(2005年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、2006年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、
2007年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、2008年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、
2009年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、2010年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、
2011年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、2012年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、
2013年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、2014年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、
2015年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、2016年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、2017年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月)
●2017年12月31日 この一年に買った本
大晦日恒例、この一年に買った本を振り返ってみる。
以下の集計は、国内で本を現金で購入した場合に限る。海外の本を買ってクレジット決裁した場合は含まない。学会や研究会の会費を払って学会誌や会報を入手するのも含めない。
2017年に買った本は、327冊。購入金額は318,520円+税。冊数、購入金額ともに歴代1位。
購入した本をタイプ分けしてみると、
・自然史関連本:58冊、95,399円+税
・SF関連:97冊、117,410円+税
・ライトノベル:5冊、4,040円+税
・その他小説など:1冊、1,400円+税
・マンガ:166冊、100,271円+税
冊数は、自然史関連本はやや少なめ、SFはやや多め、そしてマンガが倍増で、史上最多。金額は、3本柱がほぼ同額で並んだ。
今年読んだ本の数を数えてみると。自然史関連本34冊、SF関連50冊、ライトノベル2冊、その他小説1冊、マンガ159冊(マンガの冊数は少し不正確)。合計246冊(マンガ抜いたら87冊)。今年買った本を読んだとは限らないのだが、読破率(一年に読んだ本/買った本の割合)は、75%(マンガ抜いたら54%)。買った分だけ読んだマンガが増えたけど、その他は驚くほど昨年並み。読破率50%超えは維持できた。タイプ別の読破率は、自然史関連本59%、SF関連52%、マンガ96%。
総括としては、購入・読破ともに昨年の高めの水準を維持。そしてマンガの購入数が倍増。家の中を眺めると、本棚が自然史関連本2本、SF+ライトノベル5本、マンガ2本。マンガの高いペースが維持されると、マンガの本棚を1本買い足さなくては。
<過去のデータ>
◆購入本
・合計
2006年:145冊、188,207円+税
2007年:144冊、197,299円+税
2008年:106冊、132,534円+税
2009年:131冊、181,830円+税
2010年:181冊、196,027円+税
2011年:127冊、172,199円+税
2012年:166冊、147,826円+税
2013年:164冊、201,353円+税
2014年:206冊、307,024円+税
2015年:199冊、265,288円+税
2016年:246冊、296,764円+税
・自然史関連本
2006年:42冊、83,087円+税
2007年:56冊、96,431円+税
2008年:37冊、72,764円+税
2009年:56冊、99,396円+税
2010年:52冊、103,247円+税
2011年:46冊、104,819円+税
2012年:49冊、80,138円+税
2013年:38冊、83,039円+税
2014年:70冊、156,011円+税
2015年:56冊、123,409円+税
2016年:67冊、145,430円+税
・SF関連
2006年:60冊、74,240円+税
2007年:61冊、78,780円+税
2008年:52冊、60,470円+税
2009年:56冊、66,230円+税
2010年:38冊、41,140円+税
2011年:50冊、45,627円+税
2012年:62冊、65,320円+税
2013年:69冊、81,750円+税
2014年:89冊、130,210円+税
2015年:86冊、104,140円+税
2016年:90冊、98,575円+税
・ライトノベル
2006年:14冊、9,282円+税
2007年:12冊、8,740円+税
2008年:7冊、6,494円+税
2009年:5冊、4,440円+税
2010年:6冊、4,564円+税
2011年:7冊、6,004円+税
2012年:5冊、4,378円+税
2013年:5冊、5,150円+税
2014年:2冊、1,800円+税
2015年:5冊、6,200円+税
2016年:4冊、4,700円+税
・その他小説他
2006年:6冊、8,743円+税
2007年:7冊、8,253円+税
2008年:3冊、4,700円+税
2009年:4冊、6,200円+税
2010年:4冊、5,000円+税
2011年:4冊、4,300円+税
2012年:5冊、6,425円+税
2013年:3冊、6,000円+税
2014年:1冊、2,800円+税
2015年:2冊、2,530円+税
2016年:3冊、3,000円+税
・マンガ
2006年:23冊、12,855円+税
2007年: 8冊、5,095円+税
2008年: 3冊、1,554円+税
2009年:10冊、5,564円+税
2010年:81冊、42,076円+税
2011年:20冊、11,449円+税
2012年:45冊、26,104円+税
2013年:49冊、25,414円+税
2014年:44冊、28,605円+税
2015年:50冊、29,009円+税
2016年:82冊、45,059円+税
◆読んだ本(冊数・読破率)
2006年:84冊、58%
2007年:101冊、70%
2008年:69冊、65%
2009年:76冊、58%
2010年:106冊、59%
2011年:74冊、58%
2012年:81冊、49%
2013年:96冊、59%
2014年:97冊、47%
2015年:96冊、48%
2016年:167冊、68%
●2017年12月30日 2017年のまとめ ホネサミ、瀬戸内海展、フェス、そしてネコがいなくなった
今年の1月の予言を思い出そう。
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まず、おそらく1月に大分県へ行って、今度こそ瀬戸内海沿岸のカモメ類の分布が明らかになるだろう。2月には、大阪でホネ関連のイベントが開かれるだろう。それは恐らく過去の同様のイベントと比べても最大規模となるだろう。4月には、大阪のとある自然史博物館に新たな学芸員が3人加わり、今までより活動的な博物館となるだろう。5月から7月には、大阪市内の公園で繁殖する鳥の調査が行われるだろう。7月から10月には、大阪で瀬戸内海関連の特別展が開催されるだろう。それが成功裡に終わるかどうかについて予言するのは止めておく。そして、11月には大阪で大きな自然史イベントが開催されるであろう。
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当たるように調整した予言は、予定通りほぼ当たった。「新たな学芸員が3人加わり、今までより活動的な博物館となる」については、外れたとは言わないけど、ハズレもあった。
そして、あえて予言しなかったけど、ショップ問題は幸いなことに解決した。端的に言えば、出来の悪い業者はいなくなった。二度とつきあわないで済ませたい。時間の無駄だし。
今日は晦日なので、今年のまとめをしておこう。
<調査>
ため池調査、大和川調査というルーティンの調査は、一年間ちゃんとクリアした。地元公園での、秋冬の果実チェックと鳥のセンサス調査、春から初夏のカラスの巣調査も例年通り実施した。
瀬戸内岸の水鳥調査は、1月に完了。その成果は、瀬戸内海展で展示したり話をしたり。ある程度まとめて、せめてデータペーパーとして公表したいところ。
5年ごとに繰り返している大阪市内の公園で繁殖する鳥の調査は、第5回が無事終了。
カラスの枝落とし調査は、3月をもって一旦終了。でも、その後も断続的に情報は集まっていて、なんと海外からの情報まで!
大阪府の越冬リュウキュウサンショウクイ情報の収集は薄く継続中。
大阪府のサシバの調査プロジェクトは、いよいよ1980年代に生息していた南河内地域の調査が実施された。
外来生物調査の鳥以外の部分では、貝班や魚斑に少し参加。10〜11月には今年もムネアカオオクロテントウを探した。昨年より着実に分布が広がっている。
<行事>
予定した行事はすべてクリア。カエルの観察会は4年ぶりについに実施された。シカの観察会は雨天中止。ナイトハイクは日帰りで、箕面公園と萩谷総合公園の2ヶ所で実施。他のコースも探しているが、いいコースは見つからず。
大物としては、2月のホネホネサミット2017と11月の大阪自然史フェスティバル2017。どちらも盛会だった。フェスティバルの資金集めは、寄付の集まりが悪く、当日の本のバザーでしのいだ感じ。
大人のホネ標本作りは、ダチョウ頭を使って好評だった。調子にのって来年はエミュー頭をする予定。
<サークル>
なにわホネホネ団、大阪鳥類研究グループ、ジュニア自然史クラブ、友の会読書サークルBooksの活動は例年通り。なにわホネホネ団は、通常活動日と鳥の日の月2回の活動を維持。西表島鳥類調査隊のキンバト処理をほぼ隔月で実施した。
関西自然保護機構の運営では、毎年の赤字に頭を痛めていたが、会誌の完全版下入稿化によって、大幅にコストが改善できる目処がたった。あと少し頑張ればトントンラインになる。
日本鳥学会の広報委員会から脱退。これで設立メンバーがいなくなった。
<標本>
冷凍室が復活して1年しか経ってないのに、すでに冷凍室の内部が魔窟化してきつつあるのには、驚かされる。でも、入ってくる量と処理する量はなんとかバランスしていると思う。ただ中型哺乳類が片付き、鳥がたまりつつあるような気がする。
2015年9月にきたザトウクジラは、業者に組み立ててもらって、瀬戸内海展で展示して、ザットンと名付けられた。来年にはポーチにぶら下がる予定。
7月には淡路島からオキゴンドウ、9月には大和川からハンドウイルカが届いた。あと大物はシマウマとか。
名古屋方面の名誉教授から、哺乳類を中心に研究に使った陸上脊椎動物のホネのまとまった寄贈があった。整理・登録しなくちゃ。
<原稿>
某出版社から出すことになってる大阪の哺乳類の本がやはり出なかった。この年末も手もつけれていない。どうしたもんだろう。
某大阪支部の会報(隔月刊)への連載は継続中。
瀬戸内海展の解説書はなんとか完成。今度は、再来年の外来生物展の解説書のことを考え始めなくてはならない。
まともな論文は今年も書けなかった。
<その他>
・久しぶりに鳥類学会大会に参加した。自由集会だけど話題も提供した。
・秋、ネコに会えなくなった。
毎年、仕事納めの日から大晦日までの4日間、地元の公園で標識調査をするのが恒例になっている。もっといろんな季節に調査していた時期もあるのだけど、近頃は標識調査をしてるのは年末だけという体たらく。
で、おもなターゲットはヒヨドリで、その体重を測るのが主な目的だったりする。年によって冬場に体重が増加する年とそうでない年があるので、そのモニタリングって感じ。
今年は豊作の年はので、予定ではヒヨドリは冬場に体重を増やさない。でも、クスベニヒラタカスカメのせいで、今年のクスノキは果実がほとんどなっていない。ってことは、冬場に早く果実がなくなりそうなので、体重は増加するかも。と、なかなか興味深い年。今年のデータは重要。
が、しかし豊作年はヒヨドリが少ない傾向があり、実際この冬はヒヨドリが少ない。というわけで、ちゃんとヒヨドリが捕れるか心配。
さらに心配なのは、いつもの網場の樹の枝が刈られてスカスカになっていること。網が丸見えになるやん! サザンカ(カンツバキ?)の間に網を仕掛けているのは、サザンカの花にくるヒヨドリ狙いってこともあるのだけど、蕾付きの枝を刈るから花があまり咲いてない! ヒヨドリ捕れるか心配だったけど、その心配はあたった。当たらなかったのは、代わりに色々面白い鳥が捕れることで…。
初日の28日は、ヒヨドリは捕れず。でも、オオコノハズクとアトリが捕れた。ってゆうか、捕れたのは、この2羽だけ。
今日29日は、やっとヒヨドリが2羽捕れた。ついでにメジロとハイタカも捕れた。
なぜか変わった鳥が捕れまくる。ちなみに同じ場所での標識調査24年目にして、オオコノハズクは3羽目、ハイタカは4羽め、アトリは初めて。
今日が世に言う仕事納めの日。なんでも、年内にすべき仕事は、今日の夕方時点でこなされているものらしい。果たしてそんな幸せな人が、世の中にどのくらいいるのか知らないけど、こちとらは毎年仕事は納まらず年を越す。だからといって、そもそも12月という一つの月が終わって、1月に切り替わるだけなので、たいした支障もないのだけど、年が変わるから1月から心機一転できる体勢が望ましいというのは分からなくもない。この簡単な解決法は、12月の次は13月にすることで、欧米と違って、幸い日本はそれが可能。元号がかわるという話もあるんだし、それを機になんとかその方向で検討して欲しい。
で、半月ほど前に、今年中(残り2週間時点)にすることを、今年の目標として並べてみたら、25項目と今年は少なめ。で、ついに迎えた28日。今年中にするのが目標なので、今日時点で終わって無くても、まだ3日もあるのだけど、世間的にはたぶん今日時点ですべてクリアされてなければならないという意見もあるだろう。で、とりあえず今日時点で、残りがどのくらいかと、カテゴリー別に数えてみた。
行事系:2項目中2項目クリア。楽勝であった。
調査系:4つの内3つをクリア。残りも現在進行中で年内には終了。
データ整理系:3つとも残ってる。なんとかしたいが、手がつけられそうにない…。
原稿系:例年並みに、4つすべて残ってる。執筆2本、企画1本、査読1本。さらに年末にレッドリストっぽい原稿の指令がやってきた…。
サイト系:4つとも残ってる。厳しそうだけど、少しでも進めたい。
標本系:3つの内1つしかできてない。残る2つの内、片方はなんとかしよう。もう1つは年末年始の恒例行事。年明けには終わる。ホネホネ団の年末の活動の後始末も追加された。
雑用系(仕事):3つの内2つをおおむねクリア。残りも頑張ろう。
雑用系(個人):2つとも残ってるけど、なんとかなるでしょう。
というわけで、仕事納めに必要な25項目の内、1/3弱の8項目しかクリアできていない。達成率32%。昨年の同時点での達成率は50%あったのに〜。今年中にできればあと9項目はクリアして、8つ残して年を越す感じかと。8つ残しは昨年と一緒。
【2017年12月31日の追記】
3日後の夕方である。この3日間で調査系1項目、原稿系1項目、サイト系2項目、雑用系を3項目クリアした。これで達成率60%。見込みより少なく10項目も残ってるけど、もう挫折。来年はもう少し頑張ろう〜。
年末恒例、皮の処理の最終工程。なめし液に浸けていた哺乳類の皮を水洗いして、乾かすために新聞紙の上に広げる。昨冬の皮処理の成果を、一面にながめることになる。
今年は、例年より少ない。この冬の初めに処理した皮もついでに干そうと思ったのだけど、昨冬は大物が多くて机に並びきらないので断念。大物は大きい順に、ライオン1頭、バーバリーシープ1頭、ツキノワグマ2頭、ニホンジカ1頭(胴体、頭、足先4枚に分かれてる)、トカラヤギ1頭、カピバラ1頭。中小物は、コアラ2頭、レッサーパンダ1頭、ノウサギ2頭、カイウサギ1頭、仔ジカ1頭、仔スナドリネコ2頭。全部で16頭。ついでにフンボルトペンギン2頭。
ツキノワグマは水面にでてたのでカビだらけ。ついでにノウサギとコアラにも少々カビが付いてしまった。そのカビ取りに助っ人が一人いてくれたので助かった。
というのが昨日のこと。処理2日目の今日は、まだ水気取りの段階で、新聞紙を換えたらほぼおわり。と思ったら、仔ども3枚はもう少しで引っ張れそうなくらい乾いてきてる。微妙なタイミングで乾いても困るので、まだ水気たっぷりのノウサギの下に入れておこう。
年末年始は毎日これの世話をしなくちゃならない。今回は1月4日までに終わりたいんだけど、ライオンは厳しいかなぁ。ちなみに昨年は、1月7日まで13日かかった…。
来年の年末に干すのは、この冬に処理してるの。シマウマがあるから来年末も大変そう〜。
クジラを研究するタナティーがきたせいで、やたらとクジラ標本のニーズが高まる今日この頃。クジラの全長は?とか、クジラの登録番号は?とか問われる。
なんだろうなぁ。タヌキのように次から次へとやってくる標本だと、標本番号で管理が必要だけど、5m以上のクジラの標本は、少なくともほぼ全身揃ってるのは、7体しかないので愛称で管理できてしまうんだな。そして、標本番号は付けてなかったりする。論文にも愛称を書けばいいのになぁ。「OMNHのナガスケ」を調べたところ…、みたいな。
なんてことは言いにくいので、標本番号を確認して、まだ付いてないのには付けなくちゃ。で、再び訊ねられた時のために、全長5m以上のクジラ類の所蔵標本を、ここに整理しておこう。
3展のナガス:ナガスクジラ、登録番号なし
1952年3月、北海道厚岸沖、捕獲、全長17m
ナガスケ:ナガスクジラ、オス、登録番号OMNH M1000
1990年4月11日、大阪府堺市堺泉北港、漂着、全長19m
大ミンク:ミンククジラ、性別■、登録番号OMNH M3500
1996年7月12日、大阪市住之江区南港東6丁目、漂着、全長7.7m
小ミンク:ミンククジラ、性別■、登録番号OMNH M3400
1999年8月24日、大阪府田尻町マーブルビーチ、漂着、全長5.4m
徳島のザトウ:ザトウクジラ、メス、登録番号OMNH M2222
2008年4月9日、徳島県阿南市野々島、漂着、全長6.9m
マッコ:マッコウクジラ、メス、登録番号OMNH M3000
2010年5月22日、大阪府堺市堺泉北港、漂着、全長9.1m
ザットン:ザトウクジラ、オス、登録番号OMNH M3042
2015年9月13日、大阪府岬町長崎海岸、漂着、全長7.0m
今日のなにわホネホネ団鳥の日には、高知県からの見学者がいて、なぜか盛んに写真を撮っている。なにをしてるのかな?と思っていたら、高知県の仲間に中継していると判明。なんか緊張する。
他にも客人がいて、自分が拾った鳥が仮剥製になるところを見たいという。だもんで、説明しながら剥いているんだけど、これから皮剥きをするでもない人を相手に何を説明したらいいのか段々分からなくなってきて、なんとなく意味不明なトークとともに剥いていく。その時々を高知県人が撮影している。皮剥きを説明する要所を撮っているというより、なんか楽しそうな段階で撮ってるような…。
ってことで、高知県民のみなさん、あの中継を見ても鳥の皮剥きのことはさっぱり分からないと思うから。あまり見なくて良いかと…。ちなみに自分が拾った鳥の皮剥きを見た人の感想は面白かった。また見に来て良いですか?だった。面白かったのは何より、でも何の役に立ったんだろう?
