(2005年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、2006年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、
2007年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、2008年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、
2009年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、2010年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、
2011年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、2012年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、
2013年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、2014年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、
2015年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、2016年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、2017年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月)
●2017年6月30日 2017年6月のまとめ 瀬戸内海展解説書の編集が山場を2つ超えた
瀬戸内海展の準備は、いよいよ解説書編集の山場。とその前に、自分の担当部分の執筆。まだ一番大口の萌蔵が書けていないので、余裕をかましていたら最後になってしまった。それからの割り付け。なんせ仕様書に決めたページを超えてはいけないのだけど、何ページになるかは割り付けてみないと分からない。ドキドキだったけど、偶然にもぴったりのページで割り付けて入稿。ここで最初の一番大きな山を越えた。初校を受け取るのと入れ違いで口絵と見返しを入稿。そして初校の校正という第二の山。この段階で図表を出し入れする奴がいるんだなこれが。主に龍神の負の遺産の生産だからやむを得ない面もある。そして再び、ピッタリのページに納まった感じで、初校を返す。入れ違いで口絵と見返しの校正が出てきて、これまた図を足したり減らしたり。でもこれはページ数も少ないので簡単。本文の二校を待って、今月は終わった。
何はともあれ、解説書は特別展オープンに間に合いそうな気配である。あとは自分の展示の心配をしなきゃ。文字パネルはすでに発注しているので、標本ラベルの原稿を作成し、図表を整えて発注しなくては。でもまあ、展示物自体は少ないので、2週間あれば楽勝かと。
と言う中で、2017年6月を振り返る。
ルーティンのため池調査、大和川調査は無事完了(大和川調査は雨の中今日調査した…)。先月カラスの巣調査は一段落した。
先月稼働させた、外来生物調査プロジェクトのコブハクチョウの情報募集は、さっそく特別展準備に気を取られて滞っている。ソウシチョウの補足調査をした程度。魚班や植物班の調査もスタートするはずが、研修の行事が雨天中止になって、来月に延期。
サシバ調査は、2回目の調査期間に入ったけど、まだいけていない。
今年は5年に一度の大阪市内の公園で繁殖する鳥の調査の年。で、担当の長居公園、舞洲緑地、平野白鷺公園、毛馬桜之宮公園、中之島公園を調査。残ってる小さい公園を来月にこなしてしまう予定。
普及行事は、日曜ごとに入っていた行事が、最後の日曜だけ雨天中止。解説書の編集日にあてられて助かった感じ。講演会からのナイトハイクというハードスケジュールも問題なくこなせた。
11月の大阪自然史フェスティバルの出展者募集がスタート。主担当じゃないけど、お金の部分はやはり心配。
いよいよ2週間後に迫った瀬戸内海展は、パネル系の外注は終了。自前で打ち出す図表の準備をしなくっちゃ。解説書はたぶん順調に進んでいる。展示室の模様替えも一段落。あとは各担当者が埋めていくだけ。
外部資金で作製中のザトウクジラ全身骨格は仮組みが出来てきた。なかなか格好いい。前肢が長いので、6パーツに分かれるらしい。
とまあ忙しい中、
読んだ本は、自然史系1冊だけ。原稿書きモードに入ったので、本が読めず、やたらとマンガを読んでいた。講演は図書館でのかけあい1本。
この夏の瀬戸内海の特別展の準備もいよいよ佳境。かというと、編集担当としては、初校を返して一段落。すでに山を2つ超えたし、間に合う目処もついた。担当の展示の準備はさほど多くないので、今年もなんとか特別展オープンに間に合って、良かったなぁ。という感じ。
特別展解説書は一冊の本を作るようなもの。編集担当はけっこうな負担なんだけど、その担当をしてきている人はかなり偏ってる気がする。端的に言えば、なんか異様にいっぱいさせられてる気がする。で、2000年以降の解説書を見返してみた(特別展名は正式名称ではなく内部での通称)。
2000年:干潟展 →和田
2001年:標本集合展 →T腰
レッドデータ展 →和田
2002年:世界の蝶と甲虫展 →Y西
植物の進化展 →F井
2003年:鳥の巣展 →和田
2004年:貝展 →和田
2005年:ナチュラリスト展 →N貴
2006年:大和川展 →S久間
2007年:セミ展 →M本
2008年:地震展 →T腰
2009年:ホネホネ展 →和田
キノコ展 →N貴
2010年:淀川展 →N条
2011年:大化石展 →N条
2012年:ハチ展 →S宿
2013年:大阪湾展 →和田
2014年:都市の自然展 →石田
2015年:たまごとたね展 →和田
2016年:氷河時代展 →N条
2017年:瀬戸内海展 →和田
21回の特別展で、編集担当が8回。まさかこれほど多かったとは…。
20年ほど前から、5-7月頃の繁殖期に、大阪府を中心とした繁殖鳥の分布調査をしている。今年は、大阪市内の公園で繁殖する鳥の調査。この季節は、繁殖期な上に、特別展の準備も重なり、観察会にもいいシーズンな上に、プロジェクトとか他の調査で動かないといけないことも多い。ようするに大変忙しい。
特別展で忙しい時は、繁殖期の鳥の調査を軽めのにして、特別展にあまり関わらないでいい年は、調査にがんばる。ってな基本方針はあるけど、なかなかうまいこといかない。今年は忙しいので、軽めの調査の年。で、特別展の準備(おもに解説書)が一段落したので、そろそろ調査をがんばらないといけない。今年は、サシバ調査とか、バードリサーチの繁殖調査とかもあるので、それなりに調査も忙しい。
で、今年の調査も特別展も終わってないのに、来年以降、どんな調査しようかと、なんとなく思い始めた。20年も調査をしてるとネタが尽きる。というか、同じ企画を繰り返して、変化を追いたくなる。時々長期計画を立てた方がいいに違いない。
ってことで、過去を振り返ってみよう。
メインの繁殖調査を並べるなら、
1997年:大阪市内の公園で繁殖する鳥の調査(第1回)
1998年:大阪府下の公園で繁殖する鳥の調査(第1回)
1999年:大阪府の農耕地で繁殖する鳥の調査(第1回)
2000年:大阪府下のため池で繁殖する鳥の調査
2001年:大阪府下の河川で繁殖する鳥の調査
2002年:大阪市内の公園で繁殖する鳥の調査(第2回)
2003年:大阪府下の公園で繁殖する鳥の調査(第2回)
2004年:大阪府周辺のミソサザイ繁殖分布調査
2005年:同上(続き)
2006年:大阪府下のコシアカツバメの生息状況調査
2007年:大阪市内の公園で繁殖する鳥の調査(第3回)
2008年:大阪府下の公園で繁殖する鳥の調査(第3回)
2009年:大阪府のサギ類・カワウ繁殖コロニー調査
2010年:大阪府のササゴイ繁殖コロニー調査
2011年:大阪府の農耕地で繁殖する鳥の調査(第2回)
2012年:大阪市内の公園で繁殖する鳥の調査(第4回)
関西の駅のツバメの巣調査
2013年:大阪府下の公園で繁殖する鳥の調査(第4回)
2014年:ムクドリ・イソヒヨドリ・ハッカチョウ分布調査
2015年:大阪府のソウシチョウの繁殖分布調査
2016年:同上(続き)
2017年:大阪市内の公園で繁殖する鳥の調査(第5回)
来年2018年は第5回の大阪府の公園調査で決まり。問題は、2019年。ため池調査とか河川調査繰り返したいけど、とくにため池調査はかなりの気合いがいるんだな。そして、2019年は、特別展の主担当。とすると、10年ぶりにサギ・カワウコロニー調査か? ササゴイもまとめてやるって感じかなぁ。
【追記】
今後の調査計画を適当に作ってみた。
2018年:大阪府下の公園で繁殖する鳥の調査(第5回)
2019年:大阪府のサギ類・カワウ繁殖コロニー調査
2020年:大阪府下のため池で繁殖する鳥の調査(第2回)
2021年:大阪府下の河川で繁殖する鳥の調査(第2回)
2022年:大阪市内の公園で繁殖する鳥の調査(第6回)
関西の駅のツバメの巣調査(第2回)
2023年:大阪府下の公園で繁殖する鳥の調査(第6回)
2024年:大阪府の農耕地で繁殖する鳥の調査(第3回)
分布図を作ってみた。500羽以上のカモ類の群れがいた場所をプロットすると、大阪湾湾奥部と播磨灘北西部に複数のプロットが入り、他に複数のプロットが集中するのは周防灘沿岸。カモ類が多い場所が東西に分かれている感じ。その間、四国と、岡山県〜広島県にもカモ類の群れがいる場所があるが、一部の大河川の河口に点在している感じ。
プロットのある場所は、浅い海域や河口部って感じがする。地形や底質でけっこう説明できるかもしれない。
東西のカモの多い場所は、種構成にかなり違いがある。東の大阪湾から播磨灘北部辺りの主力はホシハジロとスズガモ、陸ガモではヒドリガモが目立つ。一方、周防灘沿岸には、潜水ガモの大きな群れはほとんど見られず、マガモやオナガガモを中心とする陸ガモがメイン。沖合まで遠浅かどうか、てな地形的な側面で説明できるんだろうか? それとも東西という位置的な問題なのだろうか。位置の問題なら、海岸に限らず、内水面でも同じ傾向がありそう。これは検証可能。
つまり編集担当は、最後まで龍神の後始末に追いまくられるということわざ。実感があるわぁ。
そもそも龍神の文章は、われわれ一般の人間には理解できないので、翻訳作業が必要になる。随時補足したり、新たなネタを追加したり、出来上がってみると誰が書いたか分からなくなるのが通例。
今回は、龍神の弟子がいるので、弟子に任せる。弟子はとりあえず龍神の文章をできるだけ活かそうとする。そしてそれが仇となる。いっそ一から書き直した方が早いのに。で、編集は、弟子が苦しんで手直しした文章を、さらに整理しようとして苦しむ。
辞せる龍神は、弟子に加えて編集まで走らせるのである。孔明もびつくり。
今日のなにわホネホネ団鳥の日は、プチカワセミ祭り。カワセミ、アカショウビン、ワライカワセミが並んだ。こうしてみると、ワライカワセミの太短い嘴に対する、カワセミの細長い嘴は格好いい。上嘴がよく動くし。一方、ワライカワセミだけが、目の上にはホネのひさしがあって、羽根がフワフワ〜。
カワセミ類なんて、みんな似たようなもんだと思っていたけど、並べて見ると同じ中にも違いが見つかり、とても面白い。それは、一つずつ見ていただけでは、きっと気付かなかっただろう。
これからも同じグループの鳥を並べるよう心がけてみようと思った。
とあえる生物多様性な会議を見学。役人さんのプランがボコボコにされるのを、後ろで見ているだけの楽なお仕事。と思っていたら、こちらにも火の粉が飛んできた。
都市住民に生物多様性を理解してもらうために、身近な生物多様性を具体的に紹介する必要があるみたいな話。それも消費行動がらみではなく、日常生活で出会う生き物の多様性ってことらしい。なかなかの難問。なんせ都市での生活でであう生物多様性の、かなりの部分は不快動物だったり、雑草だったり。駆除や除去の対象で、面倒なだけと思ってる人が多いはず。ヤモリはあんなに可愛いのに気持ち悪いって人は多いし、愛されキャラなツバメですら、文句を言う人はいる。そんな中で、身近な野生生物の多様性を紹介して、それを守る意義を説く。どうすればいいんだろう?
