(2005年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、2006年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、
2007年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、2008年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、
2009年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、2010年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、
2011年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、2012年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、
2013年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、2014年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、
2015年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月)
現地での聞き取りによると、この島はかつては柴島と呼ばれていたらしい。柴の字を上下に分けて、北木島。柴の字を上下に分けたら、此木島じゃないのか? と、話を聞きながら思ったのは私だけではあるまい。かつては塩田に薪を供給し、山の上まで段々畑で覆われていた柴島は、やがて北木石で一世を風靡したが、外国産の石材に価格競争で負け、今も石切をしているのは1社1ヶ所と、注文が入ったら石を切り出す個人経営の1社だけ。
人口は激減して、最大で7000人が暮らした島に、現在は1000人弱が暮らしているだけ。高齢者が多く、子どもは小学生と中学生がそれぞれ数人ずつしかいない。
いま一番の観光の目玉は、千鳥の大悟の生家かも…。どうも大悟は、せっせと芸人仲間を北木島に連れてきているらしく、旅館や食い物屋には必ず千鳥のサインがあるし、千鳥と他の芸人のセットのサインもあったりする。公民館には千鳥後援会。港にも千鳥のポスター。
とまあ、今では千鳥しかない島のようになっている。けど、他に魅力はないのかというと、ぜんぜんそんなことはない。コンビニもスーパーもカラオケも本屋もないし、信号すら見かけない島。急激な人口減少で空き家だらけ。それがあちこちで崩壊しつつある。それは同時に、都会人からすると別世界感を強く感じさせ、ゆーったりとした不思議な雰囲気にもつながっている。自然はあるし、海はあるし、そして何より海産物がうまい。みんなが行ってるリゾートとどこが違う? 千と千尋の神隠しみたいな宿屋まであるんだぞ。
わざわざ都会から出かけて行く価値は充分あると思う。要は、持って行きようなんじゃないだろうか? あるいは必要なのは、きっかけ作り。きっかけが出来た我々は、また来ることになりそう。
昨日の深夜、NHKの全国放送でなにわホネホネ団が取り上げられた。近頃、パラパラとマスコミを賑わしているクジラの死体の漂着。北九州に浮かんでいるのが見つかり持て余されているマッコウクジラの死体の話から、なにわホネホネ団の活動の話。とても好意的に、けっこう時間をかけて取り上げてくださった。
NHKがホネホネ団を取り上げてくれるかもという話は、数日前に遡る。かと思いきや、あまり遡らない。午後4時過ぎ、団長から電話があった。NHKが夜のニュースで、ホネホネ団と取り上げてくれるかもだけど、いいかなぁ? 博物館の宣伝にもなるので、マスコミが取り上げてくれるのは歓迎することになっている。よほど困った扱いでなければ断ることはない。今回は、団長の知り合いが担当してくださるというので、きっちり扱ってくれそう。ってことで、いいよぉ。2つ返事でOK。じゃあ、担当の人から電話が行くから。
ちょうど自転車でため池をめぐる調査が終わって帰る途中。担当の人から電話があった。でもうまくとれず(自転車での移動中は携帯電話が振動しても気付かないんだな)。気付いてから掛け直して、話をした。ホネホネ団はどんな団体か、どのくらい標本を作ったか、標本を集める意義は、団員が活動に参加する動機付けは、苦労話は。といった事を訊ねられる。残念ながら、直接の担当のお姉さんではなく、ディレクターのおじさんが相手。ホネホネ団の活動にコメントをくれる学識経験者を紹介しろと言われるので、東大の博物館のホネ屋さんとか、科博のクジラ屋さんの名前をあげた。また確認事項があれば電話しますといって、電話は切れた。確認の電話はなかった。
何時から放送かあまりちゃんと聞いてなかったのだけど、団長からNHKをつけろとのツイートが流れたので、つけてみた。驚いた。本当に流れた。こちらにクレームが殺到するような内容じゃないかドキドキしながら見てたのだけど、とりあえず問題なさそうだった。ってゆうか、かなり正確だったし、とても好意的で、クレームがきそうな発言もなかった。一安心。
間違った発言としては、ザトウクジラの回収に使ったトラックとレッカー車は借り物で、博物館の所有じゃないこと(電話で言ったけどなぁ)。あと、貴重な動物の死体があれば、なにわホネホネ団へ!というアナウンスをしてくれたが、それ自体は好意だと思うが、基本的には各地域の死体があったら、それぞれ地域の自然史系博物館に連絡してもらうのが筋。地域の動物標本は、各地域で蓄積されるのが一番なので。なにわホネホネ団は、日本全国の標本を強引に一手に引き受けるというつもりはないので。この点については、フォローを考えた方がいいかも。
放送中から、ツイートにホネホネ団があふれかえった。質問系のツイートで、答えておくべきと思ったツイートや、フォローが必要と思ったツイートには、レスをつけてみた。
その後、関連ツイート全体をチェックしてみた。視聴者のリアクションはおおむめ好評。少なくとも完全否定の反応は見あたらない。
とりあえずホネホネ団という名前への反応が多い。とくに出だしはそんな感じ。名前のインパクトは大きいんだなぁ。大部分の人には、なにわホネホネ団という名前は好評の様子。一部、もっといい名前はないのかとか、レインボーマンみたいというコメントも。
ついでクジラの死体の標本化についてのコメントが多い。大変そうとか、臭そうとか。それでも取り組んでいることには、基本好意的。ただ、そのまま埋めてあげて欲しいというコメントも少しあった。
ホネホネ団の活動自体へのコメントもそれなりにあった。これまた好意的。というか、入団希望っぽい発言がチラホラ。
というわけで、とりあえず無事にNHKデビューは終わったかな。
南海の天見駅や紀見峠駅から岩湧山へ向かうと尾根筋を上がったり下がったり。無駄なアップダウンが多くてとてもしんどい。かといって、岩湧寺からの上りは、とても急で大変。そもそも登り口まで遠いし。滝畑ダムからのダイトレコースは、比較的楽チンで、無駄なアップダウンもないのだが。滝畑ダムから上るなら、千石谷の林道を経由して、林道沿いに山頂直下に行くのが一番楽。急な登りは一切なし。ずーっとダラダラ登るだけで、登山とは思えないほど。ただ唯一の問題点は距離が長いこと。
昨日、この一番楽チンコースで観察会をした。時間かかるのを予測して、バスを1本早めて、午前9時頃スタートしたのに、山頂に着いたのは午後1時過ぎ。早起きしたのもあって、とてもお腹が空いた。
山頂で昼休み1時間。で、午後は、岩湧寺経由で、南青葉台口バス停へ。3時間ほど。岩湧寺への下りが急な以外は、再びダラダラ車道を歩く。
楽なコースなのは間違いないが、長いコースなので、時間がかかった。子どもたちは、足が痛いとか、腹減ったとか、疲れたとか。小学生向きではなかったかも。観察するものがけっこう色々あるのも、時間がかかった理由の1つだろう。むしろ山頂から、ダイトレコースで滝畑ダムに降りると、見どころはさほど逃さず、コースは短くなったのだけど、バスの便が少ないのがネック。
昨日、相生市と赤穂市の調査をして、2年に及んだ播磨灘岸の水鳥調査が完了した。2013年9月からの25ヶ月間、毎月5日間をこの調査に費やしてきた。早起きして始発の新快速で出かけて、自転車で一日走り回る3日間と、1泊2日で車での遠征。時間も体力もお金も随分使った。瀬戸内海調査の一環なので、一部なりとも科研費で旅費を出してもらえたので助かった。
思い起こせば、2年前の9月。2010年9月から始まった大阪湾岸の水鳥調査が終了した。で、播磨灘岸の調査に以降したわけ。今回は、播磨灘岸の調査の後、新たな毎月の水鳥調査を始める予定はないので、つごう5年に及ぶ月4〜5日のノルマがこれで一旦終了。よくまあ、毎月調査日をひねり出せたもんだと、我ながら感心する。
でも、毎月出かけて行く場所がなくなるのは、寂しい。もしかしたら、大阪湾岸水鳥調査は、数年後に2ndシーズンを開始するかもしれない。でも、播磨灘岸の調査は二度としないだろう。あそこもあそこも二度と行かないだろうと思うと、とてもセンチメンタル。妙に海岸沿いだけは土地勘が付いたので、また何かの調査にかこつけて行ってみようかな。
【追記】
播磨灘岸水鳥調査が完了して1ヶ月が経った。この1ヶ月で、随分たまっていた雑用が片付いた。毎月の調査は、他の仕事にとてもしわ寄せを与えていたんだと、改めて実感。
昔、ある所にコマキくんがいました。コマキくんは動物好きで、動物の標本にも興味がありました。ある日、コマキくんはシカの子どもの死体を拾いました。そこでコマキくんは、死体からホネをとり、小ジカの全身骨格を組み立てることにしました。さっそくコマキくんは、博物館でシカの骨格標本作りを始めました。
骨格標本作りには、時間がかかります。皮を剥いて、肉を取った後、水に浸けてホネになるのを数ヶ月待ちます。数ヶ月後、水から取り出して、洗って乾かします。ホネが乾いたら、組み立てです。でも、ホネの組み立ては難しく、いろいろ勉強して頑張っても時間がかかります。
ホネの組み立てを始めたのですが、何回か頑張った頃から、コマキくんは少し忙しくなってきて、間があくようになりました。そして、久しぶりにシカのホネの組み立てに挑戦しようと思ったある日、予想もつかないことがコマキくんに見舞いました。コマキジカが行方不明になったのです。どうやらシカのホネを預かっていた博物館で、大掃除のために片付けをした時にどこかに片付けてしまい、場所が分からなくなってしまったのでした。心当たりは全部探したけど見つからないという事で、残念ですが仕方がありません。見つかるのを気長に待つことにしました。
それから数年、すっかり大きくなったコマキくんのもとに、コマキジカが見つかったという知らせが届きました。なんと、博物館に行った時、必ず荷物を置く部屋にずっとあったのでした。
昨日はウズラの仮剥製を作る実習、今日はニワトリの頭骨標本を作る実習。この両方に出たら、ホネホネ団の鳥組に合格と言ってもいいような充実ぶり。しかも実際に両方出てる人が何人かいたりする。
昨日の仮剥製作りは、初めての試みで手順はさぐりさぐり、うまくいくか心配であった。が、今日の頭骨標本作りは、すでに何度もやったことがある。大人相手だとうまくいくのは分かっている。気分的に随分楽だなぁ。
8月に小中学生向けのホネホネ実習をして、9月のホネホネ実習2連発は、大人向けのつもり。難易度が高いので、仮剥製作りはは中学生以上対象。頭骨標本作りは、高いと宣言した上で、定員に余裕があったので小中学生も受け入れた(ってゆうか、子どもと親がセットで1つをやるパターンがけっこうあった)。
参加者で面白いのは、遠方からの参加者が多かったこと。仮剥製作りには東京から3人、頭骨標本作りには、東京から1人、愛知県から1人。関東で、こうした実習を公開して実施しているところが、いかに少ないかってことかと思う。
申込み者が驚くほど多いわけでもないけれど、仮剥製作りには落選者も出てるし、遠方からの参加もある。来年以降もやってみようかな、と思う。材料はまたウズラかなと思うけど、夏のウズラは禿げ禿げになりやすいらしいので、冬の間に材料を購入しておいた方がいいかも。でも、可能ならハシボソミズナギドリ使ってみたい気もするなぁ。
参加者も初めてだろうが、やる側も初めて。どうなるんだろう、と思ったが、案に相違して、案ずるより生むが易し。予定時間内に、全員仮剥製は完成したし、とてもスムーズにいったと思う。どうしてこんなに上手く行ったんだろう? むしろ、ホネホネ団で教える方がうまくいかない。
午前中は、口頭での作り方の解説の後、2人が模範演技を見せた。それぞれに分かれて模範演技を見たから、ちょっとずつ説明が違う。模範演技者は互いにペースがさほどずれないようには気にかけたけど、作り方は多少は違う。説明のポイントや丁寧さも違う。こちらは、けっこう不親切で、ちゃっちゃと見せた感じ。団長は、説明丁寧で、図を書いての解説付き。ちょっとは見習った方がよかったかもしれん。でも、結果的には、どっちを見てた人も同じように仮剥製を作れてたんじゃないかなぁ。実演に1時間と思ったけど、説明しながら剥いてたら1時間半かかった〜。その分、時間がおして、午後の時間が足らなくならないか心配。
でも、結局、参加者は想像以上のペースでスムーズに、ウズラの仮剥製を作っていた。過半数は3時間半で仕上げたし、残りも4時間ちょっとで終わっていた。午後0時半に午後の部をスタートして、午後4時から午後4時半過ぎには終わった感じ。大まかなラップタイムは、約1時間半かかって胴体はずし、さらに約1時間半で頭を裏返すところまで到達した。脂肪が多かったので、これでも時間がかかったんだと思う。
スムーズに行った理由は、いくつかあると思う。
・まずウズラは初心者向き。大きさが手頃で、大きさの割に皮が丈夫。頭が小さい。
・しめたウズラを購入しているので、材料は新鮮。腐ってもないし、皮は痛んでいない。
・スタッフが多かった。
・6つの机にスタッフが1人ずつ。他に全体を見て回っているスタッフが1名。
簡単な材料で、手厚く指導すれば、鳥の仮剥製作りはさほど難しくないってことか。
ホネホネ団で鳥の仮剥製作りを教えることがあるが、印象では、ホネホネ団での方がうまくいかない。ホネホネ団に来る人がやけに不器用、ってこともないだろうから、他に理由があるんだろう。1つは、初心者向けの新鮮な材料を用意できていないってことがありそうだけど、もう一つ、そして重要なのは教え方なんだろう。教え手密度の違いというより、教える人に問題があるんじゃないかという疑いが…。
何よりの今年の鳥学会大会であった事と言えば、4日日程の内、3日も参加できたこと。
考えてみれば、ここ数年、満足に鳥学会大会に参加できていない。広報委員会の委員長という役割を振られているので、大会初日の広報委員会と評議員会への出席を求められるので、参加はしてるのだけど、発表を聞くのはなかなかままならない。
2014年は、8月に東京で開催された。IOCと同時開催だった。1週間参加したら楽しかったように、日帰りで委員会と評議員会に参加しただけ。つまらなかった。
2013年は、9月に名古屋で開催された。初日の委員会と評議員会、2日目夜の自由集会だけの参加だった。そして急いで帰って、干潟合宿へ。
2012年は、9月に東京で開催された。この時はフル参戦!
