(2005年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、2006年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、
2007年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、2008年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、
2009年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、2010年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、
2011年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、2012年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、
2013年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、2014年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、
2015年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、2016年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、2017年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月)
大きなイベントが少なく、ちょっとのんびりした感じの中、2年振りに鳥学会大会にフル参戦したのが一番目立つ出来事。ここ数年、2年に1度のペースでしか参戦できていない。友達少ないし社交性もないのに、ちょっとした気の迷いで懇親会にも参加してしまった。手持ち無沙汰だった。
そんな、9月を振り返ってみよう。
ルーティンのため池調査、大和川調査は無事完了。
外来生物調査プロジェクトのコブハクチョウの情報募集は停滞中。メダカ調査やスクミ調査、アカハネオンブバッタにムネアカオオクロテントウと参加予定の調査はいろいろあるのに、なんとなくあまり調査せずに1ヶ月が終わった…。
標本作りは、なんといっても9月頭に大和川に入り込んで、鳥学会大会参戦直前に打ち上がって、運ばれてきたハンドウイルカ(仮)。とにかく、ざっと解体して砂場に配置したけど、もう少し処理が必要。その勢いで、砂場のホネを回収したら、砂場がクジラ・イルカだらけになった。
名古屋方面の名誉教授から、タヌキやキツネなどの骨格をたくさん寄贈頂いたので、とりあえず冷凍室にたたき込んでみた。
普及行事は、あまり大きなものはなく、ジュニア自然史クラブや大阪鳥類研究グループの観察会があった以外は、大人のホネ標本作りの実習があった程度。ダチョウの首の肉は、どろくほど美味かった。ダチョウ頭のホネ作りも驚くほどスムーズに終わった。
11月の大阪自然史フェスティバルはプレス発表して、チラシもゲラがあがってきた。出展者の配置もかたまりつつある。スタッフTシャツも手配した。そんな中、肝心の寄付集めがまだ動き始めていない。予算的に大丈夫なのか?
瀬戸内海展の客足はやはり控えめ。あまり盛り上がらないだろうと思っていた香川県の物産展は、意外と売れたらしい。
ザトウクジラには、ザットンという名前がついた。みんな、あの宇宙恐竜のイントネーションで発音するけど、「おとん、おかん」に近いイントネーションが正解。
とまあ大きな出来事は少なかった中、
読んだ本は、自然史系2冊とSF7冊。講演は日本鳥学会大会の自由集会で1本。査読を前半にこなしたら、末に改訂稿がやってきてしまった…。
●2017年9月28日 増水時の河川敷の鳥の暮らし
月例の大和川下流部の水鳥カウントに自転車でおでかけ。夜半からの雨は、大阪市内はたいしたことがなかったんだけど、上流部ではいっぱい降ったらしい。大量の茶色い水が流れ、中州はまったくない。中州に生えた丈の高い草や小さい木の頭が出ている程度。といっても、高水敷にあふれる様子はないので、気楽に高水敷を自転車で走る。
カワウは完全に開店休業。だれも水面には出ておらず、岸の木にとまっているか、そうそうに湾岸線のねぐらに集まってる様子。アオサギ、ダイサギ、コサギたちも開店休業で、岸でぼんやりしているかと思いきや、流れの穏やかな浅瀬に入って何を狙っている個体もいる。でも、まるで無駄足っぽい。でも、頭を出してる中州の草の上にけっこう集まっていて、なにかを食べている。カルガモは、むしろ活発に活動中。流れの緩やかな場所で、盛んに流れてくる何かを食べている。なにを食べてるのかなぁ。
流れの緩やかな場所では、釣りのおじさんが2人、竿を出している。こんな時に何が釣れるんだろう?
●2017年9月27日 動画や画像のオープンデータ化の課題
大阪市立図書館は、先進的に著作権の切れた古文書などの画像をオープンデータ化して、公開しているんだそうな。しらんかった。その話を聞かせて頂いた。なかなか、いろいろ、興味深い。
とりあえず著作権の切れたのを公開しているんだけど、CC-BY宣言をしてるらしい。CC-BYってのは、著作権者が「著作権者の表示をしたら、商業利用も含めて自由に使って良いよ」っていう宣言なので。著作権の切れたのには関係ないし、著作権者でもない図書館が言い出すのもおかしな話。なんだけど、なんとなく「〜図書館蔵」とかって表示してほしいのは分からないでもない。そしてクリエイティブコモンズがー、と既存の体系で説明した方が、役所の上の方を説得しやすいってのも分かる気がする。でも、クリエイティブコモンズを理解している人からは突っ込まれるんだそうな。突っ込みそうになった…。
こうした公開をした理由の一つが、アーカイブの二次利用についての問合せが多く、その事務量を軽減するためというのも興味深い。申請という手続きは、申請する側にもされる側にも負担なんだなぁ。でも、申請しての二次利用だと、頼まなくても印刷物やCDなどで成果物を送ってきてくれるけど、CC-BYで公開すると、成果物をさっぱり送ってもらえないってのも面白い。ってゆうか、効果を評価するのには困りそう。
ひるがえって、博物館で所蔵する動画・静止画をどう扱うか。クリエイティブコモンズの枠組みで言えば、CC-BYでいいように思う。けど、商用利用に難色を示す人が多いのは難点。それがハードルになって動画・静止画が寄贈されず、結果として貴重な動画・静止画の妨げになる恐れもある。
そもそも博物館的には、営利ー非営利ではなく、研究・普及教育目的かどうかで線を引きたい気がする。営利って何?って線引きが難しいのと同様に、普及目的って何?って線引きも難しいけど、それは学芸員が判断すればいいんじゃないかな。ってところで融通をきかす。
●2017年9月23日 ダチョウ頭のホネ標本作製実習
ダチョウ頭に参加者は手こずるだろうと心配していたのだけど、気が抜けるくらいスムーズだった。大きくてかえって、初心者にとってやりやすかったらしい。
前日の準備は、道具や薬品をそろえるのに加えて、ダチョウの頭の下ごしらえがけっこうかかる。食用になる首の肉を確保して、同時に首や舌骨をはずしやすく。そして、血まみれなのを洗う(皮、鼻孔、口の中)。24個を3人で2時間ってところ。けっこう時間がかかる。大きい分、剥くべき皮や取るべき肉が多い。ちゃんと1日でホネになるんだろうかと心配になった。
手順もタイムスケジュールも、ニワトリの頭をホネにするのと同じ。ってゆうか、かけられる時間が一緒なので、変えようがない。
そして迎えた実習当日。午前は例によってお料理教室が無事終了。とにかく、なにがなんでも午前中に皮剥き・首外し・舌取り・目玉取りまでを完了させなくてはならない。でないと、今日中にホネにできない。ってことで、気合いを入れたのだけど、気が抜けるくらいにスムーズ。ほぼ全員が、45分ほどで処理できた。残りの時間で、脳を出して、茹でて、大ざっぱな肉取りまで進めた。ネットに入れて、パイプ洗浄液に浸けて昼休み。
昨日の下処理で確保した首の肉を、ハッシュドダチョウに。午前中の肉取りで確保した肉を、ダチョウ炒めに。で、お昼にみんなで味見した。臭みがなくて、とても美味しい。気管はコリコリしてうまいけど、噛みきれない…。食材として売ってるだけはある。もっと食べたい。来年もダチョウ頭をしようかなぁ。
午後の前半は、パイプスルーに1時間ほど浸けた頭骨の肉をひたすらむしる。カニ喰いに行ってるのに似てて、集中してると無口になる。分からない人に時々教える以外は仕事がない。暇なので参加者の手が回っていない首のホネを勝手に肉取り。熱中して指導を忘れるとか…。1時間半で終了、というか時間がきたらネットに入れて、過酸化水素水へ。
1時間ほど休憩。暇なので、希望者を引き連れて、博物館裏で水に付けているオキゴンドウの頭骨や、砂場に転がっているハンドウイルカなどを見せる。蚊にいっぱいかまれたけど、それなりに楽しかったらしい。事前に見せると言っててくれたら、もっと肌を出してない格好をしてきたのにという声が…。
過酸化水素水からあげて、さらに30分ほど肉取り。台に固定して、持って帰ってからの扱いを説明して終了。終了はしたのだけど、その後も処理を続けてもいいよと言ったら、参加者の70%ほどはその後も作業。さらに肉取りをしたり、耳小柱で盛り上がったり、皮の処理をしたり。解散後の時間がけっこう良い感じだった。
事前の心配に反して、とてもスムーズに作業が進んだ。ダチョウ頭は、大きくて細部が分かりやすく、丈夫で、脂肪が少ない。といった点で、初心者向きであったらしい。目玉は、瞳の部分を切り取って、中身を出して洗うと、目玉の親父のようなのが出来て、頭骨にはめると格好いいということが発見された。
●2017年9月21日 外部評価を外部評価する?
博物館は数年後には、地方独立行政法人というのになるらしい。地方独立行政法人とやらは、毎年、そして5年ごとにと、頻繁に外部評価が行われる。その練習ってわけでもないけど、外部評価についていろいろ考えてみた。
地方独立行政法人になるまえの今の運営体制は、指定管理。その前は直営だった。直営時代は、外部評価というのは一度も聞いたことがないけど、指定管理になってからは何度か外部評価というのをしている。
よそではどうだか知らないけれど、こちとらでは外部評価で重要なのは、その前のきちんとした内部評価であると認識している。そもそも外部評価者は、しょせん外部の人たち。内部事情のことはよく分からない。なにかしらの指針無しにきちんとした外部評価ができるわけもない。一方、内部評価だけでは、視野が狭かったり、自分たちに甘かったり、と問題点も容易に想像できる。つまり内部評価と外部評価が相互に補完しあってこそ、しっかりした評価が可能になるってもんだろう。
で、気になるのは内部評価と外部評価の相互補完がきちんと機能しているかどうか。それ自体、すなわち外部評価を評価することも必要なんじゃないか。
そんな事を考えてたら、今日の会議は、この数年間の指定管理を外部評価することになりそうな展開。まあそれでもいいけど。
●2017年9月20日 コシアカツバメの秋の渡り
香川県からコシアカツバメの100羽を超える集団を観察したという情報を頂いた。香川県ではほとんどコシアカツバメは繁殖していないので、きっと渡りの途中の群れだと思うとのこと。わたしもそう思う!
関西では、9月後半から10月前半頃に、コシアカツバメの集団がしばしば観察される。淀川とかの河川敷上空を数十羽が飛んでいた。というのはさておき、注目しているのは、朝や夕方に電線などに100羽を超える集団が集まっているというもの。そうした大集団が観察される場所はけっこう限られていて、論文にもなっているのは奈良県の曽爾高原。ここでは草地へのねぐら入りも確認されている。奈良県では他に橿原市でもよく観察されている。
ほかによく観察されているのは、池田市の谷筋の山際、宝塚市や川西市でも似たような山に近い場所で記録される。こちらは、いずれもねぐら入りは観察されていないので、どこがねぐらか気になるところ。
これはいずれも渡りの途中の集団と思われる。だとしたら、渡りのルート上で、こうした集団が見つかってると考えることができる。
曽爾高原から橿原市、そして香川県って、一つの渡りルート上と考えても違和感がないなぁ。だとしたら、池田市〜宝塚市のルートはどこに伸びてるんだろう?
