日記風覚え書き
2024年4月、5月、6月
(2005年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、2006年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、
2007年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、2008年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、
2009年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、2010年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、
2011年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、2012年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、
2013年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、2014年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、
2015年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、2016年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、
2017年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、2018年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、
2019年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、2020年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、
2021年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、2022年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、
、2023年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月)、2024年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月)
●2024年6月30日 2024年6月のまとめ 河川調査は完了、ムクドリ情報は足りない
大和川水系の本流と主な支流の繁殖期の鳥の調査が先月と今月で完了した。ついでにカメチェックもできたし、奈良盆地のイソヒヨドリ調査やイワツバメの営巣地の調査も一通りできた感じ。さらについでにオオカワヂシャやスクミリンゴガイ卵塊の情報も充実したと思う。同時に進めている大阪府のムクドリ・イソヒヨドリ・ハッカチョウ調査は、ハッカチョウの調査はおおむね完了、イソヒヨドリはもう少し情報欲しいエリアもあるけど、概ね分布は形になった。でも、ムクドリの情報はまだ全然足りない。繁殖情報だけ集めていても十分な分布図はできないかもしれない。
そんな2024年6月を振り返ってみよう。
ルーティンのため池調査、大和川調査は無事終了。奈良県3コース(1日で調査)と京都府2コース(1日で調査)のハッカチョウセンサスも実施。
地元公園では、月末にカワウの集団ねぐら調査を実施したのみ。
大和川水系の調査は、大和川本流とおもな支流をすべて歩いて、河川の水鳥とカメ類を記録。合わせて、イソヒヨドリを記録し、奈良盆地ではイワツバメの営巣地もチェックした。ついでにオオカワヂシャ・カワヂシャとスクミリンゴガイをチェックし、魚・淡水貝・淡水エビを採った。調査に出かけたのは9日間。
大阪府のハッカチョウ ・イソヒヨドリ・ムクドリの繁殖分布調査は、自分では他の調査のついでにチェックするのみ。また数日に一度は、サイトの分布図を更新。ハッカチョウの情報は時々今でも増えるが、イソヒヨドリの情報の充実が著しい。
ホネホネ団の活動は、3日実施。
大阪鳥類研究グループは、河内長野市へ。前日大雨だったので、荒れたルートを避けて車道を歩くコースに変更した。
読書サークルの会合を実施。
普及行事は、ジュニア自然史クラブ、鳥類フィールドセミナーと植物園案内動物編、カエル観察会。そして、大和川を歩く行事の2回目。箕面公園でのナイトハイクは、下見をしたけど、本番は雨天中止。
講演はなし。
論文は書けず。
査読なし。
とまあいろいろあった中、今月読んだ本は、自然史系5冊と、SF0冊、マンガ7冊。
完全休養日はなし。今年に入ってまだ2日。
今月のネコは、やはり網戸からよく外を見てる。
●2024年6月28日 読書サークル 第132回会合覚え書き
隔月で、課題本の紹介文を持ち寄って、本についてあれこれ言い合うサークル。
今日の会合で出た本についての意見を記録。
今回の課題本は7冊。3冊繰り越されてきたので、10冊についてあれこれ話し合った。
ちなみに各人は紹介文を書いてきていてて、4つを最大として★を付けている。
●「化石に眠るDNA」
(紹介文4つ、平均★数は3.5)
ジュラシック・パークは研究者にまで大きな影響を与えたんだなぁ。と話題に。で、一般にはもちろん影響が大きくて、コハクの中の蚊から恐竜のDNAをとれると思ってた人が多かった。というかほぼ全員? 絶滅生物を復活させる技術的な問題点も勉強になったのだけど、倫理的というか生態学的な問題点がとてもしっかり書いてあるという指摘。それをきっかけに著者の専門も話題に。古生物屋は生態学が判っていないというのが前提なのが面白い。
●「チョッキリ」
(紹介文5つ、平均★数は3.0)
全員がオトシブミに言及していたのが面白い。それでいて、オトシブミとチョッキリが分類学的にどう違うかが判ってない。確かにきちんとは書いてない。でも、揺籃もつくるけど、オトシブミとはちょっと違うとは理解されていた。托卵する種がいるのも、多くの人が注目していた。
●「「鳥」の秘密事典」
(紹介文3つ、平均★数は3.7)
内容面では面白く、デフォルメされた絵も要所を押さえていて、評価がとても高かった。『生き物「なんで?」行動ノート』の鳥版という評があった。台湾の方が著者なので、ヤマムスメなど台湾の鳥があちこちに出てきて、台湾の研究が紹介されているのも、評判が良かった。唯一の難点として指摘されたのは、監修者が鳥の専門家ではないこと。
●「鳥が人類を変えた」
(紹介文3つ、平均★数は3.0)
10種の鳥が取り上げられるが、人類を変えた鳥というより、人類と関わりがあった鳥で、むしろ人類が鳥を変えてる。という指摘で一致。内容面は、勉強にもなるし、不満はないけど、タイトルはみんな気になった様子。
●「ウマははしる ヒトはこける」
(紹介文3つ、平均★数は2.7)
歩く・走る、泳ぐ、飛ぶ。脊椎動物中心に3つの移動様式のパターンや力学、それを可能にしている構造が解説される。勉強になるけど、難しい。とみんな口を揃える。難しいけど面白かった人と、難しくて判らんかった人に分かれたかも。
●「キリンの保育園」
(紹介文4つ、平均★数は3.0)
大学院生がタンザニアに単身飛び込んで野生キリンを研究する話なのだけど、学生が苦労する部分が好きな人と、野生キリンの生態が面白かった人に分かれた。外国のチームは、車などの機材を投入して広範囲で調査してるのに、著者は徒歩で狭い範囲で観察しただけ。でも、その特性を活かした成果を出している点は、みんな印象深かった様子。
●「奄美でハブを40年研究してきました。」
(紹介文3つ、平均★数は3.3)
前半はハブの話、後半は奄美大島ツアーガイド。的な本で、全員一致したのは、奄美大島に行きたい! ハブに噛まれた時の対処も、とても勉強になった。が、同行者の足を吸えるのか?という疑念が。
●「大規模言語モデルは新たな知能か」
(紹介文5つ、平均★数は3.0)
ほぼ全員の感想は、なんか勉強になった気がする。それは、ChatGPTを使ったことがある人も、ない人も一緒。
●「生命 最初の30億年園」
(紹介文4つ、平均★数は3.3)
カンブリア爆発以前の生命の歴史を語った本は少ない。少し古い本だけど、いまでも価値は失われていない(つまりさほど新展開はない)ってことらしい。それぞれの章はとても読みやすいけど、時代が判らなくなるので、みんな扉の年表を何度も見たらしい。
●「野生動物学者が教える キツネのせかい」
(紹介文3つ、平均★数は3.0)
キツネについて、いろいろ書いてあって、キツネについて知りたいならオススメ。という声がありつつも、そこまで推す人がいない。なんか物足りないのだけど。ってことで何が足りないかが話題になった。個人的な研究エピソードが足りない、という意見が多かった。やっぱり失敗談とかが欲しいらしい。
●2024年6月26日 西東の除川を行く
今日は自転車で大和川から狭山池を往復。自転車で走れば、すぐ終わる。かと思ったけど、意外とかかった。魚獲ったりしてる余裕はなかった。西除川は北野田駅手前から狭山池までの間に、河川沿いの道がない。橋でのぞくだけ。東除川も大阪狭山市かがやき広場辺りで、川沿いをたどれなくて、大回りする必要があった。あとは川沿いを走るのは簡単。
西除川も東除川も、オオカワヂシャは見つからず、ヤナギバルイラソウだらけ。季節が変わり、オオカワヂシャの花期どころか、生えてるシーズンが終わった気がする。スッポンは西除川に1匹だけ。アカミミガメだらけ。どちらも超浅い川なのに、カワウがよくいて、浅く泳ぎ回っていて面白い。それ以外に、鳥についてはとくに成果はなし。狭山池でカワウとサギ類が繁殖してた程度。調査のタイミングが遅いので、営巣数は少ない。ヌートリアの多い両河川だけど、ぜんぜん見つけられず。
今日最大の発見?は、東除川の源流問題。てっきり狭山池から流出してると思っていたが、寺池台から流れてくるラインもあって、狭山池からのラインと大きさはあまり変わらず、むしろ流程は長い。こっちが源流では?
●2024年6月25日 カマキリモドキの暮らし
カマキリモドキの多くは、クモに寄生するらしい。とくに卵嚢の中に入り込んで、クモの卵を食べて成虫まで成長する。そんなカマキリモドキの中でも、草地に生息するツマグロカマキリモドキの話を聞いた。
このカマキリモドキは、ススキの葉っぱに大量の卵を産む。孵った1齢幼虫は、通りがかったクモにしがみつく。で、運ばれていって、クモが卵を生んだら、その卵に寄生して成虫になる。卵を産まないオスクモに引っ付いたら、どうすんねん!って思いながら聞いていたら、実際どうすかという話題になった。
でもまあ、可能性は2つしかない。オスクモに引いてしまったら、残念と諦める。あるいは、オスクモからメスクモに乗り換える。クモの多くは単独性とはいえ、オスクモがメスクモに接触する時が、ワンチャンスある。でも、うまくいくのか、そのメスクモに先住者いないか、いろいろハードルはたかそう。
カマキリモドキの暮らしは大変だなぁ、と思いながら聞き始めたが、大変なのはクモの方だった。カマキリモドキは、卵嚢内の卵を全滅させるらしい。クモへの影響は、実質クモ自体を食べるクモヒメバチとあまり変わらない。
でもまあ、引きの強さに左右されまくるカマキリモドキの暮らしが大変なのは間違いないだろう。それは、卵を大量に産むところに現れてる気がする。なんかネジレバネを思わせる。少なくとも、寄生という暮らしは、なんとなく思い浮かべるほど楽な生き方ではない。
●2024年6月24日 ローカルな希少種
我がため池調査エリアでは、オニバスよりミソハギの方が希少種。ミソハギなのか、なんとかミソハギなのか知らんけど。
オニバスは、調査してる63池で、毎年数ヶ所は生えてる。今年生えてる池は4ヶ所。でも、今までに生えたことのある池は、過去10年だと10ヶ所に増える。一度生えた池には、埋土種子がある可能性があるので、また生えるかも。ということでいえば、すべてが生息地かもしれない。そういえば、調査エリア内に、もう1ヶ所、小さな池にオニバスが生えてるという情報ももらった。
一方、ミソハギは、毎年2ヶ所で生えるだけ。ずーっと同じ池の同じ辺りに生えてる。この2つのエリアが埋められたら、絶滅。
そう言えば、オオミクリは1ヶ所にしかなくて、その池の回収と共に失われた。
一方トチカガミは、長らく1つの池に生えていたが、池が埋め立てられて消失。と思ったら、新たな池で突然生えだした。が、ここも護岸工事の後、消えてしまった。と思ったら、また新たな池で生えて、とても増えて現在にいたる。この植物は、飼育個体が放り込まれることもあるらしいので、自生なのかはよく判らない。
以上を踏まえると、わが調査エリアの希少種的順番は、オオミクリ>トチカガミ>ミソハギ>オニバス。でも、環境省的には、オオミクリとオニバスは絶滅危惧II類、トチカガミは準絶滅危惧。なのに、ミソハギは国のレッドリストには載っていない。他の3種は、各都府県のレッドリストにもいっぱい掲載されているけど、ミソハギはほとんどレッドリストに載らない。なんと大阪府のレッドリストにもミソハギは載ってない。なんか不満。
●2024年6月23日 ひさびさのナイトハイクは雨天中止
本来なら今日は、午前0時過ぎに集合して、ナイトハイクの予定だった。が、今頃になって梅雨入り。100%雨予報だったので、雨天中止を決定。
中止を決定して申込者に中止の旨のメールを送る。さらに、留守電で雨天中止のアナウンス。ここまで中止を宣言したら、たとえ一滴も雨が降らなくても、中止は覆らない。後には引けない。でも、やっぱり天気が気になる。自宅辺りはあまり雨が降らんかったが、箕面は夜の間ちゃんと雨が降ってた。と言うのを確認して一安心。
ちなみに、通常、雨天中止でも、念のため集合場所に行って、アナウンスを聞いてないでやってきた参加者を追い返すという仕事をする。が、ナイトハイクは終電で集合なので、その仕事をしたら、帰ってこられない。車を手配という手段もあるけど、100%雨予報を信じて現地には行かなかった。
今年のナイトハイクは、間にコロナ禍をはさんで、2018年以来久しぶりの企画だった。それも夜通し歩く設定の真のナイトハイクは、2016年以来。
今年で、大阪を離れる(だろう)メンバーと一緒に夜の山を歩きたかったけど、けっこう残念。そして、ナイトハイクを企画するのも、最大あと2回。1回くらいは実施したいなぁ。
●2024年6月22日 鳥がいない季節は、身近な鳥の繁殖観察
今日は鳥の観察会。一年で一番鳥の種数が少ないこんな時は、身近な鳥をじっくり観察するチャンス。ってことで、今日はもっぱら巣立ちビナ探し。
考えてみると不思議な気もするけど、大阪平野は渡りの季節にはいろんな鳥が通過して楽しい。冬にもいろんな鳥が見られる。なのに、繁殖期にはめっきり鳥の種類が少なくなる。冬に暮らせるなら、繁殖期も暮らせそうなのに。ヒナを育てる餌が足りないのか?
遠い昔からそうなのか、ヒトが市街地化したからかは、検討しても良さそう。少ないと言っても、近年ちゃくちゃくと増加してる。増えてこれなんだけど、今日出た種類は、
ドバト、キジバト、カワウ、コゲラ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、シジュウカラ、ツバメ、ヒヨドリ、メジロ、ムクドリ、スズメ、カワラヒワの13種。すべて大阪市内で繁殖してる。
このうち、巣立ちビナなどに出会えたのは、カワウ、ハシブトガラス、シジュウカラ、ムクドリ、スズメ。
ヒナを連れ歩かないハト類、ヒヨドリ、メジロは最初から期待していないけど、空中でツバメが巣立ちビナに給餌するのや、コゲラやカワラヒワの巣立ちビナは探したけど見つけられず。ちょっと残念。でもまあ、コゲラは巣を見せることができた。
巣立ちビナは可愛いし、子育ての様子は見ていて楽しい。身近に鳥が繁殖していることは知ってもらええるし。珍しくない身近な普通種をじっくり観察できる良い季節。
●2024年6月21日 増水の大和川調査
夜半から朝方まで大雨。今日の調査は断念か。と思ったら、午前9時頃にけろっと雨が上がった。もともと予定していたため池調査は、もう時間的に間に合わないけど、大和川の調査ならできる! と思って、深く考えずに、調査に出かけた。
調査スタート地点に到達してから気付いた。めっちゃ増水してる。中州がないどころではなく、高水敷までは水没していないけど、低水敷は水で満杯。なんか盛り上がるけど、定例調査としてはいかがなものか。水鳥が休息する場所も採食する場所もなさそう。
とはいえ、過去にも増水時に調査したことはある。他に日程がとれなければやむを得ない。そして、ターゲットの水鳥に関して言えば、今は一番水鳥少ない季節だし、この季節にいるサギ類やカワウは、増水していてもとりあえずはきっと河川周辺にいる。ってことで、調査を強行することにした。
調査は自転車で右岸側を走る。上流から河口へ、新明治橋から河口まで。近年の通常のパターンは、最初は堤防の上の車道を走り、近鉄南大阪線の手前で高水敷に降りる。高水敷の方が鳥に近くていいのだけど、高水敷を自転車で走りやすいかで決めてる感が強い。
とりあえず、堤防の上を走る。水鳥がいるとしたら、高水敷の縁だろうから、その辺りをチェックしながら。鳥がいられる場所が2本の線だけなので、調査が簡単。近鉄南大阪線の手前で高水敷に降りて、JR阪和線を越えてしばらく行って異変に気付いた。高水敷まで水に浸かっている。左にカーブする辺りで、右岸側の水位が高めになるらしい。
水に浸かってるといっても、水深はせいぜい20cm程度、自転車で走れる。JR阪和線から近鉄南大阪線の間は、右岸に堤防上の道がないので、どうしても高水敷を走りたい。という事情もあってそのまま進む。近鉄南大阪線を越えると高水敷の水はなくなるのが見える。近鉄南大阪線が近づいてきたところで、水深が深くなる。自転車のタイヤが半分近く水没してこげない。自転車降りて少し押し歩くと、水深が膝上に。荷物もパンツも濡らしたくない。そしてまあまあ水が流れてる。これってヤバイのでは? ここでようやく安全優先ということに考えが及び、マンションに上がる階段を見つけて、高水敷を脱出。安全な上からみると、水量多いし、流れも速い。かなり危険なことをしていたのかも。
そこからは少し迂回するだけで、右岸堤防の道に出られたので、あとは堤防上を進む。南海本線〜湾岸線も高水敷が水没してた。
定例の水鳥カウントしてはどうだったかはさておき、増水時の水鳥の様子がいろいろうかがえて面白くもあった。カワウは水に流れていっては、上流に飛んでいくを繰り返しやってるらしい。カルガモは高水敷で休憩。行き場のないウミネコ約10羽は、橋の上の街灯にとまっていた。アオサギやコサギは、高水敷の端っこをウロウロしてる。と思ったら、増水で打ち上がった何かを食べてる。虫屋がいうところの洪水採集。
●2024年6月20日 フクロウとオオタカ
フクロウがオオタカの巣で営巣するという話を、初めて聞いたのは、鳥の巣コレクターさんから。フクロウがオオタカの巣に陣取ってる画像を見せてもらった。そんな可能性があるとは知らなかったけど、調べてみると、そんなに珍しいことではないらしい。
とある開発に絡んで、CCDカメラを取り付けて見守られてるオオタカの巣があるんだけど。今年の春、最初はオオタカが巣に出入りしていて、今年も繁殖するんだなぁ、と思っていたら、ある日フクロウがやってきた。フクロウは、いったんオオタカに追い払われ、オオタカが営巣を始めたらしい。が、フクロウは再び戻ってきて、今度はオオタカを追い払って、陣取ってしまった。まさかそこまでアグレッシブとは。
結局、フクロウは、オオタカの巣で、ちゃんと雛を育てた。こうした例が、CCDカメラできちんと記録できたのは珍しいんじゃないかと思う。ぜひ論文にまとめて記録を残して欲しい。
といった内容がその委員会で報告された。そもそもオオタカが、工事の影響を受けずに、繁殖を継続できるようにするのが目的の委員会。フクロウを追い払え!という声が出たので、止めた。工事の影響でオオタカの営巣が失敗するのはなんとかするのが、その委員会の仕事。でも、オオタカがフクロウに追い払われるのは、自然の営み。人間が邪魔をするようなことではない。
もっとも、せっかくCCDカメラを仕掛けてあるのだから、その巣でオオタカが営巣してくれる方が、確認なども含めてありがたい。機嫌良くフクロウがオオタカの巣を明け渡してくれるよう、フクロウ用の巣箱を近くに架けるのは、ギリギリありかも。
ともかく、来年のフクロウとオオタカの動向が楽しみ。というか気になるところ。
●2024年6月19日 佐味田川と葛下川沿いを歩く
短い川なので、1日2河川は楽勝。と思ったけど、午後3時の制限時刻ギリギリでなんとか完了出来た。前半ゴールから後半スタートへは、JR和歌山線を使ったけど、待ち時間無しで乗れたから良かったものの、1時間近い待ち時間があったら、調査は終わらなかった。佐味田川と葛下川の鳥の調査は終わってるけど、カメ等のチェック。
大輪田駅から歩いて佐味田川・大和川合流へ。佐味田川沿いはおおむね歩きやすい。最後は大仏Cafeのところで、佐味田川が住宅地の暗渠に消えて、前半の調査終了。
河口近くでスッポン確認。アカミミガメも多い。西名阪道の高架には、コシアカツバメの古巣多数だが、全部壊れてて使ってなさそう。あとはひたすら歩くだけ。上流部にはスクミリンゴ多く、マシジミも見える。
JR五位堂駅に向かう途中の水路で、ひさびさにカワヂシャ発見!
