(2005年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、2006年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、
2007年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、2008年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、
2009年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、2010年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、
2011年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、2012年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、
2013年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、2014年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、
2015年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、2016年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月)
昨年に引き続き、5月からソウシチョウ調査が始まっていたが、6月いよいよ本格化。と同時に夜遊びを4回。出かけていない時には、4月5月に続いてショップ問題に手がかかる。とまあとても忙しかった。
ソウシチョウ調査は、大阪府の山手を手分けして一通り歩いて、囀っている鳥(最低限、ソウシチョウとウグイス)を記録するという企画。今年は、和泉山脈西部と北摂山地をがんばり中。今月は7回お出かけ。阪南市と交野市の後は、北摂シリーズに突入。
夜遊びは、箕面に下見と本番の2回、摂津峡、金剛山の4回。毎回、同じような3〜5人で行ってたような気がする。摂津峡と金剛山は、来年以降の新しいナイトハイクコースの下見の下見。なかなか、お手頃な場所は見つからない。
4月から博物館の売店の運営者が変わったのだけど、とても問題が多く、その窓口に抜擢されてしまったので、ものすごく手が取られる。ダメダメな点を指摘して改善を求める。を繰り返すが、なかなか改善されない。と、ひたすら疲れる展開。
そんな忙しかった1ヶ月を振り返ってみよう。
ルーティンのため池調査、大和川調査は無事完了。最後の3日間でなんとか無事に終了。カラスの巣チェックは、頻度が下がりつつも一応継続。
カラスの枝落とし調査は、サクラやヤマモモの果実付きの枝落としが集まるようになった。同時に未熟な果実付きの枝落とし行動も報告されて、何のための枝落としか分からなくなってきた。
瀬戸内海展に向けての調査は、足踏み中。繁殖期の島の調査は充分にできそうにない。せめて文献調査をしなくては。
普及行事は、ジュニア自然史クラブとカエルさがしが雨天中止。今月は雨が多いのでやむを得ないが、カエルさがしは3年連続雨天中止…。なぜかナイトハイク行事は2回とも無事に実施できた。
11月の大阪自然史フェスティバルの出展者募集を開始。出足は例によってにぶい。今回は資金繰りが苦しく、有料ブースや寄付金集めに動いている。有料ブースへの団体申込みはまだまだだけど、個人申込みはボチボチ来ている。寄付は、けっこう身内中心だけど、出足は好調。
皮剥きは停滞気味。その中、某動物園からも大物が来ている上に、某所から何箱も物が届き始めて、冷凍室が満杯に! 砂場の物の処理にも手を付けないといけないのだけど…。
関連してってゆうか、先月末に某所で勃発した問題は、この業界的にとても深刻な事態だと思う。きちんとした対応が必要だけど、現在は緊急事態なので、まずはそれに対応せざるを得ない。
来月半ばには、夏の特別展がスタート。今年は地学系テーマなので、大きな役割はなくて、かなり楽。まあこんな年もないとやってられない。
その中、そろそろ来年の夏の瀬戸内海展ののことを真面目に考え出さないとなぁ、という今日この頃。
とまあ忙しい中、
読んだ本は、自然史関係1冊とSF8冊。原稿書きモードでないので読書ができる。調査に行く機会が多いと、行き帰りの時間に読めるし、早く帰宅するのでこれまた読める時間が増える。ってところ。
そんな訳で何にも原稿は書いてないし、査読も1本もしていない。講演も0本。
健康面では問題ないはずが、最後に山からダニを持ち帰り。体中を80ヶ所も噛まれて痒い痒い。そして雨の中、傘を差して自転車にのって一日調査したら首を痛め。なぜか顎も軽くやってしまい。最後の数日だけ満身創痍に…。
昨日書こうと思ったのだけど、昨日はダニ騒動で吹っ飛んだので、今日書いておこう。それはキビタキ、クロツグミ、サンコウチョウの普通種化。虫屋的に言えば、駄鳥化?
昔大阪では、この3種は特定の場所にわざわざ見に行くような鳥だった。『大阪府鳥類目録』(日本野鳥の会大阪支部1987)によれば、
キビタキ:旅鳥(一部夏鳥) 繁殖? 「金剛山、岩湧山で繁殖期を通じて記録があるので、おそらく繁殖していると思われる」
クロツグミ:旅鳥(一部夏鳥) 繁殖 「金剛山では以前、繁殖の記録があり、繁殖期の生息はまちがいないが、現在でも繁殖しているかどうか確かめられていない」
サンコウチョウ:夏鳥 繁殖 「箕面、金剛山など、低山対の林に渡来して繁殖する。しかし分布は局地的で、特に南部の山系には少ない」
要は、金剛山他は、せいぜい数ヶ所程度でしか繁殖期には生息していない鳥だった。それが今ではどうだろう。キビタキの増加は日本各地で知られ、大阪府でも山地の林だけでなく、丘陵地の公園でも普通に繁殖期に生息しているようになった。個体数も多く、コースによっては、ウグイスなどを押さえて、一番よく囀りが聞かれる鳥だったりする。キビタキの増加は誰の目にも明らかだろう。
クロツグミも繁殖期に各地の山地でその声が聞かれるようになった。キビタキとは違って、丘陵地にまでは進出していない。山地でも比較的標高の高い、あるいは山頂に近いエリアによくいるように思う。いる場所にはけっこう高い密度で生息している。
サンコウチョウもまた、大阪府の山地の林に広く出会えるようになった。クロツグミよりも標高の低い場所にもいるが、クロツグミよりも生息密度は低い。
1990年代の夏鳥の減少が叫ばれた頃には、この3種も、他の夏鳥と一緒に減ったような気もするが、2000年代以降は増加に転じた気がする。この3種がどうして増えたのかはよく分からない。ただ、この3種は共通して、落葉広葉樹林でなくても、植林でも生息できる気がする。とくにサンコウチョウは積極的に暗い林が好きな様子。放置された植林が、なぜかこの3種の暮らしに適するようになったという可能性はないのかな? やはり生息環境が増えた・整ったと考えてみたいところ。
今日はソウシチョウ調査。茨木市から箕面市を歩いた。歩き始めてすぐ、道に小さいフワフワとデカい虫が落ちてる。モグラの死体にシデムシが食い付いてるところだった。これ幸いとシデムシ付きでモグラを採集。二重に袋に入れてザックにぶら下げた。少し臭ってる。
午後辺りから、なんか背中が痒い。腹も痒い。なんかに噛まれたかなぁ。頭までなんか痒い。
帰って来て、シャワーを浴びると、アチコチが赤くなってて痒い。ひどいのは脇腹、臍辺り、脇の下、首の後ろ。なんかに噛まれてる。でも、下半身は全然噛まれてない。何に噛まれたかなぁ。
晩ご飯食べて、まだ痒いので腹を見てみると、0.5mmほどの小さなダニが歩いてる! 赤くはれてるのを、その目で見ると、小さいダニが付いてるのがある! 結局、6匹捕まえた。これで全部とは思えない。すでに血を吸って脱落したのがいるはず。野外で落ちてたらいいけど、家で落ちてたらイヤだなぁ。とりあえず今日着てた服すべてとザックを中性洗剤に浸けた。ダニは死ぬかな?
で、落ち着いて考えると、噛まれた場所の偏りから、ソースは絶対ザック。モグラや! で、モグラをチェック!
モグラは帰って来てすぐ、チャック袋に入れた。見てみると、チャック袋の中を、小さなダニが10匹ほど走り回っていた。稚ダニは、大人ダニより、動きが速くて見てて楽しい。
今日は、大阪府のソウシチョウ調査で、豊能町と茨木市の最北部、というか京都府との府境辺りを歩き回った。基本的には、鴻応山(山頂は豊能町と亀岡市の境界)、湯谷ヶ岳(山頂は亀岡市)、竜王山(山頂は茨木市)の3つの山登り。周辺は歩き回ったことがあるが、登るのは初めてな山ばかり。登山マップに登山道が書いてあるから大丈夫だろう。と思ったのが甘かった。
鴻応山では、誰にも出会わなかった。たぶんほとんど登る人もいないんだろう。牧側から登ったのだけど、出だしから何となく登山地図とルートが違う気がする。でも、赤や黄色のテープが所々に巻いてあるので、それをたどっていけばよさそう。と進んでいくと、最初はハイキングコースっぽい道だったのが、だんだんけもの道になってきて、いや実際シカの足跡だけをたどっている。最後は強引に斜面を数十m上がると尾根筋の道に出た…。でもまあ、尾根筋は登山道っぽくて、山頂までスムーズに到着。降りるのは寺田方面へ。牧方面との別れの所までは、尾根筋の道は整備されている感じだったのだけど、その後は倒木が倒れまくりのサバイバルコースに一変。ほとんど誰も通ってない感じ。最初はテープが所々に巻いてあったのが、やがてテープのサインがなくなり、やむを得ず地図を頼りに尾根筋を歩いて行く。シカのおかげで林床はスカスカなので、好きな方向に歩いて行ける。でも、わずかな踏み跡もなくなり、またもやシカの足跡があるだけ。尾根が広いのでシカの足跡も散らばっている。適当に歩いて行くと。降り口みたいな標示を発見。これ幸いと降りてみると、寺田ではなく牧に出てしまった…。尾根筋が広くて、たどる尾根を間違えたらしい。
湯谷ヶ岳は、登西側の山口の標示がなくってまず悩む。地図からするとこの辺か?という場所を入っていくと、登山道らしきものに出会ったのでたどっていく。登山マップでは尾根に出るはずがなかなか尾根に出ない。でも方向は正しいので、そのまま進む。登山マップより楽なルートで尾根筋に到達。再び、鞍部を巻いていくコースに入ってしばらく進んだら、道を見失った。シカの踏み跡が縦横にあって、林床もスカスカで、割となだらか、どこでも歩けるのである。適当にしばらく進んでから、そろそろ山頂近くかな?というところで、強引に尾根に上がる。道を発見!そして、一人で山登りに来てるお年寄りにも遭遇。行き先が同じらしいので、付いていくと山頂に連れて行ってくれた。山頂で食事して、お年寄りより一足早く降りることにする。南の尾根筋を降りる予定。が、降り口が分からない。でも、とにかく南の尾根筋を強引に降りれば、どこかで道に出会うだろう。かなり急な斜面だけど、強引に降りていく。ササ藪がないから、道はなくても降りていける。いつ道に出会うかな〜、と下っていくこと20分。道には出会わず登山口に到着。どうなってる?
最後の竜王山は、とてもメジャーな山らしい。山頂部にお寺と神社があり、そこまで車でも行けるらしい。登る途中でも山頂でも、親子連れや山ボーイみたいな格好のおっさんに出会った。今日初めて、コース案内の看板がいっぱいある山。安心して西から登って、南に下った。車作バス停からバスに乗るべく、下っていく。車作の集落に到着。で、そこから案内の看板がなくなる。とたんに道に迷う…。グルーっと回ってバス停近くまで来ると、向こうにバスが来てる!足を速めたが、無情にもバスは出て行ってしまい。1時間のバス待ち。
今日をまとめると、3つの山に登って、いずれも下りで道に迷った。まあさほど事なきを得たが。事なきを得た大きな理由は、林床がササなどの藪に覆われていないので、どこでも降りれること。地図を見て、だいたいこっちだ!って方向に降りていけるのは大きい。
でも、迷った大きな理由はコースを見失ったから。シカが林床をスカスカにして、どこでも歩けるというのが、道を見失った大きな理由の1つ。最後に集落で迷ったのは、車作の集落がややこしいからや!
