日記風覚え書き
2021年10月、11月、12月
(2005年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、2006年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、
2007年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、2008年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、
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2013年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、2014年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、
2015年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、2016年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、
2017年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、2018年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、
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2021年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月)
●2021年12月31日 この一年に買った本
大晦日恒例、この一年に買った本を振り返ってみる。
以下の集計は、国内で本を現金で購入した場合に限る。海外の本を買ってクレジット決裁した場合は含まない。学会や研究会の会費を払って学会誌や会報を入手するのも含めない。
2021年に買った本は、293冊。購入金額は265,521円+税。冊数、購入金額ともにこの5年で一番少なかった昨年を除くと、ここ数年の割と平年並み。
購入した本をタイプ分けしてみると、
・自然史関連本:32冊、50,897円+税
・SF関連:89冊、121,080円+税
・ライトノベル:3冊、3,000円+税
・その他小説など:0冊、0円+税
・マンガ:169冊、90,544円+税
冊数は、自然史関連本とライトノベルは平年並み。金額的には、自然史関連本は昨年よりは多いが、それ以前と比べると少なめ。SFは過去4年で一番少ない。マンガは過去最多レベル。
今年読んだ本の数を数えてみると。自然史関連本38冊、SF関連69冊、ライトノベル2冊、その他小説0冊、マンガ160冊(マンガの冊数は、購入冊数から未読冊数増加分を引いた冊数から推定。2021年末の未読冊数は59冊)。合計269冊(マンガ抜いたら109冊)。今年買った本を読んだとは限らないのだが、読破率(一年に読んだ本/買った本の割合)は、91%(マンガ抜いたら89%)。相変わらず、買ったはいいが読んでないマンガがけっこうあるが、昨年末からは少ししか増えてない。タイプ別の読破率は、自然史関連本119%、SF関連76%、マンガ95%。マンガの読破率が高い一方で、SF関連の読破率が低め。
総括としては、ここ数年で読んだ本が一番少なかった昨年に比べても、今年はマンガ以外の本を読めなかった。とくにSFを。一方、今年はマンガの購入数が多く、読んだ冊数も多かった。自然史関連本は購入冊数が少なめな割りには、読んだ冊数は多め。
家の中を眺めると、本棚が自然史関連本2本、SF+ライトノベル5本、マンガ2本。SF+ライトノベル5本の未読の本棚1本。というのは変わらず。マンガは本棚の隙間に平積みする場所も不足してきた。
<過去のデータ>
◆購入本
・合計
2006年:145冊、188,207円+税
2007年:144冊、197,299円+税
2008年:106冊、132,534円+税
2009年:131冊、181,830円+税
2010年:181冊、196,027円+税
2011年:127冊、172,199円+税
2012年:166冊、147,826円+税
2013年:164冊、201,353円+税
2014年:206冊、307,024円+税
2015年:199冊、265,288円+税
2016年:246冊、296,764円+税
2017年:327冊、318,520円+税
2018年:356冊、342,301円+税
2019年:277冊、287,916円+税
2020年:238冊、238,521円+税
・自然史関連本
2006年:42冊、83,087円+税
2007年:56冊、96,431円+税
2008年:37冊、72,764円+税
2009年:56冊、99,396円+税
2010年:52冊、103,247円+税
2011年:46冊、104,819円+税
2012年:49冊、80,138円+税
2013年:38冊、83,039円+税
2014年:70冊、156,011円+税
2015年:56冊、123,409円+税
2016年:67冊、145,430円+税
2017年:58冊、95,399円+税
2018年:32冊、63,366円+税
2019年:26冊、40,093円+税
2020年:17冊、26,140円+税
・SF関連
2006年:60冊、74,240円+税
2007年:61冊、78,780円+税
2008年:52冊、60,470円+税
2009年:56冊、66,230円+税
2010年:38冊、41,140円+税
2011年:50冊、45,627円+税
2012年:62冊、65,320円+税
2013年:69冊、81,750円+税
2014年:89冊、130,210円+税
2015年:86冊、104,140円+税
2016年:90冊、98,575円+税
2017年:97冊、117,410円+税
2018年:153冊、176,042円+税
2019年:142冊、150,510円+税
2020年:111冊、144,784円+税
・ライトノベル
2006年:14冊、9,282円+税
2007年:12冊、8,740円+税
2008年:7冊、6,494円+税
2009年:5冊、4,440円+税
2010年:6冊、4,564円+税
2011年:7冊、6,004円+税
2012年:5冊、4,378円+税
2013年:5冊、5,150円+税
2014年:2冊、1,800円+税
2015年:5冊、6,200円+税
2016年:4冊、4,700円+税
2017年:5冊、4,040円+税
2018年:7冊、4,480円+税
2019年:3冊、2,180円+税
2020年:1冊、610円+税
・その他小説他
2006年:6冊、8,743円+税
2007年:7冊、8,253円+税
2008年:3冊、4,700円+税
2009年:4冊、6,200円+税
2010年:4冊、5,000円+税
2011年:4冊、4,300円+税
2012年:5冊、6,425円+税
2013年:3冊、6,000円+税
2014年:1冊、2,800円+税
2015年:2冊、2,530円+税
2016年:3冊、3,000円+税
2017年:1冊、1,400円+税
2018年:1冊、570円+税
2019年:0冊、0円+税
2020年:0冊、0円+税
・マンガ
2006年:23冊、12,855円+税
2007年: 8冊、5,095円+税
2008年: 3冊、1,554円+税
2009年:10冊、5,564円+税
2010年:81冊、42,076円+税
2011年:20冊、11,449円+税
2012年:45冊、26,104円+税
2013年:49冊、25,414円+税
2014年:44冊、28,605円+税
2015年:50冊、29,009円+税
2016年:82冊、45,059円+税
2017年:166冊、100,271円+税
2018年:162冊、97,843円+税
2019年:106冊、63,933円+税
2020年:111冊、66,987円+税
◆読んだ本(冊数・読破率)
2006年:84冊、58%
2007年:101冊、70%
2008年:69冊、65%
2009年:76冊、58%
2010年:106冊、59%
2011年:74冊、58%
2012年:81冊、49%
2013年:96冊、59%
2014年:97冊、47%
2015年:96冊、48%
2016年:167冊、68%
2017年:246冊、75%
2018年:380冊、107%
2019年:275冊、99%
2020年:204冊、86%
●2021年12月30日 2021年のまとめ コロナ禍継続でいろいろ困るが、大阪湾岸〜瀬戸内海岸のデータが処理できた
今年の1月の予言を思い返そう。
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まず、お出かけ予言だが、<中略>今年は幸か不幸か、2回の学会はどちらもリモート実施が決まってる。ってことで、おそらく8月に紀伊半島の真ん中辺りに行くであろう。新型コロナウイルスが夏まで健在だったら、知らんけど。
イベント予言は、11月には大阪で、自然史関連の大きなイベントが開かれるだろう。<中略>新型コロナウイルスが来年の冬まで健在なら知らんけど。
調査系予言だけど、今度こそ21年ぶりに大阪府のため池で繁殖鳥の様子が明らかになるだろう。<中略>今度は新型コロナウイルスがどうなってようが譲らない。絶対に予言を実現させる。
執筆系予言としては、大阪湾岸から播磨灘、瀬戸内海の水鳥についてのデータがまとまるであろう。
あと、今年は1年に120冊以上の本を読むだろう。
そして、とりあえず可愛いネコと出会う。
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昨年は想定外のコロナ禍で、予言が外れまくった。これはやむを得ない。今年は、コロナ禍継続の可能性を考えて、言い訳付きで予言。結果的には、お出かけ予言もイベント予言も悪い方で当たったというかなんというか。ただ、例年外れやすい執筆系予言だけが、ある程度当たった。ある程度というのは、データ入力完了して、分布図や表をまとめて、あちこちで喋ったんだけど、執筆だけができなかった。ネコにも出会えず、本も予定の半分ちょっとしか読めず。
今日は晦日なので、今年のまとめをしておこう。
<調査>
ため池調査、大和川調査というルーティンの調査は、一年間ちゃんとクリアした。地元公園での、秋冬の果実チェックと鳥のセンサス調査、春から初夏のカラスの巣調査も例年通り実施した。
外来生物調査では、ハッカチョウとヌートリアの情報は順調に集まっている。奈良県と京都府でのハッカチョウのセンサス調査は継続中。
繁殖期には昨年断念した、20年ぶりの大阪府のため池で繁殖する調査を実施する予定だった。今年は不退転の決意のはずが、やはり新型コロナウイルスの感染拡大で断念。
<行事・展示>
新型コロナウイルスのため、1月から2月、4月中旬から9月の対面行事はすべて中止。12月に入って、再びオミクロン株の新規陽性者が増えてきたので、年が明けてからどうなるか怪しい。
大物としては、2年連続で、大阪自然史フェスティバル2021が中止になった。来年再起動できるか心配。
今年も4月オープンの大阪アンダーグラウンド展が、コロナ禍で8日しか開催できず。解説書の執筆はなかったけど、パネルの発注と、少し展示を担当。
来年4月オープンの日本の鳥の巣と卵展の準備をそろそろ始めた。タイトル考えて、構想練って、小海途さんと打合せ。本当はすでに解説書の原稿を書いてるはずだったが、今日時点で手を付けれておらず。
<サークル>
なにわホネホネ団は、3月と10月以降しか活動できず。処理できた標本数も激減。年末の皮処理は楽ちん。
大阪鳥類研究グループは3月リモートで、実際に出かけたのは6月以降のみ。こっそり1月の大阪湾岸の調査は実施したが、繁殖期の調査が2年連続で中止になったのが痛い。年次調査の予定が大きく狂った。
ジュニア自然史クラブも、3月と4月に活動した後は、8月はリモートでZoomミーティング。10月以降に実施できただけ。
友の会読書サークルBooksの活動は、8月までずっとZoomミーティング。対面で実施したのは10月と12月のみ。大阪自然史フェスティバルが中止になったので、2年続けて冊子を作っていない。
博物館友の会は、新型コロナウイルスの感染拡大で、観察会が減少、合宿も中止、懇親会はリモート、総会は講演会のみに縮小してリモート。大きな企画では、今年も秋祭りだけ実施できた。会員更新に影響が大きく、2年続けて100人規模で会員数が減った。
関西自然保護機構の運営は、総会がリモートで、現地見学会が中止になった。でも、新型コロナウイルスの影響はあまりない様子。
<標本>
冷凍室で担当の物が占めるエリアは、一昨年末よりは増えたままだけど、昨年末よりは減らせた。10月以降になにわホネホネ団の活動を集中的に投入できたから。
年末の状況としては、燻蒸するホネの箱がたくさん入っていて、見た目は満杯。岬公園から来たホネの燻蒸が終わりつつある。相変わらず、動物園の鳥と、海で拾われた腐った鳥の処理、哺乳類の皮処理が課題。
いつもの動物園からの大物は、ラクダを筆頭にあとはアシカ程度。今年もヒツジは数頭やってきた。海の大物としては、なによりニタリクジラ。とりあえず、頭骨・尾椎・肋骨辺りが砂場を占領。頸椎〜腰椎は現地に埋めてある。来年回収の必要あり。
<原稿>
某大阪支部の会報(隔月刊)への連載は継続中。
瀬戸内海の海鳥のデータで、自然誌研究を書く予定だったが、データ入力と整理ができたものの、執筆には至らなかった。Hさんが大阪府外来生物目録を出す!と手を上げたので、慌てなくて良くなったという面もある。
まともな論文は今年も書けなかったが、瀬戸内海の海鳥のデータで、あちこちに原稿を書いた。
<その他>
・学会大会はどこもリモートで、例年産かする日本生態学会大会と日本鳥学会大会以外に、日本哺乳類学会大会と日本動物行動学会にも参加した。年間に4つも参加したのは初めて。でも、発表したのはは日本鳥学会大会のみ。
・弁当づくりは継続中。
・独りぼっちも継続中だけど、今年は昨年以上にあまり本が読めなかった。意欲の問題っぽい。来年の日本の鳥の巣と卵展の圧かも。
●2021年12月29日 標識調査2021
毎年、仕事納めの日から大晦日までの4日間、地元の公園で標識調査をするのが恒例になっている。今年は27日が月曜で休館・休園なので、1日早い27日から5日間標識調査をする。考えてみれば、今年は11月1日から休園してるから、11月1日からずーっと標識調査することも可能だったかもしれないが、そこまでする気にならず。レギュラーシーズン通り、年末だけの標識調査にした。モニタリングな位置づけで継続している感じ。
ヒヨドリをターゲットに、大きめの網目の網を、ツバキ園に仕掛けている。予定通りヒヨドリメインで、ついでにメジロが捕れてしまい、その他が稀に捕れる。というのが例年の基本形。
今シーズンは果実は豊作よりの年。少なくともマイフィールドのクスノキでは。クスノキが豊作のシーズンは、北から渡ってくるヒヨドリは少なめ、ついでにツグミも少なめ(少なくとも年が明けるまで)。で、果実はなかなか無くならず、ヒヨドリは冬場に体重を増やさない。そして、そういう年は、標識調査をしてもあまり捕れないはず。
初日の27日捕れたのは、ヒヨドリ3羽、メジロ2羽。28日には、ヒヨドリ1羽、メジロ1羽、キジバト1羽。そして今日29日には、ヒヨドリ12羽。思ったよりヒヨドリが捕れてる。ちなみに27日は風が強く、28日も弱いながらもずっと風が吹いていて、網はずっと膨らんでいた。これでは捕れた方が不思議。今日29日はようやく無風。とたんに捕れだした感じ。朝から見回り5回連続でヒヨドリが捕れていた。あまり捕れない予定で見回りの合間に、いろいろ作業を予定していたのに、一向に作業が進まない。パラパラ捕れずに、ある程度まとまった捕れて欲しい。
今回の標識調査で特筆すべきは、初日夕方に、ジャイアンが再来したこと。調査していることがきちんと伝わっておらず、ヒヨドリがかかってるのを見つけた素人が勝手に外そうとして、網を切ったとのこと。枠の支えの糸を2本も切られたので、その網は使用不能。網を張り替えた。
●2021年12月28日 年末恒例仕事収まらず2021
今年も世に言うところの仕事納めの日がやってきた。年内にすべき仕事は、今日の夕方時点ですべてこなされているはずの日である。今年もまた昨年に引き続き、新型コロナウイルスの影響が大きく、例年とは違う一年だった。でも12月は小康状態を保ったので、年末の様子はマスクをしていて、忘年会がないのを除くと、かつての例年と似た年の瀬になっている。どうせ仕事は収まらない、というのも同じである。
とりあえず、2週間ほど前に決めた今年の目標が、どの程度クリアされたか、という恒例の確認をしたいと思う。この年末は、すでに行事系と講演系とデータ整理系は目標を設定しなかった。というかすでに終わってたというか。
サークル系:2つあげて、両方クリア。
調査系:4つの内2つをクリア。残る2つも現在進行中で年内に終了予定。リストに挙げなかったカラスの巣のチェックは年内は無理そう。
標本整理系:2つあげたけど、年内には終わらなさそう。年明けそうそうには、終わるだろうけど。ってゆうか終わらないとまずい。
原稿系:2つあげて、片方クリア。残ってる方が大事なのだけど、いまだ手も付けてない〜。
サイト系:2つあげて、想定外なことに片方クリア。もう1つは年内は無理。というか当面無理。
雑用系(仕事):2つあげて、すでに両方クリア。
雑用系(個人):2とも残ってるけど、なんとかなるでしょう。
展示系:2つの内、片方は原稿系とかぶるので無視するとしても、もう1つが手も付いていない。年末年始の間になんとか目処を立てないとヤバイ。
というわけで、仕事納めに必要な17項目の内、すでに8項目もクリアしてる。達成率47%。例年と比べると達成率が高めだった昨年と比べても達成率が高い。今年中にあと4項目はクリアするので、5項目残して年を越す予感。一番重要な展示系が進んでいないのがおおいに不安。
【2021年12月31日】
雑用系の2つをクリア。調査系の残る2つもクリア。という訳で、予定通り達成率71%。
●2021年12月27日 2021年末の皮なめし作業
だいたい年末年始の時間のある時、というより部屋を広く占領できる間に、皮を広げて干して、なめし作業をする。というわけで、年の初めのころに処理した皮は、一年近くなめし液に浸かっていたりする。いかにカビを生やさないかが重要になる(生えると洗うのが面倒)。この一年は、きちんと蓋をしたらカビが生えないことが判明した。この一年は冷蔵室への出入りが少なかったからかもしれないけど。
今年の場合は、新型コロナウイルスのおかげで、5月から6月にも部屋を占領できそうだったけど、そもそも3月にしか皮処理ができてなかったし、暖かい季節はいつもと様子が違ったらイヤなので止めておいた。10月からようやく皮処理ができたけど、なめし液に浸ける時間を考えて、10月と11月分しか出さなかった。つまり3月と10月と11月に処理した分だけ。
例年なら、仕事納めの日やその前日に、なめし液から皮を出してきて、洗って、新聞紙の上に広げるんだけど、今年は仕事納め前日の今日も休館日、さらに昨日の日曜も部屋は空いていたので、一昨日の25日の夜になめし液から皮を出した。
今回出したのは、偶蹄類4枚と食肉類4枚、走鳥類1枚の合計9枚だけ。種別だと、テン2枚、イタチ1枚、タヌキ1枚、キョン1枚、ニホンジカ2枚(脚と胴と頭がバラバラ)、ヒツジ1枚、エミュー1枚。
2020年は、31枚だった(食肉類22枚、偶蹄類2枚、齧歯類6枚、ハイラックス1枚)。それと比べると今年の枚数は激減。なめし作業は楽そう。
干して2日目の昨日は新聞を替えただけ。小さいイタチ科3枚は、すでにかなり乾いてる。大きな偶蹄類3枚と走鳥類はまだぜんぜん乾いてない。キョンとエミューは袋になってるので、中に新聞紙を丸めて入れた。
で、今日は偶蹄類2枚と走鳥は新聞紙をほぼ換えただけ(シカの足先は少し引っ張ってみたけど)。キョンの足先はすでに乾き過ぎていて、もう一度湿らせる。タヌキは新聞紙を換えただけだけど、テンの脚は引っ張ってみた。が一部乾き過ぎてたので、湿らせる。イタチはもう完全に乾き過ぎていて、もう一度全面的に湿らせる。
