(2005年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、2006年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、
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2009年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、2010年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、
2011年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、2012年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月)
2013年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、2014年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月)
自宅を自転車で出発。河内長野市まで行って帰ってきた。途中パンクして、その修理とかもあったけど、とにかく11時間コース。
大きなケヅメリクガメの死体をもらった。せっかくなので、かっこいい骨格標本にしようと思い立った。
昨日、甲羅を切って中身を出した。といっても、カメ好きに作業を押しつけた。腹甲を2ヶ所切るのが大変そう。1日じゃ終わらないかも、こんな道具じゃダメかも。作業前は暗い予想がいっぱいだったが、案ずるより産むが易し。けっこうあっさり甲羅は切れた様子。で、中身を出して、頭と足を切り離して。内臓は液浸で保存。頭と足は別途ホネにするために…、今日は面倒なので冷凍へ。で、残るは背甲と腹甲。できるだけ肉をとって、水洗いして、とりあえず表に干しておいた。
今日、甲羅にハエがいっぱい集まっていた。残った肉をハエが食べてくれるとラッキー。このまま表に放置することにした。
【追記】
あれから1ヶ月。ハエというかウジのおかげで、肉はおおむね無くなった。でも、乾き過ぎたようで、甲羅の鱗がポロポロと取れ始めた。慌てて、洗って室内へ取り込む。
夏になると柑橘類の種類が減って、ちょっとつまらない。果物のタネコレクターとしては、仕方がないから、別の果物のタネを集めるしかない。というわけで、近頃は少しメロンのタネを集め始めている。メロンは高価なので、なかなか買うのには勇気がいることが多い。今日は、知り合いの実家にお客さんが持ってきたというクインシーメロンのお相伴にあずかった。とにかく果肉はいいからタネをくれ。と、タネだけ全部確保した。
メロンのタネは、大きさ以外はみんな似ていてつまらない。そういえば、果肉の味も甘さの違いはあっても基本的には同じ味でつまらない。それに比べれば、柑橘類は、甘み・苦味・酸味のバランスが様々で、そもそも味の系統も色々あってとても楽しい。また色んな柑橘類が出てくる季節にならないかなぁ。
柑橘類が盛り上がる前に、ブドウとかナシとか、リンゴとかでも集めようかなぁ。
6月も下旬になると、ムクドリの繁殖期も終盤。次々と巣立ったヒナ達は、大半が独り立ちしてしまい、巣立ちビナの確認が難しくなっている。じゃあ、どうやったら、より効果的に繁殖を確認出来るか。昨日は貝塚市から岸和田市、今日は堺市中東部を自転車で走り回ってムクドリを見まくったので、その経験をもとに考えてみた。
■巣立ちビナを探す
どんどん独り立ちしているといっても、やっぱり巣立ちビナはいる。独特のエサをねだる声を探すのが、一番ムクドリの繁殖確認に効果的なのは変わらない。重要なのは、すでに独り立ちした後なのか、まだ巣立ちビナなのかの見極め。とにかく親から給餌を受けていれば巣立ちビナ。なのだが、今回は親にエサねだり行動を示したら、巣立ちビナとした。なんせ、見た目では区別はつかないから。さらに行動でも見分けは付きにくい。自分で採食していたと思ったら、近くにいた親鳥に突然エサをねだったりするので、油断はできない。
■エサ運びを見つける
もうどんどん巣立ちビナも独り立ちしている季節なのに、一方でまさ巣内ヒナもいるらしく、けっこうエサを運んでいる姿も見られる。とにかく目的ありげに一直線に、1羽で飛んでいくムクドリがいたら要注意。群れ好きのムクドリが単独で飛んでいくのは、エサ運び。というのは過言だけど、けっこうあてにはなる。ムクドリが1羽で飛んでいけば、くちばしに何かくわえていないかは要チェック。
■巣内ヒナの声を聞く
そんなわけで、まだまだ巣内ヒナはいる。ムクドリがエサを運んでたり、巣らしき場所に出入りしたりするのをチェックするのと同時に、巣内ヒナの声も要チェック。巣への出入りが確認できなくても、ヒナの声だけが聞こえることも少なくないので、常に耳は澄ませておこう。意外と要注意なのは、スズメの巣内ヒナとの区別。まあ分かるんだけど、大きなスズメのヒナの声と、小さいムクドリのヒナの声は、ちょっと分かりにくいこともある。
朝来たら、キーボードの上に萌蔵のメモ。この文献は既知ですか?
それは、榎本佳樹の「大阪市内で繁殖する野鳥に就いて」という小文のコピーであった。既知じゃありません! そして、とても知りたかった情報が載ってる。試しにネットで検索するとすぐに引っかかる。こんな(大阪の一部の鳥学関係者では)有名人の文章を見落としていたとは! ってゆうか、検索してみたことすらなかった。うかつであった、怠慢であった、萌蔵ありがとう。
榎本佳樹は、1945年に逝去している。ってことは、著作権は切れているので、引用どころか丸ごと掲載しても問題なさそう。実際A5版5ページに短い文章。でもまあ、重要な部分だけ抜き書きしておこう。
出だしから、いきなり欲しい情報が満載。
「最近までに筆者が調査し得た所によると、大阪市内で繁殖すること確実と思われる野鳥は、…」
昭和14年時点で、榎本が大阪市内で確実に繁殖するとしている鳥は、ハシボソガラス、スズメ、ヒバリ、モズ、オオヨシキリ、セッカ、ツバメ、コシアカツバメ、ササゴイ、ヨシゴイ、カルガモ、カイツブリ、シロチドリ、コチドリ、コアジサシの16種。その時点で近年まで繁殖していたが、昭和14年時点での繁殖は疑わしいとしているのは、ハシブトガラス、ムクドリ、カワラヒワ、カワセミ、ゴイサギ、イソシギ、アジサシの7種。
水鳥と、草地、裸地で繁殖する鳥を除くと、ハシボソガラス、スズメ、ツバメ、コシアカツバメの4種。これは予想通りなのだが、近年まで繁殖していた鳥としてハシブトガラスとムクドリが挙げられているのは意外。どうしてこの2種は大阪市内から消えたのかな?
ツバメ類2種の記述はさらに興味深い。
コシアカツバメは、生息は局限されていたようで、天下茶屋と大阪城公園だけが繁殖地としてあげられている。ちなみに現在の大阪市内では繁殖していない。
ツバメについての記述はさらに興味深い。
「現今市の中心部では殆ど見られず、周囲部付近にいるだけで、其数は至って少なく…」
都市の自然についての原稿を執筆中。人の好き嫌いに基づく行動が、都市生態系をつくり上げているといった感じの原稿を書いている。
ツバメの巣は、オープンで中のヒナが見える。そして人の目につきやすい場所にある。
コシアカツバメの巣は、クローズとで中のヒナがあまり見えない。そして人の目につきにくい場所にある。というか、むしろ近年の大阪でのコシアカツバメの減少は、人の目につきやすい場所での減少では?
たとえば人がその気になれば、ツバメを激減させるのは簡単。目につく巣をことごとく落とせばいいのだから。それがある程度行われたのが、コシアカツバメなんでは? つまり、コシアカツバメの減少は、人の行動によってもたらされたんじゃないかという思いつき。
先月、香川県のとある漁港の脇の砂浜にスナメリの死体があがっていた。その顛末は以前書いたが、今日はそれを回収に行った。わざわざ行ったんじゃなくって、毎月行ってる調査の際に見つけて、次の調査の時(つまり今日)に回収したわけ。今回は、準備万端。といっても、一ヶ月放置したスナメリがどうなってるかよく分からないので、万端とは必ずしも言えない。でもまあ、それなりに腐って分解されて食べられて、先月よりもコンパクトになってるだろうとの楽観的な読みのもと、割と脳天気に出かけた。
で、現場へ到着。先月はシートに包んで、目立たないように堤防の近くに転がした。誰かが気づけば明らかに怪しい。そして、なにより臭い。処分されていてもおかしくない。無事かと心配しながら現地に近づく。シート発見。見たところ、先月おいたまま。
そっと、めくってみる。臭い〜。でも、肉はだいたい溶けていて、ほぼホネと皮状態。それでいて、吻は干からび気味で、歯は抜けてない。とても頃合い。
とにかく、手袋付けて処理開始。ドロドロの肉は、簡単に取り除けるので、メスはいらない。筋が残っているので、寛骨は見つけやすかった。皮をどかして、手頃なパーツごとに袋に入れていくと、25分で作業完了。
一番気になったのは、車の中が汚れないか、臭くならないか。何重にも袋にいれて、テンバコに入れて、車に積み込む。幸い、靴は汚れなかった。
これで、旅先でイルカを回収する一つの段取りができた気がする。二度行く必要があるけど。
いよいよ特別展のオープンが1ヶ月後に迫った。
とっくに解説書の原稿は書き上がってるはずが、まだ完成していない。いや、ほぼ書き上がってるけどね。
もちろん、展示はまるで出来ていない。いや、例年こんなもんだし。
依然として、最後の追い込みの都市の自然の調査をしてるところ。まあプロジェクトの特別展は以前もこんな感じだったかと。
で、今日は4年後の特別展に向けた調査のために淡路島へ。1ヶ月後、本当に都市の自然展はオープンしてるのかなぁ。
近頃、大阪府のムクドリの繁殖分布を調べていて、大阪府内のできるだけ多くのメッシュを調べておきたい。その欲求が強いあまり、怖ろしいことになったって話。
昨日の話なんだけど。
毎月行ってる大和川下流部(大阪市域)の水鳥調査に自転車に乗って出かけた。せっかく東に向かうなら、ついでに八尾空港をチェックしておこう。
というわけで、少し方向を変えて八尾空港に向かった。八尾空港周辺にはムクドリがたくさんいた。一定の成果が得られて満足。じゃあ次は大和川調査だ。いつもは大阪市と八尾市の境界部から調査スタート。だけど、すでに八尾市内に入ってるここまで来たら、大阪府内の大和川全域を調査したらいいんじゃない?
というわけで、柏原市の大和川の一番山際に向かった。山間部に入るとムクドリがいそうにないから、山あいから出てきたJR奈良線から調査スタート。大和川沿いで着々と巣立ちビナ連れのムクドリを確認。いつもの調査範囲に入って、いつものように河口に到着。管理境界という意味では、ここが大和川河口だけど、大和川っぽいのはまだ海側に続いて行く。一番先っぽのかもめ埠頭のある埋立地まで見なくっちゃ!