なんにせよ、シカが増えて林の様子が変わって、生態系のみならず、山登りのスタイルも変わったのは確かかと。
5月終わり頃に話があって、5月末以降、滋賀県某所からさまざまな標本が届くようになった。10日前には、哺乳類のホネが8箱も到着。開けてみると、ちゃんと乾燥していないのがけっこう混じっている。で、黴びない内にと、急いでバットに出して乾燥中。他にもまだ洗う必要なのがけっこう混じってる。で、今日は、ツキノワグマ2匹のホネを洗った。
胴体のホネは綺麗なのだが、どちらも頭骨が割れている。散弾だ混じってるので、頭を撃たれたんだろう。それにしても、散弾が多い。ものすごく多い。かなり近くで、全弾頭にたたき込んだかのよう。…。で、ようやく気付いた。このクマはきっと罠で捕まえられたんだ。で、留め刺しの代わりに、至近距離から頭を撃ったんだろう。
刺し殺してくれた方が、いい標本になるんだけど、食用にクマを捕ってる猟師的には、頭骨が割れようが関係ないし、撃った方が簡単なんだろう。でも、刺してくれたらいいのに…。
あるいはいっそ、銃猟で捕れたクマの方が、いい骨格標本になるなぁ。
隔月で、課題本の紹介文を持ち寄って、本についてあれこれ言い合うサークル。今日の会合で出た本についての意見を記録。
今日の課題本は8冊。その内、2冊は宿題に。さらに前回以前からの宿題となっていた本4冊のうち2冊は、さらに宿題となったので、8冊についてあれこれ話し合った。
ちなみに各人は紹介文を書いてきていてて、4つを最大として★を付けている。
●「奇妙な菌類」NHK出版新書
(紹介文4つ、平均★数は3.3)
とにかく面白い生態を持つ菌類の連発が高評価。そんなところに!というほど特殊な場所にのみ暮らしたり、他の生物を操ったり。ここまで菌類が多様な暮らしを送っていることには、大抵の生き物好きは感心するはず。
●「わたしの森林研究」さ・え・ら書房
(紹介文2つ、平均★数は2.0)
博士論文を中心に自分の研究を紹介。でも、調査地や調査対象、種子散布というテーマについての説明が、分かりにくいらしい。それでいて、自分のデータはなぜか詳し過ぎるくらい紹介。個々の鳥や樹木の暮らしが見えてこないので、読んでいて楽しくないんじゃないかと。
●「身近な鳥の生活図鑑」ちくま新書
(紹介文3つ、平均★数は3.0)
スズメ、ハト、カラスといった鳥は身近で興味を持ってもらいやすい様子。読みやすい、説明が分かりやすいという点も高評価につながった感じ。
●「昆虫の体重測定」福音館書店たくさんのふしぎ
(紹介文4つ、平均★数は3.5)
全員が、昆虫の体重測って何が面白いの?と思いながら、読み始めて、だんだん面白くなっていった感じ。ストーリーに必ずしもとらわれずに、色んな体重の数字を見ながら、自分であれこれ考えて楽しめる。体重という新たな切り口で昆虫を紹介してくれた。といった点が評価につながっていた。
●「えながのねぐら」松原卓二著、東京書籍
(紹介文2つ、平均★数は3.5)
いいおっさんが、恥ずかしげも無く「カワイイ〜」「モフモフ〜」とエナガ愛を連発すつのが高評価らしい。理解できないのだけど、変態のカミングアウトを見るのが楽しいのかもしれない。
●「神々の花園」福音館書店たくさんのふしぎ
(紹介文4つ、平均★数は2.5)
評価は2つに分かれた。花園の写真はとても美しく、それは全員が高評価。ただ動物についての説明に間違いが多く、それに気付いたら評価を下げざるを得ないという感じ。とても残念な一冊。
●「6度目の大絶滅」NHK出版
(紹介文3つ、平均★数は3.0)
現在はヒトによる6度目の大絶滅の真っ最中。この指摘自体は古くからあるので、それを知っていると読んでいても新鮮味はないけど、知らない人には是非読んで欲しい。というのが総合的な評価。
●「生物はなぜ誕生したのか」河出書房新社
(紹介文1つ、平均★数は4.0)
一人が読んでとても面白い!と高評価なのだが、分厚いせいか、他の人があまり読む気になれなかった。一人だけの評価なので参考記録扱い。
実は、内緒にしてたんだけど、心太ってのを初めて食べた。
友の会の秋祭りっていうのは、ここんところ毎回、何かしら食べる企画が続いている。今年は、海藻に詳しい友の会会長を最大限に活用して、心太作りということになった。テングサは春の行事ですでに確保して乾燥してある。それを使って、今日は心太の試作。
乾燥テングサを、鍋に入れて煮ること約40分。テングサがドロドロに溶けたのを確認して、溶けた部分をバットに流し込んで、冷めて固まるのを待つ。もっと薄いバットならもっと早く固まるんだろう。とにかく何となく待つこと1時間ほど。プルンプルンに固まった。誰かの家にあったというアレ。押し出す奴に入れて、ピューっと押して心太完成。さっそく試食。
心太は、黒蜜派と三杯酢派に分かれるらしい。黒蜜は苦手なので、三杯酢をかけて食べてみる。美味しい。というか、海藻臭さは無くて、普通に三杯酢の味。周りの大阪人は、大阪では黒蜜ときな粉をかけて食べるもんだ!と主張しながら食べている。黒蜜は嫌いなので、きな粉だけをかけてみた。もちろんきな粉は美味しい。ちょっと粉っぽいけど…。黒蜜+きな粉にこだわっていた大阪人達も、三杯酢を試し、三杯酢+辛子派に転向する者もちらほら。
秋祭り当日は、参加者各自が、心太にかけてみたい物を持ってきた方が楽しそう。甘い果物とか蜜豆の缶詰を持ってきたら美味しいかも。アイスクリームも美味しいかも。あとはココナッツミルクとか?
大阪府で最初にソウシチョウが定着、繁殖したのは、たぶん能勢町北部で、15年ほと前のこと。確実なのは2003年の剣尾山周辺に入った。その後、金剛山地に飛び火。ついで生駒山地に侵入、分布拡大。ここ数年、和泉山系に拡大しつつある。
ってゆうのが、大阪府でのソウシチョウの定着、拡大の概要。最初に入ったのが北摂山地なので、すでに他でも分布拡大、密度増加のプロセスをたどっているので、てっきり北摂には広く高密度で生息してると思い込んでいた。
昨年から大阪府のソウシチョウ調査を進めている。昨年は生駒から金剛山地と和泉山系の東の方を調査。今年は和泉山系の残りを概ね調査してから北摂山地に突入。で、箕面市、高槻市と調査して今日は能勢町南東部。いずれも、ほとんどソウシチョウはいない。他の人の調査で、池田市とか、能勢町北部ではそこそこソウシチョウが出ているが、北摂一帯に定着してるって訳じゃないらしい。ただソウシチョウが侵入した少し前から、北摂一帯でシカが激増している。場所によってはササがなくなって、ウグイスすら減っている。シカによって定着を阻まれた結果なのか、ソウシチョウは必ずしも分布をどんどん拡大する訳じゃないのかが気になるところ。
先週ポンポン山から本山寺。今日は、中畑から萩谷にかけて。この2回で高槻市の山をほぼ制覇したような気分。で、高槻市の山にくらす鳥について、大胆発言したくなった。ソウシチョウは1羽しかいない!とか。まあ、繁殖期の昼間に、主だった山を一度だけザッと歩いただけなので、もちろん生息している鳥を見逃しまくっているはず。タカ類は全部見逃しているし、キジ類やフクロウ類ももちろん見逃している。ってゆうか、そもそも繁殖期に元気に囀りまくる鳥以外はほぼ見逃しているはず。でも、分かったことも多いはず。
全体を通じてかなりはっきり言えることは、高槻市北部の山はシカがいっぱいってこと、足跡や糞に加えて、あまり人の来ない山道を歩いていると、大型獣が逃げていく音がよく聞こえる。でも、箕面公園ほどの密度はないらしく、ササがそれなりには残っている。そのせいか、ウグイスも生息している。ただ、シカがまったく生息していなくて、ササ藪だらけの泉南の山々と比べると、ウグイスの棲息密度はとても小さい。そして、ソウシチョウはというと、ウグイスがいる割には、ほとんどいない。黒柄岳の南麓で1羽囀っていただけ。後から、地図をよく見ると、黒柄岳の南麓は高槻市ではなく、亀岡市。ということは、高槻市にソウシチョウはいない!と断言した方がいいのだろうか。
大阪府でのシカの増加は2000年以降、ソウシチョウの繁殖開始も2000年より後、ってことはタイミングが微妙なのだけど、いったん高槻市に定着したソウシチョウが、シカのせいでいなくなったって事はあるのだろうか? それとも先にシカが増えていてソウシチョウは侵入できなかったのだろうか?
ウグイスやソウシチョウ以外では、大阪府の他の場所と同じで、やたらと多いのは、キビタキ。あとはメジロ、イカル、ヤブサメ、クロツグミ、サンコウチョウがけっこう囀っている。カラ類があまり囀っていないのは、すでに繁殖期が進んでいて、囀りの季節が終わってるからなんだろう。
サンショウクイの声がする! と見上げるとイワツバメが飛んでいた。これまた大阪府で増えている鳥。サンショウクイと声が紛らわしい〜。
泉南方面ではよく鳴いていたセンダイムシクイ、ホトトギス、ツツドリは少ない。トケン類は寄主次第として、センダイムシクイが少ないのは、どうしてかよく分からない。これもシカと関係あるのかな?
そもそも数日前まで、天気予報は曇りと言ってたわけ。それが、2日前になって、曇り後雨と言い出した。また雨天中止か?と思っていたら、1日前になると、再び曇り予報に戻った。で、昼過ぎ、明日は雨天中止はないな。と行事実施を確信して帰ったわけ。夕方からとあるイベントに参加して、夜帰って、そのまま寝てしまった。で、午前5時過ぎ。電話でたたき起こされる。雨が降ってる!と。慌てて、外を見ると確かに降ってる。雨雲レーダーを見ると、現地も降ってる、さらに西から雨雲が来る。そして雷注意報まで出ている。予報も午後まで雨模様。
今日はカエルの観察会なのだけど、100人規模なので、雨では昼食を食べる場所にも事欠く。そして、ザーザー降られたら、カエルといえども見つけられない。というわけで、雨天中止を決定。留守電の手配をして、集合場所での待機は地元にお任せして、二度寝。留守電はもう一つの野外行事の担当者が気を利かせて、両方中止を準備してくれていて助かった。こっちは実施と思ってたから中止の準備をしてなかった…。実施のつもりでいたから、100人分の資料を刷ってしまっているのが残念。来年も同じ行事をするから、日付だけ変えて使おうかな?
それにしても、高槻のカエル観察会は、これで3年連続で雨天中止。もはや呪いのレベルに達してきた。来年こそは実施するぞ! と思いつつ、どうしても梅雨時に設定せざるを得ないから、雨天中止は避けられないとも思う。
この「高槻のカエルさがし」という行事は2008年から毎年6月に企画している。過去の実施/中止を見てみると、
2008年6月15日 実施 81名
2009年6月21日 実施 51名
2010年6月20日 実施 60名
2011年6月12日 実施 58名
2012年6月24日 実施 63名
2013年6月23日 実施 79名
2014年6月22日 雨天中止
2015年6月21日 雨天中止
2016年6月19日 雨天中止
なんと、雨天中止はここ3年だけのことだった。もし呪いだとすると、最近呪われたんだな。知らんけど。
と書いたものの初めてじゃないかも。一度どこかの商店街で偶然行き会って少し見ていた記憶がある。でも最初から最後まで参加したのは初めて。お金を払ったのも初めて。場所は堺市某所の動物病院3階。
サイエンスカフェに先立って、グッズやら本の販売があった。まるでアイドルのコンサートのよう。これを買わないと、サイエンスカフェに参加できないのかな?と思ったので、古本で鳥の本を2冊購入した。どちらも絶版本なので、定価の半額はけっこうお買い得。
買い物の合間に、動物病院で保護されている鳥を見せてもらう。随分昔に逢ったことのある嘴の黄色いトビが健在で驚いた。アオバト、アカショウビン、チョウゲンボウ、ハヤブサ、ハシボソガラス、スズメ。4羽のスズメの内、2羽にうっすら薄茶色の眉線があるのには驚いた。野外でもこういう個体は、探せばいるのかな?
で、なんだかんだで、サイエンスカフェが開始。今日は、野生動物救護の話1時間と、軽食とビール片手の交流会1時間半。なんだかんだで、時間はすぐに経った。参加者の8割方は知ってる方。でも交流は苦手なので、適当に食べ物をつまんでは端っこでおとなしくしている。
これで2000円。1時間のトークだけだと、ちょっとお高い気がするけど(もしトークを頼まれたら尻込みしそう)。ビールと軽食が付いてなら許せる範囲かも。参加者は応援してくれる人ばかりだから、文句も出ないという面もある。ただ、スタッフが多く投入されすぎ。これでは、収支はトントンだろう。
駅から近い会場は便利がいいけど、空調がないので6月にしてすでに暑い。夏の間は厳しそう。今日の反省のもとに、秋に再開されるのかな?