という訳で、小さいのは年内に終わりそう。大きいのは年越しっぽい。シカは微妙だけど、ヒツジは年越し確実。エミューがどうなるかは全然判らない。
●2021年12月26日 2021年末の冷凍室
3年前まで、年末年始の休館の間に、常設展に出ている植物標本を冷凍室に入れて、虫を殺すという年中行事があって、年末には、そのためのスペースを冷凍室に作らねばならなかった。だもんで、クリスマス辺りになにわホネホネ団の活動日をいっぱいぶつけて、大物優先で作業したもんだった。
でも今は、毎年も虫殺ししなくてもいいって話になって、年末に冷凍室を空けろという圧力がなくなった。昨年からのコロナ禍で、なにわホネホネ団が思うように活動できず、冷凍室はしばしばパンパンになっているので、この変化はありがたい。そもそも23日が祝日でなくなり、クリスマス前後の活動日複数設定も難しくなってる。
昨年末は、そもそも12月になにわホネホネ団の活動ができず、ほぼ冷凍室パンパンで年末を迎えてしまった。昨年は、熊本方面から被災した植物標本がやってきていてたという側面も大きい。
昨年末は記録するのを忘れたので、よく判らない。でも、今年の年の瀬は、一昨年末と比べると大幅に後退している。昨日で今年のなにわホネホネ団の活動は終わったので、年末の様子を記録しておこう。ちなみに1テンバコは、おおよそ40cm×60cmの床面積を指す単位である。
冷凍室の奥の方はさておくとして、手前の方を見てみる。
・手前左側の2テンバコは、ほぼ昆虫とキノコが積み上げられている。少し鳥の死体が混じる。
・手前右側の1テンバコは、哺乳類の皮と処理待ちの哺乳類の死体や中身。もう1テンバコは、トリ先生の1箱とハゼ1箱などが中心。
・中央奥側の1テンバコは、鳥の哺乳類が積み上がっている。
・手前中央の1テンバコは、基本空き空間になっていて、今は冷凍燻蒸のホネが入っている。
一昨年末と比べると3テンバコ後退している。
(棚の中身はさておき)埋まっているエリアは、
・処理中の哺乳類の皮:7.5テンバコ
・処理中の哺乳類中身+新着中型哺乳類:1.5テンバコ
・動物園からの鳥+傷んだ海鳥:4テンバコ
・その他の鳥:2テンバコ
・主に昆虫・キノコ:1.5テンバコ
・魚、預かりもの:0.5テンバコ
このカウントには入ってないけど、入口右手前のイタチ類の2テンバコ分の上1/3が魚になった。
鳥類の課題は、動物園から来た大量の鳥と、大量の傷んだ海鳥。
哺乳類の課題は、皮の処理。
というのはここ数年変わらず。来年の末には一昨年末並に押し返したい。そのためには、寒い季節に皮処理、暖かい季節に鳥の処理を多めに設定するのが良さそうに思う。コロナ禍が続くと予定は立たないのだけど…。
●2021年12月25日 なにわホネホネ団 2021年度最後の活動日 今年を振り返って
昨年に続き、今年もなにわホネホネ団の活動は、コロナ禍の影響を受けまくった。2021年にどのくらい活動出来たかをまとめておく。
2021年は、1月〜2月は緊急事態宣言で活動停止。3月にようやく活動を再開できたが、4月に入ってすぐに大阪府には赤信号がでて、終わり頃に緊急事態宣言に移行。その後は9月末まで、緊急事態宣言か赤信号がずーっと出たままだったので活動できず。10月からようやく活動できるようになった。という訳で、活動出来たのは、3月と10月〜12月だけ。活動できない間に、冷凍室がパンパンになっていたので、活動できる月に、活動日を多めに設定した。その結果、
・2021年の活動日数は、
通常活動日:10日
鳥の日:6日
カリカリ団:1日
例年と比べると活動日が圧倒的に少ない。
ちなみに2020年は、4月と5月は活動できなかったものの、6月〜11月は活動でき、あとは12月に活動できなかっただけ。そして、活動できなかった4月〜5月を取り戻すべく、夏から秋に多めに活動日を設定した。その結果、
・2020年の活動日は、
通常活動日:14日
鳥の日:16日
カリカリ団:37日
通常活動日と鳥の日は、例年並みの活動日数を維持した感じ。カリカリ団にいたっては、例年より活動日が多め。
今年の活動日不足は、標本処理スピードの低下とともに、見学希望者や入団試験の大渋滞を招いた。来年は少しは元に戻ってほしい。
●2021年12月24日 ライブ配信に突然はまる
ライブ配信って、講演会的なのやチャット的なののイメージしかなかった。でも、SNSにたまたまナミビアのナミブ沙漠の水場のライブ配信があったので見に行ってみた。面白かった。ライブ配信っていうよりライブカメラの映像が延々と流れてるだけ。でも、リアルタイムで、遠いアフリカの地で、今ウロウロしてる動物たちの姿が見られる。とても楽しい。
勢いで、そういう自然系のライブカメラのライブ配信を探してみると、水場を撮したライブカメラ以外に、鳥のエサ台のライブカメラがけっこう見つかる。南アフリカ、ドイツ、チョコスロバキア、アメリカ合衆国や南米にも何ヶ所か。その他に鳥の巣にライブカメラを仕掛けた類もある。ハチドリの巣とか、水鳥の巣とか、タカの巣とか。楽しい。
ただ、日本の夕方から夜の早い時間帯だと、南北アメリがは夜で何もいない。一方、ヨーロッパやアフリカは昼間で、いろいろな動物がやってくる。ナミブ砂漠の水場は、オリックスが占領しているのを、遠目にダチョウが見ていて、隙を見てダチョウがやってくる。ときどき、シマウマとか小型のレイヨウもやってくる。入れ替わりがあって、常に何かいるので楽しい。
けっこう見てしまう。ナミブ砂漠の水場に来る哺乳類は割と見たら判るんだけど、南アフリカのエサ台に来る鳥は、いつも種類が多くて、それでいて見慣れなくて、種類が判らず。いまいち楽しくない。ヨーロッパのエサ台は、日本にはいないけど、種類の判る鳥ばかりなので楽しい。北アメリカの水辺は、名前の判る鳥ばかりで楽しい。ハチドリは何種いるかも判らないけど、ただ楽しい。
ただ見てるのも楽しいけど、データとって研究できるかも、なんて思ってしまう。少なくとも地鳴きや行動、個体変異を知るという意味で勉強にはなる。
【追記】
時差があるので、ライブカメラが楽しめる時間帯は限られる。朝は、ヨーロッパやアフリカは夜。鳥は何もやってこない。哺乳類は少し活動してる。アメリカも夜なんだけど、合衆国西海岸は夕方で鳥の様子が見られる。
午後になると、ヨーロッパやアメリカの朝の様子が見られる。
アメリカ大陸の大部分は、深夜帯でないとライブカメラが楽しめない…。
●2021年12月22日 web広告元年 お試し報告
先月のシンポジウムでは、たまたま予算があったので、SNSを使ったweb広告を試してみた。FacebookとInstagrum。その報告があった。
分野のカテゴリーを選んで、そうしたものに興味のある層に、表示されるもんらしい。残念なことに、自然史博物館とか、博物館学とか、観察会とか、普及行事とかいったカテゴリーはなく、生き物系もピッタリフィットするのがなかった模様。自然保護・環境保護系のカテゴリーは選び忘れたらしい。結果的に内容はそっちよりだったけど、あらかじめはあまり目立たなかったからなぁ。
とりあえず、シンポジウムの10日前くらいから表示されて、表示回数や、表示を見てクリックした回数が示される。一番重視されるのはクリック回数らしく、クリック単価というのが示されるのが面白い。クリック単価が80円ってちょっと高すぎだと思う。
クリック単価の様子を見ながら、日々表示戦略を変えてくれるもんらしい。だからクリック回数の時間変化自体にあまり意味がないのが、少し不満。どのタイミングでの表示が効果的かが一番気になるのに!
クリックした性別・年齢層・居住地などなどの属性が示されるのは面白い。傾向は、FacebookとInstagrumで大差なく、Instagrumはさすがに若い層のメディアらしく、高年齢層にアプローチできていない。でも、全体的には高年齢層の方が、表示されるとクリックする傾向があったのが不思議。
ちなみにweb広告の表示は、一種の入札性なんだそうな。我々が見てる広告は、落札に成功した選ばれし(あるいは多くの金を払った)広告なんだなぁ。
で、お試しの結論としては、投入金額の割に、今回はあまり効果はなかったと思う。もう少しフィットするテーマでweb広告をうった方がよさそう。単発のイベントよりは、一定期間開催される特別展とかかなぁ。
●2021年12月21日 大阪湾岸のカモメネタで原稿3本
今年は、大阪湾岸から瀬戸内海の水鳥、ってゆうかカモメ類ネタで終始した感がある。4月に大阪湾岸のカモメ類ネタでセミナーをやった。9月は大阪湾岸と播磨灘岸のカモメ類ネタで鳥学会大会で発表。10月は瀬戸内海全体の水鳥ネタで再びセミナー。
大阪湾岸→播磨灘岸→瀬戸内海沿岸の水鳥は、8〜10数年前にけっこう時間をかけて調べたんだけど、データ量が多すぎて、長らくお蔵入り状態。データを入力して整理しなくちゃと、ずっと思っていたけど、手をつけられていなかった。が、幸か不幸かコロナ禍で、行事とかがなくなりまくり、週末中心にけっこう時間ができた。今やらないと、もう二度とできたい。とばかりに、あえて発表の機会を設定して、それに向けてデータ入力を進めた。おかげでなんとかデータ入力と、簡単な整理、分布図の作成が終わった。
あとは、ちゃんと論文にまとめるだけ。せめてデータペーパーとして残したい。
論文は書いてないけど、なんやかんやであちこちで話したもので、年末に原稿依頼が3本。大阪湾岸のカモメ類ネタでという、同じような内容の依頼だけど、同じことを書くのはイヤ。ってことで、微妙に内容をずらした。
◆B誌には、大阪湾岸のカモメ類の分布の季節変化。イカナゴ漁の関連をまじえて。
◆M誌には、過去20年ほどのカモメ類の個体数の減少の話題。サークルで調べた結果を中心に。
◆M誌に持ってる連載では、内陸部へのユリカモメの飛来数が減少した話に絞った。
1本目は11月末、2本目は先週、3本目は今日書き上げた。って中、1本目と2本目の校正が今日やってきたので、勢いで相次いでやっつけた。と思ったら、3本目の校正もやってきた。仕事が早すぎるやろ。
なんかカモメ類の研究者のような一年だった。カモメ類は、学生時代の京都鴨川のユリカモメを数えていた頃からの趣味っぽいんだけど。
●2021年12月20日 カワウが繁殖期に突入した後に、繁殖地に戻ってきたアオサギの気持ち
カワウやアオサギは、規模の大きな繁殖コロニーほど、繁殖開始が前倒しになっていくという話がある。良い場所をめぐる競争が激しくなると、先手先手を打とうとする。と考えるとなんとなく納得できる。本当かどうかは知らんけど。
毎月見て回っているため池の中では、規模の小さな大泉緑地の池の繁殖コロニーは、まだまだ繁殖を始める気配もないけど、規模の大きな大津池では、先月からカワウの繁殖が始まっており、今日はかなり盛り上がっている。先月から営巣をはじめていた巣にはすでにヒナがいるし、多数派は今巣をつくりまくっている。巣材を運ぶ個体が行ったり来たりするので、とても賑やかな感じ。
と、カワウの多数派はすでに繁殖地に戻ってきて、繁殖モードに入っているけど、サギ類の繁殖期はまだまだこれから。繁殖期を前倒ししがちで、サギ類の中では一番繁殖期の開始が早いアオサギですら、繁殖を始めるのは、年が明けてから。つまりすでにカワウに場所を押さえられた後ってことになる。
先月はほとんどアオサギの姿はなかったが、今日は数羽が島に戻ってきていて、地上に立っている。まだ営巣どころか、ペアにもなっていない。まあ早めに繁殖地に戻ってきて、営巣場所の下見ってことだろうか。すでにカワウに場所をいっぱいおさえられてる中で、なにを思っているのだろう? 営巣場所の好みは、カワウと似てるはず。もう良い場所はとられちゃったなぁ、なんて思ってるのかなぁ。ぼんやり立ってるアオサギを見ると、そんな台詞が似合いそうに思った。
●2021年12月19日 視覚障害な方のなにわホネホネ団見学
今日のなにわホネホネ団には、視覚障害な生徒さんが見学に来られた。見学を了解した時、迂闊なことに、視覚に障害があるとは全然気付かなかった。※※支援学校の先生から、生徒が見学を希望しているというメールを頂き、※※に“視覚”という文字が入ってるのを見落とし、先生もそういうことは一切書いてなかったもので…。支援学校だからなんか配慮がいるんだろうなと思っていたけど、来られて、目が見えないってことに気付いて驚いた。でも、ホネホネ団的にも博物館的にも、そういうの一度してみたい、というのがあったので、渡りに船的な。
来られるまで気付いてなかったから特別な準備はなし。とりあえず他のメンバーに、見えないので、刃物に注意するようアナウンス。そして、団長が中心になって、いろいろ案内してくれたので、こちとらは全然楽というか、あまり働いていないというか。
たまたまトラの頭骨を出していたので、触ってもらったのだけど、鼻孔の中に指をいれそうになって慌てた。そこだけは触られると壊れる。この時も団長の対応が上手で、ここが頭頂で、と手を誘導して触ってもらって、ここが鼻孔で、鼻孔の中には壊れやすい骨があるから、指を入れないで、と説明。なるほどそうしたら、いいのか。
あとは特に問題なく、できるだけ触れるものに触ってもらうという形で、それなりに楽しんでもらえたかと。少し悩んだのは、手袋してたら触覚的にどうなのかな?という点。衛生上、手袋を付けて触ることにしてるけど、触った後、手をきちんと洗えば大丈夫な気もする。
たぶん見学に来られた生徒さんのキャラのおかげもあるんだろう(明るくて、積極的で、でも慎重で、注意したらちゃんと言うことをきいてくれた)。全体的にスムーズ。少し説明多めにして、触れるなら、誘導して触ってもらう。中学生も熱心に説明してくれていた。ただ、その説明は見えないと判らないんじゃ?というのもあったけど。初めてならこんなものだろうし、交流が増えればもっとうまく出来るようになりそう。
なにわホネホネ団への見学となれば、作業参加がつきもの。視覚障害な方の作業への参加は今後の課題。ホネのクリーニングならできそう。ハサミを使えば、肉の除去もできるかなぁ。でも、メスを使っての皮剥きはどうなんだろう?
という訳で、できればまた来て欲しい。
●2021年12月18日 膃肭臍vs海驢
間近にじっくり見たのは初めて。基本的には海驢と同じ感じ。でも、微妙に海驢と違って面白い。比較したら面白かろうと、隣に海驢の皮を用意したのは卓見であった。
比べた結果はこんな感じ。
膃肭臍の方が、
・エルフみたいな耳が長い。
・尻尾はやや短めで、細め。
・後肢の爪から先が長いかも。
・眼は大きいと思う。
・顔は丸顔で可愛い。これは年齢の違いかな?
・毛足は少しフワフワ?
・前肢にも爪はないけど、爪の穴がある。海驢にはなかったような。
・下半身(前肢より後ろ)が短い?
・切歯が変。下側が2列になってる!と思ってよく見たら、真ん中に溝があって、上側がそこにはまる。そんなにしっかり噛み合わせて何がしたいのだろう?
とにかく全体的に言えば、膃肭臍の方が可愛かった。でも、それは今回処理した膃肭臍が子どもだったからってだけかもしれない。
●2021年12月16日 今年の目標2021
今年もいよいよ半月を残すだけになった。ということは、現実的な目標を立てるタイミングである。
昨年と違って、年末年始に緊急事態宣言はでないで済みそう。昨年は年末に大慌てで、年始のリモート博物館実習の手配をしたけど、今年は穏やかに年が越せそう。
と思ったら、そうでもなさそう。
【講演系】なし
【データ整理系】なし
ここらは穏やか。
【行事系】すでに終わった。のんびりリモートの海の向こうの見聞録を拝聴して、リモート懇親会に出る程度。
【サークル系】
・なにわホネホネ団の活動日がまだ3日残ってる。
・読書サークルの会合。
【調査系】ハッカチョウセンサス以外、全部残ってる。
・ため池
・大和川
・公園の鳥のセンサスと果実のチェック
・鳥類標識調査(年末恒例)
【標本整理系】なにわホネホネ団の活動が3日ある以外には、
・なめし液に入ってるのを乾かす。最後に大物処理したから、けっこうある。でも1週間浸けただけのは来年回しかなぁ。
・表で干してるラクダの皮の世話。
【原稿執筆関係】
・某野鳥の会大阪支部の連載(12月20日締め切り!)
・来年春の「日本の鳥の巣と卵展(仮称)」の解説書。これが何より大事。
【HP系】
・日記の完成(10月、11月、12月に書き切れてないのがある)
・読んだ本の紹介文(今年の書けてないSFをなんとかする)
【雑用系】
・いろいろ本の在庫調べ
・学会の来年度会費の支払い
・家賃の支払い
・年越しそばと雑煮の準備
【展示系】
・すでに書いたように解説書を執筆。書き終わらなくても方針を固める必要がある。
・展示プランの大枠を確定させる。展示物リストと配置を決める。
例年とは全然違って、とにかくこの年末は(年始も)来年4月末にスタートする特別展の準備が最優先。
●2021年12月15日 日本の鳥の巣と卵展(仮)の図書館巡業の展示
明日から展示なので、今日の夕方から慌てて展示作り。午後4時半頃から作業はじめて、途中会議で2時間ほど中断して、出来上がったのが午後11時半。1ケース分程度なのに、5時間もかかった〜。
とりあえず鳥の巣と卵と銘打ってるので、巣と卵の展示かな。そういえば昔、タマゴとタネの特別展の時、身近な鳥のタマゴセットを作ったっけ。ってことで、身近な鳥のタマゴを取り出す。ハシブトガラス、キジバト、ヒヨドリ、ムクドリ、ツバメ、スズメ、シジュウカラ、メジロ、カワラヒワの9種セットで、ちょうどドイツ箱1つに配置できる。当初カラスの卵がドイツ箱に入るか危惧したけど、杞憂であった。これに、ドバトはキジバトの卵そっくりで一回り大きい、ハシボソガラスはハシブトガラスの卵そっくりで一回り小さい。と説明をつければ、完璧じゃね?
問題は、巣の方。卵が身近なら、巣も身近なのかな。スズメやムクドリの巣はゴミにしか見えないから、樹上の巣って事にしよう。でも、カラスやキジバトは大きすぎるので断念。小さめなん。シジュウカラの巣は穴の中とか説明が面倒、エナガの巣は枝付きしか手元になく、大きすぎ。ってことで、ヒヨドリ、メジロ、カワラヒワをセレクトした。ってゆうより、メジロ姐さん用にキープしてたのが手近にあったので、そこから出してきた。
あとは、大阪市内で繁殖する鳥のリスト、市街地の鳥の解説、日本の鳥の巣と卵展の宣伝(小海途さんの紹介付き)のパネル3枚を用意して準備完了。
問題は、これを自転車でどうやって持っていくか。
●2021年12月14日 鳥の巣ハウスツアー コレクターさんの解説付き
来年4月〜6月の特別展の打合せで、日本一の鳥の巣コレクターさんのお宅にうかがった。前回、同じコレクションで鳥の巣展を開催したのは、2003年。それから18年。コレクター歴は約60年ということなので、2003年と比べるとコレクター歴はざっと1.5倍、どうもコレクションの量もおおむね1.5倍くらいになってるように思える。前回も並べるの大変だったけど、今回はその1.5倍かぁ。とまあ、運んで展示するのは大変そうだけど、ご自身の解説付きで見せてもらうのは楽しい。以前伺った時は、一軒屋の2階に整然と収納されていた鳥の巣が、2階の足の踏み場が少なくなるほど詰め込まれ、1階にも進出していた。
運んで展示することが頭の片隅にあるので、素直に喜べないのは、巨大なミサゴの巣。鉄塔につくられていた巣の下には、鉄塔の一部だった鉄骨が付いてるんですけど…。新作の巣も紹介してくださる。ジョウビタキの巣は、セキレイみたい。と思ったら、巣場所もキセキレイそっくりとのこと。カラアカハラの巣は、泥でつくって、枯草をつけてあるらしい。ダイサギの巣が思ってた以上に大きくて驚いた。噂のハヤブサの巣も見た。
特別展では、昔の大阪で繁殖していた鳥の話もしたいと思ってる。という訳で、いろいろ水を向けて、昔の鳥の話を伺う。市街地周辺では、昔多かった鳥は、スズメ、ツバメ、トビ。どれも減ってしまった。昔大阪府南部の山林で多く繁殖してたのはトビとサシバ。どっちも減って、一時期はオオタカが入れ替わって増えた。トビ、サシバ、ハチクマは随分減ったが、クマタカはあまりかわってない。大阪府のツミの営巣環境はクマタカと同じ。一頃、ツミが少し増えて、よくクマタカにモビングしてたが、今では減ってしまった。
やはり、昔の鳥の様子をいろいろ知ってはる。この知識をなんとか残したい。
●2021年12月13日 ドバトとカワラバト、どっちの呼び方が正しいの?
