日記風覚え書き

2014年1月2月、3月

(2005年1-3月4-6月7-9月10-12月、2006年1-3月4-6月7-9月10-12月
 2007年1-3月4-6月7-9月10-12月、2008年1-3月4-6月7-9月10-12月
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●2014年3月31日 2014年3月のまとめ ついに2014年の夜明けじゃ

懸案の大阪の哺乳類の原稿を提出した。テキストだけだけど、実はまだそれも完璧には完成してないけど、でもだいたい形になった。とりあえず分担執筆者さんに自分の原稿をチェックしてもらうプロジェクトを始動。とにかく、2013年12月は120日ほどで終わった。年明けがこんなに嬉しいなんて〜。
とりあえず、年末の1ヶ月をまとめてみよう。

まずはルーティンのため池調査、大和川調査、播磨灘調査は無事完了。冬鳥が減ってきて、随分楽になってきた。木の実チェックは上旬に完了。代わりにカラスの巣調査が本格化。
そんな中、前半は大阪鳥類研究グループの総会準備に集中。後半は、子どもワークショップの年度末企画“こどもまつり”に頭を痛める。
ちなみ、以上に並行して、サイの皮をなめすというか、表で干す。雨が降る度にサイ皮の心配の日々であった。
夏の都市の自然展の打ち合わせ・手配。解説書の原稿を執筆しないといけないのだけど、まだ手を付けられず。

といった仕事をこなす合間にホニュ本にさけた時間は、5日くらい。ともかく一通りは書き上がったので、編集者さま方に提出。でも、編集者さま方も年度末は忙しいので、きっと作業はしないはず。で、その隙にこそこそと、原稿の手直し。何がテキスト完成やねん〜。という気もするが、とにかく形が大切なのである。


●2014年3月30日 2013年度の標本作りの成果

今日のホネホネ団の活動で、2013年度の標本作りは終了。昨年度に引き続き、この1年につくった標本を振り返ってみよう。

この一年で増えた登録標本点数は、鳥類247点、哺乳類170点。昨年度に引き続き、鳥類の圧勝であった。ちなみに、2012年度は、鳥類240点、哺乳類103点。どちらも昨年度実績を上回った!
これで当館所蔵の標本点数は、鳥類7107点、哺乳類2760点。ちなみに他の脊椎動物の標本点数は、昨年度末時点で、魚類約39000点、両生類約22000点、爬虫類約7900点。魚類は増えてるけど、両生類と爬虫類は足踏み状態(登録作業が進んでないから)。もう4年ほど足踏みしていてくれたら、爬虫類に追いつけるかもしれない。

この1年は、鳥類の標本作りも哺乳類の標本作りも、ほぼなにわホネホネ団の活動成果。
2013年度、自分で剥いた鳥類標本を集計すると、鳥の皮剥きをした日が年間20日。その間に37種53羽の皮を剥いた。
ちなみに2012年度は、63日間に85種115羽の皮を剥いた。日数は1/3に、種数と個体数は半減した。これが普通の年の目一杯かなぁ。来年度は、前半が異常に忙しいので、後半頑張ろう。


●2014年3月29日 陸ガモが運ぶ水生植物?

陸ガモが水生植物のタネを運ぶって話を聞いた。だとしたら、ってゆうか、水生植物のタネを運ぶのが、陸ガモだけとしたら、水生植物の分布に特定のパターンが生まれそうなきがする。
その前に気になるのは、運ばれて発芽するような水生植物のタネが供給される季節。秋に実の? それは冬になっても生きてるの? 冬には、カモが食べれるような場所にタネがあるの? てな、あたり。年中利用可能ならいいけど、水鳥にとって利用可能な季節が限られるなら、その季節の水鳥を考えないといけないし、その季節の水鳥の動きが重要になる。場合によっては、陸ガモの中でもカルガモだけが貢献してるかもしれないし、陸ガモの貢献はあまり期待できず、バンなどの他の植食性の水鳥が重要な可能性もある。
ってことはさておき。もし冬の陸ガモがタネを運ぶとしよう。だとしたら、陸ガモが移動する範囲内によく運ぶはず。カモはけっこう冬中同じ場所にいるけど、いくつかのため池を巡っていることも多い。そこが散布のチャンス! タネの消化管内滞在時間が気になるけど。あと、秋から冬にかけて水を抜くため池では、水を落とすとカモがいなくなる。つまり別の場所に移動する。これまた散布のチャンス! おそらく冬中水を落とさないため池の水生植物よりも、水を抜くため池の方が散布されやすいに違いない。そして、カモの到来と水を抜くタイミングも重要。
3月とかになると、そろそろ渡りも始まる。となると、長距離散布の可能性も出てくる。秋の渡りの季節もしかり。やっぱり運ばれるべきタネが運ばれやすい状態にある季節が重要だなぁ。

というわけで、このネタは色々と発展の可能性があって、意外と面白そう。


●2014年3月25日 チチュミド

今から16年前、都市の自然の特別展をした。その時の解説書をみると、ブタハムとかチチュミドが侵入したばかりで、これから広がるかも!って書いてあって、初々しい。それから16年、あの人は今。をしなくちゃ。


●2014年3月23日 子ども祭 2日目にして最終日

昨日来たのに、また来てくれた子がいた。昨日やり残したので、続きをやりに来てくれた子もいた。子どもにも、サポートスタッフにも一定の、というかけっこう成果があったと思う。でも、もちろん反省点、今後の改善点も多い。

まずは、担当のホネ班2日目のデータ。今日のスタッフは5名。ワークショップは、 セクション1:導入+クイズ
 セクション2:展示見学ツアー
 セクション3:記念品セレクト+仕上げ
という3ユニットから出来ている。今日の6回の興行の様子をまとめると、

●興行1(11:15-11:47) 参加者8人、見学者6人
     セクション1:11分、セクション2:11分、セクション3:10分
●興行2(12:00-12:32)参加者24人、見学者17人
     セクション1:12分、セクション2:11分、セクション3:9分
●興行3(13:15-13:47)参加者8人、見学者6人
     セクション1:13分、セクション2:10分、セクション3:9分
●興行4(13:58-14:32)参加者15人、見学者13人
     セクション1:13分、セクション2:11分、セクション3:10分
●興行5(14:50-15:26)参加者12人、見学者13人
     セクション1:16分、セクション2:10分、セクション3:10分
●興行6(15:40-16:15)参加者18人、見学者13人
     セクション1:15分、セクション2:10分、セクション3:10分

セクション2とセクション3の時間はやはり約10分に安定。問題はセクション1で、担当者によって、長くなる。最後の2回は長すぎ。それは情報量を多くすればいいという勘違いから。セクション1が長くなると、小さい子どもは集中力を失い、セクション2での話も聞けなくなる。情報量が多ければサービスになるわけではない。ご飯を山盛りにすれば、サービスと勘違いしている喰い物屋と同じ。少食の人には、消化しやすい美味しい食事を適量、というのが真のサービス。

【追記】
なんと記念品として選んでもらって渡していたオットセイの後肢が裏返っていたことが、顧問の指摘で判明。バラバラ状態しか見てなかったからか、ぜんぜん気付かなかった〜。それに気付かなかったのが、個人的には一番の反省。


●2014年3月22日 子ども祭 初日

子ども祭とは、主に大学生の子どもワークショップのサポートスタッフが、自分たちで企画し、自分たちだけで実施する子ども向けワークショップ大会である。3チームがそれぞれの企画を実施する。参加する子ども達は、カードを持って3つのワークショップをめぐる。
参加してる子ども達は気付いてないだろうが、このワークショップの背景には、3ヶ月に及ぶ準備がある。その中で8回も集まって、あれやこれや相談して企画し、バタバタと準備してきたのだ。それを、担当学芸員はやきもきと見守り、必要最小限の助言をするわけ。学芸員的には、自分ではほとんど何にもしないのだけど、それがかえって疲れるという神経衰弱的企画なのである。
で、ようやく本番を向かえたのだけど、朝一番の時点では準備は完璧ではなく、リハーサルもできていない。大急ぎでリハーサルしながら、段取りを確認。これで本番大丈夫なんだろうか? 例年こんな感じで、今日もやっぱりこんな感じだった。

リハーサルはグダグダ。説明パネルにダメ出しをして、段取りにダメ出しをして、シナリオにダメ出しをする。そして、向かえた本番1回目。驚いたことに、驚くほどすんなりとワークショップが進行していく。
毎年思うんだけど、みんな本番に強いなぁ。ってゆうか、かなり追い込まれないと本気がでないのかなぁ。

で、担当のホネ班の初日をまとめておこう。今日のスタッフは3名。ワークショップは、 セクション1:導入+クイズ
 セクション2:展示見学ツアー
 セクション3:記念品セレクト+仕上げ
という3ユニットから出来ている。今日の6回の興行の様子をまとめると、

●興行1(11:00-11:45) 参加者2人、見学者0人
     セクション1:10分、セクション2:10分、セクション3:25分
●興行2(11:50-12:50)参加者17人、見学者12人
     セクション1:15分、セクション2:10分、セクション3:35分
●興行3(13:20-14:00)参加者18人、見学者13人
     セクション1:15分、セクション2:10分、セクション3:15分
●興行4(14:20-15:00)参加者8人、見学者7人
     セクション1:20分、セクション2:10分、セクション3:10分
●興行5(15:25-16:00)参加者15人、見学者14人
     セクション1:15分、セクション2:10分、セクション3:10分
●興行6(15:40-16:20)参加者11人、見学者8人
     セクション1:20分、セクション2:10分、セクション3:10分

セクション3の時間が午後に激減したのは、記念品仕上げの方法を変えたから。最初からこっちにしておけばよかった〜。
セクション2の時間が安定しているのに対して、セクション1は午後に長くなっている。これは慣れてきて、情報量を増やしてきたから。残念ながら、それは裏目に出ていて、小さい子ども達の途中離脱が増えてしまった。これが今日最大の課題。
明日も頑張るぞ〜。私は座って受け付けしてるだけですが…。


●2014年3月21日 巣づくり分担と、抱卵担当

身近な鳥の繁殖の際の巣づくりや抱卵の雌雄分担を調べてみた。原典にあたるのは面倒なので、保育社の『原色日本鳥類生態図鑑』の記述をチェック。この図鑑はいろいろ書いてあった面白い。それを勝手に集計するだけでいろいろ分かる。
大阪の市街地周辺で繁殖している鳥で、巣づくりと抱卵の分担が明記してあるのだけ引っ張り出すと、

 非スズメ目は、圧倒的に雌雄協同で巣をつくり、抱卵も雌雄両方が分担する。例外は、メスだけで巣をつくってメスだけが抱卵することが多いカモ類。あとタカ類は、雌雄協同で巣をつくるけど、抱卵は主にメス。
 雌雄協同で巣をつくると言っても、カワウ、サギ類、ハト類では、巣材を運ぶのはオスだけで、メスは巣場所で巣材を受け取って巣を組み立てるだけ。雌雄両方が抱卵するといっても、両方が等分に担当しているとは限らないことは覚えておいた方がいいかも。

 一方、スズメ目は、雌雄協同で巣をつくる種と、メスだけが巣をつくる種に分かれる。
・雌雄協同で巣をつくるスズメ目は、雌雄ともに巣をつくる事が多いようだが、オスは外装、メスは産座という分担をしている事が多い。そして、
 ・・抱卵は雌雄とも
 ・・抱卵はメスだけで、オスはメスに給餌
という2パターンがあるらしい。雌雄共に抱卵といっても、両方が等しく分担してるとは限らないのは、上と同じ。

・メスだけが巣をつくるスズメ目では、その間、オスはメスを追尾していることが多い様子。そして、
 ・・抱卵はメスだけ。
ただ、シジュウカラのオスは、メスに給餌するらしい。

 面白いのはイソヒヨドリで、巣づくりと抱卵ともに雌雄協同とする報告と、巣づくりと抱卵ともにメスだけという報告があるらしい。観察者のミスか、つがいによるのか、地域によるのか。後に2者であれば、とても面白い。