ってゆうか、愛知県からも来てるし、ある意味、東京都辺りからも来てる。わざわざ高い交通費を使ってやってきて、標本作りをしてもらってる訳で、ありがたいやら不思議やら。ちなみに高知からの刺客の一人は、ホネサミでおなじみの魚ホネのマオ先生なのだけど、てっきり何度も見に来てると思ったら、初めてのなにわホネホネ団見学なんだって、なんだろうあの存在感。
というわけで、関西人のみならず、愛知県人も東京都民も高知人も入り交じった中、とくに遠方から来たからといって、とりたてて特別扱いもせず、クリスマスイブの夜はイヌやシマウマやアライグマなんかと一緒に更けていくのであった。だいたい帰る時になって、遠くまで帰るの大変やなぁ。せっかく遠方から来てくれたんやから、もっとサービスしとけばよかった、と思うのだけど。もちろん後の祭り。
で、高知からの刺客は、2人。一人は持参してきた(高知から!)タヌキを剥いて入団試験、そのままタヌキを寄贈してくださった。もう一人はシマウマの皮処理を延々と手伝わされていた。楽しかったのかなぁ?
今日は朝から、資料前処理室という事実上の液浸標本作製室の整理をしている。とりあえず全部を放り出してるんだけど、でるわでるわ。よくこんなに詰め込んでたなぁ。そして、その多くが、さっさと収蔵庫へ持って行っとけよ、という案件。大部分が龍神のもの、そこそこ萌蔵のが混じる。と他人事のように見ていたら、ヒツジの内臓とか、スナメリの胎児とか、すっかり忘れていた担当標本も出てきて、少し慌てる。
というのに刺激されて、冷凍室の中身を少し整理して配置換えした。めったにさわることのない冷凍二枚貝のサンプルとか、小型哺乳類の死体Boxを奥へおいやり。なにわホネホネ団のおかげでどんどん処理が進んでいる中型哺乳類を手前に。改めて能勢物と河原物の箱が大量にあるのに驚いた。これをどんどん処理していかねば!
隔月で、課題本の紹介文を持ち寄って、本についてあれこれ言い合うサークル。今日の会合で出た本についての意見を記録。
今日の課題本は7冊。前回からの持ち越しが2冊あったので、9冊についてあれこれ話し合った。
ちなみに各人は紹介文を書いてきていてて、4つを最大として★を付けている。
●「マンボウのひみつ」
(紹介文4つ、平均★数は2.8)
第1章から読み始めて挫折したという声に、第3章の研究の話から読めばいいのに、というやり取りが印象的だった。マンボウ自体にさほど興味のない人は、第1章と第2章が苦痛らしい。研究は分類学的な研究なのに、タイプ標本がらみの話がでてこない、標本の話がそもそもほとんどないけど、どうなってるの?という声もあった。
●「カワイルカの生態に迫る」
(紹介文1つ、平均★数は1.0)
一人しか読んでこなかったので、評価は偏ってる可能性がある。その人によれば、カワイルカの生態研究に取り組もうとする話ではあるけど、生態が明らかになる手前の話ばかりで、結局どんな生態か分からなかった、というのが不満だったらしい。でも、聞いてる限りでは、ガンジス川の中に人がいっぱい入っている時でも、その近くをカワイルカがウロウロしてるというのは面白そうに聞こえるけどなぁ。
●「チョウのすきな葉っぱの味」
(紹介文5つ、平均★数は3.4)
チョウや植物の絵は評判がよかったが、2羽だけ出てくる鳥の絵が気に入らないという意見が複数。目がねぇ。身近なチョウを中心に取り上げているのに、山のチョウが混じってるのが気になる人もいた。でも、食草を脚で味見て選ぶ話など、おおむね高評価。
●「海のかたち ぼくの見たプランクトン」
(紹介文3つ、平均★数は3.3)
とにかく写真が綺麗!で意見が一致。出だしのタルマワシの印象が強いかも。最後のページの月並みなエンディングが気に入らないという声があった。その前のページで閉める方が良かったとのこと。厳しいなぁ。
●「きょうは たびびより」
(紹介文5つ、平均★数は3.4)
ヒヨドリの群れが海を渡ろうとすると、ハヤブサがやってきて…。というストーリーが、消しゴム判子で描かれる。ヒヨドリの消しゴム判子だけでも100個から作ったらしい。ってエピソードは本に挟まれた冊子に書かれている。このエピソードを読むまでは、判子で作られているとは気付かなかった…。ヒヨドリやハヤブサの表情・プロポーションがとてもいい、という評価で一致した。
●「はじめての地質学」
(紹介文4つ、平均★数は2.8)
地質学に詳しい人の評価が低く、地質学に詳しくない人の評価が高めだった。詳しい人は、初学者向けの本にしては難しい、これでは一般の人に興味を持ってもらえないだろう、という評価なのだけど。一般の人たちは、面白かったと言ってるという不思議なねじれ。
●「海のクワガタ採集記」
(紹介文3つ、平均★数は3.3)
馴染みのないウミクワガタの生態が次々と明らかになる展開を、みんな楽しく読んだらしい。ウミクワガタの話に入る前の、マイナー甲殻類を延々と紹介する部分は、もっとどうにかならなかったのか?という声もあった。
●「カラスと京都」
(紹介文4つ、平均★数は2.8)
1990年前後の京都大学の理系院生の様子がよく分かる一冊。それを体験したものとしては、そんな話読んで面白いのか?と思うけど、松原ファン層は、それを読んで面白かったらしい。「はじめての地質学」に似た、不思議なねじれ。
●「世界はなぜ月をめざすのか」
(紹介文4つ、平均★数は3.5)
どんな本なのかの説明を聞いてもよく分からない。月についての科学的な知識だけでなく、月や月の探査をめぐる社会的な状況を紹介しているような。でも、とても面白いらしい。
スナメリネットワークというのを立ち上げると聞いて、その設立集会か、発起人会か、設立準備会かは分からないけど、天保山方面に出かける。事務室に来いと言われたけど、事務室がどこにあるか分からん。しばらくウロウロした後、手近な受付のお姉さんに事務室の場所を尋ねる。教えてもらえたのは営業用のカウンターで、そこから担当者を呼び出してもらう。セキュリティのしっかり施設は入るだけで大変。
で、大阪湾のスナメリを調べるネットワークを立ち上げようという打合せ。生きてるの担当の施設の方が音頭取りで、死んだ標本を貯め込む施設から呼ばれた以外は、大阪湾のスナメリを研究している先生、大学の海棲哺乳類屋さんという顔ぶれ。大阪湾のクジラ類に詳しい元水試の方も呼ぼうということで一致した。神戸方面の施設にスナメリを研究している人がいるらしいのだけど、他の人と交流したり、情報交換するタイプじゃないらしい。この方面はおいおい対応を考えることに。
で、
・スナメリの混獲とかストランディング情報を収集
・最近復活した大阪湾内の航路や、某水族館の船や、必要なら船をチャーターして、生きたスナメリの調査
・大阪湾のスナメリの普及啓発
なんてのが、主な活動の柱になりそう。
独自に組織化は面倒なので、大阪湾見守りネットに寄生したらいいじゃね?という流れに。今度の2月にお披露目かなぁ。
ちなみに水族館がスナメリ調査をするのは、そういう言葉は使わないけどCSRの一環っぽい。スナメリ調査して、ステイタスや好感度が上がるなら、ウィンウィンってことかと。
博物館を舞台にしたマンガを書いている著者と話をする機会があった。意外なほど博物館のことを知らないのに驚いた。それであれだけ描けるのは、むしろ優秀と考えるべきかもしれない。
博物館友の会のことからあまり分かってないので、博物館コミュニティとか博物館で活動するサークルもまるで知らない。いま館内でそうした関係者といっぱいすれ違ってるけどなぁ。仕方がないので、フェスティバルの配布物とか館報を渡して、軽く説明。でも、充分伝わったかなぁ。
どんな博物館を取材したことがあるのかと訊ねたら、国立の某科学博物館と、I県立自然博物館と。関東にはうちみたいな博物館はあまりないだろうとは思うけど、それにしてもサンプルが偏り過ぎ。じゃあ、どこを取材すればいいかと言えば…。関東では千葉とか神奈川はそれなりに参考になるかな?
で、その博物館マンガを挨拶代わりにくれようとするのだけど、その本はすでに買って持ってるんだな。でも、サイン書いたからと言われ、とりあえず受け取る。2冊もいらんけど、どうしよう?とりあえず読みたかった!と言ってる人に貸してみた。
気付いたらラッカネコ部というのに入部していた。謎の部屋に連れて行かれ、イベントにも参加させられる。栄養失調のネコの世話はなかなか難しそう。できるか自信がない。
ネコはというと、昨日の朝よりは動くようになってきたけど、まだまだ骨と皮しかない。元気になれば可愛くなりそう。引き取って飼ってみたいかも。
【追記】
栄養補給に点滴を打ってもらった方がよかろうと、獣医に連れて行ったら、そのまま入院となった。メスかと思っていたら、去勢されたオスだったらしい。
2日後、死亡。後脚をケガして化膿していたので、その処置をしている中で死んだとのこと。
【追記】
ラッカネコ部では、落下してケガして脱出できないネコがでるのなら、落下しないようにしたい。という声が上がって、応急処置をすることに。
今年も残り2週間。ちょっと早めに、今年の目標を立ててみた。
今年も残り2週間。ちょっと早めに、今年の目標を立ててみた。
【行事系】すでに終わったも同然か?
・23日〜25日、なにわホネホネ団。
・22日、友の会読書サークルBooks
【調査系】今から大和川の調査へ。
・ため池(近所)
・大和川
・公園の鳥のセンサスと果実のチェック
・鳥類標識調査(年末恒例)
【標本整理系】今月に入って大物が連発なので、冷凍室がいっぱい。
・冷凍室の毛皮と仮剥製を出して収蔵庫へ。
・箱詰めされた本剥製を冷凍室へ。
・なめし液に入ってるのを乾かす。
【原稿執筆関係】 最初の大物以外はできそう。
・大阪の哺乳類の原稿執筆(過去8年毎年書いてる…。でもこの年末も無理) 。
・鳥学会自由集会のまとめ
・外来生物展解説書の目次作成。
・KONCの査読1本。
【データ整理系】年末年始には難しいかも
・カラスの巣のデータ整理
・大阪市内の公園で繁殖する鳥調査の地図整理
・瀬戸内海沿岸の水鳥調査のデータ入力
【HP系】これもけっこうできてきている。
・最近見た鳥のサイトの更新(2012年以降なんだけど、今年は追いついている)
・日記の完成(この2ヶ月に未完成が)
・大阪鳥類研究グループ活動報告(ここ数年放置してた…)
・読んだ本の紹介文
【雑用系】
・いろいろ本の在庫調べ
・雑誌の整理
・学会の来年度会費の支払い
・家賃の支払い
・年越しそばと雑煮の準備
今年は11月以降にけっこう雑用をこなしはじめてるので、例年よりも作業が進んでいる。調子に乗って例年無視してたのに手を出し始めて、書きだしてみたら、やっぱりいっぱいある…。
年に数度、不定期に行われる恒例行事といってもいいだろう。ドライエリアに落ちたネコを救出した。
昼過ぎにトリからネコが落ちているという連絡。3つあるドライエリアの内、実習室のすぐ外のドライエリア。実習室で作業をしていたらネコの声が聞こえてきたという。で、覗いたらネコが動いたとのこと。とりあえず、はしごを使って降りてみた。寒冷紗とかブルーシートとか落ちてるけど、ネコは落ちてないなぁ。と思ったら、追い詰められたネコの威嚇声。のぞいたら物陰に隠れていた。ものすごく怒ってる。温和しい仔ネコなら素手ですくい上げるけど、大人のネコに噛まれて、ひっかかれて、蹴られると痛いので、装備を調えるべく、いったん上に戻る。
テレビで警察がサルを捕まえているような、大きな丈夫な水網みたいなのはないかと探したが見つからず。仕方がないので、小さめの袋状の漁網を見つけ出してきた。手袋はめて、漁網をもって、いざ出陣。
再びドライエリアに降りて、ネコにそーっと近付く。めっちゃ怒って、鳴きまくるし、シャーという声も出してる。でも、ダッシュで逃げる様子もなく、簡単に漁網を被せられた。逃げる様子もなければ、ひっかきにも来ない。口ばっかりらしい。網の上から首の後ろをつかんで、網にしっかりくるむ。それを片手に持って梯子をあがる。なんかあっけない。上で待ってるトリにネコ入りの網を渡して、担当作業は終了。
上で、すぐに網から出されたネコは、ガリガリに痩せていた。開放されたらダッシュで逃げるかと思いきや、ヨタヨタと遠ざかっているだけ。かなり弱っている。このままではせっかく救出したのに餓死しそう。野良ネコにエサを与えるのは主義に反するのだけど、死んだら寝覚めが悪い。で、トリが冷蔵庫にあるという豚肉を持ってきて与える。警戒しつつも温和しく食べ始める。たいした量でもないのに時間がかかっている。ドライフードは食べれないかも。ネコ缶を買いに行った方がいいかなぁ。
昨日今日落ちたのではなさそう。警備員さんによると、2日前にも同じドライエリアに落ちていたネコを救出したという。それは白黒ネコなので、今日のキジトラとは別個体。たぶんその時一緒に落ちていたのに、気付かれなかったのだろう。一応、ネコが落ちても上がれるように、板が立てかけてあるのだけど、ちょっと急なので大人ネコでも上れない個体はいそう。
実習室前だったから、実習室で作業していたトリが気付き、ギリギリ救出が間に合った感じ。せっかく助かったのだから、元気になってほしい。でも、いじめられたと思ってるだろうから、仲良くはしてくれないだろうなぁ。
久しぶりに岸和田市の阪南2区埋立地の調査に付いていった。埋立地につくられた人工干潟の調査。干潟は、埋立地の北東角から上弦の月のように弧を描いて伸びる突堤の内側にある。突堤の付け根から干潟までは、真面目にあるいても15分くらいかかる。その干潟にネコが住み着いていることに気付いたのは、もう数年前のこと。なんか食肉類の足跡があるので、最初はタヌキ?と思ったのだけど、すぐに姿を見られた。ネコだった。こんな場所にどうやってきたのか?いったい何を食べて暮らしているのか?疑問はいろいろあるけど、とにかく、その後もネコの足跡は見られ、ネコは機嫌良く暮らしている様子。子ネコを見ることもあり、ちゃんと繁殖もできている様子。
今日、久しぶりに行くと、突堤の上にキジトラの小さめのネコの死体が落ちていた。それを観察していると、近くから白黒の小さめのネコが飛び出して逃げていった。子どもなのか兄弟なのか。目玉がなくなっているけど、頭骨は割れておらず、毛皮も傷んでいないので、拾って帰ることにした。気温は低いけど、直射日光はさけて影に置いておく。鳥の調査が終わったら、ビニール袋を拾って、砂をはたく。小さいネコなので、小さめレジ袋に入るから助かる。
調査が終わったら、鞄にネコを放り込んで、急いで帰る。と、その途中で昼食にうどんを食べたけど。電車の中では暖房の効いていない場所を探して、自宅に戻って自転車で博物館まで。メモをつけて冷凍室に放り込んで一段落。
ネコなんてどこにでもいるけど、以前から気になっていた埋立地のネコなので。処理する時に胃内容物をチェックしたら、長年の謎が明らかになるかもしれない。
表彰状というものをもらった。賞状と名の付くものをもらうのは、卒業証書以来かもしれない。と思ったけど、卒業証書は証書であって賞状じゃないなぁ。友の会総会のバッジデザインコンテストでもらって以来、って可能性はあるかも。
ただ、もらった経過が気に入らないので、全然嬉しくない。とりあえず記録しておこう。
9月頃だったろうか、事務の人から、表彰されるらしいか11月末に大分に行くんでしょ?と言われた。でも、そんなことは聞いていない。もし本当に表彰されるんなら、先方から連絡があるとか、管理職から通達があるとかあるに違いない。と、そのまま放置。
でも、9月末になっても、10月末になっても、11月後半になっても誰からも連絡も通達もない。あの話はなんだったんだろう? で、11月末にはもちろん大分に行かなかった。表彰されるかどうか分からんのに、ノコノコ行くわけないし。
で、すっかり忘れていた今日になって、館長が部屋にやってきた。表彰状が届いてるんやけど、いる? 別にいらんけど、一応受け取ってみよう。
というわけで、筒に入った表彰状と、何か重い箱を手渡される。箱の中には丸い重しか文鎮のようなもの。送り状に、大会を欠席したから送付しますと書いてある。連絡もよこさんと、欠席しましたとはどういうこっちゃ?