けっこう大切な指摘ではある。多様な生物の中には、そんな嫌われ者が混じるのは必然だから。ことに、都市では全部いなくなってしまえという考え方の人だって多いはず。どうしたもんかなぁ。
瀬戸内海のオススメの観察ポイントを、いろんな分野の人に訊ねるとどうなるかというと、
きっと植物屋は、有明浜や慶野松原からあげていく。
干潟好きは、まずは山口県や大分県の広大な干潟をあげそう。
鳥屋としては、曽根干潟、そして大分県中津市〜宇佐市の海岸をあげたい気がする。
それを総合して、瀬戸内海沿岸各府県のオススメ観察ポイントを独断で決めて、あまつさえ解説書に書いて、配ってしまうという大胆さ。そんな解説書の校正があがってきた。なんか漏れてるオススメポイントがないか、もう一度考えてみよう。
干潟と砂浜は好きな人が多いから、漏れてなさそう。でも、磯はけっこう扱いが雑な気がする。そして、島は調査が不充分だから、いろいろ漏れていそう。もう間に合わないけど、島の調査をしたいなぁ。
近頃は、研究者が普及っぽい本をよく書くようになった。と、他分野のようなつもりでいたら、鳥屋もけっこう本を書くようになってる。かつては、偉い先生がありがたい本を書いてくれるって感じで、今でもありがたい本を書いてくれる大先生もいるけど、よく売れているのはむしろ若手から中堅な鳥の研究者。
カラスの松原始さん、スズメの三上修さん、そして島の(?)川上和人さんが、現時点でのトップスリーだろうか。みんなSNS時代をいきているだけあって、それぞれの専門性をいかしつつも、専門以外の趣味の話も交えたりしつつ、文章もそれぞれのスタイルを持ってて読みやすい。ちょっとマイナーな出版社から数冊本を出して、評判が良ければ、大手出版社から大々的に平積みされるという道が出来つつあるように思う。
こんな若手に混じって、今でも読みやすい本を次々と提供している樋口広芳さんは、とてもスゴイ。と改めて思ったりする。ここは、かつて次々と本を書いていた上田恵介さんの執筆者としての復活を願ってみたり。近頃の上田さんは、監修はしていても自分でほとんど書いてないからなぁ。
そして、トップスリーに続く、鳥の若手の研究者の出現も期待したい。
瀬戸内海の特別展解説書の編集もいよいよ大詰め。明日の追加入稿に向けて、カラーページの編集中。各分野の画像は各分野に任せてっと、風景と称した1ページが余ったから、沿岸の漁港の風景を中心に、今までに撮ったお気に入りのマニアック画像を並べてみよう! と勝手に思い立ち、この期に及んでここ数年、瀬戸内海沿岸で撮影した画像を見返し中。ろくな画像はないけど、発見もまたある。
愛媛県では、黄色い漁船をいっぱい見た記憶があるけど、画像を見返すと、香川県には一切いなくって、愛媛県に入ったとたん黄色い漁船が出現する!
ここんとこ3年連続で雨天中止だった。が、ついに今年は観察会を実施できた。久し振りだったせいか、出席率が高かった。
過去3回を振り返ってみよう。
2016年6月19日
この日はてっきり実施できるものと思っていた。ところが、
朝、雨が降ってる−!という電話で起こされた。前日の夕方の天気予報に雨マークなかったのに〜。で、カエルの観察会は中止の決断、急いで手配。
2015年6月21日
もともと天気予報は微妙。夜からの雨は朝には止みそうではあったが、
朝、大阪市内は振っていないけど、決断の午前7時時点では現地はむっちゃ降っている様子。行事開始時には、雨は止んでるかもしれないけど、大勢の子どもを連れて一部山道を歩く。足下が悪く、増水してるのは確定。雷注意報も出てるので中止を決定した。
2014年6月22日
前日から天気予報では雨。そして、
朝から予報通り雨。たいした雨ではないので、調査なら決行しそうだけど、人数多いし、子どもも多いし、足元も悪いなるしで中止に。
カエル観察会なんだから、むしろ小雨は決行した方が面白いかもしれないけど、子ども連れで大人数で、雨の中の観察会は勇気がいる。少人数で大人向けに、雨のカエルの観察会という案は毎回考えているけど、いまだ実施せず。
ムササビはリス科なので、リスとムササビというのは変なのだけど。地上にもよく降りるリスと、樹上生で滑空するムササビでは、やっぱり(皮膜があるって以外にも)形態に違いがある。
今日のなにわホネホネ団の活動では、プチリス祭り。トウブハイイロリスとムササビを並べて処理してみた。並べて比べてみると、いろいろ面白い。
前足の第1指は、リスは痕跡的ながらあるけど、ムササビは隠れた骨はあるものの実質4本指。後足は、リスが長く伸びてるのに、ムササビは幅広短めで、掌に毛があって握るように曲がる。リスの毛はごわごわ、ムササビの毛はフワフワ〜。
手足の特徴の違いは、樹上に特化してるかどうかで説明できる気がするけど、毛の質感の違いは、関係ないよな〜?
隔月で、課題本の紹介文を持ち寄って、本についてあれこれ言い合うサークル。今日の会合で出た本についての意見を記録。
今日の課題本は8冊。3冊は次回へ持ち越しとなり、前回からの持ち越しが1冊あったので、6冊についてあれこれ話し合った。
ちなみに各人は紹介文を書いてきていてて、4つを最大として★を付けている。
●「おっぱいの進化史」
(紹介文4つ、平均★数は3.3)
さまざまな哺乳類のミルクの話は誰もが興味深く読んだらしい。動物園での人工保育ってけっこう危ない橋を渡ってるんだな、という感想も多かった。醍醐の話は、知らなかった人は感心していたが、知ってた人はその章はいらないのではというコメント。
●「カラス屋の双眼鏡」
(紹介文4つ、平均★数は3.0)
カラス博士が、カラス以外も観察してるよという本、で、割と好意的にとらえられていた。その割には、際だって高く評価する人はいなかった。「アリに天かす」はけっこう気に入られていた。
●「ゾンビ・パラサイト」
(紹介文3つ、平均★数は3.3)
みんなパラサイト・マニピュレ−ションという言葉を覚えていて面白い。誰しもトキソプラズマがヒトを操るかも、という話が印象的だった様子。
●「ヒト 異端のサルの1億年」
(紹介文3つ、平均★数は3.0)
ヒトのみならず、類人猿の進化史まで語られるので、けっこうお腹いっぱいになる。人類学上の大問題についての定説を、著者の考えで次々ぶった切るのは、とても痛快だけど、それを鵜呑みにする人には薦めにくい、という点では意見がまとまったかと。
●「鳥のくらし図鑑」
(紹介文4つ、平均★数は3.8)
絵の質が高く、企画もよくまとまっている。絵本というより、タイトル通り、絵が多めの身近な鳥の図鑑として。読んだ人全員、とても評価が高かった。
●「日本列島100万年史」
(紹介文4つ、平均★数は3.3)
自然地理学の入門書として、初心者から専門家まで評判がよかった。雁行という言葉が一般的用語かで、しばらく盛り上がる。
特別展の準備は今日が山場。なんとなれば、明日が解説書の入稿なので、入稿準備を仕上げなくてはならない。なにより割り付けをしなくてはならない。そのためには原稿を集めて、内容を整えて、図表を整理して、取り立ててという長い道のりがあった。とにかくテキストと図表が揃わないと割り付けはできない。ってゆうか、おおよその目処が立たないと割り付けはできない。ってことで、今日まで引っ張ってきたのである。明日に入稿が迫り、未提出の原稿があと3本となったので、ようやく割り付けにとりかかることにしたってわけ。
というわけで、今日は朝早くからやってきて、他の仕事は、ぜーんぶ無視。脇目もふらず,割り付け三昧の予定。徹夜も覚悟なので、夜食とおやつを買い込んでいたりする。
午前9時から割り付けスタート。前からどんどん割り付けていく。章単位で改ページ、章タイトルはブチ抜きで5行×2段、図のキャプションには1行しか割り当てない。作業しながら決めていく。細部を決める必要がある出だしは手間取るけど、あとはドンドン進む。テキストを流し込んで、合間に図表をはさむだけと言えばだけだけど。
・図表のサイズは、字や見せるべき細部が見える大きさで。
・できればパートが変わるのはページの上の方にしたい。
・本文中で図表に言及している近くに図表を置きたい。
・図表はいろんなページにちらしたいし、図表のないページが続くのは避けたい。
という基本方針があって、そのために図表の大きさや位置に苦労する。必要に応じて、勝手に写真を省いたり、追加したりもする。
そんなこんなで実働7時間半。86ページの割り付けが終了。1時間に12ページのスピードであった。まだ20ページ弱の割り付けが残ってるけど、続きはまだ未提出の原稿があがってきてから。残りはテキストが中心で簡単なので、明日の午前で間に合いそう。
仕様書のページ数をオーバーしないことが明らかになって一安心。そう、ここまできてようやく何ページなるのか分かるのである! 仕様書はどんぶり勘定で設定してるから、どう転ぶかドキドキ。もし大幅にオーバーしそうなら、文字サイズを小さくするとか、行間を詰めるとかの荒技を投入しなくてはならない。となると、割り付けはやり直し〜。仕様書の読みがずれてなくて本当によかった。
草地屋さんが、瀬戸内海の特別展に向けて、瀬戸内海沿岸の野生化ウチワサボテンの情報を集めるらしい。それって外来生物調査プロジェクトにのっけてもいいじゃないか! と言う訳で、協力することに。そうじゃなくっても、協力するけど。でも、もっと早く言ってよ〜、って気もする。
とりあえず淀川河口右岸と、淡路島の成ヶ島のすぐ南。他にどこにあったっけ?
などとつぶやいていたら、ダッシュ島にあるという情報が…。
瀬戸内海沿岸のオススメ観察場所をリストアップすることになった。広い砂浜は植物や昆虫の評価は高くても、鳥やベントスはあまり評価しない。干潟がいくら広ければベントスや魚の評価は高くなるけど、後背地がなければ植物や昆虫の評価は低い。とまあ、分野毎に違うだろうから、分野毎に好きなようにあげてもらって、整理して府県毎にまとめる。
府県毎にまとめたら、府県毎の総評を書きたくなる。で、考えてみた。おのずとランキングができる。
第1位は、満場一致に近く大分県。周防灘岸の中津から宇佐の延々と続く干潟は、日本の宝だと思う。国東半島のポケットビーチの自然も楽しい。別府湾は南の方はつまらないけど、北の方は良い場所が点在している。
第2位は、難しいけど、山口県だろうか。西部の大きな河川の河口には、びっくりするほど広い干潟が広がる。小さい湾にも良い場所が多い。そして、上関周辺もまた日本の宝と言える自然が残っている。
第3位は、福岡県だろうか。といってもその半分以上は曽根干潟の評価。あとは行橋市にけっこういい海岸が残っている。
第4位は、かなり独断だけど、岡山県。山口県ほど広大ではないけど、大河川の河口部や湾に干潟が残り、砂浜と前浜干潟のセットが残る小さな湾も点在する。
第5位は、愛媛県。おもに加茂川など燧灘岸にいい干潟が残っている。
第6位は、兵庫県かなぁ。西から、千種川河口、相生湾、新舞子、中川河口、揖保川河口、加古川河口、明石の海岸と播磨灘北岸には、そこそこ生物多様性の高い干潟が点在する。大阪湾には、甲子園浜程度しかないけど。淡路島の慶野松原は瀬戸内海全体でも有数の大きな砂浜とマツ林。
第7位は、香川県。まとまった自然海岸はもはや有明浜しか残されていないけど。小さい湾や河口に小さくても多様度の高い場所が点在してたりする。
第8位は、大阪府でいいんじゃなかろうか。湾奥部の干潟の大部分は失われたけど、淀川河口や南港野鳥園はいまだに重要な場所。泉南の男里川河口や阪南市の海岸もあなどれない。
第9位、最下位は広島県。どうしてか分からないけど、島嶼部を除くと、ハチの干潟しか行きたい場所がない。どうしてかなぁ。
もう一昨日のことだけど、ナイトハイクのこと。
カエルの声は必ずしも得意じゃない。ちょっと変な声を出されると、遠方だったりすると、悩み始めてしまう。という弱点があるから、あまりやらない方がいいかも? と思いつつも、夜カエルの声を聞くナイトハイクをしてみたかったんだな。どんなカエルがいるかは分かってる場所だから、きっと大丈夫。そもそも下見じゃあ、4種しかなかなかったし…。
バスを降りるのは、谷筋に小さな集落のはずれ。田んぼがあって、ここで田んぼのカエルを押さえておきたい。予定通り、ニホンアマガエルとシュレーゲルアオガエルの声がする。説明する。出だしは好調。
集落を抜けて、公園に抜ける途中の小さな河川からカジカガエルの鳴き声。下見では鳴いてなかったのになぁ。でもまあ、間違えるはずのな声だから大丈夫。
鳥屋として悔しいことに、集落の裏山で大声で鳴いている声の主が分からなかったこと。明らかに鳥。ビャー、ビャーと繰り返している。木の上の方から聞こえてくる感じ。小さい鳥とは思えない。かといって思いつく鳥の通常の声じゃない。なんかの巣立ちビナとか? フクロウの幼鳥ってあんな声だすかなぁ?