●2014年3月20日 トリケラトプスの頭をながめてみた

歩いていたら、トリケラトプスの頭が置いてあったので、間近にながめてみた。いろいろと変な生きもの。

■頭の大部分を占めるフリルの下をのぞき込むと、なるほどあれはフリル。フリルを取り除いたら、頭骨は目のする後ろで終わっている。目の穴より前に脳はないだろうから、脳の容積はめっちゃ少ない。脳の大きさがすべてではないだろうけど、あまり何も考えられなさそうな…。あと、頚椎が付く角度が思ったよりも下向きだった。フリルはかなりフリル。
■正面から見ると、眼窩は見えない。もし眼が、サイやゾウを同じような感じで、眼窩に収まっていたら、正面は絶対に見えない。眼窩の前になぜか軽く稜まであるし。真っ正面がまるで見えない動物ってありなのかな? ありじゃないとしたら、かなりの出目だったのかも。たとえばカメレオンのような。
■歯は、前の方には全然なくって、いわゆる奥歯しかない。下の歯はものすごくすり減ってるのか、歯槽から少ししか出てない。出てる部分は、けっこうトンガってギザギザ。上の歯にいたっては、歯の先の並びが波打ってる感じで、全体としてもギザギザ。上と下の歯のかみ合わせで、草を噛みきることはできそう。でも、ぜんぜん臼歯っぽくないから、磨り潰すとかは難しそう。だから奥歯ではさんで草を引きちぎるってことをするだけでは。だとしたら、口は奥歯の辺りまで裂けてないと困る。
■顎関節は、哺乳類感覚からすると、とても下に付いてる。でも、爬虫類や鳥ならこんなもんかとも思う。関節面は浅いので、上下だけでなく、顎を左右に動かせてもよさそうな気もするけど。そもそも付けるスペースがないので、顎を動かす筋肉はあまりなさそう。ってことは、さほど顎の力は強くなくって、上下に甘く動かす程度かなと思う。
■上下とも吻端には歯が無くって、なるほど嘴があってもよさそうな感じになってる。上嘴がかなり先まで出ていて、ちょうどインコの嘴みたい。上の嘴の付け根辺りに、下嘴がきちんと収まりそうな形になってる。ってことは、奥歯を使わなくても、インコみたいに嘴を使って採食できたんだろう。

ってことで、勝手に思ってるトリケラトプスの復元は、インコの嘴、カメレオンの目玉、奥歯の横まで避けた口。もしかしたら、もっと鼻孔が目立ってたんじゃないかなぁ、とインコイメージから思う。だとしたら、よく見る復元図と全然違う。そしてトリケラトプス人気も危ういような…。
ちなみに、採食行動は、草を奥歯でかみ切って丸呑み。あるいは、果実やタネを、嘴でくわえて、上を向いてパクって食べるとか? ただ舌がどの程度あったかで、こうした行動は変わりそう。


●2014年3月19日 漁港とアオサギ

漁港と言えば、アオサギ。漁港で魚を食べて、その裏山や目の前の島で営巣。これが、イマドキのアオサギのよくあるライフスタイルかも。

今日、兵庫県赤穂市坂越湾。東端の小島漁港の向かいにある鍋島。アオサギがとまってるのに気付いた。数えてみると16羽。角度のせいもあって、しっかりとは確認しにくいが、内、5羽は巣の上に立ってるらしい。他に抱卵ポーズの個体を見逃してる可能性もある。ヒナの声はしないので、まだ造巣から抱卵期って感じ。ともかく小さいけど繁殖コロニーになるらしい。
一昨日、兵庫県たつの市岩見漁港。これは、2月にすでに見つけていたけど、裏山の国道の手前側にアオサギの繁殖コロニー。少なくとも8巣で営巣中。内、7巣は抱卵中らしく、1巣からはヒナの声がする。
先週行った香川県の播磨灘岸。香川県東かがわ市引田港。漁港に浮かべてある使ってなさそうなイカダの上にアオサギのコロニー。抱卵中が5巣、巣づくり中が1巣。

いずれも規模が小さいのが特徴。かつてたとえば1970年代には、サギは少数のでっかい繁殖コロニーをつくっていた。それが1990年代以降、規模の小さな繁殖コロニーを各地につくるようになった。
大きなコロニーだと採食場所までの距離が長くなるのは必然。小さなコロニーをあちこちにつくった方が、採食場所との往復は楽になる。その究極の選択が食住接近。食べ物が供給される漁港の近くにコロニーができるのは、必然の選択のように思う。
必然の選択とまで言う割には、毎月播磨灘岸の60ヶ所からの漁港を見て回っていて、その周囲のアオサギコロニーを3ヶ所しか見つけてないわけだけど…。


●2014年3月18日 標本番号10

それは不知火。標本番号9は、土佐文旦。その前は、デコポン、日向夏、オオミレモン、タンカン、清見オレンジ、いよかん、ポンカン、はるみ。
今月から、果物のタネ集めプロジェクトを始めた。今月は季節柄、柑橘系が中心。スーパーでまだタネを確保してないのを見つけては買ってきては、食べるの繰り返し。タネ集めなので、タネが入ってると嬉しい。普段ならミカンに入ってるタネは邪魔者扱いだけど、扱いは真反対。タネが入ってないのは、ハズレとまで思い、味よりもタネの有無が気になる。
ただ、おかしなもので、タネが確保されたら、その品種はもういいので、もう食べない。反対になかなかタネが入ってないと、何度も食べることになる。不知火や日向夏は、あまりタネが入っておらず、あるいは入っていてもシイナが多く、密かに盛り上がった。「甘平」や「せとか」は、食べたのにタネが確保できず、とても残念。「せとか」にいたっては、4回くらい買って、10個以上食べたけど、一つもタネを見つけられず。とても悔しく、また買うかどうか迷ってるくらい。

ちなみにタネが入っていたり、入っていなかったりと、ミカンごとに分かれるタンカンや不知火などでの経験からすると。甘いのにはあまりタネが入っていなくて、すっぱめのによくタネが入ってる。タネは甘みを奪ってしまうと、通の間では言われている。その延長でいくと、どれもとても甘いせとかに、タネは期待できないのかも…。

この季節のミカンがそろそろ一段落したので、他の果物に移ろうかと思っている今日この頃。普通ならイチゴだけど、イチゴも採集するかは悩み中。イチゴのタネの採集面倒そうだし。スーパーで売ってるイチゴのタネって、そもそも熟してるのかな?という疑問も。それよりは、リンゴからの、モモ、スイカ、ブドウ、ナシという流れでもいいかも。


●2014年3月17日 平日の道の駅

毎月、播磨灘岸を回って、漁港や河口、海岸の水鳥を数えている。淡路島と四国は車で回っているが、兵庫県の播磨地域はレンタサイクルでまわってる。調査時間にしばりがあるので、とにかく朝一番にスタートしたら、ノルマを達成するまでは昼休みもなし。午後3時以降に調査が終わってから、どこかで昼食をとる。姫路市〜たつの市コースが終わるのは、たつの市の西端。この季節、カキの直売はあるけど、昼食をとれる場所はない。で、少し引き返してきたところにある、道の駅みつで、よく昼食をとっている。どうせ姫路まで自転車で戻るのだけど、とにかく腹が減って、自転車をこぐ元気も減り気味なので。
昨年の9月から通ってるけど、平日にそんなに人はいない。寒くなってカキの季節になると、少し人が増えたけど、まあその程度。とはいえ、このくそ寒いのに、平日によくこんな場所まで人が来るなぁ、と思っていた。みんなカキが好きなんだなぁ。

今日も、調査の帰り道、道の駅みつに寄った。なんか車が多いな。と思って入ると、人がいっぱいいる! 地元産品の売り場は、人がいっぱいで歩くのに苦労する。レストランも満員で、受付に名前を書いて、待たなくてはいけないらしい。腹は減ってるけど、ここでの昼飯は断念〜。
カキは喰いたいけど、寒いからなぁ。という年配層が、暖かくなってきて、一気に到来した感じ。春になると、人々も外でよくうごめくようになるんだなぁ。そういえば、長居公園も平日だというのに、子ども連れとかでいっぱいになってるっけ。と思った次第。


●2014年3月16日 ホネのワークショップ企画会議進行顛末

とにかく1週間後に、子ども向けにホネのワークショップをすることになってる。が、ほとんど何も決まってない。残るは今日と本番前日。というわけで、本来は口を出さない役回りなのだけど、緊急事態に鑑み、進行役に介入することになった。何が何でも今日中に方針を決めて、前日準備の目処を立てなくっちゃ。

■1:まずは確認
(1)今までに決まってることは
・導入 → 展示を見てクイズ → 答合わせ&もう一度展示を見る → 工作 → まとめ という流れ。
・使う展示のホネは、移動様式を代表させて、コウモリ、カンガルー、オットセイ、オオカミ。
(2)認識されてる課題は、
・子どもが一人で展示を見ただけで解けるクイズの作成は難しい。
・切り抜きや金具で留めるといった工作は、子どもには難しく。工作の何を子どもにやらせるかが難しい。

■2:次に提案からの組立を決定
(1)クイズと工作の2本立ては、盛り沢山過ぎる。どちらか一方に絞るべき。たとえば、
  導入 → クイズ → 答合わせ → 記念品を渡す → まとめ
  導入 → 展示見学ツアー → 工作 → まとめ
どっちにするか、意見分布をみる。全員一致で工作を断念することに決定。
(2)さらに意見交換の後、以下の組立を決定
  導入 → クイズ → 展示ツアーで答合わせ → 記念品を渡す → まとめ

■3:分担して個々のパートを検討
(1)導入パートと、クイズ&展示ツアーのパートに分けて、そこでの流れを分担して検討。30分程度の時間制限。
(2)それぞれのパートについて、出てきた案をみんなの前で発表。課題を確認して、再度分担して検討。30分程度の時間制限。
 導入は、脊椎動物共通のホネの構成から、個々の生活に適した形への適応という流れ。クイズは、4種の胴体と脚の正しい組み合わせを線で結ぶタイプに決定。

(昼休み)

■4:ここのパートで必要な説明パネル、クイズの作成
再び導入パートと、クイズパートに分けて、分担してそれぞれで使う説明パネルとクイズを作成。結果的に時間無制限。

■5:クイズの検討
完成したクイズを関係者で解いてみる。異様に難しい。ホネホネ団員も間違えた! 展示室に行って、さらに検討。難しすぎるので、
・カンガルーを断念して、3種にする。
・オットセイの絵を描き直して、鰭が分かるようにする。

(今日はここまで)

残る作業は、
・クイズの完成、印刷
・進行のためのシナリオの作成
・記念品の準備(印刷、切り抜き)
とまあ、まだまだ作業は残ってるけど、あと1日でなんとか間に合いそうな感じになってきた。
時間がないから進行役をしたが、こっちが決めていっては意味がない。ってことで、何度も全員に意見を言わせて、提案させて、それをまとめて行くという作業の繰り返し。こちらがある程度誘導しているからもあるだろうけど、割と同じ方向の意見・提案が出てくる。それなら、自分たちだけでどんどん進めて行けたような気もするのだけど、それが出来なかったんだな。
要は多少強引なまとめ役というか、進行役が足らなかっただけなんだな。だれかが覚悟を決めて主導権をとればいいだけなんだけどね。


●2014年3月15日 カラスの話への質問

某勉強会でカラスの話をさせてもらった。カラスとムクドリとアライグマとタヌキと。市街地で暮らしていて、人と軋轢が生まれて、防除が必要になりそうな動物で1時間話をしてくれ。ってのがリクエストだったのだけど、とりあえずカラスとアライグマで、半分半分で話をするつもりで準備。が、実際にはカラスの話だけで45分。実質カラスの話をした感じ。講演の後での質問もカラスばかり。聴衆は、市民からカラスの苦情を寄せられる側、やっぱりその質問かぁ、という質問が出て面白かった。

まずは、カラスの巣を減らすためにも、苦情への対応にも、カラスを捕獲して排除したらどうかと思うが? という質問。
東京都の例を出しつつ、というか東京都の悪口をいいつつ。市街地でできる捕獲法は、トラップを仕掛けることだけだが、トラップに入るのは繁殖していない若い個体だけ。営巣数は減らないし、問題になっているカラスを取り除くことにもならない。ただ腹いせにしかならない。実効性はない。手間が増えるだけ。と答えた。

次は、木にカラスが巣をかけないようにする手段はないのか? という質問。
木を切りまくる以外には、決定打はない。何か目新しいものを設置すれば、警戒してしばらく来ないだろうが、じきに害がないことはばれる。巣を取り除くのがある意味簡単。ただし、取り除いただけでは、また同じ木に巣をつくる可能性も高い。追い出すだけでなく、代わりの行き場所を考える必要がある。と答えた。

お次は、カラスは黄色い袋が嫌いと聞いた。黄色い物で追い払ったり出来ないのか? という質問。
カラスが黄色が嫌いとか、怖いとか、見えないというのは都市伝説。黄色は見えるし、とりたてて嫌いでも怖がりもしない。その都市伝説は、紫外線反射を通さない袋を使えば、カラスは中身が見えず、ゴミ袋を荒らすのをやめさせられるんじゃないかって、実験の際に、たまたま黄色い袋を使ったってだけ。と答えた。

答の合間に、何度も何度も。
巣があったとしても、すべてのカラスが人を敵視して、威嚇して攻撃してくるわけじゃない。むしろ人に威嚇・攻撃するカラスが少数派。苦情があってもすぐに巣を取り除くのではなく、まずはどんなカラスかを確認して、温和しいカラスなら巣を放置しておいて欲しい。その方が、人を敵視するカラスは増えないし、市民派安全、余計なお金もかからない。
と、何度も何度も繰り返した。少しは伝わってるといいんだけど。