ちなみに表彰状には、「あなたは永年にわたり博物館に勤務し、他の模範とするところです」と書いてあった。
とりあえず文鎮と送り状は、博物館友の会大会のバザーで売り飛ばそう。
たぶん誰かこっちに伝えるべき人が、伝えるのを怠ったんだと思うんだな。怪しいのは、某博物館関係の協会か、どっかの管理職ってとこか。
毎年12月恒例の鬼が大笑いする来年度の週末の予定を埋めるパズル。11月半ばから検討して、調整して、ほぼ固まったはずなのに。今日の会議であちこちが綻び、急いでパッチをあててなんとか完成。っていうのも例年通り。
サークルの活動日程はまだ流動的要素も残してるけど、博物館と友の会の行事予定はほぼかたまった。今度こそ日程に余裕をもたせて。と思ったけど、新たな要素も加わって、新たな学芸員も加わって、やはり埋まっていく週末。
とりあえず、ルーティンに近いのは、
・ジュニア自然史クラブ:月1回
・なにわホネホネ団:月2回
・大阪鳥類研究グループ:月1回
これだけで48日。毎月の週末の半分近くがうまる。さらに、余裕があればホネホネ団の活動日を増やしたい(標本の処理を少しでも進めたいから)。できればホネホネ団で西表島遠征をと思ったけど、少なくとも週末をからめての日程はとれなかった…。
そして毎年やってるのは、
・植物園案内・動物編:年間8回
・カエルの観察会:年1回
・鳥の観察会:囀りとツバメのねぐらの年2回
・鳥類フィールドセミナー:年間10回
・鳥の調査の勉強会:年間3回
・ホネの標本作り2回
今回は、哺乳類の観察会は断念したが、あとは例年並み。
毎年参加することになる大きめイベント
・活動報告会
・教員のための博物館の日
・標本同定会
・友の会秋祭り
・自然史フェスティバル
・はくぶつかん探検隊
・友の会総会
・バックヤードツアー
・地域自然史と保全研究発表会
・子ども祭り
全部で合計13日。これも例年並み。ここまでで合計87日。
来年度に特異的な企画としては、
・分野横断型の大きめ観察会4回
・ブックトーク6回
・オープンセミナー1回
・月例ハイク1回
ブックトークは新規要素。というわけで、のべ99日。まあダブルヘッダーも平日行事もあるから、そんなに週末すべてが埋まってるわけではない。で、現時点で予定のまったく入っていない土日祝日を数えてみたら、20日もある! まあ、学会2回と友の会合宿と年末年始を抜いたら、11日しか残らないけど…。
はこわっちって何だろう?と思っていたのだけど、「は」くぶつかん「こ」ども「わ」ーくしょっぷ「ち」ょうさたい、の頭文字だったとは気付かなかった。で、北は宮城県、西は島根県から博物館での子ども向けワークショップに関わりのある人が集まっての研究会だったらしい。部屋にいっぱい人が入っていたから、ホスト側も含めて50人ほど集まってただろうか。
とりあえず主催者の概要説明の後、北海道→多摩、東大→関東周辺、大阪な3人の事例紹介。
休憩の後、班に分かれて、展示室でテーマ毎の話合い。これは潜入しにくいので離脱。
その後のまとめに再潜入。のはずが、一緒に連れてこられて退屈している子ども2人と遊んでいたら、まとめは終わってしまった。どんな会だったのか、よく分からず。小さいお友達ができただけに終わった…。
3月の子ども祭りに向けての各班の準備が始まった。で、今日は担当の「喰う-喰われる」班のミーティング。話は聞くけど、求められれば助言するけど、基本的には大学生たちに任せて、自分たちで相談して決めてもらう。話は聞いているけど、よほどのことが無い限りコメントはしてはいけない。聞いていると、いっぱいコメントしたくなって、ムズムズムズムズ。でも、ここでコメントしまくると、誰が作ったワークショップか分からなくなるから我慢我慢。でも、我慢できないので、ここで王様の耳はロバの耳!
で、聞くとも無しに聞きつつ、内職をする2時間半。でも、要所要所でメモを取ってみた。だいたいの話の流れが記録に残って面白そう。今後の話合いでも記録をとっておけば、右往左往しながらワークショップが出来上がっていく様子が記録される。けっこう面白い事例になるんじゃなかろうか?
なぜか今年は、話合いの最後にコメントを求められた。メモを活用するチャンス! でコメントしたことは、
・「食物連鎖の概念」を伝えたいと言ってるけど、“食物連鎖の概念”って何か分からない。各自、本当に伝えたい内容を、専門用語を使わずに言うとどうなるの?
・子どもワークショップ参加者は、食物連鎖なんて言葉は分からない。どっちみち、専門用語は使えないので、専門用語に振り回されない方がよさそう。
・生態学についてある程度囓ってる人の中で、一人だけさっぱり分かってないメンバーがいる。そのメンバーの意見や反応が重要。彼女に分からない内容では、子どもにも伝わらないだろう。
・ってことで、引き続き頑張ってね。まだまだ一から考え直しもありだよん。
ちょっと言い過ぎた?
今日は、大学生約50人を相手に、博物館学の講義の一環として展示室を案内。今年で6回目。そして今回も、解説テーマは決めたけど、話す内容や順番はノープランで現場へ。45分程度のトークならノープランでもなんとかなるんだけど、なぜか汗が止まらない。20人弱の博物館実習生を相手にして同じ事をしても、汗は出ないのだけど、なぜなんだろう?
考えられる違いは、
1:博物館実習と博物館学の講義
2:実習生相手にはその前に2時間ほどの座学や館内案内をしてるけど、大学生相手の講義ではいきなり展示の解説
3:約50人と20人弱という人数の差
博物館学をとってる学生が、やがて博物館実習を受ける訳だから、その差は問題じゃない気がするけどなぁ。人数の違いだとすると、汗がでる人数の境目が気になる。でも、いきなりというのがポイントな気もする。
とある文章を読んでいて、こんな感じのフレーズが出てきて萌えた。たとえば、季節とともに植物が芽を出すのをおっかけてトナカイを移動していくような話。
被食者のフェノロジー→捕食者の移動パターン→被食者の生存率・個体群動態といった流れ。季節とともに喰う喰われるからはじまる相互作用系がシフトしていくイメージ。被食者側のフェノロジーの変異が、捕食者の移動パターン、ひいては相互作用系に与える影響。なぜかワクワクする感じがある。
トナカイの移動の例を考えて思うのは、フェノロジーって要素を抜きにしても、食物の分布に駆動される移動っていうのはありそう。それは鳥で例えるなら、種子食者が種子を求めて移動する感じ。果実食者が、果実が豊富だとすぐに移動をやめてしまう感じ。魚食者の海洋鳥が、魚を追って移動する感じ。こうした動きは、かなり遺伝的に規定されている部分の多い渡りとは少し違う。食物に駆動された移動。
種子食者や果実食者の渡りっていうのは、純粋な渡りではなく、こうした食物を追っかけての移動って要素も混じってる印象。もしかしたら、そもそも渡りではなく季節的な食物の分布に駆動された移動にすぎないのかも。なんて考えると新たなことを思いつかないかな?
空調の工事が入るので、研究室周辺の部屋の片付けに追われた先週。向かいの部屋からスキューバダイビングで使うボンベが出てきた。そう言えばこんなんがあったなぁ。これがあるのは以前からうすうす気付いていた。でも、改めて考えてこなかった。が、今回の片付けで、部屋から放り出されてきた。誰のもんなんやろ? だいたいこういうのは、借りて使うもので、持参するもんとちゃうし。いらんから捨てる?
などと考えていたら、あっけなく持ち主が判明した。なんと前館長が学生時代に使っていたのを、就職時に博物館まで持ってきたんだそうな。また使うと思って持ってきたけど、一度も使ってないとのこと。ってことは40年以上のもの? それ以来、一度も使われてない。でも今のと形は一緒だし、パッキングが傷んでなければ使えるかも?
前館長にはファン層がまだ生き残ってるだろうから、博物館友の会のオークションに出したら買い手がつくかも! どうやって持ち帰るかはさておき。私物なので売り飛ばしても問題ないし。
が、そんなに古いものだとしたら、なんとなく骨董品的というか、歴史的価値はないのかな。と言う訳で、鉄の塊として捨てるのは、いったん取りやめ。そして我が机の上に、所在なさ下に立っている”aqua-lung”
夢洲は、大阪市で最後から2番目の埋立地。広い裸地と水たまりがあって、裸地で繁殖する鳥達の営巣地になり、裸地や草地で狩りをする猛禽類が飛びまわり、水たまりには多数の水鳥が群れる。大阪府でも大阪湾でも有数のホットスポット。でも、埋立地にありがちなことに、どんどん整備が進んでいて、やがて失われそう。なんとかその一部でも残せないものかと思う。
ここにカワウの集団ねぐらできるので、その調査のために年に3回入る機会がある。せっかくの機会なので、他の鳥も調査する。もっぱら水鳥と猛禽類のチェック。昨年はツメナガホオジロやコヒバリがでたというし、今年もベニバトなどがでているという。そんな珍鳥も探したいけど、水鳥カウントして、カワウのねぐら調査したら時間はいっぱいいっぱい。珍鳥は断念せざるを得ない。残念。
というわけで、夢洲の調査に出発。ユニバーサルスタジオを横目に、桜島駅で車にひろってもらい、一路夢洲へ。今年はカモが少なめ、ホシハジロを中心に2000羽弱しかいない。陸ガモで一番多いのがオナガガモっていうのは、瀬戸内海西部に少し似てきた気もする。
ヘラサギが2羽、ツクシガモが30羽ちょっと。大阪府では珍鳥だけど、ここではあまり珍しくない。チュウヒが3羽も飛んでいたが、ハイイロチュウヒは見あたらず。
カワウの集団ねぐらに集まったのは約300羽と少なめ。暇なので、1羽1羽をじっくり見ていたら、ちょっと大きめのがいる気がする。それが頭を出すのを待ってたらウミウだった。で、そのつもりで大きめをチェックして顔を確認していったら、少なくともウミウが5羽いた。頭を確認しそこなったのもいるから、もう少し混じってるかも。こんなにウミウがたくさん混じってるのは初めて。大阪湾のウミウは増えてるのかな?
子どもまつりといえば、3月の終わりにある恒例行事。大学生が自分たちで子ども向けワークショップを、企画し、準備し、運営するというあの行事。それが今年度も今日スタートした。
概要説明の後、展示室をざっと回ってから、各自のやってみたいテーマや展示室を言ってもらって、萌蔵が大胆に班分け。ってところは、いつもと一緒。いつもと違って、今年は18名と人数が多いので4班できるんじゃないか?という声もあったんだけど、とりあえずは3班でスタート。今後のケンカ別れや分離独立の可能性も秘めてはいる。
昨年度は担当がなかったけど、今年度はC班を担当。第5展示室で喰う喰われるの関係をテーマにするってことで集まったけど、第5展示室に行ったら、なぜか相変異のコーナーで熱く語り合っていて、ドキドキする。かといって、オオカミとシカのシアターでなんかするというのもドキドキするのは一緒。この部屋は音楽や効果音が多いので、開館時間中メッチャうるさいってことを分かってるのか心配。
とまあ心配が尽きない4ヶ月が始まったってこと。
昼過ぎに突然電話があった。と伝言があった。どうやら朝から電話をかけてくれていたのだが、こちらが全然気付いていなかった模様。そして、電話は、というか大物は、いつも突然にやって来る。
もちろん引き取ると二つ返事。できれば運んで欲しいと言うと、先方も二つ返事。この時点で何かを疑うべきであった。2週間後くらいに到着するといいな。と思ったら、夕方持って行くという。とりあえずそちらで冷凍してもらってていいけど…。と言ったら、こっちの冷凍室には入らんとの返事。ついでに他の大物も持ってくるという。断る訳にはいかないので、了解して、その脚で冷凍室向かう。
虫を殺すために入れてあった昆虫の箱とか、植物標本の箱とか、なんか知らんけど植物遺体っぽい袋とかを放り出す。数日前にせっかく入れた仮剥製やなめし皮も放り出す。けっこうスペースができたので、これでモノトーンの大物も入るだろう。
そして夕方。大物たちがトラックに乗ってやってきた。一目見て、少しイヤな感じがした。思ったより大きいような…。かぶせてあったブルーシートをどけて、愕然とする。想定より遥かに大きい。入るかなぁ。手を広げて大きさを測って、冷凍室のすき間の大きさも測る。ギリギリ入らないような、押し込めば入るような。
とりあえず3人をかりあつめてきて、運んできてくれた獣医さんとともにトラックの荷台からおろす。リフトがあってよかった〜。下ろしたあとは引きずって冷凍室へ。胴体まで引っ張り込んだけど、頭が入らん。頑張って、というか、無理矢理頭と首を押し込んで、最後は頭を扉で押さえて無理矢理占めた。
ホッとしたら、みんなが顔を見て笑う。大物を喰ったみたいと。頬から顎が血まみれになっていたらしい。全然気付かなかった。気付かなかったと言えば、パーカーもジーパンも靴下も草履も血にまみれていた。全部着替えなくてはならない。思わぬコストである。
ある3時間をおいてから、冷凍室の中で大物が凍ったと思しき頃合いに、冷凍室を開けてみた。あまり凍ってない。でもそろそろ帰りたいので、続きの中物達を大物の上に乗せた。シカ、ヒツジ、カンガルー、ツル。いつもなら大物と呼んでもらえるのに、今日のアニマル柄の大物の前では、小物感が漂いまくってしまう。再び頭を扉で押さえて無理矢理占めた。明日には凍ってるかなぁ。
そして、冷凍室の入口付近は大物と中物で埋め尽くされた。血まみれになる覚悟がなければ、これ以上、物を入れるのは難しい。という状態を長く続ける訳にはいかないので、急ぎ来週の日曜に大物処理日を設定し、者共に連絡。
というわけで、業務連絡。この1週間は冷凍室は占拠した!