というわけで、工場街を抜けて、かもめ大橋を越えて、かもめ埠頭の方へ。巣立ちビナ連れのようなムクドリ親子2羽が一瞬飛んだのだけど、一瞬で見失い、以降はムクドリを見つけられず。かもめ大橋をせっかく越えてきたのになぁ。せっかく南港の埋立地に来たんだから、南港野鳥園もチェックしとこかな。
というわけで、かもめ大橋を渡って戻り、さらに橋を渡って南港野鳥園の方へ。南港野鳥園周辺では、ムクドリをあちこちで見つけ、イソヒヨドリの囀りも確認。満足して、さあ今度はどこに調査に行ってやろうかと思ったが、もう午後5時半。ムクドリの巣立ちビナは早寝なので、午後5時半を過ぎたらもうほとんど見かけない。じゃあそろそろ帰ろうか。
というわけで、3時間ほどで終わる調査に出かけたはずが、なんと8時間以上も自転車で走り回ることになった。かもめ大橋のせいだろうか、思ったよりも疲れた。書かないといけない原稿がいっぱいあるのに、帰って爆睡してしまった。
そして、今日。朝から怒られながら原稿書きに追いまくられる。昨日、調査しまくらないで、原稿を書いていればこんなことにはならなかったのに…。あな怖ろしきは、ムクドリ調査の罠
昨日から、なぜかハッカチョウモード。まあハッカチョウの原稿を書く必要もあるし、と自分を説得して、原稿書きの合間にネットで日本各地のハッカチョウの生息状況を調べてみる。
繁殖記録の古いのは、東京と京都にあるらしい。その後、関東での定着がどのように進んだのかはよく分からなかった。とりあえず、いま多いのは神奈川県らしい。
関西では、京都府での繁殖は単発で定着せず、1980年代初めに兵庫県と大阪府での繁殖が記録されるまで、間があくらしい。この時点での大阪府は単発だったが、兵庫県のは定着。最初の繁殖地の姫路を中心に、東は明石市辺りまでに拡がる。今でも姫路市〜明石市が兵庫県でのハッカチョウの分布。ただ、ぼちぼちと神戸市内とか伊丹市に繁殖地が点在するようになっていて、その流れで大阪府に入ったと考えてよさそう。大阪府に入ってから、京都府や滋賀県でも記録があるが、多くは非繁殖期の記録で、繁殖は確認されていない。
関西では、和歌山県でも記録があるってことになってるから、そのソースを当たってみると『近畿地区 鳥類レッドデータ』。その本編集したし! で、さらに個別のソースを探したのだけど見つからず。和歌山県担当だった黒田さんからの情報だと思うけど、黒田さんは今はなく、だれに確認したらいいのか悩むところ。
ちなみに残るハッカチョウ定着地は、香川県。こちらは地元の方はレオマワールドのせいにしている。最初の確認地はともかく、その後定着した場所がたしかにレオマワールド周辺に展開してるのは、妙に説得力がある。
ハッカチョウが見つかるように。自転車で走り回って、大阪のハッカチョウ探しをしようと、密かに計画中。その練習という訳でもないのだけど、ハッカチョウ本場、兵庫県播磨地域を自転車で走りながらハッカチョウを探してみた。密度が高いからかもしれないけど、けっこう見つかる。
明石市から姫路市東部まで海岸沿いを自転車で走って水鳥をカウントするという調査の帰り道、ひたすら自転車で明石駅まで戻る。いつもなら退屈で疲れるだけなのだけど、ハッカチョウを探すという目的があると、けっこう楽しい。いつもは信号や車の少ないコースを選んで走ってるのだけど、今日は国道250号線から県道718号線という初歩的なルートにする。
ハッカチョウは地面に下りてることもあるのだけど、道路沿いだと電線にとまってることが多い。飛んでるのも見つけやすい。というわけで、視線は目の前の路上ではなく、上より。特徴的な声も大切な発見のためのキーなので、耳も澄まして。
路上の凹凸はろくに見てないし、道路際の電柱にも気づきにくい。前の車にも気づかない。上を見てるのに信号を見てるわけではない。というわけで、けっこう危ない。電柱や車にしょっちゅうぶつかりそうになる。よい子は真似をしてはいけない。
高砂市、加古川市、播磨町、明石市と横断していくのだが、ハッカチョウを見つけたのは、播磨町1ヶ所、加古川市1ヶ所、播磨町2ヶ所、明石市5ヶ所。播磨町と明石市の生息密度の高さがうかがえる。
てなことは、ともかく。ある程度の生息密度があれば、自転車で走り回ればけっこう分布調査のみならず、生息密度の調査もできそうな手応え。大阪でもやってみよう!
来月に始まる都市の自然の特別展に向けて、展示室の配置換えをした。可動壁を動かして、展示ケースを運んで。例のアレ、いわゆる通称が高松塚を運び込んだ。
高松塚はかなり重い、そしてエレベーターに乗らないので、クレーンで吊り上げて運び込む。大変。それ以前に、クレーンの下まで運ぶのが大変。そして、クレーンで運び込んでから動かすのが大変。降ろしたら、今度は撤収の時に大変。ってゆうか位置を少し変えるだけで大変。ってことで、コマ付きの台に載せた。なんと、マッコが載っていた台がピッタリサイズなのであった。いやぁ、マッコをぶら下げた後、もらったはいいけど、使い道どころか片付け場所すら見あたらなくってどうしようかと思っていたので、よかったよかった。
みんなで、配置換えをした後、夜になってから、可動壁の位置を確定させて、固定。展示ケースはまだ空だけど、とりあえず所定の位置にきちんと置いてみる。イラレのファイル上で、配置を検討してはいるんだけど、やはり実際に置いてみないと分からない事は多い。ちょっとした壁の長さ加減、厚み加減。展示ケースの微妙な大きさの違い。通路の広さの感じ。展示ケースの並びの雰囲気。
実際に壁と展示ケースを配置して、何か問題はないか考える。実はこの時が一番楽しいかも。けっこう色々思うことがあって、毎回かなり手直しすることになる。今回も展示ケースをああでもないこうでもないと、動かして考えて、とりあえずこれでいいかなという配置を決定。
きっとまた変わりそうだけど…。
都市の自然といえば外来生物。ってことで、なぜか外来のカメのことを書いてる夕べ。あちこちの池で、さまざまな外来のカメ類が確認されている割には、たとえば関西で繁殖が確認されているのはアカミミガメだけ。アカハラガメやキバラガメやチズガメたちは、いったい何をしてるんだろうか? 生息密度が低くて、雌雄が出会えていないのか?
関西でもカミツキガメやワニガメはあちこちで見つかっているのに、繁殖・産卵が確認されているのは、関東ばかり。千葉県辺りのカミツキガメとか、不忍池のワニガメとか。
同じようなことは、外来鳥類にも言える。東京辺りのワカケホンセイインコは1970年頃から定着していて、増えてきているらしい。でも、ワカケホンセイインコの繁殖例があるのは、関東だけじゃない。京都府などで繁殖例はある。定着していないだけ。関東とそれ以外の地域のワカケホンセイインコの違いは何が生み出したのだろう?
外来のハッカチョウがたくさん見られるのは、兵庫県、香川県、神奈川県。兵庫県のハッカチョウは東へ拡がりつつあり、近頃大阪府でも観察例が増えてるのは周知の通り。香川県のハッカチョウも、まだ県内だけだけど分布は拡大中。神奈川県はどうなんだろう? ってことはさておき、こんなに飛び飛びに分布しているのが、そもそもおかしい。何かがあって、たまたま定着できたのが、この3地域なんだろうか? そういえば、大阪府でも1983年に一度繁殖例がある。時期的には兵庫県での定着時期とさほど離れていない。でも、その後、大阪府に定着はせず(少なくともこの時は)、兵庫県には定着した。大阪府と兵庫県の違いはなんだったんだろう?
外来生物の定着プロセスは、奥が深いなぁ、と改めて思う夕べ。
本当は、今日は原稿を書いているはずだったのだけど、ふと魔が差して、千里ニュータウン周辺をウロウロしてしまった。ムクドリやイソヒヨドリやハッカチョウを探して歩いたのだけど、イソヒヨドリやハッカチョウには出会わず。ムクドリは見つけたには見つけたけど、どこにでもいると思っていたムクドリが意外とおらず、けっこう苦労した。
雨が降ってるとヒキガエルが多く、やんですぐだとタカチホヘビが多い? あるいは、雨が降ってるとカタツムリで、やんですぐだとコウガイビル?
今日は箕面公園でナイトハイク。日が変わった頃の最終電車で集合して、公園内を歩き回り、始発頃に帰るという段取り。早朝の鳥の囀りやカエルなどを期待して、昨年から6月に設定してるのだけど、時期は梅雨真っ最中。昨年も雨、今年も雨にたたられた。雨の観察会はやりにくいけど、雨ならではの観察ができるのも確か。とくに雨の夜は、楽しい。
3日前、小雨が降り続く中、ナイトハイクの下見をした。本番ならぜったい雨天中止にするよなぁ。と気が乗らないまま歩き始めたが、とたんに楽しくなった。雨の滝道はカタツムリ天国。サワガニも道の真ん中に出ていて、踏まずに歩くのが難しいほど。油断ができない。ヒキガエルも、小さいのを中心にあっちにもこっちにもいる。20匹以上に出会った。出会うたびに、つついたりして遊ぶので、時間がかかって仕方がない。
で、今日、ナイトハイク本番も雨模様。昼間は雨が降ってたけど、夜にはあがるとの予報だったので決行することにした。今度は雨上がりのナイトハイク。カタツムリよりもコウガイビルが目立つ。なんとタカチホヘビが4匹も見つかる。
ほとんど同じ時期に歩いたのに、雨の最中と、雨上がりでこうも状況が違うんだなぁと思うと面白い。今度から、雨天決行にしてもいいなぁ。と思わなくもないけど、地面が濡れてると休憩しにくいのが問題。
いろいろ書きたいことがあって、けっこう増えていく。そして公園に収まらないネタをコラムとして書くから、さらに増えていく。増えていく割には、早めに書けるのは、持ちネタなのでスイスイ書けるのと。過去にすでに何かしら書いているので、それを引っ張ってきて、ヴァージョンを変えれば、けっこう使えるから。
他の分類群との兼ね合いがあるから、持ちネタをすべて投入することはできない。適宜はしょらざるをえない。それが、けっこう不満。『都市の鳥類の暮らし』ってな本を書いてみたいような気にもなってくるが、それは『大阪の哺乳類』の本をさっさと仕上げてから。と編集者さんに睨まれそう。
アカメガシワトラップと言っても、葉っぱ付きのアカメガシワの枝を、木の幹にくくりつけておくだけ。それで、コテングコウモリが採れるという。不思議〜。
コウモリの中には、生息地がはっきりしないとか、うまく捕獲できないとかで、生息状況がよく分からないのが少なくない。そんな一つだったコテングコウモリが、アカメガシワトラップで捕れるというのが分かってきて、生息状況が次々と明らかになってきている。あちこちで仕掛ける人がいるらしく、意外と関西にもコテングコウモリがいるらしい。それもけっこう人里近くに。ってことで、やにわに業界は盛り上がっている(少なくともここら辺では)。
木にぶら下がった大きめの枯れ葉の中でコテングコウモリが休んでいるのが見つかったというのがきっかけらしい。自然にできた枯れ葉をチェックするだけでなく、枝を折って設置しておけばいいんじゃない?と思いついた人が、あちこちに設置してはチェックして、予定通りコテングコウモリを発見。そして、アカメガシワトラップが誕生。
現在、日本では哺乳類を捕るには許可がいる。かつては小型哺乳類は例外だったが、いま許可無く捕れるのは、家の中の家ネズミと、農耕地のモグラ程度。コテングコウモリを捕るのも当然ながら許可がいるはず。たとえば、網で捕るなら確実に許可がいる。でも、アカメガシワトラップは少し事情が違う。
アカメガシワは、自然物。そもそも捕まえてるのではなく、コテングコウモリが勝手に入って休んでるだけ。となると、通常のトラップとは違って、人工物で捕獲している訳ではない。枝を折って設置してるだけだし。で、中にコテングコウモリが入ってるか確認するだけなら、全然捕獲じゃないと言い張れそう。
というわけで、誰でも気軽にコテングコウモリ調査に参入できる。それが多くの人が調査してみてる理由の一つでもありそう。ただし、捕獲許可が必要かはけっこう微妙なのは確か。アカメガシワの葉っぱの中に入ってるコテングコウモリを持った時点で捕獲になるので、くれぐれもお気をつけを。
甲虫担当学芸員が、部屋にやってきた。何の用事かな?と思ったら、2年前の話を始めた。
2年前、青森県の下北半島に友の会合宿に行った。他に昆虫屋が3人もいたのだけど、なんか楽しくて、あちこちで甲虫を採集した。帰ってきて甲虫担当学芸員に、渡したっきり忘れていたのだけど、その中にとても珍しいのが混じっていたらしい。
甲虫担当は妙に興奮気味。それを自分でも調査に行きたいそうで、採食した場所をピンポイントで知りたいらしい。
こちとら、ちょうど原稿を書いてる真っ最中。ってことは息抜き大歓迎。さっそく採集した時のフィールドノートを見返し、ブログを読み返す。気になったことは何でも書いておくもので、ノートを見ても分からなかった採集場所の詳細がブログには書いてある。おかげで、採集した時のことを細かく思い出した。外部記憶装置万歳。
【追記】
その後、現地をよく知ってる人とやりとりして、さほど大発見ではなかった事が判明。でもまあ、2年かかったとは言え、採ってきた虫がちゃんと標本になって、名前を調べてもらえてるだけでも有り難い。またなんか採ってこよっと。
都市生態系の特徴の一つとして、外来生物が多いこと。ってのは、植物や昆虫などではけっこう当てはまるんじゃなかったっけ? たとえば山地の生態系なんかと比べて。
で、その理由として、外来生物が競争などによって在来種を排除したというよりは、都市生態系には空きニッチェが多く、あるいは人の強い攪乱によってニッチェが空く、ってゆうか新たな環境が生じることが多く、そこに外来生物がすかさず入り込むって説明をされてきたように思う。あと、港や空港など、外に向けての窓口が多く、流通も多いから、次々と新しい外来生物が持ち込まれるって事も言われてる気がする。
でも、鳥に関して言えば、少なくとも定着して繁殖している鳥は、都市環境にむしろ少なく、河川敷の草地に多い気がする。あるいは近頃は山手の林に成功者が多い気がする(ソウシチョウとかガビチョウ類とか)。それに対して、都市部で成功してる外来鳥類って、ドバト程度。近頃ようやく関西ではハッカチョウが拡がり始めてるくらい。
都市生態系に外来鳥類が少ないとは言えなくても、山地や河川敷と比べてとくに多いと言えないのは確か。どうして? なにか植物や昆虫と違うの?
