日記風覚え書き
2025年7月、8月、9月
(2005年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、2006年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、
2007年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、2008年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、
2009年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、2010年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、
2011年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、2012年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、
2013年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、2014年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、
2015年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、2016年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、
2017年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、2018年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、
2019年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、2020年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、
2021年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、2022年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、
、2023年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月)、2024年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月)、
2025年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月)
7月18日、21日、23日、24日、31日、
8月2日、4日、5日、8日、9日、10日、11日、13日、
9月11日、14日、15日、16日、17日、18日、20日、21日、23日、24日、27日は、後から補足予定。
●2025年9月30日 2025年9月のまとめ 北海道で大和川の水鳥の話をする
8月末にようやく大和川の水鳥の31年分のデータ入力が終わり、1週間で大慌てでデータを加工して、グラフ作って、ポスターに配置して、テキストを打ち込んで。なんとか、北海道での日本鳥学会大会での発表に間に合った。帰ってきたら、行事の嵐をこなしつつ、後回しにしていた仕事を処理する。
そんな2025年9月を振り返ってみた。
ルーティンのため池調査、大和川調査は無事終了。奈良県2コース(1コース減らした)と京都府2コース(1日で調査)のハッカチョウセンサスも実施。奈良はさらに1コース(橿原市から大和高田市)は1年間調査して一度もハッカチョウが記録されなかったので、今回で最後。
地元公園では、月頭に先月分、月末に今月分、カワウの集団ねぐらの調査を2回した。
大和川水系の調査は、行事を兼ねての富田林のカヤネズミ球巣調査。
なにわホネホネ団の活動は、2日実施。
大阪鳥類研究グループは、秋恒例の標識調査見学。若手の勧誘が実を結びつつある。
行事は、カヤネズミ球巣の野外実習(昨年と同じ場所)、ジュニア自然史クラブで琵琶湖最北部へ、鳥類フィールドセミナーと植物園案内の羽根拾い。あと南極講演会のお世話。
博物館実習は、夏の後始末。いろいろ失敗が…。
講演は、日本鳥学会大会で大和川の水鳥の話。
査読は、1件引き受けてるけどできてない。
標本関連は、なにわホネホネ団の作業くらい。冷凍室を少しでもあけるべく、大物処理中心。と思ってたら、ヒツジ来たのでその処理も。
メジロ姉さんの日が1日。奄美大島のメジロの状態が悪くて残念。
とまあいろいろあった中、今月読んだ本は、自然史系4冊と、SF5冊、マンガ17冊。
完全休養日は1日。今年に入ってから4日。その休みに実印つくって、印鑑登録とって、書類作成して発送。結局、印鑑登録2回取る羽目になった。そして、電話越しに告知があった。
ネコは元気。不在の1週間は、3人が入れかわり世話してくれた。
サバイバルは、小分け作戦を継続。北海道に行ってた間、食い物に苦労したが、状態は好転は維持。体重減少は止まったかも。
●2025年9月28日 今年の石川のカヤネズミ
カヤネズミの球巣の観察会。昨年に続き、カヤネズミ調査の研修2回目。研修なので、カヤネズミと球巣の説明だけでなく、球巣の実物を見せるだけでなく、球巣を見つけるコツを伝授する必要がある。ということは、河川敷と山手の両方で探して、見つけてみせる必要がある。昨年は石川からの富田林の丘陵部。今年は是非別の場所で。と思ったのだけど、意外なほど確実に河川敷と山手の両方で球巣を見せられる場所が思いつかない。案内を流す段階では、大和川or曽我川下流部からの、馬見丘陵にしてみたのだけど、近年の馬見丘陵の変容を考えると見つけられるか心許ない。念入りに下見をしておけば、と思ったのだけど、今年は早めに日程を設定したので、確実に居る場所で、早めに下見をしても、見つからない可能性が高い。下見が出来ないなら確度の低い場所には設定できない。ってことで、やむなく昨年と同じコースで実施することにした。昨年は山手で見つけるの苦労したけど、なんとか見つかったし、石川では簡単に見つかるだろう。まず、石川でチョチョイと見せて、それから山手に探しに行く。という予定。完璧。
が、石川で見つけられず。
駅前で集合して、すぐに石川に移動。橋の下でカヤネズミの球巣の見つけ方を偉そうに説明。じゃあ、チョチョイと球巣を見つけて。と思ったが、昨年たくさん巣があったエリアで全然見つからない。やむなくさらに上流側に行ってみる。やっぱり見つからない。土手沿いでも探すが見つからない。昼食を食べるエリアの周辺でも探し、昼休みにも探したけど、見つからない!
昨年と比べると、オギやヨシの群落はスカスカしている気がする。セイバンモロコシは背が低い。そして、昨年はイネ科草本の群落だった場所のかなりの部分が、クズやアレチウリなどツル植物に覆われている。参加者からは、この夏の猛暑の影響でしょうか?と問われる。そう考えたい気もする。ただ、カヤネズミの球巣があってもおかしくないイネ科草本の群落が無い訳では無い。念入りに探したけど、そういう場所にも見つからない。
猛暑の影響もあるかもしれない。が、そもそも石川のカヤネズミがいなくなってる気がする。どうしてかな? 猛暑の影響とか。
●2025年9月27日 メジロ姉さんの日 2025年9月
今日は、亜種メジロの胸や脇の色の濃さ、翼式、渡りが話題になっていた。亜種メジロと亜種リュウキュウメジロ(今日見たのは奄美大島産)の翼式は全然違ってる。渡りをするかどうかが、関係してるんだろう。で、胸や脇の色の濃いメジロは、どこで繁殖してるの?
●2025年9月25日 2000年代と2020年代の長居植物園の冬鳥相の違い
来年は地元の長居植物園の冬鳥の30年ちょっとの変遷を発表しよう。と、鳥学会大会の帰りに思いたち。入力の作業量をざっくり見積もったら、すぐに作業始めないと間に合わないことに気付いた。ということで、今日から入力作業。
で、今日は2000年代初頭のセンサスデータの入力作業。すっかり忘れていたけど、今と随分違う。オカヨシガモやオオバンはいないし、カワウやコガモもほぼいない。代わりに大量のホシハジロとキンクロハジロ。当時はセグロセキレイやビンズイがいた一方で、シジュウカラは少なめ。そういえばそうだったなぁ。
と言う訳で、人間の記憶はあやふやなもの、というのを改めて再確認。全然覚えてなかった。のみならず、ニセの記憶を持っていた。たとえばスズメは近頃随分減少した、と思い込んでた。が、夏や秋のスズメは確かに減ってるのだけど、冬の個体数は今とあまり変わりない感じ。果実がなくなるとツグミが地上に降りると思ってたけど、むしろ年が明けたら降りるっぽい。ムクドリは、果実が無くなりかけの時に出現すると思ってたけど、もっと頻繁に出没していた。
●2025年9月24日 オニバスの消長の論文案
年に数回、堺市を中心にため池巡りをしている知人が、オオバナミズキンバイの論文を書くらしい。それは素晴らしい。もともと鳥の調査をはじめたはずが、いつの間にか水草の方にはまっていく。その気持ちはよく判る。
かくいう私めも、ため池の水鳥調査のついでに水草も記録している。知人さんよりは調査エリアが小さいけど、こちらは毎月巡ってるし、30年以上巡っている。広さと数では負けるが、回数では勝ってる! それをいかした水草の報告と言えば、もちろんオニバス。
●2025年9月23日 ヒツジを剥く
ヒツジを何頭も飼っているところがあって、死ぬたびに寄贈して頂ける。コリデールばかりだけど、おかげでヒツジについていろいろ詳しくなってきた。
そのはずなんだけど、さっぱり覚えられない。
●2025年9月21日 琵琶湖最北端の水辺の生き物
中高生と水辺の生き物を探しに行った。
大阪府では、ほぼ出会えない生き物がいっぱいだけど、意外と喜んでいたのは、タイコウチやオニヤンマ。
●2025年9月20日 南極講演会
先方から、南極についての講演をしたいという申し出があり、面白そうなので乗ることにした。というのはウソで、なんとなくやってみることになった。でも、とても面白い講演だった。
●2025年9月19日 ハクビシンの日
今日、9月19日は、大阪府ではハクビシンの日。
そもそも、大阪府で初めてハクビシンが記録されたのは、2000年に箕面市でのこと。初めてのヌートリアと同じ年。その後しばらくは、大阪府では、まれに山手で見つかるだけの珍しい動物だった。
2008年に作成した大阪府の外来哺乳類の冊子では、北摂山地と和泉山系に数地点ずつ記録がある程度。山手で稀に見つかるだけだった。それが、2010年代に入ると、高槻市をはじめ山手のハクビシンの情報はあまり珍しくなくなってきた。2014年、高槻市の国道171号線沿いでハクビシンの死体。いよいよ市街地に進出。
2020年になると、大阪府の市街地でのハクビシンの記録が目立つようになってきた。2021年9月には、大阪市内でもハクビシンが確認された。いよいよ長居公園にも近づいてきた。でも、あまり実感はなかった。
今年2025年6月6日、長居植物園で撮影したという謎の中型哺乳類の画像を見せてもらった。後ろ姿でチラッと横顔が写っている。顔はタヌキっぽいが、尻尾の長さ、毛並み、脚の長さはハクビシンに見える。長居公園にハクビシンも進出か?
今日の会議で、6月20日に、長居植物園に仕掛けられたセンサーカメラに写ったというハクビシンの画像を見せて頂いた。顔がばっちり写ってる。これが、長居公園で最初の確実なハクビシンの記録になった。
その会議の前、今日の午前。リモートで会議をしていたら、スマホが鳴る。無視無視。と思ったら、鳴らした本人が、血相を変えて部屋に飛び込んできた。来て来て来て。ハクビシンがいる! 何を言ってるか分からないままに付いていく。
普段は使わないお勝手口のような出入り口。金属の網網なもので斜面を作ってある。その下に奴はいた。かなりびびっている。が、逃げない。怖くて逃げられない。というか、逃げ込んだのが網網の中で、丸見えになってる。今年産まれらしい小さめの個体。とりあえず撮影。
で、どうしようかという話になったが、放置するしかない。暗くなったら、どこかに行くだろう。が、それまでが大変。噂が拡がり、みんなが入れ替わり見に来る。とてもストレスを与えているので、見つけてはドアを開けるな、ストレス与えるなと叱り飛ばす。でも目が届いていないことも多い。ストレス大丈夫かなぁ。
午後7時、暗くなったので見に行ったら、いなくなってた。無事に親と同流できるかな。
●2025年9月18日 鳥の寄生虫について勉強成果
今回の日本鳥学会大会では、鳥の寄生虫について、期せずしていろいろ勉強させて頂いた。今回の2大成果の一つ。忘れないように記録しておこう。
最初は、住血原虫の話だった。口頭発表で、もう一つの会場の同じ時間帯の発表に興味がなかったから、なんとなく住血原虫の話を2題聞いた。
●2025年9月17日 苫小牧-大洗航路
北海道に行く時だけ乗るのが正解。帰りはつまらん。
世が明ける頃にはすでに宮城県沖。三陸沖の間はオオミズナギドリとアカエリヒレアシシギが出たが、仙台湾から後はほとんど鳥が出ない。特に福島県沖。1時間半なんにも出ないと眠くて眠くて。遅い方の便ならもっと三陸沖を楽しめただろうけど、そっちは今日中に大阪に帰れない…。
今回、北海道に行くに当たって、行きも帰りも大洗-苫小牧航路に乗ってみた。次に北海道に行く時ももちろんフェリーを使う。が、今度、行きは大洗-苫小牧航路の深夜便に乗って。帰りは苫小牧-八戸航路。からの仙台-名古屋航路。と思ってることをここに記録しておこう。行きも名古屋-仙台航路を付ける?
●2025年9月16日 鵡川河口に20ウン年ぶり?