来年のナイトハイクの候補地に下見の下見。箕面公園がいまいちになってきたので、代替地を探して、あちこちに行ってみてる、の一環。今回は高槻市の山手へ。おもなターゲットはカエル、特にモリアオガエルの産卵。
最終バスで山間へ。バスを降りて歩き出したのが午後10時17分。電車を使って集合できる箕面よりもどうしても集合が早くなり、長丁場になる。道を歩いて、モリアオガエルが産卵する池へ。雨は午後9時には上がるとの予報だったので決行したが、ぜんぜん上がらない。結局、夜明け前まで降り続いた。そのおかげでもあるだろうけど、路上にいろいろカエルが出てきて楽しい。アマガエル、シュレーゲルアオガエル。車にひかれてミンチになったカエルも多数。アマガエルにトノサマガエル。浅い池では、アマガエルとトノサマガエルが合唱している。でも近付くとピタッと鳴き止んでしまって感じが悪い。モリアオガエルが産卵する池には、すでに卵塊が5つほど。真新しくって、触ると柔らかい卵塊もあった。枝の上には、あちこちにモリアオガエルの雄。雌が来るのを待ち構えているのだと思うけど、ときどき鳴くだけで、あまり合唱にならない。雌が来ないからか、雄同士が乗っているのもいる。ざっと十数匹の雄が待っているのだけど、雌は見あたらない。
池の近くに屋根のある建物があったので、そこでゴロゴロしては、時々池を見に行って、モリアオガエルが産卵しないかをチェック。産卵シーンが見れれば、とても盛り上がったのだけど、残念ながら見られず。雄はさほど鳴かないし、雌も現れない。季節が少しはずれなのか、時間帯が少し遅いのか、今日はたまたまはずれの日なのか。卵塊がせいぜい20個程度の場所なので、はずれの日もあるんじゃないだろうか。雨の中だけど、フクロウは鳴いてくれた。
午前3時。この場所に雌は来そうもないので、他の産卵場所を見るために移動。大きな池は、大きすぎて懐中電灯の光では奥まで見えない…。小さな水たまりの周辺には雄すらいない。川の方に出たけど、雨のせいで増水していて、カジカガエルを観察するのが難しい。声だけ聞いて(この濁流の中で鳴いて意味あるのか?)、通過。ヌマガエルがいる田んぼに出たけど、姿も無ければ声もしない。その近くも最後のモリアオガエルの池には、卵塊が数個ぶら下がるだけで、雄の気配もない。そして、たったか歩いて行くと夜明け前に住宅地に出てしまった。住宅地周辺の田んぼにはアマガエル、トノサマガエル、ヌマガエルがいるはずだけと、とても静か。
夜明け前、カエルは鳴き止むもんなのかな? となるとカエルターゲットのナイトハイクあまり意味がないかも。むしろ日暮れ時に集まって、夜遅めに解散の方がいいかもしれない。
なぜか大先生から、ヘビイチゴについて教わる。
日本から中国辺りの温帯域原産らしいが、今やヨーロッパ、南北アメリカ、アフリカ、オーストラリアと世界中の人口の多い地域に広がっている。というのも、欧米人がガーデニングによく使うかららしい。
一方、中国では薬として注目されていて、その手の研究が盛んに行われてるとか。ヘビイチゴは万能薬だと主張しているのは、富士山周辺の一部の地域だけかと思った。
果実のあのトゲトゲの中に種子が入っていて、アリがよく運ぶ他、鳥や中型食肉類、カタツムリまでが、種子散布に貢献してるという報告がある。ただ糞からタネが出た鳥として、カナリアが入ってるのは本当かなぁ。中国ではオナガが重要な散布者という報告があるらしいが、本当かなぁ。鳥の散布者については、色々気になった。
食べても甘くもジューシーでもないヘビイチゴにはあまり興味がなかった。イチゴと名乗ってるけど、そもそもタネはどこにあるねん?などと馬鹿にしていた(?)。でも、色んな話題を聞いていると、少しではあっても興味が湧くから不思議。
ヘビイチゴの観察会でも開催すれば、そしてリーズナブルな値段なら、ヘビイチゴの本もそれなりに売れるかもしれない。
ポンポン山周辺にソウシチョウ調査に出掛けた。ソウシチョウはいなかった。それどころか、ポンポン山頂辺りにはウグイスもいない。本山寺より南にはいたけど、生息密度は低い。ササがほとんど見当たらないから、さもありなん、って感じではある。
大阪府では、北部の山地にのみシカがいて、その増加は下層植生に大きな影響を与えている。下層植生と繋がりの強い動物にも影響が出るのも予想できる。植食性の昆虫、そしてササが好きなウグイス。でも、下層植生の変化・消失は、林内の乾燥を通じて、もっと広い影響が出てる可能性がある。土壌動物、陸貝、カエルはそのせいで減少してるんじゃ? 実際、ここんところ箕面公園で夜に出会うカエルや陸貝が減ってる気がする。
シカの増加による農業被害を防ごうと、山間部の集落や農耕地周りに柵がはりめぐらされ、中型哺乳類にとって新らたな障壁となっている。これもシカからヒトを介した生態系への影響。
里山を今語るなら、シカの影響は避けられない。と、2年後の里山の特別展が気になった。
外来生物の調査プロジェクトに絡めて、外来生物観察会が企画された。で、その下見というのに出かけた。昨日のことだ。行き先分からずに高槻駅に集合して、バスに乗せられ、ついたのは三島江。高槻市南部の田んぼがけっこう残ってる地域。そこで、田んぼ周辺の生き物を観察し、淀川河川敷の生き物を観察する。
が、もちろん外来生物観察会。在来生物を観察しないわけではないけど、おもに狙うのは外来生物。たとえば植物の場合、普段の観察会はむしろ在来生物メインで、道ばたに見られる外来生物は無視されがちなのだけど、今回はそっちが主役。いつもよく見るけど、名前を知らない生物にスポットライトが当たる、ってのはけっこう目新しい。
植物と並んで、淡水で暮らす動物にも外来生物は多い。淡水貝に鰓脚類。胸をはっての在来生物の方が少ないくらい。
もちろん昆虫にも外来生物ネタはいろいろ。最近話題のクズにつくテントウムシは見つからなかったものの、アカハネオンブバッタは簡単に見つかり、セイタカアワダチソウには外来のアブラムシにグンバイムシ、アメリカジガバチが飛んでいるし、ブタクサハムシも見つかる。
で、そんな中で肩身が狭いのが、脊椎動物担当。鳥は在来生物だらけ。ドバトを探すも見つからず。哺乳類はヌートリアに期待したけど、出ない。両生爬虫類でアカミミガメとウシガエルが出ただけ。ぜんぜん役に立たない。ってゆうか、カメをのぞけば、そもそも外来生物の割合が低いんだな。けっこうな事なんだけど、外来生物観察会では役に立てない。
かつて夜の箕面公園は面白かった。でも、ここ数年、いくつかの要素が失われた感じ。今後対応を変えた方が良さそう。で、その前に今までの箕面公園でのナイトハイクを振り返っておこう。
暗い間に確認した動物を付けてみた。2年前まではフクロウもヒキガエルもいたんだなぁ。
2010年9月26日:フクロウ、アオバズク?、ニホンジカ(姿、ごく一部の人が声を聞いた)、ネズミ類(食べ跡、1名姿を見たという)、オオサンショウウオ(2匹)、ニホンヒキガエル(小1匹)、ニホンヤモリ
2011年6月26日(箕面の滝の辺りで雨が降り出し、そのまま雨宿りして帰ってきた):オオサンショウウオ、ニホンヒキガエル、タゴガエル、カジカガエル、ニホンヤモリ、ヒバカリ
2012年7月1日(雨天中止)
2013年6月30日:フクロウ、アオバズク、ニホンジカ、オオサンショウウオ、ニホンヒキガエル、ウシガエル、カジカガエル、ニホンヤモリ
2014年6月8日:フクロウ、ニホンジカ、オオサンショウウオ、ニホンヒキガエル、ウシガエル、カジカガエル、タカチホヘビ
2015年7月5日(雨天中止)
→2015年7月3日下見:フクロウもオオサンショウウオもヒキガエルも確認できず。
2016年6月12日:オオサンショウウオ、タゴガエル、カジカガエル、ニホンヤモリ(シカもフクロウもヒキガエルもおらず)
2年前にも金剛山ナイトハイクを企画したのだけど、夜に雨が降るかもって予報だったので、断念した(結果的には降らなかったらしい)。それを、ついに今回実行にうつした。
公共交通機関で金剛山ナイトハイクをするには、午後7時半頃に富田林駅を出る金剛バスに乗らないといけない。朝も午前8時過ぎの金剛バスに乗ることに。つまり12時間もの長丁場。今回は、人数が少なかったので、朝はバスを待たずに車で帰ってきたけど、公共交通機関で実施するのは非現実的かもしれない。
バスでロープウェイ前バス停まで行くつもりだったけど、なんと最終バスは金剛登山口までしかいかないことが現場で判明! 金剛登山口からロープウェイ前バス停まで40分ほど余計に歩くことに。そのおかげでゲンジボタルを見れたけど。
ロープウェイ前バス停でトイレ休憩してから、伏見峠を経由して山頂へ。山頂近くでトラツグミの声がした以外は夜の鳥は鳴かず。山頂近くの尾根筋ではヒキガエルが1匹と、ギューリキマイマイがけっこう道に出ていた。
ロープウェイ前バス停から2時間ほどかかって山頂へ。転法輪寺から国見城跡では、アオガエルがいっぱい鳴きまくっていた。ほとんどシュレーゲルアオガエルだけど、池の近くでモリアオガエルも1匹鳴いていたような…。転法輪寺ではミソサザイの巣を見つけ、照らしていたら頭を出したから、急いで撤退。
期待の夜の鳥は鳴かないし、ムササビの気配も一瞬で消えたので(ってゆうかシュレーゲルアオガエルがやたらうるさい)。国見城跡で、夜食と仮眠4時間半。山頂部のトイレも自販機も動いているから、持ってきた夜食を食べた上に、カップラーメンも食べてみた。夜の山頂で喰うと旨い。国見城跡にはライブカメラがあるので、知り合いに電話して、見えてる〜?とか言いながら、カメラのアングル内で夜食を食べて、騒いだり(SNSでも何人かが反応してくれた。驚くほど綺麗に映っていた)。その周りでは、ときどきイタチが現れてウロウロしていた。色合いがよく分からないけど、ニホンイタチっぽいと思う。
午前3時17分、ジュウイチが鳴き始める。ブナ林に移動すると、午前3時40分からトラツグミ、3時44分にジュウイチ、午前3時53分にホトトギスが鳴き始める。午前3時54分にはムササビの声がして、午前4時に目の前に滑空してきて盛り上がった。
午前4時10分、そろそろ空が白んできてキビタキが囀りはじめる。その後、オオルリとミソサザイ、カッコウとソウシチョウ、クロツグミ、ウグイスと次々と囀りはじめる。午前5時を過ぎると、辺りはミソサザイとソウシチョウの囀りばかりになって、朝の楽しいコーラスは終了って感じ。
午前5時半に千早本道から降り始め、約1時間でふもとへ。久しぶりに通ったけど、階段だらけで、二度と通らないと心に誓った。
というわけで、山頂で4時間半、バス停で1時間半も待ち時間が生じる。長丁場で退屈な時間が多いナイトハイクになってしまいそう。
車を出して、午前0時半にロープウェイバス停から歩き始め、午前2時半頃に山頂到着。国見城跡で夜食をとってトイレと休憩1時間。午前3時半にブナ林に移動して朝のコーラスを1時間半楽しみ。伏見峠経由でロープウェイバス停に下る。到着は午前6時半頃。という6時間コースなら、退屈な時間もなくて、楽しいナイトハイクになりそう。
行事と言うよりは、少人数で実施する企画だな。
今日、長居公園をウロウロしていたら、ホトトギスの声がしていた。ここで繁殖するとは思えないから、渡りの途中なんだろう。でも、大阪周辺の山には、すでにホトトギスは到着している。東北方面にも、少なくとも宮城県南三陸町や岩手県奥州市には、5月末にはすでに到着している。
托卵相手はおもにウグイスかと思うけど、ウグイスの繁殖期も少なくとも大阪では5月には始まってるはず。托卵っていう習性の都合上、産卵期に間に合わないと意味がないでしょう。造巣期に巣を見つけておかないと対応できないでしょう。今頃、大阪市内を通過してるのは遅いんじゃないの?
っていう所から考えるなら可能性は3つ?
・さらに北に行けばこれからウグイスが産卵をする出遅れホトトギスの別天地がある。
・遅めに繁殖をはじめるホスト、再営巣のホストを狙うホトトギスの一派がある。
・今年の繁殖は諦めムード。
果たして、正解はどれ?
