日記風覚え書き

2024年10月、11月、12月
(2005年1-3月4-6月7-9月10-12月、2006年1-3月4-6月7-9月10-12月
 2007年1-3月4-6月7-9月10-12月、2008年1-3月4-6月7-9月10-12月
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 2021年1-3月4-6月7-9月10-12月、2022年1-3月4-6月7-9月10-12月
、2023年1-3月4-6月7-9月10-12月)、2024年1-3月4-6月7-9月、10-12月)

 知り合いに勧められて(あるいは無理矢理登録されて)、ブログというのを書くことになった。ネット上で同じ興味を持った人のコミュニティを作る試みとしては、ちょっとおもしろそう。というわけで、仕事上の興味もあってつき合うことに。でも、そのサイトは、ちょっと閉鎖的なコミュニティなので、書いた物をこっちにもミラーリングすることにしました(他で書いている関係で、文体が少し違います)。他のコーナーにはちょっとそぐわないかな、という内容を中心に書きます。どっちかと言えば、軽めの「近頃の博物館」みたいなの。◆は思いついた事を書いた場合に付けてあります。ちょっと理屈っぽい。その他、遊び心が中心の場合もあります(というより多い?)。ふざけてる!というお叱りは受け付けません。
 タイトルは、最初は単に「日記」としましたが、「日記風小ネタ集」に変え、やっぱり「日記風覚え書き」にしました。また、タイトルは変わるかもしれません。


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●2024年11月14日 アユの孵化

先週11月8日、行事の下見で大和川下流部を歩いた。この辺りで、アユの産卵が確認されているんですよー。と言って、魚担当が、川の中に入っていって、川底をながめてる。へー、こんな感じの場所が産卵場所になるのかぁ。と、岸でながめる。しばらくした時、魚屋が突然大声を上げる。魚の卵があります! へー。と言いながら見せてもらう。超小さい。こんなに小さいもんなの? で、魚種はなに? と問うと、アユじゃないかと。スマホで検索すると、アユの卵は、直径0.8mmほど。ちょうどそのくらいだなぁ。でも、ネットの画像では、石にいくつかの卵が付いてるのに対して、眼の前のは1つだけ。淋しくないか?
なんか判らんけどキープして、魚屋はもっと卵を見つけるべく、石をながめる。こっちも岸近くの石をながめる。石を持ち上げて裏を見る。ウズムシ系がいるなあ。と、しばらくやってから気付いた。この魚卵が付くのは、上側か…。ヨシノボリやないもんな。しばらくして、また魚屋が魚卵を見つけた。さらに見つけて、卵は3つ。持って帰って、孵したいという。まあ、卵のままでは、なんの卵か判らんしな。でも、一日持って歩いてたら、死んでしまいそう。
で、思いついた。幸い、比較的博物館に近い。電話して誰かに取りに来てもらおう。と、勝手に電話して、ハチ屋を呼び出して持って帰ってもらう。

その魚卵が、先週から研究室の机の上で、ブクブクと鎮座している。今週に入って、目が出た! 中で動いてる! と、魚屋は楽しそう。水槽の中の卵がどこにあるのかも判らん。と、大人の眼の萌蔵と二人でぼやく。目みたいなのが見えるから、あれかなぁ。
そして今日、朝来たら、魚屋が盛り上がっている。孵化したという。泳いでいるというけど、ぜんぜん見えない。スポイトで、シャーレにとって、撮影を試みることになった。シャーレの中に入ると、ようやく見えた。透明で、小さくて、細長いのが、素早く動きまくってる。とにかくずーっと動いてる。撮影は困難を極めた。朝から撮影してた魚屋は、昼になっても撮影してる。だんだん習熟してきたらしく、透明なちりめんじゃこみたいなのが撮影されていた。
で、アユなんやね? アユの卵は、2週間ほどで孵化するらしい。ということは、10月末に産卵されたのかな。


●2024年11月13日 博物館実習 2024年秋期普及コース オリエンテーション

今日から5日日程で博物館実習がスタート。秋の普及コースは、大阪自然史フェスティバルを手伝ってもらうのが、ここ数年のパターン。今までは実習のオリエンテーションだけでなく、フェスティバルのオリエンテーション・役割分担・仕切りも担当していた。が、昨年に続き、今年もフェスティバル主担者がそっちをしてくれる。担当が今日だけなので楽ちん。実習ノートのチェックくらいはこっちでしよう。
今回も後のためにタイムスケジュールを記録しておく。

09:30 博物館実習スタート 出欠取って、名札を作らせて、友の会に入会させる。5日間のプログラムの説明(内容、集合・終了時刻、集合場所)、Tシャツを配る、懇親会・打ち上げへの参加希望を確認、ブログの書き方の説明。担当のブログを書いて実習を完了したと評価するとの説明。今回も友の会会員はなし。大学から博物館に渡す物を出してもらう。
※机1台に実習生1人の配置(前もって配布物は設置)。
10:00〜11:35 博物館の間取り、沿革、事業内容(研究、資料収集、展示、普及教育、広報)、友の会・ネットワークなどの説明。博物館に足りないものとして、お金、人手、スペース。
11:35〜12:05 管理棟の案内・解説。特展準備室とネイチャーホールを見せて、学芸員の部屋をのぞき、植物研と地史研に入った。書庫に入り、旧第1収蔵庫〜旧第4収蔵庫を回った。
(12:05〜13:00 昼休み)
13:00〜14:10 収蔵庫見学ツアー。3つの収蔵庫をめぐって解説。二層構造の秘密、壁の違い、タイプ標本、火災時の対応など。なぜ収蔵庫に本があるかも説明。
(14:10〜14:20 休憩)
14:20〜15:45 展示室見学ツアー(常設展)。メンテナンスがメインテーマ。電気の球換えの難しさ、掃除のしにくさを中心に、ダメなケース、ダメな展示を紹介して歩く。また壊されるハンズオン展示や、メンテナンスの難しいオープンな展示の話。来館者がケガをした展示の紹介。第5展示室では、アナログのゲームコストパフォーマンスについて解説。 最後に博物館におけるミュージアムショップの普及教育的位置づけ。
15:45〜 実習ノートの記入。

実習ノートは学芸員がチェックして、コメントなどを書く。御礼とか勉強になったとか書かなくていいから、し損なった質問とか、感想・指摘とかを書くように。ブログも含めて読ませる文章はエンターテイメントを意識して、って指導してみた。

【追記】
実習ノートをチェック。18人分を見て、質問に答えたりコメントしてたら、2時間近くかかった。
今回も、メンテナンス視点での展示案内は好評。触れる展示にかかるコストの話も反応がかった。一方、ミュージアムショップについて言及していたのは1名だけ。ちょっと淋しい。
博物館はお金がない、スペースがない。というのは、座学+館内見学でとても理解してもらえた印象。液浸収蔵庫での愛のある標本の扱いの扱いへのリアクションが多かった。いいな、と思うらしい。
全体的に、こちらの話をよく聞いて、ちゃんと理解してくれた人が多い。そして、好意的に理解してくれる人が多めの印象。なぜか判らないけど、液浸標本は、ホルマリン漬けだと勘違いしている人が何人もいた。はっきりとエタノールだと言わなかったのかも、と反省。
●2024年11月12日 哺乳類の死体に付いてた種子の調査協力 1回目送付

5月半ば、哺乳類による付着散布の研究をする方から、哺乳類の死体に付いてる種子の提供依頼があった。協力するのはいいけど、死んでから付いたのとの区別が難しいんじゃ?とか、やり取りをしてると、6月も後半に。7月からサンプル採取を始めることになった。
で、とりあえず10月末時点で集まったサンプルを送って下さいという指令が着弾。9月の鳥学会大会でも対面で確認された。なんてことでしょう。なんとなれば、チェックしてるけど、まだ1個体からしかサンプルが得られてない。まあ、付着種子が付いてなかった情報も欲しいとのことなので、報告は出来る。念のため、鳥学会大会において、古い死体を処理した場合でも問題ないかと確認問題ないらしい。

10月が終わった。報告せねば。が、サンプルをどこにやったか忘れた。記録用紙に記入したのも行方不明。なんやかんや時間が取れずに、今日になった。今日こそは、サンプルを発見して報告するぞ!
とりあえず記入した記録用紙はすぐ見つかった。が、そのサンプルが見つからない。机の周りを見てもない。研究室内でサンプル貯め込んでるところもチェックしたけどない。もしかして実習室?と探しに行くも見つからない。どうしよう〜。謝るしかないかも。と思っていたら、記録用紙にこんな一文が「サンプルは冷蔵保存してください」。そうや冷蔵庫に入れたんや! そう。真面目なおいらは、言われた通り冷蔵してたのであった。目出度し。2時間ほど無駄にしたけど。机の周り片付いたけど。

2024年7月から10月に処理したのは、ムササビ1体。ニホンイタチ5体、チョウセンイタチ2体、ハクビシン1体、アライグマ1体。イルカが4体あったし、ヒツジにアシカと大物もあって、日本産の陸生哺乳類の処理が少なめだった。ちなみに産地は、岩手県から鹿児島県にちらばり、大阪府産は1体のみ。どう思われるんだろう。
とにかく、報告は半年に1度らしいので、次は4月まで。今度はもう少しサンプルを集めておきたい。そして、置き場所を忘れないようにしたい。
●2024年11月11日 7回目の動物病院

11月になって、うちのネコのかかりつけ病院からお手紙。昨年、予防注射を受けてから1年になるから、また受けに来なさい。と。
自分の予防注射は、新型コロナウイルスのワクチンを2回打っただけで、長らく受けていないのだけど、ネコのは受けねば。
で、先週の水曜日に早退して行くつもりが、約束の客が遅れてきたので、断念。今日になった。夕方の部の早めを狙う。

幸いうちのネコは、キャリーバッグが大好き。普段から普通に入ってる。が、何か異変を感じるのか、中には入るけど、飛び出ようとする。それを押さえて蓋閉めて出発。 外に出ると、ニャアニャア鳴き続けてる。肩にニャアニャア言ってるキャリーバッグをぶら下げて、動物病院へ。動物病院に着くと静かになった。
体重4.48kg。思ったより大きくなってる。体温38.1度。これで平熱。心臓と肺の音に問題なし。以前、歯肉炎の疑いありとされて、薬渡されたけど、使ってなかった。でも、今日は問題なしと言われた。近頃、右3つ目の乳首をよく舐めてるから、確認してもらったが、これも問題なし。
問題ないので、予防注射を打って終了。相変わらず、診断中も嫌がらず、おとなしい。注射の瞬間も反応なかった。
むしろ注射終わってから、キャリーバッグに入る方が嫌がって、飛び出ようとしてた。なぜだ。
家に帰ってきた直後は、ちょっと不機嫌。カーテンに隠れてしまった。
●2024年11月10日 シンジュの昆虫