今日で北海道ともお別れ。帰りもフェリーにしたので、フェリーの出港の夕方まで暇。でも、一旦は苫小牧に移動しておかないと落ち着かない。って事で、苫小牧駅のコインロッカーに大きな荷物を入れて、苫小牧の近くに行こう。
となると鉄道と徒歩ではあまり選択肢は多くなく、鵡川に行ってみることにした。確か随分と
昔にも同じパターンで、鵡川に行った事がある。ということで、2時間に1本ほどしかない日高線の機動車に乗り込んだ。
●2025年9月15日 日本鳥学会大会 2日目
大会2日目は、自分のポスター発表のコアタイムがある。でも、自分のポスターをずっと説明してたら、他の発表が聞けない。自分の喋るより、他のを聴きたい。ってことで、8割方は貼り逃げ状態。
時々、ポスター前に戻って、誰か来るかチェック。だいだい誰もいない。
●2025年9月14日 日本鳥学会大会 1日目
ポスター発表を一通り眺めて、ちゃんと読んだり、直接話を聞いたり。いろんな面で内容が面白いのは色々あった。でも、自分にとって良い発表は、研究の出来不出来よりも、いろいろ考えさせてくれる研究。
ポスター発表1日目に聞いて、翌日朝も考えてる発表は、カイツブリ、スズメ、オオハム。
●2025年9月12日 博物館の生き残りのために
午後から、そういう自由集会に出てみた。フルタイトルは「博物館施設の生き残り戦略 ひいては標本を後世に残すために」。ちょっと遅刻したので、導入の最初の方が聞けなかった。何か大切なことを聞き逃してる可能性がある。ので、以下は導入の最後以降を聞いての感想。
タイトル見た時は、そうは思わなかったけど、博物館が無くなると何が問題かというと、標本が後世に残らないのが問題。で、その阻止のためにどういう戦略かあるか。という枠組みに聞こえる導入の最後の部分だった。そう聞いたからだろうか、ずっと違和感を感じる。その原因について考えてたけど、博物館のプライオリティに関してズレがある気がする。
標本など資料を収集して後世に残すというのは、もちろん自然史博物館の根幹の活動。だけど、博物館の根幹のミッションはと問われたら、自然史科学の発展に寄与すること、と答える。標本を後世に残すのは、そのため。
そして、社会教育施設なので、市民の学習する権利を担保し、自然史科学の正しい知識を持った人材を育成する。自然史科学の発展には、標本を残すのと同じくらい、普及教育は重要。博物館は人を育てる装置でもある。
なのに、この自由集会では、普及教育は標本を残すための手段に過ぎない、かのように聞こえる。これが一番の違和感。当人たちはそういうつもりはないと言うかもだけど、そう聞こえる発言が随所に。
標本を残すことが第一義になると、ボランティアという名の無料の労働力を使うことに躊躇いがなくなる。そう考えると、昨年感じたボランティアへの違和感にも通じる。
うちと他の博物館は根幹のミッションが違うのか、他のみなさんが根幹を忘れているのか。単に口がすべってるのか。手段と目的がズレてるような印象を受けた。自由集会の副題がミスリードになってる感じ。
●2025年9月11日 大洗に向かう
早めに家を出たら、午後2時過ぎに着いてしまった。フェリーの出港は午後7時45分なのに。暇なので、大きな荷物をコインロッカーに入れて、港の周辺をウロウロ。
南の砂浜で、おかんのミッションも完了。
●2025年9月10日 不在の7日間
明日から1週間不在。北海道で開催される日本鳥学会大会に出るため。学会って日本各地で開かれるから、日本各地に行く機会になる。もちろん大会での発表を聞くのは楽しみだし、勉強のために行くんだけど、日本各地に行くのも楽しみ。今回はせっかくの北海道。中の4日間は大会参加だけど、前後の3日間は、せっかくなので船で行くから。船から海鳥や海棲哺乳類に出会えるかも。
考えてみると、7日間ものお出かけは、コロナ禍後初めて。不在の間にいろんなことが起きていそう。7日後に帰ってきた時の浦島度を下げるために、不在の間、そして帰ってきた直後に何が起きるかをリストアップしておこう。
不在の間
・ホネ砂場のスナメリ4体が回収される段取りになった。信頼できるので任せられる。丸投げともいう。
・大阪湾の自然、とくに鳥についてのシンポジウムがあるらしい。鳥学会大会日程にぶつけてくるとは、研究者は来るなってことに違いない。なので、知らない。イギリスの有名な人が来るらしいが、知らない。
・土曜日がカヤネズミ行事の締め切り。
・メールがいっぱい来るだろうけど、対応しない。というか読めないのでできない。これも知ったことではない。ただ、必要な相手にはしばらく不在宣言をしておこう。
帰ってきて直後
・本出版の打合せがある。まあ初回なので顔合わせと大まかなスケジュール話す程度かなぁ。
・植物園のピカピカの会議もある。夏の調査結果はすでに見たので、結論は判ってる気もする。
・鳥類フィールドセミナーは、何するか決めて、案内送ったし、資料も半分用意した。なんとかなるだろう。
・南極セミナー。これは演者が話すだけ。ポスターも貼ったし。もう一人手伝い確保かなぁ。演者には1週間の不在は伝えた。
・ジュニア自然史クラブの行事。案内したし、1週間不在だよと伝えた。
・翌週のカヤネズミ行事の返信。返信案は作った。締め切ってからでないと返信できないしなぁ。
帰ってきたら忙しいなぁ。帰って来たくないなぁ。でも、ネコがいるしなぁ。
●2025年9月9日 お出かけ準備2025年9月
かつて、何泊かのお出かけの時は、持っていく本を考えて、着替えの枚数を揃えるだけだった。が、ネコと暮らすようになって、お泊まりお出かけは一大イベント。1泊のお出かけなら、多めに餌いれて放置で済むのだけど、何泊もとなると、留守の間の世話の手配が必要。2年前の9月はネコ飼ってる知人に預けたのだけど、どうも自分の家が良さそう。ってことで、キャットシッターさんを手配することになる。
というか、いつの間にか”お世話部”が結成され、喜んで世話してくれる面々が確保されてはいる。とてもありがたい。いずれも家でネコを飼っている人たちで、たまには若いネコを触りたい。という不純?な動機があるらしい。お金はいらないらしいが、それでいいのかといつも悩み、多めに土産を買ってくるのだけど、とくに喜ばれてはなさそう。今回も今度はいつ?と言われてた。要望は合鍵の本数を増やして欲しいってだけだった。
というのはさておき、お世話部のみなさんが我が家に入ってくる訳で、普段他人には見せられない状態の我が家を、多少は許せる状態にする必要がある。年末以上に、お出かけ前は家の片付けに勤しむことになる。
昨日、いよいよ片付けに手をつけた。洗濯物を洗濯(残りは明日)。風呂とトイレを掃除。台所のシンクを掃除して、レンジを遠目に見れる状態に。テーブルを片付けて、綺麗に拭いた。
奥の部屋は、洗濯終わった服などが積まれているので、入らないように指示してあるけど、足の踏み場だけは掃除。ここに布団も隠す。
これはネコの世話とは関係ないけど、長期の留守なので、冷蔵庫の中身をどんどん食べて減らす。
一方、職場では処理の必要な電子メールの処理を進める。処理待ちで残るメールは、処理待ちフォルダに(でないと留守中の大量のメールに紛れて行方不明になりがちだから)。
今日、台所と居間の床を掃除して完成。自分的には、普段の状態を知ってるから、ものすごく片付いた。が、ふと考えると、普段の状態を知らない人には、充分散らかってるのかも。でも、これ以上は無理。
あとは、持っていく本を選ぼう。6泊7日なので、7冊かなぁ。いい双眼鏡を連れて行こうかと思ったけど、あまりにかさばるし重いので断念。キレイに見えるけどなぁ。1日フィールドウロウロがあるので、靴は持って行くことにした。
●2025年9月7日 網場見学 2025年9月上旬
この10数年、夏の終わりの恒例行事となった和歌山県の鳥類標識調査の網場見学。夜について夜明けまで仮眠してから標識調査にのぞむのだけど。2年前だったかは9月下旬で、寒くて眠るどころか死にそうになって、一晩動いていた。辛かったし眠かった。その前が、8月下旬でむしろ暑かったから、寝袋も持って行かなかったのが敗因。
今回は、前回の失敗の記憶があるから、寝袋持っていった。すると気温高いし風はないし。むしろ暑くて寝袋の上で寝た。アリがいっぱい寄ってきて、虫除けが欲しかった。毎回失敗する。失敗を反省して、また失敗。
失敗といえば、我々電車組は、天王寺駅から最終の御坊行きに乗るのだけど、今回は御坊行きが見当たらない。??となったけど、予定時刻に出る和歌山行きに乗ると、和歌山駅で御坊行きに乗り換えれた。そういえば、前回からこう変わってたかも。同行の人には、天王寺から御坊直行みたいな案内をしてたから、ちゃんと電車に乗ったか心配したが、大丈夫だった。
最寄駅からは、約2時間歩いて現地へ。と思っていたが、車組が迎えにきてくれたので、ありがたいく乗せてもらった。歩くと面白いこともあるけど、体力的には厳しい。歩いてフクロウを探したがる同行の子ども達も説得して車に乗せた。帰りの電車、子ども達は元気そうだけど、両親は爆睡してた。仮眠をちゃんととれないと、体力的に厳しい。車で送迎してもらって正解。
肝心の鳥類標識調査はというと、朝一番にぜんぜん捕れなかったので、どうなることかと思ったが、その後は昼前までコンスタントに多すぎない羽数が捕れて、ヒタキ類2種、ムシクイ類3種、サンコウチョウとサンショウクイ、一通りの種にも対面できた。ヒタキ類やムシクイ類は複数種が同時の捕れて比較できたし、サンコウチョウはオス成鳥、サンショウクイはウロウロしてる群れの一部の複数羽がかかった。惜しむらくは、周囲をウロウロしていたコサメビタキとコルリがかからなかったこと。
まだ早いかと思ったタカの渡りも、サシバ、ハチクマ、ツミなどが飛んでくれた。
個人的に面白かったのは、網にかかる昆虫。以前とは違ってオオセンチコガネがいっぱいかかるようになっていた。周囲のシカ・イノシシの増加が伺える。網にかかったミンミンゼミを、ヒメスズメバチが食べていて、セミを網からはずしても食べ続けていた。別のスズメバチは、網にかかってるムシクイ類に近づいていて、あわてて追い払う。スズメバチは、網にかかった鳥を襲うことがあるとのこと。驚いた。
●2025年9月6日 9月のカワウのねぐら
地元公園のカワウの集団ねぐらを毎月カウントしている。月の終わりの1週間のどこかで数えるようにしてるのだけど、8月終わりは気にすることが多くてうっかり調査を忘れていた。昨日思い出して調査を始めたら、雨が降ってきたので断念。8月分を今日調査した。こういうの2回目。気をつけよう。
で、日没1時間前から日没過ぎまで、帰ってくるカワウを数えたけど、あまり帰ってこない。すでに戻ってたのも少なく、ねぐら入りしたのは14羽だけ。100羽前後集まるねぐらなので異様に少ない。昨日もスタート時の数字は13羽で、今日と大差ない。と思って過去の調査結果を確認したら、昨年の9月も17羽だった。9月はこんなもんらしい。
もう一つ、大和川河口部のねぐらも、水鳥カウントのついでに数えてる。こちらは日没時ではなく、真昼間に調査してるので、早めに戻ってきてる個体数を数えているだけになる。でも、集まってるカワウの個体数にははっきりした季節性があって、8月から増加し、年末までは一番多いシーズン。年を越したら個体数は減っていく。関東で言われている冬場は海で、夏場は内陸という傾向とも符号するし、おもに非繁殖期の集団ねぐらと考えると納得がいく。
これに地元公園は、営巣地でもある。繁殖期が終わったらカワウたちは大人も子どもも繁殖地を離れてると考えると、9月の減少は説明できなくもない。となると、10月に増加するのは、もう営巣地に戻ってきてるという理解になるんだろうか?
まあ、昨年は10月終わりには戻ってきてたけど、今年どうなるかはなってみないとわからない。
●2025年9月5日 大和川下流の水鳥の30年
ってタイトルで来週末、学会発表。その準備追われる今日この頃。8月末にデータ入力がようやく完了し、9月に入ってデータをいじりだし。今日、やっとのことで、主要種の個体数変遷のグラフを作った。これを作りたかったから無理を承知で学会発表を申し込んだわけなので、とても感慨深い。そして、この30年の間に大和川下流部の水鳥に何があったのかが、なんとなく見えてきた。調査をしてきた訳だから大部分は知ってることだけど、昔のことはすっかり忘れていたり、思ってた傾向と違ったりもした。だからデータは大切。
とりあえず学会発表のポスターのまとめを貼り付けてみる(これから多少変更するかもだけど)。ちなみにここで言ってる大和川下流部は、新明治端から阪神高速湾岸線のこと。それより海側では、以前からカワウやカンムリカイツブリはいたはず。
大和川下流部において、過去30年の間の水鳥の個体数の増減傾向を検討した。
かつては多かったのに、明らかに減少した種として、ハシビロガモ、ヒドリガモ、オナガガモ、コガモ、ユリカモメ、カモメ、アオサギがあげられる。このうち、ヒドリガモ、コガモ、ユリカモメ、カモメは、河口部よりも上流よりの区間での減少が顕著であり、ユリカモメとカモメは河口部でしかほぼ記録されなくなっている。かつてはよく記録されていたコアジサシ、ゴイサギ、ササゴイは、ほぼ記録されなくなった。
かつてはほとんど記録されなかったのに、近年記録されるようになった種に、カワアイサ、オオバン、カンムリカイツブリ、カワウがある。またマガモ、カイツブリも増加傾向にある。
補足しておくと、セグロカモメは、一番最初期から比べると減っているが、その後あまり変わっていない。ただ、上流に入ってこなくなったのは、ユリカモメやカモメと一緒。
調査していた印象では、ダイサギやオカヨシガモは増加し、カルガモは減少したと思っていたが、実際はさほど変化していなかった。アオサギが減ったので、ダイサギは相対的に増えた。同じくヒドリガモやオナガガモやコガモが減ったので、オカヨシガモは相対的に増えた。河口部でマガモが増えたので、カルガモが相対的に減った。という印象を持っていただけらしい。
コアジサシ、ササゴイ、ゴイサギの減少は、近くの繁殖地が失われたからではないかと思う。かつてコアジサシがいっぱい記録されていた時代は、夢洲などに大きなコアジサシの繁殖コロニーがあった。ササゴイもかつては大阪市住之江区の公園で繁殖していた。
●2025年9月4日 友の会サミット2025 第1回打合せ
日本の自然史系博物館業界にとても顔の広いお二人と打合せ。どこに誰が声かけするかという段になると、ひたすら聞いてるだけ。たいていの博物館にどっちかの知り合いがいる印象。どうしてそんなに知り合いが多いのだろう。
今日の打ち合わせの一番の課題は、プログラムの確定。
1日目:基調講演→活動紹介→懇親会
2日目:分科会→全体会
はすでに決まってるけど、
・お金がないなか基調講演を誰に頼む?
・分科会のテーマは何にする? そして、話題提供を誰に頼む?
・特別展見学ツアーをいつやる?
というのが決まってない。基調講演はあとからでもいいけど、他が決まらないと広報や声かけが始められない。
ってことで基調講演を誰にお願いするか何人か名前をあげつつ、まずは分科会のテーマと誰に話しもらうと面白そうかという話題で盛り上がる。どうやら重めのテーマ2つと、楽しげなテーマ2つになりそう。こんな感じ。
テーマ1「友の会の運営体制」:博物館との連携、博物館スタッフとの関係
テーマ2「友の会の面白活動」:自慢の活動、会報の発行、会員とのコミュニケーション
テーマ3「運営側の世代交代」:会員と指導者層の年齢構成、指導者層のリクルート
テーマ4「資金調達」:オリジナルグッズ、販売方法、寄付の集め方
運営体制と世代交代は重大だけどけっこう重い話であり、失敗したら友の会の存亡に関わる。面白活動と資金調達ももちろん存亡に関わるけど、楽しく試みて、失敗したらやり直したらいいだけ、みたいな側面が強め。
あとは当日の話題提供をお願いする人の確保。もちろん飛び入りも歓迎。
そして、できるだけ多くの自然史系博物館の友の会に、その活動を紹介するポスターを出展してほしい。必要項目を埋めてもらって、こちらでポスター打ち出しという方向で進めることになった。
で、そのポスターを見ながら懇親会をやりたい。
●2025年9月3日 夏の博物館実習の後始末 ほぼ完了
今年度で最後の博物館実習のまとめ役。面倒なのは受付から受け入れまでの大学とのやりとり。人数調整もあって、同時にいくつもの大学とやりとりする必要が出てくる。続いて面倒なのは、実習本番が終わった後の後始末。これまたいくつもの大学に実習ノートや成績関係の書類を送付する必要がある。大学によってスタイルや求めるものが違うので、個別対応が多いのが面倒な原因。毎回思うけど、全大学一律のフォームにしてほしい。
とりあえず今回の夏の後始末が一段落。公印が必要なの以外は、書類を整えて返送の手配をした。
なんか急いでいるらしいK大学には、別途、速達で送付済み。
来年度からの担当に向けての引き継ぎがあるので、後始末をまとめておこう。
1:実習ノートを集める。ここんところ最終日が野外行事なので、実習ノートは学生が持って帰って書いて、博物館に届けてもらうことになる。最終日は8月24日なので、すぐに送付すれば3日後には処理できそうなものだけど、最後の実習ノートが届いたのは9月1日。さっさと送れ!
