日記風覚え書き

2025年1月2月、3月
(2005年1-3月4-6月7-9月10-12月、2006年1-3月4-6月7-9月10-12月
 2007年1-3月4-6月7-9月10-12月、2008年1-3月4-6月7-9月10-12月
 2009年1-3月4-6月7-9月10-12月、2010年1-3月4-6月7-9月10-12月
 2011年1-3月4-6月7-9月10-12月、2012年1-3月4-6月7-9月10-12月
 2013年1-3月4-6月7-9月10-12月、2014年1-3月4-6月7-9月10-12月
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、2023年1-3月4-6月7-9月10-12月)、2024年1-3月4-6月7-9月10-12月

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●2025年3月31日 万博直前の夢洲

とある相談を受けて、夢洲を視察させてもらった。

集合場所は、夢洲近くにある大阪府で高さ一二を争うこともあった建物。上層階からは夢洲が見渡せる。空撮には負けてるんだろうけど、万博の様子がよく見える。ついでにIRの工事のエリアも見える。IRの工事が万博側から見えないように目隠しの壁つくってるけど、リングの上からは見えてる気がする。
それから車で夢洲へ連れていかれる。おもな目的地は、会場の北西角辺り。会場をドローンで空撮していて、写り込まないようにいろいろ気を使わされる。万博会場を周遊する道路では、会場内を走る電動バスがいっぱい動いている。練習らしい。会場北西端の北側には水たまりが残っていて、まだカモが残っていた。万博オープンの頃にはいなくなってるはず。北に向かって、何度かカワウが飛んでいく。これは問題になるかも。ねぐら入り時刻を外すかなぁ。むしろ会場周辺を群れで飛び回るムクドリが問題かも。ここにドバトが加わる可能性もある。
続いて、会場南側の水域を見にいく。縁に少し浅瀬が出ていて、シロチドリが入っている。ポンプのところには、けっこう湿地が残ってるので、セイタカシギ繁殖の可能性はありそう。水域の南側では、ドローンの団体のテスト飛行の準備が進められていた。

巨大リングは、スカスカで、雨露がしのげるか疑問。そして会場の大部分は、ほぼ野外。建物内は涼しいだろうけど、会場の大部分は暑そう。猛暑日には行きたくない。いくなら、5月までか10月がオススメ。
春はオープンが間に合わないパビリオンがけっこうあるらしいので、秋にいくのがいいかなぁ。
●2025年3月29日 某高級双眼鏡貸し出し企画

今日の地元公園での鳥の観察会では、高級双眼鏡の貸し出しがあった。実施するに至った経過を記録しておく。

2月上旬に先方から、3月の鳥の観察会で双眼鏡の貸し出し企画をできないかという打診があった。とりあえず一存では決められない。会議ではかるので、詳細を教えてほしいといくつか確認。
・博物館や借りる人に費用負担はあるのか? →費用負担なし。
・借りた人へのアンケート、あるいは前後での営業活動はあるのか? →アンケートも営業活動もなし。
・借りる人の個人情報の取り扱いは? →貸し出し時に氏名と電話番号を記入してもらう。これはちゃんと返却してもらためのものなので、返却後は破棄。
・貸した機器が破損した場合の対応は? →多少の破損は覚悟している。賠償は求めない。
・貸し出しと返却の段取りは? →まとめて博物館に貸し出す、or担当者が個別に参加者に貸し出す。

実施してもとくに問題なさそう。でも、正直あまり乗り気ではなかった。すでに貸し出し用の双眼鏡は充分な台数あるので、多少なりと手間が増えるだけとしか思えない。が、その後、風向きが少し変わる。
・2月の鳥の観察会で、参加者数人に高級双眼鏡を試してみたいかと訊ねると、みんな試したいという答え。
・2月の学芸会議で話題にすると、双眼鏡の貸し出しについては、まあやってもいいんじゃない。程度の反応。他の学芸員はあまり双眼鏡関係ないから。でも、ルーペの貸し出しはないのか、と何人もが言い出した。双眼鏡だけでなく、ルーペも作ってたのか〜。まあ、つながりができたら、ルーペ貸し出しの話もできるかも。という結論になった。

というわけで、今日の双眼鏡貸し出しトライアルにつながった。当日持ってくる台数や段取りを打ち合わせて、今日に至る。貸し出しをしてみて、その反響には驚いた。
・観察会の受付終了してから、貸し出したら観察時間が減るので、集合場所で、早くきた人から声を掛けた。双眼鏡持ってきてた人も含めて、ほぼ全員が借りると言い出し、あっという間に用意された16台が埋まった。余ったら1台試そうと思ったのに〜。
・借りてのぞいた人は、全員綺麗に見える〜、と盛り上がっていた。営業活動はしていなかったが、試したらおのずと営業につながりそう。
・当日はスタッフが2名来られて、貸し出しも返却も対応されていた。こちらの負担はとくになし。開始時と終了時に少しコメントして、説明しただけ。
・高級望遠鏡も1台持ってこられていて、観察会の中で鳥を入れて見せてくれた。これはありがたい。

というわけで、トライアルは大変好評に終わった。こちらのコストはほぼなく、参加者の満足度が上がるなら、メリットしかなさそう。またの機会があるといいと思った。
ちなみに同じように観察会での双眼鏡の貸し出しは、あちこちの野鳥の会の観察会でも実施しているとのこと。アマチュアの探鳥会リーダーとは、鳥の解説のレベルが違うとお褒めいただいた。素人さんと比較されてもなぁ、と思わなくもない。
●2025年3月28日 ひさしぶりのカラスの巣チェック

冬の間になくなった巣をチェックすべく、造巣期直前の2月初めに地元公園のカラスの巣をチェックした。それから印刷物つくって、学会みたいなのを手配して発表して、子どもを祭って、その上、アカガエル卵塊を探してウロウロ。カラスの巣をチェックするのを2ヶ月近くすっかり忘れていた。
で、今日久しぶりにカラスの巣をチェック。ハシブトガラスがどんどん巣をつくりはじめていて、新しい巣がいっぱい見つかる。結局、新しい巣が16個。ちなみに、この間になくなった巣が7つ。すでに抱卵に入っている巣もあったけど、大部分はまだつくっただけか、つくる途中。明らかに、まだ巣をつくっていないハシブトガラスもチラホラ。
ちなみに営巣場所から判断して、ハシボソガラスは3ペアほどしかいない感じ。随分減ってしまった。

ハシボソガラスは、落葉樹など見張らしの良い場所に巣をつくるので、展葉前ならそもそも巣を見つけやすい。ハシブトガラスは常緑樹に営巣するが、数年前の台風でヒマラヤスギがほぼ一掃されたいま、たいていクスノキかマツに営巣。下からわりと簡単に巣を見つけられる。
カラスの行動を追いかけて巣を見つける必要があるなら、頻繁に観察する必要があるけど。上を見上げてウロウロすれば巣が見つかるのであれば、そんなに高頻度でウロウロしなくても、巣はちゃんと把握できる。
今までは、2月後半〜3月に週1度はチェックしていたけど、あまり意味がなかったかも。むしろ3月末辺りにチェックして、展葉が進んでから丁寧に見た方が良さそう。まあ、巣を使ってるカラスの種の確認には、巣づくりのタイミングでも見て方が効果的だけど。
●2025年3月27日 鳥展潜入レポート

まだ公表されていないが、1年後、大阪に鳥展がやってくる。東京で大好評で、現在名古屋で開催中のあれである。その担当者に指名されたので、名古屋市で開催中という鳥展に潜入してみた。その成果を報告する。
この手の潜入は、ネコ展に続いて2回目。東京に潜入しようかと思ったけど、日程が合わず。そして、規模的にも名古屋の方が近いので、名古屋に潜入してみた次第。他の人が作った展示にダメ出しするのは楽しい。

招待状をもらったので、それを持って出かけた。駅から歩いている途中も、同じ方向に歩く親子連れがいっぱいいた。もしかして行き先は同じ?と思ったら、案の定。そして入り口には長蛇の列。もし持ってなかったら、入り口で随分並ぶことになった様子。ただ並んでるのは特別展の入場ではなく、科学館への入館列っぽい。
一人でこっそり潜入する予定だったが、入り口でスポンサーサイドの人間に見つかり、一緒にまわる羽目に。事務室に連れて行かれ、あやうく地元学芸員と一緒に回りかけたが、展示を全部チェックしているのに飽きたらしい。すぐにいなくなった。
というわけで、最初から最後まで、展示をチェックした。東京展では、標本の同定ミスや、不適当な解説の指摘がいろいろあったので、それを中心に。また東京展から名古屋展で、標本やコーナーがかなり削られているので、削り方が順当かの判断もしつつ。

結論から言えば、同定ミスは見つからなかった。同定ミスが指摘された標本は省かれた様子。また不適当とされた解説も見当たらなかった。ただ、関西での展示にはそぐわない解説はいくつか。とはいえ学名などにミスはいくつか見つかり、せっかくなので指摘して帰ってきた。
東京展には標本を貸していたので、謝辞に名前があった。名古屋展には標本かしてないのに謝辞に載ってるなぁ。と思ったけど、ミスを教えてあげたから貢献したと言えるだろう。

大阪展に向けては、
・名古屋限定コーナーがあったけど、大阪限定展示はいらないと思う。むしろそのスペース分、標本やマンガ解説を増やした方が良い。
・目ごとの種数を柱の高さで示すコーナーはいらない。
・以上の2つでひねり出したスペースと予算で、東京から削った標本を復活させて、できればさらに充実させたい。こちらで用意できる種を検討しよう。とりあえずシュモクドリは出そう。
・吊るしている標本が通路の上すぎて、多くの人の目に入っていない。もっと展示を見たときに視野に入る位置に。なぜか標本に逆光のライトを当ててるのがけっこうある。これは要修正。標本と解説パネルの配置を入れ替えるべきポイントもいくつかある。
・スズメ目の系統樹はそもそも改訂第8版と順番が違うのがきになる。が、とりあえずスズメ目の展示のところにも必要。

ということで、名古屋展よりはいい展示にしよう。
●2025年3月26日 鉱物採集歴22年ちょっと

今日は、中高生と鉱物採集に出かけた。思い起こすと、初めて鉱物採集に行ったのは、2002年11月。となると、考えてみると鉱物採集歴は20年を越える。けっこうベテランじゃん。
ということで、今日は、ベテランってところを見せた。と言いたいけど難しかった。今までの経験を振り返って、なにがいけなかったか考えよう。

2002年11月: 猪名川町 多田銀山 →孔雀石など
2003年7月: 猪名川町 多田銀山 →孔雀石など
2004年11月:奈良市 柳生 →水晶
2005年11月: 奈良県 信貴山 →ガーネット
2006年11月: 猪名川町 多田銀山 →孔雀石など
2007年11月:香芝市 屯鶴峰 →サヌカイト
2008年11月: 猪名川町 多田銀山 →孔雀石など
2009年11月: 桜井市 針道 →黄鉄鉱
2011年11月: 奈良県 信貴山 →ガーネット
2012年11月: 京都市 大文字山 →青石など
2015年3月:香芝市 屯鶴峰 →サヌカイト
2016年3月:大津市 田上山 →トパーズ、煙水晶
2017年3月:笠置町 →ガーネット
2018年3月:猪名川町 →孔雀石など
2019年3月:箕面市 秦野鉱山 →孔雀石など
2021年3月:南丹市 船岡鉱山 →孔雀石など
2022年3月:猪名川町 柿ノ木鉱山跡 →孔雀石など
2023年3月: 桜井市 針道 →黄鉄鉱
2024年3月:箕面市 秦野鉱山 →孔雀石など

こうしてみると、同じような場所で同じようなのを採ってるだけ。採集歴の割に経験値は低い。でも、孔雀石採集は上手になってもよさそうなもんだけど。
●2025年3月25日 2年後以降の宿題、引き継ぎ、継続

あと2年で今の仕事をやめることになっている。なので、それ以降、何をするかを考えてみた。

とにかく、標本になる前の死体を大量に貯め込んでいるし、完成した標本の整理もちゃんとできていない。寄贈を受けた2つの大きなコレクションの整理も不充分。ということで、これは2年後以降も宿題としてのしかかってくる。
あと、今までに貯め込んださまざまな調査データを、まとめて発表していく必要もある。サークルでの調査、プロジェクトでの調査。ちゃんと成果を出していかねば。さらに、ルーティンで毎月のように実施している水鳥のカウントや地元のセンサス、外来生物の情報募集などは、いつまで続けるのか問題も含めて考える必要がある。

ここまでは、今の仕事の宿題。できれば、これからの2年間で処理しきれればいいのだけど、絶対ムリなので、宿題とせざるを得ない。
ここからは、どっちかといえば引き継ぎ問題。すでに大きな仕事は順々に引き継いできているし、小さい仕事は、誰かに押しつけたらいいだけ。そういう引き継ぎ仕事ではないけど、むしろ自分がなにかしら関わって継続したいものがある。それはおもに普及系のものに多い。

骨の標本作り実習:後任がいきなり担当はムリだろう。でも、人気もあるし、なにわホネホネ団の絡みもあるので、継続してみたい行事ではある。博物館行事ではなく、なにわホネホネ団とNPOの共催という形は悪くない気がする。

鳥の調査の勉強会:これは後任が担当するというなら、お任せでいい気がする。でもいきなり振られても困りそう。もし後任に振れない場合、今参加している方を、いきなり放置するのは無責任な気もする。年に数回の集まりなので、鳥のサークルあるいは、独自サークルとして、継続を考えたらいい気がする。

鳥類フィールドセミナー:これも後任が担当するならそれでいい。でも押しつけるのも違う気がする。かといって、すでにけっこうな客が付いてるので、手放すのは残念な気も。まるごと鳥のサークルに合流するというプランも考えたけど、もともと友の会行事なので、友の会行事として継続もあるかも。ただ、友の会行事には学芸員が関わるのが原則なので、むしろNPO行事化するのがいいのかも。

いずれにしても、後任次第という側面が強い。後任決まってから考えるしかなさそう。最後の半年はいろいろ忙しそう。
●2025年3月24日 大和川水系のアカガエル vs20年前の勝率(というか生残率)

20年ぶりの大和川水系調査プロジェクト。自分の担当部分では、20年の間にどのような変化があったかが、大きなテーマ。
2月後半から3月半ばまでは、アカガエル類の卵塊探しをしまくっていた。2023年から調査開始のはずが、2024年は編集作業であまり動けず、今年ようやく2月後半から大和川水系のアカガエルの卵塊探しに10回出かけた。これまでに他の方が調べた地点を含めると、おおむね20年前にニホンアカガエル・ヤマアカガエルの卵塊が確認された場所が一通りチェックできた。

厳密に同じ場所をチェックできていないケースもあるし。同じ場所にはいなくても、すぐ近くには生き残ってるケースもある。今回見つけられてなくても、もしかしたら近くに生き残ってる可能性は否定できない。といった注意事項があるけど、おおむね町名単位くらいで、20年前に卵塊が確認された場所で、今回も見つけられたかを、見つけたら勝ち、見つけられなかったら負けとして、勝敗を記しておこう。

<大阪府>
太子町:1勝0敗
河南町:0勝1敗
富田林東部:2勝1敗
河内長野市西部:1勝3敗
河内長野市南部:0勝1敗
 小計4勝6敗。

<奈良県>
生駒市北部:4勝0敗
生駒市西部:0勝1敗
矢田丘陵:3勝5敗
馬見丘陵:0勝1敗
奈良市北部:0勝1敗
天理市〜桜井市:0勝9敗
高取町:3勝0敗
大淀町:0勝1敗
 小計10勝18敗

ちなみにえいや!と種ごとに分けると
ニホンアカガエル:9勝12敗
ヤマアカガエル:4勝13敗

合計13勝25敗(勝率は約1/3)

という衝撃の結果。いずれにせよ負け越してるのだけど、生駒市北部や矢田丘陵のニホンアカガエルがなんとか生き残ってるのに対して、天理市〜桜井市のヤマアカガエルが全滅。かなり危機的な感じ。
来年、もう一度確認して回ろうと思う。見逃してるのが生き残ってるといいのだけど。


●2025年3月23日 子どもまつり2025 最終日

2日日程なので、初日の次の日はもう最終日。4ヶ月近くかけて準備してきたのに、2日で終わるのは残念な気もするけど。なにより本番を通じて、初日、二日目と完成度が上がってきて、こなれたところで終わるのは残念な気がするけど、この2日間で完全燃焼な側面もなくはない。なにより、この2日間での学生の成長を見れば、十分目的は達した感もある。

初日の反省点が多い年は、初日夜から2日目朝は、その修正でバタバタしまくるのだけど、今年はどの班も初日で大きな問題はあぶり出されなかったらしく、穏やかな最終日の朝。
変更点といえば、定刻スタートの2班だけ、昼休みのタイミングをずらして、午後ストロングに切り替えたくらいだろうか。
我が班の今日のメンバーは、昨日の7人に一人加わった8人体制。今日から参加の一人に向けて、段取りを教え込むのが、朝の主なお仕事。昨日の本番の中で決まった段取りがいろいろあるし、昨日の本番でのメンバーの成長も大きいので、今日から参加の一人のハンデはかなり大きい。その真価が問われるのを、意地悪な目で見守ろう。

全体の参加者が、初日の約1.5倍。個々の班の参加者も同じくほぼ1.5倍。ということで、定員は12人のはずが、午後からはずっと定員オーバー。5回興行のうち、3回目と4回目は、受付開始すぐに20人超えてしまい、受付終了。早めにスタートさせた。このままでは最終回が大変なことに。と心配したが、結局最後は、14人で穏やかにおわった。

2日間を通じて、ちゃんと声が出るようになったり、子どもとのやりとりに上達したり、連携してプログラムを進めたり。例年通り学生たちの成長を目の当たりにすることができた。
●2025年3月22日 子どもまつり2025 初日

3月終わりの恒例の子どもまつり。大学生のサポートスタッフが、企画、準備、実施のすべてをになう子ども向けワークショップ。今日は、一番ドキドキの初日。会場は昨日セッティングしたので、朝から直前準備。
我が足跡班は寸劇が中心なので、リハーサルしながら、流れのチェック。台本をけっこう頭に入れてきたので、かなりそれっぽくなってきた。本番の強さは発揮されるかな。
田んぼ班は、標本を出してきて、学芸員による最終レクチャーの声が聞こえてくる。
鉱物変身班は、経験者が多いからか余裕が垣間見れる。時間があるからリハーサルでもしようか、となってる。

我が足跡班のリハーサル。まだたどたどしいし、段取りもこなれてない部分があるけど、流れは頭に入ってるし、セリフもほぼ覚えてる様子。あとは、回数を重ねて完成していく感じ。

というわけで、初回。探偵たどたどしいし、段取り悪いけど、形にはなった。終わり方がフワッとしてたり、子どもの動きがコントロールできてないので、ダメ出し。
2回目。子どものコントロール頑張った。探偵の声が小さいとか段取りの修正点がある。
3〜5回目、探偵のキャラかもしれないが、子どもの動かし方やリアクションの出し方がうまい。アドリブや個性も出してきてる。みんなが動きを理解してきて、段取りもよくなった。

朝と夕方を比べると、目に見えて段取りがよくなって、子どもの扱いもうまくなった。毎年思うけど、みんな本番に強く、成長が早い。
今回は、明日に向けての修正点があまり思いつかない。
●2025年3月21日 子どもまつり2025 前日

大学生のサポートスタッフが企画する子どもむけワークショップもいよいよ明日明後日が本番。前日の今日は、その最後の準備、打ち合わせ、会場設営、リハーサル。なんせ昨年12月から、今日を入れて10回も集まって、企画・準備を進めてきたんだから。でも、まだやるべきことは色々残ってる。やることいっぱいで、学生のみなさんは、朝から夜まで忙しそう。
こちとらは、ある程度形になった段階で、科学的な内容やプログラムの進め方にダメ出しするだけの簡単なお仕事。

3つの班は、それぞれ状況が違っていて、鉱物変身班はとても余裕な感じ。一方、水田の生き物班は、この段階でいろいろ問題を抱えていて、リハーサルに参加してコメント求められて困る。
で、我が足跡班は、今日を迎える段階で、まあまあ形になってたので、なんとかなりそうとなってはいたが、パネルや小道具の作成、土産の図鑑の仕上げ、シナリオの修正、寸劇の段取りの確認といろいろやってる。

