(2005年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、2006年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、
2007年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、2008年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、
2009年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、2010年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、
2011年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、2012年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月)
2013年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月)
今年で企画4回目、実施3回目。下見は4回行ってるから、けっこう夜の箕面公園を分かってきた気がする。
フクロウやオオサンショウウオ、ヤモリは、春でも秋でも関係なく登場してくれる。でも、他の動物はけっこう季節で違う。
最初はシカの鳴き声を聞こうと9月末に企画したナイトハイク。ちょっと早いらしく、声はあまり聞こえず。滝や川の水音がやかましいという面もある。ただ、シカやイノシシなど哺乳類の姿は多い。大勢でウロウロする本番は厳しいけど、少人数の下見なら何度も観察できた。コウモリも秋にはけっこう飛んでた気がする。
でも、秋も9月末になると昆虫はあまり期待できない。シカの声に合わせてさらに実施日を遅らせると、昆虫はさらに期待できない。10月にもなると、そもそも寒い。
灯りに来ている昆虫を捕まえて、鳥のさえずりも聞きたいねと企画した6月末のナイトハイク。予定はしていなかったけど、少々遅めでピークは過ぎているものの、毎回ゲンジボタルが飛んでいるのに出会う。秋でも少しは出たけど、ヒキガエルも初夏の方がたくさん出会う。モリアオガエルの卵塊もあるみたい。あいにく産卵期には遅く、モリアオガエルの鳴き声は早めの下見の時にしか聞けなかった。
期待した昆虫は今ひとつ。灯りにたくさん来ているのはガばっかり。オオミズアオが来ていたら盛り上がる程度。クワガタムシとか人気のありそうな甲虫は少ない。でも、オオゲジにはよく出会う。陸貝類やサワガニもよく活動してる。
そして、夜明けの小鳥はよく囀る。キビタキ、オオルリ、サンコウチョウが囀ると盛り上がる。
というわけで、アイテムは明らかに暖かい季節の方が楽しい。モリアオガエルの声とホタルに焦点を絞るなら、数週間早めるという手もありそう。
逆に哺乳類に絞るなら、10月にしてもよさそう。
いずれにしても、もっと寒そう。
大阪湾の特別展の展示解説書の執筆もそろそろ終わり。ってゆうか、今日、図表を全部揃えて出したので、一応終わり。あとは他人の原稿のあら探しをするだけ。とても気楽になった。
大した分量の執筆を担当してるわけではないのだけど、そこそこ多めに画像を入れるのがお約束なので、画像探しに苦労する。絶対自分は持ってないという画像は、他人のふんどしにすがるわけだけど、確か持ってたはずという画像が曲者。探すのにえらい時間がかかる。
今日は過去3年間、毎月40ヶ所以上をめぐった大阪湾岸の調査の画像を、ほとんどすべて見返した事になる。けっこう懐かしい画像もあるし、思わぬ掘り出し物画像もあった。下荘漁港に大量に浮かんでいたミズクラゲの画像は、萌蔵に採用していただけた。
漁港で我が物顔に漁船に乗ってるアオサギの図。河口に浮かんでいるカンムリカイツブリの群れ。漁協の建物にずらっと並ぶトビ。漁港に落ちていたシロハラミズナギドリの死体。使うつもりで、撮ってるはずで探すけど、見つからないのも多い。仕方がないので、漁港の建物の中にまで入り込んでいるアオサギの図。河口でたまたま見つけたミミカイツブリ。漁船にむらがるトビ。持って帰ってから撮影したシロハラカイツブリの死体で代用することに。
珍しい光景でたまたまカメラを持ってなかったのなら仕方がないけど、カメラを持ち歩いている調査で、よく見る光景は、一通り撮影しておかなくっちゃ。と反省した。
全長9mのマッコウクジラの全身骨格が搬入された。全長1.5m前後のスナメリの全身骨格もやってきた。クジラのホネの組み立ては難しい。いつも問題になるのは同じ。胸びれや肩胛骨の位置と角度。寛骨の位置。他は全部付いているからつなげればいいけど、この二つは浮いてるから困る。
既存の組み立てられた全身骨格や、既存の文献が正しいとは限らない。解剖時に位置と角度をきちんと記録しておく他はない。でも、スナメリですら時間に追われて作業している中で、きちんと記録するのは難しい。
作業している中できちんとするのが難しいと言えば、全身骨格を確保するのも難しい。寛骨は見逃しそうだし、マッコウクジラには確実にある大腿骨のなれの果ての玉も見逃しそうになる(基本的にクジラにはあるはずって話も聞く)。V字骨も見逃しやすい。とくに小さい一番前のん。遊離肋骨も忘れそう。頚肋骨ってそんなんあるの?
というわけで、今度スナメリを解体するときは、色々チェックしてみよう。
昨年は大阪市内のツバメの巣を探し回った。他人の家の玄関先をのぞいて回るので、かなり怪しいけど、さほど不審がられなかったし、説明したら好意的な反応ばかりだった。ツバメを調べる人は、良い人なのだ。
今年は市街地の田んぼでカエル探し。市街地で水網振り回してる時点で相当怪しい。そのせいか、よく声を掛けられる。カエルを調べてると説明しても、不審がられる。カエルを調べる人は、よくて変人らしい。
今日は明らかに、昼間からボーっと油を売ってるオッサンに、ヒマやなぁと言われた。ちょっとムカつく。でも、ツバメを調べている良い人よりも、カエルを捕ってるヒマな変人というのが実態に近いかもしれない。事実としても、同じくヒマなオッサンには言われたないかも。
諸般の事情で、大阪湾の海鳥リストを作ることになった。海鳥って一言で行っても、その範囲が微妙。水鳥全部ってのもどうかなぁと思う。海がおもな生息場所な種を選びたい。でも、種ごとに判断すると面倒なので、ある程度グループでくくりたい。
とりあえず大阪湾岸で一番よく見られる鳥ではあるけど、サギ類、シギ・チドリ類、カモ類の大部分ははずす事にした。逆にほとんど見られないけど、アビ類、ミズナギドリ類、ネッタイチョウ類、カツオドリ類、ウミスズメ類は入れざるを得ない。そして微調整の後、選んだグループ・種は、
アビ類、カイツブリ類(カイツブリを除く)、ミズナギドリ類、ウ類、ネッタイチョウ類、カツオドリ類、サギ類(クロサギだけ)、カモ類(コクガン、Aythya属以外の海ガモ類、アイサ類)、シギ類(ヒレアシシギ類だけ)、アジサシ類、カモメ類、ウミスズメ類
海の上を飛んでるか、海に浮かんでいる姿がイメージできる鳥、を基本に選んだ。ただ、クロサギは違うし、Aythya属は当てはまりそう。だから基本からずれてるのも多い(クロサギは海イメージが強いから入れたかった、Aythya属は淡水域がメインの種が多いので)。カワウやミコアイサをわざわざ抜くかも悩んだけど、まあいいかと、グループ単位にこだわった。
リストを作っていると、大阪府の情報が多いのに対して、兵庫県側の情報が少なくて困った。大阪府の海といえば大阪湾だけだけど、兵庫県の海は日本海も播磨灘もあって、抽出が難しいというのも大きい。
ちなみに明らかに外洋棲の海鳥だけど、陸で保護された種をどう扱うかは少し悩んだ。けど、まあ抜くのは寂しいので入れてみた。
で、できあがった大阪湾海鳥リスト。妙な記録がけっこうあって面白い。宝塚ではコウミスズミの記録があるらしい。神戸でのハイイロウミツバメの記録は大昔に採集されてるってことらしい。陸域で保護されただけの種としては、フルマカモメやオオシロハラミズナギドリなどレア物もある。
リストには現れないけど、関連文献を眺めていると、ある程度個体数の変遷も伺える。
かつては定期的に渡来していたけど、近年は稀な記録しかないらしい種としては、アビ類やウミスズメがある。かつては大群が見られていたが、近年急激に減少している種としては、アカエリヒレアシシギやアジサシ。クロサギもどうも減少傾向あるような印象。ビロードキンクロやクロガモもかつては、もっと定期的に来ていたイメージなんだろうか?
逆に、かつては記録がなかったけど、突然繁殖を始めたベニアジサシ。かつては稀と思われてたけど、毎年きているらしいハシボソミズナギドリ。
大阪湾に意外といるんだか、あんまりいないんだかよく分からないウミウ。謎の存在のヒメウ。
海の鳥は、陸の鳥に比べて調べにくいし、そのせいもあって情報も少ない。でも断片情報からも数十年でダイナミックな変化が起きている雰囲気がある。絶滅危惧種も生まれてるだろうし、そもそも海の環境や漁業などと絡んだ変化が興味深そう。
断片でもいいから、情報の蓄積を継続して行く必要を強く感じるし、興味も湧く。というわけで、大阪湾が終わっても、海の鳥の情報収集は継続しなくっちゃ。
大阪湾をテーマにした特別展をするなら、フナムシをメインにしなくちゃ! と確かに言った。気持ち悪いと話題になれば、儲けもの。リアルなフナムシグッズを強く推したし、生きたフナムシを展示しなくっちゃとも言った。でも、そこまでフナムシを愛してるとは想定外。
もう展示室でフナムシを飼ってると聞いて、見に行った。ちょうどフナムシマニアさんが世話をしていた。
朝、綺麗にしたのに、もう汚れてるねん。と言いながら、本日2回目の敷き紙交換。はい、お風呂に入りましょうね〜、と話し掛けながら、バケツに移したフナムシを水で洗う。そして、綺麗になったフナムシを、綺麗になった水槽に戻す。なぜか戻すときは雑に、バケツから落としてた。
もっか一番の心配は、休みの日の世話を誰に頼むかと、空調の切れた夜の対応。フナムシは水槽の壁を登られへんから、夜は開けておく、とか主張していた。その直後に脱走フナムシが見つかった…。どういうこっちゃ!?
一人が、ゴカイとフナムシとどっちが可愛いかと尋ねた。しばらく悩んだ末に、今はフナムシかな、と答えたという。かつてのゴカイ屋は、今やすっかりフナムシマニアになってしまったらしい。
という訳で、大阪湾展では、ぜひ嬉しそうにフナムシの世話をするマニアさんを観察して欲しい。きっと可愛いフナムシを、手に乗っけてくれるだろう。
19日の午後2時過ぎにそれは起こった。ネットにつながらなくなったのだ。近頃、サーバの入れ替えだの何だのあって、時々そんなことが起きていたので、とくに驚かない。驚いたのは、メールも送れなくなったこと。もちろん受け取れない。メールだけのトラブル、webサイトだけがダウンってことは、何度も経験したけど、web環境が全面ダウンってのはしばらく経験がない。ちょっと焦る。
で、結局、2日弱、web全面ダウンの状態が続いた。わずか2日なのに、とても長い間ダウンしていた感がある。他のルートで、それなりにweb環境を確保していたくせに。何より仕事のアドレスにメールが来ないというのが大きい。肝心な連絡が取れなくて困ったりもしたけど、仕事がやってこないのは平和でもあった。平和な日々がもう少し続いてもよかったなぁ。
大阪湾岸の水鳥を調査で、けっこう漁港に行く機会がある。漁港にはけっこうというか、たくさん漁具が置いてある。その中には捨ててある、放置してあるというのも少なくない。変わった物がいっぱいで、気になるけど、他人様の物なのでおいそれと触るわけにはいかない。ましてや持って帰るわけにもいかない。
今日、大阪湾の特別展に向けて、大阪湾で使われる色々な漁具が運ばれてきた。借りてきた物もあるけど、多くはもらってきたらしい。漁港にあるアレはやっぱり捨てるのが面倒で放置してるに違いない。
見たことあるノばっかり。でも、触るのは初めて。想像以上に重い。ちょっとテンションが上がる。展示でも、見せるだけでなく、漁具を使って遊んだりできると楽しそう。いろんなアイデアが思いつく。実現するかはともかくとして。
刺し網にはとりあえず、刺さってみたい。
バッチ網には絡まりたい。
蛸壷はぶら下げたい。
うちの博物館友の会は島が好き。夏の合宿で行った島は、西表島、対馬、種子島、そして今年は五島列島の福江島。
その友の会の草創期。1955年頃には特別増刊号というのがいくつか出ている。最初のが、第1弾が小豆島の自然、第2弾が友ヶ島の自然、第3弾が続小豆島の自然。どうやら島が好きらしい。伝統とは怖ろしい。
そして何故か小豆島が好きらしい。大阪の博物館としては、大阪湾に浮かぶ友ヶ島を調査しなくっちゃ、というのは分かる。でももう一つ島を選ぶ時に、淡路島ではなく小豆島なのは何故? 淡路島は少し大きすぎるから? 淡路島はすでに充分調べられていたから? もしかして兵庫県が嫌いだから?
