(2005年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、2006年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、
2007年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、2008年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、
2009年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、2010年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、
2011年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、2012年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、
2013年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、2014年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、
2015年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、2016年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月)
3月になって春めいて、カラスの巣さがしが本格化。公園をウロウロするだけで楽しい季節なんだけど。この3月は、とっても気分の悪い出来事が起きて、それに振り回されて終わった感じ。4月以降も収束の気配もない。フェスティバルの運営費の悩みと並んで、この一年の大きな課題ができてしまった。他で充分忙しいっていうのに、なんたるちあ。
ルーティンのため池調査、大和川調査は無事完了。長居公園のカラスの巣チェックが本格化してきた一方で、カラスの枝落とし調査は、サクラの花が咲くまで中断中みたいなもん。
瀬戸内海展に向けての調査は、まずは島の動物相の文献調査をして、現地調査につなげよう。と思っていたのだけど、手をつけれていない。
普及行事は、関西自然保護機構と大阪鳥類研究グループの総会があって、その運営準備と発表準備が忙しかったのが前半。後半はワークショップの子ども祭りがメイン。こちらは見守るのが仕事なので、割と脳天気。
とまあ忙しい中、
読んだ本は、自然史関係1冊とSF4冊。ぼちぼち。
健康面では、1〜2月に苦しんだ頚椎ヘルニアから復活して、とても快適。なにより寝やすい。でも、再発したらイヤなので、枕をするようになった。
昨日、毎月行ってる自転車でのため池巡りをしていたら、とある池に大きめのヒナ連のカイツブリがいた。
と書いたら、名古屋の方から珍しいと言われた。カイツブリの秋冬繁殖は、大阪ではそんなに珍しくない気がする。名古屋で珍しいとしたら、そっちの方が不思議な気がする。鳥類の繁殖期は、ヒナに与える餌になる食物が多い季節にあたってる。ってのはシジュウカラでの研究に基づくと思うけど、多くの鳥で納得できる。それでいけば、魚の現存量にさほど季節変化はない(?)と思うので、魚食性の鳥はとりあえずいつでも繁殖できる。あまり寒いといろいろ支障もあるだろうけど。だとしたら、少なくとも南西日本ではカイツブリの秋冬繁殖は普通に見られていいように思う。だれか研究してるんだろうか?
ただ、秋冬に繁殖可能とは言っても、さすがの大阪でも秋冬繁殖は、初夏の繁殖に比べると少ない。ということは何かしら不都合があるってことだろう。だとすると、そもそも、どんな状況で、どんな個体が秋冬に繁殖するんだろう? 繁殖得意なつがいが、初夏の勢いで、秋冬にも繁殖をするのか。みんなが繁殖する季節にはなわばりを確保できなかった個体が、他の個体の非繁殖期に繁殖するのか。秋冬繁殖には秋冬繁殖なりのノウハウがあって、秋冬繁殖スペシャリストがいるのか。なんとなく、秋や冬にヒナ連れを観察するため池は決まってくるので、秋冬スペシャリスト説は捨てがたい。
カイツブリが繁殖モードにあるかどうかは、顔を見れば分かるので、それを記録していけば、もう少し何か分かるかもしれない。
年度末の週末は、ここ数年恒例のこどもまつり(以前はボランティア祭り、略してボラ祭りと呼んでたけど)。子ども向けワークショップのサポートスタッフの大学生のみなさんが、自分たちで子ども向けワークショップを企画・準備・運営。本来のスタッフや学芸員は、それをサポートするだけという大胆企画。最初にこのプランを聞いた時には、そんなん出来るんかいな?と思ったが、蓋を開けてみると、出来るどころか毎年大学生の底力を見せて頂いている。
3つの班に分かれて、学芸員は自分の専門に近いテーマの班を受け持つ。今年はなぜか葉っぱ班の担当に。
場所は探偵事務所。探偵と助手のいるところに、子ども達が弟子入り。そこに緊急に解決しなくてはならない事件が! ちょうどいいから、みんな手伝ってくれ。と、子ども達は急遽探偵の仕事を手伝うことに。
依頼は、葉っぱと木の展示が、妖怪バラバラにされたから、葉っぱを見分けて、きちんと正しい木に展示して欲しいというもの。ようは、葉っぱで樹種を同定ってこと。葉っぱの大きさと鋸歯の様子で6種に分けるだけ。大人には簡単だけど、ちょっと知ってたらヒントなしでも同定できるけど、子どもにどこまでできるかに注目していた。
とくに、こどもまつりには未就学児が数多く参加する。字が読めないときどう対応するかも悩ましいが、そもそも簡単とはいえ葉っぱの特徴を抽出して、当てはまる樹種を見つけるというのはけっこう抽象的な部分を含む作業。未就学児にできるんだろうか? ある種の実験のような気持ちで、サポートするだけの学芸員は他人事のように思っていた。
で、こどもまつり当日。初日の参加者は全体で87名(その内、未就学39名、小学1年16名、小学2年11名、それ以上21名)。葉っぱ探偵に弟子入りしたのは、合計68名(その内、未就学37名、小学1年12名、小学2年6名、それ以上13名)。未就学なみなさんの人気が相対的に高い。どうも探偵、事件、妖怪という単語がうけたんだじゃないと思う。にも関わらず、内容はけっこう難しい。
どうなることかと思ったけど、もちろん色々反省点はあるけど、そしてマンツーマンで丁寧に説明する必要があったりもするけど。結局のところ、小さい子どもでも、それなりに葉っぱを観察して特徴を抽出できるし、その特徴に基づいて同定もできるらしい。
でも一方で、ざっとした説明では、何をしていいのかそもそも分からない子もけっこういた様子。丁寧にこんな作業をしてねと説明すれば、できてるようだったけど。
人間の子どもってけっこう能力高いんだなぁ。でも、5歳くらいだと、まだまだ脳は発達途中なんだなぁ。というのが、本日の実験の結果、じゃなかった子どもワークショップの結果明らかになったように思う。
ちなみにこのワークショップの構成と本日のラップタイムは、
1:探偵と助手による小芝居イントロ →5〜7分
2:葉っぱの特徴記録とお絵描き →6〜18分(15分超えは3人だけで、他は10分ほどで終わてた)
3:葉っぱの同定と探偵手帳をもらう →4〜13分
といった感じで進行し、17〜30分(特に時間がかかった1人を除くと最大27分)でプログラムは終了。
余裕のある子どもには、葉っぱの裏の色や毛の有無なんかも観察してもらい、なかなか面白いプログラムに仕上がってきたんじゃないかと思う。少なくとも葉っぱをじっくり観察する経験と、軽くでも葉っぱの観察ポイントを知ってもらえたかもで、それは意義がありそう。
ただ、未就学な参加者が2/3を占める興行では、葉っぱの特徴記録と、葉っぱの同定で、人手が足らない感が出てしまう。そこがプログラムとしての課題。
明日と明後日は、大学生のお姉さんお兄さんが自ら企画・準備・運営する子ども向けワークショップを展開する子ども祭り。で、前日はバタバタと最後の仕上げ(いや本当の最後の仕上げは明日の朝だけど)。
我が、葉っぱ班は、夕方、葉っぱを採りにお出かけ。6種それぞれ10枚ずつ集めなくてはならない。木のある場所は分かってるので、ちょいちょいと行って、ちゃちゃっと採ってくるだけ。かと思ったら、意外と手間取る。破れてるのはダメとか、虫喰いはダメとか、白く病気になってないのとか、裏の毛がとれてないのとか。さらには、色合いを揃えたいとか。そして、プログラムの都合上、極端に小さいのとか大きいの、変な形もダメらしい。こんな子ども向けの手作りワークショップにおいてすら、規格化という圧力がかかってくるとは〜。鋸歯がないはずの葉っぱに少し鋸歯があったり。形・大きさ・色合い。よく見ると、同じ種であっても、同じ個体の中ですら、木の葉には変異が多いので、なかなか手強い。逆にその変異を楽しんだらいいんじゃないか、とも思うが未就学な子どもも参加するワークショップには、ちょっと難しいんだろうなぁ。葉っぱの変異を含めて、大人向けのワークショップをしたら、けっこう盛り上がるんじゃないかと思った。
結局、1時間ほどかかって、葉っぱ採り終了。山から木の葉っぱを採ってきて売るって商売があるらしいが、確かに企画にあった注文の品をコンスタントに供給するには、それなりの専門性と時間と手間が必要そう。商売にもなるのも宜なるかな。
いま、長居植物園でエナガが営巣中。エナガの越冬例はあったけど、営巣の確認は初めて。初めての営巣がどんな風に始まったのか気になるのだけど、あまりきちんとは観察できていなかった。でも、何かしら観察してたので、今後のためにそれを記しておこう。
ってゆうか、偉そうに書いてるけど、エナガが営巣してるってことは、教えてもらうまで気付かなかった。竹林の一画にカメラマンたちが集まってるな〜、とは思ってたけど、それだけだった。
ちなみにエナガが抱卵しているかどうかは、尻尾の曲がりで判断できる。と、こちらはFacebookで知り合いに教えて頂いた。
3月19日頃 植物園の方からエナガは営巣はどのくらい時間がかかるかと問い合わせ。植物園でエナガが営巣を始めていて、それが終わるまで巣の周辺の竹を切るのは待って欲しいと言われたらしい。少なくとも4月半ばまでは待って欲しいと応えておいた。
3月23日 カメラマンさん達は、エナガの巣の前で待機。その頃、エナガ夫婦は離れた場所で採食していた。営巣中のはずだけど、抱卵中じゃないのか?3月24日 カメラマンさんによると、長居植物園のエナガは少なくとも一昨日から餌を運んでるらしい。だとすると、巣立ちまで半月程度なら、4月第1週に巣立ちってところだろうか。
くちばしが黄色ではなくなってた。先だけ黒くなってるのかと言えば、全体的に黒っぽい。じゃあ、黒いのかと言えば、黒ではなく。どっちかと言えば、緑色がかった感じの不思議な色。ダイサギを観察して、確認出来れば、その嘴の色を記録してきてるのだけど、記録カテゴリーは、黄色、先黒、黒の3パターン。まさか変な緑色といったパターンがあるとは、今日まで気付かなかった。
今まではこれも黒としていたと思う。今までの記録は替えられないけど、これからの記録をどうするかは悩みどころ。黒緑色とでも書こうか? 気にし始めると、黒っぽいダイサギの嘴が、今日はどれも緑がかってる〜。
とある施設が、池のアカミミガメを捕まえて、近所の川に放している。と、対応を求められたのをきっかけに、アカミミガメ対策を考えてみた。
アカミミガメは人為的に持ち込まれた外来生物だし、けっこう貪欲な捕食者で在来生物への影響も少なからずありそう。という意味では、できれば日本の生態系から排除するのが望ましい。逆に食料としてのアカミミガメに依存している在来生物もいなさそうだし(ってゆうか、ある程度以上のアカミミガメは垂れも食べない。ため池や河川最強)、アカミミガメを完全に排除しても問題は生じないだろう。
じゃあどうやって完全に排除するかというと、これは難しそう。関西なんかでは、アカミミガメは広く定着しすぎている。その上、生息密度も高い。少々の努力では完全排除は難しい。
完全排除が難しいにしても、せめてアカミミガメの個体数密度を下げられないか。とも思うけど、中途半端な捕獲は、かえって繁殖を促進するだけの可能性もある。となると現実的な方向性は、たとえ狭くてもいいからアカミミガメのいない区画をつくること。そして、徐々にアカミミガメフリーのエリアを広げていく努力を続ければ、いつかはアカミミガメを完全排除できるかもしれない。
というようなアカミミガメフリーエリアを作る際、そこのアカミミガメを捕まえて、まだアカミミガメがいるエリアに放すのは、あり得るやり方だと思う。カメを大量に殺すというのは、心理的、世間的に抵抗も大きい。それを避けられるのは、アカミミガメフリーエリアを広める協力者を増やすのにも効果的。すでにアカミミガメが相当数いる場所に、アカミミガメを付け加えると、密度が過剰になって、そこのアカミミガメの繁殖を抑制するかもしれない。ただ気になるのは、アカミミガメ密度が過剰になったエリアで、なんとか生きのこっている在来生物たちにどのような影響があるのか。そこは検証したいところ。アカミミガメ密度に応じた影響を評価できれば、現実的な判断ができるだろう。
今日のなにわホネホネ団の活動日。みんなが黙々と皮剥きや、剥いた中身の肉取りをしている中、片隅でこっそり一人、剥いたタヌキの皮の処理をしていた。剥いた状態では、皮の裏に脂肪や肉がいっぱい付いてるから、それを取り除き、なめし液に浸けられる状態にする。せっかくなので、どのくらい時間がかかるか測ってみた。実際には断続的に処理しているけど、それぞれの行程タイムを記録しておく。
タヌキ:成獣、皮の状態はとてもいい。
1:首から後ろの背中と腹の脂肪と肉を石器でこそげ取る:30分
2:尻尾の脂肪をハサミではさみ取ってから、石器でこそげ取る:30分
3:4本の足先の肉球裏の脂肪などを、ハサミではさみ取る:30分
4:耳から先の頭の脂肪と肉を、ハサミではさみ取る:30分
5:首の堅い脂肪を、ハサミではさみ取ってから、石器でこそげ取る:30分
6:尻周りや皮のエッジの肉や脂肪を、ハサミではさみ取るなど全体の仕上げ:30分
ということで、タヌキ1枚の処理時間はおよそ2時間半。皮剥きよりは時間がかかるけど、死ぬほどかかる訳でもない。ただ、これは好条件が揃ってたからでもある。
・タヌキはさほど大きくなく、ステップ1でこそげ取るのがそもそも簡単。
・タヌキは尻尾が短く、ステップ2が簡単。
・タヌキは指が4本しかないので、ステップ3が少し楽。
やっぱりタヌキはやりやすい。これがアライグマなら、1時間は余計にかかる。
次回は、アライグマなど他の種での処理タイムを計ってみよう。
ちなみにタイムを計ってるから、ちょっと処理は焦り気味。何カ所かハサミで穴を開けた。反省。
結果が送られてきた。毎年調査に参加してるからだな。参加してると言っても、11ヶ所の結果を送ってだけだけど。どうせ毎月60ヶ所以上のため池の水鳥を数えているので、全部提供してもいいのだけど、そこは大人の事情。すでに担当している方を押しのける訳にはいかないらしい。
ともあれ、今年の1月の調査結果が送られてきたのでながめてみた。430ヶ所で調査しているらしい。記録されたのは20種約37000羽のカモ。多い種は、
ホシハジロ 約13000羽
ヒドリガモ 約6000羽
キンクロハジロ 約3600羽
スズガモ 約2900羽
コガモ 約2800羽
ハシビロガモ 約2100羽
マガモ 約2000羽
適当に数字を丸めたら、こんな感じ。上位7種で、全体の約88%を占めている。海ガモ3種で、53%ほどを占めているのだけど、これは淀川河口や埋立地などに海ガモの大群がいるから。てなパターンはここ数年あまり変わらずって感じ。
昨年12月からこの2月にかけて、毎月瀬戸内沿岸を漁港や河口を中心に巡ってまわり、水鳥をカウントした。まだ福岡県の一部と大分県が残っているけど、おおむね冬の瀬戸内海沿岸の水鳥の様子は分かったと思う。で、その結果の入力が終わった(お願いして入力してもらっただけだけど)。となると、同様の他の調査結果と比べてみたくなる。
漁港や河口をひたすら巡るといった阿呆な調査。比較対象はないと思うかもしれないけど、あに図らんや、周防灘に関しては同じような調査が30年ほど前に行われている。
小林繁樹・武下雅文・村本和之・林修(1991)厳冬期におけるカモメ類の生息分布.Strix 10:161-170
この調査は瀬戸内海限定はなく、山口県と福岡県の海岸線全域の河口や漁港を中心にカモメ類を数えたもの。調査が重なるエリアについては、今回の調査と比較が可能。
本来なら個々の調査地点を考慮しつつの比較がしたいところだけど、面倒なのでザッと比べてみる。それだけでも大きな違いが2つ目に付く。
1つはユリカモメの個体数。30年前には100羽以上のユリカモメが記録された場所が17ヶ所ほど。しかし今回の調査では100羽以上のユリカモメがいた場所は6ヶ所しかない。
30年前は、ウミネコが100羽以上いた場所も3ヶ所、セグロカモメも1ヶ所あったが、今回はどちらも100羽以上いた場所はなかった。しかないが、
逆に30年前はズグロカモメは曽根干潟1ヶ所で数羽の記録しかなかったが、今回は6ヶ所で記録され、曽根干潟では350羽以上記録された。
とまあ、ズグロカモメ以外は随分カモメ類は減ったらしい。大阪湾でも、10数年前と比べてカモメ類は減っているので、瀬戸内海全体的な傾向なのかもしれない。
大阪府北部のとある場所で、数年にわたって設置されたフクロウの巣箱1つ。その中に、フクロウのペリットや糞由来と思われる動物のホネなどがいっぱい残っていた。それを調べれば、そこのフクロウがどんな動物を食べていたかが分かるってことで、調べてみることになったらしい。確かにそれは面白そう。で、巣箱を設置した地元のグループの方で、見た目でホネなどを、肉眼で似たものグループに仕分け。粉々のものはさておき、ある程度以上の物はすべて仕分けたという力作。
それをガサッと持ってこられた。残念ながら仕分けたホネがどんな動物のどの部分のホネかはほとんど分からず。頼ってこられたという展開。まあ脊椎動物担当学芸員という仕事柄、そしてなにわホネホネ団事務局長という肩書きから、ホネに詳しかろうと考えるのも無理はないが、実はさほど詳しくない。でも、詳しくないとは言えず、出来る限り頑張らざるを得ない。幸い、それなりに学芸員やホネホネ団をやってると少しは経験値もあるので、まったく分からない訳じゃない。知識が限られているだけで、限られた知識で分かるホネだけが出てくれるように祈るのみ。
そして迎えた当日。すべてを、ざっと同定するのに、5時間もかかった。同定と言っても、準備不足もあって、モグラ、ヒミズ、ネズミ、鳥、カエルに分けれただけ。モグラはコウベモグラでよさそうだけど、ネズミはアカネズミかなぁ〜、カエルはタゴカエルは混じってる気がする。っていう程度で、とても曖昧。
それでも、みなさんは喜んでくれたけど。それは5時間も頑張ったっていう努力賞っぽい。
是非、再戦の機会をもって、ネズミとカエルもできる範囲で種まで同定したいところ。
でも、フクロウが食べていたものだけど、一番多いのはモグラだった。そしてネズミ、ヒミズ、カエル、鳥の順。鳥はほんの数個体だけど、カエルまではそれなりにまとまった数が出てきた。モグラやヒミズが主食というのにも驚いたが、フクロウがこんなにカエルを食べるとは知らなかった。夜鳴いてるカエルは、フクロウからの捕食のリスクにもさらされているのかもしれない。
繁殖開始が前倒しになるんだろうか?