てな質問を受けた。どっちでもいい。というのが答えになるんだけど、いろいろ書いたので記録しておこう。あと少し気になる点にも気付いた。カナリアやセキセイインコは、品種改良されたいわば家禽だけど、原種名のまま呼んでる。少なくとも日本では。日本では混乱おきようがないからいいけど。原産地ではどうなんだろう?
事実関係として押さえておくべきは、
・カワラバトを家禽化したのが野生化したのがドバトなので、種の学名はどちらもColumba liviaです。
・学名は命名規約という決まりに従ってつけられますが、和名のつけ方に決まりはありません。
したがって
・生物学的にはカワラバトとドバトは同種です。
・ただし一度家禽化されているドバトは、原種のカワラバトと遺伝的には違います。その違いは種レベルの違いとされていないだけです。種より下の変種というレベルで分けて、ドバトに対してColomba livia var domesticaという学名を用いることがあります。
という訳で、とりあえず結論は、
・カワラバトと呼んでもドバトと呼んでも、別にどっちかが間違ってる訳ではありません。日本の鳥の標準和名は、日本鳥学会が日本鳥類目録で決めています(みんなが同じ種を違う呼び方するとややこしいから定めてるのが標準和名です)。最新の改訂第7版にはカワラバト(ドバト)とあって、ここでもどっちでもいいことになっています。
個人的見解を言えば、家禽や家畜を原種名で呼ぶのは、無用の混乱を招くことがあり、少なくとも和名では、原種と家禽・家畜由来の動物は別の名前を付けて区別することが多いようです。私もその方がいいと思います(外来生物問題を議論するときも混乱が少ない)。
野生のマガモと、家禽由来のアヒルやアイガモは同種ですが、和名を分けたいというのと同じです。バリケンの原種は、ノバリケン。ジュウシマツの原種はたぶんコシジロキンパラ。
ついでに言えば、イヌをオオカミ、ネコをリビアヤマネコと呼んだらややこしい。
ということを考えると、ドバトという呼び方はすでに定着しているので、私はドバトと呼ぶ方がいいと思います。でもカワラバトと呼ぶのが間違いではありませんし、日本でなら、何を指しているのかは分かるので、問題ではありません。野生のカワラバトがいる地域では、やはり分けて呼びたいかも。
●2021年12月12日 年に一度の化石探し
今日は、中高生と和歌山方面で化石採集に行った。
2000年度に中高生限定の行事シリーズ的な感じで、ジュニア自然史クラブを立ち上げた。コロナ禍さえなければ、毎月なにかしら活動してきた。で、なぜか最初の年度から12月は化石探し。毎回、ジュニア自然史クラブの活動についていってるので、この22年間、毎年12月には化石探しに行ったことになる。他に化石探しに行く機会はまずないので、これが我が化石探し歴のほぼすべて、どこに行ったことがあるのか振り返ってみた。
2021年12月 和歌山県湯浅町
2020年12月 →緊急事態宣言で中止
2019年12月 大阪府泉佐野市
2018年12月 三重県大山田町
2017年12月 和歌山県湯浅町
2016年12月 三重県大山田町
2015年12月 大阪府泉佐野市
2014年12月 滋賀県湖南市
2013年12月 大阪府泉佐野市
2012年12月 兵庫県神戸市
2011年12月 大阪府泉佐野市
2010年12月 大阪府岸和田市
2009年12月 和歌山県湯浅町
2008年12月 兵庫県神戸市
2007年12月 大阪府貝塚市
2006年12月 大阪府泉佐野市
2005年12月 大阪府貝塚市
2004年12月 兵庫県神戸市
2003年12月 大阪府泉佐野市
2002年12月 兵庫県神戸市
2001年12月 和歌山県湯浅町
2000年12月 大阪府泉佐野市
当初は、和泉層群の貝化石と、神戸層群の植物化石を交互に採りに行く合間に、湯浅に行ったり貝塚や岸和田で行ける場所があれば行ったり。でも2012年以降、神戸層群で葉っぱ化石採れる場所がなくなって、あとは滝の池の合間に伊賀か湯浅を混ぜるようになった感じ。また葉っぱ化石も採りに行きたいな。
●2021年12月11日 リモート懇親会の練習
年末にリモートの懇親会を企画中。参加者がどのくらい集まるかよく判らないけど、とりあえずホスト側の操作の仕方を確認すべく、今日練習があった。リモート懇親会の練習だから、てっきりみんな飲み食いするのかと思ったら、だれも何も食べてなかった。
基本はZoom呑み会。人数が少なければ、メインルームだけでいいけど、とりあえずブレイクアウトルームをいくつか作っておいて、移動して話もできるように。人数が多ければ、それぞれが違う部屋に入って、各部屋でテーマごとの話題を展開する。昆虫とか、植物とか、ホネとか、鳥とか。というザクッとした設定。
で、練習は、ホスト担当がブレイクアウトルームを作って、みんなを移したり戻したりする。そして、スタッフの参加者が、ブレイクアウトルームへの出入りを試す。そこからかい!って感じがするけど、実際そこからだったし、それだけだった。
もっと、各ブレイクアウトルームでのテーマ設定とか、進め方とか打合せなくていいのかなぁ。
●2021年12月10日 午後の健康診断
年末はなんとなく健康診断の季節。例年は午前の日程を選ぶのだけど、今年はあまり時間を気にしなかったら、午後2時からになった。受診の10時間前から絶食とのことで、前日の夕食はゆっくり食えたけど、当日は朝食も昼食も抜きになって、けっこう腹減りが辛い。低血糖で気分が悪くなったら、どうしてくれるんだ。てなもんで、来年からは、やはり午前にしようと決意した。
ちなみに腹減り以外にも午後の健康診断には問題がある気がする。まず腹減りと微妙な緊張で午前は仕事にならない。ってゆうか、そもそも年休にして、ゆっくり寝てしまった。さらにこの10年以上にわたって、ずーっとキープしていた身長170cmが途切れてしまって、なんと165.5cm。悔しい。やはり朝一番に計らねば。
一方、ここ数年は、心電図で必ず不整脈が出てて、昨年と一昨年は不整脈頻発と言われたのに、今回は不整脈が出てなかった。もしかしたら午後だから? 不整脈は朝多いの? 測定時間が短くて、たまたま拾わなかっただけかもしれないけど。
ともかく、例年午前なら、ずっと午前にしないと、データにいらん変数が入ってしまう気がする。というわけで来年は午前ね。
●2021年12月8日 ハッカチョウの非繁殖期の群れの行方
ハッカチョウの一年の暮らしは、大ざっぱに言えば、繁殖期はペア単位で暮らして、非繁殖期は群れで暮らしてるように思う。繁殖期は集団営巣っぽいこともあって(むしろそっちが多い?)、その場合は繁殖期でも集団で採食しているのを見かける。非繁殖期は、巣立った子どもがいつまで一緒に活動しているのか判らないし、いくつのペアが一緒になって活動しているのかも判らない。
でもまあ、繁殖地と、非繁殖期に群れがいる場所は少しずれていることが多い。繁殖地は、ムクドリと基本的には同じ。非繁殖期の群れは、どっちかと言えば、河川敷、農耕地、港、上下水道施設といったけっこう開けた場所にいるように思う。非繁殖期は集団ねぐらを形成する(ことが多い?)ので、その位置との関係もありそう。
ともかく、繁殖地を把握したいのと同時に、非繁殖期の群れがいる場所も押さえたい。繁殖期は囀ったり、エサを運んでウロウロするので、目立つといえば目立つけど、散らばるので全容がよく分からない。非繁殖期の群れは、集団なので飛んでいても目立つし、声も見つけやすい。でも、いるのが局所的。
どちらかだけでも押さえたら、もう片方も押さえられたらいいのだけど、それが今のところ難しい。そこで気になるのが、非繁殖期の群れがいる場所の、営巣地からの距離。残念ながら、知る限りで両者の距離が判る情報が少ない。大阪府内で言えば、泉佐野市のりんくうタウン駅前で営巣しているペアは、田尻港に合流してるんじゃないかなぁ。淀川の長柄橋や塚本鉄橋で営巣しているペアたちは、その中間辺りの十三辺りにいる気がする。距離にすると、どちらも1.5km〜2km程度。こんなもんなんだろうか?
なんてことが気になるのは、いま調べている奈良県と京都府のハッカチョウのこと。奈良県は繁殖地は少なくとも1ヶ所おさえたのだけど、冬は見つからない。京都府は宇治川沿いの繁殖地を1つ教えてもらってるのだけど、これまた冬は見あたらない。非繁殖期の群れの所在を知りたい!
●2021年12月7日 2022年度の行事の方針
来年度の行事を決める会議が終了。おかげさまで、2023年3月までの日程がうまった。本当にうまった。もう来年度の週末の予定は9割方決まったも同然。用事を頼まれてももう遅いのであしからず。まあ、この2年の傾向が継続するなら、半分くらいの行事は中止になりそうな気がするけど。
という訳で、この2年間、コロナ禍の影響を大きく受けてきた。そのため、行事を決める際の方針もその影響を受けている。大きな配慮事項は次のような感じ。
・講演会系は、原則リモートあるいはハイブリッド。
・その他の実習系など館内や博物館周辺での企画は、リモートへの移行の可能性を考えておく。
・対面行事ができなくても、リモートで実施できる行事をストロングに入れておく。
・かといって、できるだけ対面での野外観察会はできるだけ実施したいので、企画数は減らさない。
・野外行事は、バスでの長時間移動をだける。
・行事全般、できるかぎり半日行事にして、昼食を避ける。
・人数コントロールのため、原則として申込み制。
はっきりいって、コロナ前以上に負担は増えている。この2年は幸か不幸か対面行事が全面中止の期間が数ヶ月あったけど、もし一年通じて対面行事が実施できたら、行事負担はかなり高くなりそう。でも、この2年間の分を取り戻したいしなぁ。
個人的には、来年度は特別展を抱えているので、その期間である5月〜6月は関連行事が入って、子どもワークショップも担当なので、とても忙しくなる。そして、秋に3年ぶりの大阪自然史フェスティバルが実施できるかが気になるところ。
●2021年12月6日 博物館活動における内と外
博物館の活動は多岐にわたる。およそ30年近く前までは、すべてのスタッフを内に抱えていた。その後、業務委託の流れができた。人件費として内に抱えるのではなく、委託費にすることで、人件費支出を減らした振りをするのが流行った。その延長線上に、指定管理制度や独立行政法人などの方策が出てくる。
経済的な理由、あるいは表向きを取り繕うために、なんでも外に委託してしまう。というこの20年ちょっとの間に蔓延している風潮は糞食らえ。
だけど、どこまでのスタッフを内にかかえるか、どこからを外に投げるか。という問題は、別の角度からも考えることができる。すなわち、博物館活動を拡げる、すなわち本来の博物館のミッション(自然史博物館なら自然史科学の普及発展に貢献する)という視点。その視点からも、すべてのスタッフを内に抱えるのがベターとは限らない。とある事業の検証委員会に参加していて、そんなやり取りを耳にした。
特定の博物館だけに所属しているスタッフは、視野が博物館内に限定されがち。一方、さまざまな博物館で活動しているスタッフは、それだけ色々な視点を持っているし、さまざまなソリューションを目の当たりにする機会がある。それだけ広い視野を保てる可能性がある。これが人材面のメリットだろうか。
また、特定の博物館で作られたソリューションや成果物を、他に拡げたい時にも、さまざまなステージで活動しているスタッフや組織の方が、うまくやれる可能性がある。すなわち影響を拡げられる。これが普及教育面でのメリット。
ガバナンスや責任をきちんと維持しつつ、拡張性も確保する。その視点から、どこまでを内に抱え、どこからを外に出すべきかを考える必要がありそう。もちろん、内に抱えるスタッフの質、外のスタッフ・組織の方向性のコントロールがマスト。
●2021年12月5日 淀川河口のカワウの大群とカモの小群?と思ったら
淀川河口と神崎川河口に鳥を見に行った。昨年、大阪湾岸カモメ類調査の時に、カモ類も数えたのだけど、10年前と比べての少なさに衝撃を受けた。で、今年も少ないのかを確認にいった。
結論からいうと、神崎川河口にはほとんどカモはいなかった。そういう意味では昨年度の冬と同じ。しかし、神崎川河口からはるか遠く、中島川河口にはホシハジロが中心にたくさんのカモが浮いていた。1000羽以上は浮いてる。阪神高速湾岸線の橋脚で隠れている部分にも、同じように浮いてるとすると3000羽はいるんじゃないかな、と思う。大阪湾の湾奥部から1000羽を超える規模のカモは姿を消したんじゃなくて良かった。
淀川河口側はというと、ヒドリガモやオカヨシガモ、ホシハジロを中心にパラパラとカモはいるけど、あまり多くない。カンムリカイツブリやオオバンは多い。
ふと見ると、中島川河口の方からカワウの大群が飛んでくる。そして淀川河口の湾岸線の上流側に降りていく。出だしはあまりきちんと評価できなかったけど、途中から飛んでくる個体数をザクッと評価してみた。次から次へと途切れず、ずーっと続く。一段落した時点で、控えめに言っても5000羽は超えてる、でも10000羽には達しない。ざっと7000羽前後はいたんじゃないかと思う。こんなカワウの大群は初めて見た。大阪湾岸にこんな大群がいるとは思わなかった。中島川にいたのかな?
しばらくして、ふと淀川河口の方を見たら、全部いなくなっていた。いったいどこに行ってしまったの? あんな大群がいられる場所っていったいどこ?