●2014年3月13日 都市生態系の特徴

都市生態系と言えば、名前からして、ヒトという強力な生態系エンジニアによって形づくられているわけで。その特徴は、生態系エンジニアによる攪乱要素が卓越することにある。
たとえば多くの生態系では、植物や細菌による光合成・化学合成によって提供される有機物をベースに、食物連鎖が構築されていく。でなければ、外部から提供される有機物による腐食連鎖がベースになる。が、都市生態系では、ヒトがなぜか提供する有機物がとても大きな要素を占める。
システムに入ってくる有機物の由来で生態系を区分するなら、ヒトが主に提供する有機物が卓越する系こそが都市生態系であると定義できるんじゃないだろうか。他にはたとえば農耕地周辺もヒトが有機物を提供しているようではあるが、作物という形で植物を介在させている点が少し違う。魚の養殖場や、畜産関係の場も、近い物があるが動物を介在させているから、と差別化が図れるような気がする。

で、ヒトがエネルギーのベースを提供しているからこそ、都市生態系にはそれなりの特性があるはず。たとえば、食物連鎖は、植物などを起点としない、植食動物もいらない。いきなり肉食動物が存在することが可能とか。肉食・腐食の動物だけとはいわなくても、中心のシステムになりうる。生態系ピラミッドはおのずと頭でっかち。
こうしたシステムは、死体や糞が供給されれば、林の中や海岸でも局所的には成立するが、面的な広がりをもって成立しているのが、都市生態系の特殊性。
高エネルギーの食物資源が供給されるので、大部分の動物がそれを利用しがち、いきおい競争的関係になりがちで、食物連鎖はあまり長くならない気がする。

なんて事をつらつら考えたけど、話はまとまらないなぁ。


●2014年3月12日 アオサギの水面営巣

十数年前、アオサギの地上営巣が、大阪府で次々と見つかり盛り上がった。が、今日は香川県の漁港で、水上営巣と見つけて個人的にはさらに盛り上がった。水上と言っても、カイツブリのように浮き巣をつくるのではなく、浮いてる人工物に営巣してるだけだけど。

香川県では、水面の人工物でのアオサギの営巣はお家芸のようで、こんなのがあると教えて頂いた。
●川口 敏(2008)人工浮遊物に営巣したアオサギ.香川生物35:9-10.
これは、ため池に浮かべた花イカダだけど、基本的には同じことなんだろうな。
ちなみに場所は、香川県さぬき市。詳しい場所は公表されていないようす。ともかく、今回の東かがわ市にとても近い場所。

ため池の花イカダで育ったアオサギが、今度は海の養殖イカダに進出した。と勝手に想像してるんだけどどうかしら?


●2014年3月10日 怪奇!夕方の夢洲にひびく歌声

冬場の調査は12月と3月。12月が寒くて、3月はもう暖かくなってきてる。かと思いきや、3月の方が寒い。気温低くて、風が強くて、とにかく寒い。そんな場所に、2時間半。ずーっと座ってカワウを観察。凍死しそう。
とにかく早く時間が経って欲しいけど、時計ばかり見ていても、ぜんぜん時間が経たない。そんな時は、歌を歌うに限る。そういえばカワウのねぐら調査ってだいたい暇で、寒くても寒くなくても歌を歌ってる気がする。
周囲に誰もいないので、大声で歌っても大丈夫。誰かに聞かれたら、かなり恥ずかしい。かも。

ちなみにレパートリーは、中島みゆき→フォークソング→アニメと移行。こういう時に、中島みゆきを歌ってしまうのは、学生時代に冠島に行っていた頃の名残。行き帰りの車の中でさんざん聞かされたので、調査というキーワードで出てきてしまう。


●2014年3月9日 さえずりパターンの地理的分布

今日はメボソムシクイ上種の分類の話を聞いたはずなのに、記憶に残っているのは鳥の声の話題。囀りや地鳴きでメボソムシクイ類を見分ける話も興味深いわけだけど、メボソムシクイの囀りやリュウキュウコノハズクの声の地理的分布の話が気になってしまった。ポイントは学習プロセス、そして渡りと分散パターン。

メボソムシクイの囀りの伝達には、たぶん学習プロセスが入ってる。ってことは、血縁同士でなくっても伝達されるわけで、いわゆる文化的な拡散プロセスが想定できる。学習プロセスは、もちろん生まれた場所周辺の効果が大きいだろうけど、分散した先の繁殖地で学習する可能性もあるし、渡り鳥のこと、越冬地や中継地で学習する可能性すら一概には否定できない。
でも、リュウキュウコノハズクの鳴き声は、たぶん学習関係なく、遺伝的に決まってる。だとしたら、遺伝子の伝播の話と同じになる。むしろ鳴き声を手がかりにして、遺伝子の拡散を検討するって話。

リュウキュウコノハズクの話で面白いのは、渡りまでする鳥にとって関係なさそうな、海峡がどうも遺伝子の伝播をある程度阻んでいたらしいってこと。一方で、海峡がさらに増えた今になって、海峡を渡っての伝播が起きてるらしいこと。かつて海峡で遺伝子の伝播が阻害されて、遺伝的に異なる集団ができた。ってところから話を始めてるけど、現在の動きからすると、かつても海峡の存在だけで遺伝的に隔離されていたのかは疑問。行動的な何かの要素を加えて話をした方がいいんじゃないかと思う。
さらに言えば、いくつかの行動パターンを設定して、それによって海峡を島間を遺伝子がどう飛び越えて移動するかをシミュレートして、一番マッチする行動パターンを探るといったアプローチをしたらいいんじゃないかと思う。


●2014年3月5日 マッコが上がる日

午前9時、資材搬入。午後7時20分、全員撤収。昼休みをはさみつつも、10時間以上かかった。お疲れ様〜。

作業をするわけではないのだけど、車による資材の搬入・搬出。作業中の来館者の安全管理は、こちらの担当。朝一番は設定にもれがないか、バタバタバタ。あいにくの雨模様。そして保育所からの遠足がたくさん来る日に当たってしまったので、子ども達の昼食の場所をどうするかで、相談したり、調整したり。
その後も、来館者に危険はないか、作業に必要なものが足りてるか、しょっちゅう見に行く。マスコミが取材に来てくれたりしたので、その対応に行ったり、インタビューを受けたり。そんなんがなくっても、気になるから見に行く。なんだかんだで、他の仕事は手に付かない。

マスコミには午後2時頃にはマッコが上に上がっていきますと言っていたのだけど、大幅に遅れる。ようやく午後4時頃にマッコが上がり出す。っていうか、低く吊られる。3パーツに分かれて低く吊ってから、台をはずす。で、ようやく上へ上がっていく。上に上げたら今度は高さ決め。これはこちらから高さと角度をいろいろ注文する。関係者もたまたまの来館者も、一緒になって色んな角度からマッコの高さと角度をチェック。ナガスケとかぶってないか、正面から鼻の穴が見えるか。大人はいいけど、子どもも見える?などと行ったり来たりしながら、チェックして。ようやく高さと角度が決定。
見学者が消えた後も、ワイヤーで固定する作業が続き、あたりが真っ暗になった頃に終了。

なんにも作業してないのに、疲れた気がする。
マッコが載っていた台は、今度クジラが上がった時のためにもらっておいた。


●2014年3月4日 トータルネットロスをなくす

とある大型道路建設プロジェクトでの、環境保全関連の会議に出席。道路建設は止めようがなく、道路建設で危機に陥る生物・環境をいかに保全するかを考える会議。
すでに環境アセスメントは終わっていて、その中から保全対象とする種が選ばれていて、個々の種の保全方向も決まってる。が、この期に及んでも、いろいろ考えるべきことが山積み。

渓流棲の動物は、トンネル工事で渓流の水がなくならないか、あるいは陸橋工事で土砂が渓流に流れこまないかが重要。一時的な影響なら、一時的に飼育下において避難。生息地がなくなるのなら、生息環境に移住してもらう。なにより渓流の状態のモニタリング。
ため池の生きものは、そもそもため池がいくつもなくなるので、そこの生物や底の泥を確保して、別の場所にキープ、あるいは別のため池に移す。そして、そのモニタリングが必要。

ここで重要なのは、
・遺伝的多様性を維持するだけなら、たとえば飼育下におけばとりあえずは保たれてるけど、それじゃあ自然環境の保全じゃない。ちゃんと自然環境下で世代を繰り返し、他の場所の個体と交流しながら維持されないと。
・現在、同じ種が生息していない場所に、そのまま移しても、そこで生きていける保証がない。だからといって現在、同じ種が生息している場所に移すのは二重に問題。そもそも移す先の生息地の生息密度は、その環境が保持できる個体数がそれだけってこと。そこに足しても、もとからいたのがその分死ぬか、移したのが死ぬだけ。トータルの個体数は減ってします。

そもそも、ため池ならため池、渓流なら渓流が、開発でなくなるのなら、その分の生息地を新たに確保する必要がある。でないと、トータルでその地域の生息地も生息個体数も減ってしまう。てな議論を展開。
思うに巨大開発工事ほどお金があるので、環境保全なりミティゲーションにもお金がかけられる。きちんとお金をかけて環境に配慮して、そのことを胸をはって宣伝してもらうのが得策。
困るのは、たいしてお金に余裕もない中規模以下の開発。ここには行政が絡んでいくしかないと思うなぁ。


●2014年3月2日 オトコってやつは

他人の話聞いてないし。どうでも良いことにこだわるし。そして、それをいつまでも主張するし。妙に知ったか感出したがるし。面倒だわ、って、私たちは思うわけ。
現実的な私たちだけなら、物事は早く決まってくし。実りある議論ができるわ。って心の中で思いつつ、ちゃんと相手をしてる私たち。

で、それを見守る立場としては、ちょっとイライラとしながら、時が来たら介入してやる!と思ったり。
オトコってやつは!と思いつつ、かと言ってオンナ的な反応でもない。自分の立ち位置に悩む午後。

ともかく、オトコとオンナには、何か明らかな性差がある。と感じる。これある年代に顕著な気もする。ただ、サンプリングの偏りの可能性も捨てきれない。


●2014年3月1日 2014年2月のまとめ 年明け間近!

今回も最初に宣言しておこう。昨日は2013年12月90日だった。誰がなんと言っても、まだ2014年にはなっていない。聞くところによると、まだ年が明けていない人はけっこう多いらしい。きっと年が明けないまま、2014年は欠番になる人もいるんだろう。ちなみにうちの12月は、どうやら95日くらいで終わりそう。ちょっと短いけど、2014年はやってきそう。年が明けたら、お雑煮を食べたいなぁ。
とりあえず、この28日ほどをまとめてみよう。

まずはルーティンのため池調査、大和川調査、播磨灘調査は無事完了。この冬は木の実がなかなかなくならず、長居のセンサスと木の実チェックは継続。さらにカラスの巣調査も始まってしまった…。
そんな中、前半はバックヤードツアーとホネホネ団で、皮を剥きまくり。イタチ、鳥、鳥、鳥。後半は、関西自然保護機構大会で大わらわ。ポスター発表セッションの手配・準備、自分のポスター発表にシンポジウム発表。シンポジウムはどうなるかと思ったけど、司会進行役の活躍でなんとかクリア。
ちなみ、以上に並行して、ラクダの皮のなめし作業。表で干して、ぐにぐにぐに。
さらに、夏の都市の自然展の打ち合わせ・手配が入り始めた。

といった仕事をこなす合間に、できるだけ時間をつくって、原稿執筆・編集。動き出したホニュ本は、徐々に進行してるけど、なんやかんやで作業できたのは、6日くらい。
テキストはいよいよ90%以上完成。前回、テキスト提出を宣言して達成できなかったので、今度はテキスト完成まで何も宣言しないでおこう。がんばろう…。


●2014年2月28日 ため池めぐりで春の兆し

松原市や堺市北東部の月例のため池めぐりをした。ここ数日妙に暖かい。地元の公園ではシジュウカラやメジロが囀りだした。ため池や田んぼ周辺でも春の兆しがいろいろ。
まずはヒバリが囀っている。でも、ヒバリは秋でも、冬でも囀るからなぁ。そしてケリが騒ぎ始めてる。これは春っぽい。


●2014年2月27日 出張帰りのマッコ

神戸市の水族館に1ヶ月ほど出張していたマッコが帰ってきた。この後、ナガスケの隣にぶら下がるのだけど、それは1週間後。それまでは、ナガスケの下で時間待ち。バックヤードに隠してもよかったのだけど、何度も動かすのは面倒だし、マッコを横から見られるのはこれが最後なので、展示しておくことにした。いまだかつてない低い姿勢。つまり、けっこう上からの角度で見られる。これは最初で最後かも。ってことで、興味のある人はぜひ会いに来てね。
ちなみに、来週ぶら下がるのは、朝から作業が始まる。ものの、実際にマッコが上がって行くのは、午後2時前後。興味のある人、その上に平日午後でも時間がある人は、見に来てみて下さい〜。

ところで、マッコは出張の行き帰り、4つにばらされてるのだけど、帰ってきた勢いで一つに引っ付けてもらった。あの背骨の椎間板的な白いのは、柔らかい樹脂で、けっこう曲がる。意外と自由に姿勢がとれるのに驚いた。