広報委員長の4年間は、2年に1回ペースの参戦。北海道で開催される来年も、干潟合宿とぶつかってる。そして、広報委員会委員長もお役御免となった。ということは、まったく参加しないってことになりそう。その次の年には、フル参戦したいなぁ。
今日は、日本鳥学会大会で、イソヒヨドリの自由集会に出席した。都市鳥研究会が主催。近頃、関東でイソヒヨドリの内陸への進出が話題になっていて、それで企画したもよう。関西で、イソヒヨドリの内陸進出が話題になったのは、もう20年近く前。2000年代には、内陸への進出は一段落した。という意味では、10年遅れ感が強い。のだけど、都市鳥研究会は、関東の方々が中心。関東の方々には関西の状況は物珍しいようで(ってゆうか、関西の情報発信が弱いのを反省すべきかもしれないが)、関東の状況と並んで、関西の状況を紹介しろという指令を受けた。
と言う具合に、けっして企画者の一画を占めている訳ではなく、なんとなく話題提供者を引き受けただけなのだけど、なぜか企画者に名前を入れられた。のみならず、知らぬ間に筆頭にされてる。おかげで、関西でもう少し真面目(?)にイソヒヨドリを調べた人から、なんでわしらを呼ばへんねん、と暗に嫌みを言われる始末。そんなん、知らんがな。
というわけで、自由集会本番。似たようなテーマの自由集会が同時進行するという、うかつなプログラム編成(正直、スピーカーでなければ、都市に進出するタカの自由集会に行きたかった…)。おかげで、聴衆はとても少ない。ただ、しゃべっている時は気づかなかったけど、その後の質疑や、後からSNSを見て、けっこう色んな人。イソヒヨドリに関心の高い人が揃っていた様子。知ってたら喋りにくかったなぁ。
で、自由集会の内容は、東京の八王子でのイソヒヨドリの繁殖状況の後、大阪府を中心に関西の様子を紹介した。その後、いろいろと質疑応答や意見交換。東京の状況は、やはり関西の10数年遅れの状況で推移しているようす。イソヒヨドリの新たな繁殖地を見つけたら、その晩は乾杯してると聞いて、ほほえましく思ったり。
自分の発表では、イソヒヨドリと絡めて、ハッカチョウの話までして、なぜかハッカチョウ情報を募集してみた。兵庫県南部の情報をいくつかもらえた!
意外と興味深かったのは、最後の意見交換。私見なのだけど、イソヒヨドリの内陸進出は、大きめの河川沿いの印象が強いと口走った。反論が来るかと思ったら、意外とみんなの同意が得られた。その後、河川のみならず、高速道路や新幹線など、線状の人工構築物も関係あるんじゃないかとか、内陸進出にはそうした目印が必要なんじゃないかという意見も飛び出した。
個人的には、海岸に棲息していたイソヒヨドリは、大きめの水域と陸域の境界が好きで、海岸沿いに水域と陸域の境界をたどっていったら、河川沿いに内陸に行ってしまった。ただ、奈良盆地などでは、山林と市街地の境界沿いに分布している節もあって、とにかく境界好きと思ってたりする。そういう意味で、高速道路や新幹線は関係するとは思わないんだけど、今まで思ってなかったので心にとめておいても良いかも。
13日に続いて、岬町に打ち上がったザトウクジラの死体の回収を行った。
13日にはすべてを処理できないことはすぐに分かったので、可能な範囲だけの処理をした。つまり、すぐになくなってしまうかも、と思った前肢とヒゲ、皮と内臓の一部だけ回収。あとは背中側の皮を剥いでおいた。4日の間に少しは腐るというか、分解が進み、きっと少しは肉が減って処理しやすくなっているかな? まあ大して変わってないだろうけど。なんて思って、帰った。
そして4日後。朝、現地に到着して驚愕した。4日前とはクジラの姿がぜんぜん違う。4日前は、腐って膨らんではいるけど、皮は付いてるし、クジラらしい姿をとどめていた。ところが今日は、もうクジラには見えない。端的にいってドロドロ。口の先のイボも、尾びれも、トロトロで原形をとどめていない。それどころではなく、腰椎辺りでおれていて、一部の腰椎がはずれている。って、見てる前でも1つ取れて、もう一つが取れそうになっている。うわぁあ、流れていくな〜。
結局、椎骨が5洗い出されていた。ちょっと離れた岸に運ばれていただけで、全部回収できたけど、明日だったら骨がいっぱい失われていたと思う。岬町の人によると、腰椎で折れたのは昨日の朝以降らしい。海のパワーは半端ない。
もう一つ海をなめていたのは潮位だった。たまたま4日前は、大潮に近く、時刻的にも干潮頃に作業した。それは偶然。今日の潮位は確認していて、潮は悪いし、干潮は昼過ぎになることは分かっていた。でもまあ、朝でもそれなりに潮は引いてるだろうし、作業できるだろうと思って来たのだけど、そうはいかのなんとか。あいにく低気圧が来ていて、潮位が高めでなかなか下がらない。そして海は荒れ模様。
午前9時過ぎに現地に到着するも、とてもじゃないけど作業できない。2時間ほど待ちぼうけ。午前11時頃になって、ようやく少し潮が引いてきてなんとか作業できるようになった。で、作業を始めたら4時間ほどで、解体と骨の積み込み、肉の袋詰め・積み込みまで完了。始めて見ると速かった。肉の袋詰めまでせなあかんかったこと、トロトロの肉が切りにくかったこと。これがなければ、作業はもっと速かっただろう。
7メートルクラスまでのヒゲクジラなら、体力的にも時間的にもなんとかなるなぁ、というのが感想。もちろん多くの人の協力はいるけど。そして、例によって肉の始末は、地元の担当者との調整が欠かせないが。
今回は、地元に顔が利くN島さんがいてくださったのが有り難かった。N島さんが健在の内に、次のクジラも来てくれると助かるなぁ。
この3日間、周防灘岸の干潟調査に行ってきた。メンバーは、堆積屋、ベントス屋、魚屋、植物屋、虫屋、鳥屋の6人。干潟のすべてが分かろうかという豪華メンバー。この中で、堆積屋と鳥屋だけが暇なので、いやちゃんと担当部分の調査はするのだけど、調査はすぐに終わってしまったり、他のことをしているついでにこなせてしまうので、なぜか他の分野に首を突っ込む。鳥屋は、近頃海浜植物ブームなので、植物を見て回る事が多く、植物屋をつかまえては分からない植物の名前を訊ね、日頃の疑問をぶつけたりする。植物を図鑑で調べるのは、けっこう敷居が高い。というか、確認が持てない。ところが生きた植物図鑑を連れていると、どんどん名前が分かる。とても楽しい。
博物館の観察会とか、友の会合宿でも、植物担当学芸員という生きた植物図鑑を使えるけど、その時はこちとらも生きた鳥類図鑑扱い。さらに生きた植物図鑑を他にも使いたがっている人がいて、しばしば貸してくれない、貸してもらいにくい。そういう点、行事下見とか、こうした調査行はいいなぁ。次の機会が楽しみ。
2年後に迫った瀬戸内海テーマの特別展に向けて、学芸員6人で周防灘の干潟調査に来ている。
昼間、一緒に干潟を調査すると言っても、分野が違うのでしてることは全然違う。植物屋は浜や塩湿地で植物採集。虫屋は浜で砂をふるったり、虫網を振り回したり。魚屋は水網持ってウロウロしてたり、釣りをしたり。ベントス屋はスコップ片手にウロウロして、何か拾ったり、穴を掘ったり。堆積屋は遠目にはベントス屋に似てて、スコップ持ってて穴を掘ったり。鳥屋は最初は鳥を見てるが、すぐに植物や海浜甲虫やベントスを探し出す。
採集物がある学芸員は調査が終わってからが忙しい。魚屋とベントス屋は液浸にしたり冷やしたり。植物屋はせっせと新聞紙にはさんでる。
宿に帰って夕食後、植物屋は挟んだ新聞紙を替えるのに忙しい。虫屋はハチなどを針に刺したり忙しい。ベントス屋は貝を煮て、中身を出すのに忙しい。
鳥屋は採集物がないので忙しくない。テレビを見たり、採集物を処理してるのを眺めたり、質問して邪魔したり。この時間けっこう好きかも。
鳥屋は、よく今までに見た鳥のリストをつけていたりする。ライフリストというやつ。ダイバーも見た魚のリストをつけていたりすると聞くけど、植物屋はしないんだろうか?