中高生やハチ屋と一緒に地元植物園をウロウロした。主な目的は、鳥の羽根拾い。カラスとハト以外と言ってるのに、カラスとハトしか拾えない奴もいる中、アオバトとトラツグミを次々と見つかる初心者もいた。結局、2ヶ所でトラツグミの羽根が見つかった。先日拾われてた1羽を入れると、3羽喰われてる?
羽根拾いなんだけど、同行してる虫の学芸員は虫を探してる。虫を教えてもらえるチャンスなので、虫好きはその周りをウロウロ。黄色と黒色の毛の長い毛虫を見せてくれた。ジンジュキノカワガの幼虫だという。近頃よく聞くやつ。でも、シンジュを食べるんじゃ?と見上げると、ほとんど食べ尽くされた複葉の木がある。この木、シンジュやったんか。
そのご、葉が喰われた複葉の木のほとんどにシンジュキノカワガの幼虫や蛹が見つかる。あらためて、こんなにあちこちにシンジュが植っていたとは知らなかった。そして、ことごとく喰われている。シタベニハゴロモも見つかり、あとはシンジュサンがいたらコンプリートやった。
とにかくシンジュキノカワガの多さを実感できた。シンジュキノカワガは、自力で日本に分布を拡大しているそうで、外来生物扱いされていない。でも、シンジュ自体は、人が植えた外来生物。なんかモヤモヤはする。キョウチクトウスズメと同じだな。
●2024年11月9日 コウノトリとサギの違い

初めて野外で生きたコウノトリをみた。死んだコウノトリは何度も間近に見て、皮も剥いたりしてる。動物園で生きたコウノトリも見たことがある。でも、野外で生きて動く姿はなんか違う。サギやカワウやヘラサギと一緒に採食してるから気づく事もある。
皮むきしてるから知ってる事を復習しておくと、サギやカワウは嘴の付け根が柔らかく拡がるし、喉も拡がる。おかげでデカい魚を呑める。でも、コウノトリの嘴の付け根はほとんど拡がらない。それに合わせてか知らんけど、喉もあまり拡がらない。サギやカワウの細身の嘴の中は普通に詰まってるけど、コウノトリの嘴の中は、割と広い隙間があるイメージ。
そんなコウノトリの採食行動。サギやカワウが、まだ見えるものを狙って嘴を出してつまんでるのに対して、コウノトリやヘラサギは触覚で採食してるっぽい。嘴を少し開けて、泥の中に入れて、間に何か入ったらつまんでるんだと思う。嘴開いて左右に振ってるヘラサギと、基本的に同じ。
近くで採食してても、サギとコウノトリでは、けっこう違うものを食べてそう。水中をあまり見なくていいなら、目先の構造や模様にも違いが出そう。
●2024年11月8日 いつもの大和川が、いつもと違う

行事の下見で大和川を歩く。今回は、最下流部。毎月、水鳥調査してるマイフィールド。いつもは自転車で走るが、今日は徒歩。自転車は堤の上を走りがちだけど、徒歩はずっと高水敷。移動速度も全然違う。同じコースだけど、見える景色が全然違う。 何でも分かってる気でいたけど、いろいろ新発見があった。

まず発見があったのは、下高野橋辺り。魚を探す人たちを見てたら、中洲をウロウロするチドリ。なんとイカルチドリだった。
チョウゲンボウが周囲を、飛び回る。下高野橋の高架下に一瞬入ったり。営巣場所候補かも。と思ったら、ハシボソガラスに見つかって追われて行く。あっちで追われてると思ったら、こっちでもハシボソガラスに追われてる。チョウゲンボウのペアのそれぞれが、ハシボソガラスのペアそれぞれに追われてるっぽい。

カヤネズミの巣は、自転車でも見つけていたのだけど、なぜか歩きだとそれを見逃す。でも、次々と見つかり、吾彦大橋近くまで、最下流記録が更新された。でももう少し下流にもいるかも。

先日ヌートリア親子がいた場所に、ヌートリアはでていなかったが、土手の草の下にトンネル網みたいなのが出来ていた。
JR阪和線辺りで砂州に出てみたら、ヌートリアの足跡だらけだった。

湾岸線のところで、最後の魚取り。再びぼんやり座ってるのも暇なので、湾岸線のカワウの塒のカウント。右岸側からは、上流側に入ってるのしか見えないが、それでも700羽超え。下流側がほぼ同数なら、合計約1500羽。かなりでかい塒だった。いつもは正午前後に数えてるから、ここまで多くない。
●2024年11月6日 野鳥の会関係者にとっての外来生物問題

外来生物問題は、哺乳類や淡水魚や水草では大問題。その他の植物や昆虫でも話題になるし、両生爬虫類でも目立つ問題となっている。たぶん関係者の意識も高いはず。鳥類関係者ではどうだろうか? 少なくとも研究者よりの人はちゃんと理解してるはず。でも、野鳥の会関係者などバードウォッチャーの理解はどうなってるんだろう?
四国で鳥類の外来生物問題に取り組んでいる方がいて、その方が、盛んに認知度が低いと言っているのだけど、そうなのかなぁ。と、実感なく聞いていた。が、今日、少し判った。
大阪の鳥の事をとてもよく知ってる野鳥の会関係者と話していた。その中で、クジャクを野外で見つけた知り合いの話になって。ポロッと一言。
「クジャクって、日本で野生化してたりするの?」
正直耳を疑った。
インドクジャクは、石垣島など南西諸島のいくつかの島に定着して、生態系へのダメージが懸念されてる。大人の事情で、特定外来生物には指定されていないけど、駆除などの対策が進められている。特定外来生物に指定されているソウシチョウやガビチョウは駆除されていないのに、インドクジャクの対策が行われているのが、いかにその生態系被害が問題視されているかを語っている。というか、カナダガンの対策が完了した現在、駆除が行われている外来鳥類は 、インドクジャクだけのはず。
とまあ、日本で一番注目の外来鳥類と言って過言ではないのに。野鳥のこと、あんなに詳しいのに。知らないって…。なるほど、野鳥の会関係者の外来生物問題への認知度は低いなぁ、と実感した。
●2024年11月5日 新コースでのセンサス

今回から大和郡山市のハッカチョウセンサス調査のコースを変えてみた。変えるのは2回目。最初からスタートのJR郡山駅は不動。ただ最初は、ぐるっと一周回って、郡山駅に戻ってた。これはハッカチョウ情報が、この辺りに集中してたから。
でも、その調査の中で、南の方に飛んでいくのが観察された。さらに南の方の駅近くで、ハッカチョウの未確認情報。ということで、平端駅まで南下するコースに変更。その中で、新たな繁殖地が見つかり。ハッカチョウの確認頻度も上がった。が、コース後半で、ハッカチョウが全然出ない。そして、今年、コースの少し西の佐保川沿いからハッカチョウ情報。そっちやったかぁ。ということで、2回目のコース変更。
データ処理上は、前半は継続調査で、後半は新規調査って扱いかな。歩くルートは変わったけど、ゴールの駅は同じ。タイムスケジュールも変わらない。はずだけど、初回の今日は時間がかかった。川沿いを多く歩くので、水鳥が多くなりそう。今日ハッカチョウが出たのは、継続コース部分。この変更で、さらにハッカチョウが見つかるようになるかなぁ。
●2024年11月4日 キリンの皮とゾウの尻尾

昨日、冷凍車から発掘したキリンの皮6袋とゾウの尻尾1袋を処理した。

キリンの皮は、袋から出してみると大小12枚に分かれていた。頭と尻尾がなく、他はそろっている様子。
そう言えば、頭と尻尾だけ処理して、力尽きて、あとは冷凍したような気がする。多分、10年前から16年前の間。名前が分からないけど、乳房があるのでメス。該当する個体は絞り込めるけど、ちょっと面倒。
皮の状態は悪くなさそうだけど、表側を強く持つと毛が抜ける。幸い脂肪はないので、肉をこそげる作業。3人がかりで4時間ほど。

ゾウの尻尾は、あの個体。なんと無く、耳と鼻と一緒に、尻尾を冷凍保存してみただけ。よく考えると、これでは骨格標本の尾椎が欠けた状態になってる。ってことで、皮剥き。2人で1時間弱。鼻を剥くより、とても簡単。
皮は、キリンと一緒に処理。尾椎は、今度肉取り。って事で、冷凍に戻す。鼻はずっと冷凍保存かなぁ。
●2024年11月3日 キリンの皮の発掘と冷凍車の収支

冷凍室から冷凍車にものを移したこの機会。これを逃すと、また8年間、冷凍室に埋まってしまうものを、少しでも処理したい月間。
すっかり忘れていたキリンの皮が出てきた。大きめビニール袋に6つはある。ってことで、この機会に処理することにした。ウロ覚えだけど、8年前、力尽きて、冷凍室の一番奥に沈めたように思う。
で、本来なら、昨日か今日に冷凍車から冷凍室への戻しは終わっていて、その際にキリンの皮を取り除けておいて明日処理。ってつもりだった。が、工事は2週間も伸びたので、冷凍車の中から引っ張り出す羽目に。
最後にたたき込んだ大きめの鳥の袋達、その前に運んだ大型爬虫類、特にカメ。その前に入れてるはず。ってことで、大きな鳥袋を放り出し、大きなカメ達を運び出して、キリンを発掘。ついでなので、ゾウの尻尾も出した。
それから、爬虫類と鳥を戻す。かなりの体積がなくなったはずなのに、冷凍車の中が満杯なのは変わらない。不思議だ。

【追記】
翌日、生キノコがいくつか持ち込まれたので、みかん箱位のに入れて、冷凍車へ。これは誤差の範囲。って言うか、キリン皮ですら、誤差範囲だったし。
●2024年11月2日 植物園案内 鳥スペシャル 雨天篇

鳥の観察会は当然のように雨天中止。調査も中止にするから、雨天時の鳥の生態は謎に包まれている。というのはさておき、今日は地元で観察会。鳥の観察会なら、雨天なら中止なのだけど、植物の観察会にゲスト出演。鳥から見た植物を語る感じ。で、この植物園案内という行事は、今まで雨天中止になったことがないんだな。この伝統は守らねばならないらしい。ってことで、今日は雨なのに実施。
さすがに外に出られない日は(近頃は、熱中症警戒アラートがでる8月とかも)、室内に植物を持ってきてするんだそうな。が、鳥は持ってこられない。ってことで、なにか過去ネタから、関連するトークを用意しておくように、と昨日言われた。午前中はまだ小降りだから、下見をして何かしら持ってきたりもするらしい。
ちなみに、大雨警報でそうだけど、暴風警報でなければ博物館は休館にならない。臨時休館になったら、さすがに中止だろう。知らんけど。