●2014年2月26日 野良猫の勉強 その1 大阪市内の野良猫の数

2万匹くらいらしい。ライントランセクトで調査して、死んだネコの回収数やらなんやらを交えて、階層ベイズで推定した結果。推定値には、1万5千匹から3万匹くらいの幅があるんだけど、ザクッと2万匹でいいかなと。
多いのか少ないのか、よく分からない。でも、『1万匹のネコ』2冊分と思うと、かなり多い気もする。

引用文献
高倉耕一ほか(2013)大阪市内における屋外生活ネコ個体群動態のベイズ推定.環動昆24(4):133-141


●2014年2月25日 カラスの巣材集め

動物園では、この季節、カラスがラクダの毛を引っこ抜いて、巣材に使うらしい。確かにフタコブラクダの長い毛は産座に良さそう。と思っていたら、いま作業しているラクダの毛皮。大きいから外に干しているのだけど、それにカラスがやってきてるという報告が…。毛だらけなので、多少なら持って行かれても問題ないような気もするが。というか、カラスを阻止するのは至難の業。さっさと乾かして取り込むしかなさそう。
ちなみに、ラクダの皮は薄い。表面はとても繊細で、皮がすぐにはがれてしまう。っていうのは、なめし皮を作る時だけではないらしい。生きてる時から皮ははがれやすく、巣材をとりにきたカラスについでにはがされ、血まみれになると聞いた。で、トウガラシ水をスプレーしとくというんだけど。

動物園でのラクダに限らず。カラスは、巣材によく獣毛を使う。カラスに限らず、鳥はよく獣毛を巣材に使う。手に入れば。落ちてる獣毛も使うけど、大きな哺乳類相手なら、生きた相手から引っこ抜くこともあるだろう。
動物園の周辺の鳥の巣を調べれば、さまざまな獣毛が出てきて面白いに違いない。牧場の周りなら牛や馬の毛、奈良公園ではきっとシカの毛が重宝されてるんだろうな。山でシカが増えたおかげで、山でもシカの毛を使った鳥の巣が増えてるに違いない。すると、哺乳類についていたダニなどの外部寄生虫が、鳥に乗り移る機会が生じるってことでもあるように思う。そういうことは起こってるんだろうか?


●2014年2月24日 果物タネコレクション計画

なんか知り合いに卵コレクターがいるんやけど、世界スタンダードな卵コレクターと言えば、もっぱら野鳥の卵をコレクションするもの。いろんな種の卵を集めて喜ぶもの。今ではどうかは知らないけど、かつての欧米ではけっこうメジャーな鳥マニアの一分野。でも知り合いの卵コレクターは、ニワトリの卵ばかりを集めてる。いろんな養鶏場の卵を集めて喜ぶ。変な奴。でもちょっと楽しそう。

で、自分も何か似たような一次産業的なコレクションをしてみたい気がしてきた。そんなとき、なにげに食べたミカンからタネが出てきた。これや〜! まあ、多少盛って説明すれば、こんな感じ。
ミカンはもとより、果物を食べるたびに、タネを確保してみよう。ミカン、リンゴ、ナシ、スイカ。いろいろ集まりそう。もちろん収集は、品種ごと。ミカンなら、温州ミカン、ポンカン、いよかん、きよみ、はるみ。いろんなミカンがあるから楽しそう。同じ品種でも、産地ごとに収集しなくては。
というわけで、登録番号を付けて、フルーツ名、品種名、産地名(生産者の住所やJAの名前でいいだろう)。ついでに採集日(購入日)、採集場所(購入場所)も記録しておこう。入ってた袋とかも保管かなぁ。
これからは、色んな産地のいろんな品種を買わねば! 近所のスーパーでもいいし、どこかへ出かけた時も重要。いつでも楽しい。今まではタネが入ってたら不満だったのが、これからはタネが入ってないと不満だったりする。先日食べた天草というミカンは美味しかったのだが、タネがないのがちょっと…。

ただ、一つ不安なのは、イチゴを食べる時。いろんな品種があって、もちろん収集対象にすべきなのだが、タネを確保しながら食べると、イチゴが美味しくないような気がする。


●2014年2月23日 レッドリストを改定してからのお仕事

絶滅危惧種のリストであるところのレッドリスト。レッドリストは作成・改定したた終わり。とはならない。って話が、きょうのシンポジウムのメインテーマ。

今回のレッドリストの改定では、絶滅危惧な生物種のリスト作りだけでなく、
・減少している環境・生態系のリストである生態系レッドリスト
・絶滅危惧種が多く生息している場所のリストである生物多様性ホットスポット
もリストアップした。
生物種ではなく、場を選んでるという意味で、両者はよく似た感じがする。都道府県によっては、同じ言葉で少し違う意味を持たせていることがある。とまあややこしいが、ここでは、
・生態系をカテゴリーに分けてカテゴリーを選んでいる生態系レッドリスト
に対して、
・具体的な場所を選んでいる生物多様性ホットスポット
と使い分けている。
使い分けてるとは言え、やはりイメージ似ていてややこしい。何より、どうして2つも設定したのかが問題。

経過としては、
まずは生物多様性ホットスポットを設定した。本来のホットスポットの意味からすると、生物多様性の高いエリアを選定すべきだけど、すべての生物群について、何種いるかの評価は難しい。というかデータがない。やむを得ず、レッドリストに上がってくる絶滅危惧種が多い場所を選定することにした。それでもきちんとしたデータというよりは、ある程度感覚で選ばざるを得ない。
その作業の中で気になったのは、どんどん減っている環境・生態系で保全の必要があるのに、たまたま絶滅危惧種とされた種が多いと認識されていないから漏れてる場所はないのかということ。で、少ないand/or減少している環境・生態系のリストも作ることにした。
結論から言えば、希少性が高いと評価された生態系には、なんらかの生物多様性ホットスポットが含まれているようであった。それでも、生態系レッドリストには意味がありそう。なんとなれば、
・種のレッドリストが完全な情報に基づいているわけではないこと
・種のレッドリストでは対象にされていない生物群が存在すること

シンポジウムでは水田生態系の危機を一つの大きなテーマにした。さまざまな分類群で、水田、ため池、水路に生息していた身近な生物が絶滅危惧種になっている。そのことは生き物に詳しい人ならレッドリストを見ればすぐに気付く。でも、普通の人はなかなか分からない。
レッドリストの改定ができれば仕事は終わりじゃないという点は、一つにはここにある。

1:絶滅危惧種の種のリストに、各種が減少した理由、そしてその生息環境の情報を統合する。
2:絶滅危惧種の生息環境を、生態系レッドリストに関連づける。
 →どんな環境・生態系を保全対象とすべきか、及びその保全の方向性を検討
3:生態系レッドリストにあがった環境・生態系と、生物多様性ホットスポットを関連づける。
 →絶滅危惧種が多く生息する可能性が高く、保全の必要な生態系を、具体的な場所に落とし込む。

このちょっと迂遠なプロセスは、すべての生物群の絶滅危惧種についての完璧な情報があれば行わなくて良いのだけど、それは恐らく永遠に無理。
本当はこの順番で選定を進めるべきだと思うけど、現実はなかなかそうはいかなかった。選定してから相互の関係を後付けで整理したという色合いも強い。でもまあ、このプロセスは、今後何度も繰り返す必要があるもの。
次はもっとスマートに選定が進むように、今回は後追いででも相互の関係と手順を明確にしておくといいだろう。


●2014年2月22日 展示を見てホネホネクイズ

ホネの展示があっても、それを使ったクイズは意外と難しい。とくにホネのことをほとんど知らない人向けのクイズは。知ってたら見所は分かるけど、知らないとどこを見たらいいか分からない。ホネを前にして、解説しながらクイズ出すならともかく、クイズを出して、ホネを勝手に見に行って答えてもらうには、かなり分かりやすい部分を取り上げないと無理。

以前、哺乳類の後足に注目して、踵をつけて歩くか、つま先だけで歩くか、爪だけで歩くか、って3つの歩き方があることを、小学生向けの授業で教えようとした先生がいた。準備の時は、ばっちり説明できそうな気がした。踵がどこかを配付資料で確認してもらって、あとは骨格標本をみて足の付き方を知ってもらう。
が、やってみてびっくり。踵の位置は分かってもらえる。が、その先、つま先立ちか、爪だけで立ってるかが、子どもらは分からなかった。展示してある骨格標本では、「どこからが爪なのかが分からない」ということに、ようやく気付いた次第。皮が付いててこそ、爪がわかるんだな。もう一つネックは、つま先立ちの動物でも、歩いているポーズにすると、爪先だけが地面についてるように見えたりするってこと。それは、踵を付ける動物でも同様。自分を考えれば分かるように、歩いてる時はもちろん踵を上げることもあるよね。

つまり、分かってる人にだけ、分かる。分からない人には、丁寧な説明がいるってこと。
ってことは、単にホネを展示していても何も分かってもらえないってことか…。
ホネの展示に限らないかもしれないね。


●2014年2月21日 そしてニャン太郎は、家の中から公園まで遊びに出かけることに

関係ないけど、「ニャン太郎」を見てると、なぜか「もーれつア太郎」を思い出してしまう。ア太郎にはニャロメが出てくるからね。もちろん、ニャン太郎の方が、ニャロメより可愛いけど。

で、都市の自然展は、ネコのニャン太郎が、家の中から公園に出かけるって仕立てになることに決定。我々が都市の自然として展示したい内容は、家の中と都市公園で9割方カバーされてるんだな。残る、河川や埋立地は、ニャン太郎に遠征してもらうとしよう。


●2014年2月20日 ガサオヤジは今度の日曜日、文句を言いに来ること!

今度の日曜日、関西自然保護機構大会が、大阪市立自然史博物館で開かれる。名前がちょっと大層で、敷居を上げてしまってるけど。関西周辺中心の自然保護・環境保全がらみの研究成果や活動を報告する場。研究者とアマチュアが交流する場でもある。そういう意味では、もっと可愛いタイトルにして、ちょっと興味を持った人が気軽に発表したり、話をする場にした方がよさそう。
で、今年の裏というか、メインテーマは、大阪府レッドリストの改訂。シンポジウムのテーマでもあるし、今年度中に発表される予定の改訂版の大阪府レッドリストが一通り示される。確定させて発表する前に、興味を持ってる人に見てもらって、コメントをもらう場でもある。

ガサオヤジは、泉南地域の海岸や河川やため池に出没するごついオヤジ。魚をすくい、貝を拾い、クジラやウミガメの死体を見つけたら教えてくれる。ガサオヤジは、泉南地域の淡水魚や淡水貝についてやたら詳しい。ガサオヤジは泉南地域しか知らんから、と言うが、泉南地域をそれだけ見てる人は他にいない。
泉南地域は全体的に生きものの調査が不足していて、調査する人も不足気味。そんな中で、ガサオヤジの知識はとても貴重。貴重な標本は博物館に寄贈してくれているが、すべてを標本にしている訳でもなく、個体数の多少なんかは、標本を見ただけでは分からない。そこでは現場を見ているガサオヤジの知識がとても役に立つ。

今日、たまたまガサオヤジに会った。日曜は、関西自然保護機構大会に来て、淡水魚や海岸生物、淡水貝のレッドリストの改定案を見て、コメントしてね。って言ったら、なぜか渋る。忙しいんじゃなくって、なぜか敷居が高いと思ってるらしい。
うーん、ガサオヤジみたいな人にコメント欲しいから、この段階で発表してるんだい! ってことで、とにかく日曜日は、自然史博物館に出頭するように、と偉そうに言い渡してみた。来てくれるかな?

というわけで、改訂版レッドリストが確定する前に、なにかコメントしたい人、大阪の生きものの様子を多少なりとも知ってる人は、2月23日(日)は大阪市立自然史博物館へ! そして、レッドリストを少しでもリアルなものに、役立つものに、いいものに!


