日記風覚え書き
2024年7月、8月、9月
(2005年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、2006年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、
2007年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、2008年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、
2009年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、2010年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、
2011年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、2012年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、
2013年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、2014年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、
2015年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、2016年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、
2017年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、2018年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、
2019年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、2020年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、
2021年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、2022年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、
、2023年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月)、2024年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月)
●2024年9月30日 生涯2度目の胃カメラ
初めての胃カメラは、2年前。あまりに苦しかったので、もう二度と胃カメラはのまないと思った。で、昨年のガン検診は、バリウムを飲んだ。これはこれで苦しい。胃カメラを飲むか、バリウムを飲むか。ある意味、究極の選択である。でも、胃カメラで直接見た方が、小さい胃がんやポリープは見つかりやすいだろうし。見つけたらすぐに処置もできる。どうする?
気が小さいので、胃カメラのまないと、胃がんになって手遅れになるかも。といった妄想が膨らむ。2年経つと妄想がかなり大きくなっていて、今年は、つい胃カメラにチェックしてしまった。そして、胃カメラをのむ日が来てしまった。
前日の絶食時点から、すでに緊張気味。絶食と言われなくても食欲ないかも。朝起きて、いろいろ考えるのが嫌なので、ガン検診は朝一番に設定した。病院が家のすぐ側というのもある。
胸部X線検査、腹腔エコー検査ときて、血を抜いてから、最後に胃カメラであろう。前回もそうだったし。と思ったら、血を抜く前に胃カメラの部屋に入れられる。えー、心の準備ができてない。でも、いきなりの方が緊張しなくてすむかも。
ベットに座って、胃の泡を消すという薬を飲まされる。そして、寝かされて、鼻に麻酔の薬を入れられる。飲み込めと言われる。変に甘い。飲み込みにくい。口から喉が変な感じ。緊張が高まる。つばを何度も飲んでしまう。咳が出る。胃カメラ入れた時に咳出たらどうしよう。
数分して、ドクターが登場。鼻から胃カメラを入れられる。画面を見ると言い張ったけど、気持ち悪くて、ちらちらとしか見れない。鼻の奥が狭い。狭い部分を突破する時が気持ち悪い。胃に先端が到達してからも気持ち悪い。ちらちら見るけど、絶食の甲斐あって、変な物は入っていない。
じっくり見たいけど、気持ち悪くて見れない。変な事をしそう瞬間を見ると身構えそうで、見れない。早く終わって〜。息がしにくい。口呼吸。あ、鼻でも呼吸できる。気持ち悪い。早く終われ。
なんか医者が言ってると思ったら、終わったらしい。でも、気持ち悪い。濡れティッシュを渡される。しばらく鼻にあてて、ジッとしてる。胃に問題はなかったらしい。医者に御礼でも言わなくちゃ、と思ったけど、そんな余裕がない。
1分ほどして復活。切除はしてないけど、麻酔が効いてるから、1時間半は絶食絶飲だそうな。その後、血を抜かれた。いつもはちょっとは緊張するけど、胃カメラの後では、ぜんぜん平気。
前回の胃カメラは、胃カメラを食道まで通したまま、医者が来るのを何分も待たされた。でも、今回は医者が来てから。今回の方が苦しい時間が随分短かったかもしれない。ただ、2年前は感じなかったけど、食道を入っていく胃カメラの冷たさが気持ち悪かった。
で、今年も思った。もう二度と胃カメラは入れたくない。苦しい。
●2024年9月29日 ヌートリアの足跡探し
大和川沿いを歩いた。低水敷や中州をチェックするのは面倒なので、2ヶ所しかチェックしていないが、どちらでもヌートリアの足跡があった。2日前に、もう少し下流の方を歩いた時も、ヌートリアの足跡を確認できた。低水敷を歩いていると、けっこう見つかる。
ヌートリアの足跡っぽいけど、アライグマの足跡との区別が少し自信がない。なので、はっきり付いてるのでしか断言できない。小さい前肢と、大きい後肢。アライグマよりその差が大きい。後肢は水掻きがあって、はっきり付いた足跡なら確認できる。前肢の足型は、アライグマと同サイズなのだけど、アライグマは5本指の小さい人間の手形のよう。一方、ヌートリアは第1指がかなり短いと思う。爪も目立つ。
はっきりした足跡だけでヌートリアと判断してるけど、あいまいなのも入れると、見つかった場所の周辺に足跡はいっぱいある。ヌートリアは、足跡で分布調査できるんじゃなかろうか。
ヌートリアの生息調査は、姿の確認情報を集めてきた。生息しているのが判っていても、なかなか出会えないので、自分で探しに行くのではなく、広く情報募集を呼びかけている。
直接観察以外では、2000年代の淀川での調査では、糞を見つけて生息確認としていた。でも、糞ってまあまあ見つけにくい。冬にはヒドリガモとかの糞と間違えかねない。
でも、足跡で生息調査できるなら、出かけて行って探しても良さそうな気がしてきた。もう少し、あちこちでチェックしてみよう。
●2024年9月28日 鳥の羽根ひろいにおける安全衛生上の注意
今日は、初心者向けの鳥の羽根ひろい行事。初めての子ども達がいっぱいいた。一通りめぐって羽を拾った後は、羽根の保存の仕方と、安全衛生上の注意をしてから解散。今回は、高病原性鳥インフルエンザについても言及をせざるを得ない。
でもまあ、とりあえずは通常の安全衛生上の注意。
鳥の羽根は不潔です。
・触った人は、必ず手を洗うこと。とくに食事の前は手を洗うこと。
・羽根は、完全に乾燥させて時間が経てば、”ばい菌”は死ぬし、ウイルスの活性も失われる。気になる人は、中性洗剤に浸けて洗う。ちなみに洗い方は、浸けおき洗いで、風を当てて乾かす。
で、高病原性鳥インフルエンザウイルスについての注意喚起。
・夏の間は日本に高病原性鳥インフルエンザウイルスはいないが、冬鳥のカモが運んでくる。なので冬場がリスクのある季節。
・カモがキャリアーで、カモと一緒に水辺にいる水鳥と、カモや水鳥を襲ったり死体を漁る猛禽類やカラスにも感染している可能性がある。
羽根に、人間が感染するほど大量の鳥インフルエンザウイルスがついてる可能性は少ないと考えられる。が、(家禽や野鳥のために)高病原性鳥インフルエンザウイルスを広めないように、該当する季節に該当する種類の羽根を拾う場合は、
・袋に密封して、できれば洗剤で洗う。
・できれば直接触らない。触ったらしっかり手洗い。
・気になる人は、マスクする。
拾った人の安全衛生という意味では、普通の羽根拾いと変わらないけど、高病原性鳥インフルエンザウイルスを広めないという配慮がいる感じかと。
●2024年9月27日 アライグ祭り計画案
今年、九州の某所で、フクロウ祭りというのが開催されたらしい。冷凍庫にたくさんたまったフクロウの死体を一斉に処理する。だけのつもりが、なぜか知らんけど、寄生虫を調べる人や、計測値が欲しい人も集まりつつ、なぜか鳥の仮剥製作成講座の様相を示していたらしい。それはそれで、意義深い企画だったらしいのだが、今日はたくさんの反省点も耳にした。
曰く、処理方針の不統一。初心者を急遽指導させられる経験者たち。採集データなど、個体に紐づけておくべき情報の扱い。作業途中で去ってしまう初心者。などなど。こんなに初心者だらけになるのであれば、あらかじめ指導者層を設定して、その意思統一、処理方針の統一を図っておく必要があった。ということらしい。
でもまあ、冷凍室にたまってる死体を多くの人手で一斉に処理するのは、日常的に処理するスタッフやサークルを抱えていない施設にとってはありがたいのは間違いない。ということで、来年は、同じく九州某所で、アライグ祭りが計画されている。その打ち合わせに潜入した。
アライグ祭りでは、標本作成講座になる祭り当日より前に、リーダー格だけで集まって、方針や処理の仕方の統一、そして段取りの打ち合わせを行うらしい。せっかくなので、特別展に合わせるとか合わせないとか。なんと、アライグ祭りで活躍するとヤマネコ祭りへの道が開かれるとか開かれないとか。
なんか楽しそうなので、来年の12月の平日の候補日辺りは空けておこうかと思う。
●2024年9月26日 日帰り茨城弾丸ツアー
ネコ展の後始末、茨城県某所へ日帰り。最寄り駅まで、地下鉄-新幹線-山手線-つくばエクスプレスで4時間。最寄り駅から車で30分。現地で約1時間。往復9時間とあわせて、合計10時間。計算上はそうなるのに、なんだかんだで往復11時間。
ちなみに、現地で待ち合わせた鳥取から来た方は、前後宿泊で2泊3日の旅なんだそう。現地でたった1時間なのにねぇ。まあ、前泊はさておき、後泊はせずに当日帰れたと思うけど。そんなに早く終わると思ってなかったらしい。
現地の1時間ちょっとは、大阪から本剥製4点の返却。梱包されてるのを解いて、見てもらって、OKでたらこちらの仕事は完了。4点の内、2点はそのまま鳥取に行く。から、いちいち返却しなくても。と思ってたら、2点は返却したのとは同種の別の本剥製が出てきた。
カナダオオヤマネコとマヌルネコがそんなにあるとは〜。入れ替えたのは、長期間展示したくないからだろうか。なんか分からんけど、それなら4点返却、2点貸し出しで、なんとなく納得。同じ種なので、サイズ的には同じ箱に入る。ただ、ポーズが少し違うので、足元や支えの横木の位置を微調整してた。
なんにせよ。1時間ちょっと見てるだけ。今回も、一人お土産の菓子折りを忘れた。
細長い箱の搬入があったり、新札対応の両替機の搬入があったり。使用頻度の高いトラックヤードだった。表にはでかいクジラの前肢の骨が水に浸かっていた。
●2024年9月24日 オニバスが急に増える不思議
毎月のルーティンとしているため池の水鳥調査。58ヶ所を自転車で回る。なぜかついでに気になる水草も記録している。オニバスは、お気に入りの植物の一つで、毎年生えてる池と、大雑把な株数も記録している。今年は、4池に生えている。1株、2株、約50株、そして400株以上。50株でも多いのだけど、400株以上というのは、未だかつて無い数字。
今年急に増えた。先月と比べても多い。数字を引っ張り出した。
2024年9月24日 400株以上
2024年8月20日 150株以上
2024年7月29日 64株
2024年6月24日 8株
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2023年10月30日 2株
2023年9月21日 2株
2023年8月28日 2株
株数イコールタネ数。としたら、昨年の2株から400粒以上のタネがあったか。埋土種子があったか。今年の前半で付けたタネがさらに増えたのか。なんか不思議。
それはさておき、今日時点で、オニバスは池の約55%を覆っている。残りはハス25%、ヒシ10%ってとこ。同じく、昨年入ったハスも拡がってるけど、オニバスのおかげでハスの拡がりが押さえられている気もする。ガンバレオニバス。
●2024年9月22日 鳥インフルエンザとホネホネ
先日、高病原性鳥インフルエンザについて、勉強したので、ホネホネ活動の際に何に注意すべきか、改めて考えた。今までの安全衛生管理で、本質的には問題ないけど、いくつか対応が必要な部分もある。今までの安全衛生管理をちゃんと徹底する必要はありそう。
ホネホネ活動的には、考えるべきは、回収の場面と処理の場面に分かれる。そして、鳥類と哺乳類で少し違う。
死体回収編
鳥類で高病原性鳥インフルエンザウイルスを持ってる可能性があるのは、キャリアーになるカモ類。そして、カモ類と一緒に水辺にいる鳥たち、カモ類を襲ったり、死体をあさる鳥。哺乳類の場合は、カモ類を中心に感染した鳥を襲ったり、死肉を食べる可能性のある食肉類。およびニワトリ小屋に入る食肉類。現時点では、幸いなことに夏は問題にならず、冬カモがやってくる季節(おおむね10月〜4月)だけが問題。
該当する季節に、該当する対象の死体を拾う場合は、自分が感染しないというより、むしろウイルスを広めないために。直接さわらず回収して、すぐに密封する。ちなみに感染の可能性のある死体があった場合、放置するより回収する方が(それを食べた動物に感染が拡げないために)望ましい。
死体処理編
鳥インフルエンザウイルスは、常温では2週間で感染の恐れはなくなるが、、冷凍では活性を失わない。したがって、感染リスクがある季節に拾われた感染リスクのある対象を処理する場合は、
・マスクをする(直接処理する人だけでなく、その部屋に出入りする人)。
・部屋の外に出る際は、手洗いをする。
・部屋の換気を心がける。
コロナウイルスと同じで、インフルエンザウイルスも、飛沫感染で、呼吸器系から感染するので、マスクと換気で対応可能。新型コロナウイルスより、人への感染力は弱いので、さほど怖がらなくても大丈夫そうではある。あくまでも現時点の話だけど。
とくに哺乳類の場合は、人との共通感染症も多いので、そもそも高病原性鳥インフルエンザウイルスが関係なくても、マスクと手洗いはした方がいいに決まってはいる。
●2024年9月21日 読書サークル 第133回会合覚え書き
隔月で、課題本の紹介文を持ち寄って、本についてあれこれ言い合うサークル。
今日の会合で出た本についての意見を記録。
今回の課題本は7冊。前回以前からの繰り越しはなく、3冊繰り越したので、4冊についてあれこれ話し合った。
ちなみに各人は紹介文を書いてきていてて、4つを最大として★を付けている。
●「ダーウィンの進化論はどこまで正しいのか?」
(紹介文6つ、平均★数は3.2)
とにかく難しい。という評価で一致した。相当な予備知識がないと、ついていけない。真面目な人は、進化の総合説の本を読んでから(読みつつ)読んだという。どちらかといえば、一般向けというより、大学院生向け。それも半年から一年かけて教える内容といった感じ。このパートを読んで分からない人は、こっちの本を先に読むように。といった親切さが欲しかったという意見があった。
●「カニの ダンス」
(紹介文6つ、平均★数は2.7)
4種のカニのダンスが図解で描かれ、それみて踊ってみれるのは好評だった。取材に行ったフィールドの地元の団体との関係が気になるという指摘があった。
●「温暖化に負けない生き物たち」
(紹介文4つ、平均★数は3.8)
タイトルに相違して、温暖化に負けつつある生き物が出てくる。なんとか対応している話のようでいて、かなりお先真っ暗な話。多くの人にその実態を知ってもらうために、あえて明るい感じで書いているのかも。北アメリカでは、鳥にも大きな影響が出てるけど、日本の鳥にそこまでの影響は認められていないのが不思議、というコメントがあった。
●「都市に侵入する獣たち」
(紹介文4つ、平均★数は3.3)
これも北アメリカの話。北アメリカの都市の歴史が、日本と違っていて面白い。それでいて、近年の都市への哺乳類などの進出は似ている。北アメリカほど日本は大型肉食獣はいないけど、アメリカクロクマとツキノワグマ、コヨーテとキツネ、中型食肉類、猛禽類。北アメリカの状況は、日本の今後を考える上で、とても参考になる、という読み方が多かった。
文章が読みにくいという指摘があった。翻訳者がプロではないのが関係しているのかもしれない。
●2024年9月20日 鳥の巣標本調査 2日目
コケを使った鳥の巣標本調査。2日目。収蔵資料目録をあまりに熱心に読み込んでくれてる。でも、3人で1冊しかない。買ってくださったものだそう。で、なんか不公平かもと思いつつ、こんなに使ってくれるならと、他の2人に2冊寄贈した。鳥の巣コレクターさんの巣材の記述は、ところどころ間違ってるけど、かなり正しくて、丁寧に観察していたんだなぁ、と改めて感心する。
午前最初は、クロジから始まり、ミヤマホオジロ、ホオジロ。最初はクロジの黒い産座で盛り上がり、ミヤマホオジロの巣でも黒い産座のがある。よく見ると、ホオジロの産座にも、黒い同じのが混じるなぁ。植物の根っぽいけど、高い山から富田林の街中まであって、小鳥が簡単にアクセスできるって何? 候補が出たので今度見てみよう。コケの調査から離れて、細根調査。鳥が巣材に使うものという目で、林床や樹皮を観察すると、おもわぬ世界が開けそう。
午前後半は、小型ツグミ類。コマドリは産座に葉っぱ敷いてるけど、タネコマドリやコルリはコケを使ってる。ルリビタキの巣はコケの塊で、コケ屋さんが本領発揮。タマゴケ、ヤノウエアカゴケ、ハイゴケと言った名前が聞こえる。奈良の稲村ヶ岳のルリビタキは産座にシカの毛がいっぱい。抜いてきたのかな?