ともかく、当時の人々はなぜか小豆島を調べなくっちゃと思ったらしい。
小豆島の調査は1955年と1956年。ということは、再来年はそれから60周年。今年の大阪湾イヤーが終われば、次のターゲットは瀬戸内海。播磨灘は重要な調査地。おのずと小豆島も調査ターゲット。というわけで、再来年に向けて密かに小豆島調査プロジェクトの計画を練るのであった。
まずは一度下見に行かなくっちゃ。小豆島に渡る船からのセンサス調査も面白そう。アズキ島プロジェクトと呼ぼう。
日本野鳥の会草創期の話を聞いた。意外にと言ったら失礼だけど、とても面白かった。というか、いろいろさらに知りたいことが出てきた。
行ってないから目にはしてないけど、今日は夏の特別展解説書の入稿の日。原稿の集まりが遅かったので、入稿も少し遅れている。そしてこれは最初の入稿の日に過ぎない。まだ入稿はダラダラ続く予定。
数年前から鳥の羽根拾いにはまる子どもが増えてきた。いつの間に羽根拾いにはまったの?という子どもも含めて、どこに行く時も羽根を拾ってる子がいる。
今日は友ヶ島に行った。やっぱり羽根を拾ってる。少なくとも5人は拾ってた。友ヶ島なんだから、リスやシカを探せばいいのに、羽根拾い。つられて大人も羽根を拾ってきたり。
羽根拾いの子供達が、友ヶ島で一番拾いたい羽根はクジャクの羽根らしい。クジャクの羽根を拾いたいなら動物園か石垣島へでも行けばいいのに。と思わなくもない。
ともかく、島に渡る前からちゃくちゃくと子ども等は羽根を拾っている。トビが多いので、トビの羽根をいっぱい拾っている。ウミネコなどカモメ類やヒヨドリの羽根も拾ってる。ハシボソミズナギドリらしき羽根が拾われて、大阪湾にいっぱいハシボソミズナギドリが入ってるんだなぁと、逆に実感した。
で、お目当てのクジャクの羽根なんだけど、クジャクがいるのは桟橋周辺。山をウロウロしていてもクジャクの羽根は拾えない。で、桟橋周辺に戻ってきて、船が来るまでが勝負。クジャクがよくいる場所を知っていると、とっても有利。クジャクがエサをよくもらう場所を知ってるので、そこに直行してみる。なぜか羽根拾いの子ども達は、この時に限って付いてきていない。一番乗りでベストな場所に到着した私は、綺麗なクジャクの初列風切を拾った。別に欲しくもないのに。
教訓。肝心な時に、よく分かっている人から離れないこと。
今日が入稿予定日。今日、担当部分の原稿を書き上げた。間に合ったと言えるか微妙。
狭い巣の中で、可愛いヒナたちが熾烈な闘争を繰り広げている。見た目には可愛いだけだけど。って話。
ツバメの巣は、ヒナが大きくなってくるとちょっと狭い。ヒナが5羽もいたらかなり狭い。巣立ち間際、まだ巣から落ちたくないヒナたちは、ギューギュー詰めで巣に乗っている。狭い巣に5話の巣立ち間際のヒナがのるには、自ずと一つの解決策があるらしい。つまり、前向き、後ろ向き、前向き、後ろ向き、前向き。という具合に交互に並ぶのだ。淡路島でも貝塚でも、同じような解決策を見出していたから、巣の上で押し合いへし合いしていると自ずとこの解決策に行き着くらしい。
で、そこに親鳥が給餌にやってくる。当然予想される問題が生じる。餌をもらえるヒナは前向きの子だけ。さて、どうする?
今日、貝塚市で見ていた巣では、後ろ向いていてエサをもらえなかったヒナの1羽が、強引に前向きのヒナの横に進出。ギューギュー詰めはいっそう激しさを増し、押し合いへし合いの後…。どうなるかまで見ずに時間切れで帰ってきてしまった。残念。思うに、前を向いていたヒナの1羽が仕方なく後ろ向きになるんじゃないかと。
ともかく、前向きポジションをいかにできるだけ長く維持するかが、エサをもらえる量に直結する。巣の中では、一見可愛いヒナ達が、命をかけたポジション争いをしてる。と思うと、ちょっと見え方が変わってきそう。
毎年、だいたい夏スタートの特別展があって、解説書というのを作る。毎年、だいたい展示物の図録ではなく、特別展テーマの本みたいなもの。特別展の展示を準備するだけでもたいへんなのに、その上、本を作る。馬鹿じゃないかと思わなくもない。直前に展示と本作りが重なると大変だから、本作りだけも早めに終えておけばいいのに、毎年、特別展の直前になる。馬鹿じゃないかと思わなくもない。
そんなわけで、特別展直前は担当者はとても忙しい。とても忙しいが、忙しさのピークは、本作りと展示作りで少しずれる。展示は前日まで頑張れるが、本作りは印刷の時間が必要なので、そこまで粘れないのである。
で、特別展オープンに展示解説書を間に合わせるには、その1ヶ月ちょっと前というのが、一つの目安になる。その頃に入稿を始めないと、間に合わないから。今年の場合、それがいつかと言えば…、今でしょ。
カラスとトビの関係と言えば、よく見るのはカラスがトビを追い回す姿。おとなしくとまってるトビの周りで、カラスが因縁をつけてる姿。両者の関係は、いじめっ子といじめられっ子のように見えて仕方がない。もちろんカラスにはカラスの言い分があるんだろうけど。
でも、今日見たカラスとトビのやりとりは、そんな先入観をくつがえすようなものだった。
ハシボソガラスが、トビの長い風切羽をくわえて、建物の屋根にとまった。足で押さえて、突き回している。それを見られているのを嫌ったのか、再び羽根をくわえて、今度は電柱のてっぺんへ移動。また足で押さえて、なにかしようとした時、トビが登場。カラスを追い払う。カラスがトビを追い払うのはよく見るが、逆は珍しい。カラスも驚いたのか、そのまま飛び去る。風切羽は電柱のてっぺんに置いたまま。カラスを追い払ったトビは、電柱に戻り、やおらその風切羽をつかんで飛び立つ。くちばしで羽根をつつきながら、飛び去る。
カラスにとってもトビにとっても羽根は、食べ物ではないし、巣づくりシーズンでもない。どう考えても大した用はないはず。最初にカラスは、いわば遊んでいたんだと思う。で、それを奪うトビ。まるでおもちゃの取り合いをしているよう。
大して用もない物を取り合うっていうのは、いわば遊んでいるようなもの。カラスとトビは一緒に遊ぶ中だったんだ〜。少なくともトビは単なるいじめられっ子ではなかったたらしい。
大阪湾の特別展の解説書の原稿書きも佳境を迎えつつある。というか、編集担当として他人の原稿を催促しまくっていたのに、実は自分が分担してる原稿が書けていなかった。それをようやく書き始めた。まあ、主役は水の中の生き物なので、陸上脊椎動物は端役。とはいえ、ウミガメ類とクジラ類は水中脊椎動物だなぁ。というわけで、少し真面目に大阪湾でのウミガメ類とクジラ類の記録を集めてみた。
なんでか分からんけど、1990年代以降の記録ばかりが目につく結果になった。新しく入ったウミガメ類とクジラ類担当の学芸員さんが真面目に仕事をしてきた結果と理解しておこう。でも、ウミガメ類に関しては増えてる可能性も否定できないかも。
捕食寄生といえば、コバチやコマユバチなどの寄生蜂のお家芸。ハチでもハチ以外でも、捕食寄生をする昆虫は他にもいるし、昆虫以外にもいるけど、とりあえず寄生蜂の捕食寄生といえば、なんかの幼虫の体に入り込んで、中を食べ尽くして、ホストの亡骸を残して、自分は羽化。ってパターンだと信じていたのだけど、それだけじゃないと今日知った。寄生者があまりホストの中身を食べずに、羽化までできれば、ホストは死ぬとは限らないらしい。
今日、山の中を歩いていたら、黄緑色で太めで、あまり毛がなく、ちょっと突起もついてる可愛いガの幼虫が山道を歩いている。踏まれるよ〜、と思って拾ってみる。綺麗だから名前を知りたいと、ハチ屋に見てもらう。ウスタビガの幼虫とのこと。寄生蜂にやられてるという。どうして分かるかと問い返すと、背中の黒い点は、コバチかコマユバチが羽化した後とのこと。数えてみると、黒い点が35もある! って事は35匹の寄生蜂が羽化した後?! もうこれ以上は羽化してこないだろうと言うのだけど、寄生蜂が羽化した後も元気に生きてるとは! で、これからこのガはどうなるのかと尋ねると、成虫になれずに死ぬと思うとのこと。それなら、無駄に生き残らせずに、寄生蜂が食べ尽くせばいいようにも思うのだけど、寄生蜂にそんな事を考える義理はないんだろう。
本当に、この幼虫は羽化できないんだろうか? 本当に、もう寄生蜂は羽化してこないんだろうか?
どうせ死ぬだろうという幼虫なので、家に連れて帰ってきた。どうなるか観察してみよう。
第0日夜、幼虫くんはまだ生きてる。暗い場所に置いておいたらおとなしい。寄生蜂の羽化跡は、35のまま。
第1日夜、黒い汁を吐いた。かろうじて生きてる。
第2日夜、昼の間に死んでいた。やはりダメだった。
今日の活動で、キンバトを7羽処理した。1月から7回の活動で、合計52羽を処理したことになる。これでキンバト剥きの1stシーズンが終了したことになる。
全体からいうと、1/3の処理が終わっただけなので、来月からは、2nd GIGが始まり、その後には3rdステージが待っている。のではあるけど、一段落には違いない。出口が見えないと思っていたキンバト処理だが、どうやら、もしかしたら、このまま行けば、来年の今頃には終わってるかもしれないのだ! その後、4thシリーズがあることが予測されるけど、現有が処理できてしまえば、気分的にはとても楽。それだけ考えると、来年が楽しみだなぁ。
京都の山奥のとある場所で、それは密かに組み立てられていた。ろくに舗装されていない急な坂道を車で登ること15分。ごく普通の倉庫に偽装された中には、ホネホネ団員のパラダイスが広がっていた。
入って正面には組み立てられたマッコウクジラの全身骨格。一見もう完成しているのだけど、まだチェーンブロックでぶら下げて、木で仮留めしてある。確認してから金具と台の製作をして、完成させるらしい。
その横にはこれまた組み立てられたアジアゾウの全身骨格。こちらはすでに金具で組み上がっていて、もう完成しているらしい。その横にはでっかいイワシクジラの全身骨格が転がっている。これから組み立てるけど、大物2つが場所を空けるのを待ってるらしい。
すごいのはここから、さらに奥に足を向けると、たくさんのクジラのホネが転がりまくっている。いま組み立てているのの少なくとも1.5倍はある巨大なマッコウクジラの骨格が転がってる。頭だけでもすごい迫力。壁にはミンククジラくらいのクジラの頭骨がいくつも乗ってる。さりげなく手前の小さめクジラの頭骨に目をやると、オウギハクジラ!
ここにホネホネなみんなで見学に来たら、メッチャ盛り上がりそう。でも、メッチャ仕事の邪魔になりそう。
ちなみにこの秘密基地に来る道は1本だけ。それも急な凸凹道を延々と、車で15分ほど上がってくるしかない。厳冬期には道が凍結するので、あっさり陸の孤島になるという。クジラの骨格殺人事件とか起きそう。
一つめ。
すべき仕事がたまってくると、いっぱいいっぱいになる。ってのは誰しもあること。その状態をアップアップしてると言ったりする。溺れてる感じ?
どのくらいの仕事量でアップアップするかは、人それぞれ。で、少ない仕事量でアップアップしている状態をたとえてこう言う。
「浅瀬で溺れる」
二つめ。
卒論生の相談を受けてて思ったのは、研究なんてさほど難しいことではないのに、初めてだとできないんだなぁ。ってこと。目的も調査手法も、そのプロセスにどんな困難が待っているかもイメージできないらしい。これは能力云々ではなく、たんに慣れてないから。家から大学行くのに、どんなルートで行くといいかを考えられるなら、研究計画を立てる能力は充分あるんだと思う。
研究は、手段と経路を選んで、目的にたどりつく。その計画を立てて、途中にどんな問題がありそうかを想定する。これはあれにそっくり。
「研究は、旅行と一緒」
しっかり計画を立てて、旅行する人もいれば、無計画にウロウロするのが好きな人もいる。ほんと、研究は旅行に似ている。もしかしたら、人生も似ている。
某大阪の大学から、卒論生が4人送り込まれてきた。植物屋の指導教官からメール。なぜか動物をやりたいってゆうのがいるから、相談に乗ったって〜。え〜、またぁ? そう、毎年とは言わないけど、2年に一度ほど何人か相談にやってくる。来たらコメントするんだけど、指導教官が求めているのは、辛辣なコメントでショックを与える事なんじゃないかと疑ったり。コメントに基づいて、ちゃんと卒論を仕上げたという話を聞いたことがないなぁ。でもまあ、やってくるならコメントしよう。
やってきたのは、男が4人。いつもよりやる気があるのかもしれない。4人中3人は、自分の企画をA4の紙1枚にまとめてきてる。関連論文をコピーしてきてるのも2人。みんなコメントをメモしてる。それも自分へのコメントじゃないのもメモしてる。少なくとも真面目なんだろう。4人のやりたいテーマは、鳥、セミ、カメ、イタチ。
鳥くんは、とにかくセンサス調査と定点調査をして、ターゲットの鳥の種を決めて、その採食行動を記録するらしい。その目的は、鳥が生態系に与える影響を明らかにすることらしい。何を明らかにするのか全然具体性がない。どんなデータをとれるかイメージもない。目的が曖昧なまま調査手法を決めるという大胆さが、聞いていて面白くて仕方がない。せっかくなので、そこを突っ込んでみる。
楽しんだ末に、本当に何を明らかにしたいのかを探る。途中で種子散布と口走った。ある樹種の果実をどんな鳥が食べるかといった論文をコピーしてきていた。
それじゃあ、特定の樹種の果実を食べにくる鳥の調査をしたいのか、特定の鳥の食性を調べたいのか、それともセンサス調査がしたいのか考えておくように言って、次に移る。
セミくまは、どうしてクマゼミが都市公園に多くて、山にいないかを調べたいらしい。テーマは面白そうではある。で、何が関係してると思う?と訊ねると、気温や土の硬さが気になるらしい。それもまあいいっしょ。
で、どうやってそれを立証する?と訊ねると、都市公園と山林を比較するという。都市公園は山に比べて土は硬いやろうね。それでクマゼミの棲息に土の硬さが関係してると言える?と訊ねると、つまってしまう。
それじゃあ、土の硬さがクマゼミの棲息に関係してるってことを明らかにするには、どんなデータを取ればいいか考えておくように言って、次に移る。
カメくんは、どんな調査をしたいのか、どんなテーマを明らかにしたいのか、いずれもはっきりしない。とにかくカメを調べたいらしい。で、指導教官からはアカミミガメを軸にカメ類の分布調査をしたら?と提案されてきたらしい。思わず笑いそうになった。なぜかこの大学の卒論生には、数年に一度カメをテーマにしたがる者が現れる。で、そのときにオススメするのが、アカミミガメの分布調査。これで3回目〜。
じゃあ分布図を作るとして、どのエリアで調査する?カメの棲息をどうやって確認する?と訊ねてもイメージがないらしい。そのくせに分布図を作るだけでなく、アカミミガメのいるいないに関係する要因も調べたいと口走る。何が関係すると思う?と訊ねてもそのイメージもない。
それじゃあ、どうやってアカミミガメの棲息の有無のデータをとるか考えるように言って、次に移る。
イタチくんは、すでに指導教官にダメだしされてきていた。その調査は無理って。それでいて、代替案もなし。とりたててイタチ好きでもない。困った困った。試しにイタチについてどのくらい知ってるかを確認したけど、ほとんど知らなそう。イタチで論文を検索して、糞分析をして食性を調べようと思ったらしい。
ちなみに指導教官の駄目出しは、経験のない者が、イタチの糞を採集してくるのは無理。そして、糞の内容物を同定するのも無理。ということらしい。イタチの糞くらい見つけれるんじゃ? 動物質の糞の内容物の同定は無理でも、タネなら同定できるんじゃ? それこそ植物屋の指導教官の出番では?