JR王寺駅から葛下川
・大和川合流へ。右岸を歩いて行き、JR和歌山線を過ぎたところで左岸へ移り、その後もなんどか左岸と右岸を行き来。近鉄五位堂駅辺りから上流は川沿いにほとんど道がなく、橋ごとに川を覗くを繰り返す。最後は住宅地の暗渠に消えていくのは、佐味田川と一緒。下田駅辺りから近鉄五位堂駅辺りまでは、川が付け替えられてる。古い地図だったので焦った。
葛下川は、スッポンが多かった。砂地が多いエリアには必ずいる感じ。昨日、大雨で増水した翌日だから、日向ぼっこしてるスッポンが多い日だったのかもしれない。イワツバメの繁殖地を1ヶ所見つけた。と思ったけど、既に教えてもらった場所だった。オオカワヂシャは全然見つけられず。増水の後だから?
●2024年6月17日 高田川沿いを歩く
調査のために、国土地理院の地形図をコピーして準備していたのに、持っていくのを忘れてしまった。行きの電車の中で気づき、今日の調査は断念かと思ったのだけど、大阪府のムクドリ・イソヒヨドリ調査のための小さめの地図を持っていて、なんと今日の調査地はほぼ、その地図に載ってる! となって、スマホも駆使しつつ、小さい地図になんとか書き込んで、調査は無事に実施することができた。
池部駅から高田川・曽我川合流へ歩いてスタート。大部分は川沿いを歩きやすいのだけど、線路を越えるときだけ悩む。近鉄新庄駅を過ぎると、水路化して、川沿い歩きにくいし、どこで止めるか難しくなる。最後は、小さな三面張りの水路になって、私有地に消えていったので調査終了。6時間弱コース。そういえば、20年前もこんな感じやった。と思ったけど、20年前は分岐を別の方に行ったかも。ともあれ、水鳥がいないのは同じ。
30分ほどかかって、忍海駅までくだる。
高田川は、鳥は全然つまらない。ヒナ連れのカルガモが1家族いた程度。カメも少なく、スッポン見つからず。
オオカワヂシャすら1ヶ所しか見つけられず。でも、魚は盛り上がった。なんとなく水網入れたらギギ採れたし。砂地でマシジミやカワニナすくってたら、オオシマドジョウがついてきた。あちこちでハグロトンボを見かけた。
●2024年6月16日 ヤマアカガエルがいた頃
今日は高槻市でカエルの観察会。そもそも、ここのコースを設定した理由は、モリアオガエルの卵塊が観察しやすいことに加えて、カジカガエルとヤマアカガエルがいるからだった。
しかし、今日はヤマアカガエルは出なかった。ここ数年出ていないと思う。そもそも今日は、一緒に林床をピョンピョン跳んでいたタゴガエルもほとんどいなかった。
この行事は、2010年から実施している。いったいいつからヤマアカガエルは出なくなったんだろう? 振り返ってみた。
2024年 ヤマアカガエル×
2023年 ヤマアカガエル×
2022年 ヤマアカガエル×
2021年 コロナ中止
2020年 コロナ中止
2019年 ヤマアカガエル○
2018年 地震で通行止めで中止
2017年 ヤマアカガエル×
2016年 雨天中止
2015年 雨天中止
2014年 雨天中止
2013年 ヤマアカガエル○
2012年 ヤマアカガエル○
2011年 ヤマアカガエル○
2010年 ヤマアカガエル×
中止が多くて分かりにくいが、少なくとも2013年まではそれなりにいた感じ。もしかしたら2019年まではいた。が、コロナ禍後はいなくなったらしい。なにがあったのかな? 印象としては、林床が乾いて、林床のタゴガエルやトノサマガエルが減ったのと相関してそう。
●2024年6月14日 葛城川沿いを歩く
葛城川沿いを曽我川合流から源流部まで歩いた。ゴールは、20年前に合わせて、鴨神神社の前。最後は川沿いに歩けないけど。風の森峠も通過。20年ぶりに風の森峠! 特に何もないけど、名前が良い。途中、20分ほど魚取りしてたのを抜くと、6時間コース。
箸尾駅から葛城川・曽我川合流まで歩いて、調査スタート。葛城川沿いを歩くのは、距離の割には早く終わる。一つはコース取りが簡単だから。前半はずーっと左岸、後半は主に右岸。ちなみに前半は自転車コースがあるが、なぜか川から少し離れてるので使えない。もう一つは、鳥もカメも調査対象が、御所市までろくにいないから。せっかくラバーダム少なめなのに。
ただゴールしてから、御所駅に戻るのに7km以上歩くのが面倒。2時間ほどかかった。まあ、ゴール地点の標高が高いので、高天の上を歩くのは、見晴らしがよくて気分が良い。
調査の成果としては、イワツバメの繁殖地を2ヶ所確認。御所市に入ると、あちこちでコシアカツバメを見かけたが、川沿いで繁殖地を見つけられず。調査終わって駅に戻る途中の学校で、ようやく繁殖を確認出来た。浅い砂地が続いていたのにスッポンは見つけられず。
オオカワヂシャは御所市に一杯。
●2024年6月13日 曽我川沿いを歩く その2
一昨日、曽我川沿いを歩いて、吉野口駅で断念。その続きを歩いた。たぶん普通に歩いたら、1時間ちょっとで終わったはず。それが判ってるから、出だしから貝をすくったりしまくり。それでも2時間ほどで終わった。引き返してきて、薬水川を少し見てから、夕方からの会議に向けて早めに撤収。吉野口駅から内畑の手前までで、2時間10分ほど。
まあまあ、あまり悩まず川沿いを歩ける。奉膳、重阪。滅多に来ない集落を過ぎて、内畑まで行くつもりだったけど、道が無くていけない。持っていった地図には、20年前の誰かさんのメモが書いてあって、内畑に行ったみたいだけど、道がない。どうやって行くんだろう? 行き方が判らず、というか線路の向こう側にすらいけず、内畑の方に曲がる直前で調査終了。
で、バスもないので、同じ道を戻る。
鳥の成果はまったくなし。まあ、滅多に行かない場所の普通種の情報はとれたけど。イソヒヨドリとか。
オオカワヂシャはかなり上流まで分布していた。一番、上流側を押さえれたと思う。薬水川合流辺りで、水に入って魚採り。
●2024年6月11日 曽我川沿いを歩く その1
大和川水系の支流では、石川についで長い。予想通り1回では歩き切れなかった。20年前と同じ。大和川合流から吉野口駅まで7時間20分。もう1つ手前の葛駅で調査を終えてもいいかもしれない。20年前は葛駅で止めてたかも。
またもやJR法隆寺駅から歩いて、曽我川合流へ。奈良盆地の他の主な河川と違って、曽我川沿いには自転車コースの設定がほぼない。右岸と左岸のどっちを選ぶか自分で判断しないといけない。20年前には1km位引き返す羽目になった覚えがある。今日は慎重に選んだが、行き止まっての迂回が2回。広陵町と橿原市の境目に、土手上の草刈りが行われない場所があるので要注意。
吉野口駅で終わると帰りやすい。
調査の成果としては、サギの繁殖地1ヶ所、イワツバメの営巣地3ヶ所確認。サギの繁殖地は大和高田市にもう1ヶ所ありそう。スッポンは橿原市の1ヶ所だけ。
スクミリンゴガイは下流部にも上流部にもいて特に御所市が多かった。オオカワヂシャは主に高取町と御所市で確認。
●2024年6月10日 ナイトハイクの歴史
夜に山をウロウロするナイトハイクという企画は、いつ始めたのかよく覚えていない。最初はシカの声を聞くという企画で、秋の箕面公園に行った気がする。その後も箕面公園を愛用。最初は泊まりだったけど、スタッフの負担が大きいので、日帰りでも企画してみて、やっぱり泊まりかなぁ。と思った頃合いに、コロナ禍に突入。今年実に久しぶりにナイトハイクを企画した。箕面公園での泊まり企画に戻してみた。すると、申込みがメッチャ多い。多くの人が落選する。何人当選させても大丈夫かなぁ、ということで過去のナイトハイクを振り返ってみた。
2018年初夏 箕面公園 日帰り 出席率65%
2017年初夏 高槻市 日帰り 出席率77%
2016年初夏 箕面公園 泊まり 出席率81%
2015年初夏 箕面公園 泊まり 雨天中止
2014年初夏 箕面公園 泊まり 出席率87%
2013年初夏 箕面公園 泊まり 出席率85%
2012年初夏 箕面公園 泊まり 雨天中止
2011年初夏 箕面公園 泊まり 記録行方不明
2010年初夏 箕面公園 泊まり 出席率90%
どんだけ箕面公園を愛用してるねん。って感じ。夜遅くてもトイレや自動販売機が使えるのはありがたい。夜の生き物も集まるし。電車直結なので遅い集合時間を設定できるし、朝早く帰れる。とてもやりやすい。
面白いことに日帰りの方が出席率が低い。泊まりだと出席率は確実に80%以上。それだけ覚悟を持って申込むってことだろうか。
と言う訳で、今回もきっと出席率は高め。申込みがなんと100名ちょうど。定員は40名。高い出席率を考えると、半分ほどは落選することになる。本当に申し訳ないけどやむを得ない。
ちなみに、よく行事に来てくれる人を落選させるのは、知り合いだけに申し訳ない。初めて申し込んでくれた人を落選させるのは、せっかく博物館とつながってくれるキッカケだったかもしれないのに残念。ということで、どちらかを優先させることもできず、公平な抽選をすることになる。前回落選した人は、できるだけ当選させるので、落選者はめげずにまた申し込んでね。というと、来年もせざるを得ないってことかぁ。
●2024年6月7日 飛鳥川沿いを歩いた
大和川水系に2つある飛鳥川の内、奈良盆地を流れてる方。大和川合流から栢森までの6時間コース。
またもやJR法隆寺駅から歩いて、スタート地点の飛鳥川・大和川合流点へ。大和川合流から、石舞台古墳辺りまでは、川沿いにサイクリングコースがあるので、川沿いを歩きやすい。ただコースがどっち岸かの案内が不親切ですぐ間違う。栢森の集落から谷沿いにさらに遡った場所が源流だけど、川沿いに道がないので断念。
ゴールは栢森の集落。このコースの難点は、ここからの帰りが遠いって事。こんなに奥まで来るのはオンデマンドバスだけだけど、ヨソ者がオンデマンド呼ぶのも何なので、路線バスを。となると石舞台古墳辺りまで、約3km歩くことになる。その上、本数が激少ない。それなら低い峠越えで約4km歩いて飛鳥駅に向かおう。20年前もそう決断したっけ。
調査の成果としては、イワツバメの営巣地を2ヶ所確認。中流部と源流部に1ヶ所ずつ。営巣出来そうな橋や高架は他にもあったので、これから増えそうな感じ。スッポンは合流点にいただけ。カワガラスは確認出来ず。20年前には、ここでも記録したはずなんだけど。
ここでも下流部だけでスクミリンゴガイ卵塊。例によって橿原市までの川は、細長い池状態。オオカワヂシャは、上流部でのみ見つけた。栢森の集落にはアオハダトンボがいっぱい。現地では識別できなかったけど。
●2024年6月6日 寺川沿いを歩く
奈良盆地の大和川に南から合流する支流は、割と近い辺りで合流していて、いずれも駅から歩いて行きやすい。が、上流側は交通の便が悪く、どこまで歩くか事前に決断しにくい。ってことで、大和川合流点をスタートにすることにした。
ってことで、今日は、大和川合流点から源流の鹿路まで寺川沿いを歩いた。大和川より南の支流も、東から西に歩いて行く。
大和川合流から源流の鹿路まで、6時間半。
JR法隆寺駅から歩いて、スタート地点の寺川・大和川合流点へ。あとは桜井駅辺りまでは、おおむね両岸とも川沿いが歩けて調査は簡単。桜井駅のとこでは近鉄とJRの線路を川沿いに越えられず、大回りして回り込む。桜井駅から上流は、疎水と越える前後で川沿いに道がなくて、橋毎に川をのぞくのが面倒だけど。それはさておき、あとは川沿いの道がはっきりしている。鹿路の集落で二叉に分かれ、どっちが寺川が判らなくなって調査終了。20年前もここまできて、弁当食べた気がする。
多武峰バス停まで戻って、バスで桜井駅に戻る。まあまあバスの便があってありがたい。
調査の成果としては、イワツバメの営巣地1ヶ所と、サギ類のコロニー1ヶ所を見つけた。サギ類の繁殖地は確か20年前もあった場所。4種がかなりの規模で繁殖してる。探したけど、スッポンとカワガラスは見つけられず。20年前はカワガラスを記録したのになぁ。
下流部でスクミリンゴガイの卵塊を確認。オオカワヂシャは、桜井市で点々と確認。カワヂシャは分からなかった。鹿路で弁当食べていると、斜面にシカがでてきた。鹿路にくることは20年ぶりなので、イモリをすくってみた。
●2024年6月3日 箕面公園で夜遊び
コロナ禍をはさんで、数年ぶりにナイトハイク。それもオールヴァージョン。復活のオールナイトハイクは、手慣れた箕面公園で。昨夜、というか、今朝はその下見だった。
昨日の昼間は、大和川沿いを20km近く歩く行事。家に帰ってちょっと休憩して、夕食を食べて、夜食を買って、1時間半ほど仮眠して、最終から2本前で、集合場所の箕面駅へ。集合時刻は最終電車に合わせてある。日付は変わって、今朝。
最終電車が出発して、駅は店仕舞い。駅前のトイレも、午前1時から午前5時までは閉まってる。始発は、平日も日祝も午前5時13分。それまで、山をウロウロしに出発。雨上がりで、駅前の椅子が濡れてて座れない。足下は悪そうだけど、湿っていて絶好の夜の生き物観察日和。
滝道は、ナミマイマイなどのカタツムリとナメクジ天国。ヤモリ、タカチホヘビ、ヒキガエル、オオゲジなどを観察。このルートでヒキガエルに出会ったのは久しぶりで嬉しかった。林道に上がる途中ではシカに出会い、アオバズクも鳴いていた。林道ではフクロウの声に、ホトトギスの夜鳴き。池はウシガエルの大合唱。
たったか歩いたので、才ヶ原池近くではなく、望海展望台で、夜明けのコーラス。コーラスはキビタキとメジロだらけ。以前はもっといろいろな鳥が囀っていたはずだけどなぁ。鳴き始めのキビタキは繰り返しフレーズがなく、メジロの囀りは短かった。しばらく聞いていると、キビタキは繰り返しフレーズを入れ始め、メジロは長く鳴きだす。朝イチは調子が出ないらしい。
すっかり明るくなってから、滝道に下る。途中、変な声が響き渡っている。鳥じゃなさそう。哺乳類としたら、シカかなぁ。と思って、滝道に出ると散歩のおじさんが盛り上がっている。川の中に小さな子ジカがいる。上がれないらしい。どうもあの叫び声は、お母さんが子ジカを呼んでるっぽい。でも、人間が手助けする話ではなさそうだし、手助けは難しそう。と思ってたら、おじさんが警察に電話してた。駅に向かう途中、2人の警察官とすれ違った。ご苦労様です。
ギリギリ始発の電車に乗り遅れ、始発から2本目の電車で帰宅中。とても眠い。早朝の箕面駅では、ツバメ達がとても賑やか。巣の側で囀ったり、巣場所を選んだり。
●2024年6月2日 水生甲虫採集者の行動様式
今日は、大和川沿いを歩く行事。一緒に歩いた中に、水生甲虫を探す人がいた。小さいガムシやコガシラミズムシなど、大人の目にはツブにしか見えない小さな虫をもっぱら狙ってる。その行動が独特でとても面白かった。
とにかく水があればチェックしてる様子。河川や水田、水路だけでなく、水があればショボい溝や水たまりも覗いてる。ショボい所には、ショボい場所でしか見つからない種がいるんだそうな。そういうの大好き。昆虫らしい醍醐味。で、見つけ方を身につけて、自分でも見つけてみよう。と思って、一緒に覗いてみたけど、ぜんぜん分からない。
仕方がないから、おとなしく水田をのぞきこんで探してみる。桜井市の水田にはすでに水が入っていて、けっこう田植えも終わっていた。あちこちにマルタニシや卵を背負ったコオイムシがいる。水生甲虫屋さんは、コガシラミズムシの仲間を採って喜んでいた。こちらも、小さいツブっとした虫を見つけて採集。ガムシ採ったと見せたら、マメゲンゴロウと言われた。判らん。かろうじて虫とは認識できたけど、それをさらに同定するとは。若い目ってすばらしい。探しているターゲットはさらに小さいのもいるらしく、そうなると、大人の目には小さすぎて見えない。いるかいないかも分からない。