昼前から、ムシクイ類に突入。高標高地で繁殖するエゾムシクイとメボソムシクイの巣は、かなりコケの塊。低山のセンダイムシクイの巣は、一見コケは使ってないけど、産座に胞子体がいっぱい入っていた。朔があると同定できるらしい。スギゴケとかハイゴケといった名前が飛び交う。
午後は、ヤマガラなどカラ類の巣でとても盛り上がる。産座を中心に調べてきたけど、カラ類の巣って、いわば産座だけからなってるからね。細かく裂いた樹皮の茶色い塊。と思っていたら、樹皮よりコケの方が多いくらいとか。コゴメゴケとかの仲間らしい。ゼンマイの綿らしきが混じる巣もあった。しかし、ヤマガラをしのいで午後で一番盛り上がったのは、ヤマガラを凌いでシジュウカラだった。キンシゴケ科、ウスグロゴケ科、ハイゴケ科と言った名前が飛び交う。チャボヒラゴケというのの胞子体を見せてもらった。鮮類なのに、柄が短い。こんな巣で繁殖していたシジュウカラの身体はコケの胞子だらけだろう。コケの胞子散布車としてのカラ類が気になってきた。
2日日程の鳥の巣調査の最後は、バタバタと、キビタキ、ジョウビタキ、ヤイロチョウ、ホシガラス、カワガラスもチェックしていた。キビタキはコケの胞子体があって盛り上がっていたが、ヤイロチョウとホシガラスにはコケは付いているが、カワガラスはコケの塊だが、産座に胞子体はなし。ホシガラスはイワダレゴケを使ってるらしい。
この2日間、鳥の巣材調査に同席させて頂いたが、鳥の巣材を調べるのが、こんなに面白く、さまざまな種間相互作用の研究に繋がりうるとは知らなかった。あと、この3月に発行した収蔵資料目録を、あんなに読み込んで、使ってくれる人がいるとは思わなかった。正直、けっこう嬉しい。
●2024年9月19日 コケの鳥の巣調査 1日目
朝から、コケの巣屋さんが2人来館。午後からコケ屋さんも参加。そんな研究があったのか、と思いつつ、鳥の巣で盛り上がってくれて嬉しい。きっと鳥の巣コレクターさんも喜んでくれたに違いない。
コケを使った鳥の巣を見たいと言われたので、てっきりコケの塊のような、オオルリ、ミソサザイ、カワガラスを中心に、ムシクイ類やエナガ、メジロなどの巣を見たいのかと思ってた。が、実際には、産座にコケの胞子体を使った巣がおもに見たかったらしい。なので、オオルリは見たがったが、カワガラスは最後の方でついでのように見ただけだし、結局、ミソサザイは見なかった。
どっちかと言えば、この春に発行した収蔵資料目録を読み込んでいて、産座にコケやリゾモルファーを使ってるという記述のある種の巣を見たがった。
初日の今日、午前は、キセキレイ、ヤブサメ、アカヒゲを調べていた。ルーペで念入りに観察して、撮影しまくるので、1巣に20〜30分かかる。あんなに熱心に産座を観察している人を初めて見た。
午後からはコケ屋さんが加わって、ヒョウタンゴケやスギゴケなど、鳥の巣のコケの名前が飛び交うようになってきた。ノビタキもコケの胞子体を産座に入れてるのには気付いてなかった。逆に、基本的にコケの胞子体で産座をつくるオオルリでは、コケの胞子体を使わず産座をつくっている巣で盛り上がっていた。
午後の後半は、ほぼコサメビタキの巣だけ。巣の本体が本当でコケでできているのか。コケ製の巣の中では異様にタイトにできてる。どうやって地衣類付けてるのかなぁ、とかで盛り上がる。勢いでサメビタキの巣も調べる。サメビタキはサルオガセ的な地衣類の塊。コケが付いてないので、コケ屋さんは盛り上がらない。
●2024年9月17日 大和川河口の水鳥の30年 ユリカモメ減って、オオバン増えて、カモは入れ替わり
来年の鳥学会大会での発表について考えてみた。
今年、漁港のカモメな人、ウミネコのトリップな人の話を聞いて、また大阪湾岸のカモメ類の話をしたくなった。東京湾のウミウネタもあったから、カワウ絡みにしたら、なんとなくウミウにも触れられるかも。
で、今までにした話以外で持ちネタと言えば大和川下流部の水鳥の話。1994年から毎月調査してる。が、最初の頃には真面目にデータを入力していたものの、その後はデータを整理できていない。学会発表を滞っていたデータ入力のきっかけに! という意味でもいいアイデア。
問題はいつ入力するか。講演要旨を考えると、来年6月中に入力を終えたい。無理なら、講演要旨を適当に書くことになる。データ見なくてもおおよそ書けるけど…。
毎月1度の調査を30うん年。季節変化と年次変化。というか季節変化の年次変動。
カモメ類、とくにユリカモメの減少はデータみなくても明らか。この場合、上流に上がらなくなったことも示したいので、ユリカモメの流程分布の話もしたいところ。イカナゴ漁との絡みで、3月の動きにも注目したいところ。夏はウミネコだらけになるとか、カモメは12月からとか、ユリカモメの越夏の話もしなくては。なんかカモメ類だけの話でも十分盛りだくさんな気がする。
オオバンの増加も明らか。これは冬のピーク時の年次変動だけでもいいかも。カワウやサギ類の変化は、データを見てみないとよく分からない。カワウやダイサギが増えて、コサギが減ったんだろうか。流程分布にも触れた方がいいかも。
カモ類は、カルガモが減って、マガモが増えたと思う。カワアイサの登場はここ2年ほどのこと。ヒドリガモはあまり上流にいかなくなった気がするので、流程分布の話はいるかも。
データ整理してなくても、印象でここまで書けるから、とりあえず要旨はどうにかなりそう。
●2024年9月16日 高病原性鳥インフルエンザのシンポジウムで勉強
鳥インフルエンザについては、それなりに知ってるつもりでいたけど、知らない事がいっぱいあった。とても勉強になった。高病原性鳥インフルエンザウイルス(HPAI)の野生鳥類への影響がここまで深刻だったとは気付いて無かった。不覚。
イントロの話から勉強になる。
・HPAIは、現在、世界的流行中。カツオドリ、アジサシ、ツル、ペンギン、カリフォルニアコンドルなど、多くの野生鳥類の個体群に大きな影響を与えている。
・カモ類がベクターになる。カモ類を狩って食べたり、死体を食べる鳥や哺乳類に感染。カモ類と一緒に暮らす水鳥にも水を介して感染。
ウイルスの専門家さんの話がとくに興味深かった。
・鳥インフルエンザウイルスは、高密度で飼育されるニワトリなど家禽の中で、HPAIに変異する。
・豚熱と違って、鳥インフルエンザウイルスは、発症するしないに関わらず14日で終息する。見つかってすぐに封じ込めれば、問題は大きくならない。オーストラリアは封じ込めに成功した。が、C国は封じ込めに失敗して、現在のように世界にまん延する事態を招いた。
・ニワトリが鳥インフルエンザウイルスに感染するには、ウイルス3万個が必要。人ならもっと多く必要。なので、濃厚接触しないと感染しない。
・HPAIに感染して死んだカラスを食べたキツネやタヌキも感染した。HPAIに感染して死んだ鳥の死体はすぐに回収して、二次感染を防ぐ必要がある。
・現在、日本には夏の間はHPAIが存在しない。秋に渡ってきたカモ類によってもたらされる。
ニワトリへの感染を研究してる方の話も勉強になった。
・卵や糞を鶏舎から運び出すベルトコンベアーのスキマから、ネコやイタチが侵入している。
・ネコやイタチもベクターになりうる。感染して7日ていどは、ウイルスを放出。
・感染したニワトリが飲んだ水からも感染する。
北海道のワシやシマフクロウ、鹿児島のツルへの影響が深刻
・昔から指摘されていたことではあるけど、餌付けして個体を集中させることは、感染拡大のリスクを高める。
・泉のツルは、2022年度の越冬期にHPAIで1500羽弱が死亡。韓国でも同様の事態が生じている。
・バードウォッチングの際は、鳥に近づかない、糞を踏まないという配慮が必要。
餌付けをやめるのが一番重要。とくに水辺での餌やりは法的に禁止するくらいの勢いが必要だと思った。しかし、北海道では目先の利益に目がくらむ観光が、出水ではたよんない某省がネックな気がする。
後半の話で、ようやく環境省が絡む理由がわかった。H大先生が、とても怒っている理由もわかった。あんな大先生が怒っても動かないなら、どうしたら動くのかな?
●2024年9月15日 鳥学会大会 3日目 ちょっと真面目にポスター発表
ポスターは昨日の朝から貼ってるけど、偶数番号のコアタイムは、今日の午前。いつもは、貼り逃げが多いけど、今日は割とポスター前にいた。けっこう見にくる人がいて、やり取りもあったからではある。逃げ損なったというか。
ポスターの前に座っていて、ポスター見てくれる人が来ていても、そのままスルーしてることも、けっこうあった。が、結局、4回説明して17人に聞いてもらった。他にもポスター見て質問してくれる人がいた。イソヒヨドリやってますな人が、なんと4人もいた。
質問は、内陸への侵入プロセスや、ツバメなど他の動物への影響に集中。やり取りで面白かったのは、イソヒヨドリは夜も採食するか問題。夜行性のヤモリ等にも影響か? ツバメの巣を襲う実例は知らない人が多かった。ムクドリ等他の鳥の巣を襲うかも気になる。関東ではツミがツバメの巣を襲う例があるそう。高い建物好きから、低くてもOKな心変わりの理由も気になる。
ポスター発表終了時刻を忘れていて、慌てて行ったら、すでに会場は教室に復旧していて、ちょっと焦った。その後は懇親会待ち。暇。ポスター発表見損ねた。という有難いお言葉を頂いたので、ポスターを床に広げて見てもらった。イソヒヨドリって、予想通りけっこう人気。
ところで昨日のエンターテイナーは、今日は口頭発表会場前の屋外で、辻説法をしていた。ノートパソコンにパワポをうつして、人を集めて、昨日大急ぎで説明した発表を、説明していた。いつ通りかかっても10人以上が聞いている。2〜3時間はやってた気がする。
こちとらのポスター発表よりはるかに人気。というか他のポスター発表よりはるかに、いっぱい喋ってる。昨日のエンターテイメントの効果は絶大、だったのかも。そもそも発表内容が、とても面白いんだけどね。
学会大会は、口頭発表とポスター発表だけでなく、さまざまな形で情報交換をする場。辻説法は、大会の趣旨からするとむしろ好ましい。こんなやり方もあったのか!とは思わされたけど。
と言う訳で、来年はこの辻説法も真似する人が出るかも。
●2024年9月14日 鳥学会大会 2日目 空前のエンタメ
ホテルから、学会会場までドアtoドアで、徒歩5分。自宅から職場への通常の出勤と同じ。むしろ近い。楽ちん。苦も無く午前9時前に到着できる。東大が会場のときは、今後ずーっと同じホテルにしよう。夜、食事をする場所も多いし。
まだあまり人がいないうちに到着して、人のいないポスター会場を見て歩く。いろいろ面白い発表があったけど、今日一番の盛り上がりは、あのエンタメ。初めてみた。
午後からは、口頭発表の方に行ってみた。調査の最中からたびたび長電話で途中経過を教えてもらっていた発表を聞くことにする。知り合いだからというより、そもそもとても興味深いウミウの行動を発見してる。全体像を改めて聞いてみたい。
次がお目当ての発表。という時に、なぜか実行委員会の役員さんが
登壇。発表者が発表開始時刻に間に合わない。もし到着したら、発表してもらうとのこと。寝坊かな? 楽しそうな発表だからか、多くの人が席を立たず発表者の到着を待ってる。しばらくすると、また実行委員会からアナウンス。間に合いそうにないので、講演中止とのこと。パワポのタイトルは前に表示されてるのに、なんか残念。だいたい内容知ってるから、かわりに発表したろかな。
と思いつつも、講演会場から出て、販売コーナーで知り合いの見世を冷やかしていると、見たことのある奴が、大急ぎで一直線にやってきて、講演会場に駆け込んでいく。あれ、到着したやん。と思って会場に入る。
奴が、登壇して、みんなに謝ってる。でもまあ講演時間はまだ5分ある。と思ったら、残り時間で発表していいですか? と、奴が言い出し、パワポを立ち上げる。そして、残り3分で怒濤の発表。内容知ってるから、ついて行けるけど、初めて聞く人は判るのかな? でもまあ、ウミウがそんな場所に行くの? と興味はもったはず。最後のスライドには、「ウミウのことをもっと知りたい」という発表者の気持ちが述べられていた。が、聴衆は、それはこっちの台詞と思ったに違いない。
多くの人が、撮影していた。ずっと動画を撮ってた人もいて、けっこうSNSにあがってた。本来、学会発表を勝手に撮影するのはダメだけど、これは発表というよりエンタメなので、問題ないんだろう。
めっちゃ面白かったのは、持ち時間が終わった後、ちゃんと次の講演の座長をしてたこと。座長しにきたみたい。
とにかく盛り上がった。講演中止の発表でも笑いが多かったけど、謝る場面でも、発表終わった後も、座長を始めた時も笑いがおきた。すごいエンタメであった。
見た人は、この日はずーっと、この話題で持ちきり。見逃した人は残念そう。是非来年もやってくださいという声も多いので、またやるかも。あるいは他の人が真似るとか。来年が楽しみ。
考えてみれば、15分の持ち時間をどう使うかは、発表者の自由。10分遅れで登壇して盛り上げても、謝る必要も無い。まあ、謝罪も含めてのエンタメだろうけど。
本人に言わせると、講演開始時刻を間違っていたらしい。朝から学会に来いや。でも、よく考えると到着のタイミングが絶妙過ぎる。入口に真っ直ぐやってきて、スムーズに登壇。初めての会場でそんなことができるのか? 事前に練習していた疑惑が…。
これからずーっと、この武勇伝は語り継がれるであろう。
●2024年9月13日 鳥学会2024年大会 初日 ドタバタ出発
初日は、例によって午後からの自由集会だけ。家を10時半に出たら、最寄駅に14時半に着く。ホテルが会場にとても近いので、チェックインには少し早いけど、ホテルに寄って、荷物を置いて会場へ行こう。
出発のその前に、家に残して世話をお願いするネコのキャットフードがない。昨日買うつもりが近所のペットショップが昨日臨時の休み。というわけで、午前10時のオープンとともに、キャットフード買って、夕方までの餌を入れて、やっと出発。
けっこうギリギリ。と思ったら、当日自由席を買う自動販売機の前に列ができていて、少しあせる。連休前だから人が多いらしい。でもまあ、予定の新幹線に間に合って、1号車の左の窓際を確保。お茶とおにぎりで、軽く朝食。あとは、本を読んで、うたた寝して。富士山を見て、と思ったけど、曇っていて見られなかった。
想定外に東京駅から東京大学は行きにくい。グルッとまわって、到着。と思ったら、駅から反対に歩き出してしまう。スマホの地図を見てたのに。ホテルはまだチェックインの時刻ではなかったけど、入れてくれた。荷物置いて、東京大学の弥生キャンパスへ。今回は、会場が複数の建物に分かれていてややこしい。さっそくポスターを貼りたいけど、わが部屋は明日朝でないと貼れないらしい。とりあえず受付すませて、横で売っていたオリジナルTシャツを購入。新しい鳥類目録の販売をしてたので買いたかったのだけど、協力者はもらえるそうなので、明日の昼にもらいにいくことに。で、自由集会へ。
最初は「コアジサシ国勢調査」。思いのほか面白かった。そして、日本全体で危機的な状況が再確認できた。一時的に、大阪湾の個体数が増えてるけど、たぶん関東の太平洋岸が最後のとりでになるんじゃないかな。つづいて「研究職で活躍する先輩たちのあゆみ」。今はアカデミアにいる6人の話をきいたが、多くの人が迷って、ビジネス書を読んでいた。時代によって、色々状況が違うのも印象的。
●2024年9月12日 学会大会 出発前日
データ入力が終わり、そのまま必要な図表を揃えたのが、昨夜。入力したデータが使えなかったので、新たな作図が必要なくなり、幸か不幸か順調。今日は、午前に軽く、イントロ、方法、情報提供者リストを整え、午後にサクサクッと図の説明付けて、全体整えて完成。会議の合間に10分ほどでポスターの打ち出し完了。今の大型プリンターは優秀で、一瞬で打ち出した。時間がかかったのは、布の巻を見つけるのと、それをセットする部分。
とにもかくにも、ポスター完成。あとはそれを持って出かけるだけ。以前はそうだった。が、昨年9月から大きく変わった。なんとなれば、我が家にネコが来たから。
昨年は、知り合いに預けた。が、預けられるのはあまり好きじゃ無さそうなので、今年から家で留守番させて、家に世話しに来てもらうことにした。すると、ポスターを作る以上にこっちが大仕事になってきた。
まず世話してくれる人を見つけて、世話の仕方伝えて、合い鍵の受け渡し。
さらに、他人が我が家に入るので、家の中を片付ける必要がでてくる。掃除して、ゴミ捨てて。洗濯して、パンツ隠す。床やテーブルを綺麗にするだけでなく、台所のシンク、トイレ、風呂場にも配慮。ガスレンジは断念。ネコのエサと砂を用意する。
見られて一番恥ずかしいのは、煎餅布団。前回の7月は、タオルケットで隠した。今回は、新しいシーツに替えた。これなら恥ずかしくないかも。まさかシーツの中を確認したりしないだろうし。
朝夕にエサを足して、水換えて、トイレを綺麗にすることをお願いしている。そして、食べた量と糞尿の数を記録。あとは何してもいいけど、世話人さんには、襖を開けないこと、窓を開けないことと指示。マンガ読んでもいいけど、元の場所に戻して欲しい。と伝えるのを忘れてた。
●2024年9月11日 スマホデビュー1周年
一年前の今日、ガラケーをスマホに買い替えた。確か、鳥学会大会に行く前に変えたくて、学会発表準備もそこそこに買いに行ったような。あれから、一年。確かにガラケーより便利だった。が、しかし、スマホになったら、世間並みにLINEとかできて、友だちできるに違いない。と思ってたけど、そんなことはなかった。
LINEをはじめて1年。友だちは17名。スマホデビュー当初に、初対面だけど友だちになった人が3人いるけど、一切やりとりないし、誰か分からん。あとは職場のメンバーが4人、ホネホネな人が2人、ジュニアなメンバーが4人、若い鳥屋が2人。あとはウミガメ関連で2人。登録当初以外でやりとりがあるのは、10人。LINEなくてもやり取りのある相手。
入ってるグループは5つあるけど、1つはクジラ解体の時の連絡用だったので、実質4つ。少しはやり取りしてるかも。観察会の案内は意義があるかも。
スマホに変えた一番の理由は、SNSへ書き込みたいからで、これは快適になった。勢いでInstagramを始めてしまった。関連して、当初ほとんど使うつもりはなかったのだけど、けっこう画像を撮ってしまうようになった。記録用でありInstagram用。画像に位置情報を付けられるのが、意外なほど便利。地図アプリで現在位置確認するのもデフォルトになってしまった。これは退化な気がする。もう一つ頻繁に使ってしまうのは、メモ。なんでも記録してしまう。外部記憶に頼るこれも退化かも。
当初、使うと思っていたけど使ってないのが、iCloud。金かかるし。動画系も見てない。ギガかかるし。Googleマップも使わない。これはなんか使いにくい。使い方分かってないからだろうけど。
5月から始めて、なんかはまり気味なのが、フィットネスというアプリ。万歩計的で、消費カロリーとか出て楽しい。半年分たまりと、なんか解析してくれるらしい。あと少し。
●2024年9月10日 2010年代のお出掛け先
2010年代のイソヒヨドリの分布図を作りたくて、フィールドノートからデータを引っ張り出し中。どうも徒労に終わりそうだけど、2010年代に自分がなにをしていたのか、いろいろ思い出した。
まずはまっていたのは、海岸のカモメ類を中心とした水鳥カウント。2010年秋から2013年秋は、大阪湾岸を毎月4日めぐり。2013年秋から2015年秋は、播磨灘岸を毎月5日ウロウロ。これだけで、毎月のリソースがかなり喰われている。2015年度と2016年度の冬は、残りの瀬戸内海巡りしてるし。
すっかり忘れていたけど、2011年の繁殖期には大阪府の農耕地の鳥を調べてる。さらに2012年には大阪市内のツバメの巣探してるし、2014年は大阪府のイソヒヨドリやムクドリ探してる。2015年と2016年は、大阪府のソウシチョウ調査。2019年には、大阪府のカワウ・サギ類の繁殖地探し。ずいぶん忙しそう。
大阪府の繁殖期の鳥の情報はとても蓄積されてるけど、大阪府以外の近畿のイソヒヨドリの情報は集まらない。唯一のチャンスは、2012年の近畿の駅ツバメ調査。この時にイソヒヨドリの記録も集めればよかった〜。どうも、この時は自分でも各駅でツバメの巣をチェックした時に、周辺の鳥を記録してなかったっぽい。後悔先に立たず。
【追記】
9月11日ようやく入力完了。そして分かったのは、このデータは発表に使えない…。全然足らないし。どうして2010年代は、滋賀県や奈良盆地をウロウロしなかったのかなぁ。