●2021年12月4日 植物園案内鳥スペシャル
植物園での植物の観察会の鳥スペシャル。鳥と植物との関係を語るお仕事。ここ数年、冬場に1回担当することになっている。でも今年度は11月から植物園は工事のために休園中。なので、開催場所も植物園の外。植物園でも植物でもないのに、植物園案内。へんな感じ。
植物園内にはなんだかんだ言って、液果を付ける樹種も多く、話すネタはいろいろある。当日に下見して、適当に本番で喋るだけ。しかし、植物園の外にどんな樹種があるかというと、ウロウロはしてるけど、そんな目で見たことがないので、よく分からない。
という訳で、10月に植物担当学芸員達が、植物園案内の下見の下見に行くというのについていった。おもいがけない樹種にいろいろ出会えたけど、鳥との関係を語るという意味では、かなり厳しい感じしかない。
心配過ぎるので、11月の植物園案内にもついていってみた。来月ナンキンハゼが残ってないとすると、クスノキとイヌマキしかネタがなさそう。ますます心配。
という中、今日を迎えた。もうなるようにしかならない。と開き直った感じ。
午前中は下見。博物館実習生が3人ついてきてるので、良いかっこしたいところだけど、それどころではない。果実は出だしにノイバラ、ナンテン、クロガネモチがあるので、赤い実の話はできそう。思いがけなくナンキンハゼの実が残っていたし、そのそばのクスノキともども枝落としの話ができそう。イヌマキの実は残っていて、宣言鳥の話は持ち越したので使える。その近くにヘクソカズラが実を付けてる。これもいけそう。…。もうネタがない。ドングリ落ちてるけど、鳥は関係ないなぁ。先月も見たヤシの実があるなぁ。あのフェニックスは果実を付けてる!と見に行って、その側でアキニレもあるなぁ。なんとかなるかな。
というので、本番を迎えた。クロガネモチで果実の味の話や、赤い実が必ずしも鳥に好まれる訳じゃないって話。ナンキンハゼの実をちょうどカラスが食べてたので、その話と枝落とし。続きでクスノキの枝落とし、そして食べこぼしの話。イヌマキは種子の根元の甘い部分をねらって呑み込まれる話。ヘクソカズラの種子の保存と変色の話。フェニックスの果実を見て、アキニレはカワラヒワの冬の主食だって話。なんとか1時間半をこなせたかも。
植物園案内・動物編の鳥の観察は、植物園外では無理と判断して、大泉緑地公園にシフトした。どうせ申込み制なのは一緒だから、場所は変えてもこちらの手間は変わらない。今日ウロウロしても、たいした鳥には出会えなかったので、場所を変えて正解。
●2021年12月3日 大学生50人を引き連れて展示見学
ここ数年、12月上旬に担当している近所の某公立大学の博物館学的講義の現地見学会。登録者数は年によって多少するんだけど、今年の登録者数は53人という。昨年もそのくらいの登録者数で、2班に分けての実施を計画していたけど、実際に来たのは30人弱。結局2班にはわけなかった。なので、今年もそんなもんだろうと思っていたら、52名も来てしまった。でも、2班に分ける用意はしていないし、そもそも閉館まで1時間ちょっとしかないので、2班に分けてやる時間的余裕もない。やむなく、まとめて展示解説ツアー。でも、そんなに多いと、説明が聞こえるわけがないから、
・自由に展示を見てて良い。
・なんなら最初にコミュニケーションカードを渡しておくし、キーワードも教えるから、それで適当に作文して提出して帰って良し。
って毎回ゆうのに、みんな最後までゾロゾロ着いてくる。真面目なのか、こっちを信用していないのか。幸いこの季節は平日にほとんど来館者はいないから、他の入館者にさほど迷惑にはならない。と思ってたら、今日は第5展示室に親子連れがおられて、大学生軍団に入口をふさがれ困ってた。と思ったら、隙をみて脱出されてた。申し訳ありません。
一昨年までは第5展示室だけで語っていたのだけど、他の展示室も交えた方が話しやすいんじゃ?と博物館実習での経験からそう思って、昨年は、第3展示室と第5展示室で語った。第3展示室はネタはあるけど、テーマ的に第5展示室とかぶり気味。なので今年は第1展示室と第5展示室で語った。
第1展示室で、メンテナンスの話。第5展示室で来館者対応というか来館者とのコミュニケーションというか、展示物の破壊というか、展示物の危険性というか、展示効果の話。
今年のキーワード設定は、メンテナンスと来館者。
【追記】
出欠代わりに学生に書いてもらうコミュニケーションカードには、例によってメンテナンスの視点は新鮮とか、現場の生の声が聞けて良かった。といったいつもの感想が並んでいた。
そんな中で、展示物のメンテナンスを(少なくとも展示コーナー内は)学芸員が行うとは知らなかった(業者発注と思ってた)という意見があって、そういうもんか〜、と思った。
展示する標本は劣化するので、常設展に本当に貴重なものは出せない。と説明したのだけど、だとすると本当に見たい貴重は標本は特別展にしか出てこないから、特別展には行っても、常設展には行かなくなるという指摘があった。その通り。
ということで、この2つが満点の5点。他はキーワード書いてたら4点。キーワード書いてなかったら3点。
●2021年12月1日 2021年11月のまとめ ホネホネに明け暮れかけたらフェス代替シンポ
ようやく緊急事態宣言明けて1ヶ月。まだ穏やかな状態が続いているけど、いつまた新規陽性者数が増えるかもしれない。月末には新たな有力変異株も登場したし。ってことで、できるうちにやっておかねば、とばかりに、月初めになにわホネホネ団3連発、後半にも3連発。けっこう処理が進められてよかった。そして月末には中止になった大阪自然史フェスティバルの代替シンポジウム。いろいろ手抜かりはあったけど、どうにか終わって良かった。12月も対面で活動できるといいなぁ。
そんな2021年11月を振り返ってみよう。
ルーティンのため池調査、大和川調査は無事終了。と思ったら、少し忘れていて、12月1日に完了した…。
奈良県1コースと京都府2コース(1日で調査したけど)のハッカチョウセンサスも実施。
地元公園の鳥のセンサスと果実チェックを実施。幸い工事の影響は受けずに済む様子。
ホネホネ団の活動は、すでに書いたように、哺乳類の日3日と、鳥の日3日。冷凍室は少しましになった。
担当の普及行事は、ジュニア自然史クラブと鳥の調査の勉強会。
大阪鳥類研究グループの観察会で、甲子園浜へ。
講演は、大阪自然史フェスティバル代替のオンラインシンポジウムで、イントロと事例紹介。あと、今月も幼稚園児相手にクジラの話を少々。久しぶりに対面の博物館実習で、オリエンテーションを2回やった。
お隣県の博物館に視察にいった。
委員会関係はなかった。
査読はなし。論文執筆とは言えないけど、外来生物リストの自然誌研究の原稿をさっさと提出した。頼まれ原稿が3本あって、月末締め切りだったけど間に合わず。
来年の鳥の特別展の準備は、大まかなプランを立てたけど、普及講演会を1本決めたけど、解説書には手を付けられなかった。
とまあいろいろあった中、今月読んだ本は、自然史系3冊と、SF10冊。
完全休養日は2日。
●2021年11月30日 博物館実習 2021年追加の専門コース オリエンテーション
今日から6日日程で博物館実習がスタート。大学生が2人。通常枠ではなく、専門分野を持った学生を、担当学芸員が引き受けるパターンの枠。専門コースと言っておこう。今回は2人いるのが多いくらい。2人いるので、いつもの専門コースと少し違う。
ともかく初日の今日はオリエンテーション。11月2回目の対面でのオリエンテーション。次回のために今日のスケジュールを記録しておく。
09:30 博物館実習スタート 出欠取って、資料を確認して、名札を作らせて、友の会に入会させる。
神戸大学理学部の事務室は変で、なぜか地学系した博物館実習を手配しない。という点を、生物系の二人にディスる。
09:50〜11:305 博物館の間取り、沿革、事業内容(研究、資料収集、展示、普及教育)、友の会・サークル・ネットワークなどの説明。博物館に足りないものとして、お金、人手、スペース。博物館でのコロナ禍の影響を交えて。
(休憩なし)
11:30〜12:05 管理棟の案内・解説。旧実習室や生物実験室等あちこちに置いてある標本などについて言い訳(なぜか動物が多い…)。トラックヤードはチラッとのぞいただけ。特展準備室でパネルの説明、ネイチャーホールにデカイクズのさく葉標本があったので観察。植物研究室と地史研究室の様子を比較。書庫の1層目と2層目を見学。旧収蔵庫を回って終了。
(12:05〜13:00 昼休み)
13:00〜14:15 収蔵庫見学ツアー。3つの収蔵庫をめぐって解説。二層構造の秘密、壁の違い、タイプ標本、火災時の対応など。なぜ収蔵庫に本があるかも説明。明日からの実習で特別収蔵庫は入って解説しそうなので、他の2つの収蔵庫を中心に。見たい魚とかヘビ等のリクエストがあったので、やりやすかった。
(14:15〜14:30 休憩)
14:30〜16:10 展示室見学ツアー(常設展)。メンテナンスと展示のコストパフォーマンスがメインテーマ。電気の球換えの難しさ、掃除のしにくさを中心に、どんなケースが扱いにくいかを紹介して歩く。壊されたハンズオン展示を説明したり。第1展示室のジオラマ、第5展示室のアナログゲームや参加型展示の効果とメンテナンスについて解説。 博物館におけるミュージアムショップの普及教育的意味についてもふれた。実習生2人だと、やりとりができてしまって、盛り上がるというか、時間がかかる。
16:10〜 実習ノートの記入。
実習ノートは学芸員がチェックして、コメントなどを書くので、学芸員とのコミュニケーションツールとして使うように、って今回も指導してみた。
●2021年11月28日 コロナ禍後の活動のリブートを目指して
というオンラインシンポジウムを開催した。その企画者の一画であり、他の講師を手配したし、前半の進行役であり、イントロと当館の事例を紹介。後半の進行と事例紹介と総合討論は、尻尾に押しつけた。
ポスターデザインの手配や助成金館系は萌蔵に押しつけた。配信館系は尻尾に押しつけた。でも、サイトのリンクとか、広報関係をいろいろ忘れていて、当日怒られた。いわれんかったら、スポンサーの名前を出すのも忘れるところだった。
怒られたといえば、シンポジウムのタイトルでも怒られた。これは広報用のSNSへの書き込み。リブートって意味が分からんらしい。当初は“再開”という言葉も考えたけど、コロナ禍で中断した後、単なる再開ではなく、せっかくなので何かしら新たな形を付け加えたい。そういう意味を込めて、あえてリブートにした。リブートの意味が正確に分からなくても、なんとなく判るだろうし、それで充分と思うけどなぁ。とりあえず、イントロでリブートに込めた意味も説明した。
このシンポジウムは、かなりの程度まで、コロナ禍中から後にかけてのソリューションをすでに提案している構成になっている。第1部はLocal & Small、第2部はRemote & Global。
この2つの方向性は、観察会などの普及教育事業に関して言えば、正しいし、シンポジウムでの事例報告でも正しいことが示されたと思う。ただ2つの方向性は、どちらかを選べばいいのではなく、バランスをとって、両方進める必要がある。それこそがリブート。新たな要素として出てきたリモートをどう取り込んでいくのか。その結論はうまく出なかったと思う。
一つ想定外だったのは、自然保護に関する限り、この2つの方向性だけではソリューションにならないことが浮き彫りになったこと。自然保護に関わる普及教育に関してはいいのだけど、実際の自然保護活動には、コロナ禍がまったく違う影響を与えていて、それはとても深刻だった。迂闊なことに、こんなに深刻だったとは知らなかった。このテーマは大きいので、改めて別の機会に展開したい気もするけど、なかなか大変そう。地元に入り込んで、固定メンバーでの自然保護活動であれば、コロナ禍の中でもある程度維持できるけど、本当の地元の人でないと一番大変な時は乗り越えられない。
●2021年11月27日 甲子園浜は工事中
今日は鳥のサークルの観察会で甲子園浜に。企画した時は知らなかったが、来年3月まで鳴尾川河口辺りが工事で立入禁止。ってことを企画した直後に教えて頂いた。一番鳥が多い鳴尾川河口が見れないとなると、鳥見的には厳しい。
でも、まあある程度、鳴尾川河口に近づければ、浮いてるホシハジロなど海ガモの群れは見えるだろう。ウミアイサやホオジロガモとかが浮いてるのも見つかるだろうし。あとは甲子園浜の西半分を見て、さらに西に行って今津浜、から西宮港経由で、御前浜まで足を伸ばせば、いろいろ水鳥が見れるに違いない。
と判断して、とりあえずは予定通り甲子園浜に行く事にした。
当日、甲子園駅から海に突き当たって、甲子園浜に入る階段が封鎖されていてびっくり。仕方が無いから自然環境センターの中を通って浜に出る。出てみてまたびっくり。センターの前の東屋より東が全面的に工事で立ち入り禁止。これでは、鳴尾川河口方面はほぼ見えない。遠目にカモメ類が浮いてるなぁ、セグロカモメが中心のよう。海ガモの群れも浮いてるなぁ、主にホシハジロで、少しスズガモが混じってるようす。遠くて逆光気味でさっぱり楽しくない。
仕方がないので、東屋の前の鳥を見る。ヒドリガモやオナガガモの群れがいて、ユリカモメなども少々。いつもはこの辺りにも浮いてるウミアイサやハジロカイツブリが見当たらないなぁ。仕方がないので、西に向かう。
でも、甲子園浜の西半分の沖合は、ウィンドサーファーだらけ。これじゃあ鳥もおちおち浮かんでいられない。案の定、なんにも浮いていない。西の端の方の岸近くにようやくハジロカイツブリが浮いてる程度。ちなみにウィンドサーフィンの中には、下に長いキールを付けてるのがあって、それを支えに空中に浮いてるようになってるのがいて面白かった。
たいして鳥がいないので、甲子園浜の西端で昼食を食べてから、今津浜へ。少し鳥はいるけど、ぜんぜん少ない。なんか延々と歩いて御前浜に行く意欲が薄れて、川沿いに今津浜に戻って解散した。なんか満足感の低い一日であった。
●2021年11月26日 クジラのホネで暮らすスズメがいなくなった理由
理由と書いて“わけ”と呼ぶ。
掃除のおっちゃんは、ちょっと鳥に興味があるんだそう。そのおっちゃんが先に気付いて教えてくれた。ポーチのクジラでくらしていたスズメがいない。11月に入って、植物園が閉園してからだそう。おっちゃんの説では、ポーチの外側に目隠しの塀が立てられたからだそう。
正確にいつからスズメがいなくなったのか、うかつにも気付かなかった。でも、確かに今日もいなかった。ポーチにぶら下がったクジラで暮らすスズメは、この季節どこで寝てるのかはよく知らない。集団ねぐらに行ってるのか、クジラの中で寝てるのか。でも、秋くらいから、昼間はクジラの巣場所をめぐって盛り上がったり、その周辺で休憩してる気がする。少なくとも採食場所は、ポーチと池の間の林がメインっぽい。ってことで、少なくとも繁殖期はクジラと目の前の林の往復ばかりしてると思う。非繁殖期も見える範囲ではそうなのだけど、どこかに行く事もあるんじゃないかな。とりあえずヒナが巣立った後は、クジラは少し静かになってる気がする。
もしかしたら、巣立ち後、ヒナを連れて営巣地を離れ、秋に再び営巣地に戻って、巣場所を確保。一段落したら、また営巣地を離れ、産卵期まで留守にする。ってのが、普通のパターンなのかもしれない。
でも、タイミングが合ってる気がするので、植物園の工事と関係があるのかも。でも、塀はせいぜい2mちょっと程度しかない。上は開いてるし、そのせいでスズメがいなくなるもんかなぁ。むしろ採食場所の木が植えてある区画も工事をしてるので、その影響かも。
とにかく、春になれば繁殖期だし、植物園の工事も終わる。どのタイミングでスズメが戻ってくるかで、ある程度、なにが原因でスズメが姿を消したのか判るかもしれない。3月以降に要注目。
●2021年11月25日 人手不足に悩む博物館にお勧めするネットワークは?
どこを相手に、どういう面でネットワークを構築するか。うまくいけばメリットがあるけど、間違えるとかえって人手をとられるだけ。ネットワークの構築はなかなかに難しく、奥が深い。知らんけど。
といったことを、某研究会っぽい場でのやり取りを聞きながら、少し考えた。
最初の方では、博物館と図書館の連携した活動展開には、文化の違う両者をつなぐために、インタープリターや、連携した活動のためのコーディネーターが必要。なんて議論をしていた。
そもそも博物館は(館種が同じでも)館ごとに文化が違うので、館同士の連携は難しめ。図書館同士なら割と同じ文化を共有してるからインタプリターがいらないのかな? 異文化コミュニケーションのためにインタープリターやコーディネーターを入れても、インタープリターやコーディネーターが双方で浮いてしまうだけな気がする。だって、そもそもゆっくりコミュニケーションが図れないのは、忙しいからなんだし。
そんな中、広域連携って声も聞こえてくる。これまた異文化コミュニケーションで手間取りまくる展開が予想されるんだけど、それ以上のメリットがあるのかな。少なくとも某政令指定都市の博物館ネットワークは、意味ある展開をしなかった気がする。
人手が足らず現場が疲弊している。という声の中で意味のあるネットワークを考える必要があると思う。やり方間違えると、かえって現場は疲弊する。
みんなネットワーク論が好きっぽい。あまり整理されずに様々なタイプのネットワークが提案されていた。
同じ方向性、同じ課題をもった者同士が、専門性を補えるようなネットワーク、現場のニーズに応じたネットワークなら良さそう。これは同質なネットワーク。
一方で、異文化ネットワークで新たな展開!という話も出てる。面白そうだけど。充分な人的資源を投入できてからでないと無理。現場が疲弊してたら、ネットワークのコーディネーターが孤立するだけ。
もう一つ出てきてるのは、人材育成ネットワーク、あるいは人材派遣ネットワーク。もしかしたら人材交流ネットワークかな。これは複数館を統合的に運用するってことで、上から目線で構築しやすく、それなりのプラス面がありそう。各館の個性をいかに維持できるかは気になるけど。
とりあえず、ネットワークといってもいろんなタイプがあるなぁ。と思えたのが収穫。
●2021年11月24日 隣県の博物館訪問
隣りの県にある自然史系博物館に、久し振りに行った。収蔵庫などの改築・増築を計画しているので、収蔵庫棟を建てている近所の博物館に視察にいくことになった。せっかくなので、現収蔵庫も見せてもらった。ついでに展示も見た。特別展もやっていた。
よその博物館の展示を見に来るといろいろ羨ましい。トイレが明るくて綺麗で広い。トイレに展示があるのも良い感じ。4フロアある展示スペースの内、1フロアは実質休憩スペース。ゆったりしてて良い感じ。日光があたるところに剥製が置いてあるのはいただけないけど。
展示スペースである3フロアの内、1フロアは収蔵展示として収蔵庫の物を放り出してる。兵庫県の自然ってテーマっぽいけど、あまりストーリーなどはなく、並べてるだけのような。そう言えば、淡路島にあがったナガスクジラの全身骨格に寛骨がないのは取り忘れかな?尾椎の先の方がないのも不思議。これは取り忘れはないだろうに。
収蔵展示でない残る2フロアも、あまりはっきりしたストーリーがないのが不思議。まとまった展示テーマってものが設定されていないのかな?
あと、特別展示室がとても狭い。これなら特展担当になっても気楽。数日で準備できるなぁ。と思ってたら、一緒に行ってたおかんが、3日で展示できる!と大声で言ってた。なんて失礼な。まあその通りだけど。
現収蔵庫は、うちでいうところの特別収蔵庫と液浸収蔵庫を見せてもらった。
特別収蔵庫は、可能な限りコンパクターが入っていて、その隙間に標本棚入れて、通路に物があって、ギューギュー詰めでとても好感が持てる。ここで頑張ってるのは植物と昆虫。鳥や哺乳類の本剥製が棚に入らず通路に立っていたりも好感が持てる。あの鳥の仮剥製のコレクションの時は、つい昔話をしてしまった。
液浸収蔵庫というか、むしろここは某氏の作業スペースでは? その筋の専門家もいるのに、ここに標本を入れてないのには驚いた。他の担当者は、ぜんぜん標本を収集する気がなさそうで笑ってしまった。
新収蔵庫棟の話では、2人からいっぱい口を聞かされた。そして、生態学研究者のはずなのに、ガラスや空調など建設関係に異様に詳しい。レベルを決めるのは慎重にと熱く語る。
収蔵庫棟なのに開放的な展示室付きなのは厳しそう。結露対策しやすい形にしたいところ。トイレとエレベーターの位置はよく考える必要がある。
一番気になるのは、この新収蔵庫棟に関わっている人数が妙に少ない感じがすること。学芸員(というか研究員?)はいっぱいいるのになぁ。
●2021年11月22日 冷凍室における氷河の発達速度について
今日は、朝、冷凍室の霜取りをした。霜取りというか雪かきのようで、一部に氷河との戦いが含まれていた。とりあえず手前の1/3の霜が、バケツ10杯分。
このコロナ禍で、なにわホネホネ団の活動が断片的になって、冷凍室はパンパンになった。パンパン状態で約1年半。昨年の夏から秋は緊急事態宣言が明けていて、少しパンパンは解消されていたけど、12月はまたもや大阪府は赤信号で、なにわホネホネ団の活動は停止。霜取りする気力も起きず。
今年は、1月からなにわホネホネ団の活動は止まっていて、3月に活動再開できたけど、その日程は飛び入りの大物に費やされ。4月から9月まで活動停止。もう冷凍室はいまだかつてないくらいパンパン。10月に緊急事態宣言が明けて、冷凍室内の物の処理が少し進んだから、ようやく霜取りにたどり着いた。パンパンのパンパンでは霜も取れない。
この前、霜取りしたのは2年前の年末のような気がする。この氷河は2年かかって発達したのかな? と思って過去の霜取り実績を振り返ってみた。
記憶とはいい加減なものだった。直近の冷凍室ダイブは、2020年7月17日だった…。浅瀬中心のダイブで、バケツ9杯分。
その前は、2019年の年末ではなく、2019年6月7日っぽい。1時間かかって、20Lのバケツに30杯ほど。
この経過が正しいとすると、2020年7月17日は手前を少し霜取りしただけってことになる。つまり、今の冷凍室の氷河の大部分は、2年半かかって蓄積されたって事になる。霜が氷河になるのに充分な時間だぁ。
【追記】
12月16日、霜取りというか、氷河との戦い第二幕が切って落とされた。ようやく2/3まで氷河を掘り進んだ。バケツ15杯。これで一番堅い岩盤は抜けたと思う。手前の冷凍機の蓋が動くようになった。奥の蛍光灯が見えた。
●2021年11月21日 ホネホネ的安全衛生講習会
ホネホネ団的、安全衛生講習会が、リモートで開かれた。
以前も開かれたので、これで2回目か3回目。毎回お願いしているのは、TKさん。以前は近くの動物園の獣医さんだったのに、今や少し東の国の園長さん。出世したと言って良いだろう。話の内容は、以前とあまり変わらない。今回は、SFTSとか、豚熱とか、エキノコックスとかの話題が増えたけど(前回は、高病原性鳥インフルエンザ程度だった気がする)。
TKさんは、なにわホネホネ団的な活動に好意的で、実戦可能な範囲で、安全衛生上も許容範囲を提案してくださるので、とてもありがたい。かなり考えてから話して下さってるんだと思う。けど、自分だったら、ネットでここまで発言するのは躊躇いそう。
躊躇うと言えば、講演の後の質疑応答はさらに大胆で聞いててドキドキした。死体の届け方、処理した際にでた肉の処理。いろいろ気になる。
とにかく、TKさんお疲れさま。ありがとうございました。
ちなみに、講師先生は謝礼を受け取らない代わりに、『日本鳥の巣図鑑』をご所望らしい。それは大変感心なのだけど、それに著者のサインを付けろと関係者がうるさい。頑として断った。本に字を書くのも、字を書かれるのも嫌い。どうして著者は本にサインするのが当然と思い込むんだろう?