なにわともあれ、公園に到着。まずはモリアオガエルが産卵する池へ。池に着いたら樹の上にもモリアオガエルが見つかる。でも、ぜんぜん鳴いていない。仕方が無いから、モリアオガエルの説明をはじめる。大声で説明していたら、モリアオガエルのコーラスが始まった。静かな間はぜんぜん鳴かなかったのに、もしかして人の声に反応してコーラスを始めたんだろうか?
モリアオガエルのコーラスを聴いたら、もうあまりすることは残っていない。周辺でフリータイム状態。子ども達が、トノサマガエル、モリアオガエル、シュレーゲルアオガエルを次々と捕まえてくる。下見では全然見かけなかったのに、子どもというのはスゴイもんだ。
でも、結果的には、楽しい観察会になった。カエルも思ったより採れたし。
ともかく、全員で無事に時間通りに解散のバス停にたどりつ着いて一安心。カエルの観察会は、鳴き声と姿が楽しめる夜の方がやっぱり楽しい。またやってみたいなぁ。
今日は、明日の講演会の準備にいそしんだ。なんとなく準備を始めてから持ち時間は?となって、案内を見ると、たったの1時間。さらに、コラボ企画なので、司書が本を4冊紹介、っていうのかな、ブックトークというのをし、それを受けて話をするという構成。本の中身にダメだしするもよし、中身を発展させて、あるいは我田引水して話を膨らませる。
ブックトークは、1冊5分弱で15分程度かな。と思いながら念のため問い合わせたら、全部で25分という答え。じゃあ、こっちの持ち時間は35分しかないやん〜。スライド20枚も用意したけど、1時間では終わらないかも、っていうのがかえって心配になってきた。
講演会の後、ナイトハイクのダブルヘッダーなので、延長したくないんだな。早口でしゃべろう。
【追記】
予想どおり1時間では終わらなかった。本の紹介+それへの突っ込みは1時間ちょうどで終わったのだけど、その後の質疑が20分続いた…。そもそも本1冊につき、ブックトーク+コメントで20分ずつは確保しておいた方が無難。
講演会の後、アンケート結果を見せてもらったけど、内容にはおおむね好意的で一安心。図書館だけに本好きが多く、本の内容へのコメントの方が、本から発展させた話よりも、興味を持ってもらえた様子。だとしたら、もっと本の内容に近づけたコメントに集中したらよかったかも(実は、話す方としては、あまりパワポを作ったりしなくていいのでかえって楽ちん)。そして、本の選定段階がより重要になりそう(こちらはもっと司書さんとの打合せがいるので、時間がかかりそう)。
随分久しぶり(7年かな?)に淀川豊里に行った。かつては広いヨシ原があったんだけど、すっかりダメになってしまった。と思ってたけど、ヨシ原けっこう復活してるんじゃないかな? これならツバメの集団ねぐらが復活してもよさそうな気がする。
淀川豊里のヨシ原には、かつてはツバメの集団ねぐらがあった。戦前から数十年も続く、大阪府でも一番古くから知られていた集団ねぐらだった。が、ヨシ原がどんどんしょぼくなって、集まるツバメの個体数も少なくなり、とうとう2013年を最後にツバメの集団ねぐらもなくなってしまった(日本野鳥の会大阪支部調べ)。
でも、2016年には、300羽が再び集まっていたという(日本野鳥の会大阪支部調べ)。ヨシ原の復活ときっと関係があるに違いない。ヨシ原の状態とともにツバメの集団ねぐらの規模を記録しておけば、よかったのになぁ、どこかに情報が残ってないかなぁ。
ここの集団ねぐらでは、観察会をしたこともある。また、できればいいなぁ。とりあえず一人で見に来てみようっと。
【追記】
淀川豊里のねぐらをチェックに行くのすっかり忘れてた〜。
個体数推定がされているとは知らなかった。1万頭弱っていうのは、思ったより多いような、少ないような。推定されたのは、2000年代。航空機を使った調査を元に推定されている。
別途、船上センサスを繰り返して、1970年代後半と比べて、1990年代終わりには、個体数が1/3ほどに減少したという推定もある。
ってことは、かつては瀬戸内海に3万頭以上いたってことかなぁ。めっちゃ普通に群れで見られたのかも。だからこそのスナメリ漁ってわけかも。
今年は5年に一度の、大阪市内の公園で繁殖する鳥の調査の年。大阪市内の2ha以上の大きめの公園43ヶ所を、みんなで手分けして調査する。長居公園は地元なので、もちろん私が調査担当。
で、今日、調査してみた。広いので、まず長居植物園を調査、それから植物園以外の公園を一周。5年ごとの調査も、これで5回目。長居公園は毎回担当しているけど、今回はなかなか盛り上がった。オオタカがハトらしき鳥をつかんで飛び立つし。サンコウチョウは囀っているし。ホトトギスも黙ってウロウロしていた。ホトトギスはさておき、オオタカとサンコウチョウは、絶対長居公園で繁殖しないとは限らない。限らないけど、まさかね。そして、驚いたことにハクセキレイを記録した。この調査で長居公園でハクセキレイを記録したのは初めて。ってゆうか、そもそも6月の長居公園でハクセキレイを記録したこと自体が初めて。これは遅ればせながら、繁殖開始ってことだろうか?
とまあ、なんかにぎやかで調査は盛り上がったんだけど、逆に見つけられなくて残念だったのが、エナガ。昨年、初めて繁殖したのに、今年は4月以降まったく見かけない。昨年繁殖に成功したのに、どうしてどこかに行ってしまうかなぁ。
カエルの声を聞くナイトハイクの下見に行った。
昨年に下見の下見をした時は、出だしの田んぼでシュレーゲルアオガエルとニホンアマガエルの声が聞かれ、公園の池ではモリアオガエルの声を聞いて、公園の水たまりではトノサマガエルが盛んに鳴いていた。
が、今日は、カエルがあまり鳴かない。困った。出だしの田んぼでも合唱とは言えない程度にシュレーゲルアオガエルとニホンアマガエルが少し鳴いただけ。モリアオガエルの池では、モリアオガエルの姿はあったけど、ぜんぜん鳴かない。トノサマガエルがいた水たまりは干上がっている…。
でも、公園の芝生では、ヘイケボタルがいっぱい光っていた。モリアオガエルの池では、フクロウを見た。トイレからはキクガシラコウモリが飛び出した。山はシカかイノシシの気配だらけ。カエルという初期の目的はさておき、ナイトハイクとしてはとても楽しかった。
ところで、モリアオガエルの池にいたフクロウは、モリアオガエルを狙って来てるんじゃなかろうか。モリアオガエルの雄がとまっていた枝にとまってるし。フクロウがいる間、モリアオガエルはまったく鳴かない。鳴いてるモリアオガエルの雄をねらって来てる? カエルの観察会的には、止めて欲しいなぁ。
まあダイサギに限らないんだけど、山間でサギ類を見ると、どこで繁殖してるのか不思議。今日は茨木市泉原へ。田んぼにサギ類数羽。大部分がダイサギだった。でも、大阪府にダイサギの繁殖地、ほとんど見つかってないし。繁殖していない個体なんだろうか? でも、繁殖期らしく嘴は黒く、裸出部にも婚姻色が出てたりするんだけど。
ここ数年、ソウシチョウは東から和泉山系に侵入しつつある気配。昨年と一昨年、大阪府のソウシチョウの分布調査をしたところ、和泉山系のソウシチョウの分布はほぼ和泉葛城山の少し東まで。果たしていつ和泉葛城山の西に侵入するのか?
ってことで、昨年と同じ和泉葛城山から西に向かうコースを歩いた。蕎原バス停から川沿いに歩いてから、和泉葛城山山頂に向かういつものハイキングコース。山頂からは尾根筋のドライブウェイを西へ。ハイランドパーク粉河の所で、高城山へ向かう方へ。高城山のすぐ下を通過して、犬鳴渓谷の一番奥に到着。トンネルを抜けて、七宝瀧寺へ。あとは犬鳴渓谷を下ってバス停まで。
結果的には、今年もまだソウシチョウは侵入していなかった。それはいいのだけど、また来年も調査しないとダメかぁ。ソウシチョウが入るまで、毎年毎年? ソウシチョウに入って欲しくはないけど、毎年続けるのは面倒かも。
とある会議で、大阪府での生物多様性の認知度を70パーセントにするのを目標にするという発言が聞こえてきた。「生物多様性という言葉を知っていますか?」てな質問に「はい」と答える人を増やしてもあまり意味があるとは思えない。むしろ生物多様性の中身をどの程度知っているか、その保全を意識した行動をどれだけとっているかが重要。とは思うんだけど、それはさておき、認知度70パーセントを達成するにはどうすべきかが気になった。
ちなみに大阪府での認知度を、とあるアンケートで調べたら、20パーセント弱だったらしい。これを70パーセントにするには、50パーセントアップが必要。大阪府民が880万人いるなら、ターゲットは400万人以上。
これに本気で取り組むなら、年間数十万人しか入らない博物館施設でなにかしても仕方が無い。2万人程度しか集まらないイベントで頑張っても全然届かない。年間100万人以上の集客力のある施設で頑張るとか、大勢に伝えていく方策を考えないと。というわけで、ユニバーサルスタジオ、海遊館、大阪城天守閣、天王寺動物園などが重要な場。あるいは、ターミナル駅でのイベントとか。でも、地道だけど効果的に思えるのは、小中学校へのアプローチ。子どもを通じて家族全員に展開できればかなり効果的。学校教育の壁は厚いらしいけどね。
もちろん、同時に認知の質を上げるとりくみをしなくてはならない。それには、自然史博物館やそこでのフェスティバルも有功だよ。
って会話をした。
瀬戸内海展のポスターとチラシは完成した。今日で、文字パネルの読み合わせも完了した。あとは展示を作るだけ。と思ったら、解説書の原稿がまだ出そろっていなかった。萌蔵がまだ書き終わってない! そして、おいらもまだ書き終わっておらず、編集もあまり進んでいない。どうなる瀬戸内海展!?