今日は、ポンポン山に登って降りて。その間、ずーっと子ども達と話してるという1日。しょっちゅう会う子も、久しぶりに会う子も、初めて会う子も、入れ代わりながら同じようにずーっと喋ってる。ヘビやカエルが採れたら中断して、しばらく解説。終わったら、また子ども達と喋ってる感じ。解散した時は、喉が少し痛かった。
どうして、子ども達が話しかけてくるのかは、少し謎。他の大人にそんなに話してる訳でもなさそう。じゃあ、こちとらが愛想がいいから話してくるのかと言えば、そんなはずはない。いたって無愛想。興味がない話には生返事。興味があったらあったで、おとなしく聞いてないで、いらん混ぜっ返しをする。心がけてるのは、偉そうにしない、対等に話をするってことくらいかと。
今まで話した子が話しかけてきて、やり取りするので、初めての子も同じように話かけてくるのかなぁ。
ともかく今日は、ジャニーズについて色々教えてもらった。とくに嵐。そして妖怪ウォッチについても色々聞いた。ポケモンとかのパクリが多いなぁと思っていたけど、子どもの中にもそれを問題視している子がいて。妖怪ウォッチ派と、ポケモン派に分かれるのは面白かった。
書けてないのは、特別展解説書の原稿。締切は3月末と宣言してたのにおかしい。それでも4月末には書けているはずがおかしい。まあでも、例年の締切は5月末だから。と思っていたのに、5月末になっても書けてない。おかしい。これでは例年通り、6月末になってもまだ書いている恐れがある。
そんな中ではあるけど、他のことも含めて、4月をまとめておこう。
まずはルーティンのため池調査、大和川調査、播磨灘調査は無事完了。カモ類やカモメ類はあまりいなくなったので、調査はらくちん。代わりにシギチドリ類が少し出てきて、微妙にたのしい。
都市の自然の特別展に向けてのラストスパートでは、ムクドリ・イソヒヨドリ・ハッカチョウの調査が本格スタート。プロジェクトUと大阪鳥類研究グループでの研修が終わり、調査を開始している。ネコとムクドリの調査の両立は厳しいので、調査が繁殖期に限定されるムクドリ調査を先行させて、ネコは夏以降にがんばろうと密かに考えていたりする。
と言いながら、ゴールデンウィークは小豆島合宿で盛り上がり、なぜか気分は瀬戸内海。瀬戸内海の調査したいなぁと思ったりしてる。
で、夏の都市の自然展。展示は解説書があがってからなので、まださーっぱり。これも例年並み。でも、なんだかんだでプレス発表はでき、ポスター/チラシのデザインもできてきた。もう後戻りはできない。大阪市の中央図書館での展示が始まり、末には講演会も担当した。保全協会やら、門真市民プラザやら、なぜか外部向けての話をする機会が多い。
大物の標本処理は、一休み。ホニュ本は、他の執筆者からの改訂稿待ちをいいことに放置せざるを得ない。
今日は、松原市から堺市北東部のため池を自転車で巡った。必然的に、田んぼを見て回る事になる。松原市の田んぼは、昨日今日に水を入れたらしい。堺市北東部、少なくとも中百舌鳥町辺りは、6月4日に水を入れる。と、おっちゃんが教えてくれた。
田んぼに水が入るからか解らないが、カルガモの動きが活発化しているような気がする。一方で、すでにヒナを連れているカルガモも3つの池で見かけた。田んぼに水が入る前に繁殖するか、水が入ってから繁殖するか。カルガモにとっては重大な問題じゃないのかな?
ケリにとっては、別の意味で田んぼにいつ水が入るかが重要。
昨年9月から播磨灘岸の水鳥調査をしてるんだけど、わずか9ヶ月ほどの間に、空き地にみるみる太陽光発電のパネルが並んでいく。特に兵庫県、特に赤穂市。
時間とともに、ここにも何かしらの生態系が成立するだろう。今後も太陽光発電のパネルが並んでいくなら、太陽光発電地生態系は無視できないものになっていくだろう。
この繁殖期は、ムクドリ、イソヒヨドリ、ハッカチョウの繁殖分布を調べ中。ここまでに集まった情報で大阪府内の分布図を作ってみた。
https://www.omnh.jp/wada/Breed/HakkaIsopiMuku.html
ハッカチョウは、まだ分布は限られているらしい。実質、情報が集まったのは3地域だけ。
ムクドリは、平地から丘陵の市街地周辺に広く分布しているようだけど、あまりに普通種なせいか、なかなか情報が集まらない。北摂や泉南にはおらんのか!
で、イソヒヨドリ。海岸から山際にかけて広く分布している様子。和泉市南部にホットスポットのように分布が密集しているのだけど、これはやたらとイソヒヨドリを見つけてくれる人がいるからなのか、実際この辺りに多いのかは不明。ただ、岸和田市や貝塚市の山際にも分布しているし、八尾市の山際にも多い。山際沿いに広く分布している気もする。これまた、北摂の情報が少ないのが謎。ってゆうか、情報提供がまだ少ないからっぽい。
ともかく、目の前に1999年の大阪府のイソヒヨドリの分布が、泉北から泉南にかけての海岸部と、久米田池、河内長野駅、摂津市、豊能町光風台にしか分布していなかったのに比べると、隔世の感がある。
というわけで、引き続き情報募集中! ハッカチョウやイソヒヨドリ(こちらは姿だけでOK)、そしてムクドリの繁殖を見つけたら(巣らしき場所に出入り、餌を運ぶ、ヒナの声がする、巣立ちビナを連れてる等)、ぜひお知らせを。
昨日は、ホネホネ団鳥の日。いろんな鳥の皮剥きをした。面白いことに、サシバ、オオセグロカモメ、シロエリオオハムからハジラミが採れた。
ホネの標本を作る人が、せっかくなので可能な範囲で皮も残したいと思ったらしい。で、今日は、そのおつきあい。基本的には仮剥製作るのと同じなのだけど、ホネはすべて確保しないといけないので、少し違いがある。
1:脚はできるだけ皮を剥いて、一番先で皮を切って、脚を取り外す。大型の鳥なら脚の皮を剥いて皮側に残すという技もあるだろうけど、小さい鳥では断念。
2:尾椎は、先まで確保しないといけないので、途中で切らずに尾端骨まで剥いてしまう。尾羽が落ちたら残念というしかない。
3:翼は先端まで裏返せないので、翼の下側を切り開いて、先端までホネを確保。
4:頭は嘴の根元まで剥いて、皮を切る。
1をするなら、ホネについてる肉取りはしなくていいのでかえって楽ちん。
2は、尾羽をバラさずに尾端骨をはずすのはちょっと面倒。ただ尾の付け根の皮脂腺を取り除く手間はかからない。
3は、かなり面倒。とくに初列風切はホネにしっかり付いてるから。風切羽や小翼羽が取れないように要注意。
4は、簡単。ただ、仕上がりが可愛くない。これまた嘴の皮を確保してあとから引っ付けるという技がある。頭骨をホネにする過程で、嘴の皮はポロッと取れるから、確保する自体は簡単。それっぽく引っ付けられれば、いいだけな気がする。
脚がなくて、嘴がないけど、一応皮は一通り確保できるから、仮剥製っぽい標本としては、別に構わない。
逆に、ホネをすべて確保するので、ホネと一緒に先端部の肉はすべて取り外すことになる。ってことは、皮を簡単に洗えるってこと。かえって綺麗な皮にできるっていうか、皮を汚すのを気にせず剥けるという利点がありそう。
でもやっぱり、嘴だけはなんとかした方が、見栄えがだいぶ違うなぁ。
四国香川県のとある漁港で海鳥を調査していて、ふと漁港の東の浜から異様な臭い。見に行くと、赤黒くなって、腐ってパンパンに膨らんだスナメリの死体。さて、どうしよう?
充分小さければ、何とかして持って帰ったと思う。大きなビニール袋やブルーシートを買ってきて。逆に大きすぎたら、別にトラックを仕立てて、メンバー集めて回収に来たと思う。でも、大きさは微妙。2mくらい。スナメリとしては大きいが、しょせんスナメリ。改めてトラックを仕立てるほどではなく、かといって軽自動車に丸ごと載せるのは微妙。
近くに文房具屋かコンビニでもあれば、大きなビニール袋とカッターナイフを買ってきて、解体してもよかったかもしれない。でも、辺りにはあまり店がない。
そして、何よりこの場所は毎月調査に来る場所。来月処理したらいいんじゃ? 来月なら、解体しなくても、勝手にホネになってるかもしれないし!