ここ数年、だいたいこの時期に箕面公園で夜遊びしている。ナイトハイクという行事。行事自体は雨天中止で、実際ほぼ隔年で雨天中止。でも下見は雨でも行く。同じような時期に行ってるのに、年によってけっこう出会うものが違う。
今朝、今年の下見に行ってきた。今年はいまいち。箕面川沿いでは、ホタルはいたけど、まばらに飛んでるだけ。昆虫館にはヤモリ、瀧安寺のいつもの場所ではナマズと中位のオオサンショウウオを確認。ただ、ヒキガエルには全然出会わなかった。カジカガエルも少し鳴いただけ。
大滝から上がるところで、上の方から妙な声がして、大きめの動物が移動していく。さとん先生によるとイノシシじゃないかとのこと。さらに雲隣展望台に上がる途中では、大きな獣が逃げる音がして、ブーブーいう声も聞こえる。これは明らかにイノシシ。これでカチカチという威嚇音が聞こえたらかなり危険。と脅されたが、幸か不幸が聞こえなかった。才が原林道に上がったところで、前方の林からガサガサ音。ダッシュしていったコウモリ屋さんは、イノシシを見たらしい。
才が原林道では、その後、哺乳類の気配はなし。いつかは踏みそうになるくらいヒキガエルがいたのに、全然いない。フクロウの声もまったくしない。
ってことで、見る物が少ないから、どんどん進んでしまう。夜明けを待つ予定地点に随分早く着きそうなので、才が原池に寄り道。かつて謎のコウモリが飛んでいた事があるらしいが、見つからず。モリアオガエルの声も聞こえず、ウシガエルが鳴くだけ。と思ったらホトトギスが夜鳴きした。
いつもの尾根筋の場所で夜明けを迎える。夜明け30分前くらいから、キビタキ次いでサンコウチョウが囀り始める。10分ほどしてメジロも囀りはじめる。あとはハシブトガラスやヒヨドリやホオジロやカラ類が鳴き始めて、朝のメンバーが一揃い。昼間でもキビタキやメジロは簡単に聞けるのだけど、同じコースを歩いても昼間はサンコウチョウをあまり聞かない。だから夜明け頃に来る意義が少しはあるって感じ。
明るくなって歩き出したところで、ドライブウェイに出ているシカを発見。滝道に戻ったらオオルリも鳴いていた。
いつも楽しみにしていたヒキガエルとフクロウに出会えなかったのはショック。そういえば、昨年の下見(本番は雨天中止)にもヒキガエルにもフクロウにも出会わなかった。7月と季節が少し遅かったからと思ったけど、そもそもヒキガエルとフクロウがいなくなった可能性を考えなくてはならないかも。
今日の午前中は、視覚支援学校の生徒さんの対応。というか授業ってゆうか、体験コーナー。かつてけっこう年配の視覚障害なみなさんに対して、剥製をさわってもらうというのをやったことがあるけど、生徒対応は初めて。
2回ほど先生が来られて、事前に打ち合わせ。生徒は10数人、全員に一人ずつ先生が付いてる。ので、一番の懸念事項である標本を乱暴に触って壊される恐れは低そう。とはいえ、触っても大丈夫そうな物ということで、ホネと角と、普及用に作られた毛皮を用意することに。
テーマは教科書によく出てくる肉食獣と草食獣の頭骨の違い。と思ったのだけど、あまりテーマにこだわらず、色んなホネを触ってもらった方がよさそう。大きなホネほど壊れにくいから、ゾウとかキリンとかかな。順番に触ってもらいながら、説明すればいいかな。と打合せで話をしながら思った。
前日の夜、ホネを準備。大きな肉食獣と草食獣ということで、トラとウマの頭骨。立派なシカの角が手に入ったので、角の話をしようと、鞘が抜けたバーバーリーシープの頭骨、クロサイの頭骨と角。先生方が大きなホネ見たがっていたから、キリンの頚椎と尺骨、ゾウの下顎と上腕骨と尺骨。さわってもいいシカとタヌキの毛皮を借りた。なんとなく、テーマごとに机に並べる。
当日、子ども達がやってきた。その姿を見て、重要な事実に気付く。子ども一人一人に先生がつくから、総勢30人超え。ホネを順番に触ってもらいながら、説明というのは無理っぽい。仕方がないので、最初に前で一通り話をして、子どもよりもむしろ先生に理解してもらい、あとは生徒+先生のペアに順にホネや角や毛皮を触ってもらい、要所要所で説明をしたり先生をサポート。という展開。
最初にホネを壊さないように、鼻に指を入れない、ホネをとらない、と注意したので、おおむねみんな丁寧に触ってくれる。先生も注意してくれるので、壊れされる心配はいらなかった。逆に注意を真に受けすぎて、怖々少ししか触らない子がいたり(これはホネが怖いだけ?)、先生が子どもの手首を握りしめて、ずーっと誘導して説明すべき場所だけ触らせたりしている場合もあった。
じっくり触らなかったせいもあるのかもしれないが、予想よりも体験コーナーの進行は前倒し。1時間の予定だったが、最初の説明に25分、各自でさわるの20分ほどで終わってしまい、あとは手持ち無沙汰。タイムコントロールが難しい。というか、付き添いの先生の意向が全体的に大きく働く感じで、生徒がゆっくり触りたいと思っても、先生がそれに気付かなかったり、配慮しなかったすることがある印象。生徒の方も自分の意向を強く主張する子がいなかった。時間があまれば、子どもが自分で興味を持った物をもう一度触りに行くという事が起こりにくい。
視覚障害があるとは言っても、完全に見えない子どもがいれば、少しは見えてる子どももいる。見えないだけでなく、耳も聞こえにくかったり、知覚障害を持っている子もいる。子どもはすべからく多様だけど、その幅がとても広くて、一人一人違った対応が必要なのが、通常の子どもたち相手とは大きく違う点。
見せて、聞かせてなら、大勢をまとめて対応できる。けど、見えないと一度に大勢に対応しにくい。話を聞かせることはできるけど、言葉だけでは説明しきれない(視覚併用に慣れすぎている!)。一度にみんなで触ったり嗅いだりは難しい。おのずの授業の仕方を変えないといけないけど、充分には対応できなかった。
世界が見えないと、おのずと引っ込み思案になるんだろうか。先生方の反応は、みんなホネや毛皮を触れましたね!というのが一番だった。見えないのなら、触ってもらおう、と安易に考えたけど、気持ち悪くて触れない子がいるかもしれないとは気付かなかった。
目が見えない分、触ることで形をとらえる力はあるだろう。と、安易に考えていたけど、見たところ、そうでもなさそう。トラとウマの目の位置や向きを説明してもあまり納得してない感じ。確かに自分で目をつぶって触って、その違いが分かるかと言えば、分からない。頭の形を把握した上での、眼窩の微妙な向きの話なので、かなり難易度が高い。それと同じ事のよう。これまた気付かなかった。
いろんな先入観を持っていたんだな、と再認識させられた。
子ども一人一人に個別に説明するのは難しいので、やはり重要なのは子どもにマンツーマンで付いてる先生の動きと理解。先生全員にまずきちんと説明して、それから生徒に教えてもらうのがよかったと思う。そこまで充分な時間がとれなかったのが残念。
それにしても子どもについてる先生の役割はとても大きい。先生の重要性は、目が見えていても同じだけど、先生への依存度が違う。先生と子どもの相性が悪くて、子どもが充分に学習できないとか、辛い思いをしたりしてるケースはないかなどと、少し心配してしまう。別に今日の先生方の話じゃなくって、あくまでも一般論。
先週の木曜日の夜に出て、宮城県から岩手県で5日間。昨日は阪南市に調査に行った。というわけで、1週間ぶりに職場に復帰。
1週間ぶりにチェックしたら、たまってたメールが1602通。迷惑メールやアラートを捨てたら376通。中身見ずにフォルダに仕分けるだけのを除けて108通。残る中で返信が要りそうなのが62通。今日中に全部は対応できそうにない。と思いつつも夜には、処理待ちメールは14通にまで減ったから、自分をほめてあげたい。
今日、久しぶりに職場にいるのが、どうも各方面にばれているらしく。朝から電話がいっぱいかかってくる。庭木に巣をした鳥の正体(キジバト)、警察に届けられたヘビの正体(アオダイショウ)、ツバメの巣にヘビを近づけないためにはどうしたら?といった質問から、マスコミからの御礼、博物館実習に申し込んだのに返事がこないんです〜という問合せ。某博物館から標本捨てられそうなので何とか助けて欲しいという緊急事態もあれば。人間からは分泌物が出て固まるから汚いの、だから洗濯しなくちゃならないの、と何度も繰り返す人まで。
カウンターに座っている当番でもあったけど、幸い他の学芸員にふるお仕事以外は、画像でバンを同定するだけ。なぜか鹿児島から知人がやってきたけど。
夏の特別展の招待状の手配をして。夏の標本同定会の講師依頼の準備。博物館実習の受入OKに対する申込み状況をチェックして。土曜日のホネホネ団活動日の手配して。日曜日の行事のリマインダーを流して。そして、明日の視覚障害のある方向けホネの授業の準備。
というわけで、嵐のような一日であった。東北では、日が暮れたら、ご飯食べて、風呂入って、植物標本の整理を邪魔して、トランプするだけ。東北に戻りたいなぁ。
【追記】
ちなみにこの日に送ったメールは、午前34通、午後32通。なんとか返事が必要なメールの多くは処理した感じ。
昨年度に引き続いて、今年度も大阪府内のソウシチョウの分布調査を継続中。同じようにササが好きなウグイスの棲息密度も同時に調べている。今日は、山中渓駅をスタートして西へ、阪南市の山手をざっと歩いた。ウグイスは多いが、ソウシチョウはまだおらず。
すぐ東の泉南市では、囀りは聞かれなかったものの、ソウシチョウの姿を確認した。どうやら繁殖期であっても低密度であれば囀らないか、囀り期間が短いかで、囀りでは定着初期のソウシチョウの分布は把握し切れないらしい。だもんで、泉南市で聞いた警戒声にも注意したが、見つからなかった。だからといって、ソウシチョウがいないとは言い切れないのが歯がゆいけれど、いても棲息密度は低いと考えて良いだろう。
ちなみに少し季節が遅いのかもしれないけど、ハルゼミも鳴いていなかった。アカマツはいっぱいあったのに。和泉山脈のハルゼミは高いところほど密度も高い気がする。なんでかは知らんけど。
いまなら、ウニ丼! 昨日、解禁だったらしく、昨日も今日もウニ丼喰った。そんなにウニは好きじゃないけど、地元で喰う新鮮なウニは旨い! みやげにもウニ!と思わなくはなかったけど、鮮度が落ちたらとたんにまずくなるので、筋子とイカの塩辛をチョイス。辛すぎないイカの塩辛がとても旨かったので。筋子はやたらと安かったので大量に購入しそうになったけど自重。あとはカモメのTシャツを全色。峠のマドレーヌ。以前来たことがあるものが超お勧めしていたのが、クレープと峠のマフィン。残念ながらクレープ屋さんは開いてなかった。峠のマフィンを売ってるという店は開いていたので、入って「峠のマフィンください!」と元気に叫んだら、マフィンは置いてないと言われる…。マフィンっぽい形の「峠のマドレーヌ」を奴らは峠のマフィンと呼んでいるらしい。ややこしい。
とまあ、昼飯からお菓子、お土産まで短い時間だったけど堪能したのは、「南三陸さんさん商店街」。仮設住宅が並んでいて、それが店舗として営業している。南三陸町のあちこちに仮設住宅がある。海岸部は、ピラミッドのような土盛りで埋め尽くされていて、そこには商業施設とかは入っても住宅は入らないんだそうな。つまり海岸部にかつての集落は復興しない。でも高台移転は完了していない様子。5年経っても、ぜんぜん復興の途中のまま。
埋め立てられまくり、土盛りが立ち並び、近くの山がそのために削られて無くなっていく。そんな状態を地元の人は本当に求めているのか疑問に思っても、余所者はなかなか口には出せない。
昔の生活には戻れないだろうけど、昔と同じように、あるいはこれをきっかけに昔以上に、地元を誇りに思って生活できる環境が早く整うといいなと思いつつ。とりあえず、さんさん商店街で買い漁る。
関西人にとって東北は遠い。ってゆうか、北に行くなら北海道に行ってしまう。なかなか東北には行かない。だもんで、北関東から東北は電車で通過は一通りしているけど、電車から降りて、歩いて、泊まったことがあるのは、宮城県と青森県だけ。今日、初めて岩手県を歩き、泊まる。経県値アップ!
岩手県と言っても南の端の方なので、正直に言うと、どこからが岩手県なのか、どこまでが宮城県か分からず。気仙沼で車を降りた時、初めての岩手県??となっていたりした。本当に初めて岩手県を歩いたのは大船渡市、そして初めて岩手県に泊まったのは奥州市の種山高原。
東北に来て、主に海岸部をウロウロしていて、せいぜい低い山しか見ていなかったので、種山高原の広葉樹林にはテンションがあがる。ちょうど柿色のレンゲツツジが満開でとても綺麗。
夜はロッジで、なぜか担当者の意向でマトンの焼き肉だらけ。食べても食べても新たなマトンが焼かれて登場する。少しずつ味付けが違うようだけど、全部マトンやし。岩手県ってマトンの名産地なんだろうか?とまた妙な誤解を持ってしまった。
初めて南三陸町にきた。南三陸町と言えば、大阪からニジが移住して行った先。地元のパンフレットにニジの姿が。地元の人からもニジの名前が。本当にここに暮らしてるんだ! と確認した。
ニジは中高生の頃から自然史博物館に出入りしていて知ってるけど、とりたてて生き物好きって感じでもなかったし、どうして自然史博物館に出入りしてるんだろう?というのが謎だった。なんとなくフリーターをしていたと思ったら、突然縁もゆかりもないはずの南三陸町の求人に応募して、移住していった。周囲の説得(いつまでフリーターしてんねん?とか?)もあったんだろうけど、南三陸で自然に関係した職についたことにも驚いた。
で、そのニジの移住先に来てみた。けっこうみんなに可愛がられて、居場所になってる様子。その辺りはしっかりしていると思っていたので驚かない。こちらでは変人扱いされているらしい。さもありなん。でも、その変人ぶりが哺乳類とかの死体を喜ぶ類いの変人らしい。ちょっと驚いた。
夜、宿で食事をしてたら、ニジが顔を出してくれた。宿舎の周りをウロウロしてたら、東北だけど、この辺りは積雪がないから冬はさほど大変じゃない。夏は年に1日しか真夏日がない。と自慢していた。すっかりこっちの子だわ。しばらくして、ふと気付いたらもう帰ってしまっていた。夜は早く寝るんだそうな。じいさまか!