と言う中で、2017年5月を振り返る。
ルーティンのため池調査、大和川調査は無事完了。3月から盛り上がっていたカラスの巣調査は一段落。代わりに、外来生物調査プロジェクトのコブハクチョウの情報募集を始めたけど、あまり動いていない。
全国鳥類繁殖分布調査で、担当の箕面公園と淀川中流部へ行った。
今年は、5年に一度の大阪市内の公園で繁殖する鳥の調査の年なので、大阪城公園で研修。分担を決めた。まだ近所の公園しか調査してないけど…。
普及行事で特筆すべきは、箕面公園でのナイトハイクからの、翌日、金剛山でのさえずり観察会。とはいえ、今年のナイトハイクは日帰りなので、そんなにハードでもない。
そろそろ11月の大阪自然史フェスティバルの出展者募集を考えないと。
いよいよ再来月に瀬戸内海展が近づき、パネル系のテキストの読み合わせは終了。解説書の方は、ぼちぼち原稿が集まってきたけど、大口2人がまだ書いてないので、編集作業には入れない。というのをいいことに、自分のパートもまだ書けてない…。
とまあ忙しい中、
読んだ本は、自然史系2冊とSF11冊。原稿書きモードに入ってないので、本が読める感じ。講演は毎年恒例の頼まれ講座が2本。あとラジオ生出演が1つあった。
月例の大和川河口部の水鳥カウント。もう冬鳥はほとんどおらず。ユリカモメは20羽ほど残ってるだけ。この季節に残ってるのは越夏するのかな? その横には夏鳥のコアジサシが数羽。大和川河口的には夏鳥のウミネコが50羽ほど。これはもう夏の光景。ってゆうか、コアジサシが大和川河口に出現するのは、5月頃だけなのだけど。
4月から目立ちはじめたコチドリも各所に点在。繁殖期以外には、この大和川での水鳥カウントにほとんど引っかかってこないけど、これも大和川では夏鳥なのかな。あるいは、この季節は盛んに鳴いて飛びまわるから目立ってるだけなのか。親鳥は目立ちまくっているけど、巣や雛は見つけられず。
あと、大和川河口で夏鳥は、ツバメくらい。大阪の夏鳥って山林には多いけど、海岸には少ないなぁ。まともに夏鳥はコアジサシだけと言っても、あまり文句は出てこなそう。昔から少ないけど、どうしてもっといないの?
来週は滋賀県の山を、本気で歩く設定の観察会がある。今週は、金剛山で鳥の囀りを聞く会。金剛山登山とはいえ、来週の本気の登山に比べると全然たいしたことはない。
先週の下見では、いっぱい鳥の囀りを聞くために、距離を伸ばして、わざわざ遠回りして山頂へ。そのままグルッと回って、歩いて降りてくるコースを設定した。が、同行者にへロへロする人が続出した。距離が長すぎるという。仕方がないので、今日は距離を短くして、途中リタイアしてロープウェイで降りることもできる設定に変えた。
ロープウェイの駅でいったんまとめをして解散。半分弱になった有志だけで歩いて降りた。下り道で、それまでは聞いていない囀り3つが追加された。ほら、歩いて降りた方がよかったでしょ。
気取って言えば、ソーシャル・インクルージョンを考えるなら、体力のない人でもちゃんと参加できる行事を設定するのが正しそう。実際今回も、山歩きは自信なかったけど、コース短くした〜、というツイートを見て、安心して参加できたという声があった。
行事の案内には、そこまで詳細にコース説明いれない。というか説明は企画者の匙加減。企画者の常識と参加者の常識がずれてたら悲劇が生まれそう。
でも、金剛山であのくらいのコースは、楽勝と思ってたなぁ。あやうく、悲劇を生むところであった。
今夜はナイトハイク。でも、昨年までと違って、日帰り。体力的にはかなり楽ちん。参加者の安全面もかなり安心。でも、参加者が無事に帰れるかは、かなり心配。つまり新たに終電逃したらどうしよう〜、って心配が生まれた訳。
昨年まで一晩中、夜の山をウロウロしていたのに、今年は日帰りにしたのには、けっこう残念な理由がある。夜明けの鳥のコーラスは楽しいけど、その他の部分では、一晩中ウロウロしていても、ほとんど得るものがなくなってしまったのだ…。
というわけで、日帰り箕面公園ナイトハイクの売りは、早朝の囀りではなく、アオバズクの鳴き声ということにした。本番のタイミングもアオバズクの渡来に合わせて。下見の時はもちろんまだ渡来していないけど、本番には来てるから大丈夫。
と思ったんだけど、本番でもアオバズクは鳴かず。でも、フクロウがいっぱい鳴いてくれた。アオバズクもフクロウなので、フクロウが鳴けば、目的は達成されたも同然!と詭弁で言い逃れ。
下見では気付かなかったが、参加者はオオサンショウウオ探しにはまりまくりで、あちこちでオオサンショウウオを探す。定番の場所ですんなり出たから、もう探さなくてもいいよね。って思ったけど、みんないっぱい見たいらしい。で、結局4匹以上見られた。昼間はもとより、いつものナイトハイクの時間帯である深夜よりも、日没後すぐの時間帯の方がオオサンショウウオはよく動いている気がする。陸に上がって、動きまわってる個体までいた。
そう言えば、深夜の時間帯には滝道でこんなにフクロウは鳴いていない。夜と言っても、時間帯で動物の動きは違うらしい。当たり前な気もするけど、勉強になった。
かつて大阪の北摂のシカの分布は、高槻市、箕面市、能勢町・豊能町の3つに分かれていた。つまり不思議なことに茨木市にはいなかったわけ。2000年代に入って、シカが増加する中で、茨木市でもシカが見られるようになった。西の方から増え始め、東に拡がっていった感じ。でも、東の方にはまだあまり多くはない。と思っていたら、第2名神や安威川ダムの工事が進み、伐採地や放棄水田が増え、そこにシカがいっぱい見られるようになった。たぶん採食場を提供して増えてしまったんじゃなかろうか。
っていう昨今なんだけど。今日は茨木市北部の泉原へ行事の下見に行った。自然観察地図を作った馴染みのコース。
最初に歩いた頃は、シカはいなくて、田んぼの周りにシカ除けの柵もなくて、田んぼの生きものを楽しく観察できた。しかし、シカが増えて、シカ柵が張り巡らされ、田んぼにアクセスしにくくなり、そもそも水辺の生きものも減った感じだった。
今日の久しぶりの泉原。同時に放棄田が随分増えている。かつての美しい棚田の風景はもう見られない。なんか寂しい感じ。シカはやっぱりいてるし、シカ柵もあるけど。シカ柵の張り方がずいぶん甘めで、足跡もさほど多くない。
もしかして、北摂とは言えなくても、茨木市のシカは減り気味? あるいは第2名神や安威川ダムの工事現場の方に分布がシフトしたんだろうか?
漁港は人が魚を集めてくれる場所。魚を食べる鳥にとっては、食べ物がいっぱいある場所。というわけで、魚食性の鳥と人との関係を見ることができる楽しい場所。サギ類、カワウ、トビ、カモメ類といろんな鳥が見られるけど、一押しはアオサギである! という原稿を書いた。
漁港でカモメ類が集まる場所は、限られている。水揚げの多い漁港に集中するようだし、水揚げする魚種の影響も大きそう(イカナゴとか!)。そして大抵は冬が中心。
年中漁港でよく見られる鳥と言えば、アオサギ、カワウ、トビ。サギ類ではアオサギが圧倒的に多い。カワウは意外と数が多くない。トビは大きな集団がいることもあるけど、場所は限られる。
で、アオサギである。アオサギは割とどこでもそこそこ数が多い。そして何より人との関わりが多い。漁船に我が物顔に乗っている、ゴミ捨て場で魚や貝を漁る、水揚げ作業に近付いていって分け前をもらう、そして漁協の建物のなかに我が物顔に入っていく。とにかく我が物顔で面白い。大きな魚をゲットして呑むのに苦労しているのも面白い。
これって地域によったりするんだろうか?
昨日は、昼間に大阪城公園を2周して、繁殖している鳥の調査と研修。それから戻って、サポートスタッフの研修で短い挨拶。そして、友の会会報の原稿を急いで書く。で、最後に中崎町近くのピザ屋に駆けつけた。
この3月に亡くなられた友の会会員さんのお別れ会。娘さんのお店で昼間にやると聞いていたけど、間に合わないので時間を延長して頂いた感じ。博物館関係者に日曜昼間は厳しい。
記帳を見ると、けっこう友の会会員の人が来ている。そして最後まで残っているのも友の会会員となにわホネホネ団団員。
軽くお焼香した後は、食事をいただきながら、思い出話。たびたび何故かお弁当を頂いていたことがあるのだけど、美味しかったと言わなきゃならなかったらしい! ありがとうございますでは足りなかったとは…。で、汗をかきながら言い訳。
そして遺品のノートなどを見せて頂く。観察会などで話した内容が、小さな綺麗な字で、フィールドノートにびっちり書いてあった驚く。こんなに記録されるといい加減なことが言えないので困る。友の会合宿やナイトミュージアムに参加したときのバッジがきっちり残っていて、たいてい一緒に合宿に行ってたんだなぁ、と感慨深い。そして1991年の有明合宿のバッジがあって驚く。友の会の先輩であった。
俳句の会にも参加されてたそうで、俳句がいっぱい書いてあるノートも見てみる。パラパラとめくると、鳥など生き物を詠んだ句があって面白かった。こっちが説明した内容がそのまま五七五になっていて、季語がないような句も多いけど、なかなか面白い。俳句としては、きっとダメだしされそうだけど、観察内容の記録としては楽しい。
ここ数年、毎週のように会ってた人ともう会えないとは寂しい感じ。最後の2年は、なぜか鳥の調査の勉強会に参加されていたので、そのデータをまとめて友の会会報に載せるという宿題ができた。
あと、タダで美味しいイタリアンを食べさせてもらったので、今度、ちゃんとお金を払って行こうと思う。到着する前にもっと美味しい料理もあったらしいし。ご家族とのつき合いが続けば、きっと喜んでくださるに違いない。たぶん。
20年前から大阪城公園で繁殖する鳥を5年ごとにチェックしてきた。この20年でどんな変化があったか振り返ってみよう。
とりあえず繁殖の可能性の少ない水鳥と、明らかに渡りの途中と思われる鳥(トケン類とヨタカとメボソムシクイとアオジ)を除いたリストを並べると。
2017年5月21日:ドバト、キジバト、コゲラ、ツバメ、ハクセキレイ、ヒヨドリ、イソヒヨドリ、エナガ、シジュウカラ、メジロ、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ、ハシボソガラス、ハシブトガラス
2012年5月19日:ドバト、キジバト、コゲラ、ツバメ、ヒヨドリ、コサメビタキ、サンコウチョウ、シジュウカラ、メジロ、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ、ハシボソガラス、ハシブトガラス
2007年5月26日:ドバト、キジバト、コゲラ、ツバメ、ハクセキレイ、ヒヨドリ、シジュウカラ、メジロ、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ、ハシボソガラス、ハシブトガラス
2002年5月18日:ドバト、キジバト、コゲラ、ツバメ、ハクセキレイ、ヒヨドリ、クロツグミ、ヤマガラ、シジュウカラ、メジロ、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ、ハシボソガラス、ハシブトガラス
1997年7月6日:ドバト、キジバト、コゲラ、ツバメ、ヒヨドリ、ウグイス、シジュウカラ、メジロ、スズメ、ムクドリ、ハシボソガラス、ハシブトガラス
最初のドバトからツバメの4種と、最後のシジュウカラからハシブトガラスの7種はほぼ固定(1997年はカワラヒワ出てないけど)。ハクセキレイとエナガはずっと繁殖してたはずだけど、意外と記録されない事がある。ヤマガラは定着するかと期待したけど、しなかったなぁ。ウグイス、コサメビタキ、サンコウチョウは繁殖の可能性を期待してるけど、まあないか。ってことで、20年経ってもさほど変化していない。そんな中で、今回出現したイソヒヨドリは、久々のニューカマー。そして定着しそう。次はむしろキビタキに期待かなぁ。もしかしたらハッカチョウかもしれないけど。
ってゆうか、ヒガラではなく、シジュウカラの囀りの話。ヒガラがいる場所のシジュウカラの囀りと、ヒガラがいない場所のシジュウカラの囀りの違い。ヒガラがいる場所、たとえば金剛山とかでは、シジュウカラの囀りは音が高くピッチが速い気がする。ヒガラがいない平地のシジュウカラは、もっと低い声でゆっくりしたピッチで囀っている。ずっと思ってたけど、今日、賛同者が得られて嬉しい。やっぱりみんなそう思ってるんやん。
生態学では、形質置換という現象があることになっている。近縁種の形質は、単独での生息域よりも共存域において、形質の差が大きくなっているという現象。ヒガラとシジュウカラという近縁種の囀りで言えば、共存域でヒガラが高くて速いピッチで囀るとしたら、シジュウカラは低くてゆっくりのピッチで囀る予定。ヒガラがいない平地とかで、むしろシジュウカラはヒガラのような高くて速いピッチで囀ればいい。
でも、シジュウカラの囀りが上記の通りなら、形質置換の真逆をいってる。共存域で形質を近づけてることになる。これにどんなメリットがあるのか、とても不思議。むしろ擬態的な意味があるんだろうか?