午前中、2時間ちょっとかけて植物園を1周半。植物に詳しい人と歩く機会なので、いろいろ訊ねてみる。そして植物中心に見るのは物珍しいので、いろいろ発見もある。

・トキワサンザシ果実は、鳥が食わない。と豪語したが、よく考えるとどこかで無くなってる。クロガネモチより後、シュロより前のイメージ。
・ナギが雄花をつけているのは季節外れだそう。ナギの実を喰う動物はよく判らない。
・ユーカリのところにチシャノキの実生。200mほど散布されたらしい。
・クロガネモチ果実は超苦い。丸呑みの鳥には関係ないが、サルには影響しそう。サル除けの苦み?
・ナンキンハゼの枝落としの理由は、よく分からない。結局食べるけど、食べるつもりで落としているなら、落としている時に下で食べる個体がいたら、追い払いそうなもん。という話になった。
・ムクノキ果実は、一斉にではなく、順次熟していく。同時に熟している果実が少なめなせいか、下に落とされる果実は少ないと思う。それじゃあ、タヌキがよく食べているのは何故?
・アオギリが、葉っぱはまあまあ付いているのに、花や果実の部分が枯れている。まあまあ熟してから枯れてる? 病気や虫?それとも水不足?
・アサザがものすごく咲いていて、ミツバチなどが来てる。こんなに広がってはびこるのに、どうして絶滅危惧種? ただ、1クローンでは結実できないので、一度に消えることもあるかも。
・ゴキヅルは、Oさんが持ち込んだものらしい。
・ハナミズキは蕾が白くて、果実が赤い。紅白の二色ディスプレイ。ただ紅葉が邪魔してる。
・トウネズミモチは、この公園では、サンゴジュと同じで、多くの個体の果実が、マエアカスカシノメイガに果肉が喰われてしまう。
・クスノキの幹は、樹幹流が流れた場所と、流れない場所がはっきり判る。流れてる場所に、コケが生えがち?
・ホウショウは、クスノキより、確かに良い匂いかも。
・オキナワウラジロガシはまだ生き残ってる。結実は20年後?
・ハマビワは、Kさんが持ってきたらしい。今頃からが花期で、ハエがいっぱい来てる。
・ソテツの2株が、クロソテツマダラシジミか何かに喰われている。葉っぱの根元のフワフワは、シジュウカラとかが巣材に使いそう。
・ユッカが、花茎を伸ばしているが、ユッカガはいないので、送粉されず結実しないはず。海岸で増えてる場所があるが、どうやって増えてるか謎。
・チシャノキの下には、種子がけっこう落ちている。この辺りをウロウロしていたドバトはそれを食べに来てるのかも。
・シコンノボタンの蕾に、穴がけっこうあいている。探すと蕾に穴をあけて頭を突っ込んで食べてる鱗翅類幼虫がいた。
・ハマナスの果肉は、酸っぱいだけ。中は、果肉と種子がしっかり分かれていて、種子には毛が生えてる。被食散布とは思えない。きっと水流散布。

下見では、こんな話を言い合った。本番はとりあえず室内で始めて、外に出られそうなら、途中から出よう。と言ってたけど、結局室内で話して終わった。集合時刻頃が一番大雨なので、どうせ参加者は少ないだろうと、小さめの部屋にて(予想通り参加者は20名弱)。
植物担当と鳥類担当の学芸員掛け合いで話が進むのは、屋外でやるときと同じ。ただ、室内だとネットで関連画像を移したり、動画見たりしながら進められるというメリットがあった。
とりあげた話題は(鳥目線のみ)、

・ナンキンハゼ:種子散布者と種子捕食者。カラスの枝落とし。
・トキワガマズミ:果実の構造色。鳥が果実をなかなか食べない。
・クロガネモチ:果実が超苦い。モチノキは甘いのに。丸呑みの鳥には苦みは関係ないが、サルには関係ありそう。鳥が果実をなかなか食べず、春に果実と花が同居することがある。
・アキニレ:フウノキと並んで、長居植物園ではアトリ科の冬の主食。翼果の中央の種子だけ食べる。通常は風散布だが、種子食性鳥類はそのうを持っているので、そのうに貯めたまま死ぬと結果的に散布されることになる。ハトは(アキニレはさておき)食べた種子の長距離移動を担う余地がある。
・ソテツ:種子は色をつけており、果肉的な構造もあるので、被食散布っぽい。でも、現在の奄美大島などには散布者はいない可能性。(あとから思ったけど、ルリカケスは?と思ったら、ハシブトガラスによる散布の報告があるのを見つけた。石田(1985)ハシブトガラスによるソテツの種子散布の観察.沖縄生物学会誌23:29-32。この論文以前もチェックしたことがあるのを思い出した)
・センダン:ヒヨドリ、ムクドリ、ツグミ類がよく食べる。ギリギリ丸呑みできるサイズ。センダンは有毒だけど、果肉は甘く、毒は少ないはず。甘い果実好きのタヌキもよく食べてる。(緑色の果実を味見したけど、すでに甘かった。ただ苦い。有毒っぽい)
●2024年11月1日 駅前でムクドリとの付き合い方

年中行事としては、少し季節が遅めだけど、マスコミから駅前のムクドリの集団ねぐらとのつき合い方について質問された。Zoomで収録らしいから、そのうち流れるのかも。
質問されたのは、共存を前提に、夏〜秋に駅前に集まるムクドリとどう付き合えばいいかってことで良さそう。答えは簡単。都合の悪いところから追い払うのはいいとして、ちゃんと行き先を設定すること。以上で終わり。
ただし、夏〜秋のムクドリは、人通りや車の通行が多くて、明るくて賑やかな場所を好む。市街地でムクドリが増えた直後の1980年代はそうでもなかったようなので、その後身につけたようなのだけど、とにかくその好みは譲れなさそう。駅の近くの静かな緑地に誘導しようとして、失敗した話も聞く。
と言う訳で、誘導先は駅周りの賑やかな場所限定。そういう場所を用意するのは難しいかもだけど、たとえば駅前ロータリーの真ん中の植え込みとかはいいんじゃないかな、と以前から思ってる。糞の問題に目をつぶれるし、声も駅を通過するだけなら許容範囲だろう。鳥の団体が気持ち悪いとかいう声は無視。

これでしゃべれることは終わり。あとは、ムクドリの生態について補足。確認のためか、何度も同じ事を違う角度から訊ねられる。まあマスコミはそんなもんなので、何度も同じようなことを答える。最後に繰り返しになりますがと、駅前のムクドリとのつき合い方のまとめを求められる。ここでつい、ふざけたヴァージョンと真面目ヴァージョンのどちらで? と言ってしまった。なんか話しやすい相手だったので油断した。
とりあえず真面目ヴァージョンでというので、追い払いだけでなく、行き先を設定するという、持論を展開。終わった。
と思ったら、一応ふざけたヴァージョンも、と求められる。そこで、ムクドリのマスゲームの凄さを強調。その迫力とエンタメ性を熱く語る。そして、メインのムクドリを楽しむカフェを。まあまあ受けたかも。でも、放送されませんように。
●2024年10月31日 2024年10月のまとめ 冷凍室の引越は前半戦のみに

後半に冷凍室の工事が入るので、冷凍室の中身を冷凍車に移し、工事が終わったら戻すという8年に一度の大イベント。そのため後半の8日間をできるだけあけてあった。なんだかんだで実質4日で冷凍車への移動完了。で、昨日と今日で冷凍室に戻すつもりだったが、工事が手間取って、戻しは来月に。一方、冷凍室の工事関連で、トラックヤードを片付けろ、実習室を片付けろ。で、それぞれ1日ずつつぶれた。とまあ、冷凍室の工事に振り回された。
そんな2024年10月を振り返っておこう。

ルーティンのため池調査、大和川調査は無事終了。奈良県2コース(1日で調査)と京都府2コース(1日で調査)のハッカチョウセンサスも実施(今月から奈良県のコースが1つ減った!)。
地元公園では、月末のカワウの集団ねぐら調査に加えて、鳥のセンサスと木の実チェックを開始。さらにカラスの巣チェックもした。
大和川水系の調査は、垂仁天皇陵のカワウ・サギ類の繁殖地をチェック。そして、研修や行事を経て、いよいよカヤネズミ調査にとりかかる。つもりだったが、結局、行事で行った大和川と石川しか調査出来ずに終わった。

ホネホネ団の活動は、2日実施。
大阪鳥類研究グループは、2年前のリベンジで生駒を歩いた。が、やはりヒタキ類にはあまり出会えず。ノスリは飛んだけど。
読書サークルの会合。フェスティバルの準備をしなくちゃ。

普及行事は、大和川を歩く4とカヤネズミの調査研修。鳥類フィールドセミナーと植物園案内動物編。ジュニア自然史クラブは、トラブルがいくつかあったけど、魚採り。

講演は、コロナ禍前からの約束だったカラスの話を1本。
論文は書けず。
査読は1本引き受けたが、まだやってない。某所で一年位前に査読したのが、まだサスペンドと聞いて驚いた。

とまあいろいろあった中、今月読んだ本は、自然史系5冊と、SF5冊、マンガ10冊。
完全休養日は1日。今年に入って4日。
ネコは元気。寒くなってきて窓を閉め気味だけど、開いてた方が嬉しそう。初代爪研ぎ段ボールが分解されて、2代目投入。
健康診断の結果が悪く、やむなく人生二度目の医者へ。
●2024年10月30日 大和川のヌートリア親子に遭遇

朝方まで降ってた雨が上がったので、大和川の水鳥調査に自転車で出かけた。水量多くて、中州がない。けっこう流れてて、カモは流れの少ない場所に、サギは岸に、カモメ類は街灯や水管橋にのってたりする。様子はいつもと違うけど、個体数にさほど変化はなさそう。
対岸のサギを見ていたら、すぐ近くから草がガサガサいってる。最初気にしてなかったけど、ずっとガサガサいってるので、ふと横を見ると、2mほどのところに大きなヌートリアが1匹。ちょっとびっくりした。ヌートリアはこちらをまるで無視。せっかくなので、スマホで間近に撮影。あまり気にせず、せっせとセイバンモロコシを根元でかみ切って喰ってる。
水量が多いので、ヌートリアが高水敷まで上がってるのかな。と思いながら、高水敷の道を自転車で走り始めると、道端に出てきていた小さいヌートリアが次々と2匹逃げて行く。やっぱり増水してるからだな。
が、そんなもんじゃなかった。さらに行くと、今度は親子連れがいる。すごいすごい。と思って、自転車を止める。驚いたことにヌートリアが寄ってくる。子どもの内、1匹が特に積極的。残る3匹も付いてくるし、親も1匹ついてくる。さわれそうなくらい。でも、さわるのはマズイ。そして少し怖くもある。なんか小声でブーブーいってる。少し下がる。付いてくる。さらに下がる。餌をくれないと判ったのか、やがて接近を諦めてくれた。それでも、こっちが近づくとまた寄ってくる。どんだけ餌付いてるのか。
最近、この辺りからの情報が多いけど、こいつらが出てくるからっぽい。簡単にさわれそうなので、さわる人もいそう。事故が起きなければいいけど。
●2024年10月29日 大阪の夏の暑さ指数の歴史

2021年4月から、環境省が熱中症予防サイトというのを立ち上げて、暑さ指数(WBGT)の予測値を発表するようになった。ほかに熱中症警戒アラートというのも発表するのでややこしい。熱中症警戒警戒アラートは警戒すればいいんだろう。が、暑さ指数(WBGT)の解説には、「31以上 運動は原則禁止」と書いてある。
これを無視して野外観察会を実施するのは、無責任だろう。という議論のもと、2023年から観察会で行く場所のもよりの予測値が、観察会の時間帯に31以上になる場合は、野外行事は原則禁止と決めた。予測値が、コロコロかわるので、この対応が意外と面倒。
ということはさておき、これを決める際に「暑さ指数(WBGT)31以上」というのがどのくらい生じるのかを、2021年の大阪市のデータを元に検討した。