同じように小さくても、ヒメドロムシなら、洗ったふんどしを間近に見れば見つけられるけど、水中をウロウロしている微小な虫を見つけるのは、ちょっと無理。と思った。今から水生甲虫屋にはなれそうにない。
●2024年6月1日 2024年5月のまとめ 大和川水系の川歩き開始、イソヒヨドリとハッカチョウ情報が集まりまくる
4月から始めていた大阪府のハッカチョウ・イソヒヨドリ・ムクドリの繁殖分布調査に加えて、大和川と主要支流沿いを歩いての鳥の調査もスタート。大和川水系の鳥調査は、分担調査だけど、大部分は自分で調査するつもりなので、けっこう忙しい。昼間は、大和川水系を歩き、帰りに大阪府内でイソヒヨドリを探し。スマホの万歩計使えるようになったのだけど、毎日のように、かなり歩いてる。とは言え、調査から帰って来てからのデータ整理はかなり辛い。
そんな2024年5月を振り返ってみよう。
ルーティンのため池調査、大和川調査は無事終了。奈良県3コース(1日で調査)と京都府2コース(1日で調査)のハッカチョウセンサスも実施。
地元公園では、月末にカワウの集団ねぐら調査を実施したのみ。
大和川水系の調査は、大和川本流とおもな支流をすべて歩いて、河川の水鳥とカメ類を記録。今月は本流と北側3支流、そして石川を調査。調査に出かけたのは9日間(内、2日は大和川を歩く行事の本番と下見)。
大阪府のハッカチョウ ・イソヒヨドリ・ムクドリの繁殖分布調査は、自分では他の調査のついでにチェックする以外に、1日出かけた。あとは、集まってきたデータをひたすら整理して、分布をHPを更新。
ホネホネ団の活動は、3日実施。
大阪鳥類研究グループは、箕面公園へ行ったが、雨がザーザー降ってきたので途中で解散。
普及行事は、ジュニア自然史クラブ、鳥類フィールドセミナーと初めての鳥の囀りで金剛山へ。そして、大和川を歩く行事の1回目。
講演はなし。
論文は書けず。
査読なし。
とまあいろいろあった中、今月読んだ本は、自然史系2冊と、SF1冊、マンガ6冊。
完全休養日は1日。今年に入って2日。
●2024年5月31日 竜田川沿いを歩く
予定通り5月中で本流より北の支流3本を歩くことができた。上流部がややこしいのを知ってるし、河川沿いを歩いてから別の調査に行きたいので、大和川合流点から歩くことにした。短いコースなので、半日仕事。と思ったら、5時間半ほどかかってしまった。まじめにオオカワヂシャ探してたからかなぁ。
JR王寺駅から歩いて、大和川合流点へ。斑鳩町は右岸沿いに歩道が整備されていて歩きやすい。平群町は左岸と右岸を行ったり来たりしないとだけど、だいたい川見ながら歩ける。が、元山上口駅周辺で苦しむ。生駒市になると、竜田川沿いに車道が走ってて、歩きやすいけど、車に轢かれやすくもある。菜畑駅を過ぎたところで大きな支流が合流し、どっちが竜田川?となる。とりあえず左へ。ここからはどんどん川幅が狭くなり、川沿いに道がなくなり、橋ごとに川を覗く感じ。どんどん水路か溝かといった風情になり、阪奈道路を越えた辺りで川を見失う。調査は阪奈道路までとした。
調査の成果としては、イワツバメの営巣地5ヶ所、コシアカツバメの営巣地を2ヶ所、アオサギの繁殖コロニーを1ヶ所見つけたこと。ほかに、他に近鉄奈良線の高架下にもイワツバメの巣があったので、しばらく待機、と称して昼飯食ったけど、イワツバメの姿は確認できず。改めて確認に来たい。さらに元山上口駅辺りでもイワツバメが飛んでいたので、見逃してる巣があるのかもしれない。
ヌートリアの記録がまあまあある場所なので、気にしたけど見つけられず。
オオカワヂシャはいっぱいあった。でもカワヂシャは見つけられず。
●2024年5月30日 高槻市のカエル今昔
今日は高槻市摂津峡でのカエル観察会の下見。同行者に昔はもっとカエルがいたという話ばかりしてしまった。そもそも、ここで観察会をすることにした理由は、
・大阪府でモリアオガエルの卵塊が見られるのは、原則北摂だけ。
・大阪府でヤマアカガエルが生息しているのは、南河内に局所的にいるのを除けば、北摂のみ。それも茨木市から高槻市の北部だけ。とくに林内でタゴガエルに混じって、普通にヤマアカガエルが見られるのは、知る限り摂津峡だけだった。
・渓谷があるので、カジカガエルの声も聞ける。
そんな理由で「高槻のカエル」行事を始めたのは、2010年。梅雨時なので雨天中止の多い行事だけど、それから毎年企画してる。
当初は、林内を歩くと、いっぱいタゴガエルが足元から飛びだし、頑張って探すとヤマアカガエルもいた。トノサマガエルも林内にたくさんいた。最後の方で立ち寄る田んぼで探すと、数年に一度はツチガエルもいた。途中の路上にヒキガエルがいたこともある。
一番たくさんカエルが出た年は、ニホンアマガエル、ニホンヒキガエル、タゴガエル、ヤマアカガエル、ヌマガエル、ツチガエル、トノサマガエル、モリアオガエル、カジカガエルと9種も出た。盛り上がったなぁ。遠い目。
でも今日は、モリアオガエルの卵塊とカジカガエルの声以外には、トノサマガエルとニホンアマガエルがいただけ。林内にヤマアカガエルがいないどころかタゴガエルもいない。なぜか最後の水田にヌマガエルがいない。
ヌマガエルは探し方が足りないんだろうけど、タゴガエルが激減したのは間違いない。林床が乾燥したせいなのだろうか。だとしたら、シカの増加の影響がこんなところにも、って話になる。
●2024年5月29日 富雄川沿いを歩いた
佐保川に続いて富雄川沿いを歩くことにした。半時計回りだな。富雄川は、昨秋から奈良市域を毎月歩いているので、けっこう馴染みのある川。奈良市域だけでもイワツバメの営巣地が4ヶ所あるので、その上下でさらにどのくらいあるのかが注目ポイント。高山溜池から大和川合流までの6時間15分。
近鉄富雄駅から高山溜池方面に行くバスに乗って、高山狭戸バス停で降りる。それから、高山溜池の南岸沿いに流出口に向かう。…どうも知らぬ間に私有地か何かに入ってた気がする。ともかく流出口は見られるけど、川沿いの道はまだないので、左岸側に回って、下の棚田沿いに下る。佐保川は源流部をパスしたけど、富雄川は田んぼの水路のような部分から歩き出す。川を渡る道が、橋っぽくなく、名前もない。たんだ橋バス停から川沿いを歩いてる感じになる。おおむね両岸に川沿いの道があるけど、近鉄奈良線までは、川が見やすい方、車の少ない方をできるだけ選ぶ。近鉄奈良線を越えると、ずっと右岸を歩くので大丈夫。
大和川合流で調査を終えると、もよりは法隆寺駅。
期待のイワツバメの営巣地は、近鉄奈良線より上流側に新たに3ヶ所みつかったが、調査エリアより下流には見つからず。もっとあるかと思ったのに。コチドリは点々と確認。増水直後だからかスッポンがあちこちで日向ぼっこ。
オオカワヂシャは、見つかった。富雄川に流れ込む水路でカワヂシャを発見。
●2024年5月28日 ファウナを調べるとは?
京都府南部のとある緑地で、マレーゼトラップや羽化トラップを使って、昆虫相を調べた話を聞いた。甲虫やハチばかり同定が進んでるのは、発表者らしくて面白い。甲虫でも京都府初記録連発だけど、コマユバチはほとんどが京都府初記録で、新種も複数。昆虫はまだまだ身近に新発見が転がってることが実感できる。
というのも面白かったけど、一番印象的なのは、この小さな緑地であっても、昆虫のファウナを完全に明らかにするのは難しいって話。
マレーゼトラップですらそうだけど、羽化トラップではより一層、仕掛ける場所で採れる種は大幅に違う。この2種類のトラップでは採れない種もいっぱいいる。昆虫相を明らかにするのは難しい。
昆虫の場合、他所から飛んできただけの種か、緑地内で発生して、世代を重ねている種かという問題もある。もし発生している種を把握しようとするなら、さらに調査は面倒になる。
となると、昆虫相調査というのは、何なんだって話になる。完全には解明されない。どのくらい明らかになったのかも、あまり明らかではない。延々と新発見があって楽しいけど、そうなるとファウナの比較ってなに?ってことにもなる。ファウナが比較できないなら、多様性絡みの評価も難しい。
鳥類相の場合は、もう少しなんとかなってる気もするけど、同じような問題はつきまとう。ファウナ調査には、どの程度明らかにできたかの評価が不可欠な気がした。
●2024年5月26日 初めての鳥の囀り行事のあるべき姿
「初めての鳥の囀り」という行事で金剛山に行った。鳥の囀り盛りだくさん過ぎて、全然覚えられない。と言われた。確かにそうかも。鳥の観察会的にはとても楽しかったけど。囀っている鳥の種数が多い、というのは初心者が囀りを覚えるというのが目的だと、むしろマイナス要因だった。それだけでなく、“いい鳥”の囀りはいろいろ聞けたけど、初心者がまず覚えるべき囀りが必ずしも多くない。
今日、囀りを聞いた鳥は、こんな感じ。
キジバト、アオバト、ホトトギス、ツツドリ、アオゲラ、サンショウクイ、ヒガラ、シジュウカラ、ウグイス、ヤブサメ、メジロ、ソウシチョウ、ミソサザイ、クロツグミ、コサメビタキ、キビタキ、オオルリ
確かにいろいろ囀っていた。一方で、ヤマガラいるのに囀っていなかった。ヒガラやシジュウカラの囀りも少なめ。カラ類の囀りを初心者にいろいろ一杯聞かせたかったのに。なぜか、大阪府の各地でメッチャ囀っているキビタキも少なめ、センダイムシクイやメジロの囀りも少ない。
聞こえてくる囀りの半分以上は、ウグイス、ソウシチョウ、ミソサザイ。ソウシチョウとミソサザイの囀りは聞かせたかったけど、クロツグミやキビタキやメジロの囀りと比べないときっと覚えられない。
むしろ囀る種数が少なく、それでいて基本的な種を覚えるのに適した聞き比べができる場所を選ぶ必要がある。“初めての囀り”と気軽に命名していたけど、ちゃんと考えておくべきであった、とようやく気付いた。
●2024年5月25日 大口の日
朝来たら、すでにハゼ屋は作業を始めていた。やる気多すぎ。とにかく午前は、裏の片付け。積み上げていた骨を邪魔にならない場所に動かして、バケツやロープを片付けて、ブルーシートやテンバコを別の場所に積み上げて、お掃除。
それから、乾かしたまま放置していたニタリクジラの骨の片付け。ほこりかぶって、クモの巣はってるから、水で軽く流して、頭骨と同じ場所に並べる。下顎骨は重くて一人では動かせず。なんとか頭骨の横に立てかけた。
続いて、表のタンクの掃除と中身の確認。なんと、中身は空だった! ボウフラ育ててただけだったのか…。タンクへのトラックの進入路の確保。それはつまり、クジラの水漬けを動かすこと。おかげで体が臭くなってしまった。途中でもう一つタンクがあることを思い出し、その水をくみ出そうとして、目立たない場所に栓が発見された。今までの苦労はなんだったのか…。
というところまでで、2時間半。なんとか受け入れ体制はできたかも。
午後3時に先方に到着。午後1時から解剖&解体しているそうだけど、まだ内臓を取り出す途中。到着したらもう解体が終わってるかもと思ってたけど、幸か不幸が原形が見られた。
どんな魚か知ってるつもりだったけど、思いもよらない面白い生き物だった。少し嘴めいた上唇、小さい歯、少しだけあるホッペ。上唇の上の白い線がなんか変。頭をクレーンで持ち上げると、下顎が下がって、びよーんとなった姿は、どこかオバQの親戚のようだった。
タンクに入るサイズを考えると、
・頭外して、下顎と分ける。
・胴体を、3つくらいにぶつ切り。
にする必要がありそう。
先方が解体するのを見てるだけのつもりで、緩い格好と気持ちで行ってた。一緒に行った魚担当は、指示をするだけ。と思ってた。最初は撮影だけしてたのだけど、なぜか気付くと、頭外して、顎外すのに手を出していた。全体ブヨブヨで軟骨が切れやすくて、狙った場所で切り離すのが難しい。
解体終わったのは、午後6時。30分かかって積み込み、後片付けに20分。
博物館に到着したのは、午後7時30分。1時間かかって荷下ろし。先方のスタッフの方が3人、博物館まで付いてきて下さって、荷下ろしまで手伝って頂いた。感謝に堪えない。
なんだかんだで、作業が終わったのは、午後10時過ぎ。腹減って、眠い。が、明日の行事の準備がこれから。こんなこともあろうかと、午前中にだいたいやっておいて良かった。
●2024年5月24日 サメは他人事
大阪湾でクジラの死体が上がったりすると、とたんに大きなストレスがかかり、大忙しになる。現場責任者に引き取りたいと伝えて、館内でも引き取りたいと宣言して。引き上げのスケジュールと場所と段取りをにらみつつ、トラックとクレーン車、道具類、作業を手伝ってくれる人手、ホネにするスペースの確保に動く。実際の作業量というより、心配事が多くて、心理的なストレスが一番こたえる。クジラが死んだと連絡を受けた夜には、帯状疱疹が出てしまうくらい。
なのに、一緒に作業する奴らは、なぜか楽しそう。道具準備しなくちゃとか、刃物研ごうとか、何かしらできることをしてくれるのは有り難いのだけど、妙に嬉しそうなのが何か不満。と、かねがね思っていた。
が、今日、その気持ちが分かった。ストレスでいっぱいいっぱいになるのは、主担当者。それをサポートする側は、もちろんできる限りサポートするけど、なんか気楽。そして、なんか楽しい。ああ、そうか、みんなこういうキモチなんだなぁ。
退職したら、クジラの作業もきっと楽しくなるんだろう。楽しみだ。
という訳で、イソヒヨドリやムクドリ探して、門真市をウロウロしている間に、電話がきていた。かけてきた相手を確認して、念の為かけなおす。そういう話だった。大変だねぇ。でも、頑張ろうねぇ。って趣旨で、スケジュールや段取りの話をしつつ、前を飛んでいくムクドリを記録する。くちばしに餌をくわえているかどうか確認しようとしたが、スマホ片手で双眼鏡をのぞくのが遅れて、確認できず。残念。
●2024年5月23日 佐保川沿いを歩く
大和川水系の河川沿いを歩く調査。大和川本流と最大支流の石川が終わったので、いよいよ奈良盆地の支流に手を付ける。というか足を向ける。20年前のこの調査の時は、佐保川は他の方に押しつけたので、少なくとも繁殖期に歩くのは初めて。1日で歩けるか少し心配したけど、5時間であっさり歩けた。道を知っていたらさらに早かったはず。
近鉄奈良駅に降り立って、とりあえずはスタート地点に向かう。前日夜に地図でスタート地点を考えた。なんかの調査でもっと源流まで歩いた記憶があるけど、蛭子橋より上流は、田んぼの水路みたいになって、水鳥調査はしなくていいだろうということで、蛭子橋から下流に向かう。とにかく奈良女子大学の北側に出るまでが難しい。川沿いに道があるようなないような、無理すれば歩けるかと思ったら行き止まる。奈良女子大学を過ぎればあとはずっと左岸が歩ける。
かと思いきや、近鉄奈良線渡れず、戻って右岸へ。あとはおおむね右岸側に道があるのだが、秋篠川合流と大和中央高校のところは左岸に逃げる必要がある。大和中央高校のところは知ってないと、手前の橋まで長い距離引き返すか、陸側へ大回りが必要。ここが一番消耗するので、次の時には覚えておきたい。
大和川合流点でゴールしてから、平端駅に戻るのがちょっと面倒。