●2024年9月8日 中高生と川遊び 第一弾
今日は、ナベブタムシを採りたいというリクエストにお応えして、京都盆地の北の端で川遊び。他にも沢山の親子連れが来ていた。
博物館の行事は、暑さ指数の予測値が31以上だと中止。3日ほど前から、環境省のサイトを何度も見て、中止かと覚悟したりましたが、なんとか実施できた。川の中に入るので、行ってしまえば少々気温が高くても熱中症の心配はないんだけど。
とにかく水網持って、川の中で生き物探し。ナベブタムシは、流れのある砂地で、川底をかき回して網で受ける感じ。最初は要領が分からなかったが、採った人のやり方と採った場所を真似てると、採れるようになった。多くの参加者は採れたはず。
でも、ナベブタムシには目もくれず、川岸近くの草の根本でエビやコイ科稚魚を採っていたり、ふんどし洗ってヒメドロムシ探したらり、川岸のハグロトンボ採ったり、なぜか陸でクワガタムシ探していたり。いろいろ自由。
ナベブタムシ探しのついでには、ヨシノボリやトビケラ、サワガニがよく採れた。他に水生昆虫幼虫では、カワゲラ、カゲロウ、ヘビトンボ、ガガンボ、ゲンジボタル、サナエ、コオニヤンマ、オオヤマトンボなど。魚は、ドンコが捕れた他、同じ場所でシマドジョウが3匹捕れていた。
学生時代に水生昆虫実習をした場所に近い。カゲロウ、カワゲラ、トビケラ、ヘビトンボを検索表で同定したっけ。その時とファウナが一緒なら、トビケラは全部ウルマーシマトビケラのはず。なんか懐かしい。
●2024年9月7日 パキパキクジラをホネ砂場から回収
おもえばあれは3年前の7月。めっちゃ暑い日だった。堺の埋立地で12mのクジラを解体した。頭や尾椎、その他細々としたものは、その日に持って帰ったが、頚椎・胸椎・腰椎と肋骨約半分などは、そこに埋設。1年後の年末に回収した。回収時点でまあまあすでに骨になっていたが、一応ホネ砂場に設置。それから2年目の夏。つまりこの夏。そろそろ回収しなくちゃ。ってことで、8月に肋骨などを回収して水漬けした。で、今日、残る頚椎・胸椎・腰椎を回収した。
3人がかりで、約1時間。ホネ砂場と6往復して、裏に並べて水かけた。骨にはなってて、肉はついてないけど、なんか干からびたのが付いてるのを引っ張って外し、砂などをできるだけ水で洗い流す。まあまあ完成してる気もするけど、もう少し雨に当てたりこすったりしたいところ。
このクジラは解体時点で骨がパキパキに割れまくっていた。とくに肋骨と胸椎・腰椎がひどい。と思っていたけど、回収してみて改めてその惨状がよくわかる。というか、いっぱい割れた破片が落ちたり、外れかけたりしている。すべて回収して、玉ねぎ袋に入れて、最寄りの椎骨にくくりつける。とても組み立てられるとは思えない。
こうしてみると、頭骨が無傷なのが奇跡に思える。頚椎と尾椎もほぼ無傷なので、胴体の真ん中あたり、デッカい船に激しくぶつけたか、乗り上げられた感じだろうか。
順番を維持して骨にして、その順番で並べてあるので、改めて頚椎・胸椎・腰椎の何番目かというフダをつけたいところ。なんだけど、横の突起がないと胸椎か腰椎かわかりにくいなぁ。困るなあ。
ともかく、ホネ砂場がかなり空いた。まだホネ砂場のかなりの部分を占めているスパームなクジラの下顎や尾椎などの回収は1年後の今頃だろうか。そして、来年の年末頃に、スパームくんの残りを回収してきて設置。というのが、今後のクジラ仕事の予定。
●2024年9月6日 博物館実習の後始末
夏の博物館実習の後始末。18大学20名の参加。神戸大学は学部が違うと別扱いなので(とても面倒!)、実質19大学。それぞれ違う様式に対応して、いろいろ書類を仕上げなくてはならない。とても面倒。4時間ほどかかって、ようやく一段落。
学生に、切手要らないから宛名書いた封筒が欲しいです。と言ったのが良かったのか悪かったのか、宛名書きは2件で済んだ。ただ、大学からレターパック来てるのに、封筒用意してくれた学生もいて申し訳なかった。次回は大学からレターパック来てるのか確認してからアナウンス? それは面倒。
一方、今回は、館長個人印を欲しがる大学が5大学、博物館の公印を欲しがる大学が5大学。いつもよりちょっと多めで面倒。この週末前後、館長はいないので、館長個人印は来週になってから押させて投函。公印は決済が必要なので、さらにその翌週に投函。と遅れた発送になる。残る8大学は今日発送の手配をした。1大学というか、学生1名がまだ実習ノートを送って来ないので、完全に未処理。でもまあ、この大学の処理は簡単。
ということで、発送がいつになるかはさておき、実習ノートと大学から送られてきた書類をセットにして、封筒や宛名を確認。実習ノートの中身をチェックして、コメントが必要ならコメント。出欠や成績の記入が必要なら書き込んで、ハンコ押しまくってスタンプ押しまくる。だんだん疲れてくると、黒いスタンプで黒いハンコを押してしまうのだけど、今回は黒いハンコは1回だけだった。集中できてた感じ。
学生が博物館実習全体を振り返る、というコーナーがある大学があって、そこに気になることが書いてあったりするのだけど、それにコメントしていいものか判らずちょっと悩んだ。
●2024年9月5日 秋のコシアカツバメネタいろいろ
宇治川沿いを、宇治橋から御幸橋まで歩いた。囀る鳥が、セッカとキジバト、あとはせいぜいイソヒヨドリ。モズはまだ静か。冬カモはまだ到着せず、サギもさほど増えていない。川沿いで記録される鳥がとても少ない季節に、目立っていたのがコシアカツバメ。
宇治駅での繁殖はすっかり静かになっていたが、まだ数羽が周囲を飛んでおり、少なくとも2巣に出入りしてる。さすが、繁殖期の長い鳥。
川沿いのあちこちで、コシアカツバメが飛んでいるのに遭遇したが、その多くは1羽から数羽程度。数羽の群れを見ていたら、空中で給餌を行なった。ツバメだけでなく、コシアカツバメもするんだな。そして、これは家族群であったか。
一方、10羽以上の群れもいて、こちらは恐らく渡りの途中の群れだろう。ちょうど、堤防の土手の草刈り作業が行われていて、その周囲をツバメと混じって乱舞している。見ていると、ツバメは刈り終わった辺りをよく飛んでるのに対して、コシアカツバメの群れは草刈り車の後をついて動いてるらしい。草刈りで飛び出した虫を狙ってるのだろうけど、微妙に狙いが違うのか? それともツバメはコシアカツバメに排除されているのか?
●2024年9月3日 イマドキのバンダーへの道
バンダーというのは、環境省からの鳥類標識調査の委託を受けた山階鳥類研究所から、(いわば)依頼されて調査に参加するボランティア調査員のこと。調査に必要なリングや報告用紙は提供されるし、調査道具のうちカスミ網は貸してもらえる。とまあ便宜は図ってもらえるが、謝礼はでない。
いわば、調査をやったってるわけだけど、今バンダーになろうとすると、めっちゃ面倒くさそう。早く生まれて、脳天気にバンダーになれて良かった。
思えば、バンダーになったのはもう40年も前のこと。とりあえず標識調査の現場体験をして、網を張る、網をたたむ、網から鳥を外して、リングを付けて、記録する。という一番基本的なことがまあまあ出来そうになったら、当時は福島潟の1級ステーションで開催されていた研修を受けに行く。そこで網や鳥の扱いを改めて実習して、記録と報告の仕方の講義を受ける。報告の仕方はここで初めて教わるので、そっちが一番重視されていた。で、最終日に100種の識別試験を受ける。画像を見て、鳥の名前を当てるという楽しい試験。同じ画像がアルバムになって20冊ほど並んでいるので、研修の暇な夜にそれを見ていたら、簡単に満点近い点が取れる。
ちなみに、一緒に研修受けたのは10人ほどいたけど、通ったのは2人だけ。というのも他の8人は、ろくに鳥も標識調査も知らない初心者で、どうして研修にきたの?って思ったくらい。ある程度の経験者であれば、だれでも合格するだろうと思った。。
今年研修に行く予定のIさんから話を聞いたけど、研修に参加するまでが、まず面倒。妙な徒弟制度みたいなのがあって、指導バンダーの元で、何年か経験を積んで、指導者がOK出さないと、その先がないらしい。噂ではパワハラじみた話を聞くことも。そもそも、その修行時代に、かなりの種数・個体数の標識経験が求められるらしい。研修に行く前に、予備的な研修もあるの? なんやそれ。
どうしてそんな門戸を狭くしたがるのだろう。まあ、世間の目が厳しい時代になったので、不用意なバンダーが、鳥を殺す事故を起こしまくって、標識調査の存続が危うくなるような事態を避けたいんだろうけど、なんか違和感。
ちなみに、いまも100種の識別試験があるらしいんだけど、聞く限り昔よりかなり難易度が上がってる。その試験結果とかで、バンダーは3つにランク分けされるらしい。
まさしく昔はよかった。
●2024年9月1日 ホネの標本作りのおとな向けの歴史
ホネの標本作りの実習は、ホネの特別展を開催していた2009年夏が最初。最初は、おとなも子どもも一緒にしていた。ただ、どっちかと言えば、8月開催だし、子ども申込みが多い。それもあって、自由研究に追われてそうな子ども中心の行事と位置づけていた。。2012年にニワトリの頭骨標本をつくったが、子どもには難易度が高い。そこで2013年からは手羽先標本を作ることにした。
8月に子ども向けに手羽先標本作りの行事をするのはいいとして、大人もホネ標本作りのニーズがありそう。しかし大人に手羽先は簡単過ぎる。ということで、2014年から大人向けのホネ標本の作り方行事を設定した。大人向けは鳥の頭を使うことにした。
使った鳥頭は、
2014年 比内地鶏
2015年 名古屋コーチン
2016年 天草大王
2017年 ダチョウ
2018年 <台風接近のため中止>
2019年 エミュー
2020年 ホロホロチョウ
2021年 <コロナ禍の中でリモート実施>希望者にはホロホロチョウ販売
2022年 比内地鶏とホロホロチョウ(余り物)
2023年 ニワトリ(千葉県産の産卵用)
2024年 アヒル(かすみ鴨)
やはり印象に残っているのは、ダチョウとエミュー、そして今年のアヒル。ニワトリのいろんな品種よりもいろんな種の頭を処理した方が楽しく、頭を処理する過程でとても勉強になる。
●2024年8月31日 2024年8月のまとめ 行事と実習とネコ展取材、最後はノロノロ台風
毎年8月は行事に博物館実習にと追いまくられる。年によってはツバメの集団ねぐら調査にも時間がとられるが、今年はスムーズ。代わりにオープンセミナー入れてしまったし、ネコ展のマスコミ取材がいくつも入った。最後はノロノロ台風がきて、気象庁など天気予報のサイトを見る時間が長め。
そんな2024年8月を振り返っておこう。
ルーティンのため池調査、大和川調査は無事終了。奈良県3コース(1日で調査)と京都府2コース(1日で調査)のハッカチョウセンサスも実施。
地元公園では、やはり月末にカワウの集団ねぐら調査のみ実施。
大和川水系の調査は、垂仁天皇陵のカワウ・サギ類の繁殖地をチェックしただけ。
最初の10日に、大阪府のツバメの集団ねぐら3ヶ所の調査完了。
ホネホネ団の活動は、2日実施。
大阪鳥類研究グループは、豊中市のツバメの集団ねぐら。
普及行事は、野外観察会はツバメのねぐら観察会のみ。ジュニア自然史クラブは、室内でミーティング。あとは標本同定会。
マスコミ対応は、ネコ展の広報関連が連発。JCOMの収録、ネットTVの収録。EO光の番組の生放送、MBSラジオの生放送。生放送より収録の方が楽。相方付きの収録より、単独の収録のが楽。テレビの中継より、ラジオの生放送の方が楽。
講演は、自然史オープンセミナーで、イソヒヨドリの内陸への分布拡大の話。
論文は書けず。大阪湾のウミウの原稿書いた程度。
査読なし。
とまあいろいろあった中、今月読んだ本は、自然史系0冊と、SF3冊、マンガ11冊。
完全休養日はなし。今年に入ってまだ2日だけ。
今月のネコは、再び黄色い鳥の洗濯物入れに入って遊びはじめた。引っ繰り返して中に隠れる。それはいいのだけど、その後ろの壁をかこうとする。なんとか阻止。
●2024年8月30日 ネコ生活一周年
一年前の今日、職場のドライエリアに落ちていた子ネコが回収された。引き取り手を探すまでの間、預かることになって、そのまま我が家に居付いた。
最初は隠れていて、近くで姿も見れず。エサを食べに出たところを見るだけ。ましてや触ったりさせてくれなかった。でも、今では家に帰ると、迎えに来るし、撫でろとのアピールが強い。家にいる間は、だいたい目の届く場所にいる。狭い家だからでもあるけど、随分変わったもんだ。
なにより、一年前までは、一人でずっと暮らしていて、それが普通だった。が、今ではネコがいない生活がどうだったか思い出せない。想像すると、随分寂しい生活だったんじゃないかと思う。
そんなネコとの生活、最初の一年を振り返っておく。
体重は、家ではうまく測れない。動物病院に行った時だけ計測値がある。9/1 680g、9/15 963g、10/6 1340g、11/6 1940g、1/15 2880g、1/24 3020g。もう4000gくらいになってる気がする。ちょっとお腹に肉が付いてきた気がするので、近頃ちょっとエサを減らしてみてる。特に不満はなさそう。
1月15日の動物病院に連れて行った時が、避妊手術。1月24日が抜糸だった。
最初に動物病院に連れて行った時、生後約2ヶ月と言われたので、誕生日は7月1日に決定した。1歳までは成長期なんだろう。ということで、子ネコ用のエサをあげてたし、毎日カリカリと一緒にwetフードもあげてた。7月1日の誕生日に、ちょっと豪華版のエサを挙げて。それ以降は大人ネコ用のカリカリエサだけに切り替えた。
ちなみに人間の食べる物は、一切与えず。匂いも嗅がせずの方針。そのせいか、魚の入ったパックが置いてあってもとろうとしない。美味しいことを知らないらしい。むしろプラスチック容器を咬むのが好きで、パックを持っていって、中身は無視してパックを咬んでたりする。
ただ、油断して、カツオ節と竹輪を囓られたことがあって、それ以来、カツオ節と竹輪には反応する。学習とは恐ろしい。なので、竹輪は買わないようにしてる。カツオ節は入れてある場所を開けっ放しにしないように注意。今のところ自分では開けられないらしい。
トイレは最初からちゃんとトイレでやってくれるし、一度も粗相はない。が、放置すると自分のウンコを、トイレから出して遊んで、それが変な場所に転がってたりするので、トイレ掃除は大切。
最初の頃は、高い場所に登るのが好きで、冷蔵庫の上や、衣装ケースの上、カーテンに登っていたが、今でも登るのはカーテンだけ。クーラー入れる前は、網戸にも登ってたけど。本棚は、本が満杯すぎて、今のところ登るのにチャレンジもしていない。
悪さ的には、襖をガリガリするのが好きで、段ボールの爪研ぎも使いつつ、襖も使ってる。柱や壁でもやろうとするので、それはできる限り阻止。今のところ壁の被害は小面積2ヶ所だけに阻止できている。
貯め込んである紙袋やビニール袋の山で遊ぶのが好きで、潜り込んだり、咬んだり、運んだりしてる。これは別にかまわない。段ボールの箱もよく咬んでる。あと買ってきた靴下とかに付いてる紙も噛みちぎってる。これも問題ない。本を咬んだり破ったら嫌なのだけど、今のところ興味はないらしい。
掛け布団かけて寝てる季節には、よく掛け布団の上で寝てたし、布団の中にも入ってきた。掛け布団使わなくなったら、夜は布団に寄りつかず。洗濯した後、たたまず積んであるTシャツの山で寝てる。
触らせてくれるようになった最初は、抱っこされるのが好きらしかったが、いまは撫でられる方が好きっぽい。
最初から水はさほど嫌いではなく、とくに足先に濡れるのは平気。そして、水を流れるのを見るのは好き。ただ、自分がかかりそうだと嫌なので。シャワーを出してると逃げる。台所で水を出しているのは見に来て、流れていくのを見てるけど、水がはねると逃げる。最初はトイレの水を流す音で逃げてた。が、今はあまり興味がなさそう。
随分大きくなったけど、まだまだ日々変化してる。来年は好き嫌いがなにか変わってるのかなぁ。
●2024年8月29日 中学生の職業体験対応
今回は、中学生2人にアカウミガメを洗ってもらった。足4本、頭、腹甲、背甲。哺乳類と違って、頭骨にさほど壊れやすい部分がないというか、どうせバラバラになるというか。頭骨も初心者に洗ってもらえるのがウミガメのいいところ。耳小柱チェックは必要だけど。
結局、3時間半で、アカウミガメ1匹分のホネを洗い終わった。ホネの間から生きたナミコギセルや、蛾の幼虫が登場して、辺りをウロウロしたので騒いでたけど、割と平気らしい。背甲はけっこう脂肪があったらしく、ケン化した白いのが付いてたけど、爪でゴシゴシ削り取ってくれてた。なかなか良い感じ。途中、様子を見に来た先生によると、2人とも楽しかったらしい。
そういえば、伊勢湾とか和歌山県の南の方の海岸なら、ウミガメのホネちょくちょく拾えるって話をしたら、拾いに行きたそうにしていた。ウミガメやホネに興味を持ってくれたかなぁ。
ホネを洗い終わった後、1時間弱、ホネ並べをしてもらった。1人は10分ほどで腹甲を正確に並べ終わっていた。かなりホネ並べセンスが高い。
もう1人は、背甲の肋骨板を並べていた。ちょっと勘違いして、少し悩んでたが、自力でちゃんと正解にたどりついた。ホネ並べセンス感じる。
最後は、2人で縁骨板並べ。穴に肋骨の先が来るんだよ、って教えたら、ちゃんと並べられた。なんと1ユニットないことが明らかになってしまった…。水に浸けてる間に、カラスに持って行かれたのかなぁ。
ちなみに、学校の先生は、あちこちの職業体験を受け入れてくれた施設を巡る。ちゃんとやってるか確認と、挨拶なんだろう。受入側から言えば、一々挨拶に来なくて良いし。いらんのに、と思っていた。
が、今日来た先生は、小学生の頃からの友の会会員。一緒に合宿行ったし、観察会にもよく来てた。なんか懐かしい。そういえば先生になってたっけ。と言う訳で、生徒の前で、昔の悪行を臭わすという楽しい時間になった。またおいで。
●2024年8月28日 ネットTV生配信の現地中継
今日は、ネコ展の中継。YouTubeでライブ配信されるネットTV。スタジオには3人いて、ロケには、黄色いメガネのロケの達人が来られた。
事前に来てたタイムスケジュールはこんな感じ。
15:00〜15:20 スタッフ・演者到着。カメラ無しのドライリハ
<休憩>
16:20〜16:50 スタジオとつないで、カメラ有りのリハーサル
<休憩>
17:45 番組スタート
17:50〜17:57 中継1
<休憩>
18:35〜18:42 中継2
先週ディレクターさんのロケハンがあったので、どのコーナーを見るかは決まってて、最初のドライリハでは、そこを回って、一通りのトークをしながら時間を計ってた。達人さんがいきなり台本通りにトークを始めたので、驚いてそれに合わせながら台本を見つつ話す。前回もそうだったけど、ディレクターさんやアナウンサーさんに質問されて答えるパターンはいいけど、会話風になると難しい。さらに、歩きながらも撮影されているので、どこを歩けばいいのか、立ち位置がどこなのか全然分からない。
リハーサルでは、カメラが回っていて、その写っている様子を見せてくれながらの撮影なので、いろいろ分かった。歩き方と立ち位置は少し分かったけど、やっぱり上手く行かない。達人さんは、すでに台本が入ってるらしく、アレンジを入れ始めた。終わってから、ディレクターさんが、スタジオをやり取りしてる。予定時間を超過してるから、どこを短くするか相談してるらしい。達人さんによると、リハーサルは長めにやって、本番で調整するもんなんだそうな。ちなみにスタジオからは、カエルやネズミはグロイから写すなというオーダーが来たらしい。現場ではみんな口をそろえてブーイング。それグロイなら自然史博物館からの中継は無理。そもそもネズミもカエルも可愛いし。
そしていよいよ中継1本番。ここまで達人さんは、アロハに短パンだったのが、衣装に着替えていて驚いた。タレントさんはそういうものなんだそうな。中継の時間も微妙に変わったらしい。番組の頭と最後に中継。で、音無しでスタジオの様子を写した画面を見ながら、中継1スタートを待つ。なにかで盛り上がってるらしく、いきなり時間が押してる。緊張が緩んだ頃に本番スタート。
出だしでいきなり特別展紹介をとちる。世界41種の野生ネコを展示と行った所で、達人さんに持って行かれて、日本のヤマネコ、イエネコ云々がなかった…。がーん。次の食肉類のイヌ派とネコ派の部分も説明不足を達人さんが補ってくれる。というかほぼ喋ってから振ってくれる。イエネココーナーはまあまあできた。着ているTシャツ自慢で、中継1終了。