2021年夏は、7月18日に1日だけ31以上になった以外は、8月4日〜8日に4日間、31以上になっただけ。31以上になった日は合計5日

まあ7月後半から8月の行事では、企画段階から気にした方がいいね。って話だった。だが、事態は急激に進行する。

2022年夏は、7月26日〜8月21日に10日間、そして8月31日に31以上になっただけ。31以上になった日は合計11日。
2023年夏は、6月末に1日だけ31以上になった。そして、7月18日、7月26日〜8月26日に17日間、とんで9月3日にも31以上にもなった。31以上になった日は合計20日。
2024年夏は、7月6日に31以上になった後、7月19日〜9月20日に38日間。31以上になった日は合計38日。内、9日間は、9月に入ってから。

ということで、もう8月後半どころか9月も暑さ指数を気にする必要が出ている。7月〜9月は、野外企画を避け、涼しい場所や涼しい時間帯にシフトするなどの配慮が必要になってきた。
このまま行くと数年以内に、6月や10月前半の野外行事もやりにくくなる。面倒な時代になった。
●2024年10月27日 20年前に寄贈された30年前に拾われた鳥の死体

冷凍室の中身を整理していて見つけた。種類も分量も手頃なので、今日のなにわホネホネ団の鳥の日で出してみた。冷凍室に放り込んで放置していた理由をすっかり忘れていた。
ものは、2003年に寄贈を受けた。某氏の家の冷凍室に長年入っていたらしい。吹田市の人から「交野市の鳥」と言って渡された。データが付いてないのも混じっていて、それは本剥製かなぁ。と思いつつ、長年家庭用冷蔵庫の冷凍室に入っていた。データから判断すると、拾ったのは1993年〜1998年。つまり、30年前に拾われたのを、10年寝かして、20年前に寄贈された。さらに20年寝かした感じ。
見るからに乾き気味。ってことで、処理が面倒。後回し。そして忘れていた。

昨日、冷凍車から出してる時に嫌な予感がしたけど、そのまま解凍。今朝、やっぱり乾燥しまくりやん! となった。なぜか小鳥3羽は大丈夫だけど、大きめ3羽が頭・翼・脚が動かない。そして、ヒレンジャクは完全なミイラ。腹周りが汚れてるトラツグミは、少なくとも内臓は腐ってそう。でもまあ、あとは乾燥している以外は綺麗に見える。元の状態がいいなら、水を漬けながらでも剥くのは大丈夫だろう。と、思った。甘かった。
今日、乾燥具合が明らかになった。完全ミイラのヒレンジャクは完全ミイラ。とにかく水に漬ける。スズメ2羽とシメは、頭は乾いてるけど、あとはなんとかなりそう。タカとオオミズナギドリ、トラツグミは、頭以外に、翼と脚も乾燥してるけど、綺麗だし最悪水漬けしたら剥けそう。
この予測は概ね当たっていたのだけど、おおきく外れていたのは、タカとオオミズナギドリが脂肪いっぱいだったこと。トラツグミが下半身中心に腐りまくっていたこと。そして、ヒレンジャクが腐りまくっていたこと。なんとか全部剥いたけど、状態のよかったスズメ2羽とシメ以外は、頭を裏返せず。

敗因は、乾燥しまくっていると、腐っているかどうかの判断が難しいというのがあるように思う。
一般的には、小さい鳥の方が乾燥しやすいのだけど、今回の処理では、小さい鳥の方が意外と乾燥していなかった。拾った時の状態と、冷蔵庫にどのように入っていたのかが判らないので、なんとも言えない。
●2024年10月26日 コイの多い池ではカイツブリは繁殖しない?

地元植物園で鳥の観察会。ここの大池では、カイツブリもバンも、秋から春までは生息しているが、知る限り繁殖したことがない。繁殖できそうですけどねぇ。カワセミが登場したら、また似たような説明、秋から春までは生息しているが、知る限り繁殖したことがない。ただ、カワセミの方は、巣穴を掘りかけたことはある。繁殖せずに繁殖期にいなくなる理由は、巣場所、というか巣穴を掘れる土崖がないからだろう。じゃあ、巣をつくる場所も、巣材もありそうなカイツブリがバンはどうなってるの?
と訊ねられそうになったので、先手を打って、答え判らないから質問禁止!と言い放ってみる。都合が悪くなることを予測して、先手を打つ大人のズルイやり口。
とはいえ、一つ思うことはある。大きなコイが多いので、ヒナが食われるので、繁殖しないのかも。

風間美穗(2024)開放水面に営巣するカイツブリ〜人為がもたらす営巣場所の変化〜.きしわだ自然資料館研究報告9:1-12.
https://www.city.kishiwada.osaka.jp/uploaded/attachment/140894.pdf

ここには、カイツブリのヒナの捕食者として、自身で確認した、あるいは地域住民から得た信頼できる情報に基づいて、鳥類(カラス、タカ類、アオサギ)、中型哺乳類(ネコ、イタチ、アライグマ、犬)、ヘビ類(アオダイショウ)、肉食性魚類(カムルチー、オオクチバス)があがっている。肉食性魚類とは呼ばれないだろうけど、大きな口のコイもヒナを食べる可能性がありそうに思う。
一方、カイツブリの営巣の失敗原因として、「ミシシッピアカミミガメやスッポン、サギ類、カワウなどの巣への乗り上げによる崩壊」というのがあがっている。大池にもアカミミガメはいるし、サギ類、カワウはいるので、これが影響してる可能性はある。

長居の大池は、かつて多数のアカミミガメがいたが、いまはほとんどいなくなった。一方、コイは昔から多いし、今も多い。もしカイツブリが繁殖しない原因がアカミミガメであったなら、そろそろ繁殖するようになっても良さそう。コイが原因なら、今後も繁殖する見込みはなさそう。はたして今後どうなるんだろう?
●2024年10月25日 読書サークル 第134回会合覚え書き

隔月で、課題本の紹介文を持ち寄って、本についてあれこれ言い合うサークル。
今日の会合で出た本についての意見を記録。

今回の課題本は7冊。前回以前からの繰り越しは3冊、2冊繰り越したので、8冊についてあれこれ話し合った。
ちなみに各人は紹介文を書いてきていてて、4つを最大として★を付けている。

●「ツシマヤマネコって、知ってる?」
(紹介文6つ、平均★数は2.8)
 読んだ人の多くは、出版年が2010年であることを見逃していた。その後、ツシマヤマネコをめぐる状況は変わっている。なによりシカの激増で、生息環境が変わった。一方で、推定生息数など大きな変化がない部分も多い。

●「超遺伝子」
(紹介文4つ、平均★数は3.0)
 とても読みやすい本で、読んだ人はスーパージーンを正確に理解していた。が、それを読んでない人に伝えるのは難しい。というか伝わらなかった。スーパージーンの説明だけなら、1/4くらいの分量で充分という意見に、多くの人が同意していた。

●「深海問答」
(紹介文4つ、平均★数は3.5)
 海の研究をこれだけ広く紹介している本は珍しい。そして、中身も面白いと評価は高い。ただ、親しみやすい文章の評価は分かれた。2人は、面白いのだけど、興味を持ったところで、それ以上の深掘りなしに、次の話題に移るところでモヤモヤしていた。

●「光る石 北海道石」
(紹介文6つ、平均★数は2.8)
 なぜか著者の本業と鉱物研究の兼ね合いが話題になる。仕事でできてるのかなぁ? あらたな有機鉱物を温泉に探しに行こう!と盛り上がる。が、近場にはなさそう。

●「野生生物は「やさしさ」だけで守れるか?」
(紹介文5つ、平均★数は3.6)
 とても重要な問題を取り扱っているという点で一致。とくにクサガメの扱いのパートが印象的だった人が多い。一方で、外来生物問題への理解が不十分と思われる発言もあった。

●「死の貝 日本住血吸虫との闘い」
(紹介文5つ、平均★数は3.4)
 日本住血吸虫との闘いには、全員が圧倒された感じ。原因判らず人が次々死んでいくのは怖すぎる。安全宣言が出たのすら1990年代。まだ完璧にいなくなった訳ではない。というのが意外だった。

●「きっかけはコイの歯から」
(紹介文3つ、平均★数は2.7)
 咽頭歯の話を楽しく読めた人と、あまり興味がなく研究エピソードを期待した人で評価が分かれた。最後の文化を語ってる部分の評価も分かれ気味。

●「縄文時代を解き明かす」
(紹介文4つ、平均★数は2.5)
 編者の文章に引っかかり、他の3人のパートを評価する人がいる一方で、編者のパートを評価して、他の人のパートに引っかかる人もいた。縄文研究に科学的アプローチというコンセプトはいいのだけど…。
●2024年10月24日 うちの冷凍室の歴史

記録を紐解くと、うちの冷凍室は、新館が完成した2001年4月に稼働開始。

2009年3月にオーバーホールが入った。この時は、貨物列車に乗ってる半分サイズの冷凍コンテナがやってきて、そこに冷凍室の中身を避難させた。と言っても、コンテナが小さくて入りきらない。魚は急いで標本化してもらい(たいした量ではなかった)、燻蒸中の植物と昆虫は引き取ってもらう。で、小型鳥類・哺乳類などを優先して入れた。幸い涼しい季節だったので、残る中型・大型哺乳類と大型鳥類(剥いた皮もかなぁ?)は、トラックヤードにまとめて置いてブルーシートをかけておいた。冷凍室のオーバーホールにかかったのは5日間。3月は涼しいとは言っても、さすがに外に置いてあると、溶け始める。でもまあ、目立った傷みはなかったと記憶している。
冷凍室から物を出すのに、どのくらい時間がかかったか不明だが、戻すのは1時間と書いてある。本当かな。少なくとも1日で戻したのは確実だろう。

次に、冷凍室の中身をすべて出して冷凍車に移したのは、2016年9月のことだった。8月から調子の悪かった冷凍室がついに壊れた。Xデーが来るのは判っていたけど、なかなか来ないので、なんとなくもう来ないかも。涼しい季節までもてばいいなぁ、と思ってたら壊れたので、すごい慌てたことを覚えている。急いで、冷凍車が手配され、中身を移した。といっても、実質6日かかって、引越作業を終えたっぽい。
壊れてから、冷凍室の修理のための発注をするから、冷凍車は1ヶ月ほど居座った。

で、2024年10月。今回も事前に予定を立ててのオーバーホール。初日の下見を入れても5日。実質4日で冷凍車への引越作業が終わったので、手際は良かったんじゃないかと思う。これでも、出しながら、箱や袋から出して確認して、仕分けて、あとから見つけやすく整理した。
戻す時は、そういう作業はいらないはずだから、2日もあれば戻るはず。でも、戻しながらもさらに整理したり、今後の作業のしやすい体勢作りをしたいので、むしろ3日くらいかけようかなと思う。戻し方計画をかんがえておかねば。予定では、工事に5日かかって、10月30日から戻し作業。

今までのパターンからすると、冷凍室からの一時避難は、8年ごとに起きるイベントらしい。次は、2032年を予定。もう自分は関係ない。でも、関与しないと、中に何があるか判らないだろうなぁ。あるいは、ものすごく片付けておくかの二択。

【追記】
10月30日から戻し作業。と思っていたら、工事にもっと手間取るという宣言があった。がーん。どうして手間取るのかはさておき、日程はいつにずれ込むの? と訊ねたら、現時点で不明と。ただ、1週間以上はずれ込みそう。
なんてこと。戻し作業のために連続3日を空けてあったのに、そこが暇になった。そして、もう連続3日は空けられない。それどころか、1週間以上ずれると、とびとびでも3日空けられるのは、11月後半になるんですけど…。
まあ2016年は、1ヶ月ほど冷凍車に入れたままだったけど。
●2024年10月23日 冷凍室退避作業 5日目

一応、明日までは引越作業してていいはずだけど、今日終わらせる予定。両爬虫類整理して運んで、大型の鳥類運んだら、まあまあ終了。今日終わらなくても、明日終わるのは確定。問題はすべてを詰め込めるかどうか。ぴったり入りそうな予感だけど、床面積は全然足りないので、立体的な展開が必要なのは確実な展開。重いカメ等を下に、軽い鳥を上に。で、いけるかなぁ。
昨日の午後、マイナス30℃設定を、マイナス20℃設定にしてもらったのだけど。今日はさらにマイナス15℃設定にしてもらった。マイナス20℃でも随分暖かいけど、マイナス15℃はさらに暖かい。霜取り作業はさすがに手袋とダウンが欲しいけど、中身を出してくるだけならTシャツに素手でも大丈夫。ものすごく作業がやりやすい。冷凍車の方も、入口から詰め込む感じになってきたので、Tシャツに素手で大丈夫!