大阪府でカワウが繁殖をはじめて10数年。最初は、3月頃に繁殖をはじめてたと思うんだけど、いまや1月に繁殖は当たり前、12月から営巣してるつがいまでいる。カワウにつられたんだろうか、アオサギの繁殖開始も早くなってると思う。
どうして繁殖開始が早くなるのかはよく分からない。そもそも、東京では秋がカワウの繁殖期ってな場所もあったくらいで、カワウの繁殖期はいいかげん。ってゆうか、年中繁殖可能。
よりいい場所で営巣するために、早め早めに繁殖を開始するつがいが出てきて、場所取り合戦の影響で、だんだん繁殖開始が早まってるんじゃないかと、なんとなく思ってる。密度が高まるほど、場所取り合戦はよりシビアになって、繁殖開始もどんどん早まっていく。
思ってはいるけど、証明は難しい。そもそも、場所取り合戦なら、場所だけ確保しておけばいいわけで、別に営巣を始めなくってもいい気がする。一つ証明になりそうなこととしては、年中繁殖可能で、より早く営巣を始めるのが重要、ってことで繁殖開始が早まっているのなら、その前倒しは12月では止まらないって事。11月、10月、9月、8月と早まっていくはず。
Uさんはこの3月で退職。昨年秋の鳥学会大会でも退職記念パーティが、懇親会とは別に学生たちによって企画され、この2月に東京で最終講義があったのに、今日は場所を大阪に移して退職記念講演会が開かれた。こういう時に愛されていたかどうかが分かるってもんなんだろう。誰もが認めるUさんの一番の業績は、多くの学生を一人前の鳥の研究者に育てたこと、あるいは行き場を提供して応援したことだから。などと言われると本人はどう思うだろう。でも、同年代の教官で、Uさん以上に学生を育てた人がいないのは確か。
で、そのUさんの研究歴だけど。
中学生の時に、登下校の際に鳥を数えたり、ケリの繁殖を報告したのを除き。大学では最初はガの研究をしてたとか、ガを食べるスズメの論文を書いたとかは、さておくと、こんな感じかと。
大阪市大時代
・信太山でのセッカの繁殖の研究。
立教大時代
・イワツバメの研究
・ヨシゴイなど湿地の鳥の研究
・富士山の鳥の研究
・オーストラリアの鳥の研究
・ニューカレドニアの鳥の研究
・福島の鳥の研究
この他に
・種子散布や盗蜜行動の研究(わりと南の島?)
研究歴を振り返る講演で、データなり成果を示したのは、セッカと、富士山のジュウイチと、オーストラリアのカッコウの托卵と、福島。それぞれ何かしら強いこだわりがあるんだろう。種子散布の話はかけらも出ない。自分ではあまり研究しておらず、名前を貸したって感じなんだろうか。
で、来年のこの時期にまた大阪に来てもらって、話を聞く予定なんだけど、なんの話を聞こうかな。個人的にはセッカの話をじっくり聞きたいんだけど。
やっぱり生の葉っぱを見せる必要がある。落ち葉じゃ厳しいし、茶色い標本もダメ。ってことになると、これが夏休み企画なら多様な葉っぱを用意できるけど、春休み企画だと常緑樹しか使えない。やはり厳しい。形の多様性だと掌状の葉っぱが軒並み使えない。葉っぱ表の色合いや艶といった特徴も使いにくい。小学校低学年に、葉脈の細かい特徴を見てもらうってわけにも…。互生と対生は枝ごと、実物を一定数準備するのが辛い。複葉は説明が難しい。しばりがきつすぎる〜。
ってことで、鋸歯の有無やその形をじっくり見てもらう形だろうか? あとは大きさで、種を判断だろうか? 葉っぱの裏の色は使える場合もあるかも。一部の葉っぱは匂い?手触り?
まあ、実物の葉っぱを見て触って、いろいろ特徴を見て取ってもらう機会を提供できれば、それなりに有意義な気はする。
はじめに
近年、自然史博物館では標本や図書など博物館資料を収蔵するスペースの不足が問題となっている。また、博物館活動が活発化するにつれて、外部の研究者や博物館と連携して活動するグループの活動場所の不足も深刻である。こうしたスペースの不足は、博物館施設が狭いことに起因する部分が多いのだが、限られたスペースの利用方法に問題がある可能性も考えられる。そこで、本研究では博物館人の貯蔵行動に見られるパターンを明らかにし、自然史博物館のスペース不足解消のための方策を検討する。
方法
大人の事情からスペースを捻出する必要が生じた部屋に焦点をあて、その部屋を片付ける作業を進める中で、どういった物が部屋のスペースを占拠しているかをリストアップした。とくにその部屋に不必要と判断されたものがどういった物であったのかを、類型化しつつ整理した。
結果
その部屋は、実験・計測を行うことを主目的とする部屋であり、もともとさまざまな計測機器・試料保存処理設備と多くの机、および椅子が設置されていた。今回、さらに広く研究活動・博物館活動に利用するために片付けが進められた。その片付け作業の中で、本来その部屋になくていいもの、あるいは廃棄すべきものが、数多く見つかった。
多く見つかったのは、処理途中の標本と、展示の終わった展示物である。これは、本来この部屋にあるべきものではない。
また、数多くの計測機器も見つかった。同じ目的の計測機器が複数あり、実際に使われているのはその一部で、他は保管されているだけであった。これはすでに機器があるのに、他から譲り受けてくることを繰り返した結果である。
また、さまざな瓶、容器、箱が大量に見つかった。この部屋の中での実験・計測などの作業に必要なものではあるが、目立たない場所にしまいこまれ、日常的に使われている様子はない。また、さまざまな薬品も見つかった。これもまた使われている様子はなく、そもそもアクセスしにくい戸棚に秘蔵されていた。
驚いたことに、こわれた冷蔵庫・冷凍庫、こわれたコンピュータ。すなわちゴミというべきものも、それぞれ3つずつ見つかった。その意味は分からない。
考察
今回片付け作業の中で、この部屋にあるべきではない物が多数見つかった。処理途中の標本は、すみやかに処理を進め、収蔵庫に収めるのが本来の姿である。ただ、膨大な標本を収集する中で、処理途中の資料が大量に蓄積されるのはよくあることであり、これは責められない。が、適度であればめをつぶるべきである。ただ、完全にその存在を忘れ去られた物もあったことは問題である。研究に必要な機器・設備が複数あることは、それを使っているなら問題はないが、ただ保管しているならスペースの無駄遣いに過ぎない。瓶、容器、箱、あるいは薬品も、秘蔵していては何の意味もない。壊れた冷蔵庫・冷凍庫、コンピュータにいたっては、どうしてすみやかに廃棄しないのか、まったく理解できない。
以上の現象は、博物館人の多くに貯蔵習性があると考えると理解できる。そもそも大量の博物館資料を収集する自然史博物館の博物館人には、貯蔵習性は不可欠である。ただその習性は、他のさまざまな側面にも及び、利用する予定はなくても機器が手に入れば受け取り、壊れても廃棄せず、消耗品も秘蔵していくのだろう。
実際、貯蔵は複数の博物館人によって行われていることは、貯蔵物資の特徴から判断できる。また、貯蔵場所は、机の下、棚の上、さまざまな機器の上、日よけの陰の窓際、実験機器の後ろにまで及び、日常的にアクセスするのは不可能な場合が多い。貯蔵しているものがしばしば壊れていること、冗長性が高いことなどを考えると、使うために貯蔵しているというよりは、貯蔵のために貯蔵していると考えた方が理解しやすい。
自然史博物館におけるスペース不足は、そもそも狭いことに原因があるが、博物館人の貯蔵習性に依るところも少なからずあると考えられる。標本や書籍などの博物館資料を廃棄する訳にはいかないが、その他の物に関しては、不必要な貯蔵を避けることで、博物館のスペース不足は少しは緩和されると考えられる。もっともそんなことができる博物館人はいないが。
一昨日の地域自然史と保全研究発表会は、いろんな生物の話が聞けて面白かった。もともとこの集まりのポスター発表は淡水生物の割合が高いのだけど、今回はシンポジウムも淡水生物だし、口頭発表もすべて淡水生物(ってゆうか両生類)。どんたけ淡水淡水してるんだ!
って上に、シンポジウムはいつの間にか在来生物と置き換わっている外来生物がテーマ。メダカ、オオサンショウウオ、スッポン、そしてミナミヌマエビ。メダカにヒメダカが混じる、オオサンショウウオにチュウゴクオオサンショウウオが混じる、在来のスッポンに大陸産のスッポンらしきのが混じる。いずれも交雑が問題なる話で、見分けるにはDNAな解析が必要。それに対して、ミナミヌマエビ種群の話は、よく似た別種が入り込んでいる!って話で、寄生虫の話付きで、ちょっと異色。そして、DNA抜きにも少しは対応できそう。
ポスター発表でも外来の淡水エビの発表が2つあった。1つはミナミヌマエビ種群の話。もう1つはスジエビとの近縁種の話。ミナミヌマエビにいつの間にか混じっているカワリヌマエビ類は、何種も入り込んでいるらしく、その種を決定するのがかなり難しそう。せめてミナミヌマエビとカワリヌマエビ類が肉眼で見分けられるといいのだけど、それすら難しそうな…(知らんけど)。一方、スジエビと、その近縁な外来淡水エビは、頭胸甲の模様で見分けられるという。これなら野外でもなんとかなる。ってことは、外来生物調査プロジェクトでテーマにできるってことだな。
唯一のネックは、その外来のスジエビPalaemonetes sinensisiにはまだ和名がないこと。さっさとチュウゴクスジエビとでも和名を付けて欲しい。でないと、勝手に付けるぞ!
2009年から地元公園で、カラスの巣をチェック。当初の思惑はともかく、鳥の巣自体けっこう気になる方なので、カラスの繁殖よりも巣の動向を調べてるような感じになってきた。けっこう古巣が使われるとか、いったん巣がなくなっても同じような場所にまた作られるなぁとか。いろいろと面白い。そんな中で、気になり始めたのが、秋から冬のカラスの巣の生き残り。ってゆうか、秋から冬にけっこうカラスの巣がなくなる。でも、この公園は人は巣を除去しないので、自然に大風とかで落ちるのかなぁ、と思ってた。
どうもいったん巣がなくなっても、同じような場所に巣をつくることがあるので、ある年から、非繁殖期にもカラスの巣をチェックするようにしはじめた。とたんに気になり始めたのが、巣がなくなるタイミング。どうも秋の台風シーズンではなく、次の繁殖期が近付いた年末頃から、巣がよくなくなる気がする。で、2015年の繁殖期が終わった後、秋頃から長居植物園内のカラスの巣をチェックした結果、カラスの巣がいつ頃なくなったのかをまとめてみた。
■2015年の繁殖期が終わった時点で、
長居植物園内に把握していたカラスの巣の数:17巣
■その内、2016年3月3日時点で、残っていた巣の数: 5巣
といっても、6月頃から10月までさぼっていたので、6月時点であった巣に、10月から年末頃(まだ新しい巣はつくらない)に新たに見つけた巣(見逃してたんだろうねぇ)を足したのが17巣。
その17巣が、3月頭に5巣しか残ってなかった。ってことは、生残率は約30%に過ぎない。何月になくなったのか、チェックで分かる範囲で整理すると(不明は、しばらく見逃していたのだけど、3月に再発見してしまった巣)、
■長居植物園内のカラスの巣が無くなったタイミングは、
◆繁殖期終了〜10月:2巣
◆11月 :1巣
◆12月 :1巣
◆ 1月 :2巣
◆ 2月 :3巣
◆不明 :3巣
不明を除くと、巣が無くなったのは12月以降が2/3。なくなった時、巣があった木の下にはバラバラの枝が散乱していることが多い。つまり、たんに落ちたというよりは、バラされた感じ。
現場を確認できていないのだけど、観察していての印象では、巣をバラした犯人は、カラスじゃないかなと思ってる。何のために巣を壊すのかは知らんけど、そもそもカラスが巣を壊したとして、なわばりの持ち主が壊したのかも分からないけど。来年度の冬のテーマは、犯行現場を押さえることかもしれない。
今日は、地域自然史と保全研究発表会という集まりで、ポスター発表をした。昨年10月からはまっているカラスの枝落としの話をしてみた。こうした場で発表して何かメリットがあったなぁ、という記憶はあまりないのだけど、今回は発表してよかった。疑問に思っていた事の答えを教えてもらえた。
つまり、樹は自ら葉っぱ付きの枝を落とすことがあるというのだ。とくに目立つのはクヌギやコナラなどのブナ科植物。そうそう、カラスの枝落とし情報を集め始めた当初から、クヌギ、アベマキ、コナラの葉っぱ付きの枝が落ちている情報が届いたし、地元植物園でもいっぱい落ちているのが気になっていた。でも、枝の折れ口を見ると離層っぽいのが出来ているので、カラスが落としたとは限らない。と判断していたのだけど、それは正しかったことになる。同じようにエノキの葉っぱと果実付きの枝が落ちているのも、離層っぽいのが出来ているし、樹が自分で落としたと判断していいだろうとのこと。
ってことで、葉っぱや果実付きの枝が落ちていても、切り口を見て、無理矢理折った感じになっているのではなく、離層っぽく綺麗な切り口なら、樹が自分で落としたと判断していいだろうとのこと。
で、その現象を自律落枝と言われてたような、自己落枝と言ってたような。肝心の単語を忘れてしまった…。とにかく、ブナ科植物以外にも、ポプラやカエデ類などで自※落枝は知られているとのこと。
知られているというか、現象としての報告はあるけど、日本では近頃は流行ってなくて、最近の日本語の植物学の教科書には出てこないとか。若い植物屋さんは知らない可能性がけっこうありそう。古い植物学の教科書には出てるとのこと。
近頃、マツの枝がけっこう落ちているので気になっているのだけど、ちゃんと切り口を確認しなくっちゃ。
ってゆうか、ここ数年、3月〜5月頃まで地元公園でカラスの巣をチェックしている。だいたい、2月後半頃からハシボソガラスが巣をつくりはじめ、やめたりつくったりを繰り返し、3月後半からはハシブトガラスも巣づくり開始。で、やめたりつくったりを繰り返して、4月下旬には一段落。いや、5月になってもやり直しなのか、新たに巣をつくるカラスはいるけど、一段落するとこちらのやる気が薄れて、調査は5月後半にフェイドアウト。
冬鳥調査は2月で一段落する。逆に、5月後半から他の繁殖分布調査が本格化して忙しくなる。だから、カラスの繁殖調査は、その合間に展開できるので、ちょうどいい。まあ、5月後半以降もやり直しなのか、新たな巣もできるので、もう少し後までカラスの調査を頑張った方がいいんだけど。まあ遅れてつくられた巣は、他の繁殖調査が終了した8月にチェックする感じ。
3月から5月前半というのは、暖かくなってきて、それでいて暑くもなくて、公園をウロウロするには絶好のシーズン。近所でできる楽しい調査。で、まあ3月に入ったので、そろそろ調査スタート。植物園の中は、冬の間もずっと他の調査のついでにチェックしてるけど、植物園以外の公園の調査は実に久しぶり。久しぶりだけど、自転車で回っていると、昨年の巣場所のことをいろいろ思い出す。思い出せないと、チェックもできないんだけどね。
3月になったので、今日から地元公園のカラスの巣調査を本格開始。で、自転車でカラスの巣を探して回った。林床からガァーとハシボソガラスの声がしたので、なにげなく目をやると、ハシボソガラスが2羽林床にいる。片方のカラスの足下で何かバタバタしている。ドバトだった。それが午後3時頃。
自転車から降りて見てたら、カラスはドバトを放して、こちらを警戒している。押さえられていたドバトは、頭、翼、胴体とあちこちの羽根が抜けて乱れて、血もにじんでいる。自分の脚で立ち上がってはいるが、すでにかなり弱ってるらしく、飛んで逃げるどころか、歩いて逃げる気配もない。
自転車を押して、さりげなくカラスの前を通過。30mくらい行きすぎてから立ち止まり、振り返ってみると、カラスは再びドバトを脚で押さえている。で、林床に腰を下ろしてじっくり観察。
片脚でドバトを押さえたカラスは、ドバトの羽根をドンドンむしっている。とにかくひたすら抜いている。そのたびにドバトはバタバタしているが、逃げられないらしい。見ると、翼はすでに次列風切はなくなっている様子。10分くらい、ひたすらカラスは羽根を抜く、ドバトはバタバタ。でも、ドバトのバタバタがおさまってきた頃、肉をむしって食べだした。驚いたことに、ドバトは弱々しくはあるけど、まだ翼を動かしている。カラスはとどめをささないらしい。カラスは肉をむしっては食べている。5分くらいかかって、ドバトは動かなくなった。
その間、人が通って、カラスがドバトを置いて逃げて、再び戻るを2回繰り返した。同じカラスが戻ってきたかは分からないが、ドバトを押さえて、羽根をむしって、食べるのは常に1羽だけ。もう1羽はすぐ近くで所在なげにしている。時々、少し近づくが、一緒に羽根をむしったり、食べたりはしない。遠巻きに見ている感じ。
15分ほど観察して、いったんその場を離れた。20分ほどして戻ってみると、まだカラスはドバトを食べている。やっぱり1羽だけ。ドバトの様子を確認したいと思ってたら、子どもが枝を振り回してやってきて、カラスは逃げた。
このすきに、とばかりにドバトを確認に行った。尾羽と次列風切は引っこ抜かれて、翼には初列風切と初列雨覆辺りだけが残っている。胴体の羽根もかなりむしられていて、両わき腹辺りの皮が切られて、肉がむしられている。肋骨の間から内臓も見えている。よく見ると、頭はなくなっていた。留守にしている間に、頭をちぎったらしい。その場面を見たかったのに残念。
林床に座り込んで、ハシボソガラスがドバトを食べているのを観察していると、画面の中をシロハラやドバトが行ったり来たりしていた。採食しているだけでなく、ドバトは求愛ディスプレイを熱心にしていたり。すぐそばで仲間でないにしても、同じ種が喰われているのに、何とも感じてない様子。人間の感情を当てはめるのは間違ってはいるが、なんかシュールな、妙な感じがしてしまうのはいかんともし難い。