失敗ばっかりだけど、みんな褒めてくれる。褒めた方が中継2上手く行くもんな。間に、Qというのを達人さんだけで撮っていた。
休憩後、中継2のスタンバイ。また時間が押してる。世界の野生ネコを、マヌルネコ、カナダオオヤマネコ、コロコロ、スナネコと説明。達人さんが、予定になかった子ライオンのところで話を振ってくれた。リハーサルの後、子ライオンの模様のことを喋ったからっぽい。
日本のヤマネココーナーでは、ヤマネコ2つの食性の話ができた。毛皮を優しく触ってねも言えた。が、ここで時間が足らなくなって、日本のヤマネコの交通事故の展示には行けない。という合図がディレクターさんから出た。で、達人さんからの最後のお知らせ。その中で、交通事故の問題や、西表島や対馬では安全運転をというのも喋って下さった。それ一番伝えたかったので、有り難かった。
終わったと思って油断して、達人さんとヤマネコの毛皮のところで喋っていたら、まだ放送されていたらしい。気付いてちょっと焦った。
と言う訳で、やはりタレントさんと会話をしながらの収録・中継は難しい。生放送で歩くシーン付きだと、歩く位置とか立ち位置が難しい。と、いらんことを考えるのに忙しいので、ディレクターさんのカンペを見る余裕はほぼなかった。ただ、放送している画面を見せてくれているので、達人さんだけが写ってる時は、油断できた。
ちなみにロケの達人さんが、達人と言われる理由の一端は実感できた。こちらの伝えたがっていることをちゃんと把握して、リハで言ってたのに本番で言い損なってたら、きっちり補ってくれるし、上手に振ってくれる。最後にヤマネコの交通事故のことも、一番伝えたいとリハで言ったから、最後に時間がなかったのにねじ込んでくれたっぽい。さすがとしか言いようがない。
●2024年8月27日 市民調査のデータ公開
大学に所属して、市民調査にいろいろ関わっている方から、データ公開に関する話を聞いた。要は、データを公開するかどうかは、データを提供した市民研究者(プロジェクトで一緒に調査しているプロの研究者ではない方のこと)の判断に任せるべきという話。そらそうやろ、としか思わなかった。大学で市民調査を展開している中で、色々経験してきたんだろうなぁ。と、どんな経験に基づくんだろう?という疑問が先に立った。
っていうか、データを提供しておいて、論文化などのデータ公開を拒否するというパターンが思いつかない。意味が分からない。正直、データ公開を望まないのなら、データを提供しなければいいのに、としか思わない。
自分が関わった市民調査では、データは公開前提。その上で、
・提供されたデータはあくまでも、提供された調査企画で活用するし公開もするけど、同時にいわば所有権はデータ提供者にあるので、そのデータを自分でも使うのはデータ提供者の自由。
・むしろ悩ましいのはデータ公開時のクレジットの問題。グループ名やプロジェクト名で公開するのが一番すっきり。関係者が少なければ全員連名でもいい(ただし並び順でトラブったことがある)。意外なくらい問題が少ないのは、その調査の企画者が個人名で発表すること(たいていのデータ提供者は認めてくれる)。一番難しいし、できれば避けたいのは、“貢献度の高いメンバー”だけの連名で公開すること。という点では発表者と意見が一致した。ただし、状況次第では、少数の共同研究者だけで連名はあり(ある程度突っ込んだ解析をした場合に限る気はする)。逆にクレジットを望まない人も少なからずいるのが、市民研究者に独特(プロの研究者はクレジット付けて欲しい人ばっかりといって過言ではない)。
議論の中で面白かったのは、標本あるいは収蔵庫との比較。
博物館的には、例えば観察データと標本(あるいはそのデータ)の扱いはほぼ等価。大きく区別していないかもしれない。しかし、話していると個人によって多少認識のずれはある。さらに、標本を収蔵しない大学では、標本の受入や収蔵、取り扱いの経験がないからかもしれないが、標本と観察データを明確に区分けしている様子がうかがえて興味深い。
標本と観察データの境界部にあるものとして、たとえばフィールドノートがある。これに関しては、大学の研究者としては、できるだけデータ化して残せばいいと思うらしい。スキャンしてPDF化したものすら残す必要性をあまり感じないと言っていた。博物館側としては、データとともに当然バックデータとしてPDFを残すし、むしろ基のフィールドノートが重要だと思う。フィールドノートには、データ化できない情報がいっぱいあると思うのだけどなぁ。
もう一つ重要な論点は、データをオープンする目的。要は後世まで残すことのはず。だとしたら、
・それは市民研究者だけの問題ではなく、プロの研究者も同じ。とくにフィールド研究者は、論文化できない情報をいっぱい貯め込んでいる。それをいかに後世に残すかは大切。
・データのオープンを望まない市民研究者の持っているデータも残す方策を考える必要がある。
そのために必要なのは、データをどのようにオープンするかというより、誰でも使えるデータのストレージをいかに確保するかだろう。
まあ、博物館人としては、その基であるはずのフィールドノートなども残していきたいけど。
●2024年8月26日 博物館実習でウミガメを洗う
通常の博物館実習は昨日までの5日間なのだけど、某通信制の大学は6日間必要らしい。普通の大学なら大学の方で1日分をなんとかしてもらうのだけど、通信制ならやむを得ないか、と、今日は1人だけ相手におまけの博物館実習。アカウミガメの骨を洗ってもらった。
ウミガメ洗いは簡単だし、ちゃんと骨になってるし、水漬けも充分。2匹用意しといた方がいいかな。と思ったが、全然そんなことはなかった。1匹あらうのに、午前と午後の半分。3時間40分かかった。
休憩はさんで、洗った骨の解説と骨並べ。腹甲並べてから背甲。のつもりが、腹甲だけで20分かかった。背甲、頭、手足の解説したら、今日は終了。いろいろ予定外だったけど、ある意味楽だった。
ウミガメの骨作りは、手足の先の骨を並べるの断念したら、頭や甲羅がバラけるのやむなしとしたら、かなり簡単。中高生や大学生に洗わせることもできる。
組み立てたり、並べたり、洗ってからも楽しめるから、むしろオススメかも。
●2024年8月25日 博物館実習最終日の野外観察会
今日は、博物館実習の最終日。夏の最終日は、行事を手伝ってもらうことになっている。手伝ってもらうといっても、初心者の群れがさほど役立つ訳ではない。ということで、どんな行事に投入するのは悩ましい。かつては、とにかく人手がたくさんあればOKな、セミの抜け殻調べに参加してもらっていた。が、その行事はなくなってしまい、その後は試行錯誤が続いてきた。コロナ禍直前は標本同定会に投入してたけど、ただ観客が増えただけだった。
で、コロナ禍後、2022年からは夏休み最後恒例になってきたウミホタル観察会に投入している。
2022年はなんとなく投入してなんとなくどうにかなった。4日目に実習ノートを持って帰ってもらい、5日目終わって実習ノート書いてから、博物館まで郵送または持参してもらう。このやり取りがちょっと面倒。あと、万が一行事が中止になった場合、博物館で行う実習担当者は決めた。が、それくらい。前日時点で行事は実施と判ってたから。あとは現場の学芸員にお任せしてしまっていた。
2023年になって、最終日ウミホタル観察会はいろいろ面倒なことに気づき始めた。前日時点で行事が実施できるか判らず。判断が当日昼前にずれ込んだ。もし中止なら午後1時から代替の標本実習担当が待機。留守電で確認。行事は、大阪府の一番南で実施なので、遠方の実習生が帰れなくなる恐れあり。と言う訳で、早めに離脱する必要のある実習生がいた。
で、今年。昨年以上に行事が実施できるか微妙。少し馴れてきたので、前日時点で、早め離脱の実習生を確認。当日の段取りは昨年と同じで、行事の実施は今日の昼前決定。中止なら、午後1時から博物館で標本実習。
今年ようやく気付いたのだけど、
・行事中止の場合の標本実習要員に、観察会担当は入れられない。
・観察会実施の場合、現場に実習ノートは持っていかなくて良いと案内したけど。観察会中止の場合は、博物館に実習ノートを持ってきて、最終日の分を書いて置いていってもらうことになる。それを昨日伝え忘れた。たぶん一々伝えておかないと気付かない奴がいただろう。
・最終日に標本実習するかも、ってことでその準備をしておかなくてはならない。ホネ洗いの準備したら、結局洗わないといけない。中止にならなかったとき、誰が洗うねん。
・つまらないことだけど、行事中止で博物館内での標本実習となると、名札片付けてしまったぞ。名札なしかなぁ。
実際に、行事が中止になって、標本実習に切り替えると、他にもなにか気付くかも。でも、このパターンを来年も続けるべきかは要検討。
●2024年8月24日 ホネ砂場仕事
考えてみると、8月は、ジュニア自然史クラブミーティングと博物館実習とホネ洗い企画が2つある。ので、例年その前、おおむね7月終わり〜8月頭と8月後半に、砂場からホネを回収してホネ洗いに備えてる。
2022年は、7月16日と8月16日に作業してる。2023年は、8月2日と8月23日に作業してる。今年は、7月30日の作業の時に、博物館実習の分も用意したので、もう夏の作業はしなくていいかもと思いつつ。ホネ砂場に設置すべき大物がたまってしまったので、近いうちに作業しなくちゃとも思っていた。すると、渡りに船なのか知らないけど、急遽、明日も博物館実習の対応が入るかもって話になって、やっぱり今年ももう1日作業しなくちゃ、となって今日頑張った。
午前、まずはホネ砂場に昨年から設置してある。スナメリ2体とアカウミガメ1体を回収。ホネ砂場に残るは、クジラ2体とアカウミガメ1体だけになった。クジラが大物過ぎて、ホネ砂場に余裕はあまりないけど。もう1体のアカウミガメもそろそろ回収したいが、博物館実習用は足りたので、今日は保留。
この夏が2夏目になるニタリクジラ第2弾(頸椎、胸椎、腰椎、右側肋骨、右上腕骨等)は、気になっていたので、この機会に様子を見てみる。ちょうどいい感じ。椎骨はホネ砂場でしばらく雨ざらし。残りは回収して水漬けすることにした。
ホネ砂場の往復5回。暑かった。Tシャツが汗まみれで、砂もついたので、ミュージアムショップでTシャツ買って着替えた。
午後、ここんとこ処理した大物4体をホネ砂場に設置。付け忘れてたラベル装着。小物達を水漬け。肉類を堆肥に。
ホネ砂場などとの往復5回。午後はさらに暑かった。新しいTシャツが、また汗まみれ。午後の作業が終わってから着替えるべきであったか…。
ホネの回収・設置と合わせて、ホネ砂場の草を抜いて(ワルナスビは生えてない!)、落ち葉をかき集めて捨てて、周りの木の枝を折った。ホネ砂場のメンテナンスもできたし、ここんところ気にかかっていたことが、かなり片付いた。
ついでに、いっぱい汗をかいて、仕事をした感が満載。おっさんであれば旨いビールが呑めるとかいう場面。ビール呑んだことないから判らんけど。
●2024年8月23日 歯抜けのクマ爺ちゃん
今日の博物館実習は、大学生にメガネグマのホネを洗ってもらった。5人で2時間半。ただし頭骨・下顎骨・尾椎はこちらで洗った。ほとんど肉も筋も残っていない状態なので、スムーズにもっと早く終わるかと、ちょっと危惧していたけど。ちょうどいいくらいの時間がかかった。意外なことにまあまあ脂肪があったらしく、ケン化した白い塊がけっこう付いていたので、それで手間取ってくれた。あと時間がかかった理由は、とても爺ちゃんだったので、ホネのアチコチに妙な突起があったり、ホネが癒合してたりして、それを壊さないように洗うよう言ったかららしい。そして、おのずと細かい小さい妙なホネの破片が多めで、それもできるだけ拾うよう指示したかららしい。
ちなみに頭部を洗ったけど、上顎も下顎もほとんど歯が生えていない。ってゆうか刺さっていない。小さい玉もいっぱいとれたけど、これは歯のなれの果てだろうか? 歯が抜けて時間が経って、歯根の穴もない部分も多かった。クマなので裂肉歯が見たいという実習生がいたのだけど、歯がないので見せられない…。あとから他のクマで見せた。
ホネを洗った後、椎骨並べをしてもらったのだけど、関節面の周りに妙な突起があって、その噛み合わせも順番の判断に役立つので、椎骨並べがとても簡単〜。それでも頸椎を腰椎と思い込んだり、腰椎の前後を間違えたり、初心者らしくいろいろ間違ってくれた。説明のネタになってありがたい。
この個体は、腰椎の一部が癒合しているだけでなく、隣り合った指骨にも癒合しているのがあった。頭骨と第1頸椎の間の関節が、スベスベではなく、ガタガタ。噛み合うけど、動かせない。右の肩甲骨と上腕骨の間の関節も、ガタガタ。これまた動かない。右前足が動かず、首も動かず。他にも癒合してたり。たぶん死ぬ前はほとんど動けなかったんじゃなかろうか? あるいは動いたらとても痛かったはず。そして歯がない。最後の方はかなり辛かったんじゃないかと思うと気の毒。
●2024年8月22日 ウォーキングDJの撮影見学
先週14日に突然メールがきた。博物館の展示室でウォーキングDJというのの撮影をしたいというメールがきた。とりあえず広報担当に転送してみた。
何がバズるか判らん世の中だなぁ。と思いつつ。どうも無料らしい。展示室で撮影してもらった、なにかしら博物館の宣伝になりそう。よく判らんが面白そうな気もする。
広報委員長の萌蔵は、なぜか乗り気。学芸課長もお試ししてもいいんじゃない。総務課長、じゃあお試しって事で。とトントン拍子で受け入れることになった。無責任に転送したけど、受け入れることになるとは思わなかったなぁ。
で、今日が撮影日。まずDJの人が一人来た。対応した萌蔵がすぐに報告に来る。目立つ服装の人きた!派手な化粧してる!カラコンしてる!博物館内でまず見かけることのないタイプ。その格好で電車で来たのかなぁ。という話題でひとしきり盛り上がる。
しばらくして、また萌蔵が再び報告にきた。さらに化粧がヴァージョンアップした! 意味が分からなかったけど、あとから判った。耳が横に伸びて、頭に羽根が付いたらしい。
閉館後、車で機材と、ディレクターな人と、もう一人のDJさんが到着。今度は機材で盛り上がる。だんだんセッティングされている機材は、かなり大きい。そして重そう。なんでも総重量25kgとかあるらしい。あれを装着して歩くのか? 後ろにバッテリーとかあって重そう。前はボードがあって、長く伸びた先にカメラが2台と照明。後ろの重さとバランスはしそう。
で、撮影スタート。最初はコスプレなDJさんが、機材を装着して、展示室を一周。まあまあ速いスピード。音楽は鳴ってるけど、スクラッチはない。トークもない。DJさんは、黙って歩いて行く。写らないように他の二人がついていき、ディレクターな人が展示物や歩いてるDJさんを撮影してるっぽい。
続いてもう一人のDJさんが、機材を装着して、展示室を一周。こちらもスクラッチやトークはないけど。最初の人より、クルクル回るし、手の動きが多い。なんかスタイルが違うっぽい。第2展示室ではモンスターハンターやジュラシックパークのテーマが鳴っていた。合わせてくれている様子。
そして、撮影終了。撮影を見てると、昔、冠島にガチャピンがやってきて撮影しているのを見た時を思い出した。台詞はアフレコなので、現場では黙っていろんなポーズや動作をしている。その時と同じ不思議な感じ。
このウォーキングDJも、アフレコがあるんだろうな。いろんな動画サイトにアップされるらしい。が、アップされるまで、1ヶ月前後はかかるらしい。どういう風に仕上がるのか楽しみ。
●2024年8月21日 博物館実習 2024年夏期一般コース オリエンテーション
今日から5日日程で博物館実習がスタート。今年はもう他の人が担当してるかも、と思ったら、やっぱりやることに。と昨年も書いてる。今年は大学生が20人。初日の今日はオリエンテーション。たぶん引き継ぎがあるから、少なくとも次回はあるだろうから、今日のスケジュールを記録しておく。
09:30 博物館実習スタート 出欠取って、名札を作らせて、友の会に入会させる。5日間のプログラムの説明(概要、集合・終了時刻、集合場所)、ブログの書き方の説明。担当のブログを書いて実習を完了したと評価するとの説明。今回の友の会会員はなし。
09:45〜11:30 博物館の間取り、沿革、事業内容(研究、資料収集、展示、普及教育)、友の会・サークル・ネットワークなどの説明。博物館に足りないものとして、お金、人手、スペース。今回は、もうコロナ禍の話はやめた。
(11:30〜11:35 休憩)
11:35〜12:10 管理棟の案内・解説。新トラックヤードで燻蒸の説明と冷凍室の結露の話。学芸員の部屋をのぞき、植物研と地史研に入った。書庫にも入り、2層目に上がった。特展準備室はネコ展で入れず。旧第1収蔵庫も子どもワークショップのセッティングされていてのぞくだけ。旧第3収蔵庫と旧第4収蔵庫に入った。雨漏りの話。最後に館長室を見て終了。
(12:10〜13:00 昼休み)
13:00〜14:10 収蔵庫見学ツアー。3つの収蔵庫をめぐって解説。二層構造の秘密、壁の違い、臭い、温度・湿度、タイプ標本、火災時の対応など。なぜ収蔵庫に本があるかも説明。
(14:10〜14:20 休憩)
14:20〜15:45 展示室見学ツアー(常設展)。メンテナンスがメインテーマ。電気の球換えの難しさ、掃除のしにくさを中心に、ダメなケース、ダメな展示を紹介して歩く。ハンズオン展示のコストパフォーマンスや、メンテナンスの難しいオープンな展示の話。第5展示室では、アナログのゲームコストパフォーマンスについて解説。 一種の収蔵展示であるクジラや鉱物類とか。最後に博物館におけるミュージアムショップの普及教育的位置づけ。
15:45〜 実習ノートの記入。
実習ノートは学芸員がチェックして、コメントなどを書くので、学芸員とのコミュニケーションツールとして使うように、って今回も指導してみた。
ちなみに20人中、マスクをしているのが10人。
【追記】
実習ノートをチェック。20人分を見て、質問に答えたりコメントしてたら、1時間45分かかった。
メンテナンス視点での展示案内は、今回も興味をもってもらえた。主にメンテナンスに言及しているのが8名。メンテナンスと収蔵庫、メンテナンスと普及教育に同じくらい言及しているのが1名ずつ。続いて目立つのは、収蔵庫満杯問題に主にコメントしている者が5名。
普及教育に言及してくれたのが、ほぼ1名だけというのが、ちょっと残念。例年反応がある特別展タイトルへの言及がなかった。つまり最初の座学があまり面白くなかったってことか…。たしかに反応薄めと思ったけど、なんか悔しい。最後のミュージアムショップに触れてくれたのも1名だけ。
●2024年8月20日 今年度の最初の博物館実習前日
4月に申込み受付。5月に日程調整して、受入を連絡。そこから6月にかけて、役所的書類のやり取り。で、7月末が実習費用振込期限。振り込んでない奴に、博物館実習はキャンセルか?と脅し気味に連絡を入れる。先方が慌てて動き出す。
例年、振込を忘れている学生が数人いる。それは織り込み済み。今年も1大学2名は、学生が振込を忘れていた。同じ大学でも、しっかりしてる1名はちゃんと振り込んでた。が、今年斬新だったのは、大学が忘れていたこと。ある大学は、担当教員が学生に振込先が書いてある諸連絡の別紙を学生に渡していなかった。まあ、大学生みたいな教員ってことで。1つの大学は、担当教員が諸連絡の別紙(あるいは受入受諾の書類丸ごと?)を無くしていた。もはや小学生みたいな教員。そして、1つの大学は、担当教員は事務方に支払い手続きを進めるよう依頼したのに、事務方が放置してたらしい。これは斬新すぎる。
コロナ禍の中でもなかった想定外の展開だった。いつまで経っても、新展開がある。それが博物館実習。
で、明日がいよいよ今年度最初の博物館実習。夏の一般コースの初日オリエンテーション。と言う訳で、前日はその準備。これが毎回けっこう面倒。
実習費用を指定して集めているのは、支払う大学と支払わない大学の不公平がないように。博物館で稼ぐのが目的ではないので、(手数料を除いて)学生に配布物等として還元する。今年は、2024年版が出た常設展の展示解説と、今年の特別展「自然史のイラストレーション」の解説書を配布など。20部ずつ準備。
オリエンテーションで使う資料を作成。最新2023年度版の館報から必要な部分をコピーして、21部印刷。
名札の紙を用意して、名札ケースを準備。
おまけで、ネコ展の招待券も1枚ずつ付けて上げよう。案内する時間あればいいけど、無理かなぁ。
●2024年8月19日 ネコ展で“系統”という言葉を使ってるのはどうして?