●2021年11月20日 ユリカモメが減ったら、内陸にも来なくなったのか
大和川下流部でのユリカモメの個体数の年次変化を主な根拠に、大阪湾岸のユリカモメの個体数は、2004年以降激減した。てな話をする機会が何度もあって、その際にユリカモメが減った頃から、内陸で見かけるユリカモメも激減した。と、しばしば口走ってきた。でも、単なる印象を話しているだけで、根拠となるデータで確認したことがない。
考えてみると、大和川での調査結果は、ユリカモメがいつ頃まで、河川をいっぱい遡っていたかを確認することができるはず。ってことで、過去のデータを引っ張り出してみた。
全部見るのは面倒なので、1995年から5年ごとに、1月終わり分の調査のユリカモメの個体数を示してみる。調査してるのは、新明治橋から下流。調査エリアを、5つの区画に分けて分布を示す。
新明 瓜破 行基 JR 大和川 河口
治橋 大橋 大橋 阪和線 大橋
1995年1月28日 127 650 1215 817 2209
2000年2月 5日 1 800 0 0 751
2005年2月 9日 66 508 276 487 1073
2010年2月 8日 0 246 1 255 225
2015年1月31日 0 0 0 419 35
2020年1月31日 0 0 0 1205 65
JR阪和線を境に上流と下流に分けて考えるなら、2000年までは上流側に少なくない割合のユリカモメがいたのは確か。一方、2015年以降は、JR阪和線より上流は0羽。と、ユリカモメが上流に上がってこなくなったのは確か。ただ、それがいつ起きたのかは微妙。
2005年頃に一回、上流へ遡るユリカモメが減った。それでも瓜破大橋〜行基大橋にはやってくる群れがいたが。2015年頃以降は、JR阪和線より上流にはまったく遡らなくなった。って感じだろうか。
●2021年11月19日 中学生から質問を受けまくる、かと思ったら…
今日はカウンター当番。座っていると、校外学習に来たとおぼしき中学生がやってきて、質問いいですか?という。もちろん良いですよ。というと、持っていた紙を広げて見せてくれる。
「今困っていることはなんですか?」
と書いてある。この質問が一番困ってるけど。という答えではダメらしい。
聞けば、事前に班ごとに質問を考えて来ていて、それを先生が印刷して持たせてくれてるんだとか。1班に1質問。この後も来るだろうとのこと。とりあえず記録しておくことにした。
10時14分 5人 「今困っていることはなんですか?」
→頼まなくても補足してくれた。コロナ禍で博物館は何が困ってるか、ってことらしい。観察会や対面イベントが、なかなか出来なくて困っている。と答えてみた。
次はどんな質問かな?と少しドキドキしつつも待っていたのに、結局、もう質問は来なかった。
今日は、3つの中学校が、それぞれに数人ずつ班に分かれて来館していた。校外学習って奴らしい。どこに行くかは決まっていて、入口付近で、先生がどの班が来たかをチェックしている。先生のチェックから漏れてバタバタしてたり、3つの施設のまだ2つめってことで5′で慌てて出て行ったり。午後はけっこういろいろ起きてた。
それぞれの中学は、それぞれに課題を出している様子で、ナウマンゾウと一緒に支給されたタブレットで記念撮影してたり、パンフレット類を持って帰ったりしている。でも、最初の1班以外は誰も質問に来ない。
3つの中学は、男子の学生服は見分けが付かないけど、女子の服装は素人が遠目でも見分けられた。セーター副、灰色のブレザーと、黒のブレザー。質問してきたのは黒のブレザーだった気がする。でも、質問はもう来ない。なんとなく不満。
質問してきたのは、今日来てる3つの中学とは別の中学? それともここで質問せずに他所で質問済ませた? とにかく不満。
●2021年11月18日 安場池今昔
千里ニュータウンの豊中市側に千里中央公園というのがあって、安場池という池がある。小学校から高校まで千里ニュータウンに住んでいたので、千里中央公園は最初のマイフィールドだった(当時は中央公園と呼んでいた)。その頃、安場池を埋め立てる計画が持ち上がり、反対運動が起きて、子どもながらその集まりにも出席し、自分の観察記録も提供したりしたと記憶している。
千里中央公園の吹田市側に暮らしている方が、週1回くらいのペースで安場池に行き、水鳥をカウントしておられる。そのデータをたまたま見せて頂いた。云十年前とは水鳥相が随分変わっていて、感慨深い。
ちなみに感慨深くデータを長々とながめては、いろいろ感想言ったりしてたら、調査された方は喜んで下さった。安場池に鳥を撮影しに来てる人にデータを見せても、反応は素っ気ないんだそうで、こんなに熱心にデータをながめた人は初めてなんだそう。まあデータ見て楽しめる人は少ないだろう。そしてこちとらは、過去の様子を知ってるだけに興味が多め。そして近所の他の池も含めて、水鳥の話ができる奴も限られる。
で、今の安場池はどうなってるかというと、オシドリがいっぱい来るようになっていて、それを狙ってカメラマンも常駐してるんだそうな。その他のカモ類で多いのは、ホシハジロとオカヨシガモ。オオバンもいる。
翻って云十年前の安場池は、オシドリはいなかった。オカヨシガモやオオバンが大阪で増えたのはその後なので(なんて書くと1980年代以前とばれるけど)、オカヨシガモやオオバンもいなかった。ホシハジロくらいはいたかと思ったのだけど、当時のフィールドノートを見返すと、カイツブリが浮いてるだけ。そもそも水鳥の少ない池だった。
その安場池をはじめとする千里中央公園は、またぞろ手を入れる話が浮上しているらしい。レストラン的なのを建てるとか。どうして行政は公園を公園として維持しておくだけじゃダメ、って思い込みがちなんだろう?
●2021年11月16日 LISA「白銀」 music clip 4′33″
このmusic clipに出てくるタカの種名は? と質問された。テレビアニメ版の『鬼滅の刃』のエンディングテーマらしい。鬼滅は映画もテレビもLISAなんだなぁ、という感想しかない。
とりあえず、指定のmusic clipを頭から見てみる。質問に答えるには、画像だけで足りるけど、せっかくなので音声も聞きながら。ぜんぜんタカは出てこないなぁ、と思っていたら、1′50″前にようやくタカが出てきた。薄暗いし、アップで写ってるのは上半身と翼下面だけ。でもまあ、けっこう特徴的なタカなので、絞り込みは簡単そう。でも、もっと全身が明るく出てきて欲しい。
という訳で、続きを見る。2′40″過ぎでまた出てきた。でも、白黒やん!
このまま終わったら、けっこう厄介かも。と思いながら続きを見たら、3′50″頃と4′10″辺りで手にとめた全身像が出てくる。4′20″前後には真下からけっこう大きく飛翔姿が出てくる。これは有り難い〜。
手にのせてるから、鷹匠っぽい人達が飼育するタカなんだろうなぁ、とは思うけど、とりあえずは真面目に世界のタカの図鑑をめくる。頭から胸にかけてべったり灰色で、腹から下尾筒は真っ白。この特徴に会うのは、世界のタカ類でも1種しかいない。
ワシノスリ(Geranoaetus melanoleucos)
翼下面や尾下面の模様や、翼形も合ってる。
「ワシノスリ」でググったら、けっこう飼育されてる様子。試しに「LISA 白銀 ワシノスリ」で検索したら、けっこう見破ってる人はいる。ググれば答え判ったんじゃね?とも思うけど、少し楽しかったので良しとしよう。
●2021年11月14日 久しぶりの対面博物館実習 総括
やっぱりリモートより対面がいいなぁ。すでに何度も書いたことがあるけど、リモートの博物館実習は、博物館学の学習機会としては、かなり有効な内容を提供できてると思う。でも、対面は対面でしか提供できないものがある。ザクッと言えば、それは博物館体験だし、標本を扱う機会。博物館学的な学習は、大学に任せてもいいんだろうから(本当に現場を判った講義ができる教員はほとんどいないだろうけど)、博物館実習の本分は当然ながら、対面でないと提供できないことになる。しごく当たり前だけど。
普段は見せられない博物館の裏側を、5日間目一杯見られるのが、対面での博物館実習。そして、分野が違うと触れることはまずない色んな標本を実際に扱うことが出来るのも対面での博物館実習。実習ノートを見ると、標本を集める重要性、採集データの重要性、その整理の労力の大変さを、作業や学芸員の言葉の端々から受け取ってくれていることがよく判る。それだけでも対面で博物館実習をする意義がある。
そもそも博物館実習とは、少なくとも博物館側にとっては、普及教育活動の一環。さらに言えば、博物館を理解し、応援してくれる人を増やすための活動。実習ノートを見ている限りでは、これは対面での博物館実習でないと、達成できないように思う。
という訳で、1月の博物館実習も対面でできますように〜。
【追記】
いつもは、担当するブログを実習生がなかなか書かないので、事務処理がなかなか進まないのだけど。今回は、11月18日に全員が書いたので、とてもスムーズに処理できた。これはまあ、対面かリモートかに関係ないけど。
●2021年11月13日 博物館実習 担当1日目
今日は、3人の実習生の対応。砂場でホネにして、引き上げて水漬けしてあったホネがいくつもある。その中から、アシカ雌とニホンジカ幼体のホネを洗ってもらった。当初の予定では、午前にアシカ、午後にヒツジを洗ってもらう予定だった。しかし、アシカのホネ洗いが午後まで食い込んだ。そして用意したヒツジは、まだ肉が残っていて手強そう。これは終わらないパターン。ってことで、急遽ニホンジカに変更。
アシカのホネ洗いが終わった段階で、アシカのホネを解説。食肉類なのに歯がすれ違わないし、顎関節があまりしっかりしてない…。椎骨の噛み合わせがゆるくて並べにくい。上腕骨と尺骨の噛み合わせもゆるゆる。ホネの説明がとてもやりにくい! 唯一良かったのは、大人だったこと。次のニホンジカは幼体なので、ホネがバラバラだからね。と確認することができた。
ニホンジカは予定通り、ホネがバラバラ。四肢の主なホネは両側がハズレ、椎骨は前後の丸いホネが取れてる。頭骨はそもそも割れてるけど、アシカに続き、頭はこちらで洗ったので、問題なし。
ニホンジカが終わってからホネの説明。本当は肉食動物と草食動物の比較という企画だったのだけど、アシカと仔ジカでは微妙過ぎ。ニホンジカの顎関節は、とても浅い、という説明ができたのみ。
とはいえ、アシカの後、ホネの説明を挟んだので、ニホンジカのホネ洗いでは、パーツについての興味が多少なりとも喚起されたんじゃないかと思う。
明日は、今日洗った2体のホネを利用して、最初にホネの説明をしようと思う。
【追記】
という訳で、翌14日は前日に洗ったホネの解説から始めてみた。そしてヒツジのホネ洗い(本当は昨日洗う予定だったやつ)。最初のホネの解説はもう少し工夫の余地はあったように思うけど、説明してからホネ洗いしてもらった方が、学習効果は高そう。
そして、アシカや仔ジカよりも、ヒツジはホネの説明がしやすい! 関節の説明もしやすいし、椎骨のホネ並べをしれもらえた。干支展用にトラの頭骨を出してきたので、ヒツジとトラの頭骨で、歯と関節の説明もできた。
今度からもう少し準備して臨もう。
●2021年11月10日 博物館実習 2021年秋期普及コース オリエンテーション
今日から5日日程で博物館実習がスタート。大学生が14人。
初日の今日はオリエンテーション。リモート博物館実習が続いたので、対面でのオリエンテーションは昨年の9月以来。次回のために今日のスケジュールを記録しておく。
09:30 博物館実習スタート 出欠取って、資料を確認して、名札を作らせて、友の会に入会させる。ブログの担当も説明(担当したブログを書いて始めて、実習を受けたと認めることを宣言)。
今回の博物館実習は、本来は大阪自然史フェスティバルの準備・運営をしてもらう予定だったけど、新型コロナウイルスの感染拡大防止のためフェスティバルが中止。なので、普通の標本実習になることを説明。ブログの書き方と担当のブログを書いて実習を完了したと評価するとの説明。
09:50〜11:15 博物館の間取り、沿革、事業内容(研究、資料収集、展示、普及教育)、友の会・サークル・ネットワークなどの説明。フェスティバルの意図も真面目に説明。博物館に足りないものとして、お金、人手、スペース。博物館での新型コロナウイルス感染症下の状況と、その対策や悩みを交えて。
※実習生を机1台に1人の配置に(前もって配布物は設置)、机を後ろ寄りに間隔開けて、窓開けて。
(11:15〜11:25 休憩)
11:25〜12:10 管理棟の案内・解説。館長室入った。旧実習室やトラックヤード等あちこちに置いてある標本などについて言い訳(なぜか動物が多い…)。トラックヤードのゾウの説明、冷凍室をのぞく。特展準備室でパネルの説明、ネイチャーホールの稼働壁を動かしてみせる。植物研究室と地史研究室の様子を比較。書庫の1層目と2層目を見学。外来研究室でハマナタマメの話を聞く。旧収蔵庫を回って終了。
※14人をまとめて連れて行った。
(12:10〜13:00 昼休み)
13:00〜14:05 収蔵庫見学ツアー。3つの収蔵庫をめぐって解説。二層構造の秘密、壁の違い、タイプ標本、火災時の対応など。なぜ収蔵庫に本があるかも説明。
※14人をまとめて連れて行った。
(14:05〜14:15 休憩)
14:15〜15:35 展示室見学ツアー(常設展)。メンテナンスがメインテーマ。電気の球換えの難しさ、掃除のしにくさを中心に、ダメなケース、ダメな展示を紹介して歩く。また壊されたハンズオン展示を説明したり。第5展示室では、アナログのゲームや参加型展示の効果とメンテナンスについて解説。 博物館におけるミュージアムショップの普及教育的意味についてもふれた。
※14人をまとめて連れて行った。
15:35〜 実習ノートの記入。
実習ノートは学芸員がチェックして、コメントなどを書くので、学芸員とのコミュニケーションツールとして使うように、って今回も指導してみた。
●2021年11月9日 約1年ぶりに対面の博物館実習、その準備
昨年の8月と9月は対面で博物館実習ができた。でも、今年の1月、8月の博物館実習は、緊急事態宣言が出ていたのでリモートになった。という訳で、明日からの博物館実習は、約1年ぶりの対面での博物館実習。
初日はオリエンテーション。対面だと、最新の館報のそれっぽいパートをコピーして、好き勝手に話をするだけ。でも、リモートの場合は、きっちりパワポを作るので、話はかなり固まってします。でもまあ話をするのは一緒。
最初パワポを作るのは面倒だったけど、一度作ってしまえば、あとは簡単。今年はもう8月に作ってるので、それ使うのは簡単。対面でもパワポを使ってオリエンテーションすればいいんだけど、実習生が持ち帰るものがないのがまずいとも思う。なので、やはり実習資料のコピーが必要。両面で雑誌開きでコピーするのは面倒だけど仕方が無い。
オリエンテーションでは、座学以外に、対面だと館内ツアーをする。リモートだと館内ツアーができない。仕方がないので自己紹介タイムを作ったり。
2日目〜5日目は、対面だと班に分かれての標本実習。班分けを考えないといけないので面倒。動員される学芸員も多い。でも、実際に標本を扱う実習の価値は高いと思う。
リモートだと、班分け無しに、事前の課題を発表してもらって講評ってパターンが多め。博物館学的には、このやり取りは、とても勉強になると思う。
以上をまとめると、対面には対面の、リモートにはリモートの価値がある。でも、事前の準備としては、対面は物のやり取りがとてもやりやすい。資料を渡すのも、実習ノートのチェックも受け取りも簡単。実習生は事前の課題がない分、対面が有り難そう。博物館側としては、終わってから楽なのが、対面実習なのかもしれない。
●2021年11月6日 長居植物園案内の植物園外編についていく
来月、鳥スペシャルと称して担当させられる。植物園内でなら、当日に下見をして、アドリブで何かしら話をして、どうにかできるけど。植物園外だと、どこになにがあるか判らないし、そもそもあまり鳥と関係のある植物が少ないので、探さないと話題が見当たらない。いきなり当日を迎えたら大変なことになりそうなので、先日下見の下見をしたのだけど、心配なので今日も下見。ってことで、長居植物園の植物園外編にこっそりついていった。
植物園外の植物園案内ご一行に追いついた時、ケヤキの下でつぶつぶしたものを拾っていた。虫こぶなんだそう。木に着いたままの虫こぶと、下に落ちる虫こぶがあるらしい。これなら、タネと間違えて鳥が食べてもよさそう。だけど、食べる鳥は種子食だろうから、散布される見込は少ないかも。
つづいて、ナンキンハゼの実について話をしていた。ロウソク作る話が面白かった。ナンキンハゼは鳥との絡みでもいろいろ話ができるけど、来月だともうタネは残ってないだろうなぁ。
そして実を付けてるイヌマキへ。これは鳥散布なので、ネタを使わないで欲しい!と思ってたら、鳥絡みの部分は来月へ。と残してくれた。ありがたい。
となりのヤシの樹上に生えてる草本の話をしてる。鳥散布っぽいのもあるので、来月のネタになるかも。と思ってたら、使われてしまった。付着散布っぽいのもあって、なかなか奥が深そうではあった。
そんな話を遠くに聞きながら、ココスヤシの木の下に、いっぱい果実やタネが落ちているのを見つけた。鳥との関連で話ができるかなぁ。と思ってたら、タネに小さな丸い穴が開いてるのに気付く。これは虫の脱出孔!と思って、もやしんに見せに行く。なにか判らんらしく華麗にスルーしようとする。でも、草地屋は興味を持って見に来るので、なんとなくみんなでヤシの下へ。するとF兄が、これは虫の脱出孔ではなく、出芽孔であると断言。なるほど、1つのタネの3ヶ所に綺麗に穴が開いてる。開いて無くても、開きそうになってる。と思って周囲を見渡すと、あちらこちらに実生が生えてる。実生を掘り返すと確かに、そのタネから出てる。とまあ、想定外だったが、面白かった。
鳥と植物の関係ネタは、イヌマキしか残らなかったが…。
●2021年11月4日 今週も幼稚園児にクジラのホネの話
今週も幼稚園児にクジラのホネの話。今日は3クラス90人。今日もクジラの舌ではなく、講堂内で話す。例によって、幼稚園児たちは、すでに一番大きなナガスケについては、紙芝居を見て予習をしてきている。
当日、水色のジャージ上下の幼稚園児達が、同じく水色ジャージの先生に引率されて到着。今日きたのは、帽子が赤と青と緑の3クラス。それぞれ30人で、合計約90人。
各クラス1つずつ質問が事前に送られてきているが、今日のは簡単なので、事前に調べなくても大丈夫。クジラ庖丁を用意した。
最初にナガスケ紙芝居の補足。6年後に掘り出した時も臭かったこと。組み立ててツルしたのは専門の業者にお願いしたこと。ナガスケを解体するのに使った道具は、臭くなったので置いていってくれたこと。と言う流れで、クジラ庖丁を見せた。
それから、おぼえて帰って欲しい3つの内容を順にしゃべる。
・ナガスケは、シロナガスクジラではなく、ナガスクジラ。今日は先生は間違えなかった。拍手。
・ぶら下がっている3匹とも、大阪の海で死んで見つかったこと。ナガスケ以外の2匹の解体は参加したけど、けっこう大変。体力勝負。
・クジラは、歯のないヒゲクジラと、歯のあるハクジラに分かれること。歯がないヒゲクジラは、エビの仲間や小魚を丸呑み。歯のあるハクジラのマッコウクジラは、イカをけっこう食べる。マッコの腹の中からは、イカのカラストンビがいっぱい出てきた。ダイオウイカも食べていた。
ここまでで10分。
後半は質問コーナー。事前にもらってた質問は、
・どうやってぶら下げたのか?
・どうしてナガスケを解体したのか?
・どうしてナガスケという名前になったのか?