調査としては、上流部でコシアカツバメの営巣、橋の下でイワツバメの営巣地1ヶ所。あとはコチドリがいた程度。事前に、上流部にスッポンがいっぱいいると聞いていたのだけど、上流部では見つからず、中流部で何ヶ所か見つかった。スッポンがいっぱいいたのは、増水直後のことだったらしい。
オオフサモの群落が3ヶ所にあった。オオカワヂシャは、中流部で点々と見つかる。カワヂシャっぽいのもあったけど、近づくの面倒そうなので断念。川から離れて迂回してる途中の水路にはカワヂシャがあった。佐保川では魚はすくえず。
●2024年5月22日 友の会サミット
とある会議で、友の会サミットが話題になった。来年がうちの友の会が70周年らしい。そういえば、50周年の時に前回の友の会サミットを開いた気がするする。というわけで、前回の友の会サミットを思い出しておこう。
と思ったけど、そもそも20年前後前のこと。いろいろうろ覚え。そもそもその頃、2回開催したと言われたのだけど、それすら忘れていた。たしか片方はプレイベントで、館内でシンポジウムみたいなのをして。その翌年に友の会サミット本番を、淡路島の津名で1泊2日で開催したんじゃなかったっけ? なぜか開催場所の津名ハウスという名前をよく覚えている。当時は津名港に行く船があって(泉大津港辺りから出てた気がする)、津名港から内陸の方へ坂を上っていったのを覚えている。津名ハウス自体がどんなんだったかは覚えていない。
で、友の会サミットの内容はというと、その名の通り、日本各地の自然史系博物館の友の会関係者をたくさん集めてのシンポジウム。基調講演があって、分科会があって、全体会議があって、夜の集まりもあった。日本各地の友の会関係者と顔見知りになれたのはとても良かった。
それ以上に良かったのは、自分とこの友の会の立ち位置を再認識できたこと。というか、各地の友の会の規模や歴史を知ることができ、活動内容の概要も知った。
どうやら、このタイプの博物館友の会としては、日本最大だったらしい(さらに大きいのは、みんぱくやかはくの友の会)。
また、活動内容も、うちの友の会は、かなり活発な方らしい。
というように、他所と比較してこそ、自分とこを評価できる。そんな機会は時々あってもいいかもと思った。
●2024年5月21日 イソヒヨドリの生息確認とムクドリの繁殖確認 5月下旬編
イソヒヨドリがあまり囀らない季節になった。それでも囀ってる個体はいるが、主に山手でまだ囀ってる印象。早く繁殖したつがいでは、巣立ちビナが出てるらしく、ジョウビタキのような声も報告される。でも、声での確認が一番難しい季節な気がする。
それでも、見つかるエリアでは見つかる。今日は、港区と大正区を歩き回ったが、港区では全然見つからなかったのに、大正区では3ヶ所で見つけた。ピョンと飛び出したり、フワフワ飛んでったり、屋根の上に乗ってたり。囀らないので見つけにくい中、見つかるかどうかは生息密度を反映してる気がする。
一方、ムクドリの繁殖確認は、育雛期になって随分しやすくなった。やはり巣材運搬や、巣への出入りの確認よりは、エサ運びが見つけやすい。ヒナの声で巣も見つけやすい。ただ、自身の採食をしてるのか、ヒナへの餌を集めてるかは、判断が難しい時もある。嘴に虫をくわえてウロウロしてたら、ヒナへのエサ集めだろうが、なかなか運んでいかず、待ち時間が長かったり、確認効率は必ずしも良くない。
もう少しして、巣立ちビナがいっぱい出てきたら、声だけでも繁殖確認できて、かなりペースが上がるはず。そこで、調査を頑張ろう。
●2024年5月18日 金剛山で観察会の実証試験的な展開に
いつも10人くらいしか来ないから、油断してたら、38人も来た! それは想定外。来週の観察会の下見も兼ねているけど、本番と人数が変わらない…。
そして、人数が多いということは、いろんな人が混じるということ。登りの途中でもう全然無理という家族連れの方は、相談してそこでリタイヤ。上まで行かないことになった。歩き始めてすぐなので、返ってもらうのは問題ない。
さらに山頂付近まで行って、下りはえんえんと続く階段を下ることになる。ここで膝に来た方がいた。他の参加者の杖を借りて、なんとかゆっくり降りてこられ、少し遅れたけどバス停で合流できた。なんとかケガ人を出さずに、全員無事に帰って来れて良かった(最初のご家族も帰れたはず)。
そもそも、事前に足に自信はないけど、金剛山に行きたい。大丈夫だろうかという相談を受けて、断念してもらった。
案内時点で、まあまあの山登りとアナウンスしたけど、そんなもんではダメらしい。そもそも、金剛山はそんなに大変な山登りでもないのに、こうなるとは。自分の体力が分かってない人、山に行く経験値が低すぎる方が混じることを考える必要がある。となると、迂闊な山には行けない。
まあ、そもそも山に登るのが目的ではなく、鳥の囀りを聞くのが目的。だとしたら、山登りでなくていい訳で(昔だったら金剛山もロープウェイで登れたのだけど…)、上までケーブルカーなどで行って、降りてくるだけの設定。あるいは、本当に登りの少ない設定にするしかない。
大阪府で言えば、ケーブルカーで上がれる生駒山や高安山(妙見山のケーブルカーもなくなったなぁ)、そしてほとんど登らない箕面公園。生駒山のケーブルカーはこの季節混雑するので、高安山と箕面公園かなぁ。あるいは山の囀りではなく、河川敷に行くとか。目先を変えてそれでもいいかも。鳥の囀りを聞く行事もあと2回だけだし。
●2024年5月17日 大和川沿いをを歩く その4 石川合流〜河口
最後の4回目は、歩くではなく、自転車で走った。コースの2/3は、毎月調査してるエリアなので、馴れたもの。
ただ、スタート地点がいつもより上流なので、イソヒヨドリを探しながら八尾市を抜けて柏原市まで。八尾空港の東で少し迷って、予定と違う場所で、大和川に出てしまった。そのまま堤防の上をスタート地点まで行って、戻ってきた。
このコースはとても簡単で、ずーっと堤防沿いを走る。我孫子大橋を越えたところで高水敷に下りて、湾岸線の手前で再び堤防に上がる。それだけ。歩くのと違って、とても早い。でも、ルーティンの水鳥調査と、河川沿いの繁殖鳥の調査は、同じ水鳥でも記録の仕方が少し違う。メッシュに分けたりがちょっと面倒。
あまり特筆するような鳥は出なかった。いつもの調査エリアの少し上流側では、イカルチドリが出るそうなのだが、見つけられず。一昨年にイワツバメの繁殖を確認した2つの橋の周りは、今年もイワツバメが飛んでいた。それくらい。
●2024年5月16日 大和川沿いを歩く その3 結崎駅〜柏原南口駅
今日は、河川で繁殖する鳥の調査に集中。とりあえず一昨日、歩いた続きを歩く。ってことで、一昨日はタイムリミットが来た橋を目指す。そこからファミリー公園までは、一度歩いた道なので、簡単。そこからは、地図を見て悩みながら涼む。
とりあえずスタートからは左岸側を歩く。ファミリー公園を過ぎたところ、佐保川合流過ぎで右岸へ。富雄川合流までは右岸側を歩けるな。と思いながら歩いていた。飛鳥川合流の手前に車止めがある。ただ、通行止めとは書いてないし、人もいない。車を止めてるんだろう、と考えて歩いて行く。右岸の堤防の外側の工事は、遊水池を造ってるらしい。何か知らんが、道は広いし、車走ってないので歩きやすい。曽我川合流越えて、西名阪道越えて、富雄川合流の手前にまた車止め。そこに車が止まっていて、中にいた人が出てきて、堤防は歩行者も通行止めと言われる。書いてなかったし、誰にも言われんかったし。と思ったが、済みませんと言って通り過ぎる。出口で言われてもね。
一瞬左岸側に渡って、富雄川合流を突破。右岸側で竜田川合流は迂回し、王寺駅のところで左岸側へ。亀石まで左岸を歩いてから、右岸へ。あとはずっと右岸。亀の背は大和川が見えない場所も多いがやむを得ない。国分寺大橋を越えたところで、一旦突き当たりまで行って戻ってくるか悩んだが、面倒になって断念。両側から遠景に見たけど、水鳥はいなかった。あとはそのまま右岸沿いでゴール。20年前は、左岸側を歩いて亀の背を越えたはず。今回は右岸側に道があると教えてもらったので良かった。
調査としては見るものがあまりない区間だった。20年前は富雄川合流から竜田川合流の間でイカルチドリが出てるが、今回はコチドリしかおらず。前回は曽我川合流辺りや亀の背にカワウの集団ねぐらがあったが、白くなった木も見当たらず。というか曽我川合流右岸は、工事で大きく変わっていた。
王寺町、とくに竜田川合流辺りは、ヌートリアの記録が多いのだけど、見つけられず。コシアカツバメの営巣地を見つけた程度。
●2024年5月15日 トンコツ案件
個人的に、トンコツ案件と呼んでる案件。街中で、大きめの骨が落ちていた。なんの骨ですか?という奴。年に数回はやってくる。今まですべてトンコツだったので、密かに個人的にトンコツ案件と呼んでいる。
必ず四肢骨で、というか大腿骨や上腕骨で、途中で綺麗に(電動ノコギリを使ったんですか、って感じで)切られている。覚えている限りでは、すべて若い個体。たいてい、煮たような痕跡があったりする(わずかに残った肉が煮崩れていたり)。見つかる場所は、市街地の公園とか、市街地に隣接した農耕地。
こんな場所に落ちている、けっこうな大きさの骨としては、人骨か、食材であるトンコツあるいは牛骨。サイズ的に牛骨は圧倒的に大きい。で、あとは手元にあるイノシシ骨とサル骨を引っ張り出してきて、比較する。文句なしにサル骨は否定される。必然的に人骨も否定され、トンコツであろうという結論になる。もちろん変わった偶蹄類の骨の可能性は残るけど、当面の目標は人骨かどうかだけなので、やりとりはこれで終了。
結局のところ、持ってくる方も、ネットでこんな状態で売ってるし、トンコツやんなぁ、と思いながら持ってきてる。でも、放置するわけにはいかないし、専門家と称する者のコメントを取らざるを得ないんだろう。ご苦労さまです。ちなみに自腹で手土産を持ってこられていることを今日知った。
●2024年5月14日 大和川沿いを歩く その2 長谷寺駅〜ファミリー公園前駅
今日は6月の行事の下見で、長谷寺駅からファミリー公園前駅まで歩いた。一連の大和川沿いを歩く行事では最長コース。で、せっかくなので、大和川水系の河川で繁殖する鳥の調査を兼ねる。となると、前回の行事を兼ねた調査時に、調査としては、タイムリミットを過ぎてた部分がある。そこは今日の下見エリアではない。ってことで、早めに現地に行って、前回の調査の残りを調査して、みんなと合流。
長谷寺駅前、すなわち心臓破りの坂(?)を降りた場所から、大和川沿いを歩こうとするとけっこう難しい。国道165号線がおおむね川沿いを走ってるけど、基本的に川からちょっと離れすぎ。だもんで、最初は左岸側、そして右岸へ、左岸の田んぼの脇道、右岸の集落の中。道が川から離れるので、橋ごとに上流と下流をチェックを繰り返したり。とまあ行ったり来たり。結局、観察できていない区間も少しはある。
おおむね大和朝倉駅を過ぎた辺りから、川沿いにずっと道がある。ただ、JR桜井線を越えるまでは、右岸か左岸かを適切に選ぶ必要がある。概ね最初右岸側で、JR越えるところは左岸かなぁ。その後は、左岸側も右岸側もずっと道があるようだけど、左岸側がトイレを設置してくれているのでオススメ。
鳥の調査としては、コシアカツバメの繁殖地が見つからず、イワツバメの繁殖地が次々見つかる。20年前、奈良盆地で最初に見つかったイワツバメの繁殖地の一つも健在。スタートからゴールまでずっと見つかる。時代は変わった感じ。ただ一番の収穫は、大和朝倉駅の手前で確認したカワガラス。渓流ではないこんな場所にいたとは! イソヒヨドリがずっと囀っているのだけど、前半の密度がとても高いと思う。
あと印象的なのは、カメ類。桜井市エリアはとにかくスッポンが多い。通りすがりの地元の方もスッポンの話をするくらい。それが桜井市を出ると、ラバーダムで河川が止水環境になってしまう。とたんにスッポンいなくなり、アカミミガメが出はじめる。
スクミリンゴガイの卵塊が途中から出はじめる。桜井市の大和川でドブシジミがいっぱいいる場所を見つけて嬉しい。
●2024年5月13日 大和川沿いを歩く その1 源流〜長谷寺駅
昨日は大和川源流から長谷寺駅まで歩いた。観察会本番だったけど、同時に大和川水系の河川で繁殖する鳥の調査を兼ねた。観察会なので、むやみに急ぐことができず、調査としてはリミット時刻の15時を過ぎてしまった。次回はここからスタートしなくちゃ。
大和川源流には、天理駅からバス。なかなか便数が少なくて、調査にせよ行事にせよ行くのが大変。さらに奥にある学校への足が必要なので、かろうじて便が残ってる感じ。朝は通学時刻に合わせることになる。
バスを降りて、集落内の低い鞍部を越えると、大和川水系に入る。源流は田んぼで、厳密に源流がどれかは分からない。源流は天理市福住町で、福住町から桜井市に入ってしばらくは水路みたいな感じで、その脇の未舗装の道路を歩く。道自体はずっとあるので、歩きやすい。ただ、河川という感じではなく、水鳥なんていない。むしろ田んぼと林の鳥を楽しめる。
やがて水路は舗装された車道(桜井都祁線)に合流する。そこからは川沿いの車道を歩くことになる。河川らしくなり、名前の付いた橋もかかりだす。初瀬ダムまでは、おおむね山間部が続き、周囲は山林。途中まとまった集落は小夫だけ。初瀬ダムを過ぎると、長谷寺の門前町が川沿いに並ぶ。土産物屋も多い。おおむね川沿いに道があるので、歩きやすい。ただ、最後は道路から川が見えず、土産物屋の間の橋からチェックを繰り返す感じになる。
このエリアは、鳥の調査的には、小夫の集落まではなんにもいない。かと思ったら、コチドリがいて驚いた。小夫や長谷寺周辺では、イソヒヨドリが目立ち、コシアカツバメも繁殖している。なぜかイワツバメはいない。20年前も確認できたカワガラスが、初瀬ダム下流側で確認できたのは、重要な成果。
20年前は、ヤマアカガエルの産卵があちこちで確認されたのだけど、今年は見つからなかったと教えてもらった。見たところ、かつての産卵地の雰囲気はさほど変わってないのになぁ。ということで、来年の2月に来ようと心に誓った。この区間では、20年前にアオシギも確認してるので、真冬にも来た方がいいかなぁ。
●2024年5月11日 大阪府のオオバンの増加について
大阪府のオオバンについて、なにか紹介せよって指令を頂いた。昨年末にも指令を頂いたけど、某出版物の編集で大忙しだったので、お断りした。この春にリベンジを挑まれ、断る理由がなくなっていたので、引き受けた。締め切りは4月末日だったのだけど、行事や調査に忙しくて今日になってしまった。ようやく時間ができたので書き始める。簡単な文章のつもりで依頼してこられたのだろうけど、なんやかんや調べてる内に、一日かかってしまった。文章を書くってそういうもんなんだな。
書いてて思ったけど、オオバンの増加は、越冬期と繁殖期に分けて考えられる。でも、両者は必ずしも連動していない。なんか不思議な気がした。
越冬期は、琵琶湖で繁殖がはじまった1980年代に観察例が出はじめ、2010年代半ばに急増。
一方、繁殖期は、1985年に最初に繁殖確認。その後、1990年代にかけて埋立地と淀川で繁殖が確認され、2005年に松原市で繁殖が確認されますが、継続しません。2009年に久米田池の繁殖が始まり、現在にいたるまで久米田池だけが継続しています。2010年代に取り立てて、繁殖個体が増えたりしませんでした。なんでかな?