【追記】
翌日の昼頃、現場に行ってみたら、ドバトの尾羽、次列風切、体羽が散乱しているだけで、血も肉もホネも落ちていない。周辺の林床では、あいかわらずドバトとシロハラがウロウロしていて、食べ物を探している。
2月の間、博物館本館は休館。で、今日、リニューアルオープン。超プチプチだけど。
そもそも博物館の展示は10年に一度くらいは更新したいところ。できればちゃんとお金をかけて、格好いいのを作りたい。そして、展示室1つずつとかの単位でリニューアルしていきたい。でも、お金がないから、学芸員手作りの展示更新。お金のみならず、スキルもかけられる時間も限られるから、コーナーごとにリニューアル。当然ながら、展示更新の必要性の高い高いコーナーから更新していくことになる。
今までに手作り展示更新したのは、第1展示室の都市公園の自然とレッドリストの2コーナー。都市公園の自然はかつては外来生物っぽく、レッドリストは大阪の哺乳類のだった。どちらも、新館の展示と重なりが大きいから、リニューアル対象に選ばれた。
今回選ばれたのは、3コーナー。
第1展示室:淀川の自然 <新館の展示と完全に重なる>
第3展示室:種子散布 <とにかく展示が古くて、展示替え希望No.1>
第3展示室:ポリネーション <第5展示室に一部の展示を移して空きがある>
で、第3展示室の2コーナーは、コーナーテーマはそのままに。淀川の自然は、外来生物のコーナーに。3つのコーナーのリニューアルチームが結成されたのだが、なぜか一人だけ、3チームすべてに加入。その代わり負担は少なめにしてもらえた。
第1展示室:外来生物
外来生物が多い環境は、淡水や草地。なので、淀川という舞台はそのままに、外来生物を配置することに。→担当したのは、パネル原稿書きと、アライグマ、ヌートリアの配置。
第3展示室:種子散布
風でクルクル回るフタバガキと、海流散布種子が浜に打ち上がってるミニジオラマは維持。その他は一新。国内や長居公園のタネの展示にこだわらず、むしろ世界のいろんなタネを並べることに。→担当したのは、古い展示にあった剥製を撤収した以外は、パネル原稿を書くだけ。
第3展示室:ポリネーション
空きスペースにあったのは、ハナバチによるポリネーションだけだったが、さまざまな昆虫、さらには鳥による花粉媒介の展示に。→担当したのは、パネル原稿書きと、写真手配、ツバキの花にきたヒヨドリ剥製の手配。
なんにせよ今年の展示更新は完了。food cacheがhood cacheにしてたり、舌の先をと書くところが、くちばしの先になってたり。量は少ないので、けっこうミスが多いのに少しショック。でも、できてよかった。
毎年、少しずつリニューアルしていこうという話になってる。来年はどのコーナーになるのかな。
昨日、伊丹市の昆陽池に行った。間近に水鳥がたくさん見られる場所として、関西では有名な昆陽池。だったはずが、すっかり水鳥は少なくなってしまっていた。どうしてだろう?
といっても、増えた鳥もいれば、相変わらずの鳥もいる。いつと比べるかが話は違うから、とりあえず20年ほど前と比べてみよう。あくまでも記憶をたどって。
カワウは、20年前よりは増えた。島で繁殖始めたからね。ただ島で繁殖を始めた当初は木が高かったのが、ドンドン枯れてカワウが巣をかけられる場所は減った気がする。その頃と比べるなら、カワウも少し減ったかな。
ユリカモメは減った。これは激減。20年前にはここで捕獲して標識調査もしていたのに。今日は数羽いるだけ。
コブハクチョウはあんまり変わらない。いや少し増えたかな。まあこれは放し飼いだから。
カモも減った。かつては餌をあたえる桟橋周辺以外にも、カモがいっぱい浮いてたけど、今日は桟橋周辺にしかカモの群れは見あたらないし、その数も控えめ。ただ集まってる種は、ヒドリガモ、オナガガモ、ハシビロガモ、キンクロハジロ。昔も今も似たような感じ。
かつては餌を与える辺りには、オナガガモやヒドリガモがたくさん陸に上がっていたのだけど、今日は時々オナガガモが少しあがってくるくらい。
ユリカモメが減ったのは、とくに内陸にあまり入らないのは、近年の京阪神で広く見られる傾向。それがなぜなのかは分からないけど、ユリカモメ自体が減ってる気がするけど、もっと広い範囲で起きてる現象が、昆陽池でも起きてる感じ。
カモは、他の地域で減った感はとくにない。昆陽池で何かが沖田のだろうか。給餌をやめた訳ではないらしいのだけど、給餌量は減ったのだろうか? 餌やりに来る人が減ったのだろうか? そんなのに反応するのかな?
3月末の週末に予定されている子どもワークショップ企画、子ども祭り。大学生のサポートスタッフが3班に分かれ、自分たちで子どもワークショップのプログラムを企画、準備、実施する。一年の総決算的なイベント。例年、これを通じてサポートスタッフ達は大きく成長する。で、本番約1ヶ月前の今日、中間発表会があった。準備の最終段階に入る前に、他の班のメンバーやスタッフに、プログラム案を見てもらって意見をもらうというもの。
昨年から始まったが、昨年は出席し損ねて、今年が初めて。夕方集合して、2時間半もやってた。それでいて、なかなか中身の濃い時間であった。
石班
出だしで、プログラムのアウトラインが説明されなかったので、いったいどこに向かうか分からないままに進んでいく。まずは軽いゲームの結果ゲットした化石の一部が描かれた紙が渡され、その化石を展示室で見つけるように言われる。けっこう難しい。見つけたら、それをスケッチするように言われる。めっちゃ上手の見本のアンモナイトのスケッチを見せられて感心する。これで終わりかと思ったら、今度は次の化石を探す指令が出る。で、また見つけたらそのスケッチ。アロサウルス全身のスケッチにはめっちゃ時間がかかるぞ! とにかく2つめスケッチが終わったとして、ゴール。と思ったら、そこで2つの化石の共通点は何? という問題が出る。まだ、続きがあるのか〜。ってゆうか、そこでようやくワークショップのタイトルを思い出す。「発見!!にたもの化石」だった…。行き先不明のジェットコースター感。
とても斬新な展開で、面白かった。でも、めっちゃ時間がかかるぞ、このプログラム。最初にゲットしたカードの化石と共通点のある化石を子どもに決めさせ、スケッチはその化石1つ、ゴールで子どもに共通点を説明してもらう。とか。
やさい班
原始人のようなご先祖さまが登場。小芝居の後、ご先祖さまのために子どもたちが、移動販売の八百屋で野菜や果物を買い物してくる。それを見たご先祖さまは、そんな野菜見たことがない!知らん果物は食えない!とかダメ出しをして、けっきょく今食べてる野菜や果物の多くは外国原産なんだねぇ。っていう小芝居で終わる。
ご先祖様登場、八百屋さんで買い物という流れは楽しそう。だけど、子どもたちは、よく分からないまま野菜・果物カードを選ぶだけで、あとは小芝居を見る。達成感が少ないし、作業の中で子どもが何かに気付くってプロセスも少なく、小芝居みるだけ。買い物の後、もう少し子どもが何かをして、日本原産の野菜・果物は少ないなぁ、と気付く仕掛けが必要。買い物した後、地図に野菜・果物カードを原産地ごとに貼るとか。ビンゴゲームにするとか。
葉っぱ班
子どもは探偵の助手という設定で、葉っぱの正体を調べる。ブラックボックスから葉っぱを引いて、その葉っぱをスケッチ、特徴を書きだして、いくつかの候補の中のどれなのかを推理/同定する。で、葉っぱカードを、葉のない木に貼って事件解決。
探偵設定はとても楽しそう。子どもが考えるステップを3つもあるので、長くなりそう。いかにコンパクトにまとめるかがポイント。エンディングのまとめも工夫がいる感じ。すでに誰かが葉っぱを貼っていたら、推理しなくても正解が分かってしまって、子ども一人一人の事件を解決した感が少なくなる。事件を解決して、木に葉っぱを貼るを、別ステップ、別スペースで行ってはという提案あり。
隔月で、課題本の紹介文を持ち寄って、本についてあれこれ言い合うサークル。今日の会合で出た本についての意見を記録。
今日の課題本は7冊。その内、1冊は宿題に。さらに前回以前からの宿題となっていた本2冊のうち1冊は、さらに宿題となったので、7冊についてあれこれ話し合った。
ちなみに各人は紹介文を書いてきていてて、4つを最大として★を付けている。
●「けもの道の歩き方」リトルモア
(紹介文3つ、平均★数は2.7)
プロでもアマチュアでもなく、生活の一部として罠猟をする著者の体験は興味深いという点で評価は一致。狩猟や近頃の自然全般についての記述は新鮮味がない感じ。そのどちら部分を重視するかで、評価が分かれたのかも。
●「伝統野菜をつくった人々」農山漁村文化協会
(紹介文2つ、平均★数は2.0)
博士論文を本にしたらしい。そのため一次資料の引用が多く、そういうのに慣れてないと読みにくい。それで読破できなかった人もいた。ただよく読めば面白い内容がけっこう盛り込まれていて、それを紹介するとみんなけっこう興味をもった。
●「遺伝子から解き明かす昆虫の不思議な世界」悠書館
(紹介文2つ、平均★数は3.0)
評価は2つに分かれた。とにかく昆虫についての話題が豊富。それを喜んだ人は「話題は多岐にわたっている」と評価。一方で「全体的にまとまり感が少ない」という評価も。DNAやタンパク質ベースの研究成果の紹介なので、ちょっと小難しい。それについていけるかどうかが、評価の分かれ目かもしれない。
●「ミミズの謎」誠文堂新光社
(紹介文3つ、平均★数は3.3)
道で干からびている大量のミミズ。誰もが見たことのある現象の謎を解こうとした、アマチュア研究者の取り組みは、取っつきやすく面白い。小難しくなく、それでいてきっちりと、アマチュアなりに研究に取り組む姿勢も好感を持たれた感じ。
●「時を刻む湖」岩波科学ライブラリー
(紹介文4つ、平均★数は3.5)
14Cによる年代推定の補正の基準となる研究の話。プロジェクト※※みたいな雰囲気の本らしく、研究をめぐる人間ドラマを楽しんだ人が高く評価した様子。いっぽう、事情を知る者は、同じ材料から古環境や古気候についての研究も行われているのに、一切出てこなかったのが不満とのこと。
●「湿地帯中毒」東海大学出版部
(紹介文4つ、平均★数は3.5)
淡水魚大好きで、フィールドワークしまくる著者の魚大好きな感じは、好感をもって評価された様子。自らの経験に引き寄せてみたり、出てくる知り合いに反応したり、著者の変人ぶりを楽しんだり、多様な楽しみ方をされた一冊でもある。
●「寄生虫なき病」文藝春秋
(紹介文3つ、平均★数は3.3)
長年人と一緒に暮らしていた寄生虫がいなくなったことが、アレルギーなどの病が増えたことに関係あるんじゃないか。って内容は、そうした話をあまり聞いてなかった人には、評判がよかった。
昨日、展示室の大掃除をした。大掃除といえば年末にしそうだけど、そんな日程は設定されたことがない。各展示コーナーは担当の学芸員が設定されていて、心ある学芸員は毎年年末に担当コーナーを掃除するのだけど、それをしない学芸員もいる(ドキッ!)。で、2月は1ヶ月間休館なので、それが明ける前に一斉の掃除の日を設定したというわけ。
というわけで、一日日程を空けて、今日に臨んだのだけど。とにかく担当コーナーは関係なく、みんなで順に展示室を掃除して回るということになった。展示室の床や、展示ケースの外側は、掃除スタッフが日常的に掃除してくれているので、学芸員の担当は、展示コーナーの中。展示コーナーの中を掃除機かけたり、展示コーナーのガラスの内側を拭いたり、バックヤードにも掃除機かけたり。
長い柄付きのはたきがあったので、各展示室の上の方をはたいて回った。いっぱい埃が落ちてきて面白かった。第5展示室と、第1展示室の魚の絵、第3展示室のクジラが一番埃ってた。その後、落とした埃や各コーナーの端っこを掃除機で掃除。はたきがけって大切だなぁ。で、楽しくって管理棟の廊下もはたきをかけて回った。
日常の掃除でもはたきかけはしてもらってもいいような気もするけど。まあ魚の絵とかクジラのホネとかは学芸員が担当ってことになるだろうな。
そうそう、第1展示室の大きな魚の絵の右下の方にキズがあるけど、あれは今日の掃除を始める時にはすでにあったからね。
というのも、ここ数日、突然あちこちからリュウキュウサンショウクイの情報を頂いたから。いずれも北摂の山手でのこと。島本町、高槻市、箕面市、池田市、神戸市。リュウキュウサンショウクイの繁殖分布が、越冬分布が拡大してるって話は聞いていたが、関西でも観察されてるとは聞いていたが、こんなにあちこちで確認されるようになるとは意外。それもこの冬になって突然。こんなめざましい分布拡大の事例、記録を残さない訳にはいかない。ということで、自分ではまったく見ていないのだけど(高知城では見たけど…)、大阪府周辺の越冬リュウキュウサンショウクイの記録を集める事にした。もし情報をお持ちなら、是非詳細をお知らせを。
先日、西表島産の鳥の死体を、冷凍室で漁っていたら、シロハラとリュウキュウアカショウビンが大量に入った箱を見つけた。そういえば、そんなんあったけどすっかり忘れていた(うそ)。それに、こんなにシロハラとリュウキュウアカショウビンばかり入ってるとは知らなかった(ほんと)。で、今日、みんなで鳥の仮剥製を作る日だったので、リュウキュウアカショウビンを4羽出してみた。
考えてみれば、西表島産のキンバトの死体を大量に寄贈されたから、キンバト研究を始めて見た(つもり)。ならば、同じようにリュウキュウアカショウビンの研究もできるんじゃないかな? 例によって西表島にはいかずに、死体だけでもって。キンバトと同じく、そんな事をする人はあまりいないから、オリジナリティあふれる研究になる可能性も秘めている。
で、今日、4羽のリュウキュウアカショウビンを見てみたけど、けっこう面白そうな気がしてきた。冗談ではなく、真面目に取り組んでも良いかも。
先々月の四国、先月の山陽に続いて、今月も4泊5日で瀬戸内岸の水鳥調査をしてきた。今回は先月の続きで、広島県の西端から福岡県の途中まで。福岡県の残りと大分県で、瀬戸内岸をすべて回ったことになる。
この5日間をまとめておこう。
まずはお金。調査に行っても行かなくても使う食事などを除くと、使った金額は、新幹線代約20000円、レンタカー約38000円、高速代約100+■円、ガソリン代約5500円、宿代約30000円。という訳で合計ざっと93000円。
レンタカー代とガソリン代は前回と同じ、高速代はちょっと安め、宿代はだいたい前回と同じくらいに落ち着いた。ただ、今回は広島駅スタートのため、広島駅までの往復運賃分がちょっと高く付いた。食費はたまたま2泊した徳山で安くて魚が美味しい店に当たったので、前回よりはちょっと安かったかも。ただやはり毎日居酒屋は高くつく。
次に調査地点あるいは調査距離。同じ1地点でも、漁港や小さな河口と、大きな河口では話が違う。大きな河口は調査エリアを移動するだけで時間がかかるし、あちこちに鳥がいる可能性もある。おのずと調査に時間がかかる。河口に干潟があると鳥が多いので、さらに時間がかかる。で、今回の調査地点数と調査距離はというと、
1日目:49地点、1/2.5万地形図4.5枚
2日目;53地点、1/2.5万地形図5.5枚
3日目:45地点、1/2.5万地形図3枚
4日目:37地点、1/2.5万地形図3.5枚
5日目:43地点、1/2.5万地形図4枚
3日目以降調査がはかどっていないのは、河口に大きな干潟を持つ河川が多くて、そこにもれなく鳥が多かったから。3日目は大河川が1つに死ぬほど鳥が多かった。4日目には、けっこう鳥がいる大河川河口が5つ。5日目には、1000羽以上の水鳥がいる場所が3ヶ所。
この後、福岡県から大分県にかけての周防灘岸には、さらに大きな干潟が続く。ちゃんと調査が進むかとても心配。
といいつつ、朝のうちに下関市の10ヶ所を調査して、山陽瀬戸内岸の調査は完了。引き続き、九州瀬戸内岸の水鳥調査に突入。北九州市から行橋市北端(苅田町との境界部までなので、実質調査は苅田町まで)までの22ヶ所を調査。
出だしの木屋川河口周辺、曽根干潟、最後の長峡川河口周辺に鳥が個体数も種数も多く、時間がかかった。ってゆうか、他の場所にはほとんど水鳥はいなかったといっても過言ではないくらい、この3ヶ所が突出。カモメ類とカモ類を合わせて、木屋川河口周辺に約550羽、曽根干潟に約1300羽、長峡川河口周辺に約1400羽。時間もかかって、木屋川河口周辺に約1時間、曽根干潟に約2時間、長峡川河口周辺に約45分。あまり距離はかせげなかったのも無理はない。今日もまた暖かかくてよかった。
単なるバードウォッチングとしては、圧倒的に楽しかったのは曽根干潟。みんなが鳥見に行くのもよく分かる。ツクシガモもズグロカモメもいーっぱい。ってゆうかユリカモメよりもズグロカモメが多い。ダイシャクシギも45羽ほど、ヘラサギにクロツラヘラサギまでいる。干潟が広すぎて、小さなシギチドリ類は遠くにいたら見逃しまくってるはず。数を数えるのを忘れて、普通に鳥を見に来たかった。
山口市の椹野川河口周辺をスタートして、山陽小野田市までの37ヶ所を調査した(最後の1ヶ所は下関市だけど、まあ事実上、山陽小野田市までの調査)。南若川に始まって、椹野川、今津川、土路石川、浜田川、厚東川、有帆川、厚狭川。今日は河口に広い干潟をもった大きめ河川が多かった。大きめ河口はそもそも時間がかかるのに、どこもけっこう鳥がいて、30分ずつかかった…。暖かくて風がなかったのが救い。
ここまでの瀬戸内岸の水鳥調査の主役は、カモメ類とカモ類だったけど、ここにきて俄然シギチドリ類が面白くなってきた。昨日までは、イソシギにしか出会わなかったのに、今日はシロチドリ、ダイゼン、ハマシギ、イソシギ、アオアシシギ、ダイシャクシギ。なぜか伊勢湾を思わせるラインナップ。どうして伊勢湾に似るんだろう?