今日になって完成してきた大阪の街の哺乳類図鑑は、前回までは手描きのイラストだったのが、CGに落とし込まれていて、クオリティが異様に高くなっていた。質が高いだけに、さらなるダメ出しをしてしまう。CGなので目の前で修正してくれる。博物館の展示で使えそうなレベルになってきた〜。テキストは、すでに全面的に手を入れてたけど、さらに修正。これがもらえるのは、普通に嬉しいかも。足跡盛り込むの忘れてるなぁ。
寸劇の小道具では、帽子と手袋はかたまってたけど、尻尾に悩んでる。布製にしたいらしいけど、紙製にするように助言してみた。
寸劇のシナリオは、とても良くできてるけど、完璧に仕上げ過ぎかも。上手に崩す必要がありそう。今日の段階ではシナリオを読んでるだけ。これを頭に入れてくるのが今日の宿題。セリフの多い探偵と助手は覚えて来れるのかな? あと気になるのは、探偵の椅子と服装かなぁ。

ともかく、明日明後日の本番はどうにかなりそうには思う。
●2025年3月20日 子持ちスナメリ

この冬は幸いなことに大きなクジラはやってこなかったが、小さなスナメリはちょこちょこ打ち上がる。昨日もスナメリが上がったと連絡があり、たまたま車があったので、取りに行ってもらった。そして翌日の今日がホネホネの日。ちょうどいいから処理をした。
打ち上がった死体の回収作業の時から、腹が膨らんでることには気付かれていたらしい。でも、表皮がはがれて、スグキ臭漂う死体のこと。内臓腐ってガスが溜まってるんだろうと思われていた。

すでに歯はすべて落ちて、前肢は両方とも上腕骨までしか残っていない。なんならあちこちかじられている。一晩置いてあった部屋は臭い。かなり痛んでる。計測も大雑把な全長しか測れない。けど、かえって処理は簡単。
頭を外して、左前肢を外して、寛骨を確保。あとは左の半身をバナナ剥き。肋骨外して、頸肋骨確保して。ふと気づくと一人でさばいていた。内臓取り出して、右半身にとりかかる。

一通り解体して、あとの肉取りを他の人に押し付けて、午前終了。と思ったけど、内臓を処理しなくては。意外と内臓は傷んでないので、液浸で保存しよう。で、取り出した内臓を、改めて見てみると、袋の中に、なんか大きな物が入っている。なんか魚っぽい形。胃に大きな魚が入ってる!と思った。とみんなに見せた。
でも、おかしいんじゃないかという指摘を受ける。確かに、よく考えると、こんな大きな魚をスナメリの小さな口で丸呑みにできるはずがない。飲み込んだんじゃないとすると? というわけで、大きな胎児だった。胃ではなく子宮だった。胃と子宮もわかってないとは。
出てきたのは、カツオくらいの大きさの胎児。全長約50cm。すでにイルカの形をしていて、小さなペニスも出ている。歯が生えかけていて、なぜか額と舌がとても膨らんでいる。
スナメリは通常秋出産だけど、春に出産することもあるらしい。生きていたら5月ごろに出産したんだろうか?
●2025年3月19日 2025年度以降、当面の調査計画

毎年、繁殖期には何かしらテーマを決めて大阪府の鳥の繁殖分布調査をしてきた。おもには、大阪鳥類研究グループでの調査。時には冬期の調査を組んだりもする。同じテーマを5年10年といったスパンで繰り返して、その変化を押さえたいと考えている。時々、中期計画を考えたり、復習しておかないと忘れそうになる。
さらに、2023年度から2026年度は、20年ぶりの大和川水系の調査プロジェクトが動いている。20年前に調査したテーマは今回も繰り返したい。
となると、ハードな調査が重ならないように、調整しないと共倒れになりかねない。ってことで、毎年この時期に計画を練り直している。というわけで、以下ではこれから数年の計画をあげてみる。もちろんこれ以外にずーっと続けている調査もあるんだけど、それは抜き。obsgは大阪鳥類研究グループ、ProYは大和川水系調査プロジェクトでの調査。

【2025年度】
4月ー7月:大阪府のため池で繁殖する鳥の調査(obsg)
4月ー7月:大和川水系のため池で繁殖する鳥の調査(ProY)
4月ー7月:奈良盆地のイワツバメ・コシアカツバメ繁殖分布調査(ProY)
9月ー12月:大和川水系カヤネズミ球巣調査(ProY)
1月ー2月:大和川水系カワガラス分布調査(ProY)
2月ー3月:大和川水系アカガエル卵塊調査(ProY)

【2026年度】
3月ー5月:大阪府のイカルチドリ繁殖分布調査(obsg)
4月ー7月:大和川水系のため池で繁殖する鳥の調査(ProY)
4月ー7月:奈良盆地のイワツバメ・コシアカツバメ繁殖分布調査(ProY)
9月ー12月:大和川水系カヤネズミ球巣調査(ProY)

【2027年度】
5月−7月:大阪市の公園で繁殖する鳥の調査(obsg)
5月−7月:大阪府の農耕地で繁殖する鳥の調査(obsg)※

【2028年度】
5月−7月:大阪府の公園で繁殖する鳥の調査(obsg)
5月−7月:大阪府のソウシチョウ・ミソサザイ繁殖分布調査(obsg)※

【2029年度】
3月−7月:大阪府のサギ類・カワウ繁殖コロニー調査(obsg)

【2030年度】
12月ー1月:大阪湾岸カモメ類分布調査(obsg)

【2031年度】
5月−7月:大阪府の河川で繁殖する鳥の調査(obsg)※

※の3つの調査は、どの年にどれをするか悩み中。
農耕地調査は、1999年、2011年に続く3回目。ケリやヒバリがどうなっているか気になるところ。
河川の調査は、2001年に実施したっきりだけど、大和川水系は2000年代と2024年度に実施してる。淀川水系も2000年代後半に実施してる。2030年でもいいのだけど、30年ぶりに2031年という方がキリが良い。
ミソサザイとソウシチョウはいわば山の調査。同時に調査できるという利点がある。で、2004-2005年にミソサザイ、2015-2016年にソウシチョウを調査している。1年で実施するのはけっこう大変。でも、2028年度は暇だろうからできるかなぁ。

もし2027年度以降のどこかで、2回目の淀川水系調査プロジェクトが入ったら、予定は大幅に変わることになる。
●2025年3月18日 自然と共生したピカピカイベント

地元の公園では、数年前から夜のピカピカイベントが、ほとんど毎日行われている。LEDだとしても、夜、光が当たることは植物やらなんやらに何かしらの影響がありそう。そして、設置された機材は昼間の利用者にも影響を与えるし、昼間活動する動物にも影響を与えそう。
そもそも、このイベントが始まる時の説明では、昼間の利用には影響を与えないように配慮するといっていた。なのに蓋を開けてみると、白や銀色の卵がいっぱい並んでいて、歩ける場所も制限されて、どこが昼間の利用に影響を与えないやねん。そして、それは当然、昼間活動する鳥にも影響を与えてそう。というか、鳥を見ている人はみな、卵が設置されたエリアで鳥が少なくなってるのを体感していた。

そんな中、強い筋からの指摘もあって、鳥への影響を調査することになった。その調査の仕方や結果評価のための会議ができて、そこに地元のアドヴァイザーとして関わることになった。もちろん意見をいうのは偉い先生方。
今日、そういう会議があった。冬の調査結果が出てきた。限られた回数の調査だけど、体感通りの結果が出ていて、とても面白かった。調査はしてみるもんだ。面白いのは、鳥への影響のパターン。昼間の影響がはっきりと検出されそうなのは、
・水辺ではなく、陸。
・樹上ではなく、林床。
・たたんだり片付けたりした機材ではなく、昼間も設置されたままの目立つ機材。
・物理的に地面が占められている場合だけでなく、点在していても。
とまで判れば、影響を軽減する策も講じられそう。聞けば、このイベントは、自然との共生を謳っているらしい。真に、鳥を含めた自然と共生したイベントにしてくれるだろう。
●2025年3月17日 天理市と桜井市の東部のヤマアカガエル個体群は壊滅した?

諦めきれないので、今シーズン3度目の天理市と桜井市の山手のアカガエルの卵塊さがし。
20年前に記録のある7ヶ所を巡り、途中新たな場所も探しまくったし、産卵していてもおかしくなさそうな場所はあちこちにあったが、アカガエルの卵塊は、一つも見つからず。
絶滅はしてなくても、壊滅的な状態なんじゃなかろうか。

これだけ、いい感じに水がたまった産みそうな場所があちこちにあるとなると、産卵環境がなくなったからという説明はできない。季節的にまだ産んでないとは思えない。となると、アカガエルがいないとしか思えない。どうしてもRによる捕食の可能性を考えてしまう。
そうなのだろうか? だとしたら、ヤマアカガエルは絶滅して、ニホンアカガエルが減ったとはいえ、生き残っているのはなぜだろう? 思いつくのは産卵環境。ニホンアカガエルは、狭い水路にも産卵するので、産卵場所が散りがち。それに対して、面的に水がたまった広めの場所に産卵するヤマアカガエルは集中しがち。あるいは単にヤマアカガエルの声は大きくて見つかりやすいとか?


●2025年3月16日 大阪府の市街地で見られる野生中型哺乳類

ネコを入れて8種いる。テンとノウサギは含めていない。今やノライヌも居ないでいいだろう。ってことで、該当するのは、タヌキ、キツネ、アナグマ、チョウセンイタチ、アライグマ、ハクビシン、ネコ、ヌートリア。8種中、食肉目が7種。8種中、在来種は3種だけ。とても特徴的な哺乳類相。
この8種の中から、イチゴを盗んだ犯人を探すという子ども向けワークショップを、大学生のサポートスタッフさんがつくってるのをサポート中。食性、足跡、尻尾、手足の色で絞り込むというストーリー。
尻尾はそれぞれ特徴的な中、手足の先の色が絞り込みに使えるというのは、初めて気づいた。そして、図鑑などでは、顔の模様などで識別しようとしがちだけど、足の指の数(4本か5本か、爪の有無)、尻尾の色と模様と長さとフサフサ度。という特徴だけでも十分見分けられてしまうってことも、あまり気づいてなかった。ってゆうか、ネコを除けば、尻尾だけで十分。
このワークショップは、もともと足跡を示したかった。そして食性の話もしたい。ってことで、今回のストーリーが決まってきたけど、尻尾だけで話もできそう。哺乳類の尻尾ワークショップ。いつか企画してくれないかな。
●2025年3月15日 枚方で街の鳥を語って、枚方の自然を考える
冬に専門家をよんで、自然との共生っぽい講座をするらしい。で、今年お声がかかった。今までの講師リストをみると、錚々たるみなさんが並んでる(と、ここは謙虚な振り)。今回は地元の鳥に詳しい方の推薦だそう。きっと聴きに来られるから、その覚悟で喋らないと。ちょっと緊張。
とりあえず、会場となる聴きなれない建物を目指した。言ってみると、廃校になった校舎を使った公共施設だった。天野川沿いを調査するついでに、コシアカツバメの巣がないか確認にきたことがあるぞ。とか思いながら中に入る。どこにも講演会のポスターはってないし、部屋の使用予定にも案内が出ていない。なんか間違ったのか?と不安になってたら、スタッフの方で出てこられて、場所を教えてくれた。案内が出てない理由を教えてくれたけど、理解できなかった。
会場に着いたら、名前を書くように言われる。書いてたら、講師の先生!とようやく気づいてもらえた。事前にパワポファイルは送ってあって、すでにセットされていた。配布資料をもらったら、もうすることがない。30分以上ぼんやり。あまり人は多くないな。と出足を見て思ったが、結局定員の40人が埋まった。
話は、大阪の街の鳥。主に種組成の変遷の話。時間がなくて、ため池や河川の鳥、サギ類など水鳥の話はなしにした。おまけでヌートリアも語ろうかと思ったが、断念した。1時間半話して30分質疑のはずが、50分話して10分質疑になってしまった。
途中、枚方市でもやってみましょう。と言ったので、推薦くださった方に、いろいろ宿題をいただいたと言われてしまった。ツバメ類の調査はしてほしいなぁ。
終わってからはその方から枚方の自然についていろいろ伺った。保全活動が活発な里山でも、離農による放棄田の増加が問題だそう。里山環境がいつまで維持できるか心配されていた。次々となくなる水田が心配という点で一致した。トノサマガエルやメダカ、ドジョウをみんなで調べて、生息地の保全活動につなげていけないかという話をした。
大阪府で一番、自然環境への取り組みが盛んな市町村の一つが枚方市。そこでも状況はとても悪いんだと認識したのが、今日の一番の収穫。
●2025年3月13日 馬見丘陵のイノシシ兄さん

今日は4日連続、アカガエル卵塊探しの最終日。馬見丘陵周辺をウロウロした。
20年前、こんな場所に産卵地があるはずがないと思って、調査に行かなかった。が、おかんが、産卵地を1ヶ所見つけてきて驚いた。ただ、当時ですら卵塊は1個だけ。これはじきに消滅かなぁとは言っていた。
今回、その既存の目的地に行く前に、馬見丘陵全体をウロウロしてみた。それなりに水がたまってる場所はあるけど、あまり林に隣接したいい感じの場所は多くない。そして良さそうな場所にも卵塊はない。というか、公園化されてる場所周辺は、どんどん開発が進んで谷筋がなくなってる。そして残った谷筋も耕作放棄地だらけで、奥に入る道がないというか、封鎖されてる。
20年前に確認された場所に行こうとしたら、棚田沿いの道は封鎖されていた。人目がありそうなので、突破は断念。ぐるっと裏に回って、谷奥の尾根から谷に下った。もちろん道がない。が、ここらはイノシシが多いらしい。イノシシが通った跡がしっかり残っている。イノシシ兄さんは少し背が低いけど、それに付いていけば谷に下りられるし、降りてからも藪こぎなしに歩いて行ける。面白いことにイノシシ兄さんは、水がたまってない場所を選んでくれる。あまり草が密集していない場所を選んでくれてる。イノシシ兄さんはとても頼りになる。
で、目的地に到着。おそらく20年前より耕作放棄地は広がっているのだろう。それでいて水はあるので、何段にもわたって水のたまった放棄棚田が続く。とてもいい感じ。人が入らず耕作放棄されて水がある。少なくとも短い間は生物多様性が高まってそうな気がする。
が、けっきょくアカガエルの卵塊は見つからず。いい感じのエリアが広すぎるので、見逃してる可能性はあるけど、絶滅かなぁ。
●2025年3月12日 矢田丘陵のニホンアカガエルも危機的?

アカガエル卵塊さがし3日目。今日は、生駒山地東側1ヶ所と、矢田丘陵西側4ヶ所を巡った。いずれも20年前に卵塊が確認された場所。
生駒山地東側も、矢田丘陵西側の内、北よりの2ヶ所も、アカガエルの卵塊の気配はなし。生駒山地東側はいい感じに水がたまってたりもしたけど。
最後の1ヶ所は、矢田丘陵をかなり南に行った場所。初めて矢田丘陵のほぼ縦走をした。ここは、20年前の調査ではノーマークで、知り合いのカエル好きさんが、たまたま見つけて報告してくださった場所。行ったことはないので、正確な場所が判らない。でも、とても水が多くて、水の溜まった放棄田があちこちにある。周囲は林だし。これは卵塊いっぱいありそう! と、最初は盛り上がって、水たまりをチェックして回ったが、さっぱり卵塊がない。自分がアカガエルなら絶対に産みそうな場所だらけなのに。ヤマアカガエルでも産卵できそうな、面的な浅い水たまりなのに。ほとんど諦めて、未チェックの田んぼがある道路沿いを歩いていて、ふと下をみると、赤い水のたまった田んぼ山側の細い水たまりに卵塊があった。見るからにニホンアカガエル。一度気付くとけっこうあった。他にもっといい感じの場所いっぱいあるやろ! と心の中で叫んだ。
その後、矢田丘陵の南東側に下って、麓の田んぼ周辺もチェック。水がたまったいい感じの場所はそれなりにあるが、卵塊は全然見つからず。

結論としては、北の方や南の方に産卵地はあるものの、矢田丘陵のニホンアカガエルもかなり危機的だと思う。
●2025年3月11日 ヤマアカガエルかニホンアカガエルか両方か

アカガエル卵塊さがし2日目は、高取町周辺。20年前は3ヶ所で確認された。昨年は別の3箇所で確認された。その6ヶ所すべてをチェックした。
幸いなことに、6ヶ所中、5ヶ所で卵塊を確認。新規の場所も1ヶ所見つけた。探せばもっと見つかりそうな気配。まだまだアカガエルが健在で、なにより。

で、不思議なのは、20年前はヤマアカガエルが見つかっていたのに、今回はニホンアカガエルが見つかってること。
と言っても、20年前も産卵地3ヶ所全てでヤマアカガエルと確認した訳ではなく、1ヶ所にヤマアカガエル成体がいたから、近傍の全部ヤマアカガエルだろうとなっただけ。
昨年、ニホンアカガエルがいますよ、と明らかにニホンアカガエルの幼生の画像が送られてきて驚いた。で、今日の調査になったわけ。
今日、確認した卵塊は、すべてサンプルを採取したので、幼生で確認できるはず。でも、少なくとも3ヶ所はニホンアカガエルっぽい産卵環境だなぁ。

過去にヤマアカガエルが産卵してたのは確実なので、今回ヤマアカガエルが見つからず、ニホンアカガエルばかりだとしたら、今回の大和川水系のアカガエル類調査を象徴する場所となる。ニホンアカガエルは健在の場所であっても、ヤマアカガエルはいなくなっている。どうしてなんだろう?

【追記】
1ヶ所くらいはヤマアカガエルだろう。と思いながらオタマジャクシを育てたけど、全部ニホンアカガエルの徴が出てきた。本当にヤマアカガエルは危機かも。
●2025年3月10日 南河内のアカガエルの危機

アカガエルの卵塊探して、富田林市から河南町、太子町と、南河内をウロウロした。
最初は、とりあえず大阪府で一番有名といってもいい富田林市の某所(有名だから名前を隠しても判るけど)。20年前、ここでは何度か調べて、ヤマアカガエルとニホンアカガエルの両方がいるという結論になった。今となってはそれがあってるかわからんけど、現在、そこの保全を行ってる団体さんのサイトを見ると、ニホンアカガエルだけが産卵してることになっている。今日は卵塊は確認出来たけど、オタマジャクシは確認出来ず。産卵してるのビオトープ1ヶ所だけだったし、大事にしてそうなので採集は断念。むしろさらに上流寄りのいかにも産卵してても良さそうな場所で卵塊を見つけられなかったのが気になる。
続いて、20年前に卵塊を確認した富田林市の数ヶ所を巡る。ぜんぜん卵塊がない。水はあるのに。続いて、河南町の確認地点に行ってみる。とてもいい感じなのに、卵塊はない。新たな場所を探そうとしたけど、谷沿いの林道がヨソ者立ち入り禁止となっている場所が多い。
最初の場所以外は、全然卵塊が見つからん。もう諦めムードで太子町のポイントに行ってみる。全然期待してなかったのに、ここでは卵塊確認。

と言う訳で、南河内で2ヶ所の産卵地を確認。いずれもニホンアカガエル。ヤマアカガエルは絶滅状態で、ニホンアカガエルも危機的って感じだろうか。

●2025年3月8日 小規模ヨシ原で繁殖するオオヨシキリは、大規模ヨシ原でのストーリーを覆す

諏訪湖の縁に点在する小規模ヨシ原で繁殖するオオヨシキリの話を聞いた。
日本では、今までにもオオヨシキリはよく研究されてきた鳥。その研究のピークは、1980年代後半だろうか。京都大学、大阪市立大学、新潟大学に研究者がいて、いずれも若手の有望株。その頃、関西で大学生から大学院生をやっていた関係で、ずいぶんとオオヨシキリの話を聞かせてもらった。というか聞かされた。4人とも近い研究室だったので、交流も多く、学会大会や論文での発表では出てこないこともいろいろと聞いてきた。
もうオオヨシキリの生態の大部分は解明されているし、その多くを自分は知ってると信じていた。今日までは。そんなことはなかった。今まで思い込んできたことが間違っていたポイントを整理しておこう。

まず一番の間違いは、小規模ヨシ原でさえずっているオオヨシキリのオスは、つがいになれないし、営巣もできないということ。あんなに断言してはったのになぁ。もしかしたら大規模ヨシ原が残っている琵琶湖とかではそうなのかもしれないが、小規模ヨシ原しかない諏訪湖では、そんな場所で営巣して、繁殖に成功している。
オオヨシキリは、ヨシにしか巣をつくらないと教えられた。でもヨシ以外、時にはセイタカアワダチソウなどにまで巣をかける例があった。さらに、随分低い位置ででも営巣していて驚いた。
繁殖期が妙に遅め。どこかの大規模ヨシ原を狙って負けた個体が移動してくるんだろうか。どこからきてるのか不思議。
7月なかばにもなると、琵琶湖のオオヨシキリのオスは、営巣を放棄して、換羽を始めるという話だったはず。でも、諏訪湖では遅くなってもオスは放棄しないらしい。