越冬期に関しては、1990年代からのデータで、大和川下流部と、毎月回ってるため池の増加プロセスを語れるのだけど。ため池のデータを引っ張り出す余裕がなかったので、以前すでにおおむね引っ張り出していた大和川下流部のデータのみで語った。ただ、ため池の方が、どうも早くオオバンが増えた気がする。ここは今後確認したいところ。自分のデータをさっさと整理しろって話だけど…。
●2024年5月10日 石川沿いの歩き方
昨日と今日で、石川沿いを滝畑から大和川合流まで歩いた。これがけっこう大変。そういえば、20年前の大和川水系調査プロジェクトの時、もう二度と歩かないぞ!と堅く心に誓ったんだった。忘れてた。
20年前は、初めて試行錯誤しながら歩いたので、より一層大変だった部分はある。でも、昨日と今日歩いてみて、やっぱり石川沿いは歩きにくいと再認識した。
スタートは滝畑ダムのダム湖の一番奥。ダム湖の周りは道があるので問題ない。でも、ダムからダムの下へは、トンネル抜けて回って降りていかなくてはならない。下からダムの下近くまではいけるのでそこはいいとして、そこからは川沿いの道を歩くしかないのだけど、まあまあ川から離れてくれるので、時々ダムをのぞくしかない。
そんなこんな日野に到着。日野の集落と周辺の田んぼ周りは川沿いを歩ける。が、短い渓流に行く手をはばまれる。20年前は川の中歩いたっけ。歩くとけっこうかかるので、迂回することに。が、迂回も負けずに時間がかかる。しばらく川沿いを歩けたり歩けなかったり。面倒なので橋などごとに川をのぞいていく。一応一通りは川の中をのぞける。
続いて高向の辺り。また川沿いを歩きにくい。道の駅周辺以外は、橋ごとに川をのぞく。そして問題の栄町。右岸側は川沿いに道がないので話にならない。左岸の栄町側は一見川沿いに道がある。でも間で途切れる。住宅地の中を上手に抜けて…、ができない。そして、川沿いなら目と鼻の先に行くのに、下流側に思いっきり進んで戻ってこなくてはならない。こここそ川の中を歩きたいのだけど、川に降りたら戻って来れそうにない。やむなく大回り。なんかストレスが多い。
で、ようやく河内長野駅に到着。この辺りは河川敷で遊べるようになってるから、川沿いを歩ける。諸越橋までの短い区間だけだけど。
諸越橋から下流は、右岸に水田が出てくるまで川沿いの道はない。ここも20年前は川の中を歩いた。右岸側の道を行くと川はほぼ見えないけどやむを得ないかなぁ。と思ったら、かなり高い位置だけど川に沿って、水路沿いを歩ける。右岸の水田用の水路らしい。これはありがたい。カワニナもすくえるし。田んぼが出てくるとあとは千代田橋まで右岸を歩ける。橋の手前はアスレチックだけど。昨日はここまで。
今日は、千代田橋スタート。左岸側は昔はずっと川沿いを歩けたらしい。見たところ、ある程度いけそうな。と住宅の間を抜けて、左岸堤防を歩く。が、カーブのところで、すぐ行き止まり。やむなく左岸に右岸に迂回。橋でのぞくだけ。高橋の少し上流で、右岸に出られ、そこからは右岸沿いをずーっと歩ける。少しやぶこぎもあるけど大丈夫。金剛大橋越えて佐備川合流越えたら次の橋で、左岸にうつりずーっと歩ける。ただ、河南橋から下流は、高水敷を歩けるけど、川が見えない。河南橋から南阪奈道路までが一番重要な場所なのに。ということで、ついにこの区間は川の中を歩いた。イカルチドリがいっぱいいて、歩いた甲斐はあった。
残りはずっと左岸の高水敷を歩ける。鳥も見やすい。
かなり石川に詳しくはなったけど、やっぱり石川沿いを歩くのは大変。ちゃんと調査するには川の中を歩く必要があるし。今度は本当にもう二度とありませんように。といいつつ、冬の調査もあるんだな。
●2024年5月9日 大和川水系を歩く時 今日から忙しい
今日から大和川水系の川沿いを歩いての繁殖鳥調査がスタート。基本は河川沿いの水鳥を数えるのだけど、他にもいろいろすることがあるので忙しい。
水鳥は橋などの区間毎に個体数を記録。水鳥以外は、区間毎に種名を記録。ただしコシアカツバメ・イワツバメの営巣地、カワウ・サギ類の繁殖地、チドリ類は、緯度経度レベルで記録。イソヒヨドリは三次メッシュコードも記録。
ヌートリアが出たら緯度経度を記録(カヤネズミの球巣はまだ出ないからおいといて)。カエル類は、カジカガエルは緯度経度記録、その他は三次メッシュコード記録。カメ類は、スッポンは緯度経度記録、その他は三次メッシュコード記録。
淡水貝、淡水エビ、魚は、随時採集。スクミリンゴガイ卵塊は、メッシュコード単位で、見つけたら記録。
アメンボ類、ガムシ類、ゲンゴロウ類は、随時採集。上流部で気が向いたらヒメドロムシ類を採集。カワトンボ類は、見分けられたら記録(ニホンカワトンボ雄だけっぽい)。
オオカワヂシャは三次メッシュコード単位で探して、見つけたら緯度経度。カワヂシャは見つけたらすべて緯度経度記録。その他気になる水草(オオフサモなど)は緯度経度記録。
河川を見て、鳥とカメとオオカワヂシャなどを探しつつ、耳も澄ませてイソヒヨドリを探す。河川敷外の田んぼを見ては、スクミリンゴガイ卵塊を探し、よさげな水路を見つけたら採集に駆けつける。カワトンボ探すのは、他の観察系と目を向ける距離感が違うので、同時がけっこう難しい。本川での採集もしたいけど、降りられる場所を探さないといけない。やっぱり視線が鳥探しとずれる。そもそも採集系をどの程度混ぜるかはかなりなやましい。
●2024年5月8日 サルは美術作品を作るか?
難しい質問をされて、仕方なく考えることに。あくまでも私見なんだけど。
・人間には美術という娯楽がありますが、サルにもあるのか?
美術は娯楽なのかどうかで、意見が分かれそうに思います。そして、美術とは何か、娯楽とは何か、という定義をせずにこの議論はできませんが、定義するのは難しいです。
遊びとして行う行動を娯楽とするならば、ヒト以外の霊長類にも娯楽はあると思います。絵の具を与えれば、遊びとして何かを描くかもしれません。それが美術と呼べるのであれば、ご質問の答えはyesとなります。
あいにく私は美術の定義が判らないのですが、もし、美術作品の定義に、製作者の意図が含まれるのであれば、サルの作品を美術と判断するのは難しそうです。
もう一つのポイントは、サルとヒトの範囲です。Homo sapiensをヒトとするか、ヒト科をヒトとするかで話が変わります。もし、Homo sapiensをヒト、Homo sapiens以外をサルとするなら、ネアンデルタール人はサルになります。ネアンデルタール人が壁画を残したと考えられています。これは美術ということになるかもしれません。ならばサルも美術を作ります。
・これから美術というものがサルに生まれるか?
美術の定義を決めないと、判断できなし。ということはさておいても、進化の将来を予測するのは、基本的に不可能と考えます。
・ヒトとサルが分かれた原因はなになのか?
ヒト科がうまれた時、人間と猿が分かれたとしたら、約700万年前でしょうか。ヒトとサルの系統が分岐したとは、現在の一般的な考え方では、種分化の原因ということになるかと思います。
現生生物でも、種分化の原因は分からないことが普通です。判ったとしても、遺伝的交流が断たれて、生殖隔離が成立した。といった程度の説明です。700万年前に何が起きたのかは、判りようがないと思います。
●2024年5月7日 奈良県のハッカチョウセンサスコースの再検討
考えてみれば、最初の大和郡山市のセンサスは、スタート地点はJR郡山で、今と同じだけど、コースはぜんぜん違ってた。グルッと半時計回りに回って、イオンモールの所を通って、同じ駅に戻ってきた。が、そのコースの大部分ではハッカチョウが見つからず。逆に、コース外の近所で新たに見つかり、そっちを確認出来るように南に歩いて行くコースに変更した。
コースを変更した結果、ハッカチョウ繁殖地見つかったし、比較的よくハッカチョウが見つかるエリアも見つかってきた。一方、調査コースに含めてみたけど、やっぱりハッカチョウが記録されないエリアもある。同時にコースに含まれない周辺の思わぬ場所でハッカチョウが確認されたりもした。そろそろ再びコースを再検討する時が来た気がする。
そもそもなんのためのセンサス調査かを考えてみると。奈良県でのハッカチョウの定着と分布拡大の様子を把握するのが、一番の目的。最初に見つかったのが大和郡山市で、その後も大和郡山市でばかり見つかってたので、大和郡山市でセンサスすることにした。
その後、奈良市でもパラパラと見つかり、奈良市にもセンサスコースを設定した。今後さらにあちこちで見つかると、そのたびにセンサスコースを設定するのは難しい。
となると、ある程度調査して、ハッカチョウが出ないとなると、コースの廃止なり変更なりは必然。
という点からすると、
大和郡山市のセンサスは、
・かなりコンスタントにハッカチョウが出るので継続。
・ただし、コース後半ではハッカチョウが出たことがない。なので変更候補。
・上手い具合に、コース後半の少し外れた場所で、ハッカチョウ情報が得られた。
ハッカチョウの出る前半コースはそのまま、ハッカチョウが出たことのない後半を、今年記録された場所を中心に変更。
奈良市センサスは、
・富雄川沿いは、まだ一度もハッカチョウが出たことがない。ので、今年の繁殖期後も出なかったら、9月で終了。
・近鉄奈良駅周辺も、まだ一度もハッカチョウが出たことがない。ので、今年の繁殖期後も出なかったら終了かと思ったけど、こちらはセンサスでは出てないけど、今年も情報が…。
・奈良市では、むしろ登美ヶ丘辺りで何度か記録されている。こちらに新コース設定か?
とりあえず、9月〜10月まではこのまま。
●2024年5月6日 能勢町のイソヒヨドリと豊能町のイソヒヨドリ
今日は、豊能町の妙見口駅に集合して、妙見山の麓の川西市を通って、能勢町の野間辺りへ。野間の大ケヤキで昼食食べて、戻ってきた。妙見口駅辺りでは、元気にイソヒヨドリが囀っていた。途中の川西市は里山色濃くて、イソヒヨドリおらず。能勢町に入って集落でイソヒヨドリを探すもおらず。野間の大ケヤキ周辺でも、ムクドリの営巣しか見つけられず。この辺りにいるはずなのに。と思っていたら、帰り道に集落抜けていたらイソヒヨドリが黙って登場した。よしよし予定通り。
大阪府最北の豊能町と能勢町は、どちらも山間部なのに、イソヒヨドリ状況は大きく違う。
豊能町は、大阪府の内陸イソヒヨドリの老舗。大阪府で内陸のイソヒヨドリが見つかりだした1990年代。河内長野市や摂津市に続いて、内陸でイソヒヨドリが見つかった場所。見つかった場所は、豊能町西部の新興住宅地。もういう環境があったからこそかもしれない。
能勢町は、長らくイソヒヨドリは入ってなかったのだけど、2014年の調査時に1ヶ所だけ見つかった。ついに能勢町にも入ったか。で、2022年のイワツバメ・コシアカツバメの調査時に、能勢町を歩いた時、何ヶ所かでイソヒヨドリを確認した。増えてる予感はした。
で、今年だけど。頑張って調査しなくちゃ。と思っていたら、卒論を控えた学生さんが、全体を調査してくださった。その結果は衝撃的で、あちこちで見つかった。この2年の間でも増えてるように思う。
今日、能勢町を歩いて、なるほどイソヒヨドリこんなとこにいるわ。と思った。でも、生息密度はまだそこまで高くなさそう。今後さらに増えるんだろうなぁ。
●2024年5月5日 ミイラを剥いた
オオバンの死体を解凍してみたら、ミイラだった。腹に大きな穴が開いていて、ウジってるし、腐ってる。とりあえず水に浸けてふやかしてみるけど、きっと羽根が抜けまくるから、ホネの標本にでもしよう。と思ったら、けっこう可愛い仮剥製になってしまった。
一方、隣で剥いていたハシブトガラスは丸禿げになってしまい、これなら骨格標本でも良かったと思った。
ついでだけど、もう1羽のオオバンは、新鮮だけど頭がない。と思っていたが、剥いてもらったら頭があった。どうして見逃したのか判らない。妙に小さかったのは、ヒナだったかららしい。バンと勘違いしている人多数。弁足がなければ、確かに大きさはバンくらい。
干からびた死体を、水でふやかして剥くのは苦手なはずなのだけど、オオバンは剥きやすかった。中途半端に濡らしながら剥くよりも、全部水に浸けて、十分ふやかすのが大切な気がする。
また、新鮮で干からびたっぽい死体があったら、やってみよう。
●2024年5月3日 今年の博物館実習の申込み
4月末に締め切ってたのを、ようやく整理してみた。希望者が多すぎると断らなければならない。希望するコースが偏っていたら、変更の可能性を打診する。調整して出来るだけ全員受け入れたい。今までは、なんとかなってきた。今年はどうなるか。
整理して入力して数えてみると、申込みは、33大学から55名。ちょっと多いな。夏と冬の標本実習は、それぞれ20名が上限。秋の普及コースも20人超えたくない。ちゃんと振り分けられれば、全員受入も可能。と言う訳で、コース人数を調整することに。
こういう時、近畿大学、龍谷大学、追手門学院大学は有り難い。第一希望と第二希望を書いてくれるから。すべての大学が見習って欲しい。この3大学をワイルドカードとして除いても、夏希望26名、秋希望10名、冬希望8名。ワイルドカードは全員秋か冬に回ってもらおう。それでもあと6名に動いてもらう必要がある。
ってことで、夏を希望している学生のいる大学に、動けないかを打診するメールを送付して、今日の仕事は終わり。遠方の大学の場合、夏休みに帰省して博物館実習というパターンがあるので、夏しかないこともある。冬日程は1月なので、成績集約に間に合わないという大学もある。そこは配慮するけど、どうしても夏希望者が移ってくれないなら、何かしらの方法で落選者を出すか、多めに受け入れるかの究極の選択が迫られる。なんとかなりますように〜。
【追記】
結局、夏から1名が秋へ、5名が冬に移ってくれたので、落選者出さずに全員受入ることになった。ただ、調整が遅れたので、各大学への返事が、5月14日と遅めになってしまった。後の日程も遅れそうだな。
●2024年5月1日 イソヒヨドリ探して1ヶ月
ことしの繁殖期はイソヒヨドリ調査。ハッカチョウやムクドリもターゲットなんだけど、なんだかんだでメインはイソヒヨドリ。ハッカチョウは、生息地が少ないので、過去に記録のある場所をチェックする以外は、わざわざ探しても効率悪い。過去の営巣地チェックも、他の調査のついででいいだろう。ムクドリは、できれば繁殖情報を集めたい。となると、5月からがメイン。むしろ巣立ちビナが出てからの方が調査しやすいはず。
調査期間は、4月から7月。だけど、イソヒヨドリがよく囀るのは5月くらいまでだろうから、4月の調査はけっこう重要。と、最初から気合いを入れてスタートした。4月のスタートダッシュは成功したと言って良さそう。
4月30日までに集まった大阪府のイソヒヨドリ情報は、522レコード。401メッシュが埋まってる。
すでに大和川以南はかなり充実。泉南方面は、まあまあ調査完了も近い。海岸沿いほぼ完了で、JR阪和線沿いも調査した。泉北方面の海よりもかなり埋まってる。南河内もまあまあ埋まってる。
一方、大和川より北はまだまだ。大阪市内や中河内、北河内は全然埋まっていない。北摂もいっぱい抜けがある。ただ、能勢町や豊能町の山間部は、卒論放置して調査してくださったので、一応調査完了。あとは卒論頑張って下さい!