●2017年9月19日 砂場の手入れ、イルカ砂場
7月にオキゴンドウが来たのに続いて、9月にはハンドウイルカが届いて、軽く処理した。9月には新鮮なスナメリ3匹の処理もした。というわけで、イルカたちをセットしなくてはならない。
砂場の地図(砂場のどこに何を置いて、何を埋めたかを、セットした日付と種名・登録番号を記した宝の地図があるのである)を見ると、今砂場にセットされているのは、オキゴンドウを除けば、すべて一夏を越しているので、早めに回収も必要。
というわけで、今日は、ホネ砂場の作業の日。と勝手に決めたので、一人で作業。
とりあえず回収するのをすべて回収。全部地上にセットしてあったので、回収は簡単。砂場の砂をできるだけ取り出さないように、できるだけ砂を落とす。それでいて、袋からはみ出て行方不明になるホネがないように注意。
と、並行して夏の間に繁茂した草を抜き、たまった落ち葉を取り除く。この夏はオキゴンドウの件もあって、しばしば砂場に来ていて、それなりに草を抜いてきたので、草は少なめ。それでも粘ってるワルナスビを抜きまくり、できるだけ根っこも抜いてしまう。秋からはなんか分からんイネ科植物が生えるようになっているので、この機会にできるだけ抜いておく。
草引きに飽きたら、スナメリとハンドウいるかをセット。スナメリはすでにカゴに乗ってるのを置くだけ。ハンドウイルカは、解体しかけの胴体をひっぱってきて、ブルーシートのまま置いてみる。頭骨と前肢はカゴに乗せてセット。とりあえずセットはしたものの、頭骨は下顎をはずして、歯を抜く作業をしなくては、前肢は上側の皮を剥いて、骨の地図を書かねばならない。トリ先生にお願いしよう。
【追記】
10月4日、トリ先生に、ハンドウイルカの歯と前肢を処理頂いた。20日ほどの間にさらに腐ったりしていて、あやうく歯が抜け落ち、前肢のホネがバラバラになるところだった。無精せずに速やかに処理すべきであった。危なかった。
●2017年9月18日 日本鳥学会2017年大会 公開シンポジウム「生態学者vs外来生物」
公開シンポジウムのフルタイトルは、「生態学者vs外来生物 本気で根絶、本気で再生 奄美・沖縄・小笠原」と、外連味たっぷり。ポスター・チラシのデザインも、ネコが明らかに悪者で扇情的。と、とても怪しげなんだけど、実体はというと、きっちりした生態学的な調査研究に基づく、とても真っ当な島の外来生物対策の話。外連味とかは企画者Kさんの趣味。
ある意味、よく知られた話が並ぶけど、順を追って、今までの流れや、それぞれの時点での課題、そして成果と残された課題を説明してもらえると、改めてよく分かるし、現場のなみなみならない努力も伝わってくる。これからの外来生物対策に、とても参考になるポイントが随所にある。そして、成功事例といっていい3つの事例を見ても、まだ全然終わってないこともよく分かる。
奄美大島は長年の多くの人のがんばりの結果、マングースはほぼいなくなった。のだけど、まだ少し残っている様子。最初はおそらく数頭から増えたんだろうから、ここで数頭残したら元に戻る恐れがある。この最後の頑張りが大切そう。治ったと思っても最後まで薬を飲もうね、という話を思い出したり。
マングースがいなくなると、今度はノネコの問題が急浮上。マングースは殺処分してもあまりクレームは上がらないけど、ネコの殺処分にはクレームが多そう(なんて不公平な!)。なので、マングースよりやっかりそう。一難去ってまた一難。奄美大島の在来の動物にとっても、それを守ろうとする人にとっても苦難は終わらない。
沖縄島では、全島からのマングース除去は諦めて、半ばに柵を設けて、それ以北での対策を進めている。これも徐々に効果が出ている。でも、柵を越えてくる個体もいるだろうから、ここでも対策に終わりが見えない。そしてこちらではノネコに加えて、ノイヌの問題も出ている。
小笠原では、ヤギやノネコの対策は進んできているけど、ヤギを取り除けば、今度は外来植物が繁茂するなど。ここでも一難去ってまた一難が繰り返されている。そして、もっと対策のしにくい、陸生プラナリアとか、苦難は終わらない。
全体を通じて伝わってくるのは、対策に取り組んでいる人たちのすごい頑張り。でも一難去ってまた一難の中で、どこかで心が折れないかが心配。なんとかサポートを考える必要がありそう。
もう一つ、外来生物はすべて排除してしまえ!というトーンではなく、侵略的な外来生物に絞った対応を強調していたのも印象的。コストパフォーマンスから言って、現実的な対応とも言えるけど、これだけ外来生物が蔓延してしまった世界において、どのような生態系を維持していくかという思想自体の変化も見られるように思う。
●2017年9月14日 大和川河口のハンドウイルカ(仮)が届いた
お待ちかねの大和川河口で打ち上がっていたイルカの死体が届いた。運んで下さったのは、河川敷のゴミ処理をやってる業者さんだろうか。臭くてウジだらけの死体を軽くブルーシートでくるんだだけで(尻尾は出てる!)、気軽に運んできた。下ろしてからも、水洗いとかをしたがるでもない。いつもゴミを載せてるトラックなので、あまり気にならないのかなぁ?
イルカの大きさは、2mと聞いていたのだけど、見てみるともっと大きい。測ってみると約2.5m。50cm大きいだけだけど、そのわずかの違いで、その分胴回りも太くて、重くなる。とりあえず冷凍室に入れて、人手をかり集められる時に処理しようという目論見はあえなく崩れた。
最初は、冷凍室の前で下ろそうとしたのだけど、これは大きすぎて入らない!と気付いて、場所を変えて、博物館裏に下ろしてもらった。そして、とりあえず計測。屋外で計測していると、そんなに臭わない。と思っていたら、館内に臭いが入り込んでいて、臭い臭い。博物館裏の臭いは、館内に入ってしまうんだった〜。
というわけで、処理する日までこの場所で放置、という選択肢はなさそう。急いで動かさないといけない。ブルーシートに乗った2.5mのイルカを試しに引っ張ってみる。おっ、動くぞ。というわけで、あと2人助っ人を呼び集めて、30mちょっと引っ張って、ビオトープの奥まで連れて行った。3人で軽く引きずれたので100〜150kg程度かな。
ここなら数日放置しても大丈夫そうだけど、引っ張ってきた勢いで、とりあえず2人がかりで1時間処理。内臓と寛骨を確保して、頭とヒレをすべて切り離した。これで急ぎの作業は終了。コンパクトになったから、ブルーシートで包んで、隠しておく。このまま忘れてたら、ホネになりそうではある。蚊にいっぱい刺された〜。
内臓を確保する際、生殖器も切り離さずセットで取り外そう。と、生殖器周辺の皮を剥いたら、寛骨に行き当たった。いつも腐ってドロドロのばかり処理してて分かってなかったけど、寛骨ってこんな場所にあるんだねぇ。生殖器を両サイドから支えているみたいな感じ。
●2017年9月12日 大阪市内にイルカの死体があがった!
大阪市の環境部局から連絡。大和川河口にイルカの死体があがって、その処理に困ってるんだけど、引き取って…。引き取ります。是非引き取りたいです。どこに上がったんですか? 相手が事情を説明しようとするのを遮って、引き取ると宣言。
が、本当の相手は、某国の機関であった(1級河川だからね)。さっそく連絡を取ってもらって、電話がかかってくる。引き取ります! 何イルカですか? 吻はある? 背ビレはある? 大きさは? 相手はあまりイルカに詳しくないらしく(こっちもそんなに詳しい訳ではないけど)、さっぱり分からない。けど、小さいが、スナメリではないイルカらしいってことは分かった。それって、少し前まで安治川とか大川とか、大阪市内の河川に入り込んだりしていた奴では?
で、持ってきてもらうことは可能ですか? と、水を向けたら、運んできてくれることになった。ラッキー! 運んでいったら、そのまま引き取ってもらえるんですか? と問われたので、もちろんそのまま置いていってもらいます! お待ちしています! と電話を切る。
それが朝一番。午後から同じ国の機関の別の事務所での会議があったんだけど、イルカ対応があるからとドタキャン。イルカが届くのはまだかなぁ。と思いながら他の作業をしていたけど、イルカは届かない。連絡もないし、どうなってるんや!
と、待ちかねて夕方電話を入れる。今日は雨だったので、明日現場を見に行って、できれば明後日運ぶとな。それやったら、さっさと連絡してきてくれたら、会議をドタキャンせんでも済んだのに。それにしてものんびりしてる。その間に流されたり、誰かが持って行ったりしたらどうするんや! しかし先方が車手配して運んでくれると言ってるんやから、こっちで無理してレンタカーを手配して運ぶこともない。待つしか無い。でも、胸ビレとか無くなったりせえへんか心配。涼しい日が続きますように。
●2017年9月10日 新鮮なスナメリを楽しむ
大阪湾で混獲で死んでしまったスナメリを3頭まとめて寄贈頂いた。すでに解剖されて、解体されてはいるけど。皮が付いていて、新鮮なスナメリ! いつもの漂着して、腐って、ドロドロのスナメリとは全然違う。そして、新鮮なスナメリならではの発見もいっぱい。
スナメリの舌は初めて見たかも。下顎の間にけっこう大きく丸いのがはまっている。持ち上げて見ると、まさか二枚舌…。
歯の列は出っ歯で、ずれた歯列は、歯茎の穴に刺さる構造。上下とも歯茎に穴の列。よく見ると、歯並びが悪かったりするのも面白い。この穴ごと保存したくなる。逆に歯の保存としては、骨格標本の作製のために歯を抜いて別途確保できないのは、ちょっと面倒。少し腐って、でも抜けていない段階で、抜かないといけない。
せっかくの
新鮮なスナメリに盛り上がった団長が、頭の皮を剥いた。剥けた皮はけっこう可愛い。男子ハンドボール位の大きさなので、子どもならかぶれそう。剥かれた中身の方は、メロンが出っ張り、歯と目が目立つ。哺乳類というより、魚っぽい感じの顔。剥いた皮と、剥かれた頭をどちらも液浸で保存することに。これで、歯の刺さる穴も、二枚舌も保存できる。
●2017年9月8日 小学校で鳥類調査
とある会議で、生物多様性を普及するために、小学校での生き物調べを推進していく。といった発言が聞こえてきた。どうせ植物や昆虫を調べるんだろうなぁ、と思いつつ鳥を調べることはできないかと考えてみた。
どんな鳥が小学校で見られるかの調査は可能だろうけど、識別能力がある人は限られそう。渡りの時とか意外といろんな種がでるかもだし、それを識別できるように研修するのは、意義はあるけど、とても労力が大変そう。繁殖期だけに限るなら、割と可能かも。そして、それはカラスとの共存の仕方の普及にもつながるかも。
他にやりようはないものかと思って、思いついたのが窓ガラスに衝突して死んだ鳥の調査。とにかく死体を回収してもらって、博物館で集めれば、同定はこちらで出来るし、標本も集まるし、学校の立地毎のデータはかなり興味深そう。市街地では数多くの鳥が窓ガラスに衝突して死んでるという実態を、子ども達に実感してもらえるので、普及効果も高そう。対策としてバードセイバーを作って、張るとかしたら、プログラムとしても悪くないかも。
問題は、送ってくる際のコストと、死体を標本にするコスト。これは死体の画像を送ってもらうという形なら問題なくなる。けど、せっかくなら標本も集めたいなぁ。あと思いつく問題は、死体だらけは子どもにはインパクトが強すぎる。と、保護者が言わないか。
●2017年9月7日 淡水魚の分布
河川から水路、小水路、そして田んぼやため池。といった水系全体に純淡水魚がどのように分布し、季節変化するか。通し回遊魚や周縁性淡水魚がどんな季節に、どんな場所に入り込むか。水系全体にわたって、多地点を季節を通して調査した例って、あんまりないのかな?
断片的には、田んぼを産卵場所にする淡水魚とか、通し回遊魚の遡上・降河とか、河口でボラがはねているとか。情報があるように思うけど。
淡水魚研究の基礎中の基礎っぽいけど、淡水魚屋さんは、あんまりそんな視点を持たないのかな?