後半は、大阪自然史フェスティバルと日本動物園水族館教育研究会(ZOO教研)という2つのイベントの準備と開催に追われたが、前半はむしろ家の片付けに追われた。とある事情で、荷物を整理して動かす羽目に。
おかげで、自分がどんな物をどのくらい持っているかを改めて確認することになった。端的に言えば、電化製品をはじめ生活雑貨は少ないけど、コレクション系のものがやたらとある。まず多いのが本。本棚に可能な限り詰め込んで、ざっと自然史系2本、マンガ2本、SFなど小説系5本。次に多いのがTシャツ。ケースに詰め込んで100cm×100cm×150cmって感じ。あとはバラバラと5円玉、牛乳瓶、ローソンでもらえるリラックマグッズ…。なんでこんなに貯め込んでるんだろう? 穴の開いたジーパンコレクション、紙袋コレクション、レジ袋コレクションもけっこうな量。これは捨てられないので溜まってるだけだけど…。
そんな11月を振り返ってみよう。
ルーティンのため池調査、大和川調査は無事完了。外来生物調査プロジェクトの調査は、事実上のシーズンオフ。
標本作りは、ホネホネ団で処理してる以外は、すでに処理した皮や仮剥製を包んで燻蒸する作業が少し進んだ程度。
名古屋方面の名誉教授からのホネの寄贈は、断続的に継続中。
普及行事は、とにかく大阪自然史フェスティバルとZOO教研に尽きる。フェスティバルに博物館実習をぶつけたので、その対応もあった。今回もまた一人ブログを書かない奴がいて、事後処理を止めてるところ。
フェスに来てくれた方から問い合わせがあったので、読書サークルBOOKSの公開サイトの更新をした。ついでに日記もかなり追いついたし、今年読んだ本のリストも入れたし、見た鳥のページも遡りつつ更新を進めているところ。あとは大阪鳥類研究グループのサイトを更新したい。
とまあいろんな出来事があり、そこそこ原稿も書かないといけなかったので、なかなか本読みモードに入れなかった。読んだ本は、自然史系1冊のみ。
講演は、学芸ゼミ1本。中学生の職業体験対応1日。査読1本の期限が過ぎたけど手を付けられず…。
大阪市内の鳥類、哺乳類、爬虫類、両生類についてまとめる文章をさらさらっと書けとのお達し。昨日言ってきて、今日中に出せとは。だからマスコミとか役所は嫌い。
で、サラサラっとこんなこと書いた。
哺乳類:外来生物が多い。在来種の主要な生息地は淀川と大和川だよん。アブラコウモリを除けば。
鳥類:300種を超える種が記録されているけど、繁殖記録があるのは40種少々。その半分くらいは、都市公園などで繁殖するけど、残りは河川敷や埋立地が主な生息環境。通過鳥や冬鳥を考えても淀川、南港野鳥園、夢洲が重要。
爬虫類:外来のカメが目立ちまくり。他は都市公園や河川で細々と生き残ってるだけ。
両生類:在来種はアマガエルとヌマガエルしか現存してない。水田が急速に減少しているからヌマガエルは風前の灯火。
ってことで、淀川と埋立地が重要、都市公園や水田も重要。という分かりやすい構図。
今日は、大和川、大阪湾、瀬戸内海のカモメ類の話をした。話ながら、質問を受けて、とくに気になったのは、この2つ。
・どうしてユリカモメは、この10年、20年で減ったのか?
・どうしてウミネコは、夏に湾奥部にいて、冬は湾口部あるいは外洋よりにいるのか?
とりあえず答えたことは、
ユリカモメの減少は、繁殖地でなにか起こって繁殖成功度が下がったんじゃないかと思う。というのもユリカモメが多かった頃は、幼鳥の割合が10%を超えていたのが、近年は5%を切ってることが多い。
ウミネコの分布で疑問に思うべきは、どうして夏に湾奥部に入るのかということ。山口県でのカモメ類の分布調査の結果を見ても、ウミネコはそもそも内湾よりは外洋側に分布する鳥。で、どうして夏は内湾や湾奥部に来るかというと。…分からない。ユリカモメの分布が3月頃イカナゴ漁の盛んな明石海峡周辺に偏るってことからすると、食物の分布で説明するのが妥当な気がする。じゃあ、夏に湾奥部のウミネコが何を食べてるかというと。…分からない。これは調べる価値があるかも。
ミュージアムショップは、博物館の顔の一つであり、大切な普及教育の場でもある。で、今日、とある会議でうちの現在のミュージアムショップの顧客層の分布はどんな感じかが議論になった。
あーだこーだ言った後、だいたいこんな感じかなぁという結論が、
1:一般の来館者・来園者
a:親子連れ 35%
b:けっこう年配の大人 10%
c:その他 5%
2:固定客(多くはリピーター)
a:友の会会員 25%
b:グッズ・ショップファン 10%
c:博物館関係者 15%
固定のリピーターが50%ほどを占めてるんじゃないかという判断。
それぞれのカテゴリーの属性は、
1a:子どもが主要な顧客で、子ども向けのグッズが売れる。
1b:大人向けグッズが売れそう。植物園の顧客層なので、植物園関連があった方が売れる?
1c:なんか分からん。
2a:オリジナルグッズの購買層、書籍もけっこう買う。
2b:オリジナルグッズや他ではあまり流通していない作家物のグッズを買いそう。
2c:本をかなり買うほか、Tシャツなどのオリジナルグッズもかなり買う。
子ども向けの商品ばかり並べても、1/3ほどの客にしかアピールできない。それはアンケート結果で、子ども向けではなく、大人向けの商品が求められているという結果とも一致する。
昨年度、訳の分からんグッズと本ばかり並べる変な業者の運営になった時には、2のリピーター層の大部分が離れた可能性が高く、売上げも半分ほどに落ちたんじゃないかと想定できる。
今日は鳥の日。9人で9羽の鳥を剥いた。そこに総会をさぼってくるZOO教研参加者の業界の大人達。なんか緊張する。ダラダラとやって来るのに一々説明するの面倒。放っておくと、業界人達は、勝手に鳥の皮剥きを見ている。あまり何にも知らない人達が、団員に質問しているのを遠くに聞きながら、鳥の皮剥き。
高校生に人気が集中していて、何歳からホネホネ団に入っているか、将来何になりたいかなどと盛んに質問されている。人が入れかわると、また同じ質問の繰り返し。それでも、ずっとにこやかに返事をしていて偉いなぁ。と思っていたら、ホネホネ系の人がこちらを見つけて質問してくる。この質問には答えざるを得ない。だんだん答えるのが面倒になってきた。にこやかさが維持できない…。
見学してもらうのは構わないけど、その相手は面倒だなぁ。と思っていたら、団長と副団長が助っ人に来てくれて、説明してくれる。ありがたやありがたや。
今日のホネホネ団活動日は、ZOO教研のエクスカーションめいた展開をしそうなのは読めたので、鳥の日にしておいてよかった。血や肉が飛び交う?通常活動日だと、気軽に見学は難しいから。
ただ、最初から見学者対応で、皮剥きせずに説明する人を用意しとけばよかったかも。
日本動物園水族館教育研究会(通称ZOO教研)という学会みたいな集まりがあった。基調講演のほかに口頭発表20題、ポスター発表29題。参加者数は、180人ほど(内、50人ちょっとは近所の専門学校生の団体参加なので、実際には120人そこそこ)という小さな学会イメージ。
動物園や水族館のスタッフだけではなく、動物園や水族館で普及教育的活動をしている大学や博物館やその他団体なども参加する教育よりな学会といったところだろうか。
ポスター発表29題を分類すると。エンリッチメント5件、展示解説の工夫3件、園館内での環境教育4件、ワークショップ紹介3件、周辺の自然観察5件、多様性保全活動3件、経営論1件、展示更新1件、大学・学校との連携3件、アウトリーチ1件。ちなみに保全活動はカナダガン系2つと岐阜地鶏。
ポスター発表を眺めると、教育系が多いからだろうか、数字が少ない。数字の入った図表を複数使っているのは、エンリッチメント4題、学校連携1題、展示解説1題、経営論1題だけ。調査してるのに結果を示してないパターンが目につく。事例報告ってスタイルが多いからだと思う。それでも調査したなら、結果を示せ!と思った。
ちなみに担当の主なお仕事は懇親会の手配。動物園水族関係者は、酒をいっぱい飲んで、食い物もいっぱい食べるぞ!と某天王寺方面の動物園関係者が自慢げに言っていたので、それを真に受けて、人数分の飲食物を手配したのだけど、酒も食べ物も半分近く余ってしまった。全然口ほどにもないやん。それならもっと量を減らして、質を上げたのに〜。
フードロスは許せないので、残った食べ物はすべて回収。俺たちが喰う!
某高校の生物部が、豊中市の赤阪下池ってところのツバメのねぐらを調べた結果を発表していた。高校時代は生物部ではなかったものの、まあ後輩にあたる。ので、ちょいと聞きに行ってみた。うーん。とても微妙。ダメだししまくりたかったけど、見学者は我慢我慢。
そもそも調査したのが、8月終わりから9月頭。集まる個体数のピークを過ぎて、個体数が随分減ってる季節なんだけど。どうしてこの時期だけ調査したのかなぁ?
で、最大の謎は、解析(?)部分。調査はなぜか塒入り時刻が明るさで決まるか、時刻で決まるかを検証したいらしい。が、季節とともに塒入り時刻が変わるから、時刻ではなく明るさで決まるという大胆な結論!! 結論は正しいかもしれないが、ぜんぜん検証になっていない。日没時刻を基準にという発想はない。晴れた日と曇りの日を比較した面白いかもとも思いつかない。ってゆうか、先行研究見れば書いてあるのに…。
あと気になるのは、塒入り時刻を、飛んでる個体数のピーク時刻で評価していること。ヨシに入る時刻が塒入り時刻ではないの? そもそも飛んでる個体数をどうやって評価しているのかも分からなかった。上空を飛んでる個体と、水面を低く飛びまわる個体が混じるので、カウントはかなり難しいはずなんだけど…。
誰かに指導してもらった方がいんじゃないのか?
と思ったら、某H県の博物館の学芸員と、知り合いのバンダーさんが謝辞に出てきた。Kさんは後輩な上に生物部OBであった。というのはさておき、関わってるなら、もう少し指導すればいいのに。
あんな調査と解析で、この場所の調査は完了したから、来年は他のねぐらを調べたいとか言ってるねんで〜。
明日はなにわホネホネ団の活動日。その準備のために冷凍室に入って作業。摂氏マイナス30度の世界と、摂氏10度ほどの世界を行ったり来たり。冷凍室内での作業中、メガネが少しずれたので、鼻の上の部分を押した。すると、パキッと。真ん中で、メガネが真っ二つに折れた。幸い落とさずに2つとも確保。
メガネがないと、こうして字を打つのも大変。仕事にならん〜。急いで、メガネ屋に行かないとだけど、自転車乗るのも危ないなぁ…。古いバックアップを探さないとだけど、メガネなしでバックアップを見つけるのはけっこう辛い。
というわけで、ボンドでくっつけてみた。30分ほど置いておいたら引っ付いた気がする。で、かけてみる。治った治った。としばらくかけてたら、あっさりと2つに分かれてしまった。で、今度は瞬間接着剤を持ち出した。瞬間接着剤のくせに瞬間では引っ付かない。仕方がないので、爪楊枝を7mmほどに折って、折れた箇所の上下に付けた上で、セロハンテープでグルグル巻きにした。引っ付いた! 今度は取れない。これで自転車に乗って帰れそう。よかった。
メガネが折れたと呟いたら、YouTubeに真ん中で二つに折れたメガネを直す動画あると教えてもらった。細い針金を切って、ピンバイスで穴を開けて、針金を差し込んで芯にした上で接着剤でくっつけるというもの。
そんな細かい作業は、メガネがないとでけへんし! そんなに手間のかかるのは応急処理ではないし! そしてプラスティックが劣化してたのが折れた原因だから、その補修をしてもさほど保たないことが予想される。
ってことで、面倒な割りに意味が少ないので、あっさり却下。瞬間接着剤とセロハンテープで充分。時間をみてさっさとメガネ屋に行こう。
【追記】
という事件から1ヶ月ちょっと。今日は大晦日だけど、まだ応急処置のままのメガネを使っている。衝撃を与えないように注意していると、けっこうこのままで使える。ただ角度が少し変わったようで、度数が緩くなっていて見えにくく、弦も緩くて下を向くとすぐに落ちそうになる。
来年早々にもメガネ屋に行かなくっちゃ。
先日の大阪自然史フェスティバルで、、友の会読書サークルBooksの冊子を持ち帰られた方から、過去の冊子に載ってる本の紹介文を見たいとの電話。サイトを紹介しようとしたのだけど、全然更新されていないかったので、慌てて更新作業。
読書サークルは、2002年4月に活動を始めた。もう15年半ほどになる。この間、欠かさず隔月で会合を開いて、読んできた本について紹介文を見ながらやりとり。会合も95回開いたことになる。その間に読んだ本は何タイトルかな?と思うのだけど、数えるのが面倒なので、推定してみると、毎回6冊〜8冊の課題本を設定しているので、平均7冊とすると、読んできた本は、665タイトルほどになる勘定。生物系の本はできるだけ読むようにしてて、毎回地学系の本は2〜3冊程度なので、毎回4冊程度読んでるはず。とすると、この15年で400冊近い本を読んでるはず。こうした半ば強制力がないと、なかなか読まなかった本も多いので、ありがたい。おかげで自然史関連の普及書をかなりフォローできてる。
ってことで、自然史関連の普及書を仲間と一緒に読んでみたい人は、参加を考えてみては?
フェスティバル2日目は、雨は降ってない。が、とにかく寒い。あまりに寒いせいだろう。例年と違って、屋内会場への人の入りがいい割りに、屋外会場が寂しい感じ。ってゆうか屋外会場はとにかく寒い。なんで屋外会場やねん!という声も聞こえてくるけど、昨年のように暖かなら屋外会場の方が来場者が多くて盛り上がる。盛り上がったら文句は出ないんだろうから、まあ当たり外れはある程度我慢してもらうしかなさそう。
とりあえず、この機会に動物の死体を寄贈して下さる方がけっこういる。今度フェスティバルに行くので、その時に持って行きます〜。ってパターン。フェスティバルが無ければ無いで、別の機会に寄贈頂けるだろうから、フェスティバルがなくても得られたものかもしれないけど。昨日もらったものは、シロハラ死体、食虫類の液浸、タヌキの死体。今日もらったものは、クロツグミ死体、タカチホヘビ死体。
そして、グッズいろいろ手に入った。買ったり、もらったり。主催者がいっぱい物をもらうのはよろしくないので、欲しい物は買うし、タダでくれそうになっても買い取ろうとするのだけど、どうしてもお金を受け取ってくれない人もいて、タダでもらってしまって申し訳ない感じなる。
フェスティバルは、いろんな物の名前を訊ねられる2日間でもある。持ってくる方的にはちょうどついでがあるから持っていこう、ってことだけど、こちらはとてもバタバタしていてゆっくり調べられないのは心苦しい。答えたのは、たぶんヤマガラの初列風切、たぶんハト類の上腕骨、たぶんウシの上腕骨など。
一方で、失う物もあって、展示してあった本が無くなったのには凹んだ。
午前中は雨。そして、とても寒かった。例年だとTシャツ2枚重ね着で全然寒くない時期なんだけど(テンション高く動きまわってるから、ということもある)、今日は寒くて屋外会場には出たくなかった。
雨が降ると屋外ブース周辺や屋外企画にいろいろ配慮がいる。雨が吹き込んでブースが濡れていないか。地面が濡れて滑りやすくなっていないか。今回は幸い吹き込みはなかった。人気の鳥の観察会も含め、植物園に出て行く企画は、すべて雨天中止になった。企画がなくなると、それを目指してやってきた人ががっかりするので心苦しい。雨天中止が決まったら、速攻のアナウンスが必要でバタバタする。でも、企画が減ると、アナウンス手配が終われば集合場所周辺はある意味穏やかかもしれない。
雨の場合の搬入・搬出の案内は見直しが必要。
明日は、雨は降らないけど、今日よりさらに寒くなると言う。Tシャツの下に何か着よう。と心に誓った。
今回は、臨時スタッフに午後一番に集まってもらえたので、午後1時から研修。午後2時からは会場設営にかかれた。でも、一段落したのは、スタッフが全員帰って、さらに1時間ほど経った午後8時頃。臨時スタッフの数をギリギリまで絞っているのと、主催者職員側のスタッフで動いているのが少ないからかと。学芸員で動いていたのは2.5人程度。指示を出せる人が少ないと、10人ほど臨時スタッフがいても、右往左往の時間が増えてしまう。
でもまあ、なんとか片付いた。全体が片付いたので、おもむろに自分の担当ブースのセッティング。
あとは、今夜の雨風があまり強くないこと。明日の雨が午前中早めにあがってくれることを願うのみ。
そうそう、準備での覚え書きとしては、
・ポーチには、あと6ブースは増やせる(情報センター壁沿いに2ブース、本館側の柱ラインに4ブース)。ただ、イベント集合場所がなくなるけど…。
・長机は、あと30台ほどあると、とても楽になる。
・企業の大ブース以外は、1ブース辺り机は2台までとした方がいい。
・1ブース辺りの椅子の数も5台までとか制限しないと、広さを考えずにいっぱい頼む人がいる。
・クロスパネルの足は、あと8本あれば丁度足りる。
・今回買ったクロスパネルは、色が薄めで、厚みが多めで、高さが高めで、レールコンセントではなく、普通のコンセントが上に付いていた…。すみませんすみません。次買う人は間違えないで!