というわけで、波打ち際に落ちていた死体を、同じく波打ち際に落ちていたシートで包んで、陸側へ。防波堤の際にそっと置いておいた。海が荒れても持って行かれないように。浜に遊びに来た人に見つからないように。
こんなに腐って臭うほどになっても、みんな放置している浜。あまり人は来ないんだろう。あるいは気付いても持っていく人はいないんだろう。6月ならまだ海水浴も始まってないだろうし、来月まで無事に放置されていますように。できれば、かなりホネになっていますように。
というわけで、次回は、大きなビニール袋とブルーシートを準備して、手袋とカッターナイフも忘れずに。運が良ければ白いホネを拾って、袋に入れるだけだけど。
カモメ類はほとんどいない。ウミネコ数羽とユリカモメ1羽だけ。たいていカワウとアオサギを探して数えるだけ。コアジサシは思ったほど飛んでない。コチドリとキアシシギは、河口ごとにいる感じ。広い砂浜には、シロチドリもいた。警戒しまくってる様子から、近くに巣がありそう。
ハシボソミズナギドリやアカエリヒレアシシギを期待しては、沖合いを見るが、全然いない。
漁港には、けっこうコシアカツバメが見られる。大阪湾岸では古巣しかなかったが、播磨灘岸では健在。イワツバメは、姫路の河口の橋の下で繁殖してるのを確認したが、淡路島ではいっさい見かけず。
最後に鳴門海峡で、海上の鳥の観察。これまたハシボソミズナギドリやアカエリヒレアシシギを期待してたんだけど、さーっぱり。カモメ類すらいなくなってるので、カワウが行ったり来たりするのを見てるだけ。とても眠たい。
ここ2年ほどで、大阪府でのハッカチョウ情報が格段に増えた。急激に大阪府内に拡がってる予感。で、今年はハッカチョウ情報をがんばって集め中。いま状況を押さえれば、大阪府でのハッカチョウの分布拡大プロセスが押さえれるんじゃないか、という目論見。
で、とりあえず昨年までに記録されている場所をチェックするのが第一歩。過去10年ほどでハッカチョウが記録された場所は以下のとおり。
1:大阪市東淀川区柴島〜淀川区十三の淀川右岸
2005年に長柄橋で繁殖が確認されて以来、ずっと確認されている大阪のハッカチョウのメッカ。今年も観察に行ったらあっさり見れた。
2:堺市:大泉緑地公園
3:泉佐野市羽倉崎
4:岸和田市春木:岸和田中央公園
5:阪南市:南海箱作駅近く
6:泉大津市:汐見埋立地
この5ヶ所は、2007年から2008年に記録があるが、その後は確認されていない。
7:大阪市東住吉区矢田〜公園南矢田
要は自然史博物館の南。2011年以降、繁殖を継続している様子。
8:大阪市生野区巽南3-2
9:門真市北島
10:門真市宮野町
11:東大阪市:新石切駅
12:交野市:郡津駅
13:交野市:交野駅の西側
14:田尻町:田尻漁港
15:摂津市三島:安威川右岸
16:吹田市南正雀:安威川左岸ポンプ場
以上9ヶ所派、2012年と2013年に記録あり。
この他にも、豊中市の服部緑地だとか、泉佐野市のりんくう公園に未確認情報あり。田尻町から泉南市辺りの海岸では普通に見られる!と言われた事もあるけど、何度行っても確認出来ず。
ともかく、少なくとも過去に記録のある場所はチェックしなくっちゃ。というわけで、昨日、門真市での観察会のついでに門真市北島・宮野町、交野市郡津駅・交野駅に寄ってハッカチョウを探してみた。結果は、交野駅の西側でのみハッカチョウを確認。他の3ヶ所、とくに門真市北島はかなり探したのに見つからず。もういないのかなぁ。
長居公園にはまだキビタキやセンダイムシクイがいる。ちょっと遅いんじゃなかろうか? それも囀ってるからオスなんだろう。めっちゃ遅いんじゃなかろうか? オスはメスと早く繁殖地について、なわばりを確保して、メスに来てもらう。早くいかないといいなわばりは持てない、いいなわばりじゃないとメスが来てくれない、メスが来てくれないと繁殖できない。のんびり渡ってると、繁殖期を1回棒に振ることになる。さほど寿命の長くない小鳥にとって、1年を棒に振るのは洒落ならないコストのはず。どうなってるんだろう?
などと、つぶやいてたら、長居公園で繁殖するんじゃないの? と言われた。確かに可能性を否定できない2種ではある。そうだとしたら、大発見だなぁ。まあ、長居公園で繁殖しなくても、長居公園にほど近い山や丘陵の林で繁殖するのなら、多少のんびりは許されそう。
少なくともキビタキは、過去10年ほどの間に大阪府での繁殖個体が増えている。ということは、渡りののんびり具合もアップしてるのかもしれない。渡りのゴールの変化によって、中継地で観察されるタイミングが変わる。渡りの中継地での観察から、そんなことも分かるのかもと思った。
2012年、関西の駅のツバメ調査を行った。この時の調査は、駅舎にツバメの巣があるかを探すもの。とても盛り上がったあの調査をもう一度。という訳でもないのだけど、再び駅の鳥調査を試してみた。今度の調査は、駅のホームから確認出来る鳥を記録するもの。駅のツバメ調査とは似ていて非なる調査。
まあ、本当の狙いは、ムクドリ探し。駅からムクドリの繁殖が簡単に確認出来れば、ムクドリの分布調査は楽勝。と思ったんだけどね…。
調査はJR東海道線。高槻駅から大阪駅まで。スタート駅の高槻駅と、ゴール駅の大阪駅は、少しイレギュラー。基本は、駅についたら、次の各駅停車が車での間に、ホームを端から端まで歩いて、鳥を探す。駅構内だけでなく、ホームから見える範囲なら、構わない。といってもせいぜい50m程度の距離まで。
で、記録出来た鳥は、以下のとおり。
・高槻駅(14:33-14:38):ドバト
・摂津富田駅(14:41-14:50):ツバメ、ムクドリ、スズメ
・茨木駅(14:54-15:00):ハシブトガラス、スズメ
・千里丘駅(15:03-15:12):スズメ
・岸辺駅(15:14-15:20):ドバト、ハシボソガラス、スズメ
・吹田駅(15:23-15:32):ハシブトガラス、スズメ
・東淀川駅(15:35-15:41):ドバト、ハシボソガラス、ヒヨドリ、スズメ
・新大阪駅(15:43-15:52):ドバト、スズメ
・大阪駅(15:55-15:59):なし
何が明らかになったかと言えば、一番普通の鳥はスズメ。そして、意外とムクドリは少ない…。
今日もハッカチョウの観察会。今日はサークルなので、少し手間取って見つかるくらいでいいだろうと、明石港周辺コースを設定。とにかく、明石港の周辺をぐるっと回って、それで見つからなければ明石川河口まで行って、それでも見つからなければ林崎漁港まで行くとしよう。と、なかなか見つからない場合の計画は綿密に企画していたのだが、最初に見れた場合の対応を考えてなかった…。
とりあえず明石港に到着。すぐに遠くからハッカチョウの声がする。あ、あそこだ。というわけで、行ってみると、あっさりハッカチョウを発見。やっぱりムクドリと近くで一緒に営巣している。ハッカチョウをじっくり観察して、ムクドリとも見比べて、またしても、やることがなくなった。
ハッカチョウがなかなか見つからない場合のコースを歩いても仕方がない。この季節の明石川はなんにもいない。やむをえず、明石公園へ向かう。なんか渡りの鳥がいるかも。行く途中、数週間前ヤツガシラが出たとか、アオバズクが来てるとかの情報を入手。とりあえず、ヤツガシラが出た場所に行こう。もういないだろうけど。
予想通りヤツガシラはいなかったけど、アオバズクがいる場所を、地元の方に詳しく教えてもらえた。ってことで、アオバズクを見に行く。巣箱がかかった木のすぐ側に眠そうなのが1羽。さらに池をまわって帰ってくる途中、アオサギの繁殖地を発見。というわけで、アオバズクの観察会は無事終了。
ハッカチョウの観察会は、どうせすぐ終わる。近場で、2時間行程程度で組むのが吉っぽい。
一般向け観察会なので、確実にハッカチョウがすぐ見れる場所。それでいて、他の鳥も楽しげな場所。ということで、淀川柴島〜十三コースを設定。長柄橋でハッカチョウが営巣している場所はだいたい分かってるので、ハッカチョウははずさない。と思って、その通りだったけど、それがかえって徒となるとは…。
ハッカチョウはすぐ見れるのは予想できた。で、時間潰しに市街地で繁殖する鳥を少しでも見なくっちゃ。というわけで、駅で集合している時から、辺りをキョロキョロ。かつて駅舎でツバメが営巣していたらしい跡、周囲の電柱に潜り込んで営巣しているスズメ、そのスズメを排除しようとして設置されているらしいフタ、駅舎の屋根裏に潜り込むムクドリ。などを見つけて、出発前に説明。淀川に向かいながらも、ドバトでわざわざ立ち止まる。
が、しかし、努力もむなしく、淀川についたらすぐにハッカチョウがいる。ムクドリと比べるという企画なのだけど、ムクドリも並んでる。とりあえずハッカチョウについて仕込んでるネタを話す。写真組がかっこいいのを撮影しようとしてるのを見守る。でも、あっさり限界。もうハッカチョウ観察会は事実上終了。
仕方がなく、なんとなくの河川敷の鳥の観察会に変更。オオヨシキリやセッカが囀っているのを観察。干潟では思いのほかまだ見られるシギ類を観察。キアシシギが多い。はるかかなたの対岸にはオオソリハシシギまでいる。こんなことなら望遠鏡を持ってくるべきだった。まとめっぽい解説している時には、チョウゲンボウまで飛んだ。
というわけで、淀川河川敷の鳥の観察会は、無事終了。
と、募集をかけたら、イソヒヨドリの情報ばかり集まる。それはそれで嬉しいけど、ハッカチョウやムクドリの情報も欲しい。ハッカチョウはまだ少ないからかと思うけど、ムクドリはあまりに普通種だから情報をくれないに違いない。というわけで、2014年3月1日〜5月9日までに集まった大阪府内のムクドリとイソヒヨドリ情報を下にリストアップしておく。これ以外の情報はすべて大歓迎。
ただし、
・ムクドリは、繁殖情報に限定。巣材やエサを運んでる、巣穴(らしき場所)に出入りしている、ヒナの声がする、巣立ちビナを連れてる。といった情報が欲しい。そして大阪府限定。
・一方、イソヒヨドリとハッカチョウは、大阪府に限らず関西一円の情報を集めている。繁殖情報に限らず姿を確認したら、即報告が欲しい。
以下は、市区町村名+メッシュコードでソートしてある。見てもらえば分かるように、まるで大阪ではムクドリよりイソヒヨドリが多いかのような結果になってる。もっとムクドリの情報を!