今日は、周南市徳山西部から、山口市の椹野川の手前までの45ヶ所。前半はあまり鳥がいなかったのだけど、防府市を越えて大海湾から後は干潟だらけで、鳥が多くなった。予定では、今日の間に椹野川周辺を終えるつもりだったが、とくに佐波川河口に引っかかって、椹野川の手前で時間切れ。
考えてみれば、先月の山陽瀬戸内岸水鳥調査から昨日まで、たいして水鳥が多い場所はなかった。せいぜい1000羽程度どまり。が、佐波川河口には、水面採食ガモ6種がそれぞれけっこうな個体数で混じって、約2700羽。2kmほどに散らばって。数えるのに1時間もかかってしまった。個体数、種数、広さの三重苦。これは時間がかかる。
干潟など浅い水域をもった大きめ河口には水鳥が多いように思う。山口県西部には、他にもそんな河口がありそう。ってゆうか、今日以降、山口県の干潟だらけエリアに突入のはず。予定通り調査が終えられるか心配になってきた。
まあ、ツクシガモ、カワアイサ、ミヤマガラスなど楽しげな鳥も増えてきたんだけど。
今日の調査は山口県柳井市から周南市徳山までの53ヶ所。宿は徳山だったので、調査のスタート地点まで、早起きして1時間以上のドライブ。一日かけて徳山に戻ってくる感じ。同じ徳山での宿泊だけど、ホテルは変えてみた。夕食は、昨日いった魚屋がやってる居酒屋が安くてうまかったので、2日連続で通った。同じ常連のおっちゃんがいて、今日もどれが安くて美味しくてお得かを教えてくれた。
で、調査だけど、今日は気温が低くて、日が照ってても寒い。雪もチラチラしたが、雨も降った。とまあ寒いのに、朝一番でぞうりが片方壊れた。底が完全に取れた。でもまだ靴を売ってる店はまだ開いる時間じゃない。仕方がないので、2時間ほど片足裸足で(靴下は履いてるけど)調査した。足が冷たかった…。
寒い中、幸いなことに鳥は少なかった。昨日と違って前半の上関町周辺はカモメ類もカモ類もほとんどおらず。この調査では珍しいことに、道の駅に立ち寄る余裕もあった。後半の3河川に100羽以上の水鳥がいたけど、ぜんぜん少なくて調査はすぐに終わった。主にドライブの一日な感じ。
今日から5日間、先月に引き続き山陽瀬戸内岸の水鳥調査。と言っても、5日目には九州編に突入しそうだけど。
今日は、先月最後に到達しながら断念した広島県廿日市市の地御前漁港から、山口県柳井市の柳井港の辺りまでの49ヶ所を調査した。出だしの広島湾西岸から南下して岩国辺りまでの前半はけっこうユリカモメがいたが、後半はいなくなった。カモの方も岩国まではまとまった群れが出たが、後半は少なくなった。というわけで、前半忙しく、後半は割と暇で思ったより進めた。午後から風がでてきて、寒くなったのでちょうどよかった。
というわけで、柳井市の市街地でちょうど調査は終了。柳井市にホテルを、と思ったけど、あいにく見つからない。柳井市辺りで終わることはかなり早い段階で分かっていたので、早めにホテルを探せばよかった〜。それで柳井にホテルがとれたかは分からないけど。で、もよりの宿は、徳山にしか見つからなかった。けっこう遠くてショック。それ以上にショックなのは、いまは徳山市ではなく、周南市になってること。地理で習ったのに、徳山市なくなったの〜?
この日を無事に迎えられて感慨一入。昨晩は、間に合わないかと思った瞬間もあった。その後も、不自然な姿勢で夜行バスの中で寝た後、今朝右手が使えるか心配してた。でも、何事もなかったかのように、今日のバックヤードツアーはスタート。何事もないって素晴らしい。
というわけで、3日前と同じように、今日も鳥の皮剥きを見せる。3日前と違って、今日は相棒の団長がいない(相棒はまだ高知にいる)。なので、哺乳類の説明も担当。今日こそ、哺乳類の標本の準備が必要。3日前ネタを投入しすぎてたし、しゃべり過ぎたので、今日の哺乳類はタヌキとアシカ子どもの皮だけにしてみた。
鳥の方のセレクトと登録は、3日前に済ましてあった。ダブルヘッダではなく午後だけの興業なので、朝一番に暖房を入れた部屋に入れて強引に解凍。3時間ほどで解けていた。
午前はアオバト、午後はオオバンとハクセキレイを剥いて見せた。ウミアイサも解凍したのだけど、あまりの状態にみんなの前で処理するのは断念。しゃべったネタは、ウミアイサの嘴のギザギザ。ウミアイサとオオバンの水かきの比較付。カワウも並べれば、鳥の水かきセットが完成したのに、冷凍室にカワウもあったのに…。
アオバトは綺麗だねぇ、以外に喋るネタが少ない。ハクセキレイは年齢の識別以外はとくにネタが。ってことで、来年は、喋るネタのある鳥を軸にセレクトしてみよう。
第4回ホネホネサミットは、初めて大阪を離れ、高知県での開催。2014年のホネホネサミットは雨にたたられ、2日目は台風直撃で中止という事態になったが、今回のホネホネサミットも雨にたたられた。ここ数日、高知県はいい天気が続いていたそうなのだが、この週末だけ雨。今日はものすごい雨で、これでよく人が集まるなぁ、って感じ。
大阪府に比べると高知県はアクセスしにくい、ってゆうか多くの人にとってかなり遠い。そのため出展者も地元高知や四国の人を除くと、関西など西日本勢がそれなりにいるけど、関東からは3件だけ。北海道や北陸、中部からの参加はなかった。
大雨ってこともあって、来場者数もそんなに多くなかった。でも、大雨の高知での開催にしては、地元の人はそれなりに来てくれたようで、講演会には100名ほどの聴取がいたし、マスコミの取材も入っていた。
かくいう私は、なにわホネホネ団としての出展なのだけど、ホネホネ団がイベントに出展するのに付いていくのは、これが初めて。手慣れたみなさんとは違い、様子があまり分からない。持ちネタもあまり理解していないし、ブースで来場者にどんな感じで対応するのかも分かってない。そもそも休みをとってプライベートモードで来ているので、知らない人と話をするモードに入らない。ってことで、ブースの担当からはできるだけ逃げ回ってみたり…。
そういえば、今までのホネホネサミットはいずれも開催者側。出展者として参加するのはこれが初めて。一出展者気楽でいいなぁ、とノンビリさせてもらった。これが主催者なら大雨や、例によって到着が遅れてる出展者ににやきもきしたり、ブースでのトラブルとか、講演会の進行に気を遣っていただろうけど、今回はそんなことは完全に他人事。主催者さんは大変だなぁ、と見てればいいだけ。
ってゆうか、高知県民の県民性だろうか、大阪人にはトラブルめいた出来事も、なんくるないさぁ、な感じで問題になってない(なぜか沖縄イメージがかぶる)。けっこう新鮮。そういえば、高知は、ホネホネサミットの開催にけっこう学校を巻き込んでるのも面白かった。大阪でもやってみたいけど、日頃からの連携のたまものだから、急にはできなさそう。
今回唯一の仕事は、基調講演とやらをすること、20分のところ30分もしゃべっても怒られないのはありがたい。客やマスコミを意識して、大阪の状況を紹介しつつ、高知での活動を応援する感じにしたつもりだけど、できてたかなぁ?
翌日は大阪で行事があるので、ホネホネサミット2日目は断念。夜の懇親会に少し顔を出しただけで、すぐに大阪に帰るべく出発。が、高知駅に到着して愕然とする。大雨で土讃線が運転見合わせ。代行バスが出るというが、今夜は岡山までしか行けないという。慌てて夜行バスを手配に走る。窓口がしまる時間が少し過ぎていたが、前の客の処理が長引いていて、その後ろに並んだら、こっちも受け付けてくれた。その直後に窓口は終了。その時に来た人は、冷たく断られていた。この時点で代行バスはもう出ていたから、危うく帰れないところだった〜。
早朝、大阪について、そのまま行事へ。慌ただしい一日だった。
今日、正午頃、ついに高知県に足を踏み入れた。これで通過すらしたことのない都道府県は、1県残すのみ。通過しかしたことがない県は、6県。関東と東北が多く、北陸に1県。この勢いで今夜は高知県泊。これで東北と関東を除くと、泊まったことのない府県は残すところ2県だけ。という訳で、経県値が飛躍的に高まるのである。うれしいなぁ。
初めてだろうと、何度もいってようと、時間があったらすることはだいたい決まってる。とりあえず城に行って、カラスの枝落としを探さなくっちゃ。ってことで、歩いて高知城へ、と思ったら駅前で無料のレンタサイクルがあったので、自転車に乗って高知城へ。
高知城への途中でも、クスノキを見つけてはチェックしたけど、枝落としは確認できず。大きなクスノキはいっぱいあるのになぁ。もう果実は食べ尽くされた後だからなぁ。
で、まだ時間が余ってるので、パン屋を探しつつ市街地を抜けて、河口の鳥をチェックしに国分川へ。さすがに調査ではないので個体数は数えないけど、あまりカモもカモメ類もいないなぁ、と思いながら河口から浦戸湾へ。で、勢いで砂浜を探しに浦戸湾の”河口左岸側”へ。しょぼい浜で残念。鳥もいないし、海浜甲虫もいない。浦戸湾の口の反対側にある桂浜に自転車で行くにはアップダウンがあるので断念。市街地に戻る途中、もう1つの鏡川河口へ。河口の島がカワウの糞で真っ白!とちょっと盛り上がり、ざっとカワウの数を数える。さらに河口にはカモの大群が! 今日は調査ではないけど、マガモとオナガガモで約1000羽と評価。ここも河口にマガモとオナガガモがいるんだなぁ、と思いながら高知駅に戻った。
初めての高知県。今日で高知市の土地勘が少し身についた。今度来たら、山手に行ってみたい。
今日と明明後日の日曜日、友の会会員向けのバックヤードツアーがある。この手のイベントでは、必ず鳥の皮剥きを見せることになる。1月の実質小学生向けの博物館たんけん隊と違って、同じ部屋で小型哺乳類の標本化をしている団長がいる。ので、15分の持ち時間の半分しかしゃべってはいけない。でも、なんとなく喋ることが多いので、これがけっこう難しい。かなり気をつけないと、10分喋ってたりする。ホネホネな事情で明明後日は団長がいないので、今日は鳥の説明は控えめにして、おもに団長に任せるとしよう。
と思ったのだけど、ミツユビカモメが鶴見緑地で見つかるのがいかに珍しいか語りたくなるし、塩腺は説明したいし、ハイタカの卵巣が両側とも発達してるのは見せたいし、取れたハジラミは自慢したい。内臓を見せて、気持ち悪がる子には、これはすべてスーパーの肉売り場や焼き鳥屋で普通に出会うし、食べたりするものであることを力説。そしてもちろん、この鳥は殺したんじゃなくって、死体を拾ってきてもらったもので、みんなも拾ってね。学校はよく鳥が落ちてるよ。なんてことも話さなきゃならない。ほら、また10分近く経ってしまった…。
皮剥き自体は順調だった。用意したのは、処理順にウグイス、ハイタカ、ミツユビカモメ、ジョウビタキ。大物のハイタカとミツユビカモメが実質餓死で新鮮で剥きやすかった。ウグイスとジョウビタキは脂肪も多いし、状態も微妙だけど、まあ小さいから時間はかからない。午前に2羽、午後に2羽と予定通り剥けた。剥けはしたけど、小物はあまり剥いてる様子を見せるには適さない。小鳥ではなく、中鳥を用意すべきだった。
あと、時間が余ったらと、さわり心地のいいアシカやタヌキのなめし皮や、イヌのホネも用意してあったのだけど、ぜんぜん出番がなかった。気が散るだけなので、午後にはなおしてしまった。日曜日には一人で15分もたせないといけないので、もう一度登場頂こう。
明日と明後日は高知方面に出かけて、前日に日曜のバックヤードツアーの準備ができないので、今日の内に鳥のセレクトと、受入・登録を済ませてみた。ラインナップは、処理予定順にハクセキレイ、アオバト、オオバン、ウミアイサ。
土曜日に、公園で鳥の羽根を拾う行事。いつになくツグミ、シロハラ、ヒヨドリの羽根が拾われたせいでもあるが、ひたすら参加者が拾ってきた羽根の名前を答えるだけの時間になってしまった。もっと鳥の羽根について解説とか、見分け方を説明するとか、見どころを上げてみるとか、出来なかったのかなと少し反省中。これではせっかく羽根拾いに参加してくれても、鳥の羽根を覚えられずに帰ってしまう。まあ、鳥の羽根の名前は教えたので、あとは自分で調べて、経験を積んでもらえれば良いと言えば良いのだけど、たしかに鳥の羽根好きの子ども達はそうして覚えたようではあるけど。観察会としては、もっと体系だった解説ができないものかと思う。
まず、鳥の種名と、体の部位の2つを見分ける必要がある。と宣言して、これは尾羽。と言ったまではいいけど、どうしてこれが尾羽と分かるかというと、かなり微妙。一般的な説明がうまくできなかった…。これは風切羽。と宣言しても同じ。いやある程度は説明できるんだけど、例外を思いついてしまう…。
雨覆の場合、初列雨覆はいいけど、大雨覆や中雨覆は…。下雨覆はあるていど説明できて。小翼羽? 上尾筒や下尾筒?