それじゃあ、本当にイタチをやりたいか考えといてと言って、最初に戻る。
鳥くんは、樹種を決めて、その果実を食べに来る鳥の調査をしたいらしい。確認したら、ヒタキ類の識別は厳しそうなので、都市公園で秋に食べ尽くされる樹種を選ぶよう助言。で、果実をつけてる樹に鳥が来た時に具体的にどんなデータを取るか考えるのを宿題に。
セミくんは、やっぱり市街地と山地の林を比較したがる。大部分同じで、少しだけ違うものを比較してこそ、結果に影響を与える要因を検出できるんじゃ!(多変量解析もできないくせに)市街地と山みたいな全然違う環境の比較をするな! という内容をマイルドに伝える。とりあえず都市公園や社寺林をピックアップして、セミの分布図を作り、公園・社寺同士の比較をすることを推奨。土の硬さが気になるなら、そのデータもとるといいだろう。で、各調査地でセミ類相を具体的どう調べるかを考えるのを宿題に。
カメくんは、とにかくいっぱいため池を見て回って分布図を作れ!と押しつけてみる。で、各ため池でのカメの確認の手順(滞在時間など)を決めるのを宿題に。
イタチくんは、どうしてもイタチにこだわるなら、コース決めて定期的に糞をサンプリングして、その糞分析をするのを提案。糞の内容物は、動物質と植物質に分けるだけでもOK。植物質だけに注目して、どんな果実を食べるかを明らかにするだけでもOK。で、とにかく一度山に行って、イタチの糞を拾えるかを試すのを宿題に。拾えたら、糞を洗って中身を見てみるように。
生きものを調べた経験どころか、ろくに生きものを知りもしない学生に、生きものを調べて卒論を書かせないといけない教官は大変だなぁと思った。こちらは、所詮他人事なので無責任で気楽。
それにつけても、テーマにも調査手法にもまったく具体性がない事に本人達が気付いていないのが面白いなぁと思った。ちょいと突っ込まれたら、さすがに気付くようだけど、どうやって具体性を持たせたらいいのかは、やっぱり分からないらしい。見ていると、難しく難しく考えているようでもある。こちらの言葉の端っこをとらえて、その周りをくるくると回って抜け出せない感じ。そうそう、そういうもんだったなぁ、とちょっと懐かしい。
この土曜から日曜にかけての晩は、サークルで金剛山へナイトハイクを企画した。のだけど、土曜の夕方の天気が微妙で、小心者としては、山で雨に遭う可能性が少しでもあると嫌だなと思って、急遽中止にしてしまった。夜の山ってだけでも、ちょっとドキドキなだけに、その上、雨というのは避けたい。
ナイトハイクは中止になったけど、集合場所の富田林駅に集まった4名。せっかく来たのに、このまま解散ってのも面白くないので、ちょっと歩いてみようということになった。旧の国道170号線沿いに歩きながら、ツバメの巣を探しつつ、田んぼを見つけてはカエルを探す。夜の山も楽しいけど、別に山に登らなくても、夜に歩くだけでも楽しい。田んぼがあればなおさら楽しい。
今度企画するときは、山に行くんじゃなくって、田んぼ周りをウロウロする企画とか、山裾をウロウロする企画にしたらどうだろう? それなら途中でリタイアも可能かもしれん。多少雨が降っても平気だったりもする。
田んぼがあれば、カエルはかたい。タマシギやヒクイナを探して歩いてもいい。タヌキやアライグマは、里の方が見れるかもしれない。
山裾でも田んぼがあれば、また山手のカエルが期待できる。フクロウ類やもしかしたらミゾゴイとかも鳴くかもしれん。狙い目によったら、ムササビやホタルにも出会える。
夜鳴く鳥の調査をかねて、夜活動する企画ってことにしようかな。
都市の自然の調査プロジェクトを一昨年から展開しているわけ。都市の自然なんだから、水辺の生きもののウェイトは低め。両生類の調査はしなくていいな。と思っていたのだけど、昨年大阪市内を自転車で回って、意外と孤立した田んぼにヌマガエルが生き残ってる事に気づいた。生き残ってはいるけど、完全に孤立しているので、近い将来消えていきそうに思える。今のうちにヌマガエルの生息状況を押さえておきたい。と強く思った。
というわけで、今年、市街地に残る田んぼの調査を始めた。現在の大阪府では、事実上のヌマガエル分布調査。市街地でのアマガエルの分布も分かりそう。場所によったらトノサマガエルやツチガエルも出るかも! もしかして、未知のダルマガエルの産地が見つかったりして! 市街地の田んぼは今まであまり調査してこなかったので、意外な新発見もあるかもしれず。ちょっと楽しみ。
昨日が研修を兼ねた第1回の調査日で門真市に行った。調査の仕方をみんなに説明しなくてはならない。でもまあ、大阪の市街地の田んぼに行ってカエル探して、見つけたら採ってきてね〜。と手法自体は簡単。一番悩んだのは、「市街地に残る田んぼ」の定義。
「市街地に残る」と口でいうのは簡単だけど、どの田んぼは調査対象で、どこは対象外かと言い出すとかなり難しい。市街地に囲まれてるといっても、ある程度大きく見れば、大阪のすべての田んぼは囲まれてると言えなくもない。どんな田んぼを除外したいかを考えると、山林につながっていく田んぼ、丘陵に残った林に連なってる田んぼ(あと、淀川もちょっと特殊な環境)。林との行き来ができると、とたんにカエルの多様性が増す。今回はそんな田んぼは調査対象外。
ということで、調査対象の田んぼはこう定義することにした。「大阪府内の市街地に残る田んぼ:(河川・道路・鉄道ははぶいた上で)連続した田んぼの広がりが、山林もしくは丘陵に残った林(植栽でない木の集合)、及び淀川に接していない」
あー、ややこしい。まあ、とりあえずは住宅地周辺の田んぼならカエルを探して、その結果をお知らせ頂けると嬉しい。結果的に今回の調査対象外と判断するかもしれないけど、調査対象外の田んぼの情報があって困るってことはないので。その情報もいつかきっと役立つでしょう。
というわけで、大阪のカエル好きのみなさん、調査協力よろしくお願いします。
今日一番ショッキングだったこと。それは大阪湾がどこまでかを知ったこと。まさかそんな場所が境界線だったとは…。てっきり、友ヶ島と明石海峡大橋が境界だと思ってた。
明石海峡の大阪湾と播磨灘の境は、明石海峡大橋より少し西にあるらしい。そして紀淡海峡の紀伊水道(すなわち太平洋!)と大阪湾の境は、田倉崎(和歌山市)と生石ヶ鼻(洲本市)を結ぶ線なのだそうな。
誰が勝手にそんなん決めた!と思ったが、国土交通省が決めてるらしい。逆らいにくい。
明石海峡の境界は多少ずれても問題ない。でも、紀淡海峡の境界は大問題。友ヶ島の全部(というか南側)と深山湾〜明神崎〜加太湾が全部入ってくる。となると大阪湾を語る時に色々変わってしまう。友ヶ島の南側には、大阪湾唯一の塩性湿地湿地があることになる。とたんに友ヶ島の位置付けが大きくなる。
友ヶ島の北側だけなら大したことないのに〜。
先々週、もうすぐ巣立つだろうと思ったハシブトガラスのヒナ。先週、まだいるなぁ。でももう数日で巣立つだろうと思った。今日、まだ巣に乗っている。いったいいつまで巣にいるか楽しみになってきた。
カラスの巣立ちは、一般の巣立ちのイメージと違って、あまり劇的でない。キツツキのヒナが巣から飛び出して、「巣立ちの瞬間です」とナレーションが入るようなアレではない。巣から出たなと思ったら、次の日また巣にしっかり戻っていたり。先日、服部緑地では、みんなの見ている前で巣から出ては戻るを繰り返しているハシブトガラスのヒナがいた。「巣立ちです」「戻りました」「また巣立ちです」「また戻りました」と楽しく実況できてしまう。仮に巣に戻らなくても、どうせ巣立ち直後は、同じ木にぼんやりとまってるだけ。じょじょに巣から離れていくけど、けっこう長い間巣の周辺にいる巣立ちビナは多い。
カラスの巣立ちビナは、親の後をついて歩くのではなく、ぼんやりと親が餌を持ってきてくれるのを待ってる。むしろ勝手に巣から離れてしまうと、親に見つけてもらいにくくなるんだろう。
というわけで、親の後を付いて歩く巣立ちビナは劇的巣立ちをして、親が餌を持ってきてくれるのを待つ巣立ちビナは、ダラダラと巣の近くに居座るはず。カラスしかり、ハトしかり、サギしかり。
でも、カラスはヒナがある程度大きくなってきたら、家族群で動き出すのがハトやサギとは違う。このシフトがどういう風に起きるのか少し気になる。
とくに理由はないのだけど、ってゆうか行く前に調べろよって感じだけど、五島列島の動物相について少しリストアップ。
●哺乳類:『日本の哺乳類 改訂2版』より
ジャコウネズミ(移入)、ヒミズ、コウベモグラ、キクガシラコウモリ、コキクガシラコウモリ、ヤマコウモリ、ユビナガコウモリ、ノイヌ(移入)、ニホンイタチ、ノネコ(移入)、イノシシ、ニホンジカ、タイワンリス(移入)、カヤネズミ、アカネズミ、ヒメネズミ、ドブネズミ(移入)、クマネズミ(移入)、ハツカネズミ(移入)、ノウサギ
→イタチ以外の食肉類がいないとは意外。じゃあ、たくさん見た中型食肉類に思える糞は誰の糞だったんだろう? 果実食いまくってたから、ノイヌやノネコと違うと思うぞ。
●爬虫類:『山渓ハンドブック 日本のカメ・トカゲ・ヘビ』より
クサガメ、ニホンイシガメ、アカミミガメ(移入)、ミナミヤモリ、ニシヤモリ、ニホントカゲ、ニホンカナヘビ、アオダイショウ、シマヘビ、ジムグリ、シロマダラ、ヤマカガシ、ヒバカリ、マムシ
→カナヘビはみんなアムールカナヘビみたいな雰囲気だった。雰囲気は決定打ではないけど、アムールカナヘビが分布していてもおかしくないかも。福江島のヤモリはみんなニシヤモリらしい。これも検討の余地がありそう。
●両生類:『山渓ハンドブック 日本のカエル+サンショウウオ類』より
ニホンヒキガエル、ニホンアマガエル、タゴガエル、ツチガエル、ヌマガエル、シュレーゲルアオガエル、カジカガエル
→なぜかトノサマガエルがいない。他の本州・九州の田んぼメンバーは揃ってるのに。
●鳥類:『日本鳥類目録 改訂第7版』より繁殖種(亜種)
キジ(キュウシュウキジ)、カルガモ、カラスバト、キジバト、クロサギ、イソシギ、トビ、オオコノハズク、サンコウチョウ、モズ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、シジュウカラ、ヒバリ、ツバメ、ヒヨドリ、ウグイス、メジロ、セッカ、イソヒヨドリ、コサメビタキ、スズメ、カワラヒワ、ホオジロ
→アオサギの繁殖地を福江島で見つけたんですけど、あれって新知見なのかな? あれだけいるアマサギをはじめとする白サギ類の繁殖記録のなさも不思議。ホトトギスもいっぱい鳴いてたぞ! ウミネコは男女群島から飛んできてるって理解かなぁ。カンムリウミスズメは繁殖してるんじゃないかなぁ。ミサゴ〜。アカショウビンもリストに上がってきてない。ってか対馬でもアカショウビンが繁殖してないことになってる。以前、7月に鳴きまくってたけどなぁ。コゲラやヤマガラは? ハヤブサおったし、クロツグミも囀ってたし! ただ、ムクドリやセキレイ類、ドバトが抜けてるのは同意。
という訳で、五島列島の繁殖鳥類相は、総じて調査が不充分。言い換えれば、まだまだ新発見がありそうってこと。
長崎から白いかもめに乗って、佐賀に着いた。着く前から電柱にカササギの巣がいちらこちらある。佐賀駅からレンタカーで、有明海の方に向かうと、農耕地に入った辺りから点々と電柱にカササギの巣がある。200mに1つはあるんじゃないかという勢い。目立たないだけかも知れないけど、樹上の巣はさっぱり見つからない。また電柱にカラスの巣はさっぱり見当たらない。ハシボソガラスもあちこちウロウロしてるのに…。この辺りでは、樹上にカラス、電柱にカササギという住み分けができてるかのよう。
聞けばカササギは天然記念物。となると、使ってる巣の撤去は、文化庁の許可がいる。とても面倒そう。という訳で、九州電力は面倒を避けて、カササギの営巣終了後に巣を撤去するそうな。
とすると、電柱につくられたカラスの巣。同じように営巣終了後まで撤去を待っても構わないように思う。また撤去する際、ちゃんと鳥獣保護法上の許可(いまなら大抵市町村長権限)を取ってるか気になる。
ってゆうか、カササギの巣を営巣終了後まで放置して大丈夫なら、カササギの巣もカラスの巣も、ずっと放置しても大丈夫なんじゃ? あるいは大丈夫な電柱を設置するの簡単なんじゃ?
昔は羽根拾いには興味がなかったが、羽根の持ち主についての質問を受けるようになってから、勉強を兼ねて、面白げな羽根は拾うようにしてる。すると羽根でしかお目にかかった事のない種も出来た。今日、その羽根だけライフリストに新種が加わった。
長崎県の五島列島は福江島に来ている。とある低いのに険しい山を縦走してた。前から二人めを歩いていた。先頭が進んだ足元をふと見ると、青、緑、赤の綺麗な羽根が散乱している。もしやあの鳥では?