【追記】
2日後、買い出ししてきて宿で宴会してたら、またニジが現れた。あっ、ウニ持ってくるの忘れた!というので、取りに帰れ〜、と冗談で言ったら、本当に取りに帰ってくれた。自分で殻から出したというウニをドンブリに一杯盛ってきてくれた。ウニはさほど好きでは無いけど、採れたてを現地で食べるととても美味い! これから3ヶ月は、ニジさんと丁寧に呼ぶことにした。
太平洋フェリーに乗って、仙台港を出港すると、沖合いから仙台港の少し南に広い砂浜が見える。一度行ってみたいなぁ、と思ってた。それが蒲生海岸だった。その後、東日本大震災が起きて、仙台港も蒲生海岸もその周辺も大きな被害を受けた。津波に洗われた海岸には、すぐに自然が再生しはじめたが、一方で巨大な堤防の建設も進みはじめた。蒲生海岸は地元で守ろうとする動きもあって、砂浜が残ってるとは聞いていた。
今日は、仙台で1日フリータイム。もちろん蒲生海岸に行くことにした。古い探鳥地案内を見るとすぐ近くまでバスが行っていたようなのだが、バス停に行ってみると、その手前までしかバスは行っていないらしい。仕方が無いから後は歩くしかないかぁ。バスで先まで行ければいいのに。現地のことを何にも知らないで、そんな事を考えながらバスを降りた。
終点の1つ手前のバス停が蒲生海岸に一番近かったのだが、それに気付かず終点まで行くと、妙なところに連れて行かれ、さらに余計に歩かされた(でも、後から思えば仮設住宅までバス路線を延長したんだろう)。降りるべきだったバス停から海岸に向かって歩き始めて、なんか空き地ばっかりだなぁ、妙に工事ばかりしてるなぁ。などと、しばらく思っていて、ようやく気付いた。かつてあった集落は、津波ですべて消えてしまったんだと。もう瓦礫とかは残っていない。新しい建物も建っている。でも、住宅はなくて、工場だとか配送センターだとかばかり。大震災前の地図を持って歩くと、どこにいるのかさっぱり分からない。普通なら心強い道しるべになる学校も跡形も無かった。辺りを見渡しても、地形は平らで、高い建物はない。学校まで無くなるような津波が来たら、助かれそうにない。あの時、テレビで見た映像が思い浮かぶ。集落が無くなるほどの出来事だったんだと、改めて思わされる。自分は何の被害も受けていないのに、かなりショック。
こんな所に、双眼鏡ぶら下げてノコノコ鳥を見に来ていいもんだろうか?とも思ったんだけど、蒲生海岸には車がけっこう停まっていて、記念撮影したり、釣りをしている人がけっこういた。余所者が鳥を見ても怒られはしない様子。
南を見ると、延々と巨大な堤防が建設されているのが見える。川沿いにも復興工事が行われている。5年経って、大震災は全然終わっていない。蒲生海岸ところだけは、堤防工事は行われておらず、砂浜と塩湿地が残されていて、まだシギ・チドリ類の姿も楽しめた。
蒲生海岸には、日和山というのがあって、大阪の天保山と日本一低い山を張り合っている。津波の影響か、事前にチェックしたよりも低くなった日和山に登った。ってゆうか、どこが山なのか分からないレベル。日本最低の座は、おとなしく渡しておこう。
昨日、自分にある特殊な能力が備わっていることに気付いた。チョコエッグって知ってるかな? そう、一斉を風靡した玩具付きお菓子である。ってゆうか、チョコが付いた小さなフィギュアだな。海洋堂の名を一般に知らしめたフィギュアの質は高いのだけど、チョコが不味くて不味くて、食べるのが難行苦行。飼ってるスカンクにあげてる人もいたくらい。
そのフィギュアは日本の野生動物がモデルになっていて、なかなかの出来栄え。いっぱい集めてた人も多いはず。知人が集めてたチョコエッグのフィギュアが出てきた〜。と見せてくれ、目をつぶって手で触っただけで当ててみな、と問題を出してきた。これが、なかなか面白い。
フィギュアを触っただけでは色や模様がわからない。のみならず、長さの感じが分かりにくく、全体の形を頭の中で構成するのは難しい。
と、難問なのだけど、なんとほぼ全問正解した! キレンジャク、アユカケ、コハクチョウ、フクロウ、カブトムシ、カブトエビ、アカミミガメ、トキ。勝因は、どんな動物があって、だいたいどんなポーズか知ってること。
誰かに自慢したいが、子どもに言ってもチョコエッグって何?と言われるだろうなぁ。
動物園や水族館のショップ経営に関わっている業界の人の話を聞く機会があった。あくまでもその人の話だけど。
近頃、動物園や水族館のショップは変わりつつあるらしい。かつては、キャラクター物やフワフワグッズを並べて、子ども相手に商売していればよかったけど、近頃は、子どもよりも大人の客が重要になってきて、(その人曰く)「本物」を求める声が増えてきた。「本物」とは実物標本とかのことではなく、動物園や水族館が扱う動物のリアルなグッズ、科学的に性格な商品ってことらしい。そういう方向性を、(その人曰く)ミュージアムショップ化と言っていた。じゃあ、今、フワフワグッズだらけにされてしまった、どこかの自然史博物館のショップは、ミュージアムショップではないってことかなぁ。
で、ショップ関係者は、軌道修正を余儀なくされているが、いまだに充分対応できていないとのこと。軌道修正は、お客さんからの圧力によるもののようだが、それを受けたのか動物園や水族館側もショップの“ミュージアムショップ化”を進めているという。それでショップを直営にしたり?
ともかく、ショップ経営をいかに軌道修正していくかに悩んでいるような感じの業界関係者さん。とっても、どうすれば軌道修正できるか、助言したくてたまらなくなった。充分に言えなかった事をここに書いておこう。
いいか、動物園のショップなら動物園好きで動物園の動物に詳しい人、水族館のショップなら水族館好きで水族館で飼われている魚をはじめとする水族に詳しい人を雇うんや。さらに、科学的なバックボーンをそれなりに持っていて、関連グッズに興味をもっている人ならなお良し。そんな人を見つけて、雇って、店を任せなさい。その人の能力にもよるけど、それだけで確実に今までの子供だましのフワフワショップではないものが出来上がる。
ラインナップを見れば、そのショップの担当者が、動物園や水族館に愛を持っている”分かってる”人なのかはすぐに分かる。たとえ当初は未熟でも、それは館園側にもお客さんにも伝わる。そして、応援してくれるようになるだろう。愛こそすべてなのである。
もちろん自然史博物館でもね。
それでは最後の我らのテーマソングでお別れ。「しーんぱーいないからね。うにゃうにゃうにゃにゃ(中略)、かーなーらーずー、最後に愛は勝つ〜」
今年はハルゼミを探せという指令が出ている。幸い、ソウシチョウ調査で山手をウロウロするので、ついでにハルゼミにも耳をすませている。鳥の囀りを聞く調査のついでに、セミの声にも耳をすますのは、さほど手間じゃない。セミに鳴きまくられると、鳥の声が聞こえないので邪魔だけど、幸か不幸かさほどハルゼミがいないので、いても常に鳴いている訳ではないので、あまり邪魔じゃない。ってゆうか、意外なほどいないなぁ。どうしてかな?
などと問いかけなくても、ハルゼミが減ってる大きな理由ははっきりしている。ハルゼミはマツ林のセミだから、そして大阪府の山手のアカマツは、マツ枯れで大打撃を受けて、場所によっては壊滅的になっているから。実際、先日歩いた和泉葛城山から犬鳴山にかけての尾根筋には、アカマツ林が健全で、マツ林がある限りどこででもハルゼミの大合唱が聞かれた。
一方、犬鳴山から西の泉佐野市の山手もアカマツ林がけっこう残っていて、ここにもハルゼミは生息しているけど、和泉葛城山〜犬鳴山ほどの大合唱は聞かれなかった。これは、歩いた時間帯が夕方にかかっていたからかと思ったのだけど、昨日、重なる場所を午前中に歩いたけど、さほどハルゼミは鳴いていなかった。泉南市の山手もけっこうアカマツ林が生きのこっているけど、ハルゼミはさほど多くない。
ハルゼミにはマツ林は必要だけど、マツ林さえあればなんでもいいって訳ではないらしい。じゃあ、何が必要なのかというとよく分からないけど。
私の記憶が確かなら、大阪府南部、和泉山脈のカジカガエルの分布の西端は犬鳴渓谷。標高500m以上の山塊の周辺の渓谷のみに分布とされてたはず。なのに、今日、犬鳴渓谷のかなり西にある堀河谷で、カジカガエルが鳴いていて驚いた。おかしいなあ。で、元ネタをあたってみた。
和泉山脈のカジカガエルの分布図は、大阪市立自然史博物館特別展「和泉山脈の自然」解説書の27ページに載っている。柴田保彦氏が1977年に調査した結果と思われる。調査したのは、西は男里川支流の金熊川、東は水越川までの10河川の上流部。カジカガエルが記録されているのは、西は犬鳴渓谷、東は石見川の範囲の渓谷のみ。私の記憶は正しかった。
ただ、千早川上流部には、いまはカジカガエルが生息している。そして、今日、堀河谷でも生息を確認した。どちらも柴田は調査に行ってるのに…。見逃したんだろうか? それともカジカガエルの分布が拡大したのか? とても気になる。
とくに堀河谷周辺の山塊の標高は、ぜんぜん標高500mに届かない。ある程度標高の高い山塊周辺の渓谷、と言い方すら否定された形。そもそも河川上流部だけど、渓流って感じでもないんよね。カジカガエルは意外と分からない。
今日のオープンセミナーは、こんなタイトル。プロジェクトAと言われても一部の関係者しか知らんし。こんなタイトルでは誰もこんじゃろ、と思っていたのに、30名以上が集まったのには驚いた。
プロジェクトAは、昨年スタートしたけど、メーリングリストも立ち上がってないし、ほとんど動いてないんじゃなかろうか?と思ったけど、植物は、オオキカタバミやアメリカオニアザミのデータでお話。昆虫は、おもにアカハネオンブバッタの話だけど、クズにつくテントウムシやサクラにつくカミキリやタケクマバチなど話題豊富。負けじと鳥は、ハッカチョウとソウシチョウの話。まあまあ形になったから不思議。
でも、植物と昆虫はもう少しネタが欲しいところ。そして魚類や陸貝などの展開も欲しいところ。それは来年のこころかな。
今日はソウシチョウ調査に出かけた。あまりメジャーな登山道ではない。が、地元の山の会がテープを巻いてルートを指示してくれている。それをたどっていて、ふと気付いた。自分が目指しているのとは違う山に登るルートらしい…。でも今さら引き返せないので、そもそも引き返すのはキライなので、そのまま前進。
小さな沢を渡ろうとしたら、目の前から大きくか細い声がする。声のする辺りを探すの、水の流れの際の地上にカケスのヒナがいた。けっこう元気に鳴いているので放置しようとしたのだけど、よく見ると足が悪く、ちゃんと立てていない。このまま野生では、生きて行けそうにない。周囲を見渡しても親鳥の気配はなく、ハエが8匹たかっていて、すでに卵を産みつけてる。このまま放置したら、ウジに喰われて死ぬ運命か、と思ったら何故かひろってた。
野生動物をそう簡単に保護すべきではない、と考えているのだけど、どうせ死ぬのなら、ウジに喰わすのではなく博物館の標本にしたい。ウジのみなさん済みません。それにカケスを飼って、カケスについて色々と知るチャンス、という思いもあったりなかったり。
で、弁当を入れていたビニール袋の中にタオルを入れて、そこにカケスのヒナを投入。山の中を、片手にカケスをぶら下げて、半日歩く羽目に。その後、ルートは道無き道に突入。さらに尾根筋で道に迷う。その間ずっと片手にカケスをぶら下げていた。押しつぶさないようにけっこう注意した。時々、いきなり大声を出すので、驚いた。でも幸い、帰りの電車では静かだった。
連れ帰ってから、ミールワームとカメの餌を与えてみた。喉の奥に突っ込めばけっこう食べた。明日はドッグフードを買ってきてやってみよう。青い眼がとても綺麗で、とても可愛い鳥だった。
【追記】
翌日、朝来て、見てみると、カケスくんは死んでかたくなっていた。なにが悪かったのかよく分からない。無理に餌を入れすぎたんだろうか?
カケスの標本は手に入ったんだけど、もう少し育ててみたかった。たった半日世話しただけなのに、なぜかとても残念。長い間飼ってた鳥が死んでしまったかのよう。カケスがけっこう好きになった。
今日は大和川を自転車で走って水鳥調査。もうほとんど冬鳥がいないから、調査は簡単。
主に数えたのはカワウとサギ類。以前は大和川のサギ類と言えば、アオサギだらけだったはず。その後、ダイサギが増えた。と記憶する。が、今日をはじめ最近はコサギが目立つ。ってゆうか、コサギが一番多い。またはアオサギが減った?なぜかな?
かつても琵琶湖で小型の魚食鳥が減り、大型の魚食鳥が増えた時、ブラックバスやブルーギルが増えて、小型魚が減って大型魚が増えたからじゃないかという議論をした人がいた。それにならうなら、小型魚が増えた? 大和川で増えた魚ってなんだろう?