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大阪府のムクドリ繁殖情報2014
2014.4.30、大阪市住吉区長居東4丁目、51357421
2014.4.9、大阪市鶴見区環境学習センター、52350456
2014.5.6、大阪市鶴見区咲くやこの花館、52350446
2014.4.2、大阪市東淀川区相川2丁目、52351403
<観察日、観察場所、環境省の三次メッシュコードの順で示す>
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大阪府のイソヒヨドリ情報2014
2014.5.6、泉佐野市土丸、51354238
2014.5.6、泉佐野市日根野、51354266
2014.5.5、泉佐野市:りんくう総合医療センター 、51354294
2014.5.4、和泉市:理容いさか付近、51355319
2014.5.8、和泉市:和泉青葉台バス停付近、51355327
2014.5.8、和泉市:平井バス停付近、51355328
2014.4.5、大阪市浪速区難波中2-5、51357480
2014.4.27、貝塚市木積、51354371
2014.4.15、門真市沖町30、52350478
2014.3.23、河内長野市:千早口駅、51354477
2014.3.23、河内長野市:天見駅、51354497
2014.5.3、河内長野市南花台5丁目、51355404
2014.5.6、熊取町:永楽ダム、51354330
2014.3.21、堺市堺区向陵東町3丁、51356460
2014.5.8、堺市西区:福泉郵便局前 、51356317
2014.5.8、堺市南区:和泉自動車検査登録事務所前、51355387
2014.5.4、堺市美原区:中央菱和自動車販売、 51356454
2014.4.13、泉南市:岡田浦漁港、51354262
2014.5.1、高石市高師浜2-12、51356334
2014.5.3、高石市高師浜2-5-27、51356334
2014.5.7、高石市羽衣4-13、51356335
2014.4.13、田尻町:吉見ノ里駅前、51354263
2014.5.3、豊中市桜の町7丁目、52351367
2014.4.20、豊能町:高山交差点 、52352369
2014.4.9、富田林市:近鉄貴志駅、51356428
2014.5.8、羽曳野市:峰塚中学校、51356458
2014.4.13、阪南市:尾崎港の南、51354139
2014.4.13、阪南市:尾崎港〜男里川河口、51354149
2014.4.3、藤井寺市野中4丁目、51356467
2014.3.3、藤井寺市:近鉄南大阪線藤井寺駅北側、51356487
2014.4.23、松原市:東大海池、51356495
2014.4.25、松原市天美西、51357402
2014.3.16、岬町:深日漁港 、51353181
2014.3.23、八尾市:近鉄大阪線恩智駅前、51357530
2014.5.1、八尾市:大阪経済法科大学付近、51357561
2014.5.5、八尾市山本町3-7、51357459
2014.5.7、八尾市:近鉄大阪線河内山本駅前のビル、51357459
2014.4.26、八尾市:来迎寺墓地 、51357542
<観察日、観察場所、環境省の三次メッシュコードの順で示す>
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昨日は、珍しく熱を出して、一日寝ていた。暇なのでテレビを見ていたら、緑色なのにどうして青信号ていうのを説明していた。日本語研究の大学の先生が出てきて、日本には古来、白、黒、赤、青の4色しかなかったと説明していた。そして明るい赤に対して、明るくない色はすべて青だったという。実例もいっぱいあがっていて、とても説得力があった。
ちなみに灰色も、明るくないので、青に含まれていたという。灰色の大きなサギがアオサギと呼ばれるのも納得。緑色なのに、アオカナヘビと言うのも納得。観察会で生き物の説明をしてると、名前の語源をよく訊ねられるので、この情報は役に立つ。
ちなみに中国語では、オオタカを蒼鷹と書く。灰色いけど、あまり青味はないのになぁ。と思っていたが、中国でも古来、色は4色しかなかったとしたら納得できる。どうなんだろう?
今日は、中高生と一緒に、箕面公園のイモムシの国に行ってきた。なかなかの迫力。とても楽しい。
とにかく、上からどんどんイモムシが落ちてくる。落ちたイモムシは、手近な何かに登るらしい。道ばたの柵の上は、イモムシでごった返している。一番高いところには、こんもりとイモムシの山。柔らかくて、フワフワしていて、とても触り心地がいい。そっと触って楽しむといいだろう。うかつにギュッとさわると、つぶれて汁が飛び出すので、汁好きでなければ注意した方がいいだろう。
同じ理由で、うかつに何かに持たれたり、何かに座ったりするのも要注意。服を染めたいのであれば別だが、そうでなければ持たれたり座ったりする前に、その場所を注意深く吟味した方がいいだろう。
銅像やモニュメントがあると、イモムシ柄になってるので、この季節超オススメ。この季節にしか撮れない、斬新な記念写真が撮れる。
というわけで、イモムシ好きには天国、イモムシ嫌いには地獄なイベントは、今月後半までやってるらしい。虫好きは是非お越しを。
小豆島って、オリーブの島かと思ってたんだけど、それだけじゃなかった。醤油、佃煮、素麺、饂飩。どうやらスモモも。そして廃墟ってか‥。
到着して最初に喰ったのは饂飩。香川県だからなんだろう。四国側での小豆島の案内を見ると、むしろ素麺の島なんだけど。バスから外を見てると、辺りを歩き回っていると、気になるのは、佃煮ソフトに醤油ソフト。とにかくご当地名物でご当地アイスを作るのが流行らしい。食べた人の話によると、醤油ソフトは、塩キャラメルソフトみたいな味らしい。じゃあ佃煮ソフトは、塩キャラメルに昆布を混ぜた感じ? 佃煮ソフトを食べ損なったのが、なにより悔やまれる。
寒霞渓の上では、オリーブソフトを食べた。これは美味しい。もっとあちこちで市販して欲しい味。オリーブソフトの一番のネックは、ソフトを売ってるお姉さんの処理速度の遅さ。長蛇の列ができてるっていうのに、チンタラと作業してくれて、集合時間に間に合わないかと思った。
一方、とある道の駅で食べたスモモソフト。味は普通。何に驚いたかというと、売ってるお姉さんの処理速度の速さ。頼んだら速効で出てきて驚いた。オリーブソフトが、小豆島スタンダードではなかったらしい。
集合、解散の地、坂手港の周りには、廃墟と化したホテルがいっぱいあった。入口が開いていて、中をのぞきに行った人もいたらしい。他の場所でも、けっこう廃墟と化した建物が目についた。というか、気付いてなかったのだけど、にわか廃墟マニアさんが次々と見つけて教えてくれる。言われて気付けば廃墟だらけ。その筋では、有名らしい。
というわけで、狭い島の中に名物が盛り沢山の小豆島であった。オリーブ以外の名物ももっと売り込めばいいのに。とくに売ればいいのにと思ったのは、醤油。いくつも醤油つくってるところがある。道の駅ではいろんな所のが小瓶で売ってる。それはいいんだけど、これだけあると、味比べがしたい。すべてのメーカーのさらに小さい小瓶をセットにして、小豆島醤油味比べセットとして売ってくれれば、買ったのに。ってか間違い無くお土産に売れるし。あるいは、道の駅には醤油の味比べができるバーがあればええねん。そして、お気に入りメーカーのを買える。工夫はいくらでもあるはず。小豆島の醤油製造のみなさんの、これからの工夫に期待。
小豆島で山と言えば寒霞渓。からの星ヶ城山。今日は、小豆島の山の鳥を探しに行った。よく囀っていたのは、センダイムシクイとメジロ。そして、ヤブサメ、ウグイス、オオルリ、キビタキ。エナガ、ヤマガラ、シジュウカラもいる。上空を飛びながら、両翼を頭の上で叩いていたのは、ハチクマらしい。
ヒヨドリもいるけど、密度は低い。ハシブトガラスの姿もあまりない。大阪の低山の山に似てるけど、主力のヒヨドリとハシブトガラスがいないのは、意外な感じ。充分な移動力がありそうな鳥だけど、本州や四国からこんなに近い瀬戸内海の島なのに、島の生物相は何かしら欠けるものが出るんだなぁ。
そもそも小豆島には、あまり”都市”がない、といえば”都市”がない。それでも草壁港周辺はそこそこ”都市”だし、各港や集落も何かしら市街地にはなってる。どこでも必ずいるのは、ツバメとスズメ。この2種は多い。他にはイソヒヨドリとハシボソガラスもけっこう目につく。でも、他はあまり鳥がいない。港近くにはトビは飛んでる。ハクセキレイとセグロセキレイ、キジバトはときどき見かける。ムクドリは草壁港周辺では見かけたけど、ほかではまったく見なかった。ドバトも限られた場所でのみ数羽見た程度。とても少ない。
驚いたことに、ヒヨドリがいない。少なくとも市街地にはまったくいないと言っていい感じ。ハシブトガラスも市街地周辺ではさっぱり見かけない。
山林と市街地が接近しているので、シジュウカラやメジロのような鳥については、市街地に進出してるんだかしてないんだかよくわからない。同じように、街中でウグイスやホオジロの声が聞こえてくるけど、鳴いてるのは山の林や農耕地周辺のようではある。
スズメとツバメ、ハシボソガラス。小豆島の都市鳥は、1960年代の大阪の都市鳥に似てる気がする。
想定外の予算が確保され、思いがけずホネホネサミットの開催が決定した。なぜか忙しい年に限って、予算が取れるという黄金パターンが出来ているように思う。とにかく、10月の連休は、第3回ホネホネサミット開催決定なのだ。やる以上は、今まで以上に盛り上げたいな。
というのが、この4月の一番大きな事態ではあるが、他のことも含めて、4月をまとめておこう。
まずはルーティンのため池調査、大和川調査、播磨灘調査は無事完了。冬鳥が減って、随分楽になってくるかと思いきや、カモ類は減ったけど、カモメ類はあまり減らず。播磨灘のカモメとユリカモメは、むしろ3月より増えた感じ。カラスの巣調査は、4月上旬まで頑張ったが、例によって後半は脱力。再度盛り返す必要がある。
4月は、観察会が盛り沢山。ジュニア自然史クラブにはじまって、鳥の調査の勉強会、ネコの観察会、友の会春祭り、植物園案内。はじめてのBWが雨天中止になったのは残念だったけど、一息つけたというのも実情。
4月から、都市の自然調査プロジェクトの最後の追い込み調査がスタート。ネコの尻尾調査と、ムクドリ・イソヒヨドリ・ハッカチョウの繁殖分布調査。ネコ調査は、今年いっぱいかける予定なので、あせらなくて大丈夫。特別展が始まってからもデータ追加が可能な形を目指そう。ムクドリ・イソヒヨドリ・ハッカチョウの調査は、7月までが勝負なので頑張らないと。少なくとも大阪府は面で押さえたいので。でも本格稼働は、5月からにしよっと。
サイの皮はほぼ乾かし終わった。ラクダ皮とキリン皮は、冷凍室に放り込んでみた。ライオンのホネを洗った。標本の片付けは割と順調。を思わぬ場所から、クジラヒゲを発掘して乾かし中。
夏の都市の自然展は、大阪市の図書館での巡業がスタート。プレス原稿も完成。ポスター・チラシの手配もできた。解説書の原稿は4月末を目処に締め切りのはずが、依頼した外部の人の原稿はそろったのに、内部の原稿がまだ揃わない。5月中旬には編集を始めるから!と宣言。ちなみに自分のパートもまだ全然書けてない。
3月にテキストが、何となく形になってきたホニュ本。今月はまったく時間をさけず。他の執筆者に4月末を目処に、改訂依頼をしたら、8人中、4人から改訂稿が帰ってきた。特別展解説書が一段落したら、戻ってこよう。
昨日は、鳥剥きの日。生まれて初めてオオハムを剥いた。ちょうどシロエリオオハムもあったので、大きさを比べてみる。圧倒的にオオハムが大きい。ってゆうか、大小が激しく、どちらも受け口ではないから、大きい方がオオハムで、小さい方がシロエリオオハムかなぁ。という先入観を持ちつつ、特徴をチェック。なるほどその通り。
喉の所の線はシロエリオオハムだけにある。下腹の帯は両方にあるが、オオハムの方が太くて濃い。そして最近の図鑑に載っている識別ポイント。後ろの方の脇腹、脚の付け根辺りの白斑は、オオハムだけにある。ただ、この部位って翼で隠されることがあるんじゃないかと思うんだけど…。
とひとしきり、オオハムで楽しんだ後は、頭蓋の凹みが気になる。とくに塩腺。昨日処理していた海鳥は、オオハム、ウミネコ・オオセグロカモメ、カワウ。
カモメ類の塩腺は目の上に、眼 にほとんど接してある。カモ類とあまり変わらない感じ。嘴は長いけど、嘴を動かすための筋肉を付ける凹みは見あたらない。
一方、オオハムの塩腺は、目の上にあるけど、目との間に堤があって、三日月形の凹みの中に入ってる。そして、嘴を動かすための筋肉が付く溝が、後頭の方にある。
そして最後はカワウ。嘴を動かすための筋肉が付く溝は、後頭にある。めっちゃしっかりある。眼の上には塩腺がはまる凹みは見あたらない。そもそも濾した塩を排出する鼻孔が見あたらない…。カワウの塩腺はどこにあって、どこから排出するんだろう? カワウの頭蓋でもう一つ不思議なのは、眼窩の後ろの窩。なんか分からんけど、まるで哺乳類のように眼の後ろにも窩があるように見える。でも、下顎を動かす筋肉はさらに後ろに付いてるし。なんだろう?この窩?