午前の作業は、2時間30分。両生爬虫類の小物を整理して箱詰め。動物園物、ペット物、野生物に仕分け。ちなみに小物とは丸めて50cm四方位より小さい物。固定が面倒で入れ物に悩むカメがいっぱい。そして冷凍車へ。
午後は、大型爬虫類などを運ぶのに1時間、大型の鳥を運ぶのに1時間。で、冷凍室がほぼ空になった! 霜取りに30分、後片付けに30分。合計3時間で、とりあえず作業完了。とはいえ、霜取りの最中に発見されたもの3点、氷河に埋もれて取り出せない箱が3つ。上の棚の奥は、霜取りできないので、ちょっともやる。あとは明日作業すると聞いた植物1箱と魚1箱だけが残る。

と言う訳で、5日目の作業は、5時間30分。午後4時には作業完了。今日は、氷河を運んだ。油断していたら工事の人に2テンバコほど運ばれたが、残りは自分で運んで、合計約6テンバコ。2日目に比べるとたいしたことない。
小型の両生爬虫類の箱出しでも、いらない段ボールが出たけど、哺乳類や鳥類に比べると全然少ない。仕分けが完了した段階で、魚担当に見てもらった。両生爬虫類の標本作りは丸ごとお願いできそうなので、全体像を見ておいてもらう。たくさんあることにショックを受けてた。まだ大型のが冷凍室にこんなにあるよ。と見せたら、さらなるショック。気になってたから、標本化を進めてもらえると嬉しい。

作業は終わったけど、冷凍車に余裕がないので、すぐに処理できるのを持ち出したので、引越作業完了後も、2時間以上の作業が待っていた。謎の箱は、液浸にすればいいだけの鳥の中身が9点ほど。そして、謎の箱を今日も開ける。1つどうしても判らないものが出てきた。どうしよう。
●2024年10月22日 冷凍室退避作業 4日目

今日は、配管工事的なのの作業はおもに他でやってるらしい。3時間かかって、小さな哺乳類の仕分け完了。箱から出して、中身とデータ確認。容積減ったけど時間がかかった。これで哺乳類は、すべて運んだと思う。いよいよ鳥に取りかかる。
中央の床は、まあまあ空いたので、そこに棚にのってたのを広げるので、中央の床は昼まではやはり何かで大部分埋まってる。が、さすがに午後になると、棚が広く空きだしたので、棚に載せて整理ができる。これで快適。

午前の作業は、3時間かかって、小さな哺乳類の仕分け完了。箱から出して、中身とデータ確認。容積減ったけど時間がかかった。右の棚の手前の上が空いただけで、達成感は少なめ。とはいえ、これで哺乳類は、すべて運んだと思う。午後から、いよいよ鳥に取りかかる。今日もメガネが曇る。湿度が高いに違いない。
午後は、標本貸し出し等々の合間を縫って、6時間の作業。まず、なぜか発掘されまくる私物系や実習系を整理した。そしていよいよ鳥を運ぶ。左奥の棚に載ってる箱入りを運びまくる。アホウドリ系7箱、西表島系12箱、あちこちの動物病院から大小会わせて10箱ほど。これで棚が広く空いた。そして、バラバラの小さな鳥の整理に取りかかる。中サイズは冷凍室に残すけど、小小鳥はストッカーに移す。いろんな人から冷凍庫の鳥の死体をまとまってもらったりしてきたので、それも整理。箱から出して、仕分け、箱詰めなどして運び終わった。

と言う訳で、4日目の作業は、9時間。今日も、氷河を崩したけど、運び出さなかった。明日、一通り運んだら、一気に雪かき。
今日は主に、中央に小哺乳類と鳥の箱とテンバコを積み上げた。運んだのは5テンバコほど。冷凍車の中は、控えめに言って3/4は埋まった。残りは1/4程度なので、ギリギリ全部収まる気がする。
地学が片付き、植物担当が少し片付けてくれた。ギリギリなので、少しでも減らしてもらえると有り難い。
今日も箱出し作業をしまくったので、大量の湿ってふにゃふにゃの段ボール箱が出た。

明日は、まずは小型両生爬虫類の仕分け。そして両生爬虫類を運んでしまう。右奥の棚に隠してある色々も運ぶ。そして、最後に大型の鳥類を運んで終了。
週末になにわホネホネ団の鳥の日があるので、処理する鳥を手前に置いておく必要がある。昆虫やキノコや魚が片付けに手を付けられるように配慮も必要。
●2024年10月21日 冷凍室退避作業 3日目

昨日は一人でのびのびと作業できたが、今日は土曜日の作業員さん達が戻ってきた。ってゆうか、そもそも、この冷凍室を空ける作業が必要になった冷凍室の改修工事。その配管工事的なのの作業をしている。リフトで上がって天井近くに配管をはわせ、冷蔵室に脚立をたてて天井裏でなんかしてる。他にもあちこちで作業しているらしい。それをかいくぐって、作業を続ける。
とにかく中央の床を空けるべく、哺乳類の皮の続きを運び、テンバコに入った動物園からの鳥と、三重県の海鳥を運ぶ。その後、右手前の棚の下段に手を出す。 午前の作業は、2時間。哺乳類の皮はおおむね運び終わった。段ボール箱はできるだけテンバコに入れ換え。でも、ホッキョクグマの皮は、変な形の段ボールに入ってるけど、重くて変な形でそのまま運ぶことに。
午後は、配管工事的なののをかいくぐって、6時間半の作業。哺乳類の大部分を運び終わった。あとは小さいのの仕分けと、発掘された中型哺乳類。小型哺乳類3種のどれかは、ストッカーに移したかったけど、量が多くて無理。動物園の鳥と海鳥は半分くらい運べた。あとは棚に入ってるの。イシガイと多賀町も運んだ。午後の後半は、能勢と奈良市の箱入りのを開封して、テンバコに詰める。データ確認作業が必要になるので手間取る。-20数℃と20数℃との行き来は妙に疲れる。そして、今日はメガネが曇る。

と言う訳で、3日目の作業は、8時間30分。今日は、氷河を崩したけど、すでに充分スペースがあるので運ばなかった。
冷凍車の中はかなり埋まった。右奥に哺乳類の皮が9テンバコ。その手前にイシガイと実習用の山。中央には、サルBox、ウサギBox、イタチBox、ネズミBox、コウモリBox、モグラBoxが混ざって3テンバコ。動物園の鳥が2テンバコ、三重県の海鳥が1テンバコ。中型哺乳類が2テンバコあるけど、これは明日以降動かす予定。
カニと昆虫の大部分が片付いて嬉しい。が、新たにキノコが3箱発掘される。植物と魚は手つかず。新たに地学が1つ見つかった。

今日は、メガネが曇るので、メガネ拭きが手放せない。マイナス20数℃とプラス20数℃の行き来を繰り返すのは、妙に疲れる。昨日の夜から咳が出るのも、これに関係してるかも。
箱出し作業をしまくったのもあって、大量の湿ってふにゃふにゃの段ボール箱が出た。

明日こそは、哺乳類の皮運びを完了して、棚に入ってる鳥を運びたい。最後が爬虫類かなぁ。冷凍室の奥にあるのを、冷凍車の手前に置かないといけないので、戻す時の冷凍室の配置を考えつつ、冷凍車に並べる。予定通り行くといいけど。
●2024年10月20日 冷凍室退避作業 2日目

哺乳類と鳥類以外は、(まだこれから見つかるのもあるだろうけど)一通り運び終わったので、いよいよ哺乳類と鳥類を運ぼう。カテゴリーごとにまとめた方が、戻す時楽ちんだし、今後の処理にもプラス。ってことで、哺乳類の皮(なめし処理待ち)と動物園から来た鳥(これは皮剥き待ち)を運ぼう。とりあえず、目の前の哺乳類の皮を。と思ったが、その邪魔をするのが氷河の堆積。
思い起こせば、コロナ禍前は、冷凍室入り口付近にある程度スキマがあり、年に一度程度は霜取り作業をしていた。しかし、コロナ禍で作業が止まり、冷凍室が満杯になり、霜取り作業をしなくなって早5年。立派な氷河の堆積が形成されていた。と言う訳で、今日の主な作業は、氷河の除去と哺乳類の皮の発掘作業。

午前の作業時間は2時間30分。掘り出した氷河は、テンバコ54に7杯(54×7=378L)。3テンバコ分(1テンバコとは、テンバコサイズの底面積で天井までの物質量を指す)の哺乳類の皮を発掘し運んだ。天井の氷河を除去しないと、テンバコが動かせない。カニ1箱とキノコ1本を発掘した。やたらとヒツジの皮が出てくる。5年ぶりに奥のライトを目にした。
午後は、来客が2件あったけど、その合間をぬって作業時間は2時間。掘り出した氷河は、テンバコ54に12杯(54×12=648L)。2テンバコ分(1テンバコとは、テンバコサイズの底面積で天井までの物質量を指す)の哺乳類の皮を発掘し運んだ。奥に行くほど氷河は堅く、落ちてくる塊が当たると大怪我しそう。落ちる前に退避する。固まってるから運び出しやすくはある。

と言う訳で、2日目の作業は、4時間30分。合計1026Lの氷河を発掘し運んだ。1トン超え!?
冷凍車の中は、右奥に哺乳類の皮が5テンバコ。動物園の鳥が1箱、中型哺乳類がほぼ1テンバコ、サルBOXとウサギBOXが1つずつ。
カニとキノコの処理が始まって、残るはキノコ1箱のみ。

今日は、靴下履いて靴履いて、ジャンバーを着た。濡れる問題は解消したが、外での作業にジャンバー着てると暑い。今日はメガネ拭きを用意したが、メガネは曇らず。湿度が低いからじゃないかと思う。作業を少しすると軍手が濡れて、軍手を替える。濡れた軍手は陽向に並べる。
哺乳類の皮を入れたテンバコにスキマがあったら、詰め替えてたら、テンバコに2つ空きができた。

