日記風覚え書き
2021年1月、2月、3月
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●2021年3月31日 イルカの識別は身につかない
昨日、堺方面でイルカの死体が回収されたという情報が入って、急遽引き取ることに。今日の午前中に回収班を派遣。待ってる間にヒツジを処理して、午後から引き取ってきたイルカの処理。まだ模様が残ってる! ハセイルカかなぁ。などと言いながら、撮影して、処理して。処理の最中には肋骨の数とか、歯の数とかをカウントした。
で、処理が終わってから、画像と肋骨や歯の本数から同定。スジイルカやん! 処理前から判っていれば、もっと盛り上がれたのに。ってゆうか、候補はさほど多くないので、覚えろよって話ではある。覚えられないけど。
そして、昨年、スジイルカと思いながら処理して、スジイルカとつぶやいたら、詳しい方から指摘されて、よく確認したらハセイルカだったという事件。それがややトラウマで、より慎重になってるとも言える。
●2021年3月29日 電柱で営巣する鳥
電柱鳥類学って本を読んだ。電柱を利用する鳥の本であると同時に、あるいはそれ以上に電柱の本。正直、知ってる話題が多かった中で、電柱についてのうんちくには知らない事が多く、そっちがむしろ勉強になったし。とくに、背の高い鉄塔で、高いところを通ってる電線。あれはなぜか高圧線と呼んでたんだけど、確かに高圧の電気が流れてるらしいんだけど、送電線と呼ぶのが正しいらしい。確かに著者が学会で話してる時、送電線って言ってたっけ。
鳥の側の話は、電線に鳥がとまる話と、電柱で鳥が営巣する話。個人的には、人工物での営巣の話は好きなので、一番楽しく読んだ。電柱に営巣する鳥には2タイプあって。一つは電柱の穴を利用する鳥で、もう一つは電柱の上に巣を載せる鳥。
前者には、スズメ、シジュウカラ、ニュウナイスズメ、コムクドリがあがってる。前者の変形として、木製の電柱に穴をあけるキツツキ類とブッポウソウ(じつはキツツキ類が開けた穴の二次利用)があがってる。後者には、カラス類(ハシボソガラス、ハシブトガラス、カササギ)、コウノトリがあがってる。
日本で、電柱で営巣する鳥は、さほど多くないんだなというのが実感。たとえば、ヤマガラやヒガラといったカラ類も電柱の穴を使うとかあるけど、その他はそんなに増えそうにない。穴の大きさの制限が大きそう。電柱に巣を架ける鳥は、オープンな場所でも平気で営巣する種に限られるから、カラス類とコウノトリ以外にはあまりいないかも。可能性がありそうなのは、ササゴイなどのサギ類、あとはトビなどのタカ類だろうか。ササゴイはアンテナ営巣があったはずだから、電柱営巣の例も報告されてたりしないかな。
●2021年3月28日 子どもまつり2日目
という訳で、昨年は断念した子どもまつりをなんとか実施することができた。現在の新型コロナウイルス感染者数の増加傾向をみると、1ヶ月後は厳しかったっぽい。学生さん達は、2日目になって、例によってプログラムの完成度があがってる様子。でも総合受付なので、個々のプログラムをあまりゆっくり見られない。とにかく受付にずっと座ってる。
例によって、4回の受付タイム前後以外は、飛び入り参加はできないんですよ〜、と謝る意外はかなり暇。そしてパソコンは使いにくい。ってことで、今日は、論文3本の構成を考えた。いずれも比較的大型の水鳥の分布調査の報告。いずれも7年〜20年かかってる。データ量多いから、どうまとめるかで悩む。
例年なら、2日間の子どもまつりが終わったら、片付けをしてから反省会。そして打ち上げが待っている。昨日と今日の子ども祭りを振り返りつつ。この半年に思いをはせる。達成感があって、とてもいい時間だと思う。でも、このご時世なので、打ち上げはなし。大切な時間が奪われた感じがして、残念。
●2021年3月27日 子ども祭り1日目
昨日のリハはけっこうグダグダだったりしてて、ダメ出しをいろいろ喰らっていたけども。今日になって子ども達を前にすると、それなりに整ったワークショップとして実施できてる。毎回思うけど、学生さん達は優秀で、本番に強い。
今年の子ども祭りが、例年と大きく違うのは、2プログラムしかない。というのはさておき、一番大きいのは申込み制ってこと。例年なら、来館した子どもが自由に参加でき、毎年100名以上、ときには200名を超える子どもたちが参加する。しかし、今年は緊急事態宣言は開けたとはいえ、密集は避けねばならないので、そんなに大人数を受け入れられない。人数コントロールを確実にするには申込み制しかない。
しかし、申込み制なんてことは知らない来館者も多い季節。子どもが参加したがっても、断らざるを得ない。今年は申込み制で飛び入り参加はできないんですよ、すみません。と謝りまくることになった。
一方、申込み制のおかげで、個々のプログラムはゆったりしてる。時には、申込み者がほとんど来なくて、ちょっと淋しい回もあったりする。まあ密集が避けられるので、それはそれでいいんだろう。空いてるのに飛び入り参加は断らないといけないので、怒られないかひやひやする。
という訳で、担当班のない今年は、総合受付という大役で、ほぼ一日中展示室に座ってた。といっても、4回のスタート前から受付して、その後しばらく遅刻対応。一日合計2時間くらいしか働いてない。でも謝りまくって妙に疲れた。
プログラム実施タイミングの調整とか細かい仕事がないので、受付は謝る意外はらくちん。というか妙な時間がある。でも、コンピュータを使っての普通の仕事がしにくいので、紙と鉛筆を使ってできる仕事を。ってことで、来年の特別展の企画を考えた。関連イベントも考えたし、公開講演の講師も勝手に決めた。さっそく頼んでしまおうかな。
●2021年3月26日 子ども祭り前夜
いよいよ明日明後日は、子ども祭り。昨年は、新型コロナウイルス感染症のせいで、そもそも博物館が臨時休館中で実施できなかった。今年はそのリベンジ。どうやらリベンジが実施できそうで、けっこう感慨深い。
子ども祭りは、子ども向けワークショップを、学生が自分達で企画・準備・実施する企画。前年の12月から4ヶ月近くかかって、何度も集まって話し合って、準備してきた成果を、子ども達に投入する。しかし昨年は、2月末日から臨時休館。それでも3月後半には開くかもと思いながら、準備を続けてきたけど、博物館は開かず。
中止とするのは、あまりに残念なので、とりあえず夏休みまで延期という体にした。が、夏休みは、対面で子ども向けワークショップができる状況にはならず。あえなく断念。
そして、昨年12月。そもそも2020年度は、子どもワークショップがろくに実施できておらず、子ども祭りを実施する学生さんも育成できていない。という訳で、昨年のリベンジを試みた。昨年、子ども祭りを準備した面々に声をかけて、意欲と時間のある学生さんを集めて、今日までこぎつけた。
基本は昨年と同じプログラムだけど、対面で実施可能だとしても、コロナ対策への配慮を追加する必要があるので、やり方はけっこう全面的に見直す必要が出てくる。また昨年は3つの班でそれぞれ、アンモナイト、花と虫、ホネの3つのプログラムを用意していたけど、ホネ班は参加出来るメンバーが1人だけしかおらず、断念して他の班に合流。他の班もフルメンバーは集まらないので、やっぱりやり方の見直しは必要。
という訳で、結局昨年12月から、一からプログラムを作るのと同じくらいの時間をかけて準備してきた気がする。担当していたホネ班が解散になったので、今年は楽なんだけど、ちょっと残念。
●2021年3月25日 リモート委員会のいいところと困るところ
午前中は、某河川の環境委員会に出席。昨年は、意地でもリモートでの開催はしない!って感じだったのに、今年に入ってリモートが普通になった。
リモート委員会は、一々枚方市まで出かけなくていいので、楽ちん。委員会の2時間以外に、ロスなく他の仕事ができる。大きな声では言えないけど、委員会に出席しながらも内職ができる。あまり内職に集中してると、審議内容が追えなくなるので、注意が必要だけど。あと工学的な難しい用語が出てきても、気になる話題で疑問が出てきても、検索して自分で調べられるのが便利。
一方デメリットもある。一番問題は、リモートだからというより、職場にいるからなんだけど。電話が鳴ったり呼び出しがかかったりすること。今から2時間委員会なので、電話つないだり、呼び出したりしないで、と言っておくのは忘れがち。言っておいても避けられないことも多い。重要な会議なら、席を外せないからと無視したりする。まあ、つまらない委員会なら、喜んで席を外すけど。
そういえば、生態学会大会の時、発表中なのに電話が何度も何度も鳴ってる人がいたなぁ。職場からの学会大会出席はまだないけど、気をつけねば。
●2021年3月24日 電柱や電線にとまる鳥を考える
なぜか午後はしばらくの間、電柱や電線にとまる鳥に思いをはせた。
電柱にとまる鳥と言えば、冬に農耕地で鳥を見る時は、必ず電柱をチェックする。関西ならトビ、ノスリ、チョウゲンボウなどが電柱によくとまっているから。八重山に行ってもやはり電柱をチェックする。サシバやチョウゲンボウやカンムリワシがよくとまってるから。でも、農耕地の猛禽類だからといって、フクロウ類はとまらない気がするし、チュウヒやハヤブサもとまってない。そういえば、大阪には電柱をねぐらにしてるムクドリ集団がいる。
電柱ではないかもしれないけど、高圧線のデカイ鉄塔もやはりチェックする。とくに大きめの河川沿い。よくハヤブサやミサゴがとまってるし、場所によってはノスリがとまってたりもする。そういえばカワウのねぐらになってることもある。ねぐらではなく、塒前集合の場合が多いと思うけど、ムクドリもよく高圧線の鉄塔に集まってたりする。高圧線の鉄塔は、よくハシボソガラスやミサゴの営巣場所にもなってるなぁ。
一方、電線にとまる鳥はと言えば、いろいろいすぎて、特定の話題をなかなか思いつかないが、やはり鳥を探す時のチェックポイントではある。昔はキジバトは電線にとまらなかった、と聞いたのだけど、本当かどうか密かに気になってる。電線にとまっていて驚いた鳥といえば、カワウとコサギ。カワウは水掻きを上手に折り畳んでいるのが、コサギは頑張ってバランスを取ってるのが印象的だった。そこまでしてとまりたいのだろうか? アオサギが電線にとまってるのも見たことがあるような気がする。
電柱も電線も市街地周辺を中心に大量にあるので、その利用というのは、鳥にとってけっこう大切なことなのかもしれない。その流れで言えば、アンテナ利用や屋根利用(瓦屋根利用?)も気になるところ。
●2021年3月23日 若ごぼう調査:どこの府県で作っているか
2月から若ごぼう調査を進めていて、早い段階から阪神感で、大阪府八尾市産とともに、高知県産と長崎県産が見つかってて驚いたものだった。高知県と長崎県の地元では出回らないのかな、と思っていたら3月半ばになって、高知県で高知県産が出回り始めた。長崎県産はというと、とても熱心に地元をチェックしてくださった方がいるのだけど、生産している農協の直売所でも扱っていないとのこと。どうも地元の長崎県ではほぼ出回らないものらしい。
ネットで産地を調べてみると、香川県と福井県が有名。香川県産は3月に入って、香川県のあちこちに出回りだした。一方、福井県産はいまだ見つからず。
想定外だったのは、和歌山県産と広島県産が見つかったこと。和歌山県産は今のところ1ヶ所でしか見つかっていない。広島県産は、広島市辺りでけっこう出回っている様子。いずれも県外には出ていない。
そして、ここにきて京都府産が見つかったという。それも大阪市内で。驚いた。本当なのかな?
という訳で、京都府産を売ってたという八百屋に行ってみた。場所は住之江区のとある商店街の中。行った時に売ってた若ごぼうは八尾市産。ただ札には京都府と書いてあった。訊ねてみると、ちょっと前まで京都府産を売っていたのでそのままになってるとのこと。京都府産とは珍しいですねと言ってみると、あんなもんはどこででも作ってるから、あちこちから入ってくるとの答え。そして、京都府のどこで作ってるかは知らないとのこと。
若ごぼうの産地は限られるので、明らかに間違った認識をしてる。訊ねた相手が判ってない人だったのか、卸しから適当に入荷するのを売ってるだけなのかは判らない。ただ、特定の農家と契約して、わざわざ京都府産を仕入れてるって訳ではなさそう。
ともかく、京都府と書いた若ごぼうを売っていたのは、間違い無い。でも、あまり産地を意識していない様子なので、産地を間違っていた可能性は否定できない。
●2021年3月22日 幼鳥率で個体群動態を考え、グーグルアースで繁殖地を探す
昨日の集まりでの、講演についての質疑の中で、あるいはむしろ解散してからの話の中で、いろいろ面白いアイデアが出てたと思う。
一つは、幼鳥の割合を評価することで、個体群動態を推定する可能性。野外で観察するだけで、成鳥と幼鳥を区別できる鳥はけっこう多い。何歳までを区別できるかさえ判っていたら、その年代の時間変動は、個体群の何かしらのパラメータを表しているはず。
通常の幼鳥というのは、生まれて1年以内のこと。1年以内の個体の割合の減少は、繁殖成功率の低下、and/or生まれて1年以内の(観察した時点までの)生残率の低下、and/orそれ以上の年代の生残率の上昇を示していることになる。最後の可能性を勝手に無視したら、個体群の将来を左右するけっこう重要なパラメータを評価できてる気がする。
気をつけないといけないのは、成鳥と幼鳥の生息場所のズレの変化をとらえている可能性も残ってるってことか。それは、いくつかの地点で同様の傾向が見られるかどうかで、ある程度評価できると思う。
もう一つは、グーグルアースを使った繁殖分布調査。これは、カワウやサギ類のコロニーをグーグルアースで見つけたという話題からの発展。グーグルアースは過去にさかのぼれるから、コロニーの年次変動まで把握できる。
ネックはある程度の大きさがないと、グーグルアースで最大にしても、巣を見つけるのは無理ってこと。コサギは白いから見えそうな気がするけど、ゴイサギはどうだろう?
もう一つは当たり前だけど、上空から見える巣しか見つからないってこと。その点で、コサギもゴイサギの大部分の巣は見逃しそう。だとしたら調査にならない。サギ類でいけそうなのは、樹冠に営巣するアオサギとダイサギくらい。オオタカなどタカ類の巣が見つかると、とっても役立つのだけど、難しいだろうなぁ。
一方、カモメ類のような海鳥のコロニーなどの発見にはとても効果的かと。コアジサシも環境的には発見できそうだけど、小さすぎるかなぁ。
●2021年3月21日 サークルの総会もリモートで
大阪鳥類研究グループの総会を開いた。昨年は突然の新型コロナウイルス感染症のせいで中止になった。それから一年。Zoomの使い方も慣れてきたし、参加者もけっこうZoomが使えるようになってそうだから、Zoomを使ってリモートでの開催に踏み切った。
リモートになったからのデメリットは少ない。一方で、メリットはいろいろあった。新型コロナウイルス感染症が一段落しても、リモート開催でいいような気がする。とはいえ、デメリットとメリットを整理しておく必要があるだろう。
総会では毎年、外部の人に講演をお願いしている。目に見えるデメリットの一つは、講演をお願いできる相手が限定されることがあるということ。端的に言えば、Zoomが使えない人には頼めない。Zoomできるくせに、リモート講演はイヤだ!と言い張ってる人にも頼めない。今回は、外来鳥類関連の講演をお願いしようと思ったのだけど、Zoom?ナニソレ美味しいの?と言われ(笑)断られた。
しかし、講演をお願いできる人の幅は、実際には広がっている。旅費実費(遠方の方には宿泊費)でお願いしているのだけど、リモートなら旅費も宿泊費もいらない。遠方の方に気軽にお願いできる。こんな機会はまたとないかも!という訳で、今回は北海道の方にお願いした。この方は、ずっと話を聞きたかったのだけど、以前は東北、今は北海道。遠すぎて断念してきた。コロナ禍のおかげと言っても過言ではない。
もう一つのデメリットは、出席できるメンバーが限定されるということ。コロナ禍がはじまって1年余り。昨年秋頃からZoomがけっこう普及したと思っていたのだけど、まだ使ってない人もけっこういる。研究者界隈ではみんな使えるけど、アマチュアにはまだ二の足を踏んでる人もいる。やってみれば簡単だし、無料だし、この点は時間が解決しそうな気はする。
これまた出席できるメンバーが広がるという効果もある。一つは遠方のメンバーが気軽に参加出来ること。今回も岡山県からの参加があった。もう一つは、日曜日に仕事があるメンバーでも、仕事の合間に参加可能ということ。ようは他所の博物館施設のスタッフ。出席自体仕事の一部でもあるので、仕事中に参加して問題ないけど、スタッフ少ない館では、出勤日に館を開けられない。
もしかしたら、一番のデメリットは、懇親会ができないことかもしれない。講演や発表のようなかしこまったプログラムは、充分以上にできるのだけど、もっと気楽なやり取りが難しい。リモートの懇親会は、まだまだ盛り上がらない。これも時間が解決すればいいのだけど、この1点だけでも、対面の方が良いという意見は、けっこうあるかもしれない。
来年、コロナ禍が収まっていたら、悩ましい。
●2021年3月20日 久しぶりの鳥の観察会
新型コロナウイルスの感染拡大のせいで、この一年はほとんど観察会ができなかった。例年なら、10回ほど鳥の観察会を企画する。2〜3回は雨天中止になるかもしれないけど、7〜8回は実施している訳で、月1回くらいは顔を合わせる相手が20-30人いるイメージ。でもこの一年は、2020年2月後半から7月いっぱいの対面行事は全面中止。8月から11月は再開できたけど、12月からこの2月までまた対面行事は全面中止。ということで、この1年の鳥の観察会の大部分は中止になって、今日で4回目。そして5ヶ月ぶり。
正直に言おう。今までならほぼ無意識にできていた観察会実施の段取りが、やや曖昧になり、一々確認しながらやってる感じ。えーと、どうやってたっけ? って感じ。なんか新鮮だけど、なんか自信がなげで、ちょっと面倒な感じすらする。
参加者は、久しぶり〜、って方も多いのだけど、今まで毎回来て下さっていた方が、あまり参加されていない。この中断の間になにかの関係が途切れてしまったようで、少し淋しい。新型コロナウイルス感染症が一段落したら、また関係性の再構築が必要なんだろう。せっかく築いたものがなくなって、一からやり直しって感じが哀しい。
●2021年3月19日 この冬に実施した大阪湾岸カモメ調査のまとめ
昨年12月から今年の1月に実施した大阪湾岸のカモメ類調査、という名の大阪湾岸の水鳥調査のデータをすべて入力できた。もともとはカモメ類調査だったのだけど、今回はすべての調査地点(友ヶ島を除く)に、自分で調査に出かけて、カモメ類以外の水鳥もすべて数えた。トビやミサゴやイソヒヨドリやセキレイ類も数えた。つまり、大阪湾岸のおもだった鳥の分布をおおむね語れるデータセットができたという訳。
そのデータセットの入力が、ようやく終わった訳なので、さっそく集計して、分布図を作ってみた。とても楽しい。とりあえず、カモメ類の分布図。
ユリカモメは全体にとても減った。大和川河口のユリカモメはすっかり少なくなった。と思っていたけど、それでも一番多いのは大和川河口。
カモメは、ぜんぜんいない。なぜか武庫川の海岸部とは言えないところに一番大きな群れがいて、それを含めると湾岸部の分布にならないけど、含めないと異様に少なくてどうしよう?と悩む。
ウミネコは、予定通り湾奥部に少なく、というかほとんどおらず。湾口部にはそこそこいるけど、昔と比べたら、少なめな気もする。
セグロカモメは、全体に分布してる、でも群れっぽいのは、大阪府南部にいる感じ。
オオセグロカモメは、分布はウミネコによく似てる。でも、思ってたより少ない。カモメほどじゃないけど、とても少ない。
【追記】
勢いでウ類の分布図も作ってみた。カワウは大阪湾岸全域に分布しているけど、東半分に多く、西半分に少ない。つまり淡路島岸になぜか異様に少ない。