そもそもアオサギの繁殖地は多く、営巣数もけっこうな数あるけど、コサギの繁殖地や営巣数は近年減って、増えたという印象はない。どこかで密かにコサギの繁殖地が増えているのだろうか? 今度、サギ類のコロニー調査を行ったら面白い結果が待っているかも。
去年は生駒で、今年は箕面で実施。去年の方が良かった気がする。
去年は、ソウシチョウ調査の研修を兼ねて実施した。ソウシチョウとウグイスが鳴きまくる中、センダイムシクイやホオジロ、キビタキ、メジロ、シジュウカラもけっこうさえずり、オオルリやイカル、ヤブサメ、ホトトギス、コジュケイもさえずった。大阪の低山で囀る鳥はおおむね揃っている感じで、けっこう充実の囀り研修。
それに引き替え、今年はソウシチョウ調査の研修を兼ねると宣言したのに、ソウシチョウがでない。ウグイスも鳴かない。前半はオオルリ、後半はキビタキが囀る。シジュウカラやメジロ、ホオジロは囀ったが、あとはあまり鳴かず。早朝にはサンコウチョウが鳴くのだけど、昼間は鳴かず。囀りを聞く会としてはとても物足りない。
ただ、好意的に言えば、雑音が少ないから、オオルリとキビタキの囀りを覚えよう!というテーマだと思えば、効果的だったかもしれない。実際、今日でキビタキの囀りは覚えた!と言ってくれた参加者もいた。
とはいえ、来年もするなら金剛山とか、もっといろんな鳥が囀るコースにしよう…。
今日は、カウンター当番。土産物の売店裏のカウンターに開館時間中座って、来館者といろいろやり取りをする。午前中はあまり人がいなかったのだけど、昼から人が増えてきて、いろんなお客さんとやり取りをした。
とりあえず約束した大阪府鳥類目録の改訂の打合せ。いま植物園にどんな鳥がいるかなぁ?と問われて、サンコウチョウがいるはず。と答えたら、すぐに撮影して戻ってこられて自慢される。この前の行事の資料が欲しいという声を受けて、資料をとってきて渡す。行事まで20分ほどあって暇〜、という親子と学校の生物つまらないよね〜みたいな話。大和川の河川敷に生えていた木の名前を知りたいと言われて、植物担当に取り次ぎ。カラスは賢いですか?子どもにとって時間が経つのは早いですか?の質問になんとか答えたような答えてないような。石の名前を覚えるにはどうしたらいいでしょうか?に、図鑑は役に立ちませんよね〜な返し。
そして、大阪府南部の大阪K大学の学生がやってきた。博物館教育論の授業で、学芸員に質問して来いという課題が出てるらしい。とにかく課題で、と言って質問しようとするのを遮って、大学名、授業名、教官名を聞き出す。質問を聞いてみると、
・韓国や中国からの来館者に対して、何語で対応するのか? →日本語か英語
・普及教育の対象は子どもだけか?大人も含むか? →大人も含む
ってゆうか、後の質問を受けて、教育的指導。そんなことはネットを見たらすぐに分かるはず。きちんと下調べをしてから来なさい。課題を出す段階で、教官も下調べを要求しなかったらしいので、教官に下調べをするよう言え!と伝えるように言ってみた。
で、このやり取りをツイートしてみると、反響が面白い。昨今、学芸員へ突撃インタビューが話題になっていたからなぁ。せっかく質問に来るんだから、ネットや印刷物では分からないことを質問するように指導はするけど、こちとら突撃インタビュー自体は否定的ではない。そんなのに対応するためのカウンター当番だし。
という話から、カウンター当番がある自然史系博物館がそもそも少ない(美術館で来館者の質問に対応するをうたってるのは1館だけらしい!)。大阪と琵琶湖と三重(それってN谷さんやん!)、そして富山(それも関係者が行ってる!)。と、関西周辺では極めて限られた文化であることが露呈。
遠方では、北海道でけっこう学芸員がカウンターに座る館があるらしい。離れたところにどうして似た文化が広まったのか、生き残ったのか。柳田国男的になかなか興味深い。
昨日、自転車でため池巡りをした。一日中快晴で、めっちゃ日に当たったら、夜には腕が真っ赤になってしまった。今朝起きたら、首がひりひり痛い。見てみると、首も真っ赤に焼けていた。今日もいい天気で、気温がドンドン上がる。そして、チクチクし始めた。
暑いシーズンの最初の頃、上半身を中心に腕や胴体がチクチクする。暑くて汗をかきたいのに、汗腺がちゃんと開いていないので、チクチクしてるんだと思ってる。山に行ったり、運動をして、ドバーッと一度汗をかくとチクチクはなくなる。その代わり、暑いとすぐにダラダラ汗をかいて、服がすぐに濡れるようになってしまう。
知り合いに、少々暑くてもあまり汗をかかない人がいる。そうした人は、ずーっとチクチクし続けているんだろうか? ダラダラ汗をかかないのは少しうらやましいけど、ずーっとチクチクしているとしたら、かなり不快だろうなぁ。経験がないから、知らんけど。
団地に残された緑地に生育する植物の話を聞いた。鳥の調査だったら、ある場所に生息していたら、そこが生息に適した場所で、鳥がそこを発見できたんだな。って考える。でも、植物の場合は、そこが生息に適した場所な上に、過去の履歴からそこでの生息が継続可能だったか、あるいは近くのソースから供給され得たかを考えないといけないらしい。鳥の場合と似ているようで全然違う。土地の過去の履歴が問題になるところが、考えてみれば当たり前なんだけど、新鮮だった。
そして、多くの植物屋さんが、植物の種子散布は驚くほど役立たず。と言い切ったのが面白かった。風散布ですらなかなか運ばれてこない。動物散布なんて、まるで効かない。って感じの発言。10年程度では、周囲から散布されてきて定着なんてこと考えなくてもいい。とまでは言ってないかもしれないけど、それに近い発言。
鳥による種子散布に多少なりとも興味がある身としては、衝撃だった。じゃあ、どうしてあんなに頑張って樹木は液果を付けてるんだろう? それじゃあ、ほぼ動物に食べ物を与えるためだけと言っても過言じゃないじゃないか! そして鳥散布の研究に何の意味が? でもまあ、あくまでの草地の草本の話。林内のギャップに到達するくらいの意味はあったりするのかな?
今日は箕面公園に鳥の囀りを聞きに行く行事。の下見。囀りについて喋るネタとして、ウグイスの研究例を仕込んでいった。が、少し歩いて、知りたくなかった事実に気付いた。箕面公園にウグイスはいない!
前からこんなんだっけ? 幸い箕面公園にはけっこう頻繁に来ている。個体数までは数えてないけど、ウグイスを記録したかどうかなら分かる。5〜7月頃に来てウグイスを記録してるなら、間違いなく囀っていたということだろう。ってことで、昔の記録を見返してみた。
2014年5月6日 箕面駅〜大滝往復
2013年6月30日 箕面駅〜大滝〜才が原林道のナイトハイク
2011年6月26日 箕面駅〜大滝〜才が原林道のナイトハイク
ここまですべてウグイスの記録なし。
2007年7月1日 箕面駅〜大滝〜才が原林道
2006年6月24日 箕面駅〜大滝〜才が原林道
ここまで遡るとウグイスの記録あり。
2008〜2010年頃に何かあったらしい。ってゆうか、きっとシカが増えて、ササが減ったんだろうなぁ。
昨日は、河内長野市の山間部の集落をいくつか巡った。集落周辺の農耕地で目立っていた鳥は、とりあえずはカワラヒワとイソヒヨドリ。少し少なめだけどホオジロもいた。でも、モズはいなかった。いかにもホオジロとモズの天下になっていてもいい感じの環境なのに、とても不思議な感じ。
とにかく印象的だったのは、イソヒヨドリが山間部の集落にもれなくいたこと。そして、どこでもそれなりに目立ってる。屋根の上、電線、田畑の杭の上。ちょうどモズがいてもいいような場所に、イソヒヨドリがいるような気がする。杭や電線の上にいたイソヒヨドリは、ひょいと地上に降りて、虫を捕ってる。そして再び目立つ場所に。この行動って、とてもモズに似てる。食べているものも大きめの昆虫などの小動物。モズに重なる。
巣場所が違うからあまり考えたことがなかったけど、採食対象と採食行動に関して、イソヒヨドリとモズはとても似てる。競争関係と考えてよさそう。イソヒヨドリばかりが目立って、モズがいない風景を見ていると、モズがイソヒヨドリに追い出されたように思えてしまう。
ただ、イソヒヨドリが内陸に進出しまくる前から、大阪府のモズは減っていたので、競争排除仮説が正しいとは限らない。とはいえ、少なくなったモズに引導を渡したのはイソヒヨドリかもしれないから、間違ってるとも言えない。注目すべき種間関係なのは確かだと思う。
海岸では岸壁と隣接する草地のセットで暮らしていたイソヒヨドリは、都市に進出して、高層建築物とその周囲の芝生などの草地で暮らすようになった。と結論づけている論文がある。前半の海岸での認識にも疑問が多いが、後半の都市の話もどうかなぁ、と思ったりする。それ以前に、イソヒヨドリの内陸進出と都市進出は、分けないと議論にならないとも思う。
海岸でもイソヒヨドリは岸壁で暮らしているわけではない。どっちかといえば、海岸沿いの人家で暮らしていることの方が多い。海岸であっても巣場所は人工構造物が主流。採食場所も草地に限らず、あちこちの地面で虫をとってる。
たまたま研究した場所が高層建築物と芝生のセットの環境だったかもしれないけど、もっと低層住宅地にも生息しているし、内陸では山間部のダム湖なんかにも普通にいる。などと思っている昨今だったが、タイムリーにも今日は河内長野市の山間部を歩き回った。内陸ではあるが、都市とは言えない環境。そんな環境にもイソヒヨドリは進出している。ってゆうか、山間部の集落+棚田な感じの環境で、イソヒヨドリは一番目立つ鳥の一つになっている。
昨年、まとめて拾った〜、と送られてきたスズガモ一箱。カモ類は面倒だから後回しにしていたのだけど、冷凍室のスペースを少しでも確保すべく、ついに処理することにした。そして、それはひたすら皮下脂肪と戦う一日だった。とは言え、慣れればそんなに面倒でもないなぁ。ただ、初心者にやらせるのは鬼かもしれない。でも、黒っぽくて、皮は丈夫で、手頃な大きさって点では初心者向きとも言える。ただ、脂肪除去でヒーヒー言ってる。鉄は熱いうちに打て、と考えておこう。
さほど珍しい鳥でもないスズガモでも、10羽並ぶといろいろ面白い。塩腺は、眼窩に被さるばかりに発達して、盛り上がっている。頭の形と同時にの塩腺は、目つきを変えてると思う。
大きくて、背に灰色の羽根がある個体は、てっきり雄だと思っていたのだけど、生殖器を確認したらどうみても雌で、驚いた。雌の雄化ってやつかもしれない。あるいは、雌にも少しは灰色が入るのが普通なのかもしれないが。今日の10羽で見る限りでは、スズガモの性別の判断は、嘴の根元の白が一番信頼できそう。
今日は、大きなケヅメリクガメを解体した。3年ほど冷凍室に入っていたのをようやく処理した感じ。重さを量ってみると、約51kg。大人の女性一人ほどもある。といっても、カメくんはオス。そして、けっこう可哀想な事態になっていた。
ケヅメリクガメの甲羅には、近頃の仮面ライダーシリーズに出てくる怪人のように、意味不明の刺や突起があちこちに出ている。けっこう格好いいのだけど、今回処理したカメくん、刺がぐいーっと伸びすぎて、尻尾や手足に食い込んでいて痛そう。総排泄口周辺は、特にひどくて、総排泄口がかなり覆われてしまって、糞がすんなりとは出せなくなってる。自動的に糞まみれ。あるいは誰が悪いわけでもなさそうだけど、可哀想。でも、伸びすぎた刺は意味無く格好良くもあって、もしカメくんを飼育していたら、切ってあげるか、格好良さを優先するか悩んだかもしれない。
美術館、歴史博物館、動物園、水族館、科学館、自然史博物館。世の博物館施設は、押し並べてミュージアムショップに対する意識が低すぎるんだと思う。しかし、来館者にとっては、博物館に来た記念という意味でも、博物館の普及教育という側面からも、ミュージアムショップはとても重要なポジションにある。そもそも来館者にとって、博物館は展示とミュージアムショップの2本立てであると言っても過言ではないらしい。だとしたら、展示と同じくらい、もしかしたら展示以上にミュージアムショップにおける満足度は、その博物館の評判を大きく左右する。そして、博物館の普及教育効果にも、大きく影響するだろう。
なぜか近頃、ミュージアムショップについて色々考えざるを得ない立ち場になって、そもそも博物館業界の意識の低さを実感し、博物館にとってのミュージアムショップの意義の構築と、業界関係者への普及こそが重要だと考えるに至った。
で、博物館にとってのミュージアムショップの意義を普及するために、ミュージアムショップはどんな機能を持つか(持ちうるか、あるいは持つべきか)を列挙しておこう。
■店頭の品揃えでは、
・博物館に来た記念、思い出になる商品の販売 →オリジナルグッズ、自然史博物館らしいグッズ
・博物館の広報機能・集客要素の1つ →オリジナルグッズ、他では入手しにくいグッズ・書籍
・普及教育機能:展示やその他の博物館活動と連携して、学習機会を提供 →博物館の展示や活動と連携した書籍
・普及教育機能:自分で観察・研究することをサポート →観察・採集・標本作製用具、関連した書籍
・普及教育機能:広く自然史科学に興味を持つ層を育て、学習をサポート →普及教育につながるグッズ、書籍
■レファレンス
・店頭にある商品(とくに書籍や観察・採集・標本作製用具)についての正確な知識に基づく、適切な商品の提供。