今日、山口県秋穂の浜をウロウロしてたら、ナミキソウの花に出会うことができた。とても濃い青色の綺麗なシソ科の花。葉っぱは、この春に岡山県で見たけど、花を見たのは初めて。思わずライフリストが一種増えたと、鳥屋っぽい事を考えてしまった。
鳥屋のライフリストにも、いろんな流儀がある。声を聞いただけで追加する人がいれば、飛んでるのを見ても追加しない人もいる。
植物のライフリストにもいろんな流儀がありそう(いるかどうかは知らんけど)。とりあえず思いつく条件は、
・野生状態で生きてる個体を見る。
・同定が充分に信頼できる。
・花を付けている(果実もありにしようかな)。
・栽培個体や植栽個体(逸出個体も?)の可能性が充分に低い。
ってところだろうか。
これで、自分の植物ライフリストを数えてみようかな?
9月12日、昨日、岬町にザトウクジラの死体が上がった。今日、再び沖に漂っていたけど、また着岸するはず。という連絡があった。14日から3日間は周防灘に調査に行くことが決まってる。18日から4日間は鳥学会大会。その後は、2日連続で室内実習。この10日くらいは予定がつまりまくりで、とても忙しい。10日ほど漂って、24日以降に再び漂着してくれますようにと祈った。なのに、しばらくして再び着岸したので、岸に固定したという連絡。え〜、このタイミング? いったいどうするねん!
しかし、大阪湾にザトウクジラの死体が着岸するのは、これが初めて、ぜーったいに確保しなくてはならない。どういう段取りにするか、どんな準備が必要かは、現物を見てみないと分からない。岬町や大阪府の担当者との打合せ・顔合わせも必要。というわけで、今日13日、急遽出かけることにした。全長6mと言ってるけど、ちゃんと測定した訳じゃない。もしかしたら、もっと小さいかも。だとしたら、簡単にバラして回収してこれる可能性もある。
小さめクジラなら解体して持って帰れる道具を、2tトラックに積んで、2人で一路岬町へ。近くまで行ったら現地はすぐに分かった。なんせ大量のギャラリーがクジラを見ている。日曜日なので、普通に磯遊びや釣りに来てる人もいそうだけど、すぐにネットに流れたので、クジラ目当てで見物に来てる人も多そう。クジラの死体を処理したことは何度かあるけど、こんなにギャラリーが多いのは初めて。やりにくい〜。
ついですぐに分かったのは、今日の装備で2人で解体して回収するのは無理ってこと。6m以上は確実にある。岸壁は階段もなく3mほどの垂直壁。クレーン車の手配が絶対に必要。もっと大きなトラックもいる。そして人手ももっといる。
今日、見に来ることを伝えておいたので、岬町と大阪府の担当者と打合せもできた。できるだけ早く処理して欲しいらしい。その際は、前の道の交通規制を手配してくれる。肉は袋詰めしたら、地元ゴミ処理場で処理してくれる。処理は平日にしてほしい。ってことで、他に日程が空いていないので17日に解体作業をすることに決定。
で、今日は、とりあえず測定。手伝いに来て下さったもう一人と3人で、大量のギャラリーが見守る中、各部を計った。全長は約7m。この1mの誤差は大きい。
それから、外部寄生虫をチェックし、皮膚や肉のサンプルを採集し。前肢の取り外しにかかる。可能な範囲で処理しておこうと、上側の皮剥きにも取りかかる。
皮に刃を入れようとすると、ギャラリーが期待に満ちた感じでざわつく。みんな爆発を期待しているらしい。そんな起きるかいな。刃を入れると、中から腐った気体がシューーーと出てきたが、それだけ。残念でした。大包丁で皮に切れ目を入れて皮剥きをしようとすると、ギャラリーのおっさんが、大声であんなんで切れるかいな。無理無理と言っていた。その前で、スーーーっと皮を切って見せた。どんなもんだい。ってゆうか、マッコウクジラと比べると、ザトウクジラの皮はめっちゃ柔らかく、切りやすい。まあ、大包丁をちゃんと研いでおいてくれてたのも大きいけど。
というわけで、現地で5時間ほど作業して、今日は終了。続きは、4日後。その間に、クレーン車とトラックを手配しなくちゃ。なんとなく一段落したつもりで帰ってきたけど、帰ってきてから、回収したものの処理に2時間半。とても疲れた〜。
四国播磨灘岸の水鳥調査も今日が最後。今まで気になっていたけど、出来ていなかったことを、やってみた。地形図を見ると、さぬき市津田町のとある場所に、入江の口がふさがれて出来る海跡湖っぽいものがある。それを見に行ってみた。
地図を見ると、毎月チェックしている漁港の先の浜を東にたどっていけば、行けるはず。距離はたいしたことはない。ただ、ずーっと浜が続いているのではなく、間に2ヶ所崖っぽくなっているようす。まあ、軽くよじ登ってクリアできるだろう。と、安易な考えで行ってみた。
地図は正しく崖がある。よじ登れそう。こんなことなら、草履で来るんじゃなかった。と思いつつ、よじ登って向こう側へ。地図上ではとても短い距離だけど、よじ登って進むにはけっこうな距離。やっぱり断念しようかな、と思いながらも進んでいく。途中で気づいたのだけど、潮はけっこう引いているので、崖際の水深は浅い。水の中歩いたらええんや。草履で来てよかった。そこからはけっこうスムーズに進んだ。
崖地を1つクリアして到達した小さな浜。何か走った! タヌキ! 人が来ないと油断していたタヌキが山の方に逃げていく。なんか盛んに鳴いてる。すき間からのぞいていると、大人が1匹以外に、小さめが数匹ついて行ってる様子。子連れらしい。これは良い物を見た。
で、もう一つの崖地をクリアしたら、またもや浜からタヌキが山に逃げていく。どんだけタヌキがおるねん。こっちのタヌキは、浜に打ち上がった魚を食べに来てたらしい。タヌキが逃げたので、今度はトビとカラスが魚に集まってきた。
で、タヌキに迷惑をかけまくりつつ、ようやく海跡湖に到達。と思ったのだけど、様子が違う。地図では人跡未踏っぽいのに、電線が走ってるし、海側はコンクリートで固められている。だめだこりゃ、と思いつつもコンクリートの上へ。潮の影響はいっさいなさそうな、ため池になっていた。
こうして、探検はややむなしく終わった。まあタヌキがいっぱい見れてよかった。
今日は月例の淡路島播磨灘岸の水鳥調査。播磨灘岸の調査は2年計画で、この9月で調査完了。毎月、淡路島に来るのはこれで最後。また淡路島に来ることあるだろうけど、播磨灘岸の漁港と河口を細かく巡るなんてことは、もうしないだろう。大部分の場所には二度と来ないはず。と思うと、何を見てもちょっと感傷的な気分。
淡路島の播磨灘岸は、北寄りに活発な漁港が多い。ちょうどメザシサイズのイワシの季節らしい。漁港の船がかなり出払っていて、漁港ではイワシの水揚げの様子が見られる。漁船からホースで上げて、すべり台でコンテナに流し込む感じ。その周りに、トビ、アオサギ、ウミネコが集まって、おこぼれを狙ってるが、サッパリこぼれない。昨年は、流し込んでるのを摘んでるアオサギを見かけたが、今年は人間が見張ってる感じ。
慶野松原の長い砂浜には、大量のイワシが打ち上がっていた。それにトビとカラスが群がって盛り上がってる。ってゆうか、すでに腹一杯食べて休憩してる個体も多い。アオサギやダイサギも食べに来ている。見たところ、イワシはとても新鮮。試しに1匹食べてみた。内臓は苦いけど美味しい。生きたイワシよりは鮮度は落ちてるけど、魚屋で売ってる位の鮮度は充分ある。よっぽど持って帰ろうかと考えたが、明日も調査で、クーラーも持ってないので断念。
海が荒れると、海岸の魚喰いたちのパーティーが始まるらしい。パーティーは3日くらいは続くかな。
月例淡路島は最後なので、福良でハモの親子丼を食べた。ハモの天ぷらは揚げすぎ、出汁は甘すぎ。淡路島って、いい食材が揃ってるのに、それを美味しく喰わせてくれる所が少ないと思う。ってことを最後に再確認。
今日の仕事は博物館実習生のオリエンテーション。知り合いの教官付きなので、微妙にやりにくい。一番真面目に話を聞いて、メモをとっていたのは教官だったりする。でもまあ、話すことは、8月の博物館実習のオリエンテーションと一緒。こんな話すでに知ってるっしょ?
今年の11月、第2回の友の会サミットが開催されるらしい。第2回をどんなのにするかを考えるためにも、第1回を思い出さなくては。
第1回の友の会サミットは、淡路島で1泊2日の泊まりがけの合宿形式だった。宿名は忘れもしない津名ハイツ。当時は、大阪から津名港への船便があったので、船で津名港に直行して、ちょいと山手の津名ハイツへ。
そこまではよく覚えているのだけど、友の会サミットの内容はうろおぼえ。ただ、日本各地の友の会の状況をいろいろと聞けたのは面白かった。数十人規模、数百人規模、千人超えといった友の会会員の人数によってクラスがあって、それぞれ違った安定した運営方法がありそうに思った。
・数十人規模:会員と運営者が違いに顔見知り。会報を出すほどの予算的・労力的余裕はない。知り合い同士の濃厚な人間関係の中で、柔軟な、時に公私にわたる活動が可能。
・数百人規模:簡単な会報を発行して、定期的な活動を展開できる。ただ、専従の職員を導入するほどの余裕はないので、ボランタリーなスタッフか学芸員が事務を処理。
・千人超え:会報にけっこう投資ができるのと同時に、事務処理にスタッフを雇える。
って感じだっけ?
財政規模ごとの安定した運営方法をもっと明示化してはどうだろう?と思った記憶がある。
それを受けてか受けずにか、今回は友の会を運営する側の持続可能性がテーマになるんじゃないかな。世代交代に失敗してなくなった博物館友の会もあるようだし。
今日の評議員会で、友の会会員をいかに増やすかが議論された。おもに出た案は二つ。
●会員による会員勧誘促進作戦
●行事プロモーション作戦
まあ、友の会は面白い行事をやってるのは確か。というわけで、要はその面白さをいかに知ってもらうか、楽しさを広めるかが、課題になっている。
かつては、ネズミ講作戦というのが議論されたこともあるけど。つまり会員が新会員の勧誘に成功したら何かしらの金銭的インセンティブを設定する(たとえば会費の割引)という作戦。下品なのでやめようってことになった。ってゆうか、インセンティブは、仲間が増えるということで充分じゃないかって話。
で、非会員を行事に誘いやすくするにはどうしたらいいかって話が中心。現在は、非会員にはそれなりの参加費が設定されている。そのせいで誘いにくいって意見があったので、それをどうしようかと。
案1:非会員から参加費を取らない行事を設定する。
案2:参加費を払わなくても非会員が友の会行事に参加できる。いわばクーポン券を会員に配る。
会員が一人一人が、会員を増やそうという意識を持ってもらうのは、とてもいい展開なので、案2を採用。
行事の存在自体は、なんとなく広報に流したり、ホームページアップしているけど、タイトルと簡単な説明では、何をするのか分からない。行事の楽しさを伝えるために、行事報告のSNSも立ち上げているけど、それは行事への勧誘に直接はつながらない。行事の下見段階でSNSに書き込んで、当日の参加者を誘うというプランが提案された。
すでに一部の関係者はアップしてるけど、もっと意識的に進めることに。
この2案で、友の会会員が増えるといいなぁ。とにかく来年はもっと友の会会員を増やすぞ!