ヒメウとウミウは、南西角の湾口部周辺に集中してるけど、東岸の方が奥の方まで入り込んでいる。
他の水鳥の分布図を作りたいなぁ。
●2021年3月18日 はじめてのリモートポスター発表
日本生態学会大会2日目。いよいよ今日からポスター発表が加わる。発表はしないから、見て話を聞くだけなんだけど。どんな具合か判らずドキドキしながら参加。様子が分からないから、今回は自分の発表は避けた。単なる参加者なので、気楽ではある。
体験してみての一番の感想は、対面の方が楽しいなぁ。ポスター発表というのは、発表者とのやり取りを楽しむもの。根掘り葉掘り質問して、気の利いた質問や,有意義な指摘をして、そうほう満足感をおぼえて終わるのがベスト。リモートだとそれがしにくい。今回の生態学会大会のシステムでは、ポスターのファイルがアップされていて、それを自由に見る形式。で、質問はチャットで、が基本。チャットだと返事はリアルタイムではなく、他の人にも見られるので、整った質問しかできない。返事に応じてさらなる質問もできない。
発表者が自分でZoomをセットして、オンラインでリアルタイムでやりとりもできるんだけど、Zoomをセットしている人は限られる。原則全員ライブでやり取りができるシステムを主催者側が導入すべきと思う。お金はかかるだろうけど。
ただ、Zoomがセットされていても、それに入るのは勇気がいる。入らないと、何人が入ってるか判らない。入ってみたけど、やっぱり説明聞くのは止めた〜、がしにくい。変な相手が出てきたらイヤやん。という訳で、とりあえず知り合いのポスター発表のZoomに入ってみた。やり取りは面白かった。Zoomがあれば、本来のポスター発表らしいやりとりはできる。試しに知らない人のZoomにも入ってみた。自分がある程度知ってる話題なので、どう転んでも、それっぽい質問ができそうなポスターを選んだ。これまた楽しかった。でも、Zoomに入るにはちょっと勇気がいって、対面でのように何となく話を聞きに行けないのが残念。外から何人がそのZoomに入ってるかが判るようになってればいいのにな。
という訳で、いまの多くのシステムでは、主催者側としてポスターセッションをするかは微妙。発表者側としては、ポスターセッションは止めておこうかな、と思った。
●2021年3月17日 日本生態学会大会Online Meeting 2021参加
はじめてのリモートでの大きな学会大会参加。最初はウェブサイトの構造や使い方を試さないといけないけど、判ってしまえば簡単。
そもそも参加のために足を運ばなくていいのが楽。交通費や宿泊費はいらないし、そのために時間もかからない。気軽に学会大会に参加できて便利。
それは同時に旅行気分が味わえないというのが残念。会場周辺で知り合いに会えないのが残念。あまり知り合いが多い方ではないのに、そう感じるんだから、学会大会は知り合いと飲み歩くためにあるんだ!という方(少なからずいるはず)にとっては、学会大会の意義の大部分が失われているのかもしれない。
真面目に言っても、発表聞く以外の要素がまるごと抜け落ちるのは、研究遂行上おおいにマイナスだろうなと思う。
生態学会の大会は、発表者数が多くて、口頭発表は10以上のセッションが同時に行われたりする。対面だと、その会場の間を行き来するのに時間がかかり、また行ってみたら満員で入れないとか、暑いとか、遠くからしか見れないとか、いろいろ不都合があったりする。それならと、比較的聞きたい発表が続く部屋に居座る方が快適だったりする。そのため、聞きたいと思ってる発表がすべては聞けないことがよくある。
が、リモートだと部屋から部屋へ動くのが簡単。部屋にいながらにして聞けるのでとても快適。思いがけずよかったのは、発表内容をメモしたり、感想をツイートするのがやりやすい。
でも、移動が面倒で、居座っている部屋で、なんとなく聞いた発表が思いのほか面白い、ってこともしばしばある。そういう出会いはリモートだと減ってしまいそうに思った。
という訳で、リモート学会は、残念な部分と、いい部分が混じった感じ。知り合いが多い自分のホームとも言える学会には、対面で参加したい。でも、滅多に参加することのない周辺領域の学会の場合は、リモートであれば気軽に参加できるので有り難いって感じ。
●2021年3月16日 特別展の解説パネルの発注
本日17時に業者さんに入稿。無事に完成してきますように。
昨年の特別展は主担当だったので、ヒーヒーとテキストを書いて、関係者で読み合わせして、修正して。そして発注係に任せるという展開。今年は立場がちょうど入れかわった。
今年の特別展の展示には、基本的にノータッチ。なので、テキスト書かないし、読み合わせの会議にもでない。じつは勝手に修正すべく、少しは会議に出ようかと思ってたんだけど、忙しくて断念。で、発注係なので、完成したテキストを受け取って、指定されたデザインフォーマットに流し込んで、業者発注するのがお仕事。
デザインフォーマットにテキストを叩き込めば済む訳じゃなく、フォントとサイズ、及び行間と位置を調整。デザインにあわせてテキスト書いてくれればいいのに、むやみに文字数が多いのがあって、文字サイズか行間で調整しなくちゃならない。そして、ルビをふる。小学何年生以上の感じにはすべてルビ、って決めるとかえってうるさくなるので、加減が必要。一方で、地学テーマのパネルが多いのだけど、馴染みのない専門用語も多い。簡単な感じでも読み方が普通じゃなかったりするので要注意。さらに感じの使い方をこちらで統一する。
しかしそれでは終わらない。テキストは読み合わせして、内容や言い回しが寝られているはずなんだけど、難し過ぎたり、訳わからんことが書いてあるテキストも散見される。仕方が無いので、書き直し。勝手にかえて意味が変わると困るので、執筆者に確認しながらの修正作業。どのテキストを誰が書いたか意外と判らず、ちょっと手間取った。
とにもかくにもテキストパネルを入稿できる形に整えて、仕事は終了。残る図表パネルは、個々の学芸員が責任をもって作成するからチェックの必要なし。と聞いていたはずなのに、見てみると問題点がいっぱい見つかる。言葉が難し過ぎたり、言い回しの意味が生物系学芸員にも意味が分からなかったり、画像が横向いていたり。仕方がないので、また担当者を詰めて修正させる。
あー面倒だった。昨年はこうした作業はこっちでやったから、かなり簡単だったはず。ただ、今年がましだった唯一の点は、昨年より枚数が少なかったこと。昨年の半分くらい? 内容難しいのに、これで足りるのかな?と思ったくらい。
●2021年3月15日 和泉の国若ごぼう探しの旅
和泉の国といっても泉北はすでに充分調べられているので、狙うのは泉南方面。というのも今のところ、岸和田市で2ヶ所と、泉佐野市で5ヶ所だけ。今のところ日根野より向こうでは、まだ3ヶ所でしか調べられていなくて、まだ見つかっていない。
南の国の公園の用事のついでに何ヶ所か調べた印象では、大阪市内ほど若ごぼうは出回っていない印象だった。もしかしたら、日根野の向こうには若ごぼうは分布していないのかも! とまあ分布境界を探るべく、少し寝坊しつつも出かけた。
出だしは、JR東岸和田駅周辺。3ヶ所もチェックできておいしい。貝塚駅、新家駅、和泉砂川駅とめぐって、日根野駅(日根野駅周辺はすでにチェックされてるのでスルー)に戻ってからりんくうタウン駅。忘れずピッとしてから南海電車に乗り継ぎ。羽倉崎駅と尾崎駅をチェックして、帰りに南海貝塚駅に立ち寄って終了。
合計11ヶ所チェックして7勝4敗。泉南地域でも若ごぼうは流通してる。ただ置いてあってもあまり多くない。そんなに食べられてはいない感じ。
と調査は終わったはずなのに、帰る途中に、忠岡駅と高石駅でチェック。高石駅は3ヶ所もチェックできておいしい。ライフ高石店では、たぶん今日も若ごぼうを売っていた。でもチェック時点では売り切れていて、「若ごぼう398円」という札のついた空の箱が置いてあるだけ。こういう場合は、どういう扱いだろう?
●2021年3月14日 久しぶりのなにわホネホネ団の活動日
なぜか2003年、なにわホネホネ団誕生の年を思い出す。この年の春には、宝塚ファミリーランドが閉園して、貯め込まれていたホネ標本を引き取ったのが、なにわホネホネ団の誕生につながった。名前はまだなかったが、夏頃から活動が始まった。そして、秋、阪神タイガースが優勝。日本一にはならなかったけど。その時の監督が星野仙一。それにちなんで天王寺動物園で生まれたトラの名前がセンイチになったんじゃなかったっけ? あれから17年。ネコ科動物が寿命を迎える頃になってきた。
そんな訳で、今日は11月以来久しぶりのなにわホネホネ団の活動日。今年初めての活動日。なにわホネホネ団の活動が滞るとなにが困ると言って、冷凍室がパンパンになっていくこと。一人でもくもくと処理してもスピードは限られる。やはり大勢で取りかかった方が早い。そして、なにより一人だとなかなかやる気が起きない。
ってことは、昨年、4月と5月の活動が停止して実感したのだけど、またもや12月から2月の活動が停止してしまった。そして、いまだ日本ではワクチン接種が進んでいないので、この後もどうなるか判らない。ここでできるだけ冷凍室を空けねば。と思ったら大物がやってきてしまい、そちらを処理することに。冷凍室があふれませんように。
●2021年3月13日 今年の観察会の口火を切る
昨年12月から、大阪府に赤信号という名の外出自粛要請が出た。1月初めに緊急事態宣言に切り替わって、それがようやく解除になったのが2月末日。その間も博物館は開いていたが(工事のための本館の臨時休館はさておき)、ずっと行事は中止だった。緊急事態宣言は当初3月7日までの予定だったので、3月7日までと決めた行事の中止はそのままに。その翌週の週末である今日3月13日が、久しぶりの行事。というか、講演会などネット配信の行事は行っていたけど、対面の行事は久しぶり。装備やノウハウの都合もあって、ネット配信で観察会を、という試みはしていないので、観察会自体が久しぶり。個人的にも博物館としても今年初めての観察会だった。
久しぶり過ぎて、どんなトークをするんだか、やや忘れ気味。久しぶりに会う参加者のみなさんは、顔なじみが多いのだけど、なんか少し変わってる印象。とくに子どもがはっきり大きくなっていて驚いた。
いまだに新型コロナウイルス感染症対策は必要で、望遠鏡は用意しない。ずっとマスクを付けたまま。雨上がりだからか、マスクでメガネが曇って曇って、鳥を見るのに一苦労。普通に観察会ができた頃が懐かしい。早く元に戻って欲しいけど、もしかしたら戻らないのだろうか。
●2021年3月12日 滋賀県における若ごぼうの分布状況
今日は、湖西線を乗ったり下りたりして、駅の近くにあるスーパーに行っては若ごぼうを売ってるかをチェックするということを繰り返した。若ごぼうのスーパー調査を電車でGO!である。大切なことは、駅の最寄りにスーパーがあるとは限らないので、あらかじめグーグルマップで駅周辺(200m以内くらい)にスーパーがあるかをチェックしておき、およその方向を付けたリストをつくっておくこと。
滋賀県での電車でGO!は、2月28日の東海道線に続いて2回目。前回は、駅名はリストアップしてあったのだけど、方向を記していなくて、ぼんやりした記憶が頼りで苦労した。その反省にたって方向を記録。地図を用意すればいいのにって感じではあるんだけど。
で、2月28日はJR東海道線沿いの13ヶ所、今日はJR湖西線沿いの10ヶ所をチェックして、南彦根駅そばの平和堂と、大津京駅そばのイオンでのみ、若ごぼうを発見できた。
電車でGO!以前に、彦根駅の少し西、草津駅周辺の2ヶ所、野洲駅そば、安曇川駅近くの合計5ヶ所で、若ごぼうが売られているのが確認されていた。我が成果を合わせても滋賀県での確認地点は7ヶ所。市町村レベルでいえば、彦根、高島、野洲、草津、大津。
とまあ一応、滋賀県で若ごぼうは発見されたものの、32ヶ所チェックして7ヶ所でしか見つかっておらず。大津市にいたっては、13ヶ所中1ヶ所で見つかったのみ。滋賀県に広く分布しているものの、生息密度はきわめて低く、ほぼ偶産といっても良いレベルだろう。
ただし、南彦根の平和堂で発見された若ごぼうは、おつとめ品コーナーにあった。平和堂の野菜の品揃えはどこも比較的似ていることを踏まえると、一時期、平和堂には広く分布していたが、調査の時点ではすでに無くなっていたという可能性もある。そうだとしても、再入荷がなかった時点で、生息密度が低いという結論には変わりはない。
●2021年3月11日 宇治川
昨年11月から毎月、宇治川沿いを宇治駅から石清水八幡宮駅まで歩いている。最初は、観月橋で上下に分けて、2日に分けて歩いていたのだけど、1月からは1日で一気に歩いている。ざっと4時間から4時間半のコース。
宇治駅から観月橋駅までは、中洲が少なめで、あってもあまりヨシ原になってなくて、川を見ながら歩きやすい。そのせいというわけでもなさそうだけど、水鳥が多め。なぜか上流側の宇治駅に近い方が水鳥が多い。
観月橋から下流は、ヨシ原が広くて、堤防沿いを歩いていると(とくに左岸側を歩いているので)、あまり川面が見えない。それでも見える場所はちょこちょこあるけど、水鳥は少なめ。代わりにヨシ原や川原の鳥が賑やか。
2月11日に歩いた時は、ウグイスとヒバリがわずかに囀っていただけだったが、今日はあちこちでウグイスが囀っていた。ホオジロは姿は多いけど、まだ囀らない、と思ったら2羽だけ囀っていた。なぜかヒバリの囀りは全然聞こえず。
一方、水鳥は、2月に比べて、随分と少なくなった。カモ類もオオバンも少なめ。たくさんいたのは、宇治橋から少し下流までの区間だけ。ただ、カワアイサだけは、いつもはこのにぎやかな区間にいるのに、今日は山科川合流点にいた。
向島の下流、国道1号線の上流側の左岸ヨシ原。堤防から離れた半分だけ、刈った後のヨシ原が真っ黒になっている。ヨシ焼きしたらしい。と思ったら、ヨシ焼きの看板が出ていた。3月前半の風のない日にヨシ焼きをするらしい。風向きによったら国道を煙が直撃する場所だから、かなり日を選ばないといけなそう。
●2021年3月10日 第2回ダーツの標本探しの旅 本番
標本台帳を開いて、えいっ!と選んだ標本を出してくるっていうゲーム。その第2弾がはじまった。第1弾は、昨年12月。その時は、鳥類1点と哺乳類1点が当たった。幸い新しい標本2点だったので、まだ収蔵庫に片付けていなくて、速効で見つけられた。そして、第2弾。また当たってしまった。またまた幸いにも、今回も作ったばかりの鳥1点。またもや眼の前にある(片付けてないから…)。
優しいことに、見つけるのに時間がかかることが想定してあって、ダーツ投げてから、見つけてくるまで少し間があく。こちとら速効で出せたから、すぐ忘れてしまい、かえってお題がなんだったか思い出すのに苦労する始末。
が、今回ももう一つ新たな要素があることを忘れていた。長期不在の学芸員が担当する標本が選ばれてしまったのである。仕方がないので、担当学芸員に連絡をとりつつ、萌蔵と一緒にどこにあるかを探す。最初は冷凍室かと思ってドキドキしたけど、標本化されてる相で、それじゃあと大きな駅浸タンクをあさる。幸い、最初にチェックしたタンクで見つかった。幸い最近標本化したので、上の方にあった。もし底にあるのが選ばれていたら、と考えるとぞっとする。
そして今日が本番。準備はばっちりなので、いたってスムーズに終了。この次こそはもっと苦労するかもしれない。それを避けるには、標本を作製してもなかなか片付けないとか、標本化の前にうかつに受入票を書かないとかの対策が考えられるが、それはそれでいかがなものかなぁ。
●2021年3月9日 展示室の復帰作業
この2ヶ月、収蔵庫の工事があったので、臨時休館して、収蔵庫の中のものを、展示室やギャラリーや通路に逃がした。工事が終わって、今週末には久しぶりに開館するので、今日は展示スペースの復帰作業。
膨大な量だったので、何日かかるか判らない。ってことで、今日からの3日間をとってあったが、9人がかりで午前9時半から取り組んだら、昼休みをはさんで、午後2時半にはおおむね片付いた。そういえば放り出すのも3日日程を予定していたが1日でできたっけ。
1つの収蔵庫の中身を放り出しただけなのに、展示室1つ半と、通路のけっこうなスペースを占拠していた。放り出した収蔵庫の中には、新たな可動式棚が設置されて最終的には収容力が高まるのだけど、とりあえず現段階ではまだ工事中。なので、元の収蔵庫の半分弱にしか物が置けない。はやして荷物は戻せるのか?
という懸念はみんなが共有していたようで、標本の整理を進めたり(廃棄ではなく整理。そもそも整理が完了したら新館の収蔵庫に入るもの。そうここに入っていたのは整理待ちの標本群)、なぜか入っていた機材系を整理したり(これは不要な物は廃棄って意味)、ヴォリュームを減らす努力は密かに続けられていた(らしい)。その成果もあるんだろう。意外とあっさり収まった。よかった。
機材というのは、廃棄の判断が難しいもので、あとから廃棄したのを後悔しなければいいなぁ。と思わなくもない。まあ、あるんだろうけど、やむを得ない。
●2021年3月8日 若ごぼう売ってるスーパー、売ってないスーパー
若ごぼうをテーマに久しぶりのスーパー調査がはじまって1ヶ月ちょっと。カキ調査の時はあまり思わなかったけど、スーパーって意外と駅近くにないことが多くて、電車でGO!派としては、微妙に苦戦。さらにこれまたカキのスーパー調査の時はあまり思わなかったが、若ごぼうの取り扱いの有無は、スーパーの所在だけでなく、スーパーの系列の影響を強く受けている気がする。いわば、形質の出現パターンに系統の影響を考慮しなくてはならない進化の議論のよう。
ってことで、ここまでにほんのり判ってきたスーパー系列ごとの若ごぼうの取り扱いの傾向をまとめておこう。どんどん裏付けるデータは蓄積されてきてはいるが、まだまだ仮説段階であることは断っておこう。
サンディ、フレスコ、オークワは、若ごぼうは取り扱っていないと断言してもよさそう。
イズミヤやイオン系列、平和堂は、ほぼ扱っていない。が、稀に置いてることがある。ここに西友も入ってくるかもしれない。ただイオン系列でもマックスヴァリュは絶対に扱っていないという意見もある。そういう言い方をするなら、平和堂系列の中でもフレンドマートは絶対に扱ってない、と言ってみたいかも。
ライフや京阪百貨店はけっこう扱ってる。ハーベスもけっこう売ってる気がする。
万代は、基本的に扱ってるらしい。これは多くの人が既に指摘してるところ。
大阪資本の万代は扱っていて、和歌山資本のオークワは扱ってない。滋賀が地元の平和堂もあまり扱わない。とまあ、どこか地元かが影響するという説を唱えてる人もいる。
●2021年3月7日 地域自然史と保全研究大会2021 勝手にポスター賞
今日は、3月第一日曜恒例(?)関西自然保護機構大会、あらため地域自然史と保全研究大会。昨年は、新型コロナウイルスが急遽感染拡大して、なすすべもなく中止になった。今年も新型コロナウイルスな状況は昨年と変わらないけど、一年の間に少し技術も蓄積したので、リモート開催に踏み切った。口頭発表は比較的簡単だけど、ポスター発表はなかなか慣れないし面倒。発表者側も様子が分からないので、申込みを控えたのだろう(申し込んでからのキャンセルも2件)、今年のポスター発表は10題しかなかった。その他に口頭発表7題と受賞講演2題。昨年なかった分を今年にまわしたこともあって、口頭発表系が多くなり、今年はシンポジウムはなし。ポスター発表はコアタイムを設定して、講演数も少なかったから全員に10分のプレゼンをお願いした。つまり結果的には口頭発表に限りなく近い。そしてすべてを見ることができた。なので、勝手にポスター賞を決定。
【一番印象に残った賞】
P03 「淀川におけるチャネルキャットフィッシュの捕獲調査」山口ほか
淀川の三川合流から大堰までの間を調べたら、ほぼすべての地点でチャネルキャットフィッシュが確認されてしまった。という衝撃の結果。ちなみに延縄にイカ餌で採ったのだけど、半分くらい混獲があって、けっこうスッポンがかかってた。かかったスッポンには気の毒だけど、淀川にこんなに生息してるってのも新知見では?