特別展ネコを見に来て下さった方から、どうして“属”と言わずに、“系統”という言葉を使ってるのかという質問が寄せられた。
こんな風に答えた。先方が分類学にどの程度の知識があるのか判らなかったので、ややくどめの説明になってるかも。でも、メッチャ詳しければこの質問は出ないだろうから、このくらいでいいのかな。
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ご指摘の通り、ネコ展では、ネコ科を8つの系統に分けていて、系統という言葉を使っている理由を説明していません。説明をはじめると、分類の仕組み説明と、裏事情を説明しなくてはならず、説明が長くなるというのが大きな理由になりそうです。
動物の学名は、2つの単語からなっています。前が属名を、後ろが種小名といいます。つまり学名の前半の単語を見て頂くと、その種の属名が判ります。
8つの系統、それぞれに含まれる種の学名を確認していただくと判るのですが、たとえば、ヒョウ系統は、ウンピョウ類2種と他の種は別の属です。ピューマ系統の3種はすべて属が違います。つまりネコ展で紹介している系統は、属ではなく、現在の科と属の間のランク(分類階級、まとまり)になります。
解説書をお持ちなら28ページの右上の端っこを見て頂くと、「Hunter(2015)を元基に作成」とあります。これは、Hunterさんが2015年に発表した論文に基づくという意味です。つまり、ネコ科を8系統に分けるようになってから、まだ9年しか経っていないということです。分類学的にはごく最近です。
科と属の間には、亜科や族などのいったランクがあります。属を系統に合わせて再編成したり、ネコ科を分割してもいいかもしれません。いずれにしても系統を分類ランクに落とし込んだ方が分かりやすいと思いますし、将来的にはなにかしらの落とし込みが行われるかもしれません。
しかし、8系統に分けられるとなってから、まだ9年しか経っていないので、その調整が行われていません(そもそも系統を調べる人は、分類学的な位置づけに興味がないことが少なくないので、このまま放置の可能性もあります)。分類学的な位置づけはまだ決まってないけど、8系統に分かれることは判ってしまい、ネコ科を分けるのにとても便利なので、みんな使っています。分類学的になんと呼ぶか決まっていないので、今のところ系統と呼ぶしかありません。
というの現状です。
いかがでしょうか。
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●2024年8月18日 復活途中の標本同定会
今日は、昔でいうところの標本同定会。コロナ禍を境に、同定数が激減していたが、今年はサイトを立ち上げたりチラシを作ったりした担当者の努力もあってか、単にコロナ禍が終わって一段落したからか、コロナ禍前の2019年と同じくらいに復活してきた。少なくとも担当する脊椎動物関係では。過去の対応件数を振り返ってみよう。
2024年:鳥類7件、哺乳類0件、爬虫類1件、両生類0件、魚類4件 →合計12件
2023年:鳥類4件、哺乳類2件、爬虫類0件、両生類0件、魚類3件 →合計9件
2022年:鳥類2件、哺乳類1件、爬虫類0件、両生類0件、魚類2件 →合計5件
2021年:コロナ中止
2020年:鳥類3件、哺乳類0件、爬虫類0件、両生類1件、魚類1件 →合計5件
2019年:鳥類9件、哺乳類4件、爬虫類0件、両生類0件、魚類7件 →合計20件
2018年:鳥類9件、哺乳類1件、爬虫類1件、両生類1件、魚類7件 →合計19件
2017年:鳥類10件、哺乳類0件、爬虫類1件、両生類2件、魚類5件 →合計18件
2016年以前は、魚担当が前任者になるので、比較できなさそう。
こうしてみると、まだコロナ前には戻っていない。あと一歩。持ってきてくれる中には、けっこうな割合で常連が含まれるのだけど、コロナ前の常連の半分くらいが、コロナ後にはいなくなった。それがコロナ後の減少の半分くらいの理由を占めていそう。
コロナ直後から来てくれた常連はその後も来てくれている。そして、この2年は新たに来てくれる人が、年々増えている。新たな相の定着と、継続して新たな相を開拓するのが重要な気がする。そういえば、羽根を拾う子ども達は、コロナ後も多いのだけど、標本同定会には持ってきてくれないなぁ。
●2024年8月17日 ハイブリッドなセミナー
ネットでも見られるとなると、対面で話を聞こうとする人は少ない。もっとプッシュしたら、人きたのかなぁ。
というわけで、今日は自然史オープンセミナーと称する学芸員がトークをする枠で、1時間半ほど講演会をしたけど、対面で客席にいるのは17人だけ、オンラインでの同時最大視聴者数は55。対面立は23%ほど。これなら、面倒なハイブリッドでやらなくても、オンラインだけでいいような気もするが、微妙なラインではある。ここ数年、ずっと同じ議論をしてるけど、結論でてない。
とはいえ、合計72人というのは、かつて対面だけで実施していた時代には、考えられない数字。オンラインだから気軽に参加しやすいし(聞き流してるかもだけど)、来館するにはコストがかかりすぎる遠方の方も聞いてくれていたかもしれない。さらにこの後、見逃し配信もあるから、広く遠くに届くという意味で、オンラインを無くすのは考えられない。
対面17人をどう考えるのかは難しい。オンライン配信しているのを見にきている人が数人いると考えればいいのかもなんだけど。ただ、結局、質疑応答は対面の方が盛り上がるというか、ちゃんとキャッチボールができるんだな。
●2024年8月16日 河川敷の護岸のスキマの植物
スキマの植物という言葉がある。人間が舗装したりコンクリートで固めた割れ目などのスキマから生える植物のこと。これが、大根や人参などの根菜類であれば、“ど根性”と呼んでもらえる。生えるのが雑草だと、ど根性とは呼んでもらえない。不公平ではある。でも、本来の生育場所ではなさそうなスキマに生える植物が気になる人は、植物好きの中に一定数いるらしく、スキマの植物を取り上げた本が、2冊ほど出版されてる。1冊目は、なんとなくスキマの植物の写真をたばねただけで、つまらない。2冊目は、ちゃんと読んでないけど、パラパラっと見た感じでは、図鑑なのかな。いずれにせよ、スキマの植物は、まだまだ別角度からテーマにする余地がありそうに思う。
で、たいした植物好きでもないが、実はスキマの植物が気になる方。道路脇や家の石垣めいた場所のスキマもいいけど、一番気になるのは、河川の護岸のスキマ。なんとなれば、市街地とはまた違った植物が生えてるから。外来植物も河川敷には、見慣れないのが生えてて楽しい。気になる。
毎月、大和川沿いを自転車で走る。河口部は高水敷から堤防にかけて、完璧に護岸されている。そこにひび割れがあって(いいのか?)いろんな植物が生えている。いつしか、なにが生えてるか気になるようになってる。外来生物プロジェクトの時は、ヤナギバレイラソウがけっこう生えていた。昨年は、オヒゲシバを教えてもらい、ハゼランは自分で同定できた。ハゼランは気付くと、市街地のスキマにもけっこう生えてる。
今日、大和川右岸河口部で見つけたのは、サルスベリ。どうやってたどりついたのだろう。サルスベリは、風散布のはず。植物屋の評価が低い風散布だけど、河川敷のスキマに生えてるのは、基本風散布な気がする。ちょっと気にしてみよう。
●2024年8月15日 2000年代はイソヒヨブーム
ここ数日、2000年代の自分のフィールドノートや集めた情報からイソヒヨドリをピックアップしてる。フィールドノートを一通りチェックして入力するのに2日、集めた情報をチェックして入力するのに2日ってところ。情報はおもにネットで、メールなどで教えてもらうのだけど、すべてプリントアウトして、年ごとに封筒に入れてあるので、見つけやすかった。というか、もとのメールのデータを探したけど、うまく見つけられず。どこやったんかなぁ。
約20年前のノートややり取りを見てると、いろんなことを思い出した。当時は、内陸のイソヒヨドリ情報を集めるのが、マイブームであちこちで、声をかけて集めていた。おかげで、今回、2000年代の近畿地方のイソヒヨドリの内陸への進出状況をけっこう示すことができる。とくにありがたいのは、紀伊半島の情報。
紀伊半島野生動物研究会という団体がある。いまもあるのだけど、近頃あまり活動が活発ではない印象。当時は、かなり活発に活動していて、紀伊半島野生動物研究会の方からイソヒヨドリ情報欲しいなら、メーリングリストで呼びかけては?とお声かけいただいた。メーリングリスト全盛時代ということもあって、メーリングリストで情報を効果的に集められた。その時、メーリングリストで情報を集める際の条件として、集まった情報をまとめて、会報で報告することを約束した。その約束をずっと果たせていたいのが、ずっと気にはなっていたのだけど、今回ようやくデータを整理することができた。が、近頃、会報が出てないような気がする。20年経って、ようやく約束が果たせそうなんだけどなぁ。
紀伊半島の南の方の情報では、Nさんにとてもお世話になった。和歌山市周辺の情報は、Aさんがたくさん提供してくださった。なつかしい名前がたくさん。お元気だろうか。
イソヒヨドリブームは、少なくとも大阪府では2000年代で一段落した。もうどこにでもいる感じになったし。しかし、2000年代には、滋賀県の情報があまり多くない。滋賀県ではかなり早い段階に、広く生息していた印象があるのに。となると、それは2010年代のことなんだろう。ってことで、2010年代の滋賀県の情報は、もう一度ピックアップする必要がありそう。合わせて、2010年代の京都府と奈良盆地の情報もピックアップしようかな。
●2024年8月12日 皮付きスナメリ大小2体
今日のなにわホネホネ団のおもなお題は、スナメリ。それも大小2体。そして、まあまあ新鮮で、皮が付いてる!
某所の冷凍室にたくさんたまっているそうで、たぶん熱心に活動していた人が止めて放置されたんだな。その後、後任と引き取る話をしたのだけど、その後連絡が途絶えた…。そして今年、さらに後任の方と話がついて、ようやく引き取る運びになった。一度にたくさん引き取るとこっちの冷凍室に入らない。ってことで、2体ずつでお願いした。本当は、先月の予定が急遽今月に変更になった。
ちなみに来月も、おそらく再来月も来るらしい。寒くなったら、皮処理に専念したいので、暖かい季節だけでお願いした。ちなみにスナメリ以外のも1体あるらしい。種名が判然としないので、楽しみなような心配なような。
今日のスナメリ解体の一番の目的は、噂の頸肋骨の確認。小さい方のスナメリ解体を担当した。経験者が混じってるので、やりやすい。小さい方は内臓も抜かれていたので、これまたやりやすい。
計測が終わって解体開始。とりあえず寛骨確保に取りかかる。内臓を抜いた穴のすぐ後ろで簡単に見つかる。3cmほどだけど、肛門や生殖口が判ると簡単だなぁ。尾椎の先端と、V字骨についての注意をして、初心者に尻尾側を任せる。
とりあえず、前肢を肩甲骨ごと外す。経験者さんに、フィンの上側の皮剥きをお願いする。こちらは頭骨を外して舌骨確保。そしていよいよ脛肋骨探し。付いてるなら第7頸椎だろうけど、一応他もチェック。で、第7頸椎の両サイドに2cm位の短い肋骨的なホネを発見。一応、第7頸椎に連結してる。このホネなら、今までも知らずに取ってた気がする。
続いて狙うは遊離肋骨。左右とも肋骨13本の後ろに、短い遊離肋骨が1本あった。13番目の先の辺りに、長さは3cmほどと思ったより短い。今まで見逃してなかったかなぁ。あとは、初心者さん達に、順番に肋骨を外して、番号札を付けてもらう。
ちなみに、小さい方は歯が目立つと思ったが、むしろ大きい方は歯が磨り減っていて、歯茎より歯がしっかり出てるのは奥の5本ほどだけ。後頭部の窓は、小さい方(全長124cm)は開いていて、大きい方(全長165cm)は閉じていた。
スナメリは見所いっぱい。室内で新鮮なのを処理すると、とても楽しい。鼻の孔はちょうど指が入って、頭骨に届く。
●2024年8月11日 ホネこども、今回入れて残り3回
そろそろカウントダウン感が出てきた。かつては、日本各地のいろんな地鶏の手羽先を材料にしていたが、昨年はアヒルの手羽先を使った。今年は、ホロホロチョウの手羽先。こうなったら、残り2回もニワトリ以外の手羽先やってみたい気がする。キジとかダチョウとかどうかなぁ。
今まで10数年続けてきたけど、毎回改善点がある。今年は、持ち物のハサミを細かめに指定した。”先の尖った小さめのハサミ”。昔は、こちらでハサミを用意してて大変だった。左利きの子がきたら対応できなかったりもした。で、ハサミを持ってきてもらうことにして、料理用ハサミとしていることがあった。すると、子どもの手のサイズには、細かい作業をするにも、大きすぎるハサミを持ってくる子が何人もいて作業しにくそう。ってことで、今回の細かめ指定につながった。が、今回の反省点は、切れ味の悪いのを持ってくる子がそこそこいたこと。紙を切ったハサミは、肉を切るには切れ味が落ちると思う。来年は切れ味のいいハサミを指定しよう。
ここしばらく、板に取り付けたかっこいい手羽先標本を作ってきた。このやり方だと、待ち時間に板に色を塗るという作業を入れられていいのだけど、板への取り付けに時間がかかる。板に穴を開けるのはスタッフがせざるを得ず、待ち行列ができる。穴を開ける場所の設定も難しいし、取り付けにもスタッフのサポートが必要になる。おかげで終了時刻が30分近く伸びる。早くできた子は退屈そう。次回は、板への取り付けを無しにしてみよう。
とまあ、何度も実施しているのに。いまだに改善点が見つかる。残り2回。最終回でようやくこのプログラムは完成するのかもしれない。
●2024年8月10日 ハトの日
今日はハトの日。ということは、トリ先生が、ハトだらけの服を着て登場したから気づいたが。偶然にも、なにわホネホネ団鳥の日では、カラスバトを剥いていた。おそらく、無意識に気づいていたんだろう。知らんけど。
カラスバトは、ドバトより大きく、真っ黒。かと思いきや、頭から尾羽まで、背面を中心に構造色だらけ。日本のハトでは、王様格。ハトの日にとてもふさわしい。
2月に屋久島で拾われたのが届き、ずっと冷凍してあった。なぜか剥く気が起きてこなかったが、昨日、カラスバトを剥こう!と思ったのは、ハトの日にふさわしいからだったんだな。他の人用に準備した鳥の中に、ハトはぜんんぜんなかったけど。
ハトは、皮が薄くて破れやすくて、鳥剥き初心者は敬遠しがち。でも、ハトの中でも、皮の薄さ、あるいは破れやすさには種による差がある。破れやすくて敬遠したい順番は、アオバト>キジバト>ドバト。カラスバトはほぼドバト並み。新鮮な個体だったし、そんなに慎重に剥かなくても大丈夫だった。これがアオバトだと、かなり慎重に作業することになる。
●2024年8月9日 今年の淀川鵜殿のツバメのねぐら
今年の夏も、大阪府のツバメの集団ねぐらチェック。近年は、3ヶ所なので、比較的楽チン。そして、淀川鵜殿が3ヶ所目。他の2ヶ所は、集団ねぐらができてさえいれば、確認するのは簡単なのだけど、淀川鵜殿は実際に集まっている場所や適切な観察ポイントが、しばしば変わるので。とくにこの数年は集まる場所が動いていて面倒。なんども確認に来る必要があったりするので、最後にもってきた。今日ダメだったら、来週また来よう。
ただ、今年は事前に場所を押してもらっていた。それも2日前に観察したという人から。これはとてもありがたい。そして、聞いた限りでは、どうやら昨年と同じ場所。それならおおむね様子は判る。たぶん観察ポイントも同じだろう。ってことで、集まる場所や適切な観察ポイントを探しまくらなくっていいので、とてもありがたい。とはいえ、実際のところは見てみないと分からない。ダメならまた来よう。
というわけで、日没1時間とちょっと前、昨年と同じ場所に陣取った。建設途中の有料道路のすぐ下流側。昨年よりも橋脚が高くなって、見通しが悪い。ヨシ原の中に、オオブタクサか何かの群落がかなり混じっていて、というかヨシ原は半分強しかない。大丈夫かヨシ原? でも、おかげでツバメが寝る場所は、かなり絞り込める。その辺りがみやすいように場所を微調整。といっても降りる場所と、乱舞する場所はまた違うからなぁ。
堤防の上を散歩してる人に声をかけられる。昨日はすごいいっぱい飛んでた(堤防近くをってことらしい)。今日飛ぶ場所は遠いかもなぁ、とも。正直なにをいい加減なことを言ってるねん、と思ったのだけど、実際、ツバメは堤防から離れた場所を飛んだ。おじさんは何かを知っていたのだろうか?