所変われば品変わる。同じ種であっても、いろんな地域、いろんな環境で研究をしないと、その種の生態の全体像はわからない。考えてみれば当たり前だけど、改めてそう思った。
そういう意味では、1980年代にオオヨシキリ研究していたみなさんは、視野が狭かった。それでいて、とても強気だったんだなぁ、と思った。研究者としては成功する資質かもしれないが、真実には迫れないかも。
●2025年3月7日 カワウやサギ類の繁殖コロニーの木を切ってみる

奈良盆地には、知る限りカワウの繁殖地は2カ所しかなく、そのうちの1ヶ所を毎月、ハッカチョウ 調査のついでにチェックにいってる。ここはサギ類4種も営巣する立派な繁殖コロニー。当然ながら、巣がいっぱいの木は枯れてくる。
まだ今年の繁殖期が始まっていない今日、見に行った。遠くからなんか大きな音がする。チェーンソーらしい。着いてみると、繁殖コロニーの木が切られていた。2台のチェーンソーがフル稼働という感じ。主にサギ類のコロニーになって、枯れてきた木を切ってる様子。
繁殖開始前なので、巣が落とされるわけではないが、昨年までの営巣エリアの木はなくなりそう。でも、気になるのは何の目的で木を切ってるかということ。

営巣していた木が切られたら、コロニーは移動するだろう。木がないんだから移動せざるを得ない。でも、でも通常は、そんなに遠くには移動しない。たぶjん近所に移動するだけではないかと。まあ端的にいえば、切られてない最寄りの木に巣をつくりそう。

すべからく、追い払う時は、追い払ってどこに移動するか。移動させたい場所を設定する必要がある。営巣木の伐採は、同じ池の違う場所に移したいなら有効かもしれない。でも、他の池に行かせたければ、その池の島の木をすべて切る勢いでないと意味がない。そして、すべて切っても、同じ池の島の地上で繁殖するだけかも知れない。
もし、木を枯らしたくないから、木を守りたいから営巣木を切ったとしたら、いわば逆効果。次々と木を切ることになる公算が高い。木を守るなら影響範囲を限定するのが重要。枯れた木を残して、もし枯れ木が倒れたら擬木を立てるくらいして、同じ範囲内で営巣するように誘導するのが効果的。
と、管理者に教えてあげたい。
●2025年3月5日 性的二型のない鳥にありがちな特徴

性的二型のある鳥の特徴を考えてみると(面倒なので一妻多夫的な鳥は無視)、メスをめすぐオス間の争いが激しい、あるいはオスがメスにいっぱいもてようとする。総じてザクっと言えば、配偶者を求める活動が活発とでも言おうか。
性的二型のある種の話はよくされるが、性的二型のない鳥の特徴はあまり明確にされることが少ない気がする。まあ、性的二型のある種の裏返しではあるからだろうけど。

ということで、性的二型のない鳥の特徴について考えてみた。

おそらくなにより大きいのは、つがい形成の機会が少ないこと。すなわち、一夫多妻傾向が少なく(つがい外交尾はさておき)、つがい関係を長期間維持する。
渡りをする鳥は、非繁殖期につがい関係を解消していることが多いので、留鳥であること(つがい関係を解消せずに渡るハクチョウ類やツル類を覗く)。

もう一つ大きそうな要因は、見かけ以外で配偶相手が選ばれること。性的二型は外見の話なので、たとえ一夫多妻傾向があっても、囀り、ディスプレイ、構築物、なわばりの質などの基準で選ばれるのであれば、性的二型を発達させる理由はない。
その並びで、子育てに両性の参加が不可欠であることは、性的二型を抑制しそう。これは見かけ以外で選ばれる要素が強めになりがちってことだし。雌雄共に抱卵・抱雛するのなら、雌雄ともに目立たない方が良いということでもある。

両方の考えの根本には、特段の理由がなければ、性的二刑は発達しないというのがある。目立つ形や色をつくるには、余分なコストがかかるだろう。という考えがある。これはまあ正しそうに思う。

例外を考えてみよう。
留鳥なのに性的二型がある鳥と言えば、大阪あたりでは、モズ、ウグイス、ムクドリ、カワラヒワなんかを思いつく。この内、ウグイスは一夫多妻傾向がある。つまり、冬季はつがい関係維持していないんだろう。モズとカワラヒワは繁殖の後、つがい関係を解消するっぽい。説明しにくいのはムクドリ。もしかして、つがい関係を冬には解消しているのか?
渡り鳥で、冬季はつがい関係を解消してそうなのに、性的二型がない鳥と言えば、カモメ類やサギ類が思い当たる。ミツユビカモメでは、同じペアを繁殖を繰り返す話があるので、冬季につがい関係を解消していても、いちいちつがい形成を経ずに、結局同じ相手と繁殖を繰り返しているのだろうか?
●2025年3月4日 フクロウの繁殖期

今日はフクロウの話を伺った。繁殖ステージの進行に伴って、鳴き方がどう変わっていくかというテーマ。でも、なぜか気になったのは、フクロウの繁殖期。
鳥の繁殖期は、たいていヒナに与える餌の豊富さとリンクする。フクロウなら、ネズミとか? 場合よっては、鳥やコウモリやカエルなど。コウモリとカエルは暖かい季節でないと採れない。でも、ネズミと鳥にあまり季節性はない。冬鳥が多いことを考えると、関西では冬場や春秋に鳥は多いかも。ヒナへの餌が多い季節というなら、春から秋まで似たようなもの。
となると、フクロウの繁殖期は、春から秋までいつでもいいはず。渡りはしないので、渡りの季節を考慮する必要もない。複数回繁殖はしないにしても、途中で失敗したら、やり直しもできるはず。

でも、フクロウの研究者さんによると、関西あたりのフクロウは、2月頃から繁殖期に入って、4月は抱卵期、5月に育雛期。卵がうまく孵化しなくても、やり直しはしないと言われてるらしい。
納得がいかない。やり直しの余地はあるはず。少なくとも、オスはやり直そうとしてるように思える。メスが応じればいいだけ。

そもそも繁殖開始のタイミングが異様に早い。そして変異が少ない。もっといろんな季節に繁殖開始してもいいはず。
それとも、気づいてないだけで、なにか制限要因があるんだろうか?
●2025年3月3日 地域自然史と保全研究大会2025 気になる発表の記録

あくまでも個人的な評価、というか興味に基づく。鳥の発表は自分のを抜いても4題あったが、2題は以前から伺ってる研究。1題は自分の方が詳しい内容。オヤニラミもすでに聞いてる。なので、ここでははスルー。あくまでも主観的なインパクト、自分の知識のに貢献したかでセレクト。

第1位は、タゴガエルとヒメタゴガエル
第2位は、埋立地のタヌキと、フクロウの鳴き声、甲子園浜の海浜植物が、同率。
甲子園浜以外は、大阪府立大学勢だなぁ。

北摂でのタゴガエルとヒメタゴガエルの分布を遺伝的に調べた研究はとてもありがたい。なんとなく分布がわかりやすく判れてる気がする。これに基づいて、産地で種を決めてしまえる!と言ったら、発表者にデータが十分とは限らないので、それはダメと言われた。それでも参考にはなりそう。
埋立地のタヌキのため糞の発表は、タヌキのため糞場周辺での活動の様子がうかがえて興味深かった。
フクロウの鳴き声の発表では、雌雄それぞれが繁殖ステージとともに鳴き声がどう変わっていくかが示されていた。そもそも、こんなにいろんな鳴き声があるんだなぁ。ワンと犬のような声で鳴くとは知らなかった。
甲子園浜の海浜植物の発表では、台風などでの撹乱のたびに、植生に変化があるのが面白かった。ハマビシが出てる!と思ったけど、そういえば放流実験してたっけ。

あと、違う意味で気になったのは、ツルマンリョウ。照葉樹林の林床の希少な植物らしい。その花に来てる昆虫の画像があったのだけど、ハナノミっぽい甲虫の画像に、甲虫ではない名前が付いてた。指摘し損ねた。というのはさておき、果実を食べにくる鳥として、ヒヨドリとツグミの名前があがってた。林床にツグミが来るかなぁ。シロハラではないのかなぁ。質問したかったけど、仕損なった。
●2025年3月2日 地域自然史と保全研究大会2025 運営側の反省

関西自然保護機構と大阪市立自然史博物館の共催イベント。敷居の低い地域の学会大会的なもの。助成金の受給者の口頭発表、論文賞の記念公園、シンポジウムといった講堂企画と並行して、その外でポスター発表が行われる。一般の発表を受け付けるのはポスター発表で、今年は30題が集まった。毎年、ある程度の発表を集めるのに苦労してるような、そうでもないような。
今年も、一旦2月22日に申し込みを締め切った。が、関係者には2月28日まで受け付ける旨を通知。すると、最後にバタバタと発表タイトルが集まった。おかげで、直前がバタバタで、とても忙しい。その他、当日にもいろいろ反省点がある。来年に向けてリストアップしておく。

反省点その1:締め切りを延長して、最終締め切りは当日の3日くらいは前にすべき。延長しないとポスター発表の数が少なくて寂しい。結局、本当の締め切り直前に申し込もうとするらしいので、それを少し前にするのは影響少ないかも。

反省点その2:プログラムのライブ配信の告知が、博物館友の会会報や博物館HPで行ってなかった。総会以外は、会員以外も参加できるので、告知すべてきだった。

反省点その3:講演要旨集は、昨年実績にプラスして100部刷ったが、途中でなくなりかけ、急遽20部増刷した。結局、115部はけた。

反省点その4:ポスター発表者一覧の完成と掲示が遅れた。

反省点その5:参加者や発表者の昼食場所と休憩場所、クロークの設定がなかった。少なくとも会員や発表者へは、昼食場所と休憩場所の設定とクロークの告知があった方がよかった。当日は急遽、昼食・休憩場所に部屋を確保した。

ちなみに、今年は2日前に尻尾が壁を21枚下におろしておいてくれたので、前日は6枚追加するだけで済んで楽だった。壁の固定や大物打ち出しは、ハゼ屋がやってくれて助かった。来年もお願いしたい。
一方、当日の総会での出番の予習ができてなかった。これも反省。

【追記】
ついでに記録しておくと、申し込み内容・要旨と、タイトル、発表者、内容すべてまったく違う発表が1題あった(申し込みはヤマトサンショウウオの保全なのに、実際は堺市周辺のツバメの集団ねぐらの話だった)。これにどう対応するか。とくに要旨の公開をどうするかは、今後要検討。
●2025年3月1日 2025年2月のまとめ ノルマの2冊の発行完了。果実と川が終わって、カラスとカエル

とにかく印刷物2つを、無事に期限内納品に持ち込んだ。昨年は、1つだけだったのに、3月後半にずれ込んで、間に合わなかった。今年は頑張った。まあ、間に合うのが当たり前ではあるのだけど。ほら昨年はクジラも来てしまったし、情状は酌量してもらってもいいかも。
そんな2025年2月を振り返ってみよう。

ルーティンのため池調査、大和川調査は無事終了。奈良県3コース(1日で調査)と京都府2コース(1日で調査)のハッカチョウセンサスも実施。
地元公園では、鳥のセンサスと木の実チェックを実施し、下旬に果実の食べ尽くしを確認。上旬にはカラスの巣チェックも実施。月末にはカワウの集団ねぐらも調査。
大和川水系の調査は、垂仁天皇陵のカワウ・サギ類の繁殖地をチェック。そして前半で、河川の冬鳥調査が無事に完了。今月調査したのは、高田川、佐味田川、葛下川、東除川、西除川。そして後半からはアカガエルの卵塊調査に突入。でも、想定外の寒の戻り過ぎのおかげか、さっぱり卵塊が見つからない〜。

ホネホネ団の活動は、2日実施。大物ではアシカの皮を処理。
大阪鳥類研究グループは、奈良公園へ。お目当てのニュウナイスズメは見つからず。ムササビを見に行ったようなもん。
読書サークルの会合あり。

普及行事は、友の会バックヤードツアー。あとは鳥類フィールドセミナーと植物園案内動物編。ジュニア自然史クラブは、植物化石さがし。
アカガエルの卵塊観察会は、お目当てのヤマアカガエル卵塊が見つからず、昨年と同じ場所でニホンアカガエルを観察。

講演は、なし。
論文とは言えないかもだけど、大阪湾岸3年分の調査を、データペーパーとして自然史研究に仕立てた。
査読は1本引き受けたけど、できてない。

標本関連では、年末年始の皮処理は、いまだ昨年のオオカミ皮と今年のクマ皮の仕上げが残っている。
昨年の皮の片付けをもできてない。ここ数年につくった鳥の仮剥製は冷凍室に放り込んだ。合わせて隣の部屋を片付けた。月末には研究室のワックス掛けのために、部屋の片付け。隣の部屋はさらに片付けねば。ちなみに隣の部屋もワックス掛けしようと思ったけど、今年も挫折。
片付けの勢いで、表で水漬けしていたクジラヒゲを洗って干した。さらしてたクジラ椎骨も取り込んだ。

とまあいろいろあった中、今月読んだ本は、自然史系8冊と、SF1冊、マンガ13冊。まだSFが読めない。
完全休養日はなし。今年に入ってまだ休んでない。
ネコは元気。帰ったら掛け布団に入るのを待ってる様子。真ん中に乗りたいらしい。 サバイバルは、ちょっと悪化。脂に問題がありそうなので修正に取り組む。
●2025年2月28日 河内長野市のアカガエル卵塊探し

20年前にアカガエルの卵塊があった場所は、まあまあ覚えていて、昨年も見に行ったのだけど、卵塊は見つからず。まあ、時期があまりに遅すぎたからね。ということで、今年はベストなタイミングでと、今日見に行った。
行くのは、小山田町から下里町にかけて辺りの河内長野市南西部。浅いため池が多い場所で、小さな谷も多くて、まあまあ水っぽい。そんな池や谷奥をチェックして回る。
最初にチェックした小さなため池に、さっそくニホンアカガエルの卵塊があった。数は少ないけど、ちゃんと散乱してる。生息が継続していて良かった。やっぱり昨年は、時期が遅かったんだな。と調子に乗って、今日あちこちでいっぱい見つけるぞ!とやる気が湧きまくり。
が、見つかったのはそこだけ。以前、卵塊を確認した場所を4ヶ所巡ったが、全然見つからず。環境はあまり変わってないし、水はあるのにおかしい。ただ全体に乾き気味で、水が少なめ。雨が少ないから産卵が遅れてるとか?
もう一度来た方がいいかなぁ。と思いつつ帰ってきた。
●2025年2月27日 研究室ワックス掛けの日

今日は研究室のワックスがけの日。研究室には入れない。でも、研究室のワックスがけが終わったら、廊下に逃がしていたものを研究室に入れて、今度は廊下のワックスがけ。なので、出かけるわけにもいかない。
研究室で仕事が出来ないので、やむを得ず別の場所でお仕事。というのを大部分の学芸員が、館内各所で行なっている日。

午前
水漬けしてあったクジラヒゲを出して、洗って干した。
干してあったクジラ椎骨を、最後に洗って、取り込んで陰干し。

午後
月曜に処理した大きめの皮2枚を洗剤から出して、洗って、なめし液に浸けた。
放置してあった哺乳類と鳥類の液浸を収蔵庫に入れた。
ついでに、冷凍燻蒸済みの骨も収蔵庫に入れた。
その後、会議。そして消防訓練。にぎやかな一日。

部屋は、ワックスがけだけでなく、けっこう綺麗に片付いた気がする。
水仕事多めで、靴下はビショビショになった。
消防訓練の途中、消火器の使い方を説明している最中に、消防士さんに本物の火事で召集がかかり、そこまでで切り上げることになった。とてもリアルに緊迫感があった。
●2025年2月26日 冬の宇治川を歩いてイワツバメに出会う月は

2020年度から、宇治橋から御幸橋まで、毎月前半に宇治川沿いを歩いている。おおむね5年分のデータがある。繁殖期にイワツバメに遭遇するかどうかは、近くに営巣地があるかに左右されるようなんだけど、冬の間は、営巣に関係なくイワツバメが登場する。でも、いつでも出会うわけでもない。
11月から2月を冬だとして、何月にイワツバメに遭遇したかピックアップしてみた。

2020年度 1月(1群46羽)
2021年度 1月(7群合計101羽)
2022年度 1月(1群6羽)
2023年度 1月(2群合計51羽)、2月(4群合計44羽)
2024年度 2月(7群合計106羽)

なぜか11月や12月に出たことはなく、1月か2月ばっかり。といっても、1月2月は必ずいるという訳でもなく、個体数や群れの数もまちまち。ただ、多い時は、数10羽から100羽超え。
イワツバメの繁殖期は、たぶん4月ごろからだと思うけど、九州での観察では、繁殖期の後、いったんいなくなったイワツバメが、10月には営巣地に戻ってくるという話がある。冬に記録しているから越冬記録としてるけど、これって越冬ではなく営巣地に早く戻ってきてるのかな? だとしたら、宇治川周辺の営巣地にイワツバメが戻ってくるのが1月ごろってことかなぁ。

イワツバメは一年の動きだけでも謎だらけ。
●2025年2月25日 天理市は今日は雪だらけ

と言っても積雪はせいぜい3cm。そして、日陰にしか積雪は残ってないけど。アカガエルの卵塊探しだと、目的地が日陰なので、雪の積もった道を歩いて、雪の積もった休耕田に踏み込むことになる。足元がどうなってるか分からず。両足とも水没した。
今朝、爪先の霜焼けがやっと治ったなぁ。と確認したところだったのに、また霜焼けになりそう。 これほどの、尊い犠牲があったのに、アカガエルの卵塊は見つからず。2週間前にも来て、ぜったい産みそうと思った場所にないし、大和川源流部のいつもの場所にもない。その途中、何ヶ所かチェックしたけど、浅く水のたまった場所は、20年前と同じくあちこちにあって、記憶の限りではさほど環境は変わってない。ただ、卵塊がない。
例年なら確実に産んでる時期だけど、今年は2月に入ってから寒いので、もしかしたら、これから産卵するのかも。と考えると、もう一度来ないと行けない。
今日は何にも収穫なく、寒かっただけ。何しに来たんだろう? さらに歩いて卵塊を探そうかとも思ってたけど、心が折れ気味で、国道福住からバスに乗って戻ってきた。
●2025年2月24日 スナメリには目がない

1月に回収された小さなスナメリを解体した。1m弱。片手で持てる。
2022年度から3年度続けて、ニタリクジラ、マッコウクジラ、マッコウクジラと、10m超えの大型クジラがやってきてしまって、この冬も来るんじゃ内科と戦々恐々としていたが、この冬は幸いなことに大型クジラはやってこず。小さなイルカが何頭かやってくる。まあ、今のところは。
と言う訳で、1月のハセイルカに続いて、2月はスナメリ。1月のハセイルカはまれに見る綺麗な個体で、解体するのが忍びなくて、測定の後、そのまま液浸にした。今日のスナメリは、ぜんぜんためらわず解体できる。皮は残ってるけど真っ黒だし、頭の横に両側とも大きな穴が開いてる。何かに喰われたらしい。おかげで、目がない。鼻もないし、肛門もない。辛うじて生殖口だけ無傷。解体の前には測定するのだけど、測定の起点がことごとくないので、測定できる部位がとても少ない。とても楽ちん。先月のハセイルカは耳の穴まで確認出来たから、測定が面倒だった。
小さいので解体も楽ちん。頸肋骨や寛骨もちゃんと回収できた。
●2025年2月23日 子ども祭り2024中間発表会

大学生のサポートスタッフが、企画、準備、実施とすべてをこなす子ども向けワークショップを展開するのが、3月終わりの子どもまつり。昨年12月にスタートして、ここまで7回ほどのミーティングを重ねて、企画を練ってきた。大雑把に中身が決まってきたこの段階で、他の班やスタッフにお披露目して意見をもらう。それが中間発表会。
もらった意見に基づいて、修正をかけて、本番に向けて準備を進める。場合によっては、大きな方向転換を迫られることもある。とても緊張する日。

田んぼ班:田んぼのどういう部分にどんな動物がいるかが問われる、でもテーマは水田がなければ生きていけない動物がいろいろいることを伝えたいらしい。作業とテーマがずれてる気がする。カードを貼るだけでは、何が楽しいのかわからない。参加した感も薄い。展示室で展示を前に何をするのかも不明確。せめて色ぬりをした方が良さそう。

鉱物班:原料の鉱物が、どんな製品になるか。を3パターンくらい紹介。展示の鉱物も観察。箱の中で、変身して出てくるのが楽しそう。鉱物と岩石の違いの説明が難しい。その説明はいるのかは考えどころと思った。