一方で、ヒナを巣立たせている、あるいは巣立ち間際の巣内ヒナのいるハシボソガラスもハシブトガラスもいるんだけど。なんだかんだで、出遅れているペアも多い。
ハシブトガラスの中には、まだ一度も巣をつくっていないペアもいる。思うに、なわばり内に手頃な針葉樹がないので、落葉樹の葉が茂るのを待っているんじゃないかと。ハシボソガラスは、この期に及んで、失敗からのやり直しと思しきペアがいる。
で、気になるのは、スタートダッシュなペアと、出遅れペアで繁殖成功度に差があるのかどうか。小さい鳥では、繁殖期の初めの方が繁殖成績がいいケースが多いらしい。とはいえ稀に逆のケースの話も聞く。カラスの場合はどっちだろう。巣立ってからの親子関係も長いから、食べ物がけっこう安定供給の生ゴミだったりもするしで、カラスの場合、季節による差はあまりないかもしれない。
スタートダッシュペアと出遅れペアは、毎年同じような辺りの巣で見られる。ということは、たぶんペアごとにスタートダッシュ派とのんびり派がありそう。それで季節による繁殖成功度に差があったりしたら、生涯繁殖成功度の差はかなり大きくなりそう。
3日前の箕面公園に続き、淀川左岸を芥川合流から下流に向かって2kmほど歩いた。半ばと最後で30分の定点観察。つまり座って鳥の声を聞きながら休憩。
前半はウグイスとオオヨシキリの囀りを数えるのが作業の中心。チョウゲンボウも飛んだ。後半はスズメとムクドリを数えるのが主なお仕事になった。キジもけっこう鳴いていた。
20年前や40年前にも同じコースが調査されてるはず。どうかわったのか、過去のデータをみたいところ。その時のデータを見てみたい。当時、チョウゲンボウはいなかっただろう。代わりに今はいない何かがいたんだろうか? ウグイスやオオヨシキリの生息密度に変化は? 調査担当者には、そうした情報をくれたらいいのに。そしたら、さらに興味が湧いて、もっとあちこちの調査を引き受けるよ!
なにわともあれ、今回調査担当者として登録した2コースの調査は終了。大阪府で担当者がいないコースはまだあるのかな?
イソヒヨドリの内陸進出。チョウゲンボウの市街地での繁殖分布の拡大。キビタキの平地の林への侵攻。山林で繁殖していた鳥が、次々と都市公園で繁殖するようになり、冬鳥だったハクセキレイが繁殖を始めた。20年も経つと、鳥の繁殖分布にさまざまな変化がある。
減るのは、生息環境が減ったり無くなったり。食物が減ったり、人に狩られたり。という感じで説明される。じゃあ、増えた場合、というか分布が拡大した場合は、どのように説明されるのだろう?
減った場合と同じく、さまざまなプロセスがあるんだろうか? それともほとんどが同じプロセスなんだろうか?
分布の拡大に個体数増加が伴う時、単に個体数が増えただけと考えて、どの程度説明できるのだろう?
逆に新たな環境に進出したから個体数が増えた場合とどうやったら区別できるだろう?
分布縮小と違って、分布拡大には、新たな生息環境の発見が必要なはず。生息環境自体の増加はなくても、今まで使ってなかった環境を“発見”して、個体数が増加するという場合もあっても良さそう。
てなことは、意外ときちんとは検討、考察されていない。でも、なにか新しいものが含まれている気がする。
環境配慮や生物多様性配慮については、すでに認証制度があるけど、博物館のもっと個別な部分について、認証制度や格付けがあると、もっと博物館がよくなるかもって話。
博物館活動全般でもいいけど、普及教育事業、収蔵資料とその管理、ミュージアムショップなど、もっと個別にあってもいいかな。研究業績も重要な評価基準だけど、それは既にそれなりになされている感もあるし、学会とかでやった方が効果的っぽいので、あえて新しく考えなくてもよさそう。
認証制度と似たようなものに格付けというのもある。認証制度だと、博物館側が能動的に認証されようと動く必要がある。公的認証でない限りは、ある程度の数の博物館が動かないと認証制度に実効性が少なそうで、実効性が少ないと博物館側も動きにくい。
でも、格付けだと博物館側が何にもしなくても格を付けられる。充分な数の博物館を格付けするのは簡単。格付けした側にそれなりの発言力さえあれば、付けられた格は実効性を持つ。って意味では、格付けを行う方が、博物館やその管理者を動かす力にしやすいかもしれない。
メールで紹介され、メールのやり取りで待ち合わせて、初対面のおじさんとデートすることになった。どんな出会い系や? なんも楽しないし、意味が分からん。
鳥類繁殖分布調査では、コースごとに調査担当者とサポートの人が登録されるらしい。サポートの人の登録があると、調査担当者は調査に行く日と時間をサポートの人に連絡するよう求められる。サポートの人の都合がつけば、一緒に調査に行くという段取り。
サポートの人が知り合いとか、あらかじめ打ち合わせて調査担当者とサポートに登録するならいいと思う。まあ、登録しなくても一緒に行けばいいのかもしれない。でも、このシステムでは、見ず知らずの人と一緒に調査に行くことになりがち。それも互いの調査能力とか、何に興味があるかも知らないままに。同じ調査地に興味があるってだけのマッチング。これが意味不明。
そもそもラインセンサスと定点観察を組み合わせたこの調査は、充分一人で実行できる。どうも調査を担当するには未熟な人がサポートに回されるようなのだが、どう相手しろっていうの? 初心者に教えようと調査中に喋ってたら、その分調査精度が落ちる。じゃあ、一人が調査をしている間、もう一人は一緒に歩くだけ? それで何か得られるものがあるの?
で、デートの朝。初対面の男二人が、午前6時半に箕面駅で待ち合わせ。挨拶以外は、とくに話す内容が思い浮かばない。一人でできる調査の何を手伝ってもらったらいいの? 仕方がないので、声はこちらが拾うから、こちらが気付いていない鳥の姿を見つけたら教えて下さい。と指示してスタート。
コースは、一の橋〜桜広場〜野口英世像〜落合谷〜姫岩〜地獄谷〜ドライブウェイで大滝の上まで。
男2人で、会話もなく山の中を歩く。定点観察を含めて2時間。気まずいだけ。声による識別はもとより、姿を見つけるのもこちらの方が早かった。結局、手伝ってもらうことが何もない…。互いに得るものがなく終了。そのまま解散。
いったい何だったんだろう。相手がおじさんじゃなく、綺麗な女性だったら…。とも思ったけど、初対面の女性と上手に話ができるわけがなく、結局一緒だっただろうなぁ。ほんまに、このシステムやめてほしい。
夏の特別展に向けて、展示プランを作って、解説パネルのテキスト考えて、図表・画像の用意して、なにより解説書の原稿を書かないといけない。のだけど、なかなか原稿が書けないので、余計なことを考えた。
漁港のカモメ類の展示をする。と宣言してスペースを確保したのはいいけれど、漁港の鳥と言えば、カモメ類以外にもアオサギなどサギ類、カワウ、トビがはずせない。とくにアオサギは面白い。なにが面白いって、とっても漁港で我が物顔に振る舞っているから。漁船に陣取って、まるで自分の船であるかのように見張りをしていたり。水揚げ作業の横では、おこぼれをちょうだいするだけでなく、箱に入ったのをつまんでいたり。漁港の中に入り込むのは当たり前。いけすの中の魚をパクパク食べていたりもする。漁師さんも、迷惑そうながら、ちょっと苦笑い気味。しゃーないなー、って感じ。
そんなしゃーない漁港の我が物顔のアオサギの写真はけっこう撮り溜めてるから何枚も展示できそう。ってゆうかいっそのこと、みんなに呼びかけて、写真コンテストを開いてもいいんじゃないだろうか? 一番我が物顔なアオサギ画像がグランプリってことで。
昨日のことになるが、大阪城公園の横にあるNHK大阪に行って、ちょいとラジオに出演してきた。そのお向かいの歴史博物館にはなんども行ったことがあるが、NHK側に入ったのは初めて。なにもかも物珍しい。
まず入口で止められる。呼ばれてきていても、1人では入れてもらえないらしい。担当ディレクターさんが迎えに来てくれて、ようやくカードを渡され入れてもらう。
出演する番組はすでに始まっていた。その外で段取りを説明される。あと30分ほどしたら出番なので、その少し前に中に入ればいいらしい。けっこうしっかりした台本があって、さすがNHKと思ったのだけど。リハーサルはなく、とくに注意事項もなかった。ただ、あまり政治的なことは言わないでねと、さりげなく言われた。あとNHKでは、ゴールデンウィークではなく、大型連休といいます。でも、アナウンサーがフォローするから大丈夫と言われる。
30分ほど暇になった。するとテレビが担当というプロデューサーが遊びにきた。なんと大学時代のサークルの後輩。らしい。らしいというのは、あまり覚えていないから。でも、向こうは覚えてるし、話からすると本当にそうらしい。で、虫が好きという後輩(仮)と、水生昆虫の話でなぜか盛り上がる。
出番になったので、中に入ってウダウダ話す。台本通りに進むかと思いきや、テレビと違ってラジオは割と自由。会話が盛り上がったら、そこを膨らまし、時間も少し延長してくれた。
終わったら用事もないのですぐに退出。帰り際、また遊びに来て下さい。的なことを言われたけど、これは京都人が言うところの、ぶぶ漬けでもどうえぇ、と一緒と思われる。
昨日は、某企業が敷地内に生物多様性に配慮した緑地をつくるからと、設計を担当している方が相談に来られた。
今日は、某市の緑化を担当する部署の人が、生物多様性に配慮した緑化の相談に来られた。
どちらも主に鳥を呼びたい感じなのだけど、それぞれ元々スタンスが違うからでもあるけど、そもそも生物多様性についての理解がぜんぜん違ってる。行政より民間の方がしっかりしてる。そして、それを後押ししているのが、生物多様性に関連した認証制度っぽい。
認証制度や格付けをてこに、民間から生物多様性保全の動きを盛り上げていった方が、実質的かもと思った。
特別展に向けて、文字パネル検討会議が行われた。今日が第1回で、一通りチェックして、書き直してOKが出るまで続く。全4回くらいだろうか。
かつての特別展では、まず解説書の原稿を書いて、オープン直前に解説書原稿から各自がテキストを切り出して、展示用の文字パネルを仕立てていた。この問題点は、なにより全体のコントロールがきかないこと。
・無駄に多くなりがち。
・それでいて、必要な解説が抜けていたりする。
・文章のトーンやスタイルが統一されない。
・意味不明の文章を展示する奴がいる!