滋賀県ではオオバンによる小麦の被害が問題になってるらしい。どっちかと言えば、冬に個体数が増えるから、冬の作物が被害にあうんだなぁ。オオバンが年中いっぱいいるようになったら、稲作被害も問題になりそう。
オオバンとヒドリガモは食性が似てる気がするし、実際に一緒に採食しているのをよく見るのだけど、ヒドリガモは小麦被害を出さないのかな?というのが気になったり。
今日から5日日程で博物館実習がスタート。大学生が7人。初日の今日はオリエンテーション。次回のために今日のスケジュールを記録しておく。
09:30 博物館実習スタート 出欠取って、資料を配って、名札を作らせて、友の会に入会させる。ブログの担当も説明(担当したブログを書いて始めて、実習を受けたと認めることを宣言)。
今回の博物館実習は、大阪自然史フェスティバルの準備・運営をしてもらうので、Tシャツのサイズとか、懇親会への参加の有無とかの確認。実習時間帯も変則的なので、説明。遅刻者はいない。今回は以前同じオリエンテーションを受けた学生が一人混じってる。
09:55〜11:35 博物館の間取り、沿革、事業内容(研究、資料収集、展示、普及教育)、友の会・サークル・ネットワークなどの説明。ブログの書き方の説明。博物館に足りないものとして、お金、人手、スペース。
11:35〜12:00 管理棟の案内・解説。あちこちに置いてある標本などについて言い訳。書庫と編集記録室と植物研究室と特展準備室を見せる。パネルを何年も再利用していることを証拠を見せて説明。ネイチャーホールも覗いた。
(12:00〜13:00 昼休み)
13:00〜14:05 収蔵庫見学ツアー。3つの収蔵庫をめぐって解説。二層構造の秘密、タイプ標本、火災時の対応など。重いドア、壁の違い、通路がうまってるとか、なぜ収蔵庫に本があるかなどにも注目。
(14:05〜14:20 休憩)
14:20〜15:35 展示室見学ツアー(常設展+特別展)。メンテナンスがメインテーマ。電気の球換えの難しさ、掃除のしにくさを中心に、ダメなケース、ダメな展示を紹介して歩く。また壊されやすい展示を説明して歩く。第5展示室では、展示の意図と、アナログのゲームや仕掛けの難しさも解説。 博物館におけるミュージアムショップの普及教育的意味についてもふれた。
15:35〜16:00 実習ノートの記入。
実習ノートは学芸員がチェックして、コメントなどを書くので、学芸員とのコミュニケーションツールとして使うように指導。
やむを得ず、11月に入って、自宅の部屋の片付け。すなわち本を整理している。本を処分する気はないので、本棚から出して、埃を払って、本棚を拭いて、本棚に入りきっていなかった本と共に、本棚に並べる作業。埃は幸い油汚れじゃないので、とりあえず拭いて、あるいは掃除機で吸って、あとは乾拭きか、手でちょいちょいと。ベランダに向けて本の上側をひたすら吹いていると、けっこう肺活量のトレーニングっぽく。それでいて、埃を吸うので、ちょっと体に悪そう。
6段の本棚に二重に詰め込まれた本を出して、平積みにすると畳一畳くらいを占拠する。こんなにたくさん入っていたのかなぁ。で、それを分類して、戻していく。手持ちの本の圧倒的多数は、SF、マンガ、自然史本。数は少ないけど、ライトノベル、その他小説。誤差範囲で料理本と語学本。ざっとメジャーズを並べると、SFが本棚4.5本、マンガと自然史関連本が2本ずつ。ライトノベル・その他小説が0.5本。ただすでにギューギューなので、近々、本棚を買わないと。そして、本棚をどこに並べるかで頭が痛い。
整理モードに入ったので、並べ方にもこだわりが出てくる。自然史本は判型で並べたけど、ややシリーズを意識。マンガは判型を考慮しつつ、作家順。SFは、まず読んでない本、読んだけどブログに感想書いてない本、ブログに感想を書いた本に大別。ちなみに一番多いのは、読んでない本で、それだけで本棚2本に…。1990年代出版の読んでない本まで発掘されて、しばし感慨にひたる。3つに大別した後は、一般書と文庫本に分けて、さらに国内作家と海外作家に分けて、一般書は薄くシリーズごとに(ハヤカワJシリーズとか)、文庫はハヤカワ文庫と創元SF文庫をまとめる。
整理して、並んだ本をながめると、なんか楽しい。またいっぱい本を買わなくっちゃ!と思ったり(必ずしも読まなくっちゃ!ではない…)。
来週末に迫った大阪自然史フェスティバルに向けて、昨日の夕方は、友の会読書サークルBooksの展示を作った。中身は毎年同じで、一年間にみんなで読んだ課題本44冊(ただし読んだけど紹介するのは止めとこうと結論した2冊を除く)の紹介文を、表紙画像とともに模造紙に貼り付ける感じ。手に取れるように本の実物と、持って帰れる紹介文の冊子をセットしたら完了。
自分が読んだ本を数えると、31冊。地学系の本はともかく、課題本になった生物系の本は一通り読むようにしてるつもりが、5冊も読んでない本があった。ちょっと反省。
ただ紹介文を貼り付けただけでは面白くないので、一年間に読んだ本の中で、一押しのにさらにコメントを付けることになった。すでに古典的名著と言ってもよさそうな『フィンチの嘴』、面白い菌類の生態満載の『奇妙な菌類』なども捨てがたい。が、ここは、圧倒的に面白く勉強になった『カッコウの托卵』と『鳥たちの驚異的な感覚世界』を同率首位にしてみた。生物学の勉強にはさっぱりならなかったけど、とても面白く読めた『菌世界紀行』を、番外編の紀行文カテゴリーとして、ついでにコメントしてみたり。
近所の小さな公園で、3日前にコノドジロムシクイというかなり珍しい鳥が記録されたらしい。留守にしていたから知らなかったけど、昨日、観察した方が写真を持ってきて下さってた。某野鳥の会関係者からも連絡が来ていた。どうやら3日前に、こちらのホームの公園の方に飛び去ったので、探せよってことらしい。いや、そらもう、言われんでも探すで。
と、勇んで出かけようとしたけど、よく考えると名前しか知らない。どんな姿だっけ? 声は? どんな場所にいるの? ってことで、まずはネットで予習。Sylviaやったんか〜、って、そんなレベル。とても勉強になった。
舌打ちのような地鳴きで、水際のヨシ原や藪が狙い目。と教えて頂いた。本場でみた人からは、けっこう藪の中から上に上がってくるので、見つけやすいとも教えて頂いた。がんばって探そう。とりあえず毎日、一度は池を一周して、ヨシ原と藪周辺をチェックかな。
思い起こせば忘れもしない5年前、いや4年前だっけ? とにかく、その年は大阪湾展でマッコが展示され、その直後のフェスティバルでは、マッコ自身が出展者となっていた。ようは会場から動かすのが大変だから、そのまま放置した。
そして忘れもしない今年、瀬戸内海展でザットンが展示され、その直後のフェスティバル。例によって大きすぎて動かすのが大変なので、そのままザットンに出展者になってもらうことにした。しかし、この数年の間にフェスティバルの出展が増えて、スペースがあまりない。辛うじて上半身と下半身には分けられるので、小さくてエレベーターに乗る下半身は、別会場へ。つまり上半身と下半身が分かれて出展するというザットン二分の計を編み出したのだが、いざ動かそうとして、下半身はエレベーターには乗るんだけど、廊下が通らないことが判明。幅は大丈夫なんだけど、高さが思ったより高かった。というか廊下が意外と低かった。策士策におぼれるとはこのことかと。
マッコはフェスティバルに出展した数ヶ月後、ポーチにぶら下がった。うまく行けば、ザットンもぶら下がるはず。うまく行かなかったら、どこに収納したらいいか頭が痛い。廊下を通って動けないとすると、もうエレベーターで上下するしか行く当てがない。ほんまに困る。頭が痛い。頭が痛すぎるので、なんとかぶら下げたい。上手く行きますように。
大阪鳥類研究グループというサークルがあって、毎年3月に総会を開く。総会はサークルで一番大きなイベントであって、活動報告や決算報告といった総会議事のほかに、会員の発表があり、招待講演もあり、懇親会もある。その事務局としては、一年で一番頑張る時。で、そろそろ招待講演の講師を選ばなくてはならない。年内にお願いして引き受けてもらって、1月の案内に載せていく。というのが理想的展開。
講師選定の条件は、
・会員以外で、会員が興味を持つ話をしてくれる人。
・暗黙の了解として、関西でのサークルや個人での調査に活かせる話であること(外国の話とか、小笠原の話ってだけではちょっと…)。
・会費をチマチマためているので、関東や九州から呼ぶ事は可能なんだけど、北海道・東北・沖縄は厳しい。
とまあこんな感じ。過去にお願いした人でも、違うネタならいいかなぁ、と思っているけど、まだ同じ人を2度以上呼んだことはない。
ちなみに、
過去の招待講演は、次の通り。
2000年:須川 恒氏「ユリカモメの話」
2001年:松原 始氏「ハシブトガラスとハシボソガラス」
2002年:亀田佳代子氏「カワウがになう多様な役割 −湖、森、そして人とのつながり−」
2003年:能田由紀子氏「鴨川のコサギの採食戦略 −性および体サイズと採食なわばり性の関係」
2004年:野間直彦氏「木の実を食べ、タネを運ぶ鳥たち」
2005年:日野輝明氏「鳥はなぜ混群をつくるのか」
2006年:山崎剛史氏「鳥類分類学の現状と課題について」
2007年:林 英子氏「屋上営巣誘致に成功したコアジサシの保護と現状」
2008年:坪井助仁氏「鳥の都市進出が外来昆虫の蔓延を防ぐ 〜ヒロヘリアオイラガの衰退について〜」
2009年:植田睦之氏「街で繁殖するようになったツミ ―ツミ、カラス、オナガの関係―」
2010年:遠藤菜緒子氏「兵庫県におけるサギ類およびカワウコロニーの分布とコロニー形成プロセスの観察」
2011年:中村純夫氏「なぜ,カラス達がねぐらに集まるのか?」
2012年:堀江明香氏「島のメジロの繁殖戦略 彼を知り己を知れば百戦殆うからず?」
2013年:渡辺 仁氏「関東におけるツバメ調査の実績と今後の展望」
2014年:齋藤武馬氏「3種に分かれたメボソムシクイの分類学的研究」
2015年:天野一葉氏「ソウシチョウの暮らしとウグイスへの影」
2016年:白井 剛氏「都市近郊でのアオサギの生息地拡大とその要因を探る」
2017年:上田恵介氏「信太山草原の自然史とセッカ研究」
上田さんは、呼んでくれたらいつでも来るで!って言ってくれたし、ネタも色々ありそうだから、今後、何回もお願いしようとは思っているけど、とりあえずは他にいい人いないかなぁ。
数日前から風邪気味。咳が出て、鼻水が…。3連休ずっと仕事してたら、さらに悪化した感じで、薄く熱があり、頭も痛い。という訳で、昨夜は早めに寝て、休みの今日は朝もゆっくり。すると寝過ぎた休みの日にありがちな、寝過ぎで頭や目が痛くなる。
風邪気味なので昼間も寝てたいけど、寝てるとさらに頭や目が痛いので、部屋の片付けなど溜まってる家事を始める。しばらく活動するとしんどくなるので、布団に入る。すると頭や目が痛くなって、仕方なく起き出して、じっとしてると退屈なので、部屋の片付け、掃除、洗濯。風邪を引いていても、家事は待ってくれない。訳でもないけど、ジッとしてると苦しいので、動いて気を紛らす感じ。風呂に入ると、しばらく楽になるので、何度も風呂に入ってみたり。
風邪引いて、部屋片付く。一人暮らしあるある。かなぁ。
一人で寝てると、このまま動けなくなったら終わりなので、ちょっと怖くなって、起きてみる。ってのは一人暮らしあるあるっぽい気がする。
今日は、年に一度の羽根のしおり作りの日。各自が拾ってきたのを持ち寄って、シートでパウチして、切りぬいて、穴開けて、リボン付けたら出来上がり。毎年、リボンを買いに走らされる。今年は4mを5本買ってきた。それで充分かと思いきや、もう一度買いに走らされる。今度は4mを10本買ってきて、5本使い切った。全部でリボン40m。しおり1枚に15cmくらいのリボンを使ってるから、ざっと300枚ほど作製したことになる。例年並みかなぁ。
今年のメインは、キジ雄とクイナ。アオバト、カワラヒワ、アトリ、コミミズクなどの羽根も混じる。あまりに羽根が多かったので、全部はしおりに仕立てきれず、残りは来年用に回すことに。
4月に鳥の調査の研究計画発表をして、7月にその研究成果or途中経過を発表する。といった展開の室内実習。7月にコメントされて修正したり、その後のデータを追加したりしたのを再び発表。というのが、今日の午後。4月、7月と参加者は減り、今日辺りは3〜4人かなぁ。と思ったら、10人も集まって、7題も発表があって驚いた。
内容もなかなか充実。
・スズメの砂浴び研究は、データが充実し、面白くなってきた。あと一歩、データ処理をがんばれば、論文化できそう。
・カワウの繁殖のデータは、割と簡単にまとまりそう。繁殖開始と成否の判断基準の再検討が課題かと。
・カラスの巣の話は、すでに原稿化されていて優秀。このデータも取ってあれば〜、という点があるから、次年度に別の観点からデータとればいいんじゃないかなぁ。
・シジュウカラの繁殖の話は、小学4年生とは思えないくらいまとまっている。まだ生データを図表化する段階に留まっている。あと一歩、導きたい結論を示す図表が作れれば、それなりに結果が出てるので、論文にできそう。ただ次の図表化には割合って概念が必要で、それを学校で習うのは来年度らしい…。とりあえず一休み。あと、関連論文の引用が欲しいけど、これは厳しいかなぁ。
次は、再び4月。
快晴ですがすがしい行楽日和。遊びにBBQにと大勢の人が繰り出していた大泉緑地の片隅では、鳥たちが不思議な姿を見せていた。
キクイタダキ
ご多分にもれず、大泉緑地にもキクイタダキがあちこちにいた。けっこう低い位置まで降りてきてくれるので、頭の黄色は見放題。赤色を見たり撮影した人もいた。
ドバト
木の枝の上で、ディスプレイする雄。けっこう無理してでも、枝上でも回っていた。どうしても回りたいんだな、と同時に、本来枝上でするディスプレイではないってことだな。
アオサギ
でーっかいタウナギを捕まえて、呑み込もうとするも呑み込めず。途中まで呑んで、それ以上進まず、はき出して下に置いて休憩、もう一度呑み込もうと挑戦。というのを繰り返し繰り返し延々と続けているので、結果を見ずに離れてしまった。
キビタキ
小川の流れの片隅で水浴びをしていた。と、思ったらピョンピョンと流れの方に移動して、流されていった…。ずぶ濡れのキビタキは岸に上がるも飛べず、地上をピョンピョンと藪の中に逃げ込んだ。キビタキの川流れ。
休みの日だというのに、出勤時間よりも早く家を出て、朝一番から能勢町某所にある旧小学校の廃校舎へ。そこには古い標本が集められていた。
かつては学校の理科室にはさまざまな標本が蓄積されていた。学校の怪談ネタにも事欠かなかった。先生によったら、さらに学校周辺で採集した標本を付け加えたりする場合もあった。学校周辺で採集した標本に、きちんと採集日と採集場所の記録が付いていれば、貴重な生物相の記録になる。そうした先生は近頃はあまりいないので、学校から発見された標本は、けっこう昔のものであることが多い。ということは、一層貴重な標本が混じってる可能性が高い。ってことで、学校から標本が見つかって、処理に困ってる的な話は見過ごせない。少なくともチェックする前に捨てられるのは避けなくては。
今回の能勢町の案件は、複数の学校にあった標本類を、どのように活用しようかという話なので、少しいつもと意味合いが違うけど、どんな標本があるかのチェックは欠かせない。
で、チェックした結果。
哺乳類の本剥製は、予想通り大部分に採集データがないので、単なる飾り。でも、能勢町に生息している哺乳類がおおむね揃うので、展示に使えそう。出来の悪いのが散見されるけど。
鳥類は本剥製ばかりで、数も少なめ。だけど、近所で衝突死した鳥の標本がいくつかあって、採集データも残っている。まあ、渡りの通過個体だけど。
一番盛り上がったのは液浸標本。けっこう採集データが残っているのが多い。魚の価値はよく分からないけど、ヘビや両生類やモグラの液浸はけっこう貴重。なぜかヘビはジムグリとマムシが多い。好きだったんかな? 大阪府の古いモグラの標本はそもそも少ないので貴重。カエルで驚いたのは、能勢町産のアカガエルがあったこと。近年能勢町にニホンアカガエルやヤマアカガエルは生息してないんだけど、かつては生息していたんだろうか? だとしたら、新情報。
特別展終了したら、すぐに片付けモード。展示作る時は気合いが入っていて、時間かかると分かってるから、他の予定を後回しにしてでも時間を空けてある。が、片付けは割と短時間で終わるイメージが強く、それはその通りなんだけど、それでもそれなりに時間はかかる。でも、わざわざ片付けの予定なんかスケジュールに入れてないし、すでに他の予定がドンドン入っている。という中で片付けなくてはならないので、意外と負担感が大きい。余計な仕事が入ってしまったイメージ。で、まあなんとか時間を捻出して小物は片付けたけど、アカウミガメとハセイルカが残ってる。ザトウクジラは、このままフェスティバルに出展予定。
そんな想定外に忙しい気がする10月を振り返ってみよう。
ルーティンのため池調査、大和川調査は無事完了。
外来生物調査プロジェクトの調査は、コブハクチョウが停滞中だが、メダカ調査+スクミ調査+にムネアカオオクロテントウのために3日間お出かけ。涼しくなったから、採った魚も持って帰りやすいと、わざわざ涼しくなるのを待ってたのだけど、もう魚採りのシーズンは終わり気味らしい。でも、ムネアカオオクロテントウはなぜかシーズン真っ只中。大阪府いや近畿での分布最北を極めた!