足跡班:果物を盗んだ犯人の中型哺乳類を、食性や足跡、尻尾などの特徴で、探偵と一緒に推理していく寸劇。ストーリーは面白そう。シナリオと子どもにわかりやすく伝える部分が課題。
●2025年2月21日 ハシビロガモが気を変えた理由

毎月、調査に行ってるとある池。唯一ヨシガモが毎年渡来する池で、他にはヒドリガモとハシビロガモが多い。公園内にある池で、いろんな人が餌やりに来るらしい。人を見るとカモが寄ってくる。ヒドリガモのすべてと、ハシビロガモのほぼすべてと、ヨシガモの半分以上は寄ってくるのが、例年のパターン
が、今年度は先月や先々月からなんか変だった。例年以上にヨシガモが多いのだけど、それがさっぱり近寄ってこない。例年ならヒドリガモに混じって、数羽は寄ってきてたのに。
そして今日。今日はさらに変で、ヒドリガモしか寄ってこない。ハシビロガモもいるのに、さっぱり近づいて来なかった。

もし、人がカモたちを怖がらせたのなら、ヒドリガモも近寄ってこなくなっていいはず。なのに、ヨシガモとハシビロガモは近寄ってこないが、ヒドリガモはいつもどおりに近寄ってくる。
先月は全固体ではないにせよ、ハシビロガモも近寄ってきていた。なのに今月は近寄ってこないなら、同じ個体の気が変わったとするより、個体が入れ替わったと考えた方が納得がいく。このタイミングでハシビロガモが入れ替わった理由はわからないけど。

【追記】
3月24日の調査では、ハシビロガモは2月の1/3以下に減っていたが、ヒドリガモと一緒に近づいてきていた。ヨシガモも少なめになっていた。全固体近づいてきた。
個体数が多い時、警戒性が高まるとか、警戒性が高い個体が混じるとかして、全体的に人から距離をおこうとする。といった説明はどうだろう?
●2025年2月20日 地元公園の果実食べ尽くし宣言

この30年近くにわたって、地元公園の果実の食べ尽くしのタイミングを記録してきている。主だった樹種の枝先をマークして、果実の減り具合を秋くらいから継続してきて、果実数が5%うを切ったら食べ尽くしと判断。
0%を待たないのは、葉に隠れた数個くらいは、ずーっと食べ残されることがあるから。あくまでもメジャーな樹種の食べ尽くしのタイミングを押さえたいので、なかなか食べ尽くされない樹種は無視。かつてならシュロ。今ではセイヨウヒイラギモチやトキワガマズミは、年によっては全然食われないので、無視。無視しないと食べ尽くしのタイミングが決められない。
という制限を加えると、だいたいトウネズミモチ、センダン、クロガネモチの御三家の果実がなくなったら、食べ尽くしと判断できる。

2月13日には、センダンやクロガネモチの果実がそれなりに残っていたけど、今日チェックしたらすべてのセンダンとクロガネモチ個体の果実がなくなっていた。ということで、今年度の果実の食べ尽くしを宣言。15日の鳥の観察会の時は、ほぼセンダン祭がおわっていたが、クロガネモチは少し残っていた。と考えると、実際に食べ尽くされたのは、16日〜17日頃かなぁ。
2月半ばの食べ尽くしは、1990年代で言えば、割と遅いタイミング。偶数年度は、早く食べ尽くされる予定なのに、都合が悪い。
●2025年2月19日 プレビュー2日前の貝沼展

解説書の編集担当になったのは、オープン直前が調査関係で忙しいことが読めていたから、案の定忙しく、2月7日に校了してからは、大和川水系の河川の冬鳥の調査やアカガエルの卵塊調査、その研修行事の下見などに追われ。ついでに自然史研究の校正にも追われる。3月前半の企画の準備もしなくてはならない。
ってことで、貝沼展の準備をしている萌蔵から、助けて下さいメールが何通も来てたけど、対応できず。先ほど、ようやく一段落。ふとカレンダーを見ると、2日後はプレビュー、3日後にはオープン。展示準備はどうなってるのかなぁ、と今頃になって見に行った。

まだ、ケースは閉まってないし、ケースの固定もまだだけど、展示物は見たところ全部並んでる! 明日オープンでも対応できそう。とうとう独りで並べきったんだなぁ。偉いなぁ。まあ、ずっとやってたからなぁ。このペースなら、明日の夕方に打ち上げに行ける!
さすがにプレビュー前日の明日は、なにかしら雑用を手伝わねば、と空けてあるけど、手伝うことないかも。本当は、明日が解説書の納品の日だったけど、それも昨日納品された。

ちなみに特別展解説書は、2日も早く仕上がったけど、34ページのおじさんの顔にモワレが…。これだけで刷り直しにはならないけど、増刷時には調整して欲しい。ちなみに納品されたPDFにはモワレはなかった。

とりあえず、今日は萌蔵が帰るまでいることに。なんか手伝いがあるかもだから。
明日は何もないなら、休んでもいいのかな?
●2025年2月18日 カイツブリを増やす方法を考えてみた件

大阪府に関して言えば、とりあえずため池を増やせば良さそうに思う。でも、それは無理なので、代替案を。
なんてことを考えるのに、とても便利な論文が2024年に出版された。

風間美穂(2024)開放水面に営巣するカイツブリ〜人為がもたらす営巣場所の変化〜.きしわだ自然資料館研究報告9:1-12.

大阪府岸和田市で、1998年〜2009年に101ヶ所のため池で、カイツブリを調べた結果をまとめた。という体の論文。本当は現在も調査してるし、カイツブリ以外の水鳥のデータも取ってるし、たしかもっと多くの池を調べてたんじゃないかと。でもまあ、データが整っていて、データをまとめやすかったのが、101ヶ所12年分だったんだろう。バンではなく、カイツブリだけをまとめたのがどうしてかは、知らない。
カイツブリの繁殖を見たことがある人は多いだろうけど、調べた人もいるけど、まとまったデータをちゃんとまとめて発表してくれた人は少ない。だもんで、この論文はとても貴重。

という点を差し置いても面白い話がいっぱい載ってる。
・岸和田は養魚池が多いけど、養魚池の方が、そうでない池よりカイツブリがよく繁殖してる。繁殖成功度が高いかは、検討していない。
・養魚池が多いからでもあるけど、鳥除けのネットやテグスが張られていることがある。カイツブリはしばしばその下で営巣している。その下で営巣したら繁殖成功度が上がるのか気になるけど、そこの解析が載ってないのが、とても残念。
・普通、カイツブリは浮巣をつくると言われているが、調べられた巣はすべて土台があって、浮巣ではなかった。土台は、沈んだ廃棄物や枝、その他の人工物。
・浮巣ではないからだけど、カイツブリの巣は水位変動に弱かった。つまり水位が上がると水没した。久米田池を除いた池では、失敗の半分が水位変動。
・他の繁殖失敗の原因としては、捕食、人による撹乱(これも養魚池だからもあるけど、人が近寄って放棄、あるいは巣が壊れる)、動物による撹乱(カメや鳥が巣に乗って、巣が壊れる・沈む)。
・捕食者の半分はカラス。他には、アライグマ、イタチなど外来哺乳類。タカ類やアオサギ。そして、驚いたことにカムルチー3例、オオクチバス1例。

ということで、カイツブリを増やすには、
・池に色んな物がある方がいいらしい。土台は必要。おそらくテグスやネットのようにカラス除けがあるとベター。養魚池はプラス要素。
・繁殖成功を考えると、人は近付かない方がいい、水位変動はない方がいい。養魚池はマイナス要素。
・外来生物はいない方がいい。陸上も水中も。養魚池はプラス要素。
・食糧となる小魚は多い方がいい。つまり外来の肉食魚は御法度。養魚池はプラス要素。

カイツブリに配慮した養魚池を維持するのが一番良さそう。


●2025年2月17日 今年のニホンアカガエルの産卵は遅め?

大和郡山市矢田町辺りで、ニホンアカガエルの卵塊探し。いよいよ今週末に迫ったアカガエルの卵塊観察会の下見。天理市のヤマアカガエルの卵塊を見に行こうと思っていたが、この期に及んで適当な場所を見つけられなかったので、あっさり昨年と同じコースに決定。今日は念のための下見。
コースは昨年と一緒でも構わないけど、せっかくなら少しコースを変えて、行事を兼ねて、ニホンアカガエルの産卵場所調査にもつなげたいところ。ということで、メインの目的地は昨年と一緒で、そこまでのコースもおおむね同じだけど、
・途中寄り道して、昨年見なかった林の中の浅いため池をチェック。
・20年前に記録のあったメインの場所の周囲の2ヶ所もチェック。
・後半は南西の山越えハイキングコースをやめて、南東に抜けて、20年前に卵塊が確認された辺りもチェックに行く。
って方針。

結局、林の中のため池2ヶ所には卵塊があった。が、昨年はあった場所にはなかった。
目的地及び、その周囲の場所では無事に卵塊を確認。偶然、地元の方に出会ったのだけど、今年は卵塊が少ないと嘆いておられた。ついでにいうと、昨年は芝生が一面のイノシシの掘り跡だらけだったのが、今年はほとんど掘ってなかった。
で、問題は南東に抜けた場所。水の溜まった棚田や、谷奥に浅い湿地はあるのだけど。そのどれかが20年前に卵塊があった場所のはずなのだけど、全然卵塊が見つからない。

全体的にいうと、ニホンアカガエルの卵塊は見つかるけど少なめ。季節的には、まだ少し季節が早め。さらに今年は2月半ばになって、けっこう寒の戻りが激しい。端的に言って寒い。卵塊がないのは、まだ産んで無いだけ? だといいんだけど。
●2025年2月16日 奈良公園の観察ルート

ニュウナイスズメを見せようと、奈良公園で観察会を企画した。ニュウナイスズメは関西では冬鳥。ただ、渡来は局地的で、大阪府ではほとんど見られない一方で、奈良盆地ではかなり普通。今年度は、奈良盆地の河川沿いを冬に歩き回ったけど、あちこちで見られた。あちこちで見られたけど、どこで見られるかの予測はやや難しい。どっちかというと、盆地中央部の農耕地がいっぱい残ってるエリアにいる印象。予測しにくい中で、比較的何度も見た記憶があるのは奈良公園。ニュウナイスズメを見せるなら奈良公園でしょう。ということで、人だらけの奈良公園に行った。
近頃、平日にも奈良公園に来る機会があるけど、土日は、平日よりも修学旅行っぽい学生は少なく、日本人観光客は多い。インバウンドはあまり変わらない印象。総じて平日よりも日本人率は高い気がする。そして、観光客だらけなのは、平日も週末もさほど変わらない。

とりあえず奈良公園の中心部を避けて、周辺部を反時計回りに回る。コースは、近鉄奈良駅→一の鳥居→浮御堂→飛火野→春日大社→若草山のふもと→春日野→南大門。日没後にムササビを見るつもりなので、ゴールは東大寺あたり。
観光客の群れは避けることができたが、鳥もあまりおらず。お目当のニュウナイスズメがなぜかいなかった。
ついでにアカガエルの産卵地を確認しようと思ったが、場所がわからず。というか、鹿苑周りが立ち入り禁止になりまくっていた。以前は、行事でウロウロしたエリアが入れない。観察しにくくなってる。あの池にもいけない。
もうムササビとシカ見る以外の目的で奈良公園に行くことはないかも。
●2025年2月15日 果実食べ尽くしの後、それぞれのヒヨドリどうする?

果実という食物資源は、食べ尽くすことができる。果実食の鳥にとっては、冬の途中で食べ尽くしてしまうと一大事。冬のメインの食べ物がなくなったってことなので、どうにかせんとイカン。
多くの鳥は、あっさりと食性をシフトする。ムクドリもツグミ類も樹上で果実を食べるのを諦めて、地上に降りて虫を探し出す。が、ヒヨドリは地上で虫を探すスキルがない。カラ類のように樹上で隠れている虫を探すスキルもない。
どうにかしないと飢え死に。という状況でヒヨドリにできる方法は2つ。果実を探しに他所に行くか、その場に踏みとどまって葉っぱを食うか。何を基準に選んでるんだろう。

他所に行く場合は、まずは周辺の小さめの果実バッチを狙うらしい。大きな公園の果実を食べ尽くしても、周辺の小さな公園や街路樹、庭木の果実はまだ残っている。それを食べる。その後は、過去の標識調査の結果からすると、南に移動していくっぽい。なんとなれば、食べ尽くし前に標識した個体が、食べ尽くしの後、和歌山県の海南市や白浜町で回収されているから。

といった移動が起きるので、早めタイミングで果実が食べ尽くされると、公園のヒヨドリの個体数が減少する。
そもそも関西で見られるヒヨドリには、留鳥として一年中いる個体と、秋に北から渡ってきて、4月頃まで滞在する冬鳥の二手がある。
果実の食べ尽くしの後、ヒヨドリが減少した後、残った個体数は、留鳥のみとなる6月から7月頃の個体数と同レベル。だもんで、果実を食べ尽くした後、留鳥は公園にとどまり、冬鳥は移動していくんじゃないかと考えている。

そもそも秋に渡来する冬鳥ヒヨドリの個体数は年によって異なる。果実が豊作ならあまりこないし、不作ならたくさんくる。つまり豊作年は関西より北でヒヨドリは止まってると考えることができる。このパターンは、北から果実を食べながら南下し、果実があればとどまり、なければ南へ移動してると考えることができる。
その延長で、渡るヒヨドリは、大阪でも果実がなくなれば、さらに南に行ってるんじゃなかろうか?
●2025年2月14日 読書サークル 第136回会合覚え書き

隔月で、課題本の紹介文を持ち寄って、本についてあれこれ言い合うサークル。
今日の会合で出た本についての意見を記録。

今回の課題本は8冊。前回以前からの繰り越しは3冊、1冊繰り越しで、10冊についてあれこれ話し合った。
ちなみに各人は紹介文を書いてきていてて、4つを最大として★を付けている。

●「標本画家虫を描く」
(紹介文3つ、平均★数は2.6)
 点刻に加えて、模様・色合い、陰まで盛り込んだ絵は、見応えがある。絵は凄いけど、自然史科学について学ぶ本というより、職人のこだわりを愛でる本という意見が強め。

●「カタツムリから見た世界」
(紹介文4つ、平均★数は3.3)
 重要な内容を書いている本だけど、多くが絶滅し、生き残ってる種も風前の灯火、保全されてる種の野生復帰の目処もない。ハワイの陸貝の絶望的な状況に、悲しい思いが先行する。という意見が多め。あの過剰な採集圧は、いまいち理解できないという声も。

●「日本列島はすごい」
(紹介文2つ、平均★数は3.0)
 著者は「…すごい」というタイトルにはしたくなかった。という噂を聞く。

●「「絶滅の時代」に抗って」
(紹介文4つ、平均★数は3.0)
 自然保護の歴史を学べると評判が良い。登場人物で圧倒的に知名度があったのは、レイチェル・カーソン。バイソンを守ったか知らんけど、あのおっさんの価値観は共感できん、という声も。「貧しい人々が自然保護の重荷を背負い、裕福な人々が生態系サービスの大部分を享受する」という不均衡は印象に残った様子。

●「ちいさい言語学者の冒険」
(紹介文4つ、平均★数は3.3)
 子どもの言い間違いの例は面白いけど、認知や言語学の本としては物足りないという声多数。小さい子どもと接する機会のある人には面白いかもしれんけど、という声も。

●「脳の本質」
(紹介文2つ、平均★数は3.0)
 紹介文は2つしかなかった理由は、読みかけて挫折した人が数人いたから。とにかく内容が難しかった様子。さらに図や例が判りにくく、そもそも文章が理解しにくいと声も。判りにくい理由の一つは、情報を盛り込みすぎて、個々の説明が不充分だからではという指摘もあった。一方で、楽しんだ人はいたので、読者を選ぶのかもしれない。

●「日本にいたゾウ」
(紹介文4つ、平均★数は3.0)
 日本で化石が見つかったゾウが順に出てきて勉強になる。同時代の哺乳類やワニのことも判る。でも、それ以上ではない。という意見が多かった。

●「動物のひみつ」
(紹介文2つ、平均★数は3.0)
 原著は問題ないが、邦題、イラスト、動物名の和訳、文献リストに問題が多いという指摘。

●「あたらし島のオードリー」
(紹介文4つ、平均★数は3.3)
 川上ファンが熱く推しまくっていた。

●「となりにすんでるクマのこと」
(紹介文5つ、平均★数は3.4)
 軽井沢町で実施されてるクマとの共存策に関心することしきり。同時に絵が上手の声が多い。クマやイヌが個体レベルで描き分けられてる!背景の哺乳類や鳥の絵の質も高い!
●2025年2月13日 大量のヒヨドリ、大量のヒヨドリ

地元公園の果実のチェック。冬物果実の季節もそろそろ終わり。クスノキやトウネズミモチの果実は完全になくなったと言って過言ではなく、エンジュの実もあとわずか。センダンの半分以上の個体で、果実が喰われまくり、落とされまくっている。果実が残ってるセンダンは、今まさにヒヨドリ集団に襲われてる。クロガネモチの果実も大部分食い尽くされた。今週で全部なくなりそう。
で、そのセンダンやクロガネモチにむらがっているヒヨドリが、とにかく多い。たぶん地元公園で見た一番大量のヒヨドリ。あちこちに数10羽のヒヨドリの群れがいる。そこに、ある程度ムクドリが混じり、シロハラも少し混じる。なぜかツグミは混じらない。
毎年、最後の食べ尽くしの時には、このくらいのヒヨドリが集まってきたのだろうか? 今年はたまたまそのピーク時に出会えただけだろうか? あるいは、今シーズンは特別にヒヨドリが多いのだろうか? ちなみにちゃんとデータを整理はしていないけど、偶数年度の2024年度は、ヒヨドリが多い年度のはずではある。
●2025年2月12日 天理市の山手のヤマアカガエル事情 その1

来週末のアカガエルの卵塊の観察会に向けて、下見の下見。昨年は矢田丘陵でニホンアカガエルの卵塊を見せたので、今年は天理の山手でヤマアカガエルの卵塊を見せる予定。
ただ、昨年、天理市にチェックにいったおかんが、大和川源流部で卵塊を見つけられなかったと言っていた。えー、あそこに卵塊がないの? でも、そんなに環境は変わってないんとちゃうかな。タイミングが合わなかっただけ? まあ、天理市東部や桜井市北東部の山手には、20年前は、集落毎に産卵場所があった勢い。どっか1ヶ所見つけたらええんやろう。アクセスの良さからすると、天理ダムのところのあそこがいいなぁ。20年前はいっぱいあるのを見つけたのが、最後の最後だったので、観察会できなかったし、今度こそ。

ということで、天理駅に降り立ち、まずは天理ダムに向かう。天理ダムにはオシドリがいる。アカガエルの卵塊と合わせて、オシドリを観察できるといいなぁ、とか思いながら、脳天気にお目当ての場所に行く。到着して愕然とした。卵塊がないどころか、水がたまってない。どうやらシカが縁をつぶして水が落ちたらしい。ここ全然あかんやん。
少し焦りながら、天理ダムの周囲をめぐるが、他に良さげな感じに浅く水がたまってる場所がない。少しあせり始めた。

やむなく天理ダムを起点に、周囲の集落に足を伸ばす。バスの便が厳しいエリアなので、とりあえず天理駅から歩いて行ける範囲に卵塊を見つけたい。
20年前に卵塊が記録された場所を、2ヶ所見に行ってみた。こっちは、まあまあいい感じに水がたまってる。今日時点では氷が張ってて、卵塊はないけど、当然ヤマアカガエルが散乱するでしょうって感じ。散乱は、今週の雨の後かな。
ただ、いい感じなのは棚田の奥ばかり、団体では見に行けない…。そして、天理ダムからさらにけっこう歩く。一般向けの観察会としては厳しい。カエル行事は子どもがけっこう来るからなおさら厳しい。
やむなく、今年も矢田丘陵にニホンアカガエルを見に行くことに決定。まあ、その方が、昨年の参加者を落選させても不満が出にくかろう。
●2025年2月11日 川沿い歩き 中級編 葛下川

昨日は、葛下川沿いも歩いた。ここもまた源流部行きにくいので、 下流から上流に向かっていく。ゴールしてからは高田川と似ていて、くだれば近鉄御所線の駅がある。が、帰りの電車を考えて、尺土駅まで歩いた。

JR王寺駅から、葛下川・大和川合流まで10分。で、河川が葛城市當麻町兵家の住宅地の暗渠に消えるまで、約4時間。ゴールから尺度駅まで30分ちょっと。急行に乗ればすぐ帰れる。