もっと自分の同定の根拠を意識的にはっきりさせないといけない。が、経験的に個別に覚えてる部分も多いからなぁ。
ってことで、『動物遺物学の世界にようこそ!』をもっと勉強しよう。
中高生と金剛山に行った。雪山に行きたいと言われた。最初は大和葛城山と言われたのだけど、金剛山の方がライブカメラなどの情報が多し、道も安定してる。そして大阪側から楽して行きやすい。ってことで、勝手に金剛山に変更。
そういえば、数年前、2月の金剛山に行ったことがある。雪がいっぱいで樹氷もあって、寒かったけど盛り上がった。と思う人は多いらしく、山頂には、夏以上に人がいた…。で、それをもう一度というわけ。経験があるから、雪山でも安心。アイゼンなくても、滑りまくって楽しい程度だと分かってるから安心。
で、雪の金剛山に行くはずが、この冬は暖冬。雪がないし…。と思ってたら、1月後半にようやく寒波が来て、金剛山も雪化粧。おお、予定通り雪の金剛山。と思ってたら、2月に入って微妙な気温。雪は降らないなか、どんどん積雪が減っていく。一昨日にはついに積雪なし、樹氷もなし、アイゼンもいらないようになってしまった。まあ、雪がなければないでいいけど、企画のポイントは、雪に残った哺乳類の足跡探しだったりするんだけどなぁ。というわけで、足下ビショビショを覚悟して、当日を迎えた。
バスを降りて驚いた(実はバスの中から驚いていた)。積雪がある! 夜の間に降って積雪3cmだそう。アイゼンいるやん〜。と思ったけど、まあいいか。タイトル通り、雪の金剛山になってよかったよかった。
3cm程度の積雪では、雪だるまもあまり作れない。そして、降ったばかりだからか、動物の足跡もない。雪の中では、カラス類とカラ類くらいしか鳥もいない。雪の金剛山だったのはいいけど、観察会としてはしょぼかった。
ちなみに、足下がビショビショかと思って、長靴できた者が2名。足が濡れないのはいいけど、あまり防寒仕様ではなかったようで、寒そうだった。アイゼンを持ってきてたのが3名。100均の安いアイゼンは、ゴムがすべらず取り付けが難しそうだった。取り付けても落ちてみたり。高級品はフリーサイズで取り付けも簡単、そして落ちない。アイゼン買うなら装着のことをよく考えるのが吉。と、端から見てて学習した。
gape幅で評価されることが多いけど、安易に使うと間違うと思うんだな。ちなみにgapeとは鳥の嘴の左右の付け根。嘴が開く切れ込みの一番奥の部分。この部分の幅が、鳥が呑み込める物の大きさを決める。と仮定して、ここの幅を測定して、種間で比較したりされる。
でも、カワウとかアオサギを思い出してみよう。明らかにこれより大きな物を呑み込んでる。1つには、嘴を上下に大きく開けられると、そっちのサイズの方が幅より大きいかもしれない。また、gapeの辺りは堅い嘴ではなく、柔らかい皮膚になってるので、これがさらに広がる余地がある。
というわけで、本当に鳥が呑み込める最大サイズを評価したいなら、乾燥した標本ではなく、生の死体(生きた鳥でやると可愛そうだし…)の口の中に色んな大きさの物を入れてみるしかないんじゃなかろうか?
ってゆうか、おそらくグループごとに、gape幅×何倍の物まで呑み込めるかを評価しとけば、生死体が用意できなくても対応できるような気がする。知らんけど。
夏羽になると頭が黒く(黒っぽく)なる鳥って、けっこういる。ノビタキ、アトリ、カシラダカなどなど、スズメ目はオス限定が多いなぁ。雌雄共に夏羽は頭が黒くなるといえば、けっこう多くの小型カモメ。日本人にとって一番馴染みなのはユリカモメ。あとは、その名もずばりズグロカモメとか。
ユリカモメの頭が黒くなるのは、4月に入ってからといっても、おおむね間違いじゃない。それ以前にも黒い頭はいるけど、急速に黒頭が増えるのは4月に入ってから。そして黒頭化は4月末におおむね完了する。なんてことは、昔(なんと30年も前!)、京都の賀茂川でデータを取ったことがある。
じゃあズグロカモメはというと、どうもユリカモメよりも早く黒頭になるらしい。というのも、2014年3月3日に兵庫県の加古川河口で見かけたズグロカモメは、成鳥13羽の内、7羽が黒頭。ユリカモメよりも1ヶ月以上早い感じ。この断片的な観察例が普遍的などすると、どうして頭が黒くなるタイミングが違うんだろう?
今日は、大量の鳥の羽根を持ってこられ、種名を調べるという難行があった。大部分がKどうぶつ王国とか、O動物園とか、Nフレルとか、動物園的な場所。そんな鳥の羽根分からんし〜。そして、これはフラミンゴだ!と答えたら、フラミンゴはいなかったとか。ダチョウかなぁ、と言っても、ダチョウもいなかったとか。まるで当たらない。目の前の鳥の羽根なのは確実、っていうのを拾ってきてほしい。
けっこう残念な感じの中、長居公園で拾った羽根というのも出てきた。これは全部即答してやる!と思ったのだけど、またもや大きな壁が立ちはだかる。1枚だけ即答できない羽根が混じってる。特徴的な模様があって、図鑑で見たことがあると思うのだけど、思い出さないし、『原寸大写真図鑑 羽』を見ても載ってない。うーん、見覚えある模様だけどなぁ。仕方がないので、『決定版 日本の野鳥「羽根」図鑑』を引っ張り出してくる。こちらには載っていた。タマシギだった。
長居公園でタマシギ〜? すごい珍しい。ってゆうか、記録したことがない。めっちゃ貴重。そして本体の確認はなく、羽根1枚だけの記録。まるでコンゴクジャクの記載のようだ。
貴重だけど、子どもの大切な羽根を取り上げる訳にもいかず、データだけ記録しておこう。
2015年4月29日 長居植物園 タマシギの初列風切1枚
そういえば、他にも落ちてた羽根だけで生息を確認した経験は他にもあるなぁ。本体の確認はできなくても、羽根だけは残されているってことは、意外とある。かくも羽根拾いは大切なのである。
2000年以降の大阪府でのハルゼミの記録を集めるとのこと。
http://www.omnh.jp/shiyake/haruzemi-osaka-pref.html
なので、昔のフィールドノートを見返してみた。4月15日から6月末までをチェック。大阪府でなくても周辺部は含めた。
2000年5月25日 和泉葛城山(貝塚市宿ノ谷、山頂のブナ林):51354324、51354314、51354315
2000年6月1日 大川峠:51353066
2000年6月4日 妙見山(初谷を上がりきった辺り):52353018
2000年6月6日 ポンポン山(高槻市出灰:鬼語条橋から上がり始めた辺り):52353429
2000年6月15日 茨木市泉原:52352462
2006年6月5日 河内長野市十字峠:51354560
2010年5月9日 交野市星田園地(ピトンの小屋):52350595
2012年6月17日 岬町長崎海岸:51353192
2014年6月1日 高槻市本山寺:52352499
2015年5月8日 能勢町野間大原:52353337
ハルゼミの声なんて、毎年何回も聞いてる。と思ったのだけど、フィールドノートには書いていない。鳴いていそうな季節に鳴いていそうな場所に行ってるのに記録されていないことが多い。ってことは、気が向いた時しかハルゼミの声は記録してないってことなんだろうなぁ。今度からもう少し真面目に記録してみよう。
常設展で一番、手直しした方がいい展示はどーれだ? と、大学生辺りに訊ねると圧倒的に票を集めるあのコーナー。なんか落ち葉や動物の糞やタネがゴタゴタと並んでいて、今時なんと手書きのパネルや標本ラベルがあって。それでいて、字は薄れていて。カラーコルトンは真っ白で、何が写ってるのかさっぱり分からない。そう、あのコーナー。ついに、あのコーナーの手直しをすることになったのである。
基本的な内容は変わらないけど、展示パネルや展示物は一新。糞の山や手書き文字はなくなる。一部のファンからは非難の声も聞こえてきそうだけど、我々には圧倒的多数の支持があるはず。
というわけで、文字パネルの発注準備はできたので、今日はいよいよ展示物に手を付ける。まずは、古い展示物の撤収。ってゆうか、新しい展示は、タネに集中するので、解説パネルのテキストを仕上げた今では、展示物である剥製を回収したら、このコーナーでの担当は事実上終了。と思ったら、展示してある糞とか食痕とかを誰が片付けるかで駆け引き。なんとか押しつけ勝って、というか展示した張本人が植物研究室の元学芸員なので、その仲間のコレクションと一緒にすることで一段落。
ちなみに展示してあった哺乳類の本剥製はほこりまみれである以外は、そこそこの状態だったけど、鳥の本剥製の方は微妙。カケスは息をかけただけで、頭の羽根が飛び散って、焦った。
もう1月も終わり。今年も1/12が終わった。一年がもうかなり終わってきた感じ。これじゃあ、あっという間に今年も終わり。毎月着実になにかこなしていかないと、何も成さないままに終わってしまうんじゃないか。ちょっと焦ってしまう。
じゃあ、今年最初の1ヶ月に何を成せたか、振り返ってみよう。
ルーティンのため池調査、大和川調査は無事完了。長居植物園のセンサス調査と果実チェックも継続中。
カラスの枝落とし調査は、けっこう情報が集まった。というか、そろそろクスノキの枝落としも終わりかけ。今シーズンの情報蓄積は一段落かな? それともさらに別の樹種の情報を集められるかな? と様子見中。
瀬戸内海展に向けての調査では、先月に引き続いて、瀬戸内海西部の瀬戸内岸冬の水鳥調査を実施。今月は岡山県から広島県の大部分を調査できた。
普及行事は、ジュニア自然史クラブ、鳥類フィールドセミナー、大阪鳥類研究グループという恒例ものをクリア。大物では、はくぶつかん探検隊で鳥の皮剥き、友の会総会では本関係を担当。友の会月例ハイクも担当。
冬の博物館実習で、実習生が2人。2人だけでもオリエンテーションにかかる手間は15人と一緒。子ども祭りの企画会議が2回。
昨年末からの皮なめし作業を年始に展開。20枚弱を完成させた。ホネホネ団の鳥の日とはくぶつかん探検隊で、けっこう鳥の皮剥きをした。年末に受け取ったダチョウとシカという大物も処理したので、冷凍室はけっこう空いた。はずだったのだけど、あちこちで冷凍庫が壊れたので、1テンバコ分の床面積がそこから救出したもので埋まってしまった。
来月はまるまる1ヶ月博物館本館は休館。その間に手作り展示更新が3コーナーで。なぜか一人だけ3コーナーすべてに関わるという荒技で、けっこうテキスト書いたり、展示物を考えたりと忙しい。
同時に、来年の夏に企画している瀬戸内海展の巡回展を来年度から始動させる。そのために巡回展の展示を考えたり、展示パネルのテキストを考えたり。そして展示物作成もそろそろ考えなくっちゃ。
とまあ忙しい中、
読んだ本は、自然史関係1冊とSF4冊。ちょっとペースが悪い。出だしはよかったのだけど、後に書く理由が大きく影響している。
じゃあ執筆の方はというと、例の哺乳類本はまだ再始動できず。大阪府の生物多様性ホットスポットガイドの担当部分の原稿は書けた。昨年9月のザトウクジラ死体回収顛末を友の会会報へ。関西広域連合にも少し対応。
査読では、先月返したのが帰ってきたので、再コメントした。
毎年恒例の某団体向け果実食鳥の糞分析実習(2週連続)。昨年に引き続き某専門学校への対応1回。
そんなこんなで完全な休日は一日もなく働いたのだけど、その裏では背中が痛いのに悩まされた。右肩胛骨の裏辺りが痛くなる。頸椎椎間板ヘルニアなんだろう。数年前から持っていて、時々発動してくれる。経験では2〜3週間程度で回復する。今回の経過はというと、
10日頃から肩胛骨裏に違和感があった。急激に悪化したのは、12日夜。寝ても痛いし起き上がっても痛い。翌13日の仕事のキャンセルまで考えた。13日朝、無理矢理起き上がって、めっちゃ痛いのに強引に出勤。午前中は右腕を動かせず、頭もそーっとしか動かせない。そうしていても痛い。でも、我慢してできるだけ動いていたら、午後にはけっこう普通に動けるようになってきて、午後からの仕事は無事にこなせた。翌14日はこれまた痛いのに無理矢理起きて、とにかく自転車に乗って調査に出かけた。朝が一番痛くて、頭を洗ったり、歯をみがいたりするのにも支障があるのだけど、動いているとけっこう大丈夫になってきて、午後にはけっこう普通に動ける。夜になると、また痛くなってきたりもするけど、朝よりも元気なので、頭は夜洗うことにしたり。そして寝ると、再び悪化して、朝が一番痛いを数日繰り返す。18日から瀬戸内調査。双眼鏡を目に当てて維持できるかが一番心配されたが、意外と回復していて、なんとかなった。というわけで、発症から2週間ほどでほぼ復活。普通に寝れるようになったし、朝も歯を食いしばらなくても起きて動ける。
が、しかし2日、雨の中を傘を差して自転車で水鳥調査に出かけた。とても寒くて、濡れて、疲れた。その無理がたたったのか。また、症状が悪化。今回一番ひどくなったのは、今日だった。朝、痛くて起き上がれず。幸い休みだったので、一日寝ていた。それがよかったのかどうかは分からない。むしろ無理矢理動いた方がなおる気がするのだけど、休みだと思うと気力も起きず、一日寝てしまいさらに悪化させた気がする。寝ても起きても痛いので、うめきながら起きたり寝たりの繰り返し。でも、医者には行かないぞ! そして完全復活までは無理はしないようにしよう。
今日は博物館友の会の一年で一番大きなイベントであるところの友の会総会。200人からの友の会会員が、博物館に集結。おりしも友の会会報の最新号に、カラスの枝落としの記事を載せたばかり。そして、おりしも長居公園のクスノキの枝落としは、植物園内では一段落して、いまは駅に近い場所の林で最高潮。そのため、けっこう多くの人から、
「駅から来る途中で、カラスの枝落としを見つけました!」
とか(知ってるし)
「噂のカラスの枝落としを初めて見ました!」
とか(今まで見たことなかったん?)
報告を受けた。
考えてみれば、報告してくれた多くの人は、けっこう毎年この時期に駅から博物館まで歩いているはず。今までのクスノキの枝落としを何度も見てると思うんだけど、気付いてなかったんかなぁ。でも、今年のようにメッチャ激しいなら、何かしら気付いているはず。
「なぜか葉っぱがたくさん落ちてるなー」
ってだけで終わってしまって、長期記憶には残らなかったのかもしれない。だとしたら、わざわざ話題にして、その現象を記憶にとどめることに貢献したってことになる。ある意味、これぞ普及って感じかも。
でも、もう一つの可能性は、クスノキの枝落としのタイミングは、年によってかなり違うのかも。ってゆうか、これもまた少なからずあるはず。だいたいクスノキの枝落としは、カラスがクスノキ果実を食べに来ている時に生じている感じで、果実がなくなったら枝落としもおおむね止まる。そして、クスノキの果実は、年末頃に食べ尽くされる事もあれば、2月までけっこう残ってる年もある。1月末に、駅近くのクスノキがカラスに食べられるタイミングがバッチリぶつかるのは、もちろん過去にも何度もあったに違いないが、数年一度程度の出来事なのかも。
ともかく、今日、博物館に来た友の会会員のほぼ全員が、クスノキの枝落としを目の当たりにしたはず。これから、どんどん枝落とし情報が届くかな〜。楽しみ。
水鳥の動きに、多少の雨は関係ないと思っていたが、ちょっと疑問を持った。というのも、今日、雨の中、大和川の水鳥調査に行ったら、妙にカモメ類が多かったんだな。
今月中に大和川の水鳥カウントをしなくてはならない。もう少し早めに調査しとけばよかったのだけど、昨日なら調査する時間もあったのに、なぜか今日になった。明日と明後日は行事があるので、調査にいけない。雨が降ろうが槍が降ろうが、今日調査しなくてはならない。まあ、大雨だと調査結果に影響しそうなので、調査の意味がなくなるけど、しとしと雨なので、水鳥の分布にも発見効率にも影響はなさそう。
というわけで、最小限の荷物にしぼって、ビニール袋でガードして、自転車に乗って、傘を片手にいざ出発。
そして4時間後帰ってきた。ダウンジャケットもズボンも靴も靴下もビショビショ。すぐにシャワーを浴びて着替えた。寒かった。カウンター押す手がかじかんで、カウンター使わない方が、早く数えられるほど。
で、そんな雨の中、水鳥はいつもと同じか、むしろ少ないと予想していったのに、実際はむしろ多かった。
とにかくカモメ類が多くて、ユリカモメ約2200羽、カモメ約440羽、セグロカモメ約100羽。合計3000羽近い。近年ないくらい多い。雨なので、むしろ大和川に集まってきているのだろうか?