●2024年4月30日 2024年4月のまとめ イソヒヨドリ調査のスタートダッシュに成功するもフィールドノートを無くす
1日から早々に今年の繁殖期のテーマである大阪府のハッカチョウ ・イソヒヨドリ・ムクドリの繁殖分布調査に取り組む。例によって、イソヒヨドリの情報が順調に集まる。とくに大学生Iさんの活躍が目覚ましく、次々と情報をくれる。勉強や自分の研究は大丈夫なのか心配なくらい。でも他人の心配をしてる場合ではなかった。フィールドノートをなくしてしまった。何度も探したけど見つからず。おもわず呟いたら妙にバズったけど見つからず。不幸中の幸いは、目的のデータの大部分は、すでに引っ張り出したあとで、不可欠なデータは1日分だけ。それはすぐに再調査でフォローできたこと。とにかく、近頃なんでも無くしてる気がする。そんなお年になってしまったのかもしれない。
そんな2024年4月を振り返ってみよう。
ルーティンのため池調査、大和川調査は無事終了(大和川は2回も調査に行った!)。奈良県3コース(1日で調査)と京都府2コース(1日で調査)のハッカチョウセンサスも実施。
地元公園では、カラスの巣チェックなのだけど、ほとんどサボってしまった。月末にカワウの集団ねぐら調査は実施。
大和川水系の調査は、垂仁天皇陵のカワウ・サギ類の繁殖地をチェックしたほか、行事下見で大和川源流部と馬見丘陵公園のに行った。
そして、大阪府のハッカチョウ ・イソヒヨドリ・ムクドリの繁殖分布調査をスタート。7月まで実施するが、ハッカチョウ とイソヒヨドリのデータは、4月でほぼ揃ったかもしれない。ムクドリがまだまだデータが足りない。この調査のために、出かけた帰りに駅周辺でのイソヒヨドリチェックをしたほか、河内長野市、岬町と阪南市、泉佐野市〜泉南市、高槻市〜摂津市、阪南市〜貝塚市と、5回調査にでかけた。
ホネホネ団の活動は、2日実施。
大阪鳥類研究グループは、淀川でハッカチョウ 研修。
読書サークルの会合を実施。
普及行事は、ジュニア自然史クラブ、鳥の調査の勉強会、鳥類フィールドセミナーと植物園案内動物編。そして、繁殖期の河川の鳥の調査の研修行事。下見もした月例ハイキングは雨天中止になった。
講演は、オープンセミナーで大和川水系調査の中間発表。そのために奈良盆地のイソヒヨドリ、ヌートリア、コシアカツバメ・イワツバメ。そして大和川水系のカワウ・サギ類営巣地、カワガラス、アカガエル産卵地の情報を整理した。
論文は書けず。
査読なし。
とまあいろいろあった中、今月読んだ本は、自然史系4冊と、SF0冊、マンガ16冊。
完全休養日はなし。今年に入ってまだ1日。
今月のネコは、網戸からよく外を見てる。網戸に爪を立てるのが困る。
●2024年4月29日 自然史センター・自然史博物館活動報告会2024
自然史関係ではなく、博物館活動自体、あるいは博物館学的な興味のある人に向けた報告会。大阪市立自然史博物館でたぶん唯一の博物館学的行事。毛色が違う行事なので、参加者はあまり多くない。むしろ館内・館外のスタッフが興味が持つような内容。それでも毎年実施している一つの理由は、近年、とくに博物館友の会をはじめとして、その活動に寄付の占める割合が多くなってきている。その中で、寄付したお金がどう使われたかを報告するのは、義務でもあるだろう、という意識もあって続けている感じ。
自然史博物館と自然史センターがそれぞれ活動報告をして、その後、その時々のテーマにそったゲストに講演を依頼して、パネルディスカッションして議論を深める。これが、例年のよくあるパターン。今回のテーマは、持続可能な博物館のお金の話。つまりまさに寄付の話で、この報告会の王道めいた話になった。
博物館からは、館長がごあいさつ。意外と面白いというか。どこかのクラファンについて、寄付によって博物館を応援することができるってことを、世に知らしめた功績は高いと持ち上げて見ていた。
課長からは博物館のミッションと、博物館への寄付の話。重要なポイントは、そもそも我が自然史博物館は市民の応援で成り立ってきた。お金という形の寄付はあまり集めてこなかったが(あるいは集まってないが)、標本や書籍などの寄贈という形の寄付はたくさん頂いている。標本整理、展示作り、さまざまな活動の支援という形のサポートも受け続けている。仮にお金に換算したら、かなりの額になるはず。
自然史センターからは、10年ほど前に、ミッションを策定し、意識的に寄付という形のサポートを様々に求めるようになった。その現在までの取り組みの話。それ以前に、友の会では、会員減少に伴って経営が苦しくなってきて、寄付への取り組みを始めていた。それ以降の取り組みも、ショップを失って大変、コロナで大変、フェスティバルを復活させたい。など、困ったことが起きる度に、一過性の寄付キャンペーンを繰り返して来た。今後は、経常的なサポーターを確保していきたい。
で、ゲストスピーカーからは、さまざまな公共性のある団体・機関の寄付の取り組み。一過性と継続的、個人と企業の2つの軸で4タイプに分けての話。大雑把には、見える化と多様化の推奨って感じ。参加から寄付にいたるいくつかの段階を、意識的に設定するという話は、興味深い。
まだほとんど取り組めていない遺贈と企業からの寄付については、特出して解説。でも、基本は変わらない感じ。とにかく旗を揚げて、やる気と成果を見える化みたいな。
遺贈と企業は、10年以上前から大きなテーマだったが、いまだに取り組めていないなぁ、と確認した気がする。
●2024年4月28日 ヒツジの皮剥きの最大の難所
そう、もちろん邪魔な角をいかに回避して、頭の皮を頭骨から外すか。これがヤギなら簡単。カモシカもカンタン。シカもダメージは少ない。ウシはやったことがない。キリンの難所は少し違う。
ヤギやニホンカモシカの角は頭骨からはみ出さないし、ニホンジカの角もまあまあ横には広がってない。一方、多くのヒツジの角は、頭骨から横に大幅にはみ出して、ヴォリュームも大きい。
ウシ科やシカ科の角は、いわば骨なので、角は頭骨に付けて、皮を剥くことになる。角の根元で、角と皮を切り離して。ってとこまではさほど難しくない。それで頭骨と頭の皮は分離してるけど、抜けない。どうする?
ヤギはそのまま抜ける。シカも若ければ角が簡単で簡単に抜ける。抜けない時は、片方の角の付いてた穴を少し広げて抜く。ヒツジもそう。で、今までなんとなく上に抜く事を考えてたのだけど、それだと皮を大きく切り開くことになって嫌だなぁ。と思ってた。
今日ヒツジを向いてた人は、頭骨を首からはずして、皮を下に抜いていた。穴を抜けるのは角ではなく、頭骨。確かに頭骨の方が幅が狭くて、ヴォリュームも小さい。頭いい。そういえば、自分でもそうしてたっけ。忘れてた。これだと、2本の角の間の皮を切って、穴をつなげるだけですんだ。
ちなみにだけど、キリンの角は、本来は皮を被っているので、皮を剥きたい。若い個体なら実際に皮を剥ける。でも、大人だと皮が破れてて、すぐ下の骨が露出していることも少なくない。露出していなくでも、皮はボコボコの骨に張り付いているので、皮を剥くのがチョー難しい。時間かけて苦労した後、角の皮むきを何度も断念した。
さらにちなみに、サイの角は毛のかたまりなので、本来は皮にひっつけて、骨からはずしたい。が、骨にとてもしっかりひっついていて、下の骨はけっこうボコボコなので、全然とれない。これは最初から諦めていて、角の根元で皮を切ってしまう。頭骨を骨にする処理の間に、軽く腐って角が取れる。それを角が腐る前に回収。というのがいつものパターン。
角があるとカッコいいけど、いろいろ面倒。
●2024年4月27日 初心者を鳥沼にはめるのに失敗か
今日は、地元植物園で、はじめてのバードウォッチングという行事を実施した。タイトルどおり、初心者向けの観察会。これをきっかけに、バードウォッチングを好きになってもらう、というはっきりしたミッションのある観察会であった。
そういえば、先日は繁殖期の河川の鳥を調査する人を確保するという明らかなミッションのある観察会をした。が、いろんな鳥を見て、観察会としては成功ではあったが、調査参加者はほとんど確保できず。ミッション失敗、って感じだった。
今日のミッションも失敗したっぽい。
出だしは間違ってなかった気がする。手を挙げてもらったら、思いの外、本当にバードウォッチングが初めての人が多かった。なので、最初に双眼鏡貸し出して、双眼鏡の使い方の説明。目の幅を合わせ、左右の調整、メガネの有無の対応。それから、見たい場所を見る練習。続いて、鳥の図鑑を紹介。イラスト図鑑と写真図鑑、日本のほぼ全種が載ってる図鑑と普通種に絞った図鑑。そしてイラスト図鑑で、普通種に絞っていて、値段が手頃な『山野の鳥』を貸し出し。ちなみに現役でイラスト図鑑作る絵描きは、谷口さんと水谷さんだけなんだなぁ。と改めて思った。
それから、大池に移動して、アオサギやカワウで、双眼鏡を使って鳥を見る実地練習。ここまでは順調だった気がする。
ここからが本番。今日の目的は端的に言えば、渡りの途中の可愛い鳥を見せて、鳥沼にはめること。ツグミ類、ムシクイ類、ヒタキ類がいろいろ通過している季節だけど、みんなでみやすいヒタキ類。とくにキビタキとオオルリ、できれば綺麗なオスを見せたい。
ということで、最初に照葉樹林、続いて二次林、そして小池周辺で狙った。1週間前はたくさんいたので、なんとなく余裕のつもりでいた。が、
照葉樹林では、キビタキがよく囀っていた。が、囀るキビタキは見つけにくい。動いているヒタキ類を探すが見当たらない。メジロの群れがいたが、高かったし後でも出るだろうとスルー。エゾムシクイとセンダイムシクイも囀っていたが姿は見つからない。
二次林では、大型ツグミ類がいっぱいいたし、クロツグミやアカハラが囀っている。動いてる。姿は見えるが初心者には見せられない。キビタキがうろうろしているが、見つけやすい場所に来てくれない。
小池周辺でも、大型ツグミ類の声がいっぱい。アカハラっぽい囀りも聞こえる。やはり見られない。
ことにいたって、狙いを旅鳥から留鳥のシジュウカラやメジロに切り替え。シジュウカラの声を狙うが遠ざかる。メジロいない。大池に戻って水鳥に期待するも、カワウしかいない。どうする?
ここまで、ろくに鳥を見せられず、残り30分しかない。というか、30分もある。仕方なく、さらに切り替え。鳥を見せるから、鳥の解説をすることに。もはや手当たり次第。コゲラの巣穴の前で、キツツキ類の繁殖の話、ドバトで食性や家禽化の話、カラスの巣を見せてカラスとの付き合い方の話。やっと正午になって解散。
キビタキとオオルリ頼みの設定を、もっと早い段階で切り替えるべきだった。最初からもっと説明多め、鳥のいろんな楽しみ方とかを紹介すれば良かった。反省しかない。
●2024年4月26日 読書サークル 第131回会合覚え書き
隔月で、課題本の紹介文を持ち寄って、本についてあれこれ言い合うサークル。
今日の会合で出た本についての意見を記録。
今回の課題本は8冊。3冊繰り越されてきて、3冊繰り越したので、8冊についてあれこれ話し合った。
ちなみに各人は紹介文を書いてきていてて、4つを最大として★を付けている。
●「恐竜の復元」
(紹介文6つ、平均★数は3.0)
恐竜の過去の復元と、現在の復元を示して、復元が変化するものを示しているのは評価高い。ただ、復元がどういう理屈で変わったのかが、ちゃんと説明されているのもあれば、説明が不十分なものもある。とくに脚の付き方が哺乳類型に変わった理由は重要ポイントなのに、説明が子ども向けとして不親切との指摘も。
●「パンダはどうしてパンダになったのか?」
(紹介文4つ、平均★数は2.5)
パンダが自ら選んで進化したかのような、進化の説明は問題との指摘。氷期が来たからと言って、肉食のパンダの祖先が草食に変わる説明にはなってないとの指摘も。そういう意味で、どうしてパンダがパンダになったのかは説明されていない。
●「生き物の「居場所」はどう決まるか」
(紹介文3つ、平均★数は2.7)
最後の2章が本論。そのために、前振りに4章もあるのは長すぎという点で意見が一致。ただ、生態学のざっとした歴史を知るのには、逆に便利かもという指摘も。ニッチの説明、繁殖緩衝が競争の一種かという点において、著者に一貫性がないという意見があった。
●「日本の動物絵画史」
(紹介文3つ、平均★数は3.0)
著者の主張に関係なく、出てくる絵が生物学的に正確かどうかという視点でのみ評価することの是非が問題になった。この場では、それで良いという意見もあった。
●「死んだ動物の体の中で起こっていたこと」
(紹介文3つ、平均★数は2.7)
個々のエピソードは、この周辺分野をある程度知ってる人には、さほど珍しくない。それが評価の分かれ目であった。エピソードの閉め方が説教臭いのいう意見も。
●「もしも世界からカラスが消えたら」
(紹介文2つ、平均★数は2.0)
読んだ2人は、著者の妄想を楽しめなかった。同じ著者の別の本を読んだ方がよほどいい。という点で意見が一致していた。
●「ビールの自然誌」
(紹介文3つ、平均★数は3.0)
ビール好きでなくても、楽しく読めるかという点で、大激論。たぶん難しそうっていう結論に。ただ、ビールの系統発生を、大まじめに論じたパートは面白そう。
●「ある日、森の中でクマさんのウンコに出会ったら」
(紹介文4つ、平均★数は3.5)
全体的に高評価だけど、とくに種子散布の話が注目された。中でも、糞がジャムみたいなので、味見してみたエピソードが話題になった。
●2024年4月25日 集団になったヨシガモの気持ち
今日は、ルーティンのため池の水鳥調査。4月も下旬になって、カモ類がとても少なくなっていて、調査は楽チン。そんな中で、ヨシガモの池にはまだヨシガモが残っていた。越冬した全員が残ってるっぽい。この池は、ハシビロガモとヒドリガモが多い池で、ヨシガモは少数派。けっこうエサをまく人がいて、そこにはヒドリガモを中心に、ハシビロガモも集まり、例年だとヨシガモも数羽混じるイメージ。
そもそも、例年ヨシガモは10羽程度。それが、この冬は20羽もいて、いつになくヨシガモ多めだった。そして、もう一つ例年と違うのは、この冬はエサをまいても、ヨシガモが全然近寄ってこなかったこと。例年ならヒドリガモに混じって、数羽のヨシガモが間近にやってきていたのに、この冬はヨシガモはヨシガモの集団で遠目にかたまってる感じだった。
が、今日は様子が違った。すでにハシビロガモは全然おらず、たくさんいたヒドリガモも3羽残ってるだけ。21羽いるヨシガモは今や多数派。そして、ヨシガモの群れは、まかれたエサに集まっていた。ヒドリガモやハシビロガモが多かった時に、エサに寄ってこなかったのは何故?
ヨシガモの個体数が少ない年は、ヨシガモはヒドリガモに混じる。これは、この池に限らずよくあること。それを見て、なるほどヒドリガモとヨシガモは近縁なんだなと思うことになる。でも、ヨシガモの個体数が多ければ、ヨシガモだけの群れができてしまい、ヒドリガモとは違う意思決定をする。という理解でいいんだろうか?
だとしたら、何羽からがヨシガモ単独群を形成し、何羽以下ならヒドリガモに合流するってことになるのだろう?
●2024年4月24日 カンサイタンポポの花期
カンサイタンポポの話を昨日聞いた。都市と郊外のカンサイタンポポの花器や訪花昆虫を比較するような感じ。他家受精なので、昆虫が花粉を運んでもらわないとタネができない。なので、昆虫が来てくれるのに充分な間、花を咲かせる必要がある。あるいは昆虫が来るまで花が咲いてる。
が、このタンポポの花期がけっこぷややこしい。タンポポは、1個体がいくつも頭花を付けて、1つの頭花はいくつもの花の集合体。一つの花の花期、一つの頭花の花期、1個体の花期が全部違う。昆虫は割と頭花単位で、訪花するので、試しに頭花と個体の花の付け方を想像してみると。
タンポポは有限の資源を振り分けて、花をつけ、タネを育てる。受精しなければ頭花は長く花をつけ、受精したら頭花を撤収してタネを育てはじめる。受精しなければ、次から次へと新たな頭花を投入し、受精したらタネを育てるエネルギーが必要になるので、新たな頭花の投入は減る。
という想像が正しければ、タンポポの花期は、昆虫の訪花が少なければ少ないほど、頭花の花期も1個体の花期も長くなる。花期は、タンポポの生理と環境と訪花昆虫の多寡で決まることになる。花期の比較にはいろんな要素がまじりややこしい。花の咲き始めのタイミングには、訪花昆虫の影響がなくて、環境の違いの比較には適してる気がする。あってんのかな?
●2024年4月23日 フィールドノート無くしたフォローアップ
フィールドノート無くして4日。思いつく場所は繰り返し探したが、見つからない。調査帰りに無くした可能性だけでなく、館内でどっかにやった可能性もいろいろ考えたが、見つからない。もう出てこない前提で可能な範囲のフォローアップをするしかない。
無くしたフィールドノートには、4月10日の後半から、4月19日までの8日分の調査結果が書かれていた。具体的な内容は、
4月10日 宇治川のハッカチョウセンサスの後半
4月11日 岬町と阪南市のハッカチョウ ・イソヒヨドリ・ムクドリ調査
4月12日 泉佐野市〜泉南市のハッカチョウ ・イソヒヨドリ・ムクドリ調査
4月13日 淀川下流部のハッカチョウ 観察会(ハッカチョウ ・イソヒヨドリ・ムクドリ調査を兼ねる)
4月14日 藤井寺市〜羽曳野市の石川で河川の水鳥調査の研修行事
4月15日 高槻市から摂津市のハッカチョウ ・イソヒヨドリ・ムクドリ調査
4月18日 大和川源流部の行事下見(大和川水系の調査を兼ねる)
4月19日 毎月実施してる大和川の水鳥カウント
という具合に、この期間はハッカチョウ ・イソヒヨドリ・ムクドリ調査がメイン。この調査は日々データと分布図を更新していたので、少なくとも目的のデータはすでに入力済みでダメージは少なめ。
ハッカチョウセンサスの目的のデータも入力済みで、調査地図もある。大和川源流部も重要なデータは引っ張り出した後で、ポイントを記入した地図が別にある。研修行事でも欲しいデータは入力済みか地図への記入がある。
ということで、細かいデータが失われたことを除けば、影響が大きいのは、月例の大和川の水鳥カウント。それは昨日再調査した。
あとは、本来目的以外に、それぞれの日にどんな鳥を記録して、どんな気になる観察をしたか。思い出せる限りをホームページの”最近見た鳥”に記入した。
以上で、フォローアップ完了。取り返しのつかないカウントデータがあまりない期間だったのが、不幸中の幸い。
●2024年4月22日 手帳もなくなった、と思ったら見つかった
大きな声では言えないけど、3日前にフィールドノートをなくしてしまったのに続いて、2日前の土曜日に手帳をなくしてしまったらしい。
手帳は毎日持ち歩く。直近でいつ見たかを考えると、土曜日の午前中にネコの事を記入したはず。で、土曜日の夜、家に帰って、またネコのことを書こうと思ったら見当たらなかった。職場に置いてきたのかな? と思って、昨日の日曜日に博物館で探すも見つからない。まずは、机の周り。そして土曜日にウロウロした場所をチェックして歩く。午前は博物館周りでの鳥の観察。集合した部屋にはない。夕方は講堂でゼミ。そういえば講堂で席を移動したよな。と思いつつ、座っていた場所を見たけど見つからない。ここが一番有力と思ったが。あとは事務室、プリンターの部屋、実習室。土曜日に行った場所はすべてチェエクしたはずだけど見つからない。実は自宅でどっかにやったか、ネコがどっかに隠した? と思って日曜日の夜確認したが見つからない。せまい我が家でなくすのは至難の技。やはり博物館でなくしたんだろう。
で、今日、研究室で探していたら、ハゼ屋さんに何を探してるのかと問われ、土曜日から手帳も行方不明。と言ったら、講堂では?と言われた。いや、そこは最初に探したし。と答えたのに、探しに行ってくれた。そんなん見つかるわけがない。と思ったのだけど、口に出さなくて良かった。
なんと、手帳は講堂で見つかった。嬉しい。ハゼ屋さんありがとう。でも釈然としない。講堂は自分でも最初に怪しいと思って探しに行った場所。見つかったのは、最初に座った場所だったそう。そこもチェックしたのに。なんと、段差の陰に立って隠れていたらしい。
手帳が見つかったー!とハゼ屋が放送してくれたので、今日出勤してる館員に知れ渡ってしまった。ちょっと恥ずかしい。
というわけで、自分で探したつもりでも、そこで見つかるということが判明してしまった。フィールドノートも他の人が探したら見つかるのかな?