出だしは両岸とも歩ける。遠目にはJR和歌山線が突破しにくそうだけど、意外なことに両岸とも簡単にくぐれる。その後はしばらく左岸側しか道がない。と思ったら西名阪道路を越える手前で右岸に移る必要があり、あとはむしろ右岸側が歩きやすい。そして近鉄五位堂駅辺りから難しくなる。五位堂橋から近鉄大阪線の間は、ほとんど川沿いを歩けない。近鉄大阪線とJR和歌山線の間はけっこう川沿いを歩けるが、JR和歌山線の突破は迂回が必要。その後も、川沿いを歩けたり、迂回したりを繰り返す。近鉄南大阪線の突破には、スマホが必要。

後半はトラップだらけ。というかトラップしかない。線路を渡るたびに悩む。渡らなくても悩む。藪こぎはあっさり諦めるのが吉。
王寺町の最後に公衆トイレがある。あとは、スーパーやコンビニを探すしかない。


●2025年2月10日 川沿い歩き 初級編 佐味田川

佐味田川沿いを歩いた。源流部は街中だけど意外と行きにくい。なので、下流から上流に向かっていく。ゴールしてから、どこの駅まで歩くか、バスに乗るかいくつか選択肢がある。

近鉄田原本線の大輪田駅からでも佐味田川駅からでも、佐味田川・大和川合流まで、20分ほど。で、河川が道路下のから住宅地に連なる暗渠に消えるまで、1時間35分。ゴールからJR五位堂駅まで約30分。それは王寺駅に戻りたいからで、近鉄五位堂駅の方が5分ほど近い。

出だしは左岸にしか道がない。その後はしばらく両岸とも歩けるけど、左岸の方が交通量が少ない。というか藪こぎをいとわないなら、ずーっと左岸側を歩ける。藪こぎ避けたければ右岸に移ればよい。ゴール直前と道路を突破するところだけ、左岸側への迂回が必要。でも見れば判る感じ。

基本トラップはない。唯一の迂回ポイントでは、左岸側の低い道を歩けば良さそうなんだけど、道路に上がってしまうと、戻って下るのは面倒。
コース短いので、途中佐味田橋のコンビニに寄るだけでOK。
●2025年2月9日 初校の校正に悩む

この冬は、フィールドでの調査企画を進めつつ、特別展解説書と自然史研究の2つの出版物の編集。1月下旬は、その2つの校正と編集が重なって大変だった。で、締め切りがシビアな特別展解説書を優先させたので、そもそも自然史研究の入稿が遅れた。なので、当初スケジュールでは、自然史研究の初校の校正に1週間の余裕を見ていたのが、3日で校正することに。
で、一昨日初校が出て、今日の夕方返却。この3日間は校正に追われる。と言っても、おおむねデータペーパー。48ページ中37ページはエクセルの表。数字を触るわけがないから、あるいは変えられててもわからないから、実質的に校正するのは、11ページ。なのにけっこうミスが見つかる。大部分はこちらの原稿でのミス。印刷業者さんサイドのミスは、表組みでのセンタリングの問題などにとどまる。
で、最大のミスは、奥付を付け忘れたこと。が、最後のページまで付表で埋まってる。ページ数は増やせない。中程に奥付入れるのはあり得ない。昨日から悩んでいたが、ようやく結論を出した。
とにかく隙間は最初のページにしかない。ここに必要事項をねじ込むしかない。で、必要事項はなにかと考えると、もともと表紙に発行日と発行者は書いてある。となると入れるべきは、うーん、印刷会社だけ? ということで、他の号のレイアウトとは違うけど、表紙の一番下に印刷業者名を入れるだけで、お茶を濁した。まあ許しといたろ。
●2025年2月8日 今年の友の会バックヤードツアー

今日から土日、一日あけて祝日は、友の会会員向けの博物館バックヤードツアー。友の会会員にはすべてを見せるをコンセプト(?)に、普段は外部の人を入れない部屋も見せる。そして、子ども達に混沌という言葉の意味を勉強してもらい、大人には博物館に寄付しなくっちゃと感じてもらう機会となる、のだろうたぶん。
コロナ前は、実習室で鳥の皮剥きしていて、客がくるたびに鳥の皮剥きを説明し、セッティングしてある鳥の仮剥製、哺乳類の皮や骨格を説明する。というのが役割だった。団長が相棒につくこともあったので、毎回説明する訳ではないけど、3班ずつ午前と午後にやってくるのの対応。それが3日間。けっこう大変。その代わり、鳥の皮剥きが進む。というイベントだった。
コロナ禍をはさんで、行事は復活したけど、密集はダメという時代があって、鳥の皮剥きを見せるのはなくなった。もう密集していても何にも言われなくなったけど、いつまでもお前がいる訳でもないから、いなくても大丈夫な形に変える。という方針のもと、鳥の皮剥きは復活しなかった。
と言う訳で、昨年に続きツアコンをおおせつかった。今日の午後だけ。習慣とは恐ろしいもので、3日間の予定をあけていたので、思わぬ時間が生じて嬉しい。が、慣れないツアコンは、1回だけでも負担が大きい。昨年は行ってはいけない場所に寄り道して怒られたので、今年は控えることにした。上に行った方が面白いのになぁ。
ちなみに実習室は、鳥の皮剥きの実演の代わりに、どのツアコンでも説明できる標本の展示場所に転じている。今年の展示物は、自分の担当では、テンとイタチの毛皮、キリンとアシカの頭骨をディスプレイ。他は昆虫の佃煮、干しキノコ・冬虫夏草、フタゴヤシ種子とカスタネット、化石と鉱物、コメツキガニ。形はカスタネットに、色は鉱物に負けたけど。触れるのは毛皮だけなので、総合的に勝ったかも。
●2025年2月7日 カラスの巣調査スタート

昨日、宇治川沿いを歩いていたら、巣材を運んでるハシボソガラスがいた。もう巣づくりを始めてるんだなぁ。ということで、地元公園のカラスの巣調査を慌ててスタートさせた。
地元公園のカラスの巣調査は、2009年に始めたから、今年で17年目。さぞかしたくさんのデータが集まってるかと思いきや、確かに沢山のデータが集まってるけど、整理が全然できてない。2017年までは、毎年データを入力して、巣と巣がつくられた木を、番号振って個体識別して、いつ繁殖に使ったか、いつ無くなったかを追跡していたけど。だんたんデータを地図上に記録するだけで、入力しなくなってしまった。2月から調査スタート、のはずが3月スタートになった年もあるし、3月は頑張るけど、4月にだんだんやる気が減って、5月以降は調査していない年もある。4月までの調査で、おおむね新しい巣は押さえられるけど、スタート遅めのハシブトガラスの巣はおさえきれない。
で、できるだけ、繁殖期が完全に終わった夏に一度チェックして、その年の巣の見逃しを防いで。台風シーズンが終わることにチェックして、台風で落ちた巣を把握して。年末年始にチェックして、年越しの巣を確認して、2月頭にチェックして造巣期直前の様子を把握しておく。非繁殖期に台風で落ちたり、造巣期前にカラス自身が巣を落としたりを把握してから、次の繁殖期の調査を始めるため。なんとなれば、まったく同じ場所に巣をつくりなおすことがけっこうあって、非繁殖期のチェックをしておかないと、同じ巣なのか、つくり直した巣なのかが判らなくなるから。それも今は、年末か1月に一度チェックするだけになってしまった。
どこで調査を終えて、まとめてしまうかを考える頃合いかもしれない。
●2025年2月6日 クジラの3Dモデルでリモートインタビュー

ポーチに吊ってあるクジラの全身骨格の3Dモデルが作られたのは昨年度。その3Dモデルを使って、クジラの解説動画を作るという企画。実物のクジラの骨格ではなく、3Dモデルを動かしながら、リモートでインタビューに答えて、クジラの骨格を解説する。その収録が昨日あった。編集されて3分ほどの動画になるらしい。30分もインタビューされたけど、3分にまとまるのかな?
質問に答える形なんだけど、質問して欲しいところに誘導もする。という感じで、最初にハクジラとヒゲクジラの違いを説明した後、マッコウクジラ、ナガスクジラ、ザトウクジラを順に解説していく。
マッコウクジラでは、まず頭の形とメロンの解説。それから歯と目に注目。鼻の穴はどこ?クイズ。潮吹きの説明もした。頭骨の左右非対称に触れてから、上顎歯の話もした。頸椎の数を数えてもらって、前肢のヒレの中に指の骨、寛骨と大腿骨の名残。他になにか喋りたいことは?と言われたので、V字骨の話をした。
続いてナガスクジラ。マッコウクジラとの比較で、歯がなく、口の隙間にはヒゲと呼ばれる構造。目と鼻の位置の確認して、再び頸椎の数を数える。あとは前肢の指の数の違いくらいしか説明することがない。
ザトウクジラはさらに説明することがない。前肢が長いの大きな特徴。そして今までの2体とは違う特徴的な肩甲骨の形を説明。3体で一番若い個体なので、軟骨部分が多いことが一番の解説ポイントだった。
マッコウクジラの下顎骨は左右が引っ付いてるけど、ヒゲクジラの下顎骨は左右が分かれていて、口を大きく広げるのに便利。という説明を入れればよかった。と後から思った。
●2025年2月5日 復活のタヌキ、のタメ糞

地元公園では、2005年頃からタヌキが観察されるようになった。その頃、大阪城公園、天王寺公園と大阪市内で次々タヌキが見つかっていたので、さほど驚きはなかった。その後、継続的に観察されるようになり、2010年から2012年の秋にはタヌキの観察会も開催した。多くの参加者は、タヌキを観察できていた。同じ頃、卒論でタヌキのため糞調査も行われた。が、その後、疥癬がまん延し、次々と死体が回収され、タヌキの姿も少なくなった。やがて、ため糞も見つからなくなった。
タヌキの姿が消えた頃から、今度はアライグマの観察情報が舞い込むようになった。疥癬でのダメージに加えて、アライグマの進出が、タヌキにだめ押しをしてしまったんじゃないかと思う。
と言う訳でタヌキはいなくなったけど、比較的近所の住宅地では、タヌキがまだ生息しているという情報はあった。近くにはずっとタヌキが生息していたってことになる。

地元公園の鳥の調査が入ることになって、夜の情報収集のために2025年1月にカメラトラップが仕掛けられた。その結果、なんとタヌキが写っていた! まだ生息していた、というよりタヌキが久しぶりに復活したらしい。
と思ってたからかどうかは判らないが、今日、ふと以前タヌキのため糞があった場所をチェックしたら、ため糞がある! 10年ぶりくらい? もしかしたら、もっと前から復活してたけど、気付いて無かったんだろうか?
ため糞があったのは、タヌキが撮影された場所からは、ちょっと離れた場所。写った場所の近くにもため糞がありそう。探さねば。
●2025年2月4日 川沿い歩き 中級編 高田川

高田川沿いを歩いた。ここはまあまあ源流部には行きやすい。でも、どこまで歩くか、そもそも源流がどっちかの判断が悩ましい。なので、やっぱり下流から上流に向かっていく。ゴールしてから忍海駅まで下る感じ。

近鉄田原本線の池部駅から高田川・曽我川合流まで、15分ほど。で、源流部の葛城川の山手、吉野川分水を横切る辺りまで高鴨神社の前まで、3時間45分。ふもとの忍海駅まで降りてくるのに約25分。

前半を中心に、ほぼずっと両岸とも歩ける。が、これまた左岸側の方が車の交通量が少ないことが多い。田原本線を突破するのに手間取る。が、そこからしばらくは川沿いを簡単に歩ける。右岸の川側に歩道がないので、左岸を歩こう。近鉄新庄駅辺りから難しくなる。駅から線路を越えるまでは少し川から離れる。で、最大の難関は、その先。河川が二叉に分かれる。地図を見ると、どっちも同じくらいの流程があるが、高田川は南から来る太めの方。だけどすぐに川沿いを歩けなくなる。迂回して川を覗く。為志橋にいくべし。その橋にこっちが高田川だと書いてある。その後はまた川沿いを歩けない。再び出会うと三面張りの水路として、山に消えていく。

まずは出だしの田原本線を突破するところにトラップ。線路まで行けるのに戻る羽目に。どちら岸で迂回しても似たようなものだけど、田んぼに水が入ってなければ畦を歩けるので、左岸側の迂回がスムーズかも。そして最大のトラップは近鉄御所線を越えたところ。記憶では20年前は真っ直ぐ行ってしまったと思う。もしかしたら、そっちも高田川なのかなぁ。
公衆トイレはなく、川に近いコンビニを小まめに利用するしかない。
●2025年2月3日 オオバンとヒドリガモの関係

オオバンとヒドリガモの食性はよく似ている。どちらも植物食。水中の植物の食べるし、陸上の草も食べる。違いは、オオバンは潜水が得意だけど、ヒドリガモはあまり潜水が得意じゃない。
佐保川沿いを歩いていると、オオバンやヒドリガモがあちこちで陸に上がって草を食べていた。オオバンだけのこともあるし、ヒドリガモとオオバンが混じっていることもあった。

同じ資源を利用する競争相手ではあるけど、食物である水草や陸上の草は大量にあるので、資源競争はあまり起きそうにない。そんな両者の関係はというと。
陸では立場は同じ。それぞれに草を食べるだけ。仲良く出来そうだし、実際に混ざって草を食べている時でももめていない。なんなら、ヒドリガモ同士の方がもめている。
一方、水上では立場は同じではない。オオバンが潜水して水底の草をとってきて食べれるのに対して、ヒドリガモにはハードルが高い。そして、ヒドリガモは、潜水してオオバンがとってきた水草を横取りにいく。
陸上では仲良しなのに、水上ではいがみ合う感じ。

不思議なのは、水上でオオバンから水草を奪うのは、ヒドリガモだけではなく、オカヨシガモをはじめ他の水面採食ガモもやってる。のに対して、陸上でオオバンと一緒に草を食べているのは、いつもヒドリガモってこと。他の陸ガモが混じらない。オオバンとヒドリガモは特別に仲良しな気がする。が、単にカモの中で一番陸で草を食うのがヒドリガモってだけなのだろうか。
あと、オオバンとヒドリガモが陸上で草を食ってる姿は、この季節になってよく見かけるようになった気がする。この季節性は何故だろう。
●2025年2月2日 古琵琶湖層群の化石探し

今日は、中高生と化石探し。化石探しは毎年やってるけど、今まで10数年以上にわたって12月に実施してきた。が、12月は一般向けの化石探し行事があって、地学系学芸員は忙しいらしい。なので、2月に変えたいとの要望。ええ〜、今頃? と思わなくもないが、変えるのは問題ない。ということで、今年は2月に化石さがし。
考えてみると、12月なら雪はまずないが、2月は雪がある可能性がまあまあある。いいのかなぁ。雪が積もってたら化石さがしにくいんじゃなかろうか? とも思うが、まあいいか。化石探しに行くのは、今日を入れてもあと3回だけだし。
そして、今日は、滋賀県湖南市の野洲川をウロウロ。幸い積雪はなかった。化石もあまり見つからなかったけど。

日帰りで化石探しに行く場所には、過去10数年以上のあいだにたいてい行ったことがある。野洲川も知ってる。と思ってたが、なんにも覚えてなかった。駅からこんなに近かったんだな。河川敷を確かにたくさん歩いたっけ。なんか橋が一つ増えた? と、久しぶりすぎて、いろいろ懐かしく楽しい。途中の河川敷近くにモールができていて、トイレに行けるようになってた。
覚えていたのは、前回はもっと歩かされたことと。ここまで藪漕ぎしなかったこと。そして、もっとメタセコイア球果の化石が簡単に見つかったこと。ゾウの足跡化石は結局見なかった。逆に、前回はぜんぜん探さなかった葉っぱ化石探しが、今回はメインになっていた。これは担当の植物化石の学芸員が替わったことが大きな要因かも。採集地点も前回とは違ってた気がする。

前回は気づかなかったが、2ヶ所の橋の下にイワツバメの巣があり、周辺をイワツバメが飛び回っていた。前回はいなかったはず。滋賀県でもイワツバメが増えてる気がする。
●2025年2月1日 2025年1月のまとめ マッコウクジラはこなかったが、2つの印刷物という大物の対処に追われる

なんだかんだで、なんとか終わった感が強い。密かに心配していたのは、今年もマッコウクジラが大阪湾に来るんじゃないかってこと。まさかとは思いつつ、二度あることは三度あるという不吉なことわざが頭をよぎる。1月が終わったので、今年は大丈夫なんだろう。正直良かった〜。という心配をしつつ、2つの印刷物をなんとかかんとか入稿。並行して、大和川水系の河川の冬鳥調査も進める。無理があるかと思ったけど、なんとか2月前半に終わる目処は立った。
そんな2025年1月を振り返ってみよう。

ルーティンのため池調査、大和川調査は無事終了。奈良県3コース(1日で調査)と京都府2コース(1日で調査)のハッカチョウセンサスも実施。
地元公園では、鳥のセンサスと木の実チェックをそれなりにしつつ、月末にはカワウの集団ねぐらも調査。
大和川水系の調査は、垂仁天皇陵のカワウ・サギ類の繁殖地をチェックの他に、河川の冬鳥調査を進める。奈良盆地に南側の支流を、寺川、飛鳥川、曽我川、葛城川と歩いた。残りは3日あれば終わる! ついでに、けっこうカヤネズミ調査のデータも取れた。
1月末恒例の武庫川調査も実施。

ホネホネ団の活動は、2日実施。哺乳類の皮処理をしようと思ってたのに、新鮮なイルカが来てしまった。今年はこのサイズで許してもらえるなら我慢。
大阪鳥類研究グループは、西の湖へ。チュウヒを見に行ったのにおらず。アカゲラやアリスイを見た。

普及行事は、博物館たんけん隊と友の会総会。あとは鳥類フィールドセミナーと植物園案内動物編。ジュニア自然史クラブは、雨天中止。
博物館たんけん隊は、同時に博物館実習の対応もあるから、けっこう大変。

講演は、なし。
論文とは言えないかもだけど、大阪湾岸3年分の調査を、データペーパーとして自然史研究に仕立てた。
査読は1本完了。

標本関連では、年末年始の皮処理が一段落。というか例によって飽きた。昨年のオオカミ皮と今年のクマ皮の仕上げが残っている。
昨年の皮の片付けをしなくちゃ。この1年につくった鳥の仮剥製も冷凍室に入れなくちゃ。

とまあいろいろあった中、今月読んだ本は、自然史系2冊と、SF0冊、ライトノベル1冊、マンガ12冊。SFが読めない…。
完全休養日はなし。今年に入ってまだ休んでない。
ネコは元気。掛け布団の真ん中に乗るので、こっちは寝にくい。
昨年10月末から始まったサバイバルは、足踏み状態。正月明けはこんなもんと言われたが、こちとら正月も普通に生活してたのに。なんか修正が要りそう。
●2025年1月31日 川沿い歩き 初級編 葛城川

葛城川沿いを歩いた。ここも源流部に行きにくので、下流から上流に向かっていく。ゴールしてからバスで近鉄御所駅。

近鉄田原本線の箸尾駅から葛城川・曽我川合流まで、10分ほど。で、源流部の高鴨神社の前まで、6時間。ふもとの風の森バス停まで降りてくるのに10分。下のバス停でバスの時間を見ておけば、調整可能。
鳥の調査だけだと、余裕で歩ける。繁殖期の調査では、ゴールしてから近鉄御所駅まで1時間以上かかって戻った。それは、ついでに御所市の山手の他の生物の調査をするため。この季節はもう他に調べる対象もないので、ゴールの高鴨神社の前から下ってきたところの風の森バス停からバスに乗ることに。まあまあ便数がある。というか1時間以上歩くなら、待って損はない。ちなみに、このバスは吉野の方から来るらしくて、整理券の番号が94番!