●2017年9月6日 今年の博物館実習オリエンテーションおまけの1回
今日も9月におまけの博物館実習生のオリエンテーション。例によって知り合いの教官付きで、微妙にやりにくい。今回は、なんと11月の実習に来る予定の学生が一人混ざっている。11月に同じ事しかしゃべるから、ちゃんと聞いとけ。11月に説明してもらうからなと、脅してみる。
09:30 博物館実習スタート 資料を配って、出欠取って、名札を作らせて、友の会に入会させる。知らん間に1人減っていた。
09:45〜11:25 博物館の間取り、展示予算、沿革、事業内容(研究、資料収集、展示、普及教育)、友の会・サークル・フェスティバル、広報などの説明。 テーマは、お金・人手・スペースが足りない。
11:25〜12:00 管理棟の案内・解説。書庫、学芸員の部屋全部、特展準備室を見せた。
(12:00〜13:00 昼休み)
13:00〜14:05 収蔵庫見学ツアー。3つの収蔵庫をめぐって解説。二層構造の秘密、タイプ標本、火災時の対応など。通路がうまってるとか、地震対策にも注目。
(14:05〜14:20 休憩)
14:20〜15:20 展示室見学ツアー(本館常設展)。博物館側目線での展示見学。メンテナンスがメインテーマ。電気の球換えの難しさ、掃除のしにくさを中心に、ダメなケースを説明。壊されやすい展示やなくなってしまう展示物も紹介。更新が必要な問題点のある展示の紹介。第5展示室では、展示の意図と、アナログのゲームの難しさも解説。
15:20〜16:00 展示室見学ツアー(新館)。地域自然史展示室とミュージアムショップの紹介。瀬戸内海展では、萌蔵が登場。
博物館実習では、大学からSNSに書くなという指示が出ていることがあるようだが、今回はむしろ積極的に書くようにと指導。
●2017年9月4日 堺市に生息するヘビ類のなぞ
堺市で捕まえたというシロマダラの情報を頂いた。堺市でシロマダラの記録あったっけかなぁ、と思って2008年(改訂版だっけ?)の堺市レッドリストを開いてみる。シロマダラはジムグリと並んで情報不足扱い。詳しい産地と確認日などが不明なアセスの記録には出てくるけど、近年の具体的な生息情報がなかったと記憶する。ってことは、かなり貴重な記録。それも南区ではあるけど、南部丘陵ではない場所からの記録だから、より貴重なんじゃなかろうか。
堺市レッドリスト作成後に、確実なジムグリの記録もあるし、もう一度改訂して欲しいなぁ。しないのかなぁ。
それにしても相変わらず堺市からヤマカガシ情報がないのが不思議。ヒバカリ記録はあって、マムシ記録は少しだけどあって、ここんところジムグリやシロマダラも見つかってるけど、ヤマカガシは見つかってない(はず)。まだ田んぼが残ってる場所もあるのに、カエルもいたりするのに不思議。
●2017年8月31日 2017年8月のまとめ やっと夏休みが終わった
先月から続いていた夏休みがようやく終了。ある意味稼ぎ時だけに、平日まで含めて、行事が目白押し。博物館実習までやってくるので、とにかくあわただしい。
今月から、植物園の正門が、なんやら運営者の都合で閉まった。来館者も来園者もすべてが情報センター経由で入ることになった。お盆など人が多い時に混乱しないか心配されたが、なぜかお盆の人出が少なくて混乱はなかった。一説には、正門を閉めたから営業していないと思われたのではないかと…。だとしたら、経常経費を減らすために閉めて、売り上げが減少するという皮肉な展開。お金の勘定はともかく、社会教育施設としては、マイナスの結果をきちんと考えるべき。
そんな、8月を振り返ってみよう。
ルーティンのため池調査、大和川調査は無事完了。毎年夏に恒例のツバメのねぐら調査は、奈良の平城宮跡以外に、大阪府内の5ヶ所を見に行った(内、1ヶ所は空振り)。いずれもお盆前に行けたのは画期的だが、昨年時点で規模が小さかった場所にあまり行けなかったのが残念。神戸方面の電線ねぐらにも行かなかった。
外来生物調査プロジェクトのコブハクチョウの情報募集は停滞中。魚班の調査に参加するのは涼しくなってからにしよう。
調査というのとは少し違うけど、夜遊び企画(の下見)として、アカテガニの放仔と、ツバメの塒立ちを見に行った。どちらもなかなか楽しい。
教員のための博物館の日、標本同定会という近年の夏の2大イベントに加え、博物館連合の企画もあった(博物館連合のイベントはながめただけだけど…)。さらにジュニア自然史クラブとツバメのねぐら、ホネの標本作り。特別展関連では、ギャラリートークと大人向けのワークショップ。この大人向けワークショップがうまくいったのやら、来年以降も考えた方がいいのか、よく分からない…。
11月の大阪自然史フェスティバルの出展者募集が締め切られ、今年のラインナップが固まった。もしかして出展者数史上最多? 資金的には、かなり集まる目処がたったけど、やはり寄付を募る必要がある。
瀬戸内海展の客足は予想通りあまり伸びず。来てくれた人の評判はいいのに…、といういつものパターン。
9月の鳥学会大会で自由集会に呼ばれているので、そろそろ準備を始めなくちゃだけど、始まってない。
とまあ忙しい中、
読んだ本は、自然史系4冊とSF8冊。講演は瀬戸内海展のギャラリートークを1本、でも教員のための博物館の日でのホネの話2本も講演ぽかった。
●2017年8月30日 これから5年後の博物館
これから5年間に何をするか、いろいろと考えないといけないらしい。5年後にはまた次の5年後のことを考えるらしい。こうしたい、こうしなくっちゃということはいろいろあるけど、それが5年以内の目標になるか、というのがなかなか難しい。なんとなれば、やると言ったからにはやらないといけないらしいから。いきおい、「〜を検討する」「〜の可能性をさぐる」てな表現をしたくなる。
いろんな検討グループの話合いに入ってみて思ったのは、とにかく人が足りない、スペースが足りない、そしてお金が足りない。それはさておくとしたら、大きなテーマの一つは、広い意味でのバリアフリー。
もちろん段差をなくしたり、というのも大切。目の不自由な人や耳が聞こえない人への対応も必要。そうした対応を整えていても、受け入れる用意があるよ、ってことを伝えていくことが同じくらい大切に思った。
こちらから、さまざまな障害をもっている人をどんどん呼び込むまではしなくても、博物館に行ってみたいと思った時に、ちゃんと対応する用意があることを伝えたい。
きっと、博物館のバリアは、体に障害のある人に限らない。さまざまな人が、博物館に行くのは敷居が高いとか、質問・相談とかしていいのかな、なんて思って躊躇ったりしている可能性がある。どんな人でも気軽にどんどん博物館を利用したらいい。
そんな体制を整えるのが、そして誰でもウェルカムって伝えることがバリアフリー。
てなことを、かなり総論めいた場所で書いたらどうかなぁ。などと思う。
●2017年8月26日 大人のワークショップ
今日は、特別展会場で、大人向けのワークショップ「クジラ・イルカのホネを調べる」を実施した。
特別展会場では、子ども向けワークショップはあるのに大人向けはない。子ども向けワークショップがなくてワークショップスペースが空いてる週末がある。ってことで、試しに企画した。大人向けには、ギャラリートークが毎週土曜日にあるけど、時間が30分と短いので、長めに作業を交えて展示をじっくり見る機会として構想。
と抽象的に企画するのは良かったのだけど、じゃあ具体的に何をするかとなると難航した。とりあえずクジラのホネをネタにやろう。というのは決めたけど、じゃあどうする? そうだ今年からクジラのホネの専門家の先生がいるじゃないか! と丸投げを試みたが、投じる学会に行ってていないことが判明。不覚…。
で、数日うんうん悩んだ末に、クジラのホネを拾った時に同定の参考になるような。腐ったクジラの死体を見つけた時に同定できるようになるように。そんなホネの見どころを観察して数えてスケッチしてもらうことにした。
で、前日にタイムスケジュールと資料と記入用紙作り。クジラのホネの概要を説明してから、実物を見つつ、歯の数、指のホネの数、椎骨の数を数えたり。頭骨のスケッチをしたり。
参加者が多いと困ると思っていたら、想像以上に参加者が少なく。でも、クジラのホネの展示の周りをウロウロして数えてスケッチしてだから、参加者が少なくて幸いした。
で、肝心の今後も特別展会場で大人のワークショップをすべきかどうかは、いま一つ分からず。ギャラリートークでは時間が足りないとか、作業を絡めたいというネタがあれば、投入したらいいかもって程度かなぁ。
●2017年8月25日 読書サークル 第93回会合覚え書き
隔月で、課題本の紹介文を持ち寄って、本についてあれこれ言い合うサークル。今日の会合で出た本についての意見を記録。
今日の課題本は8冊。2冊は次回へ持ち越しとなり、前回からの持ち越しが2冊あったので、8冊についてあれこれ話し合った。
ちなみに各人は紹介文を書いてきていてて、4つを最大として★を付けている。
●「珍奇な昆虫」
(紹介文4つ、平均★数は3.5)
割とメジャーな世界の珍奇な昆虫が次々と登場する。初めて知る人には驚きの連続、けっこう知ってる人でもこれほど並ぶとインパクトはあるし、旅行記を含めてなにかしら楽しめる。みんなが文句を付けたのは、「お宝写真を一挙披露」とあるのに、写真が小さいこと。
●「毒々生物の奇妙な進化」
(紹介文3つ、平均★数は3.7)
読んだ人がみんな熱く語る。自分の体に毒を注射して、耐性を付けようとしたり、ハイになったり人がいるんやで〜。カモノハシ、コモドオオトカゲ、クラゲ。大阪でもヒョウモンダコはいるから注意せなあかんなぁ。と、とにかく一読すれば色んな話題で盛り上がれて楽しかった。ただvenomousの日本語訳に毒毒生物はいかがなものか。
●「三つの石で地球がわかる」
(紹介文4つ、平均★数は2.8)
たった3つ覚えたら分かるんだ!と思って読み始めると、期待は裏切られるらしい。初心者には難しいというのが、一致した意見だった。
●「バッタを倒しにアフリカへ」
(紹介文3つ、平均★数は3.0)
面白く読めるけど、みんな何か足らないと感じたらしい。詩情が足りないという意見があれば、データがほとんど示されないので変人博士の奇行の紹介に留まっているという意見もあり。一致したのは、モーリタニアの好感度が上がったってこと。
●「野生のチューリップ」
(紹介文5つ、平均★数は3.0)
野生のチューリップは思った以上に、色んな色があって綺麗。品種改良いらないくらい。それ以上でもそれ以下でもない、という感想が多かった。
●「人類と気候の10万年史」
(紹介文4つ、平均★数は2.8)
前著『時を刻む湖』が気に入ったので読んだら、科学的な内容面は充実してるけど、ちょっと難しく、ワクワク感が今回はそれほどでもなかった。というのが、全体的なまとめっぽい。
●「生から死へ、死から生へ」
(紹介文4つ、平均★数は2.8)
北アメリカの大型や小型の死体を分解・消費する動物たちの話、死体を処理してくれるハゲワシやコンドルの話は面白い。けど、植物遺体を食べる話とか、川のサケや海のクジラの話はいらんかったという意見があった。最後の人の死の話についていけてる人はおらず。
●「したたかな魚たち」
(紹介文3つ、平均★数は2.7)
魚のいろいろな生態・行動を紹介してくれているので、蘊蓄は集められる。割と定番が、脈絡なく並んでるだけ、という言い方もできそう。
●2017年8月24日 夏の博物館実習 標本整理
この夏の博物館実習は、担当が、オリエンテーションの他に、なぜか2日もあった。昨日は4人、今日は3人。基本的には、同じようなことをしてもらったのだけど、リアクションや仕事のペースが違うので、それに応じて説明や中身も少し変わる。
昨日は、午前と午後の前半は鳥の仮剥製へのラベル付け。この一年ほどの間に剥いた150羽ほどの鳥にドンドンラベルを付けてもらう。小鳥が少なく、水鳥多め。4人もいる割りには作業スピードは遅めの印象。午後の時間が少し余ったので、コヨーテのホネ洗いをしてもらう。ホネ洗うのは初めてだから仕方がないけど、実習生にコヨーテの足を1本ずつ洗ってもらってる間に、残りをすべてを洗えてしまった…。
今日は、残っていた大物仮剥製へのラベル付けをしてもらった後は、ホネ洗いストロング。オランウータンの四肢を洗って、カモシカの全身を洗った。その後、なんとなくライオンの前肢のホネを持ってきて、哺乳類各種のホネの比較。勢いで、砂場に腐りゆくオキゴンドウを見に行ったり。
そして昨日は、作業がなかなか進まなかったこともあって、あまり説明の時間をとらなかった。その反省に立って、今日は説明が多めで丁寧。ホネを作る現場を見せたり、いろいろ親切だったかも…。ただ、今日のメンバーの方が、興味をもって取り組んでいる雰囲気があったってのもある。
●2017年8月23日 ササゴイについて調べる