タマゴの展示に、大きな卵が加わった。モアの卵とエピオルニスの卵。噂に違わず、いや噂以上に大きかった。これは見栄えがするわぁ。
この間、ダチョウ、エミュー、ヒクイドリ、レア、キーウィと、現世鳥類の大きな卵トップ5にはなじんでいたのだけど。というかなじんでいたからこそ、モアとエピオルニスの卵の大きさがよく分かる。モアですらダチョウより一回り大きい。これしか知らなければ、これだけで感激しただろう。でもエピオルニスは別格。ほんまに大きいわぁ。これからどんなヒナが出てきたんだろう。ってゆうか、孵化にどんなに時間がかかったことだろう。ダチョウで40日ほど。キーウィみたいなことがなければ、抱卵日数は100日程度かなぁ。卵から孵化にかかる日数とか、産卵場所とかを推定できないもんかな?
今日は観察会の下見で、岩湧山へ。昆虫担当と植物担当学芸員と一緒。言わば歩く図鑑を2冊携行しているようなもの。あいにくの雨模様なので、昆虫図鑑はあまり使えないが、植物図鑑は使い倒した。
林道を歩きながら、気になる植物をどんどん質問。おもに花が咲いてるのか、変わった葉っぱの草本。答えを聞いても覚えられないイネ科とかキク系はパス。
林道沿いには、キンミズヒキ、ダイコンソウ、ノブキ、ミズヒキ、アキノタムラソウ、ツリフネソウ、ヌスビトハギなどが目立つ。他にもチヂミザサとかヒナタイノコヅチとか。全体的に見て、引っ付き虫が多い。道沿いは哺乳類がよく動くから、こんな場所に運ばれるし、こんな場所に生えるのが次に引っ付くにもいいんだな、と勝手に納得。
だとしたら、その地域の哺乳類相によって道端の引っ付き虫相が変わったりするんじゃないかな、とか。人間の顔辺りまで元気に育ったイノコヅチは、いったい誰に引っ付くつもりなのか、とか。いろいろ気になる。
歩く植物図鑑さんの口振りによると、引っ付き虫の分散については、まだまだ分かってないらしい。研究テーマの宝庫かもしれない。
本当は今日も、淀川鵜殿のねぐらを見に行こうと思っていたのだけど、夕方大雨、雷注意報まで。という予報。あえなく断念。今年のツバメのねぐら巡りは、きりよく8月末までとなった。
だいたいここ数年そうなんだけど、7月は繁殖期の調査で忙しい。8月前半は、行事が立て込んでいて忙しい。8月後半になって、ようやくツバメのねぐら巡りが始まる。ピーク過ぎてるし…。
という訳で、今年は大阪のねぐらを3ヶ所しか見に行けなかった。残念。
特別展「たまごとたね」が、なんとか無事に始まって、少しは時間ができる、はずだったのだが、なぜか相変わらず忙しい。土日はやむを得ないとして、平日にまで行事が入りまくっているかららしい。とくに8月前半はひどかった。
5日:ジュニア自然史クラブミーティング
7日:教員のための博物館の日
10日:友の会御嶽合宿
11日:高校生のための博物館の日
14日:タマゴ式鳥絵塾
10日中、5日間は行事。ちなみに残る5日の内、4日は調査。じゃあ、後半はましだったのかと言えば、行事と調査の比率がひっくり返った程度。あっという間に8月は過ぎ去った。まあ毎月そんな感じだけど。
他の部分も振り返っておこう。
ルーティンのため池調査、大和川調査、播磨灘岸水鳥調査は無事完了。例年、8月はツバメの集団ねぐらの調査に出かけるのだが、なんせバタバタしていて、観察会1回を含めても5回しか行けず、内1回は空振り。
普及行事は、ジュニア自然史クラブ、鳥類フィールドセミナー、友の会読書サークル、大阪鳥類研究グループという恒例もの。加えて、特別展関連で、ギャラリートークが1回。友の会合宿(一般参加)、ツバメのねぐら、子ども向けホネの標本づくり。そして、一大イベント標本同定会。なぜかナショジオのイベントにも出さされた。
9月になったら、長居植物園の果実チェックと、ムクドリの集団ねぐら調査を始めなきゃ。
大阪辺りで、8月の終わり頃に熟してる樹木液果は、サンゴジュ、エノキ、アカメガシワ、クマノミズキなど。いずれも小さい。ムクノキやクスノキといった大きめ果実は、9月後半頃から熟してくる。これって果実食鳥類のサイズ別の個体数変化に対応してるんじゃなかろうか。と、ヒタキのシーズンに考えた。
各季節に熟している果実の平均サイズと、生息している果実食鳥類の平均Gape幅が相関していることを示せばいいだけ。複数種が混じった平均値を、どのように計算するか(該当種の大きさをただ平均するか、個体数・果実量で加重平均にするか)といった考えるべき点はあるものの、大まかな単純計算だけなら、そう難しくはなさそう。
果実-果実食者の組み合わせが、いくつかの独立したクラスターに分かれているなら、ちょっと解析方法を考えないとだけど、果実食鳥というくくりなら一括して検討してもいいんじゃないかなぁ。ダメかな。
隔月で、課題本の紹介文を持ち寄って、本についてあれこれ言い合うサークル。昨日がその会合。会合ももう81回を数える。で、今頃になって思ったんだけど、会合で出た本についての意見を記録しておこうと思い立った。というのも、自分の感想は自分なりに文章にしてるのだけど、文章に入れていないコメントもある。さらに他の人のいろんな意見は、記録しないと散逸しています。そして、それは例えば、自分が本を作るときに参考になりそう。
昨日の課題本は6冊。その内、2冊はもう少し本を読んだ人がそろってから意見交換しようということになった。というわけで、残る4冊についてあれこれ話し合った。ちなみに各人は紹介文を書いてきていてて、4つを最大として★を付けている。
●「ハトはなぜ首を振って歩くのか」岩波科学ライブラリー
(紹介文4つ、平均★数は3.3)
タイトルの通り、ハトの首振りの謎を解明した本。
評判は上々。この話をすでに知っている者は、ちょっと評価が辛口だったが、それでも判りやすいと評価。ただ首振りの話から、尾振り、体振りと、どんどん話がそれているような。首振りの話だけではページが埋まらなかったんじゃないかと邪推されていた。
●「ジュゴンの上手なつかまえ方」岩波科学ライブラリー
(紹介文5つ、平均★数は3.2)
海外3カ国をめぐってのジュゴン調査の話を軸に、ジュゴンのヴォーカルコミュニケーション研究を語った本。
東海大学出版部のフィールドの生物学シリーズとの類似をみんなが指摘。随所にちりばめられている滑りそうなギャグも、なぜか評価を上げる方向に働いている。なぜか話は、著者一家の暮らしに展開。ジュゴン研究では就職は難しいだろう。奥さんがしっかり稼いで家計を支えているに違いないと邪推。
●「川のホタル 森のホタル」福音館書店たくさんのふしぎ
(紹介文3つ、平均★数は3.0)
ゲンジボタル、ヘイケボタル、ヒメボタルが光る美しい画像が並ぶ。
ホタルの光の画像が美しいのはみんな同意。でも…、と続く。なぜかみんな不満を覚えるらしい。光る画像以外のページが不要な気がする。ホタルの生態を紹介した本自体は珍しくない。行き当たりばったりにホタルが光る画像を撮ってまとめただけのような気がする。関東のホタルも撮りに行きたいといって終わるのはどうなん?撮ってから本にしたらいいのに。などなど、不満がどこにあるのか、不満を言ってる本人たちが判っていない様子。
●「木の実は旅する」福音館書店たくさんのふしぎ
(紹介文3つ、平均★数は3.0)
3人の妖精が風散布、被食散布、貯食散布を紹介する。
とにかく一致したのは、果実やタネ、植物の絵がとても美しくよく出来ているということ。そして続きで指摘されたのは、鳥をはじめとする動物の絵の雑さ。とても同じ人が描いたとは思えない。果実とタネを時間を描けて描いた後に、急遽鳥やネズミや妖精を登場させることになったんじゃないかと邪推。正解のない三択問題、妖精が頭をそろえて相談、なぜか人による散布(外来生物問題じゃないか!)なども評判が悪かった。どうして水散布や引っ付き虫が取り上げられていないかという指摘もあった。かなり凝った構成の絵本だが、それも判りにくいと評判が悪かった。
読者の評判の善し悪しはなかなか読めないが、一読者として判る気もする。
たとえば大阪府の自然を守りたいと思って、保全地域を設定するとする。もちろん不要な自然なんであるわけがないから、大阪府内のすべての山林、すべての農耕地、すべての河川敷、すべての海岸線を指定したとしよう。それで、大阪のすべての自然を守れるかと言えば、たぶんそんなことはないように思う。
そもそも保全地域であらゆる開発をとめる前提なら、そんなに広域を保全地域に設定できないだろう。ってことは、開発に配慮をもとめる程度の保全地域だったりするわけだろう。でも、あらゆる山林、あらゆる農耕地、あらゆる河川敷、あらゆる海岸線が保全対象。地域設定をせずに、山林や農耕地や河川敷や海岸線の自然を大切に、というかけ声とさほど変わらない。すべてを選ぶのは、選ばないのと変わらない。
大部分の地域を選定しても同じような話になりそう。つまり保全地域は広く設定すればいいというものではないんじゃないかと。逆に設定する地域が狭すぎても充分な保全ができないのは容易に想像がつく。つまり、どこかに最適な広さがあるんじゃないかと。どんなモデルを考えたらいいのかな?
