとは明日の朝に仕上げってことで。


●2012年7月25日 むくどり通信 名前の由来

日本野鳥の会大阪支部の、当初はニュースレター風やったのが、今は会報に昇格。小さい頃は、これを隅から隅まで読んでた。今日久しぶりに、初期の号を見たけど懐かしい。で、今さらむくどり通信と名付けた理由を知った。みんなが知ってる普通種だかららしい。本当はハシブトガラス通信にしようと思ったとも書いてある。
納得がいかん。いまでこそ超普通種の2種だが。むくどり通信が創刊されたのは、1977年。当時の大阪では、ムクドリもハシブトガラスも必ずしも普通種ではなかった。
命名者は未来を予見してたのか? あるいは、ただの勘違い?


●2012年7月24日 救急車を呼ぶ

帰り道、道に倒れてる人。女の人が介抱してる。知り合いかと思ったら、通りがかりで倒れてる人を見つけたらしい。
で、救急車を呼ぶことに。

その人が救急車を呼ぶ。一人が声かけ。一人は近くの店に経過を聞きに行く(明らかにその店で購入した商品があったので)。おいらは役立たずで、みんなしっかりしてるなぁ、と思いながらボンヤリ見てるだけ…。
しばらくして救急車到着。救急隊員が3人降りてきて、息を確認、脈を確認。息は思い付いたけど、脈は思い付いてなかった。脈はしっかりしてるらしい。
ただの泥酔なら、人騒がせだけど、その方がいいなぁ。と、救急隊員の動きを見てようと思ったら、あとは任せて帰るように言われる。人だかりが出来ると困るからとのこと。
結局、どうだったかは分からず。ホッとしたような、ちょっと不満なような。

救命講習会とか受けたことあるけど、いざとなると、全然何したらいいか分からん。心臓マッサージの仕方習っても、いつ使ったらいいかが分からん。救急車呼ぶしか思いつかん…。


●2012年7月23日 特別展グッズ

といえば、Tシャツ。毎年、夏になると特別展に合わせたオリジナルTシャツを作ってる。これって、大和川展からかなぁ。

今年のハチ展でも、オリジナルTシャツが出来てきた。担当者的にはもっとリアルなデザインのを作りたかったようなのだが、デザインにこだわる時間がとれず。デザイナーさんに任せた感じ。結果的にはよかったのかも。ってかんじで、いつになく可愛いデザインは、けっこう好評の予感。
今年の特別展グッズはほかに、同じデザインのトートバッグ、プロトタイプのポスターに使われていた格好いいハチの写真を使ったクリアケース。マニアには、このクリアケースがお薦め。
とまあ、今年の夏のラインナップが揃った。

考えてみれば、来年の大阪湾展でも、再来年の都市の自然展でも、オリジナルグッズを作るに違いない。Tシャツは間違いなく作る。直前になると何かと忙しいので、早めにデザインを考えておくのが吉。というわけで、勝手にさっそく考えてみた。
大阪湾展は、館長に敬意を払ってみて、キタフナムシTシャツはどうかなぁ。気持ち悪い系もいいんじゃないかと思う。少なくとも妙にキャラクター化したデザインよりは売れそうな気がする。個人的にはカモメTシャツが欲しいけど。あとスナメリTシャツ。とか言ってると、萌蔵辺りからカニTシャツ〜、といった声が聞こえてきたりするのかも、かなり激戦。
都市の自然展では、2デザインを強く推すぞ! 一つはツバメTシャツ、もう一つはセミTシャツ。どっちも定番商品の可能性を秘めてる。はず! というわけで、圧倒的にメジャーなこの2アイテムで決まりでは?
って感じなんですけど、店長さんいかがですか???