標本作りは、瀬戸内海展になんとかオキゴンドウを間に合わせて、展示するぞ。と頑張ったものの、かろうじて臭い下顎骨を展示するに留まった。展示後、下顎骨は再び水に沈められ、なーんだ未完成やったんやん、って感じになった。
ホネホネ団では、哺乳類の皮処理シーズンスタート。
名古屋方面の名誉教授から、引き続きホネが断続的に届き続けている。
普及行事は、後半は台風2発で中止しまくり、瀬戸内海展の最後にオープンセミナーをした程度。
11月の大阪自然史フェスティバルは、ブースの配置に頭を悩ませる。年々出展者が増え、並べる場所に苦労する。
とまあ大きな出来事は少なかった中、
読んだ本は、自然史系5冊とSF4冊。講演は、オープンセミナー1本と、ここ数年の恒例となってきた中学生向け1本。査読を1本こなした。
昨日の夕方から夜、ナガスケやマッコの下で、ユニークベニューなパーティがあった。よそさんが仕切るので、お金があるのだろう。小洒落た丸いテーブルが並び、学会の懇親会のような料理に、ウーロン茶とプレモル(サントリーがスポンサー?)。柱毎に3つずつ、ナガスケに左右から3つずつ、サーチライトが当てられ。演台にマイクに、変な音楽。顧客関係に向けてのお試し企画。
集まってきたのは、観光関連の役所や企業関係者。なんだろうたぶん。男は全員スーツ姿。そんなものに縁のない自然史博物館では、異様な光景と言って良いだろう。その中で、マイペースな自然史博物館勢は、というか課長以外の学芸員は、いつもの格好で、とても浮いていた。
せっかくの普段博物館に来ない人達が集まってるんだから、ミュージアムショップの宣伝もしなくちゃと、出店してもらってオリジナルグッズを並べてもらった。が、ほとんど何も売れない。スーツのおじさん達は、Tシャツを買わないらしい。そもそも着ない可能性の方が高いよな。バッジも買わない、水筒も買わない、バッグも買わない、シールも買わない、クリアファイルも買わない。うちのオリジナルグッズは、おじさんの買わないものばかりということが判明。湯飲みくらい買ってもいいように思うけど、買わない。おじさん連中はいったい何なら買うのかな? とまあ、なぜかミュージアムショップの顧客層について学習する機会になった。
青く照らされたナガスケは、なかなか綺麗だった。
大和川が氾濫!と盛り上がった夜から5日が経った。ちょっと出遅れたけど、大和川の様子をようやく見に行くことができた。じゃなくって、月例の水鳥カウントのために自転車ででかけた。
5日ほどの間に、河川敷はけっこう片付けられたようではあるが、増水の爪痕はけっこう残ってる。目立つ変化は、
・中州がほとんどなくなっている。
・低水敷から高水敷にかけての樹がけっこう倒れている。
・低水敷から高水敷にかけての樹の幹にゴミが付きまくり。
・高水敷の草がかなりなくなり、残りもなぎ倒されている。
・高水敷の舗装路は砂利が流され綺麗。
全体的に河川敷に植物がなくなったので、すっきりしてて、鳥は観察しやすい。中州がなくなり、水が濁り、鳥は暮らしにくそうではあるけど。
樹の幹にどこまでゴミが付いているかで、どこまで増水したかが分かりそう。多くの場所で、堤防にあと2m弱までは迫っているようだった。一番堤防が低くなっているJR阪和線右岸の下流側では、溢れたんじゃないの? でなければ、表面張力で耐えた?といった感じの場所がある。
むしろJR阪和線の左岸側、堺市の方で浸水被害が出ていたけど、大和川河川敷から見た感じでは、左岸側は堤防も高く、溢れた様子もない。右岸が溢れずに、左岸が溢れるのは変。なので、あの浸水は大和川とは別の理由なんじゃ?
先月、南海高野線の上流辺りでカヤネズミの巣を見つけたのだけど、その辺りの草はすべて水につかって、巣はどこかへ行っていた。カヤネズミは海に向かったんだろうか?
などと思っている中で、アカミミガメが日向ぼっこ。カメ達は、あの増水を潜ってやり過ごせるのかな。
遅まきながら、今日から植物園の果実チェックを開始した。
今シーズンは奇数年度なので、果実は豊作よりの予定。そして秋のヒヨドリはあまり増えず、ツグミは年明けにならないと個体数が増えない予定。鳥の方は、今のところ予定通り。でも果実の様子がちょっと変。
大阪の都市公園の果実量を左右するのは、圧倒的にクスノキ。クスノキの豊凶がとても重要で、それが一年おきに豊作-不作のサイクルを繰り返す傾向があるから、奇数年度は豊作という大胆な予測ができる。
のだけど、今日見たところ、少なくとも地元の植物園のクスノキはなんか変。予定に反して豊作ではない。そしてそれはたぶんクスノキヒラタカスミカメのせいらしい。当地では、昨年くらいからクスノキヒラタカスミカメがクスノキの葉っぱについて吸った跡が目に付くようになった。それが今年はひどい! めっちゃ増えてる。
クスノキヒラタカスミカメに吸われた度合いを、
レベル1:吸われた跡がそこそこある
レベル2:吸われた跡が多い
レベル3:吸われまくって、葉っぱがチリチリに形がかわっている。
と大胆にランク分けすると、レベル1の個体はそこそこ果実をつけているが、レベル3はほぼ果実をつけていない。
クスノキヒラタカスミカメがクスノキの結実に影響を与えるとすると、果実食の鳥の生態にも大きな影響を与えそう。
モチノキの果実もなんか変。当地のモチノキには、モチノキタネオナガコバチという小さなハチがついて、秋にタネから羽化して脱出孔をつくったり、果実の中に入ったまま冬を越す場合は果実を青いまま維持したりする。が、それをあまり見かけない感じ。
代わりに、かどうかは知らないけど、黒く枯れた果実が目に付く。
・黒く枯れた果実が目に付く個体は、他の果実がすでに真っ赤に熟している。
・黒い枯れた果実が見あたらない個体では、青い果実から半熟果実、赤い果実と、熟し度合いがバラバラ。
なにか、新たな虫とか菌とかの影響を受けてるんじゃなかろうか? 果実を枯らすということは、これまた果実食鳥に影響がある。まあモチノキはそもそもの現存量が少ないから、そんなに大事では無いけれど。
3日前の台風で、男里川にかかる南海本線の鉄橋が壊れ、以降、南海本線の樽井-尾崎間が普通に。へー、それは大変だねぇ。と最初は思っただけだったが、なんとこちらにまで影響が及んできた。
今度の日曜日に、和歌山県でビーチコーミングの行事を予定しているのであった。南海電車が不通だと面倒。対応を考えないといけないので、情報収集にいそしむ。とりあえず南海和歌山市駅に行かないといけないのだけど、見えてきた対応は、以下の通り。
A:あくまでも南海電車で行く
1:樽井駅まで行って、箱作駅までの代替バスに乗る →最初は3時間待ちと聞いたけど、20分待ち程度には落ち着いたらしい。
2:樽井駅まで行って、尾崎駅まで歩く。 →たぶん40分以上かかる。
3:登りの線路が曲がっただけなので、下り線路での単線運行してくれるのを待つ。 →してくれる気配がない…。
B:代替でJR利用に切り替える
1:集合場所を変更して、JR天王寺→和歌山→和歌山市と全部JRで。和歌山 →和歌山市の便数が少ない。
2:集合場所を変更して、JR天王寺→和歌山。そこから和歌山市駅へはバス利用。 →バスに時間がかかりそう。
3:集合場所は変えず、南海難波→三国ヶ丘、で乗り換えてJR三国ヶ丘→和歌山、以下は上の二択 →時間がかなり余分にかかる。
とりあえず、南海で代替バス利用にしてみる。台風が接近してるので、そもそも雨天中止の公算も高い。
ってゆうか、鉄道の橋を一つ落とすだけで、これほどまでに広範に影響があるとは…。人命に直接の影響なく、多くの人に迷惑をかけるのが目的なら、橋を落とすテロはかなり効果的。
【追記】
やはり雨天中止となった。
台風一過といっても、台風が通過したのは一昨日から昨日にかけての夜なので、昨日の昼間にすでに随分片付けられていたようではあるけど。それでも、台風の爪痕は見て取ることができた。ってゆうか、植物園の外では、樹がバッタバッタ倒れて、道が通れなくなって、Twitterで話題になっていたけど。植物園の中では、北の門の辺りで、針葉樹が10本ほど斜めって、切り刻まれていただけ。あと1本、植物園の外から植物園内に倒れ込んだヒマラヤスギが1本あって、切られるのを待っていた。
と、目立つ被害はその程度だけど、もちろん植物園全体に強風と増水の跡が残っている。とにかく枝が落ちまくり。植物園のスタッフが大きめの枝を集めているけど、まだまだ仕事は終わりそうにない。多すぎて終わらんわぁ、休憩や!とぼやくスタッフ。
その近くでは、遠足の子どもの集団が大喜びで、ドングリを大量に拾いまくっている。強風でドングリもいっぱい落ちてくれた。ただ、青いドングリばかりが目立つ。
大池の水もあふれたらしく、ハスの実が入った蜂の巣みたいなのが、池の周囲のベンチの周りにいっぱい散乱している。
昨日の夜は、大和川が増水して、我が家に避難勧告まで出て、とても盛り上がった。ネットが。テレビは、開票速報という名の同じ番組ばかり流していて、ぜんぜん気になる大和川の情報が得られずイライラした。開票結果なんか速報せずとも何も変わらないけど、リアルタイムの災害情報の欠如は人命にも関わるやろ!という非難の声がネットにいっぱい上がっていたけど、まことにその通り。
そして台風一過の今日は、まだ風は強いけど晴れてきた。大和川は結局、一部越水したし被害も出たようだけど、決壊はせず。丈夫な堤防のおかげで、我が家の近所には被害がなかった。
以前、同じように大和川が増水して避難勧告が出た時は、兵庫県赤穂市に行っていて、えらいことになってるなぁ、と思いながらテレビを見てたので、避難勧告を直接出されたのは初めて。
午後8時前、携帯が妙な音を出すと思ったら、市役所からの緊急速報メール。大和川の水位が上がってるから避難準備せよと。エリアは長居公園通より南。それから2時間ほどして、同じ内容が町内放送から聞こえてきた。携帯電話持ってない人は、2時間遅れでアナウンスしてもらえたことになる。
やがて避難所ができたという緊急速報メールもやってきた。今朝、選挙の投票に行ってた小学校に避難所が開設されている! いけば食べ物とかもらえるのかもしれないけど、大雨の中出かけるのも面倒なので、行ってみるのはやめといた。ちなみに避難所に避難するか、3階以上の丈夫な建物にいろという指令。うちは避難しない方が正しいらしい。
午後10時過ぎ、ついに避難勧告が出た。今度は20分遅れで町内放送も流れていた。遠くからサイレンの音がする。ネットには水が満タンの大和川の画像。って、見に行って撮影してアップしてる奴がいるなぁ。
市長が、このままだと午前1時頃に避難指示を出すかもとつぶやいていたので、待っていたが、結局避難指示は出なかった。なんとか持ちこたえたらしい。すっかり夜更かししてしまった。
現在、博物館が抱えている課題を、ここんところ色んな形でリストアップする機会がある。というのも2年後には運営体制が変わる予定だから、それに向けての制度設計であり、現在の運営体制の反省であり、そして5年後を見据えた中期計画を立てるようになるかららしい。
直営時代や指定管理時代は中期目標なんてなかったのに、独立行政法人になったとたん中期目標というのが出現するのもおかしな感じがする。けど、定期的に自分たちの到達点と目指すところを再確認するという作業は、5年おきくらいに繰り返しておいて、ちょうどいいから、まあいいだろう。
で、現在抱えている課題ってのをリストアップすると、その解決にはいくつかのパターンがあることが分かる。簡単に解決できるのから並べると、
1:予算措置も制度変更も必要ないし、どうすべきかはっきりしてて、現場で始められるから、明日からでもやれよ。 →うちの場合、これはあんまりない。
2:予算措置も制度変更も必要ないし、現場で始められるけど、具体的にどうするかは検討がいる。 →これはけっこう多い。コストが少なめなので、試行錯誤をさっさと始めたらいいんだと思う。でも色んなすべきことの中で、埋没したりするんだなぁ。
3:予算措置は必要ないけど制度変更が必要で、現場だけでは決められず、直接の運営者との調整が必要。 →これがとても多い。これはなかなか変わらない。グラブを投げつけてクビになった阪神の某投手の気持ちがよく分かる。運営体制が変わる機会に、なにがなんでも改善したい。
4:とにかく予算措置が必要。 →これまたとても多い。とにかく予算をくれ! 運営体制が変わる機会に、少しでも改善できたらいいなぁ。
5:大本の行政レベルでの制度変更が必要。 →今回、運営体制が変わるのがまさにそれに当たるんだけど、隣接する他局の施設との関係においても、この部分が多い。
というわけで、大きな変化があるときは、小さな改善を進めるチャンス。なので期待している部分も少ないないけど、新たな制度は新たな問題ももたらすかもしれないので、そこはちょっと不安。
昨日で瀬戸内海展が終わった。と、感慨にひたるまもなく、さっさと展示の片付けをしなくてはならない。
まずは一昨日展示したばかりのオキゴンドウ下顎骨を。と、ケースを開けたら…。油断していたので思いっきり臭かった。急いで取りだして、もう一度、水漬けへ。残された臭いは、展示室に拡散して消えるだろう。知らんけど。
次はパネルとラベルを回収して、ウミガメとイルカの頭をはずして、剥製を片付ける場所毎に仕分ける。で、常設展から出張してきたカモの雄達を展示室に戻す。
あとは、剥製と骨格と模型を元の場所に戻せば終了。
昨日までの展示はもうなく、もう二度と見られない。なんか寂しい。巡回展として、このコンテンツをあちこちで見られるように出来ればいいんだけど。せめて画像でもってネットで展示を見せられればいいんだけど。お金がないので、どちらもできない。
何年もかけて準備してきたけど、展示は50日少しだけ。残るのは、データと解説書。だから、展示よりも解説書に力を注ぐ、というキモチもなくはなかったりする。
隔月で、課題本の紹介文を持ち寄って、本についてあれこれ言い合うサークル。今日の会合で出た本についての意見を記録。
今日の課題本は8冊。1冊は次回へ持ち越しとなり、前回からの持ち越しが3冊あったので、10冊についてあれこれ話し合った。
ちなみに各人は紹介文を書いてきていてて、4つを最大として★を付けている。
●「昆虫こわい」
(紹介文3つ、平均★数は3.3)
やたらと壁一面ゴキブリだらけのトイレで盛り上がる。とても楽しく読めるが、虫キライの人は読まない方がいいという点で一致。タイトルがこれなら、最後は「今度は〜がこわい」で、終わるべきという点でも一致。
●「歌うカタツムリ」
(紹介文4つ、平均★数は3.8)