同行の全員を動員して、すべて拾った。10分かかった。
緑と青は構造色。雨覆や風切羽の一部など、主に上面の羽のよう。薄い黄緑っぽい羽根や、赤い羽根は胸から腹など下面の体羽らしい。あいにく尾羽は見当たらない。風切羽は基本黒色で、途中に白い斑があるか、多少なりと青い部分付き。図鑑を見ればすぐ確認できる。ヤイロチョウの羽根に間違いなさそう。
渡りの途中に喰われたのか、繁殖地になってるのか。五島列島って繁殖地だっけ? 順当に考えれば、より北にある韓国や対馬の繁殖地への渡り途中ってことだろう。
姿が見られたらいいのになぁ。声だけでも聞きたいなぁ。
という訳で、羽根だけライフリストは、オオヨシゴイに続いて2種め。
【追記】
と、書いた翌日。同行の2人が声を聞いた。1人は姿も見た。ちょっと前まで一緒にいたのに、少し早く行ったばかりに聞けなかった。慌てて戻ったけど、もう鳴いてなかった。一生の不覚かもしれない…。ものすごく悔しい。
昨日から長崎県は五島列島に来ている。昨日の宿は嵯峨島唯一の宿泊施設である民宿たつみ。今日の宿は福江島唯一のユースホステル。共通点はネコとイヌを触りまくれること。とても楽しい。
初日。遠目にネコがたくさんいるなぁ、と思った家が、嵯峨島の宿であった。ざっと15匹。30匹近く集まってくるという。どうも島中のネコが集まるらしい。ただ、その中に自分とこのネコと、他所のネコという区別があって、他所のネコが混じっていたら追い払っている。自分のとこのネコを、他所のと誤認して追い払ってることもあるみたいだったが…。
全体的に尻尾は短く、耳が大きい印象(尻尾が短いのは長崎のネコ全体の特徴とか)。避妊していないから、どんどん増えてる様子。血縁関係が強そうなネコ達なので、似たような模様が多い。似てるようではあるが、1匹1匹の性格は全然違う。初対面でもすぐに近寄ってきて、触らせてくれるのが3匹。内、1匹はとても人なつっこく張り付いてくる。
ここにはダックスフントも飼われていて、これまた近寄ってきて、撫でろと要求。イヌを撫でてるとネコが擦り寄る。ネコにかまってるとイヌがすねる。いやぁ〜、もてて困るなぁ。
2日目。ユースホステルに入ろうとしたら、ドアの前にネコが1匹陣取っていた。シャム猫の混じったネコ。怪我の跡がひどいが、とても人なつっこい。触られるのが大好きらしく、擦り寄ってくる。座ると勝手に膝に乗ってくる。仕方がないので、膝に乗せて撫でる。いつまで経っても、ユースの中に入れない。食後、寝る前、朝起きた時、事あるごとに、ネコを抱いて撫でてしまう。仕事にならない。困った困った。
ここにはもう1匹キジトラのネコがいたが、こちらは近寄ってきても、あまり触らせてはくれない。よそ者と気付くと、フーっと言われる。黒いイヌも2匹。こちらは寂しがり屋らしく、近づくと大喜びで、ワンワンうるさいくらい。
というわけで、なぜかネコとイヌを満喫の五島列島福江島。明日の宿にも期待。
【追記】
3日目の宿にはあいにくネコはいなかった。でもシーズーとチワワの2匹の小型犬がいて、これまた触りまくった。漁村なので、周辺にはネコはたくさんいたのだけど、誰も触らせてくれなかった。イヌは満足したが、ネコが不満。
福江島に到着。したと思ったら、これから嵯峨島に渡る。マニアック〜。
福江港は都会。建物がいっぱい。港の水も汚い。車でちょいと走ると、パチンコ屋があるし、カラオケもある。が、スーパーは聞いたことないとこ1つだけ。コンビニも全国チェーンは全然なく、聞いたことのないところが独占。やはり離島らしい。
離島らしさは、福江の市街地を離れると、さらに際立つ。はっきりいって、スーパーを見つけるのが大変。離島はこうでなくっちゃという意見もありそう。
鳥類相もけっこう特異。車の外から聞こえてくる鳥の声は、スズメ、ウグイス、ホオジロ、ヒヨドリ、カラス2種。なぜかドバトやムクドリが見あたらない。そして、田んぼにはアマサギが多く、山手にはキジが多い。漁村で一番目立つ鳥は、明らかにイソヒヨドリ。なんか分からん鳥類相が離島っぽい〜。
【追伸】
25日、五島滞在3日目にして、やっとハトを見た。キジバトではなく、ドバト。それも1羽だけ。はぐれたレース鳩じゃないの? キジバトはついにお目にかかれず。おそらく福江島に一番多いハトは、カラスバトだと思う。
南港発、新門司行きの名門大洋フェリーに乗った。南港19:50発の2便の方。ちょうど翌朝の5時半頃に防府諸島にさしかかる。この季節はこの頃には明るいので、周防灘を東西にセンサスできる。これは素晴らしい。毎月は無理でも隔月で乗ってみようかしら。
南港19:50発で、新門司08:30着。新門司19:50発で、南港08:30着。初日は仕事の後に出発して、2日目の昼間は小倉辺りを中心に海岸でも調査して、3日目の朝帰ってくる。ギリギリ始業時間には間に合わないのが残念なところ。
もう一つ問題があるとしたら、日没・夜明け時間。この季節なら、行きは周防灘横断調査、帰りは播磨灘を斜めに横切り、大阪湾北部を横断調査することになる。が、冬には周防灘を半分と大阪湾しか調査できない。ほぼ同じ航路で、阪九フェリーが運航しているが、泉大津発着なのは早い便しかないし、神戸発着なのも名門大洋フェリーより10分しか遅くない。冬の調査エリアが短くなるのは仕方がないとして、名門大洋フェリーで調査しようかなぁ。
というわけで、7月終わりにも同じように調査する予定。周防灘がスナメリだらけなのは維持されているのか? 乞うご期待。
急遽、大阪湾岸の海浜植物の分布図とかを作る必要が生じ、なぜか海浜植物調査に参入。というのも大阪湾岸の海浜植物が生えてそうな場所は、毎月水鳥調査に通っているから。考えてみれば、こんなに切羽詰まる前、昨年のこのシーズンに調査しとけばよかったのだけど、大人の事情が絡み、そういう動きがなかったんだな。
で、5月の水鳥調査時に、ちょうど水鳥が少なくなって暇な時期であることもあって、一通りの場所で”海浜植物”を採取して、植物担当に押しつけていた。律儀な植物担当は、勝手にとってきたのを、標本にしてくれ、さらに同定してリストにして渡してくれた。
なんせにわか海浜植物屋。こんなこともあろうと思っていたけど、やはり大量の海浜植物とは言えない植物を採りまくっていたらしい。植物屋さんは、余計な手間をかけさせやがって!とさぞかしご立腹だったに違いない。
とにかく、浜に生えているものは、一通り採るという方針で採集してきた。その結果、都市にも生える外来の植物をかなり採集してきている。乾燥地という意味で、都市と海浜は共通するらしい。コマツヨイグサは分かって採ってるけど、他は分からずにとってる。
逆に、分からずに採った海浜植物もある。ハマゼリ? どれのことかなぁ? オカヒジキも採集時点では、名前が分からず、海浜植物っぽい〜、と思いながら採った。
ちなみに、このケシはなんやろ?と採った綺麗なケシは、アツミゲシであった。あかんやん。なんじゃこの多肉植物は?と採ったのは、バクヤギクというそうな。岩の上から採集したのは、予想通りイワタイゲキ。
というわけで、海浜植物調査は、なぜか都市の植物調査に通じるのであった。
6月最初にヌマガエルを探しに行く観察会を企画中なのだけど、どこに行くかが悩み中。田んぼに水がないと観察できない。大阪でも山間部はもう田植えも終わってるかもしれないけど、そんな所にヌマガエルはいない。そもそも今回の企画は、市街地に残る田んぼのカエル観察。となればヌマガエル。でも、大阪の平地から丘陵の田んぼの多くは6月に入ってから水入れて、田植えをする。6月最初にヌマガエル観察会ってところにすでに無理がある。
でも、不思議。じゃあ、暖かくなって、でも田んぼに水がない今の季節。ヌマガエルはどこで、どうして暮らしてるの? 水路で暮らす? 陸で暮らす? まだ寝てる? 市街地の田んぼのヌマガエルの生活史にもちょっと興味が湧いてきた。
昨日と一昨日は、久しぶりに肉体労働をした感じ。日頃から長距離歩いたり、一日中自転車に乗ったりという運動はしてるのだけど、力仕事はあまりしていない。色男に金と力はないからである。という戯れ言はさておき、力仕事付きの肉体労働は、久しぶり。昨年の11月終わりの首の長い動物以来。力仕事だけでなく、指先に力を入れる作業、そしてしゃがんでの作業というのが効く。
おかげで、今日は全身痛い。痛いというかダルイというか、筋肉痛気味。指先がダルイのは指先を使いまくったから。二の腕が痛いのは、力仕事だろう。腰が痛いのは、しゃがんでの作業のおかげ。太腿の筋肉痛は、いったいなんなんだろう? 力仕事としゃがみ仕事の複合だろうか。歩く時、なんかガクガクする。歩いたり、自転車こいだりとは別の筋肉を使うらしい。
というわけで、大型獣の解体は全身運動。とにかく首をもって動かしたり、胴体をひっくり返したりからして一仕事。何時間も続く剥く作業、ずーっと指先で皮をつまみ、刃をふるう。そして肉取り、ホネ外し。最後には肉とホネを運んで、埋める。
服が汚れないように、そして安全衛生上の理由から、上も下も防備して、長靴を履く。それで全身運動って、汗をかくためにやってるようなもん。これを続ければ、痩せて筋肉ムキムキになれそう。
とまあ、見方を変えれば、お金を払ってやってる人もいるような運動なのだけど、しゃがんでの作業だけは、避けたい。とにかくこれは腰に悪い。時々立ち上がって、伸びをしないと続けられない。伸びの効果はだんだん持続しなくなってくる。ある時点から、ただ伸びるだけでなく、みんなでラジオ体操をしてみたり。ラジオ体操はけっこう優れもの。
この次、大物が来た時には、作業台に乗せて作業しよう。500kgに耐えられる作業台を機会があれば確保しよう。出物があったら、お知らせを。
それにしても、何時間も腰に悪い作業を続けて、おかげで今日も腰に違和感があるけど。でも、普通に生活出来ている。ギックリ腰持ちなら、作業途中で動けなくなっていそう。そうでなくても、今日辺りコルセットはめてたり、やたら姿勢良く椅子に座っていそう。でも、今日も行事悪く椅子に座ってられる。クシャミも怖くない。
これは、ギックリ腰持ちでないことを立証している。大昔に一度ギックリ腰気味になったことがあったので、ギックリ腰持ちと言われる事があったが、今後だれにもギックリ腰持ちと言われることはないだろう。
大物が来るというので、慌てて砂場を片付けた。砂場ってのは、骨格標本にするために、肉付きのホネを埋める場所。大物は常に突然やってくるので、日頃から砂場は片付けておくべきだなぁ。としみじみ思った。
ちなみに砂場は片付けたものの、今日は(もう日が変わってしまったが)皮剥きだけで精一杯。明日(もう日が変わったので今日だけど)、砂場で作業することに。
そして、明日っていうか今日。昨日やってきた大物がようやく解体できたので、砂場が出番がやってきた。が、砂の上に置いてあった首の長い動物のホネは片付けて(水に浸けただけともいう)、草引きはしたが、穴は掘っていなかった。あわてて穴を掘り始めると、なにも埋まっていなかった場所から、ホネが発掘される。どうもウマらしい。というわけで、なんやかんやでウマ1頭と、イノシシ1頭を発掘して、ちょうどよさげな穴が掘れた。大きさ150cm×150cmくらいで、深さは40cmほど。けっこう疲れた。
地上の草はぬいたものの、砂場の周囲から根を進出させてきている草本たちがけっこういて、それを引っこ抜くのが意外とたいへん。こうして砂漠は周囲から草地に変わっていくんだなぁ、と意味不明の感想をもった。
自分で掘ってみて、ホネにすると言ってもあまり深く埋めない方がいいなぁ。掘るの大変だし、発掘時にホネにシャベルが当たったりするし。というわけで、大物くんはかろうじて砂に埋まる程度に、浅く埋めてみた。様子を見て、陥没するようなら、砂を追加でふりかけよう。
昨年からツバメ研究家を襲名した。襲名披露として、大阪市内のツバメの巣をすべて見て回り、関西の駅のツバメの巣をすべて調べた。と言いたいところだが、大阪市内全区を自転車で走り回ったものの、どうやら発見したツバメは約50%らしい(住吉区番町連合との抗争を参照のこと)。関西の駅のツバメの巣は、100人以上のみなさんの協力を頂いて、すべてチェックできた。が、研究家自身の貢献度は少なかった…。
ともあれ、襲名した以上は、2年目も何か調べなくてはならない。同じ事をするのは芸がない。というか、昨年の2つの企画はけっこうハードなので、2年続ける元気がない。というわけで、今年はほんわか可愛い企画をもってきた。
名付けて、「子ツバメウォッチ」。昨年の駅のツバメの巣調査に引き続き、関東からのパクリである。
バードリサーチというNPOな団体さんが、「子スズメウォッチ」という市民参加型調査を実施して、華々しい成果を上げている。はしょって紹介すると、スズメが減ってる原因は育ててる一腹のヒナの数が減ってるからじゃないか?という問題意識のもと、スズメが連れている子スズメの数を調べたもの。驚いたことに、郊外にくらべて、都心部のスズメが連れているヒナ数が少ないという結果が得られている。
減ってるといえば、ツバメも同じ。それじゃあ、ツバメも郊外よりも都心部で育ててる一腹のヒナ数が少ないんじゃないの? とまあ、見事なパクリ発想のもと企画した次第である。スズメよりも有利なのは、ツバメは巣にいる時点でヒナ数がけっこう数えられるってこと。一方、不利なのは巣にいるツバメは、ヒナが小さい内は数え漏れがありそうってこと。
ともあれ、「子ツバメウォッチ」情報を募集! 今年は自分でもたくさんツバメの巣を見つけて、貢献度を高めたいと思ってる。けど、やっぱり多くの人を巻き込まないと、量で勝負の研究はできないので、協力をよろしくお願いします。
まずはヒナのいるいないに関わらずツバメの巣情報を! そしてヒナの数が数えられたら、ヒナの数も報告ください。詳細は以下の通り。
ちなみにこの調査は、大阪市立自然史博物館と友の会が行っている都市の自然調査プロジェクトProject Uの一環です。
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子ツバメウォッチ情報募集!