2:実習ノートに担当学芸員のハンコとコメントをもらう。最終日だけでなく4日目のチェックもまだなので、5人の学芸員をつかまえる必要がある。さらに総合コメントがある大学には、そのチェックと押印が必要。
3:担当した日のブログの書き込みの確認。うちの実習は5日間実習して、割り当てられた担当美のブログを書き込んでクリア。ブログ書かないと修了したとは認めない。8月31日までに書くようにいうと、何人かは確実に8月31日に書く。今回もそうだった。
4:封筒の宛名書き。返送用の封筒などを用意してくれる大学もあるけど、ぜんぜん配慮のない大学もある。学生が気を利かせて用意してくれたケースがあったけど、宛名が書いてない。封筒や切手ケチってるんじゃなくって、宛名書きが面倒なんだって。想像しろよ。と思った。
5:出欠や成績を記入。まあコメントを含め適当に。面倒なのは押印。名前のスタンプの勢いで、しばしば黒いハンコを押してしまう。担当者印やサインだけの大学はいいけど、館長印や博物館の公印を欲しがる大学もある。どっちを求めてるか分からない場合は、館長印。今回、館長印は1大学、公印は4大学。公印は決済がいるので時間がかかる。
6:封して発送手配。大学によっては、成績表だけを入れる小さい封筒をつけてきたりするけど、面倒だから実習ノートと一緒に返送する。ただ、発送先が学生の場合は、配慮することも。
という作業に、半日以上がつぶれる。この手間を減らす可能性を考えてみよう。
・実習ノートのチェックをやめる。他の場所での実習では、コメントがないところの方が多い。でも、このやり取りは普及教育な視点ではやめにくい。
・ブログをやめる。博物館実習で何をしたかの記録としては意義はあるんだけど。
・最終日の野外行事を避ける。普及行事はどこかに入れたいけど、室内行事を当てるかなぁ。
・返送用の封筒などの準備をマストにする。これは考えても良さそう。
●2025年9月2日 ネコ生活2周年
2年前の3日前、8月30日に、職場のドライエリアに落ちていた子ネコが回収され、そのまま我が家に居付いた。
そんなネコとの生活、2年目を振り返っておく。
体重は、家ではうまく測れない。動物病院に行った時だけ計測値がある。
2023年9/1 680g、9/15 963g、10/6 1340g、11/6 1940g
2024年1/15 2880g、1/24 3020g、11/11 4480g。
昨年11月に予防接種に行った時の数字が最新だけど、避妊手術したメスなのに約4.5kgとは、かなり重い気がする。でも、そんなに太ってる感じはしない。腹もさほど垂れてないし。体格が大きいのかな。室内飼いの大人ネコ用のキャットフードを、1日45g与えている。これはキャットフードの袋を見ると、少なめっぽい。本人はさほど不満でもなさそうなので、このまま維持の予定。
相変わらず、人間の食べる物は、一切与えず、匂いも嗅がせず。おかげで欲しがらない子に育ってくれた。ただ、なぜか糸こんにゃくだけは興味津々で、ザルに入ってるのを盗ろうとする。食べるためというより、遊ぶためのようだけど。
トイレの粗相は一度もなし。
2度ほど吐いてたことがあったが、本や洗濯物を避けて吐いてくれる。吐いた理由は、少なくとも1回は異物を呑み込んだかららしく、黒い布のようなものが一緒に吐かれていた。
襖は今も開けられないのだけど、ゴロゴロしているうちに閉めてしまうことがあって、開けようとバタバタしてたりする。
衣装ダンスはビリビリにされたけど、ビリビリにするのに飽きたのか、ここ数ヶ月は何もしていない。
襖は閉めていると開けようと破ったりしてたけど、開けておくと、破るのは飽きるらしく、新たに破らなくなった。
掛け布団かけて寝てる季節には、よく掛け布団の上で寝てたし、布団の中にも入ってきた。掛け布団使わなくなったら、夜は布団に寄りつかないのは相変わらず。
布団の上で寝ていると寄ってこないけど、座っているともれなく寄ってきて、体を引っ付けて座り、撫でろという指示が出る。近頃、顎の下をなでるのが好きらしい。ついでに顎の下のカビを取り除いている。鼻くそは相変わらず徐々に溜まっていく。大きくなったらこすって取り除いているが、近頃はいつの間にか取れてることもある。
家に帰ると、まず挨拶に来るが、すぐに布団の上に移動して、撫でろと鳴いてくる。とにかく鳴いたら、撫でると満足してもらえる。抱っこは好きではないし、膝の上に乗せてもすぐ逃げる。
なぜかトイレには、今もよく付いてくる。ついてこなくても遠くから見ていて、あるタイミングで走ってくる。このパターンだと大抵、足を噛まれる。でも、水を流すと逃げて行く。
●2025年9月1日 2025年8月のまとめ 合間をぬってなんとか大和川の水鳥カウントデータ入力完了
8月は前半にツバメのねぐら調査、佐渡島に行って帰って来たら、なにわホネホネ団の活動や標本同定会からの博物館実習。イベント一杯でただでさえ忙しいのに、30年間毎月のように調査した大和川下流部の水鳥カウントデータの入力をしないといけない。9月に学会発表が控えているので、入力が間に合わないととてもまずい。とにかく暇を見つけては入力作業を行い、なんとか8月末に入力が完了した。
そんな2025年8月を振り返ってみよう。
ルーティンのため池調査、大和川調査は無事終了。奈良県3コース(1日で調査)と京都府2コース(1日で調査)のハッカチョウセンサスも実施。結局、ハッカチョウは大和郡山市のコースでしか出ない。宇治川は今後も継続予定だけど、奈良の1コース(近鉄奈良駅周辺)は2年間調査して一度もハッカチョウが記録されなかったので、今回で最後。
地元公園では、月末のカワウの集団ねぐらの調査をし忘れた。
大和川水系の調査は、垂仁天皇陵のカワウ・サギ類の繁殖地をチェックしたのみ。この調査もこれが最後。
大阪府のツバメの集団ねぐら3ヶ所を調査。今年も淀川鵜殿は2回行くことになった。7月にツバメが集まっていた恩智川治水緑地も見に行ったが集まっていなかった。
ホネホネ団の活動は、3日実施。さらにインターン対応と絡んで、珍しくカリカリ団にも1日加わって、マッコウクジラを処理した。
大阪鳥類研究グループは、ツバメのねぐら調査を兼ねて、堺市美原区へ。
読書サークルの会合1回。
行事は野外行事はなく、室内行事ばかり。ホネの標本実習が2回、標本同定会、ジュニア自然史クラブのミーティング。友の会の佐渡島合宿にひっついていった。
博物館実習では、初日のオリエンテーションと担当1日。さらに6日日程が必要な大学の2名向けに追加の1日。いずれもホネ洗いをした。追加の1日ではインターンの方も加わった。
講演はなし。
査読はあったのだけど、著者が引き上げた。代わりに末に1本やってきた。
標本関連では、放置していたオオカミとクマ皮を隠した。クマ皮は完成だけど、オオカミはまだ処理がいる。ジュニア自然史クラブや博物館実習で大きめののホネ洗いが進んだ。インターン対応を交えて、ホネ砂場のマッコウクジラをすべて引き上げた。イシイルカも洗い終わった。ついでに陸生哺乳類は水漬けに移した。スナメリ2体も回収。ホネ砂場に残るのは、スナメリ4体のみ。これも秋のうちに回収予定。こうして空けたホネ砂場に年末にはマッコウクジラの残りのホネが到着予定。港湾局や総務課との打ち合わせを始めた。担当課長が変わってないのでスムーズにいきそうな気配。
冷凍室の状態は、あまり変わらないが、10年ちょっと前にまとめて動物病院から受け取った5箱がおおむね片付いた。
メジロ姉さんの日を予定していたが、キャンセルになった。
とまあいろいろあった中、今月読んだ本は、自然史系3冊と、SF6冊、マンガ5冊。
佐渡島に行った3日をカウントしないなら(個人的には普及行事的位置付け)、完全休養日はなし。今年に入ってから3日。
ネコは元気。相変わらず、布団に座っていると、体を付けて毛繕いしつつ、撫でろと言ってくる。布団のすぐ横で転がっていることも多い。
サバイバルは、小分け作戦を継続。佐渡島旅行があったし、飲み忘れもあったけど、状態は好転。そして、さらに体重が減少。
●2025年8月31日 ホネ標本の作り方大人向け コウライキジ頭
今日は、大人向けのホネ標本作りの行事。例年以上にスタッフ多くて、8人体制。一方参加者は23名と少なめ。とても手厚い。その上、キジってニワトリよりホネがしっかりしていて、涙骨や方形骨がぜんぜん外れない。とてもスムーズに進む。かと思いきや、午前中はとても手間取ってまあまあ焦った。みんな皮剥きに手間取りまくってた。耳出して、目を出すまでに1時間以上かかってた。
ちなみにスタッフもハサミで皮剥くのにあまり慣れてないので、やりにくいなぁ、メスが欲しいなぁ、と思いながらだし。初心者スタッフはとてもかなり手間取ってる。
それでもなんとか当初予定の30分押し程度で、パイプユニッシュに投入して、昼休み。多くの人が早めに昼休みを切り上げて、目や首の処理を進めてた。午後始まってからも目や首の処理をしたがる人たちを止めて、とにかく頭の処理を優先させる。
ここからは、昨年以前に作成したニワトリとかの頭骨の見本が役に立つ。鼻孔周辺がどうなるか、頭骨下側のどこに隙間があるか、耳の周辺の様子。質問されるたびに、見本を見るように指示。午前中とても遅かった女性は、ここで一気に追いついていた。一方、午前中遅かったおじさんは、午後も遅い。で、さりげなくフォロー、というか説明しながら、こちらで勝手に処理を進める。
なんだかんだで、オキシドールに浸けて2度目の休憩。希望者は、ホネ砂場見学。もうマッコウクジラはいなくなってるので、回収して水漬けしてるマッコウクジラの肋骨とかも見せる。残りの休憩時間は多くの人が、首や舌などの処理をしていた。
で、オキシドールから出して、さらに少し肉取りしてから、発泡スチロールに形を整えて固定。マチ針や昆虫針を用意してる人が多かったが、爪楊枝で十分だった。持ち帰ってからの注意をして、友の会とホネホネ団を宣伝して解散。終了予定時刻を10分ほどオーバーしただけだった。
もう段取り確立されてるのだけど、毎回タイムスケジュールを間違う。実態に合わせたスケジュールに調整しなくては。
この行事も来年がラスト。少なくともこの形態で実施するのはラスト。ラストはガチョウかシチメンチョウかバリケンか。という話をしていたのだけど、日本には食用のガチョウ農場はないらしい。羽毛用に育ててるところはないのかなぁ。と言う訳で、おそらくガチョウは断念。シチメンチョウやバリケンも無理なら、ダチョウかなぁ。
●2025年8月30日 大和川の下流部の水鳥の30年 データ入力ようやく完了
ふとした気の迷いから、今年9月の鳥学会大会で、大和川下流部でほぼ月に1回実施している水鳥カウントの結果を発表することにしてしまった。7月中に入力するつもりが、ため池調査やらなんやらで忙しく、ぜんんぜん手を付けられず。8月になって、ツバメのねぐら調査や佐渡島や博物館実習の合間に頑張って、さきほどなんとか入力が完了した。
30年×12回で、360回分の調査データ。といいつつ、実際はすでに調査を始めて31年と4ヶ月経ってるので、376回分のデータ。でもまあ、鳥学会では360回分で話をするとしよう。水鳥以外も記録してるけど、とりあえず水鳥だけの話にしておこう。6つの区間に分けて記録してるけど、ベースは全体まとめたデータで話をする。あるいは、上流と下流の2つに分けてデータを示すかは、入力しながら悩み中。
とにかく、あと10日ほどで、ポスターに仕上げなくちゃ。詳しい解析する余裕はないので、ざくっとした集計を発表するしかなさそう。
入力していて判明した衝撃の事実は、1回調査が飛んでること。1994年5月に調査をはじめた当初、月の後半に調査しようとしていた。が、どうして調査できなかったり、忘れていたりで翌月頭にずれ込むことがあった。なんとか前の月に戻したり、遅れたりを繰り返してきた。その内、翌月にずれ込んだのが、翌月後半までずれ込んだりしてややこしくなった。2010年初夏辺りに1回分飛んでる。うろ覚えだけど、飛んだ当初は覚えていたと思うし復帰させたいと思ってたはず。でも、2010年9月から大阪湾岸の月例水鳥調査が始まり、毎月きちんと調査しなくてはならなくなった。で、逆に月をずらして戻せなくなった。3年間の大阪湾岸調査が終わった時点で、1回分抜けてるのを忘れてしまった。
というわけで、今回30年分の調査結果をまとめるのだけど、真面目にやると359回分の調査になってしまう。ただ、ずれたのが5月から7月ごろの一番水鳥の少ない時期。1994年5月から2024年5月の360回の調査結果をまとめればいいかな。
●2025年8月29日 とある市のレッドリスト改訂会議
今日から2年弱かけて、改訂作業を行ない、2027年春に改訂版を発表したいのだそうな。
会議の最初に歴史が振り返られていて、2008年に最初のレッドリスト公開。2015年、2021年と改訂してきて、今回2027年が3回目の改訂。と事務局が話していた。
が、その前に歴史をちゃんと理解している座長が、1998年に最初のレッドリストを作成して、と話していた。そうそう。最初は1990年代終わり。当時、市町村レベルのレッドリスト作成はとても珍しかった。とても先進的な取り組みだったのだけど、開発系の部局からの横やりも激しかった。市の内部的には、レッドリストとして公表はできなかったという経過があったと記憶している。それ以外にも、生物多様性の重要エリアをリストアップするのも、開発の妨げになると阻止された記憶がある。委員としては、なんじゃあれは! 環境部局弱すぎ! と思ったもんじゃった。
2回目の改訂時に積み残された問題点、その後に明らかになった問題点が振り返られていたが、これが問題点になるとは、随分時代も変わったもんじゃ〜。とむしろ時代の変化を感じていた。
ところで、会議のメンバーは、過去はずっと委員と呼ばれていたが、今回着席すると、前のフダには“〜構成員”という表示が。市の基準では委員と呼ぶのは間違い、というつまらない指摘をした奴がいるらしい。代わりの言葉として思いついたのが構成員らしい。間違ってはないけど、どこの組の者なんじゃろ?