その反省に立って、文字パネル検討会議を開くようになったのは、2年前からだろうか。このいいことは、5月には検討しなくちゃならないので、解説書を書くのが早くなったこと。あるいは、先に文字パネルの方の原稿を書いて、それに合わせて膨らませて解説書を書くことになったりする。解説書と展示との乖離が少なくなるという派生効果もある。
今日は、1/3ほどを検討した。けっこう書き直し指示が出た。それでも一旦書いておけば修正は簡単。今年は助成金が取れたので、文字パネルは外注になる。楽でいいなぁ。
4月末に堺市の丘陵部でソウシチョウが囀っていたという情報を頂いた。このまま繁殖するんだろうか? ササがあれば暮らせる鳥らしいから、丘陵にも進出してもおかしくないと言えばおかしくない。でも、どっちかと言えば高めの山のイメージの鳥で、九州のソウシチョウ研究者は、大阪府では生駒山地みたいな低山にいるのかぁ、と驚いていた。ってところからすると、丘陵にまで進出したら、もっと驚いてもらえそう。
大阪府の山手のソウシチョウの現在の分布は昨年と一昨年でだいたい押さえたけど、丘陵部の調査もしておく必要があるかも。時間があればウロウロしてみよう。
今日は、なにわホネホネ団鳥の日で、海鳥の処理をした。多くはなぜか千葉県銚子市周辺から届いたもの。多くは、砂まみれ。一部、三重県の海岸で拾われた鳥も混じる。銚子と三重では、砂がぜんぜん違う。地学屋ではないド素人でもすぐ判る。三重県の砂は茶色っぽくて、粒が大きい。はたくとわりとあっさり落ちてくれる。銚子の砂は黒っぽくて、粒が細かい。はたいてもなかなか落ちない。少しでも湿ってると、逆に手に付いてくる。乾くと簡単に辺りに散らばって迷惑。水には沈むけど、少しゆすると、液状化して流れていく。これはとても面白い。
で、解凍前にも、解凍後にも、測定時にも、できるだけ砂を落としたのだけど、すべては完全には落ちない。砂ってけっこう重くて、砂をはたく前と後でけっこう体重が違う。落としきれなかった砂で、測定値がどのくらいずれてるのか気になるけど、ちょっとどうしようもない。
そして落としきれなかった砂は、皮剥きしている間に落ちる。作業している机の上から床へと散らばっていく。ついでにパウダーのホウ酸とも混じる。部屋中の床にひろがる砂とホウ酸の混合物のパウダー。床がめっちゃ滑る。歩くときは注意しなくちゃ。
で、作業が終わったあと、できるだけ掃除したけど、床全面を拭いた訳ではないので、砂ホウ酸パウダーはなにかしら残ってるんじゃないかと…。滑らないように気をつけてね。
今日は、地元の公園で鳥の観察会。の予定だったが、週間天気予報では今日だけ雨。いつもなら速攻雨天中止モードになるのだが、季節は春の渡りの後半。いろいろ面白いものも出てると聞くし、なんとなく実施したい気分。前日の天気予報では、雨は午後からとのことなので、決行することにした。
参加者は多い。キビタキとオオルリもいる。が、上を飛びまわるばかりで、多くの人は見られなかった。チョウゲンボウも飛んだけど、あっ、と叫んで、しばらく見て、チョウゲンボウや!と言って、みんなだどこどこと見ようとしたときには、飛び去っていた。見られなかった、教えるのが遅いねん、とお爺ちゃんに怒られた。
そして、ジュウイチ。いまにも雨が降りそうな中。大池の向こうからジュウイチの鳴く声がする。ジュウイチはしっかり見たことがない。できれば見たい。行事中でなければダッシュで見に行くところだけど、行事中。仕方が無いから、鳥を見せながら、ジュウイチの鳴いてた方にさりげなく急ぐ。でも、鳴いてたと思しき辺りに着いた時には、ジュウイチは鳴き止み、姿も見つけられず。悔やまれる…。
ノウサギは、野兎。カイウサギは、甲斐兎ではなく、飼い兎。
昨日と今日は、ホネホネ団の活動日で、活動はウサギより。ウサギの皮は薄くて破れやすい。なので、皮剥きは、同じく破れやすい鳥の皮剥きのできる人限定。で、7匹のウサギの皮を剥いて、3匹のウサギの皮を処理した。
ノウサギはいずれも自動車事故。いずれもダニがいっぱい付いていて、なぜか茶色い額にポチッと小さな白斑がついている。カイウサギは、飼育下で死んだの2匹と、なぜか野外で捕まったの1匹。飼育カイウサギにダニはなく、野外のカイウサギにもダニは少しだけ。日本にはカイウサギにつくダニは少ないってことだろうか。
野外で捕まったカイウサギは、茶色くて、一見ノウサギ風。だけど、比べてみると、後足の長さが全然違うし、尻尾の長さも全然違うし、耳の長さも違う感じ。後足が長くて、尻尾の短く、耳の長めのノウサギは、草地を走り回るのに適してるんだろうか。
皮剥きしたのは垂れ耳のカイウサギ。耳の根元の関節があるのかな?というくらい、耳が根元を起点によく動く。ノウサギや垂れ耳でないカイウサギの耳の根元も動くけど、そこまでじゃない。剥いたら、さぞかし見慣れない構造があるかと思ったのだけど、とりたてて他のウサギと違いはない様子。ただ、耳の付け根の軟骨が、柔らかい感じはした。それで、耳を立てられないのかもしれない。
ウサギは外部性器が目立たないので、性別判定には、内臓で生殖器を確認する。でも、雄の精巣は細長くて、なんか妙な場所にあるし。子宮も非繁殖期は細長い卵管の先に、小さな膨らみがある程度。とても判断が難しそうなので、副団長に押しつける。でもまあ、仕方なく内臓をよく見るのだけど、腸に変な構造が! シイタケの断面みたい! とか騒いでいたら、それはツブツブ糞を腸でツブツブ糞を作ってるところと言われる。肉団子を作ってるようではあるが、そうまでしてわざわざツブツブにしなくても、そのままニョロッと排泄すればいいのに、と思わなくもない。
小さい頃から知ってる子が、高校に入学したので、お祝いのパーティがあるという。声をかけられたので、行ってみることに。行くからには何かしら合格祝いがいりそう。知り合いの子どもは多いので、そのすべてに合格祝いをあげてたら破産してしまいそう。でも、お祝いの会に行くならお祝いはいるかぁ。で、なんとなく本でもあげることに。
が、しかし。自分が子どもの頃に、中学入学祝いにもらった本の記憶がまだ残ってる。中学生になったら、これくらいを読まないと。とまあ、偉そうに、こちらがどれくらい本を読むかも、どんな本を読むかも知らない大人からもらった本が、『次郎物語』。暇で、読む物がなくなったときに読んだけど、つまらんかった。その大人の評価が下がったのは言うまでもない。
というくらい、本をプレゼントするのはリスキー。この場合、その子が好きそうな分野は知ってるけど、好きな分野ほど既に持ってる可能性も高い。ほんとなら、本棚を見せてもらってから本を決めたい。けど、それではパーティに間に合わない…。というわけで、適当に2冊選んで持って行った。
到着してすぐに本棚を見つけたので、並んでいる本をチェック。2冊の内、片方がかぶってる〜。でも、それなら方向性は正しかったってことで。とりあえずかぶってない方の1冊を渡した。じつは、それにしようかと悩んだ本が、本棚にもう1冊並んでいて、あぶなく2冊ともかぶるところであった。危ない危ない。
ちなみにかぶっていたのは『日本の渚』。かぶってなかったのは、『生命は細部に宿りたもう』。あぶなくかぶりそうになったのは、『進化とはなんだろうか』。
河内長野市南部で、サシバの調査。田んぼ脇の斜面で4時間の定点観察。やがて地元の婆ちゃんがやってきて、道ばたの草刈りを始めた。ちょうど定点の真下。やがて登ってきて、目が合った。こんにちわ。婆ちゃん、なぜか嬉しそうに笑って、隣に座って休憩。というか話をはじめる。こちらは周囲の空から目を離せないのでけど、それでも出来るだけ愛想良く、話に相づち。
昔は10軒あったのに、今は8軒になってしまい。空き家は屋根が壊れて、雨が漏ってるんだそう。子も孫もいて、家は広いのに、みんな河内長野の市街地や新興住宅地に住んでいるらしい。
時々、ひ孫を連れて遊びに来てくれて、ついでにコメや野菜を持って帰る。あんたも欲しかったらあげるで。コメ作ってもぜんぜん売れへんし、食べる量もしれてるから、いっぱいたまってるねん。前の小屋もコメでいっぱいや。もう作っても仕方ないから、コメ作りやめてる人もいる。ワラビとかナンテンの実とかの方がよっぽど売れる。で、ナンテン畑の草刈りしてるねん。
この畑も前の田んぼも、この周りの山もうちの土地や。そこ向こうに行ったら、竹林があるからタケノコ採って帰り。
婆ちゃんは、90歳だという。腰は曲がってるけど、とても足腰は達者。急な斜面をヒョイヒョイの登ってきた。よその草刈りのおっちゃんは、草刈り機を使ってるけど、婆ちゃんは鎌一本。耳もよう聞こえてて、普通に会話できた。
大阪府にも限界集落があったんだねぇ。でも、かなり交通の便のいい場所なので、街から頻繁に子や孫が来てくれるところは、さすが大阪府といったところか。
4月1日といえばエイプリルフール。でも研究者界隈では、科研費の採択結果が公表される日として、より重要。今年は1日が土曜だからいつ発表なんだろう?と思っていたら、やはり1日に発表だったらしい。採択された人だ!と階段ですれ違った草地屋に言われて、採択されたことを知ったのだけど、信じられないので、萌蔵に確認。萌蔵も採択されたと行ったけど、エイプリルフールだから信じられず。学振のサイトを見に行って採択されたかのようになっているけど、エイプリルフールだからなぁ。翌日、学振のサイトの表示が変わってないので、ようやく信じた感じ。もう一つ分担者になってる科研費も採択されたという連絡があったので、今回は2勝0敗。昨年から研究分担者(名前だけに近くて、研究費はほんの少し)になってるのも1つあるので、3つも科研費を持ってることに!と書くと、とても優秀な研究者のようである。でも、全部博物館学なのが、ちょっと素直には喜べない理系研究者なのであった。
4月になって新たにやってきたと言えば、科研費の他に新しいお友達。こちらは現時点で評価すれば、2勝1敗な感じ。困ったもんだ。
そんな4月を振り返ってみよう。
ルーティンのため池調査、大和川調査は無事完了。先月スタートしたカラスの巣調査は、まだ巣をつくってないつがいが3ペアほどいる感じだけど、早くも山場を超えた感じ。
外来生物調査プロジェクトでは、コブハクチョウの情報募集を本格的に稼働させた。今年度は、例のテントウムシの他に、カミキリムシや陸貝、メダカ類やドジョウ、タウナギの調査にも参入する予定なので、忙しそう。
2年の準備期間を経て、ようやく本格的に南河内のサシバ調査もスタート。まだ、担当の2地点の調査には行けてないけど、他の人は着々と調査を進めているので、少し焦り気味。
普及行事は、前半は関西自然保護機構大会と大阪鳥類研究グループ総会と、2週続けて、運営準備と発表のダブルのお仕事。一方後半はゆったりしていて、月末の子ども祭りも今年は当日だけ。
と思いきや、ジュニア自然史クラブ、鳥の調査の勉強会、鳥類フィールドセミナーを、今年度もスタートさせた。
で、今年も11月に大阪自然史フェスティバルがあるので、その準備をスタートさせないといけない。が、これはとりあえず担当者を決めただけ。
友の会合宿も新展開のために打合せが必要。だけど、ゴールデンウィーク明けかなぁ。
そしてなにより7月スタートの瀬戸内海の特別展の準備がどんどん動いていく。ポスターデザイン案がかたまり、プレス発表の準備ができ、役割分担も決定。ただ2月末締め切りだった解説書の原稿がそろっていないのが心配。一方、外部資金がとれたので、ザトウクジラの全身骨格を組み立てられることに。担当者たちはそれで右往左往。
とまあ忙しい中、
読んだ本は、SF4冊と自然史系7冊。割と読んでた。講演や査読はとくになし。
子どもの頃から博物館に出入りして、今や高校生、大学生、そして社会人になった面々が、今日の行事でけっこう集まった。大きくなっても、また博物館に来てもらえるのは有り難い。みんな自分とこの子みたいな感じ。それが頑張っていると嬉しいし、応援したくなる。
一方、今日初めて、みんなの前で発表した小学生もいる。100人近い人の前で、堂々と喋るのは立派だなぁと思う。自分が小学生の頃なら絶対にできなかったな。
高州の瀬ってのは、岡山県倉敷市の西端にある干潟。河口干潟でも前浜干潟でもなく、沖合に中洲のように出現する。で、渡船で渡してもらう。