【話を聞いて面白かった賞】
P05 「大阪府南部におけるヤマトサンショウウオの生息環境と集団遺伝構造」長井ほか
かつてのカスミサンショウウオは、複数種に分割された。その内の一つ、ヤマトサンショウウオの遺伝子を調べた結果だけど。南河内や泉北、阪南市の個体群がヤマトサンショウウオであることが遺伝的に確認されたのが、個人的には嬉しい。ついでに岬町は瀬戸内サンショウウオだったとのこと。ちなみにアライグマの捕食が心配だったのだけど、その痕跡には気付かなかったと言ってた。
P09 「琵琶湖博物館フィールドレポーター調査で明らかになった滋賀県のタンポポ分布とその特徴」前田ほか
2020年はタンポポ調査の年だったので、滋賀県全域を調べた。その結果の報告。外来タンポポがセイヨウタンポポとアカミタンポポ、白花在来タンポポがシロバナタンポポとキビシロタンポポ、黄花在来タンポポがカンサイタンポポ、セイタカタンポポ、トウカイタンポポ、アシタカタンポポ。とても種数が多くて楽しそう。でも識別難しそう。カンサイタンポポとセイタカタンポポの分布の違いが面白く、トウカイタンポポの分布が意外。
6月に行事を予定している草津市辺りは、いろんなタンポポが分布してそうな面白げなエリア。タンポポの季節には遅いらしいけど。
●2021年3月6日 小さな学会大会の準備
関西自然保護機構大会あらため地域自然誌と保全研究大会。ここ数年は、たいてい3月の第1日曜に開催していた。総会議事はさっさと終わらせて、助成金成果発表や受賞講演会やシンポジウムを口頭で行って、一般申込みの発表はポスターでってパターン。例年ポスター発表の担当で、発表数を集めつつ、間口を拡げるのを大きな目標にしてきた。おかげで、駆り出されてきた大学院生に混じって、一般の方々の発表があり、中学や高校の部活での成果の発表もあり、小学生が自由研究を発表してくれたりと。普通の学会大会という一味違った形になりつつあったと思う。でも、新型コロナウイルス感染症の拡大。
昨年は、対応できずに中止になってしまった。一年経って、リモートでの発表スキルも高まっただろうと、今年はリモート開催。でもリモートに慣れたのは、大学生や研究者だけだったようで、一般からの申込みはなし、中高生からも申込みはなし。目指していたものとは少し違ってしまって残念。でも、今は途切れさせないことの方が大事と思おう。あと、申込みが少なめの方が、初めてのリモート開催を準備する側としては、多少なりとも楽。
リモートでのポスター発表をどのように開催するかは、最後まで悩んだ。大きな要因は、発表数によってやり方を変えた方が良さそうだから。申込数が多かったら、Zoomウェビナーか何かで複数の部屋に分けてだろうかと思ってた。でも、幸いというか、申込みは少なかったので、
・ポスターをグーグルドライブにアップして、参加者に自由に見てもらう。そこでチャットで質疑。さらに今日から1週間掲示を続ける。
・コアタイムには、Zoomで一人10分の持ち時間で、プレゼンをしてもらう。司会進行を入れて、チャットに書いてもらった質問に答えてもらう。
というワンルーム設定にした。プレゼンタイムがあるから実質口頭発表では?という声はさておき、形になる目処はたった。
で、いよいよ明日が本番。例年だと、講演要旨を集めて、要旨集を印刷。ポスターをはるパネルを並べて固定。で、終了。慣れてるのでたいして負担ではない。
今回はリモートなので、要旨集は作製しても、印刷の必要はない。ポスターをはるパネルの設置もいらない。それじゃあ楽かというと、全然楽じゃない。例年なら、当日ポスターを貼るも貼らないも発表者任せで済むのに、今回は集めて、こちらでサイトにアップしないといけない。つまり、出さない奴がいたら、催促しまくらないといけなくなって、とても面倒。要旨だけ事前にかり集めれば良い対面の方が楽だと思う。
●2021年3月5日 ウズラとわたし
知り合いの中学生が、市販のウズラ卵を暖めてヒナを孵化させたんだそうな。育てていたら、孵ったのはすべてオスだったらしく、大きくなって鳴くようになってきた。やかましいので、お父さんが食べるという。と助けを求めるメールが来たのが年末。知り合いにキジ科の鳥が好きなのもいるし、1〜2羽なら引き取り手見つけられるかも。となんとなく返事したら、すぐにウズラ5羽が運ばれてきた。まだ、引き取り手探してもないのに…。でも、断れない…。
で、ウズラを買い始めることに。ニワトリ好きさんには、引き取るのは無理と断られ。困った困った。でも、ニワトリ好きさんと団長が入れ替わり飼育ケースをセットして、エサ飼ってきて、世話してくれる。それを手伝いつつ、おいおい引き取り手を探そうか。と思ったけど、引き取り手は見つからないまま現在に至る。
やってきた当初は全然鳴かなかった。別にうるさくないやん。と思ったけど、家で飼うのはいやだなぁ。というのも、入れたエサをまき散らして、まるで砂浴びの砂の扱い。周囲の掃除が面倒。あと、やたらとケンカする。ケンカしない組み合わせは特定の2〜3羽だけで、1羽、1羽、3羽と仕切らないといけない。世話が面倒。そして、2月に入って事態は一変。囀るようになったのである。
春だなぁ、と呑気にしていられるようなもんじゃなく、大声でけたたましく、一日鳴いてる。幸いなことは、5羽いてもその内のほぼ1羽しかなかないこと。合唱にはならない。あまりにうるさいので、昼間だけでも外に出そうということになった。でもカラスやイタチにやられないように周囲のガードを手厚くして。で、ある日、通用口のところに出した。午前10時頃出して、用事で出かけて、午後4時頃戻ってきて様子を見たら、1羽やられていた。犯人はネコらしい。他に2羽が出血している。ネコにひっかかれたらしい。ガードしたつもりが甘かった。この2羽は当日は元気そうだったのだけど、翌日と翌々日には死んでしまった。
という訳で、ウズラは2羽になった。外は危険なので、やはり室内に。やかましい。5羽でも2羽でもやかましさは同じ。最優位のだけがもっぱら囀るもんらしい。やかましいから、昼間も薄暗い部屋に入れてみた。少しは鳴く頻度が減った気がする。でも、夜でも少しは鳴くから、時々は声がする。
1時間ほどして見に行った。部屋の中をバタバタ飛ぶ鳥がいる。なんと脱走していた。今までは、逃げ出してもゆっくり歩いてウロウロするだけだったのに、元気に飛び回る。渡りの季節だからだろうか? これだけ飛べれば渡りもできそう。でも、降りたら動きはゆっくりで、簡単につかまる。野生生活はやめた方がよさそう。
というウズラなんだけど、だれか引き取らないですか?
●2021年3月4日 ツバメの集団ねぐらができるヨシ原の特徴
とあるヨシ原絡みの委員会に出席していて、ぼんやりヨシ原再生の話を聞いていた。資料をパラパラ見てると、ツバメの集団ねぐらのデータが少し出てきてる。で、思わず口を挟む。
で、その話の流れで、ツバメにはどんなヨシ原がいいのか?と訊ね返される。答えにつまる。
微妙に環境の違う、ヨシ以外も混じってる広ーいヨシ原があったとして、そのどこを集団塒地として選んでいるか。って話なら調査のしようもあると思う。だれかしてないかな? してなくても、塒の位置と植生図のセットが整ってる場所はあるから、解析すればある程度明らかになりそうに思う。
とりあえず、ある程度ヨシ自体の密度と高さがいるんじゃないかなぁ。混ざって生えたりしそうな、オギは柔らかすぎてツバメは止まらないと思う。ガマやセイバンモロコシもダメ。セイタカヨシはいけそう。
そして、あまり疎らだとダメじゃないかと思う。揺れるからとか、捕食者がアクセスしやすいから。そして、あまり低いとダメじゃないかなぁ。そしてそれなりの広がりが必要じゃ内科と。イメージで言えば、割と立派なヨシが生えてる部分を選んでる気がする。
でも、どんな場所を、どんなヨシ原を塒地に選ぶかというテーマはこれだけでは終わらない。あまりに狭いヨシ原に大量に集まってる場合がある。幅が狭い場所もよくある。なんでこんな場所を?という理由としてとりあえず思いつくのは、
・近くに他にヨシ原がない。
・昔から選んでいた場所だから、多少状態が悪くても集まってしまう。
・他の場所で花火などの撹乱があって、近くに他に選択肢がなかった。
でもでも。話はこれだけでも終わらない。なんとなれば、ツバメの集団ねぐらは、ヨシ原にできるとは限らないから。電線にできたり、セイタカアワダチソウの草地にできたり、まばらなヨシ原の中に生えたアカメガシワにとまってるのも見たことがある。どんな時に、ヨシ原での就塒を断念するのか?
その条件はさっぱり思いつかない。そんな条件があるなら、逆にどうしてヨシ原にこだわってるように見えるのかが不思議になる。
●2021年3月3日 カラスの巣調査スタート
3月になったので、地元公園のカラスの巣チェックをはじめた。やる気の多めの年は、2月からチェックを始めるのだけど、2月はどっちみちハシボソガラスがボチボチ巣をつくりはじめるだけなので、結局3月スタートで全然問題ないなぁ、と思ってしまったら、2月はあまりやる気が出ない。
3月1日時点で、新しい巣が2つ見つかった。周囲に持ち主はいなかったけど、ハシボソガラスのなわばり内なので、ハシボソガラスの巣だろう。木の枝をくわえてウロウロしているハシボソガラスもいたので、すでにハシボソガラスの造巣がはじまってるのは確か。一方、ハシブトガラスは、まだこれからっぽく。せいぜい巣の周囲にやってきて、鳴いたりウロウロしている程度。例年、ハシブトガラスの造巣は、ハシボソガラスから1ヶ月ほど遅れるので、まあこんなもの。
1月1日にカラスの巣のチェックをしてあって、この時点でも昨年の繁殖期になったカラスの巣のいくつもが無くなっていたのだけど。1月1日から3月1日の2ヶ月の間にも、さらにカラスの巣が3つ無くなっていた。この間に、大風は吹いていないし、この公園はカラスの巣の除去はしていないので、これはカラス自身が落とした可能性が高い。
カラスの古巣は、あるペアのなわばり内には、いつも残っているのだけど。別のペアのなわばりでは非繁殖期に必ず無くなる。といったパターンがあるので、ペアによって古巣を落としたり、落とさなかったりするもんだと思っていた。しかし、『なんでそうなの札幌のカラス』って本に、若いカラスの群れが、古巣を落としてしまう。という記述があって驚いた。だとしたら、若いカラスの群れがよくいるエリアの古巣は無くなって、群れがいないエリアの古巣は残るんだろうか? これから気を付けて見てみよう。
●2021年3月1日 2021年2月のまとめ 若ごぼう調査開始
昨年の5月に思いついて、今年の1月に思い出した若ごぼう調査がいよいよスタートした。とりまとめ役は、無事に萌蔵に押しつけたし、あとはあちこちを見てまわるだけ。電車でGO!のスーパー調査。という訳で、さっそく調査をしようと思ったら、大阪市内や堺市の動く範囲はさっそくすべて押さえられていて、調査する場所がない。思わず、休みの日に電車で赤穂や彦根に出かけて、JR神戸線やJR東海道線沿いを乗りつぶしてしまった…。今度はJR湖西線やJR阪和線に乗りたくなってきた。
そんな2021年2月を振り返っておこう。
ルーティンのため池調査、大和川調査は無事終了。鳥のセンサスと果実チェックは順調に実施。2月半ばで果実はほぼ無くなった。
ハッカチョウセンサスは、奈良県1コースと京都府2コースを実施。今月も京都府の2コースを1日で一気に実施した。
若ごぼうセンサスだけのために遠征2回。
ホネホネ団の活動は断念。またもや鳥の皮剥きを見せる行事も中止になった。で、これでは冷凍室が満杯のままなので、一人でコツコツ、哺乳類2匹と鳥類3羽だけ剥いた。
南の公園へ、追加の標本引き取りに。
担当の普及行事は、すべて中止。でも、3月の行事再開にそなえて、薄く準備を始めた。
サークルの活動も停止中だけど、一度だけリモートの会合を開催。
博物館の本館は臨時休館中。その間に1コーナーの展示更新の手配と施工。仕上げは来月のオープン直前。
4月からの特別展で少し担当があるので、テキストを少し書いた。あとはパネル作製の発注を受けたので、来月中に手配せねば。
講演は、なし。
委員会関係もなし、
査読もなく、論文書きは進まない。
とまあいろいろあった中、今月読んだ本は、自然史系7冊と、SF7冊。
完全休養日は2日。その片方で、ついにガン検診で要精密検査に行った。胸部CTを撮られて、5日後に結果を聞きに行った。ガンじゃないかと、とても恐かった。思わず机の周辺を片付けた。結果は幸い異常なし。でも、まさかの時のことを色々考える機会になった。
●2021年2月28日 近江の国若ごぼう探しの旅 パート1?
今日は休みなので、ゆっくり起きて、買い物にでもと出掛けた。何となく東へ向かう電車に乗ってしまい。ふと気付くと彦根にいた。という体で、若ごぼう調査に出かけてしまった。どうせ家にいたら、爆睡するかテレビを見てるか本を読んでるか。電車で出かけて道中で本を読んで、若ごぼう調査もしたら一石二鳥、ではないけれど、少しは一日が充実する。
ちなみに、調査時点で滋賀県で知られていた若ごぼうの生息地は、彦根に1ヶ所、草津に1ヶ所、安曇川町に1ヶ所。点在だけど、そもそも調査地点が少ないので、本当にまばらにしか分布していないのか判らない。本当は、ふと気付いたら長浜にいる予定だったんだけど、時刻表を確認すると、彦根から長浜まで行ってスーパーをチェックして帰ってくるだけで、1時間は余分にかかるっぽい。それでは帰りが遅くなるので、ふと彦根で下りてみた。
ちなみに事前に、彦根駅から大津駅までの間で、駅近にスーパーのある駅をチェックしてあったのである。決して、たまたま彦根に行ってはいない。
という訳で、彦根駅から大津駅までのJR東海道線の13駅について、駅から最寄りのスーパー1ヶ所で若ごぼうをチェックした。滋賀県なので、内9ヶ所は平和堂(名前はアル・プラザとかフレンドマートとかに化けてるけど、だまされない!)、他はイオン1ヶ所、西友2ヶ所、フレスコ1ヶ所。で、結局、若ごぼうを見つけたのは南彦根の平和堂のみ。それもおつとめ品だった。平和堂の品揃えはどの店舗も似てるので、南彦根店だけ仕入れたとは思えない。2月に一斉に入荷したけど、大抵売り切れて、再入荷してないだけかも。売れ残った南彦根店では、おつとめ品に。
滋賀県は、車移動が卓越してるっぽく、スーパーが必ずしも駅前にない。なので、電車でGOの調査には不向き。神戸方面なら、駅舎自体にしばしばスーパーがあるのになぁ。
ともかく、把握出来た限りでは、滋賀県の若ごぼうの分布はまばらに点在って感じ。時期によってはもっと広く分布しているかもしれないが、京阪神と比べると、分布域の辺縁部って理解でよさそう。
次の機会には、JR湖西線に乗って見たい気がする。湖西線沿いは割と、駅近にスーパーあるし。
●2021年2月27日 ZoomからのYouTube配信で、Google Driveで公開
今度学会大会みたいなののポスター発表担当なのだけど、とてもややこしい。実質、口頭発表やし。口頭発表なら、すでに近頃のリモート講演会でなれてるZoomからのYouTube配信って形で大丈夫。なのにポスター発表を銘打ったから、1日か1週間かはともかく、しばらくの間、自由に発表が見れる設定がいる。ってんで発表ポスター(といいつつ実質パワポ)をGoogle Driveにアップ。質問は、ZoomでもYouTubeでもGoogle Driveでも可能。ただ、Zoomはアプリケーションのインストールが必要。YouTubeとGoogle DriveはGoogleアカウントが必要。こうしてみると、Googleの商売上手が際立つ。Googleアカウントがなかったら、とても不便な時代になってしまった。ふと気付いたらGoogleアカウントを持ってたりするもんなぁ。
セッティング担当ではないので、ZoomからYouTubeライブへの流し方とかは知らないけど、Zoomのセットや使い方は覚えざるを得ないし。この1年である程度覚えてしまったし。Google Driveは初めてだけど、なんとなく使えそうな感じ。あるいはGoogleアカウントなくても見れるかな、とか。チャットに書き込めるかをチェックしなくてはいけない。てなことに気が回るようになってしまってる。慣れとは恐ろしい。
●2021年2月26日 読書サークル 第112回会合覚え書き
隔月で、課題本の紹介文を持ち寄って、本についてあれこれ言い合うサークル。新型コロナウイルスが感染拡大して、12月の会合は中止になった(かわりにリモートで話をする会はもって、課題本を追加したけど)。で、この2月も緊急事態宣言が出ていて、対面での会合は難しい。でも、2会続けて中止はしたくない、ってことで、リモートでの会合をすることになった。今日の会合で出た本についての意見を記録。
今回の課題本は7冊+6冊の13冊。1冊繰り越されてきて、2冊繰り越したので、12冊についてあれこれ話し合った。
ちなみに各人は紹介文を書いてきていてて、4つを最大として★を付けている。
●「アリ語で寝言をいいました」
(紹介文4つ、平均★数は3.5)
不思議なアリがたくさん登場し、不思議なアリの生態もいっぱい載ってて、ついでにアリは意外にもけっこう声でコミュニケーションするって話。内容盛りだくさんなので、読んだ人はそれぞれに違う部分が印象に残ってる感じ。
●「地図の博物図鑑」
(紹介文5つ、平均★数は3.6)
読んだ人は、面白い、面白い。と連発するので、どこらへんが面白いのかと問いただすと、とにかく面白い。と言って、お気に入りの地図を見せてくれる。普通の地図だけではなく、脳の地図とかも含まれるらしい。複数の人が気に入っていたのは、九龍城砦の地図。
●「カビの取扱説明書」
(紹介文3つ、平均★数は3.3)
この著者の単著は3冊目。課題本になったのも3冊目。似た内容なので、評価が厳しめになってしまう。でも、3冊の中では、一番盛りだくさんで、最近のネタが入っている。
●「標本バカ」
(紹介文3つ、平均★数は3.0)
面白エピソードがいっぱいだけど、さほど勉強になるような内容ではない。っていう点では一致していた。著者は博物館スタッフだけど、学芸員ではない。学芸員の仕事がこんな感じだと考えると、本当の学芸員の仕事を勘違いすることになるという指摘があった。
●「ツバメのひみつ」
(紹介文3つ、平均★数は3.3)
最新の研究成果を紹介しつつ、ツバメの形態と繁殖を中心に、進化と生態をいっぱい語ってくれる。難しい内容もあるのだけど、読みやすくて、蘊蓄も多くて、楽しめると全体的に好評価。
●「新種の発見」
(紹介文1つ、平均★数は2.0)
タイトルを見て期待したのと、内容が少し違う。期待した内容が無い訳では無いが、なんか物足りないと。
●「がろあむし」
(紹介文2つ、平均★数は3.0)
絵柄の評価が高い。シデムシ、ツチハンミョウからのガロアムシ。地面から地中に生息するマイナー昆虫を取り上げている点も高評価。撮影地の遠景から始まり、アップして、土の中の動物を紹介し、再び遠景で終わるという構成も良かった。
●「うみどりの島」
(紹介文2つ、平均★数は2.5)
天売島のウミスズメ類の繁殖をおもに紹介してる内容は悪くない。ただ、絵柄が独特なので、好き嫌いが分かれそうという話になった。
●「サンゴと生きる」
(紹介文3つ、平均★数は3.0)
じっとしてるだけと思っていたサンゴが、意外にも隣同士で闘ったりしてる! って部分が熱く語られた。
●「ぼくのマツボックリ図鑑」
(紹介文3つ、平均★数は3.3)
とにかく世界のマツボックリが、いーっぱい載ってる! 種類も数もいーっぱー。大きいの、小さいの、長細いの。あと、エビフライとドングリキツツキとか。と、気に入った二人がずーっとしゃべる。
●「イカは大食らい」
(紹介文2つ、平均★数は3.0)
とにかくイカの写真が綺麗。イカが好きになる。という点で一致。でも、3つほどしか捕食シーンがないのに、どうしてこんなタイトル? という点でも一致。
●「札幌のカラス」
(紹介文3つ、平均★数は2.7)
カラスの話は面白いけど、今まで読んだ本と一緒やん。って声があった。すでにカラス本は何度か課題本になっているので、その点で新鮮味は少ない。今まで読んだのは東京のカラスで、これは札幌のカラスだから違いがある!というのは、違いが分かる男にしか判らない。その違いが分かる男は、文体とか文章のつながり、構成が気になった様子。
●2021年2月25日 南の国から追加の骨たち
昨年3月に歴史を閉じた某施設から、貯め込んでいたホネを中心とする標本を下見に行って、引き取ってきたのは、昨年6月。さらに大物3点を業者さんに運んでもらったのが、昨年7月。それで書類のやり取りとかして、8月中には一段落。と思ったら、12月にまた連絡があって、引き取った標本の関連資料が出てきた&動物関連書籍もいらないか、という話。もちろん引き取ることにんした。
そして、三度、この2月初めにまた連絡があった。別の場所の倉庫を開けてみたら、ホネ標本を中心にけっこう色々出てきたという。引き取らないかという話。もちろん引き取る。ということで、今日引き取りに行ってきた。
着いてみるとといつものスタッフの方と一緒に、飼育員&園長OBで、骨格標本を作りまくったご本人が来られていた。今のスタッフでは判らないことをいろいろ教えて頂いた。
その話を聞きながら、頭骨を小さいのはユニパックにいれ、大きいのはプチプチで包み、トレイに壊れないように詰め込んでいく。そして、車に載せていく。角のあるのなどかさばるのは、なんとか隙間にねじ込む。いやもちろん壊れないようにガードして。
オグロヌーとか、イボイノシシとか、ヒトコブラクダとか、所蔵していない標本も混じっていて、とても盛り上がる。雑種と書いてあるラクダの頭骨は、元園長さんによるとヒトコブラクダとフタコブラクダの交雑個体ってことらしい。イッテンゴコブラクダ、と当時から呼んでいたらしい。中途半端なフタコブだったとか。白いエミューのような卵はなんだろう?と思ったら、レアだそうな。勉強になった。
昨年から、何度も出かけている場所、勝手知ったる他人の公園。でも最後までいたキリンもシマウマもいなくなって、すっかり淋しくなってしまった。
あの、ゾウの模型は、撤去されたあと園内に転がっていて、やがて無くなったとのこと。もうつぶされたんじゃないかと。なんか勿体ない。記念に駅前にずっと置いておけばよかったのに。
何度も行き来する中ですっかり顔見知りになったお二人が、今日も対応してくださった。一人は、別の動物園への4月からの就職が決まったそう。飼育員を続けられるそうで、目出度い。もうお一方は、畑違いの仕事をすることになるそうで、なんか大変そうだけど頑張って欲しい。
●2021年2月23日 ハクセキレイの繁殖分布の南下、西進の現状
ハクセキレイかイソヒヨドリネタで文章を書くようにという指令を頂いた。調べてみると、ハクセキレイの分布の変遷って、今までなんとなく思っていたのと違っていて面白い。これはハクセキレイで書かねばなるまい。
ハクセキレイは、かつては北海道では繁殖していたが、本州以南では冬鳥。ということになっていた時代がある。というのは知っていた。それが本州北部で繁殖をはじめ、繁殖記録がどんどん南下して。関西では、1980年代に入ると繁殖記録が現れ始め、なぜか遅れた京都府でも1990年代には繁殖開始。2000年代のうちには、平地のとくに市街地周辺では、当たり前に年中見られるようになった。
どうして京都盆地への侵入が遅れたのかは知らないけど、イソヒヨドリの内陸での繁殖分布の拡大でも、京都盆地への侵入は、琵琶湖岸より、奈良盆地より遅れたので、京都はなにか結界でもあるのかもしれない。
ともかく、関西人的に言わせてもらえば、2000年代にはハクセキレイの繁殖分布の拡大は一段落。てっきり西日本全体でそんなもんだと思っていた。現在進められている全国鳥類繁殖分布調査の成果として、セキレイ類3種の繁殖分布についての講演を聴いて驚愕した。ハクセキレイは、九州南部や四国南部では、もしかしたら中国地方西部でも、まだまだ繁殖例は少なく、ハクセキレイの繁殖分布の拡大はまだまだ完了していないらしい。高知県での繁殖例は、比較的最近にわざわざ報告されてる! 関西においても、どうも紀伊半島南部には、ハクセキレイはまだそんなに進出していないらしい。大阪での事例だけをもとに思い込むのはよくないな、と反省した(これでは東京が日本スタンダードと思い込んでる東京人と変わらない)。
もう一つ驚いたのは、古い時代の文献を紹介してる文献によると(元文献には当たれなかった)、19世紀終わり頃、北海道でのハクセキレイの繁殖は極めて稀だったらしい。どうやら北海道にハクセキレイの繁殖分布が南下したのが、ようやく20世紀に入ってから。それから100年以上かかって、まだハクセキレイの繁殖分布の拡大は続いているってことになる。長い歴史を感じるなぁ。
●2021年2月22日 オオバンのつがい形成、アオサギのヨシ上営巣
今日は自転車でため池巡り。そろそろ水鳥界は繁殖モード。今年になっていまさら感があるけど、昨年前は気にならなかったのに、今日は気になったことが2つ。
年が明けてから、オオバンが2羽で行動しているのが多くなってる気がする。この2羽はペア? 越冬地にペアで渡ってくるという鳥はほとんどいないし、秋から冬の初めにはそうでもなかった気がする。その記憶が正しくて、この2羽がペアなら、冬の間につがいを形成したことになる。
越冬地でつがい形成ってのは、カモ類でよくあるパターンなのだけど、オオバンでもやるとは聞いた覚えがない。でも、オオバンの繁殖生態を調べた話も聞いたことがないから、知らなかっただけかなぁ。
カワウの繁殖は、大きな繁殖地ではとっくに始まっていて、調査範囲内では大津池の繁殖コロニーには、すでに大きなヒナの声もする。一方、大泉緑地の小さなカワウの繁殖地ではまだ繁殖ははじまっていない。
一方、同じ場所で繁殖するアオサギは、まだあまり繁殖地に戻ってないし、全然営巣もしていない。と思ったら、大泉緑地の頭泉池ではヨシ上営巣のアオサギがもう抱卵している。大阪府大の池でもアオサギのヨシ上営巣が1巣。これは昨年以前から気付いていたけど、アオサギは同じ繁殖地でも、同じエリアでも、樹上営巣より、ヨシ上営巣が先に始まる。どうしてだろう?