曽我川合流点から水越峠の東辺りまで、ずーーっと左岸側は歩ける。右岸側は歩けない区間がある。でもまあ、大部分は両岸とも歩ける。多くの場合、右岸側の車の交通量が多く、左岸側を自転車道が走ってるので、左岸側を歩くのが良い。ただ、ところどころ右岸側の方が車の交通量が多い区間があるので、自転車道と一緒に右岸に移るのが吉。とくに近鉄南大阪線を越えたら早めに右岸に移るのが吉。JR和歌山線は地図を見ると右岸を行けそうだけど、実際は行けないので要注意。御所橋〜宮戸新橋の間は、どっち岸を歩いてもちぇっくしにくいエリアがある。西寺田橋から上流は、できるだけ川をのぞくしかない。

ほぼトラップはなく、迷う余地も少ないので、テンポ良く歩ける。
公衆トイレは、少なくとも前半は、左岸側に点々とスポーツ施設があって、たいていトイレがある。あとは、川に近いコンビニやスーパーを利用することになる。ゴール前の高鴨神社にはトイレがある。
●2025年1月30日 武庫川の水鳥調査 5回目

2021年1月から、1月末に武庫川沿いを宝塚駅から河口まで歩いて、水鳥をカウントしている。今年も無事に完了。
宝塚駅から河口まで5時間45分もかかった。最初の3時間がとても寒くて、手がかじかんで字が書きにくかった。それが、水鳥少ないのに時間がかかった理由かもしれない。主目的のカモメ類は、ユリカモメは散らばってるの合計して約500羽、カモメとセグロカモメはほぼ武庫大橋〜武庫川橋の間にそれぞれ約30羽ずつ。ユリカモメは、宝塚駅前の宝来橋のすぐ下流まで来ていた。武庫大橋〜武庫川橋の他に、宝塚新大橋〜武庫川新橋にもまとまった群れがいた。
過去を振り返ると、

2024年1月29日:約5時間。カモメ類の群れがいたのは武庫大橋の下流だけ。カモメとセグロカモメは数羽ずつ。ユリカモメは散らばってる合わせて200羽弱。
2023年1月30日:5時間40分。 宝塚駅前にもユリカモメが2羽。昨年と違って上流までやって来てる。でも多いのは阪神電車の少し上流辺り。ユリカモメ約380羽、カモメ約100羽、セグロカモメ約40羽、オオセグロカモメ1羽。
2022年1月31日:約5時間。カモメ類は、武庫大橋の上流側、武庫大橋〜武庫川橋、阪神本線の上流側と下流側の4ヶ所にいた。ほぼいつもの場所。合計でユリカモメ約350羽、カモメ約70羽、ウミネコ1羽、セグロカモメ約50羽。
2021年1月30日: 4時間半。ユリカモメは、上は新幹線の一つ上の橋、下は南武橋の間にいたけど、9割以上は武庫大橋と武庫川橋の間にいた。合計700羽ちょっと。今の大阪湾岸では一番多いけど、十数年前と比べると激減。

ユリカモメがいる一番上流地点は、毎年けっこう違うが、今年は一番上流までいて、上流側の個体数も多め。下流よりの群れのいる場所と個体数はここ数年と同じような感じ。
●2025年1月29日 この冬のツグミの少なさの異常さを説明

この冬はツグミが少ないよね〜。とか、この冬はツグミがいなくて異常だ!と口走っている人がいる冬は、ちょくちょくある。たいていは、ツグミの到着が遅れてるだけで、年が明けてしばらくしたら、ツグミは増えてきて、まあまあ例年並み位になる。その頃には、異常だ!と言ってた人も、自分がそう言ってたことをすっかり忘れている。そして2年後、また異常だ!と言ってたりする。
年越したらツグミが増えてくるパターンの冬は、他にも特徴がある。まず、果実が全体的に豊作。この30年くらいで言えば、奇数年度。ヒヨドリやシロハラといった渡って来るはずの他の果実食の鳥も少なめ。
たぶんだけど、果実が豊作だと、果実食の鳥は渡りの途中でとまってしまい、果実を食べながら、遅れて南に到着したりするんじゃないかな。と思っている。実際、西日本で、ツグミが少ない!と言ってても、北日本や東日本では、そうでもないって言ってる年もあった。

でも、この冬は、少し様子が違う。まず、偶数年度で、果実は豊作ではない。ヒヨドリやシロハラは、特に少なくない。というか、シロハラはむしろ多い。そして、年越してしばらく経つのに、ツグミはあまり増えない。
この冬のツグミは本当に異常。ツグミだけに何か起きたのだと思う。
●2025年1月28日 2024年度の博物館実習のまとめ

今年度最後の博物館実習が終わり、今日ようやく後始末も一段落。今月の実習は1月11日〜16日だけど、うちの博物館実習は各実習生に決められた1日の実習内容をブログに書き込んでようやくクリア。その〆切りを1月25日に設定してあったので、締めはそれを過ぎてから。印刷物の構成や原稿作成に追われてたので、少し遅れて今日、後始末の作業をした。
ブログは、担当の日が終わったらすぐに書けば、内容的にも負担的にも楽だと思うのだけど、面白いくらい〆切りギリギリに書いてくれる。この1月の博物館実習の場合、実習最終日から〆切りまで約10日間あった訳だけど、実習生16人中、
 締め切り日(1/25)に書いたのが、5人
 締め切り日前日(1/24)に書いたのが、0人
 締め切り日2日前(1/23)に書いたのが、1人
 締め切り日3日前(1/22)に書いたのが、2人
半数は、締め切り日が迫ってから書いている。どうせそうなるのが判ってるから、こちらも締め切り日まで忘れて、別の仕事が出来る訳だけど。

この1月の実習で、2024年度の実習が完了。2024年度は、32大学から54名を受入予定だっただけど、この1月に1名ドタキャンしてくれたので、受け入れたのは31大学53名を受け入れた。ドタキャン的なのは毎年生じる。それが1名なのは、少なめなくらい。
最初の希望を聞いた時は、夏だけの希望が26名もいて、季節の変更を打診したら、5名が冬に、1名が秋に変更してくれて助かった。冬日程だと大学内の単位認定のタイミングが間に合わないこともあるようなので、そういう場合は優先的に夏に。2つの大学は、そういう事情をよく分かっていて、最初から第一希望から第二・第三希望を出してくれるので助かる。みんな見習って欲しい。

今年度のまとめの勢いで、来年度の募集サイトを更新した。来年度は普及教育コースがなく、一般実習コースが3本。できれば夏日程以外をご検討下さい。
●2025年1月27日 大阪湾岸の水鳥のデータ 大阪湾岸の分布

大阪湾岸の水鳥の調査データのまとめがいよいよ大詰め。昨日で図表が完成した。昨日の朝と、今日一日かけて、テキストを書いた。そして、今日は割り付けまで済ませた。下手な英語が頭が痛い。
合計個体数のデータを見て、個体数の季節変化のデータを見て、気付いたことは既に書いたので、最後に分布について。分布図を作ってみたのは、カモ類の個体数トップ4、オオバン、カンムリカイツブリ、カモメ類5種、コアジサシ、ミサゴ、トビ。

ホシハジロとスズガモは圧倒的に湾奥部に分布。コガモの分布も湾奥部中心。ヒドリガモだけが、広く分布しているけど、淡路島にはほとんど出現しない。ってゆうか、淡路島にいるカモは、ほぼウミアイサだけな印象。
オオバンとカンムリカイツブリもおもに湾奥部に分布。
カモメ類では、ユリカモメとカモメの分布は湾奥部中心。冬のウミネコとオオセグロカモメは淡路島〜湾口部に分布。ただし夏のウミネコは、むしろ湾奥部に多い。セグロカモメは割と広く分布。
5月のコアジサシもなぜか広く分布。ただ、転々と個体数の多いエリアがある。繁殖地があるってことなんだろう。
ミサゴは、広く分布しているけど、湾奥部に多い感じ。一方、トビは湾奥部に少なく、淡路島〜湾口部に多い。トビの分布は、漁港の分布に近い気がする。

そう考えてから見ると、冬のウミネコの分布はトビの分布に似ている。漁港にそんなにいないけどなぁ。

●2025年1月26日 友の会総会 書籍バザーの記録

今日は友の会総会。昨年は主担当でバタバタしてたけど、今年は書籍バザーだけの担当なので、気楽な感じ。かと思ったら、やっぱり同じくらいはバタバタしてた。もう書籍バザーを担当することはないだろうけど、万が一のために記録しておく。

書籍バザー担当のお仕事は、
前日までは、バザーに提供してくださる書籍を募集して、送って下さったり、持ってきて下さったら、受け取ってリストをつくる。
前日は、昨年までの書籍バザーで余った本を出してきて、今年提供された書籍を出して、値付け。というか、値段毎に机を分けて仕分け。
当日もバザーに出す本を受け取ったら、値付け。あとは時間が来たら、本を設置。販売。最後は片付け。売上げを勘定。

値付けのパターンと机の数はこんな感じ。
 1000円超え(机1台):内容良くて、高価で、綺麗な本。
 300円、500円、1000円(机1台):内容良くて、けっこう高そうな、綺麗な本。
 200円(机1台):内容良くて、綺麗な本。
 100円(机3台):まあ綺麗な本、新しめの本。
 寸志(机9台):古い雑誌、古くて汚い本、冊子。
寸志とは値付けはせずに、お気持ちをお支払い下さいな本。言い換えると、とても普通には売れない本というか。

書籍バザーに提供くださったのは、31件。3件は、故人からの提供。団体からの提供も2件。

●2025年1月25日 イマドキの友の会総会前日

午後から明日の友の会総会の準備。かつては、豚汁の仕込みとかあったし、主担当は明日配布する資料の作成と印刷でヒーヒー言ってたもんだけど。いまや総会日程は午後だけになり、豚汁はなくなった。総会資料を紙媒体で配布する季節は過ぎて、今やパワポで話すだけ。100部以上の印刷と製本がないだけで、とても楽ちん。
かつては、バッジ作って、展示してというラスターバッジデザインコンテストの準備もあった。自然写真ギャラリーのための壁を並べて、打ち出しと貼り出し。どちらも投票用紙の印刷に投票箱の設置。というのも前日にやってたが。今や展示・投票期間が長くなって、そうした作業は、2週間ほど前に終わってる。
ということで、総会前日とはいえ、準備作業は少なめ。書籍と物品のバザーの値付けと、机へのセッティング。講堂前の受付やショップの出店のセッティング。これっくらい。昔と比べると前日の盛り上がりは少なめ。

今年は書籍バザーの担当なので、倉から昨年の売れ残りの書籍を引っ張り出してくる。ってのは、いつの間にか誰かがやってくれていた。やること少ないからか、気がつくと作業が進んでいたりする。担当のおもな仕事は、勝手に妙な事をしないか見張ることと、作業の指示をすること。そして、他の人がいつの間にか受け取っていた書籍の提供者を把握すること。
と思っていたら、自分が受け取っていた書籍を出すのが遅れた。慌てて運ぶ。でも、先に出ていた書籍の整理が一段落してから出したのは、結果的に良かった。
あと、寸志箱というのを探すというお仕事もあった。
●2025年1月24日 川沿い歩き 中級編 曽我川

昨日と今日で、曽我川沿いを大和川合流から源流部まで歩いた。ここも源流部が行きにくく、バスすらないので、早朝に行くのは不可能。ということで、下流から上流に向かっていくことになる。1日目は、帰りやすいという理由で吉野口駅前で離脱。今日は、吉野口駅前から源流部まで歩いて、薬水駅まで戻って終了。意外と帰りやすい。
繁殖期に2回に分けたので、今回も2回の日程にしたけど、結果的に言えば、昨日1日で歩けたなぁ。

法隆寺駅から曽我川・大和川合流まで、20分。大和合流から源流部手前の吉野口駅前の吉野口橋まで6時間20分。2日目は、吉野口橋から重阪の奥、内谷の手前まで1時間25分。薬水駅まで戻るのに35分。だから1日日程で歩けた!
本当は、内谷まで行きたいのだけど、JRの線路が渡れない。線路の向こうの田んぼや人家に、いったいどうやって行くのか判らない。繁殖期もここで断念したので、今回も手前まで。

大和川との合流点からのスタート後、しばらくは両岸とも歩けるが、駅から来た都合でおのずと左岸を歩き始めることになる。高田川合流点と葛城川合流点は、右岸側にしか道がないので、どこかで右岸に移る。あとは、橿原市に入るまではどっち岸を歩いてもいい。ただ、左岸側の方が交通量が少ない傾向がある。橿原市に入った直後、川沿いを歩けなくなる。藪こぎを強引に進めれば突破できそうだが、時間がかかるので、堤防外に逃げるのがオススメ。どっちかと言えば、右岸の方が迂回が短くて済むようではある。
近鉄大阪線は左岸側しか突破できない。その後も堤防の上はしばらく歩けないが、高校の裏の水路沿いを歩ける。この後、右岸に行きたくなるが、旧河道沿いも歩けない。JR桜井線もまた左岸側しか突破できない。そこからしばらくは両岸とも歩けるが、高架下の左岸側は強引にしか突破できない(突破はできる)。川西団地は右岸側しか歩けない。その後はできれば左岸を歩く。郡界橋かその手前で右岸に移る。掖上駅の前後は左岸側は歩けない。が、右岸側も川沿いに道がないので、随所で川をのぞくパターン。再び川沿いに合流した後は、川に近い場所を歩けそうな岸を細かく選ぶ。吉野口駅前後は右岸を歩く。吉野口駅を過ぎて奉膳の集落では、川沿いをあまり歩けない。できるだけ橋毎にのぞく。薬水を過ぎると川沿いであろうとなかろうと一本道。

片岸しか歩けないエリア、突破できない場所が、随所に配置されている。大部分は橋毎に判断すれば、おおむね川沿いに歩いて行ける。が、より川に近い道を選ぶのは、知ってないと無理。初めてだと運頼み。なお、自転車道はぜんぜん頼りにならない。
川沿いに公衆トイレはなく、公園、コンビニ、スーパーも少ない。数少ないチャンスを利用するしかない。


●2025年1月23日 大阪湾岸の水鳥個体数の季節変化

引き続き大阪湾岸の水鳥調査のデータペーパーを準備中。データを集計してみると、いろいろと思わぬパターンが見つかって楽しい。今回は季節変化。
40ヶ所を丸3年間36回調査した合計個体数が100羽を超える35種について、毎月の記録個体数を並べてにらんでみる。

カモ類は、カルガモ以外冬鳥なのは当たり前。ただ、大阪湾岸で記録されるカルガモも冬に増える。ちょっと冬鳥気味。
オオバンは、当時はまだ今ほどは多くなかった。でも、冬に少数が記録されるようになっていた。
カンムリカイツブリは、11月から4月頃まで滞在する。一方、ハジロカイツブリが増えるのは年明けからで、3月まででいなくなる。
コチドリとシロチドリは、ほぼ年中出現するが、やたら目立つのは4月前後。
シギ類は、留鳥のイソシギと、冬鳥のハマシギを除くと、旅鳥ばかり。なぜか春の方が個体数が多い。ピークは毎年5月。チュウシャクシギ、トウネン、キアシシギというメンツだからかも。
カモメ類は、当然冬鳥。だけど、ウミネコだけは5月に激減する以外はずっといる。
コアジサシは5月〜7月に出現。
カワウは、3年間を通じたパターンが見えない。
一番意外なのが、サギ類。ゴイサギは明らかに冬に多く、夏に少ない。コサギやアオサギは年中出現するが、どっちかと言えば秋〜冬に多め。例外的なのがダイサギで、夏に多く、冬に少ない。湾岸の繁殖地の分布が関係しているのかも。

●2025年1月22日 2010年代の大阪湾岸の水鳥トップ10

もう15年近く前になるけど、2010年から2013年にかけて、大阪湾岸をグルグルウロウロして、毎月水鳥を数えていた。今頃になって、そのデータを報告すべくまとめている。と言っても単なるデータペーパーだけど。
余裕をかましていたら、入稿予定日が近づいて来て焦り気味。焦ってはいるけど、データをいじっていると色々気付いて楽しくもある。大阪湾岸の水鳥を年間を通して数えた時、 個体数が多い順にトップ10を並べてみよう。

第1位 ユリカモメ
第2位 ホシハジロ
第3位 ウミネコ
第4位 スズガモ
第5位 カワウ
第6位 ヒドリガモ
第7位 セグロカモメ
第8位 コガモ
第9位 キンクロハジロ
第10位 アオサギ
(第11位 カモメ)

ヒドリガモまでが、40ヶ所で3年間毎月数えた合計数が1万羽超え。1回当たり約280羽以上(1ヶ所当たり7羽以上)。次点のカモメまでが、合計5千羽超え。1回当たり…(以下、省略)。
個体数が多い種の内、8種は冬鳥。ウミネコも一応冬鳥っぽいけど、大阪湾ではむしろ夏場に多く、なんだかんだで年中見られる。すなおに留鳥なのは、カワウとアオサギだけ。こうしてみると、以下に冬に水鳥が多くなるかが実感できる。
さらに言えば、海ガモ類もユリカモメも、夏のウミネコも、多いのは湾奥部。大阪湾岸の水鳥は、湾奥部に多く、湾口部に少ない。春に多くなる明石海峡周辺。って感じ。
●2025年1月21日 高校生にホネ洗い・ホネ並べ

これで3回目。もはや冬の風物詩。なぜか滋賀県の高校の生徒を相手にホネ実習。一昨年は4人だけでやりやすかった。昨年は14人もいて、2交代制でホネ洗い。ちょっと面倒。なのに、今年は25人。ちょっと無理。でも、なんとかと先生が我が儘を言う。もうどうにでもなれ! と思ったら、ドタキャンがあったらしく来たのは、生徒17人と先生3人。これならなんとかなる。

10:00過ぎ 到着
10:20-10:50 ホネの解説
10:50-12:00 ウミガメホネ洗い & 陸上哺乳類(トラ、縞馬)のホネ並べ
<12:00-13:00 昼休み>
13:00-14:10 ウミガメホネ洗い & 陸上哺乳類(トラ、縞馬)のホネ並べ
14:10-14:40 ウミガメのホネ解説・ホネ並べ
14:40-15:20 クジラの椎骨洗い

机上の空論のタイムスケジュールでは、30分でウミガメ洗いが終わる。ってことで、午前に2匹洗って、午後に1時間、植物園でバードウォッチングと思っていたが、ぜんぜん無理だった。
事前に、クジラのホネと、バードウォッチングのどっちがニーズが高いか確認したら、圧倒的にクジラだったらしい。だからこれでいいのだ。
クジラのホネは、みんなさわってみたかったらしく、合羽上下と長靴持参のこととしたら、全員用意してきていた。時間があれば、もっといろいろ洗ってもらえば良かったかもだけど、ホースが1本だから大勢は難しかった。
午後3時半ごろ終了。その片付けが終わったのは、午後6時。準備と片付けがまあまあ大変。できれば、また来年も。と先生は言っていたがどうしたものか。

今日の17人の中には、昨年も来た生徒が2人混じってたらしい。動きが良かった彼らだろうか。ホネ洗いは、全員まあまあこなしていたが、ホネ並べはセンスの差がでていたと思う。全体的には、女子の方が上手な人が多めな印象。とても優秀だった一昨年も、優秀だったのは女子だった気がする。性差があるのだろうか。
●2025年1月20日 大和川河口の水鳥 15年くらい前と比べて

自転車で大和川下流部を走って水鳥カウント。今年はカモメ類が少ない。数えやすいけど、なんか心配。たまたま今日少なかっただけならいいけど。
一方、2011年から2013年の大阪湾岸のデータ整理中。その中で大和川河口の水鳥データも引っ張り出したところ。ずいぶん変わってる気がする。
2011年から2013年1月の大和川河口にどんな水鳥がいたかというと。

2011年1月 ユリカモメ約400羽、カモメ29羽、セグロカモメ92羽
      カワウ12羽、ダイサギ1羽、コサギ1羽
      カモ類で多いのは、コガモ、ヒドリガモ、ホシハジロの順
      猛禽類はいない

2012年1月 ユリカモメ約150羽、カモメ5羽、セグロカモメ37羽、ウミネコ1羽
      カワウ14羽、アオサギ0羽、コサギ5羽
      カモ類で多いのは、ホシハジロ、キンクロハジロ、ヒドリガモ、コガモ、マガモの順
      猛禽類は、ミサゴ2羽とハヤブサ1羽

2013年1月 ユリカモメ約1500羽、カモメ26羽、セグロカモメ9羽
      カワウ11羽、アオサギ1羽、コサギ3羽
      カモ類で多いのは、ヒドリガモ、コガモ、マガモの順。潜水採食ガモがいない。
      猛禽類は、ミサゴとハヤブサ1羽ずつ

で、今日(2025年1月)はどうだったかというと、
ユリカモメ約350羽、カモメ約10羽、セグロカモメ約30羽
カワウ約50羽、アオサギ2羽、コサギ8羽
カモ類で多いのは、ヒドリガモ、マガモ、コガモに加えて、オカヨシガモ
猛禽類はミサゴ。

カモメ類は過去の変異幅の範囲内の印象。カワウは明らかに増えた。サギ類は似たようなもの。カモ類はオカヨシガモが増えた。猛禽類は、もうハヤブサは出なくなった。
そして、十数年前にはいなかったオオバンが増えた。カンムリカイツブリも増加。河口ではないが、カワアイサも出るようになった。わずか十数年で随分変わった。
●2025年1月19日 久々にヨシ笛ロード

今日は、鳥のサークルの観察会で、近江八幡市の西の湖へ。チュウヒをみたいというリクエストがあって、最初に思いついたのが西の湖だった。ここは琵琶湖周辺でも有数の広さのヨシ原が残ってる。以前行ったとき、そのヨシ原の上をチュウヒが何羽か飛んでるをよく見れた。と記憶する。
以前行った時と同じく、西の湖西側のバス停で降りて、ヨシ笛ロードを歩いて、安土駅までのコースを設定した。チュウヒ以外にもノスリやチョウゲンボウといった猛禽類やタゲリが期待できるに違いない。

バス停からヨシ笛ロードに入るところで、ちょっと回り道してしまった。久しぶりで覚えてなかった。他の人は気づいてなかったけど、こちらはちょっとどきどき。でも、そのおかげで、アカゲラが見れた。
ヨシ原の上を猛禽類は飛んでいた。が、トビとミサゴしかいない。チュウヒは混じってない。電柱や電線にノスリやチョウゲンボウがいないかと探すが見つからない。代わりに、風のないヨシ原から小鳥の声が多く、オオジュリンやベニマシコの姿があちこちで見つかる。近頃減ったカシラダカでも喜んでもらえる。なんとアリスイまで登場。猛禽類はさっぱりだけど、想定外に小鳥は楽しい。
昼食場所に想定していた園地にはトイレがある。はずだったけど、なくなっていた…。これまた想定外。
チュウヒをなんとか見つけるべく、ヨシ原の上を遠くまでチェックを繰り返していたら、はるかかなたに、カモの大群が飛び回っているのに気づいた。遠過ぎてよくわからない。が、大群で飛び回るといえばトモエガモ? 西の湖の東の方まで行って、カモ類が多く見られるエリアに到着。アメリカヒドリやヨシガモを観察し、ハジロカイツブリを探す合間に、カモの大群をもう一度チェック。明らかに陸ガモ、頭は緑ではない、翼に目立つ白はない。トモエガモっぽいなぁ。でも断言をためらっていると、デジカメで撮影して拡大してくれた。トモエガモ雄の頭の模様が確認できる! ということで、約1000羽のトモエガモだった。

結局、リクエストのチュウヒは見つけられず。帰りがけ、前回、大阪鳥類研究グループで西の湖に来た時も、チュウヒ目当てだったのに出なかった、と言われた。え!そうやったっけ。じゃあ、チュウヒをいっぱい見たのは、いつのこと?
●2025年1月18日 小学生の取材にお相伴

今日は、午後からとある新聞社の取材対応。といってもメインは小学生。記者と小学生がやりとりしてる横で、大部分ぼんやりしてて、時々降ってくる質問をのらりくらりとかわすというお仕事。なんと3時間近くも待たされた。途中から保護者も加わって、お付きの者は、スマホを睨んで時間を経つのを待つ感じ。

とにかく取材の目的は、とてもよくできたヤマガラの骨格標本と羽根標本の展示を前提に、小学生に標本作りと博物館や学芸員との関係を語ってもらう事。

いつ頃から標本づくりを? どんな状態の鳥をこうした標本に? どこで処理? どのくらいかかるの? 標本作りはなにが面白いの? 標本作りで発見したことは?
 いつから鳥好きに? 自然誌博物館に関わるようになったキッカケは? 学芸員とやり取りするようになった経過は?
 いつから羽根収集を? どうやって羽根の持ち主を見分ける? 家の周りで拾った羽根は? 遠くに拾いに行きたい羽根は?
 将来は、鳥を仕事にしたいか? 周りに同じ興味を持ってる人は?