とても評価が高かった。アイデア、構成、文章すべて良くできていて、内容もとても面白い。構成自体がらせん構造をなしているように読めるという指摘が複数から。ギュリッキから黒田への流れは、大阪市立自然史博物館に続いている。研究が紹介されている学生の一人は、中学生の頃から知っている。なぜか縁を感じる一冊。
●「かがやく昆虫のひみつ」
(紹介文5つ、平均★数は3.2)
とにかくピカピカで綺麗〜。というのがみんなの感想。小学生も構造色という言葉を伝えるのに成功している。著者の本職のネジレバネの本を書いて欲しいという意見があった。
●「鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。」
(紹介文3つ、平均★数は3.0)
みんな楽しく読んだようだが、あの気取ってふざけたトーンが苦手だったり、3冊目にして飽きてきた人もいる。全体を貫くテーマがはっきりしていた前2作の方を評価する声が多かった。この本を評価した人も、島に調査に行く辺りの評価が高く、後半の島から離れたエッセイの評価は低め。そろそろ芸風に飽きられてきた著者が、次の作品で読者をつなぎとめられるかが、今後の見所。
●「石油のものがたり」
(紹介文5つ、平均★数は3.0)
内容はとてもいいけど、子ども向け絵本と言うより、大人向けの石油の解説になっているという意見。テキストも多すぎと。なぜか裏表紙は、どうしてロウソクなんだ?という声が出た。確かに不思議。
●「動物たちが教えてくれる 海の中のくらしかた」
(紹介文3つ、平均★数は3.3)
バイオロギングの本です。分かりやすいけど、テキストが多すぎ、絵はとても良い感じ。出た意見をまとめるとこんな感じ。評価は、元本と言ってもいい『クジラもイルカも…で泳ぐ』を読んでるかどうかで、少し違ってる。読んでたら知ってる話なので。
●「ぼくの村がゾウに襲われるわけ。」
(紹介文4つ、平均★数は3.5)
セレンゲティ国立公園といえば、サバンナの大型哺乳類がいっぱい暮らしている野生の王国。その野生の王国のために、苦しんでいる人々がいる。という本。元から住んでいた人を排除するという行為がアフリカに限らず、北アメリカでもオーストラリアでも行われてきたという話に展開し、セレンゲティから排除された人々の暮らしを守る活動に戻ってきて、日本でも人と自然の関わりが断ち切られる中で、獣害などの問題が起きているというところに着地。
少なくとも動物好きは、みんなこれを読んで、考えてみるべき。という点で意見は一致したと思う。
●「雪と氷の世界を旅して」
(紹介文5つ、平均★数は2.8)
なぜか同じように氷河にくらす生き物を研究した『菌世界紀行』と比較されて、評価が低め。でも、『菌世界紀行』は呑み歩いてるだけで、真面目に研究の様子を紹介している本書と比較するのはおかしい、という意見も。でも、『菌世界紀行』の方が面白かったよなぁ、とも。
●「ヒトのなかの魚、魚のなかのヒト」
(紹介文3つ、平均★数は3.0)
ヒトの体には、魚やもっと古くからの進化の名残を見て取ることができる。っていう昔からよくある話に、エボデボのエッセンスを振りかけた。という感じの本。第1章などの化石採集の話は面白いのに〜。という意見がある一方で、ワクワクして最後まで読んだ。今年読んだ本で一番!という意見もあった。読み手の基礎知識で評価が割れそう。全体を通じた構成がさほどなく、章ごとにテーマがコロコロ変わる感じは、連載をまとめたのかなぁ、というコメントも。
●「年代で見る日本の地質と地形」
(紹介文2つ、平均★数は2.5)
日本各地で見られる地層(岩肌?)を、古いもんから順に並べた本。時代順に並べること、どんなニーズに応えることができるのか?という点に議論が集中。いまひとつ企画の意義が分からないという結論に至った。
枚方市駅からほど近い場所で会議。もっと近くでしてくれたらいいのに。淀川関連の会議だから、淀川に近い方がいいのかもしれないけど、なんで枚方に…、とブツブツ言いながら、向かう。
せっかく枚方まで来たんだからと、金網にはいのぼったクズを見つけてムネアカオオクロテントウを探すも見つからず。まだ枚方市への到達していないのだろうか? などと思っていつつ下を見たら、ズボンがアレチヌスビトハギだらけになっていた。あやうく引っ付き虫をいっぱい付けて、会議に出るところだった。
で、出てみた会議は最低。たいして内容のない説明があったと思ったら、茶飲み話ですかといった内容のコメントをする委員達。中にはしっかりした意見を述べてる人もいたけれど。よく聞いてると、以前も指摘したのに、そのままになってる。という発言が年配委員から相次いでる。他の分科会でも同じようなこと言ってたし。なんじゃこれは。そして、なぜか30分ほども延長。
初参加で一度も発言してないからと、最後に座長に当てられた。面倒なので黙って帰ろうかと思ったけど、思わずイラッとしてたことを言ってしまう。
・前回の議事録は、今回示されるべき。
・前回の委員の発言に対して、どう対応したのかを、きちんと事務局は説明すべき。
・次回以降きちんとして欲しい。
こんな最低限のことをしない委員会って、なかなか珍しい。コメントしても流されるだけなら、わざわざ委員会に出て発言する意味がないし、そもそも委員会を開く意味もない。で、帰ろうとしたら座長からラディカルやなと言われた。普通やろ。
松原市西部〜堺市北東部のため池を、水鳥カウントのために毎月に回ってる。で、メダカ・カダヤシを捕ってこいという指令を受けたので、今日ミッションを遂行に行った。少し早めに家を出て、たも網を持って。
暑い季節だと採集した魚が持って帰るまでに腐るので、涼しくなってから、ミッション遂行を。と思って、涼しくなるのを待ってたのだけど、数日前に、もう寒いのでメダカはあまり動かず、いてもあまり捕れないと聞いて、かなりショックを受けた。が、まあ毎月行ってるので、来年夏にも採集するとして、その予行演習でもいいか。と、今日のミッションを遂行。
水鳥のカウントもあって、魚取りにそんなに時間はかけられない。ので、入れ物は4つだけにした。これが後で後悔する。
ため池自体での採集は、もう来年の暖かい季節に完全にまわすとして(メダカは深い場所でじっとしていて、岸からまず捕れないと言われたので…)、今日狙うのは水路。
最初に狙ったのは、松原市の東大海池の南辺り。以前から水路に水がたっぷりあって、魚がいる感じだったから。行ってみると確かに魚がいる! メダカやカダヤシより大きい気もするけど、とにかくすくうぞ! と思ったが、深すぎて魚が逃げ回る。植生やゴミもなくて隠れている魚をガサガサすることもできない。結局1匹もすくえずに断念。とても悔しい。魚が目の前にいるのにすくえないのが、こんなに悔しいとは! 来月リベンジするぞ! どうやったらいいか分からんけど。
3ヶ所目は、美原町北部の大饗辺り。以前子どもが魚採りをしてるのを見たことがある水路。流れてる部分は浅すぎて生き物の姿がないが、枡に水がたまり、植物遺体もたまっている。そこをガサガサすると、でかいテナガエビが捕れた! とたんに盛り上がる。ヨシノボリやモツゴも捕れて楽しい。調子に乗って、そこの泥もすくっていると、タイワンシジミ、ヒメタニシと一緒にドジョウも捕れた! とても楽しい。全然ターゲットは捕れてないけど…。いっぱいとれたので、入れ物2つ分に分けざるを得なくなった。あと1ヶ所しか捕れない。
4ヶ所目は、堺市金岡町辺りの水路。毎月自転車で渡ってる水路で、堺市の街中に残された農耕地の一画なのに、素掘りのいい感じの水路。すくってみると、スジエビ、ヒメタニシ、ヨシノボリが捕れる。楽しいけど、ターゲットはいないなぁ。と思ったら、でかいカダヤシが捕れた。良い感じの場所だけど、メダカじゃないのかぁ。
でも、ため池の調査エリアの中では、ここらが一番雰囲気がいい。来年夏は、ここらで少し時間をかけてメダカを見つけたい。
昨年12月に試しにやってみたブックトーク企画。うやむやのままに立ち消えになっていたが、それをこの12月に復活させて、そのままその後も隔月くらいで展開してはどうだろう? という話で盛り上がった。新しい企画をぶち上げる話は盛り上がるなぁ。
ちなみにこの企画は、著者によるブックトークという企画。著者は本が売れるメリット、著者を呼ぶ側は本の売上げのメリット、博物館は普及講演会が開けるというメリット。WINWINWINのすばらしい企画なのである。それが昨年12月に一度開いたきりになっていた理由は。他の仕事で忙しかったというのもある。が、なんか1回目の著者によるブックトークが盛り上がったような、そうでもないような、微妙な結果だったから。肝心の著者の本が今ひとつ売れなかったし、著者の話も本から離れ気味で、本へのつながりが薄かったような。
というわけで、今回は本の売上げにちゃんとつながるようにするってのが、一番の課題。それには、どの本の著者を呼ぶかというのがかなり重要。そして著者との綿密な打合せも重要。ってことで、超近場の著者にまず声をかけることになりそう。
ちなみに超近場だと、調整はしやすいし頼みやすいけど、聞きに来る人の多くがご著書をすでに購入済みというリスクがある。
博物館的には、普段博物館に来ない人を博物館に呼べる方が嬉しいので、ネームヴァリューがある人の方がメリットが高い。いや近場の人にネームヴァリューがないと言ってるのではなく、ウニャウニャウニャ…。
昨日で瀬戸内海展が終わった。と、館外にひたるまもなく、さっさと展示の片付けをしなくてはならない。
まずは一昨日展示したばかりのオキゴンドウ下顎骨を。と、ケースを開けたら…。油断していたので思いっきり臭かった。急いで取りだして、もう一度、水漬けへ。残された臭いは、展示室に拡散して消えるだろう。知らんけど。
次はパネルとラベルを回収して、ウミガメとイルカの頭をはずして、剥製を片付ける場所毎に仕分ける。で、常設展から出張してきたカモの雄達を展示室に戻す。
あとは、剥製と骨格と模型を元の場所に戻せば終了。
昨日までの展示はもうなく、もう二度と見られない。なんか寂しい。巡回展として、このコンテンツをあちこちで見られるように出来ればいいんだけど。せめて画像でもってネットで展示を見せられればいいんだけど。お金がないので、どちらもできない。
何年もかけて準備してきたけど、展示は50日少しだけ。残るのは、データと解説書。だから、展示よりも解説書に力を注ぐ、というキモチもなくはなかったりする。
頭から離れないのは、昨日、おかんが博多の飲み屋で交わしたというこの会話。
「自然史博の瀬戸内海展っておもしろいって聞いたんですけど、いつまでやっているんですか?」
「明日までです」
気付くのが遅いんじゃ〜。毎回毎回うちの特別展はこんな感じじゃ〜。見た人の評判はいいのに、いい評判が拡がった頃には、会期は終了。来場者数は、伸びない。
萌蔵は今日、大阪湾関係者のイベントをぶつけて、最終日に滑り込みで見れた〜、という声も多数。でも、それはさらなる動員にはつながらない…。
会期の前半に、お金かけて広報したら、もっと人が来て、会期の後半には評判を聞いた人が次から次へのやって来る。なんてことは起きないかなぁ、と思ったりするけど、先立つものがまるでないので、机上の空論でしかない。
今日、会期が終わって、明日からは展示の撤収が始まる。もう、同じ展示は二度と見られない。
今日の午後は、自分の出番を待つ間、なんとなく魚の話を1時間ほど聞いた。他山の石というか、人の振り見て我が振り直せという話をしてみよう。
話は、いきなりチャレンジャー号から始まる。チャレンジャー号とは何をした船なのかは説明しているようで、あまりしていない。そしてひたすら、チャレンジャー号が採集した瀬戸内海産の魚の標本を紹介していく。学名がどうしたとか、部外者的には割とどうでもいい話が多いので、ぼんやり聞く。タマカンゾウビラメの標本の口が開いていてもいなくても、どっちでもいい。
と、今度はゴールドスミスという人が採集した瀬戸内海産の魚の話に変わる。古い話をしているらしいが、いつ頃の話かよく分からない。チャレンジャー号のコレクションとなにかしら関係もある人らしい。
と、目的地も分からないまま話を聞くこと30分。突然、今までなんの話をしていたのかが明らかになる。どうやら1900年頃、瀬戸内海で記録されていた魚種をリストアップしたら、約60種だった。という話だったらしい。
SFなんかには、説明なくよく分からない設定のもとで話が進んでいき、かなり話が進んだところで、そういう話だったのか!という構成がよくある。まさにそういう構成だった。講演で、これを仕掛けてくるとは! なんて凝った構成だろう。
それにしても、チャレンジャー号のみならず、ドレッジ、ホロタイプ、ウミヘビなどなど、聴衆の大部分が正しく理解しているとは思えない単語が、説明なく投入されまくっていた。この聴衆への信頼の高さはすごい。そして、魚の標本の採集者として、しばしば「スズキさん」が出てくるのも面白い。「スズキさん」が誰のことか分かってるのは、この会場に2人だけじゃないかなぁ。説明なく、自分の友人を投入してくるとは…。大人が講演会でやるのは初めて聞いた。
後半は、伊予灘を船で回っての調査の話から、標本用の魚を釣る話。釣りという方法は、魚を採集するのにとても有功。と強調するのだけど、そんなん誰でも知ってると思うけど?
大きな問題は、聞き手のレベルの想定と、話し方が対応していないこと。チャレンジャー号、ドレッジ、ホロタイプが説明なく分かると想定するのが間違っている。その上、もし分かってる人なら、チャレンジャー号とゴールドスミスが採集した魚類リストの表を1枚示せば済む話だろう。そして、分かってる人には(分かってなくても?)、釣りが有功やで!って言わなくても良さそう。
古い魚の標本の画像と、釣り上げた魚の画像はいっぱい見れたので、聴衆はそれをながめてたっぽい。
2010年以降、瀬戸内海沿岸に行きまくり。とくに冬の瀬戸内海沿岸は一通り見てまわった経験をもとに、大胆にもオススメ観察地点を紹介する。という企画を明日の講演でする。もちろんお遊び半分だけど。せっかくなので、ここにも記録しておこう。
あくまでも個人的見解なので異論ははなまないように。他の季節は分からないので、冬のカモメ類やカモ類の観察にオススメという感じで。車は運転しないので、徒歩やレンタサイクルでの移動を想定。文字数に制限があるので、言葉は足りない。なんとなく東から西に並べているようだけど、実は大阪から行くときの遠さのイメージで並べている。
その1 大和川河口(大阪市・堺市) →瀬戸内海全域で一番多くのカモメ類が集まる場所!