●2021年2月21日 なにわホネホネ団 第1回リモートミーティング
大阪府に赤信号が出ていたと思ったら、年明け早々に緊急事態宣言。それに伴って、博物館の行事は全面中止。館内でのサークル活動もストップ。おかげで、今年に入っていまだになにわホネホネ団は活動できていない。学芸員的には冷凍室がぱんぱんになっていくのが心配だけど、メンバー的には退屈、というか寂しかったんだろう。誰が言いだしたかは知らないけど、リモートでいいからミーティングをしようってことになった。
という訳で、今年最初のなにわホネホネ団の活動は、Zoomミーティング。今日の午後1時から午後5時まで。実際は、30分くらい延長してたけど。長丁場だけど、話題が途切れることなく、続いたのには感心した。同時最大参加者数は、22人ってとこか。
リモートとはいえなにわホネホネ団のミーティングだから、鳥の皮剥きでもしようかと思ったんだけど、他にする用事があったので断念。でも同じ事を思った人は多かったらしい。参加者の内、4名ほどが鳥や小哺乳類の処理をしながら参加していた。上手に手元を写すセッティングしてたり、準備が万端過ぎる。他にもみんなに見せる標本を用意している人が数名。単に話をするだけでなく、それぞれに話題提供できるネタがあるのが、なにわホネホネ団のメンバーの強みかもしれない。
中でも面白かったのは、鳥の目玉にあるホネの話題。強膜輪ではなく、もう一つの目のホネ。それは視神経が出ている根元のところにあるらしい。ってことを紹介した人がいて、自分で見つけたそのホネの画像を見せてくれる。他のメンバーが論文を検索して、情報を追加。今度鳥を処理する時は確認しなくちゃ!って話に展開。勉強になるし、視野が広がりとても面白い展開だった。
関東に引っ越した人が2人、長崎県からの参加も1人。関西圏以外にも日本全国になにわホネホネ団のメンバーはいる。でも、遠方からそう簡単に大阪での活動には参加しに来れない。でも、リモートなら気軽に参加できる。このメリットは大きそう。
想像以上に盛り上がり、またやろうねって話で終了。なにわホネホネ団のメンバーに限定せずに、ホネ話題のZoomミーティングをしたいという声も上がっていた。ホネットでやるかなぁ。リモートホネホネサミットとか。
今回は画像をオフにしてROMってたけど(若ごぼう調査の宣伝だけ参加した)、今度はなにかネタを仕込みたいかも。
●2021年2月20日 播磨国若ごぼう探索の旅
昨日の話なんだけど。休みの日だったので、遅めに起きて、なんとなく出かけて、なぜか西向きの電車に乗ってしまった。ふと気付くと、そこは播州赤穂。という体で、播磨の国に若ごぼう調査に出かけた。ついでにハッカチョウ調査もしようと思ったのだけど、全然見つからず、ただ若ごぼう調査にスーパー巡りをしただけに終わった。ちなみに播磨灘岸は、2013〜2014年頃、毎月水鳥調査に通っていたので、とくに赤穂市や相生市は土地勘があって懐かしい。
最初は、播州赤穂駅。水鳥調査の時と同じく、駅の観光案内所でレンタサイクルを借りようとしたら、300円が500円に値上がりしていた。そして、2時間程度なら駅前の自転車預かり所のレンタサイクルの方が安くて300円と助言してくれた。で、レンタサイクルを借りて、馴染みのスーパー2ヶ所をめぐる。かつてはカキ調査のために魚介物売り場をチェックしていたスーパーで、今度は野菜売り場をチェック。思わず果物と卵を買ってしまう。
続いて相生駅。これまた水鳥調査の時と同じく、駅前のレンタカー屋でレンタサイクルを借りようとしたら、誰もいない。困って駅前の観光案内所に入ったら、受付がこちらに変わっていた。値段は同じ。で、駅から南にあるスーパー3ヶ所と道の駅1ヶ所をめぐる。相変わらず微妙なものしか売ってない道の駅。なにも買わなかったけど、腹が減ったので屋台で売っていたカキ巻きというのを買ってみた。旨い! 魚の練り物の中にカキが入ってるんだけど、練り物の中の空洞に、美味しいカキ汁がたまっていて、揚げたてを食べるととても美味しい。渡す時におばちゃんが、熱い汁に気を付けるようにと繰り返し注意してくれた。旨いけど危険。
あとは、レンタサイクルは投入せずに、駅前の最寄りスーパーのチェックにシフト。姫路駅、加古川駅と倒していく。東加古川駅では、ハッカチョウの集団ねぐらで有名なイオンにも行ったけど、ハッカチョウはチェックせず。もう、ただ若ごぼう調査のスーパーめぐり。スーパーに入ったら、野菜売り場で若ごぼうをチェックするだけでなく、果物売り場でタネコレクションに加える果物を物色、トリ先生用の卵もチェック。見つける度に購入していると、どんどん鞄が重くなる。
最後は、垂水駅でスーパー調査は終了。買い出しも終了。結局、若ごぼうは、明石駅と垂水駅でのみ確認できた。基本的に播磨の国に進出はしていないらしい。明石駅で見つけた若ごぼうには、若ごぼうの解説と食べ方の説明がしっかりついていた。あまり馴染みのない野菜って感じ満載だった。
土地勘のある赤穂と相生以外は、駅近にスーパーがあるかどうかを事前にチェックしてあったので、効率よくスーパー巡りを進められた。それでも一日に17ヶ所巡ったらいっぱいいっぱい。なんか楽しいし、完全休みにして家で爆睡しているより生産的。またやろう。
●2021年2月18日 コロナな一年を報告するとしたら
4月の活動報告会の相談をした。ここ数年実施している企画で、前年度の活動を、(ユーザーというより、さらにコアな)応援団に報告する機会。単なる活動の報告ではなく、もう少し膨らませて、関連ネタで外部から講師を招いての講演会あるいはシンポジウムも引っ付けるので、博物館学的にも面白い部分があるはず。
で、2020年度は何を報告しないといけないかといえば、もちろん新型コロナウイルス感染症によって、例年とは大幅に異なる状況になったこと。3月から5月頃まで、約3ヶ月の臨時休館があった。その間、ミュージアムショップも閉まっていた。2月後半から7月まで、そして12月から2月までは普及行事は中止だった(少なくともリモート行事は。だから昨年の報告会も中止になった)。8月以降は、リモート行事も増えた。ちなみに、今年の報告会はリモート実施。
まず報告するのは新型コロナウイルス感染症下での状況だし、その間応援してくれた方々への御礼が必要。そして、考えるべきは、まだコロナ禍が続く中で、これからどうしていくかってこと。ちょうど、昨年11月に、新型コロナウイルス感染症下での野外観察会のあり方についてのシンポジウムを開いた。今回はその続きを考えるのが一つのコンセプトの中心。
やむを得ずリモート行事が増えた中で、思いがけずリモート行事のメリットも判ってきた。でも、リモートでは不充分な側面も多い。遠隔地に手が届くリモート、でも地域へのアプローチはどうするべきか? というのが一つの切り口かも。ってところまでで、具体的には決まらなかった。続きはまた来月。
●2021年2月17日 対面とリモート混合の委員会
リモートの参加者と対面の参加者が混在する会議ってのには、この1年何度も参加したけど、今まではずっと対面側だった。混合の場合、リモートの参加者は往々にして置き去りになりがち。だなぁ、とは思ってたけど、なるほどそうだなぁ。
今日の委員会は対面とリモートが混在していた。緊急事態宣言が解除もされていないのに対面で委員会するというから、いやいやリモートでないと参加しないから。と答えたら、委員の内、5人が対面で、3人がリモートだった。一番の年寄り達はなぜか対面で参加している。っていうか、こやつらのせいで全面リモートにならんかったんじゃないかと勘ぐらざるを得ない。
仕切る側もリモート参加の委員への対応は雑で、へんな画面しか見せないし、ろくにファイルを共有もしてくれない。声もしばしば途切れるし。
という訳で、リモートの委員は置き去り感満載。それでも他の二人は、会議に参加しようとしている。それぞれの専門部分があるからだろう。なぜか今日の議題は自分の専門がほとんど関わらない。リモートというのもあって、なぜか単なる聴衆の気分。話はすべて聞いていたけど、議論には参加しなかった。
対面と混在してると、リモート参加者は、置き去りにされるだけでなく、リモート参加者側としても参加者意識が薄めになる。動画を視聴してるような気分。ついつい内職も始めてしまう。ディプレイの前にずっと座っていただけでも褒めてもらおう。ってゆうか、こんな感じなら、今度から欠席しよう。
●2021年2月16日 ウズラがうるさい
知り合いの小中学生から、SOSのメールが来たのは、12月末のこと。このコロナで博物館行事がない間に、ウズラ卵を温めて6羽孵化させるのに成功したらしい。が、孵ったウズラの多くはオスだったらしく、育ってくると囀りはじめ。家で飼ってるとうるさい。うるさいから、お父さんが殺して食べるという〜。というメール。引き取ってくれる人はいませんか?と言われた。
キジ科鳥類が好きな奴に心当たりがある。引き取ってくれるかも。と返事したら、速攻で持ってきた。お父さんに殺されないうちに、と急いで持ってきたらしい。断りにくい。とりあえず預かってみる。誰か引き取ってくれるだろう。って甘い予想の元に。
結論からいうと、引き取り手が見つからない。そのまま5羽(1羽逃げたらしい)のウズラが、トリ先生が作った手作りカゴに入って博物館で暮らす。
5羽を一緒に入れると、もめてばかりいるので、1羽、1羽、3羽に分けてみる。優位な個体を別にしたら、残り3羽は仲よくしてる。っていう状態で、1ヶ月半経った。うるさいと聞いていたのに、そんなに鳴かない。分けて入れればあまり鳴かないのかな?と思ってたら、昨日辺りから一日中泣くようになった、うるさい。昼間も鳴くけど、夜も鳴く。こまった鳥。日長の問題だろうか。日長をコントロールしたら、鳴かなくなるかも!
●2021年2月15日 ワックス掛けの日
年に一度の研究室のワックス掛けの日。昔は朝から夕方までかかってた記憶があるが、近頃のワックスはすぐに乾くからか、午前9時過ぎに作業が始まって、1時間半ほどで、すべての研究室がワックス掛け終わって乾いてた。で、廊下に逃がしていた机などを研究室に戻して、午後1番に研究室前の廊下のワックス掛け。それが午後2時半には乾いていて、研究室に入れるようになった。早くなったなぁ。
昔の記憶が残ってるんだろう。おかんは昼にやってきて、もう机が入れられてる〜、と言ってたりする。
研究室の荷物を廊下に逃がしていると。研究室のワックス掛けが終わったら、急いで研究室に戻さないといけない。でないと、廊下のワックス掛けができない。それがイヤな人は、ワックス掛けをする廊下のエリア外に逃がす。そしたら、後日ゆっくり戻すことができる。
普段は、旧収蔵庫とかネイチャーホールとかに逃がすのだけど、今年はどちらも工事中で逃がせない。やむを得ず、普段はあまり逃がさない展示室にたくさんの荷物が逃がされている。今年は臨時休館中なので、臨時休館明けには清掃も入るので、展示室に逃がして大丈夫。しばらく放置しても大丈夫。でも、来年以降は、展示室に逃がしたら、翌朝までに戻す必要があるので、ちょっと微妙。
思い起こせば一年前。3月1日スタートの特別展の準備に追われていて、とてもまじめに研究室のワックス掛けに対応できず。研究室のワックス掛けは、大物は出さずに対応。実は、隣の共用の部屋にも大量の荷物(主に処理途中の標本など)を放り込んでいるのだけど、昨年は隣の部屋のワックス掛けは断念。
という訳で、隣の部屋は、2年分の汚れが溜まってる感じ。荷物を放り出してワックス掛けするエリアは例年並みだけど、例年以上に真面目に片付けた。一番利用している奴が散らかしまくってる荷物を整理してもらうことに。
片付けのおかげで、行方が判らなかった鳥の仮剥製が見つかって嬉しい。収蔵庫に入れればいいだけの液浸標本も見つけた。この一年でトラックヤードが随分片付いた。自分の研究室の机周りもかなり片付いた。次は、この部屋を片付けよう!
●2021年2月14日 残された人への仕事の割り振り
ガン検診で要精密検査とか言われて、その結果を待ってる間、最悪の結果の場合を考えざるを得ず。ひとりぼっちで家族も彼女もいないと、残す人を心配しなくていいのは大きなメリットだけど、後始末をお願いする相手もいないのは不便。誰も悲しまないのは気が楽だけど、面倒を押しつけられて怒る人はいそう。後の人に迷惑をかけるのは避けられないけど、とりあえずプライベートでは、遺言でも作って、どうして欲しいかと、いざという時の連絡先と、通帳などの見つけ方を伝えなくてはならない。プライベートを頼める相手がいないのが本当に困るんだけど。大量の本をどう処理するように遺言するかという問題はさておき。
さらに困る、というか段取りを考えておかないといけないのは、仕事面での引き継ぎ。というか誰に何を押しつけるか。急に残り時間が限られていることが判明するって話なので、優先順位をつけて、作業を進めなくてはならない。リスクマネージメントを考えても、あらかじめ方針と段取りを考えて、いざという時に備える必要がありそう。ってことで、一安心した今こそ考えてみよう。
【研究】→とりあえず塩漬けにして、後任の担当者に期待するしかなさそう。
一番気になるのが、未発表の手持ちデータのこと。時間のある内に、できるだけ他の人が使える形で発表しておくのが正しい道。でも、それには相当な時間がかかる。
次善の策は、後任の人が使える形にする必要がある。という訳で、理想の順は、
1:論文・報告として発表しておく。
2:データ入力して、場所が判るようにしておく。できればmethod付き。
3:せめてどんなデータか判るように資料をまとめておく。
これが自分のデータの話。リアルの整理はまだなんとかなるけど、ハードディスク内の整理はかなり大変そう。
手元には他の人のデータとかもある。これをどうするかは悩ましい。博物館に提供頂いた観察情報は、上記方針と同じ。
★とにかくすべきは、整理。整理。また整理。できれば報文化。
【標本】→当然のように後任の担当者任せ。
冷凍室にたまりまくってる死体と皮が気になるけど、まあこれは仕方がない。後はよろしく。問題は、採集データの所在。死体に付いてるのもあるけど、メールのままのもある。
さらに問題は、処理途中で、砂場、新旧トラックヤード、どっかの部屋、机周りに溜まっているもの。これは整理を進めるしかない。幸いこの一年でかなり整理は進んだ。
実はもっと問題は収蔵庫にある標本。あちこちに隠しているので、たとえば標本台帳から物を見つけるのがとても難しい。この引き継ぎはすぐにはできない。後任者さんゴメンネ。
★できるかぎり冷凍室のの処理を進めて、その他の場所のの整理を進める。
【展示】→これも後任の担当者に任せるしかない。
来年の鳥の特別展のことが気がかりではあったが、動けなくなったら機会を改めてもらうしかない。つまり延期だな。
★当初スケジュール通り動くだけ。
【普及・サークル】→いろんな人にお願いする必要がある。
・鳥など関連の行事:ここんところルーティン的にいろいろある。シリーズものもあるけど。代わりに担当できる学芸員はいないので、後任が車では中止。後任者が企画内容から判断すべきなので、いまやってる鳥類フィールドセミナーとかはなくなると思った方がよさそう。
・ジュニア自然史クラブ:部長に任せるか、時間があれば代わり人材の育成か? 受付とかメンバー・保護者とのやりとりは一手に担当してたから、引き継げない場合、適当に考えてやってもらうしかない。。
・友の会読書サークルBooks:これはおかんにお願いする。おかんがもやしんでも巻き込むだろう。
・大阪鳥類研究グループ:独裁的に進めてきたので、後任はいない。とりあえず活動休止して、そのまま解散の可能性が高そう。後任の学芸員が引き継いでくれたら嬉しいけど、きっとやりにくいだろうしなぁ。
・なにわホネホネ団:団長とトリ先生に任せるしかない。が、学芸員側の担当者がどうしても必要。後任がやれる人ならいいけど。あとは萌蔵しかいないけど、忙しいだろうなぁ。
・関西自然保護機構:しかたなく尻尾がするはず。
・博物館友の会とか:草地屋さんとかが何とかしてくれるはず。
★基本はなるようになる。なにわホネホネ団だけは、存続を考える必要がありそう。
【雑務】→これは心配しなくても、必要なら誰かしら分担してくれそうだけど。
・monitor窓口:おかんかな?