●2014年2月19日 昔の大和川水鳥調査

毎月、大和川下流部の水鳥調査をするようになって、この冬で20シーズン目。2月とか、昔は調査が大変やったなぁ。それに引き替え、今は楽だなぁ。と思いながら今日調査してきた。

昔大変だったのは、なにより冬が寒かったこと。1990年代に比べると冬が暖かくなったなぁ。手袋いらんし。
そして、昔大変だったのは、ユリカモメもカモ類も多かったから。総数も多かったし、上流部にまで散らばりまくっていたのも大変だった原因。ユリカモメの総数ベースで言えば、1990年代後半の1〜2月には3000〜5000羽いたのに対して、いまは1000羽そこそこしかいない。もう一つ重要なのは、かつてはユリカモメへの餌まきが盛んだったこと。数えてる途中で、餌まきが始まり、一段落するまで待って一から数え直しってのもよくあった。今はほとんど餌まきは行われない。一から数え直しがないのは、精神的にもとても楽ちん。

あと、幸か不幸か、昔は河川敷があまり舗装されてなかった。今は舗装されまくり、自転車でスイスイ走れる。この点は、楽にならんでも良かったのになぁ。


●2014年2月18日 瀬戸内海をみんなで調べる

遅ればせながらに、瀬戸内海展に向けて、瀬戸内海をみんなで調べる企画が動き出した。昔なつかしい環瀬戸内って言葉を思い出した。で、今日は顔合わせ。愛媛県、徳島県、岡山県、山口県の博物館施設を中心に、海に関連する分野の学芸員や人材が顔揃え。大学やNGO関係者もいるけど、学芸員が多い。
で、思うのは、やっぱり自然史系博物館があるのとないのでは大違い。まず、こうして各府県の状況を語る窓口になる。そして、情報や標本を集積するコアにもなる。そうしたコアがない、香川県や広島県でどう展開するかが、ポイントになりそう。香川県はNGOベースでの活動が活発らしい。が、広島県はどこに話をしたらいいのかが分かりにくい…。

とにかく、調査を進めないといけない。フィールドに行きたいけど、その前に、あるいは同時進行で、文献調査と標本調査を進める必要がある。たとえフィールドに出れなくても、その整理とデータベース化が進めば、今度の瀬戸内海展を超えて、役立つものになるはず。この機会に標本整理が進めば、さらに御の字。
調査に関しては、島の調査を進めたいなぁって、雰囲気が強かったかと。分野横断で、船をしたてて、少なくともキーになりそうな島は調査にでかければいいと思う。地元の関心のある人を受け入れるスタンスなら、広がりも望めそう。
鳥に関しては、周辺の野鳥の会を巻き込むのがポイントっぽい。

感想は二つ。
愛媛県は人材が豊富で、瀬戸内海や島の調査が進んでるなぁ。大阪が偉そうにせず、中心で頑張ってもらえるレベル。
みんな福岡県と大分県も瀬戸内海の一端を占めているのを忘れてるんじゃないかなぁ。


●2014年2月17日 ラクダを干しながら

ようやくラクダの皮を干した。ずっとなめし液に浸けたままだった。なぜか乳酸発酵してしまったらしい。きっとミルキーだったからに違いない。なめし液には塩が大量に入っていたからだろう。触ると、手がぬかみそ臭くなる。
とにかく充分なめし液に浸かっただろうから、干してしまおう。で、何度も水洗いした。

そんな作業を、西日本の自然史系博物館関係者の研究会の合間にしていた。そこに来たのは、某北関東の県立博物館の学芸員さん。脊椎動物担当。大学時代のサークルの先輩でもある。変わらんなぁ、という挨拶に始まり、関東の博物館のぼやき。関東だと、こういう研究会では、みんなスーツらしい。ってことはさておき、話は哺乳類の標本作りに。ホネは残してるけど、皮は断念してるという。時間が掛かりすぎるから。その通りなので、なんにも言えない。なにもかも完璧に標本化するのは無理だから、できる範囲で頑張るしかないよね。って話しをした。

洗ったラクダの皮を、ブルーシートの上に広げた。屋外なので、天気が気になる。明日は大丈夫そう。明後日はあやしい。雨が降ったら、どこに取り込んだらいいかなぁ。触ったら、まだほんのりぬかみそ臭いしなぁ。


●2014年2月16日 箕面のカワガラス

今日は、北摂霊園から箕面駅までの箕面川沿いを歩いた。カワガラス狙い、なのにカワガラスは2羽しか出ず。囀りを聞くぞー!っと行ったのに、鳴かず聞けず。昔は、箕面川沿いでもっとカワガラスを見たと思う。
と思ったけど、根拠を示そうと、過去のデータを少し探してみた。

・2009年1月4日:箕面駅〜高山、6羽
・2008年7月24日:箕面駅〜高山、1羽
・2007年7月1日:箕面駅〜ビジターセンター、4羽
・2006年7月9日:箕面駅〜ビジターセンター、0羽
・2006年6月24日:箕面駅〜大滝、1羽

うーん。とりあえず、最近と比べて、とりたててカワガラスが少ないとは言えなさそう。で、いっぱい見たければ、1月がいいみたい。いっそ、12月に探しに来ようか。


●2014年2月14日 イスカの繁殖期

イスカの繁殖期の話を少し調べてみた。日本語だけだけど。

日本でイスカの繁殖を調べた例って、論文にはなってないらしく、『野鳥の生活』(羽田健三編、築地書館)に書かれているだけらしい。問題の箇所は、78-82ページ。著者は飯島一良さん。とても興味深い内容なので、今からでいいから論文にまとめて欲しい。

調査は、1963年〜1967年の期間、長野県の飯縄高原で行われた。調査地の環境はアカマツ林。いくつか抜粋してみる。
・「巣を発見した時期を見ると1-4月4巣、7-9月3巣、10ー12月2巣となり、ほぼ一年中繁殖しています」
・「5月から6月には卵やヒナの入った巣は見つかっていません。4月下旬に巣造りをしているつがいを見かけますが、いつも途中でやめていました」
・「雄は、(中略)抱卵中の雌に1日5ー8回給餌します」
・「氷点下14度、(中略)氷点下13度という寒さの中でヒナを抱いていた雌は、それぞれ4分ずつ巣外に出ましたが、3羽のヒナは無事でした」
・「くちばしは(中略)巣立ちして約3週間目のヒナでも曲がっていませんでした。巣立ちビナが自分で十分餌をとるころになって、ようやく先が曲がってくいちがいになってきます。くちばしは使ってくいちがうのです」

イスカってめっちゃ面白いやん。誰かもっと調べようよ〜。
とりあえず関西人としては、冬に関西にやってきたイスカが、関西で繁殖する可能性があるのかが知りたい。


●2014年2月12日 皮むきマラソンの成果

まず腰に違和感。ずっと座っての作業だし。そして何故か脚がダルい。細かくウロウロするから? それとも、踏ん張ってるとか。
爪の間に、謎の黒い物が。のみならず、指の指紋の間も、黒く染まってる。右手の親指と人差し指の先には、細かいキズ。刃物を左に持つから。そして右手の指に力が入りにくい。

4日皮むきマラソンでこの有様とは。でも、4日間で、イタチ11匹と鳥9羽を剥いた。皮むきの説明とか、他の人の皮むきの前後処理がなければ、もっと処理できるはず。
今年の秋頃、大きなイベント・企画が一段落した頃に、皮むきウィークを設定してもいいな。鳥を40体くらい一気に処理するの。手先がどうなるやら。


●2014年2月11日 フクロウで二席

鳥の皮剥きショー2日目。今日は午前と午後の2回興行。そして、ともに3回ずつ出番がある。となると、鳥の皮剥き回のスター、フクロウに登場してもらうしかないだろう。ってことで、一日、フクロウで話をした。午前は剥きながら、午後は剥いたフクロウを手に指人形状態で。
とにかく、フクロウは羽根がふわふわ〜。風切羽ですらフワフワ〜。それは羽根の表面にビロードのような細かく毛足の長い毛が生えているから。と言いながら触ってもらう。それだけで客の心をわしづかみにできる。あとは簡単。
翼前面のギザギザで、消音装置の話。顔盤は、大部分羽根で膨らんでるだけやねん、と顔を横から押さえたり。耳がめっちゃ大きいねん、と羽根を開いて耳の穴を見せたり。気分が乗ったら、耳が左右非対称かなぁ、という話も。足の指では、1本が前向いたり、後ろ向いたりできるんやで、と動かして見せ。これに掴まれるとめっちゃ痛いねん、と言いながら、希望者の手をつかませてみる。
20分くらい楽に時間がもつ。思わず、他の説明をするのを忘れ、時間切れとか。来年もフクロウは外せない!


●2014年2月10日 イタチのメスの謎

イタチのメスって、少ないものらしい。野外で本当に少ないかは知らない。でも、博物館に届く死体は確かにオスに偏っている。先日処理した31匹のイタチのうち、メスは7匹だけ。メスはオスの1/3弱。以前にイタチをたくさん処理したときも、メスは少なかった。
どうしてかな?と思っていたけど、たまたまかなと思ってた。
が、しかし哺乳類研究者さんによると、いずれの研究でもイタチはオスばかりサンプリングされ、メスはなかなか捕れないものらしい。死体を集めての消化管内容物の調査でも、オスのサンプルばかりで、メスのサンプルは極少が当たり前。調査のために捕獲しても、オスは捕まっても、メスはまず捕まらないらしい。
メスがめっちゃ慎重に暮らしているとか、ほとんど出歩かないとかかもしれないけど、野外の性比がそもそも大幅にオスに偏っているというのが、一番シンプルな結論はじゃないかなぁと思う。立証するのは難しいが…。
哺乳類研究者さん曰く、メスのイタチの生態はロマンなのだそうな。とたんに、良い感じなってきた〜。


●2014年2月9日 アオサギで一席

鳥の皮剥きショーの日。とりあえずアオサギをメインイベンターに据えて、一席もうけることに。サギ類でネタといえば、粉綿羽と中趾の爪の櫛。あとは、生きたのを捕まえたら、目を狙ってつついてくるから気を付けるように、とか。首は長いけど、でっかい魚を呑み込めるようにめっちゃ拡がるから、剥くのは簡単。ほらこの通り、とか。でっかい鳥のイメージがあるけど、それは首と脚が長いからで、メッチャ見かけ倒し。胴体は、ハトくらいしかない、とか。頭や胸に飾り羽根もあるし、けっこう盛り上がれる。

3回のショーを無事に終えて、楽屋に帰ってきてから、なぜか少し調べてみた。

粉綿羽:サギ、ハト、タカ、オウムなどに例があり(「鳥類学辞典」より)
「サギ類やヨタカ類、メンフクロウ類は手入れに使う中趾の爪が小さな櫛状になっている」(フランク・B・ギル著「鳥類学」122ページ)

粉綿羽って、サギとハトしか知らんかった〜。中趾の櫛がヨタカやメンフクロウにもあるとは知らんかった〜。そして、櫛とかでの羽根の手入れが行き届かないと、とたんに外部寄生虫が増えるという記述もあった。ほんまか知らんけど、知らんかった〜。
というわけで、来年は新しく仕入れた知識を披露するとしよう。


●2014年2月8日 イタチの日

今日はひたすらイタチを剥いた。他の人にも剥かせた。みんなで剥いたイタチは31匹。後からだけとイタチ祭2014と名付けた。剥くのは大変だったけど、その準備も劣らず大変だった。
ちなみにイタチ祭開催にいたったのは、大人の理由。大阪の哺乳類の本を準備中なんだけど、イタチは観察記録があてにならないので、標本でニホンイタチとチョウセンイタチを識別して、その産地から分布図を作る必要がある。以前何度かイタチ祭を実施したが、本の準備が大詰めになってこれが最後のチャンス。よし、冷凍室に眠ってる大阪府産のイタチをすべて出してくるぞ!
というわけで、準備は2日前に遡る。冷凍室のイタチを探すために、冷凍室にたたき込んで虫殺しをしている毛皮を引っ張り出す。そして準備本番は祭前日。まず、イタチ箱を一通り引っ張り出す。フィールドにイタチ箱は大小合わせて3つあった。中身を確認して、大阪府産を解凍へ、他府県産は再びまとめて冷凍室へ。そして、本丸は、入口右手の氷河の中。サンプリング調査から、この氷河は5年前から存在している。そして、ここはイタチだらけな事は、薄く記憶している。ただ、下の方は他府県産だらけのはず(過去のイタチ祭の名残)。上の方だけ引っ張り出したいが、上の方ほど氷河が強固。下と上の両面からスコップで氷をたたき割る。なんとか下の一画を切り崩し、そこから上まで氷河をたたきつぶした。ただ、天井際にだけは氷河が残ったが。
で、冷凍室から引っ張り出した大阪府産のイタチを一通り並べて解凍。でも、作業はまだまだ。まず受け入れ作業。死体についているメモや送り状をまとめて、採集データを確認。標本台帳に登録。作業用手帳に写して、死体を測定。やっと準備できたのは、午前4時。
徹夜はきついので、急いで帰ってそのままバタンキュー。4時間寝て起きて、再び博物館へ。こういう時は、家が自転車で5分の場所にあるのがありがたい。

そして今日。4時間しか寝てないけど、意外と眠くならない。午前中はなんだかんだで1匹しかむけず。ずーっとイタチを剥いてるだけなら、もっと処理できるんだけど、なんやかんや雑用が入る。剥いたイタチの皮にラベルを付けて、肉のサンプルをとって、寄生虫を回収して、内臓を液浸にして、肉付きのホネと皮を分けて名前を付けて冷凍室へ。
なぜか10匹剥くと自分で宣言したけど、日が変わる頃までに7匹しか剥けてない。ようやく10匹剥けたのは、またもや午前4時。すぐに帰ってバタンキュー。

イタチ祭はあまり健康的ではない。年に1回だけにしておこう。


●2014年2月6日 針金ハンガーの歴史

カラスの巣と言えば、針金ハンガー。木の枝以外に色々と人工物を巣材に使うけど、やっぱり一番目立つのは針金ハンガー。針金ハンガーなら、針金ハンガーだけといっていい巣をつくることすらある。他の人工物ではこうはいかない。たぶん。
とまあ、とっても普通になったカラスの針金ハンガー利用だけど、改めて考えると色々と疑問が出てくる。その一つが、そもそもいつ頃から針金ハンガーは、日本の家庭で普通になったか? これなくして、カラスの針金ハンガー利用は考えられない。でも、いつからだろう?