夏休みの課題研究で、ササゴイを調べているという中学生が来館した。どうしてそんなマニアックな鳥を、と思ったら、3歳の時、近所の公園でササゴイのヒナを保護して、動物病院に届けたことがあるからと。…、そのササゴイのヒナ知ってる! 動物病院であえなく死んでしまって、死体はうちで仮剥製にした。そのヒナでもって、貴重な大和川沿いのササゴイの繁殖地が判明したんだった。子どもが見つけて保護したと聞いていたけど、その本人に会えるとは! 3歳の子どもも、いまや中学生。月日が流れるのは早いなぁ。
そして、ササゴイについていろいろ質問されるのだけど、ササゴイが出てくるいろんな関係資料をコピーして持ってきていて、ちゃんと読んでるらしくマーカーで線がいっぱい引っ張ってある。で、そのマークに沿った質問が繰り出される。質問リストは作成されてないのだけど、とても体系だった質問が並ぶ。文章ちゃんと読んで、考えてと、しっかり準備してきているのが伺える。とても好感度が高い。その辺の大学生よりはるかに上。
●2017年8月22日 博物館実習 2017年夏期一般コース オリエンテーション
今日から5日日程で博物館実習がスタート。大学生が19人。初日の今日はオリエンテーション。次回のために今日のスケジュールを記録しておく。
09:30 博物館実習スタート 出欠取って、資料を配って、名札を作らせて、友の会に入会させる。遅刻者はいない。今回は友の会会員はいなかった。
09:45〜11:30 博物館の間取り、沿革、事業内容(研究、資料収集、展示、普及教育)、友の会・サークル・ネットワークなどの説明。ブログの書き方の説明。博物館に足りないものとして、お金、人手、スペース。
11:30〜12:00 管理棟の案内・解説。あちこちに置いてある標本などについて言い訳。学芸員の部屋の汚いのと綺麗なのを見せ、仕事をしていると汚くなると力説。特展準備室では、パネルを何年も再利用していることを見せる。
(12:00〜13:00 昼休み)
13:00〜14:10 収蔵庫見学ツアー。3つの収蔵庫をめぐって解説。二層構造の秘密、タイプ標本、火災時の対応など。重いドア、壁の違い、通路がうまってるとか、なぜ収蔵庫に本があるかなどにも注目。
(14:10〜14:25 休憩)
14:25〜15:45 展示室見学ツアー(常設展+特別展)。メンテナンスがメインテーマ。電気の球換えの難しさ、掃除のしにくさを中心に、ダメなケース、ダメな展示を紹介して歩く。また壊されやすい展示を説明して歩く。第5展示室では、展示の意図と、アナログのゲームや仕掛けの難しさも解説。 博物館におけるミュージアムショップの意味についてもふれた。
15:45〜16:00 実習ノートの記入。
実習ノートを書く際に、納得したとか、勉強になったという文言をNGにした。午前中に言うのを忘れて、午後一番に宣言。あと、実習ノートは学芸員がチェックして、コメントなどを書くので、学芸員とのコミュニケーションツールとして使うように指導。
●2017年8月21日 親友
観察会や合宿など博物館関連の行事で、出会う度に一緒に遊んでいた小学生男子2人。一方が家庭の事情で、一緒について来てくれる人がいなくなり、ここしばらく行事に参加できなくなっていた。
もう1人の方は、最近会えないなぁ、と思っていたそう。昨日、たまたまその事情を耳にしたらしい。夕方、偶然出会うと、元気がない様子。もう会えないのかと落ち込んでたらしい。てっきり行事でたまたま会ったら、遊んでいただけかと思っていたけど、そうじゃなかったらしい。会えるのを楽しみにして、会えそうな行事を選び、会えなかったら残念がっていたとのこと。そんなに仲良しとは知らなかった。なら、連絡先を交換しておけばいいのに、子どもなので、そんなことはしていなかった。
当たり前なんだけど、こちらは互いの連絡先を知ってるので、連絡をくれるように伝える伝令役を仰せつかった。
これが、けっこう緊張する。片方は、会えるのを楽しみにして、また会いたいと熱望していてるとしても、他方もそうとは限らない。果たして、互いに友達だと思っているんだろうか? が、こんな懸念は、完全に杞憂であった。
おそるおそる、連絡をとってみたら、速攻で返事がきた。なんと他方も、また会いたいと思っていて、連絡とりたいと思っていたらしい。会えそうな行事を選んで参加して、会えなかったら残念がる様子もそっくり。相思相愛やん。よかった。
伝令役の大役も果たせたし、これからも2人が行事で仲よく遊ぶ様子が見られますように。
●2017年8月20日 標本同定会2017
今日は史上最多の対応件数だった。だが、意外と魚の対応件数も伸びて、鳥vs魚対決は、午後はきわどい勝負に。やはり魚は潜在的需要は高く、外来生物調査プロジェクトで魚班が活動を始めてしまったので、来年以降はかなり苦戦を強いられる恐れがある。鳥の羽根関係者へのオルグが必要。昨年までは楽勝だったのになぁ。と思って、過去の鳥vs魚対決を振り返ってみた。
2017年 鳥:10件、魚5件
2016年 鳥:8件、魚5件
2015年 鳥:5件、魚2件
2014年 鳥:7件、魚2件
2013年 鳥:5件、魚0件
2012年 鳥:4件、魚2件
2011年 鳥:6件、魚1件
2010年 鳥:8件、魚5件
2009年 鳥:3件、魚0件
2008年 鳥:3件、魚0件
昨年まで楽勝というのは間違ってた…。ずっとドングリの背比べ。
●2017年8月19日 野鳥の会の研究部の存在意義
新たに野鳥の会の研究部が立ち上がるというので、その設立集会みたいなのに参加してみた。もともと声はかかってなかったのだけど、人伝いに聞いて、押しかけていったに近い。というのも野鳥の会研究部が立ち上がるのは、これで4回目らしいのだが、最初の時はさておき以降はずっと参加しているから。ちなみに初回は、まだ鳥を見るどころではない子どもの頃にあったらしい。
こんなにたびたび設立しているのは、毎回立ち消えになっているから。初回は知らないけど、2回目は大阪府のカワセミの分布調査をするぞ!と言って動き出したけど、あまり盛り上がらず立ち消えていった印象。3回目は、これまた勇ましく集まったが、とくに調査研究をするでもなく、大阪の鳥の情報を集めて、鳥類目録を改訂して、それで解散した印象。そして今回。
出だしで、呼びかけ人の副支部長から一言。研究部はもちろん研究をするんだけど、探鳥会ではない野鳥の会の活動に参加する窓口、っていう位置づけで考えていきたい、と。なるほど、それは面白いなと思った。どうなるかは楽しみ。ただ、その後の話合いの内容が、その心意気の延長線上にあったかは微妙。
●2017年8月18日 対馬のカワウソの話
韓国の南部には、島嶼部を含め、カワウソがたくさん生息しているのは、多くの人が知っていたことで。もし今後日本でカワウソが見つかるとしたら、一番可能性が高いのは対馬だろう、ってなことは、これまた多くの人が予想していたはず。対馬でカワウソが見つかったと聞いて驚いた人は、あまり哺乳類に詳しくない人ってだけの話じゃないかなぁ。
亜種ニホンカワウソが生き残っていた可能性を、期待をこめて指摘する人もいるけど。伊澤さんもそうだったらいいなぁ、とテレビで言ってたけど。ツシマヤマネコ関連でかなり調べられている島だけに、それはありそうにない、ってことも分かって言ってるはず。
ニホンカワウソを、別亜種にするにせよ、独立種にするにせよ、昔から大陸側と遺伝的な交流はあったんじゃないかなぁ。
韓国では、けっこう都市河川にもカワウソが生息してる。対馬を起点に、再び日本の水辺にカワウソが戻ってくると楽しくていいなぁ。今の日本の水辺がカワウソを養えるかは、よく考えた方がいいけど。
と、楽しく考えていたら、韓国から自力で渡ってきたカワウソとした場合に、外来生物じゃないの?と書いてる人が生き物関係者にいて驚いた。外来生物の定義をもう一度勉強し直したら、どうかな。
●2017年8月17日 ツバメのねぐら立ち観察会の下見の下見
ツバメの集団ねぐらのねぐら入りは、毎年何度も観察しているし、観察会も開いている。観察会では、ねぐら立ちのことも話をしたりするのだけど、全部伝聞で、自分の目で見たことはなかった。一度見てみたいとは思っていたのだが、なぜかこの夏一念発起。平城宮跡に見に行くことになった。
で、最寄り駅に最終電車で午前0時半に集合。飛び立ちは午前4時半頃。4時間ほど、何をして時間をつぶすかが問題。駅前の居酒屋は朝までやっているそうなので、朝まで飲み食いという手もある。朝まで仮眠という手もある。けど、ナイトハイクの下見の下見を兼ねてるので、周辺をウロウロすることにする。深夜の奈良市内は意外と涼しい。
とりあえず、平城京跡を近鉄の線路の向こうまで行ってみる。とくに何も見る物がない! 深夜の平城宮跡を自転車で見回る警備員さんがいるので、なぜか隠れてみるけど、見つかっても別に何も言われない。トイレは北端中央のところのが一晩中使える。その横が警備員さんの控え室になってる。
今度は水上池を半時計回りに一周。南側の養魚場跡の杭の上がサギたちの塒にねっているようで、光を当てるといっぱい飛んだ。というのを除くと、これまた見る物がない…。どうもナイトハイクには向かないなぁ。と時間をもてあましたので、大極殿の前で仮眠。
夜明け前40分に起き出して、ツバメの集団ねぐらのできるヨシの東端に行ってみる。夜明け前34分、けっこう薄明かるくなってきた中、ツバメが一斉にピチピチ鳴き始める。日の出前32分、ツバメが飛び立ち始め、日の出前14分まで続いた。東に出たツバメは7回ほどの波で、合計4万羽近く。低く飛び出し、旋回せずに飛び去ってしまう。たまたま大部分のツバメは東に飛び出してくれるので、大迫力で観察できた。
ねぐら入りとはまた違うスペクタクル。また見に来たい。ただ、夜の時間は長くもてあます。観察会を開くかは要検討。
●2017年8月16日 大阪府の今年のツバメのねぐら
夕方、少し早めに職場を出る。仕事帰りにサラリーマンに混じって電車に乗る。でも、こちらは帰宅組じゃない。そう、ツバメのねぐら調査なのだ。日没前30分くらいを目指して現地へ急ぐ。そして、日没後30分ほどで仕事は終了。8月の日没は、午後7時前後なので、ちょっと余裕を見て、午後6時頃に現地にいたい。とすると、定刻の午後5時半まで働いていると間に合わない。届けを出して、ちょっと早めに抜け出す。カタギのサラリーマンには難しいかも。でも、カタギじゃないから大丈夫。
夏になると、大阪周辺のツバメのねぐらにできるだけたくさん行って、様子を押さえたいと思っている。思ってはいるんだけど、なかなかうまくは行けない。できればピーク時に当たるお盆前に行きたいのだけど、これまたなかなかうまくいかない。でも、今年はけっこう行けたかも。
8月6日:新池(堺市美原区)
昨年見つかったねぐら。昨年は場所を間違えてあまりちゃんと見れなかったけど、今年はばっちり。地元愛なみなさんの数字と比べても過大評価かもしれないけど、約14000羽集まったことになってしまった。
8月9日:赤坂下池(豊中市)
例年お盆過ぎにしかいけていないが、今年はピーク時に見れたんじゃないかと思う。約7000羽ってとこかなぁ。
8月14日:淀川鵜殿(高槻市)
昨年は少し場所が動いて、離れたところからみることになったけど、今年は元の場所に戻っていた。約10000羽ってとこかなぁ。例年より少なめなのは、地元愛の方々のデータとも一致するらしい。
8月15日:聖和台(太子町)
一昨年見に行ったら集まっていなかったのに、昨年は集まっていたらしい。で、今年はちゃんと集まっているのが見れた。集まったのは約450羽ってとこだけど。
今年は久米田池は集まっていないと聞くのでパス。淀川豊里は規模が小さそうなのでパス。恩智川治水緑地もパス。
たぶん泉南方面に見つかっていない集団ねぐらがありそうだけど、知られているねぐらは、お盆前に全部行けた。すばらしい。
●2017年8月13日 子ども向けのホネ標本作り実習
今年は「未成年向け」と書いたのだけど、成年がたくさん申し込んできて、軒並み落選させられていた。「子ども向け」と分かりやすく書いた方がいいのかもしれない。
毎年、順にいろんな地鶏の手羽先を使っている。単に担当者をはじめスタッフの趣味でもあるのだけど、スーパーで普通に売っている手羽先は、ニワトリが若すぎて、軟骨が多く、ホネの標本には適さない。だもんで、地鶏を使う。せっかくなので、いろんな地鶏の手羽先を集めていこうという変な趣向。で、今年の地鶏は「みやざき地頭鶏」。
とても上等な食材だと思う。手羽先が大きく肉厚で、皮がしっかりしている。脂もよくのっている。とても美味しい鶏だと思う。でも、ホネの標本を作るには、皮が剥きにくく、肉がいっぱい付いていて、完成してからも脂がにじむリスクが高い。ましてや手羽元が付いてた日には…。ただ、ホネもしっかりしていて、第1指を誰も無くさなかった、というメリットはあった。
出来上がったホネは、とても大きく格好いい。が、板に固定しようとすると、板に入りきらず、急遽2枚の板を引っ付けることに。それでも折り曲げないと乗らず、立体感があふれ過ぎていた…。持って帰った後、脂がいっぱい出てくるだろうなぁ。出なくても黄色くなりそう〜。
で、来年はどんな地鶏にしようか?