こんな感じ。事前におおむね質問内容は教えてもらっていた。真面目な小学生さんはちゃんと想定問答集を作ってきていて、それを見ながら答えていた。似たような質問を繰り返されると、同じ答えを繰り返していて面白い。
家の玄関で作業してるとは知らなかった。9時間も集中し続けられるらしい。将来に活かしたい希望もあるらしい。標本作りを活かせる職業は限られるけど、その集中力は一生の財産になりそう。

とか思いながら油断してると、こっちにも質問が降ってくる。
将来楽しみですね? と問われた。「将来、楽しみです。研究者などになって欲しいです。」とか答えて欲しそうな気配だったけど、完全に無視。「あまり標本作りや羽根収集にはまると心配。それを活かすには大学へ進む必要があるので、ちゃんと勉強もしてほしい。」将来研究者になってもならなくてもいいから、鳥や生き物への興味は持ち続けて欲しい。
●2025年1月17日 クロツラヘラサギ世界一斉センサス

そういう調査があるのは、SNSで見かけてはいた。しかし、それに参加できるとは思わなかった。
というわけで、今日は自転車でため池をめぐって水鳥調査。思いがけずクロツラヘラサギに出会えた。まあ昨年も出たので、思いがけないわけがないのだけど、なぜか自分がクロツラヘラサギ世界一斉センサスに参加できるとは思ってなかった。
昔は大きな池だったけど、一部の上にホームセンターが建ってしまった花田池。冬になると水が落とされる。でも、北西の一画に少し水が残る。そこに魚が集まるんだろう。毎年、この時期にはカワウやサギが集まる。そこをチェックにいったら、元気に頭を振って歩き回ってる白い鳥が4羽。ヘラサギ類やん。近頃、出会ってもあまり驚かなくなった。それでも、こんな場所に群れで。頭見えるのでありがたい。クロツラヘラサギが4羽。クロツラヘラサギが暴れてるせいか、カワウとサギ類がほとんどいなかった。
大津池も水が半分ほど落とされていた。中央の島が東側から陸続きになってる。その島の麓にカワウやセグロカモメやマガモや…。白い鳥が4羽。先月はコウノトリがいたけど、これはヘラサギ類。こっちは頭を突っ込んで寝ている。厄介だなぁ。と思ったら1羽が頭をあげた。ヘラサギ。こっちはヘラサギ4羽か。と思って、カワウの営巣をカウントした後、もう一度見たら、もう1羽が頭を上げてる。クロツラヘラサギやん! となると、残る2羽は? ということで、頭上げてくれるの待ち。割とすぐに上げてくれて助かった。結局、ヘラサギ1羽とクロツラヘラサギ3羽。こういうことがあるからヘラサギ系はやっかい。判ってから見れば、なるほどヘラサギの方が少し大きめで、脚も少し長め。でも、寝てるときには気づけず…。
もはや大阪府のどこのため池に、ヘラサギ系が入ってもおかしくない。頭上げるのを待つか、寝てる姿でえいや!と同定するか。悩ましい時代に入ってしまった。 と言う訳で、帰ってきてすぐに報告した。サイトが立ち上がってるのかと思ったら、SNSで個人にDMというスタイルだった。

10:20、大阪府堺市美原区太井:花田池(34.542470, 135.520352)、クロツラヘラサギ3羽・ヘラサギ1羽、4羽とも陸で休息、時々頭をあげていた。観察者:和田岳

13:20、大阪府堺市堺区野尻町:大津池(34.542470, 135.520352)、クロツラヘラサギ3羽・ヘラサギ1羽、4羽とも陸で休息、時々頭をあげていた。

成幼を区別して、足輪をチェックすべきだったらしい。ちゃんと調査方法見ておけば良かった。
さっそくお返事がきた。大阪府にそんなにいるとは思わなかったと。いやいや、久米田池とかにはもっといるでしょ。だれか見に行って報告してあげて〜。ということで、案内をリツイートしておいた。
調査期間は、1月17〜19日。今回調査に参加できたのは偶然。来年も調査あるらしい。調査期間があらかじめ判れば、ため池調査をぶつけてみよう。
●2025年1月16日 Mixi20周年

この日記めいたものを書き始めて、昨日(15日)で20周年。今日から新年度に突入。Twitterでつぶやき、Facebookで時々シェアして、Instagramに画像を投稿。その上、毎日ではないけれど、長めの日記を書いてる。昨年と一昨年の未完成の日記は完成させたし、今後もTwitterと補完する感じのライフログを継続していきたい。ちなみにMIXI2というのができたらしいが、旧MIXIが移行する訳でも、互換性があるわけでもないらしい。ということで、とりあえずは無視。

例によってこの1年365日の中で何日書いたか(実際には、何日書いてないか)を数えてみると、305日書いていた。1月〜9月にサボってる日が多い。とくに、2-3月と4-7月と9月は月25日以下になってる。収蔵資料目録とイソヒヨドリ調査の影響かなぁ。10月以降に盛り返して、かろうじて300日以上をキープ。
ちなみに過去を振り返ると、一年目325日、二年目344日、三年目331日、四年目324日、五年目329日、六年目303日、七年目315日、八年目304日、九年目295日、十年目265日、十一年目は279日、十二年目は284日、十三年目は288日、十四年目は306日、十五年目は310日、十六年目は310日、十七年目は323日、十八年目は322日、十九年目は305日書いていた。
昨年300日を切りそうになり、今年も300日を切りかけた。ちょっと油断すると切ってしまうらしい。この一年の反省に立って、今年は前半から頑張りたい。1年前の懸案だった完成してない日記問題は、一応解決。こっちは頑張った。書いた日記の数的には、400を超えてそうなんだけど…。
●2025年1月15日 川沿い歩き 中級編 飛鳥川の場合

昨日は、飛鳥川沿いを歩いた。これまた源流部がとても行きにくく、早朝に行くのは不可能。ということで、下流から上流に向かっていくことになる。ゴールしてから、バス停まで遠く便数が少ないので、駅まで歩く方が早いが面倒。

法隆寺駅から飛鳥川・大和川合流まで、30分。大和合流から源流部の栢森の集落の奥の橋まで5時間30分。調査のゴールから飛鳥駅まで1時間45分。8時間近く歩くことになる。
調査距離は、寺川より短いのに、調査終わってからが長いので、長い時間歩くことになる。でも、歩く距離は多少短くても、石舞台古墳のバス停に戻って、1時間に1本のバスに乗るよりは、早く帰れる。
栢森の集落を抜けてもう少し源流までたどれそうだけど、もう水路くらいの幅になっていて水鳥調査的には、毎回集落までで充分と判断している。

大和川との合流点から大和八木駅周辺までは、両岸とも歩ける。が、あるきだしてすぐの橋から、片側に自転車道が設定されている。最初は左岸側、続いて右岸に移る。自転車道ではない側は車の交通量が多いので、自転車道側を歩くのがオススメ。ただ、自転車道が岸を移ることが判りにくい場面がしばしばあるのがネック。橋を通過する際には要注意。
でもまあ、石舞台古墳近くの岡橋(岡橋本バス停の橋)までは、左岸側はずーっと歩ける。迷ったら左岸側を歩けばいいだろう。右岸側は、近鉄大阪線の手前を皮切りに歩けない区間が、時々出現する。
自転車道は、近鉄大阪線を過ぎた辺りで、川沿いから消えてしまうが、気にせず川沿いを歩いて行こう。ふと気付くと藤原京大橋で左岸側に合流してくる。あとは、岡橋(岡橋本バス停の橋)まで自転車道路をたどるだけ。
岡橋(岡橋本バス停の橋)を過ぎると川沿いを歩く道があまりなくなり、川に並行する車道を歩くしかない。祝戸の辺りに左岸側を歩ける区間がある。稲渕の集落は、旧道よりも新道の方が川が見える。

桜井駅周辺の大きなトラップ以外に、小さめトラップが随所に仕掛けられている。一見右岸が正解かと思わせるトラップが2つもあって、なかなか凝ったつくりになっている。
川沿いに公衆トイレが源流部のバス停前の1ヶ所しかなく、川沿いのコンビニも途中に1ヶ所しかない。スーパーも見当たらない。少し離れた場所の駅やコンビニを利用するしかない。
●2025年1月14日 Twitter15周年

Twitterを始めて、今日(14日)から新年度16年目に突入。つまり、15年前の今日Twitterを始めた。2年前からXになってしまったが、今後もTwitterのつもりで歴史を重ねていこう。さっさとあいつがいなくなればいいのに。
今年もTwilogが使えたので、集計はしやすかったし、検索もしやすかった。

丸十四年で25243tweetしてた。丸十四年で24303最初の一年に2922tweet、二年目は2674tweet、三年目は2494tweet、四年目は2188tweet、五年目は1827tweet、六年目は1667tweet、七年目は1534tweet、八年目は1387tweet、九年目は1436tweet、十年目は1291tweet、十一年目は1064tweet、十二年目は1431tweet、十三年目は1232tweet、十四年目は1156tweetつぶやいた。そして、十五年目は940tweet。初めて1000tweetを切ってしまった。

フォローしてるのは322名。14周年で300名、13周年で273名、12周年で251名、11周年で240名、10周年で227名、9周年で209名、8周年で199名、7周年で201名、6周年で184名、5周年で180名、4周年で184名、3周年で167名、2周年で157名、1周年で143名。どんどん増えてる。
フォロワーは、4898名。14周年で4604名、13周年で4266名、12周年で4029、11周年で3830名、10周年で3488名、9周年で3202名、8周年で2842名、7周年で2580名、6周年で2272名。5周年で1955名、4周年で1757名、3周年で1472名、2周年で1108名、1周年で659名。フォロワーの増加具合は、ここんところ300名弱で安定かも。少し少なめ。この1年で5000名を突破しそう。2年目に1000名、6年目に2000名、9年目に3000名、11年目に4000名。

Xになってしまったが、15年続いた。Twilogは復活してくれたけど、旧Twitterの評判は近頃下がりまくりで、BlueSkyに逃げ出す人が増えてるらしい。でも、まだ様子見。16年目もTwitter中心での発信を継続の予定。でもTwilogがなくなったら、見限るかも。BlueSkyも様子見しておいた方がいいかなぁ。
Facebookは、今までどおり他人の画像や動画をリツイートするだけ。ただ2年前の10月から始めたInstagramは、今後も1日1枚以下の画像をアップしていく予定。
●2025年1月13日 博物館実習3日目 博物館たんけん隊2日目

今日は、実習生にムフロンの骨を洗ってもらい、その間に一緒にムフロンの骨や昨日のヤギの骨の残りを処理する。博物館たんけん隊のツアー対応は、昆虫担当がやってみる!と言い出したので、任せた。初めての試みなので、意地悪な気持ちでお手並み拝見。
昆虫担当が担当する実習生たちは、バラバラに入ったクワガタムシ標本を種類ごとにドイツ箱に仕分ける作業と、まとめて寄贈された小さな甲虫を、扱いやすいユニットボックスに移す作業をしていた。

午前、1回目のツアー対応。昆虫を仕分ける理由とか、作業の説明をおもにしてる。もっとクワガタムシを見せて説明すればいいのに。作業説明すぐに終わって、この作業をする必要がある標本点数を言ってるけど、小さいお友達は、万の位を知らなかったするのに。時間余って、同じ部屋で作業してるホネ洗いや置いてあるヤギ頭の話をしだす。でもたいして説明できない。ここまでで、まだ持ち時間10分の半分しか経ってない。やむなく昆虫に戻って、ダメな昆虫標本の説明を始める。木工用ボンドの悪口と、錆びる昆虫針の悪口。オオシャミセンガイまで投入して持ち時間終了。子どものリアクション薄めな印象。
2回目のツアー対応。1回目とほぼ同じ。前の方の数人に話してるだけで、後ろの方の子は、ぼんやり立ってる。
ホネでの説明を封じてみようと、ヤギ頭を隠した。そして、午前最後のツアー。この班は、子どもの食いつきが良くて、昆虫に質問をし始めてくれた。その質問に応じる形で、クワガタムシ自体の解説ができてた。やっぱりホネ洗いやオオシャミセンガイにも触れてたけど、おおむし昆虫の解説。半分弱時間があまりガチになるのは同じだけど。

午後のツアー。1回目と2回目は、午前と同じ。昆虫の作業内容を話してから、すぐにホネ洗いの説明、からのオオシャミセンガイ。登録標本の話。そこから昆虫標本に戻って、採集データがないとただの死骸という話に。そして時間があまって、なぜかスタッフと大人トーク。
午後そして今日の最後のツアーの時は、ホネ洗いは終わっていて、ホネ並べしていた。それをけっこう長く見ている子が多かった印象。説明してたっけ?

もっと、トークのネタになるような昆虫標本のディスプレイが必要。なぜホネ洗いとかオオシャミセンガイに走るかな。あまり説明できないのに。あと、大人向けではなく子ども向けのトーク、作業内容より虫自体へ興味をもってもらうトークにすべきと思う。
とまあ、先輩は意地悪な感想をもったのであった。インパクト勝負は、鳥の皮剥き&毛皮&ホネの圧勝ではないかと。
●2025年1月12日 博物館実習2日目 博物館たんけん隊1日目

実習生4人にヤギの脚を1本ずつ洗ってもらいつつ、午前アオバズク、午後オオバンを剥きながら、たんけん隊の対応。幸か不幸か、ヤギの脚洗いに苦戦してくれたので、たんけん隊に集中出来てしまった。良いのかなぁ。

午前の3興行。最初の班は、アオバズクの胴体を出した辺り。足の説明を、アオバズク、オオタカ、オオバン。弁足の流れで、マガモとカワウ、ついでにアオサギの櫛爪。イタチ、テン、ハクビシンの皮の名前当てからの触ってみる。ピューマも触ってみる。
次の班は、アオバズクの内臓見せる。卵巣と心臓の人気が高い。オオタカの爪や、オオバンの弁足から、哺乳類の皮3種とピューマ。
時間が足らなくなるので、完成した仮剥製3体は引っ込める。アオバズク向き終わったので、内臓と共に、目玉を見せる。あとは2回目と同じ。

午後の3興行。の前にヤギの頭を洗った。
最初の班は、オオバンの胴体を外して、裏返した所。腹腔の出血を説明しながら、胴体を開ける。アオバズクの目玉と水晶体。オオタカの爪の痛さと死因。哺乳類の皮3種とピューマを触らせてから、哺乳類は骨も大事。って事で、骨洗いの説明と、ヤギの歯のすり減り、歯石。ついでに耳小骨。
次の班は、やはりオオバンの死因と内臓解説から、アオバズクの死因と目玉、オオタカの死因。哺乳類の皮3種とピューマを触らせてから、ヤギの頭骨と、隣のトトロのヤギの話。歯のすり減り、歯石、耳小骨。
最後の班は、今日唯一うるさくて、話を聞かない。リアクションだけで、鳥剥きパート終わり、なんとなく皮を触らせた。そこに萌蔵がオオシャコガイを持ってきたので、説明を押し付ける。最後に、一応ヤギ頭骨でジブリの話。
●2025年1月11日 2024年度の冬の博物館実習スタート

今日から、今年度最後の博物館実習、冬の一般コース5日間がスタート。連休の3日間の後、1日あけて2日間の日程。ここ数年の例年通りだけど、今年のパターンを記録しておこう。
初日の今日は、午前にオリエンテーション。博物館の概要を座学的に解説した後に、展示室大急ぎでめぐる。冬は、午後に明日明後日の行事の研修があるので、忙しい。昼休みが短め。

で、今日のスケジュール。
09:30 博物館実習スタート 出欠取って、名札を作らせて、友の会に入会させる。ブログの担当も説明(担当したブログを書いて始めて、実習を受けたと認めることを宣言)。
09:50〜11:15 博物館の間取り、沿革、事業内容(研究、資料収集、展示、普及教育)、友の会の説明。博物館に足りないものとして、お金、人手、スペース。
11:15〜12:15 展示室見学ツアー(常設展)。メンテナンスと来館者とのコミュニケーション(?)がメインテーマ。電気の球換えの難しさ、掃除のしにくさを中心に、ダメなケース、ダメな展示を紹介して、壊されやすい展示を説明して歩く。オープンな展示、ハンズオンの問題点を強調した。 最後に博物館におけるミュージアムショップの普及教育的位置づけも説明。
(12:25〜13:00 昼休み)
13:00〜15:00 はくぶつかんたんけん隊の研修 ※担当は別の学芸員
15:00〜15:30 実習ノートの記入。

今回は、ドタキャンが2人。一人は忘れていて、大学からのメールで思い出したらしい。こちらからの電話に出ないので、明日以降どうするつもりなのか不明。どっちでもいいけど。
もう一人は、風邪を引いたらしい。もう治って、インフルではないとのことで、明日から来ると。今日の研修受けずに明日来られても面倒。とは思いつつ仕方が無い。同じ大学から来てるもう一人が、連絡とってできるだけ伝えてくれるとのこと。ありがとう!