ぶら下げたのは専門業者。組み立てて、4つに分けて運んで来て、チェーンブロックで上げて、上で引っ付けた。
大きなクジラの死体が大阪湾に浮かんでいたら、船がぶつかったりして危ないから。片付けないといけない。
ナガスクジラだからナガスケ。一応公募した結果。
また追加の質問も受け付けた。1クラス1つ。みんなとりあえず手を上げて、当たってから考えてる様子。出てきた追加の質問は、
・どうしてクジラは大きいの? 昔は小さなヒゲクジラもいたけど、どうして絶滅したのか判らない。答は分からない、かも。
・どうしてナガスケは組み立ててぶら下げたの? 大きくて収蔵庫にあると邪魔だから、かも。
・どうしてナガスケは埋めてホネにしたの? 水に浸けるには大きすぎて、地上でホネにするとあまりに臭いから。
質問に答えた後、今日も迂闊にも、わかった?と言ってしまった。でも、今日のお友達は優しくて、判った−! と大合唱。誰か知らないけど、声の大きなオピニオンリーダーさん、ありがとう。
●2021年11月2日 ホネホネマラソン3日目 ババを2枚引く
昨日は鳥の日のはずが、ラクダの日に代わった。今日は予定通り鳥の日。ホネホネマラソンも3日めとなると、慣れてきたけど、疲れも溜まってきてるので、軽く2羽剥いて帰ろう。と思ったら、2羽ともババだった。
もし、脂肪がのった腐って汚れたオオミズナギドリか、カモ並に脂肪ベッタリの新鮮なアオバト。どっちをやりたい? 正しい答えは、どっちもやりたくない。なのに、その両方の皮剥きをする羽目に。ババと判っているのに2枚とも引かざるを得ない辛い展開。
予想通り脂肪除去に時間がかかり、アオバト4時間、オオミズナギドリ3時間。頑張ったけど、アオバトの皮が破れて心が折れ、オオミズナギドリの頭が禿げて心が折れる。オオミズナギドリの脂肪除去までで挫折。洗いの仕上げは、また明日。ずーっと集中してたので、疲れた。集中してても破れるアオバトの皮…。
どちらもせめて脂肪がついてなければなぁ。
●2021年11月1日 ラクダも2度目なら
ラクダの皮剥きは2回目。前回は、妊娠して乳の出るメスだった。到着は午後。たしか3人で剥いた。コブを剥くのに苦労して、時間がかかって、だんだん暗くなる中、腰が痛い〜。と、あまり良い思い出がない。またラクダが来る事になってかなり警戒した。
とりあえず、なにわホネホネ団に声かけ。
ドキドキしながら待っていたら、午前の早い時間に届いた! これだけでも嬉しい。さらに、なんかコブが小さい。嬉しい。
処理自体もうまくいった。7人で皮剥きしたからだし、コブも小さかったから。小さいとはいえ、コブを警戒したけど、なんか簡単に剥けた。どうして前回は苦労したの?
剥くのが嫌いな四天王として、ラクダのコブ、ゾウの鼻、サイの角、キリンの頭をあげてきたが。ラクダのコブは最弱。もう四天王からはずした方がいいかも。
とりあえず剥いた後、肉取りしてホネは砂場にセット。皮はいきなりなめし液に浸けてしまった。なめし液から出してから、皮の裏の処理がいるけど、今日はもう力尽きた。
●2021年10月31日 2021年10月のまとめ いろいろ活動再開
ようやく緊急事態宣言も赤信号も解除されて活動再開。対面での観察会などの行事も再開できたし、なにわホネホネ団も3月以来久しぶりに活動できるようになった。まだまだ日常が戻ってきたとは言いがたいが、せめてこの状態が続いて欲しい。
そんな2021年10月を振り返ってみよう。
ルーティンのため池調査、大和川調査は無事終了。
奈良県1コースと京都府2コース(1日で調査したけど)のハッカチョウセンサスも実施。
地元公園の鳥のセンサスと果実チェックを開始。
ホネホネ団の活動はようやく再開。哺乳類の日2日と、鳥の日2日。カリカリ団も1日。緊急事態宣言のため、すべて中止。冷凍室がパンクしそう。でも忙しかったので、スタッフだけの作業もできなかった。
7月のクジラの下顎サルベージ企画は、想定をはるかに越える金がかかるため断念。
担当の普及行事は、ジュニア自然史クラブと植物園案内動物編。久しぶりに鳥類フィールドセミナーも実施した。
大阪鳥類研究グループの観察会で、大泉緑地へ。
講演は、自然史オープンセミナーの担当。あと、幼稚園児相手にクジラの話を少々。
委員会関係は、某河川の工事関係。ハイブリッドだったので、リモートにした。
査読はなし、論文執筆もなし。頼まれの短い原稿を2本仕上げた。
来年の鳥の特別展の準備をは、手を付けられなかった。
とまあいろいろあった中、今月読んだ本は、自然史系9冊と、SF0冊。先月から、『古見さんはコミュ症です』にはまって、本が読めてない…。
完全休養日は1日。
●2021年10月30日 ハクビシンも爪が引っ込む
今まで何度もハクビシンを剥いてきたけど、今日初めて気付いた。ハクビシンも、ネコほどじゃないけど、爪が引っ込む。外から見えなくなる訳じゃないけど、地面には着かない程度に引っ込む。そら地上を歩く時は、普段は地面に爪が着かない方が歩きやすそう。
なんてことに気付いたのは、久しぶりにハクビシンを剥いていて、なんか指先が剥きにくいなぁ、と思ったから。剥きにくいのは、指先がよく動くから。剥いてから触ってみると、猫と同じように指の末節が動く。
今までハクビシンを剥いた時に気付かなかったのはどうしてだろう? 他にも普段歩く時、地面に爪が着かないように、少し爪が引っ込む動物はいても良さそう。今後、皮剥きするときは、確認してみよう。これだけ剥いていても見逃してることがあるもんだし、新たな視点が得られて良かった。
●2021年10月29日 2年ぶりに幼稚園児にクジラのホネの話
ここ数年、200人の幼稚園児相手に、クジラのホネがぶら下がっているところで、そのクジラの話をするっていうお仕事があったけど、昨年はコロナ禍で中止。今年は2回に分けてすることになった。1年あいたから、なにするんだったか、すっかり忘れている…。思い出すのに苦労した。今年は、遠足シーズンにかぶったりしたので、クジラの下ではなく、講堂内で話すことに。ちょっとやりにくい。例によって、幼稚園児たちは、すでに一番大きなナガスケについては、紙芝居を見て予習をしてきている。
当日、水色のジャージ上下の幼稚園児達が、同じく水色ジャージの先生に引率されて到着。今日きたのは、帽子が緑と黄色の2チーム。それぞれ30人ほどで、合計約60人。
各組2つずつ質問が事前に送られてきていて、事前に調べてあった。クジラ庖丁を用意した。
とにかく、おぼえて帰って欲しい3つの内容を順にしゃべる。
・ナガスケは、シロナガスクジラではなく、ナガスクジラ。出だしで先生が間違っていたのでちょうど良かった。
・ぶら下がっている3匹とも、大阪の海で死んで見つかったこと。
・クジラは、歯のないヒゲクジラと、歯のあるハクジラに分かれること。ついでにハクジラは歯の断面で、ヒゲクジラは耳垢の年輪で年齢を調べることを説明。ここまでで10分。
後半は質問コーナー。事前にもらってた質問は、
・どうしてクジラのホネは大きいの?
・ナガスケは何歳?
・どうやってぶら下げたの?
・クジラの寿命は?
ナガスケは大きいけど、まだ成長途中なので、10歳ちょっとと思う。大きなクジラは、50歳以上生きる。100歳を超えることもあるらしい。クジラの組立と吊り下げはプロにお願いした。工場で組み立てて、吊り上げた。4パーツに分かれていてのを、吊り上げてから連結。年輪とか、クレーンとかを一々説明しないといけないので、答えるのが難しい。
そして、“どうしてクジラのホネは大きいの?”が一番難しい。クジラが大きいから、体を支えるホネも大きい。それで納得してくれたようなくれてないような。判った?と迂闊にも訊ねたら、“判らん〜”の大合唱。今回もどう収拾したらいいか判らなかった。
これでだいたい予定の20分が終わったのだけど、これまた迂闊にも他にも質問がある人はいるかな?と言ってしまった…。たくさん手が上がってしまう〜。仕方が無いので、先生に1グループ1人、質問者を選んでもらう。出てきた追加の質問は、
・解体したクジラはどうやって博物館まで運んだんですか?
・クジラの重さは?
運ぶのは簡単だけど、重さの質問は予習してなかったので、答えられず。
●2021年10月28日 マガモのつがい形成
冬になるとやってくるカモ類は、雌雄の羽衣が全然違っていて、はっきりオスの方が綺麗。ただ、秋にやってきた当初のオスは、おおむねエクリプスと呼ばれる地味な羽衣で、嘴の色なんかを除けば、ほぼメスと差がない。それが、到着してから換羽して、きれいな生殖羽に変わる。
多くの鳥は、年に1〜2回、全員の羽根を換羽する。必ずといって良いほど全身換羽するのは、繁殖直後の換羽。この換羽で冬羽(非生殖羽)になる。で、もう一度換羽する種は、冬が終わる頃、繁殖期前に換羽する。この換羽で夏羽(生殖羽)になる。カモ類は、繁殖直後の換羽をして非生殖羽になってから渡ってきて、越冬地に着いた早々にまた換羽して生殖羽になる。冬に生殖羽になるから、ちょっと話がややこしい。
どうしてややこしいことをするかというと、多くのカモ類は越冬地で冬の間につがい形成をするから。関西に普通に越冬するカモ類で言えば、ホシハジロやキンクロハジロといった潜水採食カモは、春になってからつがいになるように思う。一方、水面採食カモ(いわゆる陸ガモ、あるいは淡水ガモ)は、明らかに冬の間につがいになるのが多い。秋に渡来した当初はペアで動いているのはほとんどいないが、2月〜3月になると雌雄ペアで動くのが目に付きまくる。ハシビロガモはペアでグルグル回ってる。冬の間に、グループでの求愛行動なんかもしばしば見られる。
つまり、少なくとも陸ガモは、秋にやってきて、きれいな生殖羽になってから、冬の間にペアになるのが王道。春先にはペアで動くが、秋にはまだペアではなく、集団でいるイメージ。なのに、この秋気付いたんだけど、マガモがなんか変。
まず、まだ10月なのに、すでにペアになっているマガモをよく見かける。そのオスをよく見ると、まだエクリプスが残っている。渡ってきてからペアになったにしては、仕事が早すぎないか? もしそうだとしたら、生殖羽の意味がないんじゃないのか? いろいろと気になる。
●2021年10月27日 大和川河口の阪神高速湾岸線のカワウ
1994年5月から、大和川の新明治橋から河口までの右岸を自転車で走り、水鳥のカウントを毎月1回続けている。いつ頃からか忘れたが(データを確認すれば判るんだけど、入力してないので、確認が面倒〜)、一番河口側で大和川をまたいでいる阪神高速湾岸線の橋桁にカワウが集まっているのに気付いた。橋桁の下側に入っていて、正面のは姿が見えるけど、遠目だと角度が悪くて、ぴょこんと突き出た尻尾しか見えない。正面でも手前側に入ってるのは、尻尾しか見えない。でもまあ右岸から見ると、上流側は一通り見える。でも湾岸線は右岸側が下流寄りに斜めにかかっているので、下流側は見えない。最初の頃はなんとなく上流側だけにカワウは集まってると思い込んでいたのだけど、すぐに下流側にも入ってるのに気付いた。気付いたけど上流ほどきちんとは数えられないので、下流側はやむなく無視している。
この湾岸線に集まってるのは、集団ねぐらなんだと思う。だいたい調査は正午前後に行ってるから、早くから塒入りしている個体だけを数えているんだろう。そういう意味では、このカウントにどういう意味があるのか若干疑問だけど、水鳥のカウント調査をしているので、無視する訳にもいかない。
そんな不思議な数字なんだけど、もっと不思議なのは、けっこう個体数の変動が激しい。メッチャ多い時と、全然いない時がある。なんとなく季節で決まってる気がするけど、まだよく判らない。
今日(2021年10月27日)は、湾岸線の上流側にとまってるカワウが569羽と、とても多かった。秋だから多いのかな?と思って、昨年と一昨年の10月をチェックしてみた。
2020年10月29日 364羽
2019年10月28日 621羽
10月はどうも多い月みたい。
じゃあ9月は? と思って見返した。
2021年9月24日 41羽
2020年9月24日 471羽
2019年9月27日 97羽
9月は多いとは限らないっぽい。9月末から10月頃に増加するってことだろうか。この調子で3年分だけでも、年間の数字を引っ張り出したら、おおまかな傾向が判りそうな気がしてきた。いつかやろう。
●2021年10月26日 部屋の使用人数の上限基準の緩和
今日の会議で、部屋の使用上限基準が緩和された。とても嬉しい。昨年度から、新型コロナウイルスの感染拡大の状況に応じて、何度も基準を変更してきた。一番厳しい基準は、定員の50%だけど、それだと使い勝手がとても悪くて苦労した。ようやくちょっと増しに使えそうな感じ。
ちなみに、会議室、集会室、実習室、講堂の上限人数の変遷は以下のとおり。
会議室 集会室 実習室 講堂
定員 22名 48名 36名 266名
2020年7月1日設定 11名 24名 18名 133名
2020年7月28日改定 11名 24名 18名 52名
2020年9月28日改定 12名 36名 24名 133名
2021年6月22日改定 11名 24名 18名 129名
2021年10月26日改定 12名 38名 26名 170名
2年続けて、夏の増加(というか緊急事態宣言の解除)に合わせて基準を厳しく改定(基本は定員の50%)。秋に基準をゆるめるを繰り返している。
講堂は、2020年の夏には厳しく極めて厳しく設定。今回の改定で、講堂の定員が一番多くなったのは、改修が入って、席の間の距離をとれるようになるから。
今後も、新型コロナウイルスの感染拡大が起きれば、三度厳しい基準に戻すことになるだろう。こんな繰り返しは早く終わって欲しい。
●2021年10月23日 琵琶湖博物館は25周年、大阪市立自然史博物館は71周年
琵琶湖博物館25周年記念シンポジウムに出席した。大阪自然史フェスティバルについての話題提供を頼まれたので、出席しただけなんだけど、他所の博物館の様子がいろいろ垣間見られて、勉強にはなった。
依頼されたら、すぐにタイトルとフェスの画像を求められた。チラシを作るらしい。そんなに力入ってたとは、想定外でちょっとドキドキ。本番4日前に打合せが設定された、のだけど先に別の会議が入っていて、お断りした。その翌日(本番3日前)に接続テストがあると、直前に言われた。たまたま予定が空いていたので、参加した。不思議だった。
接続テストと言えば、ちゃんとウェビナーに接続できるか確認して、あとはファイルの共有ができるかの確認。ってところかと思ったら、ウェビナーをいろいろ説明してくれた(視聴者とパネリストの違いとか)。Q&Aの機能は初めて体験するので、勉強になった。で、終わりかと思ったら、視聴者からのQ&Aへの対応で、議論がはじまった。まあ、ささいな質問が入ったら、自分の講演のあとにやり取りしたらいいですか?って訊ねたのがきっかけなんだけど。Q&Aのやりとりを、他の視聴者に見せるか否かが論点らしい。そんなん見せた方が面白いに決まってるのに。そして、その議論が延々と続き、接続テストはなんと2時間も続いた。なんじゃそれ? ウェビナーでの学会とか知ってる奴が決めたらそれで済むと思うけどなぁ。当日、結局質問は4つくらいしか来なかった。
なんとか自分の講演を終えて、もうお役御免。というつもりで脳天気に総合討論に臨んだ。1回くらい話を振られたら、ちょいっと答えたらいいんだろう。と思ったら、何度も何度も話を振られる。それも意味が分からない。フェスティバルをして、いろんな団体とのやり取りが始まったら、大変じゃないですか?とか。いろんな相談が増えたら、忙しいと断らなくても大丈夫ですか?とか。相談を受けて、断るという設定が意味不明過ぎて、あやうくそれを断るなら社旗教育施設(すなわち博物館)を名乗る資格はないですね。とか言いそうになった。
質問に面白いのがあった。市民利用が進まないのは、部屋の利用一つとっても手続きが面倒過ぎるからである。っていうもの。もしかしたら部屋を貸し出すたびに決済をとるんだろうか。こちらは受けた学芸員が自分の責任で部屋を押さえるだけ。部屋が空いてるか確認して押さえて、OKすれば終了(以前はノートに書くだけ、いまはクラウド)。
全体的に、何が問題になっているか判らなすぎて、質問にうまく答えられなかった。異文化コミュニケーションは難しい。尻尾によると、うちは学芸員個人の自由度が高く、あちらは低いらしい。その仮説をベースにすれば、不思議な出来事がとてもよく理解できる。
ガバナンスが行き届いていると、生きにくそう。体験したくない。一方、学芸員の自由度が高いと、一部の積極的な学芸員に、みんなが振り回される。まあ慣れてるから、そっちでいいけど。某北海道の学芸員さんからは、振り回されるのを、じゃなかった自由を体験してみたいと言われた。向き不向きがあるかもだけど。
付け加えると、琵琶湖博物館の初代館長は、形式論理が好きだから、行き届いたガバナンスのシステムを構築したのは、とても理解できる。でも、彼はとても頭がいいから、形式的にはガバナンスを維持しつつも、上手に自由を確保しそう。
その後継者達は、形式だけを受け継いだんじゃないかなぁ。と邪推。
●2021年10月22日 読書サークル 第116回会合覚え書き
隔月で、課題本の紹介文を持ち寄って、本についてあれこれ言い合うサークル。驚いたことに新型コロナウイルスが感染拡大が収まってきて、一年ぶりに対面で実施。今日の会合で出た本についての意見を記録。
今回の課題本は8冊。5冊繰り越されてきて、6冊繰り越したので、7冊についてあれこれ話し合った。
ちなみに各人は紹介文を書いてきていてて、4つを最大として★を付けている。
●「あしなが蜂と暮らした夏」
(紹介文3つ、平均★数は3.0)
京都で可愛がっていたアシナガバチ(の巣)のいくつかを、引越ついでに東京に持っていって、京都に戻る時、連れて帰らなかった。って部分が外来生物問題の視点から、なんか気になる人が多数。やさしくアシナガバチを紹介してる点は評価が高かった。
●「釣って 食べて 調べる 深海魚」
(紹介文5つ、平均★数は3.2)
料理が美味しそう。食べたい。という点では一致。魚に詳しい者は、深海魚についての解説が断定しすぎと指摘。でも深海魚について美味しく学べるという評価が多かった。
●「きっと誰かに教えたくなる蚊学入門」
(紹介文4つ、平均★数は2.8)
蚊取り線香の歴史や感染症の話は評価が高かった。最後の歌や折り紙の評価は低かった。解剖の仕方なんて誰が興味持つねん、といった奴もいたが、興味を持った人がいた。ただ、人を刺して、感染症を媒介する蚊だけしか扱ってないのに、“蚊学入門”とはおこがましいという意見が。これはタイトルを少し変えれば解決しそう。
●「ツバメのせかい」
(紹介文5つ、平均★数は3.0)
勉強になったし、それなりに面白かった。という意見が大勢だったが、同時に前作の『ツバメのふしぎ』の方が良かったという点でも一致。イントロに、前作では客観的にツバメを紹介したが、今度は“主観的”にツバメ(の気持ちorせかい)を考える。と書いてあったのに引っ張られて、内容が主観的なように勘違いしていた人がいた。この表現はあまりよくなかったかも。
●「もしも人食いワニに噛まれたら!」
(紹介文4つ、平均★数は3.5)
テレビ番組を見て、ワニを研究するためにオーストラリアの大学に行った著者。著者のキャラも、ワニのさまざまな情報も、全体的に受けが良かった。
●「クジラの骨と僕らの未来」
(紹介文2つ、平均★数は2.5)
エピソードの積み重ねだけで、データがぜんぜん示されないことがとても不満だった。調査捕鯨の様子、とくにグリーンピースの攻撃などは、みんな興味津々で読んだ。
●「ハチという虫」
(紹介文5つ、平均★数は2.6)
寄生蜂ばかりページ数が多いという指摘に対しては、ハチ類全体の種の割合から言えば妥当であるという意見。ハチの進化がストーリーの軸なら、もっと分岐図などを入れて、判りやすくすべきという指摘。アリが入ってないのはおかしいという指摘も。寄生蜂が大きく取り上げられてるのに、セイボウが入ってないのは、これまた種数の問題だろうか?