●2017年8月11日 個人的大発見の価値
知人がジャコウアゲハを見つけたと知らせてきたので、お知らせします。
と、SNSを通じて、ジャコウアゲハ情報が届けられた。昆虫担当ではないが、少なくとも大阪府全域で考えれば、河川敷などにジャコウアゲハはさほど珍しくない。レッドリストにも載っていない。
相手の気分を損ねないように配慮しつつも、博物館では情報を集めていませんし、大阪府では河川敷などにジャコウアゲハはそれほど珍しくありません。と、返信。すると、
知人がとても喜んでいたので、とても珍しく大発見なのかと思ってしまいました。お騒がせしました。
との返事が来た。身近なところで個人的に発見して喜ぶというのは、自然観察の楽しみの大きな部分を占める。それなのに、そんなん珍しくないで、と水を差しては、知人の方の自然観察の意欲を損なうことにもなりかねない。
慌てて、身近に発見して喜べるというのは素晴らしいことなので、今後も観察を続けていろいろ発見していって欲しい。という主旨の返事を送る。
個人的大発見って、自分でもよくしてるけど、多くの場合、他の人には理解してもらえない。知識が増えていくと、個人的発見と他の人も巻き込んでの発見との差はなくせるけど、結局の所、個人的発見は残っていく。そして振り返ってみれば、個人的発見こそが、自然観察の楽しみの大部分だと思う。
今日は夕方から天満橋辺りで鮎の遡上の話をいろいろ聞かせてもらった。知らない事が多くて面白い。
淀川はここんところたくさんのアユが遡上しているらしい。アユが淀川を遡上しようとすると問題になるのが、淀川大堰。で、アユとかが遡上できるように魚道とかがつくってあって、いろいろ問題があるものの、それなりに遡上できているらしい。ただ、もっと魚道を改善できそうなのに、ぜんぜん手を打ってないのはどうしてか謎。専門家が何度も指摘しているようなのだけど。
今日、聞いた話で面白かったのは、大川の方からのアユの遡上。大川から淀川へのアユが遡上する上で、問題となるのは毛馬閘門。すでに知られている事実として、アユは60-70cm程度の段差なら登れるらしい。で、水位を操作して、毛馬閘門の水位差をそのくらいにしてみた結果を教えてもらった。けっこう登っていて面白い。ってゆうか、水位差がそれ以上だと、毛馬閘門の手前まできたアユは、そこから登れずにたまってるらしい。たまってアユがその後どうするのかは謎。
ちなみに淀川大堰や毛馬閘門で水をせき止めて、淀川を細長いため池状態にして、ブラックバスやブルーギルの天下にしている理由は、それなりの水位がないと枚方の取水口で取水ができないから。と以前聞かされたことがある。なんとつまらん理由で、淀川の自然を台無しにしてくれることだろう。取水だけが理由なら、枚方の取水口周辺だけ、左岸側の半分程度だけせき止めて、水とればええやん。
っていつか、質問をぶつけてみたい。
某大学附属の小学校の教諭が3人やってきた。授業で外来生物問題を取り上げたいので、相談に来たのだという。小学4年生の総合学習の発展形のような授業で、この2学期から取り組みたいと…。外来生物問題とはなんぞやを勉強しはじめたばかりの先生が、いきなり〜?
その心意気はいいけど、地雷がいっぱいあるから、充分勉強して、準備して取り組まないと、下手をすると逆効果。ってことを一生懸命説明することに。
とにかく駆除の話はメインにしないように強くアドバイス。それ以前の段階で、外来生物の定義とか、その定着によって在来生物がどんな影響を受けているか、といった生態学的側面を推奨してみた。じゃあ、どうしたらいいかって話はいろんな事例を紹介して考えてもらう感じかなぁ。
本を読んで勉強しているんです。といって、あがったタイトルが『外来種は本当に悪者か?』だった。いろいろ問題のある内容であると、いっぱいディスってみたり。
なんとなく大阪市のレッドリストを考えなくてはならない。種数の少ない哺乳類と両生爬虫類は瞬殺で終わるけど、鳥類はちょっと手間。後回しにしていたのをようやく考えた。
大阪府の鳥類レッドリストは、近畿地区鳥類レッドデータブック方式で、個体数レベル、個体数の増減、今後の生息環境の消失危険度を評価してポイントを与え、その総合得点で判定したけど。大阪市の場合は、その簡易版。個体数レベルと個体数の増減のマトリクスだけで評価した。大阪府と比べても大阪市は面積が狭いので、おのずと個体数が少ない。個体数が少ないってだけでレッドリストに採択していたら、いーっぱい選ばれてしまうので、そこを少し調整して、まあまあ納得できるレベルになったと思う。
61種選定した大阪市鳥類レッドリスト案。シギチドリ類が33種と約半分を占めるのは、南港野鳥園や淀川河口があるのだから当然かと。他にも裸地や草地の鳥が並ぶのは、主に埋立地と淀川効果。鳥的に言えば、まず重要なのは淀川と湾岸部の環境保全ってことになる。
淀川や埋立地ものではないのに選ばれたのは、
絶滅危惧II類:ササゴイ、ケリ、モズ、セグロセキレイ
準絶滅危惧:カイツブリ、ゴイサギ、コサギ、バン
やっぱりため池や河川といった水辺環境が重要だけど、ケリやヒバリは農耕地や空き地の減少が大きな影響を与えている。モズとセグロセキレイもまた農耕地の減少の影響を受けつつ、都市公園でも見られたのが減少している。なんでかな?
大阪市内で生物多様性に影響のある外来生物をピックアップしなくてはならないらしい。哺乳類なんかだと、大阪市内に生息しているのの大部分が外来生物なんだけど、どこまでピックアップすべきかが悩ましい。
あまり悩まなくていいのは、両生類と爬虫類。両生類はウシガエル一択、爬虫類もアカミミガメだけでいいだろう。カミツキガメやワニガメは定着していないからパス。他のペット由来の外来のカメも同様。
鳥類は、ドバトが多く、ハッカチョウが分布拡大中だけど、侵略的とは言いにくいのでパスして。むしろあえてコブハクチョウを入れておきたい。
で、問題の哺乳類。とにかく外来のが多い。家ネズミ3種、ヌートリア、チョウセンイタチ、ノネコ、アライグマ、ハクビシン。特定外来生物のヌートリアとアライグマは当然いれるとして、まだ少ないだろうハクビシンは微妙。多いけど、家ネズミ3種とチョウセンイタチをどうするか。ノネコは注目の外来生物なので、コブハクチョウ同様あえて入れておきたい。
とはいえ全体的に市街地化が進んだ大都市大阪市では、外来生物も含めた生態系が形成されている側面もあって、外来生物がすべて悪という話にならないどころか、完全に排除した場合、どんな都市生態系になるのかという問題もあるかもしれない。侵略的な度合いの評価が必要だろうなぁ。
どうした心の迷いか、真夏8月の都市公園で鳥の観察会。炎天下でクマゼミがうるさい。8月も下旬なら渡り鳥も入ってくるが、8月頭では渡り鳥は期待できない。それでもトケン類の羽が拾われたり、カワセミが出現したりしてるらしいが、まあ年中いる”普通”な鳥を観察するしかない。でも、まあ、他に気が散る鳥がいないからこそ、あまりじっくり見る機会の少ない普通種を観察することができるんじゃないかとの思惑もある。
でも、そもそも参加者は集まるのかな?と思ったら20人ちょっと集まってビックリ。他の季節の観察会より断然少ないとは言え、けっこう集まるなぁ。そして、一人でまわす観察会としては、このくらいの人数の方が適当な感じ。
観察したのは、ハシブトガラスの家族連れ。水場でスズメ、カワラヒワ、メジロの水浴び。ついでにスズメやカワラヒワで今年生まれの個体の見分け方を説明。池ではサギやカワウとともに、カメを観察。大きなスッポンが2匹も出現。ダイサギが大きな魚を呑み込んでいた。参加者がツツドリの羽を拾ってた。
8月なんて暑いだけでなんにもいない。と思って今まで観察会してこなかったけど、身近な鳥をじっくり観察できて、悪くないかもしれない。
今日はここ数年恒例となった、教員のための博物館の日というイベント。学校の先生に自然史博物館が提供できるプログラムを体験してもらい、自然史博物館って意外と学校教育に役立つんだなぁと思ってもらったり、こんな学芸員がいるんだなぁ、と思ってもらう企画らしい。
で、40分でホネのプログラムをしろというお達し。毎年のように頂く指令ではある。例によって、シカとアライグマの頭骨の貸し出しキットや、ネコの全身骨格を並べて、プログラムを考える。今までは、哺乳類の話ばかりしてきたけど、今回は何を思ったか他の陸上脊椎動物も登場するかのような案内を書いてしまったので、なんとか登場させなくてはならない。例年以上に盛りだくさんなので、40分に収まるかがとても心配。できるかどうか知らないけれど、タイムスケジュールを考えてみた。
1:概要説明(5分):各机の上や前の机の上に置いてあるホネの紹介と、このプログラムの進め方の説明。ついでに貸し出しキットの宣伝。
2:ホネの基礎知識(10分):哺乳類(ネコと自分の体)を題材に、哺乳類のホネの主として似ている点を説明
・頭骨から尻尾にかけての脊柱と、四肢からなって構成を確認(似ているところ)。
・椎骨が分かれている。その区別の仕方
・四肢が付け根1本、次が2本の構成
・肩関節、肘関節、股関節の構造
ってあたり。ついでに魚はホネが多すぎてややこしいってことも説明。
3:ヒトとネコのホネの比較(10分):上で似ているところを説明したので、違っているところを見ていく。歯や顎関節、鎖骨、爪やつま先立ちなど。
4:カエル、トカゲ、トリのホネ(5分):哺乳類以外の陸上脊椎動物のホネの概要を説明。主として似ている点だが、カエルとトカゲについては、哺乳類との相違点も。
5:ヒトとトリのホネの比較(10分):哺乳類と鳥類のデザインの違いの話を。首のホネの数、箱状の胴体、しっかりした前肢の付け根。
ちなみに各机に並べたのは、シカとアライグマの頭骨と、ネコの全身骨格。前の机に並んでるのは、ライオンの全身のバラバラ骨、ニワトリ・オオトカゲ・ヒキガエルの全身骨格。
うまく40分でできるかなぁ。ぶっつけ本番なので、2回プログラムを回してから、ようやく正しい流れができあがり、その時にはもう終わってる。というパターンになりそうな…。
―――――――――――――
2回の興行終了。1回目は定時5分前にスタートしたのに、5分オーバーの50分プログラムになってしまった…。それを反省して、内容を少し整理した2回目は、ちゃんと40分で終わった。次はもっと上手にできそうな気がするが、今年の興行は2回で終了。来年はもう詳細をわすれているだろうから、また一からスタート。
来年以降、最初からもっと上手にできるように、振り返っておこう。
結局のところ上記ブログラムは机上の空論であった。
・上記の2と3はまとめて、ネコと人を比べつつ、哺乳類のホネのデザインの同じところと違うところを、まとめて説明した方が喋りやすい。そして合わせると15分で終えれるので、残る5分に手元のホネを実際に触ってもらえる。ちなみに四足動物全体に共通する点について、この段階でどこまで触れるかは、さらに検討の余地あり。
・上記の4と5もこんな風に分けては話しにくい。トカゲで、哺乳類との違いを説明(哺乳類では歯や椎骨の役割分担がはっきりしてきている)して、カエルで跳躍に特化した特徴(尾骨の話や、前腕や下肢のホネの癒合)を紹介し、最後に飛行に特化した鳥類のホネを哺乳類と比較。ってのが話しやすく最後の時間調整もしやすい。
・6でまとめは難しいけど、貸し出しキットやホネ展解説書の宣伝が必要。こちらは他のスタッフが動いてくれた。
次の機会があれば頑張ろう。
某新聞社の記者から、夏休みにあたって、大阪府周辺で身近に危険な動物について話を聞きたいとの連絡。虫とヘビってことで、ハチ屋と一緒に召喚される。手短に済ませますと言われたはずなのに、2時間近く拘束された。手短でなかったら、何時間かかったのだろう?