今日は、標本同定会改め標本の名前を調べようというイベント。何人もの外部講師をお願いして、どんな生物の標本でも名前が分かる(たぶん)企画。昨年から外部講師の方の標本トークという企画も盛り込まれた。
でも、思うんだけど、わざわざ時間と舞台を用意しなくても、講師のみなさんは一日中標本トークをしてくれている。同定する標本が持ち込まれたら、その標本の説明をするし、関連した話題も話してくれる。同定する標本がなかったらなかったで、他の講師と標本トーク。けっこう講師自身が気になる標本を持ってきていて、それを他の講師に見せつつ標本トーク。これを聞き逃す手はない。
という訳で、自分の担当の標本が持ち込まれてない間は、隣の講師の方々の標本トークを楽しみにしている。
近頃、淡路島から香川県の海岸沿いをふらふらしているので、その際に気になる海岸の植物を採ってきて、この日のために隠しておいたのであった。で、今回は、自分で作った植物のさく葉標本も持ち込んで、標本トークを引き出してみた。
うちの植物屋さんは、なかなか同定してくれないカワツルモ?は、やはりカワツルモであった。兵庫県ではかなりレアと褒められた。けっこう嬉しい。とても外来の植物に詳しい方が、生カワツルモはまだ見たことがないと言ったので、さらに嬉しい。
カワツルモの近くで取った植物。なんとなくウシオツメクサと思ってたのだけど、正解は、ハナウシオツメクサという外来生物であった。むむ、さすがは外来植物屋さん。
うちの植物屋さんが、兵庫県のハマビシの論文を、講師の方からもらっていたので、見せてもらった。ハマビシはちょっとした憧れの植物で、見つけたいのであった。なんと明石の浜で見つかっていたとは…。毎月通ってるのに気づかなかった。と、熱心に読んでいたら、講師の方が別刷を1部くださった。で、過去に記録のある場所をチェックしていていると、地名と地図のプロットが違うような。それを指摘したら、褒めてもらった。
というわけで、標本トークを堪能したい人は、同定会の各会場に入り浸るのが一番なのである。入るきっかけに、あるいはトークのきっかけに標本の一つも持って。あとは、同定で盛り上がっていたり、講師同士が盛り上がっているを、さり気なく近づいて堪能しよう。
大勢がこれをやりだしたら、会場を他に移す必要が出てきそうだけど…。
今日は、ナショナルジオグラフィックのトークショーに参加した。というか、誰より前で見た。って感じ。
最初は、キリンやカバの話をせなあかんから、担当な。と言われたと思う。企画の詳細はまったく知らされず、ココリコの田中さんとトークという。えー、ショコタンではないの?と反応した記憶が…。相手はともかく、ホネを見せて話をしたらいいんだな、と考えた。
1週間ほど前になって、台本が送られてきて驚いた。なんと、ナショジオお得意の映像を見て、それについてトークするって話だった。そんなん聞いてないし。ホネはいるのいらんの? とりあえずホネを見せる必要があるかと問い合わせたら、見せたいなら見せてもいい、みたいな反応。別に見せたくはないけど、トークネタに困った時の材料に用意することにした。なんせ、映像を見た後は必ず「ここで田中と講師がトークで盛り上げる」なんてことが台本に書いてある。盛り上がるのか? 不安になってきた。
見せられる映像は、闘争シーンを大げさに取り上げた感じのが多い。ちょっとなぁ、というコメントがかぶさってそう。いやだなぁ。さらに不安材料は、キリン、カバに続いて、マーコール(野生ヤギの一種)、ハキリアリ、テッポウエビ、サーカスティック・フリンジヘッド。なにそれ?(ギンポの一種らしい) 本番までにそれぞれにどんなコメントが可能か考えておかなくっちゃ。
当日午前、打合せとリハに、ココリコ田中はアロハに短パン、草履でやってきた。Tシャツにジーパン、草履という格好で問題なさそうと一人納得。他のスタッフは、受付周辺に10人ほど。会場内に音声・カメラ・進行などのスタッフが7人ほど。プロデューサーっぽい人2人。そして、MCのお姉さん。思ってた以上に規模が大きい。台本というものがあるので、一層ドキドキ。
コメント考えておくの忘れてたので、昼休みにいろいろ考える。ホネを用意しておいてよかった〜。
で、午後、本番。MCのお姉さんの向かい、ココリコ田中さんの横に座って、映像を見てはコメントする。客席の通路の一番前にはフロアディレクターがいて、カンペを出したりしてるけど、なかなか見る余裕はない。それ以前に一人場違いな私。午前と同じ、Tシャツにジーパン、草履。なんと芸能人は昼の間に派手な背広風の衣装に着替えていた…。
出だしは、講師の自己紹介コーナー。ココリコ田中さんが、あつくサメについて語る。台本にない客いじりもしている。こちらは出番はないと思い込んでるので、喋る気ゼロ。一番前の席で生芸能人のトークを見ている客の気分。客いじりも、MCを見ながらの脱線もうまいし、笑いもとってるなぁ。
ただ、その合間に、チラッチラッこちらを見てくる。どうやら、こっちがコメントしたそうなら振ろうとしてくれてるみたい。いい人だなぁ。だが、隣り合って座っているので、めっちゃ近くて見つめられることになる。テレビで見る以上に顔も目玉も大きい。ちょっと怖い。思わず上半身は引き気味。すると、なんで逃げるんですか?といじられる。
後半の映像を見てのトークは、ココリコ田中さんのおかげで、なんとかこなせたかと。合間合間をつないでくれるし、こっちが困ったら話を拾って強引にまとめにいってくれてた。で、やはり頻繁にアイコンタクト。こっちをじっと見られるとちょっと怖いので、やっぱり引き気味。
と言うわけで、テレビで見る以上にココリコ田中さんはいい人だった。ショコタンではなく、ココリコ田中さんでよかった。フォローしてもらったというのも大きいが、対人部分ではまるで緊張しなかったからもある。ショコタンだったら、緊張しただろうなぁ。
ちなみに、トークショーで流れた映像は、けっこう興味深いものが多かったけど、そこに付けられているナレーションには首をひねる部分が多数。ナショジオってあんなんやったんやな、って思った。
昨日は淡路島、今日は四国の播磨灘岸の調査。水鳥の調査だけど、5月以降は鳥が減るので余裕ができる。で、5月と6月は海浜植物をチェック。7月〜9月は海浜甲虫を採集してる。鳥や植物は、ざーっと見て歩いたらいいけど、海浜甲虫は打ち上げのゴミの下をじっくり探す必要がある。1ヶ所探すには、軽く探しても15〜20分程度はかかる。鳥が少なくて時間に余裕があると言っても、そんなにたくさんの場所は調べられない。昨日も今日も4ヶ所ずつ調べるので精一杯。昨日は危うく、規定時間までに調査が終わらないところだった。
虫の名前はよく分からないが、どんな虫によく出会うかは分かる。播磨灘に共通のとか、四国ではあまり出会わないのとか。一番気になるのは、かつてよく見たのに、最近少ないの。かつて見たといっても、大阪湾で15年くらい前のこと。大阪湾と播磨灘で違うってことかもしれないけど、15年くらいで海浜甲虫相が変わったりするのかな?
今日から5日日程で博物館実習がスタート。15人の大学生が来ている。昨年10月にデビューして、これで2回目。受付からすべてやるのは初めて。昨年したことすら覚えていないので、昨年の覚え書き的な日記を参考に進める。この秋もまた忘れているだろうから、10月の自分に向けて、今回もスケジュールを記録しておく。
09:30 博物館実習スタート 資料を配って、出欠取って、名札を作らせて、友の会に入会させる。今回は遅刻はいない。驚いたことに、すでに友の会会員が1名いた。どうしよう?
09:45〜11:00 実習を受ける際の心得(大切な標本を扱うので丁寧に、学芸員の注意事項をよく聞くこと、分からない事があればすぐに質問すること)。博物館のミッション、沿革、事業内容、友の会・サークル・ネットワークなどの説明。ブログの書き方の説明。お金がないと言いまくった(CPパネルを使い回すとか)。
11:00〜12:00 管理棟とミュージアムショップの案内・解説。スペースがないことを強調(あちこちに標本が置いてある)。
(12:00〜13:00 昼休み)
13:00〜13:55 収蔵庫見学ツアー。3つの収蔵庫をめぐって解説。二層構造の秘密、タイプ標本、火災時の対応など。またまたスペースが足らないことを強調(通路がうまってるとか、なぜか本があるとか)。
(13:55〜14:10 休憩)
14:10〜15:40 展示室見学ツアー。特別展は展示意図、常設展はメンテナンスを中心に解説。進化展から多様性展を経て、たまごとたね展になったいきさつとか、たまごとたねを比較してもらうための対決の趣向とか。常設展では、電気の球換えの難しさ、掃除のしにくさを中心に、ダメなケースを紹介して歩く感じ。第5展示室では、展示の意図と、アナログゲームのメンテナンスの手間、さまざまなトラブルの紹介。
15:40〜16:00 実習ノートの提出。
淡路島の漁港近くの飯屋に入って、地魚の煮付けを頼んだら、必ずメバルが出てくる。今日、たつの市で昼飯を食いに入ったら、地魚の煮付けがある。ガシラの煮付けらしい。ガシラとメバルが違うのかよく知らないが、ガシラの煮付けを頼んでみた。
めっちゃホネが堅くて、それでいてめっちゃ格好いいホネだった。
今日は、みんなで鳥の皮むきをする日。で、なぜか東の国から見学者が。この方、若いのに高いスキルを持っている。で、東の国でも同様の活動をすべく考えていて、その参考にと、遠路はるばる見学に来られる。
SNSではやり取りしたことはあるけど、初対面。けっこう緊張する。怒られたりしないかな?
東の客人は、見た目は怖くなさそうだった。でも、ちょっと緊張しながら、少しお話。暇そうだったので、鳥剥きを押しつけてみた。面倒そうなのを担当してくれる。ありがたいなぁ。調子に乗って、さらに1羽。ちょっと多めに出してしまったのだな。
同じテーブルで鳥の皮を剥きながら、鳥の話とか、東の国での皮剥きの様子などの話を聞く。やっぱり鳥に詳しい。そして、東の国で多くの人を巻き込んで、すでに鳥見に皮剥きにと、活発に活動している。その上、不親切なこちとらと違って、とても親切で、皮剥き初心者に丁寧に教えてくれる。これは楽ちんだなぁ。ってゆうか、メッチャ学芸員向きの人だなぁ。どっかの博物館に就職したらいいのに。
自分で主宰してやってるだけに、鳥剥き会の準備や終わった後の片付けがいろいろと時間がかかることも分かってる。ある意味、とても話が合う。
遠目に見たら、ちょっと怖そうだったけど、実際には怖くなかった。その上、見習うべき点が多数。これからもいろいろ勉強させて頂こうと思った。
で、彼女の方は、遠路はるばる来た意味があったのかな? そこがちょっと心配。
今日は、ホネの標本作りの室内実習。夏休み中に設定すると、夏休みの自由研究をこなそうとする小中学生が殺到する。数年前にそれをさとって、夏休みは子ども対象に特化。昨年からあぶれる大人向けの同じ行事を9月に設定している。で、子ども向けには簡単なニワトリの手羽先、大人向けにはちょいと難しいニワトリの頭とかカエルとかをすることに。
で、今日は、子ども向けの手羽先のホネの標本作り。毎年そうなんだけど、子どもに引っ付いてきた保護者がむしろ熱心で、子どもはすぐに飽きてなんにもせず、保護者ががんばって標本作製。という光景が見られる。多い時には、参加者30名ほどの内、10人近くは参加者は保護者状態。ところがである。今日は、保護者が手伝ってることも少なく、ほぼすべての子どもが自力で手羽先標本を作った。その上、かなり上手だった。
なぜ今年になって突然そんなことに? いや不満はないのだけど、今までのことがあるからとても不思議。子どもが優秀だったのか、保護者の意識が高かったのか、それともスタッフがたくさんいたから?