そして、その構成員リストには、名前の横に分類群名。きっと担当分野だな。いやぁ、鳥類だけ担当したらいいとはありがたいわぁ。昆虫担当はなんの違和感もないようだけど、哺乳類も甲殻類も藻類も担当者いないことになるよ。まずレッドリスト作る分類群決めて、その担当構成員を決めるべきだと思うけど、今日は決めようとしてなかったのが面白い。知らん振りした方が得だったけど、思わず最後に指摘してしまった。
●2025年8月28日 クロヒゲコマルガムシ近畿初記録
近畿初記録のクロヒゲコマルガムシという甲虫を、17年前に採集していたらしい。
で、突然、詳しい採集地点と採集地の環境について教えろとのお達し。ダメ元で問い合わせてきたようだけど、フィールドノートと採集地点をプロットした地図が残ってるから、これがおおむね答えられるんだなぁ。ただ問題は、ガムシと認識して採集してなかったことで…。
標本についていたラベルは、2008年7月某日、豊能町吉川初谷川とある。
これは、淀川水系調査プロジェクトの調査で、初谷川沿いを山下駅から源流まで歩いて、野間から余野に抜けている。初谷川は初谷に入るまで川沿いに道がないので、川の中を歩いたことを覚えている。
で、吉川で昆虫を採集したのは2ヶ所。片方ではヒメドロムシを採集している。間違いなくフンドシ洗いで。もう1ヶ所ではゴミムシを採集している。この頃はミズギワゴミムシにはまってたので、水際の石を引っ繰り返して、掘ったりして探してたはず。どっちかな? と思ったら、フンドシ洗いで採れる虫ではないという。
ネットでクロヒゲコマルガムシを見てみると、ヒメドロムシに間違うことはあり得ないが、ゴミムシと思うことはありそう。
ということで、場所を確定させることができた。そんな珍しいものだったとは全然知らなかった。当時褒められた覚えは内。ということは、当時渡された甲虫担当も、標本にはしたけど、同定はできなかったってことだな。でも、ガムシ類とは判ったのか。
追加標本を採るべく現地に行くらしい。追加が採れたりするのかなぁ。
●2025年8月27日 マッコウクジラのホネ洗い 第二弾
インターンさんがクジラ好きと聞いたので、今日は一緒にマッコウクジラを洗うことに。なにわホネホネ団の2人と一緒に。インターンさんは、クジラ仕事ばかりさせられてる。
最初は2人ずつ二手に分かれた。2人は下顎歯に前から左右+数字を振って、歯を回収。続いて、順番を記録しながらV字骨と尾椎を回収。V字骨はすべて回収。先の方の3つが左右に分かれてた。尾椎は根元側と先端の7つは回収できたけど、間の4つは筋は残りまくっていて切り出すのが大変。今日の回収は断念。
残る2人は、左前肢の指骨の地図を描いて、地図とホネに数字を書いてから、上腕骨から指骨までを回収。あとからチェックすると外側の指根骨が1つ残ってたけど、その場所から地図に書き足すことができた。
そしていよいよ下顎骨の回収。V字形のを4人で持ち上げるぞ!と思って少し動かしたら、左右が分かれてしまった。なんか不満。だけど、やむを得ないから片方ずつ運ぶことに、とりあえず台車までは持ち上げて運ばないといけない。4人いれば簡単に上がる、かと思ったらとても重い〜。必死で砂場から持ち出して台車に載せる。載せたら簡単に運べるかと思ったら、こっちも大変。でも途中で気付いた。台車に片方の端を載せて、反対側を肩に載せて持ち上げると比較的運びやすい。台車を支えつつ押す一人と、肩に載せる一人、途中で支える一人でいけそう。2本目はとてもスムーズに運べた。3本目はもっと熟練してるに違いない。ともかく左右分かれてくれなければ運べなかった。
尾椎とV字骨は、外で水漬けして、ホネに仕上げることにする。歯と左前肢、室内で洗って干した。下顎骨は、水浸けたいところだけど、4m近くあるので入れる場所がない。ニタリクジラの頭骨と同じように、普段はブルーシートをかけておいて、雨の日に雨に当てる。時々、水かけてみよう。
●2025年8月25日 イシイルカの変
今日は、博物館実習生2人、インターン1人と一緒にイシイルカのホネを洗った。元々、6日日程が必要な実習生の対応が入ってて、今日からインターンが来るというので、一緒に対応。インターンさんがクジラ処理経験者という話だったので、イシイルカをチョイス。
2日前の夕方、イシイルカをホネ砂場から回収してきた。椎骨はフダは付けていないので、順番を変えずに洗って、並べて、順に数字を振る必要がある。V字骨も同様。これがミスが起きやすそう。一方、幸いなことに歯は残っていないし、前肢は両方とも指骨がなくなっている。片手は指根骨があるので、地図描きが必要だけど、もう片方は指根骨もない。
ここはあまり失敗しなさそう。素晴らしいことに肋骨は解体時に、左右とも順番を書いたフダが付いている。
前日、胸椎、腰椎、尾椎に可能な範囲で前から数字を振った。胸椎と腰椎は割と書けたが、尾椎はほぼ書けず。
と言う訳で、今日の作業。初心者の実習生には、まずはそれぞれ左右の肋骨を洗ってもらう。午後からすでに数字が振ってある胸椎と腰椎をそれぞれ洗ってもらう。
インターンさんには、頭周りと尾椎を洗ってもらい、前肢の地図描きと前肢洗い。V字骨はややこしそうだったので、こちらで回収して並べて、数字を振った。勢いで、尾椎にも数字を書き始めたが、先っぽは濡れてると書けないので、今日は断念。
そんな作業の中で、イシイルカのホネを改めていっぱい観察できた。初心者の実習生は気付いていないが、とにかく椎骨が多い。胸椎も腰椎も、なにより尾椎が多い。そして棘突起が長い。まるで魚のホネのよう。それだけで盛り上がる。
歯がない上に、歯のささってた穴もあまりない。というか小さい穴がたくさん並んでいて、歯が刺さっていたとは思えない。どうやら本来は上下とも片側23-28本ほどの歯があるらしい。となると、歯は腐って抜けたというより、この個体は年寄りですでに歯を失っていた可能性がありそう。
●2025年8月23日 大和川河口の夏のウミネコ
大阪湾の湾奥部では、ウミネコが多いのは繁殖期が終わった頃合い。ちょうど今頃。その後、年末にかけて減少し、真冬にはほとんどいなくなる。再び増え始めるのは、繁殖期が終わった6-7月頃。
2000年代までの大和川河口部の調査結果を見ると、8月頃には2000羽以上のウミネコが記録されることが多かった。2000年にはなんと約10000羽の記録がある。冬のユリカモメの最大数をも凌駕する数字。
が、コンスタントに2000羽を超えていたのは2008年まで。偶然か必然か判らないけど、ユリカモメが2000羽を超えなくなった2006年度を最後に2000羽をほとんど超えなくなったのとタイミング的に近い。
その後は、年間最大数でも1000羽を超えない年の方が多くなっていく。今日は約350羽ほどだけ。冬のカモメ類が減ったのは気付いていたけど、夏のウミネコも随分減ったものだ。ウミネコがどこから来てるのか判らないのだけど、これはウミネコの営巣数の減少なんだろうか。
●2025年8月22日 読書サークル 第139回会合覚え書き
隔月で、課題本の紹介文を持ち寄って、本についてあれこれ言い合うサークル。
昨日の会合で出た本についての意見を記録。
今回の課題本は6冊。前回以前からの繰り越しは4冊、4冊繰り越しで、6冊についてあれこれ話し合った。
ちなみに各人は紹介文を書いてきていてて、4つを最大として★を付けている。
●「ジュラシック水族館へようこそ」
(紹介文3つ、平均★数は3.0)
古代生物水族館をつくりたい。そのためには化石生物の形の復元だけでなく、食性や生息環境など生きざまを復元する必要がある。イントロと第1章のこのつかみは、みんなの心をつかんでいた。が、その後、この企画が顧みられないことに、読んだ人の不満は集中。出オチという批判も。
●「オオコウモリの にぎやかな よる」
(紹介文5つ、平均★数は3.0)
沖縄島のオオコウモリの話でとても盛り上がった。
●「ザトウムシ」
(紹介文3つ、平均★数は2.7)
ザトウムシについていろいろ判る。類書はない。でも、染色体の話は難しい。そもそも用語や文章が難しい。普及書としていかがなものか。評価はさておき、意見はおおむね一致。カラープレートと種毎の解説を書いてるんだから、さっさと図鑑作ればよい。その方が裾野は広がる。図鑑の後ろに、染色体以外のザトウムシの一般的な解説があれば、それが一番良かった。と言う声も。
●「睡眠の起源」
(紹介文4つ、平均★数は3.0)
成果はヒドラの睡眠だけで、睡眠の起源の研究は道半ば。本書くの早すぎでは? という点で意見はほぼ一致。
●「寄生生物の果てしなき進化」
(紹介文4つ、平均★数は3.5)
先のパンデミックで、人の感染症への関心が高く、この本もみんな興味深く読んだ。Covid-19の前に書かれているが、それを予見するような内容である点に評価が高かった。あとネズミキツネザルへの関心も高かった。
●「ウミガメ博物学」
(紹介文4つ、平均★数は2.8)
文章が偉そうとか、読みにくいという声。あとがきにある“本書は学術書ではない。私の憶測や聞き取りによるところは多い。それを加味して私の感じているウミガメ感を皆さんに知らせたいと思った”に引っかかった人が複数。
●2025年8月21日 博物館実習 ホネ洗い
ここんところ博物館実習といえば、骨を洗ってる。今日はシカとオオカミを洗った。午前中に2匹とも洗い終わったので、午後は時間をかけてホネ並べ。このパターンの方が、実習生の満足度は高そう。
シカとオオカミに分かれて、椎骨と肋骨を並べるように指示。なぜか知らんけど、女子3人がシカ、男子2人がオオカミを選んだ。大学生って男女分かれがちなのはなんでかな。
分かれて互いをみずに並べてるけど、似たようなやり方をする。みんな一緒に椎骨並べようとしていて、暇な奴は肋骨も並べろというと、今度はみんな一緒に肋骨並べてる。頼りないのが、頼りない発言をすると、指導的スタンスのが手伝いにいくかららしい。
一番センスのあった実習生は、椎骨の引っ付く場所の形と位置を比べて並べようとしてけっこう上手に頸椎を並べていた。理屈っぽい実習生は、理詰めでホネの並びを考えていた。なぜかあまり成功してないけど。そして、やってる振りして、あまりやる気のないのが2名ほど。
ここ数年冬にホネ洗いからホネ並べさせている滋賀県の高校生の方がセンスがあるなぁ。というのが正直な感想。
●2025年8月20日 博物館実習 2025年夏期一般コース オリエンテーション
今日から5日日程で博物館実習がスタート。来年からは担当ではなくなるので、今年が最後の主担当の年。もうスケジュールの記録もいらないんだけど、習慣なので記録しておく。今年の夏は大学生が18人。
09:30 博物館実習スタート 出欠取って、名札を作らせて、友の会に入会させる。5日間のプログラムの説明(概要、集合・終了時刻、集合場所)、ブログの書き方の説明。担当のブログを書いて実習を完了したと評価するとの説明。今回の友の会会員はなし。
09:50〜11:25 博物館の間取り、沿革、事業内容(研究、資料収集、展示、普及教育)、広報、友の会・サークルなどの説明。博物館に足りないものとして、お金、人手、スペース。
(11:25〜11:30 休憩)
11:30〜12:00 管理棟の案内・解説。最初に館長室を見て、学芸員の部屋をのぞき、植物研に入った。旧収蔵庫めぐって、雨漏りの話、コンパクターの説明。書庫にも入り、2層目に上がった。特展準備室は昆虫展で入れず。
(12:00〜13:00 昼休み)
13:00〜14:15 収蔵庫見学ツアー。3つの収蔵庫をめぐって解説。棚に載る話、二層構造の秘密、壁の違い、臭い、温度・湿度、タイプ標本、火災時の対応など。なぜ収蔵庫に本があるかも説明。
(14:15〜14:25 休憩)
14:20〜15:40 展示室見学ツアー(常設展)。メンテナンスがメインテーマ。電気の球換えの難しさ、掃除のしにくさを中心に、ダメなケース、ダメな展示を紹介して歩く。ハンズオン展示のコストパフォーマンスや、メンテナンスの難しいオープンな展示の話。第5展示室では、アナログのゲームコストパフォーマンスについて解説。 一種の収蔵展示であるクジラや鉱物類とか。最後に博物館におけるミュージアムショップの普及教育的位置づけ。
15:40〜 実習ノートの記入。
実習ノートは学芸員がチェックして、コメントなどを書くので、学芸員とのコミュニケーションツールとして使うように、って今回も指導してみた。
学校から預かってきたものがあれば、実習ノートと一緒に置いておくよう指示。
【追記】
実習ノートをチェック。18人分を見て、質問に答えたりコメントしてたら、1時間50分かかった。
メンテナンス視点での展示案内は、今回も興味をもってもらえた。主にメンテナンスに言及しているのが4名。関連してハンズオン展示のコストに注目していたのが5名。半数が展示室ツアーが一番印象的だった様子。続いて目立つのは、収蔵庫についておもに言及している5名。満杯問題や好みの分類群の話をしてる。あとは普及研究におもに言及しているのが1名、特展タイトルにはまったのが1名。
どうも今年も座学の面白さが足りなかった様子。それに対して収蔵庫ツアーと展示室ツアーが面白かったということだろうか。午後の方が緊張が解けてきたってことかもしれないが。
●2025年8月19日 博物館実習前日準備
明日からの博物館実習に向けて、夜に2時間ちょっとかかって準備。年度最初の夏の実習の準備が一番面倒。
今年度が最後の実習メイン担当で、来年の担当への引き継ぎが必要。で、こまかく一気に引き継ぎはできないので、作業する度に、作業ログを書いている。今日のログは、
・博物館実習の準備
→班分けとブログ担当、担当学芸員を確定させて、打ち出して各学芸員のBOXへ。
→名簿と班分け、集合・解散場所を整理して打ち出し、最新の館報から適宜抜き出してコピー。実習の資料を印刷(B4両面7枚)。
→集会室の机に、資料、配布印刷物、友の会パンフ、名札ケース、名札用の紙をセット。
ざくっとしていて、これでは判らないかも。注釈付けると、
※班分けは、実習生側は、同じ大学が同じ班にならないように、男女比をほぼ一定に。ホネや魚といったハードめの内容がある班には、できるだけ理系を入れる。学芸員側は、動物、昆虫、植物、地学が重ならないようにする。同じ班の担当者が女性に偏らないようにする。
※集合・解散場所・時刻は、オリエンテーションと館内での標本実習は一定だけど、最終日の行事がイレギュラー。今回は夜の行事だし。
※館報コピーした資料は、オリエンテーションの時のトークに使うものなので、自分が話したいパートをストロングに。
※資料を机にセットするのは、コロナ禍以降の風習。やめてもいいかも。配布印刷物の手配も伝承しなくては。
●2025年8月17日 標本同定会2025
今日は、昔でいうところの標本同定会。ようやくコロナ禍前レベルへ復活して安定してきたが、この企画に参加するのも、今回いれて残り2回。
今年もまずは過去の対応件数を振り返ってみよう。
2024年:鳥類8件、哺乳類1件、爬虫類0件、両生類2件、魚類5件 →合計16件
2024年:鳥類7件、哺乳類0件、爬虫類1件、両生類0件、魚類4件 →合計12件
2023年:鳥類4件、哺乳類2件、爬虫類0件、両生類0件、魚類3件 →合計9件
2022年:鳥類2件、哺乳類1件、爬虫類0件、両生類0件、魚類2件 →合計5件
2021年:コロナ中止
2020年:鳥類3件、哺乳類0件、爬虫類0件、両生類1件、魚類1件 →合計5件
2019年:鳥類9件、哺乳類4件、爬虫類0件、両生類0件、魚類7件 →合計20件
2018年:鳥類9件、哺乳類1件、爬虫類1件、両生類1件、魚類7件 →合計19件
2017年:鳥類10件、哺乳類0件、爬虫類1件、両生類2件、魚類5件 →合計18件
付け加えると、今年は件数だけでなく、ずっと滞在して他の人のやり取りを見てる方もいて、脊椎動物の部屋は一日中にぎわっていた。さらに隙間を見つけては追加の同定依頼が次々と出てくる! と言う訳で、数字以上に忙しかった。昼休み以外は、休みなくずーっと調べ物をしていた。
今年は、北海道土産や、新潟での合宿の時の採取物も投入されて、なかなか難易度が高かった。それもずーっと調べ物をすることになった一つの要因。
●2025年8月16日 マッコウクジラのホネ洗い 第一弾
とりあえず、砂場から回収してなにわホネホネ団で洗った。
前肢や下顎(というか歯)、V字骨、尾椎は、並びや順番が大事なので、数字を振ったり、地図を作成してからの回収。なにわホネホネ団は、人数はいるけど、判ってない奴が混じるので、細かい作業を任せるのはリスキー。
と言う訳で、順番や位置を考えなくても大丈夫な、左肋骨、左肩甲骨、舌骨、胸骨を洗った。肋骨は順番が大事だけど、幸いなことに、すでに順番を記したフダがちゃんと付けられている。
マッコウクジラのホネ洗い。と言えば大勢が集まるかと思ったら、意外と少なく、7人だけ。人手足りるかな? となって、団長と二人で肋骨11本をじゃんじゃん洗った。長い肋骨は水に浸けて洗う場所がないので、水をかけながら汚れを落とす感じ。その間に他の人達は、トレイに水を溜めて、肩甲骨、舌骨、胸骨を洗ってる。肋骨簡単にキレイになるけど、舌骨が死蝋化もしていて手間取っている。
結局最後は、みんなで死蝋落とし。歯ブラシの柄や竹べらがとても役立つ。
2時間かかって、昼前に作業完了。昼からとても暑くなったので、いいタイミングで終われた。
●2025年8月15日 風邪ひいた、治ってきた
2日前に起きた時から、なんか調子が変だった。喉がとても渇くし。というか、それもそのはず。クーラー強めに付けて、扇風機を思いっきり回して、直接当たったままで寝落ちしてた。毎年、夏にやる寝冷えっぽい。
それでも2日前は、咳したりしながらも淀川鵜殿のツバメの集団ねぐらを見に行ったりした。戻ってきて、昨日のなにわホネホネ団鳥の日の準備もした。
が、2日前の夜、とても寝苦しい。なんか苦しいし、頻繁に目が覚める。それでも朝ご飯食べて、博物館へ。風邪気味なので、マスクしながらの鳥剥き作業。とはいえ、とても体がだるいし、熱っぽい。すばやく行動しにくい。ときどきオフになる。寒くなったり、急に汗がダラダラ出たり。冷房が寒かったり、服着たら暑くなったり。昼食の弁当も少ししか食えず。それでも、今日の鳥剥きの準備をして、定時に帰った。
早く帰って、すぐに家でゴロゴロ。晩ご飯はほとんど食えず。熱っぽいせいか、クーラー弱めでいいし、扇風機はいらない。暑い夏に発熱はぴったり。昨夜は、さほど寝苦しくなかった。
今朝、体調は少しましになった気がするけど、朝食はさほど食えず。それでも博物館へ。午前中の鳥剥きが終わると、まあまあ元気になってきた気がする。昼食は普通に食えた。昼過ぎ、体温を測ったら、36.6℃。これが平熱の人もいるだろうが、こちとらの平熱は低いので、平熱と比べると1℃ほど高い。そら熱っぽいわ。外で、クジラのホネ作業。普通の時なら暑い〜、ってなりそうだけど、なんか暖かで快適。汗掻いたら、より体調が戻ってきた気がする。
夕方、体調が戻ってきた。体温は、36.4℃。体のだるさもなくなってきた。でも、明日もマスクした方がよさそう。
●2025年8月13日 今年の鵜殿のツバメのねぐら
正確には数えられなかったけど、とても少ないのは間違いなさそう。それとも他にも集団があるのか?