昨日、その高州の瀬に行った。2年前の5月に続いて2回目。今回は夏の瀬戸内海の特別展に向けて、展示用の標本をとるという重大なミッションがある。捕獲指令が出ているのは、ゴゴシマユムシ、ウミヒメカノコ、ウミヒルモ、アマモの花。撮影もしないといけないから、見つけたら教えろってことかな。
もうすぐ干出しはじめるかな、という頃に船から降ろしてもらえる。足を海水に浸けてウロウロする。とにかく潮干狩りの人が多い西の方は後回しにして、細長く延びていく干出部分を追いかけて、どんどん東に向かう。ボーリングのピンみたいというゴゴシマユムシの特徴的な糞を探しながら。
ついでに地面が盛り上がってたら下をチェック。アケガイがけっこう見つかるので、夕食用に確保することにした。他に腕のめっちゃ長いヒシガニ、マメじゃないコブシガニ、ウミフクロウ、キセワタ、ツメタガイもよく出た。ユムシが一度出たから、盛り上がり、確保して萌蔵に持って行ったが、普通のユムシだった…。残念。
砂地をピチピチ跳ねるナメクジウオを拾い、水たまりでミミイカをすくい、大きなアカニシを拾ったらイイダコが入ってた。打ち上げアマモにはオオワレカラがいっぱい。太いしましまのヒモムシを採った!と思ったらサナダユムシの口吻だった。
普通の岸につながった干潟ではあまり見られない浅海性の動物がいろいろみられる。生きものの密度も高く、表面を見ているだけでもけっこう見られる。結局ミッションは、アマモの花しか達成されなかったけど、とにかく楽しい。また来たい。
大阪市内で記録されている生物リストを作る。って企画に関わることに。で、当然ながら担当は、鳥類、爬虫類、両生類、哺乳類。鳥類はさておき、ほかはたいした種数はないから、楽勝。かと思いきや、意外と面倒。今、何がいるかはさすがにだいたい知ってるけど、昔何がいたかはなかなか難しい。たまたま標本が残ってるといいんだけど、なかなか大阪市内で採集しておいてくれないし。とくに普通種だったのが微妙。悩み中なのは、コウベモグラ、ハタネズミ、アカハライモリ。とぼやいたら、今もコウベモグラはいると教えてもらえた。後の2種は今は確実にいないけど、昔はいたっぽいよなぁ。
一方、種数が多くて面倒と思った鳥類リストの方が簡単だった。なんせ、この3月に『大阪府鳥類目録2016』が出たところで、この目録にはけっこう真面目に観察データが収録されているからね。
ちなみに大阪府で記録されている鳥364種(移入種は含めず)の内、310種が大阪市内で記録されている。なんせ南港野鳥園をはじめとする埋立地と淀川、そして大阪城公園があるからね。
隔月で、課題本の紹介文を持ち寄って、本についてあれこれ言い合うサークル。今日の会合で出た本についての意見を記録。
今日の課題本は7冊。1冊は次回へ持ち越しとなり、前回からの持ち越しが2冊あったので、8冊についてあれこれ話し合った。
ちなみに各人は紹介文を書いてきていてて、4つを最大として★を付けている。
●「鳥獣害」
(紹介文3つ、平均★数は2.3)
大学を退官した農業経済研究者が、農作業はじめたら獣害に遭遇して、ちょっと獣害について書いてみた。ディープエコロジーや東西の動物観の紹介をしておきながら、鳥獣害の話にぜんぜん収束しない。もっと鳥獣害に対して、どんな対策が行われているか勉強して、書いたらどうなん。と一人気炎を吐いていたのは私。
●「海の寄生・共生生物図鑑」
(紹介文3つ、平均★数は3.3)
とにかく小さな生き物の綺麗な写真が並んでいる。寄生生物と聞くと気持ち悪そうだけど、意外なほど可愛い。海の小さな動物にはなかなか目が行ってなかったけど、こんなの多様で綺麗だったのか〜。と、とても評判がよかった。寄生でも共生でもない生き物もけっこう出てくるので、タイトルはどうかなぁ、という声があった。
●「泳ぐイノシシの時代」
(紹介文3つ、平均★数は2.7)
イノシシって泳げるらしい。それどころか、こんなにあちこちの島に進出してるとは!という驚きはあるのだけど、瀬戸内海の島々のイノシシの分布に興味があるとか、特殊な興味を持っている人以外にはそれ以上ではないらしい。
●「「幻の鳥」オオトラツグミはキョローンと鳴く」
(紹介文5つ、平均★数は2.6)
前半はサンコウチョウの話ばかりで、後半になってようやくオオトラツグミが登場。ってことで、2冊に分けたらいいのにという声。このシリーズの定番は、研究者を目指す若者が、訳の解らないままフィールドに出かけて苦労するって展開なので、むしろサンコウチョウだけでまとめた方がよかったかも。ただ、サンコウチョウの研究は一番肝心な疑問が解決してないしなぁ。と、妙に事情通なコメントが。
●「カメムシ おもしろ生態と上手なつきあい方」
(紹介文2つ、平均★数は2.5)
脈絡無く、カメムシの名前がいっぱい出てくるだけやん。という声がある一方、嫌われ者イメージしかなかった人にとっては、カメムシを愛でまくる人がいるだけでも新鮮だった様子。
●「恐竜はホタルを見たか」
(紹介文4つ、平均★数は3.8)
ホタルに留まらず、むしろ深海魚の生物発光の話。発光メカニズムの話は珍しいし、化学的過ぎずに上手に説明してくれて、進化にも思いをはせられる構成は、とても評判が良かった。
●「地球の歴史」
(紹介文3つ、平均★数は2.7)
宇宙創生から現在までの地球の歴史を描いてくれているという評価がある一方で、著者の専門の火山以外の部分の信頼性が低いとの厳しい意見も。
●「温泉と地球科学」
(紹介文2つ、平均★数は2.5)
7人による分担執筆。それだけに章による出来不出来の差が大きい。ということで、全体に評価は低め。
とある大学のNPOに所属する学生さんが、話をうかがいたいと来館。2回生になったばかりと聞いたが、スーツにネクタイ、名刺まで持っていた。話し方も、御博物館に、弊NPOとなんか不思議なビジネストーク風トーク。背伸び感がとても微笑ましい。
なんでも海外にインターン学生を送り出し&海外からのインターン学生の受入をコーディネイトをするNPOらしい。世界的な組織で、各国の大学ごとに支部があるようなイメージ(たぶん)。で、今度環境問題をテーマに、東南アジアに送り出し/受け入れる企画を検討していて相談したいとのこと。
どうやら熱帯雨林の減少の問題を取り上げたいらしい。イメージはオランウータンが棲んでいる森林。たぶんボルネオ。で、熱帯雨林の減少の問題とか、オランウータンの話とか説明しはじめる。誰に向かって説明しとんねん、と思いつつもとりあえず説明を聞いてみる。昨日今日の付け刃が丸わかり。浅く狭い知識しかなさそう。
オランウータンな関係施設で、すでにインターンを受け入れてくれる場所の話がついてて、あとは学生を募集すればいいらしい。で、日本側では、どこに受け入れて何のインターンをしてもらうのかと訊ねたら、日本の優れた技術を勉強しにきてもらって、自国での環境問題の解決に役立ててもらうとか。この上から目線はなに?
カチンときた。ここから、口調が厳しくなったと思う。
日本が優れているって何が優れてる? 日本に環境問題がないとでも? 全然解決できてないやないか。
そもそもオランウータンを見に行って、熱帯林減少の問題の何の勉強になる? オランウータン可哀想って思って帰ってくるだけ。熱帯林減少の根本は、社会問題だし、貧困の問題だし、格差の問題。そこには日本の消費者にも大きな責任がある。それを学ばんでどうする?
だいたい、その程度の知識しかなくて、まともにコーディネートができるわけがない。専門家になれとは言わんけど、さほど負けないくらいの知識があってこそ、きちんとしたコーディネートができるんとちゃうんか。
という内容を、可能な限り優しく伝えた。つもり。まあ、カチンと来てるどう伝わったかは知らんけど。まずコーディネイト側が熱帯林の保全の問題の勉強をもっとするように、というのを結論にしてみた。
根本からボロクソに言った訳だけど、後で落ち着いて考えると、なにかしらアクションを起こそうとしてるだけでも、もっと褒めてみてもよかったかもしれない。でも、カチンときたし…。
この安楽椅子探偵のもとへ、新たな依頼人がやってきた。H県警の警部と警部補だった。手にはカラスの死体があった。事故や病死とは考えにくく、殺鳥事件なのは確かだろう。問題は、人による犯行か否か。
殺されたのはハシボソガラス。死体は、背から首が切り開かれ、肉が喰われてる。現場写真を見せてもらうと、死体の近くに抜かれた羽根が散乱している。
抜かれた羽根が持ち込まれなかったので断定はできないが、羽を抜いて、肉を喰ったのは鳥の可能性が高い。カラスが食べた可能性すらある。しかし、殺したのが誰かは分からない。
この事件、残念ながら迷宮入りとなりそうである。
ついでにハトの首なし死体事件の相談も受けた。現場写真を見せられる。これにかんしては、多くの場合カラスの犯行だろうというのが、専門家の間の一致した意見。実際、ハトの首をちぎって持ち去るカラスも観察されている。もちろん人の犯行の可能性は否定できないが、カラスもすることがある。と説明。説明は関係者を集めて、やりたかったな。
コブハクチョウの駆除につながらないならコブハクチョウ情報を提供するという連絡がきた。ヌートリアの情報を募集した時に似ていて興味深い。ヌートリアも駆除されないなら、情報を教えるという話を時々もらう。
ぶっちゃけ、コブハクチョウもヌートリアも、侵略的外来生物なので、日本の野外にいない方が望ましい。だから、可能なら駆除してしまった方がいいと考えている。それが可哀想というなら、死ぬまで飼育下におくしかない。
って答えたら、情報くれるかどうか分からない。で、
コブハクチョウ(ヌートリアでも)を駆除するには許可が必要です。博物館は許可をもっていません。またいちいち駆除作業を行う時間もありません。また行政の担当部署に伝えたところで、農業被害などが出ていない限りは駆除は行われないと思います。現在は、生息状況の把握に努めているところなので、情報を提供していただいても直接駆除にはつながりません。
てな感じで答えてみる。間違ってもないし、ウソでもない。ただ、本音を隠しているようで、ちょっと後ろめたい。でも、いちいち議論して説得を、とかやっても時間ばかりかかりそうで躊躇ってしまう。
3度目の正直にして、やっと服部緑地での行事が実施できた。暑いくらいの良い天気。100人近い参加者。緑地の人出も多く、参加者に迷子が出たかも…。とにかくスタート時に、午前中にはぐれた場合の合流場所を教え、午後は列が伸びないように注意しながらゆっくり進んだ。
先頭をおおせつかったので、後ろを気にして列が伸びすぎないように気を遣いながら進む。こういう進み方をすると、前の方にいる人は、ちょっと進んでは止まって後ろを待つをくり返してる感じになりがち。待ち時間をどうするかに気を使う。そして、予想通り植物屋が遅い。本人は早めに進んでいるつもりらしいが、鳥屋的には話にならない。
見るべき鳥なんかすぐに消費してしまうので、仕方なく他のものを観察する。池に見えてるのはアカミミガメ。街中の公園なのになぜかタンポポがカンサイタンポポばっかり。落ち葉の下を走り回ってるのは野外にいるゴキブリやで〜。飛んでるクマバチは占有行動をしてるオスだから刺さない。ヒメタニシを採って見せて。とにかく後ろを待ってる間の時間をつぶすネタを探す。カワセミが出てくれた時はホッとした。
午後は、植物のネタは尽きたらしくヌマスギとメタセコイアの説明くらいしかなかった。こちらもネタが尽き気味。というわけで、観察会としてはさておき、スムーズに進んだ。むしろアオサギの巣とか、背中にヒナを乗せたカイツブリとかが出たので、午後は鳥ネタの方が多かったかも。
こういう観察会では、どこで何が出るか分からない鳥よりも、植物や虫のネタの方が予測性が高い。鳥屋が先頭でドンドン進むとまずいので、あらかじめもっと植物や虫のネタを仕込んでおけばいいんだな。後ろで説明してる内容とかぶってもいいんだし。と学習した。
関西のコブハクチョウ情報をネットで検索して調べていて、昆陽池のコブハクチョウの話が出てきた。よーく読むとひっくり返りそうになった。見つけた資料には、コブハクチョウがどんどん繁殖して増えていることを自慢げに書いてある! それどころか、関西一円のさまざまな施設に譲りまくったことまで書いてある。外来生物問題というものが、指摘されなかった時代はこんなもんだったらしい。
なんというか、もしかして関西圏のかなり多くのコブハクチョウが、昆陽池由来だったりするんだろうか?