昨日の活動報告会は、余興の昔のフィルムが衝撃的過ぎて、肝心の報告会の意義を考えるのを忘れてた。
余興前の活動報告会は、講堂で粛々と進められた。
第1部は、博物館からの報告。いま博物館で一番ホットな話題ということで、とりあえず独立行政法人化の話。内輪は知ってるけど、友の会会員には知らない人も多いだろう。続いて博物館のミッションの話。独立行政法人化のプロセスで、これが一番重要な根本。で、もう一つ何か話題提供をという話になって、ちょうどこの4月に改訂作業が終わった大阪府レッドリストの話。これを担当した。ここまでが博物館の今後に関わる重大事件なのに、レッドリスト改訂は、ちょっと小粒な話題。昨年夏の特別展でも、バードフェスでもよかったけど、なぜかレッドリスト改訂。会場にはレッドリストってなに?って人もいて、少し話にくい。
第2部は、大阪自然史センターからの報告。友の会を母体としたNPOなので、博物館とは双子のようなもの。なので、一緒に活動報告会。なにより活動報告は、センターの方が楽しい。博物館や動物園、東北で展開している子どもワークショップの話、オリジナルグッズの話、生きもの飼ったり、博物館の指定管理をしたり。
そして第3部。今年は自然史博物館と植物園が長居公園にできて40周年という中途半端な記念の年。で、長居での40周年ということで学芸員OBが3人登壇して、昔話。博物館と植物園ができたときの話が、よかったらしい。博物館好きの中には涙ぐんでいた人多数。と後から聞いた。こちらは余興の準備や、時間調整ばかりに気が行っていて、さっぱり聞いてない。
とまあ、こんな感じで、無事に第1回の活動報告会は終了。自然史博物館も自然史センターも、これから多くの人のサポートが必要な事態が多々出てくるはず。サポートしてくれた人に、これからサポートしてくれそうな人に、博物館やセンターの活動を報告するのが、活動報告会の本来の趣旨。
今年は40周年に引っかけたけど、次は10年後の50周年の時に。ってことではなく、毎年開催したい。とりあえず来年は、博物館友の会の50周年だからしい。来年はそれに引っかけるとしよう。その後は何にも引っかからないけど、そのまま毎年続けたいところ。報告内容も、毎年こんなに大層にはせず、軽くやっていった方がいいかも。でも対談めいた企画と、余興は盛り込んだ方がいいかもね。
こんなことにならないように、常日頃から写真に撮られることは避け、ビデオカメラが回っていたら隠れ、近くからレンズを向けられたら、ぶれるように急速運動を開始。と、注意しているのだけど、どうしても避けられないこともある。
というわけで、今日は17年前の自分の姿を見せられてしまった。あまつさえ、多くの人の前で晒されてしまった。17年前の自分は、今と同じく格好悪い。あー、見たくなかった。
なにより一番驚いたのは、17年前の自分の服装。Tシャツの上に、長袖シャツ。今日と同じ。そして、何が同じって、その長袖シャツ。まさにそのシャツを昨日着てたし…。なんて物持ちがいいんだ。と思った。そして1日ずれたら、17年前を完全に再現してしまうところだった。危なかった。
メガネは変わってた。でも、髪型は同じ。いろんな意味で、17年間変わらない自分を確認したとも言える。お肌の張りが減ったと、子どもに言われてしまったが…。
こんなことを避ける一番の方法は、撮影する側に回ることであるということを痛感した夕べであった。
4月最後の10日間の間に、地元の植物園で鳥の観察会が4回。この季節の観察テーマは、春の渡り鳥と公園で繁殖する鳥。同じ10日間の間に、市街地のもっぱら公園で繁殖する鳥の話を2回。ホームに持ちネタ。さほど準備しなくても、いっぱいしゃべれる。で、せっかくなので、機会あるごとに、今年の繁殖期の調査テーマを宣伝する。
都市の自然の特別展に向けて、最後の鳥の調査は、ムクドリ・イソヒヨドリ・ハッカチョウの繁殖分布調査。ぜひ協力を!
というわけで、情報募集を下に付けておこう。
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■ハッカチョウ・イソヒヨドリ・ムクドリ情報募集
かつて大阪府のムクドリの分布は局地的で、どこにでもいるようになったのは1980年頃です。1990年代後半、イソヒヨドリが内陸に進出し始めました。そして2003年以降、大阪府でハッカチョウが繁殖を始めました。この3種は、いずれも街中で暮らし、果実や虫を食べ、人工的な穴で営巣します。とても似た生態を持つこの3種が、今後、街の中でどんな三つ巴の関係になるのか、とても興味深いテーマです。そこで、ハッカチョウが分布を拡大しつつある今の分布状況を調べておきたいと思います。
調査期間:2014年4月〜7月
調査域:大阪府、及びその周辺府県
調査方法:ハッカチョウ・イソヒヨドリは姿を見つけたら、ムクドリは繁殖を見つけたら、次の記録項目を記録して、和田(wadat@omnh.jp)まで報告してください。
記録項目:種名、観察日、観察場所(所番地まで詳しく)、観察者名、繁殖関連行動(巣とおぼしき穴への出入り、巣材や餌を運ぶ、巣立ちビナを連れる、囀る)。
その他:ムクドリはとても多く集団で繁殖するので、環境省の三次メッシュ(1/2万5千地形図を10×10に分割)ごとに1ヶ所程度の報告で充分です。
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4月も下旬になると、カモは激減。でも少しは残ってる。ホシハジロやオナガガモは、とっくにおらず、オカヨシガモも見当たらない。ハシビロガモもほとんどいない。一方、ヒドリガモやコガモはそこそこ見かける。キンクロハジロもそこそこ残ってるのが意外。ヨシガモはまだみんないるし。
つがい形成のタイミング、繁殖地の緯度、越冬地と繁殖地の距離などなど、渡りをいつ始めるかには、いくつかの要素が絡んでいそう。
大部分のカモは越冬地でつがいを形成するので、春の渡りはつがいが一緒。オスが先に渡るといった多くの小鳥に見られるパターンとは違うのが面白そうなところ。ただ、まだつがい形成ができていない個体は、少し話が違うかも。先に渡っていくとか…。
冬鳥の中でも、とくにカモがいつまで残ってるかを、真面目に考えてみれば、なんか面白いような気がする春。
謎は2つある。
・長い間分布域を変えていなかったのに、どうして、ある時突然分布が変わり始めたのか?
・日本各地で、同時多発的に市街地への進出がどうやって始まったのか?
言い換えると、「生息可能な市街地という環境をどうやって見つけたか?」という1つの疑問に言い換えられるのかもしれない。
ともかく、シジュウカラやコゲラは後者の疑問。イソヒヨドリやハッカチョウは前者の疑問。似てるけど、ちょっと違うように思う。ただ、後者には前者の要素もあるとも考えられる。
3年ぶりに地元公園の池のカメ調査をした。といっても、カメを7匹獲っただけだけど…。
7匹の内訳は、アカミミガメ6匹、クサガメ1匹。そしてすべてメス。オスは元から少ないけど、こうも偏るとは〜。カメの性比は温度条件の影響を受けるから、温暖化がどうしたとか言ってみたい気もする。
でも、7匹中4匹は標識付き。この池のカメは、15年ほど前から断続的に調査していて、捕まえたカメはすべて、大きさを測定して個体識別用の穴を開けて放している。10年も経った標識穴は、外側が欠けて、甲羅の縁の凹みになっているけど、標識があることは分かる。
昔からいるのだから、最近の地球温暖化云々ではない。もし今、カメの性比がメスに偏っているのなら、オスよりメスの生残率が高いってことだろう。
時間ができれば、来年辺り、久しぶりに真面目にカメ調査を再開してみたい。そしたら、再び池のカメの個体数を評価できる。性比が変わったかも明らかになるだろう。
雌雄や成幼が判断できる鳥を狙えば、渡りの期間中に、こまめに観察するだけで、渡りのパターンについて分かる事があるんじゃないかなぁ。
たとえば、通過鳥や越冬鳥について、毎日確認した性別と成幼を記録したら、どんな順番で渡っていくかが分かる。通過鳥だと、どこから渡ってきたか分からないから、渡る順番が渡りを始めた順番を示しているのか、越冬地の違いを示しているのかは分からない。越冬鳥だと、越冬地からどんな順番で渡りを始めるかが分かる。ただ、通過鳥が混じったりしてなければ。
日本が越冬地の南端に近い鳥であれば、通過鳥に惑わされず、渡り始める順番の議論ができそう。カモ類とかどうかなぁ?
渡りの季節に毎日のように小まめに記録して、データ量を増やすのが肝要かと。また年による違いを議論した方が、比較でできてグー。渡りのコース上の複数地点で同じように調査をすれば、さらにいろいろ分かるかも。
衛星追跡などの技を駆使できない小さい鳥。あるいは我々貧乏人は、こうした渡りの中継点での観察をもっと真面目に取り組んでもいいように思う。
漁港によくいる鳥の一つはアオサギ。アオサギはもちろん水揚げされる魚狙い。漁師さんはどう思ってるんだろう? ってことの一端を、この2日で垣間見ることができた。
昨日、兵庫県淡路市富島漁港。大きめのイカナゴを水揚げして、作業中。コンベアであげて、テン箱に入れていってるらしい。コンベアであげたてっぺんにアオサギが陣取って、上がってきたイカナゴをパクパク喰ってる。ふと見ると、そばの屋根の上に十数羽のアオサギが順番待ち。それを眺めてるおっちゃんが5〜6人。アオサギはイカナゴに群がらないのはなんでかな?と思っていたら、おっちゃんが説明してくれた。腹一杯になったら交代しよんねん、追い払っても無駄やねん。見物のおっちゃん達は、作業してるおっちゃんにアオサギが喰っとるで〜、と言いながら妙に楽しそう。誰もアオサギを追い払わない。訊ねたら、アオサギについて文句をいいそうだけど、実際には可愛がってるかのよう。
今日、香川県東かがわ市馬篠漁港。漁港の前に浮かぶ鍋島には、カワウとサギ類の繁殖コロニーができている様子。鍋島の鳥を数えてたら、漁師の爺ちゃんがやってきて、数年前からカワウとサギが鍋島で繁殖するようになって、漁港でも増えた。漁船が帰ってくるのを待ってて、魚を食べにきよる。と、ひとしきりボヤく。どうも県職員を思われるらしく、なんとかしたってや、的なことをひとしきりしゃべって、立ち去った。去り際に、でも可哀想やから追い払ったりしないけど、と付け加えて。これまた、文句を言いながら、追い払わず、まるで可愛がってるかのよう。
これって、話に聞いたことのある。農家のおばちゃんが、ニホンザルの群れを見守るの図に良く似てる。多少取られてももかまわんねんけど、一応文句は言ってみたい? 駆除はしてほしいの、してほしくないの? 県職員だったとしたら、どう対応したら良かったんだろう?