明日で、哺乳類の皮運びを完了して、動物園の鳥と、腐った海鳥も運ぶ。氷河の除去はほぼ終わったので、作業は捗るに違いない。
●2024年10月19日 冷凍室退避作業 1日目

昨日、冷凍車が到着し、なぜか中を掃除してから、稼働。なんでも電気で冷凍機を動かしている間は、エンジンをかけてはいけないらしい。担当の人の話によると、明日の午後ならもう冷えてるだろうとのこと。
今日の昼過ぎ。冷えてるか見に行くと冷えてる冷えてる。マイナス30℃らしい。以前に稼働させたのより温度が低くて良い。で、作業を開始しようとカギと台車を用意して向かうと、冷凍室退避の原因となった工事の準備作業をしてる。ものがいっぱい展開していて、冷凍室から冷凍車の間、台車を通すスキマがない。今日はもういいけど、作業する際はスキマをよろしく。と言って、今日の作業は断念。初日はなにもしないまま終わった。
かと思ったら、夕方見ると、作業が終わって台車が通せる。少しでも作業を進めておくことにした。

冷凍室の中身は圧倒的に哺乳類と鳥類。でも、一部他の分野のものも入っている。膨大な哺乳類と鳥類に埋もれて、入れた本人が発掘できなかったり、入れたのすっかり忘れていたり。この機会に少しでも処理できるものは処理してもらうに限る。
他の分野の物としては、入れて忘れられている昆虫とか。なぜか植物担当がいれた昆虫とか。実習用と言いながら入れて退職した奴の昆虫とか。昆虫が多い。
続いて、魚類。魚類担当が真面目に標本を集めるようになって、おのずと増えた。これは文句をいう筋合いではないが。あとは少しずつ、植物色々、キノコ、海産無脊椎動物。
冷凍室でも入口付近に集めていたので出しやすい。冷凍車の入口付近に、担当者ごとに分けて置いて、各担当者に連絡してみた。

今日の作業はここまで。夕方から明るい内に、約1時間。冷凍室作業は、短くても疲れる。あと、暗くなると冷凍車が暗くて作業できない。電気の付け方を教えてもらえばいいのだけど。その他、今日気付いたこと。
・メガネは不便。冷凍室出ては曇り、冷凍車出ても曇る。メガネ拭きの常備が必要。
・雨の日は作業しない方がいい。足の裏が濡れた状態で冷凍車(たぶん冷凍室も)に入ると、草履(たぶん靴も)が床に貼り付く。危うく脱出できなくなるところだった。
・そもそもTシャツ、裸足に草履という格好はダメ。足先が凍傷になりそう。Tシャツが濡れて、凍るのもまずそう。
と言う訳で、明日からは体勢を整えて、本格的に取り組もう。
●2024年10月18日 ヒヨドリの分布

ヒヨドリの話をするので、その準備。たしか、日本を中心にせいぜいその周辺くらいにしか分布してないんだっけな。と思って、ヒヨドリの分布を確認しようとしたが、意外とややこしい。しっかりとした分布図をつくってくれていない。だれもあまり興味がないのかも。
日本国内の分布ははっきりしてる(https://bird-atlas.jp/result.html)。

●植田睦之・植村慎吾(2021)全国鳥類繁殖分布調査報告 日本の鳥の今を描こう 2016-2021年.バードリサーチ. →繁殖期は、北海道から沖縄まで広く分布。
●植田睦之・奴賀俊光・山風D佑(2023)「全国鳥類越冬分布調査報告 2016-2021年.バードリサーチ. →越冬期も、北海道から沖縄まで広く分布。

問題は日本以外の分布。

●山口恭弘(2005)ヒヨドリ.Bird Research News 2(11):4-5(https://www.bird-research.jp/1/seitai/2_y_amaurotis.pdf)
 →「国外ではサハリン、朝鮮半島南部、台湾、フィリピン北部に分布する」
●del Hoyo et al.(2005)Handobook of the Birds of the World Volume 10.Lynx Edicions.
 →日本以外では、韓国、台湾、フィリピン北部の島嶼で留鳥。中国浙江省周辺で冬鳥とされている。

なんか少し違う。気になるので、日本周辺各国のフィールドガイドをチェックしてみた。

【ロシア】『A Field Guide to Birds of the USSR』(Princeton Univ. Press) →リストに名前があるのみ。
【韓国】『A Field Guide to the Birds of Korea』(LG Evergreen Foundation) →朝鮮半島で広く繁殖。留鳥だが南へ渡る個体もいる。
【中国】『A Field Guide to the Birds of China』(Oxford Univ. Press) →浙江省周辺で越冬。
【台湾】『台湾野鳥図鑑』(亜舎園書有限公司) →南東部の島嶼に固有亜種が分布。他では迷鳥。
【フィリピン】『A Guide to Birds of the Philippines』(Oxford Univ. Press) →ルソン島の北の島嶼に固有亜種が分布。 ということで、中国は東部海岸近くで越冬するだけ。台湾とフィリピンは、事実上島嶼に固有亜種がいるのみ。サハリンでは繁殖してるかもだけど、多くはなさそう。おもに日本と韓国で繁殖する留鳥という扱いが妥当らしい。あんなに渡ってる個体がいるのが気になるけど。
●2024年10月17日 チュウサギが来る季節

毎月、近所のため池を自転車でめぐって水鳥調査をしている。以前、我が調査エリアで、チュウサギがため池に入るのは、8月から9月だった気がする。今は、9月から10月になった? と思ったので、20年前と比べてみよう。
まずは、今年、

2024年8月20日 1池1羽
2024年9月24日 3池4羽
2024年10月17日 3池3羽

そして20年前

2004年8月27日・30日 3池15羽+5池12羽
2004年9月29日・30日 3池6羽+1池1羽
2004年10月21日・31日 0池0羽+0池0羽

かつては10月にはいなかったし、ピークは8月だったので、やはり渡来のタイミングは遅くなってる気がする。でも、それ以上に、渡来数が大幅に減ってる。
●2024年10月16日 ケリとハクセキレイの繁殖分布の変遷の違い

ケリとハクセキレイは、どちらも日本での繁殖分布が大きく変わってきたことが知られている。かつては北日本で繁殖する鳥で、当時、近畿地方では冬鳥。それが、西南日本でも繁殖するようになり、現在は近畿地方で留鳥。近年になって四国や九州でも繁殖するようになった。が、九州南部への進出は、まだまだこれから。
とてもよく似た繁殖分布の変遷を経てきたが、両種の大きな違いは、ハクセキレイは繁殖分布が拡大しただけだけど、ケリは繁殖分布がシフトした点にある。ハクセキレイは、九州でも繁殖するようになった近年でも、北海道や東北で繁殖している。しかしケリは、かつての繁殖分布は東北地方だったのが、近年の繁殖分布は東海地方と近畿地方中部が中心になっている。
もっとも、かつてケリがほぼ東北地方でのみ繁殖していた時代の記述では、しばしばその生息状況は、“局所的で数少ない”と表現されている。もしかしたら、東北地方では昔から現在と同じくらい“局所的で数少ない”繁殖鳥で、その後、東海地方と近畿地方で広く普通な種にブレイクしただけなのかもしれない。

●2024年10月15日 大物が届く日

2日前の夜、メッセンジャーで、ヒツジが死んだという連絡。しかし、冷凍室に入れるスキマがない。先方も冷凍できないらしい。ということは、どっちにあっても冷蔵するだけで、作業日は月曜日(つまり今日)しかない。ってことで、今日持ってきてくれるように依頼。朝一番に欲しい!と厚かましくも要求。
昨日、サークルの観察会で山の上にいたら、電話がかかってきた。この人からの電話ということは…、と思ったら案の定、大物が死んだという連絡。すぐに届けてくれそうな勢いだったけど、ヒツジと同じ月曜日(つまり今日)に持ってきてくれるように頼んだ。ヒツジが朝一なので、正午に届けて!と、これまた厚かましくも依頼。
ということで、月曜日(つまり今日)、大物が2体もやってくると関係者2人に連絡。

で、今日。
残念ながら、実習室が空調工事で使えない。やむなく大物2体は、屋外で処理することに。受入票付くって登録番号振って、道具用意して、作業スペース整えて。ラベル作ってたらヒツジが到着。毛刈り前かぁ、と思いながら測定。そして、作業開始。最初は2人で皮剥きしてたら、もう一人登場。3人で、1時間ほどで皮剥き完了。
内臓抜いて、解体して、肉取りして、袋詰めしていたら、もう1体の大物が到着。ちょうどいい頃合い。午前の大物は、結局3人がかりで皮剥き1時間、内臓抜き・解体・肉取りに1時間。

1時間弱の昼休みの後、測定してから午後の大物に取りかかる。
3人がかりで、皮剥き1時間半、内臓はすでにほぼないので、解体と肉取りに1時間半。
後片付けして、暗くなる前に作業終了。朝の準備から、最後の片付けまで入れて、約7時間かかった。

もう10月半ばなのに、外での作業は暑かった。皮も内臓も傷みそうなので、できるだけ日陰にセットはしたのだけど。
作業している間は、とくに午後は大量のハエがやってきていた。ここにご馳走があるという情報が広まりまくったかのよう。最初は、ハエの羽音がうるさかったけど、だんだん音楽のように聞こえてきて、やがて気にならないBGMになっていった。ハエ嫌いの1名は、ずっと嫌がっていたけど。
●2024年10月14日 ヒタキ類の不作とクマノミズキ

初めに確認しておくけど、この秋のサメビタキ類の渡り的には、コサメビタキ普通にいるし、サメビタキが少ないのも例年並み。でも、エゾビタキはとても多い。と思う。そうやんね。昨日、大和川沿いを歩いた時も、あちこちにエゾビタキいた。先週、宇治川沿いを歩いた時も、あちこちにエゾビタキがいた。というわけで、今日の生駒山地南部の尾根筋ハイキングは、サメビタキ類の識別研修ができる。と準備していった。
とまあ期待して歩いたけど、あまりサメビタキ類がいない。高安山から十三峠で、エゾビタキが1羽だけ。サメビタキはもちろんコサメビタキもいない。キビタキはちょこちょこいたけど。

この地でこの季節、サメビタキ類を探すには、実を付けたクマノミズキの木が狙い目。が、クマノミズキの木をチェックしても、目立つ赤い果柄はたくさんあるけど、果実がない。今年はエゾビタキが多いから、もう食べ尽くされたのかなと思っていた。
ともかく、クマノミズキ果実がなく、サメビタキ類がいないなら、尾根筋を歩いても仕方が無い。というか、朝方はノスリがいっぱい飛んだけど、昼頃には飛ばなくなったいた。
と言う訳で、午後からは尾根筋ではなく、下に降りて、山裾を歩いてサメビタキ類を探すことにした。で、十三峠で下って、山裾を玉祖神社を経由して服部川駅まで歩いたのだけど、サメビタキ類は、やっぱりエゾビタキが1羽いただけ。サメビタキ類はいったいどこにいるんだろう?