●2012年7月22日 関西制覇

本日、プロジェクトは一段落。先週末に山場は過ぎていて、今週はカウントダウン。あとはXデーはいつか、ってだけだったが、Xデーを迎えるとやはり感慨深いものがある。という訳で、関西の駅のツバメの巣の調査2012は、今日で一応完了。
5月に動き出して、2ヶ月ちょっとで完了。参加者はざっと数えて90人ちょっと。調べた駅は1336駅。ホームも改札も地下の駅は除き、ロープウェイは可能な範囲しか調査してないけど。他は普通の鉄道、路面電車、モノレール、ケーブルカーまで全てチェックできた。
3つのメーリングリストに情報募集を流して、Twitterでつぶやいただけ。こんなに盛り上がって、関西の全駅コンプリートにたどり着くとは思わなかった。これほど、鉄道好きの鳥屋がいたとは…。

気分が盛り上がっている内に、今回の関西の駅のツバメの巣調査を振り返っておこう。
情報を集め始めたのは、5月16日。すでに書いたが、関西の全駅を制覇しようとは夢にも思っていなかった。今年は大阪府をだいたいコンプリートして、3年ぐらいかけて、関西の90%くらい調査出来ればいいな。くらいに思って始めた。それが呼びかけ人自身が一番驚くほどのペースで情報が集まりだした。
当初からみんなの反応がいいなと思った。最初は集まった駅のリストをまとめてはメーリングリストに投げていたが、すぐに煩雑になって、ホームページを立ち上げた。なんやかんやで、5月末。2週間ほど経って、集まった駅は約200。これでもたくさんの情報が集まったなぁ、と思っていた。でも、ここから加速する。
だいたい週末に調査に行って下さる方が多かった。6月第1週に300駅を突破。6月第2週を過ぎて、情報を集め始めてちょうど1ヶ月で約500駅の情報が集まった。もう半分以上の駅は調べたかな?と思って残り駅を数え始めたのがこの頃。1300駅ほどもあって、まだ半分も行ってないと気付く。同時にこの頃から路線単位、電鉄単為のコンプリートが増え始める。なんやら線コンプリート!と叫ぶ機会が増える。
6月の3週目が終わって、667駅の情報が集まる。これでほぼ関西の駅の約半分を調べたことになる。気が遠くなってもよかったが、1ヶ月と1週ほどで半分調べた。このペースなら7月中にコンプリートがあるぞ。とチラッと思った。あくまでもチラッと。なぜなら紀勢本線とか山陰本線とか北近畿タンゴ鉄道とか、大阪から日帰りではとても調べられない(と思った)路線がほぼ丸々残ってたから。遠隔地除いてのコンプリートを目指そうかなと言うのが正直なところだった。
が、6月最終週ののびがすごかった。ここまでは、だいたい週末ごとに100駅ずつ増えていたのだが、6月の最終週は、一挙に300駅の情報が集まった。6月末で1000駅に届きそうになった。残り300駅ちょっと。それでも、遠隔地は残るだろうと思った。
6月の最終週の頃から、予約システムが稼働。どこを調査しに行きますと宣言して下さる方が増えた。でも、紀勢本線も予約してくださった。兵庫県の西の方も行って下さるらしい。となると、山陰本線と北近畿タンゴ鉄道と舞鶴線辺りを分担して下さる方がいたら、関西制覇も夢ではない? と思い出したのはこの頃。
7月最初の週末を終えて、1100駅を突破。未調査の駅のリストをプッシュして、誰か調査して〜、と繰り返してみたり。そして、兵庫県の西の方や北の方の情報も入り始める。兵庫県で複数の強力助っ人が動き出して下さったのが大きい。
7月2つ目の週末を終えて、1200駅の情報が入った。紀勢本線は予約を頂いてる。完全制覇できると思ったのは、この時点。山陰本線で残ったら、見に行っちゃるという心強いお言葉もいただいた。
調査初めてちょうど2ヶ月の7月16日。関西制覇まで残り駅は16。すでに紀勢本線も山陰本線も北近畿タンゴ鉄道もコンプリート。比較的近場の路線が残っただけ。もうXデーを待つだけ。ちょっと気が抜けた。
そして今日、最後はちょっとバタバタしたけど、無事に関西制覇達成。