●2025年8月11日 夏の佐渡島 最終日
今日も朝はいつもの団体と一緒。長手海岸で海岸生物、魚、植物、石や地形の観察。を尻目に、鳥を探して、水生甲虫を採る
●2025年8月10日 夏の佐渡島 3日目
雨。朝は小降りだったので、山を途中まで登ったが、3回ほど小さな沢を横切るはずが、増水してて断念。
やむ無く加茂湖畔に行って昼食。ここまで、なんとなく団体さんに着いて行ってたが、昼食場所で分かれて、あとは別行動。同行者がスカイラインに行きたいというので行ってみた。ガスで真っ白。佐渡金山の前で入り口の撮影だけして、七里海岸へ。夫婦岩など岩岩した地形があったが、雨が本降りになったので、車から見る程度。スーパーを2軒はしごして帰ってきた。
●2025年8月9日 佐渡島の夏 2日目
午前はゆったり。
午後から某団体さんについて回った。
●2025年8月8日 夏の佐渡島 初日
5月に続いて2回めの佐渡島。着いたらすぐに、5月のリベンジ。スーパーキング両津店を発見。加茂湖を西側からまわった。
●2025年8月7日 イマドキの夏のおでかけ準備
今夜から丸4日間、お出かけ。かつては、お出かけ準備と言えば、着替えと洗面道具と観察・採集道具を用意したら、あとはどの本を持って行くか悩む程度だった。が、2年前からは、むしろ残していくネコの心配が先に立つ。ありがたいことに、喜んで(?)世話してくださるみなさんがいるのだけど、日頃部屋に他の人が入らないので散らかっている。お出かけ準備といえば、すなわち部屋の片付け。3日の日曜から始まり、床掃除、トイレと風呂の掃除、シンクとガスレンジの掃除。さらには洗濯物やザックや足ふきマットを洗い、テーブルの上を片付け。たまっていた牛乳パックや食品トレイをリサイクルへ。お出かけの度に、部屋が片付く。片付いたのは、5月以来、3ヶ月ぶり。
せっかく片付いたのに数日で、ネコの毛だらけになるけど、来るのはネコ好きだから、そこは目をつぶってくれるだろう。さらに冷蔵庫の中身をせっせと食べて、腐りやすいものを無くす。
5月はここまでで済んだのだけど、猛暑が続くので、6月終わりから連日クーラーを付けている。付けっぱなしで出かけざるをえない。それはいいとして、昨年からクーラーが不調で、頑張ると水が垂れる。昨年セットした鍋をふと見ると、水がたまってる! ということで慌てて、対策したのが1週間ほど前。その後、もう1ヶ所からも垂れて、昨年と同じ体制に。
やむなく、ネコの世話をお願いしている方に、鍋にたまった水を捨ててくれるようにお願いした。快諾頂いたのはいいけど、少なくとも夜の間は、大阪にいる間は、常駐して水捨てできたけど、ネコシッターさんは朝夕しかこない。水があふれないか心配。どうも日によって違うような。というか夜がよく垂れるような。それは自分がいるからか? 確かにクーラーの設定温度を低くしたり、風を強くすると垂れる量が増える。でも、昨晩は高めの弱め設定だったのにまあまあ垂れた。大丈夫かなぁ。
とにかく水受けの鍋を充実させて、周囲をタオルやビニールで覆って、思いつく万全の体制にはした。でも、大丈夫かなぁ。
ネコには悪いけど、気温高めの4日間を過ごしてもらおう。暑い地域の動物だから、きっと大丈夫だろう。知らんけど。
●2025年8月5日 いつもの鵜殿のツバメのねぐら
昨年の場所で待っていたら、集まらなかった。まあ鵜殿のツバメのねぐらあるある。事前情報を確認しておけばよかった。
●2025年8月4日 奈良公園〜奈良女子大学周辺のハッカチョウは?
今日で丸2年間、毎月調査しにきたが、一度もハッカチョウに出会えず。今日も出会えず。ここでいったん調査打ち切り。また情報があったら再開を検討しよう。
ついでに、垂仁天皇陵のカワウ・サギ類繁殖コロニーも今日で終わりに。
来月で、橿原市から大和高田市の調査も丸一年になるけど、こちらもハッカチョウは気配もない。ここで打ち切りか?
代わりにといってはなんだけど、今年見つかった結崎駅周りを新たに調査しようかな。ここは情報聞いて見に行ってちゃんと見つかったし。
●2025年8月2日 大阪府最大のツバメのねぐら
昨日の赤坂下池に続き、今日は大保今池のツバメのねぐらを見に行った。
●2025年8月1日 2025年7月のまとめ 大阪府のため池の落ち穂拾い
4月にはじめた大阪府のため池の水鳥調査も大詰め。担当のエリアは一通り調査し終わったので、最後は、落ち穂拾い。他の方が担当したため池をチェックして、抜けてるため池をチェックに行く。小さいため池までこまめに調査してる方のエリアはいいから、小さい池をパスしている人の担当エリアを重点的に。調査したため池のサイズ感にあまり差が出ないように。で、最終日は、余裕があったら調査に行こうと思っていた高槻市北部の山間部を調査する余裕まであった。25年前より充実した調査ができて満足。
そんな2025年7月を振り返っておこう。
ルーティンのため池調査、大和川調査は無事終了。奈良県3コース(1日で調査)と京都府2コース(1日で調査)のハッカチョウセンサスも実施。
地元公園では、月末にカワウの集団ねぐらは調査。
大和川水系の調査は、垂仁天皇陵のカワウ・サギ類の繁殖地をチェックしたのみ。奈良盆地のため池調査には手を出せず。
そして、大阪鳥類研究グループのため池で繁殖する鳥の調査を10日間(堺市西部、柏原市北部、松原市東部+美原町東部、大阪狭山市南部、池田市、豊能町、能勢町東部、枚方市東部、枚方市西部+島本町、高槻市北部)。
ホネホネ団の活動は、2日実施。
大阪鳥類研究グループは、池島にタマシギを見に行った。
行事はツバメのねぐらと、その前の鳥類フィールドセミナー。
ジュニア自然史クラブはキノコさがしで島本町。
鳥の調査の勉強会を細々と。
講演はなし。
査読もなし。
標本関連では、とくになし。
冷凍室の状態は、あまり変わらず。愛媛県の鳥5箱の処理を進めた。
メジロ姉さんの日は、フィールド調査だそうで無しということに。
とまあいろいろあった中、今月読んだ本は、自然史系1冊と、SF1冊、マンガ12冊。
完全休養日はなし。今年に入ってから3日。
ネコは元気。ずっとクーラーをつけてる。なんかクーラーから水が垂れて困る。
サバイバルは、小分け作戦で改善。飲み忘れに気をつけよう。
●2025年7月31日 大阪府のため池の水鳥調査 最後は高槻市の落ち穂拾い
高槻市の最北部にも調査しておきたいサイズのため池があるのは気付いていた。けど、そこまでは手が回らない。かと思ったので、最後に余裕があったら、調査に行くことにしていた。なんと、その余裕があったので、最後に調査に行ってきた。
●2025年7月30日 ハッカチョウの調査テーマ(もう少し具体的に)
ハッカチョウの調査について相談を受けた。って話は数日前に書いたけど、さらに教員を交えてやり取りが続く。少し具体的な提案をしたので、これまた少しアレンジして記録しておこう。以下、メールから。ちなみに相手は神奈川県の方。
ハッカチョウは、日本での研究例が少ないので、何を記載しても一定の価値を持つと思います。
ただ、通常の鳥類調査で行われるルートセンサスによる生息状況の把握が難しい鳥です。横浜市南部は生息密度が高く、センサス調査を実施した事例がありますが、生息密度がさほど高くない多くの地域では、センサス調査してもほとんど引っかかりません。関西で今も試みていますが…。
むしろ集団ねぐらや営巣に焦点をあてて、調査することをオススメしています。それなら何かしらまとまったデータにできると思います。
と言う訳で、何を調べたら面白いと思っているか私見を挙げておくと、
・分布拡大 →横浜市南部のハッカチョウの分布拡大にとても興味を持っています。藤沢市や鎌倉市にひろがり、おそらくすでに静岡県にも進出してるはず。でも、狙って見つけるのは困難。メインは他で押さえて、トライしてみるのはありかもしれません。
・繁殖生態 →とくにムクドリとの巣場所をめぐる関係。これも興味があります。そもそもハッカチョウの繁殖生態自体が不思議なくらい調べられていません。そして営巣場所はムクドリと完全にかさなりますので、明らかな競合関係が生まれています。ハッカチョウの繁殖期はムクドリより遅く、図体はでかいので、営巣しているムクドリの巣を乗っ取る行動が知られています。これを体系立てて調べると面白いはず。そして、生息密度の高い横浜市南部はうってつけの場所です。なお、確証はないのですが、横浜市ではムクドリ×ハッカチョウと思われる個体が観察されたことがあります。交雑の可能性も気になるところです。
・集団ねぐら →ハッカチョウはムクドリと同じく集団ねぐらをつくります。が、選ぶ場所がムクドリがおもに樹上であるのに対して、知る限りハッカチョウは人工建造物に集まります。環境選好性の違いを示せば、充分な結果になりそうです。夕方飛んで行く方向を追いかければ集団ねぐらは見つかるので、生息密度の高い横浜市南部であれば、集団ねぐらの分布調査は可能かもしれません。
ちなみにですが、ムクドリの集団はうるさくて、駅前の集団ねぐらなどでは、音についてのクレームが出まくります。が、個体数が同じならハッカチョウの方がさらにうるさいです。都市部で増えたら、ムクドリよりさらにクレームは出そう。同じ個体数当たりのうるささを評価しても面白いと思っています。
●2025年7月29日 キノコのタイプ標本
日本に産するキノコの実態は? という話をうかがった。日本のキノコ相はまだまだ未解明。和名は付いてるけど、その学名はどれに当たるのかよく判らない。という不思議な世界。今までのキノコ図鑑に載ってるのの学名もあてにならず、その再検討のためには、著者が残した標本や図、あるいは著者が参照した標本を調べる必要があるのだけど、あったりなかったり。いろいろややこしい。
という状況で、DNAでさらに、複数種に分割されたりいろいろ起きて、とても難しいらしい。ちなみに、古い標本が残っていても、そのDNAが使えないことも多いらしい。
幸いというか、外見をベースにした(一昔前の)和名は比較的安定しているらしい。
で、話を聞いていると、標本だけでなく、生の時の状態の図を、標本と同レベルに大切にしている様子がうかがえて、不思議な感じはしていた。が、とある種の再記載の話で、納得したというか、衝撃だった。
なんでも日本で記載された種なのだけど、ホロタイプは失われていたとのこと。で、学名を確定させるためにレクトタイプを指定する。という段で、なんと図をレクトタイプに指定するという大技を投入したとのこと。なんでも査読者からの推奨らしい。ちなみに同じ産地の同種とおぼしきものに基づいて、図とは別に、DNA塩基配列をエピタイプとして指定するらしい。
植物命名規約ではいけるのね。とはいえ、最初から標本ではなく図をホロタイプに指定するのではなく、やむを得ない時の緊急措置らしい。絵が下手だったら?写真では?いろいろ質問が飛んでた。
という中で、動物命名規約でも図をタイプ指定できるという指摘がった。こちらも推奨はされてないけど、やむを得ない場合はいけるらしい。そういえば、クラゲってホロタイプが溶けて消えてしまうって話も聞くよな。
さらに、地学では、近頃3Dデータをタイプ指定することもあるという話がでてきた。現代のタイプ標本(?)は奥が深い。と思ったけど、鳥では、昔、生きた個体をタイプ指定して、逃げられたりしてたっけ。
●2025年7月27日 前肢と後肢の指の数が違う哺乳類について
ネコは、前肢の指が5本、後肢の指が4本。このように前と後ろの指の本数が違う動物にはどんなのがいて、どうして本数が違っているのですか? といった質問がきた。難しいし調べるの面倒だけど、答えなきゃ。ってことで、今日なぜか時間があったので答えてみた。
哺乳類中心に前後の指の数の違うのをいくつか並べただけで、その理由はさっぱり分からなかったけど、これで許されるかなぁ。以下は、少しアレンジしてます。
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カエル類の指の数の基本形は、前4本、後ろ5本です。鳥類の基本形は、前3本、後ろ4本。ヘビには指がありません。
前肢と後肢という構造を持つ動物は、基本的には脊椎動物の四足動物(現生だと両生類、爬虫類、鳥類、哺乳類)ですが、ここでいう動物とはどの範囲を指していますか?