いつもは、参加者は30人超えだけど、今日は参加者26人。いつもはスタッフは6人ほどだけど、今日は8人。おおむね3人に一人はスタッフが配置されていたことになる。そして、スタッフの熟練度も全般に高かった。親が手を出すまでもなく、スタッフが指導してたから、子どもが頑張れたってことだろうか?
それにしても、意欲のある能力も高い子どもが集まっていたということもありそうだけど。全般に反応がよかったし。わざわざ山形県や東京都からの参加もあったし。過去の参加経験者も4人くらい混じっていた。
同じ行事はたぶん来年もする。来年もスタッフを多めに投入してみよう。それで、スタッフ比率仮説が少し検証・補強できるだろう。
今日は、岸和田市の埋立地に調査に行った。行く途中、同行に植物屋が寄り道したいという。なんでも、とある工場の前に謎の植物が生えてきていて、それがどうもハマアザミらしいというのだ。大阪湾岸でハマアザミは超レア。淡路島に2ヶ所ほど生えているだけ。本当なら大発見。という訳で喜んでついていった。
確かにそれは生えていた。めっちゃ生えていた。でも、ハマアザミの新自生地発見。とは、いろいろ宣言しにくい。なんせ、生えてるのは浜ではない。埋立地のとある工場の入口付近。普通に舗装された道路の端っこ、舗装のすき間や植え込みに生えている。こんな場所に生えることができるというのに、とても驚く。
一緒に行った植物のOさんに、これは本当にハマアザミかと、くどいほど確認してしまった。どう見てもハマアザミだなぁ、との返事。こんな場所に生えれるのなら、どうして大阪湾岸には3ヶ所ほどしか生えてないのか? ってゆうか、どうして市街地の道路沿いの雑草になっていないのか? もしかしたら、実はあちこちの埋立地にハマアザミはいっぱい生えていたりするのか? そもそもこいつはどっから来たのか?
いっぱい疑問は渦巻くが、よく分からず。とりあえず標本用に2株を採取。1株をもらって帰ってきた。つもりだったのだけど、岸和田駅辺りで、忘れて帰って難波到着。慌てて、戻ったけど見つからなかった。駅員に聞いても捨ててないというので、誰かが持って帰ったのだと思うけど。レジ袋に入ったハマアザミなんかを、持って帰る奴の気がしれん。
【追記】
後に、くだんのハマアザミは、その工場の人が花壇に植えたのが逃げ出したと判明。それにしても、あんな場所に生えるなんて〜。
昨日の午後、高校生のための博物館の日があった。大阪市大の大学院生10人が、高校生(と一部中学生)50人ほどに、自分の研究をポスターで紹介・解説したり、博物館の展示を自分の研究にからめて解説する企画。
初めての試みにしては、まあまあの出来。同時に反省点もいろいろ。担当したモズくんを例に、次回に向けて考えておこう。
モズくんの発表は、鳴き声のレパートリーと、雄の質の話。出だしで12人。その後もコンスタントに10人以上を集めて、3回ほど話をした。とても人気。大部分の参加者が聞いていた勘定になる。
質問もいっぱい出ててくる。高鳴きや鳴き真似の意味、レパートリーの調べ方、繁殖回数、産卵数。熱心に質問が出てくるんだけど、突っ込みは弱い。説明された内容を正しいと受け入れて疑わず、説明してくれていない調べ方やモズの生態について質問している感じ。まず調査方法やデータ処理に問題がないか考えなくっちゃ。発表者がデータをきちんと解釈しているか疑わなくっちゃ。どうして、そんな回りくどい相関しか出てないのか考えなきゃ。ナイーブな高校生の質問では、発表者が本当に嫌がりそうな穴をつけていない。
初夏に大阪からいなくなったモズは、北海道でまた繁殖するって話をしてる。
後半は展示室での解説。モズくんは貯食散布からの、モズのはやにえの話。初回は、17人を集めてスタート。これまた10人以上を集めて、3回は説明していた。
季節消長から、はやにえの意義はメスへのプレゼント?って話をしてる。
モズくんのトークは、上手で面白いけど、データや確立した事実ではなく、アイデア依存が強め。大阪で繁殖したモズが北に移動して、また繁殖するというのは、どこまで普遍的かはまだ不明。はやにえの意義も、鳴き声レパートリーとの関連もアイデア段階。
そういうトークでいいかどうかは、このイベントをどう位置づけるかによりそう。研究というものをシビアに紹介するのが目的なら、こんなトークではダメだろう。研究者になる夢を膨らませさせるのが目的なら、とてもいいトークってことになるだろう。ともかく、アイデアを熱く語るのは、高校生受けはよさそうだった。高校生に研究について興味を持ってもらうという意味では、目的は達せられてそう。
他の発表には、調査方法や研究の流れの紹介はなく、自分のデータもろくに出さずに、大学の講義ですか?ってトークをしていた人もいた。これはちょっと、このイベントの趣旨とは違う気がする。実際、高校生もあまり集まっていなかった。
本来なら、合宿2日目は、木曽御嶽山の山頂までの登山で、ホシガラスやイワヒバリ、運が良ければライチョウに出会うはずだった。しかし昨年の噴火のせいで、立ち入りは制限され、木曽御嶽山山頂を下から眺めることになった。残念。
でも、予想外にホシガラスは下まで降りてくるようで、何度も飛び回ってくれて、とまってるのも見れた。でもイワヒバリとかにも会いたかったなぁ。
午前8時に新大阪駅集合。SAで2回休憩・昼食をはさんで、木曽福島駅で名古屋人を拾って、午後2時に、木曽御嶽山南麓の王滝村に到着。宿の大又山荘を通り過ぎて、新滝と清滝をめぐって宿へ。
長野県に行けば涼しいかと思ったら、木曽川沿いは猛暑日。下手したら大阪より暑い。でも、標高1000mほどの宿周辺は涼しい。さすが長野県。夜は寒いくらい。
標高高いからミソサザイくらいさえずっているかと思ったけど、ウグイスやメジロが少しさえずっていただけ。鳥は期待薄かなぁ。
宿の周りにはネコが少なくとも1家族。子ネコが4匹。可愛いんだけど、触らせてくれない…。
ライトトラップは、超不調。羽アリがいっぱいと、ガが少々、そして水生昆虫が飛んでくるだけ。ヤモリが見当たらないのは、長野県らしい感じ。
今日の成果は、アズマヒキガエル、オオマルハナバチ、ツリガネタケ?。立派なコケオニグモがいたけど、スルーした。
今日は、年に3回のカワウのねぐら調査で、夢洲に行った。ついでに夢洲の鳥を調べられるのは嬉しいけど、カワウの調査は。いや調査自体はいいのだけど、かなり退屈。開始時点のカワウの個体数は450羽。それが2時間半の後550羽ほどになって終了。結局のところ、夕方には大部分のカワウはすでにねぐらに戻ってる。もっと効率的に調査できるんじゃないか? とぼんやりとカワウが戻ってくるのを待ちながら思った。
すなわち、午後から日没頃までのカワウの帰還パターンが分かればいいだけ。そしたら、任意のある時点(といっても半分以上が塒に戻っている時間でないと、誤差が多くなりそうだけど)で、一度カワウの個体数を数えたら、その後に戻ってくるカワウの個体数は推定できて、ねぐらに集まる総個体数も推定できる。
カワウの帰還時刻は、日没時刻によって変わるだろうから、日没時刻でそろえてカワウの帰還パターンを調べておく必要があるだろう。もしかしたら、日没時刻や季節や天候や気温によって、帰還パターンは違うかもしれないから、いろんな時の帰還パターンを調べておく必要があるだろう。当然ながら、ねぐらによって帰還パターンは違っているだろうから、ねぐらごとにそうした徹底的な調査をしたデータが必要。毎年同じパターンとは限らないから、毎年データが欲しいねぇ。
だとすると、何年も一年中、ずーっとねぐらに待機して、カワウのねぐらへの帰還パターンを調べておかないと、効率的にカワウのねぐら調査はできないってことになるなぁ。やっぱり、今日だけ2時間半調査している方が、効率的だな。
今日は中高生と一緒にホネを洗う予定だった。ちょっとした気の迷いで、昨日ちょっと多めに砂場から回収して準備してしまった。で、今日なんだけど、ホネ洗いを希望する参加者は2名だけ。途中断水もあって、ぜんぜん進まない。午後4時近くまでかかって、ようやくアシカを1匹洗い終わった。
満足して帰る中学生を見送るのもそこそこに、残ったホネ洗い。8時間。ツキノワグマ1匹、バーバリーシープ1匹(頭なし)、ニホンジカ1匹、イノシシ2匹(ともに頭なし)。どうして頭なしがあるかと言えば、別の時に頭だけ洗ってしまってるかららしい。
なんとか、砂場から回収したのを一通り洗って、ようやく家路に。あー疲れた。
NHKといっても、AMラジオへ。NHKはテレビの生放送だと、長時間拘束されて、何度もリハーサルさせられて面倒だけど、ラジオはぶっつけ本番でいい感じ。
昔はFAX回線を使ってたから、ケーブル引っ張って大変そうだったけど、今は携帯でつながる。
リハも台本もないから、緊張せずに、無事に収録、じゃなかった生出演は終了。うまくいったかは知らんけど。
調査と趣味を兼ねて、スーパーを見つけたら食品売り場を見に行き、デパートがあればデパ地下に行ってしまう。
今日、調査の帰り道。梅田を経由したので、LUCUA1100の地下2階にある某デパートの食品売り場に寄ってみた。
メッチャ歩きやすくて驚いた。梅田の阪神デパートの地下、梅田の阪急デパートの地下、難波の高島屋の地下、なんてのに比べたら、ほとんど人がいないと言っても過言ではないかも知れない。
不思議なことに人がいないから、ダメなデパートかというと、ぜんぜんそんな感じはしない。デパートの地下らしい。高価な食材も売っている一方で、野菜なんか近所のスーパーより安いのが並んでいたりする。産地直送の安い魚も並んでいる。明石漁港や岸和田漁港直送などと、地元の産品を扱っているのも好感が持てる。
ただ、品数が少ない。客が少ないから、あまり売れず。やむを得ず、仕入れを減らしてるんじゃないかなぁ。などと邪推。
端的に言って、ちょっと気に入った。また、梅田に来たら寄ってみよう。
この7月に何があったかと言えば、もちろん無事に特別展「たまごとたね」展のオープンにこぎつけたこと。こぎつけたって言うよりは、今回はいつになく順調に、きちんとした企画の元に展示ができた気がする。解説書も余裕をもって納品の段取りがくめた。このスタイルを今後も踏襲できればと思う。もっとも、できれば特別展の準備のスタートがあと半年早ければ、もっと展示を充実させられたのにという思いも強い。といっても「たまごとたね」展の関係者は、ほぼ全員昨年の「都市の自然」展にも関わっているので、その準備中に平行して「たまごとたね」展のことを考えるのは不可能であった。つまり、少なくとも特別展の主力になるメンバーは連続する2年で重ならないようにするのが肝要ってことになる。まあ、使えるメンバーが限られる中、それができれば苦労はない、ってのが実情だけど。