2ヶ月ほどの祭りだった。参加してくださったみなさんに感謝。滋賀県の大部分は、実質二人の方が調査してくださった。和歌山県も実質二人で調査。大阪府や奈良県や京都府はいろんな方が、あちこちをウロウロしてくださった。同じ駅を同じ日に複数の人が見に行った事もあったらしい。二人とも駅員さんに話を聞いたとか。駅員さんは何だと思ったろう? いったん調査が済んだ後でも、新たな情報が入ったこともあった。一番印象的だったのは、阪急梅田駅にツバメの巣が見つかったこと。
いっぱい調査してくださった方も、1駅だけ見た方も、みんなで調べた成果。みんなに感謝。心残りがあるとしたら、呼び掛け人の癖に自分自身の貢献度が低かったこと。みんなを巻き込む調査をするときは、自分が一番頑張るように心がけてるんだけど、今回はあまり貢献できず。というか、みんなの盛り上がりが早くて大きくて、情報を整理するだけで手一杯だった気がする。

というわけで、2012年の調査は一段落。でも、状況が変わったのに気付いたら是非お知らせを。ロープウェイに乗る機会があれば、ぜひツバメの巣のチェックを。
で、3年後か5年後にもう一度調査しましょう。その時、今よりも駅にツバメがたくさん見つかりますように。


●2012年7月21日 コンビニ、ツバメ化計画

開いてますツバメのLソン
ツバメのコンビニFマート
Sイレブン、ツバメ気分

ツバメが巣場所にする条件で、かなり重要なのは、人通りだと思う。特に昼間に人の動きがあるかどうか。中でも朝早くからの動きは重要。モーニングがある喫茶店はいい感じ。新聞販売店もいい。でも呑み屋はダメ。なんてことを考えると、コンビニはかなりいい感じに思える。朝から営業してるし、昼間の人の出入りも多い。でも調べてみると、コンビニに営巣してるツバメは少ない。店の構造が悪いんじゃないかと思う。
屋根の縁を少し垂直に下げるだけで、壁をコンクリート製にするだけで、ツバメは営巣するんじゃなかろうか?

ツバメに優しいコンビニ。糞の掃除とか、雑用は増えるけど、イメージ戦略としてはいいんじゃ?売上に貢献するかも。という訳で、どこか試さないかな。コマーシャルのコピーだけは、すぐに思い付く。


●2012年7月20日 一人贅沢

大学生の時は自宅生だったので、下宿して自由に暮らしてる奴らがうらやましかった。終電を気にせずいつまでも好きなことが出来るのがうらやましかったし、お金の自由度が高いのがうらやましかった。わずかな小遣いでやりくりしてる身では、缶ジュースすらうかつには買えない。
大学院に入って、下宿して自活を始めた。終電を気にしなくてよくなった。でも超貧乏なので、やっぱりうかつには缶ジュースも買えない。外食は週に一度の贅沢。風呂屋は2日に一度。
就職してお金持ちになった(当社比)。これからは贅沢を楽しむぞ。と思って、スイカを丸ごと買ってきて、上に穴を開けてスプーンですくって食べるというのをやってみた。途中で飽きた。ホールでケーキを買ってきて、切らずに一人で全部食べる。高いマンゴーを買ってきて、皮むいて丸ごとかぶりつく。一人贅沢で思いつくのは色々あるけど、未だに実行した事がない。
長年培った貧乏性はそう簡単には変わらない。考えてみたら、思い付いた一人贅沢からして、さほどの事ではない。

就職してお金持ちになって(当社比)、一番の贅沢と言えば。読みたいSFを新刊で、文庫落ちを待たず単行本を買うようになったこと。牛乳は低温殺菌牛乳、バターは発酵バターを買うようになったこと。やはり大したことない…。貧乏なころは、贅沢は敵だと自分に言い聞かせていたが、今となっては贅沢ってなに?って感じ。