◆調査範囲:関西2府4県(三重県は含みません)
◆調査期間:とりあえず2013年4月〜7月
◆調査対象:使用中のツバメの巣(ヒナがいても、いなくても)
◆報告項目:観察者名、観察日、巣のあった場所(住所を所番地まで、表札の名前も)、巣の様子(営巣中・使っていない・壊れた巣。営巣中の場合は、その様子)、ヒナが外から全部見える程度に大きくなっていたら、ヒナの数(一部が巣立っていないか注意! 巣の前にすでに巣立ったヒナがいたら、それも報告してください)
◆報告の仕方:電子メールで和田(wadat@omnh.jp)まで。
◆その他:観察者名は、論文や展示でリストアップするほか、ホームページでも公開しますので、あらかじめご了解ください。匿名を希望される場合はお知らせ下さい。
【補足】
・古巣情報は要りません。あくまでも使用中のツバメの巣の情報をください。
・ヒナがいなくても営巣してさえいれば、まずは情報をください。
・ヒナがいる時に再度訪問は、マストではありません! ついでがあれば、またチェックを、って感じで気楽にお願いします。
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子ども達だけってわけじゃないけど、多数の子ども達と一緒に海岸に自然観察に行った。大人は生き物の説明なんかをきいたり、自分で観察したり。観察会目的通りの動きをしてくれるけど、子どもはそうはいかない。
出だしの浜には、打上の貝がいっぱい落ちているので、多くの子どもはとたんに貝殻を拾いだす。どうも綺麗なん、格好いいの、大きいのを選んでいるらしい。二枚貝よりも巻き貝がお好みの様子。ナミマガシワがけっこう落ちてるのだけど、子ども達はわりと無視。これはピカピカして綺麗で、とアピールしたらコレクションにけっこう採用してくれた。
次の場所は浅くて、石がゴロゴロしていて、その下にカニやヤドカリがいっぱい。子どもはカニとヤドカリが大好きみたいで、たくさん集め始める。そんなに集めてどうするねん?という子もいる。かと思うと、沖合に突き出しているテトラポットに登ってると思ったら、先端を究めに行ってみたり。
昼食を食べた場所には、ハマヒルガオの群落があって綺麗なのだが、子どもはまるで無視。っていうか、なぜかアンモナイトを拾ってくる。立派なアンモナイト。店で売ってるのを誰かが捨てたんだろうか? それが2つも拾われてきたから驚いた。
午後最初のポイントでは、アマモを観察してもらうのが目的なのだが、子どもはアマモには興味がないらしい。またもや打上の貝を拾ってる。どうやらここではタカラガイが拾えるらしい。一人が拾ったもんだから、我も我もとみんなでタカラガイ探し。子どものような大人も混じってる。
最後のポイントは、膝上までジャブジャブと入っていくと、ハスノハカシパンがいっぱい見られる。足が濡れるのをためらう大人達を尻目に、多くの子どもはジャブジャブと水の中に。小さい子どもは、腰まで水に浸かってる。ほぼ全身ずぶ濡れの子もいる。今日は暑いくらいなので、水に入るのは楽しい。ハスノハカシパンを見つけると大興奮。どうするつもりか知らんけど、バケツに大量に集めてみたり。平たいハスノハカシパンで、水切りをしてみたり。
遊んだ後は丸ごと着替え。親に着替えを持たせてきて、外で自由に着替えてる。子どもは羨ましい。パンツまで濡れた大人は、着替えることも出来ず。そもそも着替えも持っておらず。濡れたまま、立ったまま、電車に乗って帰ってきた。今度は着替えを持っていこうかなぁ。
雨の中、鳥をさがして公園をウロウロした。本来なら雨天中止だけど、来週の行事下見を兼ねているので、雨天で中止にはできず。そういえば、4月にも雨の中、鳥をさがして公園をウロウロする企画を決行したっけ。近頃、雨でも負けずに鳥を見るようになってしまった。
博物館友の会の行事企画会議的なのに出席。より楽しい友の会活動を展開して、友の会会員を増やすんだ。というもくろみのもと、どんな企画が楽しいかなと、自由に意見交換。夜遊び企画と、島に行く企画ばかり話していた気がする…。
2年半ほど前から、淡路島の大阪湾側をめぐって、毎月海鳥を数えている。調査地点は主に港と河口。でも、海岸沿いに移動する間に砂浜は見て回ってる気がした。鳥を見ながら回ってる時は、淡路島には砂浜をはじめとする自然海岸が多く残っていていいなぁ、と思っていた。
この夏に向けて、突然(というわけでもないのだが)大阪湾の海浜植物を調べることになった。というわけで、鳥の調査のついでに、あるいは鳥の調査もそこそこに、砂浜を見つけては海浜植物をチェックした。そのつもりで、淡路島の大阪湾側を見て回って気付いた。淡路島と言えども、良い感じの浜は少ない。というか、かなりの部分が埋め立てられてしまっている。
浜っぽいところであれば、ハマヒルガオ、ハマダイコン、ツルナはどこにでもある。ハマエンドウもあちこちに見かける。一方、ハマボウフウ、コウボウシバ、コウボウムギが生えている浜は限られる。この3種があればここはいい浜だなぁという感じ。大阪湾岸の浜を14ヶ所チェックしたけど、いい浜を示す3種の神器があったのは、5ヶ所のみ。よさげな浜はたいていチェックしたと思う(チェックしてないよさげな場所は、たぶん成ヶ島の沿岸のみ)ので、これでほぼすべてではないかと思う。
大阪府でハマボウフウが生えているのは、4ヶ所ほど。淡路島とさほど変わらないということになる(大阪府でコウボウシバ、コウボウムギが生えてるのは、3ヶ所かなぁ)。産地の個体群サイズは、淡路島の方が大きいけどね。
まあ一日だけの素人のチェック。淡路島の浜のチェックはまだまだ甘い可能性も大。ただ、これだけは確実に言える。淡路島の少なくとも大阪湾岸の砂浜は、大阪府より広いかもしれないが、質的にはかなり危機的。必ずしも大阪府よりもはるかに良好って訳ではない。とても残念。
ハリスホークとかを使ってる現代的鷹匠さん達が、ドバトの害に困っているところに出向いて、タカを飛ばしてハトを追い払うという事業をしているらしい。で、先日、某マスコミからそれについてのコメントを求められた。今日、放映されたのかな?
ドバトの生態についても質問されたが、言葉を換えて何度も質問されたのは、要するに。タカでハトは追い払えるか? どのくらい効果があるか? ということ。
それに対する答は簡単。短期的、局所的には間違い無く効果がある。しかし、どうしたら長期的効果につなげられるかは、不明。これから試行錯誤するしかない。
タカに限らず、タカっぽい形のものが空を飛んだら、ハトなど獲物の自覚のある鳥は警戒するし、飛び去る。これは、ほとんど本能的な反応であることはティンバーゲンのもちネタだったはず。もちろん学習の入る余地がある。
タカの出現で一度は逃げても、やがては戻っていくだろう。忌避効果がどの程度持続するかは、その場所の誘因効果や、代わりに行く場所の有無などによって変わるだろう。タカが常駐していれば、ハトは寄りつかなくなるだろうが、タカの勤務日数をどの程度間引いても効果が持続するかは、試してみなければ分からない。
タカ狩りという狩猟方法は、たぶん鳥獣保護法では規制されていない。だから、許可なく狩猟してもよさそうに思う。猟期でなくてもいいのかもしれない。ただ、規制されていなくても、鳥獣保護法の精神からすると脱法行為的ではある。また、野鳥愛好家からは非難の声が上がりそう。
ということは、鷹匠の方が一番気にしているらしい。で、ハトを追い払う場合も、タカはハトを襲わないという。この点が気になる。ハトは、最初はタカが飛んでるだけで逃げるだろうが、いつかはタカが襲ってこないことに気付くんじゃないだろうか? それが学習されてしまえば、タカを飛ばす意味はなくなる。どうなるかは、これからのお楽しみ。
誰でも気付くように、ある場所からハトを追い払っても、よそに行くだけ。ハト被害の軽減にはつながらない。他人に押しつけているだけ。根本的解決には、ドバトの個体数のコントロールが必要。そのためには、ドバトへの給餌の制限が一番。
同時に、せっかくなので、鷹匠さんが、ドバトをちゃんと獲ればいいんじゃないかと思う。もちろん法律的なクリアと、世論の同意も必要だろうけど。獲ったドバトは、無駄に殺すのではなく、ちゃんとジビエとして消費。
マーケットが確立するなら、むしろドバトへの給餌は推奨して、獲って食べるという流れの中に位置づける手もある。シカですら充分には流通に乗せるのに苦労してるくらいだから、ハトでは無理かなぁ。
今日はカエル探しと称して、猪名川町方面へ。遠いからあまり参加者は多くないかなと思ったら、化石さがし並に参加者が多くて驚いた。カエルは人気だなぁ。カエル好き、両生類好きを宣言してる女の子も複数いて、そのリクエストで設定したんだけど、カエル好きと知らなかった男の子も多数参加。カエル人気は根強い。採って帰って飼うんだろうか? そんな謎と共に一同は出発。
カエル好きも多いけど、狙いはイモリって子も多く。以前イモリを採ったことのある水路を順にすくって歩く。トノサマガエルは見つかるけど、イモリが見つからない。そのうち、水路にオタマジャクシを発見。上流にヒキガエルの産卵場所があるから、そこから流れてきたんだろう。このまま流されてカエルになれそうになオタマジャクシ。これなら多少多めにすくってもいいだろう。というわけで、すでに無効分散と化したオタマジャクシすくい。でも、連れて帰って飼ってもいいけど、すぐにカエルになるで? ヒキガエルのカエルは最初小さくて飼うのは大変。立派なヒキガエルになるまでに何年もかかるで? とさんざん脅かしておく。それで持ち帰るのを断念した子も複数。
そして、今日の目的地に到着。さっそく水路をすくってみると、小さめのドジョウが簡単に捕れる。これは飼いやすいので、イモリ並にオススメ。オタマジャクシを断念した子もドジョウをすくう。
さらに奥の水たまりをすくうと、有尾類のオタマジャクシ。イモリだ!と採集。でも、あんまり採ったらいなくなるから、持ち帰るのは一人3匹まで!などと制限をかける。ちゃんと言うことを聞いてくれた。
帰り道も水路をすくって歩く。でっかいスジエビが捕れて、喜んで持って帰った子。カナヘビやトカゲで盛り上がってる子もいた。ヤマカガシの幼蛇が捕れたら、みんなに大人気。両生爬虫類好きが多い。
というわけで、カエル人気の裏には、一つには持ち帰って飼育たいというのがあるように思う。でも、オタマジャクシは飼いやすいが、カエルは大変。かなりの意欲がないと挫折するに違いない。この点をちゃんと説明して、同時に代わりに飼育しやすいドジョウやイモリ、スジエビなんかを提供できるといいかも。
トカゲ類やヘビを含めて、そもそも両生爬虫類は高い人気がある。とくに女の子に人気。世間では少数派かもしれないけど、博物館に来る子どもの中では、むしろ多数派かも。両生爬虫類好きが、楽しめる企画は多めに入れてもいいかもしれないと思う。
今日までの3日間、なにわホネホネ団春の合宿。と称して、3日連続の活動日。本当に名古屋や和歌山や鹿児島から泊まりがけで3日連続で参加した人もいるようなので、合宿というのもあながち嘘ではない。初日は鳥の日、中日はイタチの日、最終日はヒツジの日と、毎日テーマを変えた風を装い、実際は似たような活動を繰り広げた。おかげで、たくさんの鳥や哺乳類が処理されて、冷凍庫にたくさん隙間が出来て、とても嬉しい。
初日と最終日は、西表島鳥類調査隊の活動日でもあった。合わせて14羽のキンバトを処理した。数えてみると、今年に入って7回活動して、合計45羽のキンバトの仮剥製をつくったことになる(ちなみに自分で剥いたのが12羽)。そろそろ日本一のキンバトコレクションになったんじゃないだろうか? 2010年に寄贈頂いたキンバトは残り7羽。次回が1stシーズンの最終回になると思う。引き続き2ndシーズンに突入だけど。
12羽も剥いて今頃だけど、この3日間で改めてキンバトについて変なのと思うポイントをいくつか見つけたので、記録しておこう。
1:精巣が丸い:ドバトやキジバトの精巣はけっこう細長い。短めのキュウリみたい。でもキンバトの精巣は、可愛い卵形。見つけやすくてグー。
2:鼻瘤がない:ドバトの鼻にはでっかい鼻瘤がある。キジバトにも目立たないけど鼻瘤みたいな膨らみがある。でもキンバトの鼻の穴周りには全然瘤めいた構造はない。
3:下尾筒が尾羽を支えてる:当たり前といえば当たり前やけど、キンバトの下尾筒は普通の鳥とちょっと違ってる気がする。普通の鳥(ドバトやキジバトも含めて)の下尾筒は、尾羽と同じ面で、真ん中に集まって尾羽を支えてる感じ。でも、キンバトの下尾筒は左右に分かれていて、尾羽の両サイドを支えてる。そして、尾羽とは少し角度を付けて、外弁で尾羽を支え、内弁は尾羽から離れてる。最初は変な角度の尾羽が下側にあるな〜、と思ったくらい。
総合するとキンバトはちょっと変わったハトだなぁという事で。
ホネホネ団の活動日はみんなで一緒に皮剥きしたり、骨に付いた肉取りしたり、皮の処理したり。慣れてない人はいっぱいいっぱいで、ベテランでも集中のいる作業は、黙って作業する。でも慣れるとさほど集中しなくても大抵の作業はこなせる。手は忙しいけど、頭には余裕があり、口はむしろ暇。ちょうど編み物しながら世間話するように(編み物したことないけど)、いろいろお喋りしながらの作業になる。もちろん生き物の話もするが、まったく関係のない話をしてることも多い。
昨日は、肉じゃが話と茶碗蒸しの話で盛り上がった。今日は、干瓢と高野豆腐の話で盛り上がった。食べ物の話ばっか。集中して作業するから、腹が減るんだと思う。ホネホネ団の活動におやつは必携。
この夏が大阪湾の特別展だというのに、解説書の原稿締め切りは5月末に迫っているというのに、大阪湾の海浜植物の調査企画が密かにスタートした。ラストスパートの今頃の時期に水草調査を始めた最初のプロジェクトYを思い出すなぁ〜。
カラスの巣をさがして、地元の公園をウロウロしていたら、職務質問された。
カラスの巣を探してというか、カラスの巣をチェックして回っていた。でも、思わぬ場所に新しい巣が出来てたりするから、新しい巣を探しもする。自転車でゆっくり走りながら、上を見上げて、キョロキョロキョロ。
警官の二人連れがいるなぁ、とは思ったけど、とくに気にも留めず上を見上げながら通過。大きな木の下でとまって見上げていたら、声をかけられて驚いた。
「防犯警戒中ですけど、上を見上げて何をしてるんですか?」
「カラスの巣を探しています」
「カラスの巣なんてあるんですか? その自転車はあなたのですか?」
「これは…」
自転車は、自分のじゃないんだな。これはまずい。仕方がないので、身元を明かす事にする。
「私、そこの博物館のもんですねん」
”京都先斗町の〜”てなフレーズが流れそう。
「博物館に置いてある、昔の職員の自転車で…」
博物館の職員というと、とたんに疑いが晴れたらしい。そのまま解放された。続きでウロウロしてると、またその警官二人組とすれ違った。
「カラスの巣は見つかりましたから〜?」
「ええ、まあ」
なんかえらく愛想がよくなってて驚く。
深夜、自転車で帰る途中に職務質問されるのはよくあるが、真っ昼間に地元で職務質問されるとは思わなかった。だいたい、双眼鏡で人をのぞいていたら怪しいかもしれんけど、上を見てウロウロしてて、いったいどんな犯罪に結びつくっていうねん! と思ったが、言い返さ無くってよかった。
新人君とフィールドへ。一緒に出掛けるのは初めてかも。新人の言動はいろいろ面白い。