公園のネコの尻尾と毛並みの調査を、企画ってゆうか、開始してる。公園と並んでノネコが多い場所と言えば、漁港。考えてみれば、毎月播磨灘岸の漁港を巡ってる。漁港のネコの情報を取らない手はない。って事で、今日は淡路島の播磨灘岸の漁港のネコを探した。
今回は調査だけど、今までも調査にかかわらず、漁港のネコには注目してきた。主な目的は、呼び寄せて触ることだけなんだけど。餌をやったりはしないんだけど、触りたい。で、ネコを見つけるたびに、呼んでみる。近寄ってきたら、触れるか試してみる。これまでの約半年で、どこの漁港にどんな触れるネコがいるかは、だいたい知ってる。触れないけど、ネコがいたのも何となく覚えている。ネコの調査は楽勝〜。と思って始めたのだけど、そうは簡単じゃなかった。
一度でも会ったら、そこの漁港にネコがいると記憶しているのだけど、必ずしも毎回会ってる訳じゃないことをすっかり忘れていた。っていうか、だいたいいつでもいるネコが、今日に限っていない〜! ネコ調査はなかなか手強い。
ってことで、漁港のたびに、ネコを探していつもより多めにウロウロ。ネコを見つけたら、いつもより長めに観察。そして、記録。もうカモ類はあまりいない季節だけど、意外にカモメ類は数が残ってる。ふと気付くと、調査を終了しなくてはならない時間が迫ってる。なのに、まだ調査すべき漁港が4ヶ所! 大慌てで残りの調査をこなし、なんとか制限時間までに調査を終えることができた。
ネコ調査は楽しいだけに危険である。来月はもう少しスケジュール管理をしっかりしなくっちゃ。
今日は、表にある倉庫とトラックヤードとその周辺を片付ける日だったらしい。倉庫に自分関連の物はないはずやし。と、トラックヤードの順番になってから参戦と思っていたら、呼び出された。なぞの入れ物に入っているのは、なんやら有機溶剤系らしい。ホネの脱脂用ではないかとの疑い。心当たりはない!無実だ!と叫ぶ。とはいうものの、ホネホネ関係者が知らん間にやってるのかもしれない。それは否定しきれない。むしろありそう。というわけで、とりあえず引き取る。ってゆうか、ホネホネエリアに運ぶ。そこからは、発掘の嵐に巻き込まれ、いつの間にか臭い体になってしまった…。
まずは、死体が見つかる。午前に見つかったのはネコの死体。箱の中に入っていた。ネコが出れない訳がないので、たぶん死に場所として自分で選んだんじゃないかと思う。午後に見つかったのはイタチ。スキマで死んでいた。どちらも死んで随分経ってるようで、すっかりミイラ。というか大部分すでにホネになっていた。普通の人なら気持ち悪い〜、と捨てる所だが、ここは自然史博物館。ちょっと洗ったら骨格標本完成やん〜、と喜んで確保。
以前から、これはなんだろう?と思ってた箱の中の袋からは、ウミガメのホネを発見!そういえば、ここに置いたようなうっすらとした記憶があるような、ないような。とにかく、確保して洗う。すっかり腐っているので、洗えば骨格標本になりそうなのだが、こちらはミイラではなくドロドロ。そしてウミガメなのでメッチャ臭い。臭い〜、となりながらも、ここで諦めては何も片付かないので、頑張って洗う。草履履きで洗ったから、靴下まで、腐りウミガメ汁の犠牲に。
なんか分からんタンクの水の中からは、ヒゲクジラのヒゲを発見。どうやらホルマリンか何かに浸けていたのに、雨水が入って、水漬けに変わってしまってるらしい。一度ホルマリン固定されると、あとは水漬けでも腐らないらしい。もう一度水洗いした上で、干すことに。
というわけで、博物館の裏は(おそらく約10年振りに)とても片付いた。
泉南方面の河口干潟へ行った。昨年、9月までの3年間、毎月通った場所。そういえば毎回ネコを何匹も見たな。というわけで、鳥見のついでにネコの調査もすることにした。が、なぜか調査をしようと思うとネコがあまりいない。結局、ネコのデータは2匹分しか取れなかった。
ネコの調査は、曲がり尻尾・短い尻尾の頻度、毛色・模様の頻度を明らかにするのが目的。それはすなわち、その特徴を支配する遺伝子頻度につながる。関西中心にデータを集めて、15年ほど前に行われた先行研究と比較してみる予定。データは都道府県単位、市町村単位でまとめる。
調査方法は、ネコの尻尾、毛色・模様をマニュアルに従って記録してもらうだけ。ただ、
・いろんな場所で見つけたネコのデータを記録。
・公園単位で出会ったネコすべてのネコを記録(欠損項目があってもいいので、出会った全個体数が分かるように)。
の2種類。
尻尾の記録は簡単なんだけど、毛色・模様は研修を受けてないと少し難しいかも。とりあえず、マニュアルを載せておくので、調査に参加してみてください。分からないことがあれば、気軽に御相談下さい。とくに、特定地域の公園調査をしてみようって方は、調査前にお知らせください。
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ノラネコの尻尾、毛色・模様調査マニュアル
◆目的:曲がり尻尾・短い尻尾の頻度、毛色・模様の頻度を明らかにする。すなわち、その特徴を支配する遺伝子の頻度を明らかにする。15年ほど前に行われた先行研究との比較を予定。
◆調査期間:2014年4月〜2014年12月
◆調査域:どこでも可。ただし関西中心。とくに大阪府は全市町村の状況を把握する。公園調査(下記)は、大阪府でのみ実施。
◆調査対象:ノラネコ。明らかな飼いネコは除く。
◆報告:記録したデータを和田(wadat@omnh.jp)まで
◆調査方法:調査は2通り。
・情報募集:調査域のどこででも、見つけたネコについてデータ採取(同じ個体を繰り返し記録しないように注意)。
・公園調査:大阪府内において、公園単位で出会ったすべてのネコを記録(欠損項目があってもいいので、出会った全個体をリストアップ)。
◆記録項目:観察日、観察場所(所番地まで詳しく)、観察者名、尻尾の長さと曲がり具合、毛の長さ、毛色・模様。
◆記録の仕方
・尻尾の長さ:胴体を伸ばした状態で、およそ頭胴長(頭からお尻まで)と比べて、「ほぼない」「頭胴長の1/3以下」「頭胴長の1/3
〜2/3」「頭胴長の2/3以上」 。
・尻尾の曲がり具合:「まっすぐ伸びる」「先が少し曲がる」「先から半ばまでけっこう曲がる」「尻尾全体が曲がりまくり」
・毛の長さ:短毛/長毛
・目の色:黄色/緑色/青色(黄色か緑色か判断できなければ、黄色〜緑色)
<毛色・模様>
・茶色の毛の有無:有/無(口元だけ少し茶色いのは除く)
・白色の毛の有無:有/無
・(トラ)模様の有無:有/無
・(トラ)模様の種類:サバトラ(いわゆるキジトラも含む)/ブロッチド・タビー(アメリカンショートヘアみたいな模様)/アビシニアン(アビシニアンのような細かい霜降り模様)以上の3択(模様は黒や茶の毛に現れる)
・背中の色合い:白、黒、黒+白、サバトラ、サバトラ+白、茶、茶+白、茶トラ、茶トラ+白など。まれな色として、青(実際は灰色)、銀トラ(灰色地にサバトラ)もある。
・その他の特徴:シャム猫のように足・尻尾・耳・吻の先だけ濃くなったり、模様がでる場合はその旨表記。
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今日明日と日本貝類学会大会が館内で行われる。ってゆうか展示室で開催されてるってゆうか。つまり学会参加費を払わなくっても、少なくともポスター発表は見れてしまうわけ。せっかくの機会なので、ちょっとながめに行った。すると懐かしい出会いがあった。
いきなり声をかけられた。見覚えがある顔、だけど誰だっけ? 学会大会は名札があるから便利。H大先生ではないですか! 中学・高校の時、よく中高生向け行事に来てくれていて、めっちゃ貝が詳しくって、貝の名前をよく教えてもらっていた。一番の思いでは、箕面の植林でゴマガイを採って見せてもらったこと。今でこそゴマガイは少し知られてきたけど、その頃は聞いたこともない名前。その上、生物多様性が低いと信じていた植林の林床からうじゃうじゃ見つかって感激したっけ。和歌山の漁港のゴミ捨て場へ、貝拾いに行こう!と相談したまま、実現せず高校を卒業。それっきり音沙汰がなかった。ときどき、H大先生はどうしてるかなぁ。いまも貝に取り組んでるのかなぁ、と思ったりしていた。
そのH大先生が、この貝類学会でなんと発表してる! もう大学院生だっけ?と訊ねたら、もう博士後期課程とのこと。時間が経つのは早い。そして、ちゃんと貝の道を進んでいるのを知って、けっこう嬉しい。
H大先生もゴマガイの時の事。というか、こっちが面白がっていたことをよく覚えていて、昔話に花が咲く。H大先生が貝好きになったのは、博物館に貝を持ってきて名前を教えてもらったのがきっかけらしい。そう言ってもらえると、博物館としてとても嬉しい。
いまは、東北の大学にいるらしい。それって東北遠征団との関わりもある大学だなぁ。と関係者の名前をあげると、知り合いらしい。世間はせまい。そういえば、同じく中高生向け行事に来ていた二ジーが、東北のとあるビジターセンターへ行ってるよ。と教える。世間は狭い。そして、今年は東北遠征団がそこに行く。H大先生も東北遠征団に興味がある様子で、東北で思わぬ大阪の同窓会が開かれそうな感じ。東北遠征団に引っ付いて行きたいかも。
とあるマスコミから、いま都市の動物の取材をしてるから、画像を見てコメントをもらいたい。的な依頼を受けて安請け合いした。で、今日、画像をもってこられ、それをネタに質問が1時間45分。ずーっと質問され続けた感じ。ちゃんと勉強した上での質問って感じで、質問の意図もはっきりしていて、やりとりはしやすい。けど、その分、答えにくい質問も多くて…。
そして、面白かったのは、選ばれた都市の動物のラインナップ。カラス、ヌートリア、イノシシ、タヌキ、チョウセンイタチ、ツバメ、アライグマ。ほかにアマガエルとセミも少々。それぞれの動物にテーマがあったような気がする。カラスはハンガー巣、ヌートリアは餌付けの問題、イノシシはゴミ漁り、タヌキは都市公園への進出、チョウセンイタチは外来生物として、ツバメは人の近くへの営巣、アライグマは…。
哺乳類と鳥類に偏るのはまあ置いておくとして、どうしてこのセレクションなんだろう? 人との軋轢がある動物ってことなら、家ネズミ類、アブラコウモリ、ノネコ、ドバトをあげてもよさそう。減ってる在来種なら、スズメは? 水辺の外来生物ならアカミミガメがいてもいいし。都市への進出なら、ヒヨドリやキジバトをはじめ都市鳥を取り上げる余地もある。
この夏、都市の動物を紹介するわけだけど、網羅しないなら、説得力のある種のセレクトが欲しいな。とか。それぞれの種を紹介する時には、なんらかのテーマ設定をするというのはいいな。とか。いろいろ参考になる取材であった。