話題はもっぱらスズメバチとアシナガバチ。今話題のマダニ、そして毛虫やクモ。全然出番がない。マダニのところで哺乳類がらみで少しコメントした程度。そして、ついでのように話題のヤマカガシからの毒ヘビの話。でも、大阪じゃあ、身近にマムシもヤマカガシもまずおらんし!
というわけで、大阪の市街地周辺で注意しないといけないのは、ハチ程度。山に行ったら、ダニにも気をつけてね。ってことで、大阪の陸の危険生物はほぼ終わり。安全でけっこう。
ヒアリにダニにヤマカガシ。毒や病気を媒介する動物が頻繁にニュースに登場している。で、なんとなく、毒のある生き物の特別展をしたらどうかな、なんて話になった。ありかも。きちんと普及することは大切だし、けっこう興味を持つ人も多そう。
哺乳類では、カモノハシとかハリモグラ。近頃は、食虫類とかにも有毒なのが見つかってるから、けっこう話題はある。
鳥では、ヤブモズ類だっけ? あのへん。
爬虫類では、コモドオオトカゲを展示できればいいなぁ。あとは毒蛇たち。
両生類は、ヒキガエル、イモリから、ヤドクガエルまでいろいろ。
担当部分だけでもいっぱいいける。魚もタコも貝もクラゲも。ハチにヒアリにクモ。動物はいっぱい出せる。
毒があるとはどういうことか、という解説でも盛り上がれそう。毒を出してくるのと、食べたら毒は区別する必要があるし。食べたら毒でいいなら、植物も参入できる。
話題性がある割りにはあまりやられていないから穴場かも。ただ、化学的な部分は付け刃になってしまうのは仕方が無い。
春に渡ってきたツバメは、繁殖に入る前も規模の小さめの集団ねぐらをつくり、繁殖期に入ると一旦集団ねぐらは解消。繁殖期が進み、最初の繁殖が終わる頃、ヒナが独り立ちし始めると、小規模の集団ねぐらがあちこちにでき、やがて集団ねぐらに集まる個体数が増える中で、集団ねぐらの数が減り、規模は増えていく。ってパターンだと認識してる。それが正しいって前提で考えてみた。
要は、巣立ったばかりの子ツバメは、どこに集まって寝たらいいか分からないから、成鳥と合流できるまで、間違ってあちこちで寝てるんじゃないかって考えてるんだな。
最初の繁殖で独り立ちしたばかりの子ツバメは、どこで寝たらいいか分からない。この頃はまだ集団ねぐらに加わる成鳥も少ないから、子ツバメは他の子ツバメたちと分からないなりに、適当な場所で寝る。どこに行けば大きな集団になれるかも分からず、あちこちに小集団のねぐらを形成する。
やがて、集団ねぐらに加わる成鳥が増えてくると、それに引っ張られて、伝統の集団ねぐらに集まる子ツバメが増え始める。それでも、成鳥に出会えず、子ツバメたちの小集団もしばらくは残るが、やがて府県単位で数ヶ所の大きな集団ねぐらに加わっていく。
このストーリーが正しいなら、小規模の集団ねぐらでの成鳥の割合が少ないはず。繁殖を終えた成鳥は最初から伝統の大きめねぐらで寝ているはず。確率的に、大きな集団ねぐらに近い小ねぐらほど早く解消され、離れた小ねぐらほど、最後まで残るかも。
と予測もそれなりにできそうだけど、検証は難しそう。
今年も無事に特別展がオープンした。毎年無事にオープンするか、展示は出来上がるのか、解説書の納品は間に合うのかと、ドキドキするもんだけど、今年は違った。プレビュー前日の夕方には準備はできあがり、みんなで阿倍野に打ち上げに行った。過去20年で、こんなことはなかった。ってゆうか、少なくともみんなで分担して準備する特別展でこんなことはなかった(一人で準備する特別展だと一人でスケジュールをコントロールできるので、人によっては余裕をもって準備を仕上げるけど、みんなで分担する場合は、なかなか準備を進めない奴がいて、完成が遅れるんだな)。準備は余裕だったけど、やはり今月は前半は、特別展の準備が最優先。後半は無事に特別展がオープンして一段落〜、という雰囲気であった。つまり他にあまり仕事をしていない…。
そんな、7月を振り返ってみよう。
ルーティンのため池調査、大和川調査は無事完了。5年に一度の大阪市内の公園で繁殖する鳥の調査は第1週に完結。サシバ調査の2回目も、特別展準備の合間をぬってなんとかこなした。
外来生物調査プロジェクトのコブハクチョウの情報募集は、なんか停滞中。末になってようやく、魚班や植物班の調査もスタート。
特別展準備を想定して土日を空けたので、普及行事は少なめ。下見を除けば、事実上、ジュニア自然史クラブとナイトミュージアムだけ。
11月の大阪自然史フェスティバルの出展者募集が今日でいったん締め切り。でもまた受け付けるとは思うけど。主担当じゃないけど、出展申込み者を見渡して、これから調整・声かけ。
外部資金で作製したザトウクジラ全身骨格は、無事に納品され、組み立てられて、瀬戸内海展に登場。これをバラして運び出すのは大変そう。
さらに瀬戸内海展がオープンしたとたん、淡路島にオキゴンドウが漂着したので、回収。これも瀬戸内海展で展示できるといいなぁ。
とまあ忙しい中、
読んだ本は、自然史系3冊とSF6冊だけ。今月もマンガをけっこう買って読んだ。講演は瀬戸内海展のギャラリートークを1本。
ここ数年、ナイトミュージアムを実施してきて、好評だった。が、アンケートをとってみると、ナイトミュージアムで一番好評なのは、夜の植物園散策だったりする。それなら、無理に博物館に泊まらなくてもいいんじゃないのか?という意見が出た。で、一度泊まらないナイトミュージアムをやってみようということになった。
今日がその泊まらないナイトミュージアム。泊まらないから、泊まる時より1時間前倒しのスケジュール。午後10時には終了の段取り。
はっきり言って、午後10時終了は、いつもの残業して帰る時間とさほど変わらない。むしろ早かったりもする。そういう意味では、スタッフ側の負担はとても少ない。時間だけでなく、朝食の準備という作業がないのも助かるし、なにかのトラブルめいたことが起きるのは泊まってる時間帯が多いので、それも回避される。泊まらないナイトミュージアムはいいなぁ。
でも、参加者からは、どうして泊まらないんですか? もう泊まるナイトミュージアムはしないんですか? と、何人もから言われた。どうしても泊まりたい人も少なからずいるようす。もしかしたら、後から何が楽しかったのかを考えたら、夜の植物園散策だったかもしれないけど、参加する強い動機は博物館で一晩過ごすってことなのかもしれない。泊まってみれば、どうということがなかったとしても。
というわけで、今回もアンケートをしてる。泊のナイトミュージアムを希望する人は、ちゃんと書いてねと言っておいた。どうも来年からは再び泊りのナイトミュージアムに戻りそうな予感。
一昨日の最終便で渡って、昨日の最初の便で戻ってくる。友ヶ島ナイトハイクを決行した。スタッフ予定者だけでのナイトハイクの下見の下見。ナイトハイクと言って、夜の山をウロウロしなくても、島で一晩過ごすのもありなんじゃないか?って話から始まった企画。
とりあえず最終の船で島に渡る。最終の便は午後4時出港。で、帰りの一番の便は午前9時半出港。島に17時間もいることになる! 行く前から時間が持つかが心配。
とりあえず、普通に明るい中、到着して、島を一周回ってみる。タイワンリスがいるし、死体も見つけたし。タイワンジカも見かけた。持ち込まれた動物とは言え、見られるとけっこう嬉しい。砲台跡もなんやかんやと探検。一番高い場所で、日没を眺めながら、おやつを食べる。楽しいなぁ。ここで友ヶ島には何度も来たことがあるけど、日没は初めて。
夜の友ヶ島ももちろん初めて。夜のリスやシカの様子が見られるに違いない。と期待して、夜食を食べてから、再び島内をウロウロ。しかし、ぜんぜん動物の気配がない。リスやシカはもちろん、その他の動物の気配も少ない。ツチガエルやカマドウマに出会った他は、キクガシラコウモリを1匹見た程度。
夜の島内があまりに面白くないので、たっぷり寝ることに。トイレもあるから、キャンプ場かなぁ。とベンチなどの上にシートを敷いて寝転がる。関空に降りる飛行機の航路になっているらしく、次から次へのライトを付けた飛行機が飛んでくる。明るいし、けっこう音も大きい。空を見てると、時々流れ星も流れる。大阪湾でこんなに流れ星が見られるとは知らなかった。1つとても明るいのが流れて得をした気分。と、良いこともあるんだけど、風が止むと、とたんに蚊がいっぱいやってくる。油断すると噛まれる。全然寝られない。我慢できずに桟橋のところに移動。ここもトイレがある。蚊はこっちの方が少なめ。で、なんとか朝まで寝られた。明け方はけっこう寒かった。
明るくなると、桟橋まえの芝生周辺でタイワンリスの活動が始まった。地上に降りたり、樹に上ったり、電線カバーの上を歩いたり楽しそう。見ていて全然厭きない。タイワンリスの研究できそうな気がする。暑くなってきたらタイワンジカが登場。インドクジャクの声もする。クジャクは桟橋南西とかき氷屋さんとこに雄が1羽ずついた。
結論から言えば、ナイトハイクというより、ほとんど合宿。明るい内に着いてウロウロして、夜は寝て、朝またウロウロ。ぜんぜんナイトにハイクしていない! いやコウモリ屋さんだけは、ちゃんと夜にウロウロしてたけど…。
そして暗い間が、長くて退屈、そして蚊が多くて辛かった。
北海道から書類が来てるはず、でも見つからない〜。と探しまくる。ダメ元で冷凍室を見たら入っていた。書類だけでなく、おまけが付いていて、箱入りだったかららしい。こいつ宛に箱が届けば、とにかく冷凍庫と、みんなちゃんと学習しているのは良いことと言えば良いことなんだけど…。
というわけで、冷凍の書類と冷凍のメロンが出来上がった。網網のついた高級そうなメロンがマイナス30度に。今度、機会があればメロンシャーベットを食べよう。
【追記】
8月9日、冷凍室からメロンを出してきて、しばらく水に浸けて解凍。そして切ってみた。周囲は解けて、色が濃いけど、中の方は凍ったままでしゃりしゃりしている。凍ってても簡単に切れる。そして、凍った部分はリアルメロンシャーベット。めっちゃおいしい。今度わざと凍らせて食べてみよう。
瀬戸内海の海浜植物という本が出た。サイズも分量もB総合出版のハンドブックシリーズに似てる。著者たちは、負けていないと自負しているらしい。
その著者が、表紙絵の絵描きさんと、本文のデザイナーさんと一緒に語り合っている場面に出くわした。とにかく自画自賛の嵐で面白い。自分で作ったものに、そこまで自信が持てるとは素晴らしい。その場で誤植の指摘もあったけど、そんなことはものともしない。
キャプション入れ忘れたり、図の差し替えをしくじったりして、それを指摘されてすっかり凹んでしまった自分とはえらい違いだ…。
自己肯定的とはこういうことを言うんだろう。幸せになれそうでうらやましい。
今日は高槻の山手へ、中高生と冬虫夏草さがし。キノコさがしに引っ付いていったことはあるけど、冬虫夏草を目的としたのは初めて。冬虫夏草自体もクモタケを見せてもらったことはあるけど、野外で見たのはそれだけ。自分で見つけられるかと、ちょっとドキドキしながら参加。
で、結局、ある意味、冬虫夏草は見つけたけど、それを冬虫夏草とは認識できずにスルーしてしまった。なんか枝先に付いてるなぁ、死んだ昆虫だな、白くなってるなぁ。とまでは思ったんだ。思ったけど、なぜかスルーしてしまった。冷静に考えれば、そういうのを探しに来てたんだった〜。
直後に、すぐ後ろを歩いていた冬虫夏草に詳しい中学生が、それを見つけて大盛り上がり。見る目の差である、と笑われ。まことにその通りなれど、なんかしらんけど、悔しい。
結局、キノコはいろいろと見られたけど、冬虫夏草はさっぱり不作で、問題のそれ以外には見つからなかった。唯一の冬虫夏草を目の前にしながら、スルー。悔しい。今度の機会にリベンジしたい。
ここ数年、4月に鳥の調査の研究計画発表をして、7月にその研究成果or途中経過を発表する。といった展開の室内実習をしている。で、昨日が恒例、夏の研究成果の発表の日。計画はたてたけど、実際に調査には手を付けられず、不参加という人が例年多いのだけど、今日は、9件も発表があって驚いた。そして、けっこうな大作やまとまった内容のが、3本もあった。9件の発表を聞いて、コメントするのに約2時間。
ちなみに今日のコメントを受けて、さらに調査したり、データ整理や解析をしたのの発表会が11月にある。みんな頑張れ〜。
博物館へ行くと、不安を和らげられ、ストレスを減り、年収アップと同じ効果があり、スポーツより効果があり、孤独じゃなくなり、経済的効果がある。てな報告がアメリカではあるらしい。本当かなぁ。あるいはそんな効果は、気分転換すべてにありそうな気もする。
ともかく、まずは本当にそんな効果があるか、データが欲しい。そして、本当ならそれをドンドン宣伝しないと。スポーツ施設より、博物館にお金を!