●2024年4月20日 大和川水系調査プロジェクト中間発表会
昨年度から始まったプロジェクトYの中間発表会。最初の1年の成果を発表。と言うより、さあ、今年度から真面目に取り組むぞ。と言う決意表明が多くなりそう。
最初は水質班。ちゃんと採水して、成分分析も進めてるので、ちゃんと中間発表になってる!
植物班。カワヂシャとオオカワヂシャ(交雑したホナガカワヂシャ)、石川の植物を担当者2人が分担。昨年から進んでない。カワヂシャ調査は、主要河川の担当者募集。オオカワヂシャは、1kmに一つ程度の情報でいいらしい。その他、タコノアシ、オオバナミズキンバイの情報募集。
昆虫班というか、甲虫班。ガムシ調査をしたいらしい。まずは博物館の標本をチェックした。大型のガムシが少なそう。ゴマフガムシ類、タマガムシ、マメガムシなどは普通種なのに標本が多くない。シジミガムシ類やハセガワダルマガムシを見つけたら褒められそう。どっちも流水性で、小さいなぁ。
その他の昆虫班。とりあえずは、アメンボ類。大和川水系で7〜8種。絵解き検索もあるらしい。見つけたら、とにかく採る。他は、ヘビトンボ類やセンブリ類。センブリ類は4月上旬が季節。画像でもOK。カワトンボ類は、見つけたら記録。翅の黒いハグロトンボかアオハダトンボ。翅にに白い斑紋があるアオハダトンボを探す。翅の黒くないニホンカワトンボとアサヒナカワトンボ。翅が茶色いニホンカワトンボだけが分かりやすい。
魚班。全種が対象。とにかく魚を採りまくる。環境DNAとの組み合わせ。昨年度に採集で30種、環境DNAで45種確認。タウナギは採集でのみ確認。ギギも採集の方がよく見つかっている。環境DNAで確認されたアカザは、近年の記録はなかった。ヌマムツ、ナガレカマツカ、ムギツク、タナゴ類を含め、要探索。外来生物問題と絡めて、ドジョウとミナミメダカの標本も集めたい。奈良盆地にはが漁業権が設定されてたり、大阪府でも採集方法に制限があったりするので要注意。
貝班は、標本の処理が間に合わず。タニシ類やカワニナ類も採集。スクミリンゴガイの卵塊情報も募集。スクミリンゴガイ以外は、採って来ていいらしい。
今日は甲殻類班。改めエビ班。スジエビとチュウゴクスジエビ。模様が、日のスジエビ、中のチュウゴクスジエビと覚えよう。今のところ、チュウゴクスジエビはあまり見つかってない。採集して生きたまま届けても、画像でも良い。ついでにヌマエビ類やテナガエビも採集。
そして、両生爬虫類班、哺乳類班、鳥班。
●2024年4月19日 フィールドノートを無くした
今日は、大和川下流部の水鳥調査。朝早めにスタートして、順調に河口までの調査を終えた。調査の後は、イソヒヨドリやムクドリを探しながら博物館に戻る。調査地図はもう要らないけど、なんか見つけたらフィールドノートに記録しないといけないな。と思ったが、とくに記録することはなく、コーヒー豆を買って、スーパーで昼食を買って、博物館に戻ってきた。それが、午後1時ごろ。
コンピュータ立ち上げて、昼食食べて、すぐにたまるメールを処理する。大和川で見つけたハッカチョウ のデータも入力する。分かりやすい場所なので、フィールドノートを見なくても大丈夫。しばらくして、今度はイソヒヨドリのデータを入力しようと思い、フィールドノートをチェックしようとしたら、フィールドノートが見当たらない。
いつもはザックの中に入れてるか、机周りにポンと置いてある。見つからない。そういえば先日、机の下に落ちてるのに気づかなかったな、と床周りも探したが、見当たらない。なんか嫌な感じ。
フィールドノートに最後に記入したのかは、はっきりしてる。大和川の水鳥調査の最後。右岸河口で記入した。それからザックに放り込んで自転車で帰ってきた。途中は、コーヒー豆と昼食を買い物。博物館では、まっすぐ研究室に戻って荷物を解いた。その時、フィールドノートがあったか思い出せない。
時刻は午後5時。もし自転車で帰ってくる間に落としたなら、すぐに探しに行かないと暗くなってしまう。ということで、無駄足かもと思いつつも、大和川河口右岸に自転車で向かう。期待したが、河口右岸には見当たらない。それから同じルートをキョロキョロしながら帰ってきたが、見つからない。
考えてみると、ザックに穴はないし、ザックに入れていたら自転車で走ってる間に落とす可能性は低い。買い物でも物を出すわけではないので、落とすとは思えない。となると可能性は、大和川河口でザックに入れず、自転車のカゴに入れた場合(カゴが裂けてるので落とせる)。だとしたら、落とすのは河口近く。でなければ、博物館内、研究室内で荷物を解いた時。
でも見つけられない。名前書いてないけど、表紙に博物館名書いてあるから、拾った人がいたら連絡してくれないかなぁ。
【追記】
3日後、大和川を再調査した。調査終了後は、河口周辺でフィールドノート探し。見つからない。同じコースで三度帰ってみる。同じ場所でコーヒー豆を買い、同じスーパーで昼食を買った。やはり買い物で落とすとは思えない。でも見つからない。
大和川河口で落として、誰かが拾った可能性が一番たかそう。それと同じくらい高い可能性は、博物館内でどこかにやった。前者なら連絡くれないかなぁ。すでに捨てられたかなぁ。
●2024年4月18日 20年ぶりの大和川源流
2003年から2006年に大和川水系の調査プロジェクトを実施した。それから20年経って、再び2023年から2026年の予定で、大和川の調査プロジェクトを実施している。大和川本流の源流から河口までは一通り見ておいた方がいいだろうと、前回、5回に分けて、大和川本流を歩く行事を実施した。とくに源流部は行きにくい場所で、こんな機会でもないと行くことがないので、調査の機会としても貴重。
前回と比べて、スタート地点の天理市の山手に向かう場所が減っていて、今回の行事は妙に朝早くのスタートになる。天理駅前のバス停には、学生さんの長い列。山手に学校があるから、かろうじて残ってる路線といっても過言ではない様子。
なんとなくの場所しか覚えていないから、どこのバス停で降りるかもうろ覚え。おかんが降りる様子なので、一緒に降りる。バス停で降りたはいいが、どっちに行くんだっけ、状態。おかんがちょっと先に行ってて、というけど、行けないからおかんを待つ。
それでも、真のスタート地点辺りに来たら、ちょっと思い出す。そうそう、大和川の源流は、田んぼの水路になって、一番最初はいったいどこ?って感じやった。ここから先は、川沿いの道をたどるだけなので、迷わない。
初回のコースは源流から長谷寺まで、長谷寺の手前に初瀬ダムがある。そこまでは、ずっと山の中で、途中に小夫の集落が1つあるだけ。小夫の集落の少し手前までは、ほぼ山道で、そこから車道を歩く。
かつて、源流部から小夫までは、湿った水田や放棄田がずっとあって、水路も楽しく、ヤマアカガエルの産卵場所がいくつもあった。今回も、ぱっと見にはあまり変わっていない様子だけど、この3月におかんがヤマアカガエルの卵塊を探した時は見つからなかったらしい。
すぐ側にはメガーソーラーができていて、関連工事が今も行われている。濁った水が川に入っていた。見た目は似たような感じでも、中身はそうとう変わってしまってるのかもしれない。
季節はちょうどシュレーゲルアオガエルの大合唱。イモリがいるし、サシバの声も聞こえる。しかし、ソウシチョウの囀りもいっぱいだし、田んぼにはアライグマの足跡。ソウシチョウもアライグマも、20年前にはこの辺りにいなかった。
●2024年4月17日 大阪市のイソヒヨドリ
今年4月から7月は、10年ぶりに大阪府のイソヒヨドリの繁殖期の分布を調べている。
スタートダッシュが好調で、すでに10年前の分布比べられる程度の分布図になってきた。
今回の調査で気になっていることの一つは、大阪市内へのイソヒヨドリの進出。この10年で随分進出してきた感があるが、出だしだけで、すでに立証されているような気がする。
10年前と、今年の現時点までで、大阪市24区でどの区で記録されているかをチェックしてみた。
2014年にイソヒヨドリが記録された区は、
淀川区、中央区、浪速区、港区、大正区、住之江区、住吉区
以上7区だけ。
一方、今日時点で2024年にイソヒヨドリが記録されている区は、
東淀川区、淀川区、西淀川区、此花区、北区、西区、城東区、浪速区、天王寺区、阿倍野区、生野区、住之江区、住吉区、東住吉区
と、なんと既に14区もある。
10年前は記録されなかった梅田周辺、難波周辺、天王寺周辺で早々と記録された。博物館の近所でもけっこう記録されている。全区コンプリートも狙えそうな気配。
●2024年4月15日 静かな静かなレンゲ畑
今年度は、大和川水系の調査に力を入れる。でも、大阪府全域のハッカチョウ ・イソヒヨドリ・ムクドリの繁殖分布も調べたいから、忙しい。大和川水系に本格的に取り組む5月を前に、4月は大和川水系以外の大阪府をウロウロしておきたい。ということで、今日は、高槻市南部から摂津市。芥川沿いを下って、最初の目的地は芝生大橋のハッカチョウ 。それから高槻市最南端の三島江から柱本といった田んぼが残ってるエリアを歩く。
高槻市南部には、レンゲ振興会的なのがあって、田んぼにレンゲを植えましょうという活動をしてるっぽい。その名前を記したピンクののぼりがあちこちに立っている。そして、実際に、たいていの田んぼはレンゲ畑になっている。うちのレンゲ畑の行事もこの辺りでやってたと思うけど、なるほどって感じ。
レンゲ畑に限らず、この季節、ある程度まとまった農耕地は、ケリとヒバリの世界というのが、大阪府の定番。あちこちでヒバリが囀り、ケリの声もして、時には怒ったケリがわめく声が聞こえる。はず。が、今日の高槻市南部のレンゲ畑は、とても静かだった。ヒバリの声がしない。ケリの気配もない。あんなにうるさい鳥たちなのに。すぐ近くの淀川の堤防からは、ヒバリの囀りが聞こえてくるから、周辺にヒバリがいない訳ではない。でも、レンゲ畑に入らないらしい。なぜ?
あまり意識したことはないけど、ケリやヒバリがレンゲ畑を避けるということはないと思う。いや、それともあるのかな? あるいは、レンゲの植え方や育て方になにかあるのかな?
とても静かなレンゲ畑が広がっている様子は、とても不気味だった。妙に終末観が漂っていた。
●2024年4月13日 淀川ハッカチョウ通りを行く
この繁殖期の調査テーマは、ハッカチョウ・イソヒヨドリ・ムクドリの繁殖分布調査。今日はその研修で、淀川に行った。
大阪府の最初のハッカチョウの記録は、1980年代の豊中市辺り。それが消えて、2000年代に再び最初に記録された場所は高槻市。でも、最初に定着した場所は柴島の長柄橋。その後、十三にかけて広がった感が強い。そういう意味で、柴島から下流の淀川右岸は、大阪府のハッカチョウの原点みたいな場所で、生息密度も高めで、行けばたいてい見られる。メッカみたいな場所。
今日ももちろん予定通りの場所でハッカチョウ が見られた。20年前からハッカチョウが繁殖してる長柄橋では、今もハッカチョウが繁殖していて、周辺で数つがいがウロウロしていた。西中島から十三にかけては、むしろ非繁殖期に群れが生息しているエリアなのだけど、ここでも数羽が行き来していた。そして、10年ほど前から一番多くのハッカチョウ が見られるのが、さらに下流のJR神戸線の鉄橋。今日も20羽ほどが周辺で見られた。
営巣地である長柄橋とJR神戸線鉄橋では、同じような場所で営巣する他種との関係が面白そう。長柄橋では、昔からムクドリとの巣場所をめぐる関係が続いているはず。とはいえ、ハッカチョウはさほど増えず、ムクドリの繁殖も続いている。なぜハッカチョウはすべてを占拠するほど増えないのだろう? JR神戸線鉄橋では、ムクドリに加えてドバトも同じ穴を利用して営巣している。さらに巣場所争奪戦は激しそう。むしろこっちの方がハッカチョウは増えてるけど。長柄橋上流側の水管橋では、同じような穴にチョウゲンボウが出入りしていた。
ハッカチョウ、ムクドリ、ドバトの巣穴争奪線にチョウゲンボウまで参入したら、盛り上がりそう。
●2024年4月11日 さんぽるとでミサリン借りて岬町
岬町のイソヒヨドリを探しに行った。一番の目的は、大阪府最南端・最西端のイソヒヨドリの生息を確認すること。最初の行き先は、大阪府最西端の岬町多奈川小島。多奈川駅から歩けるけど遠い。コミュニティバスは本数が限られる。どうやっていこうかな、と思ってふと調べたら、レンタサイクルがあった。深日港で借りられるらしい。午前9時30分からと、時間は少し遅いけど、早起きして行って歩くより結局早い。そして、山間部のチェックもできる!
ということで、当初予定よりややゆっくり目で深日港駅へ。それでも早く着きすぎて、深日港周辺をウロウロしてイソヒヨドリ探し。ようやく自転車借りて、いざ多奈川小島へ出発。
途中でイソヒヨドリを記録しながら、多奈川小島へ到着。ツバメがとても多い。トビやミサゴが飛んでて、サシバまで飛んでる。漁港の中の2ヶ所にテングサを欲している。堤防沿いに見慣れない多肉植物が生えてる。南国っぽい。で、肝心のイソヒヨドリは、と探すも見当たらない。声も聞こえない。端から端まで何度も行ったり来たり。結局30分粘ったけど、イソヒヨドリは見つけられず。10年前にはいたのになぁ。と思いながらも断念。ツバメがめっちゃ多いのは、イソヒヨドリがいないから?
多奈川谷川まで戻ると、イソヒヨドリがよく囀っている。ここが最西端になってしまった。最南端は岬町の山間部。まずは、、多奈川西畑の谷沿いを走り集落まで、イソヒヨドリはいない。多奈川谷川にまた戻って、今度は多奈川東畑へ。こっちもいない。また戻って、次は孝子へ。ようやくイソヒヨドリを見つけた。という訳で、大阪府最南端のイソヒヨドリは孝子駅前。
レンタサイクルなので、効率よく岬町の調査ができてしまった。まさか半日で終わるとは! そして、電動サイクルなので、山手に向かうのもとても楽チン。
深日港にもどって、予定より大幅に早くレンタサイクルを返して、次は阪南市に向かった。レンタサイクルで阪南市も走り回っても良かったのだけど、返しに戻ってくるのが面倒なので、阪南市を走り回るのは断念。山手だけでも行ったらよかったかな?
岬町を走り回る時は、また借りようと思う。
●2024年4月10日 天野川沿いのハッカチョウセンサス調査?