ネコの観察会の準備の頃から、にわかにネコブームが起こってきて、なにやらネコの調査をしたい気分。ネコの講演会の相談をして密かに盛り上がり、『わたしのノラネコ研究』って本を買ってみたり。
で、ネコから少し離れて、スズメの巣立ちビナについての研究の紹介記事を書こうとしたら、そこにもネコが登場してきて、びつくり。もはやシンクロニシティのレベル。これは、ネコを研究せよという、誰かからのご託宣に違いない。
なんてことはどうでもいいんだけど、ネコと鳥の関係を調べてみたくなった。とくに巣立ちビナ。とくにスズメ。スズメのヒナって、「ヒナをひろわないで!」キャンペーンが展開されるように、最初は地面に落ちていて、人間でも簡単に拾える。恐らくネコも簡単に捕れる。きっといっぱい捕ってるに違いない。
イギリスで、ネコが鳥をいっぱい捕ってる!って論文がある。アメリカでも、めーっちゃいっぱいネコが鳥を捕ってるという報告が出たとネットで見たっけ。もちろん日本のネコも負けていないはず。
先のスズメ論文でも、スズメの巣立ちビナの数を左右するかもしれない要因の一つとして、ネコやカラスをあげていた。そら、もちろん左右してるやろう。どのくらい左右してるんやろう? これを調べてみない手はない。
詳しく調べようとしたら、いろいろ時間もかけれるだろうけど、とりあえず手始めは簡単でいいんじゃないかな? 公園に行って、ルートセンサスで、ネコとカラスの数を数える。スズメが巣立ちビナを連れていたら、その数を数える。巣立ちビナの絶対数と1つがい当たりの巣立ちビナ数が、ネコやカラスの個体数と相関してるかを検討。
これなら、ネコの尻尾調査と合わせて出来そう。とりあえず1公園1回の調査をやってみよう。余裕があれば、あるいは重要そうな公園を選んで、何度か行って同じ作業を繰り返して、スズメの巣立ちビナ数についての情報を充実させるのも良さそう。
というわけで、この繁殖期の調査がまた一つ増えた。できるかなぁ。
3年ぶりにホネホネサミットを開くよ〜、とアナウンスしたら、こっちが驚くほど反応がいい。そんなに待たれていたのか〜、と感心するくらい。それなら2〜3年おきにコンスタントに開催できる体制を考えた方がよさそう。それが無理でも、今回獲得できた資金の次の資金獲得の作戦を考えてみたらどうかなと思った。
まず簡単に思いつくのは、出展料をとること。世の中の多くのイベントは出展料や入場料で成り立っている。でも、今まで出展料取らずに来たから、これからも取りたくない。貧乏な団体・個人の出展を阻みたくもない。企業に出展してもらって協賛金をもらうという、フェス方式はありかなと思う。
あるいは、コンスタントに寄付を集めたらいいんじゃないかとも思う。マストの出展料ではなく、払える人が払いたいだけ払う寄付。これだけ反応がいいイベントなら、有志から寄付で充分開催にこぎつけられそうな気がする。今ならクラウドファンディングという手もある。ってゆうか、ホネホネサミット開催時に、次回も開催して欲しい人は寄付してね!って会場で募金してもいいかも。
協賛金と会場での寄付の2本立ては、実施してもいいね。
それで開催できればいいけど。開催にかかる費用は、こちらが時間と労力をどれだけ持ち出すか。どこまで広報するかで変わるから、集まった額に応じて開催というのもあるとは思うけど。できれば、余裕をもって開催したい。となると、毎回、理由をひねり出して外部資金を狙うのも継続した方がいいだろう。
次の外部資金獲得ネタとしては、学校に眠る古い剥製の再生と活用ってのを思いついたんだけど、どうかな? ホネホネサミットは、そのノウハウ共有の場であり、お試しの場であり、現状把握の場。もちろん理科教育。
というわけで、どういうものか、特別展の主担当に当たっていて忙しい時に限って、申請していたお金がもらえることになる。で、ホネホネサミットを開くことになる。そう、またホネホネサミットを開くねん、と申請したら通ったんだな。それもこれもホネホネ団の知名度のおかげではないかと、考えている。だとしたら、全国のホネホネなみなさんが喜ぶ企画にしなくっちゃ。
というわけで、2014年の秋にホネホネサミットを開催することに決定! 当初、9月の連休を考えていたけど、考えてみると9月開催のためには6月末頃から7月に頑張らないといけない。それは特別展をがんばるのと重なって大変〜。ってことで、10月開催が濃厚。その方が、関係者が行きたい他のイベントにも重ならなくてグー。ってことらしい。
そんなこんなで、ホネホネ関係者は、10月の連休の日程を空けておいてね。
柑橘類のタネを集め始めて、1ヶ月半。なんとなく、他の人にもタネちょうだね〜、と言ってみる。一緒に欲しい情報は、品種名、産地名(都道府県名)、購入日、購入場所。そしてもちろんタネ。
タネ集めなので、タネがないミカンはダメなミカン。タネが入ってると良いミカン。この1ヶ月で確認した一番ダメなミカンは、「せとか」。すでに20個くらい食べたと思うのに、タネは1個も出てこない。近頃の温州ミカンにはあまりタネが入ってないけど、それでも20個も食べれば1個くらいタネが出てきそうなもの。「せとか」には、絶対タネが入っていないんだろうか?
ちなみに、次にダメなミカンは、「甘平」。でもこれはまだ、2個しか食べてない。4個買ってきて、タネが入っていたのは1つだけって品種もいくつかあった。そんな場合の、ダメなミカンと、良いミカンの違いは、タネの有無と同時に、甘さの差でもあるように思う。すなわち、甘いミカンにはタネは入っていないが、酸っぱいミカンにはタネが入ってる。タネができた分、糖分が減るというのは、なんとなく納得できる気がする。
【追記】
http://www.omnh.jp/wada/fruitsdcoll.html
集めてタネのリストのサイトを作ってみた。これに漏れてるタネがあれば、ぜひ御寄贈を。
公園のネコを調べようと思い立ち、その研修を兼ねて、観察会を企画した。ネコのことなんて、ほとんど知らんのに。
とりあえず調査したいのは、ネコの尻尾。ついでに毛色・模様も記録したい。で、観察会前日にネコの毛色・模様の遺伝の勉強。それをすぐに偉そうに話す、という大胆企画。
午後からの観察会に向けて、前日からネコの毛色・遺伝のパターンを猛勉強。テキストは、そのタイトルもずばり『ネコの毛並み』。日本各地、ときに世界のノネコの遺伝子頻度の分布が示されていて、とても面白い。でも、遺伝の説明はちょっとややこしい。しばらくして『ネコの動物学』に同じ説明があって、こっちの方が分かりやすい。そして、ようやく理解できた気がした。
それに基づいて、ネコの毛色・模様の記録用紙を作って、いざ観察会へ!
観察会では、最初の30分、ネコの曲がり尻尾、毛色・模様の遺伝の話をしてから、野外に出発。ネコを見つけては、その尻尾、目の色、毛色・模様、耳の切れ込みを記録。遺伝の話はややこしいけど、用紙に項目を記録するだけなら、わりと簡単。それでいて、見つけたネコをじっくり観察することにつながる。
目の色を見たいから、こっち向け〜、と呼んでみたり。尻尾を確認したいから、歩き出すのを待ってみたり。逃げていくネコを追いかけたり。ネコには迷惑だろうけど、こちらは思いのほか楽しい。子ども達も楽しそうに、記録している。
というわけで、あっという間に2時間。20匹のネコを観察した。ネコを見てるだけでも嬉しいし、調査した感じも楽しい。また、やってみてもいいなぁ。
あるいは、鳥の観察会も項目を決めて、記録しながら観察したらもっと楽しくなるかも。
今日は鳥の調査研究をしてみたいみんなが集まって、研究計画を言い合う日。午前は出始めに、カラスの巣を取り上げて、どんな研究ができそうかを言い合う。実際に実行しなくていいので、やたらと時間とお金がかかる企画で構わない。午後は本番。現実的なのを考える。そのはず。
スタート地点は、姫路市白浜町妻鹿港。ゴールは、JR明石駅。使用機種は、駅リンくんのママちゃり(26インチ)。コース選択は、自由。
以上のレギュレーションに基づき、本日、8回目のタイムトライアルが行われ、今までの最速記録を15分も塗り替える新記録が樹立された。記録は、2時間5分。
区間タイムを見ると、
姫路市:30分
高砂市:25分
加古川市:15分
播磨町:10分
明石市:45分
播磨町までは、5回目以降では、標準的なタイムなのだが、明石市の45分は驚異的な数字。国道や旧国道ではなく、海岸沿いの道を選択したのが勝因ではないかと思われる。自転車専用道なので、信号がなく、アップダウンも少なく、邪魔な自動車もいない。
おそらく最速ラインを見つけたんだと思う。これ以降の記録更新は、かなりの精進が必要だろう。
もちろん、上を見上げて探して歩けばいいんだけど、ちょっと慣れれば、もう少しだけ効率よく見つける事もできる。その秘伝を、一部公開!
でもまあ、最初は上を見上げて探すのが手っ取り早い。カラスの巣は大きいので、たいていは見つかる。ヒマラヤスギなど常緑針葉樹の枝先の密生しているところにつくられたりしないかぎり。ちなみに落葉樹の葉っぱがまであまり出ていない4月前半までに、一通りチェックしておくのが基本。そら葉っぱがあるより、ない方が見つけやすいからね。
もし十二分な時間があれば、毎日ひたすらカラスの動きを追いかけるのも効果的。毎日は無理でもカラスの動きで巣を見つけることは多い。巣材の木の枝やハンガーやなんか柔らかいものを運んでいたら、その先には巣があるに決まってるので、万難を排してそれを追いかける。カラスが、木の枝の中に入り込んだら、そこが巣である可能性は高い。今は巣がなくても、そこが巣場所の候補地である可能性が高いので、後日そこをチェックすれば巣が見つかるかもしれない。
といった、どんな鳥の巣さがしにも当てはまる基本事項はさておき、カラスに特有の巣の見つけ方のコツがある。それを伝授しておこう。
一つ、カラスは同じ巣場所にこだわる。古巣を使う事も多いし、巣がいったんなくなっても、(ほぼ)同じ場所に再び巣をつくる可能性は高い。同じ場所でなくても同じ木を使うことはとても多い。同じ木でなくても、同じつがいはたいてい同じ一画に巣をつくる。ある年、徹底的に巣を探しておけば、以降はけっこう簡単に巣を確認出来るということである。
一つ、カラスはしばしば古巣の巣材を再利用する。古巣から巣材を抜いて、新しい巣をつくるという行動を、頻繁に行う。ってことは、古巣をチェックしておき、ある時、急に古すの巣材が減ってくずれてきたら、カラスが巣材を抜いた証拠。きっと近くに新しい巣がある! 周囲の木を徹底的にチェックすれば、ほぼ確実に新しい巣が見つかる。
さあ、これだけ覚えたら大丈夫。公園へ出かけてカラスの巣を探してみよう〜。