みんなで海岸沿いを歩く。新人君は植物屋だけど、海岸生物にも、というか生態学的に色々興味がある様子。自分の専門以外にも興味を持つのはいい傾向。ダメな学芸員の一つの特徴は、自分の狭い専門からはみ出そうとしない所にある、といっても過言じゃないから。はみ出さない優秀な学芸員もいるけど、はみ出さない奴はダメな奴だとレッテル貼って、さほど間違いじゃない。
でも、植物以外はあんまり何も知らない様子。貝やらカニやらを萌蔵に訊ねてる。目につきやすい普通種ばかり訊ねてる。小さい石の下の動物にはあまり気付かない様子。コツブムシを採って盛り上がっている。スゴカイイソメの卵塊で感心してる。
そして、ある石の下にゴカイの類を見つけて、萌蔵に見せている時に、それは起こった。
わ「これ何〜?」
萌「ゴカイの仲間ですねぇ。でも、種名は難しいなぁ。」
わ「持って帰って、館長に見せる?」
新「館長は、ゴカイも分かるんですか?」
萌蔵と一緒に、しばらく凝固。そこから、ピシオネという、間隙生の微少なゴカイについて、二人がかりで説明した。
新「フナムシ屋かと思ってました。」
そうだね。この半年の間で言えば、確かにフナムシ屋にしか見えない。
そんな調子で、勘違いされてる学芸員が他にもいるんじゃないかなぁ。つくしんは、きっと虫屋と思われてるな。虫の話ばかりしてるし。おかんは、たぶん坂屋と思われてるな。ジャンボタニシ屋と思われてないだけマシかもしれない。おいらも一つ間違えば、カエル屋とかと思われてたかも〜。
3年程前から、図書館と共催でバードウォッチングの行事をしてる。でも、結局ただ単に鳥を見てるだけ。図書館と共催する意味が分からん。というわけで、今年は鳥の本の紹介コーナーを交えることにした。
まずは屋外で鳥を見て、昼休みの後、室内で鳥の本の話。問題は、ほどよく疲れて、腹も膨れた後は眠くなること。というのはさておき、本を60冊用意して、1時間程本を使って話。そしてその話を受けてもう一度、屋外に出かけてみる。
初めての試みなので、どうなることやらと思ったけど、まあそれなりに形にはなったかと。内容を振り返って、今後の展開を考えてみよう。
バードソンってのがある。チーム対抗で、一日に何種の鳥を見たかを競う。で、それに賭けていた人が、賭けたチームが何種見たかに応じて、寄付をする。って企画。
この企画好きじゃない。一日何種見たかを競うってこと自体がつまらない。その上、その種数に応じて寄付するって。寄付するなら、そんなもんに関係なく寄付しろよ。と、大学生の頃思ってた。今は少し丸くなったけど、やっぱり参加する気にはならない。寄付するなら自分で決めた額を寄付するし。
でもまあ、チーム対抗で競うのはつまらなくても、地点間比較としては少し面白いと思ったりするようになった。
というわけで、今日は勝手にシギチソン。大阪湾奥部の海岸でシギチの観察ポイントといえば、甲子園浜、矢倉緑地、海老江干潟、南港野鳥園ってとこだろうか。その内、南港野鳥園以外の3ヶ所を回った。
最初は阪神福駅に集合して、歩いて矢倉緑地へ。人がいっぱいいるかと思ったら、誰もいない。コチドリ、イソシギ、チュウシャクシギ、、オオソリハシシギを観察。すでにけっこう潮が引いていて、鳥が遠い。昼食食べて、すぐに福駅に戻る。
阪神甲子園駅からバスで浜甲子園バス停。甲子園浜は鳥見の人だけでも、30人はいてにぎやか。とはいえ、3日前と人数的にはあまり変わらないような…。干潮時に合わせたので、干潟が広く、ハマシギが散っている。コチドリ、シロチドリ、キョウジョシギ、ハマシギ、イソシギ、チュウシャクシギを観察。一通り見て回って、すぐに浜甲子園バス停から甲子園駅に戻る。
最後は、阪神淀川駅から海老江干潟へ。鳥見の人は10人ほど。これまた3日前と同じくらいの人数。潮は引きまくり。コチドリ、メダイチドリ、キアシシギ、チュウシャクシギを観察。シギチよりも、サービス満点に走り回ってくれたクイナがよかった。
というわけで、第1回大阪湾奥部シギチソンの成果は、コチドリ、シロチドリ、メダイチドリ、キョウジョシギ、ハマシギ、イソシギ、キアシシギ、チュウシャクシギ、オオソリハシシギの9種。ダイゼンとトウネン辺りが出て、11種になる予定だったのに残念。
昨年12月に行った伊勢湾津周辺では、越冬シギチが12種も出たのに比べると、ちょっと残念な結果。
同じ日、南港野鳥園にはトウネンが出ていたらしい。無理して回ればよかったか? って3ヶ所だけでも、充分慌ただしいし。シギチソンはゆっくり鳥を見れず、移動時間がかかるのが難点。
最初のナイトミュージアムは、夏休みにやった。子ども的にはいいかもしれない。セミとか虫とか夜の周辺の観察も楽しい。でも、空調が切れる夜はとっても暑い。寝にくい。
そして、秋のナイトミュージアムもやった。夏と違って涼しい〜。寝やすい〜。セミがいないと夜の虫の観察はいまいちだけど、タヌキとかカラスは見るチャンスが増える。
そして、今年は、今夜は春のナイトミュージアム。どうなるんだろ?
結論から言えば、涼しくて寝やすい。むしろ少し寒いかも。寝袋に入って寝てちょうどいいくらい。この季節は、ゴキブリなどが出現しないのもいいかも。
夜の虫観察は、予想通りダメ。まだ時期が早くて、あまり虫がいない。タヌキも出ない。まだ子ダヌキが出てこない。カラスも少ない。塒が一番小さくなる時期やし。というわけで、盛り上がるのは、トイレの壁のヤモリと、木の幹に隠れ集まっているヨコヅナサシガメ。ヨコヅナサシガメを手に乗せるかどうかだけで、かなり盛り上がった。
早朝の散歩は、鳥のコーラスを期待したが、これまたはずれ。テンションの高い子どもが騒いでいては鳥の声は聞こえない。ってゆうか、どうも春の渡り途中の囀りは、ある程度陽が昇って暖かくなってから盛んになる気がする。キビタキが1羽だけ下手に囀っていた。
というわけで、総合すると、春のナイトミュージアムは、秋と同じく寝やすいけど、散歩は盛り上がりにくいことが判明。最初から分かっているけど…。
ナイトミュージアムは毎年1回。来年はどの季節にするかは、これから検討。夏休みに都市の自然の特別展があるんだから、夏休みにやってセミの羽化を見たらいいんじゃないかと、無責任に提案してみた。暑い夏のナイトミュージアムに、果たして戻る決断ができるだろうか? どうせ寝不足になるなら、一晩起きてセミ羽化観察もありかもね。
今日は読書サークルの会合の日。課題本を読んできて、語り合う。今日のテーマは愛だった気がする。
カラスの本は、著者のカラスへの愛が溢れまくっていて、大好評。読者への愛も感じられる。
一方、スズメの本は、著者のスズメへの愛があまり感じられない。単なる研究対象っぽい。読者への愛も少なめ、というか上から教え諭すような調子が評判悪い。
ダニの本は、著者のダニへの愛は感じられるのだけど、著者は真面目なんだろう。出だしは、素直にダニ愛を表明しているのに、やがて分類や生態についての真面目な話を始めてしまう。出だしの愛の表明に惹かれた読者にとっては置いてきぼりをくった感じらしい。
水草の本も、著者は水草愛があるんだろうけど、あまりおおっぴらには表明されていない。また水草全般への愛っていうよりも、水草の繁殖様式や分散には愛があるけど、生態系での位置、人による利用、保全の理屈についてはほとんど愛がなさげ。愛の濃淡があるなら、愛の薄い部分は書かなきゃいいのに、というのが大方の意見。
バイオロギングの話は、対象への愛というより、研究手法への愛。あるいは成果を出した自分への愛だろうか。
面白い本には、著者の対象への愛がある。愛が表明されている。科学的な本であってもそうだし、それが普及書ならなおさら。読者は愛の物語を求めるし、愛を敏感に読み取る。愛をいかに盛り込むかが、愛される本を作るポイントとみた。
シギチドリの春の渡りも最盛期。種類が増えて楽しい季節になってきた。この週末は潮がいいから、メジャーなポイントは人だらけかなぁ。と思いながら、甲子園浜のシギチポイントに行った。自分の認識の甘さを知った。平日なのに、40人もバードウォッチャーがいる。
遠目にも今日はほんとに平日ですか?というくらい人だかりが見える。当たり前だがシニア世代ばかり。一部は平日観察会の参加者っぽい。近づくと、見知らぬおじさんが近づいてきて、
サルハマシギ2羽、キョウジョシギ2羽、メダイチドリ4羽、チュウシャクシギ2羽。
と、なれなれしく教えてくれる。もしかして知り合いか?と思って、顔をよーく見たけど、知り合いではないと思う。
なに勝手に教えてんねん。オレは自分で見つけるんじゃ。と心の中で思いつつも。適当にうなずく。ちょっと無愛想に。
で、人混みの隙間から干潟をのぞく。確かにサルハマシギが2羽いる。綺麗な夏羽。カメラマンは大喜び。情報が回ってるらしく、次々と自転車や徒歩でかけつける人がいる。さっきのおじさんは、来る人来る人にサルハマシギの話をしてる。他の人はお目当てを教えてもらえて嬉しいらしい。どこどこ?と場所まで教えてもらっている。
そのうち、サルハマシギが飛んで、河口の方に行ってしまった。集団はサルハマシギとともに移動していった。干潟は静かになった。
甲子園浜はすごい人出だったなと思いつつ、帰りがけに海老江干潟に立ち寄る。ここにもバードウォッチャーがいるけど、12人だけ。シギチドリ類もチュウシャクシギとメダイチドリとコチドリだけ。シギチ8種の甲子園浜が40人で、シギチ3種の海老江干潟は12人。バードウォッチャーの数と、シギチの種数には相関があるらしい。
海老江干潟は阪神電車から見えるので、バードウォッチャーがいっぱいいたら下車して見に行くといいと思う。
シム・シティとか、シム・アントとか。町やアリの巣の運営ゲームってしたことあるけど、ぜんぜんはまらなかった。何を目指して操作すればいいかが、設定されてないのが、受験戦争世代には向いていなかったように思う。
相手を倒せばいいシューティングゲームは大好き。自動車レースみたいなのも好き。パズル系のゲームも好き。面をクリアしていけばいいゲームも時間さえあれば楽しい。が、アイテムを集めて、最終目的をクリアしにいくようなゲームは全然はまらない。
以上から分かる事は、明確な目標設定がないとはまらない。目の前でどんどんクリアしていくタイプの目標設定は好むが、長期的な視野に立った目標設定にははまらない。目の前の狭い領域の目標のクリアにしか興味のない、視野の狭い奴だと窺い知れる。
目の前の日常業務はこなせるが、長期的なビジョンに基づいた組織運営には向かない…。
今日は、とあるNPOの将来構想の会議に参加した。上記からすると明らかに苦手分野。でも、ある種目的関数が明確なNPOや博物館の運営を考えるのはけっこう好きかも。ぼんやり楽しいことを色々言い放ってたらいいというのも、ちょっと無責任な感じで楽しい。
その無責任な発言が意外と実現したりするんだけどね。
ボランティアという言い方は嫌い。無料でこき使える労働力と間違う輩が後を絶たないし。手垢が付きすぎて、いらない意味まで連れてきてしまう感じ。それでも、すでに広まっていて使いやすい言葉でもある。
博物館におけるボランティアは、参加する側はお手伝いかもしれないが、受け入れる側は普及教育の一環。研修と実践を通じて、育てるのが第一義。もちろん色々手伝ってもらえて助かるが、それは二義的。参加者には単に手伝った満足惑だけでなく、スキルや経験値のアップを通じて何かしら育ってもらったり、研究や創作などにつなげてもらってナンボ。
というのを前堤に、博物館ボランティアについて少し考えてみたり。種類を分けながら、その発展性について考えよう。
・展示解説ボランティア:世間一般の博物館ボランティアのイメージはこれじゃないだろうか? でも、限られた展示だけ解説できるようになっても発展性が薄い。というわけで、どっちかと言えば否定的。以下では無視する。
・展示製作ボランティア:常設展を作るのを手伝ってもらう機会は少ないけど、特別展なら手伝ってもらう余地はある。というか、毎年陰に日向に色んな方に色々手伝ってもらってる。展示ノウハウを身につけることのできるボランティアなので、システム化してもっと門戸を広げたら面白いと思う。
・調査ボランティア:すでに市民参加型調査とかしてる。これは間違い無く調査ボランティア。そして、その他にも色んな形で情報の提供を受けてる。というわけで、さりげなくこれは実施されてる感じ。
・研究ボランティア:外来研究員制度というのがある。名前だけ博物館に所属して、博物館のリソースを利用しながら、自分の研究を進める感じ。博物館はさほど労せず研究業績を提供してもらってると言えなくもない。
・標本作製・整理ボランティア;すでに標本が作れる人が手伝ってくれてるケースが多い。とくに標本整理はある程度基礎知識が必要。一方で、なにわホネホネ団のように初心者を受け入れて、標本をどんどん作成・蓄積していくという動きもある。
・資料収集ボランティア:上に似てるか、こちらは自分のコレクションを寄贈してくれるイメージ。
・野外行事ボランティア:補助スタッフというシステムで、野外行事の運営を手伝ってもらう感じ。野外行事実施のノウハウを身につけてもらえる。
・子どもワークショップボランティア:大学生を中心にサポートスタッフという形で、子どもワークショップを手伝ってもらってる。そして企画・運営もしてもらったり。子ども向けワークショップの全体を身につけるとてもいいプログラムになってると思う。
・行事企画運営ボランティア:友の会行事は、一般には博物館行事と区別されていないだろう。そしてそれは学芸員と友の会スタッフが一緒に企画運営している。これはまさにボランティアだし、協働でもある。
こうしてみると博物館にはいろんなボランティアが活躍する場がある。一部は、すでに一人前の人に手伝ってもらってるが、人材育成の側面が強い、あるいは人材育成効果の高いのも多い。人材育成のためのシステムとして、もっと博物館でのボランティアをもっと活用できるような体勢を作るとよさそう。
鳥屋はたいていライフリストをつけてる。ダイバーも見た魚のリストをつけると聞くが、やはり本家は鳥屋。
ライフリストを増やしたいがためのバードウォッチャーの行動はしばしば問題になる。でも、モノは使いようという話になった。
たとえば、昆虫や植物でライフリストをつけようキャンペーンをはる。ライフリストを付け出すと、リストを増やしたいという欲求が生まれる。数が問題になってくるわけ。数が問題じゃない時は、美麗種や希少種の価値が高いけど、数が問題になるならまずは身近な種を押さえた方が手っ取り早い。
鳥なら、身近な種を押さえるのはすぐに終わるけど、身近な種だけでも膨大な種数がいるのが植物や昆虫。グループをしぼっても身近な種でかなり楽しめる。
さらにきちんと種を稼ぐには、きちんとして同定が必要。でも専門家でも、画像だけで同定できない種が多い。で、仕方がないから標本を作って専門家にみてもらう事になる。標本の作り手が増える。やりとりの中で、きちんとした標本の作り方の指導も可能になる。
標本作りをはじめさせてしまえば、昆虫ならもちろん、植物でも、見た種数でのライフリストから、保有標本の種数・点数に力点が移る可能性が高い。
というわけで、植物や昆虫(その他、同定に標本が必要になる分類群なら)では、ライフリストキャンペーンをとっかかりに、標本を作製し蓄積する人を育成できるんじゃないかというアイデア。けっこう良さそうに思うけど、どうだろう?