もう一つ確認が必要なのは、指の本数をなにを基準に数えるかです。
クジラやイルカの前肢には、外からみると指はなく、一つの鰭になっていますが、歯骨は残っていて、ハクジラは5本指、ヒゲクジラは4本指です。ウマは1本指と考えられることが多いのですが、骨を見ると、痕跡的な指骨が残っていて、3本指とされることがあります。
逆に、偶蹄類の場合、2本の主蹄の他に2本の副蹄を持つのが普通ですが、副蹄に指骨が入っている種と入っていない種がいます。この場合、外見では4本指ですが、骨では2本指の時があることになります。どっちみち副蹄は地面につかないので、事実上2本指です。
などと言い出すと、ネコ科の前肢は確かに5本指ですが、1本は地面につかないので、足跡は4本指です。
このように、なにを明らかにしたいかによって、指の本数の評価は変わります。
とりあえず以下では、
・哺乳類の指の本数に絞る。
・外見上の指の本数で数える。
ということにします。
哺乳類の指の数の基本形は、前も後ろも5本です。しかし、本数が減ってるグループはけっこう色々あります。とりあえず前と後ろで指の本数が違うグループを思いつくままに挙げると。
ネコ科はご指摘の通り、前5本、後ろ4本ですが、イヌ科も同じです。
ウサギ科は、前5本、後ろ4本。
バク類は、前4本、後ろ3本。偶蹄類の指の数は通常前後で変わりませんが、アメリカイノシシは、前4本、後ろ3本と言います。
フタユビナマケモノは、たしか前2本、後ろ3本(ただし爪のある指だけの数だったかも)。
カンガルーは、前は5本ですが、後ろは3本しかありません。その内の1本はかなり小さくなっています。
これで全てではないのですが、前後で指の本数が違うグループはおおむね挙がったと思います。ここに出てこない霊長類、齧歯類、食虫類、翼手類などは前後とも5本指です。
哺乳類の指の数は、地上を走行する傾向が強ければ、進化の過程で減ってきたと言われます。その時に、前後の指の本数に差が出る理由は、判りませんでした。
こうしたことが書かれている日本語の本もあまり適当なものが見つかりませんでした。一番参考にしたのは、
『動物系統分類学 10(下)脊椎動物(IV)哺乳類』
です。
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●2025年7月26日 地元公園での魚の観察会について行く
今日は夕方からツバメのねぐらの観察会。その用意ができたので、なんとなく地元公園での魚の観察会について行った。
室内で説明を受けてから、暑いから30分だけと言いながら、池に魚取りに行く。もちろん管理者の了解済み。
まずは、水網で魚をすくう。はずだったのだけど、何故かここ数日、水が落とされていて、水が遠い。魚をすくいにくい。そのせいか、けっこう長い間、魚をすくってた。カワヨシノボリやカダヤシが採れた。特定外来生物なのでカダヤシは持ち帰らず、その場で観察、解説。ついでに、ヒメタニシやイトトンボのヤゴも観察。
続いて、前日夕方や当日朝に仕掛けたトラップを回収。大量のスジエビに混じって、モツゴとブルーギル。ブルーギルは特定外来生物なので…。
なんとなくサポートするつもりでついて行ったのに、何故か水網を渡され、率先してカワヨシノボリをすくっては観察用にみんなに配った。何をしに行ったんだか。
卵がある!という声がしたので見に行くと、カメの孵化跡だった。穴の周りに、孵化後の卵殻が散乱してる。なんか丸い卵殻。と思って触ると硬い。硬くて球形の卵殻ということはスッポン。数年前からスッポンの子ガメは見つかっていたが、孵化跡は初めて確認した。スッポンが確実に繁殖した証拠。魚採りについて行って良かった。
●2025年7月25日 ハッカチョウを研究テーマにする際の注意事項
今度、卒業研究をするっていう学生さんが、ハッカチョウをテーマにしたいと言って、メールをくださった。ハッカチョウを調べてくれる人が出てくるのは嬉しい。どうやらうちのハッカチョウ情報募集のサイトを見てくださったらしい。それも嬉しい。が、そのせいなのか、ハッカチョウの分布調査、とくに分布拡大中のエリアで現状把握をしたいとのこと。いやいやいやいや、それはちょっと待った。学生がむざむざ泥沼にはまるのを見過ごせない。ということで書いた返事がこんな感じ(慌てて返事して、ちょっと変なところもあるので、ちょっとアレンジ)。
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生息密度の低い場所で確実にハッカチョウを見つけるのはとても困難です。なので、私はホームページで生息情報を集めるという方法をとっています。情報があった場所を確認に行っても、ハッカチョウに出会えないことがしばしばです。
分布拡大中のエリアにハッカチョウを探しに行って、見つかればいいのですが、見つからない可能性が極めて高いです。そして、調査をした結果、ハッカチョウが見つからなかったとしても、ハッカチョウが生息していないと結論することができません。大阪府では広い範囲に生息していますが、探し回ってもほとんど見つかりません
生息しているかいないかを確実に判断できる手法を思いつかないかぎり、卒業研究での分布調査はオススメできません。
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考えてみれば、これがハッカチョウ調査の大きなネック。このせいで、分布調査のみならず、環境選好性も生息密度の評価も手が出しにくい。環境選好性は、生息を確認した場所だけの評価になって、微妙。ムクドリなど“近い”種との比較に持ち込む手があるけど。
生息密度に関しては、営巣地をコンスタントに見つける方がまだ現実味があるし、集団ねぐらで評価する方が実際的。
と言う訳で、ハッカチョウは、発見のしやすさの順に、集団ねぐら>営巣地>採食場所といった順になる。研究テーマを考えるなら、集団ねぐらか営巣地での観察に基づくのが無難。そこを起点に採食場所も評価できるかもだけど。
●2025年7月24日 枚方市をレンタサイクルで、島本町を徒歩で
今日も落穂拾い。いよいよ大詰め。チェックすべき場所も少なくなったので、半日ずつで回れた。一番悩んだのは、電車で枚方市から島本町に移動する方法。正解はバスを使う って淀川を渡るなのだけど、一瞬、大阪や京都まわりを考えてしまった。
●2025年7月23日 枚方市東部を歩く
とにかく暑い。ポータブル日陰の下にいても、6時間が限界。茶を2.5L飲んだ。
●2025年7月22日 年に二度(?)の展示室の大掃除
夏は虫のシーズン。6月半ばに展示室や収蔵庫の虫チェックが行われ、虫が発生してたり、清掃が必要なコーナーがリストアップされた。例年なら、各コーナーの担当者が各自対処しておくように、というお達しで終わりなのだけど、確実に対処するべく、一斉清掃の日が設定された。それが今日。
例年、年末頃に一斉清掃があったりするので、気分は年末。これからは年2回の一斉清掃になるんだろう。
11人がかりで、午前に3時間かけて、第1〜第3展示室。午後に約2時間で、第5展示室とギャラリー(ひそかに第4展示室と呼んでる)及び地域自然誌展示室をやっつけた。
最初は生物系が第1展示室、地学系が第2展示室に分かれて、作業。それぞれのコーナーに担当学芸員がいるから、それぞれが主に自分の担当コーナーを清掃したり。あまり自分の担当がないので、他の人を手伝ったり、上の方のほこりを落としたり。壁の昆虫の開け方を初めて知った。巣穴の横があいて、あんなものが入っていたとは。魚の絵のまわりがオープンで、ほこりがいっぱいで、はたきがいがあるし、見えない所の大量のほこりに掃除機をかけた。
勢いで、第2展示室の上の方もはたきをかける。そのまま、第3展示室へ。ここはオープンな展示に担当が多い。ゾウにはたきをかけて、床に掃除機をかける。頭骨展示を修正。人体コーナーのゴミを取り除く。何より、吊ってあるクジラの上のほこりを落とすのが大変。脚立に乗って、展示ケースに乗って、一通りほこりを払ったら、床に大量の埃の山。
第5展示室もほこり払い。上に並ぶアリが一番ほこりっぽかった。
午後の地域自然史展示室では、まずはナフタレンの補充。小さいケースが多くて、ケースの中の清掃やナフタレン補充が面倒。そして例によって上の方のホコリ払い。壁周りがとても埃が多くて、一部取りきれず。とある展示の中に目立たず設置された剥製が虫にやられていて、ショック。採集データのない展示だけのための剥製だけど…。
●2025年7月21日 能勢町東部も歩いて回る とても遠い
今日もため池調査の落ち穂拾い。豊能町西部と能勢町東部。
●2025年7月20日 カルガモの愛するみなさんとのやりとり
なぜか、ここ数日に立て続けに2件、カルガモについての質問を受ける。どちらも身近にヒナ連れのカルガモが出現したので、近くの池に放してあげたいという相談。その出現場所がどちらも変わってる。
最初は3日前の3月17日に、電話がかかってきた。庭の池にヒナを連れたカルガモがいる。というところから話が始まった。庭に池? というところでまず驚く。話を聞くとご自宅の周囲は市街地の中で、住宅に過去回れている。ということは、そもそも巣も庭にあったはず。カルガモが営巣する庭があって、ヒナを育てるだけの広さの池がある。すごいなぁ。思わず池の広さを聞いてしまった。たしかにヒナを育てられそう。でも、ちょっと狭い。カラスなどにヒナが襲われる心配をしていて、近所に(といっても1km近く離れている)大きな池のある公園があるから、捕まえて引っ越しさせたいとのこと。ヒナは捕まえられるだろうけど、親鳥は無理そう。実際、捕まえようとして、親鳥に逃げられてるっぽい。あまり撹乱するとヒナを放棄する可能性すらある。さらに捕獲には許可が必要。ってことで、庭の池で見守るように説得。
そして、今日3月20日。うちのマンションの屋上にヒナを連れたカルガモがいる。という相談にこられた。これも驚いた。営巣はできそうだけど、水がない。子育てには厳しそう。ここの場合は、捕まえて水辺に動かすのがベターだけど、やっぱり親鳥捕獲は難しい。ヒナだけ動かしても親が付いてきてくれる可能性は微妙。そして、捕獲許可が必要。画像を見ると、幸い雑草が生えているエリアがけっこうあるので、食物はありそう。問題は隠れ家と水辺。とにかく、できるだけ大きな浅い容器に水を入れて提供することを推奨。
どちらもヒナが飛べるようになるまで、そこで暮らせるかがすべて。どちらも問題はカラスと猛暑な気がする。日陰はありそうだけど、1ヶ月ほど生き延びられるかなぁ。
●2025年7月19日 鳥の調査の室内実習2025年度2回目
4月の1回目に続いての2回目。1回目に宿題が出てる、っていうか、4月の研究計画に基づいて、調査をした結果を、このくらいのタイミングで報告して、データ処理の方向性を相談する。ってのが、本来の2回目の目的。
でも、やってきたのは、4月時点ですでにデータを持ってるような人だけ。新規さんがいないと、この設定の意味があまりない。なので、今まで持ってるデータを整理していくためのやり取りの続きをする感じなった。
今日の参加者は、4組6名。研究テーマは6つ。
羽根の散乱跡調査は、ベースは季節と何が食われたかで、十分な内容。とくには、環境が変化した前後の変化に興味がある。
スズメの砂浴びもまた、季節消長で十分面白い。年次変化はもっと調査を継続しないと判断難しくなってきている。
コムクドリの換羽の話は、ついに投稿! すばらしい。さらに広い視点の話に広がるといいなぁ。
大阪湾北岸のローカルなカワウの個体数の季節変化を、繁殖地&集団ねぐらである昆陽池の個体数で説明するのは難しそう。昆陽池の個体数からみると、ごくごく一部だしなぁ。
渥美半島の海鳥の集団採食。ってなにかと思ったら、あちらのユリカモメは、漁港への依存度が低く、海上で表層にあがった魚を集団採食するとのこと。”鳥山”なるものができるそうな。大阪湾で見ているユリカモメとは違っていて面白い。けど、全国的には珍しいのかな?
コールバックを用いたヒクイナの生息調査。再現性が低いのが意外。さえずりではなく、警戒声という声を使うのも意外。いろいろ勉強になった。
●2025年7月18日 豊能町は徒歩でグルッと一回り
今日も大阪府のため池調査の落ち穂拾い。
●2025年7月17日 感染症と生物多様性
近所と海外の獣医系の大学と、獣医のいる動物園が連携した企画があるとのことで、一度話をしたいと言われた。話は聞いたのだけど、何をするのかあまりわからず。どうも生物多様性をフックに、感染症に関連した知識の普及啓発を図りたいということだろうか。
改めて研究をするというより、普及活動として、シンポジウムを開催したり、中高生の学習機会を増やす。ということかなぁ。正直なにをしたいのかよく分からないまま、話を聞く時間が流れた。というか、生物多様性に関心のある人が興味を持つ人獣共通感染症に関連した話題がぜんぜん出てこないのが不思議でならなかった。
よく分からなかったので、どのように対応していいかも分からない。とりあえずシンポジウム会場を提供することはできるかもです。と答えてみる。
生物多様性に関心のある人、野外での生き物観察をする人が、いま気にする人獣共通感染症といえば、SFTSか高病原性鳥インフルエンザ。あとはエキノコックス、少し前ならウエストナイルウイルス。さらに前なら日本住血吸虫症やツツガムシ病。エボラウイルス、コロナウイルス系が、どうして近頃話題になりがちで、あのパンデミックにつながったのかも、多くの人が気になる話題。
とくにSFTSはシャレにならない死亡率の高さ。外ネコが感染して、獣医に感染る事例も発生しているし。ネコは外飼いするな!って話でもある。そして、野外活動時なにに気をつけるべきかは、外で活動する人みんなが、考えた方がよさそう。
というわけで、こちらからSFTSなどの話題を振ったところから、話はようやく盛り上がった。動物病院の現場では、かなり問題になってる様子。
盛り上がってからわかったのだけど、こちらに声がかかったのは、なにわホネホネ団の活動をしてるからではないらしい。じゃあ何故?