十三峠から下る谷は、クマノミズキの木が多い。サメビタキ類はいなかったけど、クマノミズキはよく観察できた。緑の果実は少しあったけど、熟した黒い果実は全然ない。それどころか、クマノミズキの果実は、食べ尽くされたのでは無く、ほとんど実らなかったらしい。というのも赤い果柄の先に、そもそも果実が付いていた様子がなく、ただ細くなってる。
そういえば、果実が無いだけでなく、葉っぱも枯れ気味。水不足だったのか、暑すぎたのか。もしこれが毎年起きるのだとすると、ヒタキ類には大打撃っぽい。
●2024年10月13日 大和川水系のカヤネズミ調査スタート

昨日は石川でカヤネズミの球巣観察会をしつつ、カヤネズミ球巣分布調査の研修。今日は、大和川を歩く行事で、カヤネズミの球巣の解説をして、カヤネズミ球巣分布調査の情報募集。
カヤネズミに興味を持ってくれた人はそれなりにいそう。わざわざカヤネズミの球巣さがしに出かけてくれそうなのは、数人程度だろう。でも、他の調査のついでに見つけたら報告してくれる人は、他にもいそう。
期待しつつ、自分でも調査を進めながら、報告を待とう。

ちなみに20年前のカヤネズミ調査では、1シーズンに集中して調査した。そのために河川と山手のエリアをいくつか設定して、調査を分担した。結局大部分自分で調べた気がするけど。今回は、とくに分担はせず、3シーズンかけて調査することにした。繁殖期の河川の鳥調査でも、あまり分担してくれる人がいなかったので。
カヤネズミの球巣を見つけたら、日付け、見つけた場所、周辺環境、巣の数、巣の色・状態、巣の高さ、可能なら付いてた植物体を報告してもらう。20年前は、巣の大きさも報告してもらったけど、結果に関係なさそうなので、今回はやめた。
逆に、今回はできるだけ球巣の画像を付けてもらうことにした。スマホのおかげで気軽に画像を要求できてありがたい。位置情報もできるだけ緯度経度で。

●2024年10月11日 秋冬物の果実チェックスタート

本日、遅まきながら、地元の公園での秋冬ものの果実チェックをスタートさせた。遅まきながら、とは書いたけど、2023年は11月14日にスタートしてる。2022年は10月21日、2021年は10月5日、2020年は10月13日。2019年は10月19日。ここ5年でいえば、けっして遅くはなく、むしろ早い方。とはいえ、前世紀は夏からやってたし、その後も9月にスタートしてたからなぁ。
昔はいろんな樹種の果実を数えていたけど。とくに夏からスタートしていた頃は、エノキやムクノキも中心樹種の一画だったけど、いまはクスノキ、クロガネモチ、センダンが中心。ついでにモチノキやカキもと思ったけど、今年は成ってない…。以前はトウネズミモチも数えていたけど、すぐにマエアカスカシノメイガにやられてしまうので、途中で数えられなくなる。ってことが繰り返されて、心がおれた。
果実チェックのシーズン初日は、数える標識枝を決めて、ついでに対象木の果実量を評価する。数えていない樹種・個体を含めて成り具合を評価してみると。今シーズンは、エンジュ、センダン、トウネズミモチはよく成っている。カキは成ってない。クスノキとクロガネモチは個体差が激しいけど、平均的には不作気味。大阪の公園の果実量は、ほぼクスノキで決まるので、やや不作の年ってことになりそう。
●2024年10月10日 片付けの午後

今日は午後からメンテナンス作業に追われる。
まずは、みんなで旧トラックヤード前周辺の草刈り。といいつつ、枝を伸ばしてきた木も切るし、ゴミを回収するし、ブルーシートとかいろいろ片付ける。あまったテンバコを確保したりもした。じつは昨日、マッコウクジラの上顎歯を回収してたのもこの準備。さらに午前中には、バケツやブルーシートなどを洗って準備していた。なんか臭いと言われたけど、そら昨日までマッコウクジラを腐らせていたから臭いのは仕方ないなぁ。今年は例年以上に頑張って木を切った。5本くらいの木がいつも間にか根付いていて、毎年切ってる。もはや常連さんの風格。台場クヌギ状態になってきて、それも年々大きくなってる気がする。今年は少し気合いを入れて、ハチ屋が根元の方から切っていた。それでも来年も生えてるだろうけど。
続いて、新トラックヤードの片付け。残ってた大きな皮をしまったり、白衣を逃がしたり、空き箱を捨てたり、テンバコを片付けたり。ついでに掃除。黒い虫や卵鞘や残骸がけっこう出てきて、かなりスリリング。じつは昨夜、密かに標本は片付けてあった。ホネしないといけない死体がいくつか出てきた…。
最後は、実習室の片付け。標本を他の部屋に逃がし、一部は冷凍室に入れて燻蒸。ずっと探していた標本が見つかって嬉しい。なぜかホネに混ざって、他分野の標本が出てきた。やっぱりTとSか! そして、ここが妙に臭い理由も判明したし、対処もできた。

それぞれ2時間、1時間半、1時間程度かかった。午後から夜をすべて投入した感じ。今日の作業の準備を入れたら、まる2日やってた気がする。
とはいえ、草刈りや片付けは面倒だけど、おかげで博物館の裏が片付いて、いろいろ作業しやすくなった。1年経てばすべて元通りな気はするけど…。
●2024年10月9日 マッコウクジラの上顎歯掘り

今年の2月にマッコウクジラの解体をした。で、すぐに研究材料に使いたい方には、現場で上顎歯を掘り出して持ち帰ってもらったけど、残りの上顎歯の入った歯槽は持ち帰った。左側は、持ち帰ってすぐに掘り出して、順番のフダと一緒に包んで保管。右側は歯槽が厚くて掘り出すのに苦労しそうだし、解剖刀の刃が2枚くらいダメになりそう。お金ないので勿体無い。そうだ! このまま腐らせたら、掘り出さなくても歯になるはず。
ってことで、フダを付けて放置した。4月に見てもあまり肉が腐ってない。5月に見てもあまり変わってない。8月になったのに、歯槽が腐ってない。ただ、歯は少しグラグラする。もう少しか? と思ったけど、10月になっても、グラグラしてるだけで抜けない。
が、そうこうしてる内に、歯槽を放置している辺りを、草刈りして片付けようという話になってしまった。放置してるのばれたら怒られる。ってことで、草刈り前日の今日の夕方、残った上顎歯を掘り出した。けっこうグラグラしてたのは、割と簡単に抜けた。が、けっこう手強いのもいた。
とはいえ、大きめメスの刃1枚を使っただけで掘り出せたので、解剖刀の刃の倹約には成功。残った歯槽は隠した。あとは、歯槽を置いてあった場所に水かけてごまかす。ごまかせたかな? 作業した後、ジーパンが臭い。これはいつものこと。
●2024年10月8日 カヤネズミ調査の心得

カヤネズミの球巣調査の研修を兼ねて、カヤネズミの球巣観察会。カヤネズミの球巣が見れないと話にならないので、今日は下見。石川河川敷に到着して、見渡すと、よさげなオギ群落がある。かき分けて入ってみると、予定通りカヤネズミの球巣を見つけた。別のよさげなオギ群落もチェックしようと近づいたら、中に入るまでもなく簡単にカヤネズミの球巣があった。この場所はカヤネズミ調査の研修にピッタリ。
などと思いながら、河川敷を歩いてカヤネズミの球巣さがし。最初の場所はよかったけど、あとはあまり見つからない。でもまあ、こんな場所はダメという話はできそう。土手に上がって歩いて行くと、またよさげな場所で、球巣を発見。
石川離れて、山手の谷もチェックしてみる。棚田の中にも巣がありそうだけど、入れない。でも、休耕田に入ると球巣が見つかった。割と簡単。
これならバッチリ、カヤネズミの球巣を見てもらえる。研修は大丈夫。と思いながらの帰り道に気付いた。

経験者としては、あまりに当たり前過ぎて気付かなかったけど、カヤネズミの球巣さがしには、心得というか、ある種の覚悟と配慮が必要。
球巣は、草地にある。ある程度密生したイネ科草本の群落の中に入る必要もある。いわば藪こぎ。短パンで入ると大変なことになるし、長袖の方が望ましい。
この季節、草地をウロウロすると、引っ付き虫がつきまくる。今日は、ジーパンにTシャツにデイパックに、アレチヌスビトハギの実がいっぱい付いた。まだアメリカセンダングサが実を付けていなくて良かった。
そして、休耕田や河川敷にはしばしば水がたまってる。今日も休耕田には水がたまってる場所があったし、ドロドロの場所もあった。
初心者にはそれが判って無さそう。心づもりは当日伝えられるけど、短パンで来ないようにということは事前に伝えなくては。が、申込みの返信にそれを書き忘れた!
●2024年10月7日 群れ群れ群れ カワウ、コシアカツバメ、カワラヒワ

宇治川沿いを宇治橋から御幸橋まで歩いた。まだ冬鳥はカワアイサ2羽だけ。ツバメ飛んでるし、エゾビタキもウロウロしてる。夏鳥も旅鳥も冬鳥もいるってことになるけど、鳥はあまり多くない感じで、河川敷はかなり静か。
と、思いながら歩いてたけど、随所に大群が登場した。メリハリ効いてる。

最初に登場は、カワウ。遠目にも中州にカワウがいっぱいいると思ったけど、近づくと思った以上にたくさんいた。中州からあふれて、周囲に浮いてる個体も多い。数えると、1180羽。浮いてるカワウが、採食中なら、潜水を繰り返すから数えにくいけど、ぜんぜん潜らない。同じ方向を向いて、嘴をやや持ち上げて浮いてるだけ。数えやすい。中州にのって一緒に休憩したいけど、場所が足りずにはみ出た感じしかない。

続いて登場は、コシアカツバメ。隠元橋を越えて、ふと上を見ると、コシアカツバメが飛んでる。最初は数羽、と思ったらみるみる増えて、60数羽。渡りの途中の群れなんだろう。
観月橋を越えて、近鉄京都線を越えたところで、再びコシアカツバメの群れに遭遇。今度は80羽はいる。さっきより多いけど、同規模とも言える。ちょっと離れてるけど、さっきと同じ群れかなぁ。
と思ってたら、第2京阪道路の手前で三度コシアカツバメの群れに遭遇。65羽。さっきの群れが飛んでた場所に近い。個体数も同規模。同じ群れかなぁ。もしかしたら3回とも同じ群れを見てるのかなぁ。
もし同じ群れでないとしたら、コシアカツバメは同じような規模の群れで渡ってることになって、かえって不自然かも。

最後に登場は、カワラヒワ。久御山排水機場を過ぎた辺りで、130羽ほど。宇治川は京都市南部で繁殖していたカワラヒワが、換羽地として利用する、という報告がある。季節からすると、まさに換羽集団っぽい。有名な論文なので、有名人に出会ったみたいでちょっと嬉しい。