雨の日の動きが垣間見えたのかも知れないという意味では、興味深い結果だった。でも、雨の日に動きが違うなら、雨の日に調査をしたのはまずかったかも…。
昨日の夜に引き続き、机の周りの片付け。今日は、何だかんだで、他の仕事もこなしつつ、一日中作業していた気がする。7時間ほど。
昨日の作業がおもに要らない物を処分することなら、今日のメインはいるものの仕分け。そして大物の処分。
2日目の作業 他の作業と並行で約7時間
5:なぜか机の上には、すでに使われなくなったコンピュータが鎮座されている。今時のコンピュータと違って、G5はとても大きい。それを発掘。最後に1回立ち上げて、中身を消去。本体、キーボード、ディスプレイ、付属品に分けて、本体とキーボードは廃棄、残りはいつか使うべくコンピュータの部屋へ。ついでにコンピュータ関係のディスク類とマニュアルを処分。
6:CDやらDVDやらのディスク類を整理。行事の記録、頂いた画像、データ、単なるファイルの受け渡し用。中身は色々だけど、とりあえずまとめて保存。驚いたことに、フロッピーディスクやカセットテープまで出てきた。読めるかなぁ。
7:必要な紙類を分類。整理して入力・保存しないといけないデータ類、行事の記録、請求書・領収書・見積もり関係、お手紙系、雑誌系などに分かれる。見直してみると、まだまだいらない紙が発掘されて、昨日と同じくらい処分した。
8:サンプル類と標本類。処理のプロトコルが確立している仮剥製とか骨格標本は机周りに散らばったりしてないのだけど、どう処理しようかなぁ、ってなる物は机の周りに取り残されていたりする。なんとなく液浸標本にしたのとか、ミイラ状態で拾った死体とか。さらに、標本作りの際に回収した寄生虫、消化管内容物、糞、羽根・毛などが次々と発掘される。それをしかるべき場所へ集める。あるいは担当者に押しつける。
9:何となく拾ってきた自然物。野外でけっこう色々拾ってきてしまう。石、貝殻、ホネ、羽根、木の実。標本にして保存するほどじゃないけど、記念にって感じ。残しておきたいのもあるけど、大部分はもういらないかなぁ。で、なんとなく欲しそうな人に押しつけてみた。
というわけで、一大プロジェクトは2日がかりでようやく収束した。とりあえず机は動かせる。驚くほどスペースができた。ただ、すべてが片付いたのではないので、いつか続きをしなくちゃならないのだけど、そのことはまたしばらく忘れるとしよう。
そうそう壊れた時計が4つも出てきたんだけど、これはどうやって捨てればいいのかな?
頼んでもないのに、研究室に空調の工事が入るらしい。で、2月の初めから3週間くらい、研究室から追い出される。たいていの時は、出入り可能らしいが、5日間ほどは完全にシャットアウトされるらしい。その間に必要な物を持ち出しておかないと、仕事がストップしてしまう。そもそも、パソコンを乗っけてる机ごと放り出されるので、机を運び出せるように机周りの片付けが必要になってしまった。この忙しいのに、無理矢理引越作業をさせられるとは迷惑な話。
日頃から感心なみなさんは、すぐに荷物をまとめて引っ越せるのかもしれないけど、我々一般人にとって引越は一大作業。この10数年の垢を、ため込んだゴミやゴミじゃないものを、仕分けて整理して、判断して捨てないといけない。とてもすぐにはできない。というわけで、今日からボチボチと作業を進めることにした。
初日の作業は、約3時間。
1:机の下とかにテンバコに入れて置いてある荷物を動かす。これは片付けてるんじゃなくって、影響のない場所に動かすだけ。
2:机周りの紙類をすべてチェックして、要らない物を紙資源ゴミの場所へ捨てに行く。
3:発掘したグッズ系の内、自分には要らないけど、誰かが要りそうな小綺麗な物を、友の会バザーへ。
4:発掘された大量の鉛筆やボールペン等を、鉛筆、シャーペン、単色ボールペン、多色ボールペンに仕分けて、書けないボールペンは廃棄。
今日は、ここまでで挫折。けっこう進んだ気がするけど、先はまだ長い。
今日は年に一度の懺悔ゼミの日。学芸員がこの一年の目標が達成されたか報告し(たいてい達成されていないので、懺悔となる)、次の一年の目標を高らかに宣言する。やらなあかんけど、やりたいけど、忙しいからきっとでけへんけどな。って、あらかじめ言い訳してることも多いので、あまり高らかじゃないけど。
2015年の三大目標は、大阪の哺乳類の本を出版する、たまごとたね然展を開催する、大阪バードフェスティバルを開く。それこそあらかじめ言い訳してたけど、後の2つで忙しくて、大阪の哺乳類の本の出版どころではなかった。記録を見返すと、ちょうど一年作業はストップしている。たまごとたね展は無事に開催して、その前の年の都市の自然展よりは成果があったと思う。大阪バードフェスティバルもまた無事に開いたし、来場者数もまずまず。担当したシンポジウムは意義深かった。ただ、今後の継続が危ぶまれる資金面の問題が浮上したので、満足な結果とは言い切れないのが残念なところ。
2015年を一言でまとめると、ほぼ予定通りで、不満が残りつつもまずまずって感じ。
2016年は特別展の担当は今度こそたいしたことないはず。でも、フェスティバルの準備にはけっこう関わらないといけなさそう。そしてフェスの頃には、翌年2月のホネホネサミットの準備が入る。それにも関わるけど、科研費の最終年度なので、それなりの成果を出していく必要もある。並行して瀬戸内海展に向けての調査も最終局面、外来生物調査プロジェクトも動かしていく必要がある。
が、しかしそんな中でも、哺乳類本はまだ出ていないので、2016年も大きな目標の一つになる。早く解放されたい。解放されても、他に書かないと行けないデータがいっぱいたまっているけど…。
2016年の主要目標をまとめると、大阪の哺乳類本の出版、自然史フェスティバルとホネホネサミットの準備、科研費のまとめ、2つの調査プロジェクトの推進。すべてをこなせる気が
全然しない。
モチノキタネオナガコバチってのは、その名前の通り、モチノキのタネの中で育つ小さいハチ。その生態がこの十数年で変わった気がするんだけど、本当かなぁ。
モチノキタネオナガコバチって、模式産地は長居公園なんだっけ? 植物研究室の元学芸員の岡本さんが、見つけて調べてNature Studyに書いたのを読んで興味を持った。
当時のモチノキタネオナガコバチは、冬の間、種子の中にいて、5月頃、次の年の青い果実が成った頃に、前年の果実から成虫が羽化してきて、新しい果実の上で交尾して産卵。という段取りだった。
そもそもモチノキタネオナガコバチの存在自体、秋から冬にも赤く熟さず青い果実が残るのを見て、これはどうしたことか?というんで見つかったはず。
例えば、ソヨゴやイスノキの種子に入るコバチは、秋に羽化するのにモチノキのは変わってるなぁ。という話だった。
それが数年前からだろうか。モチノキタネオナガコバチも秋に羽化している。秋に熟した果実に次々と、成虫の脱出孔が開いてて、おかしいなぁと思った。秋に果実を採集して入れ物に入れておいたら成虫が出てくると聞いて最初は信じられなかった。
そういう目で今年のモチノキの果実を見てみると、脱出孔がたくさん開いている一方で、青い果実が見あたらない。
モチノキタネオナガコバチのすっかり変わったらしい。羽化のタイミングがすっかり変わるのって、珍しいことなんだろうか? かつての初夏羽化の観察例は残っているので、今の状況と比べると何か議論ができるかもしれない。
小学校にも近頃卒業研究というものがあるらしい。で、今日、そのための質問に来られた。小学生自身よりも、付き添いのお父さんと会話していた感が強いがそれはさておき。質問するなら、回答を求める前に、
・なんのための質問で
・どうしてこのテーマを選んだのか
・自分はどう考えているのか
・今までにどこまで調べたのか
を、説明してもらおうとしたが、うまく出来なさそう。小学生なのでこちらが相手の意向を読み取っての回答になった。というのもさておき。
地球温暖化が動物に与える影響という質問。ではあるが、その背後にはどうやら、地球温暖化が起きると色んな動物が絶滅するはず。どんな動物が絶滅したのかな? という疑問の答えが欲しいらしい。
そこで、地球温暖化の影響は、環境が変わったために生物種が絶滅する、といった単純なもんじゃないよ、という話をすることにした。
大まかな傾向としては、
・大ざっぱに言えば、温暖化が進むと寒い場所で暮らす生物が暮らせる場所は減り、暖かい場所で暮らす生物の生息地は増える可能性がある。でも、極端な温度変化でなければ、生息域を多少シフトさせることで対応できる生物が多い。したがって、温暖化のスピードが重要。
・植物や昆虫のような生物は温暖化の影響を直接的に受けるが、鳥類や哺乳類のような恒温動物への直接的な影響は少ない。ただし、植物や昆虫を介した影響や、積雪の減少などの影響は受けることはけっこうある。
で、具体的な例として、
・高山の動植物や極地の動物への影響。
・温暖化にともなう南方系昆虫の分布の北上
・積雪の減少に伴うシカなどの分布の変化
なんて話をしてみた。
で、温暖化にともなう南方系の植物の北上の話はないのかと問われて(付き添いのお父さんから)、言葉につまる。あまり思いつかない。植物にあまり詳しくないからではあるけど、むしろ植物で温暖化の影響は、南方系の外来生物の浸入・定着という形で出ているような気がする。これは植物の分布域をシフトさせるスピードが、昆虫なんかに比べると遅く、人が南方系の植物を持ち込むスピードに負けてしまうから、と理解していいのだろうか? そもそも南方系植物についての現状認識はあっているのかな? 海流散布の植物とかだと、温暖化に合わせて、分布をガンガン北上させてもよさそうにも思うけど、実際にはどうなのかな?
先月の四国瀬戸内岸の水鳥調査に続いて、今月も4泊5日で岡山県から広島県の山陽瀬戸内岸の水鳥調査をしてきた。5日間では終わらなかったので、来月続きを調査する。まあそれは予定通りだけど。先月の経験が生きている感じ。
来月に第3弾、山陽編第2弾。それでも九州周防灘編が残る。四国の様子は分かったけど、山陽には大きな河川が多いし、死ぬほど鳥がいたらどうしよう。という心配と共に進めた。今回の岡山県から広島県での5日間をまとめておこう。
まずはお金。調査に行っても行かなくても使う食事などを除くと、使った金額は、レンタカー約38000円、高速代約10500円、ガソリン代約6500円、宿代約28000円。という訳で合計ざっと83000円。
レンタカー代は前回と同じ、高速代とガソリン代はちょっと安め、宿代はだいたい前回と同じくらいに落ち着いた。食費はやはり日常生活よりは、ちょっとかかった。自炊できないし、毎日思わずカキを食べてしまい…。
次に調査地点あるいは調査距離。同じ1地点でも、漁港や小さな河口と、大きな河口では話が違う。大きな河口は調査エリアを移動するだけで時間がかかるし、あちこちに鳥がいる可能性もある。おのずと調査に時間がかかる。山陽地域は海岸沿いにおおむねしっかりと道路が走っているので調査地点へのアクセスはさほど問題にならない。かと思いきや、大きな工場の敷地で入り込めない場所が驚くほど多くて、それが地図では読めずに右往左往することも。で、今回の調査地点数と調査距離はというと、
1日目:37地点、1/2.5万地形図4.5枚
2日目;49地点、1/2.5万地形図5枚
3日目:48地点、1/2.5万地形図4枚
4日目:65地点、1/2.5万地形図7枚
5日目:43地点、1/2.5万地形図3枚
1日目と5日目の調査がはかどっていないのは、大きな河川が多くて、さらに鳥の多い場所も多かったから(5日目には大きな河川にはあまり鳥はいなかったのだが…)。4日目の調査がはかどったのは、大きな河川がなく、鳥も少なかったから。
ここまでの印象では、広いだけで河口が深い河川に鳥は少ない。でも、河口に干潟が広がるととたんに鳥が多くなる。河口ではない干潟にはあまり鳥は多くない気もするのだけど…。で、これから調査は周防灘に入る。でかい干潟が多いのだけど、予定通り調査は進むのだろうか? 心配のタネは尽きそうにない。
5日目にして最終日の今日は、呉市の音戸の瀬戸の北側から、廿日市市の旧廿日市市までの43ヶ所。あと少しで広島県が終わったのだが、惜しくも間に合わなかった。来月に予定してる次回は、広島県の締めから山口県に突入。
広島市には、大きな河川が何本もあり、大きな港もあり、内湾にもなっている。ここに大量のカモが浮いていたらイヤだなぁ。と思ったのだけど、今までのパターン通り、さほど鳥はおらず、ただ広いし、立ち入れない場所も多くて、意外と時間がかかった。でもまあ、それをクリアしたので、なんとか今日中に広島県が終われそう。と思ったのだけど、広島市西部の河口は、小さいものの河口に干潟が広がっていて、鳥がいっぱいいる〜。ってことで、残念ながら広島県は終われず。
鳥の観察ポイントとして有名な八幡川河口には、1200羽ほどのカモがいた。ヒドリガモとスズガモが多かった。なるほど、探鳥地ガイドで予習しておくと、心の準備ができるらしい。
岡山県から広島県の瀬戸内岸水鳥調査4日目は、尾道市から呉市の音戸の瀬戸までの65ヶ所。今日予定のエリアで一番大きな河口は、前半にくる沼田川河口だけど、昨日までに比べると小さくてあまり問題にならなさそう。そして、実際に問題ではなかった。
今日、興味深かったのは、竹原市中部以西に干潟がいっぱい出てきたこと。是非干潟合宿に来たい感じ。でも鳥は多くなかった。そして東広島市(旧安芸津町)から西にはカキの養殖が目立ちまくり。あちこちに水揚げする施設があるし、養殖のしてる竹があちこちに組まれていて、漁港には連なったホタテ貝の殻や竹の棒がたくさん積み上げられている。
さほど大きな河口がなく、1000羽クラスの鳥がいる場所もなかったから、調査がはかどった。昨日一昨日に比べて暖かく風がなかったのも大きい。うまくいけば明日で広島県を調査し終われるかもしれない。
岡山県から広島県の瀬戸内岸の水鳥調査の3日目は、倉敷市西端から福山市までの48ヶ所。ついに広島県に突入。岡山県の瀬戸内岸は昨年けっこうウロウロしたから、それなりに土地勘があるのだけど、広島県はまったく初めての所ばかり。楽しいけど、けっこう不安。
今日の心配は、笠岡湾、福山港、芦田川河口。昨日までと違って、心配は出だしに集中。その内、本当に鳥が多かったのは、芦田川河口右岸。スズガモやウミアイサが目立つ中で、カモ類が合計約800羽。さらにカモメ類が300羽ちょっとというのは、今までで一番多い。とはいえ、やはり加茂川には遠く届かないけど。とまあ、加茂川をクリアしたことは大きな心の支えになってたりする。
時間帯もあるのだろうけど、最後の松永湾岸には広く干潟が出ていて、干潟調査にも来てみたいと思わせる場所だった。
瀬戸内岸の水鳥調査山陽編の2日目は、岡山市の児島湾の奥から、倉敷市(のおおむね全部)までの49ヶ所。
今日のクライマックスは、最後の方に登場の岡山県最大の川、高梁川河口。ってことは当初から分かっていたので、昨日に引き続き高梁川河口に鳥がいっぱいいたらイヤだなぁ、と思いながら調査を進めた。予想通り、さほど鳥がいない漁港と小河川河口をめぐって、順調に高梁川河口に到着。今日もまた一目見て安堵。たいして鳥がいない! そして今日もまた数えてみるとけっこう鳥がいたんだけど。高梁川河口は広いから一見あまり鳥がいないように見えたんだな。そして、鳥がいるのは、左岸と右岸のそれぞれ限られた干潟の出るエリアに集中していた。とくに右岸の河口にはスズガモ中心に海ガモ約1000羽が浮かんでいた。まあ、これまた加茂川の6000羽には遠く及ばないけど。
先月、四国瀬戸内岸の水鳥調査が完了したので、今月は山陽瀬戸内編に突入。初日の今日は、播磨灘岸の調査の際に断念した赤穂市西端から、岡山市の児島湾の北側までの38ヶ所。もう少し調査するつもりだったが、最後の三大河川で時間がかかってしまった。
岡山県の海岸沿いは、昨年けっこうウロウロしたので、割と土地勘がある。で、前半は順調に進行した。その間も最後にくるであろう三河川がイヤだなぁ、と思い続けていた。なんせ児島湾北側には、岡山四大河川の内、吉井川、百間川、旭川の3河川が連発する。河口に大量のカモが浮いてたりしたらどうしよう。先月の加茂川が思い出される。イヤだなぁ。
が、現場に到着して、予想がいい方に外れる。吉井川河口には、ろくに鳥がいない。楽勝〜。後からカウントを合計すると、500羽以上が散らばっていたけど、まあ数千羽には届かない。続く百間川河口もたいしたことないなぁ、と言いつつヒドリガモ中心にざっと1000羽がいたけど。まあ数千羽には届かない。旭川河口には本当に鳥がいなかった。ってことで、鳥の数はたいしたことなかったけど、なんせ大きな河川が3本。移動だけで充分時間がかかってしまった。
子どもに大量のガマの穂を与えると延々と遊び続ける。ほぐしたガマの穂をためた風呂をつくる。それなのに、それがガマという植物のタネであることに気付かない。今日はいろいろと学ぶことがあった。
というわけで、今日は、博物館友の会の月例ハイクで、堺市の大泉緑地に行った。身近な都市公園で、交通の便がいいということもあってか、大勢の参加があったし、未就学児など小さい子どもの参加が多かった。
大人向けだと、あるいは子どもでも詳しい子らは、珍しい鳥や虫を求める。ちょうどギンムクドリが出ていたので、そっちを見に行った子どもも何人かいた。鳥をあまり知らない大人向けにはヒドリガモやユリカモメを見せて説明したら、けっこう納得してくれた。カワセミが出たら盛り上がっていた。干上がった池の底についた足跡を見て楽しむ。
でも、小さい子ども達が求めるものは違う。落ち葉をガサガサ集めて盛り上がる。ガマの穂を延々とほぐし続ける。ザリガニを見つけて喜ぶ。なんか越冬中の虫を虫かごに入れたら満足。参加年代ごとに観察テーマを考えておくと良さそうに思わされる。
それにしても、こうしたアクセスがよくて、安全がある程度保証されていて、延々と歩くわけではなく、都合で途中離脱できる場所だと、小さい子ども連れが参加しやすく、参加者層に幅ができそう。毎回、こうした安心して遊べる都市公園で月例ハイクという訳にもいかないが、要所要所で参加しやすい都市公園での月例ハイクを混ぜると、参加者が多様化していい感じだと思う。というわけで、4月は服部緑地?