結局、ツバメがねぐら入りしたのは、ヨシの成長のよかった場所ではなく、その内側の少し低いヨシ原だった。陣取った場所は、ねぐら入りした場所も見えて、同時に飛んでる個体も見渡せた。偶然にも今年のベストポジション。例年、2〜3回は来ないといけない場所だったけど、今年は一発で終了。ありがたい。
●2024年8月8日 橈骨と尺骨の2本があるのは、手を捻るため?
某博物館の学芸員がそう答えたらしい。何故なら捻らない、捻らない偶蹄類などは、橈骨と尺骨が癒合してるから。また聞きなので、本当にそう答えたのかは分からない。というか、そんな答えをする学芸員はおらんやろと思う。
橈骨と尺骨の2本があるので、手を捻ることができる。橈骨と尺骨が癒合してる偶蹄類などは、手を捻ることができない。
と答えたのなら判る。ってゆうか、哺乳類の中で答えるなら、こういう答えしかありえない。
橈骨と尺骨、脛骨と腓骨。手足の根元から2つめの骨が2本立てになってるのは、哺乳類になってから獲得した形質ではなく、四足動物共通の特徴。おれは硬骨魚類の胸ビレや腹ビレも同じようになっていたんじゃないのかなぁ。
ということで、どうして橈骨と尺骨の2本があるのかは、魚時代にその形質がどう獲得されたかを問うべき。魚時代にヒレを捻るために獲得した形質ということは、多いにありうる。だとしたら捻るために進化いたというのは正しいことになる。ただし、ヒレを捻るためだけど。
●2024年8月6日 もしやここでも電線ねぐら?
世のツバメは、電線ねぐらが流行なのだ。知らんけど。
堺市美原区のツバメの集団ねぐらを見に行った。2021年に見つかった場所。それまで美原区周辺のねぐらは毎年のように場所がかわっていたのだけど、ここに来てから今年で4年間続いている。このまま安定した集団ねぐらとして継続して欲しい。今年は、ヨシの成長が悪いという話も聞いたので、どのくらいツバメが集まってくれるかちょっと心配だった。
結果的には、昨年以上に、今まで一番たくさんのツバメが集まった。ただヨシの成長が悪いのは本当らしく、あぶれたツバメはセイタカアワダチソウにとまってた。
本当は、昨日来るつもりだった。最寄りの河内松原駅で、バスを待つ間、観察中のおやつを買い物してたら雨が降り出す。聞いてないぞ! 慌ててスマホで確認すると、どうもゲリラ豪雨が、日没時に目的地の池周辺に居座るらしい。やむを得ず断念。
で、今日は家を出る前にゲリラ豪雨の様子を確認。なんと今日は昨日と逆。北も東もゲリラ豪雨が降るようだけど、ねぐらのある池の辺りだけは降らない予報。結果的にその予報は当たってた。北や東の空は真っ黒で、北の空には稲光がピカピカ。が、ねぐらの池だけが、ゲリラ豪雨から免れてた感じ。
このねぐらは、いつも池の周囲の住宅地の側から観察してる。最初の年につばめがとまった場所に近かったというだけの理由だが。今日もそこからヨシ原やその上空にツバメが集まって来るのを数えて、集まる様子を記録していた。ふと後ろをみると、電線にツバメがとまってる。これも数えねば。
日没20分前に電線ツバメに気付いた時は、20羽だけだった。日没10分前には360羽に増えていた。それが日没数分前に1000羽を超えて、日没時には約1650羽に! ここでも電線ねぐら? と思ったが、日没後10分頃から減り始め、日没後15分には40羽ほどに減少。日没後20分には電線のツバメはいなくなった。飛んでる個体も100羽ほどに減り、大部分は予定通りヨシ原に入ったらしい。
日没後25分ねぐら入り完了。で、バス停に戻ろうとしたら、まだ電線にツバメが7羽とまってる! もしかしたら、小規模ながら電線ねぐらになってるのかもしれない。
●2024年8月4日 ヨシ原・電線併用ねぐら
赤坂下池のツバメの集団ねぐらを見に行った。ここ数年、ヨシの成長が悪い。というか、クズが繁茂して、ヨシ原の面積が狭い。おのずと集まるツバメも少なめ。昨年は春先にクズを刈ったそうだけど、夏にはしっかり繁茂してた。今年は、夏前に刈っててくれるといいなぁ。
と思いながら、到着すると、やっぱりクズが繁茂しまくり。ヨシ原の面積が狭いのは昨年と一緒だけど、ヨシ自体の成長が悪い。壁沿いのヨシが薄すぎて、ツバメが入らなそう。倒れてるヨシも多くて、ほんまにツバメが集まるの?と心配になるレベル。あまり期待は出来なさそうと思った。
ぜんぜん期待してなかったが、想像以上にツバメが集まって驚いた。例年ここは、帰ってきたツバメがあまり乱舞せずにヨシに入るのだけど、ヨシ原がしょぼくてとまる場所に迷うんだろうか、今日はメッチャ乱舞した。ある意味数えやすい。そして、せまいヨシ原にギューギュー詰めに入った。ざくっと1万羽。かつてと比べても多い方。大部分ヨシにとまったけど、クズにとまってる個体もいた。
そしてさらに驚いたのは、電線ねぐら。以前からヨシ原に入る前に、ツバメが電線に並ぶことがあった。昔は西側の電線にとまってたが、昨年は東側の電線にとまってた。今日も電線にとまる。見てると、西側の電線にもとまってる。と思ったら、地元の人から電線で寝るツバメがいるという話が。ほんと?? 半信半疑で見てると、日没後30分、ヨシ原へのねぐら入りが終わって、飛んでる個体がいなくなっても、約400羽が東側の電線にとまったまま。
本当に電線ねぐららしい。ヨシ原と電線の併用ってことになる。そんなん初めて見た。ヨシ原が狭くて、集まってもヨシにとまれない個体が、電線で寝てるんだろうか?
●2024年8月3日 夕方の行事なのに暑さ指数中止
博物館の野外行事は、最寄りの地点での暑さ指数(WBGT)の予測値が31以上の場合は、原則中止。
今日は奈良市でツバメのねぐら観察会。規定通り、奈良市の18時時点の予測値が31以上だと中止とアナウンスしてた。とはいえ、枕詞みたいなもので、18時に熱中症リスク云々になるとは思っていなかった。
で、昼前、天気予報や雷注意報の確認の続きでなんとなく、暑さ指数の予測値を確認したら、驚いたことに18時の奈良市で31。まさか暑さ指数で夕方の行事が中止? 中止判断リミットは午後2時なので、とりあえず午後1時の予測値を待つことにした。待っても、やっぱり予測値は31。
18時以降、気温は下がっていくわけだし、19時頃には涼しくなってるはず。しかし、一方で、ろくに日影のない場所だし、100人規模の観察会。小さい子どももけっこういる。安全マージンは必要。行事を強行するか悩んだが、返信で、はっきり中止基準を宣言しているので、やむを得ない。返信の文言と暑さ指数の予測値で中止と判断する人がいるかもしれない。なのに、行事を強行したら真面目な人がバカを見ることになる。それは避けねばならない。ってこと、やむなく観察会は中止に。まさか夕方の観察会まで中止になるとは思わなかった。
こんな中止パターンは初めてなので、念のため集合場所に行く。予想通りけっこう人が来てしまう。どうも、夕方には予測値が31未満に変わったらしい。何時時点の予測値を参照するか明記すべきだった。もちろん中止宣言の留守電を聞いてない人も多い。で、行事は中止だけど、なんとなくツバメのねぐら入りを見て帰って来た。
返信で中止基準を明記しなければ、実施できたよなぁ。来年の返信をどうするか悩ましい。
●2024年8月2日 あるミニブタ
今日は、中高生とホネ洗い。午前ミニブタ、午後ヒツジのホネを洗った。ヒツジはまあまあ普通だったが、ミニブタはとても変わった個体だった。
まず、頭部が左右非対称。吻部が左に曲がっていて、下顎も左に曲がっている。口は開けるけど、なんか不自由そう。歯の生え方も変。食事するのは難しそう。
その上、ホネをみんなで並べて気付いたけど、頸椎が6つしかない! 最初は無くしたんじゃないかと思って探したけど、見つからない。順に並べるとちゃんと関節しているので、間は抜けてなさそう。そして、第1胸椎への関節も問題ない。もしや第1胸椎としたのが第7頸椎なんだろうか? ただ、はっきりと肋骨の関節があるんだけど。肋骨がつくなら第1胸椎? それともやっぱりこれが第7頸椎? あるいは頸肋骨があるとか…。
ちなみに哺乳類の場合、頸椎の数は7つが基本。種内変異はほぼない。胸椎や腰椎には変異がまあまああるので、不思議。頸椎に変異が絶対ないわけではない、ってことかなぁ。
ともかく、今度、もう一度確認しよっと。
●2024年8月1日 2024年7月のまとめ ネコ展がはじまり、イソヒヨドリ・ムクドリ調査がおわった
怒濤の7月が終わった。前半はネコ展でバタバタ、後半はイソヒヨドリ・ムクドリ調査の追い込みでバタバタ。ネコ展は誘致展なので、ぼんやりしてたらいいかと思いきや、関東の博物館に標本借りる立ち会い、その後は搬入・設営に随時立ち会い、そしてプレビューからスタッフ向け解説に普及講演会。前半がまるごとつぶれた。で、後半はひたすら大阪府各地にイソヒヨドリ・ムクドリ調査の追い込み。おもにムクドリさがし。
そんな2024年7月を振り返ってみよう。
ルーティンのため池調査、大和川調査は無事終了。奈良県3コース(1日で調査)と京都府2コース(1日で調査)のハッカチョウセンサスも実施。
地元公園では、やはり月末にカワウの集団ねぐら調査のみ実施。
大和川水系の調査は、垂仁天皇陵のカワウ・サギ類の繁殖地をチェックしただけ。
月の後半は、大阪府のハッカチョウ ・イソヒヨドリ・ムクドリの繁殖分布調査の追い込み。ムクドリの情報がなく、イソヒヨドリの情報が薄いエリアをひたすら歩き回る。大阪市西淀川区〜東淀川区、生野区〜城東区、貝塚市、摂津市〜茨木市、阪南市〜泉南市、泉南市〜熊取町、東大阪市、高槻市〜茨木市、東住吉区〜東成区、旭区〜東成区、四條畷市〜枚方市〜寝屋川市と、11回調査にでかけた。
ホネホネ団の活動は、2日実施。
大阪鳥類研究グループは、阪南市へ昨年見つかったヒメアマツバメを探しに。見つかったのは最南端のイワツバメ繁殖地。
普及行事は、鳥の調査の勉強会、鳥類フィールドセミナー。ジュニア自然史クラブは暑さ指数が高くて中止になった。あとはネコ展の普及講演会。
講演は、スタッフ向けのネコ展解説、そして子どもWSサポートスタッフ向けのネコ展解説。トイロクラブというので街で繁殖する鳥の話。学芸ゼミで、大阪府と奈良盆地のイソヒヨドリの内陸進出の話。
論文は書けず。
査読なし。
とまあいろいろあった中、今月読んだ本は、自然史系3冊と、SF5冊、マンガ2冊。
完全休養日はなし。今年に入ってまだ2日だけ。
今月のネコは、クーラー入ったので、網戸がりがり出来ず、外も見えなくなった。代わりにカーテンに登ってる。
●2024年7月31日 イソヒヨドリ・ムクドリ繁殖分布調査
4月から7月の4ヶ月にわたって調査してきたが、今日が最終日。最後にどこに調査に行くか少し悩んだけど、ムクドリのメッシュがあきまくっていて、イソヒヨドリももう少しメッシュを埋めたいな、と気になっていた北河内へ。
正午過ぎたら死ぬほど暑い。なので早めに調査を切り上げ。でもまあ、今日もポータブル日傘があるから、けっこう大丈夫。
四條畷市から寝屋川市を縦断し、枚方市南部を横切って淀川へ。淀川左岸側の水路沿いを守口市まで7時間半。ムクドリのメッシュが結構埋まった。イソヒヨドリのメッシュもいくつか増えた。ムクドリのメッシュが埋まるのは嬉しいけど、あまり繁殖情報にならない(つまり巣立ちビナを確認できない)。今回の調査ではムクドリの分布図は、繁殖確認ではなく、生息確認でプロットすることになる。イソヒヨドリの方は、すでに充分過ぎるほどプロットができてる。ここに上乗せするのは、逆にメッシュが埋まり過ぎな気すらする。
結果論だけど、イソヒヨドリは、4月から5月にかけて頑張って情報を集められて良かった。その後、囀らなくなり発見効率が下がるので、大変だったろう。一方ムクドリは、当初は巣立ちビナが出てくる5月後半以降が勝負。と思っていたのだけど、ぜんぜん勝負できないまま、7月が終わってしまった。どうして巣立ちビナが見つけにくかったのか不思議。10年前はこんなことなかった気がする。
●2024年7月30日 イソヒヨドリの内陸進出に関して話したら
博物館に所属するみなさんに向けて、大阪府を中心に、イソヒヨドリの内陸への繁殖分布拡大の話をした。8月のオープンセミナーのテストランであり、9月の鳥学会大会の準備のためでもある。内容に興味を持ってもらえたのかはよくわからないけど、いろいろ質問が出た。
・どうして内陸に分布拡大しはじめたのか?
これ、よく訊ねられるけど分からない。ヨーロッパでは、以前から内陸の高山や市街地に生息している。岩場な環境なら暮らせるらしい。そういう意味では、日本のイソヒヨドリは、内陸にも岩場があることに気づいていなかったってことだろう。なにがきっかけで気づいたのかは分からない。ただ、たぶん生息環境や巣場所は、ある種の刷り込みの影響を受けると思うので、いったん広がり始めたら、その流れは続きそう。
・地域によってタイミングが違うのはなぜか?
もちろん分からない。内陸に岩場があることに気づくタイミングが違ったってことかと。むしろ、似た時期に日本各地で内陸に進出しはじめたことを不思議に思うべきかもしれない。同時多発なのか、分散の結果なのか。
・どのようなプロセスで内陸に拡がっていくのか?
だから分からない。ただ、関西では大きめの川沿いに内陸に広がった感が強い。あるいは山際とか鉄道沿いとか、なにか沿いに広がることが多かった気がする。
・どんな環境を好むのか?
岩場だってば。ただ、市街地に最初に進出した時は、高層マンションとか駅前とか、高めの建物がある場所に陣取ってた。それが密度が高まったり、広がったいする中で、平屋にも生息するようになった気がする。
・ムクドリやハッカチョウとの関係は?
ハッカチョウとの関係は不明。ムクドリは、集団営巣地がイソヒヨドリに追い払われたという観察がある。実際、ムクドリペアを、イソヒヨドリ雄が追い回して、追い払ったのを見たことがある。イソヒヨドリはかなり強気な鳥なので、ムクドリの分布や生息密度に負の効果をもたらす可能性があると思う。
どの質問も答えるのが難しい。基本的にデータ不十分だし、想像でしか答えられない。分布の変遷という事実の話だけしかできない。
オープンセミナーのテストランとして考えると、
・最初に、イソヒヨドリの基本生態についての解説をきちんとした方が良さそうだった。
・一番データが厚いのが大阪府なので、近畿→奈良盆地→大阪府の順で喋った。が、オープンセミナーでは 、琵琶湖周辺や紀伊半島の話も盛り込むので、大阪府の話をしてから、周辺地域に広げた方がいいかもしれない。
●2024年7月29日 熱中症警戒アラートの中、自転車で行く
ため池58ヶ所を自転車で巡る6時間コース。酷暑の中、生きて戻ってこられるか少し心配したけど、意外なことに思ったより楽だった。
熱中症予防に胡瓜の一本漬けと梅干しとミニトマト持って。少しでも涼しい時間帯にと、朝早めに出発。午前中はさほど暑くなかったけど、正午頃から暑くなった。ポータブル日陰が欲しい〜。でも、自転車だし、まあまあ風があったので、日傘がなくても耐えられた。飲んだお茶は3Lほど。暑すぎるのか、カメもあまり見かけない。
そう言えば、一昨年は、7月末まで、大阪市内を酷暑の中、自転車で走り回っていた。神を何度も召喚したとは言え、今年のように暑くて死にそう〜、とはならなかった。一昨年の暑さも今年とそこまで違わなかったはず。やっぱり自転車だと風があるので耐えられたんだろう。夏の調査は、できれば自転車で。ただ、ポータブル日陰に馴れてしまったのか、直射日光が肌に痛い。痛すぎる。
●2024年7月28日 野生動物の減少についての5問
課題研究というものらしい。高校生が訪ねて来て、5つの質問をされた。野生動物の絶滅や個体数の減少に関して、
Q1 多くの野生動物が減少していますが、どう思いますか?
Q2 多くの野生動物が減少している原因はなんですか?