・当然ながら、店頭にない商品(とくに書籍や観察・採集・標本作製用具)も含めた適切な知識に基づく、商品購入についてのアドヴァイス。
■人材育成、活動グループのサポート
・他の博物館や活動団体のグッズ・出版物を販売することで、他の博物館や団体の活動のサポート。
・正確な自然史科学についての知識を広めるのに役立つグッズ製作者の作品を販売することで、そうした作家を育成。
■博物館の顔:ミュージアムショップは、来館者にとって展示にまけないくらい博物館の顔としての意味を持ちます。来館者とスタッフが直接やり取りする窓口でもあります。
再び博物館を訪れる気にさせる魅力あるラインナップとサービスが求められます。
適切な品揃えとレファレンスのためには、自然史科学や博物館についての専門知識が必要なのはいうまでもない。人材育成や活動グループのサポートも含めて考えると、クリエイターや自然観察団体とのネットワークも必要なのは明らか。どこかで物販をやっていた業者が簡単に参入できるようなものではないのだよ。
1974年に長居公園にやってきた頃、年間にたいした数の普及行事をしてた訳じゃ無かった。それがいつしか増えに増えていった。
普及行事の40年と題して話をすることにして、1975年度から2015年度までの普及行事の数を10年ごとに数えて、変遷をたどってみた。1975年度は、前年に長居公園に大阪市立自然史博物館ができた翌年。だから、ほぼ長居公園における大阪市立自然史博物館の普及行事の40年の変遷になっている。ちなみに1995年度以降は、ライブでその様子をみている。
で行事数の変遷はというと、
1975年度 54(博物館54+友の会2。お手軽抜くと32、大量動員企画は4)
1985年度 40(博物館34+友の会6。お手軽抜くと28、大量動員企画は2)
1995年度 109(博物館88+友の会21。お手軽抜くと85、大量動員企画は8)
2005年度 222(博物館203+友の会34。お手軽抜くと125、大量動員企画は12)
2015年度 204(博物館170+友の会2。お手軽抜くと154、大量動員企画は13)
※お手軽企画とは、学芸員の関与度or負担が低いか、ほぼ関わらない企画。たとえば科学映画会、子どもワークショップ、特別展のガイドなど。
※大量動員企画とは、学芸員4人以上がかかわる企画
、1990年代と2000年代に急激に行事数全体も、大量動員企画も増えていることが分かる。いったい誰のせいだろう? 1975年度と比べると、2015年度の行事数はざっと4倍。そら忙しくもなるわ。
という話をうかがった。要は、虫が葉っぱを食べた跡、葉っぱの模様、しおれた葉っぱ、巻いた葉っぱ。巣やさなぎや虫こぶ。さまざまな虫が植物に残した跡を標本として残そうという話題。先日、『虫のしわざ』という本が出版されたが、それにインスパイアされたのかどうかは不明。少なくとも出版以前から始めているけど、その著者の影響は受けたかも。
で、面白いのは標本の作り方。虫屋なので、できれば針で刺したいらしい。曰く「針でさすと落ち着く〜」。でも虫こぶや揺り籠を除けば大抵は、虫食いのある葉っぱの標本。さく葉標本にせざるを得ない。虫屋的には面倒らしい。で、普通のさく葉標本の規格サイズはかさばるので、小さめサイズで作ってる。植物屋からは、小さいサイズはちょっと…た発言があったろ。植物屋曰く「規格サイズではさむと落ち着く〜」
とまあ、虫屋と植物屋の丁々発止のディスり合いが面白かった。虫屋がアルコール漬け容認派とアルコール漬け否定派に分かれての内紛も勃発。事態はさらに混迷を深めていく。鳥屋としては、虫と植物体の泣き別れにだけ共感できる。
で肝心の虫のしわざコレクション作りなのだけど、やっぱり植物を挟んでもってこいってのは、敷居が高い。そして、何でも採ってこいと言われても、どれが歓迎されてどれはあまり要らないのか分からないと、いちいち面倒なことをする気が起きにくい。なんかテーマ設定してくれへんかなぁ。
ここ数年でいろんなパターンを体験させてもらっている。多くの共催は共催とは名ばかりで、実際に展示したり、講演したり、観察会をしてるのは博物館側だけ。図書館側は、場所を提供したり、参加者を募集して、当日少しサポートする程度。そんなんで共催と呼べるんかなぁ。と思う今日この頃。
ここ数年で一番よかった例と、一番ダメな例を紹介してみよう。
一番良かったのは、とある図書館との共催講演会。
本を数冊選んで、司書がブックトークという名前の本の紹介。それを受けて学芸員が、科学の立ち場から本を論評する。さらにそれを発展させて、そのテーマの短い講演を展開。以下、司書のブックトークからの、学芸員のテーマトークの繰り返し。
重要なのは、どの本を取り上げるのか、全体テーマに沿って、司書と学芸員それぞれが候補を出し合って決めること。どんな展開にしたら面白そうか、話しやすそうかと、どんな本があるかの擦り合わせ。一度は、本を持って顔を合わせての話し合いの場をもつことが望ましい。
科学色の強い本は、学芸員の方が詳しいけど、児童書は司書の方が詳しい。司書が提案した児童書から思わぬテーマを見いだすところが、学芸員にとっても楽しかったりする。学芸員が科学の目で思わぬことを言い出すのが司書や参加者も楽しめたりする。
一番ダメだったのは、とある図書館との観察会。
観察会自体は、司書など図書館側が活躍する場面はまずない。で、観察の合間に本を使ったトークコーナーを設定することにした。図鑑の紹介だけなら学芸員だけでトークできるんだけど、それじゃあ共催にならないので、上記のブックトーク&テーマトークのイメージで、司書の登場を求めた。当然ながら、本の選定についての打合せがあるもの。と思っていたら、本番数日前に勝手に紹介する本のタイトルを通達してきた。おいおい相談するんじゃないのか? その上、当日お薦め本の紹介をすると冊子の原稿を送ってきた。なぜかタイトルに学芸員の名前付き。まるでこちらがお薦めしているようだが、中身を見るとお薦めできない本が混ざりまくっている。クレームを付けたら、図書館と博物館では立ち場が違うから、図書館は図書館で幅広く紹介するんだ、と返事してきただけであった。
図書館と博物館が、調整もなく、それぞれに勝手なことを言い放つだけ。それならそれで結構だが、それじゃあ、まったく共催の意味がなくなってないだろうか? というわけで、今後の共催は考え直させてもらうことにした。
同じような感じで、司書と学芸員が連携しようとしたのに、結果は真逆なものに。意思疎通って大事だなぁ。と思うと同時に。司書と学芸員が直接やりとりした場合と、間に連携の意味が分かってない仲介者が介在した場合の違い、って気がする。今後は、この点を心して、連携企画に関わって行こうと思う。
子どもワークショップのサポートスタッフに応募した大学生さん9名に、クジラのホネの解説というお仕事。萌蔵と押しつけ合うという掛け合いを交えつつ、1時間ほど。サポートスタッフさん達は、ゴールデンウィーク中のクジラのワークショップがデビューなので、今日習った内容を、今度は自分たちが子どもに説明しないと
いけない。という条件があると、誰でも真面目に学びに取り組むのである。そして、積極的に質問したりもするのである。適当に聞き流してもらえない解説は、けっこう気を遣う。ガチの質問はけっこう大変。
後ろの方にぶら下がってるのは何ですか?
あれは寛骨です。日常会話でいうところ腰骨。後足があった頃の名残です。
マッコウクジラの胃からダイオウイカの嘴が出てきたとのことですが、マッコウクジラとダイオウイカは戦ったのですか?
マッコウクジラが食べたのは確かだけど、戦ったとは限りません。
どうして、ヒゲクジラと歯クジラがいるんですか?
うーん。それはどうしてイヌとネコがいるんですか?という質問とほとんど同じ。うーんうーん。と言ってごまかし、さりげなく食性の違いを説明。全然答えになってない…。
どうしてマッコウクジラの頭骨はやたらと非対称なんですか?
うーん。ヒゲクジラは割と対象で、マッコウクジラに限らず歯クジラ類はけっこう非対称なんですよね。うーんうーん。
どうしてクジラは哺乳類と言えるんですか?
うーん。卵じゃなくて、子どもを産んで。子どもに母乳を与えるからです。これで充分な説明かなぁ?
マッコウクジラの皮はどうして堅いんですか?
うーん。深海まで潜るから?
ナガスクジラは生まれたときはどのくらいの大きさですか?
うーん。それは調べないと答えられない…。
あくまでも、うちのミュージアムショップの歴史ってことだけど。なかなか記録に残っていないので、古い人たちから聞き取りして、もう少し補わなくっちゃ。
とりあえず古いNature Studyや館報をざっと見返した限りでは、こんな感じ。
〜1974年3月 大阪市立自然科学博物館時代、店頭販売は行ってなかったらしい。Nature Studyの販売記事では、振込口座を案内している。
1974年4月 大阪市立自然史博物館オープン。普及センターで、博物館出版物や友の会出版物、一部自然科学関連の書籍お販売を開始したらしい。
1990年3月 普及センターでの友の会オリジナルグッズの販売スタート。最初の友の会グッズは、ラスターバッジ、タイバー、タイピン、バッジ。その他に、オリジナルのテレホンカードも販売。
1991年12月 友の会オリジナルグッズにフィールドノートが加わる。
(1990年前後のどこかの時点で、木製の恐竜の組み立てクラフトの販売が始まったはず。少なくとも1994年4月時点では売っていた。売り始めたのはそう昔のことじゃなさそうだった。)
1994年以降 販売する書籍やグッズは増えた。当初はすべて委託販売だった。
2001年4月 情報センターオープン。ミュージアムショップがスタート。
2016年3月 個人的見解では、ミュージアムショップが一旦なくなった。
大阪府では、大和川より北にはヌートリアはあちこちにいるのだけど、大和川以南の記録はとても少なかった。ってゆうか、堺市の埋立地と岸和田市の河口、海岸部の記録しかなかった。それが、羽曳野市の石川からの情報が届いた。ついに大阪府南部への分布拡大が来たかという感じ。
【追記】
ついに来たか、とか悠長なことを思っていたら、2日後、別の方から同じく羽曳野市の飛鳥川のヌートリア情報を頂いた。それもなんと2014年11月の情報。すでに1年半も前から進出は始まっていたらしい。知らぬが仏とはこのことだった。
久しぶりに長居公園のカラスの巣をチェックした。しばらくぶりなのだけど、新しい巣は2つだけ。営巣中の巣が増えてきて、造巣ラッシュも割と落ち着いてきた。
先日まで営巣中だった長居駅に近い場所のハシボソガラスの巣をチェックに行ったが、巣が見あたらない。おかしいなぁ、と下を見たら巣が落ちていた。この間、大風は吹いたっけ? まだほぼ羽根の生えてないヒナが2羽死んでいた。孵りたてのウジが付いてる。となると、落ちたのは2−3日前って感じだろうか。
せっかくなので、死んだヒナを回収して標本にすることにした。で、ヒナの死体を拾ってると、ふと視線を感じて目を上げると、ハシボソガラスが1羽、近くでジッと見てる。ここがなわばりのハシボソガラスなら、この死んだヒナたちの親だろう。とくに騒ぐでもなく、威嚇するわけでもなく、。ジッと見てる。
カラスの死体を持って歩くと、周囲のカラスたちが騒ぐのが普通。なのに騒がずジッと見られるのは、とても不思議な感じ。黒いビニール袋をぶら下げていてもカラスは騒ぐという。カラスの死体を拾ってると分からない訳がない。自分が育ててたヒナだから反応が違うのだろうか? カラスに親の気持ちがあるのかは分からないけど、死んだ子どもを悼んでいるように思えてならなかった。
朝、雨が降ってた。午前中は雨の予報。降雨情報見ても、これからまだ降雨域がやって来そう。雷注意報、強風注意報も出ているし。という訳で、観察会は雨天中止決定。関係者に伝達。
が、雨はすぐ止んだ。観察会の集合時刻には、実施できた感満載。
これって、完全に昨年と同じパターン。2年連続、実施できたのに観察会を雨天中止にしてしまった…。それも同時期、同じ場所、ほぼ同じスタッフで。でも、スタッフに雨女・雨男がいる訳じゃない。むしろ晴女や晴男がいる。そのせいで雨の予報が覆ってしまったに違いない。と、曇男は不満。
隔月で、課題本の紹介文を持ち寄って、本についてあれこれ言い合うサークル。今日の会合で出た本についての意見を記録。
今日の課題本は8冊。その内、3冊は宿題に。さらに前回以前からの宿題となっていた本2冊のうち1冊は、さらに宿題となったので、6冊についてあれこれ話し合った。
ちなみに各人は紹介文を書いてきていてて、4つを最大として★を付けている。
●「タヌキ学入門」誠文堂新光社
(紹介文2つ、平均★数は2.5)
シカの研究者が書いたタヌキの本。タヌキにものすごく詳しい訳でもないので、自分の知ってる範囲で書いてる感じという評価。ダメじゃないけど物足りないっていうか。
●「琉球列島のススメ」東海大学出版部
(紹介文3つ、平均★数は2.7)
出だしの魚の話が、両生爬虫類に代わり、後半は環境教育へ。著者の歴史を語ってるのはいいけど、テーマ的には前半と後半で2冊の本に分けるべきでは?との指摘。
●「虫のしわざ観察ガイド」文一総合出版
(紹介文3つ、平均★数は3.3)
植物体に虫がつけた跡のいろいろが紹介されていて面白い。今まで気付かなかった自然観察の視点が開かれる。という高評価の一方で、図鑑的には使えないとの指摘もあった。