●2021年10月21日 ナンキンハゼの木の下で、カラスは喉をふくらます
地元公園は、ナンキンハゼの枝落としが最盛期。枝落としというのは、カラスが実付きの枝を落とす行動。地元公園では9月頃から始まって、11月頃まで続く。ってゆうかナンキンハゼの実が無くなったら終わる。12月頃からは、クスノキの枝落としが主流になる。そもそもどうして枝落としをするかは、今一つ判らないが、ナンキンハゼだけはなんとなく判る。ナンキンハゼの実は、まだ緑でも落とされると開いて、中の白い実が出てくる。落とせば、ナンキンハゼの実を早く食べられる。もしかしたら地上の方が食べやすい。たぶんカラスにとっては。とはいえ、カラスが落ちた枝から実を食べてるのを観察する機会はさほど多くない。が、今日はいっぱい見られた。そして思わぬ収穫も。
大池の東側を歩いてた。芝生の横にナンキンハゼが何本かあって、いまちょうどいっぱい枝が落とされている。そんなナンキンハゼの木の下に、ハシブトガラス2羽とキジバト3羽。どちらも、せっせとナンキンハゼの白い実を食べている。キジバトは、枝からとれて落ちた実を食べている。そのうに貯め込んでるらしく胸が膨らんでいる。カラスは枝を足で押さえて、次々とガバガバ呑み込んでいく。喉が膨れまくってる。後からゆっくり呑み込むのか、もしかしたら貯食するのか。ドバト1羽とハクセキレイ1羽も一緒にウロウロしている。ハクセキレイはなんか小さいものを食べているが、ドバトはナンキンハゼの実を食べているのかと思って、しばらく観察していたが、違う物を食べてるらしく一度もナンキンハゼの実を食べなかった。
落ちたナンキンハゼの実をカラスがガバガバ食べるのは予定通りだけど、ゆっくり見たのは初めてかも。カラスの枝落としが、キジバトのサポートになるのは、新発見。
●2021年10月20日 まだあるモズのハヤニエの謎
って文章を考えた。
モズのハヤニエは、回収して喰われているから、貯食行動というのはいいとして、目立つ場所に作るので、他にも何か意味があるんじゃないかと考えられてきた。で、なわばり宣言であるとか、メスに対するなわばりの質のアピール、あるいは刺して喰ってる途中で放置したとか、さまざまな説があった。
そんな中で近年の大きな発展は、ハヤニエは繁殖期直前に多く消費され、たくさんハヤニエを喰ったオスは、ピッチの速いメスに持てる歌を歌える。実際、ペアになる割合は高く、早くペアになるという野外実験の結果が示されたこと。でも、この発見は、オスだけの話だし、どうして目立つ場所にハヤニエを作る?という疑問には答えない。
という訳で、ぱっと思いつくハヤニエの謎
・メスもハヤニエを作るけど、メスにも貯食以外のハヤニエの意味はないのか? 繁殖期直前に消費するなら、一腹卵数や産卵のタイミングに影響してると面白い。
・ハヤニエは秋〜冬に作られるのが多いけど、春〜夏にも作られる。こっちのハヤニエの意味は? 2月〜4月頃、いったんハヤニエは作られなくなって、5月頃から再び作り出すといった結果もある。この季節変化がそもそも気になる。
・そして最大の謎。どうして目立つ場所に作るのか? つがい形成期には、オスはメスに横取りされないように、目立たない場所にハヤニエを作るという話もある。それなら、最初から目立たない場所に作ればいいだけ。それまで目立つ場所に作るのには、なにかしら意味があっても良さそう。
●2021年10月19日 長居公園の植物園以外の部分で、鳥と植物の関係を観察する
12月の植物園案内は、鳥スペシャルと称して、鳥と植物の関係を観察するという企画。しかし、この11月から来年の3月いっぱいは、工事のために植物園は閉園。仕方が無いので、植物園案内は、植物園の外をウロウロするスペシャル版に。スペシャル版って意味判らんし、そもそも植物園の外で観察することはあるのか?
という訳で、今日、植物研究室の学芸員のみなさんが、下見の下見をするというのでついていった。今まで前を歩いていたのに気付いていなかった、ツル植物コーナーというのがあって、見たことのないツル植物が生えていた。ヘンリーヅタといのに果実がなっていたので味見した。なんかシュウ酸っぽくチクチクした。
ヤナギバナラ、アカガシワ、タイワンツバキ、シャクナゲモドキ。聞いたことのない植物がけっこう植えてあって勉強になる。植物屋さんもヤナギバナラは勉強になったらしい。ヒトツバタゴがあるとは知らなかった。果実も成っていたので、ヒトツバタゴのタネをゲット。特徴的で綺麗。味見をしたら苦かった。
という訳で、植物園の外でも植物の観察会はできそう。しかし、植物と鳥との関係の観察会となると、話は違う。鳥がよく食べる果実は、クスノキくらい。クロガネモチもセンダンもトウネズミモチもない。果実があったのは、クスノキ以外には、イヌマキ、ノイバラ、シャリンバイ、ヘクソカズラ、ヒトツバタゴ。ヘンリーヅタ程度。どれも量は少なく、鳥に人気はなさそうで、12月時点では鳥のとの関係はまだ生じてない。イヌマキは観察して、なにか話すことは出来るかなぁ。
植物園の中ですら、ネタには苦労するのに、外では喋ることがさらにない。どうするねん! 液果以外の実と鳥の関係を話すか、成立してない鳥と植物の関係を話すか、かなぁ。真面目に考えないとダメかも。どうにもならなかったら、植物屋さんに丸投げだぁ。
●2021年10月18日 島に木が生えてきた
大津池では、真ん中の島が、1990年代からずっとサギ類の集団繁殖地になってきた。ゆっくりと樹が枯れてきた。2000年代に入ってカワウが繁殖するようになって、樹が枯れるスピードが一気に高まり、樹がほぼ全部枯れるのにさほど時間がかからなかった。それにともなって、真ん中の島では、枯れ木と地上でカワウが繁殖するようになり、同時に南東の島にも営巣地ができた。東の島は住宅地に近いためか、南面の追い出しが行われた。それでも南東の島での繁殖は北面で続き。というのが2018年までのこと。
って状況の頃は、営巣が続く8月までは真ん中の島は禿げ山状態。カワウがいなくなった9月から草が生え始め、10月頃には草ぼうぼう。11月〜12月にカワウが戻ってくると、草はなくなり再び禿げ山。
2019年から新展開があって、南東の島での繁殖はなくなり、西の島での繁殖がはじまった。2019年には少数だったのだけど、2020年には増えて真ん中の島と遜色なくなった。そして、2021年、真ん中の島でのカワウの繁殖はほとんど無くなり、大部分が西の島に移った。
するとどうなったかというと、真ん中の島が禿げ山にならず、ずっと草が生えてる。と思ってたら、樹まで生えてきた。今日、よく見ると樹がかなり育ってる。遠目に見た感じでは、大部分アカメガシワ。成長が早いから、こういう場面で強そう。サギ類やカワウの糞が長年に亘って供給されてきたので、土壌はかなり富栄養なはず。アカメガシワはそういう場所が得意なのかも。そういえば、オオミズナギドリの集団繁殖地がある京都府冠島でも、ギャップができれば、すぐにアカメガシワが生えていた。
アカメガシワがある程度育ったら、再び集団繁殖地に戻るのか、もう少し時間をかけて遷移が進む余地があるのか。来年以降に注目。
●2021年10月17日 今年の石桁網のよりかす
ここんところ毎年秋にじっししてる恒例行事。この2年は、新型コロナウイルス感染症で、軒並み行事が中止になってるけど、この行事は昨年も今年も無事に実施出来ている。龍神様の加護かも知れない。
行事の少し前に、石桁網漁をする漁船に乗せてもらって、そのよりかすをもらってくる。大きなテンバコに3つ分。それを冷凍しておいて、本番に解凍して出してくる。凍らせたあと解凍した何体動物は腐っていて臭い。なにわホネホネ団の活動より臭い。屋外でやってるから、かろうじて耐えられる感じ。
行事の担当ではないが、毎回眺めに行く。今日も行ってみたら臭かった、臭くてドロドロなのに、みんな楽しげに中身をより分けてる。不思議な光景だ。大部分は二枚貝で、甲殻類や魚や棘皮動物が混じる感じ。今年は小さなアカエイがいっぱいで、少し危険。中にちらほらホネも見える。見る限り、魚のホネばっかり。
と安心してたら、呼び止められて見せられたのは、明らかに陸上脊椎動物だった。がーん。面倒だけど調べる。調べて帰ってきて、念のためすべてのホネをチェックして歩く。他にも陸上動物のホネが2つ見つかった。イヌ大腿骨、ニワトリ上腕骨、ウシ?椎骨の一部って感じか。
●2021年10月16日 瀬戸内海岸の冬の水鳥の分布
というタイトルのセミナーをリモートで。午後1時〜午後2時過ぎという時間設定。リアルタイムで見ていた人は、内部を入れて21名だけ。なのに、午後5時時点の見逃し配信の視聴回数は、62回になっていて、すでにリアルタイムを抜いている。もっと遅い時間に設定したら、もう少しリアルタイムの視聴者数は伸びたのか? 別に多くの人に見て欲しいとは思ってないけど、リアルタイムで見て、質問してもらえる方が、少し嬉しいかも。
で、このセミナーは、タイトルからすると、過去に瀬戸内海沿岸で調べられた冬の水鳥の報告や研究をまとめて紹介しそうな感じがする。のだけど、発表者はそんな意図はみじんもなくって、2013年〜2017年に実施した瀬戸内海沿岸全域(紀伊水道、豊後水道、響灘を除く。淡路島以外の島も除く)の水鳥調査の結果を紹介したいだけ。すべて未発表データだし、事実上初出し。それって価値が高いのか、価値が低いのかどっちだろう?
という感じではある。この後、このデータはデータペーパーにして発表したいと思ってるけど、解析する余裕はないかも。なのにセミナーでは、解析もせずに分布図から見て取れる傾向を大胆に言い放つという趣向。この趣向を繰り返すことはなさそうなので、そのまとめだけ、採録しておこう。
■カモメ類:ユリカモメが一番多く、次いでセグロカモメ、ウミネコ。
セグロカモメはどこにでもいる。
ユリカモメは、広く分布して多いが、紀伊水道や豊後水道に近いエリアでは少なめ。
ウミネコは大阪湾や播磨灘では紀伊水道に近いエリアに多いが、四国(燧灘など)にもけっこういる(山陽にはあまりいない)。
オオセグロカモメは、東に多い(とくに紀伊水道に近いエリア)。
■カモ類:西の方では陸ガモが主体で、東の方では海ガモが主体。
1000羽を超えるホシハジロやスズガモの群れは西では見られない。東では見られる(北岸)。
西では海でマガモやオナガガモやヨシガモなど陸ガモの大群が見られるが、東では陸ガモの大群は想像できない。
■シギ・チドリ類など干潟の鳥:シギ・チドリ類の3/4近くは周防灘で記録された。
周防灘のみで記録されたのが、メダイチドリ、ダイゼン、キョウジョシギ、ダイシャクシギ。
他のイソシギ以外のシギ・チドリ類も、ツクシガモもズグロカモメも周防灘で主に記録。
■ウ類その他:カワウ、サギ類3種、カンムリカイツブリは全域で広く記録された。
ウミウとヒメウはほぼ大分湾のみで記録。近年は大阪湾南部でも記録されるようになった。
ウミアイサとハジロカイツブリは、播磨灘北岸や周防灘などで多め(干潟との関係?)
オオバンは東で多かった。現在は全体にもっと増えてる可能性あり。
●2021年10月15日 いつものセミナーのパターン
他の人、とくに若いみなさんのパワポでのプレゼンを見てると上手だなぁ、といつも思う。画像多めで、ビジュアルが綺麗だし、文字少なめで、要領よく理解しやすくまとまってる。ちゃんと作り方を習うからなかなぁ。そして、習っていない世代の中でも自分のプレゼンは、出来がよくない。それは知ってるけど、なかなか改善できない。
プレゼンがいまいちなのは、データを入力するのに一杯一杯で、解析は諦めて、かろうじて集計して、講演に間に合わせる。ってパターンだからかもしれない。もっと余裕をもって準備するとか、欲張らず限られた範囲で、プレゼンを組むという姿勢が必要なのかもしれない。
しかし現実は、画像少なめ、グラフ少なめで、文字が多め、数字の並んだ表が多め、そして言い訳多め。時間の問題とか、スキルの問題以前に、頭の構造に問題があるのかもしれない。
とはいえ、多くの場合、セミナーをする大きな理由は、実はプレゼンをすることではなく、データをまとめることにある。そうじゃないセミナーは、特別展関連で仕方なくする場合くらいのもん。
プレゼンが悪いのはさておき(さておいていいのか?)、発表者の満足度と、楽しい雰囲気は、データをまとめた時の方が高い。もうこのパターンは治りそうにない。
●2021年10月14日 グーグルマップと戯れる
瀬戸内海沿岸の冬の水鳥のデータの集計ができたので、カモ類に続いて、カモメ類のランキングも作った。そして、今日はおもだった水鳥の分布図も作成した。グーグルマップと半日戯れた感じ。
グーグルマップのマイマップは、以前少数のデータでチラッと遊びで作ってみたことはあるけど、真面目に使ったことはなかった。今回は、手作業では作れない分布図を作る必要があって、緯度経度情報を読み込ませて、分布図を大量に作らないといけない。そんな使い方は初めてなので、ドキドキ。そして、いろいろと罠にはまって失敗した。気付いた点を書き並べておく。
1:読み込む元ファイルは、エクセルならxlsではなく、xlsxでないとダメだった。
2:プロットのカテゴリーを分けるキーのフィールドは、文字列ではうまく行かず、数字に置き換えた。
3:数字をエリアで設定することができないので、きちんと分けておく必要がある。
4:1枚のベースマップへのプロットのシートは最大10枚まで。
5:1つのデータシートで10枚以上の分布図を作るなら、各種の分布図を残す必要がないなら、読み込んだデータで、何度も作り直す方が簡単。
●2021年10月13日 瀬戸内海のカモ類の分布
瀬戸内海沿岸の冬の水鳥のデータの集計ができたので、個体数ランキングをつくってみた。数え漏れはもちろんあるけど大勢は変わらないかと。
瀬戸内海全体のカモ類の個体数ランキングは、第1位ホシハジロ、第2位マガモ、第3位オナガガモ、第4位オナガガモ、第5位スズガモ、第6位カルガモ。少し離れて第7位ヨシガモ、第8位コガモ、第9位オカヨシガモ、第10位キンクロハジロ。次点はなんとウミアイサ。ただ、海域による偏りがかなり激しい。
海域ごとにトップ3を並べると
大阪湾:第1位ホシハジロ、第2位スズガモ、第3位ヒドリガモ
播磨灘:第1位ホシハジロ、第2位スズガモ、第3位ヒドリガモ
備讃瀬戸:第1位ホシハジロ、第2位ヒドリガモ、第3位マガモ
燧灘:第1位マガモ、第2位オナガガモ、第3位ヒドリガモ
備後灘:第1位スズガモ、第2位ホシハジロ、第3位マガモ
安芸灘:第1位ヒドリガモ、第2位マガモ、第3位なし(他は10羽以上記録されてない)
広島湾:第1位ヒドリガモ、第2位スズガモ、第3位オナガガモ(マガモもほぼ同数)
伊予灘:第1位マガモ、第2位ヒドリガモ、第3位なし(他は20羽を超えない)
大分湾:第1位オナガガモ、第2位ホシハジロ、第3位ヒドリガモ(マガモもほぼ同数)
周防灘:第1位マガモ、第2位ヒドリガモ、第3位オナガガモ
備後灘から大分湾はカモ類総数が少ないので、信頼性は微妙かも知れない。とはいえ、東は海ガモ、西は陸ガモが卓越する。大阪湾と播磨灘はよく似てる。
●2021年10月12日 獺君の博物館紹介
他の人が博物館紹介するのを聞いたのは久しぶり。博物館実習生にオリエンテーションをするようになってからは初めて。やはり人によって重点が違っていて面白い。
獺君は、まだ2年目。この2年はコロナ禍の中だったので、平常運転の博物館を知らない。これはかなりのハンデキャップ。学生さん達に博物館紹介をって依頼が来て、なりゆきで獺君が担当になったけど、ちょっと心配。でも勉強するいい機会でもあるから、そのまま見守る。
心配なので、学生さんたち相手に話してるのも、廊下からコソッとのぞく。けっしてやましいことをしてるわけではないのだけど、自分がやってるのを、他の学芸員に見られるのをけっこうイヤ。自分がイヤなことを人にするのは良くない…、などと思ってるので、自ずとコソコソする。
聞いての感想は、へんな話だけど、すごく詳しくて感心した。自分が紹介すると研究・資料収集・普及教育中心になる。常設展中心の紹介だったので、妙に新鮮だった。あのパワポが欲しい。どうやって作ったかと訊ねてみたら、館報とホームページで勉強したらしい。詳しいし、基本的に間違いはないし、優秀だなぁ。同じ立場で、自分がこれだけできるとは思えない。あと、パワポの作り方が上手。それは年代の差か???