・図書:もやしんやね。
・博物館実習:一手に処理してるから、引き継ぎなしに任された人は困りそう。とくに年度途中でいきなり任されてもどうしようもないかも。そして誰に任せたらいいか判らない。
★基本なるようになるけど、博物館実習だけは考えないといけない。とりあえず、やり取りのメールと書類のありかを伝える必要がある。
【机周り】→いろんなものを処分してもらう必要がある。
・単行本・雑誌・報告書系:サークルの発行物がたまってる。せめて、タイトルごとに整理しとこう。
・データ類:中身が判るようにしておこう。委員会資料には貴重な情報が混じってるから、残しておきたい。
・スライド:必要ならとっといて、いらんかったら捨てるだけ。
★今回の結果がでるまでの間に随分と片付けを進めた。もう一歩片付けをしておけばよさそう。とくに手紙類と委員会資料。
こうしてみると、余命半年でも、残り4年でも、稼働できるのがあと15年でも、生きて後任と引き継ぎできるかの差は大きいものの、やるべき優先順位はあまり変わらない。
・手持ちデータの処理・発表、最低限整理をしておく。
・冷凍室などの標本処理を少しでも進める。
・いろんな物を整理しておく。
●2021年2月13日 鳥の剥き初め占い2021
もう2月も半ばだけど、ようやく今年初めて鳥の皮剥きをした。例年だと、遅くても1月の10日前後には初剥きをしているので、今年は1ヶ月以上遅い。1月のなにわホネホネ団の活動がなくなり、鳥を剥いて見せる行事もなくなった結果。ようやく初剥きをしたので、恒例の鳥の剥き初め占いをしてみよう。
今年、剥き初めに選んだのはコガモ。選んだというより、箱には“カモ”とだけ書いてあるのを引いたらコガモが出てきた。新鮮で綺麗な雄。この時点で引きがいい。
剥いてみると、脂肪がなくて剥きやすい。尾脂腺は綺麗にとれたし、頭も簡単に裏返った。失敗もしなかったし、膝蓋骨みたいなのも確保した。久しぶりで、楽しく剥いていたせいか、2時間半もかかった。あと、ひとりぼっちだった。
という訳で、今年の運勢は、吉。引きは強く、仕事は順調に進むでしょう。ただ、ひとりぼっちで寂しいままなのは変わらないでしょう。
【追記】
ガン検診後の精密検査の結果は問題なし。さっそくの引きの強さを示した。と言っても過言ではない。かも。
●2021年2月12日 一人で剥き初め
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、大阪府に赤信号と称する外出自粛要請が出たのが12月。それが1月上旬に緊急事態宣言に移行して現在に至る。とりあえず緊急事態は3月7日まで宣言されたままになりそうな気配。というのを受けて、博物館の行事もなにわホネホネ団の活動も、12月から2月は全面中止。
ということは、どういうことかと言えば、鳥や哺乳類の皮剥きをする機会がなくなるということ。なんのためになにわホネホネ団をやってるかといえば、標本作りの強制力として機能するから。多少なりとも強制がなくなると、他にすべきことがいっぱいある中、なかなか標本作りに手を出さない、というか出す気が起きない。でも、ふと気付くと2月も半ばになったのに、まだ全然皮剥きをしていない!と気付いて、このままではまずいと思い始め。ようやく重い腰を上げて、今日が剥き初め。重い腰を上げた大きな理由は、冷凍室がいっぱいになって、先日届いたワラビーが入らなくって、剥かざるをえなくなったからでもある。
そして始めた一人剥き初め。午前中はネコの皮剥き。1時間半ほどかかった。久しぶりなので、少し手間取った。ウォーミングアップが終わって、午後にワラビーの皮剥き。フワフワで可愛くて、楽しい。でも、時間がかかった。
実習室の前の黒板には、11月末の最後の行事、ホロホロチョウ頭骨の標本作りの時に書いたタイムスケジュールがそのまま残っている。その後、この部屋は行事でもサークルでも使われてないからなぁ。そして、皮剥きノートを見ると、前回の皮剥きからほぼ3ヶ月あいてることが判った。そら冷凍室も満杯になるわ。
●2021年2月11日 若ごぼう調査始動
なし崩し的にはじまった若ごぼう調査。萌蔵に勝手にとりまとめを押しつけたので、せめて調査には貢献しなくては! ってことで、今日は宇治川での調査の後、帰り道の京阪沿線でスーパー・百貨店を巡ってみた。
とりあえず、くずはモールへ。イオンくずはモール店に行ってみるが、若ごぼうは売ってない。同じく京阪百貨店くずはモール店へ行くと、こっちでは売っていた。生産者はJA大阪中河内。“地域団体商標登録 大阪八尾特産「八尾若ごぼう」”とある。そもそも若ごぼうを知ってる大阪人は、若ごぼうは八尾市辺り特産だとばかり思っていたのに、この調査を始めてみたら、大阪府で売ってる若ごぼうが長崎県産だったりして軽くショックを受けていた。八尾市産を見つけられて、とても嬉しい。
続いて、寝屋川市駅に移動して、駅前のイズミヤ寝屋川店へ。うろうろ探したけど、若ごぼうは見つからず。また電車に乗って、門真駅へ。これまた駅前のイズミヤ門真店。ここでも見つからない。イズミヤは若ごぼうを扱わないのか?!
最後に、守口市駅前の京阪百貨店守口店へ。ここでは若ごぼうが見つかった! 京阪百貨店くずはモール店と同じく大阪府八尾市産だけど、パッケージは京阪百貨店くずはモール店とは違ってるので、少し流通が違うっぽい。同じJA大阪中河内だけど。一括仕入れではないのだろう。ここは、大阪の地元野菜やら、京野菜やら、野菜が充実している。
というわけで、調査初日は2ヶ所で八尾市産を発見。2勝3敗。調査は4月までなので、さっさとあちこちいかないと調査にあまり貢献できない。1月はカモメ調査で、ものすごくあちこち行ったんだけどなぁ。若ごぼう調査だけを目的で、京阪神をウロウロするのはどうかなぁ、と少し悩み中。
●2021年2月10日 ロジックモデル
博物館のミッションのロジックモデルを作る、という感じのワークショップみたいなのを見学した。博物館の目的と実際の活動に整合性があるか。どのような目的を達成するために、個々の活動をしているのか、を明確化するためのものらしい。
とりあえず、参加者は自然史博物館の目標とは何かを、自由に並べさせられる。そしてそれを進行役が、似たもの同士でグルーピングして整理する。そこである程度コンセンサスを作った上で。グループに分かれて(博物館の活動をいくつかにタイプわけして、テーマ設定した上で)、個々の活動内容をリストアップして、それがどのような結果をもたらし、どのような成果につながるかを構造化してみる。
そして、とくにまとめなく終了。こうした作業を随時繰り返すことが必要ですよ。って言ってた。
評価とは、主観を集めてきて、段階を踏んで積み重ねたものである。と割り切った手法のよう。物事を段階に分けて、構造化して考えるきっかけにはなる。それは意義はあるとは思う。ただ、構造化する材料は、あくまでもメンバー次第。大きく抜けてる可能性がある新人研修にはなるし、全体像を理解していない関係者と意思疎通の手段にはなりそう。結局のところ、ちょっと気の利いた人なら、すでに頭の中でやってる作業ではあるのだけど、それを明確化する役には立ちそう。って程度かな。
●2021年2月9日 2代にわたる雑な登録作業のツケ
たまたま両生爬虫類の標本を整理しようとした人が、すごい手間をかけさせられてる。ってのを目の当たりにさせて頂いてる。ってゆうか、微妙にこちらにも火の粉が降りかかってるというか。
魚担当が産休・育休に入った間、臨時に学芸担当のスタッフが入って下さることになった。せっかくなので、両生爬虫類に強い方に来て頂いて、魚担当が避けがちな両生爬虫類の標本整理をしてもらうことになった。登録されている標本の状態を確認して、アルコールの補充、未登録標本があれば登録、そして台帳を完成させて、標本目録を完成させてもらうといいなぁ。
作業をはじめてもらうと、しょっちゅう相談を受ける。ある登録番号のラベルが入ってるのと、台帳に載ってるのが種が違う。ということが頻繁に見つかる。すぐに判ったのは、一番あるあるなパターンは、同じ登録番号を持った標本が複数あって、その片方は台帳に載ってるけど、当然ながらもう一つは台帳には載ってない。仕方が無いので、台帳に載ってないのには、新たな登録番号を振って、再登録。もし元の番号で参照したくなる場合があったら困るので、台帳には処理の内容を記録(元の登録番号と新たな登録番号の備考に)。登録番号や台帳はいい加減だけど、標本にちゃんと採集データが付いてるので、改善は可能。でも、大変そう。なかには両生類と爬虫類がごっちゃになってるケースもある。
先代の両生爬虫類の標本管理担当者も魚が専門。両生爬虫類に愛がなかったんだな、と思ったけど、先々代の時代の標本にも頻繁にミスが見つかる。先々代は爬虫類の専門家やのにどういうこっちゃ? 一番多い失敗は、標本に番号ふって、ラベル作って標本に付けたのに、台帳を書かなかったというパターンらしい。実物を受け取る前に、先に登録番号だけ振って、それを記録し忘れるってパターンもありそう(論文を書く際に先に登録番号が必要ってことはよくある)。ようは、担当者の処理が雑だったってこと。それが2代も続いたとは…。
聞くところによると、植物でも同じような問題が生じてるらしい。S学芸員の時代の標本はしっかりしてるのに、その次の2人学芸員の時代がダメダメで、その次の2人をそれを見ない振りをしたんじゃないか。とは、今の植物担当学芸員のコメント。
将来、自分も言われるんだろうなぁ。と思うとあまり強く言えないけど。後世の方に迷惑をかけないように、少しはちゃんとやっとかなくては。
●2021年2月8日 はじめてのCT
そろそろいい歳だし。と思って、ガン検診というのを受けてみた。初めてなので初心者向きに血液の腫瘍マーカーと、胸部X線と、検便程度の簡単なの。それが昨年の9月。その結果、胸部X線で要精密検査と言われた。ガンだったらイヤだなぁ、でもそれを確認しない訳にもいかないし、放置して治る訳もないし。と思ってる間に、12月。健康診断があった。当然、胸部X線検査がある。その結果、とくに異常なしと言われた。でも、ガン検診では…。もやもやしたままはイヤなので、ようやく重い腰を上げて、精密検査に行ってみた。
とりあえず問診。ガン検診の時の胸部X線を見せられる。左胸の中央の上寄りに白い部分があって、それが問題らしい。これは健康診断でも見つかるはずでは?と訊ねたら、見つかるはず、という答え。医師と二人しておかしいなぁ。とりあえず胸部のCTを撮ると言われる。上半身Tシャツ1枚になって、ベットに寝て、息を吸って止めてウィーンを2回。すぐに終わった。
結果は5日後。その時の予約をとって、お金を払って解散。支払金額にはCTの検討費用も含まれてるらしい。二度と来なくても損はないようにってことかな。
問診では、喫煙はしますか?と問われる。吸いません。家でも職場でも煙草の煙には接しません。パチンコはしません。ろくに飲み屋にもいかないので、プライベートでも煙草の煙を吸う機会は実質的にないも同然。これで肺がんだったら、すごい損した気分だなぁ。
【追記】
2月13日の朝、結果を聞きに行った。この6日間、肺がんだったらイヤだなぁ。余命が短かったら何をしないといけないか。とか考えてたら、寝不足気味。左胸に異常があるかもとか思うと、左胸に違和感を感じるし、息苦しい気もする。自分の気の小ささに嫌になる。
そして今朝、あっさりと問題なしと言われた。部屋に入って、座るか座らないかにすぐ言われた。問題がなければ、すぐ言うもんなんだろうか。X線で白く写っていたのは、脊椎に出来た骨島と言っていた。カルシウムが沈着とかなんとか。進行はしないし問題は起こさないと。あまり説明したくなさそうな様子。もしかしたら健康診断(他の病院の)が正しかったのがイヤだったかも。軽い肺炎があったのが、12月時点ではすでに回復していた、って可能性はないのかな? おみやげにCTの画像と結果をくれた。左腎臓に結石って書いてあるんですけど??
家に帰ったら、安心したのか爆睡してしまった。
●2021年2月7日 机の周りを片付ける 第2弾
今日は、机の周りを片付けるの2回目。なぜかスイッチが入ってしまい8時間半も作業してしまった。だいたい思い描いてた作業は終わったと思う。あと手が着いていないのは、天高く積み上がった委員会資料と、天空の奥に鎮座する大きな箱。なにが入っているのか記憶が定かでは無い。あと、論文のコピーはもう大部分(ネットで見れるの)は廃棄でいいかなと思うけど、まだ踏ん切りが付かない。
今日の作業でようやく、ビフォーを知らない人にもある程度片付いていると思ってもらえるようになったと思う。惜しむらくは1回目と2回目のビフォーを撮っておかなかったこと。
とりあえず今日の作業内容を確認しよう。
・個人で購入を続けてきた海外の鳥学会誌。もう1タイトルを博物館に寄贈した。これでスチールキャビネットの上がかなり片付いた。軽くなったので、扉が動くようになった。 →空いた場所に、果物のタネコレクションを載せた。軽いものを上へ。
・前回はカバーされていて手つかずだった紙の塊を分別。印刷物は博物館に寄贈。記録として残すべき資料(フェスティバル・特展記録、鳥の行事シリーズの資料など)は区分してそれぞれの場所へ。未発表の観察記録、個人で観察記録をまとめた資料などのデータはもちろんキープ。自分のデータは他のデータと合流。で、コメントが載った新聞・雑誌、過去の会議・ゼミ・行事の資料、対応の終わった質問、領収書などはすべて資源ゴミへ。 →ローカルな鳥の記録や、古い鳥情報が載ってる切り抜きとか発掘されてけっこう貴重。1980年代の豊中のハッカチョウの記録がでてきて嬉しい。
・タマゴっちのカプセル。なぜか取ってあったのを大量に見つけた。廃棄した。
・自分とこの出版物が、けっこうあちこちから出てきた。いらんから、いつか在庫に混ぜよう。ということで、とりあえずひとまとめに。
・CD、ビデオなどの記憶媒体もけっこう発掘される。中身確認しないと判断できないので、とりあえずひとまとめに。
・楽しげなグッズがけっこう出てきた。友の会バザーに出すべく、目立つ場所でひとまとめに。
こうした作業によって出来たスペースに、冊子を立てて並べた! 鳥類標識調査のステーション報告、学会の要旨集、友の会合宿の冊子、Nature Study、そして標本台帳。
【追記】
今日の作業は一段落。と思ったら、まだ処理していない紙が詰まった箱が、2つもあることに気付いた。勢いでそれも処理。さらに1時間半かかった。
【追記】
2月9日、思わず作業をしてしまった。3時間も。北アメリカの鳥の本(これがものすごいヴォリュームがある)を博物館に寄贈した。昔の会議のファイルが出てきたから資源ゴミとして廃棄。昔の行事申込みのハガキをシュレッダーにかける。めっちゃ量があるので、とりあえず半分弱。続きはまた今度。
●2021年2月6日 若ごぼうスーパー調査
なぜか、そんな調査をすることになった。きっかけは昨年の5月頃。新型コロナウイルス感染症のせいで、博物館は臨時休館、普及行事も全面禁止。そんな中で博物館が活動を続けて、それなりのプレゼンスを維持するにはどうしたらいいだろう? って話合いをしていて、
・友の会会報の充実。とくに家の周りなどでの身近な自然観察の紹介記事の連載。
・それに関連して、身近な生き物情報募集。
・おうちミュージアム。
などを進める話をしている中で、ネットベースで身近な調査をしてはどうかという話がでた。近所の自然の調査というより、カキのスーパー調査のような、スーパーとかに行ってできる調査とか。節分の飾り物調査みたいな。生き物絡みだけど、流通とか文化とかが関係するやつ。なにがいいかなぁ、って中で出てきたのが、若ごぼう。葉ごぼうともいう。大阪府の中部辺り出身者なら知ってるけど、他府県だとみんな知らないし、大阪府内でもエリアによっては知らなかったりする。中河内のローカル野菜かなぁ、でも伝統野菜じゃないなぁ。これがどこで生産されていて、どこに流通してるかを調べたら、面白いかも! でも、若ごぼうって、2〜3月やからな、来年になったらね。と言って忘れてた。
1月終わり。とある学芸員が、若ごぼうを調査するって言ってたよなぁ。するならそろそろ始めなきゃ。とポツリと言った。そういえばそうだなぁ。という訳で、友の会会報の封筒で勝手に募集することにした。さらに勝手に担当者に萌蔵を指名。調査がんばるぞ!
【追記】
萌蔵は勝手に担当を押しつけられたのがイヤではなかったらしく、いつの間にかサイトを立ち上げていた。
https://sites.google.com/view/wakagobou/
スーパーに行ったら、若ごぼうを売ってるかチェックして是非お知らせを! #若ごぼう調査を付けてつぶやくだけでいいらしい。
●2021年2月5日 机の周りを片付ける 第1弾
隣の部屋や廊下の片付けも必要なんだけど、それは毎年やってること(昨年は特別展準備でさぼったけど)。この新型コロナウイルスの2020年度は、長年蓄積した課題を片付けるのがテーマ。幸か不幸か行事とかが中止になって時間ができてるし。ってことで、この10数年来の課題である机周りの片付けに手を着けた。
昨日は、その初回。6時間ほどかけたけど、とてもじゃないが、一日では終わらない。それでも当初思っていたよりは進んだ気がする。アフターだけを見ても、どこが片付いたか判らないけど、ビフォーも知ってる面々は、片付いたとほめてくれた。どういう風の吹き回しかと訊ねてくるので、鬱陶しくもあるけど。
とりあえず初日に行ったことをあげておこう。
・個人で購入を続けてきた海外の鳥学会誌。1つを除いてもう購入を止めたんだけど。それを博物館に寄贈。ってことで図書を整理する部屋に運んだ。とりあえず2タイトル20年分くらい。 →まだ1タイトル残ってる。国内誌も普段参照しないのは寄贈してしまおう!