●「菌世界紀行」岩波科学ライブラリー
(紹介文3つ、平均★数は3.3■)
とにかく著者がロシアや南極や北欧などに菌類を採集に行って、呑んだくれる。とても面白く楽しく読めるけど、ぜんぜん菌類の勉強にはならん。というのが一致した見方。
●「フィンチの嘴」ハヤカワ文庫
(紹介文3つ、平均★数は4.0)
全員一致の満点の評価。進化を語る上で無視できない研究を、上手に紹介してくれている。
●「カラスの補習授業」雷鳥社
(紹介文3つ、平均★数は3.0)
カラスの教科書以上に教科書的。そして趣味に走り過ぎ、それでいてカラス愛の表明が少し薄いとの評価か。『カラスの教科書』の後半のQ&Aをやめて、この本の後ろの京都での院生時代の話を付ければいいのに。
この3月にみつかった長居公園初のエナガの繁殖。無事にヒナが巣立った模様。カメラマンさんによると最後の給餌確認は4月8日とのこと。おそらく先の週末に巣立ってたんだろう。今日、昼過ぎには巣立ちビナ6羽を確認。まだあまり動かないらしく、枝に一塊になって、エナガ押し。お互いの上に乗ったりして、とても可愛い。
エナガのヒナの塊に気付いたのは、カメラマンさんが2人で狙っていたから。鳥のセンサスで二次林の中を歩いていたら、なんか狙ってる。その先を見たら、エナガの塊。他の人に教えたら、集まってきてヒナたちがどこかに行ってしまうから内緒やで、と言われた。
で、ヒナが巣立ったからには、古巣があるはず。古巣はもう使わないので、壊れないうちに、確保しなくては。他にも狙ってる人がいるらしいから、先手を打たなければ。というわけで、鳥のセンサスを終えたら、すぐに脚立と選定ハサミを持って、巣があった竹林に急行。と思ったけど、来園者がいるとややこしいので、閉園するまで待って回収へ。
巣のあるだいたいの場所は知ってたけど(ずっとカメラマンたちが囲んでいたから)、詳しい場所は知らなかった。営巣に影響を与えないように近付かないでいたから。どこかなぁ、と竹を見上げながらウロウロしてたら、見つかった。巣は地上約210cmの竹の上にあった。巣自体の大きさは、高さ13cm、幅7cm、奥行9cmの楕円球。主軸が分岐する又みたいな場所に付いているので、少し長めに竹を切って、古巣を無事にGET。
巣の口からはカラスの羽根があふれてて、外側はコケと地衣類が引っ付いている。地衣類の先生に見せたら、地衣類を調べたいからサンプリングしたいと言われ、悩み中。コケ屋に見せたら、コケをサンプリングしたいと言われそうだし、鳥屋としてはどんな羽根を使っているか調べたい。でも、完ピンのエナガの巣は所蔵していないので、壊さず確保かなぁ。
今度の日曜日の観察会の下見に服部緑地に行った。4月なのにとても寒かった。そのせいか、渡りの鳥は見当たらず。カワウもアオサギも繁殖してない。ペアのシジュウカが熱心に採食。尻尾の曲がったエナガ(つまり営巣中)。カラスが営巣中。カイツブリの巣が道のすぐ側に。ってあたりが、数少ない見所。
観察会本番はもう少し暖かいといいのだけど。タイミングがあえば、春の渡り鳥が見られるだろうけど、他の分類群の方が盛り上がるだろうから、きっとゆっくり探させてはもらえない。今日見た程度の繁殖からみの観察をしてもらうのが、ちょうどいいかもしれない。
昼過ぎに早々に帰ってきた。
今日は、鳥のサークルの観察会で、奈良公園に行った。今日のテーマの1つは、奈良公園ではニュウナイスズメがサクラの花を落とすというので、それを見ること。このサークルの観察会では何かをテーマに据えるとそれが見られないのが普通なのだが、今日は奈良公園に入ってすぐにニュウナイスズメの花落としを確認できて、驚いた。さらにその後もサクラに来る鳥でけっこう楽しめた。
ヒヨドリとメジロは予定通り花にやってきて蜜を舐め。スズメとニュウナイスズメが子房で切って花を落とす。のみならず、ドバトがサクラの花を食べるのが観察できたし、サクラにやってきたシジュウカラは花周辺の虫を食べてる様子だった。
ついでの目的は、カラスがシカの毛を抜くのを観察することだったのだが、これまた見事に観察できた。一通りめぐって帰りがけ、なんのきなしに少し寄り道して一の鳥居の方に回った。これが功を奏した。林床にハシブトガラスが2羽いると思ったら、これがシカの毛をむしっている。2羽はそれぞれに、淡褐色の毛と白い毛をどっさり嘴にくわえ、同じ方向に飛んでいった。たぶんペアなんだろう。そして、巣づくり真っ最中って感じ。色の選択が何だったのかはよく分からない。偶然かな。
な〜にがウサギ島や。けっ! と思ってたけど、行ってみると、これは楽しいわ。けっ!と思い続けるには、努力が必要。思わずエサをあげたくなってしまう。
島に渡る船着場は、ウサギ一色。ウサギに出会える期待を盛り上げる。それでいて、ウサギにやるエサは売ってない。ウサギ島のガイドが置いてあったけど、それによると、スナック菓子など人が食べる物ではなく、野菜を持ってくることが推奨されている。確かにウサギ島に向かう地元民とおぼしき子ども連れは、いずれもキャベツを持っている。
島が近付くと、船からウサギが見える。確かにいっぱいいるわぁ。イヤがおうにもテンションが上がる。島の桟橋周辺にはさっそくウサギがいっぱい。それが、船が着くとピョンピョンと近寄ってくる。子どもたちはさっそくキャベツをあげている。それをカメラで撮影してみる。ビジターセンターがあるというので、そっちに向かって歩き出しても、道沿いにずーっとウサギがたむろしている。どうもある程度なわばりか行動圏が決まっているらしく。エサくれ〜、と近付いてきても、通り過ぎるとさほど付いてこない。そして、また前から新たなウサギがエサくれ〜。
ビジターセンターの前にもウサギがいっぱい。ざっとビジターセンターの展示を見て、さっさと外に出て座っていると、ウサギが集まってくる。エサはあげなくても積極的な子が近付いてきて、やがて膝に載ってきたり。ふわふわに触れて、とても楽しい。餌をあげたくなるのも分かる。島が丸ごとふれあい動物園状態。
さらに国民宿舎から毒ガス施設の廃墟などをめぐって、島をグルッと一周。どうもウサギは、人の多い場所に高密度で分布しているらしい。島の真ん中はけっこう高い山になっているけど、ウサギの分布はおもに周回道路沿いに限られているらしい。だとしたら、ウサギの個体数を評価するのは簡単。一周回りながら道沿いをザッと数えて約500匹。数え損なっている個体もいるだろうけど、多くても1000頭程度ではないだろうか。
カイウサギなので、けっこう個体ごとに模様が違う。それに耳の切れ込みを併用すれば、1000頭程度は簡単に個体識別できそう。とてもいい調査地に思えるのだけど、誰か調査していないんだろうか?
今日は朝から夕方まで雨。風も強く、時々土砂降り。干潟調査で広島県に来てるけど、今日の干潟調査は断念。代わりに車で島巡りをすることになった。船に乗るのは面倒なので、車で行ける橋でつながっている島。でも、お金がかかるので、しまなみ海道は断念。
とりあえずは、福山市の田島と横島へ。なんとなく海浜植物が楽しげな浜を探したけど見あたらず。横島の南側の浜で、小振りの中ウロウロもしたけど、とりたてて何もなかった。
今度は呉市の方まで足を伸ばし、下蒲刈島、上蒲刈島、豊島、大崎下島、岡村島とめぐる。なんと岡村島だけ愛媛県領!という驚きはあったけど、雨が強くなったこともあって、ろくに外に出られず、不満が残るばかり。上蒲刈島に漁協の直売所があるのだけど、行ってみたら案の上の開店休業。漁に出てないから売るもんもないのは当たり前。大崎下島の東岸には、歴史を感じさせる集落があって、プチ観光地らしいけど、雨の中じゃあねぇ。
という訳で、初めての島にいくつも行ったが、あいにくの雨(だから行ったんだけど)。あまり鳥も確認できないし、島に行った意味は少なめ。大崎下島の南東海域は、「アビ渡来群遊海域」に指定されているらしい。もうアビ類は渡来してないんじゃないかとも思うが、年のため冬にもう一度来たいところ。
今日から3日間、広島県東部の干潟調査。今日は福山市の西端の藤井川河口へ。本郷川河口とセットで広大な干潟が広がる。瀬戸内岸水鳥調査で1月にも来た場所で、3ヶ月ぶりだけど似たような鳥が似たような場所にいる。
ハマサジとフクドが目立つ塩湿地は悪くないけど、干潟のベントス相はあまり多様ではない。カモメ類はいるけど多くない。カモ類も同様。泥干潟なので、シギチドリ類に期待したのだけど、期待はずれだった。
日帰り観察会なら来るけど、合宿でわざわざ来たりはしない感じ。ここに干潟合宿に来たら、泥に沈んでSOSな人が続出しそうな気配。それはそれで面白いかもしれないけど。
近頃、アンテナを張ってるせいなのか、鳥の面白い行動をちょくちょく教えてもらえる。ヤマガラがツバキの花の蜜を狙ってくるという話をもらった後、新たに入手した情報は、
・ヤマガラがサクラの花の蜜をなめにくる。
日本野鳥の会のとある支部のホームページに画像が載ってるらしい。サクラには、ヒヨドリ、メジロ、スズメ以外にも、コゲラやシジュウカラが来るという報告はあるけど、ヤマガラは知らなかった。
・ヒヨドリが巣立ちビナにカエルを与える。
画像を送って頂いた。カエルははっきりしないが、足先に吸盤があるよう。割と山手なのだけど、撮影者の庭だというので、ニホンアマガエルではないかと思う。地面にいるのを捕ったのかな? 樹の上や葉っぱの上にいたのかな?
・モズの雛のはやにえ
枝に刺さっているのは、巣立ちビナといっていいサイズ。枝に刺さっているのだから、はやにえなんだろう。はやにえを作るのはモズ限定のはず。モズがモズをはやにえにするとは…。まさか親が自分の子を枝に刺すとは思えないし、よそのモズが、モズの雛を襲ったってことかな?
やはり面白い行動は、採食行動がらみが多い。
ングリのなる樹が多く植られているからと思う。でも、昔はそんなにアオバトは見られなかったと思う。昔はドングリが少なかった? 関東では、冬になっても平地の緑地にアオバトは来ないらしい。公園にドングリが少ない?山にドングリが多い? 単に、西日本にアオバトが多いだけかもしれないけど。
アカショウビン祭りをするつもりがアカショウビンが足らなかった。西表島から届いた鳥の箱に、たしかいっぱいアカショウビンがあったから、めっちゃいっぱいあったから、今日はアカショウビン祭り。と宣言したのに、探してみると、アカショウビンは3羽だけ。で、仕方なく南の島祭りに変更して、シロハラクイナを5羽出してみた。するとなぜかシロハラクイナの方が人気。そして、シロハラクイナ5羽中3羽からシラミバエが出てきて、妙に盛り上がる。さらについでに出したズグロミゾゴイからもシラミバエが見つかった。どうして南の島の鳥からはシラミバエがよく出てくるんだろう?
今日は4月恒例。鳥の調査研究をしてみたいみんなが集まって、研究計画を言い合う日。充分まとまった調査企画がある人や、すでにデータを持ってる人には、調査方法やまとめ方への助言。何をしたらいいか分からない人には、調査計画と称して口走った言葉を勝手に拾ってテーマを押しつける。13人に対応して3時間。
その結果、決まったテーマをざっと並べると
・スズメのサクラ落とし:調査できるのが短期集中なのがネック。
・小河川でのセンサス調査:昨年度別の小河川でやってるので、比較できる。
・カラスによとっての都市緑地の評価:どんな変数をひろうかが難しそう。
・通勤途中にセキレイ類のセンサス:とにかく毎日のように続けて、何が見えるか試してみようって感じ。
・都市公園でのセンサス:とりあえずセンサス調査。
・淀川での草地生鳥類のセンサス。これまたとりあえずセンサス調査してみてから、あとで考えようパターン。
・カワラヒワの換羽、カラスの換羽:手法はすでに確立しているので、きちんと結果が出そう。
・公園のカラスを調査:とりあえず巣をさがし、ねぐらに向かう方向を記録し、行動観察して、テーマを探る感じ。
・公園で鳥の羽根の散乱をさがす:喰われている頻度の季節変化がでるかな?
・緑道のセンサス調査:とりあえずセンサス。
・オオアカゲラの巣の観察:1巣だけなので、ちゃんと繁殖が進行しなかったら残念な結果に。
・ため池でのカイツブリの繁殖:とりあえずカイツブリを観察してテーマを探る。
とりあえずセンサスとか観察とかしてみて、その過程で面白いテーマを探そうって人が多い。初めての人が多いからやむを得ない。
年間登録制の中高生向けの行事シリーズを、この16年ほど続けていて、今年度は17年目に突入。4月の初回は顔合わせを兼ねて、博物館で標本作り体験&裏方探検。今日がその日。最初だけに例年一番参加者が多いのだけど、それでも例年多くても30人ちょっと。それが今日は49人もの参加者があって驚いた。内容は例年と一緒、広報手段も変えていない。いったい何事があったんだろうか。
原因を探るべく過去の参加人数を並べて見よう。
2000年4月9日 33人
2001年4月9日 16人
2002年4月7日 12人
2003年4月5日 23人
2004年4月6日 22人
2005年4月5日 31人
2006年4月4日 30人
2007年4月8日 33人
2008年4月1日 22人
2009年4月2日 15人
2010年4月6日 28人
2011年4月5日 38人
2012年4月5日 36人
2013年4月3日 34人
2014年4月2日 27人
2015年4月4日 31人
2016年4月1日 49人