●2012年7月19日 天王寺区 坂と寺と高校の町

自転車で走り回りたくない大阪市の区ランキング
 第1位 天王寺区
 第2位 中央区
 第3位 阿倍野区
 第4位 住吉区
 第4位 生野区
ようは坂が多い区を走るのはイヤ!ってことなんだけど、圧倒的に坂だらけなのが天王寺区。逢坂、天神坂、清水坂、愛染坂、学園坂。名前のある坂も多い。きっと由緒があったりするんだろう。坂が多いだけあって、山も多い。茶臼山、真田山、宰相山。山あり坂あり。
中央区は、東の端が高くなってる。阿倍野区は西の端に崖があって、南西の方に坂が多い。これに比べたら、住吉区と生野区はぜんぜん大したことはない。

そして坂をのぼった高台には、寺が死ぬほどある。中央区も生野区も高台に寺がある。寺を高台に造りたがるのか、高台にあった寺だけが残ったのかは知らない。まあ津波やなんかを考えたら、上町台地の高台は安全なんだろう。

でもって、学校が多い。中学校や小学校よりも、高校の方が多いんじゃないか?というくらい高校が多い。附属天王寺、清風、上之宮、四天王寺、高津。名の知れた高校がたくさんある。天王寺区に住んでいたら、自転車通学圏に高校は選り取り見取り。

でも、純粋な住宅地は少なく、高層マンション群もない。どっちかと言えば、その他のエリアは商業地色が強い。なんやら問屋の建物もあちこちにある。天王寺、上本町、鶴橋。ターミナルとその周辺の繁華街もある。けっこうラブホにも出会う。色んな顔を持ってる区で面白い。


●2012年7月17日 魚取り鳥の都合

今日、淀川や神崎川に行ったら水が濁りまくってた。朝からカワウはねぐらでボンヤリ。コアジサシは飛んでない。
水が濁ってると、商売はあがったりだろうな。となると梅雨時は大変。


●2012年7月16日 自然保護における地域のアマチュアの役割

今日はとある堺市で講演をさせて頂いた。講師紹介で、プロの話を聞かせて頂く的なことを言われ、アマチュアが自然保護で出来ることが少ない的な発言まであった。それは違うぞ! と、やや意地になって、地域のアマチュアこそが地域の自然保護の主役である。その役割は大きい。と熱弁してみた。
それをわかって前振りをされたんだとしたら、見事に釣られたということになる。


●2012年7月14日 人と鴉と燕

近頃、ツバメが減ってるらしい。その原因としてよく語られるのは、カラスによる捕食。ツバメが減ったというのは、感覚としては分かるが、データは意外なほど乏しい。その原因がカラスに至っては、支持するデータを見たことない。でもまあ、どちらも正しいとしよう。で、カラスによる捕食圧の変化は人間が絡んでいるとしたら、何通りかの面白げなストーリーが作れそうに思う。


●2012年7月13日 都市の田んぼ調査

大阪市内の各区を走り回って、ツバメの巣を探してるのだけど、ついでに田んぼの分布も記録してる。今までの20区を調査して、田んぼがあった区はわずかに5区のみ。そのトップ5を発表してみよう。

第1位 東住吉区:45ヶ所
第2位 鶴見区:30ヶ所
第3位 住吉区:13ヶ所
第4位 生野区:3ヶ所
第5位 東淀川区:2ヶ所

水田を箇所数で数えられるのは、分断化が進んでしまっていて、水田が広がっているエリアなど残っていないから。どの水田も道路などで小さいユニットに隔てられてるので、面積ではなく数を数えられる。
孤立した田んぼで、どんな生き物がくらしているのか気になるところ。

とりあえずケリやヒバリは一切いない。狭すぎるんだろう。アマガエルとヌマガエルはいる。たぶん水田以外の市街地でも動き回れるアマガエルは広く生息していると思う。でも、水田から離れそうにないヌマガエルは孤立しまくってるんじゃないだろうか? それでも少なくとも住吉区に1ヶ所、東住吉区で2ヶ所、ヌマガエルの声を確認した。ほそぼぞと大阪市内で生き残っているヌマガエルに明日はあるんだろうか?