・他の博物館とかからもらった印刷物・グッズ。チラシ系は紙の資源ゴミへ。パンフレットや冊子は博物館に寄贈。欲しいグッズはキープして、あとは友の会バザー用。 →発掘すればまだ出てくるかも。
・タマゴ菓子のパッケージ。一時期ブームだったコレクション。今もほそぼそ集めてたりする。まとめて箱詰めして、他のコレクションと一緒にした。衝撃的だったのは、中身が残っているのがあって、未開封だとそのまんまだけど、開封したのには虫が発生してたこと。あの虫の発生源はここか〜。 →1箱に詰め込んだら、少しだけあふれた。残りはまたたまってから箱詰めかなぁ。
・昔昔にコピーしたけど、読んでない論文のコピー。もう興味も移ってしまったので、紙の資源ゴミとして処分。 →読んだ論文も大部分はいまやネットで検索して読める。ので、ネットで拾えそうにないのと、参照頻度の高いのと、別刷り以外は、処分しようか考え中。
・過去の行事の資料。また使うかもなのは残して、あとは紙の資源ゴミへ。すでに1部ずつは記録としてファイルされてるし。
・過去の行事の申込みハガキ、参加者カード。とりあえずシュレッダーへ。 →ハガキを全部シュレッダーにかけるのは大変なので、まだ残ってる…。
・なぜか机周りの紙の山。と思っていたところから、ジャンバー、帽子、カバン・袋などの布製品が多数でてきた。自分の持ち物は持ち帰り、残りは箱詰め。 →博物館のスタッフジャンバーが4枚も出てきたのは驚いた。クリーニングした上で、若手学芸員にあげるか、友の会バザーに出そう。
こうした作業によって出来たスペースに、
・日本の雑誌を整理して置く場所を確保。
・フィールドノートを並べる場所を確保。
少し使いやすくなって嬉しい。ちょっと楽しくなってきた。これでようやく紙の山をカバーして片付けを妨げるものが無くなった。本当の片付けはこれから。
●2021年2月4日 トリ先生に話題のClubhouseについて教えて頂く
ClubhouseというSNSを初めて耳にしたのは3日ほど前。テレビでやってた。今度は音声だけど、リアルタイムでしゃべってるだけのSNSかぁ。と思ってたら、昨日、トリ先生がすでにClubhouseを始めてると教えて頂いた。さすがは機を見るに敏なるトリ先生。
という訳で、今日、萌蔵と一緒にトリ先生にClubhouseについていろいろ教えて頂いた。思い起こせば一年前は、Youtube配信の行事をすることになるとは思っていなかった。会議やシンポジウムがZoomになるとも思ってなかった。なぜか役所の委員会はTeamsを使わされた。いつClubhouseで行事やミーティングをさせられることになるかも判らない。
トリ先生によると、現時点ではClubhouseは、iOSでないとダウンロードできないし、携帯の電話番号がないと登録できないらしい。アンドロイドのガラケーなのでダメ。萌蔵は、iPadは持ってるけど携帯電話がないからダメ。萌蔵がアプリをダウンロードして、こちらのガラケーの番号で登録するという合わせ技しかない。さらに、環境が整っていても招待してもらわないと登録できないらしい。それも登録者が招待できるのは2名まで。人望の厚いトリ先生は招待されても、人望のない我々にはなかなかハードルが高い。
でもまあ、どんなもんかトリ先生に見せてもらった。鳥関係とかホネ関係とか博物館関係の話が聞きたい。とリクエストしたけど、そんなもんはまだないと言われる。仲間を増やさないと聞きたい話は聞けないらしい。それなら、興味のある話をする人達が増えるまで様子見かなぁ。
試しに聞かしてもらったのは、知らない人達が、興味のない話題を話してるだけだったので、つまらなかった。でも、夜ずっとテレビを付けて音聞いてるんなら、Clubhouseで誰かが話をしてるのを聞きながら根落ちするのもありかもしれない。とは思った。
●2021年2月3日 年に一度の片付け計画
2月15日が研究室のワックスがけの日と決まった。
昨年は、主担当の特別展の直前だったので、できるかぎり片付けをせずに手を抜いた。でも、今年はそうも言ってられない。ってことで、2年分の片付けをしなくてはならない。
とりあえずやるべき作業をリストアップ
・作製した仮剥製の入ったテンバコや、箱に入ったホネを片付ける。本当なら、冷凍して虫を殺してから収蔵庫に入れたいのだけど、冷凍室の順番待ち。とりあえず順番待ちのみなさんを逃がす必要がある。
→梱包された鳥の仮剥製は冷凍室の中か前へ(なんとかして半分を冷凍室に入れれた!)。箱詰めされたホネは、すでに仲間がいる実習室へ。
・隣の部屋などで乾燥させてる仮剥製やホネを片付ける。箱詰めしたり、テンバコに入れたり、袋に包んだり。
→これはトリ先生に相談しよう。
・机の周りにある本たちを片付ける。紹介文を書くつもりで待機させてるので、ちゃっちゃと書こう。
→とりあえず何冊か書いた。残りも頑張ろう。
・机の周りの紙の山を片付ける。近頃激しく積み上がっていて、頻繁に雪崩を起こしている。これはなんとかしなくては。なんとかするには、他の場所の雑誌などの整理も必要。
→これは一番気合いがいる。
・机の周りの標本っぽいものを片付ける。多くは処理に悩む鳥の巣とか鳥のミイラとか。とりあえず仕分けてテンバコに入れよう。
→テンバコさがそう。
・机の周りの卵菓子のパッケージコレクションを片付けよう。これは上の紙の山の上に載ってる。箱詰めが必要。
→箱詰めして、仲間のコレクションと同じ場所に
●2021年2月2日 はじめてのリモート博物館実習のメリットと課題
昨日、萌蔵が、西日本の学芸員っぽい集まりで、リモート博物館実習について報告していた。よそではあまりリモート博物館実習はやってないらしい。で、そんなみなさんの反応は好意的。リモート博物館実習でもいけそうな気がするという雰囲気。ちょっと違和感がある。
リモートで博物館実習をするメリットは確かにある。たとえば、
△交通費を使って大阪まで行くのが大変な学生でも参加しやすい。
△感染症で密集を避けなくてはいけなくなっても実施できる。
この辺りは事前に分かってた。その他にやってみて判ったのは、
△一つの博物館の学芸員に限らず、外部のスタッフ、よその博物館の学芸員に関わってもらえる。たとえば学生にしてもらった作業の評価に加わってもらえると、多面的な評価可能。
あと、こちらは対面でもできそうなもんだけど、
△担当以外の学芸員が気軽にのぞきにくる。そして、コメントなど参加もできる。
しかし、圧倒的なデメリットがある。萌蔵も指摘していたけど、
▼博物館の展示やバックヤードを見てもらえない。
▼標本や道具類においても、博物館のリソースが使えない。
それはすなわち
▼実習生が体験を共有しにくい。
このデメリットだけでも、対面を優先すべき理由になる。
そして、事務面では、
▼大学や実習生とのやり取りが増える。
双方の以降確認、事前課題の連絡、実習ノート送付のやり取り等々、びっくりするほど手間は増える。まあ、今回は初めてなので、一々考えながらだったのも大きな要因だけど。
また準備では、
▼リモートで可能なやり方、プログラムが限られる。
オリエンテーション的に言えば、館内を案内できないのが残念。実習生からもバックヤードが見られなかったのが残念という声が多かった。館内のライブツアーというプランもあったけど、なかなか難しい。館内ツアーの動画を用意しては?という声もあったけど、直前にすぐ作れるもんでもない。
一番盲点だったのは、
▼実習生同士の交流を測る必要がある。
事前に自己紹介パワポを用意させて、初日に自己紹介タイムを作れば良かった。これは、今度リモート博物館実習があれば、やってみたい。
●2021年2月1日 2021年2月の目標
2月に入ったら、この4月にオープンする特別展の仕事をやらなくては。と思っていたのだけど、担当の仕事は3月になってからやってくるらしい。作業が遅れてるのかな。展示の指示も来てないから、とりあえずサスペンド。
で、2月7日までの緊急事態宣言は、予想通り1ヶ月ほど延長されるらしい。ということは2月の行事もサークル活動も、リモート以外はすべて中止。この一年よくあったことだけど、これで予定が大幅に変わる。
ってことで、今月の目標を設定しておこう。
1:大阪湾岸カモメ調査のまとめ
この12月〜1月に実施した調査をまとめておく必要がある。大部分は自分で調査したから、データと地図はすでに手元にある。入力して、集計して、過去2回の調査結果と比較。
その結果は、3月7日の研究大会で発表予定。サークルでの調査と位置づけてるので、3月21日のサークルの総会で報告、あわせてサークルの会報に掲載。そして4月のオープンセミナーで話題提供。3月7日の発表と、サークル会報の原稿をさっさと作ってしまいたい。
2:机周りの片付け
毎年、1月か2月には大掃除。今年は2月後半にずれ込んでくれたけど、それに向けての片付けが必要。例年だと、旧収蔵庫とかネイチャーホールにみんな荷物を逃がすんだけど、今年はどちらも工事中で逃がし場所に使えない。ってことは、みんな廊下に積み上げるはず。早めに場所の確保がいるかも。
あと近頃、机の上に積み上げてある書類系が、気がつくと落ちている。今月は時間もできたことだし、机の上を片付けようと決心した。たぶん。
3:第3展示室の最後のコーナーの改修
業者も決まったので、あとはお任せ。だといいんだけど。
・今展示してあるものの回収
・解説テキストの提供
・展示するライオンとウマの後肢の手配。及び早めにサイズを連絡
って仕事が残ってる。
4:標本作製と片付け
今年に入ってなにわホネホネ団の活動はすべて中止。2月も中止。ってことで、ぜんぜん標本作製ができていない。鳥の剥き初めもまだ! ってことで、鳥の皮剥きと哺乳類の皮処理を少しでもやらないといけない。
あと、処理が終わって箱詰めされたホネとか仮剥製がたまってる。冷凍室に放り込む必要あり。これは部屋の片付けにもつながるし。
以上の4つをなんとか頑張らねば。できれば瀬戸内海沿岸の水鳥調査のまとめの原稿を作りたいし。来年の鳥の特別展の準備も進めたいけど。難しそうな予感。
●2021年1月31日 2021年1月のまとめ また緊急事態ですべてストップ
まあ11月末から大阪府には赤信号が出ていたけど、1月10日頃にそれが緊急事態宣言に切り替わった。今度の緊急事態では、自宅待機を求められず、ふつうに出勤。なんか物足りない。
いずれにせよ、普及行事は全面ストップ。館内でのサークル活動もストップ。不要不急の外出やら府県境またぎの移動の自粛が求められて、館外でのサークル活動も思うように実施できない。けっきょく、1月はリモートの活動しかできなかった。
そんな2021年1月を振り返ってみよう。
ルーティンのため池調査、大和川調査は無事終了。鳥のセンサスと果実チェックは順調に実施、果実がかなり減ってきた。
ハッカチョウセンサスは、奈良県1コースと京都府2コースを実施。京都府は2コースなんだけど、連続してるので1日で一気に実施した。
12月に始めた10年ぶりの大阪湾岸カモメ類調査は、無事に終了した。全調査地点(友ヶ島を除く)を自分でカバーできた。
ホネホネ団の活動は断念。鳥の皮剥きを見せる行事も中止になったので、今年はまだ鳥を剥いていない〜。
年末からの中小型哺乳類の皮なめしは一段落。最後に面倒になって、ウリ坊はやり直しがいるかもだけど。
箱詰めされたホネとかウミガメとかに、鳥の仮剥製の冷凍室の空き待ちの待機はまだ続いている。
担当の普及行事は、すべて中止。友の会総会はなんとかリモートで実施。大阪鳥類研究グループの観察会も断念した。
博物館実習は初のリモート実施。意外となんとかなることは判ったけど、反省点も多かった。来年度もまたリモートになることもあるかもしれない。この反省点をいかせてしまうかも。月末ギリギリでほぼ事務作業も完了。一人だけ送れて実習ノートを出した奴がいて、その処理だけ残ってる。
自由研究の展示は、緊急事態に関係なく、博物館本館が工事で2ヶ月ほど臨時休館になったので、3月に再開するまで休眠に入った。この休館中に完成させる第3展示室の最後のコーナーの改修は、業者が決まって、とりあえず打合せした。
講演は、博物館実習のオリエンテーションをしただけ。
委員会関係は、S市のレッドリスト改訂がリモートで。
査読はなし。論文書きは進まない。
とまあいろいろあった中、今月読んだ本は、自然史系0冊と、SF9冊。
完全休養日は2日。ガン検診で要精密検査になったのをやってない。新しい免許証を受け取った。
●2021年1月30日 武庫川沿いをいっぱい歩いた
武庫川が山間部を出た辺り、宝塚駅から、河口の阪神高速湾岸線まで歩いた。歩いた時間は4時間半。最初は左岸を歩いていて、甲武橋で右岸に移った。河口部は何度も行ってるので、右岸の方がいいと知ってる。でも上の方はどっちを歩いた方がいいのかよく判らず。出だしの宝来橋は左岸側が下りやすかったから左岸を歩き始めた。おおむね流路は左岸よりを流れてて、左岸で正解だった気がする。が、天王寺川合流のところがちょっと面倒。その少し上流も小さい川が2本ほど合流していて、どちらも流路をピョンピョンと飛び越えられたけど、水量が多かったら大回りが必要だったかも。最初からずっと右岸を歩くという選択もあったかも。でも右岸は右岸で逆瀬川や仁川が合流してるなぁ。
地図を見ると、宝塚新大橋か武庫川新橋で渡るか、最初から右岸でよさそうにも思える。現在大阪湾岸で一番カモメ類が多い。という意味で重要な河川なので、毎年1月に同じように歩こうと思う。来年はこの反省をいかそう。
ちなみに同じような調査をしてる大和川と比較すると、規模的には似たようなもんだけど、鳥類相はかなり違う。端的にいえば、武庫川の方が、(いまやカモメ類もだけど)カモ類が種数も個体数も多い。いまでは大和川では見られなくなったオナガガモやハシビロガモもいいる。
武庫川はまるで、昔の大和川のよう。なんか懐かしい。でも、鳥が多くて数えるのが大変。いまの大和川の調査は簡単なのになぁ。
でも、ヒドリガモが少し少なめで、オカヨシガモとコガモが多い。そしてオオバンがやたら多い。っていうのは、いまの大和川と一緒。
●2021年1月29日 海老江迷路
海老江干潟の鳥をチェックに行こうとして、苦労させられた話。
最初は、1月13日。関空から神戸空港まで高速艇に乗った帰り。ついでに海老江干潟もチェックしておこうと思って、阪神淀川駅に降り立った。が、駅から干潟に直接出られない。グルッと回るの?でも、もう時間ないし。となって、その日は断念。
今日リベンジした。
再び、阪神淀川駅に降り立った。もう一度確認したけど、やっぱり直接は干潟に出られない。阪神高速淀川左岸線の工事らしい。
仕方がないので、海老江下水処理場の南を回って、下流側から行くことに。海老江下水処理場も工事していて、ちょっとややこしい。で、下流側の堤防沿いの道にたどり着いたんだけど、下水処理場と堤防の間の道も工事車両以外立ち入り禁止らしい。河川敷に下りて回っていくルートも封鎖されていていけない。イラっとしたけど、仕方がないので、今度は上流側から回ってみることにする。
とりあえず国道2号線を目指す。そして国道2号線沿いに淀川大橋へ。が、しかし。上流側の道も封鎖されている。海老江干潟自体は立ち入り禁止ではないけど、淀川大橋の上流側河川敷も工事中で立ち入り禁止。どうしても海老江干潟に生きたければ、淀川大橋から飛び降りる? でも戻って来れない…。
仕方がないので、海老江干潟に行くのは断念して、淀川大橋から観察。下流側はたまたま電車の中から確認してたので、まあ一応調査はできた。でも。
淀川左岸線の工事がいつまで続くか知らんけど、もしかして当面は海老江干潟で鳥の観察が出来ないんじゃ? 継続的にデータとってる人は困るはず。シギ・チドリのデータも欠損しそう。淀川左岸線め!
●2021年1月28日 レッドリストから外れる理由、ブラックリストから外れる理由
ブラックリストではなく、外来種アラートリストって呼ぶことになったけど。ともかく某市の希少種のリストと外来種のリストの改訂作業の会議があった。今日が最後の会議。最後の2回はリモート会議になった。そしてこの期に及んで、外来種のリストアップの基準に問題があることが判明したけど、もう時間がないので、次の改訂への課題として残されることになった。この課題って前回も課題って話してなかったっけ?
こうしたリストの最後は、印刷物を作る相談が入ってくるのがお約束。で、リストから外れたのには理由がいるんじゃないか、って話になった。それを公表するかどうかはともかく、理由はあってしかるべき。で、鳥パートについて考えてみた。
レッドリストから外れる理由でまず思いつくのは、個体数を回復して希少種でなくなったパターン。これはとても目出度い。今回改訂したリストでは、ダイサギ、ハイタカ、ヤブサメ、オオルリの4種がレッドリストから外れた。繁殖例が増加傾向にあるダイサギと、冬鳥であるハイタカは、そういう目出度い例。
でも、ヤブサメとオオルリは、渡りの時の記録はもともと多く、そしてもともと定着してると判断できるほど繁殖していなかった。という判断。つまり繁殖鳥としての評価から、通過鳥としての判断に変わっただけ。もし、繁殖定着していると判断したら、再びランクインする。
ブラックリストから外れたのは、ベニスズメ。かつては繁殖してたが、もう今ではいなくなった。という評価。これは目出度い。
ブラックリストの場合は、もしも侵入して定着したらまずい。という予防的なセレクトも行ってるので、再び入ってくる可能性があったら、今はいなくてもリストに入れておく方がいいけど、ベニスズメは全国的に消えて行ってるので、問題ないだろうという判断。
●2021年1月27日 大阪湾岸カモメ調査フォローアップ完了 個人的調査日程一覧
今日は、大阪市内の河口をウロウロした。これで大阪湾岸カモメ調査はフォローアップも含めて一通り終了。今回は、友ヶ島以外のほぼすべての場所を自分で確認出来た。いつどこを調査したかリストアップしておきたい。
12月2日:大阪市夢洲
12月12日:和歌山市加太港〜岬町せんなん里海公園
12月13日:阪南市茶屋川河口〜貝塚市二色浜
12月14日:貝塚市津田川河口〜堺市石津川河口
12月18日:(大和川河口)、南港内港、平林貯木場、木津川河口
12月23日:神戸市アジュール舞子〜神戸港
12月24日:神戸市生田川河口〜西宮市東川・津門川河口
12月25日:西宮市新川河口・今津浜〜尼崎運河・蓬川河口
1月6日:淡路市岩屋漁港〜洲本市由良湾
1月8日:明石市明石港〜明石川河口〜林崎漁港
1月13日:岸和田市阪南2区埋立地・一文字、泉佐野市関西空港ポートターミナル桟橋、神戸市神戸空港
1月17日:(大和川河口)、堺市北泊地〜西泊地
1月25日:大阪市大和川河口、大阪南港野鳥園・シーサイドコスモ
1月27日:大阪市尻無川河口・大正内港、大阪港・安治川河口・六軒家川、北港
【追記】
どうしても気になったので、一部残っていた尼崎市の運河などを見に行った。
1月29日:尼崎市東堀運河、旧左門殿川河口、尼崎港
1月30日:(武庫川)
●2021年1月26日 懺悔ゼミ2021
今日は年に一度の懺悔ゼミの日。学芸員がこの一年の目標が達成されたか報告し(たいてい達成されていないので、懺悔となる)、次の一年の目標を高らかに宣言する。あらかじめ言い訳してることも多いので、あまり高らかじゃないことが多いけど。
2020年の三大目標は、
一に、外来生物展をオープンさせる。
二に、ため池繁殖鳥調査と、大阪湾岸カモメ類調査を、前回と同レベルで実施する。
三に、冷凍室と砂場を片付けていく。
これを考えたのは、新型コロナウイルス感染症は、遠く中国の病気だと思っていた頃。日本に拡大しても、数年前の新型インフルエンザかSARSくらいの影響かな、と考えていた頃。遠い目。
外来生物展は、1月〜2月に徹夜も交えて準備して、いざオープンと思ったら臨時休館。もうオープンせずに片付けるのかなぁ、と思っていたら、萌蔵の予言が当たって6〜8月に開催できた。これはもう、三段階評価で◎。
4月〜5月は外出がはばかられる状況が続き、ため池の鳥の調査は断念。しかし、年末から1月の大阪湾岸の水鳥調査は実施した。という訳で評価は△。
新型コロナウイルスの影響で、なにわホネホネ団の活動が影響を受け、さらに3月に某動物園から大量の死体が届いて、冷凍室は満杯になり、そのまま年の瀬を迎えてしまった…。しかし一方、新型コロナウイルスのおかげで、行事等が軒並み中止になって時間ができたので、砂場や水漬けの片付けは進んだ。こんなに砂場のケアをしたのは初めて。そして、20年近く放置していた新旧トラックヤードの処理途中の標本を片付けた(大部分はウミガメのホネと、鳥のミイラ)。これは画期的。総合的にここでは○と評価してあげたい。
その他、新型コロナウイルス感染症のせいで、フェスティバルをはじめ、普及行事は軒並み中止。なんとか博物館実習をやりきったことは褒めてあげたいし、配信行事という新たな技を身につけつつあるが…。貯め込んだデータは、今年も全然論文化できなかった。瀬戸内海沿岸の海鳥調査の結果をデータペーパーにするつもりだったのに…。
2020年を一言でまとめると、新型コロナウイルスの影響を受けまくって、普及行事はろくにできなかったけど、標本の処理は進み、なんとか特別展は実施し、調査は出来る範囲にとどまった。時間があった気がするのに、なぜか論文はやはり書けず。
2021年の主な課題を3つ上げるなら、
昨年断念した大阪府下のため池で繁殖する鳥の調査を実施したい。新型コロナウイルスがおとなしくしてくれることを祈ろう。
そして、今年こそ、冷凍室やストッカーの整理を進める。冷凍室の哺乳類の小さめ皮処理と、動物園物の鳥の死体の処理を進めたい。いきなり出足の1月で躓いてるけど…。
さらに、今年こそ、瀬戸内海展関連で自然史研究を書くぞ! ついでに2019年に実施した大阪府内のサギ類の繁殖地調査と、2020年度に実施した大阪湾岸の水鳥調査もまとめたい。
と言う訳で、2021年の主要目標をまとめると、
一に、ため池繁殖鳥調査を、前回と同レベルで実施する。
二に、冷凍室とストッカーを片付けていく。
三に、瀬戸内海沿岸の水鳥、大阪府のサギ類、大阪湾岸のカモメ類の調査をまとめる。
あと2022年の鳥の特別展の準備もはじめなくては…。
●2021年1月25日 大学生から見た博物館のYouTubeチャンネル動画の改善点
博物館実習があったので、動画を見ることを事前課題に設定して、改善点を提案してね。って言ってみた。すると何人かは実習ノートにいろいろ書いてくれた。けっこう参考になる。実習ノートは返却するので、内容の要点をリストアップしておこう。
ちなみに見てもらったのは、学芸員が収蔵庫で標本の解説をする動画シリーズ。
・S大学Iさん
出演者の自己紹介が少ないので、新規の人には取っつきにくい。学芸員の説明を楽しむ人にはいいが、情報量を求める人には物足りない。出てくる展示や標本が見にくい。編集段階で解説を付け加えたり、図表を挿入しては?