●2014年2月5日 カモのディスプレイ

今日は、自転車で姫路市からたつの市の海岸めぐり。ホオジロガモやウミアイサのオスのディスプレイを見ることができた。カモのディスプレイは種類が違っても似てる。首を伸ばしてから、縮める。それと同時に尾を上げる。その時、声を出す。って感じかと。カモの雄の頭と尾が綺麗だったりするのはそのせいなんだろう。たぶん。翼鏡はあまり訳に立ってない気がする。どこかで翼を広げればいいのに。


●2014年2月4日 大阪湾・瀬戸内海のイルカ

大阪の哺乳類の本には、大阪湾の哺乳類、つまりイルカ・クジラも出てくる。原稿をお願いしたら、大阪湾だけでなく、瀬戸内海全体のストランディングデータがまとめられていて、勉強になる。ってゆうか、このまま瀬戸内海展に使えるやん〜。

ただ、残念ってゆうか、幸いってゆうか。大阪湾以外の瀬戸内海のイルカ・クジラの記録は必ずしも多くない。大阪湾では記録がないが、瀬戸内海で記録があるのは(ただし紀伊水道は除く)、イワシクジラ、コククジラ、オキゴンドウの3種だけ。ちなみに、紀伊水道なら記録があるのは、コマッコウ、スジイルカ。逆に大阪湾でしか記録がないのは、ホッキョククジラ、イシイルカ、ハナゴンドウ、カマイルカ、シワハイルカ、アカボウクジラ。むしろ大阪湾の方がいろんなイルカ・クジラの記録が多い感じ。


●2014年2月1日 鳥が樹から落とす物

果実を食べる鳥は、果実を食べこぼす。
スズメは、子房をかじった後のサクラの花を落とす。
カラスは、クスノキやナンキンハゼの果実をつけた枝を落とす。

今日は、鳥と木の実の観察会。鳥を探すよりも、鳥が来そうな樹を観察。木の上を見るだけでなく、木の下も見てみる。いつもはしない事をすると、発見があるもの。

カラスは、クロガネモチの果実つきの枝も落とすんだなぁ、と先日思ったけど。今日、ランシンボクの果実つきの枝も落とされてるのを見た。これもカラスっぽい。タラヨウの木の下にも果実付きの枝が落ちてる。これもカラスかなぁ?


●2014年1月31日 2014年1月のまとめ まだ年は明けていない!

最初に宣言しておこう。今日は2013年12月62日である。誰がなんと言っても、まだ2014年にはなっていない。ちなみに大人の事情で、12月は70日まで続く。いや場合によっては、80日まで…。
というわけで、まだ2014年1月のまとめは書けない。ってゆうか、どうやら2014年に1月はなかったらしいのだが、ともかくこの30日ほどをまとめておこう。

とりあえず、12-13日の博物館たんけん隊、26日の友の会総会というビッグイベント。それぞれで、それなりの役割を果たした。その他、ちょこちょこっと観察会。
ジュニア自然史クラブ1日、なにわホネホネ団2日と活動。
播磨灘沿岸、大和川、近所のため池での月例の調査はなんなくクリア。
某団体の実習を担当し、今日は某日博協の研究協議会で30分ほど話題提供。
この季節恒例の皮のなめし作業。

といった仕事をこなす合間に、できるだけ時間をつくって、原稿執筆・編集。いよいよホニュ本のが動き出したのだ! 12月中にテキストを提出という約束で、実際に書き始めたのは、12月33日。その後、62日までに6日くらいは費やした。
テキストはざっと80%ほど完成。編集者さま方に1週間後にテキストを提出すると宣言してしまった〜。がんばろう…。


●2014年1月30日 原稿を書く条件

原稿を書くには、様々な条件を整える必要がある。必要でなくても、筆が進むに適した条件というものがある。何よりの条件は、締め切りが迫って、ヤバい!って時だが、それ以外にも様々な条件が関わってくる。その条件をすべて知り、最適な条件を整えることが出来れば、おそらく次々と原稿が完成していくことだろう。そのために、ちょっと考えてみよう。


●2014年1月29日 会の経営状態の改善策モデル

会費制度を採っているなら、会員増を目指すのが本筋。会の目標が、普及である場合でも、特定の運動を実現する場合でも、会費収入を増やすというのを度外視しても、会員を増やすこと自体が目的ですらある。
会員増のためには、会員メリットの確保が必要。

会員増が無理なら、他の方法で会費収入を上げるか、会費以外の収入を上げるかを考えるしかない。


●2014年1月28日 ニャンだろう

夏の都市の自然展はネコキャラ推し。その名前が決まった気がする。特別展のタイトルは決まってないのに。
展示構成も決まってないのに、ポスターのイメージは決まった気がする。ネコキャラが、いろんな生き物に出会って、ニャンだろう?ってするの。
物事は肝心なもの以外から決まるのである。


●2014年1月27日 大掃除前日

明日は、年に一度の研究室のワックスがけの日。自分の研究室と隣の実験室を、”ワックスがけできる状態”にしなくてはならない。たいへん面倒。
改めて、片付けるという言葉の意味を考える。片付けるとは、思うに、
・ある作業する上で邪魔になるものを、邪魔でない場所に移動させること。
であると同時に、そのプロセスで、
・不要なものを選別して、廃棄する。
・広がっているものを、コンパクトにまとめる。
という作業をともなう事が多い。また、
・どこに移動させたかを表示する。
ことが望ましい。

なんてことを考えていては作業が進まないので、とりあえず周囲から取りかかる。
・机の周りに散らばって、積み上がっていたカエルの液浸瓶詰めを、テン箱に入れて、廊下に積み上げる。
・コンピュータの周りに集積していた紙類をチェックして、不要なものを紙ゴミ捨て場に移動させる。
・流しの横にたまっていた牛乳パックを切り拓いて、紙袋にまとめる。
・机の周辺に転がっていた未開封の箱を開けて中身を確かめ並べたり食べたり。出てきた物は、北海道のお菓子、某海洋堂のフィギュア、世界の哺乳類のハンドブックなどなど。
・積み上がっていた未開封の学術雑誌を開封して、並べる。

・乾かしていた鳥の仮剥製の小物は、テン箱に入ってるので、そのまま廊下に積み上げる。
・大きな鳥の仮剥製は、ビニール袋に包んで、下の部屋に移動。
・乾かしていた哺乳類のなめし皮は、ビニール袋に詰めて、冷凍室へたたき込む。エランドの皮は、90リットルの袋2枚になんとか無理矢理詰め込めた。

その他、いろいろな物は、ワックスをかけない向かいの部屋に移動。おかげで、部屋の中はとってもすっきり。一年に一度だけの珍景。


●2014年1月26日 行事多数参加者表彰

毎年、1月終わりの博物館友の会総会で、前年の行事への多数参加者が表彰される。博物館や友の会に参加したら、スタッフから会員証にサインをもらい、そのサインの数を競う感じ。トップ5が表彰されるのだが、これがレベルが高いってゆうか、そう簡単には上位に食い込めない。2013年の結果は、

 <おとな部門>
  1位:Sさん  95回
  2位:Fさん  77回
  3位:Tさん  75回
  4位:Iさん  72回
  5位:Nさん  63回

 <こども部門>
  1位:Kさん兄  97回
  2位:Kさん弟  90回
  3位:Hさん姉  82回
  4位:Hさん弟  80回
  5位:Nさん   64回

おとな部門でも、こども部門でも、6位も60回超え。とてもハイレベルで熾烈な闘いが繰り広げられている。今年は100回超えはなかったけど、首位が100回を超えている年も少なくない。
1日に複数の行事をはしごできる日もあるけど、たいていの週は土日ともに行事に参加している感じかと。とても普通の人には太刀打ちできない。でもまあ、上位に食い込んで表彰を狙うので無ければ、10回分のサインを集めれば、もれなくフィールドノートがもらえる。

今日の友の会総会参加者が、274名。そのほとんどが当然ながら友の会会員。で、その内、10回以上行事に参加してサインを集めて今日会員証を提出してフィールドノートを受け取った人が、66名。けっこうたくさんの人がサインを集めてたんだなぁ。
サインが10個に届かなかった方は、2014年にニャンばろう!


●2014年1月24日 播磨灘岸のカモメ類の分布

1月の播磨灘岸の水鳥調査が一通り完了。これで、越冬期のカモメ類の分布が語れる。
果たして、大阪湾とどう違うのか〜?


●2014年1月23日 市町村のレッドリスト

地域別のレッドリストでも、国単位、都道府県単位、市町村単位で、少しずつ状況は違ってくる。国単位と地方単位で違うのは、まあ元から分かってるようなもんだけど。都道府県単位と市町村単位でも違うなぁ。と、とある市のレッドデータブック改訂に関わっていて思う。

国のレッドリスト。その作成には一度も関わったことがないので、あまり様子は分からない。察するに、分類群にもよるだろうけど、超希少種であれば国予算で調査もあるだろうけど、地域によって情報量の濃淡がありそう。かといって、すべてのレッドリスト候補種を関係者だけで調べるのは難しい。ってところか。
都道府県のレッドリスト。ちょっとやる気があれば、たいていの分類群は、数人で全体の様子を調べられそう。これは大きい。やる気のあるメンバーがいれば、その分類群の様子はけっこう押さえられてたりする。おおまかな様子が分かっていれば、候補種を改めて調べるのも可能かと。
市町村のレッドリスト。都道府県単位で生息状況の調査をする人はいても、市町村単位で動く人は少ない。その市町村に自然史系博物館があるなら別だけど。で、都道府県単位なら生息状況は分かってるのに、その市町村自体の情報が少ないって状況が生まれがち。となると、周辺市町村の状況から、その市町村の様子を推測するという不思議なことに。

国であれ、都道府県であれ、市町村であれ、地球単位でない限りは、個々の種の地域個体群の評価をすることになる(その地域の固有種でないかぎり)。種全体の希少性評価と、地域個体群の希少性評価は、また違ってそう。
で、どうせ地域個体群単位で評価するのなら、評価エリア内の個体群を、さらにサブ個体群に分けての評価もありうる。国単位ではすでにサブ個体群の評価もあるけど、都道府県や市町村単位でも、必要ならサブ個体群を分けるべきだろう。


●2014年1月22日 果実食鳥の糞分析

今日は、某団体向けの果実食鳥の糞分析実習の日。毎年1月にやらされていて、もはや年中行事と化した感がある。
果実食鳥のタネが入ってそうな糞を拾ってきてもらい、拾ってきた周辺で比較標本用の果実を採集してくること。という宿題が出してあった。で、今日は、午前中に果実からタネを取りだして、実物タネ図鑑作り。午後は、糞を洗って、タネを取りだして、午前に作った図鑑で同定。って段取り。まあうまくいったような、うまくいかなかったような。

午前。採ってきた果実を水の中でウニウニして、果肉を取り除く。で、新聞紙の上で水気をとってから、紙にテープで貼り付けて、名前付け。なんとなくテーブルごとに班に分かれての作業。今年はなぜか、枝付きの果実とタネを並べて貼りたがる班が多かった。
今年は、まだけっこう果実が残っている季節だったので、いろいろ果実を採ってきた。かと思いきや、いつになく偏ったサンプリング。なぜかマユミとナナメノキが多い。ピラカンサが少ない。みんなで一緒にどこかに行った時にサンプルを採ってる様子。糞を拾った周辺で採集するように指示したのに、あまり聞いてないな。

午後。同じく採集してきたタネの入った糞を、水の中でふやかして、ウニウニしてほぐし、タネをつまみ出す。新聞紙の上で水気をとって、紙の上に並べて同じもの同士にまとめる。で、午前につくった実物タネ図鑑で名前を調べる。
ってはずなのに、実物タネ図鑑に出てこないタネがかなり出てくる。ある程度出てくるのは仕方がないが、出てきすぎ。糞を採集した近所で果実を採ってないやろ! で、そのせいか、参考までに持ってきてあった市販のタネ図鑑で調べようとする者が続出。ある程度知識がないと市販のタネ図鑑は使えない、とあらかじめ説明してあったのに、聞いてないらしい。それは即答できないタネを、おいらが調べるために持ってきてあるの!とばかりに取り上げる。
今年は、タネ図鑑で調べても分からないタネが3つも出てしまった。不覚。