都市の自然の話をするとうたっておいて、出てきた生き物のは、ツバメ、コウガイビル、ハサミムシ、イシノミ、ナギナタハバチ、アギトアリ、コマルハナバチ、ツメクサ。これが予想出来る人はまずいないだろう。
みんなで調べてる都市の自然だし、これからみんなで調べたい都市の自然の話。担当者のこたわりの生き物が登場しまくる。そして、どこか面白いかを訴える。ある種、選挙演説みたいなもの。共感を得て、一緒に調査してくれる人を集めないといけないし。
メジャーなツバメは有利。子どもでも採集しやすいコウガイビルもいいかも。タネの表面を拡大してみないといけないツメクサは苦戦かと。見つかるかどうか分からないイシノミ、アギトアリ、コマルハナバチは弱そう。ナギナタハバチは面白そうだけど、4月終わりではすでに調査シーズンを逸してる感が痛い。
昨年、5〜7月に大阪市内を全て見て回って、ツバメの巣を全て見つけた。その結果、大阪市にツバメの巣がいくつあるか分かった。
と言えればいいんだけど、全てを見て回るのも、全ての巣を見つけるのも簡単ではない。ってか、ちょっと無理。じゃあどうするべ。
でも、できるだけたくさん大阪市内のツバメの巣を見つけるんだ! と、自転車で1区1日設定で走り回った(平野区だけは2日かかった)。けっこうたくさんツバメの巣を見つけた。でも、見逃しがたくさんあるのも確か。いったいどの位の割合で見逃しているんだろうか? 走り回りながらも、その点が一番気がかりだった。
自分でツバメの巣を探し回ると同時に、みんなに大阪市内のツバメの巣情報を報告してくれるようお願いした。けっこう情報をくださる方がいる。ただし博物館周辺の情報ばかりが濃い。とくに住吉区は、9人がかりでかなりのツバメの巣情報が集まった。内、2人はほぼ全域を見て回ってくれている。これを使わない手はない! ということで、報告のあった住吉区のツバメの巣の内、何%を自分で見つける事ができたかをチェックしてみた。
ほぼすべて見つけてるつもりだったが、発見率は約49%だった。ショック…。でもまあ、約半分の巣は見つけている訳で、一日自転車で走り回っただけにしては頑張った、とポジティブに捉えることにしよう。
この発見率の数字を、大阪市全体に当てはめると、大阪市内には2012年時点で1180巣のツバメの巣があったことになる。これだけでは多いのか少ないのか分からない…。
大阪湾岸を水鳥調べてウロウロしてるここ数年。漁港は重要な水鳥調査ポイントなのだけど、季節によってはクラゲが目に付く。昨年、港内がミズクラゲだらけだったのは印象的だった。で、何月に増えるか知りたくなって、なんとなく漁港のクラゲをチェックし始めた。
先日、豊国崎に行った時に、萌蔵にカミクラゲというアイテムを教えてもらう。冬場のクラゲらしい。で、そういう眼で見ると、あちこちの漁港でカミクラゲが目につきだした。というか、2月から気になってるちょっと変わったクラゲがカミクラゲだった。さらにクラゲが楽しくなってきた。
で、今日、淡路島で漁港をめぐって水鳥を数える合間に、クラゲもチェックした。先月はあまりクラゲはいなかったのに、とたんにクラゲが増えてきた。カミクラゲがちらほらいるだけではなく、ミズクラゲも増えてきたし、アカクラゲはあちこちにいる。漁港によってはアカクラゲがいっぱいいることもある。
アカクラゲと言えば、浜や河口に打ち上がったのを見る機会が多い。赤い色はついている以外はブヨブヨしてるだけ。あまりパッとしない。でも、今日、漁港を泳いでいる元気なアカクラゲは、格好良かった。そして、傘の周囲から長く伸びるヒモに、真ん中から伸びてる触手。それをゆらめかせながら泳ぐ姿は、とても綺麗。泳いできて、岸壁にぶち当たり、さんざん苦労して(というか偶然任せ?)方向転換して、また泳いでいく。ちょっと間抜けで可愛い感じ。
というわけで、深みをのぞける漁港はクラゲウォッチングに最適。もう少し季節ごとのクラゲの情報を集めて、漁港でのクラゲウォッチングガイドを作ったら受けるかもしれない。と思った。
●2013年4月17日 二つの婚姻色
鳥における婚姻色を調べようと、某辞典を引いてみると自分が書いた文章が出てきて驚いた。どうして、婚姻色を担当したんだろう? ということはともかく、その記述によると、広義の鳥の婚姻色には、生殖羽すなわち(カモ以外では)夏羽まで含まれるらしい。だとしたら、夏羽への換羽と連動して色が変わる嘴の色やなんかも婚姻色。
ただ、夏羽レベルの婚姻色だと、その定義上、繁殖前の換羽から繁殖後の換羽まで継続することになる。でも、婚姻色には明らかにもう一つある。産卵期の直前から色づいて、産卵後にはすぐに色あせるやつ。大阪辺りの鳥ですぐに思いつくのは、サギ類やカワウ。そういえば、カワウの白い羽根も通常の換羽とは別のスケジュールで、産卵の少し前から現れて、抱卵に入ったら無くなってしまう。微妙だけどサギ類の飾り羽も少しこっちの感じかな?
同じ婚姻色などと呼んでもいいけど、この二つは明確に区別する必要があるんじゃないだろうか? たぶんその機能もかなり違いそう。何より、前者は主に雄に現れるけど、後者は雌にもよく現れる。というかむしろ雌に現れる。
そして、後者はたぶんかなりピンポイントに、受精可能なタイミングを知らせるサインになっている。普通に考えれば、繁殖期が長い鳥において、受精可能なタイミングをつがいが互いに知らせる機能を持っていたんじゃないかと思う。それをつがい外交尾に利用している事もあるようだけど。
●2013年4月16日 子ツバメウォッチ
という企画を思いついた。ツバメの巣を見つけて、ヒナの数を調べるという調査。ツバメの分布調査を兼ねつつ、一腹卵数を調べる感じ。都市と郊外の比較が主な目的。
実は、NPO法人バードリサーチが「子スズメウォッチ」という参加型調査をしてたんだな。で、都市と郊外で、スズメの親が連れている巣立ちビナ数に違いがあることを見出した。
ネーミングも、調査内容も、その目的も、スズメをツバメに置き換えただけ。完全にパクリだ〜。
まあ、子スズメウォッチは、スズメがどうして減ったかを明らかにする調査の一環。ツバメもまた、どうして減っているかが気になる鳥なので、同じ事を調べておくのは、リーズナブルと言えばリーズナブル。
というわけで、昨年の駅のツバメの巣調査に引き続き、今年もパクリ調査かも…。
●2013年4月15日 キンバトの引きによる性格占い
大量にもらったキンバトの死体を、みんなでボチボチと標本化。今日も11羽も皮剥きをした。標本化にかかる時間は、その人のスキル×死体の状態で表す事ができる。死体の状態は、新鮮さと保存状態、繁殖に参加しているかの関数になる。さらに繁殖参加の有無には、年齢と採集日が関係する。
とはいえ、結局のところ、キンバトの死体を選ぶ時に、死体の内部状態はほとんど分からない。というわけで、選んだ死体の状態は、予測できない。かと思いきや、どうやらそれは選んだ人の何らかの属性との相関があるらしい。たとえば、Sさんは、とても皮剥きスキルが高いのだが、なぜかいつも状態の悪いのが回ってくる。当然ながら、皮剥きに時間がかかっている。最近加入したOさんは、新人ながら皮剥きスキルが高いのだが、それ以上にいい状態のキンバトを引き当てる。結果として、皮剥きがすぐに終わる。
SさんとOさんで何が違うかと考えてみたところ、おそらく日頃の心がけであろうということになった。すなわち、標本化にかかる時間は、スキル×心がけで表すことができるのである。ちなみに、私も今までのところ、比較的スムーズに皮剥きを終えている。日頃の心がけの良さが証明されたと言ってもいいだろう。
●2013年4月14日 イタチのノミとダニ
今日のなにわホネホネ団はイタチの日。しばらく溜め込んでいたイタチの処理を進めよう、という最初の一歩。今回用意したイタチは11匹。用意してる時から、けっこうノミが付いてるのに気付いていた。ので、皮剥き前にまずはノミやダニなどの外部寄生虫採集。外部寄生虫自体はいつでも、タヌキでもアライグマでも捕っているが、今回は皮剥き担当者に任せず、同じ眼で予め一通り採集した。
予定通り、けっこうノミが捕れた。予想外に、はっきりしたパターンが出た。とたんにイタチに興味を出てきた。
用意したイタチは、大部分チョウセンイタチ。2匹だけニホンイタチっぽいのが混じる。イマドキの大阪府では、能勢町でも主力はチョウセンイタチ。産地は、徳島県、奈良県、大阪府。大阪府での産地は能勢町と大阪市。
で、ノミが見つかったのは6匹で、いずれも大阪府産。というか、大阪府産でノミが捕れなかったのは1匹だけ。奈良県産と徳島県産からはノミは出ず。奈良県産からは代わりにダニが捕れた。
奈良でダニというと、シカからもらったんじゃ?とか。大阪府でノミが捕れるのは、都会のイタチで、ネコやイヌとの接触が多いからでは?とも思う。が、大阪府では能勢町産からもノミが捕れてる。市街地周辺の奈良県産の方がよほどネコやイヌと接触しそう。
というわけで、どうして大阪府産からばかりノミが捕れるのかは謎。さらに例数を増やして、その傾向が本当にあるのかをさらに確認したい。というか、データを溜めて、イタチの分布図にノミ・ダニ採取情報を重ねてみよう。
●2013年4月13日 干潟の鳥の観察会
干潟のシギチドリの観察会。改めて初心者にシギチドリは難しいんだと思った。といっても、イマドキの大阪湾の干潟に、そんなに珍しい種類はいないし、そんなにたくさんの種類も出ていない。目の前にいるのは、コチドリ、シロチドリ、メダイチドリ、ハマシギ、トウネンの5種だけ。それでも、違いが伝わらない。コチドリとシロチドリは、胸の帯がぁ、顔がぁ。ハマシギとトウネンは、大きさと嘴の長さがぁ。年中使える特徴で見分けられるように説明したいのだけど、無理っぽい。仕方なく、アイリングとか腹が黒いとか顔が赤いとか。夏羽の特徴を説明する。それなら(その特徴が出ている個体なら)理解してもらえる。
説明しながら思う。同じ観察会を秋にもするんだけど、秋はどう説明したらいいんだ〜?
●2013年4月12日 夏の思い出
昨日から、ノートを見返して、昨年の夏の思い出にひたっている。時間が経って忘れてた事も、ノートのページに書かれたちょっとしたメモをきっかけに次々と思い出す。
そう言えば、ここの家の人に、近所のツバメの話をいっぱい聞かされたなぁ、とか。交番のツバメを見ていたら、見知らぬ女子中学生に、ツバメ好きなんですか?と尋ねられて、なぜかアワアワとなりながら逃げたとか。ここでも、ここでも、知り合いに会ってしまったとか。あの有名な三角の公園、昼間から色っぽい街並み、沖縄のような島、街角に立つメイドさんなどなど、話には聞いてたけど、初めて見た光景も多かった。大阪市は奥が深い。
というわけで、ツバメの巣をさがして、大阪市内を自転車で走り回った夏。炎天下に10時間以上も自転車に乗ってたり。夜明けから日暮れまで、最高13時間ほぼ連続で自転車に乗っていたり。10年後にもう一度走り回りたいけど、体力は維持出来るかなぁ。
●2013年4月11日 台湾の客
今日は台湾からお客さんが来ることになっていた。来るには来た。でも、すぐ帰った。土産だけを残して。
台湾の研究者友達から、研究者つながりのが日本に行くからバックヤードを見せるように、関係分野の学芸員を紹介するようにと指令が来た。いいけど、日本語できる? 英語はできる? と訊ねると、3人中1人は日本語ができるという。
さっそくFacebookで友達にされた。確かに日本語で連絡をくれる。日本語上手そうで一安心。
で、当日、午前中に来ると聞いていたのに、ぜんぜん来ない。ぜんぜん来ない昼を過ぎてから来た。午後からは別の日程が組まれているはず。じゃあ何しに来たんだ? と思いきや、いろいろ世話になるからと、土産をたくさん持ってきてたらしい。持たされてきた土産も多数。で、もうバックヤードどころか、博物館をろくに見る時間もないのだけど、土産だけ置きに来てくれたらしい。
自分たちの都合で遅刻したんだから、自業自得とはいえ、土産だけ受け取るのは、心苦しい感じ。今度、来日したら土産なしで案内してあげよう。って、もともと土産なくても案内くらいするし!