オープンした「たまごとたね」展の出足は、少なくとも昨年の「都市の自然」展よりはいい感じ。このままのペースで、中程度でいいからヒット特別展になるといいなぁ。
さて、という特別展の準備がある中でもルーティンは入っていて、特別展のオープン後は、それに輪をかけて普及行事が目白押し。それを乗り切ったことの方が、なんとか乗り切った感が強いかも。
7月の行事は、特別展オープン直後の普及講演会(司会進行役)、標本作り祭り(鳥剥き実演)、そして2週続いての子どもワークショップ(のタマゴハカセ)に加えて、ツバメのねぐら観察会の下見と本番。とくにタマゴハカセからのツバメのねぐらのダブルヘッダーは時間的にギリギリで間に合うのかという心配が大きかった。
普及行事に加えて、調査のルーティンは通常通り。播磨灘岸水鳥調査5日、ため池の水鳥調査1日、大和川の水鳥調査半日。そして、この繁殖期に実施しているソウシチョウ繁殖分布調査の追い込みに3日。おかげで、特別展で忙しいはずなのに、なぜか顔や手は真っ黒。
特別展準備にかまけて後回しにしていた仕事が多く、特別展オープン後は、そのしわ寄せも殺到した。博物館実習、バードフェスティバル、8月の実習関連などなど。きっと忘れているしわ寄せがまだある。きっとあるけど、覚えていない…。
今日は、奈良市の平城宮跡でツバメのねぐらの観察会。日没1時間前に集合して、解説しながらツバメの集合を待ち、ツバメが増えてきたら、ツバメの乱舞を観察するという段取り。
申し込みは150人を超えていたが、参加はその半分ほど。昼間がこれだけ暑いと、外に出たくなくなるんだろう。集合時間は暑かったけど、日が暮れて涼しくなって解散。ツバメもたくさん乱舞したし、観察会としては、成功かと。
ただ、子どもたちの不思議な行動が面白かった。何故かあまり空を見上げず、ずーっと質問にかこつけて話し掛けて来る。それなりにツバメに関係のある質問ならいいんだけど、だんだんツバメとなんの関係もない質問も出始める。なぜかは知らないけど、こっちと単に話がしたい様子。それまで、さんざん喋くりかえしていたから、なんか親しみを持つんだろうか? お喋りは解散してからもできるから、とりあえず今は上を見上げよう。質問したかったら、ツバメを見上げながらでどうかな? と言うのだけど、あまり言うことを聞いてくれない。せっかく来て、ツバメは乱舞したのに、ツバメを見ずに帰ってる子がいないか、少し心配。
で、これは今年に限らない。毎年こんな感じなんだな。不思議。
この繁殖期は、大阪府のソウシチョウの繁殖分布を調べている。一応、調査期間は7月末まで。諸般の事情で、7月半ばまで忙しく、7月終わりになって、パタパタと調査に出掛けている。
7月終わりの山は、6月までとは様変わり。鳥の声がとても少なく感じる。もうキビタキもセンダイムシクイもほぼ囀っていない。今回の調査対象のウグイスとソウシチョウは遅くまでさえずっている種だと思うけど、本当にそうなんだろうか? 確かにまだ鳴いてるけど、鳴いてる個体数は、6月と比べると大幅に減っているんじゃ? 調査しながら、とても気になった。そこで、今年の調査最終日の今日は、生駒山地南部の高安山から十三峠を歩いてみた。このコースは、5月半ばと後半にも歩いている。その時の結果と比較すれば、7月後半の調査の意味を評価できるだろう。
で、結果はというと、
5月 9日:ウグイス31羽、ソウシチョウ28羽
5月24日:ウグイス37羽、ソウシチョウ33羽
7月31日:ウグイス41羽、ソウシチョウ31羽
どうやら、7月末になって、ウグイスやソウシチョウがあまり囀らなくなったということはなさそう。ってゆうか、驚きの安定性。ほぼ誤差の範囲に収まってるじゃありませんか。ってことで、ソウシチョウとウグイスの調査は、5月から7月まで行って問題なし。その期間のデータを全部ひとまとめにしても問題なし。よかった
大阪府のソウシチョウの繁殖分布調査。今年の最後に和泉市から岸和田市、三国山から和泉葛城山に行ってきた。もう季節が遅いのだけど、一応ソウシチョウは確認できた。ソウシチョウがいたのは、三国山周辺。和泉葛城山周辺では確認できなかった。今度こそ、今年時点の大阪府のソウシチョウ繁殖分布の端っこをおさえた?
【追記】
と思ったけど、和泉葛城山の山頂部分で、ソウシチョウの囀り情報を頂いた。こうなると、和泉葛城山すら端っこかどうか分からないかも。
そして、この週末、卵ハカセでデビューした。昨年はカラスハカセで売り出したが鳴かず飛ばず。今度ヒットしなければ、もう後がない。そんな中での卵ハカセだった。驚いたことに、卵ハカセは大人気。ワークショップには30分以上前から人が並び、定員をオーバーし、お断りする事もあるほど。毎回定員に達せず、5〜6人でのんびりやっていたカラスハカセとは大違い。カラスハカセと違って、卵ハカセにはコスチュームもないのになぁ。
瀬戸内海岸の植物調査の一環として、ハマボウの調査をした。水鳥調査のついでに。というのも、ちょうど今頃から8月頃は、花が咲いてるから遠目にもハマボウの有無を確認しやすい。というわけで、播磨灘岸の水鳥調査のついでに、岸を見渡してハマボウ探し。瀬戸内海でハマボウは必ずしも多くなくって、鳴門市にはいくつか生息地があるらしい。果たして見つかるか?!
と、思って探し始めて、すぐに気づいたのは、ハマボウはいくらでもある。植え込みに、街路樹的に、公園に、そして庭木として。なんとなれば、鳴門市の市の花はハマボウなのであった…。ハマボウって、どこに植えてもちゃんと花が咲くんだな。でも、自生のハマボウは、イメージとしては、波穏やかな塩湿地みたいな海岸な場所に生えるはず。人家や道路沿いや公園のハマボウは無視して、海岸沿いのを探すことにする。いや、海岸にまで植えられていたら、いかんともし難いんだけど…。
今頃から10月頃まで、駅前にムクドリの大群が集まって、ねぐらを作って、しばしば問題になる。苦情が出るので、行政は追い出しを試みる。
この問題をマスコミが取り上げて、時にコメントを求めてくる。その時に言うのは、ムクドリを皆殺しにする訳には行かないのだから、考えるべきは追い払い方ではなく、共存のための方策。追い払うだけは無責任で、ムクドリの行き先を設定し、そこへの誘導を考えるべき。
その際、問題となるのは、ムクドリの集団を誘導する方法と、行き先の設定。
この時期のムクドリは、駅前のような明るくて賑やかな場所を求める。それでいてクレームが出ない場所はなかなかない。
なかなかないなら、つくればいいんじゃ?というのが、ムクドリ村計画。ムクドリが集団ねぐらをつくるのを前提で並木と広場と店舗群をつくる。店舗の貸し賃を破格の安値設定にして、条件としてムクドリの集団ねぐらを受け入れることと、糞の掃除。ムクドリが集まること自体をインセンティブに直結させるのがポイント。
今日は、午前10時から午後4時まで、鳥の皮むきをしてみせるイベント。黙々と剥いてるだけでなく、それなりに説明もしなくてはならない。たいていは、標本の意義や作り方、作業や鳥の説明をしてるのだが、6時間もやってると、5羽も剥いてると、違うことも話したくなる。
5歳という男の子が、ウルトラセブンとキングジョーの人形を持っていた。で、話はウルトラシリーズに。どうやらお父さんがウルトラマンシリーズが好きで、DVDを使って英才教育を行っている様子。ただ、ウルトラマンシリーズは知っていても、仮面ライダーは平成ライダーしか分からない。宇宙戦艦大和もガンダムも通じない。エヴァンゲリオンすら、5歳児には古すぎるらしい。うーん。共通の話題を見つけにくい。
で、なぜか話題は松田優作に。探偵物語、俺たちは天使だ、傷だらけの天使。どれがどれか分からんというので、説明する。テーマソングが分からんというので、探偵物語を口ずさむ。でも他のは分からんなぁ。5歳児はずーっと置いてきぼり。その親すら付いて来れない話題であった。
その間、ずーっと皮剥き。
今日は中高生と友ヶ島へ行くはずだったのだが中止になった。直接の中止決定理由は、判断時点で現地は雨。午前中は雨が降りそう。そして、大雨強風波浪雷注意報が出ていたから。でも無理して現地に行っても、船が運休で島には渡れなかった。3日前に通過した台風のせいで、島内の道や港が荒れたかららしい。
思えば、昨年も同じく中高生と友ヶ島へ行くはずだったが、同じく台風のせいで桟橋が壊れ、船が運休。やむなく行き先を変えた。
2回続くと、何かあるとしか思えない。すなわち、我々が中高生と友ヶ島に行く計画を立てると、直前に台風が来て友ヶ島に何らかの被害が生じて、船が運休する。理屈は分からないが、とにかくそうなのだ。理屈が分からないが、不幸の因果関係を仮定して、呪いと呼ぶことにしよう。
我々のせいで、友ヶ島関係者のみなさんに迷惑をかけていると思うと、大変心苦しい。来年も友ヶ島へ行く企画を考えよう。
今日はカッコウの先生をお招きして、カッコウを中心に托卵の話をじっくり伺った。
丁寧なしゃべくりで好感度が高い。そして托卵についての疑問点をいろいろ考えさせてくれる。刺激的な話題だった。
講演の後は、たっぷりと質問タイム。会場からたくさん質問が出たが、それに負けないくらい進行役が質問してしまった。
その後は、カッコウ先生と一緒に、「たまごとたね」展会場で、友の会の夕べ。ここでもカッコウ先生は、さっきの講演を聴いていた友の会会員つかまって、質問の嵐。超人気。
耳にした質問は、
・どうして宿主は、卵の大きさとかヒナで見分けないのか?
・宿主は視覚的にしか、自分の子どもかどうか見分けないのか?
・托卵者側は、宿主の他のヒナを排除しない方が、卵識別能力が発達しないのでは?
・鳥の卵の色と模様は托卵対策として進化したのか?
なかなか鋭い質問が並ぶ。聴衆のレベルが高いのか、カッコウ先生の話題提供が適切だったのか。ともかく、刺激的なやり取りになっている。
で、それに負けじと、司会進行役が仕事をほっぽり出して質問したのは、
・宿主が卵識別能力を進化させないように宿主を決めずに広く産めばいいのに?
・卵識別能力を発達させようのない白いor青い卵を産む鳥を宿主にすればいいのに?
・種内托卵から種間托卵が進化したのなら、どうして自分でも営巣しつつ種間托卵する鳥がいないの?
ね、なかなか鋭くない?