●2014年1月21日 四国の野良犬

昔は大阪にも野良犬がいっぱいいた。小学生の頃は、むしろ野良猫が珍しくて。っていうか、ネコをろくに触った事がなかった。で、野良犬と仲良し。見つければ、呼んで近付き、愛想が良ければ触る。餌はやらない。撫で回すだけ。考えてみれば、いまネコ相手にやってる事と同じ。進歩がないなぁ。
で、そんな大阪から四国にやってくると驚いてしまう。もちろんネコもたくさんいるのだけど、野良犬もいっぱいいる。浜を群れで歩き回っている野良犬。漁港に待機してる野良犬。小さい頃、野良犬と遊んだのを思い出す。

三本松港には、毎回同じ場所で出会う柴犬風の野良犬が2匹。人を見つけては寄っていって、餌をもらっている様子。可愛い。車が来たら、もう近付いてくるので、ひきそうでちょっと怖い。三ちゃん1号と三ちゃん2号と名付けてある。今日は雨。けっこう降ってる。こんな日は三ちゃんもお休みだろうなぁ。と思ってたら、雨の中、やっぱり三ちゃん登場。めっちゃ濡れてるけど、餌もらえるかな?って感じで車の近くにやってくる。餌はあげない主義なんよ〜。と言い訳しながら、カモメ類を数えて退散。
雨が降ってなければ、遊んだのになぁ。


●2014年1月20日 鳴門海峡調査

6月に鳴門海峡を見てたら、ハシボソミズナギドリの群れが通過し、カンムリウミスズメらしきウミスズメ系の鳥も浮いていた。って話を知った。考えてみれば、この2年間、毎月鳴門海峡に来るやん。じゃあ鳴門海峡の観察をしなくっちゃ。という訳で、今日が鳴門海峡調査の初回。

とりあえず、鳴門海峡の淡路島側にある「道の駅うずしお」へ。ちょうどレストランがあるから、お茶でもしながら、室内から海峡をながめよう。と思ったら、午後4時には閉まってしまう。毎月これるけど、午後4時までにってのは微妙。とりあえず今日は、もうすぐ午後4時って時に来てしまった。ので、お茶は我慢して、淡路島バーガーを食べながら、展望台から海峡をながめる。今日は暖かいからいいけど、寒い日や暑い日は大変だなぁ。
徳島側までは見えないけど、淡路島側から2/3位は観察できそう。天気がいいのが禍して、かなり逆光。とりあえず30分の観察。カワウがいったりきたりしてる。カモメ類は遠いと同定しにくいけど、近めを飛んでいるのでみるに、たいていウミネコかセグロカモメらしい。

徳島側まで見えなかったので、今度は徳島側から観察することに。鳴門海峡大橋の徳島側、大橋の北側に千畳敷という広場と土産物屋がセットになってる場所がある。その辺りから、また海峡を30分観察。こっち側からだと逆光にならなくて、いい感じ。カワウ、ウミネコ、セグロカモメがウロウロしてた。日没近く、ウミネコは三々五々西に向かってた。午後5時前後と日没近くの時間帯なので、塒に向かってるんじゃないかと思う。

毎月この観察を続けると、やがてミズナギドリ類やウミスズメ類が現れるかなぁ。


●2014年1月19日 大物を剥く

だから、地面に置いて剥くのは、大変なので、台に乗せて剥きたい。でも、重さ600kg超え。3mもの大物を乗せる台がない。腰が痛い。3時間が限界。そして、時間がかかると作業が夜に突入することもしばしば、ってことを考えると、ライトも欲しい。もちろん作業した後は、ちょっと他の人にお見せしにくい状態になるので、水洗いは必須。さらに夏は暑く、冬は寒いことを考えると、空調も欲しい。
大物を剥く時に思う要求は、以上の通り。都合のいい場所なんてあるかい!と思ってたけど、いい方法を思いついた。ユニック付きの2tトラックがあればいいんだ。手頃な高さの台、3mは楽勝。重さも3tまでOK。そしてユニックがあれば、大物をひっくり返したり、持ち上げたりもできる。荷台が鉄板なら水洗いOK。暗かったら、明るい場所に移動すればいい。暑かったり寒かったら空調の効くトラックヤードに入ればいい!

ユニック付きのトラック欲しいな〜。


●2014年1月18日 カモのつがいの一年

ざくっと要約すると。
秋に越冬地についた頃から、春先まで。オスがグループディスプレイで、メスにアピール。で、なんやかんやで、つがいになって。繁殖地に一緒に渡って、営巣。巣づくり、抱卵、ヒナの世話は、全部メスが担当。オスは抱卵の頃まで、メスをガード。抱卵の途中で、オスはメスのもとを離れ。それをもって、つがい関係は解消。そして越冬地へ。
これがカモのつがい関係の一年の一般的パターン。基本、一夫一妻。

で、面白いのは例外な奴ら。

つがい形成の時期について言えば、
つがい形成が、春の渡りから繁殖地にまでずれ込むことがあるのが、コガモ、オナガガモ、ウミアイサ、カワアイサ。そういえば、冬の間中、どちらかの性に偏った群れで行動していることが多い気がする。
なぜか繁殖地から越冬地への秋の渡りの頃からつがい形成が始まるのが、オカヨシガモやホオジロガモ。

オスの営巣への関与で言えば、多数派が抱卵期の途中でメスのガードをやめるのに対して、
シマアジやヨシガモ(ハシビロガモも?)は、ヒナを連れたメスもガードする。

でもまあ、ヒナへの関与はメスだけなのが圧倒的多数派だが、
ツクシガモは両親でヒナの世話をするらしい。

いずれも『原色鳥類生態図鑑<水鳥編>』(保育社)より。個々の情報の引用元は明示されていないので、どのくらい信頼できるかは不明。
カルガモのオスが、ヒナ連れのメスをガードしてるの見たことあるけどなぁ。


●2014年1月17日 締め切りは5年前

締め切りを5年ほど過ぎた原稿を執筆中。12月中に仕上がるはずが、今日はすでに12月48日。一応、今の目標は12月60日。すでに何度も書き直し、付け足してきた原稿。分担執筆者の原稿は揃ってるし、文字数にして90%くらいは出来てるようなもん。あと2週間で出来るはず。今度こそきっと。


●2014年1月16日 昨日が9周年!

この日記めいたものを書き始めて、昨日で丸9年だった! 忘れてた。Twitterを始めてから書き忘れが増え、Mixiを使ってるどころか知ってる人すらどんどん減ってる現在。いつまで続くかなぁ。ある日、突然Mixiがなくなる気もするけど、存在する限りは続けようと思う。

例によってこの1年365日の中で何日書いたか(実際には、何日書いてないか)を数えてみると、295日書いていた。とうとう300日を切ってしまった〜。
ちなみに過去を振り返ると、一年目325日、二年目344日、三年目331日、四年目324日、五年目329日、六年目303日、七年目315日、八年目304日と書いていた。Twitterを始めた3年前に激減し、低めで安定かと思ったら、さらに減少傾向?


●2014年1月15日 響灘ビオトープ

響灘ビオトープは、福岡県北九州市の埋立地にある。埋め立ててみたものの、そのまま放置。そこに水たまりができ、草が生え、やがてさまざまな生きものが暮らす場所となる。大阪湾でも東京湾でもよくある話。そこを響灘ビオトープとして保全し、ビジターセンターを建て、ここまでもけっこうよくある話。ちょっと違うのは、スタッフを配置したこと。
業務委託で一年半、今度の4月からは指定管理になるらしい。ちなみに今のスタッフは、観察ガイド5名、事務員5名といった感じらしい。入場料をとるとは言え、スタッフが想像以上に充実してる。観察者を立てるまでは各地にあるが、こんなにスタッフがいるのは珍しい。ただ、専門知識をもったスタッフがあまりいない様子。
スタッフをしっかりさせたら、ちょっとした博物館施設と言ってもいいくらい。小さい博物館はもっと少ないスタッフで回してるよね。と言う意味では、けっこうしっかりした博物館として機能させられる潜在リソースがありそう。

で、そんな博物館な話はさておき。面白いのは、この埋立地の水たまりと草地に暮らしている動物。
鳥では、チュウヒやオオヨシキリが繁殖。ツバメチドリ、コアジサシは記録があるが、繁殖はしていないらしい。とくに1haほどの砂礫地を用意したけど、繁殖しないという。気付けばコアジサシくらい繁殖してもよさそうなのに。デコイを置くと有効かなぁ。そしてベニアジサシも期待できたり? シロチドリやコチドリの繁殖について尋ねるのは忘れてた。
水たまりなので、淡水。そこには、フナ、メダカ、トノサマガエル、ヌマガエルなどが暮らしているらしい。埋立地の水たまりにヌマガエルが入るのは、よくある話。だけど、トノサマガエルやフナ、メダカは珍しい。大阪にはない。人が持ち込んだんじゃないのかなぁ、と思わせる。ただ、ヌマガエルがやってこられるなら、トノサマガエルやメダカが来てもおかしくないかも…。
草地には、ハツカネズミやカヤネズミが暮らしているらしい。ハツカネズミはともかく、カヤネズミがいるとは意外過ぎる。いくら広い草地があっても、移動力の低いカヤネズミはいないのが普通。実際、大阪の埋立地にカヤネズミはいない。淀川河口にすらいない。
ひそかにいろんな人が、動物を持ち込んでるんじゃないかという、疑いがぬぐえないかも。


●2014年1月13日 Twitter四周年

4年前の今日Twitterを始めた。
丸四年経って10278tweet。最初の一年に2922tweet、二年目は2674tweet、三年目は2494tweetつぶやいた。そして、この一年は2188tweet。ジリ貧傾向継続中。でもまあ、よく続いていると思う。

フォローしてるのは184名。三年終了時点は167名、二年終了時点は157名、一年前終了時点は143名。一貫して微増傾向。
フォロワーは、1757名。三年終了時点は1472名、二年終了時点は1108名、一年前終了時点は659名。やっぱり頭打ち傾向。

なんだかんだで4年続いた。Facebookが頭打ちで、今はLINEだとも聞くが、FacebookもLINEも内輪でのやりとりばかりになりがち。広く発信という意味では、Twitterが良いような気がする。Facebookは、勝手に妙なセレクションをかけてるのも気に入らない。
ってわけで、コメントするなら出来ればTwitterの方でよろしく〜。

知り合いが、毎日のようにあまちゃんを見ては、ドラマを深読みしてブログに書いていた。それが12月にまとまって本として出版された。ただの趣味のようなネット配信がちゃんとした業績につながっていくとは素晴らしい〜。
一年に100字2000tweetと控えめに見積もっても、20万字。原稿用紙500ページ、Nature Study 100ページ。本になりそうだなぁ。誰も買わないだろうけど。


●2014年1月12日 子ども向け鳥剥きショー

今日と明日は、毎年恒例、子どもに鳥の皮剥きを見せる企画。今日は、午前と午後、それぞれ3班を相手にした。子どもの反応は、年によって、グループによって様々。今日の6つのグループはいずれも、反応はよかった感じ。少なくとも気持ち悪い〜、と叫ぶオピニオンリーダーはいなかった。そういうのがいないと、みんな興味を持って話を聞いてくれる。というか、多くの子どもは、興味を持っているのだけど、妙なオピニオンリーダーがいると、それを表明できなくなるんだろうなぁ。
今日は、午前はシロハラクイナ、午後はコサギを剥いて見せた。その他に、シカ頭、アライグマ、アナグマ、ヒツジのなめし皮(作成中)。ダチョウのバラバラ全身骨格があった。時間があったり、話の流れがそっちを向いたら、洗い中のカワウのバラホネとか、キリンの皮とかも見せた。

午前は、最初の班には、脚剥いてチューリップ。次の班には、胴体はずして卵巣や内臓みせて。最後の班には頭裏返して、目玉を取りだして見せた。
午後は、最初の班には、胸を切るところだけ。次の班には、首をはずして脚もはずして胴体を切り離し。最後の班には、裏返った頭から目玉取りだして、脳も取りだして見せた。2番目の班は再び寄り道してきたので、目玉取りだしを見せた。
なぜか最初の班へのサービスが控えめな結果に。悪意はないんだけど。食い付きが悪かったからかもしれない。

鳥の皮剥きで、子ども食い付きがよかったのは、腹膜あけて内臓を見せる。目玉を取り出す。気持ち悪い気持ち悪いと言いながらも、やがてみんな見に寄ってくる。ホラー映画みたいなもので、どうしても気になるらしい。
鳥の種名は、説明しないと誰もぜんぜんわからない。でも、ヒツジの皮は、全員が一発で分かった。胴体白くて、頭と脚が黒い。絵に描いたようなヒツジだからなぁ。一方、ダチョウのホネは驚くほど当たらない。大きな鳥やで。とヒントを出したら、ハクチョウって声がよく出てきた。あと、ツルとか。アフリカの鳥やで、というヒントには、アフリカの鳥知らんもん、って返される。飛べないというヒントを出したら、ようやくダチョウって声があがる。ダチョウって認知度は高いのに、ホネではその姿に結びつきにくいらしい。

【追記】
2日目の皮剥きショーは午後だけ。午後だけなら格段に気が楽。そして、今回も気持ち悪いー!と叫ぶ奴はいない。最初の2班には、内臓を見せた。最後の班には目玉取りと脳ブラシ使いを見せた。内臓は人気あるなぁ。精巣でやたら盛り上がってる小学生男子が数名。