もちろん気になる部分はあった。展示のコンセプトや経過は、館報やホームページにはあまり書かれてないから仕方が無い。古い展示のコンセプトや経過は、こちらも知らないので全然気にならない。でも、こちとら近代史は詳しい。ってゆうか生き証人。ちょっと偉そうに補足できる。たとえば、旧4展要素が通路に並んでるのは、展示更新プランが頓挫したからなんだよ。とか。
近代史だけは勝ってるので偉そうにできる。でも他の部分はすでに危うい。
●2021年10月11日 台湾に荷物を送る
仕事上の知り合い、研究関係の知り合いは、そこそこいるけど、そもそもプライベートの知り合いは少ない。というかほとんどいない。学生時代の知り合いとのつき合いも、ほぼ皆無。という訳で、日本人の友人もあまりいない訳で、海外には知り合いすらほとんどいない。唯一の例外は、大学時代に同じ研究室にいた台湾の知り合い。台湾人ではあるけど、日本に留学していたので、日本語でやり取りできて、楽ちん。
向こうも楽ちんだからだろうか。気軽に指令が送られてくる。日本語についての質問やちょっとした翻訳依頼、留学時代の共通の知り合いの消息についての問合せ。そして、なんかちょっと面倒な指令。今回の指令は、こちらでやっていたアインシュタイン展のオリジナルグッズを買って送ってこいという。ついでに本やらなんやらも送れという。断る理由もないから、買いそろえる。
で、今日、ようやく送った。とても面倒だった。午前中いっぱいかかった。宛名を手書きで書いても拒否される、とは聞いていたけど、こんなに面倒になっていたとは〜。どう面倒だったか、経過を記録しておこう。
とにかく向こうからの希望の品を揃えるのが面倒だった。一つはアインシュタイン展グッズ。これはオフィシャルショップに買い出し。数冊の本。これはうちのミュージアムショップで仕入れてもらって購入。最後は、ロイホっていう膏薬。そんなん知らんから、どこに行ったら売ってるのかも判らない。と思ったら、スーパーからドラッグストアまでどこでも売っていた…。販売物の輸入と思われると関税がかかるとのことで、箱から出して送れとの指令。違法じゃないよね?と思いながら言われた通りに。
次は送り方の検討。どうも国際宅急便は、薬が送れないらしい。膏薬は微妙かも。ってことで郵便で送ることに。こちらはなぜか薬は禁止になってない。よね。間違ってないよね?
で、箱詰めして、宛先を打ち出して、郵便局に持っていった。今は手書きでは扱ってもらえないと聞いていたので、打ち出して持っていったけど、そうじゃなかった…。窓口で登録してあるか?と問われ、????となってたら、チラシを渡してくれた。同じような失敗をする人がいっぱいいるらしい。荷物を持って、戻ってくる。
チラシに指示されたサイトに行くと、差出人の登録から始まって、宛先登録して、内容物を具体的に書いて、数量と単価付けて。そして明細付きの宛名印刷。面倒くさ〜。できる限り、海外に物を送るの止めようと堅く心に誓った。
間でいっぱいチェックが入るんだろうか。9日かかってようやく先方に着いた(受付や到着の確認メールがやってくる)。相手からの連絡によると、関税はかからなかったとのこと。良かった。ちなみに交換で送ってもらったグッズには、関税がかかった。3400円も取られた。なんか不公平な気がする。
●2021年10月10日 間近なツツドリでいろいろ確認
なにわホネホネ団の鳥の日。中型のスズメ目鳥類に混じって、ツツドリが1羽出ていた。自分で処理してみたかったけど、トリ先生に奪われ、羨ましいので、いろいろ観察した。寸詰まりの嘴と丸く飛びだした鼻孔が可愛い。足指が前後2本ずつなのは、どうしてかな?
この秋は、やたらとトケンの画像が送られてきて、同定を求められる。仕方が無いから『日本の鳥類と其生態』を調べる羽目に。でも勉強になった。下尾筒の記述はこんな感じ(抄訳)。
カッコウ:白色だが少しく黄色味ある事があり、横帯は粗く不規則。
ツツドリ:バフ色地に黒色の横縞あるのが常だが、横縞は不完全や欠くこともある。
ホトトギス:下尾筒はクリーム色。
下尾筒にシマシマがあればホトトギスじゃない。と断定できる。真っ白ならカッコウと断定かな。
向かいのツツドリの下尾筒は茶色味あって縞付き。予定通り。その上、小翼羽下は真っ白。ツツドリで間違いなし。ちなみに後頭には白い羽根が1枚。胸辺りに茶色は入ってないけど、メス。
で、SOは窓4つのD。どうやら幼鳥なのだけど、処理していたトリ先生が、上尾筒が不思議な感じになっているのを発見。左半分はシマシマの幼羽っぽい羽根なのだけど、右半分は、縞のない灰色の羽根。右半分だけ成羽に換羽したってことだろうか? へんな換羽。
●2021年10月9日 なにわホネホネ団活動再開
久しぶりになにわホネホネ団の活動日。今日は、哺乳類は7体剥いた。緊急事態宣言は解除されても、コロナ禍は継続中なので、室内行事は、換気やマスクに加えて、定員が厳しめ。作業する部屋は定員36名なので、その50%の18人しか入れない。
でも、昨年の11月に活動して以降、この1年近くの間、3月にしか活動できていない。するとどうなるかといえば、冷凍室が満杯になる。とてもヤバイ。そして、参加希望者がたまっていく。企画しては中止をメーリングリストで告げられる団員は静かに我慢してる。一方、見学希望者や入団希望者は、参加日を予約しては、中止の連絡をもらうの繰り返し。この1年ずーっと、申し込んでは断られるということを繰り返してきた人もいる。何度もお断りするのは、こちらとしても心が痛い。なので、活動再開となると、受け入れたい。でも定員があるので、見学・入団希望者を全員入れたら、今度は団員が参加できない。団員がいないなにわホネホネ団のいったい何を見学するの?って話になる。
仕方が無いので、早い者勝ちを原則に、団員と、見学・入団希望者それぞれの人数を調整した結果、今日は両者ほぼ同数となった。いいのかこれで。まあ、1年越しの方が、入団することになって、一つ肩の荷が下りた的な。
とまあ、こちらは小さな胸を痛めているので、無断で欠席されると、けっこうムカッとする。コロナ禍的には、人数少ない方が歓迎のはずなんだけど、乙女心は難しい。
●2021年10月8日 なにわホネホネ団活動再開前夜
ようやくのこと、大阪府の緊急事態宣言も赤信号も解除され、明日は3月以来、7ヶ月ぶりのなにわホネホネ団の活動日。
久しぶり過ぎて、段取りを思い出すところから。明日・明後日の参加者も、とりあえずリハビリが必要かも。あんまり難しそうなのは、やめておこうか。
一方で、冷凍室はこの1年半でパンパンで、大変なことになっている。少しでも中身を減らしたい。できるだけ大きいのを出したい、できるだけ多く出したい。ただ、これまた久しぶり過ぎて、適正な作業量の加減も計りにくい。なにわホネホネ団の活動の準備、その作業量の加減には、いつも頭を痛めるのだけど、いつも以上に頭がいたい。
久しぶりで簡単なのは、冷凍室に未処理の死体がいっぱい入ってるので、大きめの箱を適当に引っ張り出せば、たいてい適当な哺乳類が入っていること。でも、入団試験の受験希望者もたまっているので、入団試験に向いてるしたいばかりを出す訳にはいかない、という事情もある。
コロナ禍自体は終わってないので、室内の活動には、定員が厳しく設定されている。前日の準備とは違うけど、参加者を決めるのも頭が痛い。定員が設定されていても、コンスタントに活動できていた昨年の今頃は、さほど問題なく参加者が決まっていた。毎回、数名の見学者、そして定員以内に収まる団員の参加希望者。
が、今回は、久しぶりなので団員の参加者が殺到。それ以前に、この半年以上にわたって、活動の中止を繰り返してきて、見学希望者と入団試験希望者がたまっている。断りきれないので、やや多めにすでに見学者を受け入れてる。という訳で、その分、参加できる団員が減る。明日は、団員は半分弱しかいない…。
仕方が無いので、活動日数を増やしたのだけど、参加を希望してくれているのに、断らざるを得ない団員や見学希望者がけっこう出てしまい、小さな胸を痛めている今日この頃。早く誰でもいつでも、参加できる時代に戻らないかなあ。
●2021年10月7日 ハンコの代替わり
お金を振り込みに銀行に出掛けた。何のためかはさておき、年に一度の年中行事みたいなもの。例年は5〜6月に振り込んでるんだけど、今年は秋にずれ込んだ。
手持ちの銀行口座は3つあって、以前は、M銀行から振り込んでいたけど、数年前から、KM銀行から振り込むようになった。銀行ごとにハンコを変えてるんだけど、KM銀行のハンコは、少し前まで出勤簿に押してたハンコで、裸でジーパンのポケットに入っていて、しょっちゅう落としたりしていて、消耗が激しい。周囲の枠はなくなり、陰影も丸くなっていて、かろうじて苗字が読める感じ。実は出勤簿のハンコとしては既に若者に代替わりしていた。
銀行に登録されている印影とはずいぶん違うはずで、数年前にKM銀行から振り込もうとした時、通用するのかドキドキした。でも、なんとかOKもらえて、これでいけるのか。と理解して、それから数年、問題無く振り込めたのだけど、今年ついに待ったがかかった。
カウンターの中で、エライ人を呼んできてワタワタしてる。なんども丁寧にハンコを押し直して、登録されてる印影と比べてる様子。申し訳ないなぁ、と思っていたら、呼ばれた。登録してるハンコを変えて欲しいという。変わり果てた今の印影を登録し直したらいいんじゃね。と思わなくもなかったが、なんか申し訳ないので、ハンコを変えることに同意。別のハンコを取りに帰って、登録し直した。
今度登録したハンコは、もう一つの口座と同じハンコなので、どのハンコを持っていけばいいのか、迷わなくてもいいようになった。便利になったと言えば、便利になった。
年をとって、角がとれて、すっかり丸くなったハンコは、若かりし日に登録された姿と同じとは認めてもらえなかったって話だけど。新たに登録したハンコは箱入りだから、角もとれず、丸くもなってなかったってだけ。代替わりとは言え、若返ってはいない。
●2021年10月6日 また一つ大阪から自然関連の本の出版社がなくなった
1999年に保育社が倒産した時は、原色図鑑はどうなるんだ?!となったもんだった。多くの人の支援で、なんとか出版を続け、2007年からは、株式会社メディカ出版の100%出資の子会社として再出発した。
2004年3月末に蒼樹書房が廃業した時は、5月末まで一部タイトルが、割引販売された。日浦勇の『海をわたる蝶』と『蝶のきた道』はミュージアムショップで仕入れた。『一夫一妻の神話』はHSKから、『動物生態学』は海游舎から、再版された。これは著作権の委譲が行われたってことかな。
そして2021年9月末をもって、トンボ出版が廃業。保育社に続いて、大阪の自然関連出版社がまた一つ無くなった。とてもショック。さらにトンボ出版からは、博物館関係者の本もいろいろ出ているので、その意味でもショック。数え上げると、
『新装版写真でわかる磯の生き物図鑑 フィールド版』『どんぐりの図鑑 フィールド版』『ひっつきむしの図鑑 フィールド版』『セミと仲間の図鑑 フィールド版』などなど
最後のはいらんけど、最初のは行事でも使ってるので、無くなるのは困る。他の出版社に版権の委譲する余地はあるのか? 本当になくなるなら、ミュージアムショップでいっぱい仕入れておいてもらう? でもいっぱい仕入れるにも限度が…。
とにかくいろいろ情報が欲しい。版権委譲の問合せも著者たちからしてるけど、まだよく判らない。ただ後始末のため、事務所は年内はあるらしい。それまでにどう対応するか決めなくちゃ。
●2021年10月5日 今年度の果実チェックスタート 今年度の主要樹種の成り具合
10月になったので、少し出遅れ気味だけど、地元植物園の果実チェックをスタート。28年目のシーズン突入。この28年の間、一番果実量の多いクスノキを中心に、偶数年度は不作気味、奇数年度は豊作気味を交互に繰り返してきた。時には、豊凶が判りにくい年もあったけど、だいたい豊作よりか不作よりかは判断できる。という訳で、奇数年度の今年は、豊作よりの予定。
ってことで、液果を付ける主要樹種の果実の成り具合を記録しておこう。
クスノキ:一番結実木が多く、木自体も大きめ、果実量はわが調査地では圧倒的。で、予定通り、果実の成りはいい。でも、一部果実を付けていない個体もいるので、大豊作って訳でもなさそう。
クロガネモチ:木は小さいけど、結実木は多い。例年、クスノキの豊凶とはあまり関係なく、また個体毎に豊凶パターンがずれがちな樹種なのだけど。今年度は、ほぼ全ての個体がかなりの豊作。これは珍しい。
モチノキ:かつては結実木が多かったけど、近頃は減少気味。残る結実木は、すべてよく実を付けていた。
ムクノキ:9月にはもう果実が熟しはじめるから、出遅れててあまり参考にならないけど、全体的に果実の成りはいい感じ。
トウネズミモチ:よく成り具合がよく判らない樹種だけど、多くの個体が果実をけっこうつけてる感じ。
エンジュ:クスノキが豊作の年度にはほとんど成らず、不作の年度によく成る傾向がある。んだけど、今年度は結実してる個体も結実してない個体もある。どっちかと言えば、結実してるのが少数派。
センダン:クスノキ、クロガネモチ、トウネズミモチと並ぶ果実量四天王の一画。なのだけど、他の3種が豊作気味なのに対して、センダンだけほとんど結実していない。1人浮いてる。不思議。
●2021年10月4日 コシアカツバメ、ツバメ、イワツバメ秋の渡り研究計画 卒論用
今日は宇治川沿いを歩いて月例の鳥のセンサス調査。先月は、川面のあちこちをツバメとコシアカツバメが飛んでいた。ところが今月は、巨椋干拓地周辺をコシアカツバメの群れが飛んでるだけ。宇治川沿い、とくに巨椋干拓地周辺で、よさげなデータがとれそうな気がする。テーマは、ツバメとコシアカツバメの秋の渡りのタイミング。
ツバメの秋の渡りは、集団ねぐらでの個体数変化からすると、8月半ばにはじまり、9月中にはほぼ終わるんだろう。コシアカツバメの秋の渡りは、9月終わりから10月前半のイメージなんだけど、香川県で調べられた霊では、9月初めから10月頭に動いているらしい。
宇治川沿いを(繁殖個体を拾ってしまうので、京阪宇治駅周辺は避けた方がよさそう)、週1回くらいのペースでセンサスして、飛んでるツバメ類の個体数を拾えば、ツバメとコシアカツバメの渡りのタイミング明らかにできそう。
このデータは、8月初めにスタートして、10月末まで10数回実施すれば結果が出る。さらに年内続ければ、越冬イワツバメの登場も拾えてさらに楽しくなりそう。運がよければ、8月終わり頃から、ショウドウツバメも見つかるかも。イワツバメの秋の動きがとらえられれば、さらに興味深い。でも、そのためにはもっと早く調査を始める必要があるかも。
個人的にはどういう結果になるか興味があるけど、内容は卒論レベルかな。と思う。調査すべき機関が最短で、夏から秋の3ヶ月弱。このコンパクトさも卒論向きっぽい。
●2021年10月3日 半年ぶりに対面行事
9月末に、緊急事態宣言が解除され、大阪府の赤信号も解除されて、対面行事が再開できる条件が整った。ってことで、対面の野外行事の一発目、中高生とキノコ探しに行った。
思い起こせば、今年度は、4月4日に友の会向けバックヤードツアーをして以降、大阪府に赤信号で出て、対面行事が中止になった。その後、緊急事態宣言が出たり引っ込んだりしつつ、ずーーーっと赤信号が出たままで、9月末に至る。実に179日間の対面行事中止。最後の野外観察会は3月29日なので、野外観察会はなんと188日ぶり。そういえば、直近の野外観察会も中高生向けだった。鉱物探しに行ったなぁ。
ようするに半年ぶりの対面行事だったので、やり方を微妙に忘れていて、思い出すのに苦労した。苦労した上に、やはり忘れていることがあった…。もとの調子を取り戻すには少し時間がかかりそう。
あと、半年ぶりに会うと、中高生たちは、けっこう背が高くなっていたり、落ち着いていたり、いろいろ成長していた。こちらはむしろ退化したのに、ちょっと悔しい。
●2021年10月2日 能勢町鳥類目録
能勢町のレッドリストを作成する、的な企画があって、今年度はとりあえず生物目録を作成するように、というお達しを頂いたのは、この7月だか8月。担当は、陸上脊椎動物4グループ。両生類、爬虫類、哺乳類は、種数が少なく、おおむね自分のデータでなんとかリストができるので、8月中に作製してしまった。早手回しに、おおざっぱにレッドリスト案も作製済み。
でも、鳥類は種数が多くて面倒なので、後回しにしていた。9月の学会発表とその後始末が終わって、10月に入って、ちょっと一息。でも、今年度の残りは、来年春の特別展の準備に追われる予定。年度末に近付くにつれて忙しくなる。とくに気分的に。
という訳で、どうせ今年度中にすませないといけないものは、今さっさと終わらせておくのが吉。ってことで、能勢町の鳥類目録作成に手を付けた。手を付けてみたら、少なくとも外形を作るだけなら割と簡単だった。
『大阪府鳥類目録2016』というのがあって、大阪府で記録のある鳥全種について、生息状況の解説と一緒に大阪府を2次メッシュ4等分のメッシュでの分布図がついてる(2001年〜2015年の記録に基づく)。能勢町は、このメッシュの北西の端っこ4つにほぼすっぽりはまる。少し豊能町が混じるけど、誤差範囲。この4メッシュに記録をあるかどうかを確認すれば、過去20年の状況はだいたい押さえられる。
さらに巻末には、過去15年を中心に主だったor重要な記録のリストもついてる。能勢町は大阪府の北の端っこで、そこでの確認記録は比較的重要、と思ってもらえるらしく、けっこう掲載してもらえてる。
そして、この巻末の能勢町の記録はすでに拾って作製されたリストが存在する。ってことは、とりあえずメッシュ記録で、リストを補えばだいたい能勢町鳥類目録完成!
結論から言えば、この目論見はほぼ達成されたが、それ終わりではなかったってところか。作られていたリストは、学名を中心にミスが目立つので、全部チェックが必要。そして、常識的に考えて、能勢町で記録がありそうなのに漏れてる可能性が高そうな種が20
種ほどはありそう。これは2001年〜2015
自分のフィールドノートを思い起こすだけでも、チュウサギを追加できたし。ってことで、自分のフィールドノートを真面目にチェックするのと同時に、能勢町で鳥を見ている有識者の方々に、気になる種だけでも記録があるかを確認してもらう必要がありそう。
でもまあ、完璧ではないにせよ(きっと迷鳥系が抜けるだろうから)、レッドリストを作成するベースの鳥類目録は、おおよそ目処が立った感じ。一安心。
●2021年10月1日 今月の目標
9月末で、緊急事態宣言が解除された。というわけで、この10月の大きな話題は、対面行事の再開。それにともなって、館内でのサークル活動も再開。どちらも今年は実質的に3月しかできていないので、とても久しぶり。
この状態で緊急事態宣言を解除して、みんなが自由に振る舞ったら、また新規陽性者数が増加するのは確実なので、いつまで対面行事や館内でのサークル活動ができるか判らない。今までのパターンだと、12月は厳しそう。
冷凍室の危機的状態を鑑みると、なにわホネホネ団の活動を、できる間にいっぱいしておく必要がある。ってことで、10月と11月の活動日を通常の倍にして、さらに平日にも突っ込んだ。冷凍室の状態の改善。これが今月の大きな目標。
秋になったので、地元植物園の鳥のセンサス調査と果実チェックをしなくてはならない。この25年以上継続してるわけだし。センサス調査は、9月末に再開。10月前半に果実チェックもスタートさせる。これが調査面での今月の目標。
普及行事的には、11月のシンポの企画を固めるのと、10月半ばのセミナーの準備が、普及教育面での大きな目標。前半のメインはセミナー準備かなぁ。
そして、展示面では、来年4月からの鳥展の準備の開始が、重要。展示構成と解説書目次を固めて、展示物の手配を考え、解説書を書き始めたい。展示物の手配としては、早めに本剥製作製の発注が必要。あと、普及講演会を依頼してしまいたい。予算面もなにかしらしなくてはならない。さらにタイトル案を考える。忙しそう。これが後半のメインかと。