あと持ってこられたプレゼン資料の後半は、総花的で、焦点が絞られておらず、何が言いたいのかとてもわかりにくい。と思ったら、AIに作らせたとのこと。オーダーが曖昧だと、それなりの答えしか出ないんだろう。ここは勉強になった。
●2025年7月16日 池田市のため池調査の落穂拾い
池田市のため池調査は、一応完了。って報告を受けたけど、気になる場所が残っているので、落穂拾いに出かけた。
まずは南端付近。交通量の多い車道に囲まれた池。間近までのアクセスが難しいので、歩道橋の上から観察。到着時、雨が降っていたので、止むまで待機。
続いて、箕面駅まで移動して、箕面市観光協会でレンタサイクルを借りて、五月山周辺の池へ。有料のドライブウェイのゲートで呼び止められた。自転車は侵入禁止かと思ったら、入ってもいいけど、登りがキツいとか、車に気を付けろとかの注意喚起だった。入ってみると、なるほど特に出だしは急坂。でも、アシストのパワーを上げればなんとか登れる。今日は半日の予定なので、チャージをケチる必要もない。
と、五月山の上まで登った後は、ゴルフ場周辺のため池で覗ける場所を探してウロウロ。結局、ゴルフ場の外から見えるコース内の浅い池2ヶ所、ゴルフ場敷地内の山間のため池2ヶ所をチェック。
ゴルフ場のコース内を勝手にウロウロは出来ないけど、敷地内でも自転車でウロウロしても良さそうな道もあって、その差は地図では分からない。行ってみると、意外と入れたりする。ハイキングコースがゴルフ場敷地内を通ってるとこもある。ハイカーが間違って入るくらいなら許容されそうな場所もある。奥が深い。
●2025年7月15日 ヘソカドガイ改めゴマオカタニシ
2日前の日曜日、中高生と島本町へキノコさがしへ行った。例によって林は乾燥していて、あまりキノコが見つからない。中高生は早々にあきらめ、虫やカエルを捕まえて、川遊びをしていた。が、こちとらはしつこいので、キノコがダメなら冬虫夏草や変形菌でも。と、渓谷内の林道沿いにリターを引っ繰り返してまわっていた。
冬虫夏草の季節ではあるけど、見つけるスキルはほぼないので、全然期待していない。でも、変形菌なら見つかるだろう。と甘く見ていたけど、全然見つけられない。一緒に行ってたキノコ屋も変形菌すら見つからない〜。と言ってたので、本当に少なかったんだと思う。前日は雨が降ったらしくて、林は濡れてるけど、昨日の今日では胞子体はまだ出てないってことかと。
でも、リターを引っ繰り返して、落ち葉の裏や落枝になんか付いてないかなぁ。と探していたら、オレンジ色の粒を見つけた。大きさは2mmくらい。よーく見ると、小さな巻き貝。ウスイロオカチグサなどカワザンショウ系の形をしている。でも、カワザンショウは、海辺の貝。陸貝に入れてもらうこともあるウスイロオカチグサですら、水しぶきがかかるような、水近くで暮らしている。林床のリターの中にこんな形の貝はいたっけ? これはきっと珍しい貝に違いない。と勝手に決めて、持ち帰ることに。さらに探してみたけど、結局1粒しか見つからず。
帰ってから、保育社の陸貝図鑑を引っ張り出してきて調べてみた。色と形がよく似た貝を見つけた。ウスイロオカチグサにも近いヘソカドガイ。大きさもばっちり。保育社の図鑑には生息環境が書いてないけど、林床のリター中にいるんだよね? と思ってネットで検索したら、海岸にいる貝だった…。がーん。じゃあ、何?
そして、今日、萌蔵を見つけたので、貝を渡して、ヘソカドガイは違うよね? と言ったら、違うと即答された。で、ルーペで見て、蓋があると呟く。ってことはヤマタニシとかの仲間? こちらが陸貝図鑑を開く前に、ゴマオカタニシとかではないかな、というご託宣。図鑑を見ると確かにそっくり。ネットで見ると、林床にいる貝とのこと。生息環境もばっちり。
大阪府の陸貝のバイブル『大阪府陸産貝類誌』を開くと、大阪府でちゃんと記録がある。でも、山手に点々と生息地が記録されているだけで、あまり記録されている場所は多くない。2014年の大阪府レッドリストを見ると、絶滅危惧II類。
同定は全然ダメだったけど、珍しい貝に違いない。という思い込みは、まあまああってたらしい。
●2025年7月14日 大和川の水鳥の30年
と銘打って、秋に北の国で発表しようと思いたったのは、昨年9月。30年間月1回のペースで実施した調査結果をまとめてみようという企画。そんな圧でもないとまとまらないから。と思って、講演を申し込んだけど、まだデータ入力も終わってない。終わってないけど、なんか面倒。そして、データ入力後のデータ処理が気になる。なんせ、30年間月1回ペースなので、360回も調査してる。実際は、31年を超えてるので、データはもっとある。大量のデータはある程度目処を立ててデータ処理しないと、なんとなくまとめると訳がわからなくなる。ってことで、大まかなトレンドを先に押さえてみようと思いたった。データ入力が残ってるのに!
とりあえず真冬の鳥の状況の年次変動をながめよう。1月分のデータでいいだろう。毎年のデータを引っ張り出すのは面倒なので、10年ごとにしてみよう。1995年、2005年、2015年、2025年。31年分のデータがあるから丁度いいな。ってことで、5回だけのデータを引っ張り出して、その傾向を眺めた。
まずカモメ類は、激減している。セグロカモメはそうでもないけど、ユリカモメは、約5000羽→約2400羽→約1700羽→500羽弱。10年で半減が続いているというと言い過ぎか。カモメも最初は600羽もいたのに、その10年後には100羽を超えなくなり、今年は数羽。絶滅危惧状態。
逆に大幅増は、もちろんオオバン。最初に2回はおらず。10年前から出現し、今年は100羽超え。同じく増えたといって良さそうなのは、カイツブリとカンムリカイツブリ。30年前は記録されなかったのが、その後コンスタントに記録されるようになっている。
カモ類は種によって傾向がさまざま。ぜんぜん覚えてなかったけど、30年前は100羽以上のオナガガモが記録されていたのには驚いた。今年は0羽。ヒドリガモ、カルガモ、コガモは、今もメジャーだけど、個体数的には随分減っている。というか、カモ類の合計個体数は、この30年で半減以下。減少への寄与率が高いのが、以上の4種。
一方、オカヨシガモは変わらず、マガモは少し増えたかも。そしてかつては記録されなかったカワアイサが、近年毎年記録されるようになっている。
一方。増加イメージの強いカワウはさほど変動なし。これまた増加イメージの強いアオサギは、むしろ30年前に多かったのが、その後減少してる。他のダイサギやコサギはそもそも元々多くなくて変動はよく判らない。
ということで、データをすべて入力しなくても、なにかしら変遷を語れそうな気がする。問題は、変遷を語った後での考察。原因はさっぱり分からないなぁ。となると、持ち出すべきかは、大阪湾岸や大阪府全体、日本全体でのトレンドとの比較。
大阪湾岸のデータは10年おきでよければデータを持ってる。大阪府全体のカモの個体数の変化のデータは存在する。同じようなのは日本全体でもどうにかなる。本当は同じような規模の河川での調査と比較したいのだけど、あまり適当なのが見当たらない。
●2025年7月13日 中高生とキノコ探し、というより川遊び
年に一度、まあまあ恒例の中高生とのキノコ探し企画。秋設定の年と梅雨時設定の年があるが、今年は梅雨時設定。のはずが、早々に梅雨が明けてしまい、梅雨明け設定になってしまった。予想通り、林は乾燥してた様子で、キノコは少ない。昨日、ゲリラ豪雨があったようだが、昨日の今日ではキノコはでなくて、地面が濡れてるだけ。
とりあえずお目当ての神社に行ってみる。密かにソライロタケを期待していたが、まだ早いとのこと。キヌガサタケがあればそれでも盛り上がったが、これまた見つからず。そもそもテングタケ系もイグチ類もなくて、チチタケ系が少し生えてる以外は乾き物。池にはまだモリアオガエルの卵塊があった。グッピー健在。
猛暑を心配したが、林内はさすがに涼しめ。これなら午前で切り上げなくても大丈夫。ということで、予定通り渓谷へ。その途中の林内では、タゴガエルやアマガエルを捕まえ、樹液に来てるカナブンやクワガタ、オオスズメバチに盛り上がる。だれもキノコ探してないぞ。
渓谷を少し入ったところで、昼食そして川遊び。結局1時間半くらい川遊びをしていた。カワムツやメダカをすくい、サワガニやカジカガエルを捕まえ、プラナリアを探す。シマヘビを捕まえたので、口を開けて、ヒルがついてないか確認。虫の一派は、チョウやカミキリを狙っていた模様。川遊びはいうても危険なので、岸の方から見張り役。ついでに冬虫夏草や変形菌を探すが全然見つからない。なぜかオレンジ色の小さな巻き貝を見つけた。初めて見る。と一人で盛り上がる。一人だけキノコ好きが参加していて、とても変わった子嚢菌を採ってきた。キノコ担当も悩むようで、キツネノサカヅキの仲間で…。カラサケキツネノサカヅキかなぁ。という結論。
結局、キノコで盛り上がったのはこれだけ。参加者は不満じゃないのかなぁ。と思ったけど、おおむねみんな楽しかったらしい。川遊びでよかったのか。涼しかったしな。夏の野外行事は、基本、川遊びでいいような気がした。
●2025年7月12日 大阪府のため池で繁殖する鳥の調査 進行状況確認
今年の繁殖期は、4月から7月の期間で、大阪府のため池で繁殖する鳥の調査を、25年ぶりに実施中。とにかくたくさんのため池を調べたいので、大勢を巻き込まないとできない。大勢を巻き込むと、そのデータの質を揃えて、結果の不明な点を確認して、抜けてる調査地を確認して、といろいろ調整作業が大変。
今回は、市町村単位で調査を分担してもらってて、どこまで調査するかは、それぞれの担当者におおむね各担当者にお任せ。なんだけど、ある程度調査の努力量、というかどの位の大きさの池まで調査するかは揃えたい。ということで、調査された池を確認して、ある程度の大きさの池なのに調査していない池があれば、落ち穂拾いをする。というのが当初からの予定だった。
4月に、岸和田市以外の泉南地域の調査を完了(岸和田市は担当者にお任せ)。5月に吹田市、箕面市、茨木市、高槻市と北摂の調査をほぼ完了、枚方市と四條畷市以外の北河内の調査を完了(他の市町は、とりあえず各担当者にお任せ)。6月に和泉市と堺市の担当者がいないエリアの調査を完成させた。7月のここまでで、柏原市、松原市、旧美原町、大阪狭山市の調査を完了させた。
つまり、自分の担当エリアの調査は完了(茨木市最北部を除く)。ということで、落ち穂拾いモードに突入。
担当者がすでに調査が完了しているとおぼしきは、岸和田市、残りの泉南地域、大阪市、東大阪市・八尾市、四條畷市、摂津市、豊中市、能勢町。
落ち穂拾いが必要なのは、豊能町、池田市、島本町、そして自分自身が落ち穂を残してる茨木市。落ち穂があるのか要確認なのが、枚方市。いずれにせよ、あと5日もあれば終わりそうな気配。
●2025年7月11日 昆虫展プレビューで判明したいろいろ
明日が「昆虫MANIAC」展の初日。その前日は、プレスと関係者プレビュー。午後から多くの人が集まり出す。なんか前夜祭のような感じ。
そして前夜祭になって判明する衝撃の事実がいろいろ。
目に見えてなんじゃこれ?なのは、オフィシャルショップ。7月いっぱいは1階の博物館の展示脇に展開して、8月から2階のいつものスペースに引っ越すらしい。7月中は、小規模に。と聞いていたけど、めいっぱい広がってるし。正直、通行の邪魔。昆虫展にそのショップに興味のない来館者・来場者のことを考えてないのかな? と悪口言ったけど、改善されない。
特別展にあわせて、オフィシャルショップが他所から出店するだけでなく、本来の博物館のミュージアムショップも、特別展モードになる。今回は、昆虫展と聞いていたので、昆虫グッズや昆虫本をいろいろ仕入れていた。へんなオリジナルTシャツもできてる。今回は、昆虫展なんだけど、昆虫以外の陸上節足動物(クモ、ダニ、ムカデ、ヤスデなんか)も展示するとは聞いていた。なので、少しはクモやダニ、多足類関連の本やグッズも少しは入ってる。
プレビューのお客さんに紛れて、展示を眺めにいって驚愕。昆虫の標本が少ない! そして、クモがメッチャ多い。これじゃあ「昆虫とクモ」展ではないか。もっと早くショップ担当に伝えとけよう〜。
そして、もう一つショップ担当にさっさと案件が。とある福音館書展から出版されているウンコ虫の絵本がめっちゃフィーチャーされてる! この展示見たら欲しくなる人がいっぱいいるやん。ミュージアムショップに置いてあるけど、在庫は2冊だけらしい。ぜんぜん足らん。オフィシャルショップでも取り扱ってないし。担当が慌てて発注をかけていた。
●2025年7月10日 河内長野駅でレンタサイクル借りて、大阪狭山市南部をウロウロ
今日は大阪狭山市南部のため池調査。金剛駅でも民間のレンタサイクルが借りれそうだけど、観光協会のレンタサイクル評論家としては、ここは河内長野市観光協会で借りておきたい。
ネットで調べても、以前借りた時の記憶でも、観光協会は駅東側のノバティ河内長野南館にあった。で、行ってみるも見つからない。一周半してから、もう一度よーくネットを調べると、この4月から駅舎の下に引っ越していた。
で、それっぽいところに行って、ここは観光協会ですか?と訊ねたら、観光協会ではなく、観光案内所と言い張る。眼の前にレンタサイクルの案内があった。無事に借りられればどっちでもいいや。と言う訳で、サイトでは観光協会なんだけどなぁ、と思いながら、レンタサイクルを借りて出発。
午前9時から借りられて、午後5時までに返却。4時間500円、1日1000円と、少し割高。ちなみに午後5時を過ぎると延滞金が発生するらしい。1時間300円だっけ。って事は、金さえ払えばゆっくり返せる?