いつものプレビュー前夜とは、二重の意味で少し違う。
1つには、自分の担当の展示は午後7時にはできたし、他の人も昆虫担当とかビデオ係があたふたしている以外は、みんな展示はできて、夜は早々とお片付けと仕上げモード。といっても、バナーを取り付けて、ケースを固定して、道具や展示されなかった標本を片付けて。なんやらかんやらは意外なほど時間がかかる。やがて、終電があるとか言いつつ、遠方の人たちは帰っていく。自転車で帰れる近場の者たちが仕上げに追われる。
もう一つは、台風が接近していること。直撃というよりは西にそれているが、それは雨風が一層激しいってこと。いやあ、明日のプレビューは中止じゃないの? だって今すでに暴風警報出てるし。というわけで、万が一、プレビューは実施になって、電車が止まったら困るので、主担当は帰るのを断念。近くにお泊まりするらしい。自転車で帰れる近場の者たちは、暴風警報が出ていてもそろそろ帰るのである。
今回の特別展では、とくに目的もなく始めた我がコレクションを展示することになった。単なる趣味が、まさかの展開である。で、そのコレクションの2つめが、卵菓子のパッケージコレクション。集め始めてもう10年以上になるだろうか。このコレクションがまさか陽の目をみるとは我ながら不思議である。
この繁殖期は大阪のソウシチョウの分布調査を進めている。とりあえず生駒山地を調べたら全域に分布してる。続きで金剛山地の調査に突入。二上山から金剛山にもソウシチョウは普通に分布。で、今日は、金剛山の南、千早峠から紀見峠という金剛山地最南端を調査した。知る限り和泉山脈にソウシチョウはまだ生息していないので、今日の調査エリアのどこかに、大阪でのソウシチョウ分布の端っこがあるはず。
で、いきなり結果。神福山辺りまでは、金剛山と同じようにソウシチョウは分布してる感じ。そこから西にいくと、ソウシチョウはすぐに少なくなり、行者杉辺りを最後に紀見峠までソウシチョウはいなかった。ここがソウシチョウの分布の端っこか?
という訳で、大阪でのソウシチョウ分布の南の端っこを確定させるべく、このまま調査は和泉山脈に突入!
今回の特別展では、とくに目的もなく始めた我がコレクションを展示することになった。単なる趣味が、まさかの展開である。で、そのコレクションの1つが、果物のタネコレクション。昨年3月頃からはじめたもので、手元にすでに200点以上。都道府県別に各品種のタネを集めてきた。
今日、いよいよ展示にかかるべく、コレクションを総点検して、必要なのをセレクトした。何でもかんでもは止めて、ある程度まとまったコレクションがあって、タネの形に変異があって、並べると楽しそう。ってことで、カキとブドウとミカンを展示することに。リストにあるタネがちゃんと見つかって、どれもカビずに保存されていて、けっこう嬉しかった。ただ、マンゴーのタネだけが、カビだらけに…。充分乾かしたつもりなんだけど、乾ききっていなかたか〜。高価な果物なだけに残念。もう買うことはないだろうに。洗ってカビが取れたらいいけどなぁ。
今日は羽曳野市のハッカチョウ情報を頂いた。大阪府内のあちこちから情報が来る。今年に入ってから繁殖期の新産地だけでも、岬町、柏原市、羽曳野市。やはり、大阪府内でのハッカチョウの分布はどんどん広がってる感じ。ただやはり点在している感じなのは不思議。
箱に綿入れて、卵入れて、フタして並べる。だけじゃない、並べ方があった。容器に入れずに立てるのである。けっこう見栄えがいい。でも、そのまま立てるのは時間がかかり、少しの振動で倒れそう。強引なコロンブスの卵のように、下を割るとかありえない。で、どうするかというと、小さい輪っかの上に立てるのである。
動物園から借りてきた出前展示用のタマゴと一緒に、黒いビニール紐で作った輪っかが入っていた。これ何かな? と、しばらく思って、それを使って展示してるのを見て分かった。それを敷いて上にタマゴを立たせるのかぁ。なるほど。大きなタマゴには大きな輪っか、小さなタマゴには小さな輪っか。なるほどなるほど。で、自分でも白いビニール紐で輪っかを作って、タマゴを立たせてみた。地震が来たら倒れそうでちょっと不安だけど、ここは東京じゃないから大丈夫だろう。展示できあがり。
と思ったら、トリと萌蔵がやってきて、ビニール紐で作った輪っかは貧乏臭い、と抜かす。じゃあ、どうしろって?! と、キレて見せたら、手芸店に透明なプラスティック製の輪っかを売ってるという。じゃあ、買って来てや。と言ったら買ってきてくれた。確かにこっちの方が格好いいわ。
たまごとたね展に向けて、今日は鳥の卵をいっぱい引っ張り出して、並べた。どう並べるかはあらかじめ考えてるけど、実物を見て考え直すことも多い。
こうした作業は、いろいろ気付くし、勉強になる。
土の穴とか、樹洞とか、ボール状の巣に産卵する鳥のタマゴは、真っ白け。でも、なぜかスズメのタマゴには模様がある。スズメってへんだなぁ。
逆に、地上のタマゴや、皿状・お椀状の巣に産まれるタマゴは、たいてい模様や色が付いている。気になる例外は、ハト類やメジロ。巣をまず離れないからかなぁ。
っていうのの大きな例外は、水鳥系。大型水鳥は、巣の形にかかわらず、白いタマゴが多い。例外は、カモメ類やクイナ類やツル類。コロニーをつくらないからかな? それでもカモメ類は例外になるけど。
ツル類の中でもGrus属は、みんな模様付き。大きさは違えど、色も模様もよく似ている。ただ、Grus属ではないカンムリヅルやホオカザリヅルは白いタマゴ。みんな似たような巣で、似たような繁殖生態なのに不思議。これは系統で決まってるといいたくなる。
タマゴの特別展。で、関連して胎生の動物の紹介もする。哺乳類はつまらんから、多数派が卵生なのに、この種は胎生だよ!っていうのがメインになる。軟骨魚類、硬骨魚類、両棲類、爬虫類。残念ながら胎生の鳥類はいない。
日本の両棲類に胎生の種はいないらしい。日本の爬虫類にはパラパラと胎生種がいて面白い。ざっと並べると、コモチカナヘビ、ニホンマムシ、ツシママムシ、ヤエヤマヒヴァァ、そしてウミヘビ亜科のウミヘビ類(クロガシラ、マダラ、イイジマ、クロボシ、セグロ、トゲ)が胎生。
コモチカナヘビは、寒い地域に生息するから、胎生が望ましいという説明がなされることがあるらしい。寒い地域に生息するのに卵生の種もいることは、どう考えるべきなのは不思議。
けっこうすっきり説明できるのは、ウミヘビ類。ウミヘビ亜科のウミヘビ類が胎生なのに対して、エラブウミヘビ亜科のウミヘビは卵生。ウミヘビ亜科は繁殖の時も陸に上がらないのに対して、エラブウミヘビ亜科は陸に上がって産卵する。海ではタマゴを産めないから、って説明で良さそう。
マムシ2種が胎生なのは謎。ヤエヤマヒヴァは、近縁でかつては同種ともされたガラスヒヴァは卵生であることを考えると一層謎。とくに理由はありません、って可能性があったりして。
今日は明石市から姫路市東部の海岸の水鳥調査。帰り道、少し遠回りして、国道250号線から国道2号線を自転車で走って帰ってきた。国道沿いのアメリカオニアザミを探すセンサス調査である。ついでに、ハッカチョウも探した。目はキョロキョロと地上を眺めまわして、アメリカオニアザミを探し、耳でハッカチョウの声を探すという段取り。なかなか効率のいい調査でいて、見た目は、妙にキョロキョロしながら、自転車を走らせているだけ。そして、かなり怪しい。
角と言えば、一部の哺乳類にあるイメージ。爬虫類や魚類にもあったりするかも。でも、鳥にもあるとは思わなかった。
今日、期せずして、角のある鳥を2系統見つけた。
ホオジロカンムリヅル。ツルといっても胸骨に気管が入り込んで無くてツマラン。と思いながら剥いていて、頭を裏返した時、思わず突っ込んだ。おまえはキリンか! 頭骨には、キリンのような角が2本。目の前辺りの上も尖っていて、3本角状態なのもキリンにそっくり。
ベニジュケイ。これまた頭の皮を裏返したら面白かった。頭骨にツインテールのように黒くて柔らかいヒモ付いてる。筋肉ではなさそう。血管だろうか。役割ははっきりしてて、ジュケイ類の雄特有の肉質角を立てるもの。常に立ってるわけじゃないんだなぁ。
ほかにも角のある鳥っているかなぁ。
今日からナイトハイク3連発。初日は、完徹でウロウロして、早朝帰ってきて、昼まで寝てた。午後から仕事。そのまま再びナイトハイクへ。
で、初日、明後日のナイトハイクの下見に箕面へ。駅スタートから1時間10分で滝に到着。1日の大雨の名残で川は濁っていて、滝も水が多い。ここまでオオサンショウウオもヒキガエルも見つからず。ホタルは少し飛んでる。雨が心配だったが大丈夫そう、と思ったら、午前2時頃から小雨が降り出す。ヒキガエルには会えず、シカは柵にトラップされてるのを見た。道端から逃げ出すシカらしき気配、フクロウらしき大きな鳥が、木の上で動く羽音など。全体的に、あまり動物の気配は多くない。うーん、週末のナイトハイクは夜歩くだけで、あまり動物に出会えずつまらないかも。困ったなぁ。やはり6月の方が楽しそう。
たったか歩いて、暗い内に箕面駅に到着。1時間ほど始発を待って、家に帰って午前中は一眠り。休みではあるけど、午後から職場でちょいと仕事をしてから、再び夜遅く家を出て、終電近くで妙見口駅へ。今度はサークルのナイトハイク。
【追記】
サークルのナイトハイクは、無事終了。夜の鳥はダメだったけど、シカをたくさん見た。夜明け頃には、明るい中を飛び回るアオバズク。早朝の囀りを聞きながら帰ってきた。
そして、3連発3日目の箕面のナイトハイク本番。のはずだったが、雨天中止。体力的には中止になってよかったかも。来年はこんな無理な企画は止めとこう。
夏の特別展「たまごとたね」展の解説書が、今日の夕方で校了した。編集担当としては、大仕事が一つ終わって一段落。じゃあボチボチ展示でも考えようか、って感じ。
ちなみに印刷屋さんも嬉しそう。納品までに、あと2週間もあるからね。納期は動かせないのに、編集が遅れに遅れて、1週間でなんとかして!って年もあるから。
とにかく今年も、カラーページ12ページ、本文80ページの本が完成。ここ2年は本文110ページほどの大作が続いていたので、ちょっとコンパクトな感じ。販売価格も少しお安くなるかと。
6月に何をやったかと言えば、もちろん夏の特別展の解説書作り。編集と執筆、さらに割付、入稿、原稿と図表の取り立て。なかなかに忙しい。
まあ何はともあれ、2校を返して、大勢は固まった。例年に比べると、過去の編集体験と比べると、日程的にとても順調。ただ本当はさらに楽勝の予定だったんだけど。
他の部分も振り返っておこう。
ルーティンのため池調査、大和川調査、播磨灘岸水鳥調査は無事完了。ソウシチョウ調査は、前半に少し頑張った。アイガモ調査も企画したのだけど、なかなか動かすにいたっていない。
普及行事は、ジュニア自然史クラブ、友の会読書サークル、大阪鳥類研究グループ、なにわホネホネ団という恒例もの。加えて、特別展関連で、タマゴの標本作り実習。特別展に忙しいので控えめ。
特別展に全力投球するために、他のことは特別展がオープンしてからと、後へ後へと予定をずらしている。特別展がオープンしたら、そのしわ寄せが来そうで怖い。