・N大学Hさん
字幕が欲しい。手ぶれが気になる。専門用語の解説が欲しい。標本が見にくい。アップの挿入があるといい。
・S大学Kさん
字幕の色や長さを考えた方がいい。質問者の声が小さいので字幕が欲しい。BGMを入れた方がいいかもしれない。最後にポイントをまとめたスライドがあると判りやすい。
・S大学Sさん
動画の内容に追いつけないことがあるので、字幕を増やしイメージ図を挿入した方が分かりやすくなる。
・H大学Tさん
内容は面白いのに再生数が少ない。もっと広報を考えるべき。
字幕や解説スライドの挿入などによって、もっと内容を判りやすく。という声が大勢。参考にしたい。
●2021年1月24日 リュウキュウサンショウクイはエナガに混じる
今シーズンの冬も大阪府でリュウキュウサンショウクイが越冬しているらしく、池田市から情報を頂いた。やはりエナガの群れと一緒に行動しているという。
大阪府では2015年度からリュウキュウサンショウクイが冬に記録されるようになった。大阪府のリュウキュウサンショウクイは、なぜか北摂山地でばかり記録される。そして、なぜかエナガの群れと一緒に行動しているのばかり観察される。どうしてシジュウカラとかメジロの群れと一緒には行動しないんだろう? エナガの群れに交じるとか、エナガなどの混群と一緒に行動、って報告はあるけど、シジュウカラやメジロの群れと一緒に行動しているという報告はない。北摂山地には、エナガの群れに負けないくらい、シジュウカラの群れやメジロの群れもウロウロしているだろうに。
カラ類の群れに混じりたいのを前提とするなら、エナガは良くって、シジュウカラやメジロはダメな理由を考えてみよう。なによりエナガは温和しい、でもシジュウカラは元気。けっこう食べ物を横取りとかもしそう。リュウキュウサンショウクイはシジュウカラに負けるのかも。でも、メジロはわりと温和しそうに思うけどなぁ。
●2021年1月23日 2020年の博物館友の会行事の総括
本来担当じゃないんだけど、お鉢が回ってきて、なぜか急遽、2020年の友の会行事の総括をすることに。この1年は、新型コロナウイルスの感染拡大のあおりを喰って、随分と行事が中止になったことを改めて確認。
2020年は、3月以降、新型コロナウイルスの影響を受けた。3月から7月まですべての行事が中止。8月から再開したけど、全ての行事が申込み制かリモートにシフトした。そして12月は再びすべての行事が中止に。
という結果、2020年には行事を44回計画し、実施できたのは16回だけ。実施しなかった28回のうち、26回は新型コロナウイルスの感染拡大防止のため中止したもの。2回しかなかった雨天中止がなぜか物珍しい。16回の行事の参加者は、延べ782名。うち2回はリモート行事。
ちなみに、2019年には行事を48回計画し、45回を実施。実施しなかった3回は、すべて雨天中止。そして45回の行事の参加者は、延べ2,496名。リモート行事はなし。2020年が桁違いに活動できなかったことがよく判る。
会報は予定通り毎月実施しているものの、行事がこうもストップしてしまうのは、友の会存亡の危機。2020年はギリギリ1月の友の会総会(友の会最大のイベント!)が実施できたけど、2021年はそれもリモートに。リモートで実施できても、対面で交流できない影響は、じわじわと響いてきそう。
●2021年1月22日 大阪湾岸カモメ改め水鳥調査
昨年12月にスタートさせた大阪湾岸カモメ類調査。緊急事態が宣言されたら、大阪府外に行きにくくなりそう。と読んで、和歌山県や兵庫県は1月上旬までに急いで完了させ。最後の方まで残っていたのは、大阪市と堺市。今日、最後に残っていた堺市の港湾部を自転車でめぐって一通りの調査完了。調査目的とはいえ、出歩きにくいご時世だけど、なんとか調査を終えられてよかった。
この調査はこれで、2000年と2011年に続いて3回目。第1回から第2回の間で、カモメ類総数は、約50%に減少。種毎にみると、ユリカモメ約40%、カモメ約35%、ウミネコ約90%、大型カモメ約60%といずれも減少した。
あれから9年。まだちゃんと集計していないけど、調査した印象では、今回カモメ類はさらに減少したんじゃないかと思う。全体的に減ってるけど、ユリカモメとカモメの減少は著しいと思う。なんといっても、大和川河口にカモメ類がいない!
ただ、武庫川の少し上流にユリカモメ1000羽ほどの群れが見つかった。これをどう処理するかで結果が変わりそう。ただ、武庫川にはユリカモメいるなぁ、というのは2011年もあったような…。
【追記】
1月30日に武庫川に見に行ってみた。確かにカモメ類の1000羽ほどの群れがいる。なんと、その内カモメが約700羽。これを足すとカモメは、2000年から減ってない。どういうことだ??
●2021年1月21日 必要なのは数年間使える大きなワクチン接種センター?
世界各地で、新型コロナウイルスのワクチンの接種がはじまっている。日本も2月からはじまったりするのかな? ワクチンが足りるのかな? ワクチンは本当に安全なのかな? 治験は欧米中心にされたワクチンは、日本では効果はどうなん? なども気にはなるけど、今一番気になってるのは、ワクチンの接種スピードは充分なのかどうか。
イギリスが、頑張ってワクチンを接種しはじめて、約1ヶ月ちょっととこ? 1月12日付けのニュースをながめると、約230万人が1回目の接種を受けて、39万人近くが2回目の接種も受けたそうな。
ワクチンは個人が感染しにくくする、あるいは重症化しにくくする。ってのと同時に集団免疫を目指すもんなんだろう。だとしたら、人口の60%くらいには接種しないと効果が出てこない。って聞いた気がするからそうだとする。日本の人口が1億2千万人なら、目指すは7200万人。
とりあえずできるだけ多くの人に1回でも接種するという方針でも、日本の接種スピードが、この1ヶ月ほどのイギリスと同じだとすると、7200万人に接種するのに26.7ヶ月ほどかかる。2年ちょっと。イギリスの倍のペースで頑張っても、1年ほどかかる。
新型コロナウイルスに感染した人での研究では、抗体は長くても半年ほどしか保たないんじゃないかって話がある。もしそうだとすると、7200万人に1回目の接種を終わった段階で、前半の人たちの抗体はなくなってるから、やり直し。イギリスの4倍のペースで頑張っても、7200万人に接種するのに半年。終わったと思ったらやり直し。
新型コロナウイルスはどんどん変異するだろうし。その抗体が体内に維持される期間も変わるかもしれない。ワクチンによる抗体の挙動もまだ判らないことが多い。とはいえ、ワクチンで集団免疫を目指すのは、なかなかに道のりは遠そう。
ずっとイタチごっこを続けることになるなら、少なくとも数年間は、ワクチンを生産しまくって、接種しまくることになる。海外での大量接種の様子を見ると、競技場とか体育館とか広い場所を使い回してるけど、そういう場所を一時的に使うのではなく、少なくとも数年間は使うつもりの施設を用意する必要があると思う。
でも、半年ごとに、2回注射されるのはイヤやなぁ。
●2021年1月20日 今年のガンカモ調査
18日のため池めぐりと、今日の近所のため池調査で、今年のガンカモ調査の担当部分が終了。さっそく報告した。まだ調査期間は残ってるし、なぜか週末を中心に時間が出来たので、もっと調査しろと言われても、今年なら対応できるぞ。来年以降、継続できるかは知らんけど。
ガンカモ調査というのは、全盛期から日本野鳥の会を中心に、日本全国で実施されているモニタリング調査。モニ1000などというのが影も形もなかった頃からの長期のモニタリング調査として維持されている。細かい部分についは、いろいろ問題もあるけど、続いているだけで充分にすばらしい。ってことで、これは是非とも協力しなくてはならない。
でも、長年続いているモニタリング調査には、世代交代という問題が付きもの。大阪府では、今シーズンが一つの節目。であるかのように、多くの調査地で調査者が交代した。そろそろ担当から外してくれ、という声をなだめてなだめて維持してきたけど、ついに耐えきれなくなった。というか、手配師が代わったタイミングで、声がたくさん上がったというか。
今年の大阪府での調査地点は、470ヶ所ほどあるらしい。その内、80ヶ所近く担当者が代わったっぽい。15%以上も代わるとなるとかなり大変(手配師さんが)。という訳で、新人が加わってくれるのを期待しつつ、すでに何ヶ所か担当している人達の間で、調査できそうな場所を山分けする。おかげで担当する場所が、14ヶ所から18ヶ所に増えた。
たくさん担当して大変ですねと何人かから言われたんだけど、20ヶ所以上担当してる人が3人いるし(20ヶ所以上は和泉市1人、岸和田市2人。ほかに19ヶ所が2人)。そもそも18ヶ所の内、16ヶ所はガンカモ調査がなくても、個人的に毎月調査してる池。残る2ヶ所もルーティンの調査のついでに行ける場所を選んだ。負担はほとんど増えてない。どうせ毎月65ヶ所の池と大和川下流の調査をしてるんだし。むしろ調査データは持ってて提供できるのに、その場所は他の人が担当してるって場所が数十ヶ所あるんだな。
手配師さんによれば、あまり多くの場所を同じ人に担当させると、その人がこけた時のフォローが大変なので、できれば分散させたいらしい。その方針は判るけど、もにょる。今年は、少し調査データがいかせる池が増えたし、調査者の世代交代も少し進んだし。いい方向に少し進んだとは思う。
●2021年1月19日 勝手にインターネット・バードソン
バードリサーチがやってる企画で、この1月1日から1月17日までの間に見た鳥の種類を競うもので、第4回になるらしい。そもそも寄付金目当てのバードソンは嫌いで、協力したことがない。寄付するなら、賭けみたいなことをせずに寄付せいや!って思ってた。
でも、このインターネット・バードソンは、上位20人にフィールドノートを謹呈、っていうお楽しみ企画。のふりをして、鳥の情報を集めるのが目的、という納得できる企画。妙に競技じみて無くて、そのために金を掛けまくる人もいなくて、聞いてる限りではいい感じ。楽しくデータが集まるなら、なかなかの名案。
参加には登録が必要で、登録してないから参加はできないけど、勝手に自分がこの17日間に見た鳥の種数を数えてみよう。情報提供って目的を考えると、登録した方がいいなぁ。今度、第5回があったら考えよう。
で、勝手にバードソン。1月1日から、今年初めて見た種をあげていこう。
1日 長居:オカヨシガモ、マガモ、カルガモ、コガモ、ホシハジロ、カイツブリ、ドバト、キジバト、カワウ、アオサギ、ダイサギ、コサギ、バン、オオバン、カワセミ、コゲラ、モズ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ヤマガラ、シジュウカラ、ヒヨドリ、ウグイス、メジロ、ムクドリ、シロハラ、ツグミ、ジョウビタキ、スズメ、ハクセキレイ、アトリ、カワラヒワ、シメ、アオジ
3日 大和郡山:コチドリ、ケリ、クサシギ、タシギ、ユリカモメ、ノスリ、チョウゲンボウ、ヒバリ、ハッカチョウ、イソヒヨドリ、キセキレイ、セグロセキレイ、タヒバリ、ホオジロ
4日 宇治川:ハシビロガモ、キンクロハジロ、カワアイサ、イソシギ、トビ、イワツバメ、エナガ、ベニマシコ
5日 淀川河口周辺:ヒドリガモ、アメリカヒドリ、オナガガモ、スズガモ、ホオジロガモ、ウミアイサ、ハジロカイツブリ、カンムリカイツブリ、セグロカモメ、ミサゴ
6日 淡路島:ウミウ、ヒメウ、イカルチドリ、ユリカモメ、ウミネコ、オオセグロカモメ
7日 長居:ヤマシギ
8日 明石:カモメ
13日 阪南2区:ハマシギ
合計75種。100種超えないと上位には入れないらしい。大阪湾岸の海鳥と公園の鳥だけでは勝てなさそう。
ちなみに昨日のため池巡りを入れても、オシドリ、ヨシガモ、ミコアイサ、ゴイサギが増えるだけ。大阪府周辺で100種はなかなか大変そう。
●2021年1月18日 とても寒い日のため池巡り
月に一度のため池めぐりの日。前後のトラベリングタイムを除いて、6時間ちょっとでため池60ヶ所をめぐって水鳥を数える。水鳥が多いとちょっと時間が多めにかかる。でも、そんなため池は限られてるので、事実上は自転車で走り回ってる時間。今日は、おまけで2ヶ所寄り道してガンカモ調査をしたので、余裕をもっていつもより1時間早めに家をでた。前後のトラベリングタイムを入れて、8時間屋外にいたことになる。
とにかく寒い。おもわず手袋をしてしまった。この冬初めて。しかし、手袋してると、双眼鏡を片手でうまく操れない。フォールドノートに記録もしにくい。カウンターが持ちにくい。ってことで、結局すぐに手袋をはずしてしまった。自転車をこいでる間は、袖の中に指先まで入れてしまえば大丈夫。でも、水鳥を見て数えている間は、素手で金属(カウンターと双眼鏡)を持って、じっとすることになるので、とても冷たい。あまりカモが多くなくて良かった。
指先はそんな具合だけど、胴体はというと、自転車をある程度の時間こいでいると、暑くなる。移動が少なめになると寒くなる。こんなこともあろうかと、上は、パーカー着て、ダウンジャケットを着てる。暑くなると、ジッパーを開ける、寒くなると閉じる。これで対応できないのが二の腕で、ここは中途半端に寒いより、今日のようにしっかり寒い方が、汗ばむことはなく、ずっとジッパーを閉めてたらいいからかえって快適。
しかし足先にさにあらず。少し厚めの靴下を履いてきたけど、普通のスニーカーなので、とても冷たくなった。今日は靴底にいれるカイロが欲しかった。
●2021年1月17日 Mixi16周年
この日記めいたものを書き始めて、一昨日(15日)でMixi16周年。Twitterを始め、Facebookの面倒まで見だしてから、かつてほど毎日書いてないけど、長めの日記はここに書いてる。書き忘れると、ちょっと残念。ガラケーからも書けるんだけど、1文を越えるとトラブルので、いったんガラケーで短くアップしておいて、後日書き足すという技を駆使している。ともかく、まだ当分は続けそう。
例によってこの1年366日の中で何日書いたか(実際には、何日書いてないか)を数えてみると、310日書いていた。2年続けて310日。ただ今日時点で書き足し待ちのが6月以降、63日分も溜まってる!
ちなみに過去を振り返ると、一年目325日、二年目344日、三年目331日、四年目324日、五年目329日、六年目303日、七年目315日、八年目304日、九年目295日、十年目265日、十一年目は279日、十二年目は284日、十三年目は288日、十四年目は306日、十五年目は310日書いていた。Twitterを始めた六年目に激減し、十年目でさらに減少。十一年目以降、少しずつ盛り返してる気がしてたけど、回復基調は継続してるっぽい。
●2021年1月16日 Twitter11周年
Twitterを始めて、一昨日(14日)から12年目に突入。つまり、11年前の一昨日Twitterを始めた。
丸十年経って20484tweet。最初の一年に2922tweet、二年目は2674tweet、三年目は2494tweet、四年目は2188tweet、五年目は1827tweet、六年目は1667tweet、七年目は1534tweet、八年目は1387tweet、九年目は1436tweet、十年目は1291tweetつぶやいた。そして、この一年は1064tweet。ツイート数の減少傾向は止まらず、史上最少になってしまった。
ちなみに一番バズったのは、9月にツイートしたこれ。94,838件のインプレッション(245リツイート、783いいね)。「河川敷で保護したヌートリア。という情報を頂いて、添付の画像を開いたら。目がぱっちりで、可愛いヌートリアだな。と思ってから、プレーリードッグやん!と気付く。先入観とは恐ろしい。ヌートリアと思ったら違ってた、というのに新たなパターン。馴れてたというから、最近まで飼われてたんだろう。」ペット系のツイートだからだろうか。
フォローしてるのは240名。10周年で227名、9周年で209名、8周年で199名、7周年で201名、6周年で184名、5周年で180名、4周年で184名、3周年で167名、2周年で157名、1周年で143名。この2年で増加傾向で、最大値を更新。
フォロワーは、3830名。10周年で3488名、9周年で3202名、8周年で2842名、7周年で2580名、6周年で2272名。5周年で1955名、4周年で1757名、3周年で1472名、2周年で1108名、1周年で659名。フォロワーの増加具合は、昨年と同じくらい。わりと安定してると言って良いかも。
ついに11年続いた。12年目も、引き続きTwitter中心での発信を継続の予定。
Facebookは他人の画像や動画をリツイートするだけのまま。
●2021年1月15日 リモート博物館実習 5日目
つまり最終日。担当は昆虫研究室。午前中は、M学芸員が昆虫のこと、昆虫採集のこと、昆虫標本のこと、そして博物館の資料収集保管のことを2時間近く喋りまくるのを拝聴する。という展開だった。
午後は、実習生に出していた事前の課題を発表してもらうという企画。課題のお題は、自分で昆虫を見つけて、画像を撮影して、その種類を調べて、簡単に解説を付けてくるというもの。パワポやワードなどで学生たちが作った昆虫レポートを順に聞く。
文系の学生にはハードルが高そうな事前課題だけど、今回の実習生は理系比率が高い。のみならず、生物系が多く、あまつさえ昆虫が専門のも数人混じってる。そのせいで、種姪はかなり正確に調べている。もちろんそれでも種の同定などを間違ってるのもあったりするのだけど、大きく外しているのはない。論文を検索したり、かなりしっかりと調べているプレゼンもチラホラ。普通にレポートを見ていて楽しいし、勉強になる。
それでも、種姪が微妙に間違っていたりして、昆虫担当学芸員に訂正されている。冬に枯れヨシの中に入ってる虫、ってM学芸員のお気に入りテーマやし。ただ、ヒロズコガは、発表してる学生の方が詳しかった様子。
とても面白い実習企画ではあったけど、成立したのは理系が多かったからかもしれない。昆虫をさっぱり知らない文系中心の場合を考えておいた方がいいかもしれない。文系がとくに困るのは、冬に虫を見つけることかもしれないから、探し方を指定するのも一つの方法。展示なり口頭発表なり、アウトプットの形式をもう少し決めても良かったかも。
●2021年1月14日 リモート博物館実習 4日目
昨日の3日目はぜんぜん見れてないけど、代わりに、って訳でもないけど、今日はデスクワークのかたわら、一日中、博物館実習を視聴した。これができるのがリモート博物館実習のいいところ。ってことで、他にも視聴してる学芸員が3〜4人ほどいた。
今日の博物館実習の内容は、実習生が事前課題でつくってきた特別展企画を発表してもらって、意見交換するって形。なんとなく見てるだけのつもりが、いろいろコメントしてしまった。
アリテーマが3つあって、それぞれが切り口が違ってた。ヒアリテーマは、とてもよくまとまっていたけど、こじんまりとまとまり過ぎで、もう少し外来生物なりアリなりで、話を広げればいいのに。って思った。アリを中心に社会性をテーマにしているのも、こじんまり派で、真社会性をはじめとして動物の社会性というテーマに拡張した方がよさそうに思った。最後は、アリ全体をテーマにしてたもの。アリ全体なのに、なんか小さくまとめようとしてるような。お金を払って見に来るお客さんを考えた時、一定以上のヴォリュームはマスト。でないと金返せ!って話になりかねない。といった視点が足らないかも。
一方、テーマが大きすぎるのもあった。ラムサール条約的意味での日本の湿地の特別展。それはすなわち日本の自然をテーマにしてるのと同じ(ラムサール条約的湿地には集水域がすべて含まれる!)。もう少し環境を絞るか、湿地の保全からさらに踏み込んだ切り口が欲しい。
とても考えさせられたのは、自然の観察方法をテーマにした企画。大阪の自然をテーマにその観察の仕方、あるいは見どころの展示があって。関連企画に大阪の自然の観察ポイントや観察地を紹介した冊子、大阪の自然の観察会。それって、うちが常設展でやってるような…。常設展と特別展の違いってなんだろう?