Q3 ゴミのポイ捨ては、野生動物にどんな影響を与えますか?
Q4 野生動物の減少は、私たちの生活にどんな影響を与えますか?
Q5 野生動物の減少・絶滅をふせぐために、私たちは何ができますか?
Q1 多くの野生動物が減少していますが、どう思いますか?
これは感想を聞いてるだけなので、答えるのは簡単。“残念です”。
他の質問は、こうざくっと訊ねられてもなかなかうまく答えられない。
Q2 多くの野生動物が減少している原因はなんですか?
昔は狩猟・採集の影響が大きかったのですが、近年は生息環境の減少と外来生物の影響が大きくなってると思います。また近頃は、地球温暖化の影響も目立ってきています。
Q3 ゴミのポイ捨ては、野生動物にどんな影響を与えますか?
どんなゴミを、どこに捨てるかで話が変わります。近頃問題になっているのは、海洋プラスティックですね。
Q4 野生動物の減少は、私たちの生活にどんな影響を与えますか?
生物多様性の減少は、生態系サービスの劣化につながります。という答えでは、一般的すぎてだめかなぁ。
Q5 野生動物の減少・絶滅をふせぐために、私たちは何ができますか?
もし都市に暮らす消費者として考えるのであれば、生物多様性に配慮した会社の製品や商品を買う。逆に、生物多様性に悪影響を与えて生産された原材料を使ったものを避ける。といった形で、個々人の力は小さくても、望ましい方向に少しでも近づけることができると思います。
特定の条件付きで答えるか、思いっきり一般的な答えにするか。でもどっちも質問にちゃんと答えた感じがしない。でも、質問者はこういった答えで良かったらしい。質問の意図が正確に分からないと難しい。
●2024年7月27日 ツバメの集団ねぐらと花火
平城宮跡にツバメのねぐら入りを見に行った。今日は、暗くなった19時45分から15分間、水上池をはさんで北東の自衛隊基地で花火の打ち上げがあるらしい。ねぐら入りを見てから、しばらく待ってたら見れそう。
待ってまで見る気はなかったのだけど、ねぐら入り終わって、参加者からの質問に答えたり、なんやかんやしていると、花火が打ち上げられる時刻になった。
離れているし、ツバメに影響はないかなぁ。と思っていたのだけど、最初の1発の音が聞こえると、ねぐら入りしていたツバメの多くが一斉に飛び立った。周囲を飛び回っている。まさか、このまま他所に行ってしまうんじゃなかろうな。来週もツバメのねぐら入りの観察会あるんですけど! と思っていたら、やがて元のヨシ原に戻ってくれた。そして、なぜか2発目以降では飛び立たなかった。大丈夫なのかな?
大阪では、ねぐら地で、花火を上げられて、ツバメのねぐらが移動した例がある。久米田池にツバメのねぐらができていた頃には、近所で花火大会があるまでは、久米田池にいるけど、花火大会を境に、ねぐらが移動するを繰り返していたらしい。
花火で驚いて、その日のうちに、ねぐらを移動するのか。それとも次の日から別の場所に変えるのかよくわかっていないと思う。明日も同じ場所に集まってくれるといいのだけど。そして、来週のツバメのねぐら観察会ができますように。
●2024年7月24日 酷暑の中のイソヒヨドリ探し
今日は東大阪市を約6時間、反時計回りにぐるっと歩いて公園巡り。朝はどこでも日陰で楽だったが、その後は陽がさすし、気温上がるし、予報と全然違う。ポータブル日陰のおかげで乗り切れた。もうポータブル日陰のない頃を思い出せない。でも、朝の全部日陰状態が一番楽なのは間違いない。
大きめ公園にはたいていムクドリがいる。イソヒヨドリはほぼ見つからない。
あるメッシュでイソヒヨドリを記録できれば、もうそのメッシュでは探さなくて良い。なんなら隣のメッシュでも気を抜いてたりできる。でも、イソヒヨドリがぜんぜん見つからないと、ずーっと探さないといけないので大変。4月から5月前半くらいまでなら、囀りで見つければいいから、余所見しながら、ノートになにか書きながら、耳だけすませていればいい。耳をすませている時に、車が通過するとイラッとするくらい。その後も6月前半くらいまでは、ヒナの声を頼りに探せる。が、その後は、ほとんど鳴かなくなるので、もっぱら目で見つける必要がある。余所見ができない。目線は斜めやや上で、左右をキョロキョロしながら、電柱の上、アンテナの上、屋根の上にいる鳥を探す。いた!と思ったら、ヒヨドリでした。なんてこともけっこうある。意外と似てる。イソヒヨドリと名づけた人はけっこう鋭い気がする。
●2024年7月23日 ポータブル日陰の威力
昨日は暑くてヘロヘロになった。酷暑の炎天下を歩き回っていると、本気で生命の危機を感じる時代になった。そのため、神を召喚しまくってるのだけど、酷暑の前に神パワーがすぐに切れる。そして、ザックの中は氷のとけたムギ茶だらけになって、荷物が重すぎる! なんとかならんのかと考えて、そういえば晴雨兼用の折りたたみ傘を持ってることを思い出した。そういうわけで、今日は日傘デビュー。その威力はすごかった。
ポータブル日陰がこんなに快適とは今まで知らなかった。不覚。日傘さしてる人を、なんとなく馬鹿にしてる訳でもないけど、日焼けしたくないのかなぁ、としか思っていなかった自分を恥じた。
とにかく、ポータブル日陰にいると、ほとんど暑くない。動いてるから、なにかしら風もある。これなら、神のご意向はほとんど必要ない。コンビニによる回数も減った。お金もかからなくて有り難い。
唯一の難点は、手がほぼ一本ふさがること。いっぱい記録しまくる調査だと不都合かもしれないけど、記録項目少なく、双眼鏡使わないムクドリ探しなら、ほとんど問題なし。どうせ神を召喚した時も、片手はペットボトルでふさがってるしね。
片手がふさがるのを避けるには、日傘的なものを頭にのせるか、背中に背負うかしたらいいんだろうけど、頭や背中が熱くなりそう。笠地蔵の笠みたいなのがいいのかも。
●2024年7月22日 大阪府のムクドリ繁殖分布調査 追い込みウィーク突入
ハッカチョウとイソヒヨドリの繁殖分布調査もしてるけど、こっちの2種はおおむね分布図が完成したのて、残るムクドリに集中。とはいえ、ついでにハッカチョウやイソヒヨドリも探すけど。
最後の追い込みとして、今日から5日間を予定していたけど、昨日の行事が流れたから、実質昨日から始まってる。昨日は、摂津市と茨木市南部を、安威川沿いを中心に。今日は阪南市と泉南市を山手中心に、岬町東部添え。
そもそも昨日は、熱中症リスクが高いから野外行事が中止になったのだけど、その集合場所待機の後、炎天下の中を歩き回ったのだから、少し矛盾を感じつつの調査。
そして今日も炎天下の中の調査。観察会なら100%中止。案の定、死ぬほど暑い。日向は日差しが皮膚に刺さって痛い。コンビニに入っては涼み、凍ったお茶を仕入れること7回。飲み干すより氷が解けるのが早いので、荷物がドンドン重くなる。午後になると明らか体温高めで、コンビニにしばらくいても下がらず。死ぬ前に帰る事にした。といいつつ8時間も歩いたけど。
●2024年7月20日 貝塚市の市街地を縦断の横断
昨日は、酷暑日の中、5時間半ほどかかって、二色浜から水間観音まで、貝塚市をほぼ縦断した。細長い貝塚市の長い方向に歩いたので、縦断と言いたいけど、方角的には北西端から南東方向に歩いた感じ。横断とも言えそう。そして、貝塚市の南東端には和泉葛城山なのだけど、市街地のほぼ南東端。ということで水間観音でゴールにした。せめて蕎原まで歩けという意見は聞かない。主な目的はムクドリ探しなので、水間観音から山間部に入ってもあまりメリットがない。
そして、なにより炎天下だと妙に疲れるので、早めに切り上げた。15km位しか歩いてない。そして酷暑の中では、やはり凍った麦茶が神。今日も3柱の神に助けて頂いた。片手に神、片手にノートと地図。ただ後半は、風があったせいか、あまり暑く感じなくなっていた。逆にそれで大丈夫か、少し心配になった。
●2024年7月18日 大阪府のハッカチョウ・イソヒヨドリ・ムクドリ繁殖分布調査 あと2週間
大阪府のハッカチョウ・イソヒヨドリ・ムクドリ繁殖分布調査は、4月に始まって、7月末まで。あと2週間。最後の追い込みの時期になってきた。各種の状況を整理した。
【ハッカチョウ】
既知の地点はすでに確認済み。思いがけない場所からの情報も届いてる。改めて調査はしなくて大丈夫。あとは想定外の場所から情報が届くかもなのを待つだけ。あるいは偶然の出会いに期待するだけ。とはいえ、寝屋川市で記録されているのに、今年確認出来ていないのは気になる。
【イソヒヨドリ】
これ以上の追加情報がなくても10年前より記録されたメッシュは多いし、広く分布していることは立証された。まあ、まとまって抜けてるエリアのメッシュがもう少し埋まったら嬉しい。以下にあげておく。
<淀川より北>山間部が少し気になる程度。
<淀川と大和川の間>
・大阪市では、此花区舞洲、港区西部(天保山)、西成区、都島区、東成区、平野区北部
・大阪市以外では、枚方市南西部、寝屋川市東部・南部、門真市北東部、東大阪市北西部
<大和川より南>
・埋立地では、関西空港、貝塚市人工島、阪南2区埋立地、泉大津市フェニックス、高石市高砂
・貝塚市の大部分、泉南市の山手、阪南市南西部
【ムクドリ】
これが一番の問題。全体的に情報が薄い。10年前のように繁殖情報だけでは充分な分布図になりそうにないので、繁殖期の生息情報でいいことにした。まとまって抜けているエリアは以下の通り。近所がいっぱい抜けてる…。
<淀川より北>
・茨木市西部、摂津市の大部分、高槻市西部・東部。
・大阪市では、東淀川区北東部
<淀川と大和川の間>
・枚方市南西部、寝屋川市西部、守口市の大部分 ・東大阪市の西半分
・大阪市では、鶴見区南部・城東区・東成区・生野区
・東住吉区北部、此花区西部
<大和川より南>
・富田林市南部、河内長野市の大部分
・貝塚市全域、熊取町全域、泉佐野市・泉南市の内陸部、阪南市・岬町の大部分
●2024年7月16日 大阪市最北端を歩く
7月前半は、想定外にネコ展が忙しく、ぜんぜん調査に行けず。ようやくネコ展がオープンしたので、大阪府のムクドリ・イソヒヨドリ・ハッカチョウ調査を再開。すでに、ハッカチョウの調査は終了といっていいので、おもな目的はイソヒヨドリとムクドリ探し。イソヒヨドリの分布図は充実してるけど、もう少し情報があったらいいな、と思う場所はもれなくムクドリ情報もないので、イソヒヨドリとムクドリ探しの両立は簡単。
と言う訳で、中島川から神崎川沿いを、おおむね一通り歩いた。厳密には、神崎川より北にも大阪市はあるけど、まあ最北端のラインを歩いた、と言って良いんじゃないかと。
寝坊したから昼スタート。阪神福駅から、緑道沿いに淀川へ。これはこのコースでムクドリを見たことがある記憶があるから。思ったより少なくて焦ったがなんとか確認。矢倉緑地はすでにイソヒヨドリ情報があるので、西島川沿いに神崎川まで行って、神崎川の右岸側を先端まで行って、中島川沿いを戻る。神崎川との分岐で神崎川をたどる。
イソヒヨドリとムクドリは、どちらもまあまあ見つかったけど、あまり密度は高くない印象。イソヒヨドリはあまり鳴かない季節になったので見つけるのが難しい。ムクドリは逆に巣立ちビナがいるはずなので、もっと効率良く繁殖確認ができそうなのになぁ。
●2024年7月15日 鳥の調査の勉強会2024年2回目
今日は鳥の調査の勉強会があった。ここんところ、年3回集まっている。毎年、4月の年度初回はまあまあ集まるけど、その後の集まりは悪い。今日は3人だけ。それぞれデータ量がしっかりしてるので、時間をかけたやりとりができて良かった。
大阪市の公園におけるタカ類の羽根むしり跡の分布の話
何年もかけて大量のデータが集まってる。ネックは、誰が食べたのかは確実には分からないことと、調査の中で公園の環境が随分変わってしまったこと。
でも、羽根をむしってるのは、大部分タカだろうし。羽根をむしる場所の環境選択ははっきりしてそう。タカの羽根をむしる場所選択の話はできるように思う。
幸い区画ごとにデータがあるので、環境変化前のデータで、どんな環境で羽根をむしるかを、区画単位で解析。環境変化のある区画をピックアップして、その環境変化と、羽根むしり頻度の変化を対応させてみると、綺麗に出そうな予感がする。
愛知県東部のケリの繁殖分布の話
まずは大阪府とぜんぜん違うケリの繁殖環境に驚いた。キャベツ畑がそんなにあるんやね。そして、稲作とキャベツ畑の実情がケリの繁殖にとても影響してそうで面白かった。
というわけで、年変動の大きいキャベツ畑の環境を絡めて、ケリの繁殖の年変動を調べたら、とても面白い研究になる予感。経済が、ケリの生活に直結、みたいな。
●2024年7月14日 ネコの大先生の講演会
今日は、特別展ネコの普及講演会。もちろん講演者はネコの大先生。知る限り大阪市立自然史博物館で講演して頂くのは2回目。前回はイエネコメインだったので、野生ネコについて話して頂くのは、これが初めて。いろいろ勉強になった。とくにイリオモテヤマネコの特殊性の話、そして、講演後の質疑。
ネコ展の展示は設営段階から見てたし、プレビューの解説も聞いていたのに、全然気づいていなかったのは、イリオモテヤマネコとツシマヤマネコの食性の違いの原因。ネコ展の展示は、北九州の文化なのか、解説が驚くほど控えめで、見所が全然わからないんだもん。
イリオモテヤマネコとツシマヤマネコの食性が違うってことは、展示をちゃんと見たらわかる。イリオモテヤマネコは、鳥や昆虫も食べるけど、両生爬虫類をよく食べて、テナガエビやオオコウモリも食べる。トカゲは、ぶつ切りに?み切れる。なので、顎の骨が分厚くしっかりとしてる。一方、ツシマヤマネコは、カエルや昆虫も食べるけど、主食はネズミやモグラといった小哺乳類。
わかってなかったのは、小型の野生ネコは、世界中を見渡しても基本的にネズミなど小型哺乳類が主食ってこと。しかし、西表島にはコウモリ以外の小型哺乳類は生息していない(クマネズミはあとから人間が持ち込んだ)。そこで、イリオモテヤマネコは両生爬虫類食にシフトしたんだろうってこと。
西表島の生物相が特殊とは知らなかったし、そのためイリオモテヤマネコの食性もネコ科の中で特殊なものになった。そいういう視点で考えたことがなかった。そういうことになるのか。考えたら当たり前やけど、考えたことがなかった。
ヤマネコはかつては石垣島にもいたはず。石垣島のヤマネコは何を喰ってたんだろう?
●2024年7月12日 プレビュー3本と収録2本
明日からのネコ展オープンの前に、今日は朝からプレビューが3本。プレス向け、来賓向け、友の会その他のみなさん向け。その合間に番組収録が2本。とまあまあ忙しい。
プレビューは、挨拶は館長、解説はネコ専門の学芸員さんがやってくれる。とても楽チン。仕事は会場にいることだけ。あとは友の会会員さんとやりとりとか。
収録は、大阪で流れるので、大阪の担当者が出演しろとのお達し。生放送ではないのが、せめてもの救い。と思ってたら、ネコの学芸員さんが見にきてるではないか。それはあかんやろ。遠慮してダメ出ししてくれないから、かえって心の中でどう思ってるのか心配。大きく間違ったことは話してないけど(そこまで突っ込んだ質問はこない)、ちょっと言い回しに、心の中で失笑とか。疑心暗鬼が半端ない。
収録1本目は、松竹のやる気元気な芸人さんの番組。ただMCはロケに来なくて、ワイプで登場。その人にカメラ目線で呼びかけるというくだりがあって、なんか恥ずかしい。仕方がないからやったけど。純然たるニュース番組にコメントするのは、何度も経験があるけど、こういうのはさせられない。バラエティ色のある情報番組ってこうなのか〜。カンペ読むのも慣れてない。
あとは台本どおりのポイントで、コメントして歩く。カメラマンさんが若めでフランクで、ディレクター的にいろいろ指示してくださる。OKかどうかもカメラマンさんが一人で決めていた。もっと元気に!という指示が多め。素人はカメラ回ってない時は元気に喋っていて、カメラ回るとおとなしめ。カメラ回ってない時のテンションで!と言われてしまった。
とはいえ、おおむねテイク2〜3くらいでOKしてくれた。ってゆうか、同じことを何回もやると、こっちは飽きてしまう。それが伝わったんだと思う。
収録2本目は、局のアナウンサーさんと一緒に展示を回って、やりとりする形。幸い歩くシーンは少なく。ポイントごとに収録が基本。こちらでは、ネコ耳をつけられた。でも、ネコ手ポーズは断固拒否。
ちなみにアナウンサーさんは、同い年で、出身高校も同じ。こっちは高校時代を知ってるけど、向こうは気づいていない。なんとなく、そのまま放置した。高校時代、存在感なかったんだなぁ。
ともかく収録では、ネコの専門家でもないのに、専門会のふりをして、ネコ屋さんに教えてもらったことを喋りまくる。なんか疲れる。
●2024年7月11日 ネコ屋さんにネコ展のいろいろを質問
質問してるスタッフの話を隣で聞いた。
ツシマヤマネコとイリオモテヤマネコのホネの見分け方?
第2臼歯の有無が展示されてるけど、記載時のイリオモテヤマネコの特徴は、鼓室胞の後ろ側の壁との間に隙間があること。なれれば、
イリオモテヤマネコの方が
・吻が少し長い。
・下顎枝筋突起(上に飛び出てるとこ)に厚みがある。
・咬筋窩が深い、というか外に張ってるというか。
でも見分けられる。全体的にイリオモテヤマネコの方が大きく、骨太な感じなのだそう。
イリオモテヤマネコは何を食べる?
いろいろ食べるけど、爬虫類と大きなエビが多い。カエルや鳥やオオコウモリも食べる。
オオコウモリは樹上の果実がなくなると地上に降りることがあるので、そこを狙うのかも。
泳ぐことがよく知られているけど、泳いでエビを採ってるかは不明。岸で採ってるかも。魚は採らないらしい。そもそも東南アジアの野生ネコは、泳ぐ種が珍しくない。
堅いカニは食べない。イノシシ襲ったりもたぶんしない。
ツシマヤマネコは何を食べる?