服部緑地に行事の下見に行った。4月に服部緑地に行くのは、もはやここ3年の恒例行事。下見しては、行事本番は雨天中止を2回操り返している。
下見も3回目やから、もう今更下見することもないだろう。と思って来てみたが、過去2年とは全然違う。まだサクラの花が残り、公園が妙に良い感じ。池の様子も変わってきている。当然ながら観察できるネタ、話のネタも違ってきそう。やはり毎回きちんと下見をするのは大切らしい。
せっかく下見はしたものの、今年も週末天気予報を見ると、土日に傘マークが付いてきている。過去2年とそっくり。午前中は雨予報で、朝方は雨が降ってるけど、昼前に止むといういつものパターンで来る気らしい。もう騙されないぞ。たとえ雨でも、今年は決行しような。と、タッシーと誓い合った。
新しい学芸員が3人も入ったので、オリエンテーションをせよとのお達し。ここ数年、博物館実習生向けのオリエンテーションをしてるんだから、それを使い回せばいいだろう。ってことらしい。まあそうだけど、でもやっぱり内容は少し違うし、何より2時間かかるし。
仕方なく、博物館実習向けのオリエンテーションを、職員向けに少しアレンジして説明。博物館の予算や科研費がらみ、友の会やサークルとの関わりなどを詳しめに解説。館内探検は自分でみとけとばかりに省略。
【追記】
ところで3人に声をかけたのに、2人しか来なかった。どういうことだろう? 確かに分かってる人は聞きに来なくていいとは言ったが、おまえ分かってないやろ。
Eguchi & Amano(2004)によれば、36種。『日本鳥類目録 改訂第7版』(2012)によれば、43種。8年経てば増えるのは判るのだけど、微妙にずれてるのは判らない。
年度が替わったら、すぐに動き出すのが館報の製作。昨年度の活動をまとめて、冊子にして、宣伝できるように準備しなくっちゃ!てなもん。で、年度末時点の標本点数をチェックする。っていうか、標本点数を数えるのは面倒なので、この一年の間に増えた分をチェックして、一年前の数字に足すというのが楽。といっても、担当しているのは鳥類と哺乳類の標本だけなので、たいしたことはない。
鳥類と哺乳類を合わせた標本点数は、2年前に1万点を超えた。20年前には3000点を切っていたことを考えると、隔世の感がある。
で、昨年度末時点での鳥類標本は約7600点、哺乳類標本は約3200点。そしてなにより重要なのは、この一年で約200点ずつ増えている(実際は哺乳類は200点弱)。ここ数年で一番の頑張りである。このペースでいけば、それぞれ単独で1万点を超えるのは、鳥類が12年後、哺乳類が34年後。鳥類はとりあえず1万点を目標に! 哺乳類は1万点は遠すぎるので、5千点? 5千点なら9年後。そこを目標だ! 鳥類のペースを少し上げて、10年後、鳥類1万点、哺乳類5千点達成で、お祝いだ!
鳥類標本点数が1万点となると、日本で5本の指に入るなぁ。今でも6本目の指だけど…。
バリケンって野外で時々見かけるけど、放し飼いからの野良バリケン程度に思っていた。が、なにげなくTwitterを見てたら、奄美大島で野外でバリケンのヒナを見たというツイート。まさか野外で勝手に繁殖することがあったとは…。とツイートしたら、つくば市でも見たことがあると教えて頂いた。
野外で繁殖してるとなると、家禽扱いではすまない。外来生物として扱わなくては。と思って、日本鳥類目録を開いてみたけど、まるで載ってない。載せておいた方が、良くないかな? そして、外来鳥類調査でも、対象に含めて考えなくては。
今日は、外来生物調査プロジェクトProject Aの報告会というか、調査計画発表会というか。なかなか盛りだくさんの内容で、全部できるのかなぁ、と思いつつ、できるだけあちこちの調査に関わって行こうかな、って感じ。
とりあえず各班のテーマをリストアップしておこう。
昆虫班:アカハネオンブバッタ、クビアカツヤカミキリ、ムネアカオオクロテントウ、アトジロサシガメ、タケクマバチ、ムネアカハラビロカマキリなど
→もりだくさんで楽しそう。とりあえずアカハネオンブバッタとムネアカオオクロテントウには参加しよう。
植物班:コゴメイ・イグサ、ヨシススキ。
→どちらも地味だなぁ。アメリカオニアザミは一段落とのことだけど、それに匹敵する分かりやすいターゲットが欲しいなぁ。
貝班:スクミリンゴガイ、オオクビキレガイ
→スクミリンゴガイには参加予定。オオクビキレガイは見つけ方が今一つわからん。
外来の淡水エビもやって欲しいなぁ。
魚班:カダヤシ-メダカ、グッピー、外来系統のドジョウ、カラドジョウ、タウナギ
→カダヤシ-メダカの勢力図作りは楽しそう。水網を持ってウロウロしてみよう。タイワンドジョウは断念したらしい。捕まえるの大変だからなぁ。
鳥班:ハッカチョウ、ソウシチョウ、コブハクチョウ
→ハッカチョウとソウシチョウは補完的に。メインはコブハクチョウかなぁ。ただ大阪府では場所が限られるので、盛り上がらないなぁ。
というわけで、両生爬虫類や哺乳類も含めて、陸上脊椎動物で面白い調査できないか、もう少し検討する予定。
市民参加での外来生物調査で科研費がとれた。そのテーマの一つは、外来生物調査に参加することで、外来生物問題への理解が深まるかどうか。それを評価するためにアンケートをすることになっている。どんなアンケートをすれば判るかなぁ。また試験みたいって言われるなぁ。
今月末の会議で、学芸員の役割分担を決める。今年度は、3人抜けて、新人が3人入ってきた。ので、大きな改変を行うチャンス。なんとなく学芸員が数人集まり、どのような体制が望ましいかの話になる。そして、話は標本委員会に。
収蔵庫の管理などを担当する標本委員会は、大幅に入れかわる。もう一から立ち上げるに等しい。この機会にちゃんと働く標本委員会にせねば! で、標本委員会の一番の課題といえば、収蔵庫が満杯になりつつある。どころか既に満杯で、強引に詰め込むしかなくなっていること。どうするべ?
視察に行ったんじゃなくって、視察に来られた。ゆるくやってるだけなので、見ても得るものはないと思うよ〜、と返事したんだけど、それでも見たいというのでOKした。
うわっ、ほんまに見学に来た。2人で来るとは聞いてないぞ。と、最初は思ったけど、ひっきりなしに何か仕掛けてくる中学生たちの相手が忙しくて、2人のことはすっかり忘れていた。行事が終わって一段落。そう言えば、見学に来てたんだっけ。
こんなん見学して、ほんまに何かの役に立つんかなぁ。とおもったが、あとから来た御礼のメールにこんなことが書いてあった。
自分のところでは、施設側が子ども達に提案して、それをさせていた。が、子ども達がどこか窮屈そうだと思っていた。ゆるーい感じが、子どもの自主性を尊重していて参考になった。
ゆるさが参考になったらしい。しらんけど。
この4月に新たに採用された学芸員3人が、管理職に連れられてきた。館内を回って挨拶しているのを、上手にかわし、席で仕事をしていると、動物研究室の新旧魚類担当がやってきた。引き継ぎをしているらしい。といっても、コンピュータの設定をどうするか二人とも判らず、管理者にヘルプを頼む。やってきた管理者に偉そうに怒られている旧魚類担当、それを驚きながら眺めている新魚類担当。博物館の真の力関係を学ぶ良い機会であろう。と放置していたら、火の粉がこっちに飛んできた。旧魚類担当の尻ぬぐいはお前がしろ、と…。ほら、博物館の真の力関係がよく分かったでしょ? 頑張ってね。
今日のなにわホネホネ団鳥の日は、千葉県・茨城県方面の海岸から届いたアカエリカイツブリ祭り。と思ったら、1羽だけカンムリカイツブリが混じってたけど。
房総半島辺りで鳥の死体を拾ってきてくれる方が現れて、セグロカモメやウミネコの死体がたくさん手に入るようになった。のみならず、クロガモ、アカエリカイツブリ、フルマカモメ、オオハム、ミツユビカモメ、ウミスズメなんてのも、さほど珍しい鳥ではなくなった。それまでは死体どころか、生きたのもほとんど見たことがなかったのに。
とはいえ、アカエリカイツブリがやってくるのは初めて。剥いたことがないから楽しみ。密かに、剥いた鳥の種類を記録してたりするんだな。鳥剥きのライファーってわけ。
まずは、砂まみれのをできるだけはたいて、測定。と同時にあちこちを観察。8羽中6羽が、2mm以上も上嘴が長いのはどうしてだろう。脚は外側が黒く、内側が黄色っぽい。サイズや喉・腹の模様に変異があるのだけど、内臓が痛んでいて、性差なのかよく分からないのは知らなかった。アカエリがカンカイほぼ同サイズとか知らなかった。
で、皮剥きタイムに突入。他にもコシジロウミツバメやウミスズメを処理しないといけないので、お楽しみのアカエリカイツブリは後回し。と、思って作業して、ふと気付くと残っているカイツブリ類は、カンムリカイツブリだけだった。ライファーが…。
今日は4月恒例。鳥の調査研究をしてみたいみんなが集まって、研究計画を言い合う日。充分まとまった調査企画がある人や、すでにデータを持ってる人には、調査方法やまとめ方への助言。何をしたらいいか固まっていない人には、いろいろ聞き出した上で、なんとなく実行可能な方向へ誘導。12人に対応して2時間半。
その結果、決まったテーマをざっと並べると
・公園での羽根拾いはデータ取るのは一段落。スズメの砂浴びは、行動観察を盛り込むと話が膨らみそう。
・カワウの繁殖期。巣場所ごとの繁殖成績の整理をしてみよう。
・ムクドリの換羽データはまとめるだけ。ジョウビタキのねぐら。
・ヒヨドリの鳴き声の意味を知るべく、行動との対応を観察。すべての声ではなく、扱いやすい声を選んだ方がよさそう。
・カラスの巣のハンガー利用と周りの環境。古巣の建て替えの話をもう少し詳しく調査。
・ため池の水鳥の観察を、とりあえず1年続ける。
・サクラの花を食べるスズメ。サクラの品種による違い。調査地を増やした方がよさそう。
・河川のイカルチドリの個体数の季節変化。利用環境を調べたいなら、環境の区分の仕方を考えた方がいい。
・池の周辺の鳥のセンサス。とりあえず一年続けてみる。地図上にプロットもしたらいいかも。
・公園の鳥のセンサス。5年は続ける!
・シジュウカラの声の変異。声の記録の仕方の練習、声と行動の区分を考える必要あり。
・セキレイ類の広域センサス。とにかく長く続けてみよう。