昨日、淡路島の由良にクジラの死体が打ち上がっているという連絡が、地元のH野さんからあった。話を聞くと、ゴンドウクジラ類のよう。だとしたら、大阪湾初記録の可能性もある。今日は、予定が1件あったのだけど、それを強引に振り切って、おかんを無理矢理連れ出して、回収に行ってきた。
午前7時半、博物館に集合。午前7時50分、トラックに荷物を積み込んで出発。午前10時には洲本市街に着いて、スーパーで飲み物と昼食を仕入れ。H野さんと現地で待ち合わせて、クジラの死体の前にたどりついたのが午前10時15分頃。
現地ではH野さんが待っていてくれた。海岸沿いに高い堤防がある辺り。言われた場所から海岸を除くと、確かにクジラが転がっていた。頭より後ろの上側にはすでに肉が無くて、ホネになっている。カラスやトビに喰われたらしい。これはかなり時間が経ってる。でも、地元の人が気付いたのは数日前らしい。道路を走る車からは堤防が邪魔で見えないから、臭いが強くなってようやく気付いたらしい。道を歩いて、海を見る人もおらんのかなぁ。
で、とりあえず計測と解体。計測と準備に15分、解体1時間、積み込み30分、後片付け30分。午前12時半には現地を後にできた。手際は良かった。H野さんも感心してくれた。が、炎天下の解体作業は辛かった、あやうく熱中症。あと、小さいとはいえ4mのクジラを2人で処理するのはけっこう大変。握力もなくなってくるので、3人は欲しいし、サポート兼記録係に手の綺麗な人がもう一人欲しいところ。今日は、A新聞社洲本支局の人が取材に来ていたので、アレ取ってとか、蓋開けてとか、厚かましく手伝ってもらった。
ちなみに前日にH野さんに電話でどのくらいの大きさですかと訊ねたら、目分量で4mくらいという答えを頂いていた。計ってみると、ちょうど4m。漁師さんの長さの感覚の正確なことに驚いた。
博物館に戻ったら、やはり暑いし、もう疲れている。大きなプラスティックの水槽のようなものをトラックに載せていき、そこにバラしたクジラを入れて持ち帰ってきたのだけど、水槽ごと下ろして、今日の作業は終了。
それより気になるクジラの種名を調べる。実は解体しているとき、太い歯を見ながら、もしかしたらシャチじゃないのかな?などと思っていた。で、図鑑を見るけど、シャチにしては小さすぎるらしい。で、他に同じような太い歯を持つ、4mクラスのクジラは1種しかいない。オキゴンドウ。大阪湾初記録っぽい。無理して回収に行ってよかった。
昨年は1件もなかったのに、今日はなぜか2件もやってきた。
まずは、淡路島は洲本市由良町の知り合いの漁師H野さんから電話。大きめのイルカみたいなんが打ち上がってるけど、引き取らないかと。以前から、ウミガメとかイルカの死体が上がっては、教えてもらって回収に行ってるから声をかけてくれたらしい。
こちらに声をかける前に、兵庫県にある博物館とか水族館にも連絡したけど、色よい返事がなかったとのこと。よそとの差別化のチャンス!とばかりに前向きに検討すると言って、H野さんにどんな状態で大きさ?と訊ねたので、もう一度見て来て答えてくれることになった。その間に、車の手配が可能か、人手は確保出来るかを探る。
もう一度電話を頂いた頃には、レンタカーを仕立てて、おかんと一緒に明日回収しに行くぞ!と決まっていた。その旨返事。そして、解体して運ぶ準備。4mほどという情報が正しいなら、肉を落として、ぶつ切りにすれば、トラックに載せられるはず。近くにトラックをつけられるといいんだけど。
と、盛り上がっていると、再び電話。今度は知らない人。京都府の日本海側でトドの死体があがったという情報。それは貴重な記録なんじゃないか? でも、ちょっと遠すぎて取りに行けない。明日は淡路島のイルカの日だし。
標本には欲しいけど、解体には行けない〜。と悩んでいたら、なんとかして運んでいけば引き取ってはもらえるかと確認された。それはもう大喜びで引き取ります! 腐っててもドロドロでも、こちらはかまいません! と答える。なんとか確保できないか交渉してみるとのこと。もし現地で埋めるなら、一定時間おいて、それを掘って回収することも可能。でも、後で回収するつもりなら、ホネがなくならないように包んで、場所を見失わないように印をきちんと付けて、写真を撮って。と埋め方を指南した。
【追記】
その後、トドの方の連絡がない。連絡先とか名前を聞くのを忘れたのが、返す返すも悔やまれる〜。
スマホではなく、ガラケー。機種変更をしてもガラケーのまま。
ずいぶん前から、電池の蓋がなくなり、「9」のボタンが効かなくなり不便だった。ちょっと前からは下スクロールと左へ進むキーが動かなくなり、メールのページにも飛べなくなってきた。でも、日によったら動くし、開き具合や本体のねじり具合で使えたりしたので、だましだまし使っていたのだけど、とうとうさっぱり動かなくなったので、本体を買い換えることにした。
できれば修理をと言ったのだけど、2年前に修理サービスは終わってると言われた。仕方がないので、契約は同じままで、機種だけ、同じような二つ折りのにしてもらうことに。なんとちょうど100ヶ月使っていたそうで、随分ながく使っていると褒められた(呆れられた?)。おかげでポイントは溜まっているし、49ヶ月以上使っているといろいろサービスも付くので、お金は一切払わず、新しい機種を受け取れた。充電器もサービスしてくれた。
データも移してもらますか? と言ったら、電話帳だけなら移しますとのこと。で、お願いしたら赤外線で移そうとする。が、赤外線は使えなくなってたんじゃないかなぁ。案の定、赤外線は動かず。それでは、コードをつないで、とトライしようとするけど、その端子も壊れてたと思うなぁ。ってことで、結局データはなにも移せず。
必要な電話番号は、手入力で移すことに…。他にも手入力で移さざるを得ないデータがいくつかありそうで、面倒〜。
今日は、なにわホネホネ団の鳥の日。東の国で拾われた海鳥をいっぱい出した。砂まみれで、汚れているのも多い。でも洗って乾かすと綺麗になって、けっこう満足度は高い。時間はかかるけど。今までは、割と一人か二人で洗って乾かす作業をしていたけど、今日はけっこういろんな人に手伝ってもらって、乾かしてもらった。意外と盛り上がる。時間はかかるので、途中で脱落する人も多いけど。
丸ごと洗うのは、肉取りも面倒で、乾かすのも時間がかかるから、多くは部分洗い。それだと普通に剥いたのでも気をつければ、けっこう対応可能。そして、小物なら30分ほどで乾く。みんなに手伝わせやすい。
大物のコアホウドリは、全身洗いでめっちゃ時間がかかってたけど、3人がかりで、1時間ちょっとで乾かした感じ。
昨日のプレビュー、今日の友の会の夕べ、に加えて、なぜか今日展示室をウロウロしてたときにも、いろいろと質問をされた。なかなか困る質問もある。今後の質問に備えるためにも、答えられなかった質問をチェックしておく必要がありそう。
●クジラ類の指のホネは、他の哺乳類に比べてとても多い。どうして?
うーん。分からない。フィンの中に埋没したクジラ類では、指のホネはもはや用無し。と思われるのに、むしろ数が増えるのは、確かに不思議。いい加減になったというなら、指の本数が維持されてるのも不思議。どうなってるんだろう?
●スナメリの模型の背中にあるツブツブは何?
ネットで画像を見ると、盛り上がりはあるけど、ブツブツは見あたらない。関連文献を見ると、ブツブツめいたものはあって、それは失われた背鰭の代替らしい。ただ、ブツブツはあっても、黒くはなさそう。色を塗り直そうかしら〜。
特別展を取材に来るマスコミは、すぐに展示している標本の点数を聞きたがる。点数より中身が重要だろ! などと、思わなくもないが、でもまあ、とりあえず数字を押さえたい気持ちも分かる。で、展示してる標本が何点かって話だけど、展示した学芸員にも分からない。なんせ勢いで並べてるから。だから、展示が完成してから、数えることになる。なぜか毎回、お声がかかる。鳥を数え馴れてるからだろうってことらしい。まあカウンターも持ってるしね。
で、数えてみた。4年前に似たようなテーマの大阪湾展があったので、比べると面白そう。なので()内に大阪湾展の時の数字を示してみた。
哺乳類:7点(6点)
鳥類:43点(34点)
爬虫類:2点(7点)
魚類:203点(297点)
棘皮動物:13点(37点)
昆虫:46点(360点)
カニ等その他節足動物:83点(255点)
貝類:247点(683点)
ウミウシ:2点(8点)
頭足類:11点(26点)
その他海産無脊椎動物:22点(65点)
菌類:6点(2点)
種子植物:21点(15点)
藻類19点(52点)
岩石・化石など地学標本:39点(0点)
展示の主力である海産動物は、魚、棘皮、カニ、貝などなど、ことごとく大阪湾展の方が展示してる標本点数は多かった。その代わり今回は、地学系や民俗系の標本は多かった。生息する動物を網羅的に展示することを目指した大阪湾展に対して、さまざまな角度から楽しみ方を提案しようとした瀬戸内海展の違いって感じだろうか。
まだ、プレビューまで20時間以上、オープンまでには40時間以上あるのに、特別展の準備が終了した気がする。今日は、定時で終業して、打ち上げだ!