●2012年7月12日 東住吉区

ツバメの巣の数は惜しくも住吉区に負けた。が、しかしよーく数えてみると、残された水田の数は鶴見区を押さえて、第1位。新たな大阪市内穀倉地帯に認定される可能性も高い。ただ、東住吉区で田んぼが多いのは平野区との境界辺り。平野区にあっさり追い抜かれる可能性も高い。
東住吉区の西の方は住吉区風、北東部は生野区の東の方を思い起こさせる(つまり東大阪市風)。そして南東部が平野区風のような…。オリジナリティに乏しい?


●2012年7月10日 住吉区の決闘

世間は知らないかも知れないが、今日は密かに住吉区を舞台に決闘が行われた。得物は、ツバメの巣。
勝負は、ツバメの巣をより多く見つけた方が勝利をおさめる1対多のバトルロイヤル。長年住吉区を根城にする面々を多く擁する連合軍に対して、こちらは新参者1人。時間をかけて連合軍に対して、こちらは今日1日だけの勝負。果たして勝ち目はあるのか?結果を乞うご期待!
で、今日1日、住吉区を自転車で走り回って、60個のツバメの巣を見つけた。いや〜、いい闘いやった。

えっ? 決闘の結果はって? データを入力して、ちゃんと整理せんと分からんから…。


●2012年7月9日 中央区の解説

中央区は見所満載な上に、区画割りが割とはっきりしているので、説明しやすい。
まず長堀通で、北と南に分けよう。
南はさらに、堺筋、松屋町筋で3つに分ける。北は、松屋町筋と谷町筋と上町筋で4つに分ける。


●2012年7月8日 関西の駅のツバメの巣調査:ラストスパートの段取り

なにげなく思いついて始めた関西の駅のツバメの巣調査。思いもかけぬ盛り上がりを見せて、残り20日ちょっとを残して、完全コンプリートすら視界に入ってきたかも?

とりあえず今夜時点で、チェックできた駅が1160駅。残りは、167駅ほど。
だけど、未報告で調査済みというのが45駅。調査するとの予約が41駅。さらに予約とは行ってないけど、南の大物28駅には、調査に行く予定が立てられてる。これを抜いたら、53駅ほど。
誰も行かないなら、担当してくださりそうな方がいるのが、23駅ほど。今のところ、調査のあてがないのは、30駅だけ。その中でも近場は誰かに押しつけよう。押しつけ残りそうなのは、

JR舞鶴線〜小浜線の6駅
JR山陰本線の豊岡より先に残った10駅
北近畿タンゴ鉄道の西舞鶴〜宮津の7駅
の合計23駅。

よくぞここまで頑張って調査した。誉めてあげて、満足すればいいんだけど、ここまで来たら、全駅制覇したい! 誰か調査に行って〜! 
といいつつ、他人任せではいかんと、買ったばかりの時刻表を片手に、舞鶴への夜の日帰りを検討中。大阪を18時過ぎに出て、京都駅1929発のきのさき15号に乗車。綾部からまいづる13号になって、東舞鶴2112着。東舞鶴2118発の小浜行き各停に乗って、松尾寺2126着&調査。松尾寺2151発各停で西舞鶴に戻る&調査。西舞鶴2305発各停で東舞鶴へ&調査。なぜかそこで朝を迎え、東舞鶴0542発各停で真倉へ&調査。真倉0652発各停で梅迫へ&調査。梅迫0742発各停で淵垣へ&調査。淵垣0756発各停で綾部へ、綾部0857発のきのさき8号で京都へ。翌日の午前中には帰ってこれる。出来そう。いざとなったら決行だ! 問題は東舞鶴での夜明かし。


●2012年7月7日 生野区探検記

生野区はほんとに探検のよう。そして発見も多い。

そうそうネコが多い。路地裏がたくさんあるからだと思う。とくに西の方。路地裏のネコ観察会したら楽しそう。


●2012年7月5日 城東区はどんな区か?