神社とのタイアップ企画は、方向性は面白いんだけど、必然性とメリットが判らない。外来生物の特別展は、外来生物とは何か?から始まって、よーく考えないと恐い目に遭うよ、っていうのは経験者の談。
とまあ、いろいろ難癖をつけはしたけど、全体的にはレベルが高かったと思う。どっかの学芸員の採用試験で書いてもけっこう点が取れそうなのもあった。
一番面白かったのは、展示の内容自体よりも、広報や関連企画など、展示の周辺についてのアイデアが必ず投入されていたこと。自分が大学生だったら、そんなことには気が回らなかったろうに。みなさん優秀。でも、周辺ばかり考えるのはいかがなものか、という人もいた。
いずれにせよ、とても面白い企画。今後、リモート博物館実習があれば、必ず入れたら良さそう。
●2021年1月13日 大阪湾独りぼっち
岸和田の埋立地での調査の後、関西空港と神戸空港をむすぶ高速船「神戸-関空ベイ・シャトル」に乗りに行った。両側の港と間の航路でのカモメ類をはじめとした水鳥調査が目的。本当は、1月8日に神戸空港側から乗るつもりだったのだけど、波が高くて運航していなかった。やむを得ず、神戸空港側の港だけを調査してきた。今日は、そのリベンジ。今回は関西空港側から。
南海電車で関西空港に向かう電車はすいていた。昔ならいつでも満員で、海外からの大きな荷物を持った人たちも一杯だった。インバウンドは一年ほど前からほとんどいなくなってるのは想定内だけど、日本人も少ない。ゆったり座れる。関西空港駅に着いて、関西空港内に入っても、人は少なめ。こういってはなんだけど、まるで神戸空港のよう。
で、ベイ・シャトルのチケットを買う。対応してくれたスタッフが1名。港に向かうバスがすぐに出発するので、急いで向かう。飛び乗ったバスに先客はなく、独占状態。この1人がいなかったら動かなかったんだろうか。スタッフ2人に見送られるのも一人だけなので無視しにくい。港についたら船周りにスタッフが3人。チケット見せて乗ったら、他に客がいない。船内スタッフは2人(もう一人操縦する人がいそう)。この船を占領できるとは…。一人だけなので、マスクをする必要はなさそう。
神戸空港の港に着いたら、スタッフが3人。空港までのバスに乗るのも1人。他にだれもいないので、むしろ乗らないと悪いかな、と思ってたいした距離でもないのに乗った。
という訳で、関空側にスタッフ7人。船にスタッフ3人、神戸空港側にスタッフ4人。少なくとも14人が、一人の乗客のために動いてくれたことになる。なんか申し訳ない気がする。それとも客がいなくても一応動いたんだろうか?
●2021年1月12日 旧収蔵庫探検
今日から2ヶ月、博物館は工事のために臨時休館。新型コロナウイルが感染拡大して、数日後には緊急事態が宣言されそうな気配なので、とてもいいタイミングという言い方もできる。あるいは先見の明があるとも。これが先手先手だぞ、と言ってあげたい。
工事はあちこちに入るんだけど、旧収蔵庫もその一つ。天井とかの改修の後に、コンパクターと呼ばれる可動式の標本棚を導入する。旧収蔵庫のはずが(じつは展示室に転用する案もかつてはあった)、再び収蔵庫として本格稼働させることになる。
で、そうした工事のためには、現在旧収蔵庫に入っているものを、外に出す必要がある。でも、他に入れる部屋はない。なので、展示スペースの通路とか展示室に放り込む。というのが必要なのが、臨時休館の大きな理由だったりする。
というわけで、今日は朝から学芸員総動員で、旧収蔵庫の片付け。というか、中身を出して、いるものは展示室へ放り込み、廃棄するものは外に出す。って作業。午前9時半頃から午後4時半頃までかかってようやく完了。学芸員総動員のはずが、長期休暇の者とか突如熱を出す奴とか、他に急ぎの仕事を抱えてるのとかが抜けるので、ずっと働いていたのは、8人ほど。人手が手薄な中、よく頑張ったなぁ。
てな作業は大変だけど、いろいろ楽しいものが見つかるのは楽しい。タヌキの全身骨格を入れるくらいの箱を大量にゲットしたのが一番嬉しい。あと可愛い丸太の椅子とか、海賊の宝が入ってそうなトランク風の箱とか。
面白かったのは、大きな植物標本が、隅っこからいっぱい見つかったこと。特別展の展示用に作ったけど、スタンダードサイズじゃないので収蔵庫に入れにくく、でも捨てられず置いてあったらしい。瓶の中に黒くなった汚い植物が入ってる、と思ったらちゃんとラベルが付いていて、1950年代だったりする。それがなんと日浦大先生が研究に使ったカンアオイ類だったして、油断できない。
大きな昆虫の画像のパネルもいっぱい出てきた。世界のハサミムシの写真という大量の束が出てきて、ただただ重い。タンスの中には鳴く虫の声を収めた大量のDAT。タンスを開けたら、植物のさく葉標本風にカバーの中に紙がはさんである。聞けば海外の博物館で植物標本をスキャンしてきたものだそう。紙の束は重いんじゃ!
旧収蔵庫の中は、今まで見たことがないほど、片付いた。というか、物が無くなった。意外と広い。階段の向こうが透けて見える、壁が全部見える。とても不思議な感じ。その分、展示室にはビックリするほど物が溢れている。
これを3月に戻さないといけないとは、今から頭が痛い。熱でも出そうかしら。少しでも整理して、量を減らして欲しい。
●2021年1月11日 リモート博物館実習 2日目
昨日のオリエンテーションに続いて、今日からは各研究室が順に担当していく(地学系の2研究室はまとめて)。今日は動物研究室の担当で、萌蔵が押しつけられた。
事前に課題が出ていて、スーパーで貝を買って、肉抜きして標本を作製しておくようにってことだった。全員ちゃんと貝を用意してたけど、スーパーとかで買わずに、琵琶湖で拾ってたり、むかし南の島の民宿でもらったのを持ってきたりもしてた。まあいいか。
で、今日は、その貝を調べて、ハガキ1枚に解説文を作製という企画。朝一番に進め方を説明して、昼食をはさんで実習生は各自で作業。最後の1時間半で発表してもらって講評。講評には、近所の他の博物館関係者4名を招いて。と、今までに無くオープンな感じ。
けっこう学生さんはしっかりした解説文を作ってきて、なにかしら工夫ポイントがあって楽しい。コメンテイターだけでなく、実習生も他の実習生の作品にコメントしたり、真面目に積極的に参加している人が数人いた。驚いた。
ハガキに書いた/描いた解説文を送ってもらって、こちらの博物館で展示。という、実際の展示を作る企画になっている。同じ流れで、他の分野でも実習ができるかもしれない。問題は、1日で完結させるには、学芸員の直接の説明なく標本をつくらないといけない点。貝殻標本ならできても、他の分野だと難しい。採集しておいてもらって、1日目に標本作り、2日目に解説文作り、という2日日程なら植物や昆虫でもありかも。
●2021年1月10日 博物館実習 2020年冬期一般コース オリエンテーション
初めてのリモートの博物館実習。だから失敗はやむを得ない。単位の関係もあるから、授業日数は、規定通りにこなさなくてはならない。ただ、事前の課題をこなしたり、事後に実習ノートやブログを書く時間も込みでいいらしい。どうも明日からの個々の実習は事前課題を出している上に、一日日程で実施するらしい。となると、今日も一日日程で行うと、時間が長すぎる!と、担当者として看破して、オリエンテーションは午前中だけに。別途、博物館のYoutubeページの動画を見ておくようにという課題を出してあったが。
対面であれば、午前中に座学1時間半、その後、短い館内ツアー。午後は館内ツアー2本。リモートでは、館内ツアーができないので、代わりに動画を見てもらう感じ。そして、座学は2時間に。対面ならば、館報をコピーした資料をネタに、適当にトークで済む。でも、リモートなので、館報をベースにパワポを作らないといけない。事前の準備が面倒。館の出版物も送付しないといけない。と、いろいろ勝手が違う。
博物館に来ないので、館内の構造とかの説明はしなくて済んだ。代わりに館内ツアーでいつも説明する収蔵庫などの設備、スタッフ目線での展示、ミュージアムショップの意義などを盛り込んだ方が良かったかも。
【追記】
実習生に、初めて出会った他の実習生との距離感がとりにくいと言われた。それは学芸員からも同じ。リアルで会えれば、自ずと自己紹介したり、いろいろ話をして、一緒に作業して、相手のことを知っていける。その部分がリモートでは抜け落ちる。オリエンテーションの午後は、その部分を補うべく、自己紹介的な企画を入れた方がいいかもしれない。今後の課題。
●2021年1月8日 明石の港今昔
2013年の秋から丸2年間、毎月、播磨灘岸の港と河口をめぐって水鳥を数えていた。その時に明石港や明石川河口にも通ってた。それ以来だから、1月に明石の海岸に来るのは2015年以来、6年ぶり。明石港や林崎漁港はあんまり変わってないけど、明石浦漁港はとても変わった。漁港北側の道沿いには、古い建物が並び、その前では大きな輪っかで、海苔養殖のタネ付けしてたり。昔の漁港の面影がのこっていたもんだった。それが、今日はすごいショック。明石浦漁港北側の古い建物はすべてなくなっていた。まだ工事中のようだけど、コンクリートの基礎だけになってる感じ。よく言えばとても明るくすっきりしてるが、実際は趣もなにもなくなった。そのせいだろうか、かつては漁港の建物の中に何羽もの青鷺が我が物顔でいたのに、今日はさっぱりいない。調査はしやすくなったけど、つまらない。
明石川河口の右岸の浄化センターにはやっぱりハッカチョウの群れがたまっている。ここはあんまり変わってない。と思ったら、突如50羽近いトビの大群が出現。エサやりおばさんが来たかららしい。ここも6年経つと変わってしまった〜。
●2021年1月6日 大阪湾岸カモメ調査 淡路島東岸を行く
今日は、淡路島の大阪湾岸の水鳥調査。さすがに歩いては大変だし、自転車でも宿泊を伴うことになる。ってことで、自動車での調査。大阪市内から明石海峡大橋を越えるのに1時間ちょっと。午前8時20分から約5時間で、由良湾の南端、というか成ヶ島の南側の今川口まで。久しぶりなので、調査地が変わってないか心配だったけど、あまり変わって折らず、ちゃんとナビできた。よかった。
同じエリアは、2010年度〜2012年度の3年間にわたって、毎月調査した。8年ぶりに行ってみると、調査地は変わってないのに、水鳥の様子は随分と変わった。とにかく全体的に減った。10羽以上のカモメ類の群れですら、いたのは岩屋港と由良湾だけ。100羽超えは由良湾だけ。この2ヶ所も、個体数は8年前の半分以下。8年前はカモメ類の群れがいた浦川河口、仮屋漁港、佐野魚港、生穂漁港、洲本港、新川口には、ほとんどカモメ類の姿がない。カモメ類が減っただけでなく、漁港のカワウ、アオサギ、トビの3点セットもとても少なくなっていた。漁業自体が振るわなくなったんだろうか?
調査は楽になったが、淋しい。10年後にまた調査に来るつもりだけど、どうなってることやら。
●2021年1月5日 大阪湾岸カモメ調査 大阪湾岸を歩こう7日目
大阪湾岸で歩いてめぐる場所はだいたい歩き尽くした気がするけど、淀川より北の大阪市はやはり歩かねば。というわけで、今日は、福駅から出来島駅まで歩いた。調査地も淀川・神崎川・中島川の河口と、西島川。駅で言えば1駅だけ、淀川と中島川の河口は1kmほどしか離れていない。けど、3〜4kmを行ったり来たりを繰り返すので、思いのほか面倒。5時間もかかった。半日で終わるかと思って弁当持って行かなかった…。
カモメ類がメインの調査だけど、セグロカモメが2羽飛んでただけ。カモの大群がいて調査は大変だろうなぁ。と思ったら神崎川河口にも中島川河口にも大群はおらず、拍子抜け。3000羽からのカモの大群はどこにいったんだろう?
●2021年1月4日 越冬イワツバメの聖地
あくまでも個人的な話だけど、イワツバメが越冬するなんて、全然知らなかった大学生の頃。初めて冬にイワツバメを見たのが宇治川の宇治橋辺りだった。イワツバメは宇治川では越冬するんだ!と思い込んだ。それからウン十年。いまやイワツバメが冬に見られるのは、かなり当たり前になってきた。ってゆうか、大阪府で冬に見られるツバメ類は大部分イワツバメ。
昨年の11月から、宇治川の宇治橋から観月橋のセンサス調査を始めた。ハッカチョウ目的の調査だけど、宇治川の鳥のことが判るのも楽しい。で、今日、今年最初の調査に行ったんだけど、イワツバメの群れがけっこう飛びまわっていて、ちょっと嬉しかった。我が聖地は健在って感じ。同じ群れを複数回数えないように気をつけたつもりではあるが、複数回数えてるかも知れない。って前提で、15羽、23羽、8羽、2羽の合計48羽くらいはいた気がする。
気になるのは、11月と12月にはイワツバメはいなかったのに、1月になって群れが飛びまわっていること。確か九州のイワツバメを調べていた人が、秋にいったん繁殖地から消えたイワツバメが、年が明けてから(2月頃からだった気がするけど)早々と繁殖地に戻ってくるって話をしてたように覚えている。これは越冬イワツバメなのか。それとも、早めに渡ってきたイワツバメなのか。宇治川は越当地なのか、繁殖地なのかという言い方もできるかも。とにかく気になる。
●2021年1月3日 2021年を予言
と言う訳で、1月3日は、この1年に身の回りで起きる出来事を予言する日。
昨年は外れすぎないように、言葉をぼやかしたり、予防措置を講じつつ、そこそこ当たるようにと、加減をして予言した。が、かつてないほどの大ハズレ。新型コロナウイルスの前には、そこそこの予言者はひれ伏すしかない。そして、新型コロナウイルスは、とりあえず2021年前半も健在(これ自体が予言っぽいが)。という訳で、今年の予言は、ハズレまくるのを含んでおくしかない。
まず、お出かけ予言だが、例年2回の学会の分と、友の会合宿の分を予言してる。昨年はこれがすべてハズレたわけだが。今年は幸か不幸か、2回の学会はどちらもリモート実施が決まってる。ってことで、おそらく8月に紀伊半島の真ん中辺りに行くであろう。新型コロナウイルスが夏まで健在だった、知らんけど。
イベント予言は、11月には大阪で、自然史関連の大きなイベントが開かれるだろう。これも昨年はハズレたなぁ。だから新型コロナウイルスが来年の冬まで健在なら知らんけど。
調査系予言だけど、今度こそ21年ぶりに大阪府のため池で繁殖鳥の様子が明らかになるだろう。これも昨年ハズレたやつ。今度は新型コロナウイルスがどうなってようが譲らない。絶対に予言を実現させる。
執筆系予言としては、大阪湾岸から播磨灘、瀬戸内海の水鳥についてのデータがまとまるであろう。
あと、今年は1年に120冊以上の本を読むだろう。
そして、とりあえず可愛いネコと出会う。と、予言しておこう。これが一番ハズレそうだけど。
●2021年1月2日 鳥の日の成果2020
なにわホネホネ団の活動に「鳥の日」を設定することにしたのが、2012年9月。2013年からは、毎月1回、通常活動日(いわば哺乳類の日)の他に鳥の日を設定することにした。2020年の鳥の日の活動成果を集計しておこう。
2020年の鳥の日
・活動日:16日間(4月、5月、12月は新型コロナウイルス感染症で活動自粛。その代わり3月、7月、8月、9月、10月は2日活動。11月は3日活動)
内、西表島鳥類調査隊の活動はなし
・処理した鳥の個体数:138羽(皮剥きのみ、鳥の日以外の活動日の処理数は除く)(平均8.6羽)
他に、骨取り+羽のサンプル採取の処理が4羽。
・のべ参加者数:151名(平均9.4名)
内、見学者10名(平均0.6名)
というわけで、2020年も鳥の日の活動で、鳥の仮剥製が随分増えた。新型コロナウイルスのせいで中止になった分を補おうとして、かえって例年よりも活動日数が多くなった。その分、参加者数は多くなったが、1日当たりの参加者は少なめ。キンバト処理は中断のまま。3月に動物園から大量の死体が到着したので、8日は動物園物の処理。残りは、主に水鳥を処理した日が5日、小鳥を出した日が2日、アオバト祭りが1日。
参加した人は、24人。おおむね任せられる人が8名、状態が良ければ大丈夫な人がさらに5名。他の方はさらなる修行を。
<過去の鳥の日の記録>
・2019年
・活動日:12日間
・処理した鳥の個体数:126羽(平均10.5羽)+骨取り8羽。
・のべ参加者数:132名(平均11.0名)内、見学者10名(平均0.9名)
・2018年
・活動日:12日間
・処理した鳥の個体数:166羽(平均13.8羽)+骨取り2羽。
・のべ参加者数:179名(平均14.9名)内、見学者28名(平均2.3名)
・2017年
・活動日:13日間(10月に2日活動)
・処理した鳥の個体数:170羽(平均13.1羽)+骨取り2羽。
・のべ参加者数:196名(平均15.1名)内、見学者34名(平均2.6名)
・2016年
・活動日:14日間(11月に2日活動)
・処理した鳥の個体数:172羽(平均12.3羽)+骨取り6羽。
・のべ参加者数:204名(平均14.6名)内、見学者28名(平均2.0名)
・2015年
・活動日:11日間(9月は活動なし)
・処理した鳥の個体数:125羽(平均11.4羽)+骨取り6羽。
・のべ参加者数:122名(平均11.1名)内、見学者19名(平均1.7名)
・2014年
活動日:13日間(9月、12月に2日活動、10月は活動なし)
処理した鳥の個体数:140羽(平均10.8羽)+骨取り19羽
のべ参加者数:152名(平均11.7名)内、見学者25名(平均1.9名)
・2013年
活動日:15日間(4月、9月、12月に2日活動)
処理した鳥の個体数:225羽(平均15.0羽)
のべ参加者数:205名(平均13.7名)内、見学者32名(平均2.1名)
●2021年1月1日 一年の計
起床は、午前9時。でも二度寝。シャキッと起きて、歯を磨いて、シャワーを浴びて、洗濯。餅を2個と長ネギを焼いて、かしわと蒲鉾、舞茸で、雑煮を食べる。ネギはもっと焼いた方が良かった。今年も天気がいいので窓を開けて、しばらく布団に陽を当てる。少し遅くなったけど、午前中に博物館へ。過去3年と比べて、午前中に出かけたのが画期的。
博物館では、まずは鳥のセンサス。年末にもらったご飯をお昼に食べて、午後イチは地元公園のカラスの巣チェック。夕方から皮31枚とのたわむれ5時間。例年になく働いてる。
元旦なので、警備員さんにしか会わない。警備員さんにも会釈しただけ。今年も誰とも話さず終わるかと思ったら、カラスの巣チェックしてたら、知らないおじさんに話しかけられて、カラスの繁殖生態について説明。今年初の会話が知らないおじさんとかぁ。午後にトリ先生が饅頭もってやってきた。いつになく話をする元日。なぜか年末にやってきたウズラに餌をあげて、水を替えた。
一年の計は元旦にあるとすると、今年は人とのつながりが多めで、仕事に励む年になるのかも。ただ、淡々と仕事をこなすだけで、サプライズな幸せには縁遠そう。ただペットとは縁があるかも。ネコ飼いたいなぁ。
昨年は独り言を無くそうと思ったが無理だった。なので、今年はNGワードを5つほど設定。この5つを言わなければ独り言は大幅減のはず。