カモメ類の群れがいるのは、ふつう大和川大橋と阪堺大橋の間。左岸側から観察すると順光で見やすい。南海七道駅より徒歩約15分。阪神高速湾岸線より下流は、深くなって海ガモ類やカイツブリ類が多くなる。湾岸線にはカワウの集団ねぐら。
その2 甲子園浜(兵庫県西宮市) →カモ類の種数・個体数では大阪湾随一
カモの群れが多いのは、東端の鳴尾川河口付近。渡りの季節にシギチドリ類がよく見られるのもこの辺り。沖や対岸のテトラポットは要チェック。群れから少し離れてカイツブリ類やウミアイサ、ホオジロガモが浮いてたりする。阪神甲子園駅より徒歩約25分。
その3 千種川河口(兵庫県赤穂市) →カモ類の種数・個体数では瀬戸内海有数、特に海ガモ多数
特にオススメは、赤穂海浜大橋より下流側。河口までの間にカモ類各種が大量にいて、カイツブリ類やウミアイサも混じる。東側の唐船海岸にも鳥が多い。沖合には数千羽のスズガモの群れがいるので、右岸側の先端まで行ってみよう! 最寄り駅のJR播州赤穂駅から遠いので、駅の観光案内所のレンタサイクルの利用がお勧め。
その4 加茂川河口(愛媛県西条市) →今回の調査でカモ類が瀬戸内海で最多!
産業道路バイパスの橋の辺りを中心にカモ類が大量にいる。とにかく大量にいる。カウントした時は、8000羽以上いたカモ類の内、約96%がマガモとオナガガモだったのは不幸中の幸い。でも探せばカモ類はけっこう揃う。最寄りのJR伊予西条駅まで約3km。
その5 曽根干潟(福岡県北九州市) →ズグロカモメとツクシガモとダイシャクシギの群れ
ユリカモメがほとんどおらず、小さめのカモメ類はほぼすべてズグロカモメ。100羽以上のツクシガモ、数十羽のダイシャクシギ。ヘラサギやクロツラヘラサギも普通に見られる。瀬戸内海でワンアンドオンリーの不思議な場所。最寄りのJR下曽根まで2km弱なので、歩いて行けるが、曽根干潟自体が広いので、レンタサイクルを利用した方が楽しい。
その6 鍋島海岸(大分県中津市) →越冬シギチドリ類が多数!
中津市の海岸はすべて鳥だらけで楽しい。が、とくに鍋島海岸は、越冬シギチドリ類(5種もいた!中津市全体では1000羽以上が越冬するという)やカモ類多く楽しい。調査した時は、ヒシクイもいた。最寄りはJR今津駅。駅から歩いて2km弱で海岸へ。海岸に出たら東に向かい伊呂波川河口を見て、JR天津駅まで行くとちょうどいいコースかと。知らんけど。
その7 寄藻川・桂川河口(大分県宇佐市) →カモ類が多数! ツルが渡来することも
合流部周辺に大量のカモ類がいる。ツクシガモやズグロカモメも見られ、調査した時はクロツラヘラサギやヒシクイもいた。最寄りのJR今津駅から約5km。観察地点は、桂川左岸の先端から寄藻川右岸側がオススメ。桂川河口の左岸側には、久兵衛新田と呼ばれる沈下して干潟状になった干拓地があって、ちょっと楽しげ。その海側から西へずーっと干潟が続く。
この7月20日に回収したオキゴンドウを、なんとか瀬戸内海展が終わる前にホネに仕上げて、展示しよう! と思った。一夏越せばけっこうホネになるはずだから、楽勝かとおもいきや、なぜか間に合うような間に合わないような。ほぼホネにはなってきているけど、肉やスジが少し残りそう。少しとはいえ、その肉やスジが臭いんだなぁ。
というわけで、頭骨だけでも展示するために、頭骨を水漬けしてみた。が、瀬戸内海展終了まで1週間を切っても、残った肉がなくならない〜。
というわけで、頭骨は断念して、せめて下顎を展示しよう。と、一昨日、鉗子を駆使して、残った肉をはがしまくった。が、しかし内側の孔の中の肉が取り切れない〜。鉗子の先がハサミになってるので、チョキチョキ切りまくって大部分の肉は取り除けたけど、わずかに残った肉が臭いんだなぁ。と言ってられないので、とりあえず乾燥させてみる。感想すれば、臭いが少しはましになって、週末2日間だけ展示ケースに入れておいても問題ないかも。
急げオキゴンドウ! 瀬戸内海展終了まで、残りは3日。瀬戸内海展終了まで3日!
【追記】
1日経って下顎骨はおおむね乾いた。が、孔の中に残った肉は乾ききっておらず、かなり臭い。アルコールをスプレーしたら、少しはましになった気がする。上顎の歯と耳骨はすでにケース内に並べた。種名板もセットした。あとは明日の朝、下顎骨をケースに入れるだけ。それまで下顎骨は廊下に放置してみたり…。
今日は、大東市から四條畷市、寝屋川市を自転車でウロウロして、外来生物調査。一番のターゲットは、クズにつくマルカメムシを食べるという外来昆虫ムネアカオオクロテントウ。ここ数日で、大阪府内の分布の北限が、東大阪市まで拡がっていることが分かったので、さらに北まで拡がっていないかを確認に。
結果から言えば、大東市では何ヶ所も探したのに、まったく見つけられず。でも、四條畷市と寝屋川市では見つかった。寝屋川市のけっこう北寄りで見つかったので、大阪府での分布拡大の北の最前線はさらに北にあるっぽい。もしかしたら淀川を渡って、北摂に入ってるかも。摂津市から高槻市南部もチェックしなくてはと思い始めた。
結果から言わないとするなら、調査開始時には、大阪府でのムネアカオオクロテントウの大阪府での北限は東大阪市。調査スタートは住道駅の少し北だったので、この時点で北限はスタート地点より北にあるのか南にあるのか分からない。とりあえず北に向かって、深北緑地までの間を調べるつもりだった。この場合、北限探索の手順は、
1:クズ群落をXヶ所かチェック
2-1:ムネアカオオクロテントウが見つかったら、さらに北に向かう。
2-2:ムネアカオオクロテントウが見つからなかったら、方向を変えて南に向かう。
以下、この手順の繰り返し。
と考えられる。
が、実際は、深北緑地を含めて5ヶ所のクズ群落をチェックしてもムネアカオオクロテントウは見つからず。なのに、さらに北に向かい、さらに2ヶ所チェックしても見つからない。なのにもう少し北に向かってチェックしたら見つかった。
上の手順で、Xを7以下に設定していたら寝屋川市や四條畷市のムネアカオオクロテントウは見つからなかった可能性が高い。ってことは、Xは8以上、10位に設定しておいた方がいいのだろうか?
帰りも含めて(駅前のレンタサイクルなので、どっちみち住道駅に戻らないといけない)、大東市では5ヶ所チェックしたが、ムネアカオオクロテントウはまったく見つからず。こんな飛び地みたいな分布するのかなぁ?
ターゲットは、ムネアカオオクロテントウ、スクミリンゴガイ、カダヤシ+メダカ。ついでにアカハネオンブバッタも見つけたら記録。ってことは、田んぼや水路があるエリアをめぐりつつ、その合間は河川沿いを走って、クズの群落も探す感じ。走ってというのは、家から自転車でおでかけしたから。
と言う訳で、家を自転車でスタートして八尾市を東へ、そして恩智川沿いに北へ。八尾市北端で東に向かって、山際を南下してくるというスクエアコース。カダヤシ+メダカ採集は、お試しで、メインはクズに付くムネアカオオクロテントウ。のはずだったが、なかなかクズ群落が見つからず。八尾市北端でようやくクズを見つけてチェック。2ヶ所目でムネアカオオクロテントウを見つけてしまった。確認すると、東大阪市に少し入り込んでいた。南下途中にも八尾市内でムネアカオオクロテントウを発見。
これで、大阪府内でのムネアカオオクロテントウの北限記録をとった!と思って、意気揚々と帰ってきたのだけど、帰ってきて確認すると、東大阪市にムネアカオオクロテントウの記録が追加されてる…。北限記録も、東大阪市での初認も逃していた。
なんか悔しい。そして、大阪府内の北限はまだ北にありそう。ってことで、明日は大東市で絶対に見つけて、大阪府北限記録を更新するぞ!と心に誓った。
今日は、地元の植物園で、鳥の羽根を拾う行事。の予定だったが、前日から雨。集合時刻の午前10時には止むとの予報だったが、中止/実施の判断をする午前7時時点ではやはり雨。集合時刻には止んでいて、観察会できたやん〜、って言われそうにも思ったけど、すでに雨がいっぱい降って、朝も降ってるとなると、落ちてる羽根はビショビショ。「初めての鳥の羽根ひろい」と銘打った以上は、初心者が来る予定だし、それがビショビショの羽根では盛り上がらないし、なかなか見つからない。ってことで、自信を持って雨天中止として留守番電話をセットした。
でもまあ、集合時刻にはあがっていたら、留守番電話を確認せずに、やってくる人もいるかもしれない。ということで、集合場所で待っていたら、15人も集まった。聞いてみると、留守番電話で中止は確認したけど、行ってみたら何かあるかもしれない、ってことで来たらしい。せっかく来たので、羽根拾いは無理でも鳥ぐらいは見てみよう。
とまあ、1時間半ほど、植物園で鳥を見た。雨は集合時刻過ぎには止むかと思いきや。止んだり降ったりを繰り返し、結局最後まで降り続いた。行事を中止にした判断は、まっこと正しい。でも、結局、午前中は鳥を見せて回っていたので、行事を実施したのと同じでないかい?
だとしたら、中止を確認して、来なかった方々に悪かったかなぁ。と、少し反省。でも、小雨の中の鳥の様子が少し見れたのは収穫かも。来園者が少なかったからか、やたらとカワセミが飛びまわっていたし、池の周囲の柵にもとまってくれた。雨が降ってるのに、小雨だったからか、スズメもシジュウカラもカワラヒワもヒヨドリも。けっこう小鳥類は活動していた。コサメビタキも見れた。雨で来園者が少ないせいか、やたらとコブハクチョウが近寄ってきて、しばらくついてきていた。
今年もムネアカオオクロテントウの調査シーズンがやってきた。思い起こせば昨年も、10月5日に初めて、ムネアカオオクロテントウの蛹を偶然見つけて、それからムネアカオオクロテントウ探しにはまった。堺市から富田林辺りに拡がっているのが明らかになったのは、私のおかげに違いない。日本で一番たくさんのムネアカオオクロテントウの産地を見つけたはず。そして、今年もベテランが調査を始めるのである。
と思ったら、
http://www.omnh.jp/shiyake/Synona-consanguinea.html
を見ると、すでに今年もムネアカオオクロテントウが次々と見つかっている。今年になって奈良盆地や泉南地域、一部は中河内にまで分布が拡大しているよう。どうしてだぁ? このベテランさんも、クズを小まめにチェックして、今年も探していたのに見つからなかったのに〜。このプロットの増加具合だと、「日本で一番たくさんのムネアカオオクロテントウの産地を見つけた」の称号も失っていそう…。
と、すこしがっかり。
でも、今日、今シーズン初めてムネアカオオクロテントウを見つけることができた。なぜか昨年と同じ頃合い。そして昨年と同じく最初は蛹で見つけた。やっぱりこれからがムネアカオオクロテントウが目立ちはじめる季節なんじゃないかなぁ。
と言う訳で、出遅れたけど今年も頑張って探そう。狙いは泉南地域にどの程度広がっているか。北河内から中河内にどの程度拡がっているか。
先日、毎月自転車で回るため池の水鳥調査をしていたら、とある田んぼに見慣れない植物がいっぱい生えているのに気付いた。この道は20数年毎月走っているのに、初めて気付いた。今までも生えていたんだろうか? たとえ生えていても、あまり特徴の無い植物なので、無視していた可能性も高い。でも、その時はたまたま眼に入り、昨年宮城県で見たクログワイによく似てるなぁ、と思って2株ほど引っこ抜いてきた。そのまま机の横に放置していたのだけど、気が向いたので、というより原稿を書きたくないので、転位行動として水草図鑑を引っ張り出して調べてみた。やはりクログワイっぽい。ただ近縁にシログワイというのもいる。両者の識別は花がないと難しそう。とあたりを付けた上で、草地屋に訊ねてみた。花がないと2種の内どちらかというのは分からない、という点を含めて正解らしい。葉っぱのないカヤツリグサ科が分かるとはたいしたもんだ。と自画自賛。
毎月走るので、来年の夏、花に注意してみよう。
そういえば、先の日曜日の観察会。集合場所の岬町の駅前に早く着いてしまったので、周辺をウロウロしていたら、放棄水田が湿地ぽくなった場所に、綺麗な花を付けたタデを見つけたので引っこ抜いて、サクラタデ?と言いながら草地屋に渡してみた。
その答えもやってきて、シロバナサクラタデとのこと。おしい。でもほぼ当たったも同然。ややこしいタデが少しでも分かるとはたいしたもんだ。とこれまた自画自賛。
サクラタデ系は大阪ではあまり多くないので、見つけたらまた報告するとしよう。
ちなみにクログワイもシロバナサクラタデも、まだ大阪府のレッドリストには載ってない。でも、湿地の植物は、どんどん生息環境自体減ってるから、そのうち載る可能性も高い。今のうち、情報を蓄積しておくのが良さそうな気がする。
7月に淡路島で回収したオキゴンドウ、9月に大和川で回収したハンドウイルカ。ゴンドウとハンドウ。なんか似てる。
というのはさておき、どちらも忙しかったので、ざっと処理しただけで砂場に並んでいる。なんとなくホネになってくれれば、それでいいと言えばいいんだけど、頭の歯と、前肢の指骨は、バラバラになると復元が困難。というわけで、トリを捕まえて、とりあえず前肢の指骨の地図作りを押しつける。
臭い、虫は嫌いというのを無視して、砂場へ連れて行く。オキゴンドウは2ヶ月半ほど経っているだけあって、指先の骨が露出して行方不明一歩手前。残る部分も上の皮を剥いて、地図を作ってもらった。ギリギリ間に合った感じでよかった。少し間を開けてから、ホネに数字を振ってもらおう。
この次は、ハンドウイルカの歯を抜いて、順番通りに発泡スチロールに刺してもらう予定。オキゴンドウは、上の歯は最初から抜けまくり、一方、下の歯は抜けなさそうなので、このままいこうかと。
で、終わった後は、美味しいアイスクリームでご機嫌伺い。ご機嫌は治っただろうか?
海ガモ類やミズナギドリ類、カモメ類やウミスズメ類には、目の上に立派な塩腺がある。頭骨の目の上の部分に、塩腺が入る凹みがあるくらい。カワウの場合は、目の上に何にもないけど、塩腺はどうなっているかというと、眼窩の中にあるらしい。じゃあサギ類はどうなんだろう?
なんてことが、Twitterで話題になっていたので、参入してみたら、アオサギ屋さんが調べて教えてくれた。サギ類やトキ類も塩腺を持っていて、どうやら論文の図をみるに、眼窩の中にあるらしい。
ってことでまとめると、
塩腺が目の上:カモ目、ミズナギドリ目、チドリ目
塩腺が眼窩の中:カツオドリ目、ペリカン目
他にも海で採食していて塩腺があった方がよさそうな鳥がいる。カイツブリ目、アビ目、ネッタイチョウ目、コウノトリ目。いずれも頭骨の目の上に塩腺の凹みはなかった気がするから、眼窩の中にあるのかなぁ。あまり系統を反映していないな、って思ったり。
ちなみにカモ類の塩腺は、淡水で暮らしていると小さくなり、海で暮らしていると大きくなるらしい。眼窩の中の塩腺が大きくなったら、眼球が押されて気持ち悪そう。目が飛び出たりするんだろうか?