この日記めいたものを書き始めて、今日で丸11年。Twitterを始め、Facebookの面倒まで見出してから書き忘れが増え、かつてほど毎日書いてる感はないけど、長めの日記はやっぱりここに書いてる。とはいえ、すでに若い世代は、Mixiって何?の世界。Mixiが近々なくなっても驚かない。でもなんとなく、日記を書く習慣になってる部分もあるので、Mixiがなくなっても、なんか日記は続けようかなと思ったり。
例によってこの1年365日の中で何日書いたか(実際には、何日書いてないか)を数えてみると、279日書いていた。昨年に続き300日を切ったどころか、昨年と比べても30日も減少。実質週休2日になってしまった。
ちなみに過去を振り返ると、一年目325日、二年目344日、三年目331日、四年目324日、五年目329日、六年目303日、七年目315日、八年目304日、九年目295日、十年目265日書いていた。Twitterを始めた六年目に激減し、十年目でさらに減少。そして、十一年目は少し盛り返したのやら、低め安定なのやら。この一年はどうなることやら。
6年前の昨日Twitterを始めた。
丸六年経って13772tweet。最初の一年に2922tweet、二年目は2674tweet、三年目は2494tweet、四年目は2188tweet、四年目は1827tweetつぶやいた。そして、この一年は1667tweet。相変わらず順調に減っている。
フォローしてるのは184名。5周年で180名、4周年で184名、3周年で167名、2周年で157名、1周年で143名。飽和だ飽和。
フォロワーは、2272名。5周年で1955名、4周年で1757名、3周年で1472名、2周年で1108名、1周年で659名。頭打ち傾向だけど、まだけっこう増え続けている。
なんだかんだで6年続いた。FacebookもLINEも頭打ちと思ってるんだけど、その割にはTwitterはまだ根強い気がする。広く発信すSNSでは、インスタグラムが浸透しつつあるけど、Twitterとの関係がどうなるのかは注目。とはいえ、Twitter中心での発信は継続の予定。
ってわけで、コメントするなら出来ればTwitterの方でよろしく〜。
昨年、某専門学校から、博物館での授業をするので、各自で展示を見させた後、学芸員の仕事についてのレクチャーをしてくれ、その後、植物園で鳥を観察させてくれと頼まれた。出前授業はしないけど来館してくれたら手厚く対応が建前なので引き受けた。ところが、学生たちはあまり博物館にも学芸員にも鳥にも興味がなさげ。遊びに来た感じで、なんとなく話を聞いて、ダラダラと植物園を歩いただけ。熱心に話を聞いて鳥を見ていたのは先生だった。なんじゃこれ?
で、同じ専門学校、同じ先生から、同じ内容のリクエストが今年も来た。昨年あんなんやったので、全然やる気が起きない。ってことを伝えたら、今年はやり方を考えるとのこと。で、今日がその日。
レクチャーと鳥の観察は同じだけど、ちゃんとレポートを書くような用紙が用意されている。そして、午前の展示見学では、展示を見た後、班単位で気に入った展示についてクイズやトークなどを盛り込んだプレゼンをすることになっていた。レクチャーの前に、そのプレゼンについて講評をしてくれという。どうなることやら。
結論から言えば、とても興味深い展示の活用法だと思う。いっぱダメだしをしたけど、短時間で、初めて見る展示を使って、いわばギャラリートーク。全体的にとてもよくできていた。具体的にどんなんだったか以下に記録(→の後が講評)。しりとりと、魚竜とイルカの比較は、実際の子どもワークショップでやってもいいかも。あと生物名の由来を説明は、聴衆の食いつきがいい感じ。
【ネイチャースクエア】
・日本に5000種のうち、食べられるのは何種? チチタケの名前の由来は?
→日本に5000種というのは未記載種を含む推定値。未記載種に毒があるかどうかは分かりようがない。名前の由来を三択で問うのは面白かった。そのチチはじゃあどんな味かとかも盛り込んだら、盛り上がったのでは?
・カジカカエルのカジカの名前の由来は? カエルには肋骨があるでしょうか? 日本のカエルには毒はあるでしょうか? ヒキガエルの毒はどこから出るでしょうか?
→カジカガエルとシカの声は、展示室で聞けるようになっているので、それを活用すればよかったのでは?
【第2展示室】
・第2展示室の展示標本名でしりとり。
→とても面白いアイデアだと思う。でも、展示のストーリーをまるで無視した順番になっている。古い時代から新しい時代に向かうとか、しりとりの順番で展示を見て、標本を探していくと、新たなストーリーが生まれるならもっと面白くなったと思う。
・アメリカンマストドンの歯はなぜギザギザ?
→ナウマンゾウと違って、柔らかい草を食べていたから。という説明だったが、そう考えられている根拠まで説明した方がいいと思う。
・デスモスチルスの骨格復元が2種類あるのはどうしてでしょう? デスモスチスはどんな環境に住んでいたでしょう?
→目の前の展示にバッチリ書いてある。でも、来館者はあまり解説文を読まないので、それを繰り返すのにも充分意味があると思う。
・ヒラコテウリムの指の数は? 大きさは?
→ウマの先祖は、今のウマと違って指の本数が1本ではなく多かった。ということが前提となって話が始まっていたが、まずウマの進化の大まかのパターンの説明から始めた方がいいと思う。
・トラコドンの別名は? 歯の本数は? 食べ物は?
→歯の数が2000本というのは驚いたし、聴衆のリアクションもよかった。これにどんな歯がどんな風に生えていたかのイラストがあると、さらに印象づけることができたはず。
・ステノプテギウスとイルカの比較。
→イルカと魚竜を比較して解説する手法はとてもよかった。イルカかクジラの骨を見せてから話を始められたら、もっとよかったと思う。卵胎生という言い方は、展示解説ではあえて避けている。その理由を解説。
【2階ギャラリー】
・キャベツと芽生えが同じなのは?
→答えはブロッコリーとあったが、カリフラワー、ケール、芽キャベツすべて同種なので、芽生えは似てる。形がこんなに違うのに全部同種!という話に持って行ったらよかったかも。展示から離れた説明を延々とするなら、絵や図を用意しておかないと、興味を引きつけ続けられないと思う。
【第3展示室】
・海の生き物はどうして大きくなるのか? ナガコンブとナガスクジラはどっちが大きい?
→出だしで世界最大の話を始めてたけど、それと海の生きものはどうして大きくなれるのかの繋がりが、聞いてて分かりにくかった。最大級のリュウグウノツカイの話は、何か体感できる仕掛けがあったらよかった。
今日は、某団体向けの果実食鳥の糞分析実習の日。年中行事もこれで10回目。
果実食鳥のタネが入ってそうな糞を拾ってきてもらい、拾ってきた周辺で比較標本用の果実を採集してくること。という宿題をもとに、今日は、午前中に果実からタネを取りだして、実物タネ図鑑作り。午後は、糞を洗って、タネを取りだして、午前に作った図鑑で同定。って段取り。
午前。採ってきた果実を水の中で果肉を取り除いて、新聞紙の上で水気をとってから、紙にテープで貼り付けて、名前付け。テーブルごとに班に分かれての作業。
今年は、果実がまだまだ残っていて、各テーブル20〜40種の果実が並んでいた。果実が豊富だったからか、今年は被食散布以外のタネはほとんど持ち込まれなかった。1つの果実にタネが何個入っているかとか、水の中でウニウニした時の果汁の色にも注目。とあらかじめ方向付けしておいたら、けっこう真面目にチェックしてる人も。単にタネを出して並べるだけでなく、それなりに興味をもって作業をしてもらえた気がする。
クスノキ、ナンキンハゼ、センダン、エノキと定番が揃ってるのだけど、ムクノキが意外と少ない。モチノキ科も、モチノキ、ソヨゴ、ウメモドキ、クロガネモチ、ナナメノキとけっこう揃ってる。タラヨウが少なめだけど。アリドオシやネズミサシなどのタネもあった。
午後。同じく採集してきたタネの入った糞を、水の中でふやかして、タネをつまみ出す。新聞紙の上で水気をとって、紙の上に並べて、午前につくった実物タネ図鑑で名前を調べる。
例年、午前のタネ図鑑作りは盛り上がっても、糞分析はやる気のない人が多かったりするのだけど、糞分析はタネに詳しくなる近道とあおってみたからだろうか、今年はけっこうみんな真面目に取り組んでいた。
糞から出てきたタネのラインナップも果実の豊富さを示している。クスノキ、ナンキンハゼ、ムクノキ、トウネズミモチが多く、クロガネモチ、ヘクソカズラ、ナンテン、ピラカンサはあまり多くない。。
実物タネ図鑑でカバー出来ていたけど、参加者が苦しんでいたのは、トウネズミモチの形の多様性。一皮剥けたトウネズミモチやエノキ、殻が割れたクスノキ。というかクスノキ、ナンキンハゼ、エノキ、ムクノキの4種混合。ヨウシュヤマゴボウ、サカキ、ヌルデの3種混合などがつくられていた。実物タネ図鑑でカバーできていなかったタネは、ホルトノキ、サカキ、ヌルデ、アオハダなど。山で糞を拾った人がいたみたい。
今年図鑑見ないと同定できなかったタネは、スイカズラ、カラスウリ、ネズミサシ、妙に小さいエンジュ。一番苦労したのは、キハダ。サクラのタネが1つ、カワニナが2匹出てきたのには驚いた。割れていたのもあって分からなかった赤いタネがあったんだけど、後から考えるとモッコクだった。クスノキかモクレン系のいい匂いがした。
昨日と今日は、1月の連休恒例、小中学生に鳥の皮むきを見せる日。他の人は収蔵庫で説明したり、子どもたちを引率したり、いろいろ年によって分担が違うのだけど、こちとらは毎年鳥の皮むきを仰せつかる。ライバルの恐竜化石のクリーニングがなくなった今、圧倒的人気を誇る(?)企画である。
で、インパクトNO.1を維持するため、見栄えのする大きな、あるいは奇麗な、あるいは説明するネタのある鳥を用意するのが通例。なのだけど、今年はあまり綺麗な鳥は見あたらず。大きくておめでたい感じでオオタカを用意した。が、他に大きなのが見あたらず。なんとなく剥きたい鳥を並べることに。あとは年末頃から処理してきた哺乳類の皮とか、骨とかを、わざとらしく机の上に並べて、部屋をデコレーション。
早めに鳥を測定しておき、プログラムが始まる前から鳥を剥き始め、3班に分かれて順次やってくる子ども達を待ち受ける。
昨日は全体的におとなしい感じ。最初は中学年。ツノメドリの目玉取りを見せてみる。次は高学年。ツノメドリの脳取りを見せる。最後は低学年。オオタカの皮剥きの出だしに当たってしまった。リアクションは悪くもないけど、めっちゃかぶり付きで興味津々の子どももあまりいない。3班の印象は似てる。
今日も最初は中学年。シロハラクイナの目玉取りを見せた。周りの他の物に目が行っていたが、今から目玉を取り出します!というと一気に注目が集まった。男の子が目立っていて、気持ち悪ー、と言いながらしっかり見てるよくあるパターン。次の高学年には、シロハラクイナの内臓を見せた。おとなしいけど、けっこう生きものに詳しい子どもが多かった印象。最後は低学年。めっちゃテンションが高く、大きな声で叫びまくるので、こちらがタジタジ。ずっとこんな調子かと思ったら、他では割と静かだったらしい。最後の方だったのか別の部屋で骨を説明されても、あまり反応してなかったという。それがどうして、ここでだけテンション高いの? ヤマシギの脚を切って胴体を取り外しにかかろうかという段階だったのだけど、とにかく内臓が見たいというので、仕方なく腹腔を開ける。心臓心臓と叫ぶので、肝臓とかをのけて心臓をのぞかせる。
鳥の皮剥きや仮剥製を見せた後は、スナメリやイノシシの頭骨、ヒツジ、アシカ、ライオンの皮を見せた。スナメリを知ってる子はいなかったが、頭骨を見てイルカ?と答える子どもは各班に1人はいた。イノシシ頭骨を見せて、なーんだ?と言うと、多くの子どもがワニ!と答えた。直前にワニの頭骨を見せられていた子どもが多かったせいらしい。アシカの皮は柔らかくて人気。ライオンの毛皮を見せると、昨日2人、今日1人、トラ!と答えて驚いた。少し模様が入ってるかららしい。
全体的には、今年はデジカメでパチパチ撮りまくる子どもが少なかった。禁止はしてないのに、何があったんだろう?
部屋で見せた内容は、哺乳類がもりだくさんすぎた感じ。例年より、鳥の皮剥きをじっくり見せられなかった。哺乳類は頭骨を1つ、皮を1枚程度でよかったように思う。
今年の剥き初めは、はくぶつかん探検隊。大きいとか綺麗とか見栄えの良いのを選ぶのが通例。で、ちょうどオオタカが届いたので、縁起良くタカを、と思って準備。他に何があるかなと冷凍室を漁ると、なんとツノメドリが出てきた! で、思わずツノメドリを最初に剥いてしまった。他にヤマガラとシジュウカラ。悪くない出だしかもしれない。
ちなみに
2015年の剥き初めは、1月4日でマミジロ1羽、キンバト2羽。
2014年の剥き初めは、1月4日でハジロカイツブリ1羽。
2013年の剥き初めは、1月13日でアオバト1羽、クロツグミ1羽、イカルチドリ1羽、ノゴマ1羽、キクイタダキ1羽。
2012年の剥き初めは、1月8日でカワセミ1羽、コガモ1羽、キビタキ1羽、モズ1羽。
2011年の剥き初めは、1月10日でフクロウ1羽、オオタカ1羽、メボソムシクイ1羽、オオルリ1羽。
2010年の剥き初めは、1月10日でオオバン1羽、サシバ1羽、カルガモ1羽、オオコノハズク1羽。
今日から、今年度最後の博物館実習、冬の普及コース5日間がスタート。この3連休と1月最後の土日に分かれて実施される。5日間連続の夏や秋のコースと違って、標本整理や作成ではなく、普及行事に参加してもらうのがメイン。とまあ、ちょっとイレギュラーなので、どんなやり方をするんだっけかと、昨年も今年も思い出すのに苦労した。ので、ちゃんと記録しておくことにする。
9日:初日なので、本来ならオリエンテーション。博物館の概要を座学的に解説した後に、展示室、管理棟、収蔵庫を順次めぐるツアーに旅立つ。しかし、冬は出だしから違う。挨拶して、渡す物を渡して、5日間の概要を軽く説明しただけで、いきなり行事へ出撃。
午前は担当者(私)が観察会を抱えているので、そのサポートをしてもらう。2人いたから、1人に望遠鏡を持ってもらって、もう1人に受け付けの名簿を管理してもらう。日頃は一人ですることを2人に押しつけているので、けっこう楽ちん。
昼食の後、午後は明日と明後日のバックヤードツアーのスタッフ打合せと下見ツアーに混ざってもらう。それで割といい時間になったので、今日のところは終了。
で、以降は予定だけど
10日:午前はようやくオリエンテーション。館報をネタに博物館のアウトラインを紹介する。午後は、バックヤードツアーのスタッフとして動いてもらう。
11日:午前は展示室のガイドをする。で、午後はまたもやバックヤードツアーのスタッフ。
少し間をあけて
30日:翌日の友の会総会の準備をあれやこれや手伝ってもらう。なんかの担当者に押しつけよう。
31日:友の会総会。受付とか、昼休み企画とか、バザーとかを手伝ってもらう。けど、あんまりすることはないだろうから適宜フラフラしててもらう感じかと。
博物館周辺での普及企画をいっぱい目にすることが出来ると思うけど、楽しい実習かは実習生の志向次第って感じ。昨年は楽しそうだった。今年はどうかな?