改めて問われると答えにくい。
町名板は、北区参加のウグイス色とでもいうのかあの色。寝屋川と第二寝屋川とJRで、南北に4つに分けられている。とりたてて、大きい公園はなく、小さい公園がそこそこある。公園にはけっこうトイレがあるなぁ。田んぼや畑はない、池もない。大した坂もない。
全体的には住宅地が中心。低層の新しい住宅地もあるし、高層マンションも少しある。古い街並みはないけど、そこかしこに古い家は残ってる。と思ったら、河川沿いとかの端っこには工場もある。とりたてて繁華街はない。オフィス街もないなぁ。京橋界隈が一番にぎわってる辺りだけど、京橋の中心部は都島区だったりする。
一言で言えば、さほど特徴のない感じ?


●2012年7月4日 鶴見区調査報告 穀倉地帯の危機

鶴見区と言えば、ほんの25年ほど前までは…。まあ、ほんのではないかもしれないが。田んぼが広がり、ケリやヒバリが繁殖していた。若い我々には信じられないが、話に聞いた限りではそんな感じ。それが花博を契機にドンドン田んぼは姿を消した。大きな道路が走り、巨大な店舗が立ち並ぶ。
それでもあちこちに残る田んぼに、かつての名残がある。ただ小さく断片的になった田んぼには、もうケリもヒバリも暮らしていない。


●2012年7月3日 6月のまとめ

ちょっと遅れたけど6月のまとめ。

ため池、大和川、大阪湾のルーティンの調査はこなした。大阪市内の公園で繁殖する鳥の調査他のみなさんの調査が順調で、調査を残してるのは私だけ…。大阪市内の各区で繁殖するツバメの巣を探すべく、先月から各区を回り始めたが、今月は11区回った。残りは11区。ぎりぎり7月中でできそうな気配。先月始めた駅で繁殖するツバメの調査は、予想外の盛り上がり。979駅の調査が完了した。地下駅を除く関西の駅の総数は、1322駅ほどなので、3/4近くが調査できたことになる。完全コンプリートは難しそうだが、9割位は調査できるかも。
といった具合に調査にかまけていて、鳥の皮むきをする余裕がなくなった。6日費やして6種6羽剥いただけ。7月も剥けそうにない。8月後半から復帰か?
そして、大阪府の哺乳類の本の原稿はまったく進まなかった…。すみませんすみませんすみません。ハチ展解説書のコラムをちょこっと書いた。


●2012年7月2日 旭区探検記

旭区は基本住宅地。低層の住宅地が、ビヤーと広がってるエリアが多い。高層マンションや団地もあるけど、多いわけではない。周辺部には工場もあるけど、多くない。アーケードのある商店街は、千林商店街が一番大きくてにぎわってる。でも繁華街はない。田んぼはない、坂もない。公園にトイレはあるけど、公園が多くない。
なんか旭区って特徴が少ない。一番気になったのは、守口市との境界が微妙。すごいややこしい。道で分けなかったのは何故?


●2012年7月1日 乗り鉄デビュー

今日は、山陽電車を、明石辺りから姫路まで、普通電車で乗りつぶしてきた。鳥鉄のみならず、ついに乗り鉄デビューである。といっても、ツバメの巣を探してるんだけど。山陽電車の各駅停車は15分に1本。まあまあある方。でも、明石から姫路まで、8時間ほどかかった。えらく遠い姫路である。
降りては、ツバメの巣を探して、各停を待って、乗って、降りて…(以下続く)。調べた駅は40駅、ツバメの巣があったのは2駅だけ。ということは、各駅での調査はすぐに終わって、けっこう暇。持っていた本をちょうど読み終えることができた。ついでに、小さいお友達用に各駅の時刻表を採集してみた。ちょっと鉄っぽい?


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