今回例年になく、スムーズに特別展の準備ができたのは、5年間の調査でコンセプトの共有ができていたり、一年前からミニ巡回展をしていたので、すでに展示イメージができていたり、なによりコミュニケーションがとれて、手慣れた学芸員だけが担当だった。ってことも大きい。が、今回投入された文明の利器にも色々お世話になった。
・レーザー墨出し器
・金属製のスタンド
・紙製のハレパネスタンド
・写真を入れる金属パネル
世の中にはなんて便利な物がいっぱいあるんだろう。それがちょっとしたお金で使えるようになるとは知らなかった。ってゆうか、今回は助成金が取れたので少しお金に余裕があった。とも言う。
来年はまた元に戻りそうだなぁ。
今週末から特別展がオープン。その直前となれば、なんとか間に合わすべく、ピリピリとした空気が博物館を覆う。というのが例年の姿なのだが、今年はちょっと様子が違う。昨日くらいから、なぜかのんびりムードが漂う。それもそのはず。どうやら楽勝で間に合いそうな目処が立ちまくったのである。ってゆうか、オープン3日前、プレビュー2日前なのに、若干1名以外は事実上、展示作業が終了して、すでにお片付けモードに入っているのである。
こんなことは初めて。でも、予想できなかったわけでもなく、以前からプレビュー前日は、残業はせずにビアガーデンに打ち上げに行くぞ!と半ば冗談で話し合っていた。どうやら、それが実現しそう。
というお題で原稿を書けという無理難題。そして忘れられない出会いを思い出すために四苦八苦するという、不可解な展開。正しい答えは、忘れられない出会いは忘れてしまった、ってことではないかと。
でも、書けということなので、忘れてしまった忘れられない出会いを、なんとか思い出そうと努力する。追い打ちをかけるように、珍しい鳥を見た〜、てなのは意図とは違うと釘を刺される。珍しくない鳥との忘れてしまった忘れられない思い出? 鳥を捕まえたとか、鳥を飼ったとか、鳥を剥いたとかもまた、意図とは違う気がするなぁ。じゃあ、鳥を見始めた頃の話ならいけるかなぁ?
特別展直前というのに、けっこう時間をかけて考えた末に、納得のいく原稿が書けそうにありません。と断った。
2年前の9月に漂着し、ホネを回収して、砂場に埋める。1年前の8月に砂場から回収して、洗って、乾かす。今年、バラバラのホネを渡して、3ヶ月したら組み立てた全身骨格がやってきた。ホネにするのに11ヶ月、組立に3ヶ月。14ヶ月もあれば、7mのドロドロに腐ったクジラが、全身骨格標本になるとは、ホネホネ団団員の頑張りと、微生物や昆虫の活躍と、専門家の高い技術があったとはいえ、けっこう感心する。
運ばれてきたザトウクジラは、言われてた通り6パーツに分かれている。頭、胴体、腰、尻尾、そして左右の前肢。4年前のマッコウクジラはザトウクジラより大きいのに、4パーツにしか分かれておらず、棒をさせばつながるという簡単な構造だったんだけど、ザトウクジラの組立は難しそう。頭から尻尾のラインをつなぐのも面倒そうだし、さらに金具を調節して前肢も付けなくてはならない。
展示が終わったら、自分で解体して動かさないといけないので、組み立て作業をしっかり見ていたのだけど、解体できるかとても不安。っていうか、とても面倒。できれば解体せずに、ぶら下げるその日まで、ここに置いておきたい。マッコと同じくフェスには出展していただこう〜。
昨日のことになるけど、2日連続でサシバ調査で早起きして河内長野へ。5月にはサシバは出なかったので、今回も出ないと高をくくって、もっぱら他の鳥の記録にいそしむ。5月はハシボソガラスが巣との間を行ったり来たりしていたが、7月は動きがない。代わりに7月は、イソヒヨドリの動きが多い。イソヒヨドリは5月にはどうしてたんだろう?
と、気楽に4時間が過ぎるのを待っていたら、
08:24 北側の尾根の上に、サシバが2羽出現。グルグル回っている。ペアやな。
08:28 1羽が北西に向かって飛び去っていく。もう1羽はついていかない。1羽が採食にお出かけかな?
08:32 もう1羽が、谷筋を超えて南西の方へ飛び去る。
ペアが仲よく一緒に飛んでいたと思ったのだけど、ぜんぜん違う方向に飛び去った。ということは、ペアではなく、別のなわばりの個体ってことかな? 仲よさそうに見えたけど、もしかしてケンカ中だったり?
もしかしたら、戻ってきてよりを戻すのかなと待ったが、それっきり現れず。
それにしても、5月に出なくても、7月には出るってことがあるのね。サシバ調査は難しい。
【追記】
サシバ調査の大元さんからは、どうして雌雄を見分けなかったんだ、とお叱りを受けた。そんなん区別する自信がないし…。
梅雨末期の雨にドキドキしながら、サシバの定点観察へ。雨が降らなくてよかったけど、サシバはやはり出なかった。
それは予想してたから、他の鳥のデータをとってみた。5月の時と比べてみよう。
1時間毎に囀っていた鳥を比べると
<5月1日>
7時台:キジバト、ヒガラ、シジュウカラ、ウグイス、キセキレイ、イカル、ホオジロ
8時台:ヤマガラ、シジュウカラ、ウグイス、キセキレイ
9時台:キジバト、ヒガラ、ヤマガラ、シジュウカラ、ウグイス、メジロ、イカル、ホオジロ
10時台:キジバト、ヒガラ、シジュウカラ、ウグイス、メジロ、キセキレイ、ホオジロ
<7月7日>
7時台:キジバト、アオバト、シジュウカラ、ウグイス、メジロ、イカル、ホオジロ
8時台:キジバト、シジュウカラ、ウグイス、メジロ、オオルリ、イカル、ホオジロ
9時台:キジバト、シジュウカラ、イカル、ホオジロ
10時台:ウグイス、メジロ、イカル、ホオジロ
5月は囀っていたヒガラやキセキレイが7月には囀らなくなっていた。でも、他は意外と7月も囀っているなぁ。シジュウカラも囀っていたのが意外。
瀬戸内海の島々を地図で示し、自然史関連のトピックがある島を紹介する企画。それが島マップ。シマップと発音した方が、いいかも。
周防灘から伊予灘周辺には、鳥ネタが多い。備讃諸島には、虫ネタや植物ネタ、貝ネタもある。でも、播磨灘から大阪湾にはそもそも島も少ないし、ネタも少ない。しかたがないから、関西空港島も盛り込んでみた。
言葉で書き込んだだけでは盛り上がらないので、生きものや風景の画像も盛り込む。ダッシュ島も書き込んでみたけど、TOKIOの画像は使えないなぁ。
ウサギ島は盛り込んだけど、ネコ島は外した。ネコはファンが多いので、シマップを見て、島に観光客が殺到!なんて事が起こるはずはないけど、多少なりとも興味本位で行く人がいたらイヤなので。ウサギ島でも大きく取り上げたのは、観光地化している大久野島だけ。さらに楽しげな様子だけでなく、ウサギラインを示して、外来生物問題にも注意喚起を。伝わるかなぁ。
ちょっと気になるのは、展示室に標本が出ておらず、シマップに画像が出てるだけ、ってネタもいくつかあるぞ。いいのかな。
この5年ほどの間で、瀬戸内海沿岸を一通り巡って、水鳥調査をしたわけ。で、巡っている時になんとなく気付いてはいたけど、今日、カモ類のザクッとした分布図を作ってみて、ようやくはっきり分かることもある。
500羽以上のまとまったカモの群れが見られた場所をプロットして、それぞれの場所で多数を占めている種を書き込んでみる。するとあーら不思議、はっきりとした傾向がある。
ホシハジロやスズガモなどの潜水採食ガモの大きな群れが見られるのは、瀬戸内海の北岸側で、それも東より。ざくっと言えば、大阪湾北岸と播磨灘北岸が中心。
一方、周防灘沿岸や四国沿岸は、水面採食ガモが中心。大阪湾でも海岸によくいるヒドリガモが多い場所もあるけど、むしろ一番多いのはマガモのことが多く、ついでオナガガモって感じ。
そもそも数千羽のカモ類の大群が見られるのは、浅い海域の沿岸。というのははっきりしてるんだけど、潜水採食ガモと水面採食ガモの違いは、どこから来るのかさっぱり分からない。地形などに基づくのではないのかなぁ。でも採食行動が違ってる2グループなんだから、採食環境の違いで説明できると綺麗なんだけどなぁ。
今年は大阪市内の公園で繁殖する鳥の調査の年。1997年から5年ごとに実施している。で、今日は、大阪市港区の3つの公園に行ってきた。1ヶ所ではハシブトガラスがいたが、2ヶ所ではハシボソガラスがいた。海岸に近いからハシボソガラスが優勢。なんてことがあるのかな? その疑問に答えるデータは手元にあるから、掘り返せばいいだけ。この20年の変遷も追えるはず。時間を見つけて一度チェックしてみなくては。
と、港区で考えた。
とあるサークルの観察会として、岩湧山に登るナイトハイクを企画。参加者は2人だけ…。そういえば、昨年の金剛山のナイトハイクの参加者も少なかった。みんな参加しにくいんだな。もっとみんなで参加できる企画にして、趣味のナイトハイクは夜遊びグループで行くとした方が良さそう。反省した。
というのはさておいても、岩湧山のナイトハイクはハード過ぎた。あ〜、疲れた。岩湧山に登る一番楽なコースを選んだのに、昼と夜では話が違う。ナイトハイクに行くなら、昼間では話にならないくらい、楽勝過ぎるコースを選ばないといけないらしい。これまた反省した。
まあ、夜明けを山頂付近で迎えて、それでいて始発に間に合うように降りてくるという設定にも無理があった。さらに反省しよう。
でも、深夜の岩湧山山頂に行ったのは、無駄ではなかった。トラツグミやヨタカの鳴き声を確認したし、夜景は不覚にも見事であった。もう一度行きたいかというと、もういいような気もするが…。
2週間後にオープンが迫った特別展の解説書。まあまあ順調に推移していて、今日二校が上がってきた。世の中では再校というらしい。が、こちとらは校正を3回するので、これは二校。次が三校。時間に余裕があれば四校??? まあ今回は時間に余裕がないから三校まで。
この言葉の違いからすると、世の中では通常、校正が出て、次に再校を出してもらって、それを確認して校了ってことなんだろうか? ってことは、最初の入稿で原稿が揃っていて、初校を返す段階で、メッチャ大きな変更はないってことなんだろう。
でも、こちとらは仕様書段階から、校正は3回と明記してある。そしてこんな展開をする。今回のやり取りを例にしてみよう。
入稿:本文のテキストと図表を印刷屋さんに渡す。今回は、調子がよかったので、表紙・裏表紙も入稿できた。でも、表紙見返しと口絵はまだ入稿しない。本文のテキストと図表をおおむね一通り入稿しただけでも例年と比べると優秀。ここで前半だけという大胆な展開をする年もある。本文を一通り入稿したと言っても、図表はそろっていない。本文もまだ書き換えたり、付け加えたりする可能性含み。っていうか、慣れた書き手ほど、その技を繰り出しがち。ここで決めたいのは、一通りの割り付けであり、本当のところ仕様書のページ数内に納まっているかどうか。
初校を受け取る:入れ違いで見返しと口絵の入稿。
初校を返す:口絵に写すからとか、手配できないからといって、割り付けてあった図を減らす。一方で、やっぱりこれも入れようと図を付け加える。もちろん図表の差し替え多数。テキストもたくさん手を入れて、あまつさえ節単位で差し替えもある。割り付けの様子を見て、書き加えてみたりもする。入れ違いで見返しと口絵の校正を受け取る。見返しはコメントして速攻返却。
二校を受け取る:入れ違いで、口絵の校正を返す。割り付けの変更、図の差し替え、キャプションの変更。かなり色々と注文を付ける。
─── いまココ。これからの展開は、───
二校を返す:基本はテキストの小さめの修正。なんだけど、まだ図の追加と移動、拡大もある。入れ違いで見返しと口絵の再校をチェック。これは速攻で返す予定。
三校を受け取る:原則として、二校を返した時の変更点がちゃんと反映されているかを確認。問題なければ校了。基本はその場で決着かな。
ってことで、たぶん初校とその返しのやり取りは、本来的には校正段階以前な気がする…。