おもにネズミ。海岸で打ち上がったものも食べてるらしい。
集落で外ネコに与えているキャットフードは食べてないらしい。
秋のイネが実る頃は、水田の畦によくいる。
ネコは手先を捻れる、前肢を拡げられる。イヌは普通できないのは、何故?
捻る捻らないには、橈骨の近位の関節に違いがあるんだと思う。橈骨と尺骨の間の隙間にも関係があるかも。
前肢を拡げられるかどうかは、ホネではなく筋肉の問題かと。でも、肩甲骨には違いがあるかも。
勝手に書けないけど、いま研究テーマにしてることも話してくれた。
餅は餅屋で、とても勉強になった。
●2024年7月10日 アイガモ問題、キジ亜種問題
3日後のオープン、2日後のプレビューに向けて、ネコ展の展示物がおおむね並んできた。並べるのはネコの学芸員さんに完全にお任せだったので、せめて間違いがないかチェックして、少しでも貢献しておこう。と思ったけど、ネコの専門家さんが並べる哺乳類に、鳥屋ごときがミスを見つけられない。撮影を意識して、少し位置を動かしてもらった程度。
そういえば日本のヤマネコ展示コーナーには、鳥の展示がある。ここで難癖つけてやるぜ。と思ったのだけど、西表島の展示ではなにも問題を見つけられず。そらそうか。と思いながら、対馬の展示を見て、ちょっと嬉しくなった。ツッコミどころがあるじゃないか。
剥製を寄贈された時に、しばしば悩むのが、あるいは野外で出会っても悩むのが。マガモなのかアイガモなのか問題。生物学的には同種。マガモを家禽化したのがアヒル。アヒルをマガモと掛け合わせたのや、マガモに似たアヒルを、俗にアイガモと呼ぶ。現実的には、マガモとそっくりなアヒルやアイガモは区別できない。が、少しでも変だったら、アイガモを疑う。
対馬のコーナーに並んでいたマガモのオスは、明らかに首の白輪が太すぎる。これは、アイガモと呼ぶやつ。哺乳類は家畜化したら、原種とは別の学名を当てるので、家畜を原種として展示すると間違いになる。しかし、鳥の場合、家禽と原種は同種扱い、同じ学名。家禽を原種の名の下に展示しても間違いではないと言い張ることはできる。でも、気持ち悪いので、当館所蔵の文句の出そうにないマガモに代えてもらう。
剥製を寄贈された時に、もう一つしばしば悩むのが、キジの亜種問題。キジは亜種に分かれまくりなので、亜種の同定はけっこう難しい。ニホンキジはまあまあ独特のカラーパターンなので、その同定はできるのだけど、コウライキジなど大陸系のキジの亜種は、不勉強なもので、いまいち自信がない。
これアイガモやんなぁ、と見ていて、ふと隣のキジにも目がいった。対馬なのでコウライキジを展示するのはいいんだけど、なんかコウライキジにしては、赤くないかな? 資料を持ってきて調べてみる。どうもモウコキジがそれに近い亜種らしい。少なくともコウライキジではない。種キジとして展示するなら問題なけど、亜種コウライキジとして展示するのは間違い。コウライキジって書いてあるなぁ。仕方がないので、当館のコウライキジを引っ張り出してみた、偶然にも対馬産であった。ぴったりやん。ということで差し替え。
【追記】
ネコ展は、大阪の後、鳥取に巡回。間違った展示を放置はできないので、先方の学芸員さんにアイガモとコウライキジについて伝達。幸い先方も、マガモとコウライキジの剥製を持っているそうで、そっちを展示することになった。
モウコキジは、名古屋から大阪、鳥取と巡業するけど、日の目を見たのは名古屋だけってことになった。むしろ標本としては、モウコキジの方がレアな気がするけど。
●2024年7月8日 電車が止まる朝
今日は、他に日程がとれず、無理矢理ルーティンの調査に出かけた。特別展の設営に立ち会った方が良いのだけど、それは一時忘れて。いつもより早く始めて、早く終わらせて早く帰ってきて、午後からでも立ち会おう。と思って、いつもより早く起きて早く出掛けた。
天王寺に向かう阪和線の中で、驚愕の情報を見てしまう。午前5時半頃の人身事故で大和路線が止まってる?!
それでも、午前7時に運転再開とのアナウンスなので、一応天王寺駅に行ってみる。天王寺駅ではすぐ電車に乗れたが、王寺駅行き。運転再開したとは言え、ダイヤは乱れまくっている。王寺駅まで1時間かかった。そして、その後、電車がぜんぜん来ない。
王寺駅で待たされている間に、こんなことなら、難波から近鉄奈良線経由で、スタート地点のJR郡山駅に行った方が早かった。判断を誤った〜。と思ったけど、王寺駅に来てしまった以上、もう手遅れ。近鉄生駒線や近鉄田原本線経由も考えたけど、かなり時間がかかるので、やむを得ず王寺駅でそのまま電車を待った。結局、王寺駅で40分待ち。調査スタートは1時間半遅れ。最初から判れば近鉄に回ったのに。
40分いた王寺駅のホームには、同じく電車を待つ高校生が大勢いた。早い段階で、高校生たちは遅刻確定。でも、焦る様子はない。みんなで遅れれば怖くない。のだろうし、時々あることらしく、どうせ一時限目は自習という声も聞こえる。
暇なので、足元に目をやると、ホームを小さなトカゲがウロウロしていた。踏まれそうなので、人のいない方へ誘導。無事にホームの外へ出てもらえた。下向いて変な動きをしていたら、高校生に気づかれた。ちょっとばつが悪い。
●2024年7月7日 ヒメアマツバメがイワツバメに変わる話
昨年の繁殖期、大阪府のコシアカツバメ、イワツバメ、ヒメアマツバメの繁殖分布調査をした。それまで大阪府で見つかったことのあるヒメアマツバメの繁殖地を、昨年チェックしたが、ヒメアマツバメは一切見つからず。茨木市、泉南市、阪南市の3ヶ所で、新たにヒメアマツバメが見つかった。
中でも、阪南市の営巣地は過去も含めて、大阪府最大の営巣地らしい。過去も含めて、大阪府でのヒメアマツバメの営巣地は、他はすべて、ヒメアマツバメが営巣しているといっても1巣だけの場所が多く。多くてもせいぜい5巣以内。それが、巣の数はさておき、ヒメアマツバメが10数羽いたというのだから。
昨年は調査に忙しかったので、見に行けなかった。で、今年、サークルの観察会として、阪南市と泉南市のヒメアマツバメ繁殖地を巡ることにした。
午前中、まずは大阪府最大の呼び声の高い阪南市の営巣地へ向かった。駅から歩いてちょっと行った場所の高架下に、大規模なコシアカツバメの営巣地があり、そこにたくさんのヒメアマツバメがいる予定。
着いてみると、確かにコシアカツバメの大きな営巣地。巣の数が100巣以上ある。どこまで使ってるか評価しないと判断できないが、これ自体、大阪府最大規模っぽい。
で、ヒメアマツバメを探すが、見当たらない。そんなことには驚かない。多いと言っても10数羽。巣の外に出てる個体は、留守にしてる時間帯が多いはず。昨年も団体で登場したという記述だった。コシアカツバメの巣でも数えて、帰りを待とう。と思ったら、なんかコシアカツバメの巣に混じって、イワツバメみたいな巣がある。チェックして回ってるといくつも見つかる。本当にイワツバメかなぁ、と思ってたら、本当にイワツバメが帰ってきた。帰って来始めたら、次々と帰ってくる。イワツバメの巣は8巣ほどあって、すべてに出入りした。8ペア16羽ということになる。昨年の調査で、泉南地域で確認されたイワツバメの営巣地は貝塚市だけ。阪南市は大阪府最南端ということになる。これは新発見。
で、肝心のヒメアマツバメはまだかな? とりあえず弁当を食べながら待つ。1時間半待ったけど、帰ってこない。飽きてきた。もう一度、見てまわったけど、見える範囲にヒメアマツバメが使ってそうな巣はない。おかしい。
そういえば、ヒメアマツバメもイワツバメも、腰が白い。尻尾が短いのも同じ。昨年のヒメアマツバメも、今年のイワツバメも、個体数は10数羽。これまた同じ。
昨年のヒメアマツバメが、今年は腹の色を白くして、イワツバメに変わったと考えるとつじつまがあう。昨年報告してくれたみなさんは、鳥の同定力に問題はないので、まさかとは思うけど。昨年、本当にヒメアマツバメだったのか、と思ってしまうのは仕方が無い。
ということで、ヒメアマツバメに振られ、あまりに暑くて、泉南市の繁殖地に行く気も失せて、そのまま帰ってきた。残念。
●2024年7月5日 初めて筑波某所に潜入
関東博物館巡りも最終日。最後は超有名な筑波某所。話には聞いていたが、スゴイ場所だった。建物の高さ、トラックヤードや収蔵庫の広さ、設備、さりげなく置いてある備品、もちろん収蔵物。すべてにおいて群を抜いていて、共感ポイントはほとんどない。自分とこと比較する気にもならない。と思ってたら、収蔵庫のニタリクジラの椎骨がパキパキに折れていて、何故か親近感。
液浸以外の脊椎動物標本の収蔵庫だけでも2つあって、片方がホネ、片方が剥製。それぞれとても広い。さらに増築中で、片方は海の動物のホネだけになる予定らしい。
午前は、ホネの収蔵庫でホネの梱包。小さい骨は、分類群ごと、種ごとに大きな衣装ケースみたいなのに入って、棚に並んでいる。ケースごとに分類番号が振ってある。棚ではなくケースを分類するのは賢い。真似しようかな。
天井からは大量のクジラがぶら下がり、頭骨が立てかけてある。イッカクはあいにく出張中だけど、セミクジラの全身骨格が見れたし。ツノシマクジラとニタリクジラの頭骨が並んでいて、比較ができる。アマゾンカワイルカの全身骨格もあって、指の数が6本に見えると、密かに盛り上がる。他にダックスフンドの脛骨・腓骨、ツチブタの頭骨・椎骨も面白かった。
借りる標本の梱包は、ユキヒョウの全身骨格がない!という事件があったが、不思議な形で解決され、一段落。と思ったら、最大の驚きが待っていた。担当学芸員さんが、最近受け入れたネコ科動物の標本の中に、コロコロがあるけど、見る?と言い出したのだ。ネコの学芸員さんと色めき立つ。見る見る。確かにコロコロと書いてある。少なくとも南米の小型ネコなのは確からしい。てっきり国内には存在しないと思っていた。これは是非追加で借りたい。というと、けっこう二つ返事でOK。さらに驚きは続く、コロコロの本剥製もあるという。
午後、今度は剥製の部屋で梱包作業。ここも気になる標本がいっぱい。が、それ以上に気になるのは、コロコロの本剥製。燻蒸が終わったばかりというコロコロ本剥製をさっそく見せてもらった。ネコの学芸員さんが、本当にコロコロだ!と盛り上がってる。ついでにジョフロワネコの本剥製も出てきた。この2つとも追加で借りる!と言ってみたら、これまたOK。
先方はOKでも、運送屋さんは大丈夫なのかと心配になったが、運送屋さんもOK。前回も現場で借りる標本の差し替えや追加があったそうで、それを見越して、箱や梱包材を多めに用意してきてるらしい。素晴らしい運送屋さんだ。そして、変な博物館だ。コロコロは、たぶん登録前に、うちの博物館で本邦初公開になるけど、いいのかな?
コロコロで盛り上がった後、落ち着いて剥製の部屋をウロウロさせてもらった。大量の本剥製が立ち並び、トロフィーもいっぱい。アルガリ、モウコガゼル、カワイノシシ。哺乳類好き、特に偶蹄類好きは楽しい。現在開催中の哺乳類の特別展に一杯出しているのに、コレだけ残ってるとは!
大量のウミガメ剥製が、棚に縦になって詰め込まれていて、溢れそう。なんじゃこれ。と思ってたら、ウミガメ研究者さんにデータ付きのが大量にあるから、引き取ってくれと押し付けられたらしい。採集データがあるなら、残す意義はあるだろうけど、引き取れるのはココだけだな。
大量のアマミノクロウサギの仮剥製も見せてもらった。一部に足先の白い個体がいるというので探すと、確かに白たびが混じる。中には白ハイソックスもいる。家畜ではなく、野生個体に白ブチが出たりするとは知らなかった。白ブチ個体が選択的に交配していけば、やがてアマミノシロウサギになるかも。とかいって盛り上がる。
ものすごく楽しい空間だった。また行きたい。というか、よその博物館の収蔵庫見学楽しいな。また他の場所にも行きたいかも。
●2024年7月4日 車でしか行けないミュージアムな公園
関東博物館ツアー2日目は、北関東の博物館。バスは土日祝のみで、日に3本しかない。平日はもちろん土日祝でも公共交通機関は利用しにくく、ほぼ車でしか行けない博物館。最寄駅からタクシーで20分。じゃあお客さんは来ないのかというと、そんなことはなさそう。ここらは車社会だし、平日だというのに駐車場は観光バスがいっぱい。繁盛してる。
早めに着いて屋外で約束の時間まで待つ。とても暑い。バックヤードの外には、骨が浸けられたタンクがいくつも並ぶ。なんか親近感が湧く。館内では、敷地内で一番臭い場所と呼ばれているらしい。別にそんなに臭わないけどなぁ。
ここでも、借りる標本を出してもらった後は、運送屋さんが梱包作業している間。学芸員さんと博物館の共通話題で盛り上がる。昨日も今日も一緒に行ったネコの学芸員さんと、地元の学芸員さんの間では、燻蒸が一番の話題。漏れ聞こえてくる範囲では、今まで各地の博物館が使ってた薬剤が、今年度いっぱいで生産中止。今のうちに大量に買い占めるにしても、急に生産量が増やせるわけではなく、有効期限の問題もある。現在の燻蒸室で使える代わりの薬剤は、扱い面倒な割に、効きがイマイチ。扱いやすい二酸化炭素は、燻蒸室の改修が必要。改修の予算要求は秋! ということで、今、各地の学芸員が盛り上がってるらしい。うちは今世紀になってからは、冷凍して虫殺すことにしたから、この話題は蚊帳の外。
でも、昨日も今日も、博物館のトラックヤードには、ホネが色々あって楽しい。虫が付いても平気だから、満杯の収蔵庫から弾き出されやすいらしい。今日は、アライグマ頭骨2000点超えが凄かった。駆除されたアライグマの全てを標本に残そうとしてたとのこと。担当者がクマ屋さんなので、クマの骨もいっぱい。
個人的に一番盛り上がったのは、冷凍室への配管の結露で、1階の天井から水が垂れるという話題。うちと一緒。親しみが湧く。
借りる本剥製を出してくるついでに、見どころを教えてくれた。2人が口を揃えたのが、マヌルネコの後肢の裏が茶色いことと、カナダオオヤマネコの足裏の肉球を隠す長い毛足。カンジキ履いてるみたい。展示する時は、足裏見せなきゃ!という話になった。
梱包終わった後、収蔵庫も見せてもらえた。動物+昆虫、植物、地学、液浸の4部屋の内、動物+昆虫の部屋。1層目が脊椎動物で、哺乳類、鳥、魚、カメの本剥製が沢山。クマの充実がスゴイ(全種コンプリート)。大量のタヌキの仮剥製もインパクト大。鳥の本剥製も充実していて、もっとゆっくり見たかった。
充実の収蔵庫のインパクトは大きかったけど、最大の驚きは、学芸スタッフの半分以上が、学校の先生が移動で来てるってこと。本人の能力に関わらず、希望ですらなく、研修的に異動して来る。で、専門でも無い分野を割り当てられる。そして、たいてい数年でまた異動していくとのこと。パーマネントなスタッフへの負担がとても高そう。
中長期的な計画を立てるのが難しそうだし、研究のことがわかるスタッフの数が限られているのは、あちこちに無理が出やすそうな気がする。
●2024年7月3日 神奈川県にある地球の博物館
今日は朝から新幹線に乗って小田原へ。小田原は、のぞみが止まらないから、久しぶりにひかりに乗った。ひかりすらあまり止まらないので、最後はこだまに乗り換えた。そして箱根登山鉄道。4時間半の電車旅行は疲れた。入生田駅前はイワツバメが飛び、ガビチョウの声がする。博物館が駅近なのはいいなぁ。
10日後から始まる特別展に向けて、今日から関東の博物館で借りる標本の梱包の立ち会いという出張。立ち会いは必要だけど、梱包するのは運送屋さんなので、正直ヒマ。巡回展2巡目なので、担当学芸員も運送屋さんも要領がわかってるから、立会人は本当に立ち会ってるだけに近い。より一層ヒマ。
でも、長い待ち時間の間に、収蔵庫見せてもらえるし、事情を色々聞けて、ある種とても有意義ではある。古い建物は、いずこも雨漏り問題を抱えていて、とても親近感を覚える。生物系の学芸員の配置が、うちと比べて、植物は同じだけど、昆虫は少なく、動物とくに脊椎動物が手厚い博物館であった。うちが一人でやってるのを、3人がかりでやってるような。
できて間もない頃、ここの収蔵庫は見学させてもらったことがある。高い天井で棚も高く使いにくそうという印象だったが、いろいろ改善されている。大きなコンテナめいた枠だけの箱が積み上げられていて、大きな標本には便利そう。ただ、上げ下げするフォークリフトが必要でかさばってる。2段までならうちでもありかなぁ。
スミロドンの頭骨レプリカの顎を動かすのを間近に見せてもらった。とても変わったネコだった。長い上顎の犬歯。一方、下顎の犬歯は短く、切歯と見まごう。前臼歯+臼歯は、上顎は普通に3本だけど、下顎は2本みたい。上顎犬歯にあたらないように、下顎の先の方に細くなってる部分。なぜか顎関節の幅が短く、厚みも変わる変な形。
標本が無事梱包されるのを見届けてから、電車に3時間乗って、つくばへ移動。何もしてないのに疲れた。
●2024年7月2日 お出掛け準備
明日から泊まりでお出掛け。っていうか出張。たった2泊3日なので、一年前なら、ろくに準備なんて考えないのだけど、今はネコがいるので、ちょっとしたイベントに。
考えてみると、ネコが来てから、泊まりで出かけるのは初めて。一晩帰ってこないだけのナイトハイクの下見はさておき。色々試行錯誤。
2泊とはいえ一人でおいておくのは不安。でもペットホテルは、あまり楽しくなさそう。って事で、知り合いにエサやりとトイレの世話のバイトを頼む。
となると、部屋を片付けなくては! 面倒。
洗い物して、シンクまあまあ綺麗にして、テーブル拭いて。トイレ掃除して、風呂は排水周りだけでも掃除して。ここまでで力尽きそう。洗濯物と布団は隠すことにして、あとは床を掃いたら一応完了。自分的には驚くほど片付いたが、他人が見たらそうは思わないんだろうな。でもまあ仕方がない。
数日いないから、ネコに関係なく、冷蔵庫の中身を食べなくては。
で、なにを持っていくんだっけ? 出張先での仕事は、単なる立ち会いなので、着替えと本があれば十分な気がする。