ちなみに日本語はとても上手だった。聞き取りは少し弱いみたいだったが、発音は日本人と間違えそうなくらい。
●2013年4月10日 貝毒効果
大阪湾のアサリなど二枚貝から基準値を超える貝毒が検出されたらしく、実質、潮干狩り禁止状態。河口干潟に例年なら人がいっぱいの季節だけど、干潟の人の姿はまばら。おかげで干潟の鳥はのんびりムード。とても観察しやすい。貝毒は干潟の鳥にプラスの効果。潮干狩りで喰ってる人にはマイナス効果。
広い干潟が失われた大阪湾では、狭い干潟をシギチドリと潮干狩り人が取り合ってると言えなくもない。そんな中では、貝毒効果はかなり大きい。生物多様性の保全に、貝毒は一役買っていると言っても過言ではないかも。
●2013年4月9日 ヒツジの研究
日本では、ましてや大阪では、あまり恐竜など大型動物の化石は手に入らない。そこで、現生動物についてのデータを集めて、化石研究に活かす計画らしい。
恐竜など古生物の生態についての話は、現生動物の生態屋からすると、眉につばをつけたくなるようなのが多い。その点では、意見が一致するらしい。現生の動物について、その生態とホネについての情報を集めて整理し、古生物の生態研究に活かそうというのは、とてもまっとうに聞こえる。
必然的に、現生動物のホネについて色々調べたい。飛んで火にいる夏の虫である。いやがおうにもホネホネ団の活動に関わる羽目になる。
水棲脊椎動物に興味があるらしい。で、クジラとかウミガメとかワニについての調べたい? よしよし、じゃあクジラとウミガメ担当にしてあげよう。猛獣の後釜なんだから、ヒツジと言えどもクジラ・ウミガメ担当は必然だね。ストランディングがあったら、必ず呼んであげよう。
重力の影響を強く受ける陸上脊椎動物にも興味があるらしい。で、ゾウとかサイとかカバ? よしよし、じゃあゾウ担当にもしてあげよう。猛獣の後釜なんだから、当然だね。動物園で大物が死んだら駆けつけなくっちゃね。
島の大型哺乳類にも興味があるらしい。日本でなら、シカとかイノシシかな? まあ、昔は猛獣が哺乳類全般を担当してたし、そういうもんだね。よし、大型哺乳類はすべて任せた!
というわけで、ありがたい新人をゲットしたかもしれない。ヒツジよろしくね。
●2013年4月8日 北に渡ってく順
4月になって冬鳥の個体数がどんどん減ってく。ツグミ類やアオジはまだまだいるけど、カモはかなり減った。カモメ類も減った。ツルやハクチョウは3月に入るととたんにいなくなる。大きな鳥ほど早く繁殖地に向かうような気がするけど、どうしてかな?
繁殖地に向かう順は、繁殖地の雪解けと関係あるとするなら、低緯度の繁殖地ほど早く、高緯度ほど遅くなりそう。でも、近いほど早く着けるから、遠くにあることになる高緯度ほど早くてもいいかも。
雪解けを待たなくても、採食可能な鳥(水鳥とか?)ほど、同じ高緯度の繁殖地でも早く到着してもよさそう。
渡りに時間がかかれば、早めに出ないといけないし、すぐに渡っていける鳥なら、ゆっくり出発してもよさそう。
どの理由も、大きい鳥ほど早く繁殖地に向かうことを説明してなさそうなんだけど…。
●2013年4月7日 嵐の観察会
普通、嵐の日に観察会はしないもんだけど、今日の観察会は雨天決行。ましてや、風が強いくらいでは中止にはしない。別に暴風警報が出てるわけでなし。でも、よく考えたら分かるように、風が強いと鳥が見にくい、見つけにくい。そして、干潟では思わぬ問題が生じるんだな。
強い西風で、西向きの干潟は潮が引かない。東向きの干潟だったら、めーっちゃ潮が引いたんだろうか? とにかく、干潟は水びたしで、干潟のシギチドリはさっぱり。風が吹きまくるので、木の上の鳥も見つけにくい。見えにくい。
これなら昨日のような雨の方がまだまし。鳥の採食行動には、雨と風のどっちの方が問題になるのかな?
●2013年4月6日 地元でライファー
今日は雨の中、マイフィールドである公園をウロウロした。突然、知り合いが興奮しながら声をかけてきて驚いた。ミゾゴイがいる!
えー! こっちも興奮。急いで見に行く。いた。地面でボーッとしてる。ゆっくり見れた。嬉しい。ライフリストが1種増えた〜。
地元は都市公園だけど、今までにもけっこうライフリストを増やせている。ハイタカ、オオコノハズク、ヤマシギ、ヨタカ、キマユムシクイ。次狙うならミゾゴイと思ってた。予定通り〜。
どこで見てもライファーは嬉しい。けど、教えてもらった場所で、大挙してやってきてるカメラマンやバードウォッチャーと一緒に見ても、かなりの興ざめ。それに引き替え、地元で見れると嬉しさ倍増。できれば自分で見つけたかったけど、それは許そう。
多くのバードウォッチャーが地元で、自分で見つけてライファーを増やす事に熱中したら、もっといい感じになる気がする。
他に地元で狙ってるのは、オジロビタキ。何故かまだ一度も出会ったことがないから、どうせなら地元で最初に出会いたい。あと出たらいいなぁと思ってるのは、ブッポウソウ。でも、ここ数年の傾向では、コウノトリに出会う方が先かも。あるいはオオムシクイを増やしに行くとか。
●2013年4月5日 カラスの教科書
ふざけてるような書き方でいて、とても真面目。そしてカラスについての知識と薀蓄と愛が満載。そんな本。見た目以上に情報量が多くて、なかなか読み終わらない。自分でもカラスの巣を見ているところなので、参考になる部分がメッチャあるのも、なかなか読み進まない要因の一つ。とにかく面白い。
著者の研究は、卒論でやってるところから、折に触れて聞いてきたと思う。当時は、こちとら生意気盛りの大学院生。個体識別をせずに、巣の周りだけで、ひたすらカラスの行動観察。エピソードを積み重ねていくだけの著者の研究手法には懐疑的だった。確かにカラスについて詳しいけど、それはカラスマニアってだけで、カラスの研究と言えるんだろうか? たぶん当時の多くの鳥類研究者(おそらく指導教官を含め)は同じように懐疑的だったんじゃないだろうか。でも、著者はめげなかった。エピソードを積み重ねていく研究を続けた。続けまくった。
数年ぶりに話を聞いてみると、とても立派な研究になっていて驚いた。それで博士論文まで書いて、いまだにその延長線上を進んでいる。たぶんとっても馬鹿なんだろう。カラス馬鹿。そして、馬鹿になって突き詰めると何かに到達できる。ってことを著者は体現してると思う。
今になって見てみると、野外でカラスを追い回し、カラスについて論文にできることもできないことも何でも知ってる著者のスタイルは、とても貴重だし好感が持てる。いっぱいカラスの話をしたくなる。自分でろくにデータを取らずに他人のデータを解析だけしてる奴、実物知らずにDNAの塩基配列だけ見てる奴。まあそんな奴の研究は、ツッコミどころ満載。そして、議論してもつまらない。
●2013年4月4日 博物館グッズの製作方針
もちろん作る以上は、それにかかったコストは回収しなくてはならない。その前提の上で、どんなグッズを作るべきか。というテーマ。
基本的に博物館利用者は2種類に大別できる。一般人とマニアである。マニアは守備範囲が狭く、深い。一般人には分からないポイントに喜ぶ。
一方、博物館利用者であるところの”一般人”は世間一般の一般人とはこれまた少しずれていると思う。というか、博物館にある種の期待を抱いているんだと思う。それはすなわち”博物館はマニアック”であるというイメージである。
マニアは、文字通りマニアックな部分で喜び。博物館を利用する一般人は、博物館がマニアックであることに喜び、あるいはマニアックに喜ぶ人を面白がる(博物館に興味のないい圧倒的多数の人は、もちろんそんな事どうでもいいと思ってる)。というわけで、どちらの博物館利用者の期待にも応えるためには、博物館はマニアックでなくてはならない。いわんや博物館グッズをや。
マニアックさは、ときには、というかしばしば、一般の目からすると気持ち悪い事も多いだろう。でも、あえて気持ち悪いグッズを作ってしまえ。それで話題になればラッキーてなもの。
気持ち悪いグッズには、目黒寄生虫館という成功事例もあるし。というわけで、なぜか気持ち悪いデザインは、黒い背景に白抜きで作りたくなったり…。
●2013年4月3日 中高生と行く行事シリーズ年間計画
ジュニア自然史クラブの年間活動計画を相談した。中高生の意見に基づいて決めていく。のだけど、実現不可能なのは却下。ふざけてるだけの発言は無視。あまりに少数派なテーマは諦めてもらって。近い過去にやったことのあるのは、え〜またぁ?
と暗に撤回を求めつつ。毎年定番企画の間にはめていく感じ。
月1回の活動だし。定番企画も多い。4月と8月は室内でミーティング、12月は化石さがし、1月は河原に出かける。ここ数年定番化しているのは、7月の川遊び、9月のキノコ狩り、11月の鉱物採集。今年は都合で断念したけど、6月も例年磯観察。そんな意味では、完全白紙は、5月、10月、2月、3月だけ。意外と自由度は多くない。
出てきたリクエストは、キノコ狩り、かやぶき屋根の家のある場所で昆虫採集、冬にバードウォッチング、動物園で羽根拾い、淀川でゴカイ採集。ここまでは予め聞いてたの。
当日出てきたのは、干潟で貝採り、西の湖でコヨシキリとカッコウ、巨椋干拓地でツバメチドリ、サンショウウオ観察、カエルのいる場所、ムササビ観察会、冬の金剛山。
冬の金剛山でバードウォッチングして、淀川でゴカイとシジミ採って、カエルのいる田んぼ周辺で昆虫採集して。と組み合わせていけば、だいたいのリクエストはクリアできそう。やっぱりムササビ観察は行かないといけないかなぁ。サンショウウオは、昆虫採集のついでに山で見たいな。マニアックな鳥の観察は、鳥のサークルでお願いしよう。
●2013年4月2日 冷凍庫管理
昨年は、ずっと冷凍室が満杯だった。哺乳類と大きめの鳥の死体がいっぱい入ってる。新たに入れるために、ぎっしり詰め込み直して、さらに詰め込む。だいたい手前が詰まってるだけで、奥の方はそれなりに隙間があるから、手前を放り出して、奥を詰め込めばまだまだ入るねん。
てな事をいうてたけど、年末は毎年、それなりに隙間をつくらないといけない。で、年末は必死で頑張る。その勢いで、年末年始から、年明けも頑張った。それ以降、がんばり続けて、年末の状態を維持している。それどころか、徐々に隙間を広げつつある。こんな事はここ数年なかったんじゃなかろうか?
というわけで、今年の残りもこの状態を維持するのが、当面の目標。
空いた隙間は、冷凍しての標本の虫殺しに使ってる。年明けに空いた瞬間に、ここ数年作った鳥の仮剥製を大量に入れた。それが一段落したら、植物標本が大量に詰め込まれた。植物標本が出たと思ったら、また別口の植物標本が。で、昨日ようやくまた空いた。年末から放り込みたかった大きな鳥の仮剥製を放り込んだ。冷凍室に空間があると、使い勝手がいいな〜。
大きな冷凍庫も二つある。片方には鳥の死体が詰まってる。もう片方は、鳥の死体と小さい哺乳類の死体が詰まってる。これも徐々に処理が進んでる。少なくとも片方は、少し隙間ができてきた。中の方に隙間を作ってるから、素人目には分からないけど。
今日、某名誉教授から、小さめの冷凍庫をもらった。嬉しい〜。ますます冷凍スペースが増えた。
冷凍室や冷凍庫の隙間が増えたのは、某ホネホネ団の活動日数を倍にしたから。さらに増やしたら、さらにハイペースでスペースができそうなのだけど、これ以上はけっこう厳しい。これ以上のスペース作りは、助っ人にお願いしよう。
というのが、当面の計画。いつか、冷凍庫がスカスカになるといいなぁ。
●2013年4月1日 囀り日記
メジロ屋さんが日本各地のメジロの繁殖期を知りたい。っていうんで、毎日地元フィールドでメジロの囀りを聞いたか記録することになった。さえずってたから繁殖してるとは限らないけど、何かしら関係はありそう。
というので言えば、メジロに限らず、毎日すべての囀りを記録したらええんやね。繁殖してるとは限らないけど、何かしらの鳥の活動の記録になる。
地元フィールドで囀りが区別出来て繁殖してる鳥は、メジロ以外には、キジバトとシジュウカラ。ついでに、コゲラとカワラヒワ? 少ないから簡単。試しにやってみよう。
で、何が明らかになるかと言えば、
何となくでも、毎日のように囀りを聞いた聞いてないを記録したら、囀る季節、囀ったり囀らなかったりする季節、囀らない季節に、一年を分ける事ができる。なんとなく繁殖期と非繁殖期に分けられるのかもしれないし、実際に営巣を始めるどのくらい前から囀り出すかが分かるのかもしれない。繁殖期の中でも、つがい形成から産卵まではよく囀っても、抱卵・育雛期にはあまり囀らず、というのはよく知られたパターン。繁殖が終わって囀らなくなったのに、秋にまた囀りのプチピークがある種もけっこうあるように思う。
囀り頻度から、鳥の一年をさぐる!
ってゆう研究計画を立てよう。
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