今日は、地元植物園の鳥のセンサス調査。今年初めて。池には例年になく、カモ類が多い。個体数っていうより、種数が多い。こんなに多いのは初めてに違いない。と思ったので確かめてみた。
そもそもここ数年、カモの種数は増える傾向があるようではある。が、今年は一段と種数が多い、といっても良さそうに思う。8種はほぼ過去最高。
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2005年1月5日 マガモ6羽、カルガモ10羽、コガモ1羽、ホシハジロ170羽、キン
クロハジロ34羽
2006年1月13日 マガモ28羽、カルガモ71羽、コガモ49羽、ホシハジロ52羽、キ
ンクロハジロ33羽
2007年1月1日 マガモ33羽、カルガモ24羽、コガモ29羽、ホシハジロ18羽、キン
クロハジロ34羽
2008年1月10日 マガモ23羽、カルガモ2羽、コガモ6羽、オカヨシガモ2羽、ホシ
ハジロ9羽、キンクロハジロ42羽
2009年1月7日 コブハクチョウ2羽、マガモ29羽、カルガモ2羽、コガモ4羽、オ
ナガガモ3羽、ホシハジロ55羽、キンクロハジロ51羽
2010年1月7日 コブハクチョウ2羽、マガモ19羽、カルガモ70羽、コガモ5羽、ホ
シハジロ7羽、キンクロハジロ28羽
2011年1月6日 コブハクチョウ2羽、マガモ18羽、カルガモ14羽、コガモ3羽、オ
カヨシガモ2羽、ホシハジロ4羽、キンクロハジロ23羽
2012年1月7日 コブハクチョウ2羽、マガモ20羽、カルガモ2羽、コガモ74羽、ヒ
ドリガモ2羽、オカヨシガモ3羽、ホシハジロ6羽、キンクロハジロ11羽
2013年1月7日 コブハクチョウ2羽、カルガモ5羽、コガモ11羽、ヒドリガモ4
羽、オカヨシガモ2羽、ヨシガモ1羽、ホシハジロ1羽、キンクロハジロ2羽
2014年1月1日 コブハクチョウ2羽、マガモ12羽、カルガモ8羽、コガモ17羽、ホ
シハジロ4羽、キンクロハジロ1羽
2015年1月9日 コブハクチョウ2羽、マガモ8羽、カルガモ8羽、コガモ21羽、ヒ
ドリガモ2羽、ホシハジロ3羽、キンクロハジロ5羽
2016年1月8日 コブハクチョウ2羽、マガモ13羽、カルガモ14羽、コガモ29羽、オナガガモ5羽、ハシビロガモ1羽、ホシハジロ20羽、キンクロハジロ4羽、ミコアイサ1羽
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新年早々、ウェブサイトが見られなくなったり、メールの送受信ができなくなったり。これは新年恒例のサーバアタックらしいのだが。メールの送受信ができないと、仕事ができないけど、仕事がやっても来ないので、けっこう平和。しばらく続いてもいいかも、と思ったり。
しかし、この新年は、サーバに加えて、各地で冷凍庫や冷蔵庫があいついでダウン。ダウンしたのは昨年中だったっぽいけど、今日、それが一気に押し寄せた。いろんなことが起こるなぁ。
昨年から某琵琶湖方面の小さな博物館の方から、冷凍庫が近々壊れそうという話を聞いていた。で、昨日、Xデーが来ましたとのメール。慌てて、とにかく全部まとめて預かるから、すぐに送るように連絡。なんとメールで連絡したつもりが、サーバダウンのタイミングにあってしまってメールは届かなかったようだが、すぐに電話で片が付いた。冷凍庫復活まで一時預かりすると言ったのだけど、この際、全部引き取ってしまって欲しいと言われて、引き取った。いっぱい来たらどうしよう〜、と思っていたが、ミカン箱が5箱程度でよかった。
数日前から部屋に小バエが飛んでいる。すると隣に大量の小バエがいて困るという話を聞く。もしやと思って、冷凍庫を開けてみた。発生源はここだった。この冷凍庫が壊れたのは、昨年の11月頃。ある日、床に汁が流れてて、なんだろう?と思ったのだが、すぐに冷凍庫が壊れたことに気付いた。でも、この冷凍庫にはすでに腐ったりミイラ化した死体ばかりが入ってるので、まあいいかと放置してたんだな。下手に開けるよりもそっとしといた方がいいかなぁ、と。でも、そこに潜り込んだ小バエが、中で大発生。小バエだらけになっていた。外を飛んでいた小バエは、冷凍庫のパッキンを突破した選ばれしハエだったのだ!
で、中身を整理して、冷凍室へ移動させた。どうせミイラなら、一層ミイラになってもらおう。ちなみに小バエはミイラではなく、袋に入ってウェットに腐った死体から発生していた。袋に密閉しておかないと死体は乾燥ミイラになってしまうが、もし冷凍庫が故障してしまうとミイラの方が保存が効くという皮肉。
この冷凍庫が壊れているなら、隣の冷蔵庫はどうなのかな? なんとなく隣の冷蔵庫を開けてみると、これも壊れてる! 中は生暖かい。
なにか虫の知らせがあって、別の部屋に設置した冷蔵庫も開けてみた。昨年の春に秘蔵の物を入れてあったのだが、箱入りの物の箱が、ベコベコのカビだらけになっていた。
つまり現在、博物館内には3台もの壊れた冷蔵庫・冷凍庫があるってことになる。処分を手配しなくちゃ。
恒例の焼き芋。今年もそのレシピを記録しておこう。来年参考にはしない気がするけど。
・焼きソーセージ
さっと炎であぶれば食べられて美味しい。火をつけたてから食べられるのがいいところ。ある程度長い棒に刺すのがお薦めで、一番使えたのはヨシだった。
今回、長めのソーセージを選択したが、これは間違いだった。棒の先が重くなって、棒が折れたり、ソーセージが落ちる元。ソーセージは短めがちょうどいい。
・焼きカラフトシシャモ
これまた直にあぶるのだが、ソーセージよりはじっくり焼く必要がある。頭から棒を突き刺して焼いてる風景は趣があるが、実際には棒が燃えるリスクもあって、熾火になってから網で焼く方がよさそう。
・焼きバナナ
包まず、皮を剥かずに投入。皮が黒くなったのを開いて食べる。ちょっと焼きすぎたのか、食べられる部分が少し少なかった。中がスカスカだったのは、もしかしたらバナナの質の問題か? でも、とても美味い。
・焼き芋
ものすごく久しぶりに芋を焼いた。愛媛県で買ってきた安納芋と金太郎芋。安納芋はやはり質が悪かったらしく、あまり美味しくない。でも、金太郎芋はオレンジ色でジューシーにできあがって、芋きんとんのよう。めっちゃ美味しかった。
・餅ベーコン
薄っぺらい餅を売っていたので、ベーコンではさんで何重にもミルフィーユ状にしたものをアルミホイルで包んで焼いてみた。ベーコンがガードして餅がアルミホイルにひっつかなくって美味しいはず。そのはずだったのだが、餅は膨らんでベーコンの間から脱出してしまい。アルミホイルに引っ付いた餅と、焼いたベーコンができあがった。美味かったのだけど、餅の多くがアルミホイルに引っ付いたまま…。餅が逃げない工夫が必要。
・焼きアボカド
アボカドを立てに切って、タネを出し、サイコロ状に刻み目を入れ、醤油をかけてチーズを詰める。で、丸く戻して、アルミホイルに包んで投入。正直、美味くなかった。焼いたアボカド自体は美味いけど、味付けに問題があった感じ。ケチャップをかけたら少しはいけた。チーズ以外の組み合わせと味付けを考えると美味しいかも。
・リンゴとカマンベールチーズ
スライスしたリンゴの間にカマンベールチーズのスライスを挟んで砂糖を振って、アルミホイルで包んで焼いた。かなり美味しい。が、カマンベールの皮は要らない。カマンベールではなく、とろけるチーズで良かったかもしれない。
・ナスと鶏肉
スライスしたナスの上に、醤油漬けした鶏肉を乗せて焼いた。間違いない旨さ。この定番はまたやろう。
他の人からもらったので言うと、醤油漬けしたイカやタコは美味かった。餃子の皮にチョコレートを乗せて焼いたのは今ひとつだったが、餃子の皮に醤油を付けて炙ったら、煎餅のようで美味しかった。塩鮭にネギとナスを一緒に焼いたのは、安定の旨さであった。
年末年始ずっと、皮処理をしていた。次回に向けて経過を記録しておこう。
12月24日 大型犬をなめし液から出して、新聞紙の上に広げた。
12月25日 大型犬の新聞紙を替えただけ。
12月26日 大型犬の新聞紙を替えただけ。
12月27日 大型犬の新聞紙を替えただけ。
12月28日 大型犬の頭や足先を少し引っ張った。ライオン、ブチハイエナ、ヒツジ、大小カリフォルニアアシカ、シカ頭2つ、シママングース、ハクビシン、タヌキ6枚をなめし液から出して、新聞紙に広げた。
12月29日 皮処理2時間。昨日出した15枚は新聞紙を替え、小さいタヌキとマングースの足先を引っ張った。大型犬は頭と足先とエッジを頑張った。
12月30日 皮処理2時間半。大型犬に続いて、タヌキ達が乾いてきた。タヌキ達の足先や腹があっという間に行きすぎて、手では出来なくなってたので、サヌカイトを投入。一部はもう一度湿らせる。大型犬は端っこの脂肪を削った。
12月31日 皮処理2時間。大型犬は半分以上引っ張り終わって白くなった。タヌキやハクビシンたちもけっこう出来てきた(状態が悪いのが多いので、あまり白くならない)。ハイエナ、ヒツジ、アシカも乾きだしてきたが、ライオンはぜんぜん乾く気配がない。
1月1日 皮処理3時間。大型犬とタヌキたちはおおむね完成してきたが、まだ首から頭ができてない。ライオン、ハイエナ、ヒツジ、アシカも乾き始めてきた。
1月2日 皮処理3時間。大型犬とタヌキはあと少し。ヒツジとハイエナは、エッジ中心に少し進んだ。アシカ小は、鰭を引っ張った。ライオンとアシカ大はまだ引っ張れない。
1月3日 皮処理2時間半。今日は助っ人1人。大型犬とタヌキたちはおおむね終了。ヒツジとハイエナとライオンは足先とエッジが進み始めた。アシカは鰭を引っ張っただけ。シカ頭は全然乾かないが、グラインダー投入のために片方のシカ頭を表向けて置いておいたら急激に乾いた。
1月4日 皮処理2時間。大型犬とタヌキたちは新聞紙に削り残った脂肪を吸い取らせ中。ヒツジ、ライオン、ハイエナ、アシカの脚と頭の先を引っ張った。シカ頭はそのまま。
なんとなく大型犬は10日ほどで、タヌキは7日ほどで完成するらしい。
【追記】
1月5日 皮処理2.5人で2時間。大型犬とタヌキたち8枚は完成扱いとした。ライオンがかなり進み白くなってきた。ヒツジの皮を裏を紙やすりで削って、スウェード作りが始まる。ハイエナは少しカビてしまったし、なかなか進まない。アシカは脂肪が多めでなかなか全体を引っ張れず、端だけ引っ張ってある。シカ頭はさっぱり乾かない。無理矢理乾かしたシカ頭にグラインダーを試したが、グラインダーがごつくて怖すぎ。もっと可愛いグラインダーを探すことにする。
年が2回明けたのに、流しの横にはまだ2014年の目標が掲げてある。
・健康診断でいい結果をとる。
・早めに帰って、休みをとる。
・野菜をいっぱい食べて、よく眠る。
この目標は達成してるのかな? 目標は達成しないと意味がないけど、予言ははずれても、テヘヘと頭をかけばいいだけなので気楽。
というわけで、予言である。微妙なのは曖昧にしておいて、ハズレっこないように配慮。確実に当たるのだけ断言しておく。もちろん希望は廃して、冷静に2016年を予言してみよう。
おそらく、2月には高知へ、8月には宮城、9月には大分に行って宿泊するだろう。おかげで、経県値が上がる。
たぶん、11月には大阪で大きな自然史イベントが開催されるであろう。
もしかしたら、大阪府のソウシチョウの繁殖分布が明らかになり、瀬戸内海沿岸のカモメ類の分布も明らかにされるであろう。
念のため、おそらくとか、たぶんとか、曖昧化する言葉を足しておいた。さすがに大阪の哺乳類の本が出るであろうっていう予言はやめておいた。予言者の信頼を失わせまくってきたからね。
なにわホネホネ団の活動に「鳥の日」を設定することにしたのが、2012年9月。2013年からは、毎月1回、通常活動日(いわば哺乳類の日)の他に鳥の日を設定することにした。2015年の鳥の日の活動成果を集計しておこう。
2015年の鳥の日
・活動日:11日間(9月は活動なし)
内、2日で西表島鳥類調査隊の活動
・処理した鳥の個体数:125羽(皮剥きのみ、鳥の日以外の活動日の処理数は除く)(平均11.4羽)
内、8羽(すべてキンバト)は西表島鳥類調査隊の活動(平均4羽)
他に、骨取り+羽のサンプル採取の処理が6羽。
・のべ参加者数:122名(平均11.1名)
内、見学者19名(平均1.7名)
というわけで、2015年も鳥の日の活動で、鳥の仮剥製が随分増えた。ただ2013年より参加者数も処理数も昨年減ったのが回復していない。キンバトの処理も2日しかできなかった。初心者向きの鳥(ツグミ類・ヒヨドリ・ムクドリ、カラス、ハシボソミズナギドリ)の処理ばかりが進んだ気がする。
2013年以降、処理数も参加者数も年々減ってる。その原因の多くは、活動日の減少なので、まあまあこんなもんかもしれない。キンバト処理がしばらく途絶えて、西表島鳥類調査隊の活動が目立たず、なにか熱意が減ったのかな? というわけで、2016年は西表島鳥類調査隊の活動再開と、活動日の増加が目標か。
<過去の鳥の日の記録>
・2014年
活動日:13日間(9月、12月に2日活動、10月は活動なし)
処理した鳥の個体数:140羽(平均10.8羽)+骨取り19羽
のべ参加者数:152名(平均11.7名)内、見学者25名(平均1.9名)
・2013年
活動日:15日間(4月、9月、12月に2日活動)
処理した鳥の個体数:225羽(平均15.0羽)
のべ参加者数:205名(平均13.7名)内、見学者32名(平均2.1名)
起きたのは、午前10時頃。とりあえず昨夜の年越し蕎麦の汁に、焼いた餅を入れて、雑煮を食べる。SFを1冊読んで、二度寝。昼過ぎ、再び起きてシャワーを浴びて、博物館へ。ここまで、驚くほど昨年と同じ。ちょっと違うのは、シャワーを浴びてる間に小芋を煮ていて焦がしたこと。シャワーから出たら部屋中が煙りだらけで驚いた。正月早々なんてこと。そして家の火災報知器はまったく反応しなかった。なんてこと。
博物館では、昨年中に書く予定だった原稿を3本仕上げる。それから、干している皮のなめし作業。早めに帰る。
午後10時時点で、警備員さんに会釈した以外は、誰とも話していない。そういえば、昨年も一昨年も一人で元旦を過ごした。
一年の計は元旦にあるとすると、ほぼ昨年と同じような一年になりそう。唯一違うのは、正月早々ネコを触ったこと。少しは楽しい一年になるといいなぁ。