朝から宇治川沿いを歩いてハッカチョウセンサス。ハッカチョウセンサスと銘打って毎月歩いてるけど、今までに2回ほどしかハッカチョウが出たことがない。京都府のハッカチョウの記録は、近年おもに宇治川沿いのエリアなので、宇治川を歩いているのに、これはいったいどうしたことなんだろう? なんか間違ってるのかなぁ。とはいえ、宇治川の鳥の季節変化を知ることができるので、いろいろ勉強にはなる。ハッカチョウが出ないだけで。
宇治川を歩いた帰り、京阪沿線でどこか寄り道で、ハッカチョウを確認し、イソヒヨドリチェックをしよう。ってことで、天野川沿いを宮之阪駅から交野市駅まで歩いた。交野市駅周辺は以前から断続的にハッカチョウが記録されている。近頃、宮之阪駅の近くでもよく記録されていて、先日も教えてもらったばかり。
駅前でイソヒヨドリを確認して、すぐに天の川沿いへ。教えてもらった犬田川ポンプ場へ。ハッカチョウの姿はないけど、お弁当でも食べながら少し粘ろうと、食べ始めたらどこからかハッカチョウの声がする。キョロキョロすると、目の前の橋で小声で鳴いていた。教えてもらった通り確認できた。
考えてみたら、天の川沿いの方がハッカチョウの記録は多い。宇治川でハッカチョウセンサスするより、天の川でハッカチョウセンサスした方が、ハッカチョウ記録できるし、センサスっぽく、楽しい。ただ、京都府での定着状況を押さえたいから宇治川で調査してる訳で、天の川でハッカチョウセンサスするのは目的がずれてしまう。残念だなぁ。
●2024年4月9日 子どもまつり振り返り
先月下旬に実施した子どもまつりを、関係スタッフで振り返った。
初心者は、こんなペースで間に合うのかヤキモキしていたらしいが、ベテラン勢はむしろ順調なくらいと思っていた。経験の差とは面白い。
ベテラン勢が順調と思ってた大きな理由は、3月頭の中間発表会での大きな方針転換がなかったこと。そもそも、どの班も1月の早い段階で、大まかな方針はかたまっていた。
一方で、1月に方向性を大雑把に決めた後、2月は会合はあるものの進展が少なかった印象。そこは、強引にでもステップを進めるように、いろんな決め事の締め切りを厳格にした方がいいだろうってことになった。
いつどこまでスタッフが、口を出すか問題も議論になった。初期から参加しているスタッフ的には、方針決定までは、中間発表までは、よほど大きな問題がない限り、ほぼ口を出さない。中間発表後の仕上げ段階では積極的に介入。口を出すにしても、技術面と科学面に限る。というのが了解事項だったはず。
が、今回は早い段階での介入が多かったのではないかとの反省。具体的な提案もしすぎたのではないかという反省も。初期のコンセプトを関係者でもう一度確認した方が良さそう。
もう一つの大きな議題は、Zoomを今後も使うかどうか。コロナ禍後の再開では、ここまで対面とZoomのハイブリッドで会議をしてきた。当初はやむを得なかったが、現在は賛否両論。
デメリットは、
・対面で参加した人への負担が大きい。
・議論がなかなか進まない。
メリットは、
・対面で参加できなくてもリモートなら参加できる。
さらにメリットだったのかもしれない点として、
・本番の出席率が高い。打ち上げへの参加率も高い。
という点も指摘された。
メリットも確実にあるんだけど、デメリットは無視しにくい。また近頃、大学でもリモートの授業はほとんどなくなってきている。新入生はZoomの使い方があまりわからなかったりもする。ということを鑑み、次回は対面のみにしてみて、ハイブリッドとの違いを検証しようってことになった。
●2024年4月8日 フィールドノート44冊
鳥の巣コレクターさんのお宅に、完成した出版物を届けに行った。本当はもっと早く持っていくはずが、バタバタしていて少し遅くなってしまった。すでに1ヶ月遅かりしなので、今更あわてても間にはあわないのだけど。
合わせて、引き取らせていただく標本や剥製を見せてもらった。こちらは鳥の巣コレクターさんに、以前引き取って欲しいと言われていたもの。話は通じているようで、タカの剥製2体とドイツ箱役10個が用意されていた。今日は下見のつもりなので、見せてもらうだけ。大きさの感じがつかめたので、これでOK。
で、こんなのもあるんですけど、と言いながら出してこられたのが、小さな旅行鞄。開けてみるとフィールドノートが出てきた。並べてみると1960年代からのが揃っている。1冊ずつナンバーが振ってある。読みやすい字で、丁寧に書かれている。昔の大阪の鳥の様子がよくわかる。個体数がけっこう書かれている。小林桂助さんのフィールドノートを見せてもらったことがあるけど、そこにも個体数が書いてあった。この時代の人はすぐに個体数も記録するんだなぁと思った。最新の日付をみると、コロナ前で終わってる。この続きはありませんか?と尋ねたら、机の引き出しから出てきた。これで一揃い。全部で44冊。
合わせて、タカ類の調査データや、タカのモニタリングをしていた研究会の会報も出てきた。こっちも貴重。
こうしたノート類は、もう捨てようかと思ってて、少し捨てた。と言われて慌ててしまった。フィールドノートは、鳥の巣コレクションと同じくらい価値が高い。絶対に捨てないで欲しい。似たようなデータが書いてある紙も重要なものがある感冒性が高いので、見つけたら絶対に捨てないで欲しい。全部博物館が引き取って、鳥の巣と一緒に保存したい。
興奮してて、ちょっとキツイ言い方になってしまったかもしれない。とにかく、捨てずに博物館に寄贈くださることになった。標本の引き取りの際に一緒に引き取る。正直、標本よりもフィールドノートの引き取りの方が重要。大丈夫とは思うが、なにかの間違いが起きないように早めに引き取りたい。
●2024年4月7日 魚を喉に詰めたカワウ
今日処理したカワウは、喉に、というか口に魚を詰めていた。昔はぜんぜんこんなことなかった気がするけど、近頃、ちょくちょく喉に口に魚を詰めたカワウの死体が届く。人間なら窒息死なところだけど、カワウはこのくらいでは窒息死しそうにない。むしろ、餓死してるんじゃなかろうか。
今日、カワウから引っ張り出した魚を魚担当に見てもらったところ、ロウニンアジとのことだった。体高が高く、背鰭など鰭の先が鋭い棘になっている。大きさ的には、カワウの口で呑めそう。実際、頭から体の前半60%は呑み込んでいる。が、喉に鰭の棘がささって動かなくなっている。たぶんなんだけど、そのまま呑み進めれば良かったのに、途中で吐き戻そうとしたんじゃないかな。で、鰭の棘が刺さり二進も三進も行かなくなった。
過去に、カワウの喉に詰まっていた魚というと、パッと出てくるのは、2022年4月のスズキ、2016年2月のギンガメアジ。体高が高いか、大きい魚で、鰭の先には棘。こういう魚を呑もうとするときは、気をつけなくちゃ。とカワウに教えて上げたい。
●2024年4月6日 鳥の調査の実習2024年度1回目
午前は、公園をウロウロして、調査を念頭にした鳥の観察。からの、研究計画を立てる練習として、架空の研究計画発表。長居公園など都市公園で今年の4〜7月にできる内容で。具体的な研究計画を求めた。
午後からは、論文紹介をしたり、こちらからこの繁殖期に実施する予定の大阪府のハッカチョウ・イソヒヨドリ・ムクドリの繁殖分布調査の研究計画を話した後、参加者各自に、手持ちのデータを紹介してもらったり、研究計画を発表してもらったり。
9組のうち、7組は継続だったので、様子が分かってる。4組は手持ちデータを紹介してくれた。その整理の仕方などについてコメント。
研究計画を発表したのは3組。いずれもデータをとってみないと判らないけど、面白い結果になるかも。でなくても、それなりにまとめることのできるテーマ。データを取る際の改善点や視点について提案してみる。
で、問題は初めての2組。というか2人。
1人は、1つの池を短期間カウントするだけという計画だった。何を明らかにしたいのか判らない。訊ねてみても出てこない。データは比較が大事で、もっと長く実施して季節を比較するか、もっとたくさんの池を調べて池同士を比較するかしないと何も判らない。といったコメントをするしかない。
もう1人は、大勢でやってるセンサス調査の結果の一部だけをピックアップして持ってきたらしい。なんかグラフがあるけど、それで何を言いたいのか判らない。再び同じ話をする。比較するには、もっと色んな種を見るか、もっと色んな場所でやるか、もっと長期間するか。何を明らかにしたいのか、あるいは何を比較してみるのかを決めないと、何かを明らかにはできない。
新人2人は若い。説明しつつ、なにをしたいのか訊ねたり、なにに興味がありそうか探ろうとしたのだけど、理解できる反応は返ってこない。修士の研究計画発表会で、途方に暮れる指導教員みたいな感じになってしまった。
単位も関係なく、申し込んできたのだから、なにかしらしたいことがあったのだと思うのだけど、何だったのだろう? こっちからお題を与えて手取り足取り。ではないと、返信で書いてあるんだけど、もっと強く書くべきか?
ダメ出しに弱いのかなぁ。といっても大してダメ出しもしてないのだけど。一緒に途方に暮れるしか無かった。
●2024年4月5日 富雄川がイワツバメに制覇されている件
奈良市域の富雄川沿いを歩いた。月例のハッカチョウセンサスコースとして、昨年終わりからスタート。今年が最初の繁殖期。イワツバメやコシアカツバメの古巣があるので、繁殖するか楽しみにしていた。そして、ついに期待の4月がやってきた。
ちなみに、イワツバメはけっこう各地で、越冬していたり、まだ冬なのに営巣地に戻ってきたりすることが知られている。そういう意味でも注目していたのだけど。この定例調査ではまだ一度も出現せず。ただ、別の行事の下見で、2月末に今日のコースを歩いたら、既知の1ヶ所の営巣地に戻ってきていて、巣にも出入りしていた。さらに別の2ヶ所で飛び回っていた。イワツバメの営巣地がいくつもあるんじゃないか? とは思ったのだけど、3月初めにはイワツバメは影も形もなく。どういうこっちゃ?ってなっていた。
とりあえず、スタート場所の近鉄富雄駅前の近鉄高架が最初のチェック場所。高架なのでイワツバメの巣が丸見え。そして、今日はイワツバメがやってきていた。周辺をいっぱい飛び回り、巣にも出入りしている。間違いなく営巣地。まあ、これは予定通り。
富雄川沿いに下っていく。2月末にイワツバメが飛んでた辺りで、またイワツバメが飛んでいる。みていると橋の下に入っていく。のぞけないけど、巣があるのは確実。
さらに下っていく。またもや2月末にイワツバメが飛んでた辺りをイワツバメが飛んでいる。見ていると橋の下に入っていく。今度は橋の下をのぞいてみた。巣があって出入りしている。
さらに下っていく。2月末には歩いていないエリアでも、1ヶ所イワツバメが飛んでいて、橋の下に出入りしていた。
今日歩いたのは、富雄川の奈良市部分約4.5km、そこにイワツバメの営巣地が4ヶ所。イワツバメは、コンクリート製で、下面に溝のある橋・高架を営巣地に選びがち。該当する橋では高い割合でイワツバメが営巣していることになる。もはや富雄川はイワツバメに制覇された。
大和川合流まで、今日歩いた1.5倍ほどの長さがある。単純計算だと、あと6ヶ所営巣地があるんじゃないかと。本当かなぁ。
●2024年4月4日 生物部のカメの骨格標本作り
とある中高一貫校の生物部のメンバー6人が、顧問の先生と一緒に3月終わりにやってきた。飼育していたクサガメが死んだので、骨格標本にしたいとのこと。資料渡して、作り方説明したけど、判ったのか判ってないのか判らない。喋ってるのは付添の先生ばかり。そして、その先生が頼りないのだけは判った。大丈夫かなぁ?と思ったので、博物館で作業してもいいよ。と、つい言ってしまった〜。
で、今日やってきて作業することになった。部屋はおさえておくし、やり方は教えるけど、材料と道具は持ってくるようにと言っておいた。
今日やってきたのは、生徒3人だけ。中学生3人は来なかった感じ。ホネ作りは今までも実質部長がほぼ一人でやってきたっぽく、その他サポートする部員が2人といった感じ? 前回、どういう標本にするか、とくに甲羅を切るかどうか考えておくように伝えてあったが、甲羅を切ることにしたらしい。
甲羅を切る道具を持ってきてなかったので、糸ノコを貸す。当然のように部長が切り始める。一人がカメを押さえている。一人余って暇そうなので、記録画像を撮ったり、道具を渡したりのサポートをするように提案。午前中の1時間半ほどで甲羅を切り終わった。最後苦戦していたが、思いの外うまく切れた。
午後からというか、昼休みもそこそこに解剖。まずは前肢+肩帯、後肢+尻尾+腰帯の外し方を、ホネの構造と共に教える。内臓の軽い説明とともに、頭の外し方を教える。あとは、甲羅の内側をできるだけ綺麗に。午後からは、3人で分担して作業できた。
なんとか目処が立ったところで、今日の作業は終了。頭、脚、尻尾の処理は、今日はできないので、持って帰ってからの処理の仕方を教える。皮を剥いてから肉とり。組み立てたいなら、とにかくホネをバラバラにせず、しゃぶしゃぶから少しずつ肉をとるようにと繰り返し説明。ちゃんとできるかなぁ。
作業時間は、午前9時半〜正午、12時半〜午後4時の約6時間。ぜんぜん休憩とらずに黙々と作業してた。部長はホネホネ団に向いてそう。
【追記】
昨年の秋に、同じ学校の生物部のメンバーから骨格標本の作り方の質問を受けていたことが、あとから判明。名前聞いてないから違うかもだけど、部長さんかなぁ。
●2024年4月3日 2023年度に登録した標本
毎年4月に、前年度の登録した標本点数の数字を出す。というのも館報を作るためなんだけど。自分の標本管理の担当は、鳥類と哺乳類。でも館報の原稿は研究室単位でまとめるので、爬虫類、両生類、魚類、さらには無脊椎動物の標本点数も集約する。
ここんとこずっと、動物研究室の標本関連の集約係をやってる。というのも受入点数が一番多いから。他の分野はまとまった数をまとめて受け入れるけど、鳥類と哺乳類は1点〜数点の小規模寄贈が多くて、標本点数は少なくても、受入件数は多くなる。
で、せっかくなので、過去のも含めて、動物研究室の各分類群の標本点数の推移が判る表を作ってある。自分に関係のある1994年度以降の標本点数の推移が判る。
この一年に登録した標本点数は、鳥類546点、哺乳類83点。単発の寄贈の死体を標本化した点数は、ここ数年、鳥類と哺乳類どちらも100点前後ずつ。この一年でもそれはさほど変わらないはず。鳥類が異様に多いのは、2022年度に寄贈された小海途銀次郎鳥の巣コレクションの収蔵資料目録を出版するために、ようやく整理を進め、登録したから。
寄贈されて2年もかかってる。というより、2年で整理して登録して収蔵資料目録を出したのは、とても早い方。20年ほど前に受け入れてまだ整理終わってない鳥のコレクションとか、5年ほど前に寄贈されて、なにがあるかも把握していない哺乳類のホネコレクションとかもある…。なんとかしなくちゃ。
●2024年4月2日 ジュニア自然史クラブのミーティング
なぜか、申込みのシステムに不具合があって、申し込んだのに返事が来ない!案件が多発。その対応に手間取った。返事がこないの連絡は、直前に集中するので、直前にバタバタと3件ほど対応。それでも当日、名簿にない参加者が6名。6名には申し込みが受け付けられてないことを伝えて、ミーティングの後で、登録関連のやりとり。
でもまあ、ともかくなんとかミーティング。標本実習、植物園で生き物観察、今年度の活動内容の相談の3本立て。さらに解散後、フェスティバルの打ち上げ。盛り沢山。
午前中はとりあえずなんとなく、植物園をウロウロ。鳥の羽拾ったり、虫取ったり、植物を観察したり。例によってパーカーのフードに、ドングリや葉っぱなどを入れられた。今年は散髪して参加したので、頭に羽根はさされなかった。
午後からは、標本実習。担当のホネ洗いは、今回はエランドの骨。なんとかシンクに押し込んで、分担して洗ってもらう。2時間ほどなので、洗い終わらない。それでも、まあまあ状態よかったので、ある程度は洗えた。もう少し洗ってたかったが、次の予定の時間が迫ってきたので、急いで脚の関節とか、背骨の並べ方とかを説明してみる。
で、今年度の活動内容の相談。いろんなリクエストを、適当に受け流し。可能な範囲にだいたい落とし込む。まあまあリクエストには答えられたかなと。
解散してから、打ち上げ。要はお菓子を食べてジュース飲むだけ。買い出しについていったら自分の食べたいもの食べられると言ったら、えらい大人数で買い出しに行くことに。待ってる間、留守番の部員の相手をしつつ、エランドの作業の片付け。大量のお菓子を買ってきて、乾杯。部長が南米で撮影したスライドを見せてくれた。わいわいお菓子食べてるだけだけど、なんか楽しい。こういう時間が大切なのかもと思う。
それにつけても慌ただしい。もう少し内容を整理できないかと思わなくもない。
●2024年4月1日 駅でイソヒヨドリ調査
今年の繁殖期は、大阪府のイソヒヨドリ、ハッカチョウ、ムクドリの繁殖分布調査。広い範囲をカバーする必要があるので、車を持っていない者としては、足が問題になる。そういえば、昔、駅ツバメ調査をしたなぁ。ってことで、今日、奈良県で行事の下見をした帰り道、JR大和路線で、駅イソヒヨドリ調査を試みた。
最初は河内堅上駅。駅降りて、ホームで耳をすます。イソヒヨドリの声が聞こえてる気がするけど、確証を持てず。改札出なければよかった。
次は高井田駅。しばらくホームにいるもイソヒヨドリの気配がない。じつは駅に到着する手前の建物の屋根にそれっぽい姿があった。やむなく改札を出て、確認に行く。やっぱりイソヒヨドリだった。で、駅に帰ってきたら駅舎にとまって大声で囀るイソヒヨドリ。改札出なくてよかったやん。
柏原駅に到着する手前で、ビルの上にイソヒヨドリの姿発見。電車を降りずに通過。
志紀駅。今度はイソヒヨドリの姿を見つけられない。ホームで耳を済まそうとするけど、ホームってやたら放送が流れてるし、電車の音もうるさいし、ホームの人が多いのも邪魔。やむなく改札を出る。周辺をぐるっと回ってると、囀るイソヒヨドリに遭遇。駅から離れてるから、駅イソヒヨドリとはいえないなぁ。
八尾駅。やっぱりホームはうるさい。ホームの両端でそれぞれしばらく待つもイソヒヨドリの声は聞こえてこない。ちょっとやる気が失せて、今日は終了。
駅イソヒヨドリ調査は楽しいけど、駅ツバメ調査と違って、改札の中から、声と姿を探すのが意外と難しい。でもいちいち改札出てたら、お金がかかって仕方がない。一方、駅ツバメ調査と違って、電車の中から降りずに見つけられる可能性もある。ドアが開いた瞬間にさえずりが聞こえたら、降りてすぐに乗ればいい。1本の電車で動けるなら、調査は効率的! なかなかそうは問屋がおろさないけど。
とにかく、駅の近くでイソヒヨドリが記録できたかどうか、イソヒヨドリの繁殖分布調査と並行して記録しておこう。
【追記】
ひそかに駅イソヒヨドリ調査と思っていたら、知り合いの鳥屋も、駅イソヒヨドリと言ってて驚いた。みんな思うことだったのか。
あと、駅イソヒヨドリの基準は、当初、駅から50m以内としていたのだけど、微妙にもう少し離れた場所で記録されることがあるし、声ももう少し遠くから聞こえている気がする。ってことで、駅から100mということに変更した。