●2014年1月11日 果実を食べる鳥はだれか

果実をどんな鳥が食べるかは、けっこう大きな課題。で、それを調べた研究もいっぱいある。が、たいてい特定の樹種しか調べてない。よく調べられているのは、初夏から秋に熟す果実。サクラ類、ミズキ類、アカメガシワなど。この季節の果実は、短期決戦をしかけるイメージ。熟すとドンドン鳥に食べられる。ってことは、熟した果実のなってる樹の前にいれば、果実を食べる鳥を観察できるってこと。調べやすい樹種ばかり調べられている。
いっぽう晩秋から初冬に熟す果実。クスノキ、クロガネモチ、センダン、トウネズミモチを、どんな鳥が食べるかを調べるのはけっこう難しい。果実の数を数えていると、長い間、あまり減らず、ある日突然いっぱい食べられ、一気に果実が少なくなる。一気に食べられるタイミングでないと、熟した果実がなってる樹の前で見ていてもあまり鳥は食べに来ない。

今日、マイフィールドの植物園を歩き回った。果実を食べる鳥を観察する企画のはずが、さっぱり。ムクドリ3羽が、センダンの果実を食べに来ていただけ。ずーっと粘って観察すれば、果実を食べに来るのかもしれないが、かなりの暇な時間を覚悟しなくちゃならない感じ。コストパフォーマンスが悪すぎる。
コースを決めて、果実をつけている樹をできるだけたくさん回ってチェック。というのを繰り返してあるけば、果実を食べている鳥には出会えそう。見つけたら、一定時間待機という設定でもいいかも。あるいは見つけたら、いなくなるまで観察とか。
もしくは、センサス調査的に、食べに来ている鳥であると確認したら、どんどんコースの続きを歩いていくという調査でも、いーっぱい繰り返せば、定量的にそれぞれの樹種の果実を食べる鳥を評価できそう。
って、そんなデータ、すでに持ってるかも…。


●2014年1月10日 血圧計対策

こないだの健康診断で、初めて血圧に星が付いてしまった。という話をして歩いていたら、血圧計をもらった。
おじいちゃんのだという。おじいちゃんは、いくつも血圧計を持っていて、これが一番高い値を出すからいらないらしい。血圧計の測定値にそんなに幅があるとは知らなかった。幅があるなら、一番高い値を出してるのを信頼した方が健康に良さそうな…。
ともかく、せっかくもらったので、せっせと測定してる。すると面白い傾向が分かってきた。

まずシャワーを浴びる前後では、シャワー後が血圧は低くなる。血管が拡張するからかな。
朝昼晩では、朝が一番血圧が高い。暖かい布団から出た直後だからと思う。昼と夜は、逆に寒い外から少しは暖かい室内に入った時だし。ただ、布団の中で寝たまま測定すると、上は信じられないくらい低い値になる。

まとめると、寝たまま健康診断を受けると良さそう。それは無理なので、早起きして、シャワー浴びてすぐに健康診断受けるとか…。
これは寒い季節の傾向なので、暖かいor暑い季節は別に研究の必要がありそう。


●2014年1月8日 大阪のハッカチョウの歴史 2012年まで

今年のメイン調査テーマの一つであるムクドリ調査に向けて、大阪のハッカチョウの記録を集約してみた。
残念ながら、古い観察記録はあまり引っ張り出せていない。そもそも外来鳥類は、あまり記録されないから、記録は残ってないかも知れない。というわけで、2005年より前は、繁殖記録だけ。以降は、可能な範囲で観察記録を集めているので、割と自前の情報で集計できる。もちろん漏れはあるだろうけど、大まかな傾向ははっきりしてそう。

1983年、豊中市千里中央公園での繁殖記録がある。これはメッチャ地元だったので、何度も見てる。ほぼ同時期に姫路市周辺にハッカチョウが定着したらしい。豊中市のハッカチョウはしばらくいたけど、すぐいなくなった。
その次の繁殖記録が、淀川長柄橋かと思いきや、実は、2003年に高槻市野田での繁殖がある。むくどり通信に掲載されている記録で、巣立ちビナも確認されている。
そして、大阪府ではないが、2004年の兵庫県伊丹市猪名川軍行橋での繁殖確認。2005年の淀川長柄橋での繁殖確認。この2ヶ所では以降も繁殖が継続している。そして長柄橋周辺の淀川右岸では、年間を通じて、以降ハッカチョウがしばしば観察されている。

2005年以降、長柄橋周辺の淀川右岸(十三から大堰辺り)はずっと生息しているはずなので、2006年からはその辺り以外の記録をリストアップしよう。といっても、2006年のハッカチョウの情報は手元にない。
2007年、堺市大泉緑地と羽曳野市羽倉崎の2ヶ所から観察記録。
2008年、岸和田市岸和田中央公園、阪南市箱作駅、泉大津市汐見埠頭。
2009年と2010年は情報がなく、
2011年、大阪市東住吉区矢田で繁殖が確認された。ここまでは単なる観察記録が続いたので、繁殖地の確認としては、4例目だと思う。以降、矢田周辺での繁殖も継続している。
2012年、大阪市生野区巽南。
そして、2013年、ハッカチョウが一気にあちこちで観察されるようになる。これまでも広がっていたのかもしれないが、やたらと目立つようになったのは確かだろう。


●2014年1月7日 分類群別レッドリストの事情

都道府県版など地域ごとのレッドリスト作成に何かと関わる事がある。たいてい鳥担当、時には他の陸棲脊椎動物にも関わって。いずれにしても、比較的種数が少なく、比較的情報の多いグループ。レッドリスト作成は、むろん簡単な訳はないけど、他の分類群と比べると大変とは言い難い。

大変さは分類群ごとにさまざま。その理由もさまざま。それぞれの事情を聞いていると、けっこう面白い。


●2014年1月6日 今年のレシピ

恒例の焼き芋。今年はいろいろ忘れ物。昨年焼きバナナが美味しかったので、もう一度試そうと思ってたはずなのに、忘れた〜。昨年、網を導入してよかったので、今年もと思ったのに忘れた〜。逆に、自分ではないが、新兵器が投入されていた。こびりつかないアルミホイル。おにぎりを包んで焼いていた。普通のアルミホイルで包んで焼くと、アルミホイルにこびりついて、どうにもならない。が、こびりつかないアルミホイルは確かに、あまりこびりついていなかった。来年、導入してみたい。あまり高価でなければ…。

・焼きリンゴ
薄切りして、バターと砂糖をかけておいた。美味しかった。生焼けで半分食べて、もう一度火の中に投入して、残りを食べた。どっちも美味しい〜。リンゴから汁が出て、それがバターと絡んだタイミングがベスト。この汁がうまい! 汁やバターがこぼれないように、ホイルは二重にした方がいいかも。

・チーズソーセージパン
普通のフワフワ丸いパンの中に、溶けるチーズを巻いたウインナーソーセージをはさんで、枝でさして、火で直接あぶる。パンはすぐ焦げ、チーズもすぐに溶けて焦げる。でも、ソーセージに火は入らない。軽く熱したらいいものだけをパンにはさむのが良いかも。

・チョコレートサンド
四角くて薄くてサクサクのパン的な物に、板チョコをはさんで焼いた。チョコが溶けて美味しいのだけど、パン的な物が焦げ気味。もう一工夫欲しい感じ。何より問題は、食べる時にチョコがこぼれまくること。口の周りに付く、指に付く、服にまでこぼして大変だった。

・パンピザ
そのサクサク薄いパン的な物に、ベーコンとトマトと溶けるチーズをのせた。最大の問題は、台のパン的な物は焦げるのに、ベーコンに熱が入らないこと。あったかトマトは美味しい。あと一番上に乗せた溶けるチーズは、アルミホイルにくっついた。溶けるチーズは何かではさんだ方がよさそう。

・茄子ピザ
茄子を立てに2つに切って、その上に溶けるチーズとマイタケをのせる。美味しいんだけど、茄子には熱が入りきらない。茄子が薄ければ、もっと美味しそう。

・ベーコン、玉葱、ジャガイモ
材料を細かく切って、混ぜて、塩胡椒。ちょっと味が薄かった。外側にあった玉葱は焦げて、中にあったジャガイモには熱が入りにくい。火の入りやすさに応じた配置をする必要がありそう。

・ネギ鶏トマトのイタリアン風?
鶏肉と薄切りのネギとトマト。上から卵を割って落とし、オリーブオイルもかけてみた。卵の大部分はこぼれた〜。オリーブオイルの味はしない〜。トマトはすぐに美味しくなるが、鶏肉になかなか火が入らない。塊肉は、じっくり熱を加えるべきジャガイモとかが相性がよさそう。

というわけで、今回は反省点が多い。来年は、準備段階でこの反省文を読まなくっちゃ。


●2014年1月5日  2014年を予言する

年が明けて、流しの横をふと見ると、2014年の目標が掲げてあって驚いた。
・健康診断でいい結果をとる。
・早めに帰って、休みをとる。
・野菜をいっぱい食べて、よく眠る。
健康に配慮した目標はたいへんよろしいが、もうそろそろ目標が達成できなくなってるんじゃないかなぁ。目標は、可能な範囲で掲げなくっちゃ〜。

というわけで、予言である。目標は自分で頑張るものだけど、予言は結果を言い当てるだけ。頑張らなくていいのである。さらに、曖昧にしておけば、ハズレっこないのである。目標もあいまいにしておけばいいようなものだが、目標があまり曖昧だと、何を努力したらいいか分からないので、目標でこの手は使えない。
ただ、昨年は、具体的な予言をして失敗した。ってゆうか、充分曖昧だったのだが、予言に希望を込めすぎたにちがいない。予言と希望は違うのである。というわけで、今年はより曖昧に、希望を廃して、冷静に2014年を予言してみよう。

おそらく、夏頃には『大阪の哺乳類』的な本が出版されるであろう。
たぶん、同じく夏頃には、大阪で、都市の自然についての特別展が開催したりするであろう。
もしかしたら、冷凍室の氷河は、さらに後退するであろう。

おそらくとか、たぶんとか、曖昧化する言葉を足してみた。これならハズレても、教組の威信は揺らがない。おまけで希望を付け加えるなら、積んだままになってる本をいっぱい読みたいなぁ。


●2014年1月4日 鳥の日の成果2013

2012年から、なにわホネホネ団の活動に「鳥の日」というのが設定されるようになった。2011年頃から鳥の皮剥き希望者が増えてきた。それはありがたいのだが、通常活動日に鳥の皮剥きをしていると、哺乳類の処理速度があまりに落ちるので、鳥の処理日を分けることにしたのだ。2012年は試行的に、9月、10月、12月の3回。
2013年からは、毎月1回、通常活動日(いわば哺乳類の日)の他に鳥の日を設定することにした。また、西表島鳥類調査隊の活動(つまりキンバトの皮剥き)も開始した。せっかくなので、2013年の鳥の日の活動成果を集計しておこう。

2013年の鳥の日
・活動日:15日間(4月、9月、12月に2日活動)
  内、13日で西表島鳥類調査隊の活動
・処理した鳥の個体数:225羽(皮剥きのみ、鳥の日以外の活動日の処理数は除く)(平均15.0羽)
  内、82羽(すべてキンバト)は西表島鳥類調査隊の活動(平均6.3羽)
・のべ参加者数:205名(平均13.7名)
  内、見学者32名(平均2.1名)

というわけで、一年の鳥の日の活動で、鳥の仮剥製が随分増えた。キンバトの処理もどんどん進んでありがたい。のだけど、一方で、キンバトと初心者向きの鳥(ツグミ類・ヒヨドリ・ムクドリ、カラス、ハシボソミズナギドリ)の処理ばかり進むという問題もある。ってゆうか、問題ではないのだけど、初心者向きの鳥の死体のストックが枯渇してきた…。次は、スズメでも出すしかなさそう…。そして、熟練者には、キンバト以外の処理もお願いする方がよさそう。

参加者数は、どうしても通常活動日よりも少なめになる。準備が哺乳類よりもちょっと面倒。処理中のチェック、後からの処理。すべてに一人で目を配らないといけないので、通常活動日より忙しい。参加者数は、これ以上増えるとちょっと手が回らないかもな感じ。

動物園からの大物がそろそろ発掘できそうなので、動物園物の日を設定したらいいかなぁ、と検討中。


●2014年1月1日 一年の計

起きたのは、午前9時過ぎ。シャワー浴びて、博物館へ。まずは、植物園の鳥のセンサス。昼飯喰って、午後からは原稿書き、というか編集作業というか。一段落して、というか飽きたので、干している皮のなめし作業。熱中してたら、日が暮れた。で、再び原稿書き。

一年の計は元旦にあるとすると、今年はこんな感じの一年になるのかも。
早起きは苦手、調査と、原稿書きと、標本処理に追われる。リアルすぎて笑えない。っていうか、ハズレようがない。


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