実習ノートは学芸員とのコミュニケーションツールとして使うように指導してみた。御礼とか、勉強になったとか、ありがちな文言はつまらないので、面白いこと書くように言った。
●2025年1月10日 特別展解説書編集の道程

本日1/10午後3時過ぎ、無事に貝沼展の解説書を、印刷会社入稿した。表紙・背表紙・裏表紙は、まだ最終調整中なので、初校返しの時に持ち越したが、その他のテキストと図表はすべて揃えて入稿できた。何度も特別展の解説書の編集担当をやってきたが、記憶にある限り初めての快挙。知らんけど。
この後の展開は、

1/22 初校
1/28 初校返し
2/3 二校
2/5 二校返し
2/7 三校&校了予定
2/20 納品

校了はもう少し後でも間に合うスケジュールなので、おそらく特別展のプレビューに間に合わないってことはないだろう。大きな仕事が終わった気分。
気分がいいので、ここまでの道のりを記録しておこう。

大前提として、今回の特別展解説書は、執筆者がほぼ萌蔵1人。あとはオカンが1パート、ハゼ屋が2パート。
11月末時点で原稿の大部分が揃っていた。萌蔵担当部分の8割があがっていて、残りもヴォリュームが決まっている。他の執筆者は、おかんの原稿は仕上がっていて、ハゼ屋はまだだけど、これもヴォリュームの目安が立っていた。
12月末、というか大晦日、萌蔵の原稿がすべてそろった。1月8日、ハゼ屋の原稿も上がった。テキストとほぼ同時に図表もそろってる!
萌蔵のテキストは、11月時点であがってるのをチェックしたが、ほとんど修正の必要がない。完成度高くて、スタイルの細かい部分をそろえる程度。オカンとハゼ屋が書いた原稿も、萌蔵が先にスタイルや文体の統一をしてくれるので、執筆者の違いをケアする必要もなし。その上、後半の口絵は、萌蔵自身が配置を編集ソフトで作ってくれた!
ということで、ページ数読んで、テキストを入稿できるスタイルに整形して、割り付けするだけが、編集担当の仕事。

12/6 構成確認して、テキストと図表を確認しつつ、ページ数を読んで、仕様書を確定。
12/31 上がってるテキストの整形、4時間。
1/1 はじめに〜第3章の原稿・図表の割り付け、6時間。
1/2 第3章以降のあがってる原稿・図表の割り付け、3時間。
1/9 ハゼ屋の原稿があがったので整形、1.5時間。第4章の残りの 割り付け1.5時間。口絵の配置、1時間。
1/10 入稿前に口絵の配置の修正、1時間。
●2025年1月9日 冷たい雨上がりで人のいない植物園の様子

夜半の雨は上がったけど、冷たい雨の後は、とても寒い。午前10時を過ぎても、植物園にはほとんど来園者がいない。オオバンが、あちこちで地上に上がって、芝生をついばんでいた。年末年始と同じく、人がいない状態での鳥の様子が見られるんだな。と思ったけど、カモ類はとくに陸に上がってる様子はない。カワウが池の周囲の樹上で巣材を集める様子も、いつもと変わらない。たまたま1日人がいなくても、年末年始の数日間人がいないのとは、同じではないように思う。
ヒヨドリの集団がいる場所が、年末とは変わっていた。クスノキ果実が減ったからじゃないかと思う。カワラヒワはキニレ以外の実を喰ってる。季節はどんどん進んでいる。でも、ツグミはいないまま。


●2025年1月8日 川沿い歩き 初級編 寺川の場合

源流部がとても行きにくく、早朝に行くのは不可能。さらに言えば、どこまで調査するか問題もある。ということで、下流から上流に向かっていくことになる。ゴールから少し戻って、バスに乗って戻ってくることになる。バスは1時間に1本なので、バス停を通過する時に時刻を確認しておくのが吉。スタート地点になる大和川合流までの行き方は、法隆寺駅から歩くしかないが、川沿いではなく地図を見ながらショートカットが早い。

法隆寺駅から寺川・大和川合流まで、40分。大和合流から源流部の鹿路の集落まで6時間10分。調査のゴールからバス停に戻るのに25分。7時間以上歩くことになる。
今まで、鹿路の集落内の二叉に分かれる所までを調査範囲にしてきた。どっちも同じくらいの大きさで、同じくらいさらに続くので、どっちに行ったらいいやら。で、すでに水路並の幅なので。

大和川との合流点から桜井駅周辺までは、大部分の範囲は、両岸とも歩ける。が、両岸それぞれに、数ヶ所ずつトラップが仕掛けられている。途中からサイクリングロード“ならクル”が合流してくれるので、その間は“ならクル”沿いに歩けばいいのだけど、油断すると“ならクル”を見失う。
どっちかといえば、左岸側の方が車の交通量が少ないので、出だしは左岸側を歩くと良い。最初のトラップは、近鉄橿原線のところにある。ここは左岸で突破できないことがすぐ判るので、右岸側に移る。その後、南下している間は、基本両岸とも歩けるのだけど、右岸側にトラップが2ヶ所。2つめのトラップは、明らかに左岸側が歩けず、右岸側が歩けそうに見えるのだけど、右岸側の方は大きく迂回をしいられる。ここは左岸側で迂回するのが正解。
川が曲がって、東に向かうようになると、トラップが増える。歩けそうな岸を選んで、小まめに岸を移るのが吉。どっちかと言えば、右岸側を歩いた方が安心。ただし、再び南下する手前で、左岸に移る。
次の大きなトラップは、近鉄大阪線とJR桜井線。川沿いはすなおに歩けない。近鉄大阪線は、右岸側なら突破できるのだけど、その後、JR桜井線を超えられずドツボにはまる。正解は、左岸側で少し迂回して近鉄大阪線するとすぐに川沿いに出られる。JR桜井線で行き止まるが、迂回すると次の橋から川沿いを歩ける。
以降は、桜井駅過ぎた辺りで、少し迂回が必要だが、しばらく川沿いを歩ける。登りになってきたところで、川沿いの道がなくなるが、橋2区間は左岸側に歩く道(通学路)があり、今井谷橋と倉橋橋の一つ上の橋の間も右岸側を歩ける。あとは、川沿いの車道を歩いてゴールまで。

桜井駅周辺の大きなトラップ以外に、小さめトラップが随所に仕掛けられている。一見右岸が正解かと思わせるトラップが2つもあって、なかなか凝ったつくりになっている。
川沿いに公衆トイレが源流部のバス停前の1ヶ所しかなく、川沿いのコンビニも途中に1ヶ所しかない。スーパーも見当たらない。少し離れた場所の駅やコンビニを利用するしかない。
●2025年1月7日 変わりゆく、というか変えられる宇治川河川敷

今日は、今年最初の宇治川調査。宇治橋から御幸橋を歩いた。
昨年、トラックが通る道にされた高水敷のノウルシ群落跡地。地元の植物関係者でも気付いている人がいて、問題視しているのだという。そういう配慮の上で、問題なしと判断しての工事ではなかったらしい。宇治川ってそういう配慮してないのかな? 桂川はしてたはずなんだけど。
昨年は、ヨシの収穫をほとんどしていなかったヨシ原で、今年は少し収穫してる。昨年よりはヨシの成長がいい気がする。が、一昨年ほどは収穫してないような気もする。一昨年はヨシ焼きをして、そのエリアは綺麗なヨシ原になった。昨年はヨシ焼きをしてない。今年は焼くのだろうか? アレチウリとかに占拠されてるところを焼き払って欲しい。
淀競馬場の南側の左岸側は、先月からはじまった河川敷の木の伐採がほぼ完了。木が全てなくなった。流路は見やすくなったけど、鳥類相が大幅に変わった。生えてた大きな木はセンダンなので、切るのはいいけど、一気に切らなくてもという気もする。
わずか3年だけど、宇治川河川敷の様子は、毎年どんどん変わってるように見える。もっと長いスパンだと、安定してるのかな? とりあえずツバメの集団ねぐらは、この数十年維持されてはいるけど。
●2025年1月6日 年末年始の皮処理の終了目処

12月27日になめし液から皮13枚を出して、今日で10日目の処理。この年末年始も、1日も欠かさず皮の世話をした。おかげで一定、処理が終わる目処は立ってきた。今回は、まだ4日部屋を押さえているので、なんとかなりそう。あるといいな。
ここまでの経過を振り返って、見込みを整理しておこう。今回も処理が楽だった順に4ブロックに分けてみた。

○早く目処が立った中小物10枚
 イタチ3枚、テン3枚、ネコ1枚、ハクビシン2枚は乾くのが早く、早い2枚は4日目に完成、5日目にさらに2枚、6日目にハクビシン1枚、7日目に残る4枚も完成した。最初、ハクビシン1枚だけ乾くのが遅かったが、結局追いついた。

○早めに終わった大きなネコ1枚
ピューマは、8日目に完成。

○ゆっくりと乾きなんとかなりそうなクマ1枚
クマは5日目から、頭と足先が乾き始めて、エッジとともに順次引っ張った。が、中央部は、今日時点でも胴体は乾ききらず。胴体には脂肪がかなり取り残されていて、7日目以降、メスで切ったり、石器で湿ったエリアの脂肪を擦ったりしたが、9日目にかなり乾いた場所を削り取るのが一番効率がいいと見極めた。今日から乾かしつつ削り取る。

○まだ見込みの立たない2枚
小さいキツネは、一見綺麗だけど、皮に力を少し掛けると避ける。処理が難しい。ただ、頭と下半身は少しまし。ヒツジはなかなか乾かず、うまく引っ張れるタイミングがないまま、周囲がパリパリになった。この2枚は、いったん乾かしてから、湿らせて、再度処理ということになりそう。

昨年、結局完成させられず放置していた2枚。アナグマは、湿らせて、平らに乾かすだけにした。オオカミは、皮の裏の脂肪を削り取る予定。

●2025年1月5日 久々の新鮮なハセイルカ

今日は、年末に岬町で回収されたハセイルカの処理。とにかく新鮮で、皮がほぼぜんぶ残っている。こんなに新鮮なのが、新鮮なまま届いたのは、久しぶり。
そういえば、前回の超新鮮なハセイルカは、顧問を中心に、なにわホネホネ団で解体して、交連骨格標本にまで組み上げてる。完成品は、何度も展示に使っているが、せっかくの新鮮なハセイルカの皮がちょっと勿体無くはある。
とはいえ、新鮮だからと言って、クジラ目は皮を剥いて、皮をなめして残すというのが難しい。もし皮まで残そうとするなら、液浸標本しかない。うちの博物館で液浸標本が残せる最大の大きさは、1.7m×1.2mほどのタンク。これに入るサイズなら、そしてタンクに余裕があるなら、皮を残すためにも液浸標本にしたい。
年末に届いた時にざくっと測ったら、全長1.5mちょっと。小ぶりなのでタンクに入りそう! ということで、タンクの主であるハゼ屋さんに頼み込んだら、OKがもらえた! 嬉しい。
そして今日、通常なら測定して、解体、砂場に設置という流れたけど、今日は計測からの液浸。皮膚も歯も完璧に残っていて、模様が見えるほど新鮮。耳やヘソも確認できるので、測定部位が多くてちょっと面倒。腹がとてもピンク色だった。最後に、ホルマリンが腹腔に入るように横腹に切れ目を入れて室内での作業完了。
みんなでタンクのところまで運んでいく。ホルマリンは危険物なので、浸ける作業は独りで。なんとか胸ビレも背鰭も液に概ね沈められた。楽ちんだしなんか嬉しい。


●2025年1月4日 恒例(?)鳥の剥き初め占い

3年ぶりに鳥の剥き初め占いをしておこう。おもに年の最初に鳥を剥いた時の、ひいた鳥の脂肪の蓄積具合をもとに占う。ただし、その他の鳥の状態、その鳥を引くにいたった経緯も重要。ということが明らかになってきた。そうした点も配慮して占うことにする。

今日は、今年最初のなにわホネホネ団の鳥の日。つまり鳥の剥き初め。
鳥の剥き初め占いとしては、新鮮で脂肪がない鳥を引いた人は吉。脂肪の多い個体を引いた人は凶。脂肪だらけだったら、大凶。というのが基本。

まずは僭越ながら、自分の占い結果。
最初に剥いたのは、ムクドリ幼鳥。もともと模範演技用にムクドリ成鳥を選んでいたのだけど、ドタキャンが入って模範演技が不要になった。それじゃあと、汚れていたムクドリ幼鳥の方に変えた。結局のところ、どっちも状態は良く、脂肪はなかった。汚れていたけど、アルコールで拭いたら簡単に綺麗になった。
続いて剥いたのは、ハシボソガラス巣立ちビナ。ドタキャンがなければ剥く予定はなかったのだけど、余ってしまってやむなく剥くことに。状態良くて、脂肪はほぼなく、簡単に剥けた。巣立ちビナだから頭が小さめなのか?頭も簡単に裏返った。
最後は、アオバト。嫌な予感しかしない。尻尾無くて、首から胸に大穴、頭から胸が血まみれ。どうせ脂肪もいっぱいなんだろう。みんな選ばないから、きっとまわってくるだろうと思ったら、脂肪がぜんぜん無かった。血まみれは、胸から首を洗ったら、とても綺麗になった。ちなみに、アオバトかキジバトかの2者択一を迫られたSさんは、迷わずキジバトを選んでいた。キジバトは脂肪だらけだった。
と言う訳で、今日は引いても引いても脂肪がなかった。おそらく今年は大吉。それも自分で選択した結果というより、周りの影響で結果的に大吉に落ち着くみたい。心して一年を過ごそう。

他の人の運勢はというと、
脂肪だらけのキジバトを自ら選んだSさんは大凶。
他の個体はすべて脂肪がなくて、剥きにくい状態の個体もいなかったので、他の人は基本的に大吉か吉。
明るい一年だなぁ。Sさん以外は。
●2025年1月3日 2025年の予言

1月3日は、この1年に身の回りで起きる出来事を予言する日。
過去2年、大阪湾でマッコウクジラ雄が死んだ。二度あることも三度はない、と信じる。
ってことで、2025年を予言しよう。

お出かけ系予言だけど、今年は友の会合宿が復活する。一方、3月の学会はいまだに中途半端なハイブリッド。ということで、このように予言しておこう。5月と8月に新潟県方面、おそらく佐渡島に行くであろう。そして、9月には北海道に行く。
イベント系予言としては、11月に大阪で友の会っぽいイベントがあるんじゃないかと思う。
調査系予言としては、20年ぶりに大阪府のため池で繁殖する鳥の調査がおこなわれる。さらに大和川水系でカヤネズミ、アカガエルなどの調査が展開される。
標本系予言としては、マッコウクジラのオスのホネが揃うであろう。
執筆系・出版系予言は、まず2月に貝の特別展の解説書が出版される。そして2月か3月には、大阪湾岸の水鳥調査の成果も出版される。

プライベートでは、ネコは元気、健康診断の結果は改善。あと今年は1年に100冊以上の本を読むだろう(マンガを除く)。あとは、親と会う機会が増えると予言しておこう。まあ年に2回会えば、昨年より増えてるんだけど。一緒に食事をする友だちは今年もたぶんできない。
●2025年1月2日 鳥の日の成果2024

なにわホネホネ団の活動に、2012年9月から「鳥の日」を設定した。2013年からは、毎月1回、通常活動日(哺乳類の日)の他に鳥の日を設定することにした。2024年の鳥の日の活動成果を集計しておこう。

2024年の鳥の日
・活動日:13日間(6月だけ2日活動)
  内、西表島鳥類調査隊の活動はなし
・処理した鳥の個体数:100羽(皮剥きのみ、鳥の日以外の活動日の処理数は除く)(平均7.7羽)
  他に、骨取り+羽のサンプル採取の処理が3羽。
・のべ参加者数:120名(平均9.2名)
  内、見学者24名(平均1.8名)

というわけで、2024年も鳥の日の活動で、鳥の仮剥製が随分増えた。処理数3桁は維持出来たが、昨年よりは活動日も処理数も減った。1回当たりの処理数は、昨年並み。のべ参加者数は、見学者を除くと、まだコロナ禍前に戻っていない。これが処理数の伸び悩みにつながっている。
皮剥きに参加した人は、22人。これはけっこう多め。しかし、おおむね任せられる人が11名。3人は手順は覚えてるけどさらなる修行が必要。7名は手順もまだ判ってない。もっと任せられる剥き手を増やす必要がある。

<過去の鳥の日の記録>
・2023年
・活動日:16日間
・処理した鳥の個体数:117羽(平均7.3羽)+骨取り4羽
・のべ参加者数:159名(平均9.9名)内、見学者49名(平均3.1名)

・2022年
・活動日:11日間
・処理した鳥の個体数:65羽(平均5.9羽)+骨取り2羽
・のべ参加者数:65名(平均5.9名)内、見学者9名(平均0.8名)

・2021年
・活動日:6日間
・処理した鳥の個体数:41羽(平均6.8羽)+骨取り2羽
・のべ参加者数:45名(平均7.5名)内、見学者6名(平均1.0名)

・2020年
・活動日:16日間
・処理した鳥の個体数:138羽(平均8.6羽)+骨取り4羽
・のべ参加者数:151名(平均9.4名)内、見学者10名(平均0.6名)

・2019年
・活動日:12日間
・処理した鳥の個体数:126羽(平均10.5羽)+骨取り8羽。
・のべ参加者数:132名(平均11.0名)内、見学者10名(平均0.9名)

・2018年
・活動日:12日間
・処理した鳥の個体数:166羽(平均13.8羽)+骨取り2羽。
・のべ参加者数:179名(平均14.9名)内、見学者28名(平均2.3名)

・2017年
・活動日:13日間(10月に2日活動)
・処理した鳥の個体数:170羽(平均13.1羽)+骨取り2羽。
・のべ参加者数:196名(平均15.1名)内、見学者34名(平均2.6名)

・2016年
・活動日:14日間(11月に2日活動)
・処理した鳥の個体数:172羽(平均12.3羽)+骨取り6羽。
・のべ参加者数:204名(平均14.6名)内、見学者28名(平均2.0名)

・2015年
・活動日:11日間(9月は活動なし)
・処理した鳥の個体数:125羽(平均11.4羽)+骨取り6羽。
・のべ参加者数:122名(平均11.1名)内、見学者19名(平均1.7名)

・2014年
 活動日:13日間(9月、12月に2日活動、10月は活動なし)
 処理した鳥の個体数:140羽(平均10.8羽)+骨取り19羽
 のべ参加者数:152名(平均11.7名)内、見学者25名(平均1.9名)

・2013年
 活動日:15日間(4月、9月、12月に2日活動)
 処理した鳥の個体数:225羽(平均15.0羽)
 のべ参加者数:205名(平均13.7名)内、見学者32名(平均2.1名)
2025年1月1日 一年の計と昨年のプライベートの振り返り

正月早々早起きをして、調査に出かける予定だった。が、正月早々寝過ごした。目が覚めたら、午前7時半。午前6時に起きないと間に合わない〜。ということで二度寝。昼前に起きて、朝ご飯に雑煮っぽい汁物を食べた。シャワー浴びて、三度寝。昼過ぎに起きて、しばらく日向ぼっこしてから、博物館へ。
とりあえず、メールの処理をしてから、貝沼展の解説書の割り付け約6時間。山場を超えて来週の入稿の目処が立った。その後、2時間皮とたわむれた。
一年の計は元旦にあるとすると、今年も失敗だらけなんだろう。その中で、仕事を頑張り、なんとかこなすって事だろうか。今年も誰とも話していない。淋しい生活が続くんだろう。

元旦なので、昨年のプライベートを振り返る。
まずは完全休養日。出勤せず、調査にも出かけず、学会大会や勉強会、あるいは委員会にも出席しなかった日を完全休養日と定義する。2022年と2023年は9日だったが、2024年は5日。もう退職までこのペースで突っ走るんだろう。。
9月に受けたガン検診は(3年ぶり、2回目の胃カメラ)は問題なし。10月に受けた健康診断は、★は3つのままだけど、いまだかつてない数字をたたき出した。やむなく専門家に頼ることに。
健康は食事から。ってことで、昼食に弁当を作った日を数えてみた。164食。200食を切って昨年より少ない。今年も調査に出まくった4〜7月が少なめ。ついでに外食の回数はというと、5月に1食、7月に標本借りに行った時に3食、打上で1食、9月の鳥学会大会で金沢に行った時の4食、標本返しに行った時に1食。酒は、日本酒2/3杯。宴会参加はホネスマスと打ち上げ等で4回参加した。 ちなみに糖質を減らすべく、糖質リッチなものを食べたら記録してみてる。果物を集計するのは面倒だし、米系とイモ系も多くて集計したくない。小麦粉系・砂糖系だけチェックすると、アイスクリーム3本、ババロア1人分、ラムネ1つ、チョコレート1つ、たけのこの里1つ、キノコの森5つ、アルフォート1つ、マシュマロ3つ、クラッカー15枚、クッキー1枚、リーフパイ1枚、バウムクーヘン1輪っか+1切れ、チーズケーキ1切れ、シュークリーム小1つ、タルト小1つ、カステラ1切れ、ケーキ小1つ、シフォンケーキ3/8+1/6切れ、マフィン2つ、ラスク1つ、サンドイッチ12切れ、ナン1枚、バゲット21/20本、食パン4斤+3/2斤、パン31つ、豚まん3つ、マンゴーラッシー1杯、ミックスジュース1杯、微糖缶コーヒー1本、ラーメン小1杯、うどん1玉。11月以降は、朝食パンを食べてる以外は、避けきっている。これを継続予定。
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