●2024年10月6日 ヒメダカ?だらけの川

今日は、富田林市の石川で、中高生と魚採り。
最初は流れのある浅めの砂礫底で魚採り。端っこの植物の陰をガサガサするとけっこうドジョウが採れる。小さいコイ科稚魚は、オイカワらしい。投網も登場して、教えてもらいながら投げてるけど、あまり何も採れていないような。頑張って水網使ってる人はカマツカも採ってる。全体的にあまり楽しげな魚が多くないので、陸上で虫を探してる人もいて、ベニトンボ見つけて盛り上がっていたり。
少し場所を移動した次の場所は、堰堤の上の水が溜まってる場所。投網を投げると次から次へとまあまあなサイズのオイカワが採れる。カマツカも多い。こっちの方が楽しいけど、種類が少なめ。と思っていたら、メダカいっぱい採った!と言って見せてくれた。
乱獲はアカンで。と良いながら見たら、メダカには違いないけど、明らかにペット由来の飼育品種。青や白っぽい個体が多く、赤や黄色いのもいる。色だけでなくプロポーションも変で、妙に頭が大きめで寸詰まり。尻尾が折れてるのも混ざる。簡単にすくえるという。だから100匹以上を一網打尽に出来たんだな。
言われて、水の中を見ながら岸沿いを歩くと、青や白っぽいメダカの群れがアチコチにいる。動きが遅く、岸から水網で簡単にすくえる。こんなんが野外にいっぱいいるのはまずいので駆除したいところだけど、中高生の前でむやみに駆除は。
と思ったら、家でヒバカリやヤゴなどを飼ってる子が、エサ用に持って帰るという。持って帰り、持って帰り。ということで、水網ですくっては渡す。かなり数を減らすことはできたかも。持って帰る子には、くれぐれも近所で放さないようにと釘を差す。


泳ぎが遅く、簡単にすくえるペット由来のメダカ。わざわざ駆除しなくても、なんかに食べられてすぐいなくなるのかも。とはいうものの、こんなにたくさんいるということは、それを上回る増殖率? とにかく、ペットメダカを放すのはやめてほしい。もう石川水系では手遅れかもしれないけど。
●2024年10月5日 石入ってるからイシイルカ?

大阪市内の某施設が大阪湾産のスナメリの死体を溜め込んでいて、順次寄贈くださることになった。その第2弾。スナメリじゃないイルカもあるというので、それを指名した。回収された時点でかなり痛んでいて、種名が分からないという。大阪湾で回収されたんだからハセイルカとかミナミハンドウイルカかなぁ。というので、いやいやスジイルカとかハシナガイルカとか他にもありえますよ。といった会話の交わした。が、到着したのをみて、分からなくなった。
妙に体高が高く見えるのは、横倒しでビローンとなってるからかな。表皮はなくて全身まっ茶色。背びれと尾びれはかろうじてあるけど、歯はなく、前肢もない。と思ったら、前肢は付け根だけあった。目も探すと見つかった。明らかに吻が短いので、ハセイルカやミナミハンドウイルカではない。もしかして、ゴンドウ系?
もしやコマッコウ!とも思ったけど、背びれの位置が違う。口の中を覗くと、歯はないけど、歯のささっていた穴はある。小さい歯がたくさんあるらしい。ゴンドウ系なら、カズハゴンドウかな。それなら大阪湾初記録かも。あるいはイシイルカ? でも北方系のイルカなので、まさかねぇ。と言いつつ、本格的に解体を始める前に、下顎骨を片側だけ掘り出した。ゴンドウ系じゃない! で、イシイルカとピッタリ合う。
全長も、背びれの位置も、前肢の位置も、イシイルカならピッタリ。ということは、妙に体高が高いのは、ビローンとしてるんじゃなく、本当に体高が高い?!

各パートにつけるラベルができてきて、いよいよ解体開始。まず頭を落とす。それから、団長が腹側、こちらは背側を担当。背側担当は、盾と横に刃を入れて、背ロースを切り出す感じ。でも、気分は魚を5枚におろしてる感じ。縦に長すぎて、解剖刀が届かない。なので、いっそう魚をおろすみたいになった。
イシイルカは初めてなので、めっちゃテンション上がる。腹側の模様がうっすらあるとかないとか。有利肋骨が、内臓が、とか言ってたら、けっきょく解体に3時間半かかった。
おもしろかったのは、胸郭の中の内側の皮膚に何か付いててザラザラする。そして、胸郭の前の方に白いジャガイモ大の石が2つ。これは驚いた。石が入っているから、イシイルカなのか?

あとから、出てきた石を確認してみた。結石ができるような部位ではないし、すべすべの石なので、結石っぽくない。そういえば回収された場所の近くにマーブルビーチという、金をかけて何にも役に立たないビーチがつくられている。出てきた石はそこの石に似ている。が、地学担当はだれもそこの石に詳しくなく結論がでない。
ただ、石を呑み込んで、消化管が破れて、胸郭内にあったのだとすると、胸郭の内側がザラザラしていた理由も納得がいく。消化管内容物が散っていたんだろう。

大阪湾のイシイルカは、知る限り1981年以来2例目。1981年は1頭生きたのが確認されて、淀川河口でも2頭が捕まったらしい。その後放した? ともかく当館に標本の所蔵はないので嬉しい。
というかストランディングの記録は、北海道だらけ。西日本での記録はとても貴重に違いない。

めっちゃテンションが上がって、楽しかったけど。終わると、もう1匹、スナメリがあったのを思い出す。スナメリには悪いけど、なんか面倒だなぁと思ってしまった。
●2024年10月4日 21世紀に大阪府で新たに記録された哺乳類一覧

2001年以降に大阪府で新たに記録された哺乳類は、知る限り以下の通り。みんな何かしら報告してくれていて素晴らしい。そして、Nature Studyという雑誌は、大阪府の哺乳類相を語る上で、はずせないことがよく判る!

◆ミズラモグラ(2008年):二上山と岩湧山の、それぞれ奈良県側と和歌山県側で採集記録があったので、大阪府にも生息しているだろうと長年考えられてきたが、確認されていなかった。1996年に河内長野市岩湧寺で見つかったという死体が、2008年に発掘されミズラモグラと同定された。これが大阪府初記録となった。報告してもらわんと困るので、書いてもらった。
 →樽野博幸(2022)はじめて大阪府下でミズラモグラの産出を確認.Nature Study 68(5):5.

◆モモジロコウモリ(2016年):隣接する兵庫県川西市では生息記録があるので、絶対大阪府へ飛んできているよね、という話は以前からしていた。2016年に箕面市鉢伏山で大阪府で初めて確認された。ようやくというべきか。
 →浦野信孝(2017)大阪府でモモジロコウモリ初確認.Nature Study 63(3):5.

◆アズマモグラ(2018年):大阪府野生生物目録(2000)に掲載されているが、これは樽野(1977、Nature Study 23: 77)の孫引きと思われる。この報告では、二上山でアズマモグラを捕獲したと報告しているが、その後、樽野(1978、Nature Study 24: 143-144)でコウベモグラに訂正されている。と言う訳で、大阪府のアズマモグラの記録はなかった。のだけど、2018年に河内長野市で実施された調査で、滝畑ダム〜岩湧山と、岩湧寺周辺で採集された。これが初記録。報告して、別刷りを送ってきて下さった。ありがたい。
 →原田正史・原田京子(2021)大阪府岩湧山の哺乳類.Animate 16:23-27.

◆ニホンカモシカ(2022年):2022年4月に泉佐野市の犬鳴山付近のカメラトラップで撮影されたのが、大阪府初記録。びっくりした。
 →幸田良介(2022)大阪府内でのニホンカモシカの初記録.Nature Study 68(8):2-3.

◆コテングコウモリ(2022年):コテングコウモリは枯れ葉トラップに入るから、生息調査ができる。という話なので、大阪府の山手で調査してみたら入った! という驚きの展開。2022年8月に、能勢町宿野と能勢町山辺で。
 →宮迫怜央・西村真樹・浦野信孝(2023)大阪府豊能郡能勢町でコテングコウモリ発見.Nature Study 69(2):8.

たぶん今後も新たに記録される種は出てくると思う。まあ、たぶんコウモリ類だろうけど。そして、その記録はまたNature Studyに載ると良いなぁ。
●2024年10月2日 2024年9月のまとめ とりあえず鳥学会大会へ、そしてネコ展終わった

前半は、鳥学会の準備でけっこう忙しい。その中で、8月の博物館実習の後始末。行事と行事の下見とネコ展後始末。その合間に印象的だった鳥の巣調査への対応。
そんな2024年9月を振り返っておこう。

ルーティンのため池調査、大和川調査は無事終了。奈良県3コース(1日で調査)と京都府2コース(1日で調査)のハッカチョウセンサスも実施。
地元公園では、やはり月末にカワウの集団ねぐら調査のみ実施。木の実チェックをそろそろ始めないとだけど、来月からに。
大和川水系の調査は、垂仁天皇陵のカワウ・サギ類の繁殖地をチェック。そして、行事絡みで、大和川中流部のカヤネズミ調査。

ホネホネ団の活動は、2日実施。
大阪鳥類研究グループは、標識調査見学だったけど、雨天中止。ただ有志が1日遅れて見学してた。
8月に予定していたが台風で順延になった読書サークルの会合があった。

普及行事は、出だしは室内で、大人向けのホネ標本作り実習。大和川を歩く行事3(ちなみに下見は、3と4)。熱中症リスクで中止になるかと心配したジュニア自然史クラブは、驚いたことに無事実施。ネコ展の講演会対応があるかと思ったけど、結局なにもしなくてよかった…。

講演は、日本鳥学会大会で、イソヒヨドリの内陸への分布拡大の話。
論文は書けず。メジロ調査の打合せはした。
査読なし。

とまあいろいろあった中、今月読んだ本は、自然史系5冊と、SF5冊、マンガ10冊。
完全休養日は1日。今年に入って3日。
後半からクーラーきって網戸になった。ネコは、外を見たり、網戸に登ったり盛り上がってる。
最後にガン検診。胃カメラのんだ。問題はなかったらしい。
●2024年10月1日 インスタグラム 1周年

2023年10月1日にインスタグラマーになった。あれから1年。最初の1年をまとめておこう。

1年目の投稿256件
満1年時点で、フォロワー173人、フォロー133人。
投稿の方針は、
・1日1回まで。
・その日に撮影した画像。
・投稿するのは、自然史関連の対象のみ。

投稿分野は、
・哺乳類:56件(生体2件、剥製・皮19件、ホネ16件、死体14件、巣1件、糞3件、食痕1件)
・鳥類:87件(生体32件、ホネ5件、死体22件、羽根3件、卵2件、巣21件、糞1件、ペリット1件)
・爬虫類:9件(生体4件、剥製1件、ホネ2件、死体1件、胃内容物1件)
・両生類:4件(生体3件、卵1件)
・魚類:10件(生体4件、ホネ2件、死体4件)
・甲殻類:2件(生体1件、殻1件)
・貝:2件(殻1件、卵1件)
・扁形動物:1件(コウガイビル生体)
・昆虫:16件
・菌類:2件
・植物:66件(生体64件、タネ2件)
・化石:1件(植物化石)

一番多く投稿した分野は、鳥類(34%)、植物(26%)、哺乳類(22%)。この3つで8割超え。
ちなみに1年目は、10月1日に石川で採ったギギに始まり、9月29日に大和川で見せてもらったタテスジヒメジンガサハムシで終わった。緑色のピカピカが目印。
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