自転車は、アシスト付きで、3段変速。アシストの表示に時間が出ていてけっこう便利。サドルはまあまあ上げられる。ただ、角度が後ろ向きでなんか変。
基本的には、良い自転車で、アシスト入れてない時のペダルが軽い。アシスト切った時に、急に負荷が増えたりもしない。
なぜか前カゴにヘルメットが入ってる。ヘルメットは希望すれば貸してくれるところもあるし、別途有料のところもあるけど、無理矢理貸与してくるのは初めて。正直、小さめの前カゴにヘルメットが入ってると邪魔。
大阪狭山市も北部は、Hさんが別の調査で回ってるので、Hさんの調査から漏れてるため池を巡る。例によって、Hさんの調査エリアはちょっと変わってる。これもやはりアクセスのしにくいエリアをはずしたからっぽい。確かに狭山池より南は、西側に陶器山が走っていて、山中にため池が散在。アクセスが面倒。少なくとも自転車では乗り付けられないので、近くで降りて、歩いて回ることになる。どうせ山中の小さめため池にはほとんど鳥はいない。
全体的には、まあまあカイツブリがよく記録され、ヒナ連れや営巣中のもあちこちで確認できた。でも、バンは一切記録されず。バンはカイツブリより見つけにくいとはいえ、20年前よりかなり減ってる気がする。
●2025年7月9日 自宅から自転車で松原市・旧美原町
大阪府のため池調査も大詰め。7月はどうせ猛暑日が続くだろうから、6月までに頑張っておかねば、と思って頑張っててよかった。案の定、猛暑日だの熱中症警戒アラートだの、大阪府は該当しそうでしないけど、死ぬほど暑いのは変わりない。それでも、7月下旬はもっと暑くなるかもだから、できれば7月前半に、残った調査地の落ち穂拾いを済ませてしまいたい。
ということで、今日は、松原市東部と旧美原町南東部のため池調査。毎月のルーティンのため池調査で松原市の西の方は調査してるし、旧美原町北部も調査してる。旧美原町の西寄りは、Hさんが別の調査で回ってるので、今回の調査もお願いした。ってことで、旧美原町は東部だけが残ってる。松原市東部を調査して、羽曳野市を通り抜けて、旧美原町南東部に向かう感じ。
いつもの松原市西部は、道路網が発達してて走り回りやすい。ルートを覚えてるからというのもあるけど、一方、松原市東部はとたんに走り回りにくい。古い集落を抜ける道は難しいし、大きな高速道路の両側の行き来もちょっと面倒。地図で近くにある池を順番につぶしていこうとしたら失敗して、無駄に行ったり来たり。
旧美原町も北の方は走り回り易い。が、南東部はアクセスが難しい池が多い。Hさんの調査エリアはちょっと変わってて、なんでこんなに不定形なの?と思ったけど、どうやらアクセス難しいエリアを排除した結果っぽい。小さな谷が北西から南東にいくつか走っていて、その途中や奥に池がある。谷奥から谷奥へ行く道はないので、谷を奥に向かっては、戻りを繰り返す。さらにいまや谷沿いの農耕地の大部分は放棄されていて草ボウボウ。20年前、きれいな棚田が並んでいた谷の変わり果てた姿はかなりショック。農耕地が放棄されると、ため池も道も管理されなくなる。放棄道はひび割れて、隙間から草が生えてる。放置された倒木が道をふさぐ。今日はなんとか池まで行けたけど、20年後には絶対に無理。こうして人が入らない谷が増えて行ってる気がする。そのまま放置されれば、ある種の生き物の楽園ができるかもだけど、谷ごと埋められる未来が待ってそうな気がする。
●2025年7月8日 10年ちょっと前のネットリテラシーとSNSたち
10年ちょっと前に作成したインターネットの運用ポリシーの見直しに参加した。基本的には、私信であるところの電子メール以外のインターネット利用について、どういう方針で運用してるかということが書いてある。
・何のためにメーリングリスト、ホームページ、SNSを運用しているかの説明。
・個人情報の扱いなど、プライバシーポリシー。
・学芸員個人が仕事で行うSNSの発信。
・発信した情報の取り扱い指針。
などが書いてある。何のためにインターネットを活用するかから書いてある自体、時代を感じる。それ以外にも時代色がいろいろ含まれていて、面白い。
公式のSNSが、MXI、Twitter、Facebookになってて、まず盛り上がる。そうそう、当時はそうやった。今や事実上、MIXIはなくなり、LINE、Instagram、YouTubeが加わった。どんどん増えるがなかなか減らない。
RSSという懐かしの言葉があり、Ustreamという懐かしの動画発信も出てくる。今の人は判らなさそう。
もう一つ面白かったのは、発信した情報の利用に関する条項。報道向け資料以外は、学校教育での利用を除いて勝手に使うな。使う時は必ず連絡してくるように、と書いてある。厳しい時代だなぁ。CC.BYなんて言葉もなかった時代だから。
わざわざリンクフリーです。と書いてあるのも時代を感じる。
●2025年7月7日 柏原市北部のため池は徒歩で
柏原市南部、大和川より南のため池は、すでに調査されてる。ので、残りの大和川以北のため池を調査した。比較的狭いエリアだし、調査すべき池の数はさほど多くない。アップダウン多そうなので、歩いて回ることにした。
河内堅上駅スタート。まずは山間部の池をめぐることに。まず目指すは青谷大池から雁多尾畑方面。山手の霊園からちょいと八尾市にも踏み込んでグルッと回って下りてくるまで4時間。山間部は、アップダウンがあって疲れる。それにずっと顔の周りを双翅類が飛びまわっている。鬱陶しい。でもまあ、日陰を選んで歩けるし、まあまあ風が通ってて、まあまあ涼しかった。
ってことは下りてきて、午後から山裾のため池を巡り始めて気付いた。とにかく市街地は暑い。気温が暑い。木陰がほとんどない。舗装路の照り返しもひどい。風も通らない。ようこんな場所で暮らせるなぁ。下界に下りたら、少なくとも自販機はあちこちにあって、コンビニまであるだろうと期待してたけど、山裾の住宅地より山間部の方が自販機は多かった気がする。ってことで、山裾のため池巡りの3時間はかなり辛かった。
とはいえ、山裾の住宅地周りの方がましなことが一つ。目指すため池に行ける。山間部では、地図を見ながらため池に肉薄しつつ、たどり着けなかった場所が4ヶ所もあった。管理されてる池は、管理のための道があるので、地図に道がなくても行けるのだけど(通行止めになってることはあるけど)、今回は道が見つからず。というか、地図には道があるのに猛烈な藪に阻まれて行けない。つまり管理されていない。放棄田ならぬ放棄池。今後、こういう池はどんどん増えるんだろうな。
●2025年7月6日 大阪の宝展 後半戦に飛び入り(?)参加
今年は、なんかのイベントにタイアップして、4月から9月まで、大阪の宝展という特別陳列を開催している。前半と後半に分かれていて、6月末で展示を総入れ替え。
前半戦で、小海途鳥の巣コレクションを展示せよ。と言われて、鳥の巣を展示した。確かに鳥の巣コレクターさんは、河内長野市在住だったし、大阪府で採取された鳥の巣も多いので、このコレクションは間違いなく大阪の宝。で、前半の会期が終わって、鳥の巣の展示を撤収。これでノルマを果たした。
と思っていたら、尻尾がやってきて、おまえは後半戦も展示しろと言われた。それが3日前。寝耳に水。ケースどのくらい使うかを問われてもないのに、勝手にケースが用意されてた。なんか合点がいかないけど、仕方がないので展示することに。もう一つ合点がいかないことがある。
オーダーは、川村鳥類コレクション。京都大学の動物生態学の初代教授であった川村多実二の鳥類の仮剥製のコレクション。川村の死後、コレクションは国立科学博物館と宝塚昆虫館に寄贈された。宝塚昆虫館から宝塚ファミリーランドを経由して、当館に寄贈された。京都大学の教授のコレクションが、宝塚から寄贈された。ぜんぜん大阪とゆかりがない。宝には違いないけど、大阪の宝かなぁ。唯一、大阪とゆかりがあるのは、宝塚ファミリーランドから寄贈される時に、間に入ってくださったのが、当時の日本野鳥の会大阪支部の支部長さん。うーん、苦しい説明。
というわけで、大阪(?)の宝である川村鳥類コレクションから標本をセレクトして1ケースで展示。このコレクションには、大阪府産の鳥類標本は含まれていない。むしろ1910年代〜、1930年代の当時の日本各地の標本が収集されている。ということで、これだけあちこちの鳥が集まってるよ。って感じの展示にしてみた。
並べたのは、
・台湾産ミミジロチメドリ(1928年2月採集)→台湾特産種
・韓国産ノガン(1919年1月19日採集)→当時は生息してたの?
・樺太産クマゲラ(1936年3月15日集)
・南鳥島産ナンヨウマミジロアジサシ(1910年10月28日採集)→当時は定期的に渡来、もしくは繁殖してたんじゃないか説にもつながる貴重な標本。
・木曽御嶽産ライチョウ(1939年8月5日採集)
なんとなく地理的な配置に似た感じで、ケース内に並べてみた。
●2025年7月5日 タマシギの水田
今日はタマシギ観察会本番。2日前に下見をしたので、自信を持って案内できる。やはり下見は重要。タマシギは見られなくても、タマシギのいる水田は紹介できるし、声くらいは聞けるだろう。
と余裕で集合場所に到着したのだけど、想定以上に大勢の参加者が集まってしまった。タマシギがこんなに人気だっとは…。
仕方がないので、一昨日運を使い果たしたので、今日はタマシギは出ない。でも、タマシギのいる水田は教える。きっと声も聞けるだろう。あとは自力で頑張るのだ! と宣言して出発。
で、一昨日、タマシギを見た水田に到着。一昨日は水が張ってあっただけなのに、田植えが終わってる! 一昨日と同じくケリはいるけど、カルガモはおらず、代わりにコチドリがいる。そして予想通りタマシギはいない。やっぱりいないねぇ、と言っていたら、2つ隣の水田でタマシギが鳴き出した。タマシギのいる水田教えたし、声も聞いたし。今日のお仕事は終了って気がする。
などと思いつつも、タマシギが鳴いた水田に移動。その後もタマシギは時々思い出したように鳴いてくれる。みんな鳴き声は充分聞けたはず。なんとか姿を見つけようと、みんなで水田の周囲に散らばって探す。でも、育ってきたイネに遮られて、タマシギは見えない。鳴いてる位置はちょっとずつ違うので、動いているらしい。2人だけ、イネの間を横切るのを見たそうだけど、その後は見つからず。
もうダメかなぁ。と思っていたら、イネの列の先に黒いのがあるけど、あれでは?!という声が上がる。イネにさえぎられて見えるようん見えないような、でも、時々動いてる! ということで、あれがタマシギっぽい。と言っていたら、鳴き出した。どうもそのぼんやり見えてるのが鳴いてるらしい。かなり粘って、見やすい場所も探したけど、それが限界。タマシギは見るには見たけど、なんか満足度が低い。
駅に戻って解散の前に、タマシギの声は覚えたね。どの水田にいるかもわかったね。もっとちゃんと見たい!という人は自力でリベンジを! と予定通りの宣言。
低湿地だったこの地には、かつては水田がいっぱいあった。その後、次々と水田は埋め立てられ、今や道路と住宅地な、ソーラーパネルどに囲まれて数枚の田んぼが残るだけになってしまった。こんな場所でやっていけるなら、もっとあちこちにいても良さそうだけど、ここら辺にこだわる。常連客が潰れかけの店に通い続けている感じ。
というわけで、タマシギを探すなら、今はともかくかつては水田が広がる低湿地なエリアを狙うべきではないだろうか。タマシギ見つからないから、こんな話をしていた。
近場で、狙い目の代表格は、巨椋干拓地なんだけど、大幅に歯抜けになったとはいえ、今も巨椋干拓地は広いので、タマシギがいる場所を絞りにくい。観察会はしにくい。
●2025年7月4日 堺7-3区の池
今年の繁殖期は、25年ぶりに大阪府内のため池で繁殖する鳥の調査を実施中。大勢で分担しての調査なので、できるだけかぶりを少なく、抜けを無くして、調査を進めるのはまあまあ面倒。基本的には、市町村単位で分担。2人で分担する時は、川など判り易い境界で分割するようにした。が、堺市はそうはいかなかった。Hさんが真ん中辺りを以前から調査してる。そのすぐ北側を私が毎月調査してる。残りを誰かに分担してもらえばいい。で、南部を私が行く事に。残る西側は、Mさんが行ってくれることになった。でも、堺7-3区の先の方の池はいけないという。では、そこは私が行く事に。地図を見ると、他にも大浜公園の池や、大仙公園の日本庭園の池が抜けていることを発見。あわせて、今日見てきた。
大阪市南部の自宅を午前7時15分に出発。2ヶ所寄り道して、1時間半で、堺7-3区のみなと堺グリーン広場に到着。ここには何度も来てるし、ここんとこ2回のクジラの解体ではトイレと自販機でお世話になっている。が、ここに池なんてあったっけ?
とりあえず、自転車をとめて、地図を見ながら、池の方に歩いて行く。あの扉を出るんだな。と思ったが、扉は閉まっていて、出られない。えー、行かれへんやん。あきらめかけたけど、柵の向こうの門は開いてる。午後4時閉門とあり、その向こうに野鳥観察小屋があるらしい。それが目的地っぽい? でもどうやって行くの? 仕方が無いので、柵に沿って歩いて行く。柵の北側にはスポーツ施設もあって、誰かが活動してるっぽい。どうやって行くんだろう? 許可をもらうのかな、面倒いな。と思っていたら、開いてる門を発見。出られた! ってことで、野鳥観察小屋に向かってみる。着いてみると思ったとおり、池の端に小屋が建っていた。
池にはカルガモとカイツブリとアオサギがいた。カルガモは大きくなったヒナっぽい。カイツブリは巣に乗ってるのがいた。周囲では、オオヨシキリがやかましい。ウグイス、セッカ、ヒバリも鳴いていて、ホトトギスの声もする。
池自体はまあまあ大きくて、いい感じだけど、かつてのさらに広い湿地を知ってるものとしては、木なんか植えずに全域を湿地と草地にして欲しい。そうしたらセイタカシギも繁殖するだろうし、チュウヒの繁殖も復活するかもしれないのになぁ。
けっきょく現地に1時間滞在。帰りは1ヶ所しか立ち寄らなかったのに、2時間かかった。ともあれ昼前に帰宅。猛暑の前に帰り着けてよかった。
●2025年7月3日 池島のツバメのねぐら
タマシギが見たいというリクエストをもらった。で、近場でタマシギがいそうな場所をググったら、池島辺りには今もいるらしい。とてもアクセスがいいので、行き先はここに決定。
で、観察会が近づいてきて不安になった。今年もいるのかな。そもそも今も昔と同じ辺りにいるのかな。
で、観察会の下見に行ってみた。結果的には、昔と同じ場所で、明るい内にあっさり見れた。オスだったけど。暗くなってからは鳴き声も聞けた。ので、メスもいるらしい。
タマシギを見てから、暗くのを待つ間、恩智川治水緑地で、おやつを食べていた。ツバメが数羽飛んでる。まあツバメくらい飛ぶだろう。
日没が近づいてきて、ツバメが10羽ほどになった。少し増えてる? なんか鳴きながら飛び回る感じは、ねぐらに集まってきた感じに似てる。そう言えば、昔、ここにツバメの集団ねぐらができてた時期があるなぁ。でも、まさかねー。
10羽ほどが行ったり来たりしてる。もしかして、超規模の小さな集団ねぐらができてる? と思っていたら、20ほどに増えてきた。これはマジで集団ねぐらかも。
と考え始めたら、急に空からの声が大きくなり、100羽ほどのツバメが流れ始めた。集団ねぐらや! 何度も確認したけど、飛んでる最大数はやっぱり約100羽。と、その100羽が消えて、辺りは暗くなった。ねぐら入りが終わったらしい。
どこに降りたかは確認出来なかった。最後に飛んで行った方向からすると、池島二期のエリアっぽい。
池島のツバメのねぐらの記録は、知る限りこの10年はなかったはず。ただ地元でだけ知られていたとか、誰も探してなかっただけ、という可能性は否定出来ない。そもそも、知られていた頃も、100羽単位の小さなねぐらだった。
7月頭時点で100羽集まってるなら、ピーク時には1000羽も夢じゃないかも。鵜殿の規模が小さくなってる分が、こっちに集まっていてもおかしくない気がする。
●2025年7月2日 河川敷の鳥の繁殖期
宇治川沿いを宇治橋から御幸橋まで歩いた。暑かった。暑いだろうと思って、早起きしてほぼ午前中に終わらせたけど、まあまあヘロヘロ。曇ってたのがせめてもの救い。日傘が必携の季節になってきた。
7月になると、山や都市公園の林で繁殖する多くの小鳥の繁殖期は、すでにほぼ終了。囀りもすっかり少なくなってる。
河川敷の草地周辺で繁殖する鳥は、というと。今日時点でも、ウグイスやホオジロはまだまだ囀っている。セッカもまぁあ囀っていたし、オオヨシキリにいたっては、田んぼ周りの小さなヨシ原でも囀っている。むしろこの季節の方が囀っている個体は多いかも。囀っているということは、少なくともオスは、営巣を始める気があるってことなんだろう。
林でもウグイスやメジロは今でも囀っているし、まだ営巣始める気がある小鳥はいる。が、全体的には、林の鳥の繁殖期が早めに終わるのに対して、草地の鳥の繁殖期は長く続きがちと言っていいように思う。
林で繁殖する小鳥の多くにとって、鱗翅類幼虫が子育てに重要な食物。繁殖期はその発生のタイミングに合わせると言われたりする。
草地の鳥の繁殖期が長めだとしたら、それは子育てに使う食物が長く利用可能ということなんだろうか。直翅類であれば、長く利用できそうな気がする。